魔法少女を集めてバトロワするスレ3

  • 1◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 01:53:24

    皆さんから魔法少女を集めてデスゲームに参加させるスレ(3スレ目)です。(本編は1が書きます)



    キャラクターの生死などはダイスで決めますが、安価はあまり取らない(アイデアをお願いすることはちょくちょくあります)ので、そこだけご了承いただけると幸いです。



    詳細はこちらから


    https://w.atwiki.jp/mahousyouzyobr/pages/1.html

  • 2◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 01:55:42
  • 3二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 02:15:27

    保守うめ

  • 4◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:15:37

    これまでのバトルロワイアル

    1.桐ヶ谷 裂華/ジャック・ザ・リッパー:『なんでも武器に変えられるよ』

    殺人鬼。日課は殺人と細工(意味深)。好みの相手しか殺さず、好みじゃない相手は絶対に殺さない。

    清原稞美/ウェンディゴ→ロワ開始前から知り合い。互いに「疫病神」「殺人鬼」と呼び合う仲。一緒にカラオケ行ったこともある。

    妃咲 希/ティターニア→ポイント高めの相手。殺したい。

    薬師院怜那/ミョルニル→ロワ初遭遇の相手。殺意をぶつけられたが好みじゃなかったのでスルー。興味なし。

    汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ→真美のオマケ。好みじゃないので殺したくない。

    七海真美→ポイント高めの相手。殺したい。ティターニアとどっちがポイント高いかは不明。

  • 5◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:20:44

    【星月 夜(ほしつき よる)/アルセーヌ】:『千の貌を切り替えて使うよ』
    怪盗少女。中身は邪神。あにまん学園魔法少女部所属
。
    裁原 編/パペッタン:まぁまぁ嫌い。詳細は不明。
    夜祖神 髑髏/ドレッドノート:殺された。
    王城 姫子/クィーン:墓場で一緒に遊んだ。彼女を庇ったのが死因。
    岸村 文華/パラサイトドール:旧友。それはそれとして魔法の国に攻め込む。

  • 6◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:23:23

    【ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ】:『体を自在に鍛えられるよ』
    ブラジルから来た柔術使い。日本語勉強中。日課は他の魔法少女に喧嘩を売ること。
    轟 猫耳/ネコサンダー:喧嘩を売ったのに逃げられた。まぁまぁ嫌い。

  • 7◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:32:38

    4.【妃咲 希/ティターニア】:『魔法の大剣からビームが撃てるよ』
    あにまん市最強の魔法少女。職業は高校教師(現代社会)。日課は治安維持と若手の育成。
    玉柳 水華/アレヰ・スタア:三日間稽古をつけた。
    槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー:幼馴染。腐れ縁。
    王 龍明/ブレイズドラゴン:昔戦ったことがあり、その際は決着がつかなかった。
    天城千郷:暴れているところを取り押さえたり必殺技に巻き込まれそうになったりした。
    裁原編/パペッタン→テンガイに殺されかけた所を助けた。元々の編は教え子の一人。
    再世優/テンガイ→教え子を殺された。ぶっ殺し対象。
    山田 浅悧/慈斬→教え子。剣道部の顧問と生徒でもある。ゲーム開始時から合流に成功。
    メリア・スーザン→仲間。
    メリア・スーザン/メンダシウム→激闘を繰り広げた相手。
    あ/ああああ→ぶっ殺し対象。

  • 8◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:36:30

    5.【清原稞美/ウェンディゴ】:『友達をあの世に連れて行くよ』
    ペストマスク系魔法少女。疫病神。日課は魔法のコントロールの練習。
    桐ヶ谷裂華/ジャック・ザ・リッパー:知り合い。互いに「殺人鬼」「疫病神」と呼び合う。
    轟 猫耳/ネコサンダー:現在共に行動中。ごめんね。
    王 龍明/ブレイズドラゴン:誘蛾灯にされている。この人に関しては自業自得でしょ。

  • 9◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:39:38

    6.【薬師院怜那/ミョルニル】:『怪我の治りがすごく早いよ』
    お嬢様系魔法少女。クリックベイトのことが大好き。日課は犯罪者の取り締まり。
    佐々利 こぼね/クリックベイト:大好き。彼女のためにゲームに乗ったが、絶賛悩み中。
    桐ヶ谷 裂華/ジャック・ザ・リッパー:ゲーム内で初めて遭遇したが、襲う踏ん切りがつかなかった。

  • 10◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:43:59

    7.【夜祖神 髑髏/ドレッドノート】:『もう何も怖くないよ』
    魔王系魔法少女。元サブカル系魔法少女。趣味はヒーロー映画鑑賞。
    麦/ヒートハウンド:本編開始前に交戦経験あり。詳細不明。
    ナサリーブラウン:昔書いてたネット小説の熱心な読者。面識無し。
    星月 夜/アルセーヌ:天敵ぽかったがぶっ殺した。
    王城 姫子/クィーン:恐るるに足らず。

  • 11◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:48:30

    8.【刈屋 伊織/ミストアイ】:『ステッキから魔法の弾丸を飛ばすよ』
    狙撃系魔法少女。規律を重んじる。日課は深夜の街の監視。
    山田 浅悧/慈斬:レディースの総長をやっていた姉を病院送りにされた。
    和妻 颯葵/トリックスター:テンガイの命令で殺した。
    再世 優/テンガイ:生殺与奪を握られている。怖い。
    抜刀 金:テンガイの命令で命を狙ったが、逃げられた。

  • 12◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:52:03

    9.【轟 猫耳/ネコサンダー】:『雷ネコに変身できるよ』
    雷+猫+ラノベオタク系魔法少女。犬系が多い本ロワでは珍しい猫系。日課はコスプレ美女として写真撮影。
    佐々利 こぼね/クリックベイト:同じ高校に所属。まぁまぁ好き。
    清原 稞美/ウェンディゴ:同行。色々勘違いしているが気づいていない。
    王 龍明/ブレイズドラゴン:同行。色々勘違いしているが気づいていない。

  • 13◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:54:42

    10.【松崎 新一郎/ハートプリンセス】:『どんな場所にも旅行に行けるよ』
     バ美肉系魔法少女。メンヘラ。食べられる物を食べる。
    栗田 柿子/ジャスティスファイア:好き。詳細不明。
    らいと/フライフィアー:襲ってみたがあっけなく拘束され、爆発して逃亡した。

  • 14◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 02:55:38

    思ったより時間かかったので、本日はここまでとさせていただきます……!

    3スレ目もよろしくお願い致します……!

  • 15二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 02:57:23

    お疲れ様でした〜
    思えば長かったけどなんだかんだ皆に愛着が湧いたな

  • 16二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 07:40:09

    建て乙です〜

  • 17二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 08:55:19

    わーい簡易キャラ紹介のコーナーだ
    何気にスレ主視点から見た各魔法少女の印象が知れる機会だから助かる

  • 18二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 09:28:34

    立て乙
    簡易紹介といっても40人以上やらないといけないから大変だな

  • 19二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 12:05:25

    たておつです
    今から2周目もたのしみ

  • 20二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 13:52:26

    ティターニアとブレイズドラゴン戦ったことあったのか
    マ・ワ・シ・ウ・ケでエクスカリバー受け流してそうな雰囲気ある

  • 21二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 13:54:53

    魔力を纏ったり体外に放出した時点でマジカルストラッシュの前にはなす術なしなので純粋な肉体強化系が一番相性良いのかも知れない

  • 22二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 14:53:56

    そう考えると筋力強化+近接戦闘特化のバルバロイは対ティターニア向きかもしれない
    近接で勝てるかどうかはともかくとして

  • 23二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 16:11:15

    ネコサンダーさんの「雷ネコ」とはそもそも何なのか
    この世界においてはピカチュウみたいな言わずと知れたものなの…?

  • 24二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 17:00:59

    ボーボボのタクアンみたいに居るものかもしれない…(言われてみれば確かに何だろう…?)

  • 25二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 19:25:37

    雷ネコ

    雷神

    ふと脳裏をよぎった

  • 26二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 19:46:36

    和雷
    解ネコ
    せと

  • 27◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:44:16

    投下します……!

  • 28◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:44:41

     絶対のクライオニクスを攻略せんと挑んだ者は多い。
     その中で最もポピュラーな手段が「火」である。
     彼女を始末するために炎系魔法少女を雇い、ぶつける。
     セオリー通りであり、対魔法少女戦闘において、相性は最も重要な要素。
     現にジャスティスファイアは、クライオニクスと相対し、未だ冷却されていない。
     ——そうやって、炎系であることに胡坐をかいた魔法少女を、クライオニクスは全て葬って来た。

    「さようなら」

     翼が動く。
     弾丸を超える速度で動く翼に、大抵の魔法少女は対応できない。
     触れれば凍る。
     それは、死を意味する。
     空気さえも冷却された空間で氷の天使の翼がはためき
     ——空を切る。
     一瞬で側面に回り込んだジャスティスファイアの口がガシャンと開き——業火が放たれる。

  • 29◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:45:09

    「ジャスティス・ファイア!」

     魔法少女を一撃で焼死させる程の火力。
     ジャスティスファイアは、一つの兵器である。
     クライオニクスの守りの要である翼は攻撃に使ってしまい、コートのポケットに両手を突っ込んだまま無防備を晒している。
     一切の容赦なく放たれる炎。
     正義の炎はクライオニクスを呑み込まんと迫り——翼の壁に阻まれる。

    「「速い」」

     二人の声が重なる。
     クライオニクスはジャスティスファイアの機動力を称賛し、ジャスティスファイアはクライオニクスの翼の速度に戦慄していた。
     一筋縄ではいかない相手。

    「なら、面で攻めるわ」

     クライオニクスの翼がさざめく。

    (何をするつもりだ……?)

  • 30◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:45:33

     次なる攻撃に備え、ジャスティスファイアは四肢に力を籠める。
     ——ジャスティスファイアの視界を、翼が覆い隠した。

    「——な」

     クライオニクスの取った手段はシンプルだった。
     翼を構成している氷の羽根一枚一枚を、分離させ、ジャスティスファイアへと射出したのだ。
     弾丸のように放たれる羽根。それが一枚であればジャスティスファイアは難なく躱したであろう。
     だが、放たれた羽根は、当然一枚ではない。
     百を軽く超える羽根が、ジャスティスファイアの逃げ場を塞ぐように襲いかかる。
     質量が減ったから安全、なわけがない。
     触れれば凍らされる。
     それは、翼が羽根に変わっても何も変わらない。
     被弾ゼロで逃げることは出来ない。
     ならば、取れる手段は一つ。

  • 31◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:46:01

     ガシャンとジャスティスファイアの口が開き、炎が羽根を迎撃する。
     羽根は瞬時に溶けていくが、足りない。
     消失を逃れた翼が、正義の犬を凍らさんと迫り

    「ジャスティス・シールド!」

     展開されるのは、ドーム状の炎の壁。
     翼はジャスティスファイアに届くことなく消えていく。

    「器用ね」

    「そんなものですか、クライオニクス。
     貴女の噂は聞いていますよ……上に命令されればどんな外道な行為にも手を染める、冷酷無比な……『小悪党』だと……」

    「そう。ごめんなさい。私はあなたのことを知らないわ。捨て犬なのかしら」

     能力が噛み合う。噛み合うが故の膠着状態。
     ただの炎系なら翼の速さに適応できず、触れられ終わっていた。
     だが、ジャスティスファイアは、速い。
     そして炎を操る魔法も使いこなしている。

  • 32◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:46:41

    (戦闘が成立したのなんて、随分と久しぶりだわ……)

     クライオニクスは白い息を吐く。

    (ああ、なんて、忌々しい……)

     クライオニクスの心に、戦闘を楽しむ余分は無い。
     より早く、より確実に、任務を達成する。
     どこまでも無感情に。どこまでも冷酷に。

    (……まさかこれを使うことになるなんてね)

     なるほど、翼でも羽根でも、ジャスティスファイアを捉えられない。
     クライオニクスは、地を蹴った。
     翼がはためく。
     そのままクライオニクスは——浮上した。

    「飛んだ!?」

    「あら、翼が生えているのだから、当然でしょう」

     翼がはためく度にクライオニクスの高度は上昇する。

    「逃げるつもりですか……?」

  • 33◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:47:04

    「それもいいのだけれど」

     クライオニクスの指が眼下を、ジャスティスファイアを指差す。
     魔法陣が展開される。
     最初は指先程の大きさしかなかったが、一瞬でクライオニクスを超え、際限なく広がり続ける。

    「凍らせられないなら——潰すわ」

     月光が遮られる。
     ぐるる……とジャスティスファイアは唸った。
     かつてこの地には旅館が建っていた。
     温泉、エステ、美容院が付随したリラクゼーションテーマパークだった。
     その旅館を——優に超える質量の、大氷塊が空から堕ちてくる。

     「——アイズベルク」

      氷山を意味する言葉をクライオニクスは呟く。
      かくして、全てを潰す一撃が放たれた。

  • 34◆xaazwm17IRZa24/03/18(月) 22:47:19

    投下を終了します……!

  • 35二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 22:50:58

    あにまん市施設案

    【名前】
    掩蔽壕
    【説明】
    地下下水道の最奥・最深部から繋がる旧日本軍が残した地下軍事施設。
    今ではあにまん市の霊脈を地下から操作するハブの一つとして運営に利用されている。
    運営が保有するマジックアイテムやバトロワの情報、旧軍の銃火器が保管されており、もし辿り着くことができればバトルロワイアルを有利に進めることができるだろう。
    もしここで戦闘を行う際には、放出系魔法少女には極めて不利な閉所であることを念頭に置かなければならない。

  • 36二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 07:24:23

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 07:50:03

    氷魔法の強いところだな質量攻撃に切り替えれるのは
    それにしても両者、実力が拮抗しているのが珍しい

  • 38二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 09:03:06

    大規模攻撃まで持ってるあたりやっぱ強いというか上位クラスなんだな

  • 39二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 16:43:03

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 18:43:32

    あにまん市裏バイトの舞台になりそうなぐらい厄ネタが多い

  • 41二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 20:37:22

    マグマ=溶けた岩石による質量攻撃ならジャスティスファイアも設定上はできるんだよね
    相反する能力同士で良い具合に拮抗してて面白い試合だ

  • 42二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 22:39:43

    唐突に思ったんだが転生した後のテンガイってどうなってんだろう
    残ってた場合は天の骸になんのかな

  • 43◆xaazwm17IRZa24/03/20(水) 03:03:14

    申し訳ない、今日は投下できないです……!

  • 44二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 03:20:50

    お疲れ様です〜
    むしろ今まで毎日投稿ありがとうございました…

  • 45二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 09:43:46

    建物サイズの氷塊からどう逃れるか見もの

  • 46二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 14:18:13

    施設案
    【名前】
    名前のない駅
    【説明】
    あにまん市でまことしやかに語られている都市伝説の一つ
    地下鉄に乗っていると名前の存在しない駅に辿り着くことがあり電車から降りずにいれば帰れるが
    降りたら二度と戻って来れないという話に登場する駅のホーム以外何も存在しない駅
    その正体はかつて存在したボスエネミーの巣でエネミー自体は数年前に数名の魔法少女によって討伐されたが駅だけは残った
    一般人が迷い込むことは殆どなくなったが魔法少女ならば簡単にアクセスできる

  • 47二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 16:41:56

    >>45

    ・マグマの質量盾で対抗

    ・アロンダイトが復活して一蹴

    ・温泉に潜って回避

    さあどれだ

  • 48二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 19:01:48

    アロンダイトがクライオニクスの残したステッキで武装錬金するとしたら、生存ダイスの数値的に富島千秋が試し切りされそうで恐ろしい
    こっそり振られたアロンダイトの生存値が分岐点だったり…?

  • 49二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 20:52:15

    妖精の武器を作れるよ!とかいう使い手がアロンダイトでさえなければ天下取れそうな魔法

  • 50二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 21:30:45

    一般人案
    【名前】
    アレックス・J・ウォーカー
    【説明】
     金髪をオールバックに纏め、高価なスーツを身につけたアメリカ人男性。45歳。いわゆる暗黒金持ち。
     魔法国との違法な取引(魔法少女専門の人身売買、魔法少女傭兵ビジネス、エネミーの兵器化)で財を成し、アメリカ合衆国政府そのものにすら圧力をかけられるほどに強大な財閥を作り上げており、バトロワ運営を外からサポートする。彼が死んでもサポートは続けられる。
     現在は歓楽街中心部に聳えるナイトクラブ〝Man-Man〟のVIPエリア最奥部に位置する核シェルターで暗黒金持ち仲間と共にバトロワ生中継を鑑賞している。
     バトロワと運営を操っていると思い込んでいるが、実際はパラサイトドールの傀儡である。

  • 51◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:15:47

    投下します……!

  • 52◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:16:09

     氷山が、降って来る。
     人界では絶対にあり得ないことも、魔法は容易く実現する。
     迫る絶望的な大質量を前に、ジャスティスファイアは動じなかった。
     ——分かってますよ、ジョン。この程度の攻撃は、既に想定済みです。
     ジャスティスファイアには、魔法少女の経験が極めて薄い。
     半年程度のブラックブレイドと比較してもなお短く、実質的には三か月程度である。
     だがそれは、ジャスティスファイアの戦闘経験が未熟であることを示さない。
     あにまん市への潜入のために魔法少女へ『改造』されたジャスティスファイアは、訪日する前から様々な状況をシミュレーションした戦闘実験をクリアしている。
     それは、あにまん市最強の魔法少女、ティターニアとの戦闘までも含まれ、万が一、彼女と交戦状態に陥ってもジャスティスファイアは十分に戦えるとFBIからお墨付きが出ている。

  • 53◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:17:23

     故に、落下する大氷塊を前にしても、ジャスティスファイアに焦りは視られなかった。
     ジャスティスファイアの目が発光する! 
     正義の炎が熱く燃えている! あの日の星条旗に誓った約束を果たす時!

    『USA! USA! USA!』

     ジャスティスファイアの脳内にUSA因子が巡り、大規模魔法の発動準備が整う。
     頭上に魔法陣が出現した。最初は直径30センチにも満たない大きさだったが、アメリカ合衆国が常に経済成長を続けることを証明するかのように円は一瞬で拡大する。

    『魔法名・ジャスティスメテオ。発動準備完了。承認しますか?』

    『承認』

    『ジャスティスメテオ、発射します。グッドラック』

     ——一瞬で、周囲の温度が100℃上昇した。
     極寒から灼熱へ。
     人類が活動できない領域の中、大氷塊に向かって打ち上げられるのは、流星。

  • 54◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:18:14

     其れは、氷山落下と同程度に、人知を超えた現象だった。
     燃え滾ったケイ酸塩鉱物が、空中に向かって撃たれる。
     ジャスティスファイアが生成できるのは炎だけではない。
     マグマ……岩石が溶けて生じた、高温で溶融状態にある造岩物質もまた、生成できる。
     撃ちだされたマグマと大氷塊が衝突する。
     氷山VS隕石。かつて地球の何処かで起こったかもしれない激突。異なるのは、今回は氷山が上で、隕石が下である。
     大質量の氷山が瞬く間に蒸発する。マグマが冷えて固まっていく。
     賭けでもあった。
     もし、ジャスティスメテオが敗北すれば、氷山だけでなく、冷却され固体へと戻ったマグマも一緒に落ちてくる。落下する質量を徒に増やす愚行かもしれない。
     だが、勝利すれば。

    (——正義は、負けない)

     冷戦で勝利したのはどちらだったか、歴史が証明している。

  • 55◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:18:54

     宇宙開発競争で勝利したのもどちらだったのかも。
     ジャスティスファイアは自らの性能を信じる。
     アメリカ合衆国の技術を、人材を、そして正義を信じる。
     彼女の燃え盛る正義に応えるように、ジャスティスメテオは氷山を気体に変えていく。
     明らかに、勢いが勝っている。
     とうとう大氷塊は半ばまで消失した。
     マグマも三割ほど冷えてしまったが、それでも大質量をクライオニクスにぶつけることが出来る。
     これだけの大質量を凍結させることは容易には出来ないだろう。
     ジャスティスファイアは勝利を確信する。

    「驚いたわ」

     クライオニクスは大氷塊を消しながら自らに迫る正義の鉄槌を見下ろしていた。
     勝負が成立するだけでも珍しいのに、まさかアイズベルクまで攻略されるとは。
     クライオニクスはジャスティスファイアを自らを殺しうる魔法少女だと評価を上方修正する。

  • 56◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:19:16

    「じゃあ、二峰はどうかしら?」

  • 57◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:19:32

    「……そんな馬鹿な」

     空を見上げ、ジャスティスファイアの口から掠れ声が漏れた。
     氷山が、降ってくる。
     半ば以上溶けた一つ目の大氷塊、その上方に同程度の大きさの大氷塊が出現している。
     重力に従い、大氷塊は落下する。
     溶けかかっていた最初の氷塊を呑み込み、ジャスティスメテオと接触する。
     ——足りない。
     二峰の氷山を溶かす程の熱量を、ジャスティスメテオは持ちえない。
     魔法が解け、リアル(物理法則)が顕れる。

  • 58◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:19:48

     物質は、上から下へと落ちる。
     月光が遮られ、夜の濃度が深くなる。
     質量の暴力が、大地を蹂躙する。
     地面は捲れ上がり、土煙が天高く昇っていく。
     皮肉にもそれは、隕石の衝突に酷似していた。
     翼を優雅にはためかせながら、クライオニクスは自らが起こした大破壊を見下ろす。
     命を奪った感慨も無く、強敵を葬った歓喜も無く。
     絶対は、静寂の空で女王の如く君臨した。

  • 59◆xaazwm17IRZa24/03/21(木) 01:20:08

    投下を終了します……!

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 01:27:15

    乙です、代理戦争染みてるけど国的に因縁ありまくりだからそりゃあそうも見えますね。揺がない女王の威厳が勝ったけどUSA唱えてこのままあっけなく終わるのでは無いと思いたい!

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 04:38:30

    流石に一国の最強は伊達じゃないな…
    アメリカは他にも魔法少女を抱えてるだろうしジャスティスファイアはその中で最強って訳じゃないんだろう

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 07:48:38

    今は小出しで済んでいるけど、なり振り構わなくなって物量攻めに切り替わる未来が怖いなぁ…

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 07:55:05

    消費魔力UPのデバフを受けたうえで大規模魔法を二連発できる辺りプロ魔法少女の肩書きは伊達じゃないらしい

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 13:07:12

    防御も機動力もある上でこれだから本当に強い

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 18:21:44

    スカイウィッチの能力は「飛ぶこと」だったけど逆説的に魔法少女にはデフォルトで飛ぶ機能が備わってないってことで、制空権を取れる子はすごく有利なんだな…

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 19:56:11

    空を飛ぶ事は進化の最先端でもあるので新型っぽさもある

  • 67二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 23:05:02

    上から攻めるだけでも単純にアドバンテージだし相手が遠距離攻撃出来ないなら常に退路を確保してることになるので心理的にも楽

  • 68◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:45:13

    投下します……!

  • 69◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:45:55

     クライオニクス——ナターリヤ・ミシェンコフが「魔法少女」を知ったのは四歳のときだった。
     テレビで放送されていた日本のアニメ、そこに描かれた正義のために悪者をやっつける魔法少女に、ナターリヤは憧れた。
     可愛い服を着て、かっこよく魔法を振るって、皆に褒められる。
     私も、魔法少女になりたい。
     ナターリヤの両親は幼い娘の幼気な妄想を否定することはしなかった。
     ナターリヤは可愛いからきっとなれるぞ、と父は言った。
     いい子にしていたらなれるわ、と母は言った。
     だからナターリヤはいつも可愛くて、いつもいい子になろうと思った。
     五歳の時に、自分の衣装を描いた。衣装はアニメそのままだったが、『氷の翼』というアイデアには自信があった。事実、センスがある、絵心があると両親は褒めてくれた。
     六歳の誕生日に、魔法のステッキを買ってもらった。日本から取り寄せてもらった。ナターリヤは嬉しくて、一日中ステッキを振り回し、家中に魔法をかけた。
     七歳になっても、まだナターリヤは魔法少女になれると思っていた。学校(シュコーラ)では、子どもっぽいと笑われたが、ナターリヤは気にしなかった。

  • 70◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:46:14

     八歳のある日、空から爆弾が落ちてきて、両親はいなくなった。ナターリヤは魔法が存在しないことに気づいた。

  • 71◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:47:10

     クライオニクスは、白い息を吐いた。
     普段以上に疲労を感じる。
     久しぶりに本気を出したから? 違う。

    (此処は、消費魔力が増大するのね……)

     あにまん市が特殊なのか、このゲームが特殊なのか。
     序盤で気づくことが出来たのは僥倖だ。
     未だキルスコアは三。最初の空間に居た参加者の数を考えれば、日が昇る前に十は殺しておきたい。

    (一度地上に戻ろうかしら。飛んでいるだけで魔力を消費するし)

     飛行能力を持つ魔法少女は希少であり、保有しているだけで大きなアドバンテージを得る。

  • 72◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:47:30

     だが、総じて飛行能力者は魔力消費が激しい。
     戦闘機の魔法少女、フライフィアーもまた、燃料補給という戦闘機の特性を引き摺っている故か、飛行可能時間は限られている。
     歩くのと変わらない消費量で空中飛行を可能にしていたスカイウィッチという天才も居るが、例外事項である。
     クライオニクスもまた、未だ魔力量に余裕はあるが、消費されていることは変わらない。
     翼をはためかせ、下界に降りようとし。

    「うん……?」

     妙だ、と思った。
     二峰の氷山落下により、土煙が巻き上がっている。そのせいで下界の様子はよく見えない。身体スペックは魔法少女の平均を逸脱しないクライオニクスは、土煙が晴れるまで下の状況は見えない。
     ……土煙の数が、異様に多い。地質の問題だろうか。

    「…………おかしい」

     土煙が落下していない。永遠に巻き上がり続けている。

  • 73◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:48:07

     違う、これは土煙ではない。もっと細かく、もっと乾いた……。

    「……砂?」

    「ジャスティススピン!」

     ——砂の煙幕の中から、一つの影が飛び出してくる。
     ドリルのように螺旋状に回転する、機械仕掛けの猟犬。
     正義の炎がクライオニクスの眼前に迫る。
     どうして? と思考する暇も、どうすれば? と思考する時間もクライオニクスには無かった。
     背中のロケットブースターで加速しているジャスティスファイアはミサイルに匹敵する速度であり、対するクライオニクスの反応速度は人類の十倍程度でしかなかった。
     クライオニクスがジャスティスファイアを視認できたときには、二人の距離は十mもなく、クライオニクスの脳はここからジャスティスファイアに最適行動を取れない。
     炎の弾丸となってジャスティスファイアは呆然とするクライオニクスに特攻し——氷の翼に直撃する。

  • 74◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:48:52

     クライオニクスが反応できない。
     そんなことは彼女にとってまったく問題ではなかった。
     本体が反応できなくても、全自動で防御する氷の翼がある。
     迫撃砲も耐えきり、触れた相手を即座に凍結する絶対の矛であり盾。
     ジャスティスファイアの特攻は、絶対に阻まれ。

    「ジャスティスブースター! フルスロットル!」

     翼に触れた瞬間、ジャスティスファイアは再加速した。
     背のロケットブースターが悲鳴のような音を立てる。
     それを掻き消すように、纏う炎の勢いが増す。

    「ジャスティスッッッ! ジャスティスッッッ! ジャスティスッッッ!」

     狂気さえ感じる咆哮。炎は赤から青へ変化し、やがて透き通る。
     その温度、4000℃。
     原子爆弾に匹敵する火力が、一点に収束する。
     ジャスティスファイアの装甲が溶け始める。自らの炎が、ボディの耐久値をオーバーしている。

  • 75◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:49:26

     ——そして、クライオニクスの翼は、それ以下の耐熱性だった。
     翼が溶ける。絶対防御が消失する。
     後は瞬き程の時間も要らなかった。ジャスティスファイアがクライオニクスを『通過』する。
     それだけで良かった。たったそれだけで、クライオニクスの右半身は焼失していた。
     火傷、焦げる、炭化などの現象すら発生しない。ただこの世から消失する。
     4000℃の一点収束は魔法少女の肉体の頑丈性などまるで問題にしない。

    「…………ぁ」

     片翼の天使は、堕ちていく。
     何が起きたのか、何故自分が負けたのか、理解できないといいたげな、不思議そうな表情で。

    【ナターリヤ・ミシェンコフ/クライオニクス 死亡】
    【残り33人】

  • 76◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:49:55

     ナターリヤが八歳のとき、戦争が始まった。
     子どもだったナターリヤにとって、それは兆候も無く突然のことだった。
     ある日爆弾が落ちてきて、両親は死んだ。
     それは、ナターリヤの子供時代の終わりを意味していた。
     爆弾が落ちた時に両親だけでなく、感情までも持って行ってしまったのか、ナターリヤは氷のように笑わない少女になった。
     美貌は損なわれず、成績もトップクラスに優秀で、しかし周囲と孤立した少女。
     7年生の時に、勧誘を受けた。
     モデルなどの勧誘は日常茶飯事だったので、冷徹に断ろうとして。

    「魔法少女に、興味はありませんか」

     ——ナターリヤが、魔法少女の実在を知ったのは十三歳の時だった。
     彼女には、才能があった。
     『触れたものを凍らせるよ』。殆どの相手に何もさせずに完勝する魔法。

  • 77◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:50:17

     肉体の脆弱性(といっても魔法少女の平均程度はあったが)を補う氷の翼の発明。
     何より——彼女の一番の素養は、冷静沈着で冷酷無比なことだった。
     任務の達成率は100%。その過程で仲間が死のうが、一般人が死のうが頓着しない。
     必然、他の魔法少女からは嫌われ、事務所の運営スタッフも難色を示し、しかし一部のクライアントからは重宝された。
     クライオニクスは、ただ自らの市場価値を高め続けた。
     初等部を終える頃には、所属事務所で最強の存在となっていた。
     そして、中等部に上がるとき、とある北の大国から専属契約の申し出があった。
     クライオニクスは事務所に籍を残したまま、大国へ移住した。
     あらゆる汚れ仕事をこなした。たった三年で、彼女は大国最強の魔法少女と呼ばれるようになった。
     もっと歴戦のものは居た。もっと魔法の規模が大きい者も、もっと肉体スペックに優れた者はいた。それでも、クライオニクスが最強だったのは、他者を凍死させることに眉一つ動かさないその冷酷さにあった。

  • 78◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:50:51

    『お前、何処目指してんの?』

     それは、戦争屋と呼ばれた魔法少女との共同任務の時だったか。
     氷漬けにした魔法少女を砕きながら、クライオニクスは全身を返り血で汚した灰色の異形に振り向いた。

    『一生懸命任務こなしてるけどよぉ、お前あの国に忠誠心とか欠片もねぇだろ。かといって守銭奴でもねぇし、げっげっげ、俺っちみたいに殺しが大好きってわけでもねぇしな』

     普段のクライオニクスなら、同僚の言葉など無視した。ならばその時言葉を、それも本音を返したのは、何故だったのか。
     闇の世界を生きていたクライオニクスの目から見ても戦争屋は異常者だったからか。
     あるいは、今しがた殺した魔法少女は同じく大国に雇われていた元同僚であり、かつては共に任務をこなした相手だったことの感傷か。

    『ねぇグレンデル。あなた、こんな話を知っている?
     全ての魔法少女は——天使なんだって』

    『…………げっげっげ、メルヘン趣味かよクライオニクス』

    『さぁ、どうだったかしら。それに天使はあくまで比喩よ。
     重要なのは、魔法少女には『天』に至る『翼』を……『資格』を持ってるってこと』

  • 79◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:51:40

    『へぇ、天に至ると魔法少女はどうなるんだ? 神様にでもなるのか?』

    『そうよ。天に至った魔法少女は、神に等しい権能を手にする』

     この世界を、思い通りに出来るの。
     と、クライオニクスは断言した。

    『げっげっげ。とても信じられねぇな』

    『そうね。人間界に居たんじゃ、夢物語。けれど、魔法の本場、魔法の国なら——』

    『…………まさか、お前、それが目的なのか?』

     クライオニクスは自らの価値を高め続ける。
     絶対に任務を達成する魔法少女。大国で最強の魔法少女。

    『今までのお前の軌跡は——魔法の国へのアピールだったってことか?』

    『教えてあげるグレンデル』

     両親の教え。
     可愛ければ、いい子であれば。

    『努力し続ければ——【天上(まほうしょうじょ)】になれるの』

  • 80◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:52:02

     ——凍る。
     落下するクライオニクスの遺体は、徐々に凍りついていく。
     体の表面が凍り、断面が凍る。
     ——氷が結晶のように咲き誇る。
     失った半身を埋めるように、氷が積み上がり、人型を形作っていく。
     クライオニクス……人体冷凍保存技術とは、治療が不可能な人体を、未来技術に希望を託し冷凍させることである。
     ある意味それは、死という結果を引き延ばす行為なのだろう。
     魔法少女クライオニクスは致命傷を負った。
     彼女の死は確定した。
     だがそれは、今ではない。
     残った生身の瞳に意志の炎が揺らめく。

  • 81◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:53:04

    「死なない……」

     五体が復活する。

    「まだ死なない……」

     片翼の翼が、両翼へと回帰する。

    「やっと掴んだチャンスなの……」

     翼がはためく。

    「天上へ至るまでは……」

     クライオニクスは空中で静止した。
     右半身を氷に置き換え、死さえも凍らせ、絶対は再び空へと昇る。

    「——パパとママを生き返らせるまでは、私は絶対に死なない!」
     
     【ナターリヤ・ミシェンコフ/クライオニクス 死亡≪凍結≫】
     【残り 34人】

  • 82◆xaazwm17IRZa24/03/22(金) 01:53:22

    投下を終了します……!

  • 83二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 02:05:46

    凍結…ってことは後々になってまだ何か回収されるかもしれないな
    前作で特殊表記だったねうねいや堀木も復活イベントがあったし

    焼失したのは右半身だからまだ心臓を埋め込む場所は残ってるんだよな…

  • 84二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 02:14:00

    スカイウィッチみたいな所謂生活を便利にする類の魔法の使い手が再評価されるのちょっと嬉しいな
    そしていよいよ戦闘が隠蔽できない規模になってきた

  • 85二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 02:35:08

    こうして考えるとスカイウィッチってクライオニクスの天敵だったのかもしれない
    決め手となる攻撃的な技こそ欠くものの、無限飛行さえあれば氷山攻撃は封殺できるし、高高度飛行用の防寒コスチュームは低温デバフから身を守ってくれる(魔法少女の肉体強度と合わせれば氷の翼や羽根弾による凍死すら防げるかもしれない)
    そして不利を悟ったらいつでも空を飛んで逃げられる

  • 86二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 04:25:06

    砂と炎の合体技か…
    クライオニクスが一瞬触れただけで致命傷を負うレベルの熱を自ら纏っていたジャスティスファイアはどうなったんだろ

  • 87二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 08:09:51

    この娘強いだけでなくしぶとい…しぶといぞ!

    >>84 >>85

    成る程意外な相性って奴ですね、もしタイマン張れ無くても連携で飛行をコンボパーツにすればクライオニクスを上回れる爆発力もある。(そういうの好きだな)

  • 88二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 08:51:56

    天上 = 魔法少女の到達点にして全能の存在?
    一周目最大のキーワードが運営以外の口から飛び出してきたのにはちょっと驚いた

  • 89二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 14:05:19

    このレスは削除されています

  • 90二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 15:55:45

    死亡を凍結ということは魔法解除する系のアイテム出てきたら死ぬんだろうか
    あとジャスティスファイアも自傷ダメージ入ってるけど魔法少女ってダメージ回復早くなったりはしないんだっけ?

  • 91二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 19:23:40

    魔力切れにならなくても次に変身解除したら死ぬんじゃないかと思う
    デスゲームの間くらいはもつだろうからそれまでに天上に至ろうと考えてるのでは

  • 92二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 19:32:28

    グレンデルやべーやつ過ぎる。人格面で言えば本ロワ随一の狂人具合ではなかろうか
    経歴的に実働部隊リーダー格みたいな立場なんだろうか。あれで軍師的な感じで大局的にモノを見れるらしいし

  • 93二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 22:59:55

    ワンフロムアウターの使い魔契約って、死ぬ直前で凍結されてる魔法少女とは出来るんだろうか
    可能なら本人が魔法少女になった時みたいに傷が全部治ったりしそうだけど

  • 94二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 01:52:44

    今来たら魔法少女の募集終わってたので、運営の敵魔法少女だけ投げときます……案外居そうで居なかったアーチャーです。役に立ちそうでしたらお使いください。

    【名前/魔法少女名】パトリシア/ディア・フライシュッツ
    【変身前・変身後の外見】ブレザータイプの学生服に黒髪ボブ/無骨な黒い長弓を携え、ギリースーツを模したローブ。狐耳を生やしている

    【年齢】18
    
【趣味/魔法少女としての日課】射撃の練習
    【好きなもの】遊猟
、狼
    【嫌いなもの】家族
    【性格】冷徹な狩人。獣や自然の法則に従いがち。仲間には優しく、よく気にかける。
    
【得意な魔法】『魔法の弓で矢を飛ばすよ』
    右手で触れたあらゆる物体を矢に変換し、弓で撃ち出す魔法。
    何の変哲もない矢へと変換されるが、専用の長弓で撃ち出すと超音速で飛来しながら元の物体の性質(重量、爆発など)を取り戻す。
    固体のみならず液体や気体、エネルギーの類でも可。唯一生命のみ、相手の許可が無いと変換できない。
    敵の放出した魔法に触れることで防御&カウンターも可能だが、一度に一つしか矢に作り替えられない上に一度に変換できる量にも限度もある(大体で大型トラック程度の質量orエネルギーが目安)。
    【魔法少女になったきっかけ】6歳ごろに自分を虐待していた両親をブチ殺した時
    【詳細】
    運営に雇われた傭兵魔法少女。実働部隊の長距離攻撃役を引き受ける。
    運営の狂人系と数少ないマトモ系の間を取り持ったり、協力を強制させられてるタイプを慰めたりと運営の関係改善に尽力している。
    
【備考】
    千里眼のマジックアイテムと併せて約20kmの範囲の動目標に確実に命中させられると自負している。

  • 95二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 10:15:40

    このレスは削除されています

  • 96二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 13:48:47

    施設案
    【名前】
    アタックタイタンモールあにまん
    【説明】
    あにまん市北東部にあった大型ショッピングモール
    かつては市内で一番人が集まる場所だったが様々な理由が重なりテナントが相次いで撤退
    人も来なくなり去年閉鎖された
    盛況だった時を知っているためか不気味さのあまり若者が肝試しに来たりたむろすることもない静かな場所

  • 97二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 20:31:05

    冷酷や残虐は一見してステータスに関係ないように見えて実は馬鹿に出来ない要素なんだよなぁ(オムニマン見ながら)

  • 98二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 00:19:11

    殺し合いだと躊躇しないかどうかはかなり重要なファクター

  • 99◆xaazwm17IRZa24/03/24(日) 01:46:57

    申し訳ありません、本日も投下できないです……!

  • 100二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 02:23:23

    お疲れ様です…
    今夜はお休みください…

  • 101二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 10:57:08

    このレスは削除されています

  • 102二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 13:47:36

    能力と経歴、描写的にクライオニクスってもしや優勝候補格だった?

  • 103二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 16:07:20

    器用万能型だし限りなくデスゲーム向きの性能してるよね
    事実ジャスティスファイアか最強格の魔法少女じゃないと勝負にならなかっただろうし

  • 104二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 23:19:32

    このレスは削除されています

  • 105二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 23:41:51

    死の概念すらも凍結する魔法強い
    けどこのままだと解凍したら死が待っているんだよね

    出来る事といえば、凍ったまま活動…?

  • 106二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 02:09:41

    このレスは削除されています

  • 107二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 02:10:35

    パラサイトドール自身が『天上』って説ない?
    全生命を操る最強魔法を持ってる理由になるし、ブラックブレイドに言った「いま天上に至られると困る(要約)」の真意だって
    自分が今座ってる椅子を譲りたくないだけかもしれない

  • 108◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:55:06

    ……できれば今日中に旅館編(?)を〆たかったのですが、完成できなかったので、中途半端ですが投下します……!

  • 109◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:55:50

     時は僅かに遡る。
     落下する氷山を前に、ジャスティスファイアは呆然としていた。

    (もう一度ジャスティスメテオを……けれど、これ以上は負荷が……)

     化学班曰く、一度使えば二時間のインターバルは必要。短時間で連続使用すれば死の危険性すらある、という。
     ジャスティスファイアは死を恐れない。二発目のジャスティスメテオで決着がつくなら望むところだ。

    (けど、底が見えない)

     果たしてクライオニクスに残された体力はいくらか。
     至近距離なら顔色から探れたかもしれないが、空高く飛び上がった彼女の状態は図れない。
     二度のジャスティスメテオを撃って消耗したところをクライオニクスに追撃されれば敗北は免れない。

    (どうすれば……)

    「焦らないで、ジャスティスファイア」

     ベリーダンサーのような恰好の少女が、声をかけてきた。

  • 110◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:56:21

     クライオニクスに冷却され身動きが取れていなかった子だ。

    「もう、動けるのですか」

    「貴女が温めてくれたおかげよ」

     ジャスティスメテオを発動したことにより、周囲の気温は一気に上昇した。
     必然、冨島千秋も自由を取り戻す。

    「ジャスティスファイア、貴女はあの大氷塊を溶かす必要は無い。
     私は、あの攻撃を無効化して受け流せる。あの大氷塊は——落としていい」

     実演するように、千秋は右手を砂化させる。
     物理攻撃を無効化するタイプの魔法少女。
     本来なら本当に大丈夫なの念入りに確認するが、そんな時間は残されていない。

    (溶かさなくていいなら、やりようはある)

     必要なのは通り道だ。
     自分一人だけが通れる小さい穴。
     それさえ開けられれば、クライオニクスに奇襲攻撃ができる。

    「ジャスティスブースター! 起動」

  • 111◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:56:44

     ガシャン、という機械音と共に、ジャスティスファイアの背から翼を模したロケットブースターが出現する。

    「点火(ファイア)!」

     ジャスティスファイアの言葉に合わせ、ロケットブースターは点火した。
     空を飛べるのはクライオニクスだけではない。アメリカの開発した、汎用犬型魔法兵器・ジャスティスファイアは、氷山に風穴を開けるべく、空に飛び立った。

  • 112◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:57:09

    「…………つくづく、魔法少女は非常識ですね」

     既に立ち位置は入れ替わっている。
     ジャスティスファイアが上を取り、下からクライオニクスが昇ってくる。
     失った右半身を氷に置き換え、致命傷を踏み倒し、女王が帰還する。

    (こちらのダメージも大きい……科学班の試算によれば、問題なく運用できるのは3000℃まで。それ以上は危険域……)

  • 113◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:57:37

     ジャスティスファイアの装甲は溶け始めている。
     直ちに死に直結するわけではない。
     だが、無茶をできるのはここまでだ。これ以上は、身がもたない。

    (……と、言いたいところだけど)

     翼をはためかせ、異形と化した女王が帰還する。
     半身の消失。どう考えても致命傷のはずなのに、クライオニクスは依然五体満足で空中に君臨している。
     魔法少女は、不死身なのか。

    (そんなはずはない。不死身の生物など存在しない。クライオニクスだって、きっと右半身を構成する氷を溶かせば今度こそ死亡するはず……)

     ——逃げるべきか、とジャスティスファイアは逡巡した。
     クライオニクスから見ても、自身の生命維持機能を溶かす可能性が高いジャスティスファイアとは戦いたくないだろう。
     逃げれば、きっと追ってこない。
     ジャスティスファイアも、これ以上無茶をせずに済む。

  • 114◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:58:01

    (馬鹿馬鹿しい)

     と、ジャスティスファイアは自身の中に僅かにでもあった怯えを焼いた。

    (クライオニクスは強い。恐らく、殆どの魔法少女は『戦う』ことすら出来ない。
     今ここで私が逃げれば、どれだけ犠牲者が出る?
     彼女を沈黙させられるのは、私だけだ)

    「とことんやりましょう」

    「——ええ、どちらかが死ぬまで」

     あるいは、両方が死ぬまで。
     その可能性も、ジャスティスファイアは許容する。

  • 115◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:58:28

    先手を取ったのは、クライオニクスだった。以前の攻撃をなぞるように、氷の羽根をジャスティスファイアに飛ばす。
     半身を失っているにも関わらず、その速さ、その精度は、以前となんら遜色ない。
    「ジャスティス・シールド!」

     炎の膜がジャスティスファイアを覆い、羽根をガードする。
     膜に触れた羽根は一瞬で消失する。
     ここまでも、以前の焼き直し。
     同じ攻防を、一流の戦闘者である両少女が繰り返すはずもなく。

     「——アイスベルク」

     羽根は牽制に過ぎなかった。本日三度目の氷山召喚。
     異なるのは、魔法陣の展開がジャスティスファイアの上方ではなく、正面だった。
     そして、出現する物質も、氷山というにはあまりに小さく、せいぜい乗用車程度のサイズ。旅館一つを圧し潰す大氷塊と比べて、あまりに矮小。
     ——だからこそ、速度が段違いだった。

    「Ого́нь!(撃て)」

     叫びと共に放たれた氷塊は、弾丸の速度を優に超えていた。
     ジャスティスファイアは背中のブースターを駆使し、ぎりぎりで氷塊を躱しきる。

    「лед дождь(氷の雨)」

     それさえも、陽動だった。
     本命は、上。

  • 116◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:58:52

     何時の間に展開されていたのか。ジャスティスファイアの位置から遥か上空に幾つもの無数の魔法陣が浮かび上がり、そこから無数の氷の矢が放たれる。

    「っ……ジャスティス・シールド!」

     再び炎の膜を展開し全ての矢を防ぎきる。が、

    「アイスベルク」

     またもや、氷塊の射出。

    (さすがクライオニクス。もう気づいているか……)

     ジャスティス・シールドを展開している間は、空中で高速移動は出来ない。
     よりダメージの大きい氷塊の回避を優先し、ジャスティスファイアはシールドを引っ込める。
     矢が、外装に当たる。
     当たった箇所が凍結を開始するが、氷塊を回避した後炎で解凍すれば問題ない。
     リスク管理をしながら、ジャスティスファイアは問題なく氷塊を回避し——右前脚が瞬時に凍結された。

    「何だと!?」

  • 117◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:59:16

     感覚が無い。外装だけでなく、中身まで凍りついている。
     氷の雨の中に、強く魔力を込めた「絶対零度の矢」が混じっていた。
     氷の矢は問題ないと判断したジャスティスファイアの油断を責めるように、凍結は浸蝕を始め

    「くっ……ジャスティス・」

    「遅い」

     炎で右前足の解答をしようとしたその隙を、クライオニクスは見逃さない。
     放たれた氷塊が、ジャスティスファイアに直撃する。

    「ガッ……」

     大氷塊でなくとも、人間ならミンチにする程の威力である。魔法少女といえども、ただでは済まない。
     そして、一度崩れた均衡はもう元には戻らない。
     氷で出来た十字剣が四方からジャスティスファイアに迫り

    「これで終わりよ」

     ジャスティスファイアを貫いた。

  • 118◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:59:38

     勝った、とクライオニクスは勝利を確信した。
     それは、久方ぶりの感覚だった。クライオニクスにとって、戦闘は自身の勝利が確定している予定調和であり、半ば作業に近いものだ。
     ジャスティスファイアが、自身を炎化できないことは、ここまでの戦闘で把握済みだ。
     自身のように死からの復活がありえないように、確実に心臓と脳を貫く。
     四方から串刺しになったジャスティスファイアは、断末魔の悲鳴をあげることなく、瞬時に絶命した。
     空中で四肢を硬直させ——その場に留まる。
     そして、さらさらと崩れ出した。

    「——まさか」

    「ジャスティス・ファイア!」

     殺したのは砂で出来た偽物だと気づいたときには手遅れだった。
     上空から放たれた炎が、クライオニクスを呑み込む。

  • 119◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 02:59:59

     ——絶対防御のはずの翼は、動くことは無かった。
     何のことは無い。
     どれだけ取り繕うが、クライオニクスは、死人である。
     生前と同じスペックを発揮できるはずがなかったのだ。
     炎に包まれながら、クライオニクスは落ちていく。
     構成した右半身が焼失していく。それに合わせてしがみついていた命が少しずつ零れていく。

  • 120◆xaazwm17IRZa24/03/25(月) 03:00:24

    中途半端ですが、投下を終了します……!

  • 121二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 03:33:27

    クライオニクスも遂にここまでか…!?
    そしてジャスティスメテオで解凍された奴はもう一人居そうだがどうなるか

  • 122二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 06:01:13

    ダイス値が低めな千秋ちゃんがまだ無傷なんだよな…
    このまま生き延びるか、もう一波乱あるのだろうか

  • 123二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 07:48:40

    クライオニクスが対デスゲームに動いてくれればテンガイを殺すことなく凍結させて無力化とかできたんだろうが……惜しまれるね…

  • 124二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 08:54:49

    乙です、最強候補の一角が落ちたか…?この後恐らくアロンダイトさんも来るだろうからまだ正念場ですね。

  • 125二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 17:08:59

    バトロワ全般に言えるけどやっぱり協力関係築けるかどうかって重要ね

  • 126二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 21:33:07

    >>125

    最強クラスの魔法少女でも共闘相手だと…ね

    逆に今回のような巡り合わせがなければクライオニクスに勝ちの目が残っていたな

  • 127二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 01:09:55

    このレスは削除されています

  • 128二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 06:04:33

    今夜(昨晩)は更新なしか…

  • 129二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 07:49:22

    気長に待つとしよう

  • 130二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 09:16:59

    チャージ期間ということで待ちますかい

  • 131二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 16:29:45

    このレスは削除されています

  • 132二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 16:34:39

    外部魔法少女案
    【名前/魔法少女名】瀧川 美紗/ボムシェル
    【変身前・変身後の外見】
    変身前→赤地に金色の刺繍が施された高級着物に身を包んだ美女。艶やかな黒のロングヘアと180cm近い長身が特徴
    変身後→黒のイブニングドレスに髪をアップにした姿。髪の色は鮮やかな赤色に変わる。武器は短刀
    【年齢】25歳
    【趣味/魔法少女としての日課】映画鑑賞/各地の魔法少女の情報収集
    【好きなもの】ワイン、手駒にした魔法少女
    【嫌いなもの】虫全般
    【性格】冷静で利己的かつそれを隠せる程度には狡猾。身内には優しいが使い捨てる時は容赦なく使い捨てる
    【得意な魔法】『自分を好きになってもらうよ』
    精神干渉系の魔法。魔法少女のみに効果があり自身への愛情を植え付ける。効果範囲は自分を中心とした100mほど
    かけられた対象は性的思考や他に好きな相手がいるかどうかなどは一切無視しして『自分は彼女を愛している』と自然に思うようになる
    その際魔法によるものだとは認識できず違和感も生じない。また魔法を解除しても一度植え付けられた感情は消えることがない
    愛情の深さは自身の良心や信念、命よりも相手のことを大切だと思うほどで『彼女のためなら何でもする』と思うようになる
    相手が自分よりも遥かに魔力量が少ない、あるいは好意的な感情を持っていれば一瞬で愛情を植え付けられるが
    自分より魔力が多かったり嫌っていたり単純に精神が強いと数時間~数日かけ続けなければ発動しない
    また魔法の効果は蓄積しないので一度範囲から外れるか魔法を中断した場合最初からやり直さなければならない
    【魔法少女になったきっかけ】15歳の時父親が急死して組を継ぐ際「忠実な部下を手に入れたい」と強く願った
    【詳細】あにまん市の隣の市に存在するヤクザの女組長。両性愛者
    自身の魔法で自分の市にいた魔法少女達を手駒にし勢力を拡大していたが数年前あにまん市に進出した際大敗を喫し手駒の魔法少女の殆どを失う
    以来戦力を再構築しながらあにまん市に進出する機会をずっと伺っている
    【備考】本人の魔力量や戦闘力はあにまん市の魔法少女の中央値程度であり弱くはないが強くもない

  • 133二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 17:57:35

    >>125

    ティターニア先生がメンダシウム倒せたのも同行者たちの力があったお陰だったし、基本的に一人が複数人に勝てる訳ないだろというね…

  • 134二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 23:32:18

    >>123

    とにかくテンガイは自分の天敵になる相手をバトロワに招いて楽しむ危険な存在なんだ

  • 135二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 01:12:12

    運営側はクライオニクスが天上に至っちゃまずいから
    天敵のジャスティスファイアを配属してアロンダイトを向かわせた可能性もある…

    フライフィアーの時もそうだったけど強者の早期退場は盛り上がりに欠けるとかは考えてない訳で、
    このゲーム、運営にとって見せ物というよりは成し遂げないといけない儀式なんだろうな

  • 136◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:11:59

    投下します……!

  • 137◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:12:53

     今までの人生が、記憶が、零れていく。
     勝利を積み重ね、成功を積み重ね、死体を積み重ね。
     冷酷な軌跡が、溶けていく。
     残るものは。

    (パパ、ママ……私が死んだら、パパとママが生き返らない……)

     人は、忘れなければ本当の意味で死なない。そんな戯言を聞いたのはいつだったか。

    (私が死んだら、パパもママも死んじゃう……)

     だから。
     残った魔力をかき集める。
     クライオニクス。いつか必ず両親を生き返らせると誓ったとき、ナターリヤは自らをそう名乗った。——それはもう、叶わない。
     粒子化が始まる。

    (ああ……せめて……)

     せめて、これだけでも。
     その思考を最後に、クライオニクスの肉体は光となって消え去った。

    【ナターリヤ・ミシェンコフ/クライオニクス 凍結解除——死亡】
    【残り 33人】

  • 138◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:13:21

     クライオニクス。
     氷を操る魔法少女。
     彼女が何のために戦っていたのか、冨島千秋には分からない。
     知っているのは彼女の悪名高い伝説だけ。内面については、何も知らない。そして、もう二度と知ることもない。
     それでも、彼女は人間だった。
     冷酷に見えた仮面の下には、血肉が通っていた。
     それを、実感する。
     クライオニクスの落下地点。
     其処には、氷像が屹立していた。
     恰幅の良い男と、長身の女と、10歳にも届いていなさそうな、子どもの氷像。
     三体の氷像は寄り添うように立っている。
     ——家族だ、と千秋は察した。
     そして、これがクライオニクスの最期の魔法によるものだと。
     罠の類いではない、と思う、
     むしろこれは、遺作……遺言に近いものだろう。

    「そう。これが、貴女の戦う理由だったのね、クライオニクス」

  • 139◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:13:50

     ——本当に、えげつない。
     怪物のように、神のように、女王のように君臨しながらも、最後の最後に、少女であることを晒して去って行った。
     ジャスティスファイアと冨島千秋は、家族思いの女の子を殺したのだ、と事実を突きつけて死んでいった。

    (……知ってるわ。魔法少女の中身が人間だってことも、殆どの魔法少女は、魔法を手にする前にはごく普通の少女だってことも)

     殺したのは怪物ではない。人だ。直接手を下していない、という言い訳をするつもりもない。

    「クライオニクスは、ゲームに乗っていました。今ここで殺さなければ、犠牲者が出ていた」

    「けど、殺したのは事実よ」

    「はい。そして、クライオニクスが恐らくこのゲームに招かれる前から殺人者だったのもまた、事実です」

    「私たちは正しいって言いたいの?」

     ジャスティスファイアは命の恩人だ。そして、共に戦った戦友だ。

  • 140◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:14:16

     けれど、その価値観は、千秋とは異なると思った。
     きっと噂は事実なのだろう。クライオニクスは殺人者、世間一般の価値観で鑑みれば「悪」の魔法少女だったのだろう。
     だからといって、千秋たちが殺した事実は変わらない。
     何より、死に際に家族の氷像を残すような人間性を持っていたことが明らかになった後で、正義や悪を語ることは、千秋のポリシーに反していた。

    「はい、私たちは正しいです。
     ——正しいと確信できないのなら、こんな力は振るうべきじゃない。
     魔法少女の力は、一個人が保有していい暴力の範疇を逸脱しているのですから」

    「……それはきっと、正しい考えね」

    「それに、仕留めたのは私です。私の手柄です」

    「貴女ねぇ……」

     憎まれ役が下手過ぎる……と千秋は溜息をついた。
     おおかた、千秋の罪悪感を少しでも解消するための言動なのだろう。
     不器用な人だ。

  • 141◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:14:40

    「さて、この氷像ですが、クライオニクスが遺したもの……油断はできませんね」

    「——まさか、溶かしちゃうの?」

     分かっている。絶対に罠ではないと言い切れないのだ。
     クライオニクスが最期に残したものが、家族への想いではなく、他者への悪意でないと、どうして言い切れようか。
     ジャスティスファイアの火力で溶かすのが正解だ。
     けれど、そうなることに、千秋の心は悲しみを覚えていた。

    (……感傷が過ぎるわ。ここで残しておいても、ここは温泉地帯。一日も保てないでしょうに)

     罠でなくとも、すぐに原型を失う。
     けど、残念だと、そう思ってしまうのは、千秋が弱いからか。
     ジャスティスファイアは、変身を解いた。
     現れたのは、ボーイッシュな10歳程度の少女だった。
     何となく年上だと思っていたから、そのギャップに惑う。
     ボーイッシュな少女は、スマホを取り出し、氷像に向けた。

  • 142◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:15:13

    シャッター音が響いた。

    「クライオニクスの遺したもの……殺し合いの、重要な資料です——画像データとして、保存しておきましょう」

    「……そうね」

     価値観が違う。きっと育ってきた環境も違うし、常識も異なる。
     けれど、冨島千秋は、ジャスティスファイアと、一緒に戦えると思った。
     彼女は、信頼に足る人だと。
     ——だから、手札を晒した。

    「ジャスティスファイア。貴女に言っておかなきゃいけないことがあるわ」

    「何でしょう」

    「私は、無茶をし過ぎた。めちゃくちゃアウェーな場所で砂嵐だの砂人形だの作ったり、大氷塊を砂化で凌いだりと、はっきり言って今生きてるのが奇跡。そして、奇跡には代償がある」

     それは、心臓を渡すのに等しい行為だった。
     魔法少女の戦いとは、情報が大きなファクターを占める。
     冨島千秋は、百戦錬磨の魔法少女は、その土俵から降りる。

    「私は、後六時間は、魔法が使えない」

     無茶の代償。
     ここから六時間、魔法少女冨島千秋は——死んでいる。

  • 143◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 02:15:47

    投下を終了します……!
    続きは明日投下します……!

  • 144二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 02:37:31

    乙でした


    >「魔法少女の力は、一個人が保有していい暴力の範疇を逸脱しているのですから」

    是が非でも生き残って、この言葉を上位勢に叩き込んでやってほしい

  • 145二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 03:13:06

    ジャスティスファイアちゃん、「正義のため」だからあっさり裏切って千秋ちゃんを殺す展開になりそうで怖い

    クライオニクスにも人間性があったって話の逆で、さっきまで優しかった子が冷酷な面を見せないとは限らないんだよな

  • 146二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 03:38:40

    遅くまでお疲れ様です
    長かったクライオニクス戦も終わったけど旅館編はまだ続きそうだな

  • 147二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 07:47:27

    >>144

    どの戦いも紙一重の展開だからこそ魔法少女の魔法にハズレは無いって言えるよね

  • 148二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 14:30:39

    協力は必要だけど信頼しすぎると寝首をかかれかねないのも確か
    一定数生き残れるなら一蓮托生チーム組むのが最適解だけど基本優勝者は誰か一人だけのサバイバルだからね

  • 149二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 14:36:59

    計画的に後ろから刺してくる奴って前スレも含めて覚えてる限り居なかった気がするな(スピードランサーは洗脳されてたし)
    もしそうなるなら新しいパターンだ

  • 150二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 15:42:14

    数値的にアロンダイト生きてるだろうし、クライオニクスの回想でグレンデル出てきたし運営側の戦力お披露目あったら嬉しい。アロンダイトの回収任務的な

  • 151二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 16:27:36

    >>150

    魔法国の警察的な立ち位置の冨島千秋は経歴的にグレンデルのこと知ってそうだ


    仮に全員採用としたら運営の主戦力は

    ・風間由利/ヴェンデッタ

    ・勇者/灰江渚

    ・グレンデル

    ・パトリシア/ディア・フライシュッツ

    の四人かな

    となると人狼のグレンデルが索敵しつつ、勇者のホイミやフライシュッツの回復矢でヴェンデッタを肉盾にする戦法か

    スパルタクス(Fate)やフェイタンのようなものと考えるとヴェンデッタの最大火力ヤバそう

  • 152二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 16:37:58

    当たり前っちゃ当たり前だけど運営側の魔法少女は基本戦闘経験豊富っぽいね

  • 153二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 16:54:09

    運営サイドとやり合うならメンダシウムみたくそれぞれのボス部屋へ誘導するのか、一斉にかかるのかで気になってきますわ…まあ展開次第と言われたらそれまでですわね

  • 154二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 21:47:22

    外部の魔法少女案

    【名前】蟹魔 万(かにま まん)
    【魔法少女名】デッドマンズ・ハンド
    【変身前・変身後の外見】高級スーツとスラックスに赤いネクタイを締めた赤髪ロングの長身/西部劇のガンマンのような衣装
    【年齢】29
    【趣味/魔法少女としての日課】糧鮴の管理、ディーラー
    【好きなもの】金、(絶対に勝てる)ギャンブル
    【嫌いなもの】青臭い魔法少女のガキ共
    【性格】拝金主義、冷酷
    【得意な魔法】
    『魔法のピストルを操るよ』
    魔力で出来た五発の弾丸が装填されたリボルバーを操る。
    その内の一発はどんなことがあっても必ず命中するが、五発撃ち切る度にリロードタイムが必要となる。必殺技名は『デッドマンズ・ジョーカー』。
    本人は「どれが必中の弾丸か分からないギャンブル」と宣うが、実際は自分の意思でいつでもシリンダー内部の弾丸を操作できる。
    純粋に魔法少女の反射速度や運動神経を併せた射撃能力や早撃ち(クイックドロウ)の技巧も極めて高度。
    【魔法少女になったきっかけ】8歳の頃、純粋に正義の味方を志して魔法少女になった。
    【詳細】糧鮴内部の違法賭博場を拠点にした、糧鮴の顔役の魔法少女。多方面に影響力を持つ。
    【備考】戦闘力は世界的に見ても高い方だが、あにまん市やデスゲーム参加者の中ではさほど珍しいものではない程度。
    デスゲームの情報も仕入れており、参加者に情報を売り渡す等、これを機に一儲けを目論んでいる。
    反面、運営については理解が不十分であり、若干舐めている節がある。

  • 155◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:53:28

    投下します……!

  • 156◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:53:51

     面白いな、とパンデモニカは思った。
     それは、あにまん市で行われている殺し合いの趨勢のことでもあり、あるいは『運営者』として集められた魔法少女間の不穏な空気でもある。
     外部で蠢く邪神共の動向のことでもあり、あにまんマンションの『王』が死亡したことによる殺し合いの種々の綻びのことでもある。
     そして、目の前で釜茹でになっているアロンダイトのことでもあった。
     「貴族妖精アロンダイト屈辱」「魔法少女に凍結KO!」「魔法城に動画を晒される」

  • 157◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:54:15

     魔法国にばら撒く号外の見出しを考えながらパンデモニカは、氷漬けのまま湯に浮かぶアロンダイトを眺める。

    「だいだい君さ、油断しすぎなんだよ。ステッキ無しとか無茶だって」

     アロンダイトの本領は、死亡した魔法少女の残滓からステッキを創り出す能力にある。
     ステッキを使用するには魔法少女に変身せなばならず、身体能力は生身より低下するが、それを補って余りあるほどアロンダイトの能力は当たりだ。
     というかフィジカルだけで勝てるほど、参加者の魔法少女のレベルは低くない。
     強者を自認するパンデモニカにしても、悪魔召喚無しで魔法少女とステゴロをするのは、少々分が悪いことを自覚している。

    「そんなんだから君たち滅んだんだろ」

     かつて、魔法の国は妖精郷と呼ばれていた。
     妖精の国。人間界のように、そこには王が在り、貴族が在り、平民が在った。
     人間界のように幾つかの王国に分かれ、統合と離散を繰り返し、平和と戦乱を繰り返しながら繁栄した。
     ある日、【冒涜の竜】と呼ばれる、一匹の黒竜が姿を表すまでは。

  • 158◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:54:37

     竜の邪悪な魔法で妖精たちは団結できず、王国同士で、地方同士で、血族同士で、そして家族同士で殺し合った。
     それは、正しく『バトル・ロワイアル』だった。
     王家は滅び、貴族は戦死し、平民たちは虐殺された。
     誰一人、竜の前に立つことすら出来ず、徒に死者だけが増えていく。
     妖精卿が滅びるのは時間の問題であった。

    「結局、妖精卿を救ったのは君たち貴族妖精じゃなく——人間の女の子だった」

     戦闘能力を持たない平民妖精の一匹が、人間界へと渡り、一人の少女に助けを求めた。
     原初の魔法少女。魔法王の祖先。妖精郷が「魔法の国」へと生まれ変わった特異点。
     少女と、その友人たちは一年間で魔法の国の様々な混乱を解決し、遂には冒涜の竜を虚空に封印した。

    「それ以来、魔法の国の戦闘職は魔法少女に任されるようになり、君たち貴族妖精は実権を失った……そうだろアロンダイト」

    「——相変わらず、昔話が好きザマスね、パンデモニカ」

  • 159◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:55:05

     釜から上がったのは、絵本で描かれるような幼い風貌の少女、妖精貴族アロンダイト。
     忌々しそうにぐーぱーと手を動かしながら、アロンダイトはその場を——パンデモニカに与えられた自室を出て行こうとする。

    「どこに行くんだ?」

    「決まってるザマス。あの氷女、ぶっ殺してやる」

    「もう遅いよ。彼女は今さっき、死亡が確認された」

    「はぁ? 誰が死んでいいって言った?」

    「落ち着けってアロンダイト。熱くなりやすいのが君の悪い癖だぜ」

     むぅ、とアロンダイトは唸り、どっかりとその場に腰を下ろす。
     分かりやすい、とパンデモニカは内心で評した。
     アロンダイトは、決して狭量ではない。
     同格と認めた相手の言葉にはしっかりと耳を傾けるし、理があると考えれば自身のスタンスを曲げることも厭わない。
     ただ、人間を格下と断じているだけだ。

  • 160◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:55:20

    「もうすぐ第一回放送だ。追加されるルールによっては君の商売道具を使うときも来るかもしれない」

    「…………マジで苛々するザマス。温泉入ってただけで砂だらけにされて氷漬けにされて……やっぱ人間はクソ、忌憚のない意見ザマス」

    「そだねー」

     自分の行為を棚に上げて愚痴り出したアロンダイトの相手をしながら、パンデモニカは確かな予感を感じていた。
     第一回放送の後、自分たちには、もっと面白いことが起こると。

  • 161◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 21:57:11

    投下を終了します……!
    これで15話は終了です……!

  • 162◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 22:00:04

    16話はマク=ハク/ノーブル・サヴェージの単独話です


    【マク=ハク/ノーブル・サヴェージ】

    生存ダイスdice1d100=49 (49)

    絆ダイス 対象dice1d44=41 (41)

    関係性dice1d100=42 (42)

  • 163◆xaazwm17IRZa24/03/27(水) 22:02:05

    【マク=ハク/ノーブル・サヴェージ】

    生存ダイスdice1d100=49 (49)

    絆ダイス 対象dice1d44=41 (41)→抜刀 金

    関係性dice1d100=42 (42)→普通


    以上の情報を元に第16話を作成します、舞台は「マジカルテレフォン」です……!

  • 164二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:17:57

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:18:07

    このレスは削除されています

  • 166二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:18:29

    このレスは削除されています

  • 167二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:18:56

    このレスは削除されています

  • 168二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:23:36

    このレスは削除されています

  • 169二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:24:01

    このレスは削除されています

  • 170二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:27:37

    何度もお目汚し失礼致しました。これで恐らく漏れなど無いと思われます。訂正があればお申し付けください

    同盟

    逢魔 愛裏/ナイトメア⭐︎メリィ
    ミア/プア
    佐々利 こぼね/クリックベイト

    妃咲 希/ティターニア
    天城 千郷
    山田 浅悧/慈斬

    轟 猫耳/ネコサンダー
    王 龍明/ブレイズドラゴン
    清原稞美/ウェンディゴ

    七海真美
    汐沫夏実/ジェイルフィッシュ
    桐ヶ谷裂華/ジャック・ザ・リッパー

    刈屋 伊織/ミストアイ
    再世 優/テンガイ

    冨島千秋
    栗田 柿子/ジャスティスファイア

  • 171二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:28:04

    単独組
    1.ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ
    2.薬師院 怜那/ミョルニル
    3.夜祖神 髑髏/ドレッドノート
    4.松崎 新一郎/ハートプリンセス
    5.マク=ハク/ノーブル・サヴェージ
    6.犬上 沙美/ハスキーロア
    7.麦/ヒートハウンド
    8.大川 羽蘇/オオカワウソ
    9.桐生 ヨシネ/バーストハート
    10.桐崎 香澄/クレアボヤンス
    11.蜂矢 恋蜜/ハニーハント
    12.逝凪 素鈴/ワンフロムアウター
    13.姚 莉鈴/ハイエンド
    14.柩枢/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド
    15.王城 姫子/クィーン
    16.抜刀 金
    17.槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー

  • 172二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 23:21:14

    このレスは削除されています

  • 173二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 23:22:17

    主さんもまとめてくださった方も乙です

    妖精からすれば「最初の救世主が少女なんだから後継者もみんな"魔法少女"でええやろ」の精神なんでしょうね

  • 174二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 23:25:20

    プライドも実力も高いのに妙なところで貧乏くじを引く
    そんな妖精貴族アロンダイトさんを誇りに思う

  • 175二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 01:14:58

    ふと思ったんだけど妖精貴族とティターニアって名前的に繋がりがあったりするのかね
    魔法の国の戦士兼貴族=騎士って意味でも似てる気がする

  • 176二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 02:27:43

    黒竜はともかくなんで悪魔が権力の中枢にいるんだろうね魔法の国…
    パンデモニカは魔法少女を作れる(?)みたいだし最初の魔法少女と何か関係あったりしない…?

  • 177二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 02:46:55

    それぞれが不安要素を抱えてはいるけど、メリィチーム、ティターニアチーム、七海チーム、千秋チーム辺りが合流できれば対運営の一大同盟になりそう

    みんなの目があればジャックも迂闊なことはできないだろうし

  • 178二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 02:59:43

    これってもう運営と抗争確定だけどゲームを参加してない人と魔法少女も巻き込んでどんちゃんやったらもうバトロワ枠を少し外れないか?

  • 179二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 03:15:49

    >>178

    前作だと運営との戦いは残り人数1/3くらいになってからだったな…


    決定したとはいえすぐ最終決戦になるとは限らないかと

  • 180二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 08:53:54

    現時点での生き残りで単独組と同盟組がちょうど半々なのか
    面白いバランス

  • 181二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 10:53:21

    アロンダイトさんのガチ戦闘はまだ先か
    貴族妖精の恐ろしさを見せつけて欲しいけど、この人は最後まで強敵とだけマッチし続けて終わる気もする

  • 182二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 15:18:18

    ダイス次第なのはおいといて次回脱落しそうなのは誰だろう。個人的にはミョルニルが単独かつ迷ってるから一番危ないと感じるけど
    再生系の魔法も脳か心臓潰せば殺せるのはある程度経験値のある魔法少女にとっては常識っぽいし

  • 183二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 17:01:59

    ティターニア先生は意外と危ないかも
    自分の住んでいるアパートか何かに向かうって言ってたけど、そこって今テンガイが根城にしてるとこじゃない?

  • 184二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 17:13:43

    このレスは削除されています

  • 185二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 17:17:29

    マンションとかエネミーで散々言われているけどキャラや場所を出し過ぎると本筋とは関係の薄い話ばっかになりそうだから自重しろよ

  • 186二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 17:28:35

    そうですね…すみません消します。

  • 187二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 23:41:59

    保守
    ノーブルサヴェージの単独話想像できないな…

  • 188◆xaazwm17IRZa24/03/28(木) 23:49:52

    >>170

    >>171


    まとめありがとうございます……! 助かります……!


    特に意識してなかったんですけど、確かに同盟組んでる組んでないで半々ですね……!

  • 189二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 23:55:06

    暇があったら魔法少女まとめの続き見たいね
    関係性とか再確認できるし、その人に対する軽い初見とか書いてるのも楽しいしね

  • 190◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:16:06

    投下します……!

  • 191◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:16:33

    「ボセパバンザ(これは何だ)」

     アマゾンの奥地に住む魔法少女、マク=ハクは奇妙な空間に閉じ込められていた。
     透明でとても狭い家だ。ご飯を食べる所も、寝る所もなく、あるのは奇妙な形状の、緑色の道具だけ。
     マク=ハクの知識には無いが、彼女は今、電話ボックスの中に居る。
     それもただの電話ボックスではない。
    マジカルテレフォン。唯一『外の世界』と繋がっている電話ボックス。代償は『24時間の魔法使用不可能』。
     電話機の前にはそのような張り紙が張られている。
     マク=ハクは本来日本語を介さないが、主催者の干渉により日本語を扱う能力を取得している。
     今の彼女は最低限の日本語が聞き取れるし、最低限の日本語を話せる。

    「ボセパバンザ(これは何だ)」

     だが、文字が読めるわけではない。彼女の部族では、文字を扱わない故に。
     結局マク=ハクは謎の道具から興味を無くし、この家から出ようと決意した。

  • 192◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:16:58

     外の様子が見えるが、触れると壁がある。
     試行錯誤するうちに、ドアをスライドさせることに成功し、マク=ハクは脱出に成功する。
     新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込み、吐き出す。

    「ゾボザボボパ(どこだここは)」

     空気の質が違う。生まれ育ったジャングルではない。
     心細い。けれど、臆さない。
     マク=ハクには、ジャングルの奥地で出会った精霊からもらった力がある。

    「ゲゲル……(殺し合いか……)」

     幼いが、誇り高きニマンア族の戦士であるマク=ハクは殺し合いを恐れない。
     だが、殺し合いとは精霊が定めるものであり、魔法王は精霊というより密猟者に近い空気を感じた。
     そんな相手の命令に従う道理はない。

    「マク=ハク、バゲス(私は家に帰る)」

     そう心に決め、マク=ハクは踏み慣れる平らな道……アスファルトを裸足で歩きながら、闇の中に消えていったのだった。

  • 193◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:17:29

    投下を終了します……!

    これで16話は終了、1巡目終了です……!

  • 194◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:18:22

    >>189

    また次スレ建てる時に10人ずつ載せようかなと考えています……!

  • 195二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:25:01

    乙です、マク=ハクちゃんは何だか未確認の生命体のみたいな神秘性を感じますね!

  • 196◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:28:00

    では、第一放送及び主催パートに入ります

    今後どうなるかわかりませんが、今回は、初期メンバーのみでダイスを振ろうと思います
    一応メインはバトロワなので、序盤は参加者より生存ダイス緩めで行こうかなと思ってます
    その代わり、もし主催戦などの展開になった場合は、参加者より生存ダイス厳しめになると思います(その時の生き残り状況にもよりますけど……)

  • 197◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:28:11

    【岸村 文華/パラサイトドール】

    生存ダイスdice1d100=73 (73)

    絆ダイス 対象dice1d48=12 (12)

    関係性dice1d100=18 (18)


    【詳細不明/パンデモニカ】

    生存ダイスdice1d100=55 (55)

    絆ダイス 対象dice1d48=27 (27)

    関係性dice1d100=49 (49)


    【あ/ああああ】

    生存ダイスdice1d100=44 (44)

    絆ダイス 対象dice1d48=14 (14)

    関係性dice1d100=35 (35)


    【若麻績 裁華/オートクチュール】

    生存ダイスdice1d100=56 (56)

    絆ダイス 対象dice1d48=32 (32)

    関係性dice1d100=44 (44)


    【鷺島 鷽/熾店長オシウリエル】

    生存ダイスdice1d100=28 (28)

    絆ダイス 対象dice1d48=46 (46)

    関係性dice1d100=21 (21)

  • 198◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:31:44

    【岸村 文華/パラサイトドール】

    生存ダイスdice1d100=73 (73)

    絆ダイス 対象dice1d48=12 (12)→冨島千秋

    関係性dice1d100=18 (18)→嫌い



    【詳細不明/パンデモニカ】

    生存ダイスdice1d100=55 (55)

    絆ダイス 対象dice1d48=27 (27)→玉柳 水華/アレヰ・スタア

    関係性dice1d100=49 (49)→普通



    【あ/ああああ】

    生存ダイスdice1d100=44 (44)

    絆ダイス 対象dice1d48=14 (14)→マク=ハク/ノーブル・サヴェージ

    関係性dice1d100=35 (35)→まぁまぁ嫌い



    【若麻績 裁華/オートクチュール】

    生存ダイスdice1d100=56 (56)

    絆ダイス 対象dice1d48=32 (32)→栗田 柿子/ジャスティスファイア

    関係性dice1d100=44 (44)→普通



    【鷺島 鷽/熾店長オシウリエル】

    生存ダイスdice1d100=28 (28)

    絆ダイス 対象dice1d48=46 (46)→詳細不明/パンデモニカ

    関係性dice1d100=21 (21)→まぁまぁ嫌い

  • 199◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:33:08

    以上の情報を元に第一回放送を作成します……!

    舞台は【霊都エメラルド】です……!

  • 200二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:33:46

    オシウリエル死にそう

  • 201二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:34:10

    【速報】パラサイトドール、堂々の生存値トップ 黒幕の風格は健在か

  • 202二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:36:56

    【悲報】パンデモニカ、オシウリエルに嫌われていた

  • 203二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:37:53

    緩めで行くなら死な安のごとくギリギリのラインで殺されそうで心配ですね…。オシウリエル…オマエ死ぬのか?

  • 204二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:38:29

    >>200

    生存ダイス緩めらしいけど参加者含めてまだ大量に居るし初期メンから一人くらいは減ってもと思わんでもない

  • 205◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:39:31

    そして、2巡目からのイベントも決めておきますね……!


    1. キャンディポイントゲーム

    2. スコアアタック

    3. テンガイ・ハント

    4. お宝クエスト

    5. チームを作るよ!

    6. カラオケバトル

    7. 古の存在が眠りから覚めて暴れ出す

    8. 運営側のエネミー及び魔法少女投入

    9. あにまん魔女狩りゲーム

    10. 運営と協力して優勝しちゃおうキャンペーン

    11. ミナコロスナッフ

    12. 強制デュエル


    dice1d12=12 (12)

  • 206◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:42:04

    12. 強制デュエル

    【概要】

    ランダムに選出された参加者が他の参加者を二名指名する。指名された二名は魔法の国へ転送され一対一を強制される

    解放条件はどちらか片方、あるいは双方の死亡のみ。ただし誰が戦うかを指名する役割を与えられた参加者が自分を犠牲にすることを選んだ場合その生命と引き換えにこのミッションは終了となる


    ランダムに選出される参加者の数dice1d4=2 (2)

  • 207二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:42:04

    オシウリエル裏切り?がバレて始末されそうだな
    どうなるんだ…

  • 208◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:44:24

    誰が使命権を持つのか


    dice2d33=9 30 (39)

  • 209◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:46:37

    松崎 新一郎/ハートプリンセス

    七海 真美

    が第一回放送の後に指名権を獲得します……!

  • 210二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:48:44

    ハートプリンセスは交友関係ジャスティスファイア以外無いしフライフィアーは死んだし、真美ちゃんは強制だろうけど選ばせるのは酷すぎる(年上の後輩で仲が良かったブラックブレイドが死んだことを放送で知っちゃうし)
    誰が選ばれるのかマジで分からねえ

  • 211◆xaazwm17IRZa24/03/29(金) 00:49:35

    それでは、本日はここまでとさせていただきます……!

    たくさんの感想、ありがとうございます……!ウィキの更新も滞っているので、近いうちに更新させていただきます……!

  • 212二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:51:34

    誰が出るかにもよるけどエグい被害は出なさそうなミッション

  • 213二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:51:46

    運営陣営でも呼び出すのかな?いやそもそも魔術王以外の運営知らなそうだな

  • 214二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:53:06

    >>210

    ジャックザリッパーが襲いかかってきた(未遂)ミョルニルを参加させるように唆しそう

    興味ないし減れば御の字ぐらいの感覚で

  • 215二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:56:22

    >>213

    運営打倒組もあんまり運営側の魔法少女を知らんだよな

    情報が情報が少ない…

  • 216二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:57:04

    これ、実質魔法王か運営とタイマンを張るためのミッションだよな…

  • 217二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 00:59:05

    >>214

    あっそうやん

    ジャックザリッパーはミョルニルからクリックベイトのことは聞いてるし、「会わせてあげようよ」的な感じで二人を言葉巧みに強制タイマンさせるように誘導出来そうやん

  • 218二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 01:33:33

    >>210

    ハートプリンセスのメンヘラとジャスティスファイアへの高好感度が作用する可能性も

    「ジャスティスファイアなら絶対負けない!」的な感じで運営か、魔法王にぶつけさせるかも

  • 219二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 02:36:35

    運営に魔法少女がいるって情報はティターニアたちが持ってるから、クレアボヤンスかメリィの能力で詳細を探る必要がありそう

    順調にいけば七海ちゃんの指名権は対主催側に渡るだろうし、あとはなんとかタイマンでパラサイトドールに勝てると良いが…

  • 220二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 03:05:59

    これ指名者が2人ってことはそれぞれが戦いのカードを指定できるんだよな…
    偶然に偶然が重なってティターニア&テンガイvsパラサイトドール&魔法王みたいなドリームマッチ始まらないかな

  • 221二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 06:49:28

    参加者から指名で、しかも第一回の放送後に選択されるって話だから対運営はそもそもありえないでしょ

  • 222二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 07:12:07

    >>215

    現状はこれに尽きるよね

  • 223二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 10:54:20

    >>204

    よりにもよって運営の中枢のパンデモニカと仲悪いし、生存値も30以下だしで死亡フラグは積み上がってるのよね

  • 224二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 11:18:15

    ハートプリンセスのメンヘラ度によってはジャスティスファイアが指名されるというのはあり得そう
    あとはハートプリンセスは優勝狙い勢なんで、戦わずして強者を落とす思考で有名なティターニアを指名する可能性が高いかな。魔法少女なら誰でも知ってるレベルみたいだし

    真美はブラックブレイド死亡報告で動揺したところをジャックザリッパーに吹き込まれてミョルニルかウェンディゴか、ミョルニルの話に出てきたクリックベイトを指名しちゃうってのはありそう

  • 225二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 13:16:10

    ジャックザリッパーのスタンス次第だけど自分とティターニアを指名してもらう可能性もあるな
    殺したい相手と邪魔されずにやりあうチャンスではあるし 問題はタイマンでティターニアに挑むほど自信家かどうかだけど

  • 226二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 15:25:10

    まず第一連絡やってから運営と一般人の話して、二巡目の開始前にタイマンイベントやる感じかな
    場所案のデスマッチリング消化できそう。普通にやる分には使いにくそうだし

  • 227二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 15:32:05

    分からないけどタイマンはダイス値を見つつ2巡目の最後にやる感じになるんじゃないかな
    指名権を巡った葛藤や駆け引きがないと展開的な旨みも半減でしょ

  • 228二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 17:09:27

    二巡目で指名権持ったキャラが死んだら元も子もないし(というかそれだと最初に指名権誰が持つかダイス振った意味ないし)、放送時に誰がタイマンするか指名→二巡目開始前にタイマンが一番不都合無いのでは

  • 229二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:54:37

    >>204

    ??????「私が忘れ去られるとは心外だなぁ♧ ま、それもまたよし、か…♡」

  • 230二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:59:54

    一体何ダシウムなんだ…
    まぁメリアちゃんかパンデモニカ関連で回収されることもあるでしょ

  • 231二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 23:15:04

    >>229

    欲かいて参加者側にも登場しようとしたら速攻で分身が一桁出して本体ごとくたばった奴じゃん

  • 232二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 01:22:19

    >>231

    本来はフロムアウターみたいに末端キャラがメインで活躍する運用だったんかな

    なまじダイスが低いせいで死が本体まで巻き込んだけど

  • 233二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 02:00:48

    あまりにも死ぬのが早すぎて運営の初期メンなことすら認知されてないメンダシウムに残当な過去…

  • 234二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 02:09:15

    しかしオシウリエル、やっぱりこの出目じゃたとえ命だけは助かったとしても死んだほうがマシっていうような目に遭う気がするんだよな…
    命を取るか尊厳を取るか、二者択一の究極の選択だ…

  • 235◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:24:27

    投下します……!

  • 236◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:24:54

    「で、いつ裏切るんだ?」

    「え!?」

     ああああは、眼前で煙草を吹かすフリルの魔法少女の言葉に呆然とした。
     魔法少女・熾店長オシウリエル。分かりやすく強くてヤバい奴のパンデモニカやメンダシウムと比べて、オシウリエルはオートクチュールと同じ、よく分からないけどヤバそう枠だった。
     あのマンションにはいなかったタイプ。

    「う、裏切るなんて私そんなこと全然考えてないですよマジで」

     おかしいとは思ったのだ。
     部屋に呼ばれてまず指示されたことは、部屋中に拒絶の幕を張れというものだった。
     そんな怪しまれることはしたくないと断ったが、報酬を提示されて交渉され、とうとう十五分だけ、もし疑われた場合はオシウリエルに強要されたと言っていいという約束で了承してしまった。
     どうにも釈然としないが、不思議と受け入れてしまったのだ。

    (……精神干渉? いや、それなら私は拒絶できるしマジで分からん……)

  • 237◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:25:22

     そして、幕を張るなり衝撃の一言を言われた。
     いつ、裏切るのか。
     裏切ること、裏切っていることを前提の問いかけ。


    (これ絶対私消されるやつだ)

    「う、裏切ってないですマジで本当に裏切ってないです。運営陣の皆様には感謝してもしきれませんしオオカワウソを殺し合いに放り込んでくれて本当に感謝してるんです」

    「へぇ、裏切ってないのか」

     少し驚いたようにオシウリエルは目を開く。

    「じゃあ私の敵だな」

    「へ?」

    「私は今から裏切るからな。お前は私の敵ということになる」

    「は? え、マジで言ってんすか」

    「うん。さぁ殺し合おうか」

     そう言って、オシウリエルはスプレー缶を一つ、机の上に置いた。

  • 238◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:25:48

    「これが何か……」

     ああああは、攻撃を拒絶できる。例えティターニアの一撃だろうと拒絶できるのはつい数時間前の攻防で証明されている。
     よって、オシウリエルが拳銃だろうとバズーカを取り出そうと、ああああにダメージを与えることが出来ない。
     ましてやスプレー缶など……。

    「ちなみにこのスプレー缶は、『武器商人』アロンダイト製だ」

    「っ!?」

     ああああはのけぞった。
     貴族妖精アロンダイト。武器商人アロンダイト。神話の時代から生きる彼女が取り扱うマジックアイテムは、マンションの災厄にも匹敵する厄ネタだ。

    「彼女からは色んなアイテムを値切らせてもらった。良いビジネスが出来たよ。君ともぜひウィンウィンな関係を築きたいものだな、ああああ君」

    「…………裏切りに加担しないと始末するってことかよ畜生」

    「おいおい、勘違いするな。ああああ君には保留でいてほしいだけだ」

    「保留?」

  • 239◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:26:22

    「そう。簡単に言えば、私の話し相手が欲しいんだよ」

    「……悪いこと言いいませんから、裏切りなんて辞めたほうがいいです。魔法王は……いや、たぶん貴女も知ってると思うんすけど、黒幕は、とんでもない力を持っています。パンデモニカさん曰く……『天上』だとか」

    「知っている。いわゆる超越者、神に等しい存在らしいな」

     オシウリエルは煙草を口に加え、肺に煙を溜めた。

    「ククク……」

    「お、オシウリエルさん……?」

    「狂気の沙汰ほど、面白い……!」

    「うげっ」

     狂気。何故マンションを出れたのにそんなものと向き合わなくてはならないのか。

    「で、でも神っすよ? 天上っすよ? 無理ゲー無理ゲー絶対無理」

    「そうだ、人は神に勝てない。いくら魔法少女なる者に進化しようと限界がある」

     だからね、ああああとオシウリエルは酔いしれるような眼を向け、言った。

    「天上を、地まで引きずり降ろそう」

  • 240◆xaazwm17IRZa24/03/30(土) 03:26:37

    投下を終了します……!

  • 241二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 04:36:20

    乙でした
    相変わらず苦労人のああああさん…
    そしてオシウリエルがこの展開から生き残る方法はあるのか…!?

  • 242二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 08:58:33

    ああああの「生き延びるけど苦労を背負いこみそう」感は異常
    五体満足で生存するけど生存したが故にバトロワの後始末とか押し付けられるタイプ

  • 243二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 10:49:21

    クライオニクスが強すぎるだけでアロンダイトさんも充分化け物な描写好き

  • 244二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 11:16:25

    パンデモニカですらパラサイトドールの真意や正体らしきものに気づいていないっぽいのね
    可能性がありそうなのは邪神ちゃんかテンガイか、未登場の運営を含めれば一番パラサイトドールと付き合いが長そうなトート・アリアか

  • 245二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 11:21:51

    …今気づいたが今まであくまで自分に向けられた物しか拒絶出来ないと思っていたが結構自由が利くな…これ相手に直接拒絶したらどうなるんだ?相手の死や存在すらも拒絶出来るのか?

  • 246二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 15:03:56

    相手に直接は無理じゃない?
    自分に干渉するな→自分のいる部屋に干渉するなっていう応用だろうし

  • 247二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 15:06:03

    それができたらあんな苦労しないしね…

  • 248二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 22:31:04

    保守

  • 249二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 00:01:11

    地まで引きずり降ろすが、特大のデバフ付与の揶揄の可能性、あると思います

  • 250◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:23:02

    投下します……!

  • 251◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:23:42

     魔法少女とは、人を超えた存在である。
     そんな御伽噺(フェアリーテイル)を、ああああは信じていない。
     なるほど確かに人を超えた能力は持っている。筋力も、耐久力も、敏捷性も、常人を遥かに超えている。もし陸上競技に出ればあらゆる競技の記録を塗り替えるだろうし、もし格闘技をやれば無差別級の永年チャンピオンだろう。
     ああああは魔法によって騒音を耳栓無しでも拒絶できるし、ビルから落下しても衝撃を拒絶できる。銃撃されても拒絶できるし、ウイルスだってへっちゃらだ。
     超人。怪物。天使。最も神/天上に近しい存在。
     魔法少女(ヒーロー)。
     ——だから何なんだよクソが。
     もし、仮に魔法少女が世界に一人しかいなければ。
     魔法が存在しない世界でたった一人の魔法少女だったなら、きっとその子は己の快不快だけを信条に、好き勝手生きていられただろう。
     何て、羨ましい。
     ああああには、望むべくもない世界。

  • 252◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:23:58

     ああああは、魔法少女だ。生まれながらの超人で、神に祝福された存在で、この世界の主人公だ。
     ——ただ、この世界で超人はありふれており、神の祝福など珍しくもなく、ジャンルは群像劇だった。
     そして、ああああは弱かった。
     川を泳ぐナマズは、甲殻類や虫、小魚を襲って食べる。食べられる彼らにしてみればナマズは、絶対的捕食者であり、どう足掻いても勝てない存在だ。
     ——そんなナマズは、オオカワウソの餌でしかない。
     自然界に存在する残酷なピラミッド。
     万物の霊長を誇る人間にしてみても、明確な格差が存在する。
     暴力、知力、権力、財力。上には上が居て、下には下が居る。
     魔法少女も、例外ではない。
     むしろ、現代日本の法を超越した存在(何しろ犯罪者を捕まえる日本の警察機構は、魔法少女に対抗できるどころか、その存在すら知らないのだから)である彼女たちの世界は、一皮むけば死で溢れている。

  • 253◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:24:15

     ああああは、泥水を啜って生きてきた。なまじ生来魔法が使え、才能があったことが運命を狂わせた。思慮が定まる前から裏の世界にどっぷりと浸かり、がんじがらめに縛られて逃げ出せなくなった。
     ああああは、あらゆる物を拒絶する。だがそれは、魔力がある限りという条件が付く。そして、攻撃手段は一切持ち合わせない。
     魔法だけでは、身を守れない。一つの大きな組織が本気でああああを消そうと思えば、二十四時間波状攻撃を仕掛けてくるだろう。
     ああああは、媚びた。嫌いな奴に頭を下げ、相手の靴を舐めて生きてきた。
     何の才能も持たない、モブに過ぎない同年代が中学校に通っているとき、超人であるはずのああああは社畜をやっていた。
     階層構造で心を殺して働きながら、ああああは徐々に狂っていった。
     もう嫌だ、もうたくさんだ、もう解放してくれ……!
     どこに逃げても追手は来る。逃げられない、逃げられない。
     ……本当にそうか?
     絶対に追ってこれない場所がある。
     死だ。

  • 254◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:24:31

     死の虚無こそが、最後の逃げ場所だ。
     自殺をしよう。
     ただ、ああああは魔法少女だ。
     普通に自殺をしても、死に切る前に蘇生されてしまうかもしれない。
     そんなのは嫌だ。死の苦痛なんて、一回しか経験したくない。
     だから——ああああは、確実な死を求めて、あにまんマンションを訪れた。
     ゲームが開始する、一年ほど前のことである。

  • 255◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:25:00

    「……引きずり降ろす、ですか?」
     オシウリエル。よく分からない魔法少女。
     嫌いだ。大嫌いだ。
     未知が嫌いだ。不明が嫌いだ。混沌が嫌いだ。狂気が嫌いだ。
     あのマンションを思い起こさせるもの、全てが嫌いだ。
     どうやって、と聞く前にああああの口からは否定が溢れた。

    「無理、無理っすよ。そんなの。どうして、みんなそうなんすか。魔法は万能じゃない。私たちは、人間に毛が生えた程度の矮小な存在なんすよ、神を引きずり降ろすなんて絶対無理!」

     自殺するために足を踏み入れたあにまんマンション。
     そこで、オオカワウソは自分が井の中の蛙だったことを知った。
     闇の秩序。裏の掟。社畜な私。
     そんなものは——天国に過ぎなかった。
     外の世界の地獄を知らない、ユートピアな井戸の中で生きていた蛙に過ぎなかったのだ。
     命令にさえ従っていれば、組織に忠実であれば、生存と報酬が与えられる。仮に逆らっても、たった一度の死で済む。
     あのマンションは、違った。
     伏魔殿。
     マンションに入ってすぐに、オオカワウソと名乗る『集団』に捕まった。
     そして、ああああは『増やされ』——無限の死を、味わうことになった。

  • 256◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:25:18

     目の前で自分が死んでいく。
     水に沈められ、怪物に殺され、オオカワウソに喰われ、拒絶の抵抗も空しく死んでいく。
     分身ではない。使い魔でもなければ、偽物でもない。
     全て自分だ。同じ記憶を持ったああああだ。
     オオカワウソに触れられ、増やされ、生かされる方か、殺される方かは、ああああの自意識では運に過ぎない。
     偶々、マンションに入り、今まで殺される側にならなかったああああ、それが今、この場にいるああああだ。
     魔法王の使いによってオオカワウソの元から逃がされなければ、ああああは今も、マンションに囚われていた。
     感謝はしている。
     けれど、彼女たちもまた、オオカワウソと似た空気を感じる。
     狂気。
     そんな彼女たちを統括するのが黒幕——神。

  • 257◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:25:53

     オオカワウソが、自身とああああを使い潰しても完全攻略が叶わなかったマンションを作ったのも、きっと神なのだろう。

    「私ら殺し合わなくていい、安泰な地位じゃないすか。何でわざわざ黒幕に喧嘩売るような真似するんすか」

     オシウリエルの口から煙が漏れる。
     内面の年齢はどうあれ、フリフリな格好の少女が喫煙をする様子はああああにとって——見慣れたものだった。裏社会の魔法少女ならよくあることだ。どうせ煙草程度の毒など魔法少女には効かない。

    「どうしてって、さっきも言ったろ。
     その方が、面白いからだ」

      パンデモニカの受け売りじゃないけどな、とオシウリエルはシニカルに笑った。

    「まぁ話を聞けよああああ。私は何も……世迷言を吐いてるわけじゃないんだ」

    「そう言う風にしか受け取れないんすよ、こっちは。神を、天上を引きずり降ろせる根拠って何すか」

    「そうだな、まずはその、神は殺せないって偏見を無くした方がいい。魔法は、イメージだ。神とか、天上って言葉に惑わされるな」
     

  • 258◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:26:17

    「いや、現に実力差は無限にあるでしょ。私も詳しいことは分かんないすけど、あんだけのメンツを拉致して、制限かけて、他にも大規模な魔法たくさん展開して。こんな殺し合い開ける時点で、黒幕がとんでもない人間なのは間違いないですよ。っていうか、魔法王さえ操られてるなら、魔法の国掌握してるようなもんすよね?
     はい、もう無理、絶対勝てない、人は、神には勝てません」

    「ククク……まるで中世のキリスト教徒と話している気分だな。
     ああああ、恐らくだが、あんたまだ10代、バリバリの現代っ子だろ」

    「っ……」

     もちろんああああは、年齢のことなど誰にも話していない。オオカワウソにもだ。
     オシウリエルはどうやって調べたのか。
     背筋が寒くなる。実力は未知数だが、パンデモニカ、メンダシウムに並ぶ格のようなものを、ああああはオシウリエルから感じていた。
     オシウリエルが手で転がすスプレー缶に視線を送る。アロンダイト製のスプレー缶。オシウリエルが切り札として出しているということは、ああああの拒絶を封じる性能があるに違いない。
     拒絶がなければああああはバニラ魔法少女だ。容易く殺されてしまう。

  • 259◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:26:40

    「漫画やアニメ、ゲームを見てみろ。人間が神をやり込めたり、倒す物語なんかありふれているぞ? ドラゴンボールでも、ブロリーは神様より強いだろ? アトラスのゲームをやったことがないのか? ポケモンでも神と呼ばれたポケモンは捕まえられるし、モンハンだって神と呼ばれたモンスターをハントできるだろ」

    「知らねぇっすよ」

     ああああは、サブカルに明るくない。生涯の殆どを裏で過ごしてきた彼女にとってそれら人間界の娯楽など、縁の無い話だ。

    「そういうのって、現実にはありえないから描かれるんでしょ? 不老不死になれないから不老不死の薬が出てくるし、空を飛べないから空を飛べる人間が出てくる。
     フィクションであったからといって、現実なわけがないっすよ」

     魔法はあっても、空想は存在しない。

    「そんなことはないさ。知っているか? 宇宙旅行も、携帯電話も、核兵器も、最初はSF小説からだ。人は不可能を空想し、それを可能にしていく生き物だと、私は思っている」

  • 260◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:27:05

     それはまた——随分と前向きでけっこうなことだ。オオカワウソに聞いても同じことを返すのだろうか。否、きっとあれらはそこまで自らの衝動を言語化できないだろう。
     オオカワウソが狂気の生物なら、オシウリエルは狂気の少女だった。

    「別に、オシウリエルさんの信条はどうでもいいすけど、現実は、今この時代では、人は神に勝てないのは自明じゃないすか。
     殺し合いは恙なく進行してるし、あのマンションも攻略されてない。
     そりゃあ、つい数時間前、なんだか一か月以上前な気さえしますけど、メンダシウムさんが死んだのは驚きましたよ。けど、結局黒幕までは辿り着けてない。
     無理なんですって」

    「——マンションは、攻略されたよ」

    「…………はい?」

    「オオカワウソの言う、隅々まで探索という形ではないがね。怪異の発生源は——死んだ。今すぐとまではいかないだろうが、徐々にあにまんマンションは……ただのマンションに戻るだろうね」

    「な、何すかそれ……」

  • 261◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:27:39

     あの不条理な、あの理不尽な、あのオオカワウソを持ってしても全貌が解明されない怪異の、発生源が死んだ?

    「オオカワウソが、やったんすか……?」

    「いや、殺したのはハニーハントだ」

    「誰だよそれ!?」

     ああああは思わず立ち上がった。
     あの、地獄が、ああああに生涯残るであろうトラウマを刻み付けたあにまんマンションが——負けた?

    「言っておくが、ハニーハントは決して強い魔法少女じゃない。
     私や、パンデモニカ、メンダシウムには勝てないだろうし、オオカワウソを相手にしても厳しいだろうな。実力的には、参加者の中でも中の下、といったところか。
     そんな彼女が、『偶然にも』、マンションの怪異の核を殺してのけた」

    「そんな、そんなのって……」

     それは、喜ばしいニュースのはずだった。
     例え、絶対に起こってほしくない未来だが、万が一、オオカワウソが優勝したとしても、もうあにまんマンションはダンジョンではない。

  • 262◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:28:18

     ああああが地獄に連れ戻される可能性はない。
     ああああは、ハニーハントに最上級の感謝を表明するべきだ。
     それなのに。

    「私らの冒険は、何だったんだよ……!」

     口から漏れたのは、恨み言だった。
     地獄だった。狂気と混沌の坩堝だった。
     それでも、あにまんマンションの攻略はオオカワウソとああああの力があったからこそ進んでいた。様々な罠を死に覚えで攻略し、遂には心臓部さえ掌握していたのだ。
     一つエリアを突破する度に、オオカワウソがハイタッチをしてきたのを覚えている。
     散々使い潰しておいてと、怒りを覚えたが、それでも、確かにああああには自負があったのだ。
     あのマンションでは、ああああは社畜ではなく、探索者だった。(非常食でもあったが)。

    「ああああ、この世の中に絶対はない」

  • 263◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:28:48

     オシウリエルは、真っすぐああああを見据えていた。

    「私も魔法少女になって長いが、無敵を誇った魔法少女も、最強を謳った魔法少女も、死ぬ時はあっさり死ぬもんさ。まるで賽の目で1を出しちまったみたいにな。
     黒幕、神、天上……どう装飾しても、そいつがこの世に存在するものなのは間違いないんだ。絶対の椅子に座り続けられるわけじゃない」

    「……確かに、マンションは絶対じゃなかったかもしれない。けど、それが黒幕に隙があることに繋がらないすよね。何の根拠があるんすか」

    「根拠ならあるさ。このゲームの展開を見ていれば、違和感がある。
     このゲーム……どこか、変だろ?」

    「変、すか。殺し合いにしちゃ自由度が高いとは思うすけど」

     組織の処刑法として殺し合いをやらせるというのはポピュラーだ。ただそれはもっと閉所でもっとシンプルな形で行う。
     こんなイベントのような真似はしない。

    「参加者は十人十色、様々な個性を与えられている。誰が優勝するか、容易には予測がつかないエンタメ性がある。
     ただ、全員がその強みを生かしきれるようには出来ていない」

  • 264◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:29:42

    「何が言いたいんすか」

    「スカイウィッチとフライフィアーは、どうして地下がスタートだったんだ?」

     確か、空を飛ぶのが得意な魔法少女だったか。

    「……偶然ですよ」

    「わざわざ同じ地下にゲームに乗る確率が高いヒートハウンドを用意している。はっきり言って、スカイウィッチとフライフィアーが、地下でヒートハウンドに勝てる可能性は零パーセント。それどころか、逃げることすらまず無理だろう」

     犬は嗅覚が鋭いからな、とオシウリエルは笑った。

    「結局この二人は、強みを生かしきれないまま退場した。
     ……空を飛ぶことが得意な魔法少女を、わざわざ地下からスタートさせ、近くに天敵を配備する。……恣意的なものを感じないか」

    「黒幕は、その二人が嫌いだったんじゃないすか」

    「もう一つある。お前にも馴染みが深い、あにまんマンション。ここが初期位置だった参加者は、ビリーバー、オオカワウソ、ハニーハント。
     そして、ビリーバーは脱落した」

     魔法特化型の魔法少女は複数いる、とオシウリエルは言う。

  • 265◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:30:29

    「電子の海に潜れるナイトメア・メリィ、千里眼のクレアボヤンス。この二人は初期位置も比較的安全な場所であり、周囲に危険人物は配備されていない。にも関わらず、ビリーバーだけが全エリアでぶっちぎりで危険なあにまんマンションスタートで、かつ近くには危険人物のオオカワウソとハニーハント……まるで一刻も早く死んでくれと言わんばかりの采配だ」

    「……何が言いたいんですか?」

    「私はね、この三人は、黒幕を脅かす可能性があったと思っているんだ」

     スカイウィッチ、フライフィアー、ビリーバー。

    「単純な実力ならティターニアやテンガイ、ブレイズドラゴンやスピードランサーはフライフィアーに並ぶ、あるいは凌駕するかもしれない。スカイウィッチやビリーバーとは隔絶した実力差のはずだ。
     にも関わらず、彼女たちはそのような理不尽な目に遭っていない」

      恐れているのは、実力ではない。

    「空を飛ばれること、未来を視られること。黒幕は、それを何より恐れた」

    「……それが、弱点だっていうんすか?」

    「さてね。そうシンプルな話ではないのかもしれないが……。
     少なくとも、黒幕は全知全能の存在ではない。むしろ、一部の参加者を極度に恐れている——エンタメ性を排してまで身の安全を図る、小心者だよ、『彼女』は」

  • 266◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:30:53

     天上、とオシウリエルは悪徳セールスマンが他社の商品名を読み上げるように、見下しと侮蔑が混じった声色で、言った。

    「天の上が神の領域だったのは、近世までだよ。
     今の時代、人は、天の上を遥か飛び越えて——宇宙にだって、行っているんだから」

    「………………つまり、オシウリエルさんは、私らが天上に昇って行けると?」

    「ああ、いつかはな」

     オシウリエルは、二本目の煙草に手を伸ばす。
     ゆったりと、くつろぐように煙草を吸う。
     果たして、とああああは思う。
     このオシウリエルとは、何者なんだろうか。何歳なのか、どれくらい強いのか、どこまで本気なのか。

    「が、それでは時間がかかる。
     ——だから、天上には、下まで降りてきてもらう」

  • 267◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:31:20

    「そんな方法、本当にあるんすか」

    「ああ、策がある」

    「それはいったい……」

    「何、簡単だよ……」

     悪戯を思いついた子どものような顔で、オシウリエルは言った。

    「黒幕を、あにまん市の殺し合いに参加者として放り込む」

    「……は?」

    「『制限』と『呪い』を、黒幕にも適用させるのさ……!」

  • 268◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 02:31:40

    投下を終了します……!

  • 269二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:35:40

    やばいやばい俺この一瞬でオシウリエルが好きになってしまったやばいもうやばいしか言えないぐらいにやばい

  • 270二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 03:00:29

    マジか…!!
    パラサイトドールを殺せる可能性があるとしたらまだよく分かっていない「呪い」とやらを利用するしかないもんな

  • 271二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 04:30:37


    無機物と未来視は十分わかるとして、空飛ぶ相手が苦手(仮説)ってどういう理屈だろう
    もしや射程距離がちゃんとあって引き撃ちに弱い?

  • 272二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 04:44:19

    そういえばクライオニクスも空飛ぶ魔法少女だったよね
    他に応用次第で飛べそうな子は居たっけ

  • 273二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 08:54:02

    距離か「あにまん市」限定の能力かじゃないかな
    あまりに上空へと行かれると射程距離外になるかある程度の高度まで行くとあにまん市判定がなくなるか
    あとはハガレンの国土錬成陣みたいなのが仕込んであって上から俯瞰すると何かに気付かれるのかもね

  • 274二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 08:55:32

    乙です、参加者の大体が共通して1日なのに2ヶ月くらい戦ってるような感覚持ってそう
    「空を飛ぶ」というのが魔法の応用=進化の一種だとしたら元からその過程を飛ばして飛ぶ力を持つのは天上への入口かもしれないよ…多分!

  • 275二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 11:40:34

    そんなパラサイトドールが直々に殺しに来たブラックブレイドってやっぱとんでもない魔法だったんすね

  • 276二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 14:05:35

    天井ってワード的にも空になんかありそうではあるよね

  • 277二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 17:35:24

    アロンダイトさんは運営側だけど
    もしかしたら黒幕的には死んでほしかったのかも
    彼女の能力でスカイウィッチのステッキを
    作られたくなくって
    だから近くに強い魔法少女が2人もいたのかも
    ついでにクライオニクスも飛べるし
    潰し合ってほしかったのかも?

  • 278二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 20:31:43

    >>277


    アロンダイトの魔法がどこまで持ち主の性質を受け継げるのか分からないけど、飛行可能かついかにも残滓っぽいものを遺してるクライオニクスさんのステッキを作っていて欲しいな

  • 279二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:24:47

    だとすれば、そのアロンダイトをわざわざ出向いて回収しに行ったパンデモニカは最悪黒幕が死んでも良いって考えてたのか…?

  • 280二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 23:39:16

    オシウリエルの仮説は、話を大きく遡って
    『なぜ1話の登場人物があの三人だったのか?』という点も含めて考えると説得力が倍増するんですよ

  • 281◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:42:36

    投下します……!

  • 282◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:43:40

    【聞こえるか、魔に愛されし子らよ……】

     突如、脳内に響いた言葉に、ゲーム参加者の一人、アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッドは、『作業』を中断し、その場に立ち尽くした。

    【これより、第一回放送を行う】

     この声の主は覚えている。六時間前に、殺し合いを宣告した魔法王その人だ。

    (放送……?)

     意図を測りかねながらも、アリスは魔法王の言葉に意識を傾けた。

    【よくぞ、最初の六時間を生き延びた。諸君らは評価に値する魔法少女だ】

    (いいえ、魔法王……。それは違う。殺し合いに強い魔法少女なんて——論外。唾棄すべき存在だわ)

     放送、と銘打っている以上、向こうの言葉は聞こえても、こちらの言葉は届かないのだろう。アリスは分かった上で、魔法王の言葉を否定する。

    【六時間を生き延びた報酬だ。諸君らに、プレゼントがある】

    (プレゼント……?)

  • 283◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:44:10

     アリスの足元に、魔法陣が浮かび上がる。
     咄嗟にアリスはその場を飛び退いた。他の参加者からの攻撃かもしれないからだ。
     しかし、魔法陣から出現したのは剣や槍、アリスを害するものではなく。

    「これは、羊皮紙……?」

     恐る恐る手に取る。
     上質な紙に、文字が並んでいる。
     人の名前だ。
     アリスの名もある。
    『柩枢(ひつぎ くるる)/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド』と表記されている。

    (これは……名簿?)

     並べられた名は、44。
     ハイエンドの名もある。
     そして。

    (幾つかの名前が、赤くなっている……)

  • 284◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:44:31

     星月 夜/アルセーヌ。
     ナサリーブラウン。
     ナターリヤ・ミシェンコフ/クライオニクス。
     和妻 颯葵/トリックスター。
     木羽 マミ/ビリーバー。
     玉柳 水華/アレヰ・スタア。
     裁原 編/パペッタン。
     陣内 葉月/ブラックブレイド。
     らいと/フライフィアー。
     田中 空/スカイウィッチ。
     メリア・スーザン。

  • 285◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:45:03

     11人の名前が、真っ赤に染まっている。

    【これは、このゲームの参加者を示す名簿だ。
     そして、赤に変じた者は、この六時間で脱落した者たちである】

    (そう、まだこの程度しか死んでないんだ)

     不甲斐ないと、アリスは思った。世界を浄化するためにもっと頑張らなければ。

    【親しい者は居たか? 憎む敵は居たか?
    名簿の情報は六時間ごとに更新される。参加者は減ることはあっても、増えることはない。因縁を果たしたければ精々走り回ることだ。
     ——それでは六時間後に、また会おう】

     始まったときと同じように、唐突に魔法王の言葉は聞こえなくなった。
     アリスは再び『作業』を再開する。
     やがて、彼女の前に、一人の魔法少女が立った。
     意思を感じさせない暗い瞳を覗き込み、アリスはふぅと汗を拭う。
     そして、名簿を広げると再び目を通し始める。

    「あ、ごめんなさい。一緒に見る?」

     そう言ってアリスは名簿を魔法少女に差し出す。
     操り人形でしかない魔法少女は、提案に対し、ただぼんやりと立ち尽くすのだった。

    「見ない? そっか。……みんなはどうする?」

     そう言って、アリスは後ろを振り返り——自らが作り出した、意思無き魔法少女の集団に声をかけた。

  • 286◆xaazwm17IRZa24/03/31(日) 23:45:55

    投下を終了します……!

    名簿は、ウィキの魔法少女名簿と同じ表記です……!

  • 287二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 01:36:57

    6時間傀儡を増やし続けてたのは本当にやばいな
    マジカルストラッシュで正気に戻せるか…?

  • 288二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 02:36:55

    乙でした
    ・◾️◾️少女(天上)とは?
    ・『呪い』の正体は?
    ・最初の魔法少女はどこから来たのか
    ・運営打倒に飛行と未来視が鍵になるのは何故?
    ・ハスキーロアの真の能力は?
    ・『世界で最も権力のある一族』とは?

    などまだまだ疑問は盛りだくさん

  • 289二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 04:43:17

    ふと思ったんだけど、「世界で最も権力のある一族の末っ子」が
    滅ぼされた妖精郷の王族の末裔で最後の生き残り、的な意味だったらアツい

  • 290二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 07:33:32

    飛行が弱点ってミスリードする為にスカイウィッチも地下に送られた可能性もあるかな
    本当は生物しか洗脳出来ないからフライフィアーを嵌めた事を隠す為に

  • 291二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 10:02:46

    とにかく消しておきたいのはフライフィアーとビリーバーだよね
    魔法が効かない相手と未来視

  • 292二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 10:28:22

    冒涜の竜≒黒竜=パラサイトドールだとすると天上の魔法少女が完全復活に必要である可能性が?

  • 293二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 10:39:22

    よくよく考えたらフライフィアーとビリーバーが仲良いのすごい怖いよな
    支配無効な上、攻防速全てが高水準しかも飛行可能で戦闘センスも高いバケモンが未来視によるサポートを受けて襲ってくるんだぜ

  • 294二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 16:50:50

    そういえば強制デュエルは「一番キル数の多い人間」みたいな指名は無理なんかな
    情報がない場合そういうのが決め手になるかと思ったけど

  • 295二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 23:06:04

    保守

  • 296◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:36:31

    投下します……!

  • 297◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:37:18

    「——面白いじゃないか」

     と、パンデモニカは言った。
     刹那的快楽主義者である彼女にとって、この世の物事はすべからく面白い。

    『それって、本当は、何も面白くないんじゃないの?』

     と、最初に契約した少女に言われたことがあったが、パンデモニカは違う、と内心で首を横に振る。
     パンデモニカの中にも明確な基準はある。
     すべからく面白いとしても、一の面白さと、十の面白さと、百の面白さがあり、一の面白さをもつ事柄は、面白くないと同義だ。
     この世を無限の面白さで染め上げるのがパンデモニカの目標であり、そのために面白いことに手を貸し——面白くないことの邪魔をする。

    「目の付け所は悪くない」

     と、パンデモニカは言った。

    「実際、『彼女』は完全無欠な存在ではない。真に完全であるならば、こんな儀式も必要ないからね。……もっとも、それが、君たちの勝利とイコールではないが。
     天上に至るのではなく、『彼女』を天上から引きずり降ろすというのも、ナイスアイデアだ。
     ただ——君には無理だよオシウリエル」

  • 298◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:37:43

     そう言って、パンデモニカはつま先でオシウリエルの腹を突いた。
     それだけの動作で、オシウリエルの口から血が噴き出す。
     魔法少女・熾店長オシウリエルは——瀕死の重体だった。
     全身に無数の傷を負い、両足首を粉砕され、力無く壁にもたれている。

    「君には、才能が無い。
     元々、二十六歳になるまで魔法に覚醒することも無く、才ある少女から騙し取ったステッキで無理やり魔法少女になった劣等。それが君だ」

     君では、天上は崩せない。
     パンデモニカは、断じる。

    「……ククク、仲間に対して酷い言い草だな、パンデモニカ」

     不敵に微笑みながら、オシウリエルポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
     ふぅ、と優雅さすら感じさせる動作で一服すると、オシウリエルはパンデモニカを見上げる。

    「私が裏切ったってエビデンスは?」

  • 299◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:38:07

    「ああああの密告だよ」

    「…………そうか、釣れた感触はあったんだが」

    「君の魔法、『魔法のセールストークでなんでも値切れるよ』。これはセールスだけじゃなく、協力交渉なんかにも応用できる。要は、僅かにでも売らせたい、あるいは協力したいという相手が思えば、必ず値切らせる/協力させられる魔法、といったところかな。
     三流詐欺師、小悪党の君には最高の魔法だったんじゃないかな。
     けれど、所詮は劣等。魔法少女暦2週間の愚図だね」

    「……ああああには、効いていなかったというわけか……」

    「君は、彼女の用心深さを見落としていた。
     ああああは、外部からの監視だけじゃない、君からのあらゆる魔法干渉を予め
    全て『拒絶』していた。
     君の魔法は、ああああに効果を及ぼしていなかった」

    「なるほど……ただのチンピラと思ったが、運営側に相応しい、チートぶりだな……」

  • 300◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:38:36

    「ああ、私もああああは評価していてね、彼女が自らの過小評価を辞めたとき、とても面白いことが起きるはずさ」

    「面白い、か……」

     一瞬の隙を突いた、とオシウリエルは思ったのだろうか。
     その手にはスプレー缶が握られている。

    「ただのスプレー缶じゃないぞ、アロンダイト製のスプレー缶だ。
     パンデモニカ、お前は罠に嵌った。ああああにはわざと密告させたんだ。全てはお前をおびき出すため」

    「ただのスプレー缶だよ、それは。馬鹿馬鹿しい」

     無造作にパンデモニカはオシウリエルからスプレー缶を引っ手繰る。
     そして、自らの掌に噴射した。
     赤く変色した自らの掌を、パンデモニカはつまらなさそうに眺めた。

    「アロンダイトが君にアイテムを売るわけないだろ。僅かでも売らせようとおもってなければ君の魔法は発動しない。人間である君がアロンダイトからアイテムを買うことは不可能だ」

     パンデモニカはスプレー缶を片手で捻り潰すと、後ろに放り投げた。

  • 301◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:39:01

    「本当に君は——つまらない。どれだけ嘘を重ねただけで、前提となる知識が、経験が不足している。
     君がステッキを騙し取らなければ、もっと面白い子がゲームに参加していただろうに。メンダシウムに急遽枠を埋めるよう言わなくて済んだんだ。
     ここから先は、本物の魔法少女の世界。
     君みたいな紛い物は、退場するべきだ」

    「……そうだな。ガキの殺し合いなんぞ、見ていて何も面白くない。
     いい加減、家に帰って酒でも飲んで寝たい気分だ……」

    「その口調も嘘だろ、鷺島鷽。矮小な己を誤魔化すために尊大な口調で話す、強キャラ感を演出する、残念ながら、魔法少女界隈ではごくありふれた手法だ。
     魔法少女になる前は友人の家の呼び鈴を押す勇気も無かったような女の子が、一年でまるで少年漫画のボスキャラみたいな口調で喋り出すのが魔法少女さ。まるで、今の君のようにね」

    「……………………参ったなぁ、アカギとかをイメージして喋ったつもりだったんだけど、バレバレだったかぁ………」

     オシウリエルは恥ずかしそうに顔をそむけた。

  • 302◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:39:36

    「じゃあ、今からは素で話すね……あー、これはこれで楽かも、煙草とか無理して吸う必要なくなったし」

    「どっちでもいいさ。どうせ、君はもうすぐ死ぬんだから」

    「そうだねぇ……」

    「交渉は無駄だぜ。私は君を生かすつもりがこれっぽっちも無い」

    「うん、分かってるよ……でも、まだ聞きたいことがあるんでしょ? いいよ、詐欺師のおねーさんが何でも教えてあげる」

     妙だな、とパンデモニカは思った。
     ただの人間、鉄火場に立ったことすらない女にしては、妙に肝が据わっている。
     死の淵に立ったことで、悟りでも開いたか。
     あるいは、自分の恐怖心を騙しているのか。
     まさか滑稽にも、魔法があるのだから死後の世界もあるに違いないと、愚かな勘違いをしているのか。

    「君は、天上を引きずり降ろすと言ったそうだね」

  • 303◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:40:11

    「うん、そう言ったよ」

    「どうやって?」

    「さて、ね。ああああは悲観的でね。自分が昇るイメージができなくても、相手が降りるイメージは出来た。だから、ああああが納得しやすいように、天上を引きずり降ろすと言ったんだ。
     これが仮に、彼女の天敵、オオカワウソ相手なら、天上に至れる機構を探そう、と提案していたよ。
     相手に会わせて道筋を変えるのは、話術の基本だよ」

    「なるほど、つまり何も策は無かったんだね」

    「策……そうだね……うん」

     オシウリエルは力なく笑った。

    「私の死をトリガーに、恐ろしい罠が発動する……。
     だから、私は殺さないほうがいい」

    「そっか——やっぱり君、三流だね」

     ぐしゃ。

    【鷺島 鷽(さぎしま うそ)/熾店長オシウリエル 死亡】

  • 304◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:40:34

     鉄製のドアが、宙を舞った。
     伏兵か、とパンデモニカは僅かに期待を滲ませ、振り返る。
     ドアを蹴破って表れたのは——アロンダイトだった。

    「パンちゃん、大変ザマス!」

    「どうしたんだいアロンダイト? また運営の誰かがムカつい」

    「ミーの! ミーのマジックアイテムが、盗まれているザマス!」

    「……何だって?」

     思わず、パンデモニカは転がるスプレー缶に目をやる。
     そんなはずはない。オシウリエルにそんなことは不可能なはずだ。
     考えられるのは

    「他にも協力者が居たのか……」

  • 305◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:41:14

     オシウリエルの死体は何も語らない。

    「嫌がらせのつもりかい、オシウリエル?
     君、やっぱりセンスがないよ。
     アロンダイトの金庫を破れて、君に協力する魔法少女なんて、運営側には一人しか居ないだろ。彼女を抑えれば、アイテムも回収できる。
     大したロスにならな……」

    「ほ、報告します……!」

     アロンダイトが蹴破ったドアがあった空間から、魔法国の役人が顔を出す。
     その顔は蒼白だった。

    「たった今、放送が終了し、名簿の配布も終えたのですが……」

    「ああ、ご苦労様」

    「そ、それが、一部の魔法少女に、名簿だけでなく、謎のアイテムも配られていまして……こ、これは魔法王様の余興でしょうか……?」

    「———何だって?」

     パンデモニカはモニターを展開する。

  • 306◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:41:39

     名簿を読み、様々な反応を見せる参加者たち。
     一部の魔法少女の足元には、確かに本来アロンダイトが取り扱うはずのマジックアイテムが安置されていた。

    「——なるほど、思ったより面白いことをするじゃないか」

     今から会場に降りて、アイテムの回収に周るか。
     その必要は無い、とパンデモニカは判断する。
     一人の魔法少女が全てのアイテムを所有しているわけではない。ゲームのバランスは崩れない。
     また、対魔法王の魔法少女にだけアイテムが配られたわけでもない。
     殺し合いが停滞することはない。むしろ加速さえするだろう。

    「アイテムをランダムに配る……最初からそうするのもありだったな」

    「え、絶対嫌ザマス! どうしてミーのアイテムをクソ人間に使わせなくちゃいけないザマスか!? 今すぐ回収に行くザマス」

    「まぁまぁ、落ち着けよアロンダイト。それより、君と私で、やらなきゃいけないことがある」

    「何ザマス?」

  • 307◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:42:00

    「裏切り者の粛清さ」

     アロンダイトの金庫を破り、名簿の転送に割り込める才覚を持つ者。
     もはや消去法でオシウリエルと内通していた者は炙りだせる。

    「オートクチュールを殺しに行こう。
     ——彼女は強豪だが、私や君には、絶対に勝てないのだから」

     最後にオシウリエルの死体を一瞥すると、パンデモニカはアロンダイトを引き連れ、もう一人の裏切り者——若麻績 裁華(わかおみ さいか)/オートクチュールを始末するべくその場を後にした。 

  • 308◆xaazwm17IRZa24/04/01(月) 23:42:35

    投下を終了します……!

    アイテムが誰に配られたかは、主催パートが終わった後ダイス振ります……!

  • 309二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 23:53:47


    運営側の不穏分子が思ったより早く消えてしまった

  • 310二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:48:51

    本当にオートクチュールが協力者か…?
    確かに運営側で唯一バックボーンが何も分かってないし厄ネタはありそうだけど

  • 311二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:52:32

    マジックアイテム欄を見返したら『ただのスプレー缶』ってアイテム募集で出てたのか…気付かなかった

  • 312二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 03:05:22

    当たり枠マジックアイテム案です

    【名前】魔杖ランスロット
    【説明】いつもアロンダイトが背負っているバカでかい剣。彼女の愛刀であり、唯一認めた魔法少女の忘れ形見でもある。
    固有魔法『湖の上を歩けるよ』の効果からあらゆる液体を捉え無条件で切断できるが、非常に気難しい性格で誇り高い騎士道を持つ者にしか扱えない。

    【名前】聖杖ロンギヌス
    【説明】身の丈よりも長い真紅の聖槍。
    固有魔法『神を殺す魔法』の効果から聖なる加護を打ち破る攻撃が可能だが、魔法少女や妖精・悪魔など魔性の者たちには殆ど効果がない。
    妖精郷の外敵どもを討ち滅ぼすために作られたアロンダイトの最終兵器。

  • 313二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 07:11:50

    乙です、運営側のイレギュラー発生は今後のバトロワに確実な歪が出ますな…まだまだ裏切り側も切り札を抱えてそう

  • 314二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 07:45:46

    失敗に終わったけど僅かながら管理体制に綻びが生じた

  • 315二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 12:46:44

    配られたアイテムで何が起きるか

  • 316二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 14:34:50

    オートクチュールは立ち位置・戦力共に全くの未知数だけどどんなキャラになるんだろうな
    生存値的に今回で始末されることはないだろうから濡れ衣なのか上手く立ち回るのか

  • 317二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:20:36

    このレスは削除されています

  • 318二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:31:20

    このレスは削除されています

  • 319二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:32:56

    マジックアイテム案
    【名前】
    強化薬アンプル
    【説明】
    『あなたの魔力と身体能力をブーストします』という説明文がラベリングされたアンプルと注射器。
    投与すると
    ・魔力と身体能力の爆発的向上
    ・痛覚の鈍麻
    ・異常な集中力
    ・再生能力
    などの多大な恩恵を得られるが、中毒性を持つ上に使用し続けると次第に理性を獣のように失い、破壊衝動に従うようになる。

    元は魔法国研究部門が行った、神話の時代に実在した〝死の神獣〟の血液を罪人に投与する実験の過程で生み出されたもの。この実験では唯一の成功例であるグレンデルを除き、全ての被験体が肉体と精神が崩壊して死亡した。
    それを元に、安全を考慮して限界まで血液を希釈した上で作成された本薬品もまた、ただ強いだけのワーウルフを生み出すだけの結果に終わった失敗作であり、魔法国の恥部である。

  • 320二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:45:48

    しかしオシウリエル、エイプリルフールが命日になるとはね…

  • 321二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 20:42:47

    キャラ性にピッタリの命日ではある

  • 322二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:37:36

    魔法の才が無い故の着眼点の良さだったのになぁ
    だからこそ先に潰されてしまったのだが…

  • 323二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:52:31

    運営ダイス時の「緩めで行きます」はエイプリルフールに向けての発言だった…?

  • 324◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:23:34

    投下します……!

  • 325◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:24:46

     魔法王の城には、四方に塔が立っている。
     東塔はパンデモニカ、西塔はメンダシウム(倒壊)、南塔はオートクチュール、北塔には熾店長オシウリエルに与えられ、内装は各自に任されていた。
     オートクチュールに与えられた南塔は一つの魔法工房となっていた。
     吹き抜けになっていたメンダシウムの西塔と違い、アリの巣穴のように狭く、更に通路の幅を狭めるようにクローゼットやハンガーラック、その他様々な収納ボックスが並ぶ。
     服屋、あるいは雑貨屋といった様相だが、天井から掛けられているのはバジリスクの皮、ハンガーラックにはワイバーンの羽根、収納ボックスの中には、ミスリルやオリハルコンの原石が並ぶ。
     これらは全て、オートクチュールが作る魔法少女のコスチュームの素材となるのだ。
     そして、塔の最奥部にて、オートクチュールは布を広げ、新たなコスチュームを制作していた。
     手縫いである。
     だが、魔法少女の身体能力と神がかった技術により、工場機械より早く正確に、彼女の針は動いていく。
     正統派なクラシカルメイドスタイルと、それに見合った柔和な笑顔のまま、ただ手だけが神速で動き続ける。

  • 326◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:25:14

     時折、糸が伸び、工房内の必要な素材を絡めとり、オートクチュールの手元に手繰り寄せる。

    「やぁ、精が出るね、オートクチュール」

     南塔に扉は無い。
     また罠も無く、衛兵も居らず、助手さえ居ない。
     オシウリエルを粛清したパンデモニカがアロンダイトを引き連れ最奥部に辿り着くのに、何の障害も無かった。

    「そのコスチュームは誰に作っているのかな」

     パンデモニカの言葉が聞こえていないのか、オートクチュールは柔和な笑みを崩さず、作業を継続する。

    「クソ人間っ、パンちゃんが話しかけてるだろうがっ!」

     一瞬でアロンダイトの怒りが頂点に達した。
     彼女は、持っていた大剣を怒りに任せて投げつける。
     子どもの癇癪に似た行動。しかし、貴族妖精の膂力で放たれる癇癪は、魔法少女を文字通り粉砕する威力を秘める。

  • 327◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:25:37

     秒速1000m、ライフルに近い速度で迫る大剣に対し、オートクチュールはその場を動くことも、視線を送ることもなかった。
     甲高い金属音が響く。
     アロンダイトの投げた大剣と、オートクチュールの針から伸びる糸に絡めとられた裁ちばさみが衝突したのだ。
     大剣は回転しながら、部屋の右側に並べられていたハンガーラックを両断し、壁に突き刺さる。
     これらの動作を行いながら、オートクチュールの裁縫は止まっていなかった。それどころか視線一つパンデモニカやアロンダイトによこさない。

    「——ガン無視とはいい度胸だ、クソ人間。ミーは今、愛用の武器も秘蔵のアイテムもクソ人間共に配られて気が立っているザマス。そんなミーをガン無視とは、死にたいならそう言えクソ人間」

    「——相変わらず、アロンダイトは怒りっぽいわねぇ」

     その声には、皮肉の色が微塵も込められていなかった。
     やれやれ困った、と井戸端会議で愚痴る主婦のような声色で、オートクチュールは口を開いた。

  • 328◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:26:32

    「初代が言っていた通りだわ……。
     けれど、私の仮工房を壊さないでくれると助かるのだけど……。納期も迫っているのよ……まったく、魔法王ったら、対邪神用の最高級コスチュームを最短で作れなんて……当代最大の試練だわ……」

     ガァーと激昂するアロンダイトを抑え、パンデモニカはシニカルな笑みを浮かべ、オートクチュールに問う。

    「それは……魔法王に献上するコスチュームかい?」

    「ええ、具体的にどの魔法王に着せるかはまだ決めてないって言うのよ……本当に、困った話じゃないかしら、その子との相性だってあるのに……」

     困った、と言いながら、オートクチュールの表情は変わらない。

    「ふむ……オートクチュール、単刀直入に聞こう。
     君、私たちを裏切ってるだろ」

    「裏切ってるも何も——最初から私は中立じゃなかったかしら」

    (そうだ……オートクチュールは中立派のはずだ)

  • 329◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:26:50

     殺し合いを破壊する側に回る可能性があると密かに目をつけていたオシウリエルやああああと違い、オートクチュールは殺し合いを破壊することもなければ、積極的に推進もしないだろうと目されていた。
     魔法の国において、歴代のオートクチュールは常にその立場を維持していた。
     貴族妖精の三度の反乱の際も、王家が南北朝に分かれ争ったときも、邪神教団の殲滅作戦に関しても、そこに魔法少女が居る限り、王家に仇名す者にさえ、コスチュームを提供してきた。
    全ての魔法少女の衣装は、オートクチュールが制作している。
     人間界の魔法少女には、それを知らない者も多い。コスチュームは、自分のイメージと魔力で構成していると、勘違いをしている。
     事実は異なる。
     まず、魔法少女に覚醒すると思われる少女を妖精がピックアップ、そのことをオートクチュールに伝えると制作スタート、完成次第、その魔法情報と該当少女の魔力を気づかれることなく遠隔で縫い合わせ、その魔法少女のコスチュームとする。
     勿論、妖精が気づくことなく変身してしまう個体も居るが、その場合は後からオートクチュールが制作する。

  • 330◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:27:19

     該当少女が望む形を推測し、無意識の要望を叶える、そんなプロの仕事を歴代のオートクチュールはこなしてきた。
     それ故の特権。
     間接的に魔法王に仇名しても、オートクチュールは許される。
     何故なら彼女は魔法少女文明を支える柱であり、全ての魔法少女に中立な存在で在るが故に。

    「そんな君が、アロンダイトのアイテムを強盗し、参加者に配るなんて直接的な真似をするわけがない。
     ——普通は、そう思うだろうね」

     けれど、残念だよ、オートクチュール。
     疑わしいのは、君だけだ。

    「五人の運営者。私は当然、犯人じゃない。メンダシウムは故人だ。オシウリエル単体ではそんな芸当は出来ない。ああああには度胸が無い。
     残ったのはオートクチュール、君だけだ」

  • 331◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:27:59

    「もしかして、私……疑われてるのかしら。あらあら、どうしようかしら……。困ったわ。メンダシウムが亡くなった後、私はずっと、この工房で作業していたのだけど……」

    「それを証明する者は誰も居ない。残念だよ、オートクチュール。魔法の国にとって大きな損失だ。
     私としても、胸が張り裂ける思いだよ」

    「パンちゃん大丈夫? ミーが代わりにやってあげようか?」

    「ありがとうアロンダイト。君はとっても優しいね」

     皮肉気に笑い、パンデモニカは一歩、オートクチュールの工房に足を踏み入れた。
     針も、糸も、裁ちばさみも動かない。
     パンデモニカに殺意をぶつけられても、オートクチュールは気にせず裁縫を続ける。

    「オートクチュール、君が魔法少女に対して絶対優位なのは重々承知している。全ての魔法少女のコスチュームは君が制作したんだから。その弱点も、どこを突けば変身を解除させられるかも、君は把握しているんだろう」

     オートクチュールが中立を唱えられるのは、貢献度や中立の姿勢だけではない。

  • 332◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:28:41

     純粋に難敵なのだ。
     戦闘職を魔法少女に譲った魔法の国にとって、魔法少女を知り尽くしたオートクチュールを倒すことは至難の業だ。
     だがそれは、真の無敵性を意味したものではない。
     魔法少女では勝てないのなら、悪魔と貴族妖精は?
     変身していることが枷になっている二匹の怪物を前にして、それでもオートクチュールは我関せずといった態度を貫いていた。

    (……オシウリエルのように強がっているだけか。それとも、私とアロンダイト両者を相手取れる自信が……?)

     牽制に、悪魔を一体召喚するべく、パンデモニカは魔本を広げ。

    「おや、まだこれだけしか集まっていないのかね?」

    (……何?)

     パンデモニカは振り返った。
     武装親衛隊(SS)の将校服の上から白衣を纏った、一目でこの少女の出自と特性を表す恰好。

    「……トート・アリア。どうして君がこの城に居るんだ?」

  • 333◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:29:06

    「なーにを言っておる、この馬鹿ちんが。
     ——吾輩は、今儀式の幹部の一人である」

    「………………聞いてないぞ」

    「ふむ、何しろ急な話だったからな。魔法国でバカンスを楽しんでいたら、オシウリエル、だったか? 一人の魔法少女にスカウトされたのよ。
     魔法少女殺し合いの儀式、実に面白い。
     あの米帝所属の魔法少女や、憎き露助の魔法少女も巻き込まれているというと居ても経っても居られずな。
     貴様もそうなのだろう?」

    「…………なるほど、そういうことか」

     オートクチュールは裏切り者である。
     なぜなら、運営メンバー、パンデモニカ、メンダシウム、オートクチュール、ああああ、オシウリエル、アロンダイトの中で、オートクチュールだけがアイテム強奪と参加者に配る芸当が出来たから。
     だが、それが出来る魔法少女が、オートクチュールだけでないとしたら。

  • 334◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:29:53

     もう一人、それが可能な魔法少女が運営側に居たとしたら、オートクチュールの疑いは薄れる。

    「考えたなオシウリエル。
     ——けれどやっぱり、爪が甘いよ」

     犯人は、オートクチュールか、アリアか。
     二者択一。
     だが、ここは法廷ではない。

    「両方殺せば済む話だろ」

     それが出来る力を、パンデモニカは持っている。
     再び、魔本を開き、魔法陣を起動する。

    「さぁ、楽しもうじゃないか」

     宣戦布告と共に、魔法陣から巨大な蟹の鋏が出現する。
     地獄の悪魔がまた一体、この地に出現される。

    「——何をしている?」

    「——げっげっげ。いきなりおっぱじめるのかよ」

  • 335◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:30:33

     狐耳を生やし矢を番えた少女が右方に、狼耳を生やした長身の少女が左方に、それぞれ陣取り、パンデモニカに敵意を向けている。

    「はぁ? 誰だよチミらは!? 誰の許可得てここに入って来てんだ~!?」

    「私が呼んだのよ、アロンダイト」

     オートクチュールは作業の手を止めずに優し気にアロンダイトへ語り掛ける。

    「傭兵ってことかい? 随分と用意周到な……」

    「あらあら、きっとパンデモニカは勘違いをしているわね。私の言い方が悪かったわ、ごめんなさい。
     何しろ作業が押していてね、けど、せっかく幹部に選んでいただいたんだから、出席したいじゃない?
     だから、私の工房で——『幹部会議』を開くことにしたの」

    「というわけで、自己紹介だ! 吾輩はトート・アリア。かつて第三帝国アーネンエルベオカルト科学調査課所属、今はフリーのマジックサイエンティストだ。尊敬する人物はヒトラー、ただし虐殺は手ぬる——」

    「おい、話が長いぞ。私はパトリシア。ここでは傭兵部隊の長を任されている。以上だ」

  • 336◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:31:02

    「げっげっげ。俺っちはグレンデル! 戦争屋さ。パトリシアと同じ傭兵だが、勘違いするなよ? こいつの部下じゃなく、俺っちは単独で投入される。俺っち単体で一つの部隊だ」

    「…………君たちも、オシウリエルにスカウトされたのか?」

     三人の『新幹部』は頷く。

    (……やられたな。これで疑わしい魔法少女はオートクチュール合わせて四人。何人か知った名をある。アロンダイトもステッキを持ってきていないし、四人を相手取るのは厳しいか)

     実に巧妙な手口だ、とパンデモニカはオシウリエルを認めざるを得ない。
     疑いを分散させるために、幹部の数を増やした。
     もしこれが、明らかに善玉、それこそティターニアのような正義感の強い魔法少女を三人加入させていたら、ブラックブレイドが天蓋に至ったときのように、『彼女』が直接動いていた。
     そうなれば、オシウリエルがどれだけ強者を引き込んでも、成す術も無く全滅していただろう。

  • 337◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:31:25

     だが、加入させた魔法少女は——いずれも、表向きはゲームを破壊する意思を示していない。
     その経歴も血塗られたものだろう。
     単純に考えれば、オシウリエルは運営陣営の戦力を強化させたと見れる。
     『彼女』が動く理由にはならない。

    (それに、オートクチュールは裏切り者ではなく、新規加入者の三人全員が裏切り者、という可能性だってある。
     もしそうなれば、貴重な戦力であるオートクチュールを粛清するわけにはいかない)

     誰が裏切り者か確証を持てるまでは、パンデモニカはオートクチュールを粛清できない。

    (完全にしてやられたな……)

     あにまん市で行われているのが、暴をぶつけ合う殺し合いなら、これより王城で行われるのは騙し合いだ。
     この中に裏切り者が居る。

    (……面白いじゃないか)

  • 338◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:31:53

     ゲームが停滞すれば、メンダシウムのように下界に降り、参加者と直接接触をするつもりではあった。
     だが、この趣向は悪くない。

    (なに、飽きれば一人ずつ殺せばいい。いいよオシウリエル、君が売りつけたイベント、乗ってやろうじゃないか)

    「……『幹部会議』、だったかな。そうだね、提案したい議題もあるし、始めようじゃないか」

    「ええーっ! パンちゃん、ミーのアイテムは? ランスロットもロンギヌスも盗られたんだよっ!」

    「うん、そのことも議題の一つだよ。もしかしたら、傭兵の諸君にはいきなり仕事を任せるかもしれない……」

    「うふふ、とっても賑やかでいいわね」

     手を神速で動かしながら、オートクチュールは優雅に微笑む。

    「けど、もう少し待ってあげて。
     まだ、来てない人がいるから……」

    「……何だって?」

  • 339◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:32:20

    「お、遅れてすいません!」

     顔面を蒼白にしながら、ああああが部屋の中に転がり込んでくる。

    (……素で忘れてたな)

     と、酷いことを考えながら、パンデモニカは今度こそ幹部会議を始めようとして

    「ごめん……あーしも、遅刻しちゃったね……」

     のっそりと、億劫そうにギャル風の魔法少女がオートクチュールの仕事場に入って来るのを目撃した。
     パンデモニカの頭が、驚愕で停止する。
     何故、彼女が出てくる?
     儀式の完遂、そして邪神との戦いに備え、魔法王の影の中に身を潜めていたはずだ。

    「みんな、自己紹介は済ませたの、かな……。あーしの名前は」

     歴戦の魔法少女たちの視線を浴びながら、少女は面倒そうに、しかし何ら臆することなく、自らの魔法少女名を名乗る。

    「——パラサイトドール。オシウリエルって人にスカウトされて来ました……よろしく、です……」

  • 340◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:32:44

    (いったい、何が起こっているんだ……?)

     想像だにしていなかった、未知の状況。

    「————え?」

     好き勝手に話し始めている魔法少女の喧騒の中で、その微かな声を、パンデモニカは捉えた。
     目を向ける。
     ——オートクチュールの手が、止まっていた。
     彼女の眼は、驚きで揺れ、パラサイトドールに向けられていた。
     ゲームは、パンデモニカが予想もしていなかった方向に動き出している。
     物事の全てが、面白い。
     一の面白さもあれば、十の面白さがあり、百の面白さもある。

    『それって、本当は、何も面白くないんじゃないの?』

    (そうだね、メリア。私は今まで、本当の面白さが何なのか、知らなかったのかもしれない)

     それは——未知。

  • 341◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:33:28

     六時間後の自らの生存さえ怪しまれる究極のギャンブル。
     今、パンデモニカは未知の中に放り込まれた。
     運営の中でも誰より事情通だったはずの彼女は、その地位から陥落した。
     誰が裏切り者なのか。
     『彼女』は何を考えているのか。
     このゲームは、これからどうなるのか。
     まるで、予測がつかない。

    「——面白い」

     ああ、ならば一プレイヤーとして、このゲームをめいっぱい楽しもう。

    「あーし、貴族妖精見るの初めてだな……すごく珍しい種族なんだってね……会えて嬉しい……」

    「敬語使えクソ人間」

    「痛い……」

     アロンダイトに殴られうずくまる『彼女』を見やりながら、パンデモニカは次に起こる混沌(カオス)を期待するのだった。

  • 342◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:34:01

    投下を終了します……!

    これで放送パートを終了します……!

  • 343◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 00:52:46

    【強制デュエル】を生存ダイスの枠組みの中でやるか、独立してやるか悩んだんですけど

    せっかくのミッションなので、強制デュエルは生存ダイスとは独立してやりたいと思います……!

    なので、今後の流れとしては
    一般人パート(ダイスで参加人数と登場キャラ決めます)→強制デュエル→2巡目(午前6時~午前12時)です

  • 344◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 01:03:26

    強制デュエルのルールですが

    〇指名権を持った参加者は、1時間以内にデュエルさせる二者を指名、誰も指名しなかった場合、指名権を持った参加者は死亡する

    〇指名された参加者二名は、デスマッチリングに転送されどちらが死亡するまで戦う

    〇勝敗はダイスで決定する。振れるダイスの大きさは参加者ごとに違うため、死亡率は50%とは限らない。
    (例えば直メリィとテンガイが正面からリング内で戦った場合、勝敗が五分五分になるとは考えにくいため)

    〇具体的にはキャラクターをランクに分け、ランクごとに振れるダイスの数が異なる。
    (ランクが大きいほど、振れるダイスの数は多い)
    ※ランク表は後で貼ります

    〇誰と誰がマッチングするかは挙げてもらった組み合わせから、ダイスで決定する。
    (そのキャラクターが絶対に選ばない組み合わせは除かせていただきます……)

  • 345二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 01:08:17

    ダイスは完全なTier表依存で、キャラ同士の相性による補正は無い感じかな

  • 346◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 01:19:19

    ランク表(あくまで狭いリングで戦うという想定)かなりざっくり

    また死亡者・指名者は除外済

    【Aランク】dice4d100

    妃咲 希/ティターニア 王 龍明/ブレイズドラゴン 再世 優/テンガイ 槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー

    【Bランク】dice3d100

    桐ヶ谷裂華/ジャック・ザ・リッパー ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ 夜祖神 髑髏/ドレッドノート 麦/ヒートハウンド 栗田 柿子/ジャスティスファイア 姚 莉鈴/ハイエンド

    【Cランク】dice2d100

    薬師院怜那/ミョルニル 轟 猫耳/ネコサンダー マク=ハク/ノーブル・サヴェージ 天城 千郷 汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ 大川 羽蘇/オオカワウソ(集団) 桐生 ヨシネ/バーストハート ミア/プア 蜂矢 恋蜜/ハニーハント 逝凪 素鈴/ワンフロムアウター 佐々利 こぼね/クリックベイト 柩枢/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド 王城 姫子/クィーン 抜刀 金 山田 浅悧/慈斬

    【Dランク】dice1d100

    清原 稞美/ウェンディゴ 刈屋 伊織/ミストアイ 冨島千秋※変身不可能 犬上 沙美/ハスキーロア※重体 逢魔 愛裏/ナイトメア⭐︎メリィ 大川 羽蘇/オオカワウソ(一個体) 桐崎 香澄/クレアボヤンス

  • 347◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 01:52:07

    というわけで、強制デュエルの組み合わせを募集します

    ・指名者はどちらか(ハートプリンセス/七海真美)
    ・誰と誰が戦うのか
    ・指名者が選んだ理由
    (この時、新たな関係性を生やしてもOKです)
    ・相性などの補正はあるか、またその補正は+10~100のどれくらいか
    ・誰も選ばず自害もあり

    説明が足りてない部分が多々あるかもしれませんので、ご不明な点は何でも質問してください……!

  • 348二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 01:56:18

    やっぱり敵幹部集合はいつ見てもわくわくするな
    しかも全員個性強いし楽しみしかない…

  • 349二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 01:58:45

    この先のフラグを折ることにもなりかねないから迂闊に決められないな…
    同ランク以外で戦わせるのも可能とはいえちょっと憚られるし

  • 350◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:21:02

    >>349

    補足させていただくと、こちらの方でもそれぞれ組み合わせ3つくらい用意しているので、案が一つだけでもそれで確定したりはしないので、気軽に(?)出して頂いて大丈夫です~

    また、キャラ的にその組み合わせを指名しないだろうとこちらの独自判断で除くこともあるのはご了承いただけると幸いです……!


    最後に一般人パートのダイス振って今日は終わりにさせていただきます……!


    登場する一般人の数dice1d4=4 (4)

  • 351◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:21:54

    dice4d11=9 4 2 3 (18)

  • 352◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:24:25

    テリー・J・パワーズ(及び米軍?)
    平瀬 アキラ
    宮島祐樹/宮島優香
    大垈 ジャクソン
    が登場します……!

    他の一般人候補は今巡では未登場ですが、ご了承ください……

  • 353◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:27:26

    殺し合いに直接参加しているわけではないので、生存ダイスは緩めです


    【テリー・J・パワーズ】

    生存ダイスdice1d100=43 (43)

    絆ダイスdice1d44=18 (18)

    関係性dice1d100=70 (70)


    【平瀬 アキラ】

    生存ダイスdice1d100=6 (6)

    絆ダイスdice1d44=17 (17)

    関係性dice1d100=23 (23)


    【宮島祐樹/宮島優香】

    生存ダイスdice1d100=56 (56)

    絆ダイスdice1d44=16 (16)

    関係性dice1d100=17 (17)


    【大垈 ジャクソン】

    生存ダイスdice1d100=14 (14)

    絆ダイスdice1d44=18 (18)

    関係性dice1d100=35 (35)

  • 354二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 02:27:35

    うーん敵対運営参加者どうこう抜きにしたらああああとティターニアで拒絶バリア+魔力吸収ビームの攻防最強コンビが作れそうだけど絶対無理だろうな

  • 355◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:32:45

    【テリー・J・パワーズ】

    生存ダイスdice1d100=43 (43)

    絆ダイスdice1d44=18 (18→王 龍明/ブレイズドラゴン

    関係性dice1d100=70 (70)→まぁまぁ好き



    【平瀬 アキラ】

    生存ダイスdice1d100=6 (6)

    絆ダイスdice1d44=17 (17)→犬上 沙美/ハスキーロア

    関係性dice1d100=23 (23)→まぁまぁ嫌い



    【宮島祐樹/宮島優香】

    生存ダイスdice1d100=56 (56)

    絆ダイスdice1d44=16 (16)→汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ

    関係性dice1d100=17 (17)→嫌い



    【大垈 ジャクソン】

    生存ダイスdice1d100=14 (14)

    絆ダイスdice1d44=18 (18)→王 龍明/ブレイズドラゴン

    関係性dice1d100=35 (35)→まぁまぁ嫌い


    ……以上の情報を元に、第18話を作成します……!

    舞台はあにまん市各地です……!

  • 356◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:34:46

    1巡目に起きた様々な事柄に対する市民の反応


    dice1d100=89 (89)


    50が起こった事象に対して適切な反応

    小さい程無反応

    大きい程過剰な反応

  • 357二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 02:38:51

    そら(地下鉄崩落させたら)そう(なる)よ

  • 358◆xaazwm17IRZa24/04/03(水) 02:38:56

    それでは、本日はここまでとさせていただきます……!

    2か月強で1巡目とかなりのスローペースで申し訳ありませんが、今後ともお付き合いいただけると幸いです……!
    皆さんの感想がとても支えになっています、そこから展開のアイデアを頂くことも多いです……!

    文章力のおぼつかなさを含め、至らぬところは多々ありますが、2巡目もよろしくお願い致します……!

  • 359二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 02:58:17

    民間人が死屍累々だぁ…

  • 360二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 02:59:48

    >>354

    これに限らず敵側にも愛嬌のあるキャラはいるし対黒幕で一時共闘みたいなのはやって欲しいんだよな…

  • 361二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 03:23:12

    このレスは削除されています

  • 362二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 03:23:52

    遅れながらマジックアイテム案です

    【名前】地獄篇
    【説明】パンデモニカから宝物庫へ一時譲渡された魔書の一頁。
    くらくつめたい場所で過ごした彼女の冒険譚が綴られており、もしもオオカワウソが所持したならマンションの攻略に大きく貢献しただろう。
    使用により固有魔法が発動、「赤松華」を召喚できるが、呼んだ後のことは自己責任。

  • 363二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 03:57:31

    こうかな

    【指名者】ハートプリンセス
    【対象】プア×ジャック・ザ・リッパー
    【理由】前者の元いた娼館で実験台にされて幼女化したため、その腹いせに指名
    後者とは全く面識がないが、名前がなんとなく強そうだったので
    ワンチャンここで退場してくれれば後々有利に動けると考えて指名
    【補正】プアに+1d60
    『なんでも武器に変えられるよ』の発動条件は対象に直接触れることだが
    プアの生成した薬品が危険物だった場合、触れた時点でダメージを与えられるため

  • 364二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 06:20:46

    一般人枠のアメリカ政府関係者やたら多い割に情報量少ないし一纏めでよくね

  • 365二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 07:08:36

    >>364

    他の一般人と違って一人登場すれば関係者も芋づるで出てくるだろうしねぇ

    しかし傭兵のブレイズドラゴンと仲がいいのはアメリカ国防省が『お得意様』だったりするのか?

  • 366二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 07:10:56

    ジェイルフィッシュがプアと仲が悪いのは、ミアと一緒に暮らしてる宮島祐樹に惚れてるから(ミアに取られると思ってるから)って話じゃなかったっけ…

    さ、最初から負けてる……こんなことある???

    >>353

  • 367二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 07:55:23

    【指名者】ハートプリンセス
    【指名対象】麦/ヒートハウンドVS栗田 柿子/ジャスティスファイア
    【理由】ヒートハウンドが二人も殺すのを転移後にこっそり戻って見ていたので、大好きなジャスティスファイアなら絶対に勝ってくれると信じて
    【補正】
    なし

  • 368二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 08:25:37

    マジックアイテム案
    【名前】
    魔槍〝ダーマット〟
    【説明】
    赤色の長槍。刃の表面に魔法陣が描かれている。
    あらゆる魔法効果を問答無用で貫く魔槍。次元を隔てた障壁であろうとも、空間を切断する斬撃であろうともそれが魔法であるならば打ち消される。
    かつて魔法国に実在した英雄がこの槍をふるい、火や水、魔法と武器に傷つかない魔犬を打ち倒したとされている。

  • 369二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 10:40:05

    Bランクと交戦して敗北したとはいえ描写的に格上だったクライオニクスとフライフィアーはAランク相当だったのかな

  • 370二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 10:50:20

    ハスキーロアに嫌われる要素無いし、平瀬アキラが嫌いなのは姉の方だろうか
    ハスキーロアの魔法の秘密がちょっとだけでも明かされたりするかな

  • 371二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 14:34:18

    【指名者】ハートプリンセス
    【指名対象】妃咲 希/ティターニアvs槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー
    【理由】あにまん市最強の魔法少女と市内屈指の実力者として二人とも名前だけは知っているので最低片方に消えてほしい
        あわよくば相打ちになって二人纏めて脱落してほしい
    【補正】なし

    【指名者】七海真美
    【指名対象】清原 稞美/ウェンディゴVS薬師院怜那/ミョルニル
    【理由】ウェンディゴが他者に殺意を向けざるを得ない状況になったらどうなるのかが気になったジャック・ザ・リッパーが
        七海に彼女の魔法について説明し「危険な存在だから他の参加者のためにも」と選ばせた
        ミョルニルに関しては単純についさっき出会った相手のことを思い出しちょうどいい実験体だと考え
        「彼女なら勝てる」と適当なことを吹き込んだ
    【補正】なし

  • 372二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 15:46:50

    >>371

    ティターニアとスピードランサーに関してはむしろ相性最悪で補正つきまくるのでは?

    どれだけ槍を増やしても制限付きマジカルストラッシュだけで一掃されちゃうのは証明済みだし

  • 373二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 15:52:38

    そういえばニャルセーヌはもう脱落判定になってるから選べないんだな…
    どちらにせよタイマンで勝てる相手じゃないだろうけど

  • 374二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:10:31

    >>372

    Aタワーの戦いの時は洗脳で明らかに万全の状態じゃなかったし全く分からんよそれは

    キャラシート見るにマジカルストラッシュだけに特化したティターニアと移動技とか汎用性高いスピードランサーで全く強さの方向性違うし

  • 375二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:16:07

    【指名者】ハートプリンセス
    【指名対象】妃咲 希/ティターニア、再世 優/テンガイ
    【理由】強者狙い。ティターニアは有名だから、テンガイは転移しているうちに風の噂で聞いたから
    【補正】
    なし

  • 376二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:43:47

    【指名者】ハートプリンセス
    【指名対象】妃咲 希/ティターニア 栗田 柿子/ジャスティスファイア
    【理由】メンヘラ的な思考から来る「栗田柿子なら必ずあにまん市最強のティターニアを倒して自分を有利にしてくれる」という信頼から
    【補正】なし

    【指名者】七海真美
    【指名対象】薬師院怜那/ミョルニル、大川 羽蘇/オオカワウソ(集団)
    【理由】ジャック・ザ・リッパーに「ミョルニルは自分に襲いかかってきた(未遂)、オオカワウソは魔法少女のフリをした怪人」という嘘を吹き込まれて。
    実際には噂で聞いた再生系と増殖系の魔法少女の頂点同士が戦ったらどうなるのかという純粋な興味から
    【補正】オオカワウソは魔法が使えなくなっているのでミョルニルに+50

  • 377二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:50:59

    【指名者】ハートプリンセス

    【対象】アリス×ジャスティスファイア
    
【理由】アリスの固有魔法による被害は既に無視できない規模になり、ハートプリンセスをはじめとした他魔法少女の目にも留まった。
    ジャスティスファイアを『正義のヒーロー』だと盲信するハートプリンセスは、彼女の勝利を確信して指名権を使う。
    
【補正】クライオニクス戦による損傷があるためアリスに+1d40補正

  • 378二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:53:54

    【指名者】七海真美

    【対象】ジャック×ジェイルフィッシュ
    
【理由】ジャックの不意打ちで夏実が瀕死の重傷を負ったため。
    現時点での問題は2つ。
    夏実はもう瀕死であることと、本性を表したジャックを真美から遠ざける必要があること。
    魔法の国は不公平な試合を許さないだろう、ならば、あえて指名されることで万全の状態からジャックと再戦できるのではないか?そうでなかったとしても今ここで皆殺しにされるよりは良い。
    その考えのもと夏実は真美の指名権を使わせ、パブリックエネミーとの試合に臨む。
    
【補正】なし

  • 379二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 17:01:14

    【指名者】ハートプリンセス
    
【対象】王 龍明/ブレイズドラゴン×栗田 柿子/ジャスティスファイア

    【理由】転移先でブレイズドラゴンに殺されそうになったため。指名権で自身より強い相手を呼ぶことを条件にブレイズドラゴンは命乞いに応じた。
    相手がジャスティスファイアなのはハートプリンセスが知る限り最も信頼に足る魔法少女だから。
    
【補正】なし

  • 380二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 17:04:53

    これ、展開的には充分あり得るんだけど、他人さまが投げたキャラに自死を選ばせるのは流石に気が引けるんだよな
    主が用意してる元々の選択肢の中にあるんだろうか

  • 381二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 17:50:41

    分かる
    あと正直なところ、自分の主観で相性補正とかかけるのもね…
    スレ主の想定では基本ダイスが低いキャラがそれより高いキャラにも勝てるようにって配慮なんだろうけど、何かあればすぐ議論になって紛糾しそうな気がする

  • 382二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 21:33:58

    オオカワウソは三次元のリングよりエレベーターみたいな四次元の戦闘が本領みたいなとこあるから
    この条件下だとCランクは納得

  • 383二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 22:03:10

    自然が武器のノーブル・サヴェージとか乱戦に強いクリックベイトとか、リングの外ならもう1ランク……とまではいかずとも
    0.5ランクくらい高くてもおかしくないキャラは結構居るよね

  • 384二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 22:39:21

    あくまでリングでのタイイチ想定ランクだからね
    通常戦闘のランクはまた変動するでしょう

  • 385◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 00:30:28

    >>364

    確かに……

    次に一般人パート誰書くか決める時があれば「FBI」で一括りにします……!



    >>372

    >>374

    どちらが強いかは未確定なので、補正もそれぞれ自由に設定してもらって大丈夫です

    例えば【ティターニアVSスピードランサー 補正なし】と【ティータニアVSスピードランサー補正+20】は別案として扱います

    補正なしの方がダイスで選ばれれば、リング上での戦いでは、二人に相性差がないことが確定します

    補正+20の方がダイスで選ばれれば、スピードランサーがティターニアに相性悪いことが確定します

    どちらも選ばれなければ依然未確定のままです

  • 386◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 00:55:42

    >>380

    正直私もかなり気が引けるのですが、「誰かを殺し合わせる」or「自分が死ぬ」の二択で「自分が死ぬ」を選ぶキャラはそこそこいるよなぁという思いから、自死も候補に入れました……!


    具体的に書くと、私が挙げるマッチアップは

    【ハートプリンセス】

    ・誰でもいいから適当に選ぶ(ダイスで二者決定)

    ・次に接触するキャラと情報交換後、そのキャラの最も強い(あるいは危険な)知り合いVSジャスティスファイア

    ・ヒートハウンドVSティターニア(戦闘を見ていたのでヒートハウンドの危険度を理解、知っている限り最強の魔法少女をぶつけて処理)


    【七海真美】

    ・自害(誰かを殺し合わせるなんて出来ない)

    ・ジャックVSミョルニル(とりあえず私が確定危険人物処理してクソミッション消化しとくねとジャックに諭され)

    ・七海真美VSテンガイ(テンガイラッシュの使い魔が届き、優勝させてあげるという文言に激怒)


    とする予定です

    選択肢ごとにキャラの性格が微妙に異なりますが、ダイスで選ぶことでそのキャラの性格が確定するイメージです

    (ジャックVSミョルニルが選ばれたら、ジャックは好みの子の自害を止めるためなら、好みじゃない奴の殺しも嫌々やる、という性格になり

    そうでなければ、やっぱり好みじゃない奴の殺しは絶対に嫌、という性格になります)

  • 387◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 01:05:36

    >>381

    それもありますし、同じランク同士でも、相性の差とかあったりするよなぁという思いから、皆さんに補正を決めていただいているという感じです

    ただ、あまりに理不尽な補正(例:AのキャラはBより年上だから補正+100)は、こちらで調整あるいは案から除かせていただくことはご了承いただけると幸いです……!


    もしくは、ダイスで決めた後、勝敗ダイスを振る前に、この補正は適切か1日時間を置いて皆さんと議論するのもいいかもしれません……!


    その辺り、意見を窺えると幸いです……!

  • 388◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 01:16:21

    >>383

    >>384

    あくまで『放送から1時間後』『リングの中』という条件なので、条件が違えばランクが大きく変動するキャラもいます


    また、同ランク帯でも戦闘力にかなり差がありますが、あまり細分化するのもどうかと思い、独断と偏見で四つに分けさせていただきました……!


    (よくよく考えれば人間態+重体のハスキーロアと、戦闘苦手の魔法少女(身体能力は人間以上)が同じランクというガバガバぶりなので……)


    一応、有利な条件が揃えば全員がB~Aランク相当という設定だったりします

  • 389二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 01:28:50

    スレ民同士で丸一日相性議論繰り広げるよりはスレ主の独断で適切かどうか決めてほしい
    主のそういう解釈を見に来てるとこもあるので……

  • 390二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 02:01:43

    >>389

    全くもってその通りで、補正に関しては主さんの判断で決めても良いのではないでしょうか…?

  • 391二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 02:52:50

    議論しても大抵の場合ただ揉めるだけだからスレ主が独断で決めたほうがスムーズだよね

  • 392二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 07:49:14

    こちらは大丈夫です
    スレ主さんにお任せしますので!

  • 393二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 09:01:13

    そもそも同tier帯で補正値って割と確率に与える影響デカいしダイス上での有利不利作るの悪手だろ
    ほとんど生存ダイスだけで勝負の判定決めるってのが良かったのに

  • 394二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 14:11:33

    適切な補正だのなんだのなんてどうでもいいから議論うんぬんで時間使うよりサクサク進めてほしい

  • 395二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 15:59:49

    もう数出たし締め切って一般人の話やる前にマッチアップと勝敗のダイスさっさと振っちゃった方がいいよ
    断言するけどこの手の話題で議論なんかしても建設的な意見なんて出ないし
    謎にいきなり補正値とかtierとかやり出したのはまぁいいとして、同tier同士の補正は無くすか、最低でも投げられた案から動かさないのが荒れないと思うよ

  • 396二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 16:29:21

    補正がちょっとよくわかんないからその部分は主さんが上手いこと弄ってください

    【指名者】ハートプリンセス
    【対象】ジャック・ザ・リッパー、ティターニア
    【理由】ジャックの目を見てたら犯された時を思い出すから一刻も早く死んでほしい
    【補正】わからないので無し

    【指名者】七海真美
    【対象】テンガイ、自分
    【理由】一眼見て恐怖を感じ、テンガイラッシュの文言が琴線に触れ、マイナス感情振り切ったけどそれでも友達になれる信条を押し通したく命をかけて友達にして光落ちさせたい
    でも大嫌いだし悪いやつっぽいから諦めて殺す覚悟もほんの少し
    【補正】想いの強さで七海にダイスd100一つ追加

  • 397二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 17:42:00

    取り敢えず相性とかの話はわかんねえし置いておいて感想言おうぜ
    今回の運営回でオシウリエルが推しウリエルになったわ
    ああいう力は持ってなくても頭脳で戦える子が好きなのと、目の付け所とか立ち振る舞いとか色々好きとにかくかっこよかった
    追い詰められて素(アレも素じゃないかもしれないけど)を出すところはちょっと可愛かった
    ものすごい引っ掻き回したよね、おそらくかなり賢い方なパンデモニカさえ翻弄し黒幕を舞台裏まで引っ張り出したんだし

  • 398◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 17:45:14

    皆さん貴重なご意見ありがとうございます……!

    仰る通り、相性による補正などは私の独断で判断、基準は(0~+40)までとさせていただきます……!
    せっかく補正を考えてくださった方、前言を撤回してしまい申し訳ありません……!

    それぞれ合わせて12(+私の6)も出ましたので、誠に勝手ではありますが、ここで組み合わせを締め切らせていただきます……!

    また、マッチアップが決まった後、一般人パートを挟んでから試合開始というのも助長なので、先に試合パートを書かせていただきます……!

  • 399二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 17:48:23

    タイマンは他の参加者達も観戦できてそれぞれ反応とかしてくれる感じだと嬉しいな
    解説役になってくれると思うし

  • 400◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:03:20

    なお、決闘パートに関しては

    最初から横綱相撲あるいはジャイアントキリングが確定している決闘というのも少々味気ないので

    マッチング決定→試合前半→勝敗ダイス→試合後半という流れで展開します……!

    どちらが勝つか最後まで分からない魔法少女の死闘をお楽しみいただければ幸いです……

  • 401◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:08:38

    >>399

    主催側から実況と解説要員は派遣しますが、それ以外の参加者の観戦に関しましては、選手双方の同意によってのみ許可されます


    また参加者側からの観戦者は1選手最大4人までです


    これは、決闘者に選ばれた魔法少女が自らの魔法を他の参加者に知られることで不利になりすぎないようにするためです

  • 402◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:15:26

    ではハートプリンセスが指名するマッチングをダイスで決定します……


    1:誰でもいいから適当に選ぶ

    2:次に接触するキャラと情報交換後、そのキャラの最も強い(あるいは危険な)知り合いVSジャスティスファイア

    3:ヒートハウンドVSティターニア

    4:麦/ヒートハウンドVS栗田 柿子/ジャスティスファイア

    5:妃咲 希/ティターニアvs槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー

    6:妃咲 希/ティターニア、再世 優/テンガイ

    7:妃咲 希/ティターニア 栗田 柿子/ジャスティスファイア

    8:アリス×ジャスティスファイア

    9:王 龍明/ブレイズドラゴン×栗田 柿子/ジャスティスファイア


    10:ジャック・ザ・リッパー、ティターニア


    dice1d10=4 (4)

  • 403二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 18:17:17

    最強の火属性決戦!

  • 404二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 18:19:21

    ヒートハウンドは実体を持たない+クライオニクス戦で自傷ダメージをもらってる分、ジャスティスファイアが不利かぁ?

  • 405◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:22:41

    次に七海真美が指名するマッチングをダイスで決定します……


    なお、自害は選択肢に入れないことに致しました

    やはりどうやって死ぬかまで確定した話というのも退屈でしょう……


    1:清原 稞美/ウェンディゴVS薬師院怜那/ミョルニル

    2:薬師院怜那/ミョルニル、大川 羽蘇/オオカワウソ(集団)

    3:ジャック×ジェイルフィッシュ

    4:ジャックVSミョルニル

    5:七海真美VSテンガイ


    dice1d5=5 (5)

  • 406◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:27:47

    第一試合

    【麦/ヒートハウンド】VS【栗田 柿子/ジャスティスファイア】

    第二試合

    【七海真美】VS【再世優/テンガイ】

  • 407◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 18:32:46

    ※ヒートハウンドには【ジャスティスファイアのダメージ+10】【実体を持たないためジャスティスファイアの攻撃無効化+20】

    →+30の補正がかかります。

  • 408二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 20:02:56

    運営の新幹部三人は早速仕事があるって言われてたし、実況解説のどっちかに誰かあてがわれるのかね
    ジャスティスファイアに思うところありそうなトート・アリアとか

  • 409◆xaazwm17IRZa24/04/04(木) 23:04:51

    申し訳ありません、本日は投下できません……!

    明日の夜に第一試合ヒートハウンドVSジャスティスファイアの導入部を投下します……!

    組み合わせのアイデアなど、様々なご意見を頂き、ありがとうございます……!

    今後も相談に乗っていただければ幸いです……!

    それでは、本日もありがとうございました……!

  • 410二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 23:51:03

    お疲れ様でした…明日が楽しみです

  • 411二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:57:08

    おつおつ

  • 412二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 07:49:06

    今までが野良試合だったからリングというルールの中、魔法少女がどう工夫して戦うのか楽しみだな…

  • 413二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 10:37:25

    >>408

    文脈的にアリアはミッション関連、他二人はアロンダイトの武器の回収なのかもね

  • 414二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 13:51:43

    そういえばアイテム配布はミッションのあと?

  • 415二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 19:59:43

    第一試合から同属性対決って飛ばしてるな…

  • 416◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:11:57

    >>414

    放送時に名簿と一緒に配ってるはずなので、時系列的にはミッションの前ですね……


    というわけで、誰にどのアイテムが配られたかダイスで決めていきます


    基本的にアイテムは一人一つ(オオカワウソもハニーハントも例外なく)です

  • 417◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:15:59

    アイテムの一覧
    1. マギカロック
    2. マギカスキャナー
    3. アンダーテイカー
    4. 回復促進剤
    5. 消火器
    6. 万能解錠キー
    7. 使い捨てマジックスクロール
    8. パンドラの箱
    9. スプレー缶
    10. インテリジェンスウェポン

  • 418◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:19:25

    11. 反魂香
    12. カメラ内蔵型コンタクトレンズ
    13. 魔力草
    14. 魔草ケムリ
    15. 壊れかけの腕時計
    16. 多目的用コピーロイド死者の巻
    17. マギカロボ
    18. 栄養剤…?
    19. スイーパー墨汁
    20.魔杖ランスロット

  • 419◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:23:28

    21.聖杖ロンギヌス
    22.強化薬アンプル
    23.地獄篇
    24.魔槍〝ダーマット〟

  • 420◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:37:10

    生存者33人中24人はアイテムを獲得できます……!
    果たして当たりアイテムをゲットできるのか……?

  • 421◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:41:41

    現在生存している魔法少女

    1.桐ヶ谷 裂華/ジャック・ザ・リッパー
    2.ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ
    3.妃咲 希/ティターニア
    4.清原 稞美/ウェンディゴ
    5.薬師院 怜那/ミョルニル
    6.夜祖神 髑髏/ドレッドノート
    7.刈屋 伊織/ミストアイ
    8.轟 猫耳/ネコサンダー
    9.松崎 新一郎/ハートプリンセス
    10.冨島千秋

  • 422◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:44:05

    11.マク=ハク/ノーブル・サヴェージ
    12.天城 千郷
    13.汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ
    14.犬上 沙美/ハスキーロア
    15.王 龍明/ブレイズドラゴン
    16.逢魔 愛裏/ナイトメア⭐︎メリィ
    17.麦/ヒートハウンド
    18.大川 羽蘇/オオカワウソ
    19.桐生 ヨシネ/バーストハート
    20.ミア/プア

  • 423◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:47:01

    21.桐崎 香澄/クレアボヤンス
    22.蜂矢 恋蜜/ハニーハント
    23. 逝凪 素鈴/ワンフロムアウター
    24. 栗田 柿子/ジャスティスファイア
    25. 姚 莉鈴/ハイエンド
    26. 佐々利 こぼね/クリックベイト
    27. 柩枢/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド
    28.王城 姫子/クィーン
    29.再世 優/テンガイ
    30.七海 真美
    31.抜刀 金
    32.槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー
    33.山田 浅悧/慈斬

  • 424◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:48:06

    1. マギカロック

    【説明】魔法を封印する強力な"錠"

    魔法少女の『ステッキ』に装着することで魔力操作以外の魔法を使えなくする。

    セットになっている鍵を使うことで解錠できるが、地球外の"呪い"で作られているため壊すことは不可能。


    dice1d33=16 (16)

  • 425◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:49:14

    1. マギカロック→16.逢魔 愛裏/ナイトメア⭐︎メリィ


    2. マギカスキャナー

    【説明】スカウターのような装置。近づいてくる相手や登録済みの仲間の位置が分かるようになる。

    また膨大な魔力反応を感知するとアラートを鳴らして警告した後、爆発する。


    dice1d33=2 (2)

  • 426◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:50:20

    2. マギカスキャナー→2.ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ


    3. アンダーテイカー

    【説明】使い捨てのアイテムで死体を好きな何かに変換できる

    例 死体→バール、銃など


    dice1d33=25 (25)

  • 427◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:51:27

    3. アンダーテイカー→25. 姚 莉鈴/ハイエンド


    4. 回復促進剤

    【説明】傷の治りが速くなるがそれに合わせて激痛が走る


    dice1d33=19 (19)

  • 428二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:52:09

    このレスは削除されています

  • 429二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:52:37

    マギカロックとメリィの相性はよさげ

  • 430◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:53:00

    4. 回復促進剤→19.桐生 ヨシネ/バーストハート


    5. 消火器

    【説明】ただの消火器

    従来の用途である消火以外にも鈍器にしたり、投擲武器や煙幕としても使える


    dice1d33=25 (25)

  • 431◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:53:57

    5. 消火器→26. 佐々利 こぼね/クリックベイト


    6. 万能解錠キー

    【説明】形の違うドアや車のカギ、カードキー、電子ロックやPCの暗号キーなど鍵を解除出来る

    鍵がついていない物体に対しても使用可能

    鍵穴が出現し鍵を差し込めるようになる

    この鍵では施錠は出来ない


    dice1d33=32 (32)

  • 432◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:55:07

    6. 万能解錠キー→32.槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー


    7. 使い捨てマジックスクロール

    【説明】魔法陣が描かれた巻物

    魔力を込めると魔法陣に応じだ魔法が一度だけ発動する

    固有魔法に匹敵するレベルの強力な魔法はない

    火球を撃ち出したり土壁を出現させるなどシンプルな魔法ばかり


    dice1d33=9 (9)

  • 433◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:56:55

    7. 使い捨てマジックスクロール 9.松崎 新一郎/ハートプリンセス


    8. パンドラの箱

    【説明】最後に残ったそれは希望かそれとも希望を騙る絶望なのか?。所持者の望みを叶えるために活用できるアイテムを一つ入手できる箱。それを使えばきっと望みは叶うだろう…もっとも本人が望んだ形でとは限らないが。


    dice1d33=14 (14)

  • 434◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:57:41

    8. パンドラの箱 14.犬上 沙美/ハスキーロア


    9. スプレー缶

    【説明】ごく普通のスプレー缶 壁や床に模様や文字やサインを書いて危険を知らせたり情報を残したり出来る後は相手の目にかけて目つぶしが出来る


    dice1d33=18 (18)

  • 435◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 20:58:48

    9. スプレー缶 18.大川 羽蘇/オオカワウソ


    10. インテリジェンスウェポン

    【説明】知性が宿った強力な武器。所有者によって形を変える。性格は最初の所有者が無意識に求めてる要素から作り出され、持ち主の友好度によっては周囲の監視や支援攻撃をしてくれる。たとえ所有者が気に入らない人物に変わっても反逆することはなく指示には従う。使いすぎると中の魂が消費されていき、ついには無くなってしまうので注意。


    dice1d33=25 (25)

  • 436◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:00:00

    10. インテリジェンスウェポン 27. 柩枢/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド


    11. 反魂香

    【説明】お香をたくことで

    使用した時点で死亡している参加者の魔法を3分間使用することが出来る

    面識が無かったり絆ダイスが低すぎる相手の魔法は使用できない。


    dice1d33=13 (13)

  • 437◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:01:02

    11. 反魂香 13.汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ


    12. カメラ内蔵型コンタクトレンズ

    【説明】視覚で捉えた情報をリアルタイムで映像として録画するアイテム

    録画した映像は映写機の様に空間に映し出せて何時でも再生出来る

    一時停止、スキップ、早回し、巻き戻し、画面の拡大・縮小等自由自在


    dice1d33=5 (5)

  • 438◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:02:12

    12. カメラ内蔵型コンタクトレンズ 5.薬師院 怜那/ミョルニル


    13. 魔力草

    【説明】僅かに魔力を帯びた草

    食べると少しだか魔力が回復する生で食えるが味はゲロ不味い


    dice1d33=15 (15)

  • 439◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:03:23

    13. 魔力草 15.王 龍明/ブレイズドラゴン


    14. 魔草ケムリ

    【説明】上記の草を煙草に加工した物吸っている間魔力が回復する効果がある、味はクセが強いが好きな人好きな奴

    お値段一箱20本入りで600円、近くのコンビニをお求め下さい


    dice1d33=24 (24)

  • 440◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:04:38

    14. 魔草ケムリ 24. 栗田 柿子/ジャスティスファイア


    15. 壊れかけの腕時計

    【説明】時間をほんの数秒だけ戻せる。精密機械な為、何度か使用すると完全に壊れる


    dice1d33=7 (7)

  • 441◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:06:51

    15. 壊れかけの腕時計 7.刈屋 伊織/ミストアイ


    15. 多目的用コピーロイド死者の巻

    【説明】

    死んだ魔法少女をコピーして隷属させることができる

    能力、魔法など全て本人と同じ

    食事や睡眠をとらないといけないし疲労もするし…

    何なら妊娠、出産なども可能だし、成長、老化する

    ただし使用者に逆らったり害を与えることはできない

    使用者に絶対服従となる………

    膨大なエネルギーを必要とするため維持費は

    運営負担…バトルロイヤルが終われば消えるしかないが

    もし終了後も…動かしたいなら魔法少女の力と

    引き換えに、維持費を無くすことも可能


    dice1d33=16 (16)

  • 442◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:08:26

    16. 多目的用コピーロイド死者の巻 17.麦/ヒートハウンド


    17. マギカロボ

    【説明】

    マジカルエンジンで動く10mほどの巨大ロボット。ステルス機能付き。

    その巨体ゆえ搭乗者を傷つけることは難しく、ボス級のエネミーとも互角に立ち回れる。


    dice1d33=3 (3)

  • 443◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:09:37

    17. マギカロボ 3.妃咲 希/ティターニア


    18. 栄養剤…?

    【説明】

    即効性のある栄養剤だが知らない成分塗れであまり使うのには躊躇してしまう


    dice1d33=26 (26)

  • 444◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:10:53

    18. 栄養剤…? 28.王城 姫子/クィーン


    19 スイーパー墨汁

    【説明】

    ブレーン・スイーパーから取れる墨。摂取すると身を包む多幸感を味わえる。肉体に異常を来す事が無い代わりに使いすぎると生存本能や生理的欲求すら凌駕するほどの中毒性を発揮するので薄めて使おう。


    dice1d33=13 (13)

  • 445◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:13:21

    19 スイーパー墨汁 20.ミア/プア


    20.魔杖ランスロット

    【説明】いつもアロンダイトが背負っているバカでかい剣。彼女の愛刀であり、唯一認めた魔法少女の忘れ形見でもある。

    固有魔法『湖の上を歩けるよ』の効果からあらゆる液体を捉え無条件で切断できるが、非常に気難しい性格で誇り高い騎士道を持つ者にしか扱えない。


    dice1d33=27 (27)

  • 446二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:14:26

    滑り込みなんですが規制が通ったので一応投げておきます…今後アイテムの使い所がありましたら…

    【名前】古代霊装
    【説明】妖精貴族の戦士に与えられる異形のドレスアーマー。
    初代オートクチュールにより献上された霊装で、現在の魔法少女コスチュームの原型となったものでもある。
    装備すれば自身の魔力性質に応じて外見・性質を変え、固有魔法を進化させるが、人間が装備すれば大きな代償が伴う。

  • 447◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:15:14

    20.魔杖ランスロット 29.再世 優/テンガイ


    21.聖杖ロンギヌス

    【説明】身の丈よりも長い真紅の聖槍。

    固有魔法『神を殺す魔法』の効果から聖なる加護を打ち破る攻撃が可能だが、魔法少女や妖精・悪魔など魔性の者たちには殆ど効果がない。

    妖精郷の外敵どもを討ち滅ぼすために作られたアロンダイトの最終兵器。


    dice1d33=6 (6)

  • 448二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:16:05

    ランスロットが"最悪"の手に渡ってしまったな…

  • 449◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:16:26

    21.聖杖ロンギヌス 6.夜祖神 髑髏/ドレッドノート


    22.強化薬アンプル

    【説明】

    『あなたの魔力と身体能力をブーストします』という説明文がラベリングされたアンプルと注射器。

    投与すると

    ・魔力と身体能力の爆発的向上

    ・痛覚の鈍麻

    ・異常な集中力

    ・再生能力

    などの多大な恩恵を得られるが、中毒性を持つ上に使用し続けると次第に理性を獣のように失い、破壊衝動に従うようになる。


    元は魔法国研究部門が行った、神話の時代に実在した〝死の神獣〟の血液を罪人に投与する実験の過程で生み出されたもの。この実験では唯一の成功例であるグレンデルを除き、全ての被験体が肉体と精神が崩壊して死亡した。

    それを元に、安全を考慮して限界まで血液を希釈した上で作成された本薬品もまた、ただ強いだけのワーウルフを生み出すだけの結果に終わった失敗作であり、魔法国の恥部である。


    dice1d33=20 (20)

  • 450◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:17:46

    22.強化薬アンプル 21.桐崎 香澄/クレアボヤンス


    23.地獄篇

    【説明】パンデモニカから宝物庫へ一時譲渡された魔書の一頁。

    くらくつめたい場所で過ごした彼女の冒険譚が綴られており、もしもオオカワウソが所持したならマンションの攻略に大きく貢献しただろう。

    使用により固有魔法が発動、「赤松華」を召喚できるが、呼んだ後のことは自己責任。


    dice1d33=12 (12)

  • 451◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:18:49

    23.地獄篇 12.天城 千郷


    24.魔槍〝ダーマット〟

    【説明】

    赤色の長槍。刃の表面に魔法陣が描かれている。

    あらゆる魔法効果を問答無用で貫く魔槍。次元を隔てた障壁であろうとも、空間を切断する斬撃であろうともそれが魔法であるならば打ち消される。

    かつて魔法国に実在した英雄がこの槍をふるい、火や水、魔法と武器に傷つかない魔犬を打ち倒したとされている。


    dice1d33=9 (9)

  • 452◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:21:53

    24.魔槍〝ダーマット〟 10.冨島千秋

    以上、アイテムの送付が全て完了致しました……!

    なお、マジックアイテムは今後も募集は継続していますので、お気軽に投げてください……!
    (今回のように全部配るイベントはおそらくもう無いと思うので、どこまで採用できるかは分かりませんが……)

  • 453二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:26:39

    神殺しの槍はドレッドノートに渡ったので、vsニャルセーヌの再戦もワンチャンあるな…

  • 454二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:28:20

    なぁこれヒートハウンドさ、自分で殺した推定ランクAのフライフィアー復活させて従えるんじゃね?
    アレの脅威度は相対した自分が一番わかってそうだし

  • 455二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:29:27

    このレスは削除されています

  • 456◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:30:52

    1.桐ヶ谷 裂華/ジャック・ザ・リッパー
     
    2.ジェシカ・ロドリゲス/バルバロイ+マギカスキャナー

    3.妃咲 希/ティターニア+マギカロボ

    4.清原 稞美/ウェンディゴ

    5.薬師院 怜那/ミョルニル+カメラ内蔵型コンタクトレンズ

    6.夜祖神 髑髏/ドレッドノート+聖杖ロンギヌス

    7.刈屋 伊織/ミストアイ+壊れかけの腕時計

    8.轟 猫耳/ネコサンダー

    9.松崎 新一郎/ハートプリンセス+使い捨てマジックスクロール

    10.冨島千秋+魔槍〝ダーマット〟

  • 457二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:32:19

    元々強いティターニアにマギカロボはやばい

  • 458二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:34:49

    GANTZのガンツロボみたいな感じなのかね

  • 459◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:34:53

    11.マク=ハク/ノーブル・サヴェージ

    12.天城 千郷+地獄篇

    13.汐沫 夏実/ジェイルフィッシュ+ 反魂香

    14.犬上 沙美/ハスキーロア+パンドラの箱

    15.王 龍明/ブレイズドラゴン+魔力草

    16.逢魔 愛裏/ナイトメア⭐︎メリィ+マギカロック

    17.麦/ヒートハウンド+多目的用コピーロイド死者の巻

    18.大川 羽蘇/オオカワウソ+スプレー缶

    19.桐生 ヨシネ/バーストハート+回復促進剤

    20.ミア/プア+スイーパー墨汁

  • 460◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:38:25

    21.桐崎 香澄/クレアボヤンス+強化薬アンプル

    22.蜂矢 恋蜜/ハニーハント

    23. 逝凪 素鈴/ワンフロムアウター

    24. 栗田 柿子/ジャスティスファイア+魔草ケムリ

    25. 姚 莉鈴/ハイエンド+アンダーテイカー

    26. 佐々利 こぼね/クリックベイト+消火器

    27. 柩枢/アリス・イン・ワンダー・オブ・ザ・デッド+インテリジェンスウェポン

    28.王城 姫子/クィーン+栄養剤…?

    29.再世 優/テンガイ+魔杖ランスロット

    30.七海 真美

    31.抜刀 金

    32.槍ヶ崎 舞矢/スピードランサー+万能解錠キー

    33.山田 浅悧/慈斬

  • 461◆xaazwm17IRZa24/04/05(金) 21:39:17

    それでは、第一試合導入部までもうしばらくお待ちいただけると幸いです……!

  • 462二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:40:36

    クレアボヤンスと強化アンプルの組み合わせ良いな
    弱点の運動神経が悪いのは異常な集中力、暴力が嫌いで臆病は理性を失って破壊衝動に従うで打ち消せる
    追い詰められると爆発するからリスクがあってもいざとなれば使えるだろう

  • 463二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:41:45

    ブラックブレイドのなんでもぶった斬る魔法に加えて見るからにヤバげなパンドラの箱まで獲得したハスキーロアの重要人物度が上がっていく…

  • 464二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:44:58

    >>453

    邪神って聖属性なのかな

  • 465二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:47:55

    ランスロットテンガイはマジでやばいけど騎士道精神とかなさそうだしなぁ

  • 466二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:18:58

    神アイテムとそれ以外の差が激しい…

  • 467二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:29:21

    矮小に見えても手に負えない効果を発揮する組み合わずある…はず

  • 468二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:32:52

    ジェイルフィッシュが七海真美にタイマン開始前に反魂香渡してブラックブレイドの魔法使えるようにして補正大幅+したりできる?
    真美のダイス値まだ分からんけど補正抜きだとまぁ負け確定だろうし

  • 469二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:36:33

    片や2vs1、片や聖剣所持でタイマンの戦力差が割と絶望的に…

  • 470二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:43:14

    アイテムの譲渡があるならテンガイは腕時計も入手するのか

  • 471二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:46:44

    >>468

    通常ダイス値が2d100か、固有魔法をテンガイという強敵を相手に最大発動した状態を考慮するなら3d100?

    だいぶ不利だし補正値入るなら最大値くれてやってもいいと思うね個人的には

  • 472二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 01:37:24

    一方クリックベイトは消火器で殴リックベイトしていた

  • 473◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:10:28

    残念ながら試合開始までは行きつけませんでしたが、書けた分だけ投下させていただきます……!

  • 474◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:11:02

    「安心してください、もう大丈夫です」

    「私の名前はジャスティスファイア。正義の使者です」

    「さぁ、こちらへ。あなた方の安全は、私が保証します」

  • 475◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:11:17

    うそつき。

  • 476◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:11:42

     ハートプリンセスの固有魔法、『どんな場所にも旅行に行けるよ』。旅行、と言っているように、その移動範囲は広い。
     東京大阪間を移動できると言えば、その凄さが伝わるだろうか。
     当然、あにまん市全域は射程範囲である。
     襲われるたびに、数㎞単位で移動すれば、まず殺されることはない。
     肉体の耐久性と合わさり、もっとも無敵に近い魔法少女は、ヒートハウンドやテンガイ、ドレッドノートではなく、ハートプリンセスなのかもしれない。
     ——もっとも、制限が掛かっていなければの話だが。

    「くそっ、くそっ、くそったれ……」

     ハートプリンセスは地下街周辺の地上エリアに留まっていた。
     意図したものではない。
     数時間前、フライフィアーに拘束された彼女は捨て台詞と共にその場を離脱した。
     彼の思惑では、エリアを超えて移動する腹積もりであった。
     ——しかし、ワープした先は、未だ地下街だったのだ。

    【長距離ワープは出来ない】。

     オオカワウソが他の魔法少女を増やせないように、ハートプリンセスにもまた、魔力消費増大とはまた別の制限が掛けられていた。
     フライフィア―は爆殺できたと思い込みながらも、ハートプリンセスは自らの無敵性が崩れたことにヘラり、頭を掻きむしりながら地下街を彷徨う。
     そして、偶然にも、フライフィアーとヒートハウンドの熱戦を目撃した。

  • 477◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:12:09

     耐久力に自信があるハートプリンセスでも死を感じる程の火力。そしてそれを耐えきり、ミサイルらしきものを召喚したフライフィアー。
     その段階でハートプリンセスは必死の思いでワープし、地下街から地上に脱出していた。
     もしその場に残っていれば、いかにハートプリンセスといえど、焼死していただろう。

    (化け物じゃないか……フライフィアーも、ヒートハウンドも……!)

     街の平和を守るのに、炎もミサイルも必要ねぇだろとツッコミたくなるほど、二人の戦いはハートプリンセスの常識を燃やし尽くしてしまった。
     同時に、優勝しようという心が、折れた。
     ハートプリンセスの強み。
     ワープ。
     それに伴う爆発。
     そして、耐久性。
     ワープは長距離移動が出来なくなり。
     爆発では火力がまるで足りず。

  • 478◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:12:29

     耐久性もあの二人の前ではあまりに脆い。
     それまでハートプリンセスは、どこか余裕があった。身体能力こそ常人程度だが、物理撃破が困難な耐久力、人間を容易く殺せる爆発の火力、そしてこの世の道理を捻じ曲げる長距離ワープ。
     その、余裕は崩れ去る。
     死ぬかもしれない。
     地下の大爆発から必死で逃げながら、ハートプリンセスは涙を流していた。

    (これで死んだら、俺の人生何だったんだ……!)

     そして、地下街の爆発で生じたパニックに乗じて、ハートプリンセスは近隣の公園の、個室トイレの中に逃げ込んでいた。
     膝を抱え、身体を震わせる。
     怖い、怖い、怖い……。
     フライフィアーが、ヒートハウンドが、殺しにくるかもしれない。
     燃やされるのはどれだけ痛いのだろうか。
     もう、痛いのは嫌だ……。

  • 479◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:12:52

     やがて、夜が明け、頭の中に魔法王の声が響く。
     第一回放送が始まったのだ。
     呼ばれる名に、知っている名は一つ。
     らいと/フライフィアー。

    「し、死んだ……フライフィアーが死んだ、ヒヒヒ、フライフィアーが……!」

     ハートプリンセスを悩ませる二大恐怖の一翼が、墜ちた。
     ハートプリンセスはそのままトイレの床に置かれた名簿を拾い上げ、食い入るように見る。

    「ヒートハウンド……何が麦だ、くそったれ……まだ生きてる、何でミサイルで死んでないんだよぉおおおおお!」

     決着の瞬間を目撃していない故に(もっとも目撃するまでその場に留まっていればただでは済まなかったが)、ハートプリンセスはヒートハウンドが物理攻撃及び火力攻撃を無効化することを知らない。
     ただ、ヒートハウンドはミサイルを召喚できるフライフィアーより化物であるという誤認だけが積もっていく。

  • 480◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:13:18

    「ふざけるな……何で俺のワープは機能不全にするくせに、あいつらは野放しなんだ……!」

     名簿をぐしゃりと握りつぶそうとし、ハートプリンセスは、一つの名を目にした。
     栗田柿子/ジャスティスファイア。

    「ジャスティスファイア……?」

     その名は、知っている。
     かつて、俺を助けてくれた魔法少女の名だ。
     そして、俺を助けてくれなかった女の名前だ。

    「ジャスティスファイアがここに来ているのか……?」

    「ムフフ、知り合いでもいたのかい?」

    「だ、誰だぁ!?」

     ハートプリンセスはその場で飛び上がった。
     この個室は、安全地帯。そう信じていた。そんなはずがないのだ。
     今は無きトリックスターのように透明になれるわけではない。
     ハートプリンセスが無事なのは、彼が幸運だったからに他ならない。

  • 481◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:13:53

     更に幸運なのは、ハートプリンセスに声をかけた者は参加者ではなかったことだ。

    「僕、パンデニウム!」

     そこに居たのは、パペット程の大きさの二等身の悪魔であった。
     山羊に似た顔でけたけたと笑いながら、パンデニウムはハートプリンセスに語り掛ける。

    「おっと、怯えなくていいんだぜ。僕は、ゲームの参加者でもなければ、お前に危害を加えるために来たわけじゃないんだからな」

    「お前、お前は一体何なんだ! 何しに来た!」

    「だからそれを今から説明しようとしてるんじゃないか。せっかちな奴だなぁ」

     やれやれとパンデモニカ(マスコットモード)は肩を竦める。

    「お前は抽選で強制デュエルの指名者に選ばれたんだ。すっごく名誉なことなんだからな。自分の幸運値に感謝するといい」

    「幸運……? 俺が……? お、俺のどこが幸運だっていうんだ……!」

     掴みかかるハートプリンセスをパンデモニカはひらりと躱す。

    「おっと、自分語りはさせねーぜ。お客さんが待ってるんだからな。お前には今から、リングで戦う参加者を二人、名簿から選んでもらう。
     期限は1時間以内。サラリーマン経験者のハートプリンセスなら、前倒しで1分で決めてくれるよね」

  • 482◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:14:15

    「リング? リングって、プロレスとかボクシングのリングってことか……?」

    「呑み込みが早いじゃん。さすが元社畜なだけはある。そういう強みをもっと生かしていかなきゃいけないよ。
     けれど、一つだけまちがーい!
     プロレス? ボクシング? あんな負けてもお家に帰れるリングは、魔法少女に相応しくありません!
     戦ってもらうリングは、デスマッチ! どちらかが死ぬまで戦ってもらうのです!
     うーん、これこそ本当の、戦いですなぁ」

    「つ、つまり、俺が指名した二人は……」

    「そう。どちらかは必ず死にます!
     優勝狙いのハートプリンセスからすれば、願ったり叶ったりだよね。
     ムフフ、じゃあぱぱっとリングに送り込む二人を選んで。
     適当でもいいよ。どうせみんな死んでもらうつもりだもんね、ハートプリンセス」

  • 483◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:14:38

    「そ、そうだ、俺は優勝して、幸せになるんだ……」

    「いい心がけだ。やっぱり大人は違いますなぁ。幸せになるためには誰かを犠牲にしなければ。これは真理なのです」

    「一人は、一人は決まっている。
     【ヒートハウンド】だ。だ、だいたいお前ら、あんなチート魔法少女、どうして殺し合いに呼んだんだ……! 人間の殺し合いにライオンが混じるようなものじゃないか……! 少しは考えろ、馬鹿!」

    「うーん、確かにヒートハウンドは上位層の一人だけど、別に最上位ってわけじゃないんだけどなぁ。これでもバランスは考えているんです、君なら働く僕たちの気持ちが分かるだろ、ハートプリンセス」

    「知らねぇよ……! それで、それでもう一人は……」

     生半可な魔法少女では、焼死体が一つ出来上がるだけだ。
     だが、名前だけでは、誰が強い魔法少女なのかまるで分からない。
     ブレイズドラゴンなどめちゃくちゃ強そうな名前だが、もしかしたらドラゴンが好きなだけという可能性だってある。
     ——助けてくれなかった。

  • 484◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:15:18

    「……【ジャスティスファイア】だ。【ヒートハウンド】と戦うのは、【ジャスティスファイア】……!」

    「うーん、即決。僕は今、大人の規範を見届けたのです。
     一応聞くけど、選出の決め手は……?」

    「決まってるだろ……化物を倒すのはいつだって正義の味方だ……!」

    『安心してください、もう大丈夫です』

     何も、大丈夫じゃなかったじゃないか。
     大丈夫じゃなかったから、ハートプリンセスは地獄を味わい、こんな所に来てしまっている。

    「今度こそ、俺を安心させてくれよ、正義のヒーロー……!」

  • 485◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:15:35

     かくして、第一試合は決定された。
     【ヒートハウンド】VS【ジャスティスファイア】。
     同じ炎系。
     同じ犬系。
     同じく格上に勝利し生存を掴み。
     そして、殺し屋に飼われる犬と、最強国家の猟犬。
     似通った、けれど決定的に異なる二人が対決する。
     二人のうち、どちらかは、確実に死ぬ。
     逃げ場ゼロ、タイマンのみ、勝者あり。
     死闘の幕が上がる。

  • 486◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:16:13

    ク ライオニクスから辛くも勝利をもぎ取ったジャスティスファイアと冨島千秋は、共に人間態のまま、木陰で身を休めていた。
     先ほど、放送があった。

    「……幾つか、知っている名が呼ばれました」

    「……親しい人?」

    「……いえ、ナサリーブラウンという名は、一部の界隈では有名ですから。
     人類最強の傭兵、としてね。
     それが、たった数時間で死ぬ。
     彼女が魔法少女であったという情報を、我々は入手していませんでした。
     ただ、並の魔法少女なら生身のナサリーに制圧されてしまうでしょう。
     それほどの強者でした」

    「……そう。私も、知っている名前がいくつかあったわ。トリックスターとか。
     ……名簿には、知人も乗ってるけど」

    「奇遇ですね、私もです……」

    「天城千郷……以前捕まえたことがあるけど、根が悪い子じゃないわ。ただ、火力はとんでもないわ。総合力では貴女が上回ってるけど、瞬間火力は、千郷が遥かに凌駕してる。
     もし、地球を破壊できる魔法少女が居るとしたら、それはきっと千郷よ」

    「……あなたが捕まえたということは正義側ではないということですか。そんな相手が、核兵器を超える火力を持つ……恐ろしいですね。
     私の知り合いは」

  • 487◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:16:43

    「松崎新一郎です。
     彼は——信用に値します」

    「え、男?」

    「はい、まさか魔法少女になっているとは驚愕しました。私が出会った時は確か30を少し過ぎたばかりだったはず……」


    「おっさんじゃない!? ええ、おっさんが魔法少女になってるの!?」

    「ふむ、30歳はおっさんというのは、些か疑問ですね。子どもではないでしょうが、若者の範疇では?」

    「貴女、私より幼いのに視野が広いわね」

    「……隠す必要はありませんね。私の実年齢は2●才です」

    「大人じゃない!?」

     と、まるでガールズトークのように盛り上がりながらも、歴戦の戦士でもある二人は次なる戦闘に備えて準備をしていた。
     魔力回復の効果がある魔力草を煙草に加工したアイテム、魔草ケムリ。名簿と一緒に召喚されたそれを、ジャスティスファイアと冨島千秋は共有し、少しでも魔力の回復に勤めていた。

  • 488◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:17:12

     冨島千秋は六時間変身不可能、ジャスティスファイアもまた、限界を超えた戦闘で体にガタが来ている。
     名簿と一緒に来たものはそれだけではない。
     『魔槍ダーマット』。
     あらゆる魔法効果を問答無用で貫く魔槍。それは冨島千秋のような砂化も、あるいはクライオニクスの氷の翼も例外ではないのだろう。
     大当たり中の大当たり。
     もしまたクライオニクス級の魔法少女が来襲しても、もう少し有利に戦いを展開できるだろう。

    「よし、体力も回復できたし、そろそろ行きましょう。あ、魔槍はジャスティスファイアが持ちなさいよ」

    「これは貴女の支給品でしょう」

    「変身できない私が振り回しても宝の持ちぐされ、むしろ敵に奪われたら大惨事よ。私の天敵みたいな槍なんだから」

    「確かに一理ありますが……」

     渋々といった様子で、魔槍を受け取るジャスティスファイア。

  • 489◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:17:44

    「さて、とりあえず市の中央を目指しましょう。他の参加者と交流し、米軍のこと、そしてペナルティについて伝えねば」

    「ええ」

     二人は立ち上がり、共に歩みだそうとして。

    【魔法少女・ジャスティスファイアが決闘者に選ばれました。ジャスティスファイアは一分以内に準備をしてください】

     突如、周囲に機械的な音声が響いた。

    「また放送!?」

    「いえ、魔法王の声ではありません……! しかし決闘者とはいったい……!」

    「よくわからないけど、周囲を警戒して! 何かされるかも!」

    「千秋! やはり魔槍は貴女が!」

    「いいえ、貴女が持っていなさいジャスティスファイア! よく分からないけれど、狙われているのは貴女よ!」

    「しかし、それでは私に何か起こった時に、千秋が無防備に……!」

    「逃げ隠れることくらいならできるわ……!」

  • 490◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:18:12

     そして、一分が経過し
     バシュン、という音と共に、ジャスティスファイアの姿が掻き消える。

    (消された……いえ、ワープした……?)

      魔法の国で何度かワープする魔法少女を見たことがある。それに似た気配を千秋は感じ取った。

    (いったい何が起きたのか、まるで分からないけれど……)

    「……無事を祈るわ、ジャスティスファイア」

  • 491◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 02:19:13

    投下を終了します……!

    本日も夜分遅くまで失礼しました……!

    それではまた明日もよろしくお願い致します……!

  • 492二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 03:34:47

    乙でした~
    一般市民はヒーローに全責任押し付けがち

  • 493二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 04:24:24

    魔力ゼロ。拳のみ。勝者あり。

  • 494二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 04:41:44

    ある意味ではハートプリンセスも飛べる魔法少女なのか…制限の理由はそこにもあるかもな

  • 495二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 05:17:12

    ジャスティスファイアとヒートハウンドだけじゃなく、ハートプリンセスもアイテムで蘇る可能性があるフライフィアーもそれぞれ属性被りが発生してたりする
    犬二匹は主の書かれた通りとして、実は4人とも火属性攻撃が出来るのだ
    他にも4人とも防御が固く、麦以外は条件付きで実質飛べるのが確定してて、姫も格上と遭遇して生き延びてるし、全員自分なりの善悪の価値観がはっきりして揺らがない
    二人ずつだと機械で軍人とか人外とか臆病とか多分もっと増える
    ダイス神がしっかり采配しててあーしは怖い

  • 496二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 11:16:59

    ダーマットってケルト神話のディルムッド・オディナのことなのね
    元ネタが元ネタだけに大当たりのマジックアイテムは伊達じゃなさそう

  • 497二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:10:10

    槍と魔力回復アイテムのおかげでまだ勝ち目はあるか

  • 498二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:17:41

    テンガイがナチスの魔法少女ともやり合っていたらしいので新幹部のトート・アリアとは因縁ありそう

  • 499二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 16:45:02

    単なる疑問なんだけどこういうのってキャラ投げる時情報量どのぐらい多くしていいのかね
    最初の募集で投げた時あんまり多く書くと動かしにくいと思って薄くしたんだけどなんかみんなびっしり書いてるし

  • 500二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 17:17:25

    んなもん個人の自由でしょ。あくまで常識の範囲内で自重しながら書けばいい
    あとどうせ設定作り込んだところで使うかどうかはスレ主の判断だし
    個人的には単体の設定量よりも4人も5人もキャラ投げる人の方がどうかと思う

  • 501二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 17:38:08

    まぁスレ民それぞれ思うところはあるだろうけど、我々がとやかく言うことじゃないんじゃないかな
    スレ主はどう思ってるかは少し気にならない訳ではないが

  • 502◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:42:28

    投下します……!

  • 503◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:43:08

     四角形が照明に照らされ浮かび上がる。清潔に掃き清められ、周囲には分厚いロープが張り巡らされている。無人の観客席は空疎な印象を与えるが、張り詰めた緊張感は、このプロレス会場がオフシーズンではなく、今まさに死闘の場となることを雄弁に物語っていた。
     解説席に座る少女が二人。
     一人は長い金髪にトップハットと紳士服の少女。名を早瀬光。魔法少女名、クイックローラー。
     もう一人は、武装親衛隊(SS)の将校服の上に白衣を羽織った金髪シニヨンに碧眼の少女。魔法少女名、トート・アリア。

    「画面の前のVIP会員の皆さん、聞こえておりますでしょうかー!
     まもなく、【ヒートハウンド】VS【ジャスティスファイア】の試合が開始されようとしています!
     実況・解説は私、解説王に俺はなる! でお馴染み、魔法少女クイックローラーが担当致します!
     そして!」

    「フハハハハハハ! 劣等の皆さんグーテンモルゲン!
     第三帝国が生んだ世界で一番頭が良い魔法少女、トート・アリアだ!
     今日は後進国である諸君らのために解説をしてやるぞ!」

    「はい! なんと第三帝国出身の魔法少女、トート・アリアさんに来ていただきました。わー、私、本物のナチス見るの生まれて初めてです!
     日本のサブカルでもナチスはフリー素材として大人気ですけど、その辺はどう受け止めていらっしゃるんでしょうか?」

  • 504◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:43:47

    「ナチスが大人気なのはもちろん知ってたけど、日本人みたいな劣等人種にも人気があるのか、へぇー」

    「なるほど、貴重なご意見ありがとうございます。
     さて、話題を試合に戻しますが、アリアさん、ヒートハウンドにジャスティスファイア、失礼を承知で申し上げればあまり有名ではない魔法少女ですが、二人ともどのような方たちなのでしょうか」

    「ヒートハウンドは犬が魔法少女になったとデータにある。つまり犬畜生だな。
     ジャスティスファイアは米国出身らしい。つまり頭空っぽの脳筋に違いない。
     つまり私は偉大なる存在というわけだ! フハハハハハハ」

    「なるほどですねぇ」

     二人の音声は、魔法を介して、ナイトクラブ〝Man-Man〟の下層、核シェルター兼VIPエリアに届けられる。そこでは欲望を肥え太らせた暗黒金持ちたちが、魔法少女たちの死の饗宴を肴にしているのだ。

    「おおっと、各自のコーナーからそれぞれ選手が出てきましたよー!」

  • 505◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:44:33

     赤コーナーから姿を表すのは、犬耳と尻尾を生やし、ドレスを纏った小柄な魔法少女である。
     傍らには、カジュアルな格好に身を包んだヒートハウンドと同年代程度に見える少女が同伴している。

    「おや、友人も一緒に来ていますね? セコンドでしょうか」

    「ルール上、セコンドは付けられない仕様のはずだ。観戦者は双方の同意があってのみ、観戦席にワープできるシステムのはず。
     ということは……なるほど、先ほどの幹部会議で言っていた問題とはこれのことか。
     フハハハハハ、戦場とは常に混乱に満ち満ちているもの! 想定外こそ戦場の醍醐味だよ!」

    「おおっと、アリアさんが自己完結して楽しんでいます!
     どうやらあの同伴者には何か秘密がある模様です! いったいどんなマジカルが展開するのか~!」

     二人の少女は、解説席に目をやることもなく、静かにリングに向けて歩みを進める。

  • 506◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:45:18

     各自の場所から此処に連れてこられた際、選手はパンデモニカから説明を受けている。
     リングに上がることを拒否すれば即座に呪いが発動すると脅され、不本意ながらも従わざるを得ないのだ。
     なお、解説王を目指す者クイックローラーはこのことを知らず、あくまで双方同意の真剣勝負とだけ聞かされている。

    「青コーナーからジャスティスファイアさんも入場します!
     なんと、人型ではありません! 犬、犬です!
     槍を咥えたロボットドッグが、リングに向かって進んでいます!」

    「おや、あの槍は……。なるほど、この勝負、わからないな」

    「アリアさんがまた自己完結しています! なお、我々の音声は、選手には聞こえないよう魔法が会場に掛かっています。なので我々の解説で試合の有利不利が変わることはないのでご安心を!」

     先にリングに上がったのは、ヒートハウンドの方だった。
     同伴の少女と寄り添うように、不安そうな様子でジャスティスファイアを見つめている。

    「ほほう。既に試合は始まっているな」

    「と、言いますと?」

    「ジャスティスファイアが凡愚ならば、この勝負、一瞬でケリがつくぞ」

    「一切解説してくれませんね、アリアさん」

  • 507◆xaazwm17IRZa24/04/06(土) 22:45:36

    投下を終了します……!

  • 508二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 22:57:14

    急に全方位ヘイトスピーチ人間出てくるじゃん

  • 509二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:10:54

    全てを悪く言うから一周回って好きだなこの人

  • 510二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:26:33

    アリアさんの全員愚弄すれば一周回って中立理論、嫌いじゃないしむしろ好き
    クイックローラーとの掛け合い(?)もいい味出してる

  • 511二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:27:03

    全方位攻撃はかえって清々しいな

  • 512二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:43:54

    ヒートハウンドはまた暗殺を狙ってるのかな??
    そして一瞬で見抜くアリアネキ流石だな

  • 513二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:50:23

    このレスは削除されています

  • 514二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:58:34

    ドイツ語で

    トート=死、死神
    アリア=独唱

    経歴が伺えて実に素敵なお名前ですね

  • 515二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:02:50

    アリアさんかなり好きになったし、もしマジックアイテム奪還で生き残ればアロンダイトみたいにメイン入りしてくれないかな

  • 516◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:07:23

    投下します……!

  • 517◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:07:57

     今更死ぬのは怖くない。
     だが、無意味な死は御免だ。
     自分のミスで、ジョンは死んだ。
     自分の意思で、クライオニクスを殺した。
     そんなジャスティスファイアが、無駄死にをしていいはずがない。
     だから、相手が悪といえども、ジャスティスファイアは素直に指示に従い、控室から出て、リングに向かって進んだ。
     リングに上がることを拒否すると呪いが発動するという。
     だが、例えばリングに上がった後、わざと負けたり、その場で自害することまでは禁止されていないようだ。

    (私と同じ、相手も不本意のはず……。クライオニクスのときとは違う)

     否、同じなのかもしれない。
     クライオニクスはゲーム参加前から後ろ暗い噂がつき纏っていた。けれど、殺し合いの舞台でなければ命の奪い合いにまでは発展しなかったかもしれない。
     逮捕、あるいは和解という選択肢もあったはずだ。
     バトルロワイアルで戦う相手は、シリアルキラーでもなければ、凶悪犯でもない。いずれも被害者なのだ。
     それを可視化したのがこのリングなのだろう。
     既に壇上に上がっている対戦相手を見る。
     犬耳を生やした小柄な少女と、これといって特徴のない少女。

    (二対一……?)

     事前に聞いていたルールと違う。
     勿論、ジャスティスファイアは自らを強者だと自認している。米国の威信をかけて作られた魔法少女だと。

  • 518◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:08:27

     並の魔法少女なら、例え二人がかりでも圧倒できる。
     一対一ではあまりに戦力差があり過ぎるという配慮だろうか。
     こちらを不安そうに見下ろす犬耳の魔法少女と、それを寄り添うように支えるもう一人の少女。

    (……なるほど)

     ジャスティスファイアは一息でリングに飛び上がった。

    「私の名前はジャスティスファイア。犬耳の貴女が、ヒートハウンドですね」

    「は、はい……」

    「そちらの方はご友人ですか?」

    「わ、私の友達のヒートちゃんです……。ハウンドの部分は私が、そしてヒートの部分はこの子が担当していて……」

    「二人で一人の魔法少女、ということですか?」

    「ヒートちゃんは、私のイマジナリーフレンドが具現化した存在なんです。私、友達が居なくて、友達が欲しくて魔法少女になって……けど、どうしてこんなことに……」

     犬耳が垂れ、ハウンドは目に涙を溜め、体を震わせた。

  • 519◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:08:57

    「嫌だよぉ……死にたくないよぉ……」

    「——どうしてウソ泣きをするのですか?」

     ハウンドの震えが止まる。

    「そんな、酷い……」

    「職務上、尋問には心得があります。
     ヒートハウンド、実のところあなたはそれほど怯えていませんね。
     演技をしながらも、同時に私の装甲に残る外傷、四肢の動かし方、加えた槍の長さなどを図っています。
     それらをやらずに演技に徹していれば、あるいは騙せたかもしれませんが……。日本の諺で例えるなら、二兎を追う者は一兎も得ず、ということですね」

    「職務……ジャスティスファイア、あなたの職業は……?」

    「……ジョンに呪いが発動している以上、運営者にもバレていると捉えるべきですね。
     私は、FBIです」

    「FBI……」

  • 520◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:09:27

     チッとヒートハウンドは舌打ちをした。

    「あんだよ、ポリ公かよ。だったら猫被る必要はねぇなあ!
     アタシはヒートハウンド! 肉弾戦を得意とするハウンドと! 炎攻撃を得意とするヒート! アタシたちは最強コンビだぜ! 裏町育ちの喧嘩殺法、見せてやるぜ」

     中指を突き立てるハウンドに、ジャスティスファイアは冷静な声色で語り掛ける。

    「……咄嗟のカバーストーリーとしては悪くありませんが——ヒートハウンド、あなた一人で犬と炎担当なのでしょうね。
     と、なると傍らの魔法少女は、運営から配布されたマジックアイテムというところでしょうか。
     ……いえ、何のことはありません。
     私も、ジャスティスとファイアは一人で担当していて、この槍は仲間に配布されたマジックアイテムなんです」

    「……………………そう、本体性能は、貴女の方が上みたいですね」

     ようやく、素が出たのだろう、とジャスティスファイアは思った。
     どこまでも冷め切った声色。
     纏う雰囲気から、殺し合いに慣れ切っている。

  • 521◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:10:13

     当てはまる犯罪者タイプは——狂信。
     信仰に殉じ、時には自爆さえ厭わない
     テロリスト、マフィアの鉄砲玉、あるいは民族思想に被れた軍人。
     どれにせよ、クライオニクスとは違う意味で危険な相手だ。

    (無辜の一般人じゃない分、やりやすさはありますが……)

     もし、このリングに立っていたのが、平和な国で生まれ育ち、趣味はお花の観察、日課は人助けといったタイプの魔法少女だった場合、自分はどうしていたのだろうか。
     正義に殉じ、リングの上で自害していたか。
     あるいは、自らが生き残る方が対運営に有利と判断し、少女の命を散らしていたか。
     分からない。
     そして、悩み惑っていては、この敵には勝てない。

    「改めて、よろしくお願いします。
     ——助けてあげられず、本当に申し訳ありません」

    「謝らなくていいです、ジャスティスファイア。
     ——私も、これから死ぬ貴女に同情しているので」

  • 522◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:10:44

    投下を終了します……!

  • 523二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:20:38

    乙です、二人とも流石
    かつてここまで狡賢く極悪な犬が居ただろうか
    本当に元がただの犬なのか疑ってしまうくらいには狡猾さ出てるぞ

  • 524二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:20:45

    アメリカにナチスに戦闘機、まるで世界大戦だな

  • 525二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:26:12

    このレスは削除されています

  • 526二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:28:05

    二人の最後の台詞、それぞれの性格を如実に表してる感じがして好き
    ここからどちらか片方が必ず死ななきゃならないなんてあまりに惜しいよほんと…

  • 527二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 00:30:28

    >>523

    獣だからね…ハイエンドへの忠誠より優先されるものはないだろう

  • 528◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 00:45:49

    >>501

    本来ならもっと早く私の意見を表明するべきでしたが、私自身今まで考えを纏めきれずにいた部分もあり、このタイミングになってしまい、申し訳ありません……!


    【キャラの情報量について】


    あくまで私個人の見解を述べさせていただくと、投下いただけるキャラの情報量に関しては多くても少なくても楽しく読ませていただいてます……!

    あにまんの規約に抵触するキャラ、版権キャラなどでなければ、自由に投下いただいて構いません


    ただ、実際に登場する上で設定が変更されていたり、活躍が少ない、などが起こりうることはご了承いただけると幸いです。

  • 529◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:00:50

    【キャラの投下頻度について】

    想像以上に数多くのエネミー、運営魔法少女などを投下いただき、とても感謝しています……!

    設定なども楽しく読ませていただいております……!

    ただ、一方でエネミー、運営の数が増えればその分正規参加者の活躍、あるいは他の運営キャラの活躍が減る可能性
    または、運営やエネミーキャラの登場に筆が割かれてしまい、殺し合いが遅々として進まない可能性
    これらの可能性から自重を求める方の考えも理解できます

    なので今ここで明言しておくと

    ・本企画の主役はあくまで【最初の募集期間に投下された49人のキャラクター】であり、それ以外のキャラクターはどれだけ設定が緻密であったり、圧倒的強者であったり、キャラが立っていても脇役です。
    生存ダイスを振ることなく始末されたり、噛ませ犬として扱われたり、行殺される可能性もあります。

    ・投下されたキャラクターは採用されない可能性があります。
    これはそのキャラクターが気に入らないわけではなく、投下する話に入れるスペースが無いというだけの話です。
    例えば初期に投下していただいたメッセンジャー・ブルーやヴェンデッタが登場しないのも、単純に登場するスペースが無いからです。
    この先、ダイスによってこれらのキャラクターが登場する余地が出るかもしれませんし、出ないかもしれません。

  • 530◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:11:13

    登場するスペースが無いというのは、例えば対運営が呪いの解呪に成功などし、魔法城に突入する展開になったとします。

    この時に、生き残っている魔法少女が10人以上いた場合は、それぞれに運営勢力の魔法少女をぶつける展開、あるいはアグネアなどの実力者にレイド戦を挑む展開があり得るかもしれません

    しかし、生き残っている魔法少女が2,3人ならば、10人を超える運営魔法少女と相対するというのもテンポが悪くなると思うので、恐らく未登場の運営キャラを多く残したまま、初期メンバーのみが相手をする展開になると思います。

    また優勝エンドだった場合などは、10人以上の運営魔法少女がそれぞれ優勝に関する所感を述べていくというのも奇妙な展開なので、やはり初期メンバーのみが優勝者と接触する展開になるかと思われます

    このようにダイスで導かれる展開によって登場できるキャラは変わって来るかと思います

  • 531二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 01:19:25

    分かりやすい説明ありがとうございます…!!

  • 532◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:37:47

    【一人の人が複数キャラを投下することについて】

    一人の人が何人キャラを投下しても、勿論OKです……!

    ただ、この先物語に新規で登場するキャラが10人居たとしてそのうち9人が同じ人が考えたキャラだった、というのも、キャラ募集企画の本旨から外れているとは感じます

    既に各枠に魅力的なキャラクターや場所案が揃っています。

    今後はそれぞれの募集枠にそれぞれ一つ、くらいの認識でいただけるとありがたいです……!

  • 533◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:44:39

    >>532

    なお、これまでに同じ枠に複数キャラを投下したことはまるで問題ありません……!


    あくまで、魅力的なキャラクターが未登場でたくさん残っているからこその、贅沢なお願いであります……!


    これまでたくさん投下をしてくださった方にはとても感謝をしています……!


    キャラクターが消費され足りなくなった場合や、こういう役割のキャラクター(例えば生き残っている魔法少女の両親であるとか、邪神が召喚する雑魚エネミーであるとか、市長とか)を募集しますとお願いすることもあるかもしれません。


    その際は、よろしくお願い致します……!

  • 534◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:48:37

    最後に、ここまで説明が遅れてしまい、キャラ投下の件で皆さんを不安にさせたり、嫌な思いをさせたことをお詫びします……!

    自主削除したキャラの再投稿も勿論OKです……!

    私の負担を考え自重を提案した方もありがとうございます……!

  • 535◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 01:57:26

    キャラ投下に関しては、雑多な文章で分かり辛い部分があると思うので、質問や要望などは随時受け付けます……!

    それでは、本日もたくさんの感想、ありがとうございます……!
    今回登場した新キャラは正しくこの展開でしか出せないキャラだと思うので、登場させれて良かったです
    アリアに関しては割と規約ギリギリだと思うので、受け入れていただいてほっとしました……!
    私としてもヒートハウンドもジャスティスファイア、どちらも退場させるのは惜しいですが、ダイスで決まったミッション、ダイスで決めた組み合わせである以上、心を鬼にして書きたいと思います、なお補正に関してはアイテム配布前だったので、今後変更される可能性があります

    それでは、本日はここまでとさせていただきます……!
    ありがとうございました……!

  • 536二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 08:53:12

    主人に尽くすヒートハウンドも、信じた正義を貫くジャスティスファイアも生きていてほしい……
    けど炎使い同士のドリームマッチが実現して嬉しい……心がふたつある~

  • 537二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 12:02:47

    かなしい

  • 538二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 17:31:24

    健気の子同士の血みどろな戦いからしか得られない栄養素もある

  • 539◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:39:29

    投下します……!

  • 540◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:39:53

     観客席に人影は無かった。
     控室でパンデモニカと名乗るマスコットに参加者を観客として呼べるがどうすると聞かれ、ジャスティスファイアは千秋を呼ぶように要請した。
     生身で殺し合いの舞台に待機させるより、いっそ観客席に呼んだ方が安全であること、また万が一自分が死亡した場合でも、相手の魔法少女の能力を伝えることが出来ると考えたからだ。
     が、これは相手方が拒否すれば通らないという。
     控室を出てリングに向かう時、観客席に人影が無いことを確認し、ジャスティスファイアはヒートハウンドが観客を拒否したことを知った。
     ヒートハウンドは自分の魔法が他者に伝わることを恐れている。

  • 541◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:40:17

     思えばこの瞬間から、ジャスティスファイアはヒートハウンドをゲームに乗った魔法少女だと疑っていたのだ。

    「ムクク……それじゃあ、決闘開始……!」

     黒山羊のマスコットがリング上で宣言する。
     同時に。

    「烟火(yānhuǒ)」

     ヒートハウンドの手から1000℃の炎が発射された。
     プロレスリングは、あくまで人間と人間が戦うために設計されている。
     魔法少女同士が戦うにはリングは狭すぎるのだ。
     人間の基準で例えるなら、至近30cmで向き合った状態で試合を開始するような状況。
     となれば、必然的に訪れるのは——一瞬の決着である。
     ヒートハウンドの炎はリング全てを呑み込む。
     相手次第では初手で終わる一撃。
     しかし相手はジャスティスファイア。

  • 542◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:40:42

    「ジャスティス・ファイア!」

     自らの魔法少女名を叫ぶと同時に、槍を咥えたその口から、炎が発射される。
     炎を炎で相殺する。
     人間界では発生しない事象が、魔法少女は容易く引き起こす。

    「おおっとっ! いきなり大技のぶつけ合いだぁ~!
     共に炎系の魔法少女! どちらが相手を燃やせるのか、まさしく熱戦です!
     アリアさん、二人の火力はどちらが優勢なのでしょうか」

    「鉄屑の方が優勢だな。所詮犬は犬なのだ」

    「なるほど、火力はジャスティスファイアに分があるようです!」

     事実、炎は徐々にヒートハウンドの方に押され始める。
     ヒートハウンドの顔が苦痛で歪んだ。
     ジャスティスファイアは、油断しない。
     敵はもう一人居る。
     炎の中、空中3mほどの地点に浮遊したヒートちゃん(仮)。

  • 543◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:41:14

     ただ、ジャスティスファイアを誤認させるだけのブラフとしてリング内に持ち込んだわけではないのだろう。

    (何をするつもりでしょうか)

    「ヒートちゃん——投下してください」

    「了解」

     ヒートの足元に魔法陣が展開され——空対地ミサイル、マーヴェリックが出現する。

    「っ!?」

    「うわああああああああああああっ! ミサイルだぁあああああああああああ!?」

     クイックローラーの絶叫と同時に、魔法少女に向けるにはあまりにもオーバースペックな兵器が落下を始める。

    (ジャスティス・シールドで防御? 無理! 避ける? 射程範囲は軽くリングを超えている、ファイアやメテオで迎撃? 誘爆するだけだ!)

     ——奥の手を、切るしかない。

    「くっ!」

     ジャスティスファイアはその場を飛び上がり、ミサイルに自ら近づく。

  • 544◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:41:39

     そして、口に咥えた槍を器用に振り——ミサイルを、刺し貫いた。
     大破壊は——起こらない。
     あらゆる魔法効果を問答無用で打ち消せる槍は、当然魔力によって構成されたミサイルも打ち消しの対象に入る。
     ミサイルを無力化したジャスティスファイアはその勢いのまま、ヒートちゃんに一閃を振るう。
     ヒートは恐るべき機動力で持ってその一閃を回避し

    「ジャスティス・ファイア」

     回避した先に待ち受けていた炎の直撃を浴びる。
     全身を焦げ付かせながらも、ヒートちゃんは耐えきる。

    (思った以上に頑丈……クライオニクスとは別ベクトルで強敵ですね)

     何はともあれ、ミサイルを無力化したジャスティスファイアは燃え盛るリングに舞い戻る。
     魔法少女でも耐えきれない灼熱地獄だが、ジャスティスファイアの装甲は防熱性が非常に高いのだ。

    「その槍……」

  • 545◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:42:10

     ヒートハウンドはじっと槍を見据えている。

    「知っている槍でしたか? それとも、この槍が怖いですか」

    「…………槍が怖くない魔法少女なんかいませんよ」

    「本当は奥の手として隠しておくつもりでしたが、バレてしまったので明かしましょう。
     ——この槍は、あらゆる魔法効果を無効化します。
     例えば貴女が自らの身体を炎に構成して活動できるとしても、この槍で貫かれれば終わりです」

    「……そうですか」

    「さぁ、信じられない攻防が展開されました! ミサイルが投下されたと思ったら、何と槍でミサイルを刺して無効化してしまいました。
     ふむふむ、私の魔法で解析したのですが、あの槍は魔槍〝ダーマット〟。あらゆる魔法効果を問答無用で貫く魔槍。次元を隔てた障壁であろうとも、空間を切断する斬撃であろうともそれが魔法であるならば打ち消されるそうです!
     とんでもないチート武装です! これにより、ヒートハウンド最大の強み、物理攻撃&火力攻撃無効化が、完全に意味を為さなくなりました。

  • 546◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:42:30

     更に火力もジャスティスファイアの方が上、頼みの綱の支給品も一蹴されています。
     ここからヒートハウンドの逆転は出来るのでしょうか。アリアさん、どう思われますか?」

    「天才である吾輩なら無限にできるが、犬畜生には無理だろう。
     一つ言えるならば、多目的用コピーロイド死者の巻は、魔槍に並ぶ大当たりだ。
     それをどう使うかで犬畜生が駄犬かそうでないかが分かれるだろうな」

    「なるほど、ポイントはアイテムなのですね!
     おおっと、何て話している間に、リング内で動きがありました。
     ああ、あれは……!」

  • 547◆xaazwm17IRZa24/04/07(日) 22:42:45

    投下を終了します……!

  • 548二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 23:11:54

    乙です、同系統でも違いの差を埋めるのはまさにアイテムであるとは事前に言われてたけど、まだまだ息をつかせぬ攻防が続きそうで楽しみです。

  • 549二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 23:12:00

    アリアちゃんキレッキレで面白すぎる
    分析も的確なのも好き

  • 550◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:09:20

    投下します……!

  • 551◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:10:11

    (どうしよう……)

     ヒートハウンドの表情に変化は無い。
     しかし、その内心は不安が渦巻いていた。
     あの槍は、危険だ。
     ヒートハウンドの無敵性が容易く破られてしまう。
     通常の殺し合いなら迷わず撤退を選んでいる。
     だが、リングの外には出れない。
     自分に匹敵する機動力を持つジャスティスファイアから、どれだけ逃げ回れるか。

    (……分かっていた。私は、決して無敵の魔法少女じゃない。こういう相手が出ることも、想定していた……乗り越えないと、ご主人様を守れない)

     自分より強い奴殺せないの、殺し屋として二流ネ。
     敬愛する主人の言葉を思い出す。
     リングに囚われるな。
     麦は、ヒートハウンドは、闘犬ではない。
     ——猟犬だ。
     主のために情け容赦なく相手に死の牙を突き立てる、意思を持った武器だ。

    (私は、私たちは兵器です——そうでしょう、フライフィアー)

  • 552◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:10:54

     名簿と一緒に配布されたマジックアイテム、多目的用コピーロイド死者の巻。死んだ魔法少女をコピーして隷属させられるこのアイテムを使い、ヒートハウンドは今しがた殺した魔法少女、フライフィアーを自身の武装に加えた。
     フライフィアー・コピーの魔力消費はヒートハウンドが負担するが、生来燃費がいいため、今のところそこまで負担にはなっていない。

    (さすがにミサイルは堪えたが)。

     だが、ジャスティスファイアの虎の子のミサイルも、槍の前では無力化されてしまう。
     どうする?
     リング上の戦いでさえなければ、フライフィアー・コピーで空爆を実行するのだが。

    (いや、できる)

     リングの外に出てはいけないのは、決闘者だけだ。
     だったら。

    「ヒート、上空へ飛んでください」

     指示通りにフライフィアーは空へと飛びあがる。

  • 553◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:11:53

     それを、槍を咥えた装甲犬——ジャスティスファイアは見守った。
     積極的に動こうとしない敵の態度に、ヒートハウンドは疑問を覚えるが、ホールの天井付近までフライフィアー・コピーが浮上したことで、自らの仮説が証明されたことを知る。
     フライフィアー・コピーは、あくまでアイテムであり、魔法少女にはカウントされない。
     ならば、フライフィアーを攻撃が届かない場所まで飛ばそうと、それはナイフを空高く投げたのと同じ扱いであり、ペナルティは発生しない。
     生前、フライフィアーは地下で死んだ。
     『空の恐怖』は、その本領を発揮する前に退場した。
     皮肉にも、下手人の手によってそれは果たされる。

    「さぁ、コピーロイドが空を飛んでいます。
     ジャスティスファイアはこれを静観、何故彼女は動かないのでしょうか」

    「鉄屑が扱っているのはかつて魔法の国に実在した英雄が、無敵の魔犬を倒したときに使った、伝説的武具。
     はっきりってアーリア人ではない鉄屑に英雄的素養があるわけない以上、あれで何かを打ち消す度に魔力がごっそり持っていかれるんだ。
     ジャスティスファイアはそれをヒートハウンドに悟られるのを嫌がり、積極攻勢に出ずに様子を伺ったのだ。
     まぁお前には理解できないか、このレベルの話は」

  • 554◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:12:18

    「なるほど、そのような心理戦が展開されていたんですね。
     さぁ、制空権を確保したコピーロイド。やはりミサイル攻撃を行うのか。
     しかし、ミサイルは既に無効化されています。
     ジャスティスファイアの魔力が尽きるまでミサイル攻撃を行うつもりなのでしょうか? えっと、ちなみにミサイルが爆発した場合、私たちってどうなるんですか?」

    「心配することはない、リングの外に被害は発生しないようになっている」

    「それなら安心です。……ちなみに、試合が終わり次第、メッセンジャー・ブルーさんという回復魔法のスペシャリストが待機しているんですよね。さすがに本当にデスマッチは洒落になりませんから」

    「軟弱だな、ユーゲントのクソガキたちなら殺し合いにも眉一つ動かさないぞ」

  • 555◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:12:43

    「さぁ、ナチスジョークを飛ばすアリアさんは置いておいて、試合に注目しましょう」

     ヒートハウンドは、躊躇した。
     今から自分が取る選択が本当に正しいのか、分からなかったからだ。
     賭けである。
     少しでも読みを外せば、ヒートハウンドは死ぬ。
     このような状況でなければ、絶対に取らない手段。

    (あくまで、無効化は槍の穂先に触れることで発動しているように見えた)

     そうなれば広域を燃やし尽くす炎攻撃も、あるいは体を炎に転じる回避も、槍の前では極端に相性が悪い。
     ならば、手は無いのか。
     ある。
     たった一つだけ、手は残っている。

    「…………フライフィアー」

     と、ヒートハウンドは偽装ではなく、真の名を呼んだ。

  • 556◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:13:13

    「ミサイル——」

    「ジャスティスブースター、オン!」

     ジャスティスファイアが動いた。
     背中からブースターが出現し、点火。一瞬で加速し、ヒートハウンドに槍を振るう。

    「くっ!」

     牽制で展開する炎の壁を、槍は容易く突き破る。
     ヒートハウンドは身体能力を駆使しその場を飛び退こうとして

    「ぐぅっ……!」

     脇腹を、槍が抉り取る。
     咄嗟に身体を炎化したところで無駄であった。
     それでも痛みを堪え、ジャスティスファイアから距離を取る。
     同時に、指先の一部を炎化し——痛みに顔を歪めながらも、笑みを浮かべた。

    (やはり、炎化出来ていないのは、穂先に触れている間だけ……!)

     無効化は、永続効果ではない。

  • 557◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:13:38

     こちらに照準を合わせるジャスティスファイアと視線を合わせ、ヒートハウンドは、一つの宣告を下した。
     空の恐怖への命令は、終了していない。

    「——ばら撒け」

    「了解」

     ——展開される魔法陣は、七つ。
     降り注ぐのは、七発のミサイル。
     ヒートハウンドに狙いを定めながらも、ジャスティスファイアは当然のように空へと飛んだフライフィアーを警戒していたのだろう。
     それが、悪手となった。
     自由落下する七発のミサイルに、一瞬呆気に取られる。
     ミサイルに対処をするか。一刻も早く、ヒートハウンドにトドメを指すか。
     迷いは、致命的な遅れとなる。
     服を真っ赤に染め、顔を青白くさせながらヒートハウンドは手をジャスティスファイアに翳した。

  • 558◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:13:59

    「烟火(yānhuǒ)」

     ジャスティスファイアの頭脳が瞬時に解を導き出す。ミサイルが到達する前に、ヒートハウンドの火炎放射が来る。
     最初の攻防の火炎放射なら、槍を使わなくても装甲で防げる。
     ——という慢心を、ジャスティスファイアはしない。
     このタイミングで撃って来る一撃は、ミサイルを優先して対処すれば即死させるような罠が張ってあるに違いないと、そう思わせる一撃だったからだ。
     相手は素人ではない。確実に殺し合いに慣れた魔法少女。
     浅慮からジョンを死なせ、慢心からクライオニクスの復活を許したのだ。
     ヒートハウンドから放たれるはずの火炎放射を、ジャスティスファイアは槍で迎え撃ち。
     ——炎は、発射されなかった。

    「しまっ……!?」

    「私の、勝ちです」

     ブラフ。

  • 559◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:14:20

     ジャスティスファイアは慌てて七発のミサイル無効化に意識を集中させる。

    『USA! USA! USA!』

     USA因子を全身に巡らせ、ジャスティスファイアは再び空へと舞いあがった。

    「ジャスティスッ! ジャスティスッ! ジャスティスッ!」

     吠えながら、槍を振り回す。
     万が一爆発すれば、ジャスティスファイアとて大ダメージを負う。
     それを分かっているからこそ、必死に槍を振るう。
     ミサイルは、同時に展開された。
     故に超高速で処理しなければ、取りこぼしたミサイルが着弾し、例え空を飛んでいようと一定の範囲までしか飛べない制限を課されているジャスティスファイアは巻き込まれる。
     穂先に触れたミサイルは瞬時に無効化するが、同時にジャスティスファイアの魔力が持っていかれる。
     枯渇する、とジャスティスファイアの身体が悲鳴を挙げている。
     何度か実験で魔力を空にするまで運用したことがあったが、あの時のひりつく感覚が全身に纏わりつく。

  • 560◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:14:41

     それらをねじ伏せて、一心不乱に槍を振るう。
     一本目、二本目、三本目、四本目。
     視界が霞む。
     ジョンはもっと苦しかったはずだ。
     五本目、六本目。
     とうとうブースターが消失する。
     問題ない、後は自由落下で対処する。
     クライオニクスならそれくらいしてみせるはずだ。
     ——七本目。
     ミサイルは、リングに落ちることはなかった。
     過剰に魔力を消費し、脇腹に重傷を負ったヒートハウンドはロープに身体を支え、荒い息を吐いている。
     勝敗は決した。
     後は——。

  • 561◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:14:59

    装甲が、ひしゃげた。

    「なっ……」

     飛来物がジャスティスファイアに激突した。
     ミサイルは全て打ち消したはずだった。
     だが、ミサイルを撃った本体は未だ健在であり。
     ——ヒートハウンドの指示で急降下するフライフィアーに対処する余裕が、ジャスティスファイアには無かった。
     耐熱性があり、防御性能もかなりの物を持つジャスティスファイアの装甲。
     しかし、フライフィアーもまた耐久性はかなりのものを誇る。
     急降下する鉄の塊と衝突したジャスティスファイアは一瞬意識を飛ばし

    「ジャスティスッッッ!」

     瞬時に復活する。
     咥えた槍を放すこともない。

  • 562◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:15:37

    (このまま……地面に叩きつけられたら、不味い!)

     槍を、フライフィアー・コピーに突き立てる。
     ——何も起きなかった。
     魔槍は、あらゆる魔法を打ち消すが、全てを打ち消すわけではない。
     ヒートハウンドの身体を炎に変える魔法を打ち消しても、魔法少女に変身する魔法は打ち消さなかったように、あるいはリング上でどれだけ振り回しても、リングにかかった各種の魔法が消えなかったことも。更に言えば、転送魔法そのものは打ち消さず、素直に千秋の元に届けられたことも。
     消せる魔法と、消せない魔法がある。
     コピーロイドが撃つ魔法は消せる対象だったが、コピーロイドが変身するフライフィアーそのものは消せる対象ではなかった。

    (不味い、くそっ……このままじゃ、正義は、正義は、負けな——)

     轟音が、ホールに響いた。
     リングにクレーターが形成される。
     中心地点で、ジャスティスファイアは四肢を力無く投げ出した。
     落下の衝撃が全身を苛んだのだろう。

  • 563◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:16:07

     装甲のあちこちが罅割れ、破片が周囲に飛び散っている。

    「……とんでもないことが起きてしまいました。
     まさかのコピーロイドによる突進攻撃!
     確かに魔法少女の頑強な肉体による突進は、下手な魔法よりずっと強力と言われていますが、まさか決まり手がこれになるとは思いませんでした!
     炎系、犬系の熱戦。まさかの決まり手は体当たりです!
     なんと、原始的な戦い、しかし意表をついた攻防でしょうか!
     ヒートハウンドも疲労困憊の様子。脇腹を押さえる様子が痛々しいです。
     治療班は直ちに来てください!
     第一試合、勝者はヒートハウンド——」

    「黙れ、猿。まだ勝負はついとらんではないか」

    「ちょ、アリアさん! どう見ても決着ですよ!?
     ジャスティスファイアは意識を失っています。ヒートハウンドも重傷ですよ!
     いくら魔法少女でも、さすがにこれ以上は命の危機です!
     試合は続行できません」

    「それを決めていいのは貴様ではない。
     天才である吾輩と」

     と、アリアはリングの中の二人の魔法少女を指差す。

    「喰らいあっている犬二匹だけだ」

  • 564◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:16:26

    投下を終了します……!

  • 565◆xaazwm17IRZa24/04/08(月) 01:44:50

    本日の投下はここまでとさせていただきます……!

    今日もたくさんの感想ありがとうございます……!
    ヒートハウンドVSジャスティスファイアの死闘、もうしばらくお付き合いいただけると幸いです……!

  • 566二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 07:49:54

    アリアちゃん…上等な料理に蜂蜜をぶちまける事には厳格なんだね…

  • 567二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 08:51:06

    ヘイトスピーチがクセになってくる

  • 568二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 15:23:41

    ジャスティスファイアさんここからどう戦うんだ…もう手詰まりに見えるが

  • 569二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 15:26:26

    ・ナチス
    ・ワイヤー使い
    ・ナルシスト
    ・言動によらず有能?
    シュピーネさん…?

  • 570二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 21:09:29

    アリア今まで居なかったタイプで面白いな
    アロンダイトみたいなガチバトルが早く見たい

  • 571二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 21:18:13

    どちらかが死ぬまでやるわけだけどクイックローラーには伝わってないのか

  • 572二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 21:57:38

    クイックローラーも割と命が危ない大変な少女なんだけど隣のヘイトスピーチに見事に食われてたから今まで忘れてたんですよね…

  • 573二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:15:10

    今夜はこれからダイスで決着かな?

  • 574◆xaazwm17IRZa24/04/09(火) 00:24:51

    申し訳ありません、本日は投下できません……!

  • 575二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 00:38:58

    了解です

  • 576二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 01:03:13

    お疲れ様です〜どうか無理はなさらずに…

  • 577二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 07:44:18

    通常なら退路を考慮して逃げるなり有効な手段が残されていて、意地で食らいつく行為は悪手なんだけど
    逃げ場の無いタイマン空間ではその執念が有利に働くんだよね

  • 578二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 13:02:02

    加えて賢いとこの一戦で終わりではなくバトロワは続くことを意識しちゃうから
    さっさと切り上げたい意識が働いてツメが甘くなりがちなんだ

  • 579二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 14:21:22

    そろそろダイス振って決着ついて欲しいところだ

  • 580二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 15:57:13

    フライフィアーの方は指示がないと動けなさそうなのが弱点かな?
    自分の意思とかはないっぽいし

  • 581二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 16:01:48

    でも意識あったらほぼ確実に言うこと聞いてくれないだろうし…
    反逆防止機能はあるみたいだしなかろうと攻撃効かないからほっといてもいいっちゃいいんだが

  • 582二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 21:28:44

    アリアちゃんの全方位ヘイトスピーチが心に染み渡るぜ
    こんなんでもアーネンエルベ所属の元武装親衛隊でナチが掲げるアーリア人のお手本みたいな容姿って滅茶苦茶エリートだったんだなぁ

  • 583二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 01:12:01

    おつ

  • 584◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:32:58

    投下します……!

  • 585◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:33:38

    (仕留めた……?)

     患部を抑えながら、ヒートハウンドは慎重にジャスティスファイアの様子を観察する。
     賭けではあった。
     ミサイルの対処に専念させ、隙を突いてフライフィアーのカミカゼアタックで倒す。
     フライフィアーが頑丈であることは、戦ったヒートハウンドはよく理解していた。
     もっとも、ジャスティスファイアもみるかない硬い装甲を纏っている。
     炎化していないヒートハウンドが喰らえばミンチになるような攻撃でも、即死しない可能性は考えられた。
     事実、降下するフライフィアーの直撃を受けても、ジャスティスファイアは抵抗してみせた。
     彼女の槍が、コピーロイドの変身にも作用するものであったなら、敗北していたのはヒートハウンドの方だっただろう。
     装甲を破壊され、スクラップに成り果てたジャスティスファイア。
     勝敗は、決した。

    (けど、代償は、大きい……)

     フライフィアーのミサイル全弾投下は、ヒートハウンドの魔力を根こそぎ奪い取っていた。
     もはやみだりに炎化するだけで枯渇のリスクがある。
     審判すらいないデスマッチ。ヒートハウンドは何やら騒いでる解説席を睨んだ。
     眼鏡の魔法少女と、ナチス風の魔法少女の言葉は、ヒートハウンドには聞こえない。
     リングは決して密閉されているわけではない。恐らく、魔法によるものだろう。

  • 586◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:34:08

    (試合を止める様子はない……確実に相手の息の根を止めるまで、このリングから出られない……)

     分かり切ったことだ。
     ヒートハウンドは殺し合いに乗っている。ハイエンド以外の全てを——彼女の師匠さえをも殺し、ハイエンドを生存させることを決意している。
     既に、二人殺している。
     スカイウィッチと、フライフィアー。どちらも決して悪人ではなかった。
     きっと、ジャスティスファイアも悪人ではない。だが、死んでもらう。
     ハイエンドから直接の命令は無い。全てヒートハウンドが勝手にやっていることだ。主人の命令もなく、他者に噛みついてまわる。
     ヒートハウンドは、狂犬だ。
     ——そう遠くない未来に、駆除される定めだ。

    (けど、今じゃない)

     ヒートハウンドは、ジャスティスファイアの元へ歩み出した。
     ——完全に息の根を止める。

  • 587◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:34:35

     粒子化が始まるまで、容赦しない。
     ヒートハウンドは、燃費が良い。
     右前脚……否、右手に炎を纏わせる。
     そして、犬系の脚力を生かし、一気に加速した。
     手刀で脳を破壊する。それでも粒子化しなければ心臓を貫く。それでも死なないなら、粉微塵に砕く。
     犬種の中でも速い者は時速70㎞を出す。その特徴を備えたヒートハウンドもまた、並の魔法少女では到達できない速度を発揮できる。
     リングは、狭い。二匹の距離は一瞬で零になり。

    「——そう来ると、思っていました」

     魔槍が、跳ね上がった。

  • 588◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:35:07

     衝突、そして墜落。二重の衝撃でジャスティスファイアは意識を手放し——。

    『USA! USA! USA!』

     脳内を駆け巡っていたUSA因子によって即座に覚醒した。
     ジャスティスファイアは、ただの魔法少女ではない。
     米軍が開発した犬型汎用決戦魔法兵器であり、あらゆる状況を想定した仕様になっている。
     外部の魔法少女にも協力を依頼し、その知見・知識・あるいは魔法そのものを組み込まれ、魔法少女としてはまったくの新人であるにも関わらず、一線級の実力を備えている。
     更に、変身者の栗田柿子は、体格にこそ恵まれなかったが、頭脳・身体能力・精神力においてFBI屈指の実力者と目されている。彼女がジャスティスファイアの変身者に選ばれたのは日系人であることと、幼い外見だけが理由ではない。
     もし彼女が白人であり、かつ年齢相応の外見であったとしても、おそらく変身者に選ばれていたであろう。
     いくらUSA因子が脳内を駆け巡っているとはいえ、常人なら激痛で発狂、鍛え蛾げられた捜査官でも苦痛の声を漏らすだろう。

  • 589◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:35:33

     そんな中、ジャスティスファイアは、柿子は、じっと黙し、ヒートハウンドの次の動きに神経を集中させていた。
     ヒートハウンドは、次にどうする?
     近づいてトドメを指すか。
     近づかず焼却させるか。
     どちらを選ばれても即座に対応できるよう脳内でシミュレーションを重ね。
     そして——ヒートハウンドが迫った。

     (近づく方を選びましたね)

     ジャスティスファイアは——光った。
     光は一瞬であった。魔法少女の人知を超えた速度の攻防で、これに時間をかけるわけにはいかなかった。
     改良に改良を重ね、訓練に訓練を重ね、これを瞬きより速くできるようにした。
     勿論、これにも魔力は消費される。何度もころころ切り替えられるものでもない。
     恐らく、一度の戦闘で一度きり。
     ——今使うべきだ、とジャスティスファイアは確信していた。

  • 590◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:35:58

    「ジャスティス・フォームチェンジ」

     機械装甲の犬は——日焼けした黒髪ショートのボーイッシュ系・細マッチョの少女へと姿を変える。
     変身を解除したのではない。
     それは潜入用。あるいは、魔力探知が出来ない対人類用モード。
     栗田柿子の外見はそのままに、中身を魔法少女に切り替える。
     その狙いは、ヒートハウンドを誤認させるものではなく。
     ——魔槍を、より自由に振るうため。
     バトルモードではない。扱える火力も、纏う防御力も、敏捷性も、大幅に弱体化する。
     代わりに、栗田柿子本来の——鍛え上げた技術を、十全に振るうことが出来る。
     口に咥えて強引に振り回していたときより、格段に。
     槍を構える動作は、もしこの場に参加者屈指の槍使い、スピードランサーが見ても賞賛するほど道に入ったものだった。
     結果的に、ヒートハウンドは素手で槍の間合いに入ることになる。

  • 591◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:36:21

     体を炎化して受け流すことは出来ない。
     炎を飛ばすより速く、槍の穂先はヒートハウンドを刺し貫く。
     恐らくヒートハウンドも、ジャスティスファイアが再起することは予測していたのだろう。
     その上で炎攻撃は無効化し、槍の一撃も躱すことを想定していたはずだ。
     まさか犬型が人型になることは想像していなかったはずだ。犬が口に咥えて振り回している槍と、人が両手に持って扱う槍。
     どちらが避けやすいかなど、論ずるに値しない。
     ヒートハウンドの顔が苦渋で歪む。
     今更選択に取り返しは効かない。
     既にヒートハウンドは接近を選んでしまった。
     何とかなれ、と縋るように右腕の炎の出力が上り

    「——終わりです」

     魔槍が、心臓目掛けて突き出される。

  • 592◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:36:38

     槍が、宙を舞った。

  • 593◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:37:05

    「麦~、おやつの前に今日の講義するネ」

    「わーい! また技を教えてくれるんですね、ご主人さまー!」

    「この前の戦いで、麦のことがバレちゃったからネ……本当は戦ってほしくないけど、仕方ないヨ……危なくなったら、逃げるの第一、わかた?」

    「えぇ、私も、ご主人さまと一緒に戦いたいです~」

    「戦い、危ないよ。護身術一番大事、逃げることヨ。
     けど、麦はいい子ね~。私嬉しい!
     さ、今日は相手が長柄武器を持ってるときの対処ネ」

  • 594◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:37:28

     ヒートハウンドは、奥の手を隠していた。
     彼女の敬愛するご主人様は、ハイエンド——中国拳法の達人であり。
     麦のことを大事に思う彼女が、拳法を教えていないはずがなかった。
     勿論、その技術はハイエンド、あるいはブレイズドラゴンと比較し非常に拙いものであり、そもそも魔法性能は主人を凌駕するヒートハウンドが、わざわざ実戦で焼却より拳法を選択するはずがなく。
     今のような、超例外事例でしか、拳法を発揮する機会は無かった。
     そして、そのような希少な事態で失敗してしまう——はずがない。
     だってヒートハウンドは、麦は、ご主人様が大好きだから。
     彼女の言葉を、全て脳に刻んでいるから。
     元々、ヒートハウンドは槍を身体能力任せに躱そうと思っていなかった。
     最初から、拳法による技術を持って、無力化しようと考えていた。
     右手に炎を集めたのはブラフ。
     突き出される槍の穂先に集中し、身を捩る。同時に左腕で、突き出される槍の軌道を僅かに逸らす。
     ヒートハウンドは把握していないが、今のジャスティスファイアの身体能力は、魔法少女の平均より大きく下がっている。

  • 595◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:37:48

     最悪心臓と脳さえ無事ならいいという意志の元、ヒートハウンドが逸らした槍は、彼女の想像以上に軌道がズレ、ヒートハウンドの頬を切り裂く程度に留まった。
     その程度の痛みなど、零に等しい。
     ヒートハウンドは、ジャスティスファイアにトドメを指すべく、肉薄し——。
     槍が、宙を舞っている。
     ジャスティスファイアは——槍を手放している。
     凄まじいまでの状況判断能力。ヒートハウンドは、戦慄と共にそれでも炎に包まれた右腕を繰り出す。
     ジャスティスファイアは、詰んでいる。
     魔槍を手放した今、ジャスティスファイアの攻撃は、ヒートハウンドに通用しない。
     そして、ヒートハウンドの攻撃は、全てジャスティスファイアに致命傷を負わせられる。
     肉弾戦に移行しても、ジャスティスファイアに勝機は無い。
     否、槍を捌かれた瞬間、ジャスティスファイアは敗北していたのだ。
     零距離。

  • 596◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:38:18

     魔法少女の身体能力に中国拳法が乗った一撃を、ジャスティスファイアは紙一重で回避してみせた。
     そして、ジャスティスファイアの拳がヒートハウンドの腹部に撃ち込まれる。
     微かに炎を纏った一撃。ヒートハウンドは体軸をずらし回避しようとし——練度の差が出たのか、僅かに躱しきれないと気づく。
     多少のダメージは覚悟して被弾するか。否、相手は強敵。余力を残すことなど考えてはいけない。
     ヒートハウンドは、腹部を炎化し、ジャスティスファイアの攻撃を受け流し。

    「ジャスティス——絶招」

     ——衝撃が、全身を貫いた。

  • 597◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:38:39

     どんな戦局でも、どんな難敵でも対処する。
     あらゆる魔法少女に勝利する。
     それが、ジャスティスファイアの使命。
     それを果たすための改良に次ぐ改良。
     相手が飛行系なら? 自分も飛べればいい。
     相手が氷雪系なら? それを上回る熱量があればいい。
     ——相手が物理攻撃を無効化するなら?
     炎で焼き尽くせばいい。
     ——では、相手が炎そのものになれるとしたら?
     科学班は行き詰る。ジャスティスファイアを炎と氷双方を操る魔法少女にするという案も出たが、試算の結果、どちらの出力も大幅にダウンしてしまうことが分かり、その案は撤回された。
     そんな一部の例外事項は考慮に値しない。
     相手の魔力切れを待てばいい。
     逃げればいい。
     様々な案が出され、ジャスティスファイア設計に協力していた雇われの魔法少女たちにもアイデアを募集し。

  • 598◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:39:24

    「おう、それなら儂の奥義を使えるようになれば良いじゃろ」

     協力者の一人であったとある魔法少女はあっけらかんとそう提案した。

    「柿子は土台は出来ておる。気を扱えるのは儂だけだが……確かお主ら、魔法少女の因子を使うんじゃろ?
     よく分からんが、儂の因子を組み込めば、儂の奥義を再現できるんじゃないかのう?」

     奥義とまで表現している魔法を、我々に提供していいのか。
     いくら高額な報酬を払っているとはいえ、その少女のあっけらかんとした態度は、科学班を困惑させた。

    「構わん、構わん。強い奴が増えるのは大歓迎じゃからのう」

     カカカと少女は笑った。
     かくして、組み込まれる。
     ジャスティスファイアの唯一の弱点をカバーする因子が。
     それは、バトルモードでは発動することが出来ない。
     それは、ステルスモードでも、発動できるのはたった一度だけである。

  • 599◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:39:48

     それは、本家本元と比べ、あまりに情けない威力しか発揮されない。
     ジャスティスファイアが備えている高火力、硬装甲、超起動と比較し、あまりにも矮小な小技に過ぎない。
     ——だが、この状況を打開するに十分な性能を持っていた。

    (最初から、これで仕留めるつもりだった……)

     槍を構えて見せたのは、ブラフ。
     勿論それで仕留められればそれがベストだが、ヒートハウンドが対処することは十分に想定できた。
     バトルモードからステルスモードに移行したのは、槍を振るうためではなく、絶招を当てるため。
     炎化で受け流すつもりだったヒートハウンドは、ジャスティスファイアの拳が腹を掠り、撃ち込まれた気(ブレイズドラゴンの因子)が全身を駆け巡り、たたらを踏んだ。
     ヒートハウンドの口から、血が吐かれる。
     演技ではない、真の驚愕が表情に現れ、焦点の定まらない眼でこちらを睨み。
     ——正中線への正拳五連撃が、突き刺さった。

  • 600◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:40:22

     ジャスティスファイアは、追撃の手を緩めない。
     流れるような動きで脳天に踵落としを決めようし——。

    「ぅ、がぁ、あああああああああああああああああああッッッ!」

    「っ……!?」

     獣のような叫びと共に、ヒートハウンドは繰り出したのは貫手だった。
     それは、ハイエンドに匹敵する切れ味を秘めていた。
     渾身の一撃は、ジャスティスファイアの首筋を掠め、切り裂いた。
     ジャスティスファイアは、患部を抑えなかった。
     血を流しながら、更に一歩前へ。

    「——ジャスティス……」

    「ぅ、うああああああああああああああああああッ!」

     二人は、共に炎系だった。
     二人は、共に犬系だった。
     二人の決着は——拳によって決まった。

  • 601◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:47:07

    【ジャスティスファイアの攻撃は無効化される:ヒートハウンドに+20】→魔槍・そして『絶招』により補正削除


    【ジャスティスファイアの疲労:ヒートハウンドに+10】→魔草ケムリにより+5に軽減


    【ジャスティスファイアの魔槍装備:ジャスティスファイアに+20】


    【ヒートハウンドのコピーロイド:ヒートハウンドに+20】



    ジャスティスファイアdice3d100=74 64 46 (184)


    ヒートハウンドdice3d100=25 10 88 (123)

  • 602◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:49:05

    ……投下を終了します
    続きは後日投下します

    次の投下で第一試合は終了です

  • 603◆xaazwm17IRZa24/04/10(水) 01:52:54

    本日もたくさんの感想ありがとうございます……!
    慣れないコロシアム展開ですが、もうしばらくお付き合いいただけると幸いです……!

  • 604二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 03:11:01

    乙です、互いに一進一退だったが果たして何が決め手となったのか次回が気になりますね

  • 605二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 05:32:58

    おいたわしやハイエンド
    幼馴染に続き愛犬までもが…

  • 606二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 08:01:09

    ジャスティスファイア開発秘話そうなってたんだ…外付けブレイズドラゴンの因子って強いのね

  • 607二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:26:51

    ジャスティスファイアの勝利でハートプリンセスが凄いことになってそう

  • 608二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 12:25:46

    これブレイズドラゴンさんホントは魔法少女じゃなくて仙人かなんかだったりしない?

  • 609二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 12:47:42

    ブレイズドラゴン、人の身でありながら変身しない方が強いタイプの魔法少女なのはちょっとありそう
    気を使うのが魔法なのか技術なのかも現状分からないし

  • 610二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 13:52:35

    本家には遠く及ばない重体のジャスティスファイアが放った気を狂わせる打撃でこれならブレイズドラゴンのは一撃で問答無用に変身解除まで追い込みそう

  • 611二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 16:00:06

    これはアリアさんもジャスティスファイアを再評価するかな?
    あと幹部会議で何が語られたかも明らかになると良いな

  • 612二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 18:51:27

    ブレイズドラゴンが割と文字通り付け焼き刃でも絶招(中国語で奥義とか必殺技を指す言葉っぽい?)をジャスティスファイアが使えるように直々に手ほどきしたんですかね?
    ちょっとした回想ある?

  • 613二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 21:33:02

    >>612

    前言われてたブレイズドラゴン=ハイエンドの中華料理が得意な師匠説が本当だとすれば、弟子の愛犬を殺した技を弟子の師匠が教えたことになるわね

    ドラマティックだね

  • 614二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 21:34:07

    >>605

    クレアボヤンスも超都合よく闇堕ち専用みたいなマジックアイテム獲得してるから順調に地獄への道が舗装されていってるのよね

  • 615二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:01:33

    ブレイズドラゴンといいティターニアといい上位陣は気軽に変身解除技を撃ってくるな

  • 616二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 23:05:11

    >>605

    >>614

    しかも唯一残った幼馴染のバーストハートでさえテンガイ・ラッシュで命を狙われいつ殺されるとも知れない始末…

    ハイエンドさんが何をしたっていうんですか

  • 617二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 01:33:10

    さだめだ

  • 618二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 02:12:57

    ついに決着だけど今夜は更新あるかな

  • 619◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:15:47

    うーん、第一試合の最後まで書ききれなかったのですが、ちょっと眠気が限界なので、中途半端ですが投下します

  • 620◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:16:11

     意識を朦朧とさせながら、ジャスティスファイアは——栗田柿子は天を仰いだ。
     既に、変身は解除されている。ステルスモードではなく、真にその生身を晒している。
     首の裂傷からは未だに血が流れ続けている。遠くないうちに失血死、否ショック死するであろうことは察せられた。
     適切な応急処置を取らなければならないと分かっていても、身体は鉛のように重く、動けない。
     未だ、正義は為せていない。
     ジョンの仇も取れず、協力者・千秋を戦場に置き去りにし。
     ジャスティスファイアは無為に死のうとしている。
     観客席は、無人だ。
     それはヒーローの死に場所として——実に相応しいと思った。

  • 621◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:16:33

     市民に知られることなく戦い、市民に知られることなく死ぬ。それこそが、ジャスティスファイアの目指す正義。

    「ヒートハウンド……」

     リングで互いに命を削り合った者の名を呼ぶ。
     強敵だった。クライオニクスが女王ならば、ヒートハウンドは戦士だった。
     その最期まで、戦士で在り続けた。
     リングにうつ伏せで倒れ、粒子化していく犬耳の少女を見下ろす。
     彼女は、何のために戦っていたのだろうか。
     奥の手である絶招を撃ち、炎化を封じてなお、喰らい付いてきた相手。
     壮絶な拳の応酬は——ジャスティスファイアの勝利で幕を下ろした。
     ジャスティスファイアの修めた近接格闘術が、ヒートハウンドの拳法を上回った、のだろうか。
     それもあるのだろう、と柿子は思う。
     ヒートハウンドの動きは洗練されていたが、超一流の達人と比較すると、無駄があった。

  • 622◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:16:52

     恐らく実戦で使ったことは殆ど無かったのだろう。
     魔法少女になる以前から犯罪者と肉弾戦をすることも多く、銃を持った相手を咄嗟に拳で制圧したことも何度もあるジャスティスファイアの方が、練度が高かった。
     そう、分析することも出来る。
     だが、それだけではない。
    「絶招を打たれた後、貴女は——迷っていました」
     それまでに感じていた、相手を騙してでも、自分が死んででも、絶対に相手の息の根を止めるという、漆黒の殺意が、僅かに揺らいだ。
     気を流し込まれた影響、なのだろうか。
     分からない。
     ただ、この揺らぎにより、ジャスティスファイアは勝利した。
     それが事実だ。
     そして、勝利に代償を払い過ぎた栗田柿子は、此処で死ぬ。
     それもまた、純然たる事実——。
     意識が、明瞭になっていく。

  • 623◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:17:23

    首の傷が、骨折が、全身各部の損傷が、回復していく。
    「ムクク……流石に勝った方をそのまま返しちゃうと、ただの公開処刑になっちゃうからね。ある程度傷を治して帰してあげるのです。
     君にはまだまだ殺し合いを、搔きまわして欲しいからね」

     リングに現れた、パンデモニカを名乗る山羊のマスコット。
     その不愉快な言動に柿子は眉を顰めるが、かといって悪の施しは受けんと突っ張るほど、子どもには成れなかった。

    「勝った方が負けた方のアイテム総取りできるんだけど、コピーロイドは壊れてしまったのです。
     残念だったね。まぁ、ゲームの参加者を一人減らせたんだから、ラッキーだと思うことだね。
     これでキルスコアは二人。いや、可哀そうなFBIの人をいれたら三人かな?
     ゲームを進行してくれて、ありがたい参加者だなぁ」

    「何とでも言いなさい」

     安い挑発に、柿子は動じなかった。

    「あなたが座れる電気椅子も、ちゃんと用意しておくから」

    「ムクク!
     正義の味方がそんなこと言っていいのかな?
     ヒーローショーをクビになっても知らないよ」

     柿子が言い返すより前に、足元に魔法陣が展開し、柿子の姿はリングから掻き消えた。
     かくして、勝者と敗者は、共にリングから降りたのであった。

  • 624◆xaazwm17IRZa24/04/11(木) 02:18:58

    投下を終了します……!

    この後アリアのヒートハウンド敗因解説、まさかの殺人ショーにドン引きするクイックローラー、ジャスティスファイアを勝利を知って大喜びするハートプリンセス、柿子を迎える千秋は、後日に回します……

  • 625二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 02:39:50

    乙でした~
    死闘を目にした後だとハートプリンセスが厄介ファンになる気持ちも少しだけ分かる気がする

  • 626二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 03:00:52

    ヒートハウンドが逝ったか…
    ジャスティスファイアはこの後も生き残ったら最後はアリアさんと戦うことになるかも…?

  • 627二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 04:29:53

    描写的にブレイズドラゴンの気を狂わせる奥義って単純に魔法が使えなくなるだけじゃなく、Fateの起源弾みたく相手の気(魔力)をズタズタに狂わせて魔法を使えなくさせる+即死級ダメージってこと?
    エグすぎを超えたエグすぎ

  • 628二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 07:44:36

    >>627

    上澄みになるとこういうエゲツない攻撃を通常感覚でポンポン出せるという事だもんな…

  • 629二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 09:55:57
  • 630二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 11:09:36

    >>629

    「殺しているんだ、殺されもするさ」ってどっかのAC乗りも言ってたからね、仕方ないね

  • 631二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 13:49:37

    次は七海 真美VSテンガイだっけ

    説明文読むに性格がチンカスのテンガイが獲得したマジックアイテムを扱えるとは到底思えないし、(スレ主がどうしても使わせたいなら「マジックアイテムを操る魔法」とか生やしてもいいかもだけど)
    ミストアイからマジックアイテム分捕るにしても、ノーモーションで死んだ後も時間巻き戻せる完全上位互換の魔法を既に持ってるしどっちにせよ補正値つかないよね。なんでもできちゃう弊害的なもんがないと不公平だし

  • 632二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 14:49:32

    対する七海ちゃんはアイテム無し、愛の魔法に関してはもしテンガイが自分の目的をベラベラ喋ったなら大きい補正がつくかな?
    ジェイルフィッシュのアイテム反魂香を持ってくる可能性もあるが、ジャックと二人きりになる状況で夏実が切り札を手放す可能性は低いだろうな

  • 633二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 14:52:48

    というか梟便が届いていれば七海ちゃんがテンガイ・ラッシュについて知っている可能性は高いだろうな
    まぁテンガイの固有魔法は「相手の魔法の改造」だし、相性なんて意味ないだろと言われたらそれまでなんだけど

  • 634二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 15:12:00

    >>629

    女子供を10人ぽっち殺した程度でこんな目に合わせるなんて…血も涙もねぇ!

  • 635二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 15:35:31

    >>631

    ヒートハウンドが槍持ってこれたように、七海真美もジェイルフィッシュの反魂香持ってこれるから、天蓋に至ったブラックブレイドの魔法使えるってことはメチャクチャでかい補正つくわな

    ジェイルフィッシュの新技があればジャックザリッパーにも対処できるし

  • 636二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 15:36:46

    むしろマジックアイテムに意思があるならNARUTOの鮫肌みたく真美に寝返りそう。ジェイルフィッシュのマジックアイテム融通してもらってブラックブレイドの魔法使う感じなら大剣+何でもぶった斬る魔法で作劇的に都合良いし

  • 637二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 15:39:51

    >>632

    ジェイルフィッシュと関係性あるキャラ誰も死んでないから持っててもなんの意味もないし普通に渡すんじゃね

  • 638二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 16:32:32

    >>629

    ……ハイエンドさん、ジャスティスファイアを暗殺しに来たりしないですよね?

  • 639二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 16:55:30

    >>637

    そもそも描写を見る限りでは我が身可愛さに新しく友達になった子を見捨てるような性格でもなさそうだしなジェイルフィッシュ

  • 640二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 18:09:51

    そういや1スレ目の143でスレ主が
    「仮に関連性のない二つの魔法(炎を操る魔法と氷を操る魔法)などの場合、出力において一つの魔法に勝てない制限(炎と氷を操る魔法の炎の火力は、炎単体を操る魔法に火力で勝てない)がメタ的に課されるかもしれない」
    って言ってたけどこれテンガイとか最たるものでは?

    仮にブラックブレイドの天蓋級万能切断魔法を七海 真美が使用する場合にはテンガイ側は極めて不利なように思うのですが
    「なんでもぶった斬れる」で魔法も防御できるみたいだし、同格同士の出力勝負ではまず勝てないのでは?

    このイベントの一件で補正値の扱いとかで混乱気味ですし、タイマンという特殊な場に限ってのみ上記の裁定がどうなるかをスレ主に明確に教えて頂きたいのですが。ネタバレとかどうでもいいんで

  • 641二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 18:23:57

    >>640

    焦らなくてもすぐ出るでしょ

    テンガイvs七海ちゃんも来週までには決着だろうし

  • 642二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 18:37:29

    強さの設定は半ばフレーバーで、生存ダイスだけで生死や勝敗の決定をするって話だったのになぜか相性補正だのが出てきたから疑問や困惑もまぁ出るでしょう
    しかもその扱いも初期は「スレ民がマッチアップと一緒に決定する」だったのが「スレ主が判定する」になって二転三転していますしね

  • 643二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:03:11

    >>640

    俺はネタバレどうでもよくないから試合後に教えてほしい

    というか強すぎて消された奴だし普通に使えないんじゃね

  • 644二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:11:19

    横からだけどテンガイだって強すぎるんだからイーブンじゃね? ダイスも同じく最高値の4d100で素だとまず勝てんでしょ
    つーか投げられた設定に則れば万能性にガン振りしたんだから特化型にはガン不利だよねって話じゃないの?

  • 645二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:13:38

    ほう…穏やかでないですね。相性やら補正云々に関してはスレ主に任せるってことで一旦決定だと思ってたから今更蒸し返す必要あるか分からないです。
    そもこのタイマンで相性差とかプロレスみたく一つのパフォーマンス程度だと思ってたし…真剣に向き合う姿勢に尊敬します。

  • 646二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:14:48

    正直全員ダイスでどんな奴でも死ぬから良いのであって強さで勝ち負けが決まってしまうとあれなんだよな

  • 647二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:15:11

    このレスは削除されています

  • 648二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:26:00

    ルールの公平さも大事だが
    あくまで我々はオリキャラで話を書いていただいてる立場だってことを忘れないようにしないとな…

  • 649二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:26:23

    テンガイのナーフデバフ次第では勝てると思う
    時間の巻き戻し+その他魔法の分でかなり魔力使ってそうだし流石に連続で巻き戻しは出来んだろと言うか使えたら本格的にナーフがマジでクソ仕様になってしまう

  • 650二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:34:59

    >>649

    巻き戻しもだが11話見るに無敵バリア突破する手段が無いと魔力切れ狙いもキツイのよね。あれ強すぎだわ

    「七海ちゃんは天蓋級に至っていないのでテンガイの魔法は防御できません」でナーフするにせよ、ブラックブレイドの魔法使えないと勝ち筋がかなり薄い

  • 651二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:39:34

    何でもありのバトロワならともかくリングでタイマンとかそりゃ強い方が勝つだろって思ってたわ
    いきなりスレ主がバトロワ辞めたんじゃなくてダイスでミッション選んでダイスで組み合わせ選んだんだから強い奴とタイマン決まった時点でダイス運なのでは?

  • 652二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:43:21

    ダイスロールになった時点で実力差が開くかも知れないのは分かってたはずでは
    それこそジャックとかの方が強い奴らとマッチさせられまくってた中で、偶々今の組み合わせになった訳で…

  • 653二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 22:32:26

    というか七海に限らず善よりの魔法少女がダイスで指名者に選ばれた時点でダイス一桁出したようなもんじゃね?
    他の子戦わせますとか中々選ばんだろうし
    ほぼほぼ3割くらいの確率で死ぬデスゲームで、30人ちょいから2人って低い確率引いちゃったんだから仕方ないのでは?

  • 654二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 23:27:22

    俺は負けイベも好きだよ

  • 655◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 00:31:00

    私の対応で不安にさせてしまい申し訳ありません……!

    改めて、今回のミッション『強制デュエル』諸々の設定と【何故そのようにしたのか】をご説明致します……!

    【何故生存ダイスではなく、別途でダイスを振るのか】
    これは、生存ダイスで勝敗全てを決めた場合、デュエル参加者双方が生存ダイス90以上を出す可能性があったためです。
    勿論、『決着後何らかの原因により息を吹き返した』『運営陣の誰かが蘇生してくれた』などの処理も考えたのですが、せっかく『解放条件はどちらか片方、あるいは双方の死亡のみ』と頂いたルールにあったので、そちらを遵守したいと考えました。
    ただ、その結果、『生死は生存ダイスによってのみ決まる』というルールが覆されてしまったことは、申し訳なかったです……!

  • 656二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 00:39:58

    いえいえ〜こちらも熱くなり過ぎてしまいました
    勝手に騒いでいただけなのでどうかお気になさらず…

  • 657◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:01:41

    【何故tier表を用意したのか】
    率直に言うと、いくつか書けない、書くことが難しい組み合わせが想定されるからです。

    例えば実戦闘は苦手なメリィとブレイズドラゴンがリングの上で戦い、メリィが勝つ話を書くとなると、設定を魔改造するか、運営陣の介入で超強化されるかのどちらかになるかと思います。

    もちろん五分五分の確率でそういう話を書いてもいいのですが、個人的には情報戦キャラのメリィがガチンコでブレイズドラゴンをボコってしまうのは、ちょっとキャラ解釈が違うというか、せっかくのキャラの個性がもったいないという思いがあります

    メリィがブレイズドラゴンに勝つなら、情報戦で勝利し、仲間と共にブレイズドラゴンの弱点を突き勝利する方がらしいかなと

    なので、万が一皆さんから選出された場合は、順当に行けばリング上で死亡するが、PCに今後のゲームを破壊する鍵が遺されていた……という展開になったかなと

    また、ダイスで奇跡を起こしたのなら、本編でも何らかの奇跡が起こり、リング上で勝利することが出来た、という展開になると思います

    以上のように、リング上でのタイマンを書く上で、私が書きやすいようにtier表を用意させていただきました

    本来フレーバーに過ぎないキャラの強さがそのまま生存率に直結することになってしまったのは、申し訳なく思っています

    なお、【tier表はこのデュエルだけのものであり、今後生存ダイスに絡めることはありません】

    勿論、その話の状況によって89でも死ぬときもあれば、11でも助かる場合はありますが、『tier表トップタイは11でも死なないが、下位は40で死ぬ』といったことは起こりません。
    どのくらいのダイスで死亡するかは、その話の展開次第です……

  • 658◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:09:20

    【何故補正を用意したのか】
    これは、実力的には同程度でも、組み合わせ次第で悉く不利な組み合わせが発生しうるからです

    例えばヒートハウンドは物理攻撃及び火力攻撃が効かないので、物理特化のキャラクターと戦った場合、ダイス抜きに考えれば勝利が確定します

    例えばこれが本編であるなら、ダイス次第でそもそも遭遇しない、戦闘に発展しなかった、で回避できるのですが、リングの上だとそうはいきません

    魔法少女は相性バトルであるとも思っているので、ガチンコをさせるなら相性は反映させた方がいいだろうと思い、このような設定を用意しました

    ただ、補正値をどっちかが決める二転三転したのは申し訳なかったです……!

    なお、補正値なども【このデュエルのみの設定で、本編の生存ダイスには絡みません】。

    相性的に絶対負けない相手と二人きりで登場し、生存ダイス10でも、相性が良いから生き残ったという展開にはなりません。恐らくエネミーが無から生えてきます。ご了承いただけると幸いです……。

  • 659◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:19:57

    >>640

    不安にさせて申し訳ありません……

    これは少し複雑な裁定になるかと思われます


    まず、ブラックブレイドがもし生きていた場合、覚醒前はtier表ではCランクに該当するかと思われます。

    覚醒後はAランクです。


    では、ブラックブレイドの魔法を【反魂香】で使用した場合は、あくまで【補正+40】に収まるかと思います。

    これは幾つか理由があり

    ・使用時間は3分であること

    ・『お香をたく』という動作が必要かつ『アイテムそのものを破壊、あるいは煙を霧散させる』などで無効化できること

    ・他者の魔法を使いこなすのは難しいこと

    以上が理由で、使った瞬間、ランクがAに跳ね上がるものではありません。

  • 660◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:26:11

    テンガイとブラックブレイドの万物切断の相性は良くも悪くもあるので、特別な補正はつきません。

    テンガイに対して相性が良い面は、他のAランク帯の魔法少女と違い、身体能力や近接戦闘センスに長けているわけではないので、斬撃を回避することは難しいことです。

    相性が悪い面は、テンガイは他のAランク帯の魔法少女と違い、魔法を複数所持しているので、魔法を一つ二つ切断された程度で直ちに無力化されないからです。

  • 661二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 01:32:26

    そういえば全く無関係な魔法を大量に使えるのってなんかデメリットあるんですかね。色んな魔法使うと個々の出力は劣るかもみたいな話を1スレ目でしてたような
    それともテンガイだけ特別?

  • 662◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:48:18

    >>661


    皆さんのご指摘のように、テンガイは万能型であり、扱う魔法は他の魔法少女の下位互換が殆どです


    炎を操る魔法が使えても出力はヒートハウンドやジャスティスファイアに劣り

    武器を操る魔法が使えてもジャックのように万能ではありません

    (テンガイの武器使用魔法ではランスロットは使えません)


    【空間操作魔法】は集中が乱されると霧散し、【時間を戻す魔法】は死亡時にしか発動せず、また一度発動する度に魔力を大幅に削っていきます。


    ただ、テンガイは年の功はぶっちぎっているので、ハッタリで無敵であるかのように振る舞います。


    強者の一人なのは間違いないですが、参加者の中で一人突出しているわけではなく、実のところ本人もそれをよく理解しています

  • 663◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 01:53:07

    クイックローラーが自分が実況していたのがデスマッチだと理解したかもしれないので生存ダイスを振ります

    dice1d100=41 (41)

  • 664二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 01:54:39

    SAN値削られそう

  • 665二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 01:55:21

    テンガイさん、舐め腐ってるように見えて実のところ他参加者の魔法を愚弄することはないんだよな
    多分スカイウィッチの魔法とかに大興奮するタイプ

  • 666二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 01:56:00

    ワンチャン死んだかこれ…

  • 667◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 02:08:34

    次の解説・実況の組み合わせ


    dice2d10=6 1 (7)


    1:パラサイトドール

    2:パンデモニカ

    3:ああああ

    4:オートクチュール

    5:アロンダイト

    6:グレンデル

    7:トート・アリア

    8:パトリシア

    9:クイックローラー

    10:新たな運営魔法少女

  • 668二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 02:14:04

    ダウナー系でめんどくさがりで正体は神話の時代に魔法国を滅ぼしかけたドラゴンっぽい黒幕と、知能ゼロみたいな喋り方のくせに戦争屋の軍略家で神獣の血で変異した狼人間ってどんなコンビだよ

  • 669二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 02:15:13

    初期メンの割には運営パートのパラサイトドールの出番少なかったし嬉しいぞ

  • 670二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 02:16:53

    基本的にグレンデルが茶々入れながら戦術を評論して、パラサイトドールが面倒くさそうにしながら時折さりげなく核心を突く…って感じ?

  • 671二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 02:36:09

    パラなんとかさんはテンガイに思うところありそうな口振りだったし、この組み合わせは本人の口から何かしら聞き出せそうで嬉しいわね

  • 672二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 02:52:08

    過去回想だとクライオニクスと対等な同僚だったり、新幹部の中でもパトリシアと違って単独で動いてたりと強者の一角っぽいグレンデル
    パラサイトドールとの絡みも期待

  • 673◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:07:52

    投下します……!

  • 674◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:08:21

    「くだらん」

     と、アリアは断じた。

    「実にくだらん試合だった」

     スーパーエリート純正アーリア人であり、今や世界で唯一の真性ナチスであるトート・アリアは傍らのイエロー・モンキーを見下ろす。

    「ガッ……ぐぅ……」

  • 675◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:08:51

     ワイヤーで首を絞められている、元相方。
     アリアからしてみれば隣に座っていたお猿さん程度の興味しかない存在であったが、不遜にも

    「こんなの、聞いてませんよ!」

    「し、死んで、殺してるじゃないですかっ……!」

    「わ、私はこんな外道な催しを解説するために、魔法少女になったんじゃないっ!」

     と騒ぎ出したので、少々お灸をすえてやろうと思ったのだ。

    (何と、吾輩は日本人のためにわざわざ「お灸」をすえようというのか。ああーやはりアーリア人は劣等民族の文化も大切にする、世界最高民族なんだな……)

     自身の寛大さに感動しながら、アリアはクイックローラーの頭に手を伸ばす。
     その「魔法」により、アリアが何をしようとしているのか理解したのだろう。
     その眼は、恐怖に見開き。

    「……次、あーしがそこ座るんだけど……」

     それを、中断した者がいた。
     トート・アリアは溜息をつき、振り返る。

  • 676◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:09:32

    「パラサイトドール……」

    「第二試合はあーしが実況・解説するよ……。早くどいて欲しいんだけど……」

    「まぁ待っていたまえ、今この猿にお外で騒いじゃいけませんってことを教えてやるところだ……」

    「……もう十分じゃない? それ以上は、可哀そうだよ……」

    「…………君、ガワに引っ張られてるんじゃないか? 何で日本人の恰好をしているんだ? 羞恥プレイかぁ?」

    「ほっといてよ……あーしは、好きでこの恰好しているんだから……」

     アリアはしばし逡巡すると、溜息をつき、クイックローラーに伸ばしていた手を降ろした。

    「君には借りがある。アーリア人は筋を通す民族なのだ」

    「そ、ありがとう……。で、君は……」

     目に涙を浮かべ、震えるクイックローラーをパラサイトドールは見下ろす。

    「もう、行っていいよ……でも、このことは秘密……約束、できる?」

    「は、はい……」

  • 677◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:10:06

    「そう、利口だね……じゃあ、そこ座るからどいて……」

     クイックローラーはよろよろと立ち上がると、魔法少女の脚力を生かし、一目散に出口へと走って行った。

    「運が良ければ……生き残れるんじゃないかな……」

     去っていく背中にそう呟き、パラサイトドールは億劫そうに腰を下ろした。

    「でさ……トート・アリア……」

    「何だ、パラサイトドール」

    「ヒートハウンドとジャスティスファイア……勝敗を分けた差は、何だったの……?」

    「ああ、それは簡単だ。
     結局、ジャスティスファイアは戦士であり、ヒートハウンドは犬畜生だった。
     それが明暗を分けたのだ」

    「……どういうこと?」

  • 678◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:10:51

    「途中まで、二人は一進一退の攻防だった。
     だが、ジャスティスファイアが何か特別な一撃……ヒートハウンドの炎化を無効化する一撃を入れてから、戦力は大きく傾いた。
     絶好のタイミングで放たれたヒートハウンドの手刀はジャスティスファイアの首を浅く抉るに留まり、以降も殺意が揺らいでいた」

    「どうして……そうなったの……?」

    「戦士は、死の淵まで戦える。
     だが、獣は違う。いよいよ死ぬ寸前というところに来て、恐怖に屈したのだろう。
     命を賭して戦えるのは人間だけだ、所詮畜生は畜生よ。
     ふん、殺し屋の犬は、殺し屋の犬に過ぎん。殺し屋では無いというこだ」

    「なるほどね……戦士、か……」

     既にリングにどちらの影も無い。勝者も敗者も舞台を去っている。

    「あーしも……気をつけようっと……」

    「そうだな、ジークフリートが君の前に現れないとも限らない」

     アリアは白衣を翻した。

    「では、私は研究に戻るとしよう。——まったく、こんな面白い催しに誘ってくれたオシウリエルには感謝しないとな」

    「…………だよねぇ」

  • 679◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:11:28

    「ムクク、第一試合の勝者は……ジャスティスファイアだよ」

    「やった、やったぞー! 正義は勝ったんだ!」

     俺のジャスティスファイアは最強なんだ! とトイレの個室でハートプリンセスはガッツポーズを決めた。

    「フライフィアーも死んだ……ヒートハウンドも死んだ……もう、俺を脅かす者は何もいない……こんなに嬉しいことはない……」

    「ムクク、無知って幸せだよねぇ……」

    「さぁ、お前もとっととここから消えちまえ……。
     俺は、次の作戦を練る……」

  • 680◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:11:49

    「ムクク、僕も忙しいのです。これで失礼するよ。
     あ、最後に一つだけ言っておくことが」

    「何だ、言ってみろ」

    「ジャスティスファイアには、君が指名したことを伝えておいたから」

    「——は?」

  • 681◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:12:08

    「ジャスティスファイア!」

     魔法陣と共に出現したジャスティスファイアに、冨島千秋は駆け寄った。
     外傷は無い。が、酷く消耗していることは分かる。

    「一体、何があったのよ……」

    「千秋……無事で良かった。
    後で……ゆっくり話します。それより、今はどこかに隠れましょう。
     これ以上の連戦は……さすがに不味い」

  • 682◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:12:37

    「ええ、変身できない魔法少女二人。
     危険な参加者に遭遇したら——詰むわ」

    「槍も……お返しします。これが無ければ、私は確実に死んでいた……」

    「役に立ったのなら、良かったわ……」

     ジャスティスファイア……柿子から槍を受け取る千秋。

    「……すごく悲しそうな顔してるわよ、ジャスティスファイア。
     一体向こうで、何があったのよ」

    「私は……クライオニクスに続き、また人を殺しました……正義のために。
     そして……」

    『ムクク、君を指名し、デスマッチを強制したのは、ハートプリンセス……松崎 新一郎だよ』

    「私は……」


    『安心してください、もう大丈夫です』
    『私の名前はジャスティスファイア。正義の使者です』
    『さぁ、こちらへ。あなた方の安全は、私が保証します』

  • 683◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:12:58

    『——何を言っているんだ』
    『……君こそ、ボロボロじゃないか!』
    『私は後でいい! それより、あっちに怪我をしている子どもがいるんだ!
     君が正義の味方なら、私より子どもを優先してくれ!』

    『魔法少女か……とても信じられないな。
     ふふ、相手は強敵なんだろう。
     私が囮になる、その隙に奴を倒してくれ。
     何、こう見えてもそれなりに動ける自信がある。
     ——一緒に戦おう、ジャスティスファイア!』

    「私は——戦友に、会わなければなりません」

  • 684◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:13:23

     魔法少女は死ぬと、粒子化する。
     その頃には、絶命している。
     けれど、ヒートハウンドには、粒子化の段階でもまだ意識が残っていた。
     ベースが犬であるゆえの生命力か。
     あるいは、人を殺した罰か。

    (私は……勝てなかった)

     敗因は、何だったのか。
     決まっている。決まり切っている。
     あの、絶招だ。
     あれを撃たれて、優勢だったヒートハウンドは逆転されてしまった。
     あの技は、駄目だ。
     だってあれは、ご主人さまの、師匠の技だ。
     そんなものを見せられては、浴びせられては。
     ——もうヒートハウンドは、殺せない。
     だって、ご主人さまの、師匠の奥義を使えるということは。

  • 685◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:13:42

     ジャスティスファイアは、ご主人さま、ハイエンドと繋がりがある可能性が生じてしまった。
     同じ師匠に学んだ兄弟弟子かもしれない。
     時々、ご主人さまが懐かしそうに話してくれる、ハヅキや、ヨシネかもしれない。
     ペットである麦より、大切な相手かもしれない。
     まったくの無関係という可能性だって、十分考えられた。
     どれだけハイエンドに近しい人が居たとしても全てを噛み殺し、ハイエンドを帰還させると誓っていた。
     けれど、実際にその可能性を前にすると、駄目だった。
     ここで首を刎ねると、ご主人さまが悲しむかもしれない。
     ここで心臓を抉ると、ご主人さまが絶望するかもしれない。
     そう思ってしまうと、全身が重たく感じた。
     ヒートハウンドにとって、麦にとって、ご主人さまは全てだ。
     けれど、ハイエンドにとって、姚莉鈴にとって、麦はただのペットに過ぎない。
     身の程は、弁えている。

  • 686◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:15:08

     だから、中途半端な結果で終わってしまう。
     善良なスカイウィッチとフライフィアーの命を終わらせて。
     正義だったジャスティスファイアを散々傷つけて。
     結局、ハイエンドの生存に何ら寄与しないまま死ぬ。
     ただ、空まわった狂犬。
     使い潰したフライフィアーの残骸に目をやろうとして、身体をまったく動かせないことを実感する。
     もう、出来ることは何もない。
     後は……。

    (ご主人さま……どうか、ご無事で……)

     麦は、世界一幸せな犬でした。

    【麦/ヒートハウンド 死亡】
    【残り32人】

  • 687◆xaazwm17IRZa24/04/12(金) 03:16:38

    投下を終了します……!

    本日も暖かい感想やアドバイスを頂き、ありがとうございます……!

    明日からは第二試合を始めますので、よろしくお願いします……!

  • 688二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 04:20:12

    パラさん、テンガイの師匠ないしは生みの親だったりするのかね
    魔法少女名に天蓋って意図があるのは確かだろうし

  • 689二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 04:23:33

    パラサイトドール、ガワの影響を受けてるとか戦士より獣って話を見るに、単に天上に至った魔法少女ではないんだろうな

  • 690二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 06:03:42

    結界師の日永や月久みたいに精神支配能力そのものが本体で肉体はただの入れ物だったりするのかな

  • 691二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 07:00:01

    麦チャンが忠犬すぎてつらい(つらい)

  • 692二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 07:33:26

    乙です、麦ちゃんの一途さが仇になったか。でも躊躇ったことはまた誰かを救えるチャンスができたかもしれないから無駄ではないと思う。そして運が良けれは生き残れるっていう言葉は運が悪くて死ぬやつのために………いやまあ極端には低くないから生きてて欲しい(小声)

  • 693二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 07:46:13

    宝くじで何億も当たる、その逆もあるって事なんやな…

  • 694二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 12:06:32

    wikiの方では自己中かつ支配的なサディストとか書かれているが今のところ全くそうは見えないパラサイトドール…性格が悪いのは中身の黒龍だけなのかね

  • 695二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 13:30:59

    黒龍が時代に応じてガワを取っ替え引っ替えしている可能性が?
    今のパラサイトドールは「この世で最も権力がある一族の末っ子な面倒くさがりギャル」をガワにしていて、性格もそれに引っ張られている?

  • 696二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 14:35:49

    アリアさん、分析はほぼ完璧なのに人の心が無いから最後の最後で読み間違えてたな…ラスボス戦に出張ってくるならそれが敗因になりそう

  • 697二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 17:03:14

    人の心はあるぞ
    アーリア人以外は人じゃないから人外の気持ちが分からないだけだ

  • 698二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 18:35:23

    果たしてクイックローラーちゃんは生きて帰れるのか
    魔法王の城は今魔境だしアロンダイトとかと出くわさないと良いけどな…

  • 699二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 00:25:27

    おつおつ

  • 700二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 00:26:57

    忠犬は短命なのだ…

  • 701◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 00:59:16

    投下します……!

  • 702◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 00:59:38

     七海真美。魔法少女名、未定。中学一年生の12歳。
     特技は友達を作ることで、趣味は友達と遊ぶこと、日課は友達とのお勉強。
     得意な魔法は『愛の力で強くなれるよ』。誰かを助けたいと思えば思うほど基礎能力が向上し、精神干渉への強い抵抗力を得る。親愛や友愛なら効果は大きい。
     概して、王道的な、牧歌的な、魔法少女だ。
     殺人鬼でもなければ、殺し屋でもなく、復讐者でもなければ、探求者でもない。
     平和な世界に産まれ、平和な世界で育ち、非日常の世界に足を踏み入れてもなお、まっすぐ純粋である。
     年上の後輩、ブラックブレイドや、不思議な女の子、らいとちゃんなど、殺し合いでも無条件で信頼できる、頼りになる友達が居る。
     そして、殺し合いが始まってすぐにジェイルフィッシュと桐ヶ谷裂華という、新たな友達が増えた。
     それから朝になるまで戦闘もなく、ジェイルフィッシュや裂華と仲も深め、今頃ブラックブレイドやらいとちゃんはどうしているかな、私みたいに新しい友達と行動しているのかな、じゃあ合流したら友達一気にたくさんでウルトラハッピーじゃん、と真美は気楽に考えていた。

  • 703◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:00:22

     魔法王という偉い人が考えたデスゲーム。
     正直怖い。
     けれど、漫画やアニメだと、こういうデスゲームは、主人公が仲間と共に力を合わせて解決している。
     今までにない激しい戦いになるかもしれないが、きっと乗り越えられる。
     真美はそう信じていた。
     言語化こそしていないが、彼女にとってデスゲームは大冒険程度の間隔であり、紆余曲折あれど、今日中あるいは二、三日で解決し、来週からはまた日常が戻ってくると、そう信じていた。
    【聞こえるか、魔に愛されし子らよ……】
     放送が聞こえるまでは。

  • 704◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:00:47

    【陣内 葉月/ブラックブレイド】の名は、真紅に染まっていた。
    【らいと/フライフィアー】の名も、同様に染まっている。
     赤。
     それは、二人の死を意味していた。

    「…………え?」

     夢が、醒める。
     真美にとって、友達とは増えるものであり、失うことなど想像すらしたことがなかった。
     小学校の友達の殆どは同じ中学校に通っているし、違う中学校に行った友達も定期的に連絡を取り合っている。こういう風に、一度紡いだ関係は途切れることなく繋がり続け、高校生になっても、大人になっても、お婆さんになっても続いていくものだと信じていた。友達との死別なんて、何十年も先の、遠い未来のことだと、思っていたのに。

    「……何で?」

     どうして二人が死んだのか、真美にはまるで分からなかった。
     命がけの戦い、というものが仮にあったとしても、必ずいいところで誰かが助けに入るはずだ。
     そうでなければおかしい。
     だから真美は。

  • 705◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:01:13

    「…………う、嘘つきだよ!」

     壊れた。

    「魔法王は、わ、私たちを騙そうとしてるよ! ジェイルちゃんも、裂華さんも、信じちゃ、駄目!
     これは罠、そう、罠なんだよ……!」

    「真美っち……」

    「真美ちゃん……」

     二人の同行者は、気まずそうに顔を伏せた。
     どうして、同意してくれないのだろう。
     いいや、否定しないということは、きっと真美の言っていることは正しいとわかってくれているのだ。
     早く、二人を探しに行かないと。
     真美さん、私が死ぬわけないでしょう、酷い先輩ですね。
     おやおや真美殿、当機の性能を甘くみてはいけないであります。
     怒られちゃうよ、笑われちゃうよ。

  • 706◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:01:52

     だから、早く探しに……。
     パン、と頬に痛みが走った。
     真美は頬を抑えた。
     痛い。どうして痛いの?
     悲しいから? どうして悲しいの? 全部嘘なのに。

    「……失望させないで」

    「裂華さん……」

    「今ここで嘘をつく理由なんかない、って、貴女はもう分かっているでしょう?
     ——逃げても、意味なんか無い」

    「逃げる……そんな、何を言って……。
     ねぇ、ジェイルちゃん、裂華さん、変なこと言ってるよね……」

    「真美っち……」

     マイペースで気楽な性格のジェイルフィッシュは、普段からは想像もつかないほどの真剣な表情で、真美を見据えている。

    「私、訓練学校に通ってるってさっき話したの、覚えてる……?」

  • 707◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:02:19

    「う、うん。すごく頑張ってるんだよね」

    「授業で習ったけど、魔法少女が戦死することは——あり得ないことじゃ、ないの。
     魔法国の歴史では、何度も大規模な戦いが起きてたくさん犠牲者が出てるし、近年でも、超大型エネミーとの戦いでは、戦死者が出ることは、珍しいことじゃないの。
     それに、この名簿には、ティターニアが載ってるの」

    「そ、それがどうしたの?
     た、確かに昔の戦争ではいっぱい人が死んじゃうし、すっごく強いエネミーがいたら、死んじゃう子も、いるのは知ってるよ。けど、けどさ……。
     それに、あのティターニアが居るなら、安全なはずだよ! すっごく強くて、正義の味方なんだよね!?」

    「だからタチが悪いの……ティターニアが参加者として居るってことは、ティターニアと同じくらい強い、とっても悪い奴も参加してるはずなの。
     そうじゃないと、ゲームのバランスがおかしいから……」

    「だ、だけど……だけど、ジェイルちゃん……」

    「——真美ちゃんの友達二人は、亡くなったの。
     たぶん、殺されて」

  • 708◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:02:42

     真美は、言い返そうとした。
     友達と喧嘩をするなんて、年齢が二桁になってから一度も無かったことだ。
     けれど、言い返す前に、足から力が抜けて、真美はその場に崩れ落ちた。
     死んだ。
     殺された。
     そんなの、そんな『事実』——耐えられない。
     体中が暖かなもので包まれる感触があった。
     裂華が、真美を抱きしめたのだ。

    「——泣いていいのよ、叫んだっていい。怒るべきだし、暴れたっていい。
     けれど、死を否定することは、駄目よ。
     それは、彼女たちへの冒涜だから。
     だから真美ちゃん——今はただ、悼みましょう」

    「——ぐ、ううううううううううううううううううううううう!」

     人前で泣くのも、年が二桁になってからは一度も無かった。
     今日、真美は初めて、友達を喪った。

  • 709◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 01:02:58

    投下を終了します……!

  • 710◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:06:11

    投下します……!

  • 711◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:06:32

     人は死ぬ。年を重ねれば誰でもその事実に気づく。祖父・祖母が死に、やがて父・母が死に、遂に同年代の友人たちが死ぬに至り、自分の死期を悟りだす。
     だが、真美はまだ、幼かった。
     祖父も祖母も健在で、身近に死者は居なかった。
     魔法少女になったというのも、現実からの乖離に拍車をかけた。
     それが、一晩で二人も死んだ。
     事故死や病死ではなく、殺人。
     三十分あまり裂華の胸の中で泣きはらした真美は、ようやく二人の死を現実のものとして受け止める下地が出来た。
     だが、友達が死んだことは受け止めることが出来ても——友達が殺されたという事実は、容易に受け止めることが出来ない。
     どうして、と思う。
     魔法王に命じられた。

  • 712◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:06:48

     呪いをかけられた。
     そんな理由で、人を殺してしまう、その精神が、真美には分からなかった。
     剣術の使い手だったブラックブレイドなら、分かったのだろうか。
     戦闘機の付喪神であるらいとなら、理解できたのだろうか。
     真美にはさっぱり分からない。
     人を殺してはいけない。そんなのは、当たり前のことだ。
     どうして、どうして、どうして。
     ——悪い奴、だから?
     閃きのような発想だった。
     それまで、真美の認識では、このゲームの参加者は皆被害者で、一緒に戦う仲間で、将来の友達候補たちだった。
     違うのかもしれない。
     ジェイルフィッシュが言っていた。
     ティターニアが居るのなら、同じくらい強い、悪い奴も参加していると。
     その悪い奴に、ブラックブレイドも、らいとも、殺されたのだろうか。

  • 713◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:07:11

     泣き止んだ真美は、ジェイルフィッシュや裂華から距離を取っていた。
     気恥ずかしさもあり、また、友達であり、同時に死んだ二人のことをよく知らない人と、話す気力が湧かなかった。
     友達と話したくないと思うなんて、真美の人生ではありえないことだった。
     二人は、それぞれ名簿を眺めている。
     どちらも、顔つきは渋い。

    「ショタコン女も居るの……無事に帰さないと、また祐樹に文句言われるの」

    「げっ、疫病神来てるじゃない……。もしかして全部あいつのせいだったりするのかしら」

     二人とも、知り合いが来ているようだ。
     真美はまだ、名簿の赤い部分しか目を通せていない。
     動き出さないといけないと思っていても、身体が重くて動けない。
     ——二人はもう、動くことすら。

    「——っ!」

     無性に悔しさが湧いてきて、真美は道路を殴った。

  • 714◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:07:33

     アスファルトが抉れ、破片が転がっていく。

    「ムクク、荒れてますねぇ」

     真美は、顔を上げた。
     三等身の山羊が、空に浮かんでいる。
     ぬいぐるみ、だろうか。

    「やぁ、僕はパンデモニカ(マスコット・モード)。
     ぱんぱかぱーん、今日は七海真美ちゃんにプレゼントを持ってきました!」

    「ぷれ、ぜんと?」

    「そう。簡単に言うとね——好きな奴二名選んで殺し合わせる権利なんだけど、どうする?」

  • 715◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:07:49

    投下を終了します……!

  • 716◆xaazwm17IRZa24/04/13(土) 02:36:25

    本日の投下はここまでとさせていただきます……!

    そして申し訳ありません、明日は投下できず、次の投下は日曜夜になると思います……!

    たくさんの感想、いつもありがとうございます……!
    今後の展開のきっかけになることも多く、楽しく読ませていただいてます……!

    それでは、失礼します……!

  • 717二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 08:52:02


    真美ちゃんから闇堕ちのかほりが

  • 718二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 08:52:57

    投下乙です
    愛と希望に溢れた世界に生きてる少女が初めて味わった友人の死という絶望……世界がひっくり返るような衝撃だろうなあ
    真美ちゃんの今後から目が離せない

  • 719二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 13:33:44

    誰とでも仲良くしようとする普通の少女に「愛の力で強くなれる」魔法は粋で相性が良い程度に思ってたんだけど
    傷ついて失えばそれだけ強くなれるというのも光と闇の境界を感じるね…

  • 720二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 15:02:08

    友達を失えば一時的な強さを得られるかも知れないけど、徐々に仲間を強化パーツとしか見られなくなって闇堕ちして行きそう

  • 721二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 15:25:47

    友達失って苦しむ少女に更に誰かの命を奪う権利を与えるの酷い…!

  • 722二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 18:30:42

    テンガイってナーフ抜きでも別にぶっちぎりでもなんでもなかったんか
    一回死んで巻き戻し使っちゃってるし次は格下相手でもあっさり死ぬかもしれんね

  • 723二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 19:56:56

    せいぜいティターニアやランサー姉貴よりちょっと強いくらいだろうからぶっちぎりではないのはそう
    ティターニアが格下にあっさり殺されるかというと…簡単ではないだろうな

  • 724二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:02:30

    >>662でも一人突出してるわけじゃないって言われてるし、総合的に見ればティターニアやブレイズドラゴン達と全くの互角なんやろね。今までテンガイが戦ったの総合力だと弱い方の魔法少女ばっかりだし


    前作と同じく、強者が柵を弄した弱者にあっさり負ける可能性もあるのがダイスの面白いところよな

  • 725二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:08:12

    テンガイぶっちぎりじゃない?
    死んでも転生できる時点でそもそも戦いの勝敗とか意味がない
    おそらく天上のなり方も知っているし明確に格が違う
    ただこのバトロワでは意味がないだけで

  • 726二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:15:05

    >>725

    「関係ない魔法を複数使える場合は出力に制限が課される」ってナーフとは関係ないメタ的なルールがあるし、直接戦闘に限っては特化型の他の上位陣と勝ち負けする程度なんでしょ

    それこそ転生とか戦闘用途以外の魔法も他に色々できる万能性がぶっちぎってるってだけ

  • 727二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:16:59

    戦闘においては他の上位陣と同格
    魔法少女としての練度は圧倒的格上って印象
    そもそもテンガイは戦闘向きの魔法少女でもないんだろう

  • 728二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:21:06

    テンガイの強みは何でも出来る能力だからアレヰ・スタアとかオオカワウソみたいな時間があって制限が無い状況だと暴れに暴れまくるタイプだと思う

  • 729二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:24:04

    スレ主さん曰く、技量は別に高くなくて魔法少女なりたてのブラックブレイドの斬撃も避けるのも難しいレベルらしいんで、そこもまたしくじったら普通に負けそう感があるな
    まぁ魔法ぶん回しとけば勝てるんだから技量なんて鍛える発想する方が難しかろうが

  • 730二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:24:24

    初見殺し性能ならぶっちぎりのトップで間違いないと思うよ
    相手がこっちの土俵に入ってくる前に潰せないと弱いのはそう

  • 731二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:27:17

    他上位勢と違って多分強くなることが目標じゃない
    オオカワウソみたいな探究者の延長線上がテンガイなんだろう

  • 732二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:27:50

    やっぱり手札が多いってのはそれだけで強いよ、通じるものを引くまで試しまくればいいんだし
    例えば最初は単純なパワー、ダメなら属性攻撃、効かなかったら洗脳って事ができる
    まぁ正面からぶつけ合うと出力負けするし魔力量が許す限りだけども…

  • 733二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:29:17

    【限定的な物以外なんでもできる】って何処から何処までから限定なんだろうか?

  • 734二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:32:17

    タイマンルールだと相性負けのマイナス補正もつかないが、相性勝ちのプラス補正もつかないって感じか?
    ふうん謂わばメガテンやペルソナのメギド系ということか

  • 735二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:33:53

    よっぽどピンポイント過ぎるものとか条件がややこし過ぎるものとかじゃない?
    例えば「夜神月って名前の人を殺す魔法」とか「デスノートに名前を書いたらソイツが設定した死因で死ぬ魔法」とか

  • 736二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:37:34

    流石に魔法少女の固有魔法使えないぐらいじゃね?例えば火は出せるけど体を火に出来ないとか分身は作れるけど自分は複製出来ないとか

  • 737二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:39:43

    今回七海ちゃんって結構相性良い方だと思う
    なんか感情振り切れてめっちゃブーストかかってるし、シンプルごり押し出来そう

  • 738二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:40:44

    どっかの魔槍おじさんもこう言ってるからね

  • 739二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:43:50

    まぁ作劇上やメタ的に言えば優勝ルート以外で死ぬなら呪いなりなんなりで転生できずにそのまま御陀仏やろしな
    全てはダイス次第

  • 740二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 22:02:52

    新キャラの幹部3人に対する個人的な所感

    トート・アリア:全方位ヘイトワイヤー使いナチスマッドサイエンティスト
    →全方位へ、ヘイトスピーチ…というまさかのキャラ付け
    状況判断はほぼ100%完璧なのに人情の機微に疎かったり、自分の中だけで完結して解説を放棄したりと面白すぎる
    パンデモニカすら知らないパラサイトドールの『中身』とも知り合いでもあるらしいので今後に期待

    グレンデル:サディスト戦争屋真性クズ狼人間
    →クライオニクスにすら異常者判定されるやべーやつ。たぶん「オレは戦うのが好きなんじゃねぇんだ…勝つのが好きなんだよォォッ‼︎」なタイプ
    実況解説に一緒に選抜されたパラサイトドールとの絡みにも期待

    パトリシア:真面目系アーチャーフォックス
    →まだほとんど喋ってないので分からないが、wikiの設定的を見るとハチャメチャに重い過去だった
    人格的にまともそうなので苦労人になる(確信)

  • 741二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 00:57:17

    >>725

    スレ主さんが「扱う魔法は他の魔法少女の下位互換が殆ど」

    「ハッタリで無敵であるかのように振る舞います」

    「強者の一人ではあるが突出してるわけではない」

    って言ってる時点で別に総合的に見てもぶっちぎりなわけじゃないでしょ

    描写的に天上になれてない時点で所詮は魔法少女の域を出ないし

    他の上位陣と違って転生を含めて万能性に割り振ってるってだけよ

  • 742二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 01:27:53

    そう考えるとガチ上位者はパラサイトドール(黒龍)とニャルラトホテプ(邪神)しかいないんだな
    神話の時代から生きててテンガイより遥かに長生きのアロンダイトとパンデモニカも上位というよりは別種の生命体っぽい描写だし

  • 743二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 01:32:43

    パラサイトドールとパンデモニカだと前者は魔法少女の力が極まった結果別の生物になった感じ、後者は元々別の生物って解釈してたんだが如何だろうか

  • 744二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 01:40:34

    今残ってる運営は
    ・パラサイトドール
    ・パンデモニカ
    ・ああああ
    ・オートクチュール
    ・アロンダイト
    ・トートアリア
    ・グレンデル
    ・パトリシア
    だっけ…これパラさんやパンちゃんが死んだら誰が仕切ることになるんだろう
    能動的にゲームを続ける理由はないよな

  • 745二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 01:47:52

    >>743

    アリアがパラサイトドールに対してガワって言ってたし、人外の怪物が魔法少女の皮被って活動しているのはほぼ確定っぽいですよね

    元が人間だったのか、それとも元から怪物(運営パートで語られた冒涜の竜とやら?)だったのかは未知数ですが

    というかそれなら正体は「天上の魔法少女」ですらない…?


    >>744

    パラサイトドールとパンデモニカが死んだら邪神が引き継ぐんじゃないですか?

    それすら一桁出したら…まぁ「実は魔法王が全ての黒幕だったのだ…」、「実は全てを操る黒幕が別にいたのだ…」とか色々こねくり回すんでしょう(適当)

  • 746二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 02:50:58

    そういえば魔法王については最初の魔法少女の子孫ってこと以外特に明かされてないですね
    彼の実力もそのうちお披露目されるのか…案外元男の魔法少女だったり

  • 747二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 08:17:17

    寝落ちかえ

  • 748二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 08:25:31
  • 749二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 12:52:17

    >>738

    強すぎた事が敗因になるやつ…

  • 750二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 19:02:25

    テンガイ、登場話でも無双してたけど抜刀術には反応できない、透明化には気づかない、狙撃では一殺されると割と隙晒してるのよな

  • 751二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 20:29:16

    本人の繰り出せる手札と経験がかなり充実してるオシウリエルみたいなものなのかもしれないね

  • 752◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:28:36

    投下します……!

  • 753◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:29:17

    「殺し——合わせる?」

     意味が分からない、と真美は思った。
     そんな権利は要らない。

    「——変な奴がいるの」

     ポヨン、という音と共に、山羊のマスコットはシャボン玉の中に閉じ込められた。

    「——何者なの?」

     ジェイルフィッシュの詰問に、パンデモニカ(マスコットモード)はムククと笑い声で応えた。

    「やぁ、僕、パンデモニカ。ちょうどいい、君たちも聞くといいさ。
     七海真美が、いかに幸運なのかを、ね」

     そうして、パンデモニカは語った。
     強制デュエル。
     七海真美が名簿から指名した二人の参加者がリングに移動し、どちらかが死ぬまで戦う。
     指名は1時間以内に決めなければならない。
     そして——誰も指名しなかった場合、七海真美は呪いが発動し、死亡する。

    「ふざけるな、なのっ!」

     ジェイルフィッシュは激高した。
     いくら大人びているとはいえ、まだ10歳の幼い魔法少女である。

  • 754◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:29:52

     パンデモニカの悪辣な提案は、ジェイルフィッシュから余裕を奪った。
     真美は——沈黙した。
     普段の彼女なら命を玩具にする提案に、激怒していたはずだ。
     だが、友人二人の死が、真美の人間性に罅を入れていた。

    (誰かを、殺し合わせる……)

     ブラックブレイドを殺した魔法少女は、らいとちゃんを殺した魔法少女は、今、どうして居るのだろうか。
     まだ、生きているのだろうか。

    「…………真美っち?」

     押し黙っている真美に、ジェイルフィッシュは心配そうな様子で声をかけた。

    「パンデモニカ、さん……」

     真美は震える声を出した。

    「私の、友達を殺した魔法少女が誰か、分かりますか……?」

    「真美っち、何言っているの!?」

    「ムクク、復讐かい? パンデモニカ的には大賛成なのです。
     君の友人を殺したのは」

  • 755◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:30:22

    「——聞いても意味ないと思うわよ、真美ちゃん」

     パンデモニカの言葉を遮ったのは、このチームで最年長、顔の半分を漆黒に染めた異形の魔法少女、桐ヶ谷裂華だった。

    「挙げられた名前が本当に仇か確認とれないわ。
     善良な魔法少女を殺し合わせる鬼畜な運営なのよ、まったく関係ない名前を挙げて、デュエルが終わった後ネタバラシしてくる可能性もある」

    「ムクク、マスコットは嘘をつかないのです。
     だいたい、君がそれを言うのかい、ジャッ——」

    「私を指名して、真美ちゃん」

    「——え?」

     俯ていた真美は、顔を上げた。

    「裂華、さん?」

    「ゲームに乗っている参加者、あるいは殺し合いで害になる参加者に、私は心当たりがあるわ。閉鎖空間なら逃げられることなく始末できる。
     いい案だと思わないかしら」

  • 756◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:30:42

    「けど……裂華さんを殺し合わせるなんて」

    「本人が望んでるのよ。気に病むことないわ」

     裂華、魔法少女名、ジャック・ザ・リッパーは殺人鬼である。
     だが、彼女の言葉は打算によるものではない。ジャックポイントで満点に近い数字を叩きだした真美は、何としても自分の手で殺したい。なので、こんなミッションで自害されてしまうと非常に困る。
     かといって、自害されるまえにさっさと殺してしまうのも勿体ない。
     もっと美しく、もっと輝いてから収穫したい。
     ジャックポイントは真美には劣るが、ここ最近の目標であったティターニアを殺してからでも、むしろ殺した後の方がいいとすらジャックは思っていた。
     そういう心理からの、善意の提案。
     だが、聞きようによっては自己犠牲とさえ受け取られる裂華の言葉は。

    「私、私は——」

     真美の心を深くかき乱すものだった。

  • 757◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:31:23

     もし、真美が本当に普通の少女であったなら、年上の少女の善意に乗っかり、ジャックを指名していたかもしれない。
     だが、真美は人より純粋で、人より正義感が強く、正しく王道的魔法少女メンタルの持ち主だった。
     友人に命をかけさせる判断を、下せない。
     頭を掻きむしり、顔をくしゃくしゃに歪める。
     自害すれば、全て丸く収まる。
     でも、死にたくない。
     裂華に任せれば、解決してくれる。
     本当に? もし裂華が死んでしまったら?
     もうこれ以上、誰一人、友達を喪いたくない。
     友人の死。命の天秤。
     真美の心は、砕ける寸前だった。

    「ムクク、早く決めないと、死んじゃうよ?」

     パンデモニカの煽りが、ますます真美の心を責め立て。

  • 758◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:31:58

     ——音も無く、梟が舞い降りた。
     その場に居た全員が、パンデモニカさえも、突如現れた梟に視線が吸い寄せられる。
     梟は感情を感じさせない瞳で、三人と一匹を一瞥すると

    【僕様は全知全能・テンガイ
     このメッセージを聞いてる君は選ばれし者
     生き残るチャンスを与えられた強き者——】

     全知全能からの伝言を、その場の者に聞かせ始めた。
     数時間前にテンガイが放った使い魔たち。その一匹が、真美の元に辿り着いたのだ。
     テンガイの傲慢で一方的なメッセージはその場の者に様々な反応を起こさせた。
     ジェイルフィッシュは胡散臭そうに眉を顰め。
     裂華は呆れたように肩を竦め。
     パンデモニカは楽しそうに耳を傾け。
     真美は——。

  • 759◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:32:31

    「——ふざけないで」

     怒っていた。

    「心臓さえ無事ならいいとか……優勝を掴めとか……この人、殺し合いを何だと思ってるの……!」

    「真美っち……?」

    「真美ちゃん……?」

    「どうして、葉月ちゃんも、らいとちゃんも死んで……こんな人が……!」

    「まさか……」

    「真美ちゃん、落ち着いて、それは、それは駄目よ……!」

     二人の静止の声は、真美には届かない。

    「パンデモニカ、指名する相手が決まったよ」

    「ムクク、誰だい?」

    「【テンガイ】と、そして……」

     ジェイルフィッシュと裂華は、真美の口を塞ごうとした。
     訓練を受けている魔法少女と、殺人鬼の魔法少女。

  • 760◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:32:59

     本来、真美を取り押さえるのは容易いはずだった。
     ——真美が平常であったなら。
     バチン、と飛び掛かった二人は——弾き飛ばされた。
     真美はその場から動いていない。彼女の周囲から『漏れ出した』濃密な魔力が、二人の練達者を退けたのだ。
     生まれた時間は一瞬だった。
     その一瞬で、良かった。

    「私、【七海真美】が、デュエルに参加する……!」

     ジェイルフィッシュが、裂華が手を伸ばし——その手が真美に触れる前に、彼女は姿を消した。

    「そんな、真美っちが……」

    「何てこと……!」

     梟がほう、と鳴き、次の瞬間、ナイフが脳天に突き刺さり沈黙した。

  • 761◆xaazwm17IRZa24/04/14(日) 21:33:17

    投下を終了します……!

  • 762二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 21:46:32

    固有魔法が「愛の力で強くなれるよ」だから仲のいい友達が死.ねば死ぬほど死んだ友達を強く想う「愛」でバカみてえに強化されていく可能性が微レ存…?

  • 763二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 21:47:18

    仇の名前が消えたはずがニアミスで…

  • 764二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 00:12:12

    現実は厳しい…時系列的には麦ちゃんが息絶える直前だったんだろうな…
    そしてジャックは今のうちに殺っておかないと真美ちゃん手がつけられなくならない?

  • 765◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:42:36

    投下します……!

  • 766◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:43:17

    「げっげっげ、血に飢えた亡者共、聞こえているか?
     第二試合の解説は俺っち、『戦争屋』グレンデルと——」

    「どーも……あーしは、パラサイトドール……よろしくね……」

    「よろしくな!
     さて、第二試合の組み合わせは【七海真美】と【テンガイ】。
     実力が伯仲していた第一試合と違って、随分と実力差がある組み合わせじゃねぇか?
     俺っちはどっちの魔法少女もデータでしか知らねぇが、今までの経歴やゲームでの活躍を見ても、七海真美がテンガイに勝てる可能性は見出せねぇぞ?
     ただの公開処刑か?」

    「そうだね……」

    「げっげっげ、まぁ俺っちは虐殺も嫌いじゃねぇ。
     魔法少女を甚振るのもな!
     まったく、俺っちに力をくれた魔法国には感謝しねぇとな!
     魔法少女になってから人生バラ色だぜ!

  • 767◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:43:57

     パラサイトドール、てめぇはどうなんだ?
     何のために殺し合いに協力している?
     目的は悦楽か?」

    「そうだね……」

    「げっげっげ、これは趣味が合いそうだな。
     おっと、モニターの前の亡者共の中には、データを持ってない奴もいるかもしれねぇからな。
     ここで第二試合の魔法少女の基本データをおさらいするぜ。
     七海真美。
     年齢は12歳。げっげっげ、これくらいの年の魔法少女が、一番正義感が強くて、一番甚振りがいがあるんだよなぁ。
     自分が物語の主人公じゃなくただの俺っちの犠牲者Aでしかないことに気づいたあの表情がたまんねぇのよ。
     おっと、話が逸れたな。
     得意の魔法は……愛の力で強くなる、だとぉ?

  • 768◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:44:25

     げっげっげっげ、こいつは傑作だ! どれだけ頭にお花畑を詰め込んだから、こんな魔法が発現するんだ? 愛なんてのは、所詮他者を害する大義名分に過ぎないって言うのによぉ~!
     経歴に関しては語ることはねぇなぁ。戦闘経験なんて、街に出る雑魚エネミーを狩ってたくらいだ。
     実力は参加者でも下から数えた方が早いだろうぜ、げっげっげ、これはいよいよ、ただの公開処刑だな」

    「そうだね……」

    「一方、テンガイ。
     年齢は2888歳!?
     げっげっげっげ、紀元前9世紀生まれとは恐れ入るぜ。確かこの頃は、西アジアでアッシリア王国が猛威を振るい、中国では周の時代だったか。
     げっげっげ、カエサルだの始皇帝だのより遥か前に誕生したとは恐れ入ったぜ。どこまでふかしなのかは知らねぇがな。
     そして魔法は、全知全能だぁ!?

  • 769◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:44:54

     げっげっげ、クライオニクスが言っていた【天上】ってのは、こういう奴を言うのかねぇ」

    「そうだね……」

    「経歴もとんでもねぇなぁ、おい。
    死後の世界を見に行った。
     世界の時間を六年巻き戻した。
     二度も転生した。
     全部マジなら神に等しいだろ、こいつ。
     だが、このゲームでも経歴を裏付ける活躍をしているな。
     神速の抜刀術を防ぎきり、狙撃されても時間を戻して対処し、透明化も剥がして無効化か。
     げっげっげ、こりゃあ一般魔法少女が勝てる相手じゃねぇぜ。
     なぁ、パラサイトドール、七海真美の勝ち筋はあると思うか?」

    「そうだね」

    「なぁ、お前さっきからめっちゃ楽しようとしてない?」

  • 770◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:45:30

     七海真美は、リングに上がった。
     況席には褐色肌で異様に背の高いワイルドな美女と、大学生くらいのギャルが座っていた。
     観客席には、三人の魔法少女が居た。。
     ジェイルフィッシュ、桐ヶ谷裂華、そして一つ目の仮面をつけ、灰色のローブを纏った少女。
     ジェイルフィッシュと裂華は観客席を覆う金網にしがみつき、七海に言葉を投げかけている。
     その声は、聞こえない。
     恐らく、運営の魔法によるものだろうと、真美は気づいた。
     二人の心配そうな様子に、真美は心を痛める。
     リングの中は、想像以上に孤独だった。怖い、と思う。
     けれど、そんな場所に他の魔法少女を立たせたくなかった。
     青コーナーを見る。
     ゆっくりと、少女が歩いてくる。

  • 771◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:46:00

     バカでかい剣を難なく持ち上げ、緑色の髪を靡かせ、十代前半の外見には不相応な威圧感を伴って、テンガイが、歩いてくる。
     ひらり、とリングに飛び移ったテンガイは、真美を一瞥し、苦笑した。

    「——君が、僕様を呼びつけたわけ?
     僕様、君に何かしたっけ」

    「——どうして、バーストハートの心臓を狙うの?
     ——それに、優勝のチャンスって、どういうこと?
     あなたは、このゲームに乗ってるの?
     人を、殺してるの?」

     んん? とテンガイは首を捻った。

    「君さ、何か勘違いしてない?
     さっきから、何のことを言っているのかさっぱりわからない」

    「とぼけないでよ、あなたが出した梟が届いたんだから!」

    「……もしかして、君、それを鵜呑みにしたの?」

     え、と真美は息を漏らした。

  • 772◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:46:39

     この悪党は、いったい何を言っているのか。

    「誰かが僕様を陥れるために、梟を使って会場中に飛ばした可能性もあるよね。
     え、まさか、梟の情報だけで僕様を悪者だと決めつけて殺そうとしているの、君?
     倫理観やばいね」

    「ま、まさか、違うの……?」

     ぐらつく。
     真美は冷静ではなかった。
     本来の真美なら当然その可能性も考慮していただろう。
     だが、指名したときの真美に、そんな余裕は無かった。

    「わ、私、取り返しのつかないことを……」

     無辜の少女を、殺し合いのリングに立たせた。
     罪悪感が、真美を圧し潰す。
     目に、涙が浮かぶ。
     真美の心は、とっくに限界だった。

  • 773◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:47:01

     平和に生きていた12歳に、怒涛の如く押し寄せる悲劇と絶望は、少女の心を散々に痛めつけていた。
     遂に、少女は膝を折った。
     理不尽に抗うことなら、出来た。
     だが、自分の浅慮で無辜の少女をデスマッチに陥れたことには、耐え切れなかった。
     テンガイは頬を掻き、ちらりと実況席を見上げた。

  • 774◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:47:19

    「げっげっげ、テンガイの奴、俺っちたちを見てるぜ」

    「………………」

     愉快そうに笑うグレンデルとは対照的に、パラサイトドールは表情一つ変えず。
     ——ただ、平然と『見下ろした』。

  • 775◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:48:04

    「……ムカつくなぁ」

     ぼそり、とテンガイは零す。

    「これで勝っちゃうのも、僕様の沽券に関わるか……」

     そして、大剣を担ぎ、崩れ落ちた真美に近づく。

    「君、七海真美って言ったっけ」

    「ご、ごめんなさい……私が、私がま、まけるから……」

    「気にしなくていいよ。僕様、怒ってないから」

    「で、でも……」

    「悪人扱いされるのは心外だけどね。だって僕様——まだ一人しか殺してないし」

    「…………え?」

     真美が呆然とした表情を浮かべる。

    「せっかくのデスゲームだし、皆殺しは視野に入れて行動してるけど、ゲームの進行状況的にはキルスコア1で優勝するなりゲームから出てくかもしれないし。
     あ、でもあのキルスコアはミストアイにカウントされるかな。
     それはちょっと嫌だな。
     キルスコア0ってのもな、かっこ悪いしな」

    「な、何を言って……」

  • 776◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:48:41

    「だからさ、気にしなくていいんだって。
     ——僕様は全知全能だから、雑魚が何しても何とも思わないから」

    「——それが、あなたの本性……?」

    「だったらどうする?
     死ぬんだったらこの大剣貸してあげようか? それとも僕様に挑む?
     たぶんどっちを選んでも君の余生の時間はそう変わんないぜ」

    「私は——私は……!」

    「ああ、もういいや。
     じゃあね」

     テンガイは大剣を振り上げ、振り下ろす。
     魔法少女の肉体は、並の刃物は通さない。
     だが、テンガイが持つのは魔法の国製。
     例えその真の力を解放できなくとも、魔法少女を斬殺する程度の威力は秘めている。
     振り下ろされた大剣は

  • 777◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:49:28

    「——なら、やっぱりあなたは許せない」

     真美の、左上腕に防がれる。
     テンガイの表情が、僅かに変化する。
     僅かな驚きと、微かな期待。
     ——その顔に、真美の右ストレートが突き刺さった。
     テンガイの小柄な体躯がロープまで吹き飛ばされる。
     魔力が弾ける音が、周囲に響く。
     大剣を防いだ上腕はコスチュームが裂け、血が滴っていた——傷口が、瞬時に回復し、コスチュームが瞬く間に修復する。

    「——あなたは、ここで止める!」

    「——やってみろよ、三下」

     立ち上がったテンガイの顔にも、既に傷一つなかった。

  • 778◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:50:30

    「七海真美の勝ち筋だけど……」

    「お、ようやく仕事する気になったか」

    「若いよね、まだ、中一でしょ……」

    「げっげっげ、それはむしろ弱点だろ?
     基本的に魔法少女は年期を重ねれば強くなっていくからな……。
     まぁ、だとしたらテンガイは全参加者が束になっても敵わないってことになるが……」

    「うん、基本的にベテランほど強い……。
     けどね、そうとも言い切れないんだよ……」

    「あん、そうなのか?」

    「参加者に、ティターニアって居るじゃん。
     テンガイとも引き分けてる……すごく強い魔法少女なんだけど……」

    「げっげっげ、そいつは知ってるぜ。そのティターニアがどうしたんだ?」

    「……彼女が一番強い時期、知ってる?」

    「そりゃあ、今だろ?
     魔法少女に肉体の衰えなんて関係ねーだろうしなぁ」

    「違うよ……ティターニアが真に最強だった時代は」

  • 779◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:50:57

    「12歳の頃だよ……」

    「……どういうことだ?」

    「さぁね……でも、幼い魔法少女は——それだけ天上に近いのかもしれないね。
     ……まだ、自己の限界を自覚する前だから、なのかな……
     くすっ、年期を重ねても、遠ざかるだけだよ……」

    「お前……」

     グレンデルは、まじまじとパラサイトドールの顔を眺める。

    「そんなサディスティックな顔もするんだな」

    「そうだね……」

  • 780◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 01:51:18

    投下を終了します……!

  • 781二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 02:04:34

    そういえばこれ、誰に向けて解説してるのかね
    わざわざ人間の暗黒金持ちのためだけに運営幹部が動くとも思えないし…

  • 782◆xaazwm17IRZa24/04/15(月) 02:27:53

    ●本日の投下はここまでとさせていただきます……!

    ●明日から本格的に第二試合始めていきます……!
    ●なお、描写は省きましたが第二試合は第一試合と違い、観客有りです
    これは、真美・テンガイ双方が控室で観客有りに同意したからです(第一試合はジャスティスファイアが提案したが、ヒートハウンドが拒否)
    ジェイルフィッシュ、ジャック・ザ・リッパー、ミストアイが観客として呼ばれています。観客の声はリングの中には届きません。
    ●また、同じく描写は省きましたが、名簿が公開されたことで、裂華の魔法少女名がジャック・ザ・リッパーなことがチームメンバーにバレています。しかし色々ごたごたしていてまだ追及はしていません。
    ●名簿の死亡者情報は、放送の度に更新されていきます。ヒートハウンドの名が赤く染まるのは、第二回放送の後です……!
    ●第二試合終了後は当初の予定通り一般人パート→参加者2巡目に入っていきます

    本日もたくさんの感想ありがとうございます……!
    皆さんの感想で元気をもらっています……!
    それでは、本日もありがとうございました……!

  • 783二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 02:46:03

    乙でした〜
    テンガイのモチーフは知恵を司るローマの女神ミネルヴァだろうな
    梟を使役するし「千の仕事の女神」とも呼ばれたらしい

  • 784二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 03:00:22

    基本的にはベテランの方が強いけど子供の魔法少女はもっと強い…か
    パラサイトドールが少女の器に入ってるのもテンガイが定期的に転生するのもそれが理由なのかな

  • 785二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 08:12:39

    テンガイ平然と嘘つけるのタチ悪いなぁ

  • 786二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 12:00:51

    運営幹部、悪党のはずなのに本当に憎めないというか愛着の湧くキャラしてるんですよね…
    ポジションも個性も被ってないし本格登場が楽しみ

  • 787二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 15:59:13

    アロンダイトと新幹部三名のキャラと個性が立ちすぎている上に既存キャラとのバランスが取れているんで、これ以上運営キャラ増やすのは蛇足のような気もする
    メッセンジャー・ブルーは一応タイマン大会の回復役ってことで名前だけ出たけど

  • 788二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:55:56

    Wikiのアリアの魔法見たけど、クイックローラーちゃんワンチャン死ぬより遥かに酷い目に遭ってたんか

  • 789二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 22:11:17

    >>787

    単純な戦闘要員はパトリシアの部下としてエネミー扱いで出演できるかもしれないね

    他は話が進む前に投げられたのもあって難しそう…フロストハウンドとナイナイホテプとか(運営は逐一参加者の同行を確認してる&魔法少女は死ぬと粒子になる設定と全く噛み合わない)

  • 790二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 23:51:24

    冷徹だけど仲間には優しい狐耳の弓兵とか性癖なんで、モブ米軍とか一般人キャラの死因としてバトロワの情報探ろうとしてる連中を処理するパトリシアちゃんが見たいですスレ主先生。今周回だと新キャラで一人だけ出番なさげなので出来れば何卒…

  • 791◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:25:24

    投下します……!

  • 792◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:26:18

     その戦いは、第一試合終盤に展開された近接格闘戦と比較し、あまりに幼稚なものだった。
     テンガイは、魔法少女の膂力に任せ、大剣を振り回す。
     ティターニア、ドレッドノート、西洋剣を扱う他の参加者と比較し、テンガイの剣術はあまりにお粗末なものだった。
     だが、振るわれている剣は貴族妖精アロンダイトが常用する逸品であり、振るうテンガイもまた小柄な体躯に似合わぬ超人的身体能力を(魔法少女の平均から逸脱するものではないが)備えている。
     狭いリングの中では十分な殺傷兵器。殺し間が完成する。
     ましてや、対戦相手、七海真美は素手である。
     真剣白刃取りのような技術も備えておらず、それどころか対魔法少女戦の経験すら殆どない。殺し合いの経験など絶無だ。
     本来なら、ただ斬り刻まれて終わる。
     ——にも関わらず、戦いは拮抗していた。

    「てやああああああああああああああああっ!」

  • 793◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:26:43

     明らかに出し慣れてない咆哮と共に、拳が、蹴りが、繰り出される。
     ——拙い。
     同年代の一般女子と比較すれば様にはなっているが、参加者の中では下から数えた方が早いほど、その動きは未熟だった。
     刃物を持った相手を制圧するレベルにはまるで達していない。
     事実、真美の身体には無数の傷が走り——それらは瞬時に塞がる。
     魔法少女には魔力によって傷を癒す機能が備わっている。といっても、あくま変身している間は、変身していない時より傷の治りが早い、程度のものであり——今の真美のような傷が瞬時に塞がるのは、明らかに異常であった。
     愛の力で強くなる。基礎的な能力の上昇。
     文字にすればシンプルだが、それゆえに強い。
     テンガイがいくら大剣を振るおうと真美にダメージは入らず、

    「てりゃあっ!」

    「ぎゃっ」

     時折、真美の攻撃がテンガイに突き刺さる。

  • 794◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:27:12

     その度にテンガイは大げさな悲鳴をあげる。
     真美がテンガイを押している——と思う者は、ホールに集まった観客の中には誰もいなかった。

    「くっ……」

     真美は、悔し気に顔を歪めた。
     何度も、何度も何度も何度も、攻撃を当てている。
     それなのに

    「どうしたの? もう終わり?」

     テンガイに、ダメージが入らない。
     傷は与えているはずだ。
     しかし、殴り、拳を放した瞬間には、その傷は治っている。

    「これが、あなたの魔法なの……?」

    「これ『は』じゃなくて、これ『も』だけどね」

     傷を治す魔法(セラペヴォ)、とテンガイは言った。

    「君程度の攻撃力じゃ、僕様にとってダメージは無いようなものさ」

  • 795◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:27:40

    「それは、こっちも同じ……!
     あなたの攻撃じゃ、私は負けない……!」

     千日手。互いに受けたダメージを回復しながらの長期戦。
     真美はそれを覚悟し。

    「んー、剣闘士ごっこはもう飽きたしなぁ。
     やっぱ僕様ゴリラの気持ちはわからないや」

     テンガイはそう言って、大剣を放り投げた。

    「こっからは魔法戦しようぜ。
     僕様たちは魔法少女なんだから」

    「ふざけないで!」

     真美は拳を握り、無防備なテンガイに殴りかかる。
     ——その腕は、テンガイに触れる前に停止する。

    「……え、これは……」

    「空間を操る魔法(ディアスティマ)」

  • 796◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:28:08

     真美は武術の達人ではない。が、さすがに動いていない相手に攻撃を当てられない程、運動音痴ではない。
     届くはずの攻撃が、届かない。

    「あ、ありえない……!?」

     殴る。蹴る。頭突きをする。真美が思いつくあらゆる攻撃が、しかしテンガイに触れることなく空を切る。

    「無駄だよ。今、君と僕様の間には、無限の空間が広がっている。
     君の攻撃射程が無限メートルにでもならない限り、君の攻撃は僕様に当たらない」

    「そ、そんな……」

  • 797◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:28:31

    「げっげっげ、さすがは全知全能。スケールのデカい魔法だ。
     理論上、テンガイに攻撃を当てることは不可能ってことか。
     さすがの俺っちでも、あの魔法の前にはお手上げだぜ」

    「いや……あれ、間にあるのは精々10m程度の空間だよ……」

    「何、そうなのか?」

    「うん……無限の空間なんて作ろうと思ったら……魔力が無限に必要だからね……。
     だから……唐突に七海真美がビームとか撃ったら……普通に命中すると思うよ……」

    「げっげっげ、戦争でもハッタリってのは大事だからな、気に入ったぜ」

    「大したことない奴だよ、テンガイは……全知全能なんて嘯いてるけど、使える魔法なんて……」

    「精々、300くらいだし……」

  • 798◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:28:53

    「重力を操る魔法(ヴァリティタ)」

    「くっ、うう……」

     リングの床に真美は突っ伏している。
     戦いは一方的になっていた。
     テンガイの宣言通り、真美はテンガイに触れることさえ出来なくなった。
     それでも真美は叫びながら拳を振るい続け
     挙句の果てには床に重力で縫い留められてている。
     倒れてから10カウントはとっくに過ぎている。
     全身の骨が軋むのを魔力で瞬時に回復させながら、真美は懸命に立ち上がろうとした。
     痛い。重い。疲れた。
     けど、まだ負けたくない。
     悪い奴を野放しには出来ない。
     魔法少女の一人として、ブラックブレイドとフライフィアーの友人として、ここでテンガイを倒さねば。

    「ぐっ、はああああああああああああああああああああああああああああっ!」

     もっと、もっとだ。
     もっと魔力を、もっと力を。
     この重みを振り切って、テンガイを倒すために……!
     体に活力が漲る。

  • 799◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:29:22

     私は強くなる。どこまでだって強くなってやる。テンガイに負けないくらい、どこまでも強く……!

    「君さ、何がしたいの?」

     テンガイの声には、嘲りは含まれていなかった。
     心底理解できないといった感情を滲ませた、呆れの言葉だった。

    「僕様殺して、それでどうするの?」

     どうするの、だって?
     そんなこと、分かり切っている。テンガイを倒さねば、多くの人が悲劇に襲われる。
     これ以上、悲しむ人は見たくない。
     これ以上、友達が殺されるのは——。

    「僕様殺しても、死んだ奴には会えないだろ」

     ——。
     真美の思考は、空白に染まった。
     違う、とすかさず否定する。

  • 800◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:29:54

    死んだ友達には会えない。そんなことは知っている。テンガイに勝っても失った命は戻らない。そんなことも知っている。

    「その顔、図星だったか。うんうん、親しい人を無くすと辛いよね」

     したり顔でテンガイは頷いた。

    「わかるよ、僕様よくわかる」

    「あなたが、それを言うの……?」

     人を殺したことを自慢げに語る少女が。
     皆殺しを楽し気に語る少女が。

    「それが分かるのに、どうして悪いことが出来るの……?」

    「——それは、僕様が魔法少女だからさ」

     意味が分からない。真美の知る魔法少女という概念と、テンガイの語る魔法少女が一致しない。同じ読み方をするまったく別の単語を聞いた気分だった。

    「いや、君が優勝目指してるなら分かるんだよ。僕様殺せば、大切な人の蘇生に近づくもんな。やる気出るよな。
     けど、なんか口ぶり的に違うんだろ、君。
     優勝じゃなくて、脱出とか、運営打倒とか、そういうスタンスだろ。
     じゃあ、僕様殺さなくてよくね?
     というか、脱出しても、運営倒しても、失った人には会えねーだろ」

  • 801◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:30:41

    「……そうだよ、命は尊いもの、なんだよ……なのに、あなたは……!」

    「死んだ奴に会いたいならさっさと死ぬのが手っ取り早いだろ」

     分かり切ったことを語るような口ぶりで、テンガイはそう言った。

    「な、何を言って……」

    「あー、そっか、君らの世代は唯物論、科学主義だもんね。
     死後の世界とかあんまり信じてないのか。
     面倒な進化したよなー」

     テンガイは膝を降ろす。
     そして、真美の耳元に囁いた。

    「死後の世界は、あるよ」

    「は……?」

    「行ったことあるから、知ってる。みんな楽しそうにのんびりやってるよ。
     君も大切な人に会いたいなら、ここで僕様に甚振られれても時間の無駄だし、とっと死んだ方がいいんじゃない?」

  • 802◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:30:58

    「ふ、ふざけないで……」

    「大切な人には会いたくないの?
     そうでもなかった?
     あくまで可哀そうな自分のためのアクセサリーだったわけ?」

    「わ、私は……」

     無茶苦茶な理屈だった。
     後を追えないのなら、大切だと思っていない。想いが足りない。
     そんな理屈は無い。幼い真美にだって、その程度の道理は分かる。
     そのはず、なのに。
     真美の身体から力が抜ける。
     愛の力で強くなれる——愛を疑ってしまえば、魔法は解ける。
     違う、と真美は否定しようとし。
     全身の骨が軋む痛みに呻いた。

  • 803◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:31:36

     自らの愛が揺らいだ代償が、肉体に来た。常時回復の程度が下がり、瞬間回復によって無視できていた苦痛が真美を捉える。
     苦悶の声を漏らす真美を、テンガイは興味深そうに見下ろしていた。
     そして。

    「あ、もういいや」

     唐突に飽きが来たのか、視線を外した。

    「色んな奴と戦ってきたけど——君がいちばんつまんなかったよ」

    『火炙りにする魔法(フォティア)』

     真美の身体に一瞬で火がついた。

    「ああ、あああああああああああああああああああああああ……!」

     全身を焼かれながら、真美は身動きを取ることさえ出来なかった。
     未だ、重力に縛られているからか。それとも、心が折れたからか。
     テンガイは真美に背を向けると、リングの外へと歩みを進めたのだった。

  • 804◆xaazwm17IRZa24/04/16(火) 02:31:57

    投下を終了します……!

  • 805二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 02:38:03

    お疲れ様でした
    テンガイの話が本当なら魔法空港から応援してるフライフィアーとブラックブレイドもいるのか…

  • 806二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 02:54:08

    このレスは削除されています

  • 807二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 02:54:42

    テンガイは能力の手数と豊富な経験が武器だから『感情を殺す魔法』みたいなのでメタを張ることも可能なはずだが、真美ちゃんの精神干渉耐性にいち早く気づいて舐めプしてるふりしながら言葉責めで心を折りに行ってるんだろうな

  • 808二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 02:59:42

    というかミストアイの狙撃が当たったのも伏線だったのか…すごいな…

  • 809二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 09:01:56

    わからん殺しの権化と素手でタイマンは無理ゲーが過ぎる
    覚醒フラグか負けイベか……

  • 810二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 11:21:18

    一戦目を見るに最後にダイス振る都合上どっちが勝つか全く分からん状態になるんだろうけどどうやって追い込むんだろう
    全く関係ない魔法を大量に使える=呪いのナーフ関係無しにメタルールで出力勝負では絶対に勝てない+空間操作とか魔力消費が絶対にクソ燃費だろうからそこら辺を突くのかしら

  • 811二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 14:08:52

    使える魔法の殆どが下位互換とは言われていたが炎魔法とか見るに想像以上にカッスカス火力だったなテンガイ。同属性どころか単純なぶつけ合いだと弱点突いても確実に出力負けするだろう
    まぁ300種類も魔法使えて相性勝負ひっくり返せる空間魔法とか時間巻き戻しとかインチキできるんだから当然を超えた当然だが

  • 812二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 14:38:20

    >>811

    実際同じ火属性のジャスティスファイアとかなら強化真美ちゃんを消し飛ばせるんですかね?

    筋力は分かりやすく上昇してるけど再生力はそうでもなさげ

  • 813二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 17:04:00

    回復魔法も魔力消費が重いこと以上にデメリットありそうだよね
    再生特化のミョルニルですら脳か心臓破壊されると終わりって縛りがあるし
    あとただでさえ魔力消費ゲロ重そうな空間操作とか使いまくってる上に一回時間巻き戻し使っちゃってるしそろそろ魔力スッカラカンになるんじゃないの

  • 814二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 17:25:18

    うろ覚えだけど魔力がなくならないようにディアスティマを常時展開しない縛りがあるんじゃなかったっけ?

  • 815二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 17:37:50

    >>814

    それは「無限に空間を広げようとすると無限に魔力が必要になるから『空間が無限に広がってる』はただのテンガイのハッタリ」って話でしょう

    全く関係ない魔法を複数行使する都合上、ただ使用するだけでも相当持ってかれるんじゃないの?

  • 816二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 17:50:38

    まぁ特化型が使うならまだしも、空間を操る魔法なんて大技を10mだろうと使うんなら魔力をそれなりに食わんと割に合わないわね

  • 817二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 17:57:06

    初登場話で空間魔法が無効化されたのは不意を突かれて解除したなんて理由じゃなくてミストアイの射程が10m以上だったからなんだろうな

  • 818二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 18:44:11

    出来ることの幅は広いし出力も低くはないけど特化型には及ばないし攻撃系の特化型にゴリ押されるのは嫌だから
    話術や実際にいろんなことをやって見せて本当に万能だと思い込ませるってスタイルかね

  • 819二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 19:20:42

    >>818

    俗に『能力の説明は負けフラグ』なんて言うけど、テンガイはその真逆をやってるよね

    簡単な手品もタネ明かしまでは不可思議に見える

  • 820二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 20:16:51

    この人がヨシネの心臓を手に入れたらカタログスペック通りのことを本当にできるようになるんだろうな
    テンガイラッシュの発言内容も心臓を持ってきたら(天上に至った後で)参加者を皆殺しにして優勝させてあげるってことなのかも

  • 821二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 20:27:02

    これ、上でも言われてるけどテンガイはガチで真美ちゃんを殺しに来てるよな
    一時的にミストアイと切り離されたことで魔力消費を抑えるって発言を撤回してるし

    それにアリアさんとクイックローラーの例を見てもわかる通り、観客同士で争っちゃいけないなんてルールはなかったような気がするしなぁ…

  • 822二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 23:54:26

    勝ち筋はまぁあるんだけど
    問題は二千年を生きた大魔法少女に対して中学生の頭脳で正解に辿り着けるかってところなんだよな

  • 823◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 02:49:39

    書けた分だけ先に投下します……!

  • 824◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 02:50:14

    「真美ちゃんっ」

     ジャックの喉から悲痛な声が漏れた。
     今すぐ駆け寄り、真美の身体を燃え上がらせている炎を消し、下手人のテンガイなる女を殺してやりたい。
    ジャックがコートの内側に仕込んだナイフでいくら斬りつけても、観客席を覆う金網は傷一つ付かなかった。
     どうして、私以外の女が真美を傷つけるのか。
     憎悪に駆られ、ジャックは金網を殴りつける。

    「——落ち着くの、ジャック・ザ・リッパー」

     チームの一人、ジェイルフィッシュは、ジャックのように暴れることはなかった。
     両手を祈るように組み、じっとリングを見つめている。
     言葉とは裏腹に、瞳孔は不安げに揺れ、額には汗が光っていた。

    「私たちはここから出られない。真美っちに、言葉を伝えることも出来ない。
     だから、信じるしかない。
     ——真美っちが、絶対勝つって」

  • 825◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 02:50:45

    「無理だ」

     と、近くに座っていた、一つ目の仮面を付けた少女が断言する。

    「テンガイはまるで底を見せていない。あいつは——不死身だ」

    「あの程度の回復魔法で不死身なんて笑わせるわ。首を刎ねれば死ぬでしょ」

    「駄目だ。私は頭を撃ち抜いたが——時間が巻き戻って、無かったことにされた。
     あれを倒すなんて、魔法少女には不可能だ……」

    「黙ってなさい……! 殺されたいの……!?」

     希望を打ち砕くようなミストアイの言葉に、ジャックは怒りを募らせる。

    「……大丈夫なの」

     ジェイルフィッシュは、それでも力強く断言する。

    「ちょっと話してみて分かったの。
     真美っちは」

    「——本物の、魔法少女なの」

  • 826二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 02:51:14

    このレスは削除されています

  • 827◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 02:52:55

     愛の力で強くなると理解したのは、いつのときだったか。
     私は、正確には覚えていない。
     魔法少女になって一年経っても、妖精が言うような得意魔法が何一つ芽生えず、落ち込んでいたことは覚えている。確か、10歳の頃だったか。
     それでも腐らず魔法少女を続けたのは、正義感でも、奉仕の精神でもなかった。
     ——得意なことが、これしかなかったから。
     勉強は苦手。スポーツは普通。習い事もやっていないし、お金も持っていない。
     特徴が無いのが特徴、それが私、七海真美。
     魔法少女になったのは、怪我をしている子どもを助けるときの代償だったけれど、後悔なんてしていないし、あの時魔法少女にしてくれた人には感謝している。
     魔法少女という唯一無二の個性——じゃないことはすぐに知らされたけど(一つの街に魔法少女はたくさんいるらしいと、妖精が教えてくれた)、けど、クラスでは私だけだったし、友達にも魔法少女は居なかった。
     だから私は、才能が無いって気づいていても、魔法少女を辞めたりはしなかった。

  • 828◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:01:19

     私は、愛の力で強くなる。
     だから、私が負けるということは、私の愛が負けることと同義で。
     私が負けてしまうと、ブラックブレイドも、フライフィアーも、テンガイに負けたことになってしまう。
     私がテンガイを止められないと、他の友達にも危険が及ぶ。裂華さん、ジェイルちゃん、学校の皆。
     きっと、これから出来る、新しい友達。
     起き上がる理由は、それで十分だった。

     私は、魔法少女だから。
     友達のことが大好きな、七海真美だから。
     ——それでこそ、真美さんですよ。
     そんな声が、聞こえた、ような気がした。

  • 829◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:06:29

    (解析は——間に合わなかったか)

     テンガイは、わざと七海真美との戦いを長引かせていた。
     二度目の転送。
     リングにかけられた様々な魔法。
     真美との戦いの片手間にテンガイはそれらを調べ上げ、今この場で呪いを無効化し、解説席でふんぞり返る黒幕を始末することは無理だと判断した。
     だが、情報はかなり入手できた。
     例え天上に至ることができなくとも、長くとも24時間もあれば、この殺し合いの魔法の全容を明らかにし、脱出・無効化が出来る自信がある。
     そういう意味では、わざわざ指名してくれた真美には感謝した方がいいのだろう。
     リングの端まで来ていたテンガイは大仰に振り返り、気の利いた別れの挨拶を言おうとして。

  • 830◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:13:51

     大剣を振り上げる、真美の姿を捉えた。

    「何っ!?」

    「てりゃああああああああああああああああああっ!」

     身を焦がしていた炎が消えている。
     抑えつけていた重力はどこに行ったのか。
     疑問が解消される前に、『ランスロット』は振り下ろされ。

    「舐めんなバーカ!!! 『空間を操る魔法(ディアスティマ)』!!」

     瞬時に、刃とテンガイの間に、空間を発生させる。
     どれだけ『ランスロット』が名刀だろうと、あるいは真の力を発揮しようと。
     テンガイに傷をつけることは出来ない。
     故に全知全能。天の理を外れた魔法少女・テンガイ。
     『ランスロット』は空間に阻まれ——。

     

     

  • 831◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:21:40

     ——空間が、断ち切られた。

    「……は?」

     起こるはずのない現象に、テンガイは呆ける。
     そして、魔法少女の膂力で振るわれた刃は——テンガイの右腕を、肘から切断した。

    「うぎゃあああああああああああッッッ!! 僕様の右腕があああああああああああああああああッッッ!!」

     悲鳴を挙げながらも、テンガイの左腕が高速で動き、テンガイはその姿を消失させる。

     そして、真美から離れた場所に姿を表すと、顔を怒りで赤く染めながら、真美を睨んだ。

    「…………お前、お前、何だ、何だそれ……! 何だよその魔法!」

    「これは——私の友達の力だ」

  • 832◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:28:34

     真美の身体には、火傷一つない。
     否、それどころか、今まで以上に魔力が満ち溢れていた。
     テンガイは左腕を右肘に翳した。
     瞬間、テンガイの右腕が復元される。
     異常な回復力。拭い難い実力差。
     ……テンガイの顔には脂汗が浮かんでいた。
     今までの微細なダメージの回復ではない。失った四肢を生やすという荒業は、取り繕えない程の魔力消費をテンガイに与えていた。

    「…………空間切断魔法、か。厄介だな。
     悪いね、ちょっと君のこと舐めてたよ。ただの凡愚だとばかり。
     だからね、ここからは——本気だ」

  • 833◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:35:56

    「『稲妻を落とす魔法(ケラヴノース)』」

     屋内であったはずのリングに、雷が迸る。
     いくら魔法少女といえど、雷が直撃すれば只では済まない。
     真っすぐに真美に目掛けて落ちる一撃は

    「『なんでもぶった斬れるよ』」

     振るわれた『ランスロット』によって、切断され、消失した。

    「空間だけじゃないのかよ……!?」

    「——今の私は、なんでもぶった斬れる!」

  • 834◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:38:05

    (切断魔法か……。そんな便利なものがあったなら、どうして最初から使わなかった?
     切り札として隠しておくには温存し過ぎだ。もっと早く使うタイミングはあったはず……)

     その時、テンガイの嗅覚はある匂いを嗅ぎ取った。
     眉を顰める。
     からくりが分かったのだ。

    「『反魂香』か……!」

     

  • 835◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:42:23

    「良かった、真美っち、気づいてくれたの……!」

     観客席のジェイルフィッシュは安堵の声を漏らす。
     真美がテンガイと自らをデュエルに指名したとき。ジャックとジェイルは抑えようとして、間に合わなかった。
     しかし、シャボン玉に包んだアイテムを、真美の衣装に忍ばせることに成功していた。
     亡くなった真美の友人は、どちらも凄く強かったのだという。
     少しでも足しになればという判断での行動だったが、想像以上の結果を出した。
     観客席の声がリングに届いていれば、もっと早く使わせられたのだが。

    「頑張れ……頑張れ、真美っち……!」

  • 836◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:46:34

    (……ブラックブレイドさん、こんなに強かったんだ……)

     斬撃を飛ばすことが出来る。
     幽体を斬ることが出来る。
     そこまでは知っていた。けれど、空間さえも切断し、雷も斬るその性能は、真美の知るブラックブレイドの魔法を遥かに凌駕していた。

    (きっと、誰かを守るためにここまで進化したんだね……)

     その思いは、無駄にしない。
     どうして自分がブラックブレイドの魔法を使えるようになったのか、真美はあまり理解できていない。
     テンガイが真美を燃やしたときに、反魂香の煙が焚かれてしまった……という理由には気づけない。

     今はただ、友達が助けてくれているという頼もしさだけを、感じていられる。

  • 837◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:51:13

    「……タネさえ分かれば、簡単だよ」

     儀式などで使用するマジックアイテム。あらかじめ登録していた者が死亡した後、一定時間、その魔法を借用できるという魔法。

    (まさか序盤退場した中にこんな当たり魔法持ってる奴がいたとは驚きだよ。
     時間制限まで逃げ回ってもいいけれど——僕様がこんな格下に、逃げてたまるか)

    「切断だの、剣からビームだの、馬鹿馬鹿しいったらないよ。
     魔法を平気か何かと勘違いしてるのか。
     魔法っていうのは、生活を豊かにするためにあるんだぜ」

    「『服を綺麗にする魔法(カサロ)』」

  • 838◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 03:57:55

     それは、戦闘で使うために編み出された魔法ではない。
     ただ、服にしみついた汚れ、臭いを拭いさる魔法であり、すなわち、反魂香の煙でさえも、汚れと見なされ、除去される。
     消費魔力も格段に少なく、旅のお伴に最適な——。

    「『なんでもぶった斬れるよ』」

     煙が晴れる前に、『服を綺麗にする魔法(カサロ)』の効果が中断された。
     そんなことは、テンガイも読めていた。
     だからカサロを選んだのだ。一度二度中断された程度では消費魔力は痛くも痒くも無く、一度でもかかれば、真美は戦力を一気に低下させるのだ。
     テンガイは再びカサロを唱えようとして——魔法が発動しないことに気づいた。

  • 839◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:01:46

    「な、何で……」

    「その魔法は——もう、斬ったから」

    「は、はぁ!? 何言ってんだお前!?」

    「凄いよ、ブラックブレイドさん。とうとうこの境地に、立ったんだね」

     真美は、『ランスロット』をテンガイに向けた。

    「あなたは、ここで止める」

  • 840◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:09:30

    (…………面倒だ。そう、あくまで面倒なだけだ。
     無駄な消耗はしたくない。
     こんな雑魚の凡愚の格下に無駄に魔力を消耗して、本命との戦いに影響させたくない)

     『反魂香』の効果は3分間。
     たった3分時間稼ぎをするだけで、テンガイの勝利は確定する。

    (……いいぜ、君の『幸運』に敬意を表して、三分だけ遊んでやるよ)

     大剣が振るわれる。
     テンガイは、『一瞬で移動する魔法(アポスタシ)』を使い、斬撃から逃れる。
     ——『一瞬で移動する魔法(アポスタシ)』が、ぶった斬られる。使用不可能になる。

  • 841◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:18:47

     すかさず『霧を払う魔法(オミクレー)』を発動し、反魂香を除去しようとする。
     大剣が振るわれる。『霧を払う魔法(オミクレー)』がぶった斬られる。使用不可能になる。
     『水を創り出す魔法(ネロー)』を発動し、真美の溺死を狙う。
     大剣が振るわれる。『水を創り出す魔法(ネロー)』がぶった斬られる。使用不可能になる。
     『ゴーレムを操る魔法(ゲー)』を発動し、時間稼ぎを命じる。
     大剣が振るわれる。『ゴーレムを操る魔法(ゲー)』がぶった斬られる。使用不可能になる。
     『武器が柔らかくなる魔法(マラコ)』を発動し、『ランスロット』を無力化する。
     大剣が振るわれる。『武器が柔らかくなる魔法(マラコ)』がぶった斬られる。使用不可能になる。

  • 842◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:24:16

    「お前、ふざ、ふざけんなよぉ!?」

     遂にテンガイは——キレた。

    「何だよそのチート魔法!? 滅茶苦茶すぎるだろうが!!」

    「これが——ブラックブレイドさんの、私の友達が遺してくれた力だ!」

    「どうしてこんな魔法使える奴が序盤で死んでんだよッ!? 誰だよ殺った奴!?」

  • 843◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:25:44

     パラサイトドールはリングから視線を外した。

  • 844◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:33:39

    (くそっ、くそっ、見誤った……!)

     魔槍ダーマットという槍がある。魔法効果を打ち消す、魔法の国に伝わる伝説の武具だ。
     元々は、とある英雄的魔法少女の遺したものであり、つまり、かつて相手の魔法を打ち消す魔法少女が居たことを示している。
     だが、【魔法】そのものを斬殺する魔法など、聞いたことがない。
     そんな存在が、居ていいはずがない。
     そんな者は、明らかにこの世のルールを、天の理を外れている。

    (ああ、だけど、まだ、それだけなら、何とかなったさ……!)

     もし仮にそんな魔法少女が居たとしても、どうにか対処はできたはずだ。
     問題は

    (こいつ、七海真美……! どんどん『速く』なってやがる……!)

     剣を振るう速度が。魔法に反応する速度が。元から自分の魔法であったかのように、扱いに手馴れていく。
     テンガイは知る由もないが、七海真美は、友達を作ることが得意だ。
     それはつまり、どんな相手にも合わせられるということであり、——友達のブラックブレイドの魔法に合わせることは、造作もないことだった。

  • 845◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:51:33

     今、この瞬間、この場に限っては、七海真美は、テンガイに届く存在であった。

    (だけど……ああ、だけどな、まだ僕様の方が有利だぜ……!)

     望むところだ、と思う。
     2888年の魔法人生で。自らに届く者は確かに存在した。
     ギリシャに、ローマに、ブリテンに、中華に、アラビアに、日本に。
     今現在参加している殺し合いにさえ、自身に届く実力者が参加している。

    (それでも——僕様はテンガイだ)

     断じて、天蓋ではない。
     天の理など知ったことではない。
     そんな誰かが作ったルールなど超越してみせる。

    (指先が届いた程度で、負ける僕様じゃない……!)
     

  • 846◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 04:57:09

    (……もうそろそろ、ブラックブレイドさんの力を借りれなくなる……!)

     未だ、自分の身に起こったことを理解できない真美は、しかし、刻限が迫っていることを本能的に察知していた。
     後、一分、否、二十秒も無い。
     そして、ブラックブレイドの力を喪えば、今度こそ死ぬ。
     その前に、テンガイを斬る。
     視界に、観客席が映った。
     裂華とジェイルフィッシュが、こちらに声援を送っているのが、無音でも分かった。
     体に魔力が溢れる。
     絶対に負けられない。
     もっと、もっと強く……!

    (絶対に、勝つ……!)

  • 847◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 05:01:29

     七海真美は、最後の力を振り絞り、無数の斬撃を放った。
     もはやリーチは関係ない。剣を振った分だけ、全てを切り裂く斬撃が放たれる。
     テンガイの口から血が零れる。限界まで魔力を練り上げる。
     斬撃が一本でも届けば、死ぬ。あらゆる延命手段が、蘇生手段が、真美の魔法の前では意味を為さない。

     刹那の間に、静寂があった。
     互いの呼吸が合った故の、一瞬の平和。

     そして。

     斬撃と魔法が激突を開始した。
     

  • 848◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 05:15:53

    『壁を作/          /る魔法(トイコス)』
    『狂気を操る魔/       /法(セレネ)』
    『勝利の運/         /命を引き寄せる魔法(アナンケー)』
    『神/            /経を破壊する魔法(ヒステリア)』
    『破滅/           /の光を放つ魔法(フォス)』
    『閃きを生/         /む魔法(ソピアー)』
    『巨人に変/         /身する魔法(ギガース)』
    『新たな生命を生み/     /出す魔法(プシュケー)』
    『攻/            /撃を禁ずる魔法(ハルモニア)』
    『時間を加/         /速させる魔法(ニュクス)』

  • 849◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 05:22:51

     2888年かけて集めた魔法が、斬殺されていく。
     発動することなく、出鼻を挫かれるように、世界に影響を与えることなく消えていく。
     徐々に、斬撃はテンガイに近づく。
     斬られれば、終わり。
     だが、真美に残された奇跡の時間も残り数秒程度。
     二人は渾身の力を振り絞り、斬撃と魔法を放つ。

     ——かくして、第二試合の勝者が、決まることとなった。
     

  • 850◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 05:25:53

    七海真美ランクC→ランクBに上昇


    補正:反魂香→七海真美に+40


    七海真美:dice3d100=28 40 73 (141)

    再世 優/テンガイ:dice4d100=30 16 96 45 (187)

  • 851◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 05:30:03

    ……投下を終了します!

    申し訳ありません、次の投下は金曜日となります……!

    本日もたくさんの感想、ありがとうございました……!
    普段はWordで纏めて書いて投稿しているのですが、今日は中々纏まらず、思い切ってスレに直接書き込む形にしました……!
    それでは、今日もありがとうございます……!

  • 852二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 05:33:12

    おつですー

  • 853二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 06:12:04

    かなり際どい判定ですが、マジックアイテムで武装した分の補正値は加算しないのでしょうか?

  • 854二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 06:22:04

    確かにランスロットってマジックアイテム、アロンダイトが一番愛用してるっぽい凄え剣らしいし補正ないのはちょっとあれかな
    なかったらブラックブレイドの魔法が発動しなかったのも加味するとな

  • 855二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 06:40:14

    言及されて目逸らすパラサイトドールお茶目だな
    魔法ぶった斬る演出が凄くかっこいい、崇め讃えたいのに語彙力がなくてかっこいいしか言えない

  • 856二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 06:51:04

    >>853

    後から入手した要素は補正値に加算されないのかな?と思ったけど、ジャスティスファイアはブレイズドラゴンの必殺技を使える設定に後からなってたりしてて武装分の補正値ないのは自分も違和感あるかなー

    ランスロットが無かったらぶった斬る魔法使えないし、+10くらいはしてやってもええんちゃう?

  • 857二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 08:29:40

    強キャラっぽく振る舞いながら内心では冷や汗ダラダラ死に物狂いで戦うタイプのキャラ、好きかい?

  • 858二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:16:33

    このレスは削除されています

  • 859二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:18:03

    乙でした
    神経を破壊する魔法とかいうアリアさん涙目の魔法あって草

  • 860二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:20:44

    自分で「使えないからもういらね」って捨てた剣のせいで逆転負けするの、すんげー因果応報って感じで実に芸術だけどスレ主さん次第かなー
    あと「剣が認めた相手だけが使える」って設定だし真美ちゃんが認められる展開見てみたかった気も

  • 861二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:21:00

    残念だけどルールだしもう振ってしまったものは仕方ないかと
    戦果としては充分というか寧ろ怪物相手によくやったよ真美ちゃんとブラックブレイドは

  • 862二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:24:55

    勝つか逆転負けするかはスレ主次第だけど、ブラックブレイドの覚醒後に切れるものに「転生」ってあるし、転生魔法使えなくなってて是が非でもヨシネの心臓手に入れないといけない状況に追い込まれそう

  • 863二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:27:32

    分かったこれ自前の魔法じゃなくて『壊れかけの腕時計』で復活してくるパターンだろ

  • 864二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:29:57

    >>861

    ダイス値の問題ではなく補正値の問題ですし、それはスレ主さんの返答次第かなあ

  • 865二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:36:28

    >>864

    単純に後が怖いんですよ…

    今回は良いかもですけど、一回前例を作っちゃうと次のミッションとかでもゴネる人が出てスレが荒れるかもしれないじゃないですか

  • 866二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 10:17:40

    >>865

    後も何も「補正値とtierは今回だけ」とスレ主さんが説明補足の際に宣言しておられますし、後は今まで通り生存値だけでやっていくようなのでそれはあり得ないかと

    まぁスレ主さんが返答するまで待つのが良いのでは?

  • 867二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 11:25:51

    積み上げたものの一切を文字通り斬り捨てられてしまったらミストアイとの上下関係にも影響されそう。
    そしてパラサイトドールの動きも気になるものだ。

  • 868◆xaazwm17IRZa24/04/17(水) 11:36:19

    どうしましょうか……

    自分としては反魂香の+40ってブラックブレイドの魔法が使える状態→ランスロット持ってる状態でイメージしてたんですよね……

    この二つを別々に分けて補正かけた場合、反魂香単体でブラックブレイドの魔法を発動させるとして、剣無いじゃんとなるので補正は0~5、ランスロットの剣も単体だと精々+5~10、二つが組み合わさったことで初めて+40のイメージだったので。

  • 869二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 11:45:06

    スレ主がそう考えてたんなら問題ないでしょ
    説明は足りなかったかもしれないけどそういう時は後で「その分も含んでます」とか今みたいに考えを言ってくれればそれでいい

  • 870二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 12:13:32

    以前に反魂香の説明を聞いた時はそれ単体で+40の補正なのだと思ってました。説明して頂きありがとうございます。
    自分としてはスレ主様に従います。

  • 871二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 12:42:17

    グレンデルさん、完全に頂上決戦から置いてけぼりをくらってるな
    今リング上で何が起きてるかどのくらい理解してるんだろうか

  • 872二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 12:50:06

    こんなチートアイテムを当たり前みたいに持ってるなら、最強は右手にロンギヌス、左手にランスロット、口にダーマットを咥えたフル装備アロンダイト様なのでは…!??

  • 873二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 12:53:09

    補正合わせるとダイスの数値も僅差だし、空間操作も瞬間移動も切られて強者と張り合える魔法がもうほとんど残ってないだろうね
    ブラックブレイドの魔法の切れるもの一覧に『転生』とあるから文字通り死ぬ気で天上を目指さないといけなくなりそう

  • 874二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 13:36:47

    このレスは削除されています

  • 875二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 15:32:18

    >>859

    神経に関わることはなんでもできるっぽいアリアの魔法に殺すことしかできない完全下位互換魔法で挑んでも負けるだけだぞ

    万能な代わりに出力勝負だと絶対に負けるのがテンガイだからな

  • 876二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 16:55:12

    遅ればせながら乙です。

    スレ主さんは「強者の一人であって突出してるわけではない」と言っていたけど、確かに怪物どころか想像以上に底が浅いなテンガイ。
    戦闘経験豊富みたいなモノローグの割にはテンガイ団地の時からチート魔法でゴリ押し以外は何もしてないし、スレ主さんが言ってた技量も身体スペックも底辺レベルってのがよく分かる。

  • 877二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 17:14:58

    >>876

    今まで言われてるだけのスペックでティターニアやブレイズドラゴンと互角って言われても正直疑問だしまだなんかあるんでしょ

  • 878二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 20:35:13

    仮にこのままテンガイが勝ったとして、今後ずっと手札を18/300削られた状態で戦うのか
    ますます心労が増えそうだ

  • 879二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 20:49:25

    パラサイトドールがブラックブレイド殺した以外に出番がほぼ解説役なあたり精神操作とか絶対に作劇上使い辛いだろうし、これを機にメタ的に使い辛い魔法は全部削られたことにすればいいわね
    描写的に大半の魔法が使えなくなったっぽいし

  • 880二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:36:02

    相性のジャンケン勝負であいこになると確実に負けるのはかなり致命的な弱点なんだ
    器用万能か器用貧乏かは状況で変わる…!

  • 881二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 00:54:00

    初期から言及はされてたけどなかった場所案です
    この期に投げてみました

    【名前】新電波塔
    【説明】あにまん市歓楽街最大のランドマーク
    さながら魔王城のような黒い尖塔で、下層にはクラブ〝Man-Man〟を始めとした様々な施設を内包している。
    厳しいセキュリティが敷かれているが、魔法の国から功績を認められた優秀な魔法少女であれば上層やVIPエリアを利用することも可能。

  • 882二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 00:54:27

    それどころかジャスティスファイアVSクライオニクスでも弱点相性を出力差でひっくり返されるのはもうやってるんですよね
    300種類も魔法を使える都合上、特化型に出力では絶対に勝てないメタルールなので、ただ単にグーにパー出しただけでは恐らく勝てないんですよテンガイは
    その出力勝負を根本からひっくり返せるのが空間操作や瞬間移動だったようですが、メインウェポンだったそれらを失ったテンガイは相当不利だと見るべきでしょう

  • 883二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 01:11:23

    一巡目までの生存が確定したので参考までに現在の市内マップを作ってみました
    あくまで作中描写から推察したものですので、情報の齟齬がございましたらご指摘ください

    【あにまん中央エリア/中心街】
    ・Aタワー
    ・あにまん市駅
    ・女性専用カフェ「リリィ」
    (スピードランサー)

    【あにまん市北エリア/山岳地帯】
    ・茶羽落谷(北端)
    ・茶羽落谷奥地(最北端)
    ・腐泥沼地
    ・虹京共同墓地
    ・アニマ精神病院
    ・ネッカーピン資料館(北端)
    (ジャック/ジェイルフィッシュ/ミョルニル/ドレッドノート/クレアボヤンス/ハイエンド/クィーン/AIWOTD)

  • 884二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 01:11:47

    【あにまん市東エリア/学生街】
    ・学生街
    ・第二あにまん市営団地
    ・あにまん市立高等学校
    ・旧アニマン音楽ホール
    (ティターニア/慈斬/天城千郷/ミストアイ/テンガイ/ハスキーロア/ワンフロムアウター/抜刀金)

    【あにまん市西エリア/糧鮴】
    ・糧鮴(北西部)
    ・女鹿ヶ浦(南西部)
    ・アニー・アーマーン邸(南西部)
    ・阿仁満温泉旅館
    (バルバロイ/ジャスティスファイア/冨島千秋)

  • 885二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 01:12:26

    【あにまん市南エリア/歓楽街】
    ・歓楽街
    ・姐鎮埠頭(南東端)
    ・あにまんマンション
    ・ナイトクラブ〝Man-Man〟
    ・あにまん大橋
    ・老いた魔法少女工房
    ・新電波塔
    (ウェンディゴ/ブレイズドラゴン/ネコサンダー/ナイトメア★メリィ/クリックベイト/プア/バーストハート/ハニーハント)

    【魔法の国】
    ・霊都エメラルド
    ・密やかなる夢幻館
    (パラサイトドール/パンデモニカ/ああああ/オートクチュール/アロンダイト/トートアリア/グレンデル/パトリシア)

    【その他】
    ・あにまん市地下街
    ・地下下水道
    (オオカワウソ/ハートプリンセス)

  • 886二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 01:33:54

    まとめて頂けたのはありがたいんですけど、前に投げられてwikiにまとめられてない場所案やらエネミーやら割と大量にありましたねそういえば
    病院とか地下軍事施設とかあったような

  • 887二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 01:41:06

    >>886

    今見返したらwikiにまとめられてないの結構あるんですね

    自分はあまり投げないので気づかなかったです

  • 888二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 02:32:18

    まとめたすかる
    大体略称で呼ばれるAiWotDに草

  • 889二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 02:59:21

    パンちゃんの話通り新幹部たちがランスロット、ロンギヌス、ダーマットを回収に来るとしたらそれぞれ北/東/西に分かれて良い感じに引っ掻き回してくれそうなんだよね…
    これは乱戦の予感

  • 890二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 07:45:45

    各個撃破の形になりそう

  • 891二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 11:12:25

    おつ

  • 892二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 14:49:11

    人数が少ないのもあるけど参加者だけ見れば西エリアが現在のところ一番安全か
    満身創痍だけど反運営の二人と交戦回避可能なバルバロイ

  • 893二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 17:27:11

    あにまん市だけじゃなくてブレイズドラゴンやハイエンドみたいな傭兵の魔法少女とか暗殺者の魔法少女とかが裏社会で暗躍してるこの世界マッポーすぎる

  • 894二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 19:22:01

    このクッソやばいブラックブレイドの魔法をハスキーロアが受け継いでるんだなぁ
    獣化した鉤爪でぶった斬るんだろうか

  • 895二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 19:28:37

    言われてみると西の平和さに比べて東が魔境すぎるな
    ティターニア目当てでジャックやスピードランサーも合流するかも知れないし

  • 896二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:41:54

    負けたくないけど勝ったとして先が暗いテンガイ
    それなりに愛着が湧いてた魔法達が使えず消えたのはちょっと可哀想とは思った

  • 897二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:54:13

    ・時間操作、空間操作、瞬間移動をはじめとする保有魔法の殆どが消滅。残った魔法も作品のルール的に特化型に勝てるものは存在しない
    ・本体の身体能力と技量と戦闘センスはチンカス以下
    ・真美を獲物にしていたジャック、元々ブッ殺対象のティターニアから確実に殺意を向けられる
    ・テンガイ・ラッシュの情報を全員に送ったせいで優勝が目的じゃないバトルジャンキーの野蛮人達が押し寄せてくる可能性もある

    これから全ては生存ダイス次第とはいえお先真っ暗ですねテンガイさん

  • 898二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 00:19:46

    9割9分無いとは思うがもし仮に色々失くした後で魔法がフルに使える状態を前提としたテンガイ・ハントが発生したら……

  • 899二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 00:33:03

    お前も「友達」にしてやる
    ルートはないか…?
    ないか……

  • 900二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 00:43:24

    >>897

    テンガイがストイックに2000年以上の時間と労力と愛着をかけて築き上げた魔法を一夜にしてほぼ全てがもう二度と使えないようにぶった斬られるんだ これはもうSEX以上の快楽だッ


    ほらテンガイ! 心の強さでもう2000年!

  • 901二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 08:50:44

    >>897

    ちょうど喧嘩がしたくてたまらない野蛮人が参加者にいますね

  • 902二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 15:59:27

    テンガイに伸び代があればここで覚醒しそうだけどどうだろうか

  • 903二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 16:18:25

    2000年以上生きてて全知全能とかいうチート設定を「関係ない魔法を使える場合は弱くなりますよ」ってルールに則ってアレコレやってたのにいきなり覚醒とか「実は特化方にも勝てる最強の魔法があります」とかやられたらそれは逆に興醒めですね

  • 904二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 17:27:13

    実際ティターニアと引き分けた事実は変わらないからね
    どうなるか

  • 905二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 17:27:30

    舐めプした結果積み上げたものぶっ壊されて四強から陥落
    マジックアイテムもばら撒かれた現環境ではもしかしたら下から数えた方が早い立ち位置かもな
    魔法はともかく、精神的な覚醒はあるかもしれんぞ

  • 906二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 17:44:39

    >>903

    設定にも鍛えすぎてやることないって書いてあるしね。描写的にも天上以外に伸び代ないみたいな感じだし

    やっぱマジックアイテムの壊れた時計がキーか?

  • 907二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 18:18:39

    >>906

    ただテンガイに関しては設定がどこまで本編に採用されてるかまだわからんのよな

    「死後の世界を見に行った」とか「六年ぐらい世界の時間を戻した」とか「魔法少女のバトルロワイヤルに参加しようとしたが一番偉い人直々に出場を断られた」とか、制限されてるから出来ないだけなのか、そもそも全部ハッタリだったのか

  • 908二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 18:20:26

    若者に感化されたテンガイさんがツェズゲラみたいになって自分自身と向き合う展開くるか

  • 909二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 18:30:55

    >>904

    あんだけチート魔法使ってて引き分けにすら持ち込めないのならそれは流石にお粗末もいいところなのでは…

    それらを失えば超絶弱体化するのはまぁ当然ですね

  • 910二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 19:25:42

    >>908

    真美ちゃんの見せる人の心の光がミストアイやテンガイにどんな影響を及ぼすのか興味はありますね

  • 911◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 22:38:21

    今日も始めさせていただきます……!

    今回もリアルタイム投稿で投下していきたいと思います……(今まではWordで一気に書いてたんですけど、きりのいい所まで書こうと思って投下が遅くなってたので)

    投下中でも構わずレスしてくださって大丈夫です……!

  • 912二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:40:19

    へへへッ新鮮なSSだぜぇ…!感謝

  • 913◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 22:51:39

     綺麗な桜だと、そんなことを思った。
     美しく咲き誇る桜並木の奥から、二人の少女が歩いてくるのが見える。
     コンビニのレジ袋を陽気そうに振り回しているのはらいとちゃんで、古式ゆかしいふろしきを大事そうに持っているのは、葉月さんだった。
     そうだ、と私、七海真美は思い出す。
     今日は、お花見の日だった。
     魔法少女の友達をたくさん呼んで、みんなで美味しいものを持ち寄って、お花見とお疲れ様会を兼ねて。

    「場所取り、感謝であります!」

     びしっ、とらいとちゃんは敬礼した。
     私も見様見真似で敬礼を返す。
     場所取り? ああ、そうだった。
     私は周囲を見渡す。
     これだ! と思った桜の下にピクニックシートを敷いて、私は皆を待っていたんだ。
     皆より1時間も早く待っていたけれど、全然苦じゃなかった。
     むしろずっとわくわくそわそわしていて、場所取りの役目を負っていなければ公園を走り回っていたに違いない。

  • 914二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:52:10

    とんでもねぇ、待ってたんだよ。

  • 915◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 22:57:11

    「申し訳なかったですね。1時間退屈じゃなかったですか?」

     葉月さんは右手を立て、ごめんのジェスチャーをする。
     気にしないでいいです、と私は首を振った。
     本当に、全然苦ではなかったのだ。
     むしろ、この1時間は楽しかった。
     私は、一緒に場所取りをしていた友達に顔を向ける。

    「全然退屈じゃなかったですよね——テンガイさん」

    「ああ、僕様が真美を退屈させるわけないだろ」

  • 916二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:02:22

    存在しない記憶!??

  • 917◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:02:54

     緑色の綺麗な髪には、桜の花びらが付いていて、薄い胸を張るテンガイさんはそのことに気づいてないみたいだった。
     その可愛らしい様子に私はくすくすと笑った。

    「あ、裂華殿と夏実殿も駅に着いたみたいであります」
    「じゃあ、私とらいとさんで迎えに行って来ますね」
    「他の皆さんもそろそろ来る頃合いでありますな」
    「ちょっと遅れる人も多いみたいですよ。昨日日本に着いてまだ時差ぼけが治ってないとか」

    「じゃあ、私とテンガイさんは、引き続き場所取りしてますね」
    「僕様に任せておけ~」

  • 918二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:08:52

    ◇ここは…あの世?

  • 919◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:09:14

     コンビニで買ったジュースと、お家から持ってきた高級そうなお弁当をシートに置いて、らいとちゃんと葉月さんは他のメンバーを迎えに行ってしまった。
     なにしろ大人数だ。

     そーっとお弁当に手を伸ばすテンガイさんの手を、私は優しくはたく。

    「もう、私たちだけ先に食べちゃ悪いですよ」
    「僕様は全知全能だぜ、スナックのつまみ食いだってできる」
    「出来てないじゃないですか、私に阻止されて」

     テンガイさんが取らないように私はレジ袋を背中に隠す。
     ちぇっ……とテンガイさんは肩を落とした。

     三千歳に近い年齢だとは知っているが、こうしてみると、同年代の女子にしか見えない。時々、もっと子どもに見えるときもある。小学生のジェイルフィッシュ……夏実ちゃんの方が、よっぽどしっかりしている。

  • 920二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:13:59

    あれこれ…今の人格って本当にテンガイか…?
    怪物に乗っ取られた13歳の女の子だったりしない?

  • 921◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:16:23

    「けど、不思議ですね。私とテンガイさんが、こうして同じピクニックシートの上で、桜を見ているなんて」

    「だなぁ」

     テンガイさんは桜を見上げた。きっと私の何百倍も桜を見ているだろうに、テンガイさんの顔は新鮮に輝いていた。

    「最初に会ったときは、僕様と真美、敵対してたもんなぁ」

    「だってテンガイさん、めちゃくちゃ危険人物な言動してましたもん。テンガイラッシュとか、心臓持って来いとか、優勝させてやるとか。私てっきり、巨悪だと思いましたよ」

    「その認識は間違ってないぜ。僕様は——悪だ。君たち正義の魔法少女とは相反する存在だぜ。
     けど、その境界をぶった斬っちまったのが君だ」

  • 922◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:20:32

     まさか、なぁとテンガイさんは呆れたように笑う。

    「参加者全員と友達になってデスゲームを破綻させるとは思わなかったよ」

     私も笑った。
     そうだ、私たちはついこないだ、デスゲームに巻き込まれた。
     魔法の国の王さまに呪いをかけられて、あにまん市で最後の一人になるまで殺し合いと命じられたのだ。
     けど、私たちは魔法少女だ。バッドエンドは似合わない。
     私たちは時にはぶつかり合いながらも互いを理解していき、遂に『誰一人犠牲者が出ることなく』『ゲームをぶった斬る』ことに成功した。
     この花見は、そのとき友達になった参加者の皆とのお疲れ様会だ。
     
     

  • 923◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:26:48

     最初は敵対し、激しい戦いを繰り広げたテンガイさんとも、分かり合うことが出来た。
     他にも悪い魔法少女や、強い魔法少女と、戦って、気持ちをぶつけ合って——友情を育んだ。

     牢屋に閉じ込めた魔法王やその手下ともいつかは友達になれる。
     私は、そう信じている。

     ああ、それにしても、なんて綺麗な桜なんだろう。
     あにまん市の何処に、こんな絶景スポットがあっただろうか。他のお客さんは全然見えないし、貸し切り状態だ。
     こっそり変身して飛んだり跳ねたりしても、大丈夫かも。
     テンガイさんに魔法を教えてもらうのも、楽しそうだ。

    「テンガイ、さん」

     私は、友達に微笑みかけた。

    「私は、死んだんですね」

  • 924◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:33:06

    「…………そうだな。僕様が勝って、君が負けた」

    「今見ているこれは、テンガイさんが?」

    「僕様は、全知全能だからな……。『安らかな夢を見る魔法(イープノス)』なんてものも、使えるのさ……」

     私は、覚えている。
     らいとちゃんも、葉月さんも死んでいる。
     他にも、たくさんの犠牲者は出ている。

     何より、私はらいとちゃんや葉月さんとお花見をしたことはない。
     二人に互いを紹介する機会を準備している間に、殺し合いが開かれ、二人は喪われてしまったから。

    「どうして、私にこんなことを……?」
    「それはもちろん、君にさっさとあの世へ行って欲しいからさ。無駄に足掻かれても迷惑だっつーの」

  • 925二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:38:41

    甘い、甘い夢だなぁ
    苦しくなるほど幸せな夢だ

  • 926二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:42:16

    このレスは削除されています

  • 927◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:49:53

     それは、確かに本音なのだろう。
     けれど、それだけではないような気もした。

    「私、今日初めて、本気で人と戦いました。
     エネミーと戦うときとは全然違う。痛いし、怖いし、何より、とっても悲しい……」

    「だったら君には戦う才能がまるでないな。
     ご近所の困りごとを解決でもしてるべきだった」

    「そうですね……愛の力で、強くなる……きっとこれは、誰かをやっつける魔法じゃなかった……」

     ああ、それが敗因なのだろうか。
     ブラックブレイド……葉月さんの魔法は、本当に凄かった。
     担い手が私でさえなければ、きっとテンガイさんを——テンガイに、勝てていたのだろう。
     

  • 928◆xaazwm17IRZa24/04/19(金) 23:58:41

    「戦いは、僕様の勝ちだ。これだけは譲らないぜ。それにな、言っとくけど、僕様、マジで本気出してないから。
     分かってると思うけど、めっちゃ手抜いてたから。ガチでやってたら僕様の圧勝だったから。
     そこんとこ、勘違いすんなよ?」

     素が出たときの葉月さんくらいのテンパり具合を見せるテンガイに、私はどこか親しみを覚え——けれど、結局は、彼女は以前他者に害を為す存在で、私は彼女を止めることは出来なかったことを思い出した。
     たぶん、テンガイを止める最大のチャンスを、私は無為にした。
     奇跡に奇跡が重なっての、一時的な拮抗。
     きっとテンガイはもう二度と同じミスを犯さない。

     リングに上がったのは私で、本当に良かったのだろうか。
     ただ私は、意味も無く死んだだけなのだろうか。

  • 929◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:07:10

    「勘違いするなよ、凡愚」

     と、テンガイは苛立たし気に言った。

    「お前のせいで、僕様の計画ぶっ壊れたからな。
     お前のせいで、僕様は積極的に人を襲えなくなった。
     お前のせいで、心臓探しも慎重にやる必要が出てきた。
     お前のせいで、僕様は大幅に弱体化だよ、ムカつくけど」

     テンガイは大きなため息をついた。

    「あの切断魔法はナーフしろよクソ運営、とは思うけどさ。
     担い手がお前じゃなかったら僕様はもっと楽に勝ってたよ。
     本当に——反吐が出るほど嫌いだぜ、七海真美」


     

  • 930◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:10:42

     それはきっと、テンガイの偽りざる本音で、同時に、私への手向けだったのだろう。

     ああ、間違っていなかった。
     テンガイの無数の魔法をぶった斬って、その息の根を止めようとしたとき。
     私は、どうして、と疑問に思ってしまったのだ。
     どうして、魔法少女同士で殺し合っているのだろう。
     私が今、友達の魔法で殺そうとしている相手は、生来の悪なのだろうか。
     果たして、生まれながらの悪人が、魔法少女になるだろうか。

     そんな風に迷ってしまったから、負けた。
     ……なんていうのは、きっと言い訳だろうけど。

  • 931二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:14:51

    愛で戰う少女に幸せな夢見せて終わらせようなんて意趣返しみたいな事するのもテンガイさんらしいと思ってしまう

  • 932◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:17:24

     もしかしたらテンガイにも、譲れない事情があるのかもしれない。
     私はそれを尋ねようとして——時が来たのだと、悟った。
     シートから降りる。
     もう、逝かなければならない。

    「じゃあな、七海真美。死後の世界は楽しいところだぜ。僕様の夫もいるから、会ったらよろしく言っといてくれ」

     テンガイのその言葉に、私は腑に落ちるものがあった。
     殺されたのは悔しいし、友達だとは口が裂けても言えない。生き残った他の友達に今後危害を加えるなら怨霊になってでもあの世へ引っ張り込んでやるとも思うけれど。
     私は、テンガイの本質に、少し触れた気がした。

     だから、私なりに、好きか嫌いかで言えば限りなく大嫌いに近い彼女に、けれど素敵な夢を見せてくれた彼女に。

     ——事実を、教えてあげようと思った。

  • 933◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:27:23

    「貴女と戦っているとき——亡くなった友達の声が、確かに聞こえました」

     それだけで、良かった。
     テンガイは、目を見開いていた。
     私に追い込まれていた時にさえ見せなかった動揺が、顔いっぱいに広がっていた。

    「……本当に?」

     まるで縋るような声色に、私は頷く。
     どうしてそうなったのかは、分からない。
     私は、この人のことを、まるで知らない。

     けれど、このテンガイという悪人が、死後の世界の存在を語りながら——まったくその存在を信じてなくて、かつ、どうしてもあって欲しいと願っているのだということは、何となく悟れた。

     ……むぅ、生前ももっと察しが良ければ勉強好きになれたかも。

     なんて、後悔を数えだしたらキリが無いけれど。
     家族のことを思うと胸がキリキリと痛むし、学校の友達のことも考えたくない。
     将来やってみたかったことも考えだすと、辛くなる。
     
     やっぱり二、三発この緑髪殴ってから逝こうと思ったけれど、そんな時間はもう無いみたいだった。

  • 934二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:28:13

    そういえば今までテンガイが何を考えてるかとか内面描写はされてなかったな

  • 935二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:29:04

    5発でも許されると思います

  • 936◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:31:08

     らいとちゃんの声が聞こえる。
     葉月さんの声が聞こえる。
     他にもたくさんの人が話している。
     暖かい場所に向かって私は歩み出した。
     そして私は、魔法少女・七海真美は——その生涯を終えたのだった。

    【七海真美 死亡】
    【残り 31人】

  • 937二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:32:26

    何かが違えば友達になれたのかな

  • 938二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:36:15

    何千年もずっとこの魔法で友人や敵、大切な人を送ってきたのかな

  • 939二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:37:11

    この先更新されない限り今が一番人間らしさ全開なテンガイさん

  • 940◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:41:25

     デスマッチリングから敗者が去っていく。
     穏やかな顔をしたまま粒子化していく少女を見送り、テンガイは乱れた髪を整えた。
     果たして何を思うのか。それを悟れた者は、既にこの場になく。
     ただ残った剣を拾うと、テンガイはそれを高々と掲げ——解説席へと向けた。
     その顔は——七海真美には見せなかった悪辣な笑みを浮かべて、テンガイは解説席へと剣を振る。
     そして、ゆっくりと唇を動かした。

  • 941二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 00:41:45

    そういえばこの世界、他の老いた魔法少女は何してるんだ?
    テンガイが一人だけ長生きな理由って説明されてたっけ

  • 942◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:45:39

    「げっげっげ、何のアピールだ?
     飼い主に尻尾でも振ってんのか。
     剣闘士としちゃ、立派な態度じゃねぇか」

     グレンデルはテンガイの態度を、自らへの媚びだと感じ、愉快そうに笑った。
     それが叛意を隠す偽りの態度だとしても構わない。
     ここまでの戦いで、テンガイは強いことは理解したが——戦闘IQに関しては、自分の方が遥かに高い。
     ましてや、今の戦い(色々パラサイトドールに解説してもらった)を経て、戦闘力を大きく失ったテンガイならば、狩りの獲物としてちょうどいい。
     まだまだこのゲームは楽しめそうだ、とグレンデルは囁いた。

  • 943◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:51:46

     パラサイトドールは、じっとテンガイを見下ろしていた。
     剣を振り、こちらに向かってゆっくりと唇を動かすテンガイを、支配者として当然のように観察していた。

     『お』・『く』・『びょ』・『う』・『も』・『の』

    (……気づいたか)

     第二試合でブラックブレイドの魔法を再現する際に使われた大剣。
     それを使ったアピールは、パラサイトドールへの挑発が目的だった。
     ブラックブレイドを殺したのはお前だろう。
     お前が直接手を下さなければならないほど、ブラックブレイドの魔法は都合が悪いのだろう、とテンガイは言外にそう言っているのだ。

    「…………マジムカつく」

     それを知っただけでは、テンガイを始末できない。
     自らの不自由さに、パラサイトドールは不機嫌を隠さないまま、億劫そうに息を吐いたのだった。

  • 944◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 00:52:24

    投下を終了します……!

    ジャック、ジェイルフィッシュ、ミストアイの反応は次回に回します……!

  • 945二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:00:13

    おつ

  • 946二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:00:15

    >>941

    一応設定で年寄りなのは老いた魔法少女(工房の方)とトート・アリアだと思う後は10~30後半の年齢層が多いな

    ワンチャン年齢か精神年齢が低くければ低いほど魔法が強くなる可能性が微レ存?

  • 947二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:01:46

    おつですー
    あの態度は何度も転生して得た魔法やその他のものに起因するものだと思っていたけど、もしかしたら『鎧』であるセンもあるかな 魔法の強力さに反して戦闘センスが無い…というよりそもそも本来戦闘に向いてなかったりして

  • 948二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:02:46

    乙です、楽しい花見でしたね…

  • 949二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:03:53

    ハスキーロアがブラックブレイドの魔法を継承していて、それを運営側が把握していないとするとダイス次第では対運営の切り札になるのかもしれないね

  • 950二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:08:45

    乙でした〜
    テンガイ過去編?が楽しみですね
    少なくとも死者を悼む心があるって分かった上で今までの行動を見ると本当に何があったんだろう

  • 951二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:15:47

    グレンデルは元ネタであろう同じ戦争屋のサーシェスが自称していたように「人間のプリミティブな衝動に準じて生きる最低最悪な人種」なのね
    同じ獣化魔法を使うハスキーロアと違って完全な怪物に変化し、クレアボヤンスが獲得したマジックアイテムの原液(神獣の血液?)に適合できたのも元から心が怪物だったゆえか

  • 952二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:22:40

    こうなるとテンガイが心臓を得てなるであろうものよりそれになった後、何をするのか(したいのか)、が気になる所
    魔力量を気にするあたりおそらく莫大量が必要な魔法なんだろうし……

  • 953二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:28:15

    本当に欲しかった剣の才能はなかった(人類の頂点級ではなかったという意味で)が、魔法少女の才能は神域だった葉月ちゃん(ブラックブレイド)
    悲しいね

  • 954二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:28:53

    魔法の国がいつからあるのか分からないけど、テンガイさんが数千年生きてるならそれこそ最初の魔法少女や生前のランスロット、天上に至る前のパラさんなんかと顔見知りでもおかしくないよな
    その辺の因縁も気になるところ

  • 955◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:31:54

    >>883

    場所を纏めていただき、ありがとうございます……!

    2巡目からは近隣エリアで括ってダイスを振っていこうと思っていたので、とても助かります……!



    >>941

    魔法少女が老いるとどうなるかは未設定ですね……

    何となく10代がボリューム層で、大人になる前に引退

    20代、30代まで続ける人は滅多にいない、みたいなイメージで考えてます

    がっちり決まっているわけではなく、私の中でもふわふわしてます……

  • 956二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:33:39

    >>951

    ワイアルドやサーシェスの同類であるならば、死力を尽くした戦いがしたいのではなく「7、8割の力で敵をいたぶって殺す戦争」が好きという点はブレイズドラゴンとは明確に異なるか

  • 957◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:36:42

    一般人パート終わったら、せっかくエリアの場所も定まってきたことですし、各キャラクターの所属を整理をしようかなとは思ってます。

    【小学生組】
    【中学生組】
    【高校生組】
    【裏社会】
    【魔法の国】
    みたいな感じで

    魔法少女だったのは知らなかったけど、同じ学校/クラスだったわ、みたいなのはありそうなので

  • 958二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:38:40

    そういえばニャルセーヌの説明に「魔法少女部」なる単語が出てきたしキャラ間の深い繋がりも気になる…

  • 959◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:39:10

    (……クリックベイトハーレムのメンバーも纏めねば)

  • 960◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:41:52

    魔法の国の歴史(神話の時代絡み)や邪神の皆さんの設定は、もう少しバトロワ本編が進んでからで……
    今でもふわっとは決めてるので、完結前には詳細示せるかとは思います……

  • 961二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:43:12

    アメリカ政府機関にお呼ばれして、ペンタゴンとも恐らく仕事で仲良しこよしなブレイズドラゴンはなんか裏社会の超大物みたいな感じだ
    それでいてナイトメア⭐︎メリィでも一切の情報が掴めていないのがスネーク的な伝説の傭兵みたいな

  • 962二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:45:33

    >>946

    上位組4人が全員割と歳いってるのは強い奴が順当に生き残った結果なんだろうな

    戦場で老人をみたら強者と思えみたいな

    それでも覚醒したブラックブレイド相手だと厳しいだろうが

  • 963◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:52:25

    後、これはちょっと相談なんですけど今回デュエルを勝ち残ったジャスティスファイアとテンガイは、2巡目の生存ダイス振らせるかちょっと悩んでいます。

    というのは、なるべく参加者が生存ダイスを振るのは同じ回数にしたいと思っていまして
    既に両名は生存ダイスより確定死亡の可能性が高いデュエルの勝敗ダイスを振っているので、2巡目で他のキャラと同じように生存ダイス振らせるのは不平等かなと思ったり……

    ただ、デュエルに選ばれること含めて運なので、他のキャラと同じように生存ダイス振らせるべきという意見も一理あるとは思っていて、どっちにするか決めかねています

    一応明言しておくと、デュエルで溜まったダメージやテンガイの魔法喪失状態は2巡目終了後も残り続けるので、「次の6時間生存確定なら必死に削った意味が無い」展開にはしないです

    皆さんの意見を聞かせていただいたうえで、私が判断したいと思います……

  • 964◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 01:57:50

    それでは、本日もたくさんの感想ありがとうございます……!
    いつも想像以上にたくさん感想をいただき、とても嬉しいです……!
    少しでも楽しんでいただけているのなら、幸いです……!

    ここしばらく用事が立て込んでいて、次の投下は月曜日夜の予定です……! 投稿頻度が少なくなり申し訳ありません……!

    それでは、本日もありがとうございました……!

  • 965二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:59:15

    10以下だと死亡のルールだけ残してダイス振るとかでも良いんじゃないでしょうか
    それ以上の低い値が出たとしても局面が思い通りに進まないだけでしにはしないとか

  • 966二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 02:01:37

    登場シーンがあるなら他の人と全く同じように生存ダイス振るべきなんじゃないっスかね
    結局は運だし、デュエルも他より多くの出番があったってことでもあるんで

  • 967二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 02:03:30

    あぁー「二巡目には登場はするけど生存ダイスはしない」ってことですか?
    登場するなら普通にダイスは行うべきだと思いますが

  • 968二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 02:08:13

    寧ろダメージや魔法喪失状態があるならー30ぐらいのマイナス補正を付いた状態で生存ダイス振った方が良くね?

  • 969二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 02:12:22

    実際テンガイが戦うなら覚醒後ブラックブレイドの方が、覚醒後ブラックブレイドの魔法を使える真美と戦うより楽なんです?
    覚醒後はテンガイと同じAランクなら同格ってことになるんでしょうが、真美を褒め称える意味で言ったんですかね?

  • 970二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:34:18

    とはいえメタ的には死亡率1/2前後の出目比べに一度勝ったわけで、二人の生存ダイスは免除か激甘判定でもいいと思う……と異を唱えてみる

  • 971二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 08:12:32

    登場シーンごとに生存ダイスを振るのは当たり前なわけで、その意味ではタイマンも同じだと思うんですよね。タイマンに登場しなかったキャラの方が逆に言えば出番がなくて不公平だったと見ることもできるわけで
    特に前回は戦闘シーンもなく同盟組んだだけで終わりみたいなキャラも居ましたし
    出番があるなら普通にダイス振るべきだと思いますが

  • 972二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 09:47:00

    まぁ登場するなら「普通にダイスを振る」

    もしくは判定を甘くする・ダイスを振らない場合は、タイマンで負ったダメージやデバフが今後永続することも加味して「登場シーンが他と比べて少ない」、「ダイスの結果によらず、そのキャラにとって都合の良い展開にはならない」などの措置があるべきですかね

    「『もうすでに生存ダイスを振ったから』というなら、2巡目前に登場したってことだから2巡目には出なくていいだろ」みたいな声もあって荒れそうですし、そこらへんが落とし所ですかね

  • 973二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 09:48:20

    プラスもマイナス補正もかけず普通に生存ダイス振るでいいんじゃないの
    運が絡む以上不平等は絶対発生するし

  • 974◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 10:32:51

    確かに皆さんの仰る通り、死亡率が上った代わりに出番が増えているので、死亡率だけ是正するのもおかしいですね……

    なので、2巡目も他のキャラと同じように生存ダイス振ろうと思います……!

    意見を書いてくださった皆さん、ありがとうございます……!

  • 975◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 10:56:02

    なお、ここで自戒もこめて明記させていただきますと

    【生存ダイスは90以上で確定生存、10以下で確定死亡】
    確定死亡に関してはパラサイトドールや邪神も例外ではありません
    本体が別に居るタイプも本体ごと死亡します(メンダシウム、ワンフロムアウターの中の人など)
    確定生存に関しては、運営追加組は話の雰囲気によっては死ぬかもしれないです。ちょっとこれは次のレスで詳しく書きます。

    【生存ダイス11~89には明確な生死基準は存在しない】
    このキャラクターは40でも死亡したのに、このキャラクターは30で生存した……という事例も発生します。
    ○○という状況なら30で死ぬ、××という状況なら20でも生き残る、という風に厳密に設定は致しません……
    (周囲に敵対者居ないのでダイス緩めです、とかはあるかもですが)

    【生存ダイスに補正はかからない】
    格上と戦うから-20、変身できないから-50、強力なマジックアイテムを手にしたから+40などの補正は本編では掛からないです。

    また、ダイスが高い方が有利な展開、都合の良い展開にしようとは思ってますが、その辺りも結構ふわっとしてるので、「一番ダイス高いのに、あんまり都合の良い展開になってないな……」となってしまうこともあるのは、ご了承いただけると幸いです……!

  • 976◆xaazwm17IRZa24/04/20(土) 11:10:21

    『確定生存に関しては、運営追加組は話の雰囲気によっては死ぬかも』

    一応私の中では

    初期募集キャラ>追加募集キャラ≧エネミー

    の優先度になっています


    なので、基本的には運営追加組も確定生存なら死なないのですが、

    例えば最終話でトート・アリアが95を出したからといって

    独り勝ちして第三帝国を再興したり

    エピローグまで生存してネオナチやったりするかは

    断言できないです……!


    一応、ある程度活躍は確約できるとは思いますが……


    また、運営追加組は、エネミーと同じくダイス無しでやられ役として処理する可能性もあることは、ご了承いただけると幸いです……!

  • 977二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 16:24:37

    了解
    そしてそろそろ次スレか

  • 978二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 17:19:58

    >>976

    トート・アリア投げた者ですが、前作の対運営編みたく元から途中で死ぬキャラとして投げたつもりだったんで全く問題ないですし、新幹部みたいな割と重要ポストを頂けたのも嬉しい限りです

    ただ、対運営編やる予定でしたら中ボスポジになれたら嬉しいなとは思ってマスネー

  • 979二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 18:14:35

    乙でした
    テンガイの態度は意識してやってる悪役ムーブというか、目的のためとはいえ自分を偽らないとやってられなかった感があって辛いな

  • 980二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 19:05:38

    >>35の地下壕がその他、前スレのどっかにあったはずのハスキーロアが運び込まれた病院が中心街(あにまん市駅の対面らしいので)に追加される感じですかね


    あと確かあにまん市に運営の基地的なものはなかったはずなので、対運営編になったら使えそうな場所案

    【名前】

    偽装貨物船『アニマーレ号』

    【説明】

    姉鎮埠頭沖に停泊している大型タンカー。

    正体は不定期輸送貨物船(トランパー)に偽装した運営の海上基地であり、あにまん市における運営側魔法少女の橋頭堡として機能する。

    内部には飼い慣らされたエネミーや重火器を搭載した自律防衛タレットが満載されているほか、参加者魔法少女の動向を監視するモニター、あにまん市各地と霊都エメラルドに直結するワープゲートが設置されている。

  • 981二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:22:01

    >>980

    中心街でスピードランサーぼっちかと思ってたけどそうなるとハスキーロアと絡むのか

    罪のない魔法少女を二人も殺したあと病院のハスキーロアを見てどう思うのか、自分を操った黒幕を一緒に追うのか、それともゲームに乗るのかダイス次第で運命の分岐点になりそう

  • 982二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:41:30

    ほすた

  • 983二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:59:30

    待機 今夜もあるかな

  • 984二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 02:03:52

    あにまん高校内のディティールを投げてみます

    【名前】あに高地下防空壕
    【説明】校舎の地下に広がる巨大空洞
    戦時中は避難場所として使われていたがブラックブレイドらの戦闘で一部が倒壊、地下水が流れ込んで水浸しになっている

    【名前】あに高礼拝堂
    【説明】全校集会や式典に使われるホール
    あにまん高校はキリスト教系の学校ではないが礼拝堂と名付けられているのは通称で、壇上に貌のない神の像が祀られているから

  • 985二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 03:30:21

    よほどの短編じゃなければ4スレ目にバトンタッチかね

  • 986二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 11:09:56

    まぁそんな感じかね
    ここは保守も兼ねて

  • 987二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 11:50:06

    >>947

    なるほど纏鎧(テンガイ)ってことか…

  • 988二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 12:36:45

    しかし今回もいい読後感だった
    自分は最初テンガイのことをパラサイトドールと同じくらい絶対的な規格外だと思ってて、ブラックブレイドのエピソードで主催者直々に実力をバラされてからもまだ天上一歩手前レベルの底知れぬ強者なんじゃないかと思って期待してたのよ
    だからデスマッチリング中盤までの展開で(システムの都合上仕方ないとはいえ)実力の底が見えちゃったことを内心残念に思ってたんだけど、決着のシーンで明かされた人間味のおかげでキャラとしての魅力がさらに濃くなってて逆にテンガイ推しになりそう
    死者の声が聞こえたと聞いて動揺するシーン、そして運営に向けて中指立てる(比喩)シーンがすごくよかった あと死にゆく真美に優しい魔法を手向けて見送るシーンも 自分が認めた相手は夢の魔法で送ってあげる、みたいな信条があったりするのかな…
    善人すべりしろとは言わないがあんな啖呵を切ったからには対運営戦まで生き残ってほしいものだ(でも志半ばで死んでもおいしい そしてテンガイの「人間味のない絶対的な恐怖」としての側面で心を折られ従わされたミストアイが今後どうなるかも地味に気になる)

  • 989◆xaazwm17IRZa24/04/21(日) 14:52:20
  • 990二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 15:39:09


    そういえばノーブル・サヴェージのいた電話ボックスがどこなのかは言及されてなかったな

  • 991二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:09:08

    埋めておこう

  • 992二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:34:32

    埋める

  • 993二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:35:13

    埋め

  • 994二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:35:56

  • 995二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:00:35

  • 996二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:00:45

  • 997二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:00:55

    梅る

  • 998二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:01:06

    ウメ

  • 999二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:01:17

    埋め立て

  • 1000二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:01:27

    1000

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