- 1二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:20:31
列車を降り、星槎海に降り立つ。 自身がもう追われる身ではないことは頭では分かっているものの、やはりまだどうしても慣れなくて周囲に気を巡らせてしまう。
ダメだ、今日は羅浮に美味しい物を食べに来た筈なのに、このままじゃ美味しい料理もロクに味わえやしない。
そう思い、俺が幾度か深呼吸を繰り返していると…背後から、聞き覚えのある騒がしい声が聞こえてきた。
「無口く〜ん!!」
振り返らずとも分かる。俺をこんな風に呼ぶのは一人しかいない。
「やっほ、また羅浮に来てたんだね」
案の定、俺の目の前には素裳がいた。
「ああ。俺も落ち着いて仙舟を見て回れるようになったからな。」
「ふーん、何だか知らないけど…てことは観光に来たって事だよね!」
人の事を無闇矢鱈に詮索しようとしないところは、彼女の良い所だ。
「そうだ。美味しい物でも食べに行こうかと思ってな。」
俺がそう口にした途端、彼女は途端に目の色を変え…
「美味しい物が知りたいの!?それならアタシに任せて!!」
と食いついてきた。
「羅浮の美食といえば金人港!金人港といえばアタシ!無口くんは知らないかもだけど〜…アタシね、実は前に金人港を危機から救ったことあるんだよね〜」
「知っている。あいつから聞いた。」
彼女とあいつ(開拓者)が、金人港を借金から救ったという自慢は耳が痛くなるほど聞いている。
「そういえば…」
アレからあいつがやたらと点と点を線で結ぶことに躍起になるようになった事について聞こうかと思ったが……まあ、今はそんな事はどうでもいいだろう。
「どしたの?」
「いや、何でもない。忘れてくれ。」
「まあとにかく!つまり羅浮の美食が知りたいならこの素裳さまに任せとけばいいってコト!ほら行こ!アタシが案内してあげる!」
そう言うと、俺の是非を聞き届ける前に彼女は俺の手を掴み走り出した。
「待て、雲騎軍の仕事はいいのか?」
「いいのいいの!アタシ今日は非番だから!」
…どうやら、今回は彼女に付き合うしかなさそうだ。
小さくため息を吐いてから、俺は大人しく彼女に案内されることにした………
っていうのが読めるって太卜に占ってもらったんですけどどなたが読ませてくださるんですか? - 2二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:22:09
もうそのまま書けばいいのでは…?
- 3二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:23:30
素裳とたんこうのカプではないけど二人の絡みpixivとか探してもないから助かる
- 4二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:35:41
そこまで書いたなら書けるだろ
- 5二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:53:29
続き気になる
- 6二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 00:59:35
続けて?
- 7二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 01:12:15
需要がありすぎるから書いてくれ
- 8二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 01:18:42
不思議なくらい思いつかなかった2人だ……
- 9二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 01:59:11
仕方ないなぁ…
素裳に連れられてやってきた金人港は、俺の記憶よりも賑わっていた。
「ふふん、どう?アタシたちが復興した金人港は!」
「…はっきり言って驚いた。まさかここまでのものとは」
「でしょでしょ?私達頑張ったんだから!」
誇らしげな雰囲気が、全身から伝わってくる。
「ああ…凄いな。流石だ。」
俺が何となくそう呟くと、彼女は途端に顔を赤くし照れ臭そうにそっぽを向いてしまった。
「…どうした?」
「…無口くんにそんなはっきり褒められるとは思ってなくて……」
「…そうか」
俺は…そんな性格だと思われているのだろうか……
「コホン…と、とりあえず!早速アタシが無口くんに金人港の美味しい料理を紹介するよ!」
気を取り直して、と言わんばかりにわざとらしい咳払いを挟み、彼女はまた俺の手を引いて真っ先にある店へと向かっていった。
「……わざわざ手を繋がなくても俺ははぐれたりしない」
流石に、こんな人が行き交う往来の真ん中で女性に手を引かれるのは少し小恥ずかしい。俺が努めて穏便にそう言うと、素裳はほんの数秒の沈黙の後に思いきり顔を真っ赤にして手を振り払った。
「ご、ごごごごごめん!!!!アタシなんて恥ずかしい真似を…………」
「気にしなくてもいい。俺は大して気にしていない。」
「そ、そう……それはそれでなんだか悔しい気が……」
ボソボソと何かを呟く素裳だったが、それがなんと言っているのかは俺には聞き取れなかった。
「それで、ここがおすすめの店か?」
「そう!金人港といえばやっぱりココ!尚滋味!」
俺の目の前に佇むその店は、見た目こそ素朴で庶民的であるものの、無意識に人を惹き付ける魅力があった。その魅力のうちの一つが、店の周囲に漂うこの色彩豊かな料理の香りだろう。嗅いでいるだけで腹が減り、食欲を刺激される匂いだ。
「素裳、この店のオススメは何なんだ?」
俺からの突然の質問に、素裳は一瞬ぽかんとしたあと、すぐに大量の料理の名前を羅列しだした。
「いい質問だね!このお店の料理はどれも美味しいよ!!でもねー、アタシがおすすめするならねー……やっぱりこれかな!牛もつ乱切りのラー油和え!!それとねー、茎ニンニクの豚バラ炒めでしょ?九九九手打ち肉団子でしょ?パリパリキュウリの辣子鶏でしょ?あとは陳婆豆腐に〜〜」
「分かった。じゃあそれを全部貰おう。」 - 10二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 02:07:21
うお急に来るじゃん
- 11二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 02:21:43
金人港の料理買えるやつだけでも美味そうだもんなぁ
- 12二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 02:31:15
開拓者の唇奪おうとするのに躊躇なかった男だ、動じさせるのは手強いぞ
- 13二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 02:48:24
知り合い以上友達未満(丹恒視点)の関係性良いね
- 14二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 11:16:28
待ちきれなかった。今にも腹が大きな音を立ててしまいそうなほど俺の食欲は限界だった。
「全部!?凄いね無口くん、意外と大食い……」
まさか俺自身も、ここまで食欲を掻き立てられるとは思っていなかった。
料理を注文し、届くのを待つ。
届いた料理はどれも流麗で、列車の車窓から見上げる星空のように美しかった。
俺は素裳と共に、届いた料理を一口、一口と口に運んでいった。
美味しい。その場にある全ての料理が美味しかった。特に牛もつ乱切りのラー油和えは、その大きくも食べやすいサイズ感とラー油の刺激的な味わいが食欲を煽り、俺の箸を動かす手を止まらなくさせた。
結局、俺はあっという間に届いた料理を完食してしまった。
そして食べ終わって初めて、素裳がなんとも言えない顔で俺を見ていることに気がついた。
「……どうした?」
「…無口くんってホントに意外と大食いなんだな…って思って」
明らかに引かれていた。よほど彼女のイメージする俺と乖離していたのだろう。
「…お前は俺のことをどんな風に捉えてるんだ」
「…食べ物とか食べなさそう」
「怒るぞ」
「ごめんって」
俺は仙人か何かか。
その言葉を聞き、以前三月にも
「丹恒ってさー、大食いとかしてるところ全然想像つかないよね。チャーハン一杯で3年ぐらいは平気そう」と言われてしまった事を思い出し、俺は少し落ち込んだ
「無口くん?ごめん、怒らせたかな」
「……気にしなくていい。大体三月のせいだ。」
「そ、そう……」
「とにかく…ここの料理は凄く美味かった。ありがとう。」
俺がそう礼を言い、離れようとすると…
「待って待って待って待って!!!どこ行くの!?まさか尚滋味だけで満足っていうんじゃないよね!?ほらまだアタシの案内は始まったばかりなんだから、どんどん見て回るよ!!」
あっという間に捕まえられてしまった。
「今日一日は離さないからね!」
…どうやら、本当に俺を解放する気はなさそうだ。
俺は小さくため息をつき、彼女の後を追いはじめた。 - 15二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 15:15:06
ありがとうございます!!!!!
- 16二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 18:05:32
このコンビ好きだったから助かる〜
- 17二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 18:13:35
桂ちゃんとなのに目撃されて後でいじられてほしい
- 18二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 03:17:46
続きを座して待つ