【トレウマss】7133167の後

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 07:47:30

    シニア2年目、初戦のフェブラリーsでは7着だった。
    いつも通りに逃げを打とうとした。けどエスポんはじめ、ウチを前に行かせてくれない。
    ウチってば注目されすぎたかー、ってなあと、ウチさ、気づいちゃったんよね。
    ゾクゾクが、もうそこにはないって
    レースになって、3コーナーを回るまで、きづけなかった
    外をぶん回した後の記憶がない
    ホワイトアウトなんてもんじゃない。ブラックアウト。これ重要ね。
    いつもならここからがウチの十八番なはずなのに
    泥臭く、煌びやかな衣装の中に埋もれていった
    ウチさ、ゾクゾクがもうないって言ったよね
    ほんとはウチがそれを引き出せないだけなんだって思い知ったんだよねぇ
    その後の成績は13、3、16、7着
    こんなでもさ、一応少なからず走ることへの執着はありまして
    足掻いてみたんだけど、ダメだったぽい

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 07:48:46

    「ごめんね、トレちゃん。ウチ、ドリームトロフィーには行かないよ」
    「らじゃ、手続きはこっちでしとく」
    「ウチは理事長たちお偉いさんの説得だね」

    しばらくの沈黙。普段はそれが落ち着くんだけど、今日はウチがそれを破った。

    「…トレちゃんはさ、もっとウチの走りが見たいとか言わないの?」

    今日のウチはめんどくさいよ、トレちゃん。
    それでも、キミなら『親友』エンドをビターエンドにしないって信じてる。


    「トランにとってそれが枷になることくらいはわかるよ」

    なんで、そんなこと言うのかな、
    ずっと自分ではそれを分からないふりをしてきたのに
    この4年間ずっと目を逸らして、慣れて、ゾクゾクに昇華して
    『期待』世間のそれが何より痛かった
    地震の被害の地域も元気づけなきゃって
    この1年のウチの期待度だって知ってたし、うちが負けて、悲しんでくれちゃう人もいた
    ゾクゾクが見えなくなったら、代わりにそれがよく見えるようになっていた。

    「ウチ、辛かったのかな、」
    口から出た言葉を皮切りに、ウチはなんとも情けない顔になったのかもしれない

    不意に抱き止められた。普段のうちらだったら絶対にそんな事をしない筈なのに
    不思議としっくりきてしまった。
    「どれぢゃん、スーツ、よごれる、はなして」
    トレちゃんはいっそう強くしてきて、頭まで撫でてきた

  • 3二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 07:49:09

    何分経ったのか分からない。もうウチが汚したスーツはカピカピで、そこにはただいつものトレちゃんがいた
    「トラン、これからトランはどうしたい」
    「まずこの体勢をどうにかしてほしいんですけども」
    そう言うとソファの上で膝に乗る体制になった。これはこれでダメな気もする
    「ウチとしましては、トレちゃんとゾクゾクできるならなんでもよき」
    「ほう」
    「けど、走るのはちょい勘弁」
    「ほうほう」
    「あと大学には行きたい」
    「なるほど」
    「けど少なからずトレセン関係者ではありたい」
    「…つまり?」
    「一緒に暮らそ、トレちゃん」
    少し攻めすぎたかもしれない。今日のウチは本当に狡い
    安全圏から余裕無いのに攻めるなんて
    「トラン、自分としては、自分としては非常にそうしたい。」
    「ウチを大切にしたいとでも言うつもりなの?」
    ウチはソファにトレちゃんを力任せに押し倒した。
    勢いでメガネが音を立てて落ちる。
    ウチとしては本気半分、冗談半分だったけど、どうしよ、これどうしよ、とりま
    …やっちゃった、勢いでき、キ…
    「トラン?」
    「トレちゃん、ウチの気持ちだよ。もう、とぼけないから」
    …そのままバカなウチは全力で寮に帰ってしまった
    やっちゃった、どーしよ、この状況

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 07:49:34

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  • 5二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 08:21:26

    ー翌日ー
    「トレちゃん、やほー」
    うちは知らないふりをしてトレーナー室に入った。
    「トレちゃん、今日発売の新作スイーツもうゲットしたー?」
    いつもの調子で話しかける。そう、ウチらはこれでいいいんだ。
    いつかなくなるかもしれない。それでも、この関係を壊したくない。
    (ウチってば、ヘタレてんなぁ)
    いい、それでも。でも、もっと、トレちゃんを見えないとこまで知りたい。
    「トラン、昨日のこと、真剣に考えてみたんだ」
    トレちゃんはいつになく真面目な顔をして、大量の書類を渡してきた。
    「これ、トレセン周辺の物件?と、トレセンの、なにこれ?」
    「たずなさん、理事長とも交渉してきた。まあ、色々あるけどトレセン関係の導線つなぐための自由なやつだからトランの好きにしていい。物件についてはその、トラン次第だ、うん」
    トレちゃんの目は期待するようで遠慮していて、ちょっと不安があっても、…ウチのことをいつもどおり、見つめていた。
    「わかってんじゃーん」
    「イエーい」
    なんだ、トレちゃんやるじゃん。
    これじゃもう『親友』ポジじゃ終われんね。
    「こことかどーよ。トレセンまでは遠めだけど、映画館近いし、いろんな店もも集中してるし」
    「3LDKって広く無いか…?」
    「それはまあ、色々ウチの実家にあるコレクション置き場とかもあるワケでして」
    (増えるかもだし…ね?)

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