- 1二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 13:49:09
「……えっ?」
目の前で嬉しそうな笑みを浮かべる宿敵に対し、思わず空気の抜けたような声が出た。正直、次にどんな言葉を掛ければ良いのかも分からずにいる。
「構わない、と申し上げたのよ。そうね、まずはそこに座って頂ける?」
「ええと、あの」
「早く」
普段の何倍も言葉の圧が強い。言われるがまま庭園に備え付けてあるベンチに腰掛けると、ジェンティルドンナは私の隣に座ると同時に身体を倒し、太腿に頭を横たえた。所謂膝枕と言うヤツだ。
一瞬ふざけているのかと思ったが、ヴィブロスよろしく嬉しそうな笑顔で耳をピコピコと揺らしているので、ツッコミも入れ辛い。
何故ターフで火花を散らす私達が突然こうなったかと言うと、それはほんの数分前に遡る。
『ご心配無く、姉としての立場は弁えておりますので。ああ、お望みとあらば貴女も私の妹として可愛がってあげますけれど?』
偶々昼下がりの庭園で出くわして、いつものように言葉で軽く火花を散らしていたが、その時私が言った最後の台詞がコレだ。挑発を混ぜた冗談のつもりだったのだが、どういう訳か本気に受け取られてしまい、今に至る。口を開けば煽るような言葉が次々飛び出す人物に急に甘えられては、対応にも困るというものだ。
「どうなさったの? さあ、お望み通り私を妹だと思って可愛がりなさい。頭を撫でるでも、耳の手入れをして下さるでもよろしくてよ」
「はあ……」
とは言え、それなりの行動を取らないと多分膝の上から永遠に動いてくれそうに無いので、仕方無く自らの太腿に横たわる彼女の頭をそっと撫でてみる。
「ん……ふふ、慣れていらっしゃるのね。とても心地良いわ」
「……それはどうも」
満足頂けたのなら、すぐにでもどいて頂けると助かる。今まで言い合いをしていた二人がいきなり膝枕をし出した事による周囲の困惑の目線がもの凄く恥ずかしい。あのゴルシさんですら、茶化すどころか宇宙空間を見つめるような顔でこちらを見ているのに、この人は何を満足げに笑っていられるのだろうか。
結局、彼女が満足するまでこの膝枕は続き、この時の様子は様々な尾鰭がくっついた噂となって学園中を駆け巡る事になってしまい、私は色んな意味で対応に苦慮する事になったのであった。
これが、彼女の私に対する好意故の行動であると私が知るのは、もう少し後の話である。 - 2二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 13:52:13
以上です、ありがとうございました。
ジェン→ヴィルに脳を焼かれた今日この頃、こういうヴィルシーナに伝わりにくい好き好きアピールしてくるジェンティルドンナがいると良いなーと思う次第です。 - 3二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 13:53:38
よき
応援スレに推薦しておく - 4二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 13:55:46
他薦ありがとうございました!自薦と被ってしまい、申し訳ないです。
- 5二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 14:25:58
宇宙空間を見つめるゴルシちゃんで芝
ジェンヴィルは健康に良い - 6二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 14:44:58
ありがとう…ありがとう…
- 7二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 16:07:10
この後人前でわざとらしく「お姉様」呼びしてシーナを困らせるドンナの姿が見える見える…
- 81(4も1です)24/03/28(木) 17:28:15