- 1二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 12:14:03
- 2二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 12:21:49
もっとサンプル頂戴
- 3二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 12:24:44
青いブリンクみたいに勇気をあげる!しただけでも解決しそうな案件
- 4124/03/20(水) 14:21:16
- 5124/03/20(水) 16:10:03
「んう……」
馴染みのベッドinトレちゃん宅で目を覚ます。目の前にはこれまた馴染みのトレちゃんの寝顔。一つあくびをしてから、まだ夢うつつな頭で思い返すのは、つい先ほどまで見ていた夢。
「親の顔より見たけど、まだ慣れないな……」
ウチのトレちゃんへの思いを全て曝け出して、受け入れてもらう夢。ゾクゾクとは違う、だけどとても心地よい感触に包まれる夢。ウチの願望を具現化したような、幸せな夢。でも、あまり歓迎は出来ない。その夢は覚めてしまうから。それを現実にする勇気はウチに無いって、わかってしまうから。幸せな未来と隣り合わせの、悲劇的な結末―トレちゃんとの関係の終わり―の影を踏み越えることは、ずっと出来ないと思ってた。
……思ってた?
「……!?!?」
目の前のトレちゃんが一糸まとわぬ姿であることに気付き、ウチの頭は現実へと引き戻される。そうだ、昨日の夜、なんだか無性に体が熱くて、トレちゃんのことでいつも以上に頭がいっぱいで、いつも空想していたトレちゃんを手玉に取るような振る舞いには程遠いがむしゃらな迫り方で……
そして遂にウチは、自らの最高機密を熱に浮かされたまま白状してしまったのだ。
「ぁ……」
ここまでの時点で記憶は朧げ、この後に至ってはほぼ覚えていないが、この惨状を見る限りそのまま一線を越えてしまったらしい。顔がみるみる青くなるのを感じる。勢いのまま迫って……なんて、恐れていた「悲劇的な結末」に自ら飛び込むようなもの。
「と、とにかく一旦ベッドから……」
この場から抜け出そうと身をよじるが、こんな時に限ってトレちゃんの腕はがっちりとウチの腰を捕まえている。普段はふんわりと手を組む程度の癖に。まんじりともせず沙汰を待てということか。何もできないまま過ぎていく時間に耐えられず、視界が潤んでいく。 - 6124/03/20(水) 16:11:03
『……ん、おはよう、トラン……うわっ』
断罪の時が来た。この期に及んでなお覚悟が出来ていないウチは、トレちゃんに深く抱き着き、涙やらなんやらで酷いことになっているであろう自分の顔を隠す。
「ごめん……なさい……」
『どうした、トラン』
「あれは何かの間違いで……昨日はなんかおかしくて……ええと、その……」
必死で言葉を探すが、ウチの罪を誤魔化す術は見当たらない。終いにはただしゃくりあげるだけになってしまった。
「ぅぅ……ひぐっ……」
『……トラン、顔を上げて、俺の顔を見てくれないか』
「……むり」
情報屋気取りの小心者にそんな勇気はない。そもそもそうでもなきゃここまでこじれることもない。
『……俺も結構覚悟決めて返したんだけどな。』
「……ぇ?」
予想外の言葉を受け、顔を押し付ける力が少し緩む。その隙にトレちゃんはウチの顔を引き離す。トレちゃんの両手はウチの顔を両側から捕まえ、ウチの目の前にはトレちゃんの顔。いつになく真剣なまなざしでトレちゃんは言葉を続ける。 - 7二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 16:11:07
待機
- 8124/03/20(水) 16:11:37
『覚えてないみたいだからもう一度言うぞ』
一息置いて、そして
『トラン、愛してるぞ』
そんな、そんなこと、いいのかな、ウチに、だって、つごうよすぎ……
予想外の返答にウチの頭は完全にパンク。目からは涙、口からは思いの丈をただ垂れ流すばかりになってしまった。いつからかわからないけど、心のどこかでずっと恋焦がれていたこと。今の心地よい関係を作り変えるのが怖くて、茶化してからかうことしかできなかったこと。トレちゃんも『踏み込むのが怖かったのは俺も同じだ』なんて。 - 9124/03/20(水) 16:12:48
『ところで、なんだけど』
ウチがようやく落ち着いた後、トレちゃんはこう切り出す。
『俺だけ二回も告白って不平等じゃないか?』
なるほど。トレちゃんには珍しい攻めの姿勢である。しかしウチが粗方ゲロッたからといって調子に乗られちゃあ困る。こっちもトレちゃんの最高機密を握ったのだ。いつものようにトレちゃんを手玉に取れない鬱憤と、何もかも話してしまった恥ずかしさをぶつけるようにこう返す。
「へー、恥ずかしかったんだ。まあトレちゃんあんなストレートな告白するガラでもないもんね~」
『そう言うトランも昨日は顔真っ赤だったぞ』
「へ?」
『いつになく挙動不審だったし、心配して近づくだけで「今はダメ!」なんて余裕も何もない返事するし、挙句は俺を押し倒してバカ真面目に……』
「ちょ!タンマタンマ!」
『だから、本気なんだってわかったし、本気で返そうと思った』
「~~~~~~~!!!!」
ウチの知らないウチの情報を得ていたトレちゃんに、ついさっきまでそのトレちゃんへの恋慕心に胸をかき回されていたウチが敵う道理など無かった。恐らく史上初の完敗を喫したウチはその要求を呑み……
「……愛してるよ、トレちゃ……んんっ!」
ここからは、昨晩の夢の続き。もう目覚めに怯える必要も無い、幸せな夢の続き…… - 10124/03/20(水) 16:13:48
そういえば、ウマ娘が一晩だけ熱に浮かされたように愛する人―大体の場合その子のトレーナーーを求めるようになるなんていう現象の噂があったっけ。そのターゲットになるのは決まってその愛する男性からも強く思われているのに、なかなか関係が進展しないペアなんだとか。かつての鈍感で臆病なウチは自分には関係のない話とスルーしていたわけだけど。
次の調査対象には丁度いいかもしれない。 - 11124/03/20(水) 16:15:54
というわけで皆さんも関係が停滞していたトレウマがふとしたきっかけで一線を越えたりその後の甘々だったりの情報を提供してトランの調査にご協力いただきたいなぁと
- 12二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 19:52:01
いいわね
とてもいい - 13二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 00:10:45
いい概念とSSだった
個人的には読みながらカレンチャンとお兄ちゃんで似た感じになりそうだなって妄想しました - 14二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 00:18:53
もう逃げれなくなったお姉ちゃんはアリだと思う