【閲覧CP注意】ネリネ「スグリ、すこし時間はありますか?」【SS】

  • 11/524/03/15(金) 21:15:22

    ブルーベリー学園で行われている学園生活最後の宴、プロムのさなかネリネはスグリに声をかけた

    スグリ「問題ないよ、ネリネ…人がいないところの方がいいかな?」

    その配慮にネリネは頷いた
    スグリの背後を見ると自分と同じようにドレスアップしたゼイユがグラス片手にカキツバタに小言を言っているようだ

    人のこないところと言われてもブルーベリー学園は海上にある
    プロムのが行われている会場も外を見れば海の中
    しかしバルコニーのような場所がありスグリはそこへネリネをエスコートする

    スグリ「おお、海のポケモンがいっぱいだ」

    バルコニーに出るとスグリは海中を泳いでいるポケモン達に目を奪われる
    ネリネもスグリの隣に立ち外を見る
    いつも見ているはずなのにこういう日にはまた違った見え方をするんだなとネリネは思った

    スグリ「それでネリネ、話って何かな?」
    ネリネ「…スグリが入学してもうすぐ一年ですね」
    スグリ「そうだね」
    ネリネ「最初に紹介されたときはゼイユの後ろに隠れながらであまり好印象とは言えませんでした」

    ネリネはスグリとの思い出を話す
    出会った日、バトルしているところを見学した日、姉とけんかしているのをなだめた日、林間学校へ行った日、そして一人で帰ってきた日…

    ネリネ「正直あの時は怖い感情を覚えたと記憶してます」
    スグリ「はは…今となっては恥ずかしい」

  • 22/524/03/15(金) 21:15:39

    それからスグリは怒涛の勢いでリーグ部の順位を上げていった
    そして四天王に挑戦してきてあっという間に自分を倒し、カキツバタもひれ伏していた

    ネリネ「悔しくもあり、うれしくもありました。スグリがチャンピオンでいればかかわる時間も増えるって…今思えばあの時にはあなたのことを気にかけていましたね」
    スグリ「…」

    ネリネはスグリを正面に見据える
    スグリも背筋を伸ばし姿勢を正す

    ネリネ「スグリ、ネリネはあなたのことが…好きなんだと思います。正直今の気持ち、好きであるとしか言えません」

    ネリネはスグリの目をまっすぐに見る
    普段のネリネであればこういうことを言うと眼鏡が曇ったと視線をそらしていただろう
    しかし今は違う

    ネリネ「ネリネは恋というものがよくわかりません。ただ、あなたのことが好き、それだけは言えます。ネリネは卒業してしまいますが、付き合ってもらえないでしょうか?」
    スグリ「…ありがとう。ネリネの思いはうれしい…」
    ネリネ「…」
    スグリ「だけどゴメン。俺にはその思いを受け止めることができない」
    ネリネ「…やはりそうですか…いえ…気にしないでください…」

    スグリが他の人が好きなことは最初から分かっていた
    だけど今、この思いも告げずに卒業してしまうことは今後の自分に悪影響があるのだとネリネは確信していた、だから今告白した

    ゼイユ「ちょっとスグ!カキツバタどうにかしてよ!も~!!」
    スグリ「あ、うん!今行く!そ、それじゃあネリネ…」

    ネリネはその言葉に黙ってうなずく
    スグリは会場に戻り、入れ替わるようにゼイユがネリネのそばによる

  • 33/524/03/15(金) 21:16:06

    ゼイユ「どうだったの?…ってその涙は聞くまでもないわね…」

    ゼイユに言われてネリネは初めて自分が泣いていることに気が付いた

    ネリネ「わかっていた…わかっていたはず…でも…でも…」
    ゼイユ「はいはい。今は泣きなさい。会場に聞こえちゃうからあたしの胸で泣きなさい」

    ゼイユはネリネを自分の胸に抱き寄せた
    背の高いゼイユはネリネの顔の位置にちょうど胸がある
    抱き寄せればそのまま包み込まれ、ネリネは声を殺して泣いた

    ゼイユ「(はぁ…我が弟ながら女の子の扱いが雑ね)」

    どれくらいの時間がたったのかネリネが顔をあげる

    ネリネ「ゼイユ、ゼイユはなぜ男じゃない?こんなにぺったんこなのに」
    ゼイユ「何ケンカ売ってるのよ?」
    ネリネ「ゼイユが男だったら…ネリネはゼイユに告白していた…年の離れた相手より…自分と同じ学年のあなたに…」

    ネリネは再びゼイユの胸に顔をうずめる

    ゼイユ「はぁ、あんたね…仮によ、仮に、もし、あたしが男であったとして、スグリの代わりにあたしに告白してそれで付き合ったとして、あんたは満足すると思う?」
    ネリネ「…たぶんできない…スグリとゼイユじゃ違いすぎる…」
    ゼイユ「そう、あたしが男であってもあたしはスグリじゃない。代わりにはなれないのよ」

    ゼイユはネリネの頭をなでる

  • 44/524/03/15(金) 21:16:30

    ゼイユ「まあ、あんたに告白されてもオーケー出すとは思えないけどね」
    ネリネ「ネリネに同性愛の趣味はない」
    ゼイユ「あたしが男だったらの話よ!あたしも同性愛の趣味はない!!」

    それを聞いてネリネは笑う
    いつもそうだ。ネリネが落ち込んだ時や悲しんだ時、ゼイユはこうやって慰めてくれた
    それがいつもありがたかった

    ネリネは再び顔をあげる

    ネリネ「ありがとうゼイユ。すっきりした」
    ゼイユ「そう、それじゃあ会場に…そのまえに顔を洗って化粧直しした方がいいわね。こっそり会場から出ないと」

    ゼイユは目元が少し腫れているネリネを見て言う

    二人はこっそりと会場に戻りそのまま隅を歩いて再び会場を出ようとする
    途中でタロの前に卒業予定の男子生徒が一列に並んでタロに何かを言っているのが見えた
    タロの後ろではアカマツがリストを持ち何かを記入している

    食事をおいてあるエリアではカキツバタが皿に大量の料理を載せていた
    スグリとアオイがそれを呆れたように眺めている
    ふと二人の手元を見ると二人が見えないように手をつないでいるのを見てしまった
    わかっていた。最初から自分の入る好きなどないことを
    自分の思いは伝えた
    それでだめだったのだ、諦めるしかない

    ネリネとゼイユは化粧直しのためにトイレへと向かった
    冷たい水で顔を冷やし目元の腫れを抑える
    そのあとゼイユが化粧を直してくれる

  • 55/524/03/15(金) 21:51:05

    ゼイユ「ま、こんなもんでしょ」
    ネリネ「ありがとう」
    ゼイユ「あたしは先に会場戻るけど、ネリネは落ち着いたら戻ってきなさいよ。このまま部屋に戻ったりするとほかの人に騒がれるのも面倒だしね」

    それを聞いてネリネは頷く
    ゼイユは微笑んでから会場に戻っていった

    一人になってしばらくぼーっとするネリネ
    どれくらい経ったか、いつまでいてもしょうがないと会場に戻る

    ???「ネ、ネリネ…今ちょっといいかな?」

    会場に入ろうとすると声をかけられた
    そこにいたのは同じクラスの男子生徒だった

    ネリネ「問題ない」
    男子生徒「そ、それじゃあ二人っきりで話せないかな?」

    ネリネはその男子生徒を見て思った
    ああ、スグリもこんな気持ちだったのかなと
    いやでも、やっぱり今の自分の気持ちとは違うのかもしれない

    ~終~

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 21:51:25

    ネリ×ゼイっていいよね

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 23:03:23

    このレスは削除されています

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:03:13

    ネリゼイかぁ

オススメ

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