- 1124/03/31(日) 01:57:50
- 2124/03/31(日) 01:59:48
- 3二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:00:59
末尾の?res=○○○(数字)までを消すとスレをキレイに貼れるゾヨ
- 4二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:01:00
- 5124/03/31(日) 02:01:50
- 6124/03/31(日) 02:02:11
できました!ありがとうございます!
- 7二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:05:55
小鶴リンネちゃんを腐肉にした者です
すみません、今娼婦カヨコを裏社会の闇に沈めるのに忙しくて…
沈め終わったらちゃんと続き書きますのでお許しを…
創作意欲の衝動には勝てないんだ… - 8二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:20:01
このレスは削除されています
- 9124/03/31(日) 02:51:44
- 10二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 06:45:19
本当に追い詰められたときとっておきのジップガンの封印を解くタクミ。火薬の調合から自分でやってて破壊力抜群だけど反動と爆風もすごくて引き金を引いた方の腕がボロボロに。そしてそれを見たリンネに弱々しく頬を叩かれて「もう二度と危ないことしないで!」って言われたりする
- 11前2224/03/31(日) 07:39:39
- 12前2224/03/31(日) 07:56:52
- 13前2224/03/31(日) 11:13:09
まぁ、少しでも要素が残ることを祈っといてください。気まぐれで残るかもしれませんよ?
ああ、そうだ。前180で
[なんか作るか…
↓(どっかから持ってきたの遺体+下処理とか全て済んでるリンネちゃん)]
に対して何やってるのって聞いてましたね。
あれはただの調理ですよ。どうでも良くなった世界線から食材として持っていっていいとニャル様からは言われているので。
たまに他の皆様にも分けたりしてるんですよ。 - 14二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 11:35:30
>>1をどうやって曇らせるか…絶望の顔がもっと見たいなぁ。
- 15前々スレ18724/03/31(日) 14:05:52
- 16二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 16:28:50
あらかわいい
- 17124/03/31(日) 19:17:50
ヘイローいっぱい仏頂面でかわいいね♡
- 18二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 23:57:00
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 00:10:39
『リンネの入院にピッタリな病院を見つけた。必要なカネは、一発目の入院費用と予約金だけ、後は何年何ヶ月寝たきりだろうが追加費用は無いそうだ』
『怪しい、って言いたいんだろうが残念だったな先生。マジで普通の病院だし、シャーレに来てる人間が利用したって記録もリサーチ済みだ。何なら本人にも聞いたから間違いない』
『ま、問題は立地だ。病院自体は強力な戦車やオートマタが山程いて死ぬほど守りがかてぇが、そこに行くまでの1本道にウンザリする程カツアゲ狙いのバカな不良が大量に居る。リンネをオレ一人で護衛しながら突破できるかは運が絡むだろうな』
『……こうやって留守電かけた理由、見えてきたか? もし、オレが失敗したとき。リンネの事をお願いします』
『…………しっかり朝昼晩を食べて、心に余裕もできてきて。リンネはスクワッドの話をしてくれたり、先生ってどんなだったかって聞いてくるようになりました。たぶんもう心の傷は癒えているんでしょう、強い子だと思います』
『予定では、私が失敗したとき、先生を頼るようにとリンネに話しています。それにあの精鋭のスクワッドなら彼女を護ってあげられるに違いないし、昔馴染みなんです、積もる話もあるでしょう』
『あの娘から困ってると受けることがあれば、助けてあげて下さい………………要件はそれだけだ、じゃあな。』
(タクミからの留守番電話より) - 20124/04/01(月) 01:05:47
- 21124/04/01(月) 01:11:21
最近、寝る前に夢をみる(って言っても、毎日気絶するように意識を失ってるんだけど)
私が私じゃない夢。
その夢の中で私は、横に友達がいて支えてくれたり、名前を失ってトリニティで暮らしていたりする...。
素敵な、素敵な記憶だと、思う。
どんなに苦しくても、どんなに大変でも、生きていられた。生きていく糧があるというのは、素晴らしい。夢の中の私を見てそう思った。
現実の私は早く死にたい。
路地裏で雨に打たれながら、今日も私は意識を失った。 - 22前々スレ18724/04/01(月) 01:19:43
- 23二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 01:26:07
- 24124/04/01(月) 04:48:10
- 25二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 06:02:25
取り出して洗いたいレベルなんです?
- 26124/04/01(月) 06:15:31
両目が焼ける!熱い!痛い!ヒリヒリする!眠れん!くぁあああああああああああああ!!!
痛いよぉ!!!
取り出して洗いたいしなんなら目を焼いて止めたい
それぐらい酷い
なんでこんな拷問を...!マダムゥゥゥ!!!!!!!!!!!!
- 27124/04/01(月) 06:16:06
マダムは今すぐ私にガスマスクを支給して欲しい
- 28前2224/04/01(月) 07:36:49
はい。
つ杉やらブタクサの花粉に漬け込んだガスマスク - 29前2224/04/01(月) 07:43:22
それか…
つ精巧に作られたガスマスク(幻)
なお今日は4/1である。 - 30二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 12:51:48
- 31二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 13:29:33
現実は厳しいなぁ
- 32前々スレ18724/04/01(月) 13:44:08
- 33前2224/04/01(月) 13:59:18
なおエイプリルフールは午前中までというのはイギリスとかくらいですって。つまり…
今日はリンネちゃんに幸せを見せてあげてもいいってことですよ!
なお明日からの反動。 - 34二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 18:08:08
Special枠でEXコスト4の全体回復+シールド付与の代わりに他生徒のEXコストが増加するリンネ
- 35二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 20:08:13
今思ったけどもしかしてこのスレの主題ってリンネちゃんを曇らせることではなくアリウススクワッドを曇天にすることなのでは…?(真理到達)
- 36二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 20:25:04
理由があったとはいえリンネを拷問して曇ったし、そのせいでリンネから拒絶されても曇ったし、何ならお前らのせいでオレが面倒に巻き込まれたとかタクミに言われて曇りそうだぞ。途中離脱に成功したアズサはともかくサオリはもうボロボロよ
- 37前2224/04/01(月) 21:38:15
- 38前々スレ18724/04/01(月) 21:40:54
私のルートはわっぴーエンド確定なので大丈夫
いずれ幸せになれるよ
(今日は投下できません すまない...) - 39二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 23:09:54
- 40二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:01:12
〜世話役ちゃんリンネのわがままを聞く〜
「ほら、エサ持ってきてやったぞ。食えるか」
「えへへ、ありがと……」
「……今の、フツーは怒るとこだぜ」
ペットボトルの烏龍茶とサイダー、割引シールの貼られた弁当が入ったビニール袋を渡すと、それを持ってニヤニヤし始めたリンネに、オレは毒づく。
脱出した日から今日でちょうど1週間。オレはあちこちに隠した物資を回収しつつ、少しずつリンネと共にトリニティ自治区を離れることにした。あんな趣味の悪い掃き溜めにまた戻るのはゴメンだし、なにより通行人の噂話からアリウスは壊滅したと聞いたからだった。
クソババアの日記を取りに行ったときから薄々わかってはいたが、あの場所はトリニティ主導の大規模な掃討戦が行われたという。餓死寸前だったり能力不足で「処理」されかけていた病人共は救護騎士団へ、最後まで抵抗を続けたり、逆に降伏した奴らは普通に捕まったとかヴァルキューレに引き渡されたとか色々耳に入ったが。正直そっちはどうでもいいと思った。
あんな場所の近くに居たら、いつまでも変なことを思い出して、過去に引っ張られる―――そんな気がしてなかなかったから。オレとリンネの逃げる理由は一致していた。 - 41二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:03:46
作戦失敗やトラブルで他部隊とはぐれたとき用に自力で補給を行うため、とか理由をつけて埋めていたカネに余裕はない。もともとは撃退したヘルメット団や、こっちが特殊部隊と知らずにケンカをふっかけてきた身の程知らずどもからカツアゲしかえして入手した物なので、総額でもたかが知れているのだ。
限界まで野宿やらで切り詰めても2週間持つかぐらいのカネ。それなのに割と派手に使ってしまった。初めはリンネのために下着含めたマトモな服を一式用意したり、1ミリでも疲れを取るために24時間営業の銭湯にこっそり入ってみたり。中でもいちばん無駄だったのは洗濯だな、と思い返す。
オレは親切心でリンネのボロ布を捨てようとしたのだが、それをコイツは良しとしなかった。やれ思い出深いだのタクミちゃんが初めてくれたものだからだの言ってきて抵抗してきやがったのだ。
がしかし、一応洗っていたとはいえどぎつい死臭を放つソレをまとってウロウロするのは、周りの視線を引いたりしてリスキーだ。と、オレは渋々コインランドリーに出向き、1日中へばりついて限界まで洗いまくって柔軟剤の香りが染み込むまで防寒着を洗ってやった。因みに出身がバレるのを恐れてワッペンを引きちぎったこのアリウスのベンチコートと派手なガスマスクも捨てる予定だったが、コレもまたリンネにわがままを言われてまだ着ているし持っている。 - 42二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:05:46
車椅子を押してやりながら、考えを巡らせる。手持ちの銃の弾は補充して潤沢、リンネにもそのへんのスーパーで売っていた普及品のハンドガンを持たせたので、最低限の自衛は出来るようにしてある。
問題はやはりカネだ。そもそも二人とも学籍も住所も無い、しかもオレは大規模なテロの実行犯だ。表で出来るような仕事は無いだろうし、かと言って「先生」を頼れば何とかなりそうだが、問い詰められたりスクワッドを呼ばれたりすると話がめんどくさくなりそうだとその案は捨てる。
そうなると、必然的に行く先は限られてくる。オレは「ブラックマーケット」へと、歩みを進めていた。
アテもなく放浪しながら、時折やってくる不良をのして金をせしめるのも考えたが、リンネは本当にあの環境で育った人間かと思うほどに優しすぎてそういう自分のための暴力を嫌う。
実際に、ほんの3日前ぐらい、車椅子の病人を介護する弱っちいやつとでも勘違いしたのか、襲いかかってきた奴らを返り討ちにしてやった。ぶん殴ったりアイスピックで脅して情報を聞き出したりしたがリンネには不快だったらしく、数時間は口を利かなくなった。ベアトリーチェに拷問されていた理由が少しわかって、オレは複雑な気分になる。 - 43二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:07:37
うだうだ考え事をしていると目的地……の入口にまで来た。ナントカ商店街と書かれた朽ちた門をくぐり、このキヴォトスで最も自由で危険な場所かもしれないエリアへの第一歩……は、まだ踏み出せないでいる。
「………………なぁ」
「なぁに? タクミちゃん」
「あそこ、ありゃ喧嘩か。……助けなきゃダメか?」
「とーぜん! タクミちゃん強いんだから!! わたしと違って……」
「はぁ……変なとこでクソ真面目だなおめぇはよ」
前方を指さしながら言ってみたところ、予想通り返事を返してきたリンネに、オレはため息を吐いた。目線の先では銃声が響き土埃が巻き上がっている。またどうせヘルメット団かバイトの傭兵のカツアゲか? オレは音と悲鳴が上がる方向へ、意を決して進む。
「いったぁ!! 痛いじゃないのさ!! ひーん!!」「ちっくしょう!! いつもいつも俺の店をよくもぉ!!」黒煙の中からススで真っ黒になっているハト女と、同じく煤けているオッサンのオオカミが現れる。どうやら追い詰められているようだ。 - 44二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:09:03
「……リンネ、人見知りは我慢しろよ」
「うん……行ってらっしゃい!」
「携帯預ける。後ろから見ててヤバそうだったら言え、適当に切り上げて逃げる」
逃避行の中で買ったアサルトライフルの安全装備を外し、マスクを被る。痛めつけられていた二人にオレは声をかけた。
「よぅ、揉め事か?」
「!? な、なんだお前! お前も俺達を狙って」
「いいやちげぇよ。メシ奢れ、そしたら助けてやるよ」
「は、はぁ? 何言って「返事が遅ぇ早くしろ見放されてぇのかどっちだ」
「っ、頼む! あいつらをぶっ飛ばしてくれ!!」
「交渉成立だな。あの車椅子のヤツの面倒見ててくれ、3分以内に片付ける」
「わかった。頼んだぞ!」 - 45二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:11:42
結果は見えていたが圧勝だ。統率も何も無いてんでデタラメな動きだったり、遮蔽の使い方がへたくそで頭が出ていたり、手入れをサボったのかジャムってあたふたしているザコを単独で片付けてやった。
ただ、おおよそ20人ぐらいはいたが正攻法では勝てないと踏んだか、何人かは気絶する前に交代して後ろのボロい雑居ビルに逃げ込んだ。さてどうしようか。オレは無線でリンネと話す。
「12人吹き飛ばして3人逃げた。ただあと5〜6人が立て籠もりやがった、そっちのオッサンらはなんて?」
『立て籠もりもやっつけてって。近くのお店に住んでる人たちみたいで、そんなの居たら近づけないって言ってるよ』
「へぇ、そうかい。OK、出前取る準備してろって言っとけ」
残念だがオレに仕事振ったが最後高く付くぜ。誰に言うでもなく呟きながら、オレはビルの中に入る。
屋内戦は得意だが油断はしない。外で気絶していた奴からシールドを剥ぎ取り、それを構えながら進む。1人、2人、3人。階段の手すりや非常口から不意打ちを仕掛けてきた奴らをノックアウトしていく。
なんだ、杞憂だったか? 誰一人こっちの経験と予測を超えてくる動きのやつなどいない。フロアの一部が崩れて空気の良さそうな場所に出る。気を緩めてマスクを外してのんびりしてしまったその時だった。 - 46二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:12:35
「かかったなガスマスク!! 我々の勝利よぉ!!」
「!? うおッ……!?」
いきなり壁を破壊して出てきた不良にタックルをかまされ、オレとしたことか割れていた窓から外に弾き出されてしまった。一瞬だけ見えたがヒビ割れていて薄い建材で、ぶっ壊すのは容易そうだった。
これは、着地、できるか?? いや高すぎる、下手打つと気絶しちゃうかこりゃ……マズったな、そんな事を考えている時だった。真下、重力のある方向から高笑いが聞こえてくる。
「はははは! 空中では身動きできまい! 手こづらせやがって、お前はおしまいだぁ!!」
「ッ……!」
落下していく最中、巨大ドローンに乗って銃を構えた女がこちらへ飛んでくるのが見えた。オレは破れかぶれでライフルを真下に乱射したが難なくマガジン分を躱されて反撃を食らう。
装備の豪華さからして恐らくコイツがリーダー格か? オレは得物の先端に珍しく銃剣なんてつけていたそいつを見て考える。どんどん距離が詰まってくるが撃ってこないあたり、どうやら串刺しにしてやろうという気がありありと見える。 - 47二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:15:05
オレは、反撃の準備に盾と銃を捨てた。被り物越しに動揺したように見えなくもない女は、しかし切り替えたのか予想通りオレの左肩に銃剣を刺してくる。
「ぐッ……!」
「盾と銃を捨てただと? どうした、負けを認めたか?」
いいや? お前をぶちのめす為だ。オレは脱臼しかけた腕で痛みに構わず、逆にそいつの肩をガッシリと掴んでやった。刺さった上から引き金を引かれたため、左腕がビリビリ痺れるが絶対に離す気はない。
「やるよ、肩の1つで良けりゃ」
相手と密着することに成功する。オレはジップガンをホルスターから抜き、敵の顔面に突きつける。
「手製の銃か。 こんなもので私が……」
「ゴミに見えるか? テメェが想像する十倍は痛えはずだぜ」
「ッ!?」
「これから起こること」を想像して覚悟を決め、精一杯の強がりで笑ってみせる。普通に考えて窮地に立たされている相手が笑顔なのがよほど不気味に感じたらしい、ヘルメット女の顔がバイザー越しでも不安に歪むのがよく見えた。
「一撃だァ!!」
度胸と覚悟の一発を込めて、オレは引き金を引いた。 - 48124/04/02(火) 01:21:04
我慢ができずに両目をくり抜き、眼孔を火で焼いて二度と再生できないように潰したリンネ。
包帯で覆った両目からは異臭と黄色い汁が垂れ、目は光を映さず、鼻は潰れて顔面が歪み、かつての美貌はどこにも無くなっている。
「お前...元アリウスだな?酷いな、なぜこんな事を...」
懐かしい声がした。この声は、サオリちゃんだと気がついて、私はびっくりした。
「ぁ...さぉり、ちゃ...」
久しぶりに声を出すからか、なかなかどうして上手く発音できない。
「その声...!?いや、まさか...だって昔とは、何もかも違って...!」
狼狽える声がする。その顔はよく見えないけれど、その声を聞いて、こんな私でも気がついてくれるんだ、心配してくれるんだと思って、胸が暖かくなる。
「名前を...名前を教えてくれ」
震える声で、名前を聞くサオリちゃん。私があまりに変わりすぎててわからないみたい。ふふ、そうだよね。こんな見窄らしくなって、黒髪も白くなって...あ、これはあの拷問のせいだから、サオリちゃんが一番よく知ってるか。
「わぁし、だよ。さぉり、ちゃん。わたしの、名前、は」
上手く口が回らない。でも、サオリちゃんには言わなきゃいけないから、頑張って口を回す。
「わたしの、名前は...“アヤカ/リンネ”だよ」
あれ、わたし、なんて言って...?
- 49124/04/02(火) 01:23:07
- 50124/04/02(火) 01:27:21
タクミちゃん!?タクミちゃん...!?!?
- 51124/04/02(火) 01:36:36
早くわっぴ〜エンドを...
助けてサクラコ様!!! - 52二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 05:24:42
ドゴオオオォォォォォォォン!!
大気を震わせ脳が揺れるような轟音とともに、火薬が炸裂する。握り込んでいたグリップを残して銃は役目を終えた。
火薬の調合からこさえたとっておきの花火が、手の中で爆ぜる。指向性を持った凄まじい爆発と衝撃に、襲撃者の女は白目を剥いて気絶した。あまりに過剰な破壊力は女の被っていたヘルメットを粉々に粉砕し、考えるのも恐ろしい速度でそいつは地面へと叩きつけられる。
当然そんな物を片手でぶっ放したオレもただでは済まない。手のひらから肩にかけて骨がきしみ、関節が悲鳴を上げ、筋肉の筋が切れていく感触……歯にヒビが入りかねない力で食いしばり、声を押し殺す。
空中で一度刺されて速度が落ちた分、オレの方は多少の軟着陸に成功する。高所から落ちたものだから両足がしびれるが、そんなことがどうでもいいほどの激痛が右腕全体に奔っている。
「な、な、な!? り、リーダーがやられた!! みんな逃げろ、バケモンだああぁぁぁあ!!」
「スゥ〜…………はあああぁぁぁぁ。打ち止め、か?」
リンネを心配させないためにも努めて平静を保つ。深呼吸で無理やり自分の身体を騙して息を整える。腹式呼吸を続けると、少しは痛みも落ち着く。オレは逃げていくヘルメット団を見ながら、震える手で無線のスイッチを入れ、リンネのいる場所まで戻ることにした。
- 53二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 05:27:46
「リンネはどこ……だ………」
体の向きを変えて何の気なしに顔を上げる。戦闘でそれなりに動いたので離れたと思っていたが、助けた2人と近くにいたらしい。リンネは眼の前に居た。
ギョッとしていたオレの顔を。リンネはふらふらと立ち上がり、弱い力で叩いてきた。なんのつもりだと言いかけたが止まる。リンネは泣いていた。
「ねぇ、なに? 今の!」
「あぁ? 手製のガラクタだよ」
「そうじゃない……! 自爆、したでしょ!」
「……………あぁ」
「やめて……もう、二度と、しないで……」
かなりの大爆発だったし、下から見てオレもまともに爆風を食らったと思ったらしい。別にオレのはマダムが持ち込んだようなヘイロー破壊爆弾みたいな特殊爆薬じゃないし、死にはしない。だがリンネは心配なようだ。
「……悪かったよ。もうやらねぇ、これでいいか?」 反省してる風を装ってそう言うと、リンネはムッとして涙を拭きそっぽを向いた。 - 54二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 05:28:56
- 55前2224/04/02(火) 06:21:08
- 56二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 14:29:59
Striker、タンクでEX3の範囲攻撃持ちのタクミ。リンネのスキルでコストが上がると攻撃力が上がったりする
- 57二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:43:08
「よぅ、久し振りだなサオリ。まぁ身構えるなよ、ココはブラックマーケットじゃ珍しく中立の店だからな。手配書に顔載ってようが金出して飲み食いすりゃ何も言われねぇ」
「にしても金稼ぎに苦労してるっつったか? 死神だの戦闘ロボだの言われてたやつがいいザマだな……別に悪口言いたくて呼んだわけじゃねーよ」
「……この住所の、この番号の病室にリンネが居る。そうだ、お前らに手助けしてもらってどうにか行けたあの病院だよ。見舞い、行きたかったんだろ?」
「なっ……!? なんで泣きやがる! はぁ? 「すまない」って……いきなりなんだよ気持ち悪ぃな。なんでこんな大事なもの渡したかってか?」
「お前ら、俺よりずっとリンネと付き合い長かったんだろ。それにアイツからよく思い出話聞いたしな、積もる話ってのもあるだろ。そう思っただけだよ。」
(ブラックマーケットの焼き鳥屋での出来事より) - 58二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:58:19
タクミの姉貴カッケェ
- 59124/04/02(火) 21:09:32
- 60前2224/04/02(火) 21:17:39
- 61124/04/02(火) 21:21:49
なんっ…でぇ…っ!!
- 62前々スレ18724/04/02(火) 21:23:43
- 63124/04/02(火) 21:41:54
- 64前々スレ18724/04/02(火) 21:51:18
体操服を着せます
- 65前2224/04/02(火) 23:12:33
食べます(物理)
- 66前2224/04/02(火) 23:14:38
前々187さん…食べます?
つカレー(なお肉の種類) - 67二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:19:57
投下するぜ。オレのわっぴ〜!をな
- 68二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:20:27
〜世話役ちゃんとリンネちゃんの穏やかな日々〜
話でしか知らなかったが、実際に体験したこんな危険地帯で店をやってるらしい2人に案内を受ける。ビリビリ痛む四肢を労るため、オレはリンネの車椅子を押すついでに体重をかけて寄り掛かりながら進む。少し歩いて着いた場所はこぢんまりとした自転車屋だった。
「いや、しっかしすげぇなお前……なんつーか、あんな派手にぶちかますお前みたいな不良は初めて見たよ」とは店主のオオカミ男の弁だ。突然不審な格好で現れたが、メシ奢る程度の礼で助けてやったり、なにより良くも悪くもマトモに動けなさそうなリンネと居たので警戒されなかったのが大きかった。なんとオレら2人はしばらく建物に居座る事を許された。
出前については、一切遠慮などするつもりはなかったので、寿司屋のチラシの端から端まで全部頼もうぜ!などと言ったところやっぱりリンネに反対され、オレは渋々バーガーチェーンのセットメニューで抑える事にした。ゴミ溜めで接種していたものに比べりゃ何食っても美味く感じる。周りに人がいるので多少はお淑やかに食べるが、リンネはというと、まるでリスかハムスターみたいに両手でもってチビチビ食べている。変な食い方に笑いそうになる。
コワモテだがチョロくて優しいオッサンだな、などと感謝しつつも相手を侮ってオレは質問してみた。
「聞きてぇんだがおっさんなんでこんなあぶねぇ場所で商売してんだ。カタギの仕事するような場所じゃねぇだろ」
「ウルセーな、俺がどこで何しようが勝手だ」
「そりゃそうだけどよ……しかもなんでチャリンコ屋だ。ここトリニティの近くだろ? 表にでけぇカーディーラーやら中古戦車の販売店もある。お嬢様方が買いに来るとは思えねぇけど」
「けっ、小娘が経営に口出すんじゃねーやい。こちとらお前の思ってる以上の老舗だ」
「へいへい、悪かったよ」
食べ終わって包み紙を丸めたとき。外の少し離れたところから爆発音が響いてきて、店の前に並べてあった自転車が数台倒れた。なんだと思って振り返ると、ハト女が慌てた様子で店内に戻ってきた。
「お父さん、またあっちで銃撃戦だ!」
「何! またあいつらか?」
「違うみたい。スケバンとヘルメット団の小競り合い……かな? ほら、被り物のデザインも違うし」 - 69二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:23:09
「さっきから言ってる「アイツら」ってなんだ? さっきの奴らならそんな強くなかったが」
「フン……「フワフワヘルメット団」というチンピラだ。ドローンを使った強盗やゆすりが常套手段でな、俺の店をドローンとラジコンの専門店にするとかのたまいやがってからは嫌がらせの連続よ」
「ほぉ? なるほど、ね」
確かにドローンの扱いには慣れてそうだったな。オレはボートぐらいはあった物で空を飛んでいたリーダーの女を思い出す。確かに、技術屋が多いらしいミレニアムの奴らか、最新の兵器を扱っているカイザーの奴らでもないとあまり変な物は使ってこないだろう。素人が相手するには面倒だろうな、と思う。
仕方ねーな。リンネの事もある、1秒でも長く居座るために恩を売るか。オレはショルダーバッグに山程入れていたマガジンの数を確認してからその一つを取り出し、ライフルのリロードを済ませて言う。
「そのフワフワなんたら以外にも変なの来たら呼べよ、追い返すの手伝うよ。屋根付きの寝床貸してもらえるってんなら、よ」
「当たり前だ、最初からそのつもりだったよ。お前みたいに強い上に話も通じそうなのはここらじゃ貴重だ、この間雇った奴らは金を持ち逃げしやがった」
「ほー、そりゃいいや、ここの店番やんのに商売敵が居ねぇってことだろ?」
「おまえ、目ざとくて図太いな」
「褒め言葉と受け取っておくぜ」 - 70二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:24:11
簡単な機械にはそれなりに強かったオレは、朝と昼は店の用心棒、夜はオオカミ男の仕事を手伝うという流れができてしばらくになる。ブラックマーケットは深部になるほどマフィアだのヤクザだのやばいのが多くなるという話だが、表通りから入ってすぐのここはそれほど危険な敵は来ない場所だった。
アレから数度、懲りずに店を乗っ取ろうと画策するヘルメット共を追い返した。片手で数えられるうちはオレとオオカミ男で、そして後半の数度は見ているだけではいられないと店の中からマークスマンライフルの狙撃で援護するリンネも加わり、とうとう割に合わないとでも思ったのか襲撃は無くなった。
始めはデカい作戦でも立てているのかと思ったがそれも外れる。というのもカチコミが無くなって数日後、「撃退勲章 ガスマスク様」と賞状が入った小さなラジコンドローンが店に届いたのだ。オオカミによれば、フワフワヘルメット団は強さを示した相手に礼儀として贈り物をしてくるらしい。犯罪者集団のクセには律儀だなとオレは呆れた。
ただ、平和なのは良いことだ。あまり働けず気に病んでいるリンネを気遣いつつも、オレはパンクしただのホイールが曲がっただので手放された自転車を、使える部品を組み合わせて乗れる状態にして売る、というオオカミの仕事が気に入りこの生活に満足していた。無駄遣い厳禁な生活に染まり切っていたのもあるかもしれない、他人がゴミと言って投げるものを売り物に復活させるオオカミのやり口に、オレは共感したのだ。
今日も今日とてチェーンや歯車に油を差してボルトを締めていた時だった。鉄パイプを曲げて何か作っていたオオカミに声をかけられた。
「……お前、ほんと良い子だよな。あのリンネちゃんってのも」
「あ? んだよいきなり気持ち悪いなおっさん」
「本音だぜ、口は悪いが手は止めないしそこまで料理上手でもないハト子の飯に文句も言わない」
「当たり前だろ住まわせてもらってる分際で。それに言わなかったか、ネジ回すの好きなんだよ」
「そうだったな……ちょっと見せたいものがある、来るか?」
「? あぁ、なんだよ一体」 - 71二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:26:19
オオカミのいう見せたい場所というのは、店から近いところにあったガレージ付きのプレハブだった。プレハブとは言ってもそれなりに手入れが行き届いており、中には家具にエアコンまであって快適そうだった。車庫の中には古びたバンが停めてあるがそれでもなおスペースに余裕がある。
「提案なんだが、商売でもやってみたらどうだ?」
「……なんだと?」
唐突な発言に、オレはギョッとした。まさか食費やらで負担になっちまったってことか? だいぶ元気になったとはいえ、まだリンネの体調は怪しいところもある。安心できる寝床を手放すわけにはいかない。
「……悪い、飯はコレからオレのは2食に減らしていい、何なら無くても文句言わない。だから、その……」
「……? あぁ、すまんすまん別に迷惑に思ってたりなんて、それに追い出したりしないって、そうじゃない。お前こいつら知ってるか?」
酷く狼狽えてしまったオレにオオカミは小さな紙切れを渡してきた。よく見れば名刺だった。「便利屋 68」と書いてある。
「なんだコレ?」
「ゲヘナの学生らしいんだが有名だぜ? 腕っぷしの強さでブイブイ言わしてる。噂じゃ風紀委員会やカイザーPMCとやり合って上手いことやり過ごしただの逃げ切っただの」
「!? あの空崎ヒナの風紀委員会と互角だと!? 軍隊か何かかよ……」
「俺に言わせりゃたった1人で最初にヘルメット団やっちまったお前も大概だよ……」
「それはともかく、その、話が見えてこねーんだが」
「学生でも社長やってるのが居るってことさ。こんな貧乏な自転車屋に納まるな、一山当ててリンネちゃんに美味いものでも食べさせてやんな。失敗したらまた店に戻れば良い、何事もチャレンジだろ? お前は若いんだから」 - 72二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:28:16
「…………………………………。」
『とりあえずを認めるのは嫌か。タクミ、お前は強い子だ。強くて、賢くて、何よりどこででも咲ける「やわらかさ」がある』
『「やわらかさ」は強さだ。悪い事も、良いことも。やってみたい事も、嫌なことも「とりあえず」やってみろ。それが出来る適応力がお前にある』
『できた事、できなかった事。もう少しうまくやれそうだった事、自分じゃ手に負えなかった事。「やらなかった」人間に経験は蓄積しない。なぁなぁで適当にやっても、経験はお前を助けてくれるはずだ』
やわらかさは強さ、とりあえずやってみる。昔オヤジから教わった事だ。提案にノらないという考えは俺の頭からすっ飛んでいた。 - 73二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:29:20
事業を始めるための準備が始まる。車庫にあったサビたバンは普通に動く状態で、アリウスに居た頃に動かしていたガタガタの兵員輸送車より何倍も運転しやすかった。貰った設備が問題なさそうだったため計画を進めていく。
「何でも屋•渡り鳥」。オレとリンネの苗字から連想して作った屋号だ。こういう場所で何かをする奴らはメンツや名前を気にすると言うし、というわけで「便利屋」とは名乗らないことにしたのだ。それに件の連中は戦闘や破壊工作がメインらしいとのこと、仕事を選り好みする気がないオレは文字通りリンネに反対されるような汚れ仕事以外は「なんでも」引き受けるつもりだったのでこんな名前にした。
〔〜渡り鳥〜 ゲンコツ一発100円から〕 適当にキャッチコピーを作ったあとにオレはある人物に連絡を入れることにした。そう、シャーレの先生である。携帯で調べたところすぐに出てきた番号にかけると、受話器越しの相手に事情を話す。ひたすら自分を避けていた相手からの電話に驚いた様子だったが協力してくれると言うので用件を話した。
「仕事を始めるのに当たってホームページを作りたい。チラシやら名刺やらばら撒くのはオレ一人で何とかなりそうだが、コレはやり方がわからねぇし携帯でやっちまったらメールアドレスやら電話番号で勘ぐられそうでよ。で、先生のパソコンからやりたいんだ」
“タクミは立派だね。リンネのために色々頑張ってるんだね”
「……あぁ、泊めてもらってる人らにも恩返ししたいんでね。それに、先生リンネの近況が知りたいんじゃねーかと思ってよ」
“それもそうだけど、元気そうでなにより”
「へっ、ご心配どーも。今から1人でそっち行くからな。じゃ、また」
生徒が相手だとお人好し、というのは本当らしいな。きっちりと情報収集してから臨んだ電話の手応えに、オレは思わずニヤけてしまう。電車の時間とD.U.の地図を交互に見ながら、銃を担ぎマスクをバッグに突っ込んで店を出た。 - 74二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:33:35
- 75二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 00:39:45
生徒募集は連絡先をくれる生徒のガードの硬さ説っていうのがちょいちょい言われるしリンネは限定★3、タクミは恒常★2そう。そしてタクミだけ持ってる人が絆ストーリーで何回か出てくるリンネちゃんってどんな娘なんだろう?とメインストーリーを進めてあまりの境遇にドン引きするんだ。
- 76二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 06:46:00
直接描写しないからこそ想像が膨らみ、そして爆発する
- 77二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:43:13
〜世話役ちゃん、病院を見つける〜
運というものは巡ってくるとしばらく良い事が連続するもんだな、と考える。何でも屋を開いてしばらくになるが、仕事は順調で割と軌道に乗っていた。
ブラックマーケットに居を構えられる度胸と強さ、そして何よりもそんなところにいるくせに比較的クリーンな仕事(会計担当になったリンネが選別したからでもある)を請け負うやつが居るらしい。そんな噂が流れてくれたおかげで便利屋らしい軽い仕事は次々オレらのところに舞い込んだ。
すぐ近くが砂漠化してる学校校舎の掃除、進入禁止エリアのビル壁に突然現れた落書きを消す、食べ放題の店を度を越して食い荒らされたので営業中に急いで買い出しをする……どれもこれも前からは考えられないぐらい平和な仕事だった。一番苦戦したのが学校に出さなければならない数学の宿題の代筆ぐらいだ。
信用のため報酬は現金か換金できるもののみ、その額も内容を聞いてこちらで決める、と、クライアントから不審がられそうな取り決めもある。が、シャーレに行くようになってから、指名手配犯の寿司戦隊?だかの妙な連中をとっ捕まえたり、工場で暴走するメカの破壊だのと手伝った結果、オレ個人に一定の評価がついたため、仕事が回ってくるようになったのだ。営業活動の首尾は上々だな、と思う。
それに時間が経ってくると人の記憶も薄れていく。オレは仕事の時は新調したコートと防塵マスクで出身校がわからない格好をしていたが、街で手配されているスクワッドやアリウス出身者の話もあまり聞かなくなった。
そもそもあの先生とやらはどんなコミュニティを築いているのか、シャーレの仕事には、ゲヘナでたびたび軽犯罪を犯しては収監されるような問題児やらの賞金首もちらほら見かけた。それに場所によっては銃撃戦やら建物が爆破解体されたなんて日常茶飯事。建物一つが丸ごと地図から無くなる大損害を食らったトリニティ以外、アリウスの事をそこまで気にしていそうな組織は無さそうだった。 - 78二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:44:04
いま、時間が経ったこの頃合いなら問題ないか。そう思ったオレは、ゲヘナ•ミレニアム他様々なクライアントの中でもずっと蹴っていたトリニティの生徒からも依頼を受ける事にした。交戦経験のある正義実現委員会にはリンネは化け物の姿だったから言わずもがな、オレも顔面が隠れるマスクに白いコート姿だったので今の格好でバレる事はよほどのヘタを打たない限り皆無に等しい。それに近場の仕事が拾えるなら余裕も増えるし、逆に近いのに頑なに仕事を受けないとなると不審に思われる。そう考えての判断だった。
結果は大当たりだった。オレらの出身と違ってお嬢様高なのは調べ尽くして常識だったが、金払いが良い客が多い。実のところ、仕事を始めてある程度の稼ぎができてからオオカミにいらないと言われても強引に家賃を払うようになって。あまり余裕は無かったのだが、そんな心配がいらなくなる。行列ができるケーキ屋で横入りする奴を簀巻きにして最後尾に並べ直したり、紅茶風呂の茶葉が逆流して詰まった排水管の修理なりと済ませると簡単に金が溜まった。
転機が訪れたのは、数回目のトリニティの生徒の依頼を1人で完遂した時だった。飼い猫が高いところから降りられなくなったと聞き、くだらねぇと思いつつオレはなんなく街路樹に登って猫を下ろしてやったところ、なんとソイツは50万という大金を寄越してきた。
流石にこんな事で受け取れないと思い、オレはガキの小遣い程度でいいと何度も断ったが、妙に頑固な奴で報酬をケチるつもりはないとキッパリ言い切られる。仕方がないので、後でゴネられても面倒だからとオレは手帳に手書きで領収書を書き、そいつの名前も記入してもらって渋々カネを受け取った。
地下に居た頃からは考えられない生活が出来そうな、暫くは食うに困らなくなりそうな収入だ。居座っているガレージを改装するなり外食するなり、はたまた広告なんて出してみても今後の仕事に繋がるかもしれない。色々と考えてみるが、オレは一番に思いついたものが自然と口から出てしまう。
「入院費用……ってどうなんだ」
もちろん自分の、ではない。傷の治りが早い特異体質は残ったとはいえ、体が弱っているリンネのことだ。 - 79二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:45:01
ハッキリ言って今のリンネは足手まといだ。後遺症か何かで激しい運動はできず、オレより多少ましとはいえあんな環境で育ったせいで特別頭が良いわけでも無い。……だがそれ以上に、オレはアイツの事が心配でならなかったのだ。
シャーレで先生と話したがやっぱり本当にごくごく稀にだがスクワッドも仕事に参加する日もあるという。会いたいならすぐにでも会えるぞと言ったが、リンネはそれを拒否した。後から知ったが、リンネがああなる前からクソババアの計らいで拷問を受けた事があるらしく、まだサオリや姫の事が怖いらしい。実際、オレはリンネがキャップ帽や黒いマスクに軽い悲鳴を上げるほどトラウマがあるのは知っている。
夜にすすり泣き始めたかと思えば、はげしく咳き込んだり、日によっては晩飯を戻すことまであった。頭にきてライターでそのまま焼いちまったベアトリーチェの日記は、小難しくて半分も理解できなかったがアイツに施された「実験」は常軌を逸している。一度、マトモな病院で検査なり入院なり、場合によってはカウンセリングでも受けさせなければ手遅れになる気がする。ここまでしぶとく生きてきたオレのカンがそう言っていた。
考え込みすぎて久し振りに寝不足になる、そんな日のことだった。今日の仕事は久し振りに戦闘になりそうなもので、目薬を指して気合を入れ直して依頼主の元へと1人で歩く。待ち合わせ場所の公園前で出迎えたのは、体のあちこちに包帯が巻かれてボロボロの生徒と、そいつが座る車椅子を押しているやつれたヘルメット団だ。護衛の依頼だったが、恐らく護衛対象で間違いなさそうなやつの怪我にオレは少し引いてしまった。
「「何でも屋•渡り鳥」さんですか?」 根無し草のチンピラにしては気品のある声で言うヘルメットにオレは「そうだ」とドライな返事をした。
「目的地はこの先です、一本道ですが私だけでは突破できないと思って、依頼させていただきました」
「そうかい。じゃとっとと行くぞ、その子、ツラそうだが?」
「! は、はい!!」
ヘルメットの指差す先はなんてことの無いただの住宅街だ……ただ、何故だろうか。背筋が凍るような嫌な予感がして冷や汗が出てくる。オレはライフルともう一丁持ってきていたグレネードランチャーの装填も済ませて、依頼主の護衛任務を開始した。 - 80二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:47:21
「はぁ、はぁ、はあああぁぁぁぁ!? な、何なんだよココは! てめぇ罠じゃねぇだろうな!?」
「す、すみません、本当にすみません! こんな場所だったのは知らなくてぇ……!」
嫌な予感というのは当たるものだ。オレはとんでもねぇ仕事を引き受けたものだと後悔していた。入ったのはやはりただの路地なんかでは無かった。あちこち死角になりそうな場所に爆弾やトラップ、いやらしい位置にセンサーで誘導して自爆してくるドローンに、待ち伏せしていた不良共ととんでもない伏兵が潜んでいたのだ。
流石のオレといえども、護衛対象をいたわりつつ何十人も殺到してくると捌ききれない。最後はもう破れかぶれで両手の銃をぶっ放し、目的地だという場所へと車椅子を放り込んでどうにかヘルメットのやつを逃がすことに成功した。
息を切らしながら、どうにかオレも何かの敷地内へと逃げ込む。引き金を引いても弾が出ず、持っていたカバンもすっかり軽くなっている。弾切れしたってのか、たかがコレだけの距離を進むのに。恐ろしい道だった……ぜぇぜぇと荒く呼吸し、汗でぐちゃぐちゃの額を拭う。ようやく落ち着いてきて、一体ここはどこだとオレはヘルメットが走っていった方向へと体の向きを変えた。
「!? ここ、病院だったのか……」
オレの目に写ったのは、デカい十字架マークが目立つ大きな建物だった。 - 81二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:48:10
少し遅れて依頼主を追いかけると、程なくしてその姿が見えてくる。ヘルメット団は、車椅子の娘を白衣をまとったガタイのいいロボに引き渡し、何か話していた。
「まさか辿り着くとはね、でも約束は約束だ。お金は確かに受け取った、この娘はうちで治療しよう」
「本当に、ありがとうございますッ……先生……!」
金の入った茶封筒を服にしまい、医者っぽいそいつはヘルメットを取った依頼主の頭を軽くなでて建物に入っていった。なんだ、入院の手続きかなんかなのか? そう思っていると、女がこちらに気づいてはっとして駆け寄ってくる。
「えぇと、タクミさん。ありがとうございます、おかげであの娘をここまで連れてこれたから……」
「いーよ、別に。しかしこんなとこにこんなデカい病院があったなんてな」
「ちょっと特別な場所なんです……あの娘を受け入れてくれる場所はここしかない!って思って……」
「ふーん。」
「ホスピス•キヴォトス」。看板にはそう書いてあった。ホスピス……聞いたことがない名前だ。変わった病院だな、などと思っていたときだ。背後から男の声がする。
「おや、見ない顔だね君。入院希望の予約かい?」
振り返ると、さっきのとはまた別の、顔にパッチワークの修理跡みたいのがある白衣ロボが居た。 - 82二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:49:38
「あぁ、いや、オレは違うよ。コイツがお友達の護衛してくれってんで来ただけだ。邪魔ならすぐ帰るよ」
「おや、そうだったのかい。道中大変だったろう、少し立地が悪いからね」
「全くだ、苦労させやがって、じゃあな―――」
とっとと帰るか。そう思って歩く―――のを止める。オレはリンネの事を思い出した。
「………ベッドに空きはあるか? 検査を受けさせてやりたいやつが居るんだ。それと、どれぐらい金がかかるかも知りたい」
「む、なるほど。入院費用も検査も格安ですよ。尤もまたここに「辿り着ければ」の話ですがね」
「……なんだと?」
なんだか雲行きが怪しい。オレは眉間にシワを寄せる。
「ここに至るまでの道。私が意図的に「指名手配犯がよく通る」と噂を流していて広めていてね。これが何を意味するか、わかるかな?」
「…………懸賞金狙いのバカどもを恣意的に引き寄せてる、ってのか?」
「御名答だ。どうやら君は賢いようだ」
一体何のためにそんな事を? オレはロボ医者を問い詰める。 - 83二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:50:55
「なんでそんなコトしやがる、ここただの病院じゃねーのか。おい、お前もなんか言ったらどうだ」
目を伏せていたヘルメットに声をかけたがだんまりだ。困惑するオレに、ロボは淀みなく答えてくれた。
「ここは普通とはちょっと違うんだ。治る見込みの少ない重い病気や、不治の病に苦しむ娘の長期入院が多くてね。だからあまり多くの子を受け入れることが出来ない」
「!! おま……医者のくせに患者を選別しよってのか」
「えぇ、そうです。残念ですが、病床も人手も無限じゃない。」
「……ッ! 〜〜!!」
「本当に大切な人を助けたいとの覚悟。それが見たいのですよ私は。貴女には見せられますかな?」
「……上等だ。待ってろ、すぐにでも連れてきてここに入れる……首を長くする必要なんかねーってコトを教えてやる」
「えっあっ、タクミさん成功報酬のお金……」
「いらねぇよ今日はサービスしてやる!! しゃらくせぇ、オレは帰る!!」
やるさ。やってやる。オレは自分に言い聞かせるような事を口にしながらその場を後にした。 - 84二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:52:37
今夜こそリンネを病院にシュートするぜ
- 85前2224/04/03(水) 13:15:32
- 86二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 15:00:28
ベアおば「親友をリンネの体内にシュゥゥゥト!!
超!エキサイティン‼︎」 - 87前2224/04/03(水) 15:40:45
- 88124/04/03(水) 18:01:34
痛い思いとか危ない思いとか、なるべくしないで欲しい
こっちで受け持つから何かあったら... - 89前々スレ18724/04/03(水) 19:29:51
- 90二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 19:31:20
「ようやく着きましたね、ここが私たちの......」
「はい、合宿の場所です。ようやく着きましたね、ふぅ......」
「しばらく使われていない別館の建物と聞いたので、冷たい床で裸になって寝ないといけないのかと思ってましたが......」
「広いですし、きちんとしてますし、可愛いベッドもあって何よりです。」
「これならみんなで寝られそうですね、 裸 で♡」
「さっきから何でちょいちょい「裸」を強調するの!?それにベッドの数もちゃんとあるんだから、みんなで寝る必要ないでしょ!?」
第一回試験に合格できなかったため、これから一週間の合宿がスタートした。 - 91前々スレ18724/04/03(水) 19:32:47
うん、いい場所だ。あの路地裏と比べれば千倍いい。少し埃っぽい気がするが。
「偵察完了だ。」
アズサが部屋に入ってくる。
「て、偵察......?」ヒフミが困惑している。
「トリニティの本校舎からは離れてるし、流石に狙撃の危険は無さそう。外への入り口が二つだけというところも気に入った。いざという時は片方の入り口を塞いで、襲撃者たちを一階の体育館に誘導した上での殲滅戦が有効になるかな。まあ、他にいくつかセキュリティ上の脆弱性も確認できたけど、改修すれば問題無い範囲だ。」
ここは戦場か?まあ、念の為、確かめておくべきだとは思うが...
アズサは武装しすぎだ。ただの合宿だろうに、対人地雷とクレイモア、IEDなんて持ってきて、何に使うんだ?対戦車地雷まで。こんな所に戦車が乗り込んでくる訳ないだろ...
「改めて。ナギサ様から言われた通りです。第一次特別学力試験には残念ながら落ちてしまったので.....この別館で合宿をする事になりました。私たちは二次試験までの一週間、ここに滞在する事になります。」
「長い間放置されていたそうですが、少しお掃除すれば全然使えそうですし、体育館やシャワー室なども充実しているようですし......。」
ヒフミが現在の状況を説明している。 - 92前々スレ18724/04/03(水) 19:35:04
「うん、そう言えば、外にプールもあった。しばらく使われていないようだったけれど。」
「あ、そうだったんですね。あと、ここはトリニティの本校舎からも頑張れば歩ける距離ですし、地下に食堂設備のようなものもありましたから、特にお腹を空かせる心配もなさそうです。」
「それに私たちがここにいる間、先生もずっと一緒にいてくれる予定ですので、何かあっても大丈夫だと思います!」
「"うん、任せて。"」
「ありがとうございます。えっと、通路を挟んで向かい側にもお部屋があるのですが、先生は――」
その時、ハナコが何かに気づいたような表情をし、口を開こうとするも――
「ダメっ、絶対ダメ!!同衾とか絶対エッチじゃん!!!!しけえ!!」
コハルに未然に防がれる。ハナコは少し困惑して、
「まだ何も言っていませんが......?」
と言うが、
「何を言い出すのかだいたい分かるわよ!!ダメったらダメ!そういうことはさせないんだから!」
と更にダメ押しされる。コハルは厳しいな。
「そういう事は起こらないと思うぞ、コハル。先生はそういう人じゃない。」
先生は生徒を襲うような人間ではない。
「私もナグモと同じ意見。私は、先生もここで構わないけど?ベッドも余ってるし、無駄に部屋をいくつも使う事もない。」
「"みんなで交流を深めておいて。何かあったら呼んでくれれば。"」
「で、では一旦そういう事で。そうしたら、荷物を片付けて早速お勉強を...」
「あら、でもその前にやる事があると思いませんか?ヒフミちゃん?」
「えっ...?」 「なるほど、敵襲を想定してトラップの設置を?」
「いえ、そうではなく...」
「お掃除、ですよ♡」 - 93二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 19:36:38
「お、お掃除、ですか?」
「はい。管理されていた建物とはいえ、長い間使われていなかった事もあって、埃なども多いように見えませんか?」
「このままここで過ごすというのも健康に良くなさそうですし、今日はまずお掃除から初めて、気持ち良い環境で勉強を始めるというのはいかがでしょう?」
「なるほど、確かにそうですね。まずは身の回りの整理整頓から始めるのは定石ですし、そうでないと途中で気になってしまいますし。」
と、いうことで。大掃除が始まった。
私はヒフミから、建物周辺の草むしりを頼まれている。
放置されていた影響か、雑草の楽園状態になっている場所が多いな。
ブチッブチッと雑草をむしり取っていく。
草むしりは、根から雑草を抜いてはいけない。土が固くなって、次また雑草が生えてきた時に抜けにくくなるからな。
次は食堂だ。厨房には埃一つも残さん...厨房は清潔でなければならない。
箒で掃除開始だ。
作業は二時間程度で終了し、補習授業部と合流した。
「"こんな所かな......?"」
「いいんじゃない?ずいぶんキレイになった気がする。うん、気持ち良い。」
「......うん、悪くない。」
「そうですね、お疲れ様でした!」
「あ、まだ一か所だけ残ってますよ?」
「あれ、そうでしたっけ......?」
「はい。屋外プールが。」 - 94前々スレ18724/04/03(水) 19:39:37
―――――――――――――――――――――――――――――――
「これは......。」
「だいぶ大きいな、どこから取り掛かれば良いのか......そもそも、補習授業に水泳の科目はなかったはずだけど?」
「試験に関係無いなら別にこのままでも良いじゃん。掃除する必要ある?」
「いえいえ...よく考えてみてください、コハルちゃん。キラキラと輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒たち...楽しくなってきませんか?」
「......!?え、何!?何か私に分からない高度な話してる!?」
「ですが確かに、こうして放置されてしまったプールを見ていると......何だか寂しい気持ちになりますね。」
「このサイズだったし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう。元々は、賑やかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない。それでも、こんな風に変わってしまう。「vanitas vanitatum」。それが、この世界の真実。」
「え、えっと...」
「古代の言葉ですね、[vanitas vanitatum(全ては虚しいものである)]......確かに、そうなのかもしれません。」
vanitas vanitatum...全ては虚しい、か...
「...アズサちゃん、ヒフミちゃん、コハルちゃん!それと、ナグモちゃん。今から遊びましょう!」
!?
「え、えぇっ!?」
「今から掃除して、プールに水を入れて、皆で飛び込んだりしましょう!明日からは頑張ってお勉強をし続けんしといけませんし...となると、今日が最後のチャンスかもしれないじゃないですか?」
「今のうちにここで楽しく遊んでおかないと!途中からはまた別の事で、色々と疲れてしまうかもしれませんし......!」
「さあさあ、早く濡れてもいい格好に着替えてきて下さい!プール掃除を始めましょう!」
「......うん。例え全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。」
「問題ない、ちゃんと水着も持ってきてる。待ってて。」
「ア、アズサちゃん!?速...!?」
「さあ!ヒフミちゃんも!コハルちゃんも早く水着......いえ、何でもいいので濡れても良い格好に!!ナグモちゃんは...もう体操服でいいです!!」
「"何だかハナコの目が怖い......。"」 - 95前々スレ18724/04/03(水) 19:41:41
そして、私と先生、ハナコ以外が全員、水着に着替えてきた。ハナコはなぜか制服に着替えている。
「さあ、これでびしょびしょになっても構わないという事ですね♡」
「いや、私は構うというか...まあいいか。体操服だけど...」
「うん、問題ない。」
「ま、まあ一応...」
「では、皆でお掃除を始ましょうか?」
「待て待て待てっ!!!!」
コハルが大声で叫んだ。
「コハルがちゃん?どうかしましたか?」
「あんた掃除の時は水着でどうして今度は制服なの!?濡れてもいい服ってあんたが言ったんじゃん!?」
「これが濡れてもいい格好ですよ?」
「もうあんたが何言ってるか分かんない!制服が濡れてもいいの!?」
「コハルちゃん、これは各々の美学の問題かもしれませんが...」
「えっ、美、美学...?」
「水着と制服、どちらの方が濡れた時に「良い感じ」になると思いますか?」
「は、はぁっ!?「良い感じ」って何よ!?何の話!?」
知ってるクセに。
「ふふっ、まあ半分は冗談ですよ。ほら、実は中に着てるんです。お小遣いで買ったビキニの水着♡」
「え、えっ......?」
「先ほどコハルちゃんに「水着の着用禁止」と言われてしまいましたし、確かに学校でスクール水着の方が鉄板ですが......今日はこれで許していただけませんか?」 - 96二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 19:48:56
「スクール水着は今洗濯中でして、これがダメだとすると私、下になにも......」
「な、なんで私に判断を託すのさ......!べっ、別に別に勝手にすりゃ良いじゃん......!?」
「うふふ、ではそういうことで♪あらためて、お掃除、始めましょうか...!」
そうしてみんなで掃除を終えた後、プールに水を入れ始めたが...
想像以上に時間がかかり、プールに水が溜まった頃には既に、日が暮れてしまった。
プールに溜まった水の水面には月が映り、ゆらゆらと揺らめいている。
「......」
「結局、実際にプールに入って遊ぶ事はできませんでしたね......」
「そういえば、水を入れるのは、結構時間がかかるものでしたね...ごめんなさい、失念していました。」
「いや、謝る事はない。十分楽しかった。」
「......綺麗。」
コハルは眠そうだ。目をしょぼつかせて、うとうととしている。
「そうですね。真夜中のプールなんて、なかなか見られない景色で......」
「あら、コハルちゃんおねむですか?」
「そ、そんなことないもん......でも、ちょっと疲れた......」
「確かに、今日は朝から大掃除でバタバタでしたもんね。では...そろそろお部屋に戻って休むとしましょうか?明日から本格的に勉強合宿が始まってしまいますし......そろそろ寝ないと明日に支障が出てしまうかもしれません。」
「そうですね、では今日はこれくらいで。」
そして、私達は部屋に戻る事になったが、先生と私は、補習授業部とは別の場所で寝る事になった。
コハルから「同衾はエッチだって言ったでしょ!?ダメよ!!絶対ダメ!!」と言われたが、私は護衛なのだから、先生の近くにいなければならない。
万が一があるしな......
今日は、ナギサの話について、整理するとしよう。 - 97二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 21:46:22
着々とそれぞれのルートが進んでいく……
- 98二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 22:01:18
- 99124/04/03(水) 23:13:25
いまいちなじみ切れないナグモちゃん可愛いね…補習授業部曇らせはかどる…
- 100124/04/03(水) 23:15:43
- 101二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:32:59
〜世話役ちゃんと決戦前夜〜
仕事を終えて、モヤモヤを抱えたままオレはまだ夕方でもないのにふて寝する事にした。考え事がまとまらなかったり、解決できないイライラがある時は寝るに限る。どうせ1日無駄にしたところで時間に追われている用事も特にない、そのままオレは事務所のソファの上で意識を手放した。
――きて。―――ば!……もう! あぁ゛? んだようるせぇな。誰かが呼ぶ声がして、オレは体を起こす。
「あ!? タクミちゃんあぶな」
「は?」
ゴンッ!! と鈍い音が響き、続いて額に激痛が奔って思わずうめき声が出た。何が起きたかわからず、オレはデコを抑えながら一度浮かした頭を再度ソファに投げ、痛む部分をさする。薄目を開けてみると、外はすっかり暗くなっており、何をしていたのかフライパンとオタマを持ったリンネがすぐ近くに居た。
「ご、ごめんタクミちゃん!? その、なかなか起きないから楽器みたいに耳元でゴンゴンしようかな〜なんて……」
「て、てめぇリンネ……墓入るまで覚えとくぞッ!」
「えぇ〜!? 許してタクミちゃんもうしないからぁ!」
ハァ。わりかし元気なときのを見てると、あれこれ考えすぎるのもバカらしく感じるな。何でも屋の仕事は実動は基本オレ1人でこなし、人見知りが激しいリンネは受付と会計担当だ。なので依頼人と面と向かって対応するのはオレだし、当然昼のヘルメットや医者とのやり取りは言わない限りリンネは知らない。
「…………………………。」
『一山当ててリンネちゃんに美味いものでも食べさせてやんな。』 リンネの顔を見ていると、前にオオカミから言われた事を思い出した。そうだな、気分転換にも外食でもするか。オレはそのへんに放っていた荷物を手に取り、口を開く。
「出掛けるぞリンネ、ハト子に夜飯いらねーって言ってくるわ」
「へ?」
「たまには外で何か食べようぜ。せっかく稼げるようになった事だしな」 - 102二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:34:46
こうして夜に車椅子を押して外を歩くのも久し振りだな、とオレはなんだかうきうきしているリンネを見ながら思う。仕事にリンネも来るのは本当にごくごくまれだし、しかもここはトリニティ自治区。言うなれば生まれ故郷の掃き溜めに近づいているわけでもあり、オレはあんまりこいつを近づけようとはしていなかった。
だが、リンネのリクエストはこの場所の洋食屋だというのでそこまで歩みを進める。ここらでの仕事をこなしたとき、ケーキ屋から報酬代わりに洋菓子の詰め合わせをもらったり、カフェでは賄いも追加でもらったりして持ち帰った事もあった。日持ちしないのですぐに食べたが、リンネはたいそう気に入っていた。自由に出歩けるオレと違って、店で出来立てを食べたいと思うのは当たり前かと思う。
入った店は、それはもう大当たりだった。かなりハイソな店で店内は見るからに金持ちそうな奴が多く、そいつ等に比べればみすぼらしい格好のオレら2人は浮いた。が、店員は人当たりも接客も良かったし、料理の味は凄まじかった。値段もなかなかだったが、こんな美味いものがこの世に存在するのかと感動するレベルだったし、この領域の物が出てくるなら妥当かと満足した。
「はぁ〜食ったな。すげーなーアレは、料理人の奥義ってもんを味わった気がするぜ」
「カレー、美味しかったなぁ……ねぇ、また来ようよ!」
「余裕ができたら、な。そう何度も来れる場所じゃねぇよ。それに美味いものはたまにじゃねぇと飽きるぜ」
ほんと、何ヶ月か前が考えられないぐらい舌も肥えちまったな。しみじみとしながら歩いていると、あ、とリンネが何か思い出したように言い始める。
「タクミちゃん、もう1個、わがまま……いいかな?」
「食後のデザートか?」
「お腹はもういっぱいだよ。あれ、あのちょっと大きな丘のある公園。夜空が綺麗に見えそうじゃない?」
これはまた、ロマンチックな事を言うやつだな。繰り返すが急ぎの用事も何も無いオレは素直にリンネの言う事を聞くことにした。 - 103二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:36:32
「けほっ、けほっ、っくしゅん! あぁクソ、街路樹とかの花粉かこりゃ。鼻水が止まんねぇ」
「ご、ごめんタクミちゃん。こんな場所まで連れてきちゃって」
「だから良いって言ってんだろ、むしろお前は良いのか。こんなハナタレ居たらうるさいだろ」
「うんうん。むしろ、落ち着く、かな……?」
「チッ、そうかよ」
ハンカチで鼻を押さえながら、オレは垂れてこないようズズッとすする。街のど真ん中に、こんな街頭とかも少ない場所があったんだなと周りを見る。リンネはと言うと、背もたれに寄りかかって顔を上げ、満天の星空にため息を吐いていた。
「わぁ〜……綺麗…………」
夕食の時間が遅かった上、ゆっくり歩いていたので時刻はすでに深夜帯に差し掛かる辺りで、街の明かりが消え始める。それで余計な光が無いことで、より星の光がまっすぐに目に届く。
方角の確認とかじゃなく、純粋に景色を楽しむものとして空を眺めるのは初めてかもな。オレは車椅子の横で芝生に座り込み、なんの気なしに昼に考えたことをリンネに言う。 - 104二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:38:07
「リンネ、見ながらでいい。話があるんだ」
「な〜に、タクミちゃん」
「昼に護衛したヘルメット団、オトモダチを病院まで連れてってくれって依頼だったんだ。ちと特殊な病院だったがな、お前の事もなんとかできそうな場所なんだ」
「!!」
内容が気になったか、リンネがこっちを向いた。オレは空を見上げたまま続ける。
「オレは、お前が心配だ。お前の昔の事は話でしか知らねーしサオリ達との関係性もよくわかんねー。ただ一つ言えることはオレが初対面の時、お前は得体のしれない怪物だったって事と、クソババアに何かされてああなってたってこと。……応急処置ぐらいしか医療知識なんて無いけど、ただの人間があんなになって体に悪影響が出ないなんて考えられない、違うか?」
「…………う〜ん、私も、自分がよくわかんない、から」
「嫌なら嫌だと言ってくれて良い……お前はどうしたい? オレは、正直言うと自分が捕まってでもお前を救護騎士団とかにぶち込みたいとか思ったこともある」
「!? だ、だめだよそんなことしちゃ! タクミちゃんが私のためになんか……」
「ホラ、やっぱりそう来るだろ……だからだ、ヘルメット団の知り合いなんて受け付けてくれる病院、しかも設備整ってるのはさっき飯の時間に調べてたんだ。しかも調印式の時に負傷したトリニティやゲヘナ生を受け入れた事もあるらしい。実績はバッチリだ」 - 105二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:39:26
「わ、わたし……わた、しは…………。私は、元気になりたい……昔みたいに、サオリちゃんたちとお喋りして……仲直りもして……それで、それで……ッ」
「……そうか。じゃ、準備しねぇとな」
地上に出てから買って使うようになって手に馴染んできたアサルトライフル……店では「一番コンソメ」とかいう名前だったソレを手にとって、薄暗い中でも金属光沢を放つ銃身を眺める。
なんでそんな名前なのかと初めは思ったが暇な時に由来は調べた。コンソメスープには「一番」と「二番」があるらしく、前者は煮詰めた野菜や出汁をひたすらアク抜きをして出来上がる上澄み、つまりごく少量のみが取れる一切の無駄の無い澄み切った一杯を指すらしい。転じて余計なパーツがないシンプルな完成された銃という事だ。
今のオレが一番頼れるのはコイツだけだ。使い心地の良さ、多少荒く使ってもなんとも無い信頼性は振り回しまくって知っている。リンネのためにも……頼むぜ相棒。なんとなくでマガジンを外してもう一度つけ直した時、リンネが話し掛けてくる。 - 106二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:41:18
「ねぇ、タクミちゃん。」
「どうした、そろそろ帰るか?」
「うんうん、違う……あのお星さまは、タクミちゃんの言う病院からでも見えるの?」
リンネが指を指す方向を見る。夜空に輝く中でもひときわ大きく光るその星は北極星だった。「あぁ、その星か。」 オレは自分にも言い聞かせるようにゆっくり説明してやった。
「見えるぜ、どこにいても、どんな季節にも。そして、自分がどこにいるかを教えてくれる、そんな星だ。」 - 107二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:42:33
今夜はここまで。意地でも2人には青春っぽい物を楽しんでもらう。
ついでにタクミちゃんの固有武器名称は一番コンソメです。 - 108二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 04:31:24
星に願いを乗せるの、青春っぽくていいな
- 109二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 06:46:57
救いあれ……
- 110二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 08:02:23
最近救われてきてるからそろそろ……ね?
- 111二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 12:11:48
青春もののテクストもいいけど邪神様はまだ許してなさそう
- 112二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 17:59:52
このレスは削除されています
- 113前2224/04/04(木) 20:24:08
- 114124/04/04(木) 23:13:02
- 115小鶴リンネ24/04/04(木) 23:14:49
- 116前々スレ18724/04/04(木) 23:52:57
- 117二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 23:55:54
おまえさんの努力と◼️◼️の気分次第だね
- 118二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:03:49
〜世話役ちゃん編最終話〜
悩むぐらいならとっとと動く。今まで生きてきてオレが実践している方針というか生き方だ。家に戻って軽くシャワーを浴び、さっさと寝る。早朝、まだリンネが目を覚ます前に起きた。オレはアサルトライフルのマガジンとグレネードランチャーの弾に、手榴弾と大口径のハンドガン、フワフワヘルメット団からのラジコンドローンと持ちうる武器を全部リュックサックに詰め込む。
何でも屋の仕事をするようになってから着ていたコートとマスクは「今日は」使わない。オレが手に取ったのは―――リンネと逃げたあの日から全く変わらない、地下に居た頃から身に着けていた、アリウスのベンチコートと派手なガスマスクだ。
「…………………。」
平和でお人好しの「何でも屋」は今日は休業だ、何が何でもオレはリンネをあの病院にぶち込む。そのために思い出せ、あの地獄みてぇな訓練と、研ぎ澄ました殺意の使い方と戦い方を。アリウスの人間として、任務を実行するぐらいの気概がなければあのキルゾーンは1人で突破できない。
まだ脳が覚醒しきっていないのか、歩くと少しふらつく。オレは洗面台で顔を洗い、両手で強めに自分の顔を叩く。ハッキリと目が冷め、叩いた頬がヒリヒリする。「良し。」 自分自身に向けて短く呟いた。 - 119二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:05:17
「今日はそっちの恰好なんだ?」
「あぁ。戦闘用なぶん、いつものより生地が厚くて硬い服だからな」
「ふ〜ん、そうなんだ。なんか、久しぶりな気がするなぁ、タクミちゃんのそのコーデ」
「当たり前だ、こんな目立つ格好好きでやることほとんどねーよ……今日はなんとなく気分上げなきゃいけない日だから、な……」
「えへへ、私は好きだな、タクミちゃんのその服。いつもお世話してくれてた時から見慣れてたから……とっても、柔らかいお布団で寝てるのと同じぐらい、みててすごく落ち着くなぁ。」
「ちっ、そうかよ。好きにしろよ、減るものでもない」
午後2時半。ヘルメット団の護衛をやったときと全く同じ時間、天気は雲一つ無い快晴。珍しくアリウス時代の服を着ていたオレがリンネは気になったらしく、色々話しかけてくるのを返事をしながら車椅子を押す。
わざわざ同じ時間を選んだのには理由がある。敵の少ないのを狙って夜明け前やら深夜に行くのも考えたが、そもそもそんな変な時間に行っても病院が開いてない上、診察開始の時間までひたすら持久戦を強いられる可能性が捨てきれない。ならいっそ、同じ状況を作ってしまえば、敵の行動もある程度予想できると考えた。 - 120二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:06:27
地形はある程度覚えている。腐る程やった戦闘訓練やらでどこに伏兵を置けば•置かれたら優位だったり脅威だったりかはわかっている。
幸い攻撃が始まる場所、苛烈なゾーンは一本道。オオカミにあった日にフワフワヘルメット団から剥ぎ取って使っていなかったシールドも持ってきた。自衛手段に乏しいリンネの身代わりになる準備もできている。
それに最後の保険に先生にルスデンものこした。やり残したことは、ない。オレはリンネにも一応構える事を促し、人思いに危険地帯へと足を踏み入れた。 - 121二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:08:14
一歩踏み込んだだけだと言うのに、大量のオートマタや不良がゾロゾロ出てくる。出し惜しみなどせず景気よくオレはグレネードランチャーをお見舞いしてやった。
照準など定めず適当に撃ちまくる。弾がなくなり、オレは今日この日のためだけに用意したリボルビンググレネード専用のスピードローダーなんて用途の限定的過ぎる無駄な物で装填を済ませ、またポンポン擲弾を垂れ流す。用意していた弾がなくなる頃には、すっかり周囲は瓦礫の山になっていた。煙が晴れれば、気絶した不良と山積みのオートマタのスクラップが転がっている。
「行け、行けリンネ、止まんじゃね〜ぞ!」
「う、うん!」
要らなくなった武器を思い切って捨ててしまい、オレはアサルトライフルに持ち替えてリンネの前に立ちつつ声を張って指示を出す。驚いた事に、ここまで派手に痛めつけられた奴が居ながらも増援はやってくる。囲まれてどうしょうもなくなる前に、オレとリンネは指切りで1発ずつ正確に射撃し殺到してくるドローンを落とす。 - 122二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:09:46
体験しただけに想像はしていたがやはりきつい。昨日は車椅子を押しつつ援護するヘルメットが居たが、今日はその車椅子の本人が自力で移動しつつ、銃で自衛もこなすのだ。進む速度は遅くなるし、この場所は行軍速度が遅ければ遅いほどじゃんじゃん敵がきてジリ貧になる。
「ぐっぅ、クソッ……!」
嘆いてもしょうがないので盾を構えてジリジリ進む。自爆ドローンの爆風が想像以上のパワーが有り、体重をかけ方を少しでも間違えれば、踏ん張った足ごと地面から剥がされて吹き飛びそうになる。明らかに無茶をしているとリンネから心配そうに見られるが、残念ながら冗談を返す余裕も無い。
「クソッ、捌ききれねぇ……ッ!」
また、無理なのか? おれはまた仕事を完遂できないって?? ―――リンネと逃げたあの日。スクワッドの奴らは愚か、聖園ミカ1人抑えられず地面を舐めた記憶がフラッシュバックする。だめだ、気持ちで負けてどうする。数が多いとは言え1人1人は雑魚、根性見せろと自分を鼓舞する。
昨日上手くいったからと言って、たった一人でもなんとかなると奢った俺のミスだって言うのか―――懸賞金狙いのヘルメット団の兵力は、完全にタクミの想定を上回っていた。重武装のオートマタ兵、攻撃ドローン、そして昨日よりも武装が強化されている不良ども。いくら死と隣り合わせの環境で牙を研いできたとはいえ、多勢に無勢だった。
「走れ! 早く!!」
だんだん包囲網が形成されていく。もうコレしかない―――そんな中、1個だけ持ってきていたパンツァーファウストをぶっ放す。病院側の方向、1箇所に穴が空いた。オレは車椅子をひっつかみ、腕がちぎれる勢いで思い切り進む方向へとリンネをふっとばした。
「きゃああぁぁ! っ!? タクミちゃん!」
「行けええぇぇぇリンネええぇぇぇぇぇ!!」 - 123二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:12:05
だが、この時オレは頭から大事なことが抜け落ちていた。
「なっ……!?」
リンネの行った方向に、センサー式の爆弾が設置してある。そうだ、あの青い屋根の家、あそこの爆弾で昨日は気絶仕掛けたんだ―――まずい、走って追いつく距離じゃない、アイツに気付いてもらって爆弾を撃ってもらうしか……そう、オレが後悔したその時だった。
どこからともなく飛んできた銃弾が、爆弾を起爆させた。
車椅子が差し掛かるはるか手前で爆発したため、リンネは驚いていたが乗り物から投げ出されるような最悪な状況は切り抜ける。それだけではない、リンネのほうがだめならとオレの方へ殺到する敵が、今度は軍団の後方から飛んできた、花火のようにきらびやかな光を放つフレシェット弾で一網打尽にされた。
「!!」
まだまだ謎の支援は続く。「轟音」に片足を突っ込んでいる大きな銃声とともに粉々になるドローン、そして医療キットを投げてよこしてきたアリウスのエンブレムが付いたドローン……何が起きたのかを察して、オレは特大のため息をついた。 - 124二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:13:49
「いいとこぜ〜んぶ持っていきやがって……腹立たしい連中だ」
病院の門をくぐっていったリンネの背中を見て、体力を使い果たしたオレはその場に大の字にぶっ倒れる。よく見れば、すぐ近くの民家のブロック塀にキャップ帽を被った女とブカブカのフード付きジャンパーの女が。工事現場の看板の陰にバズーカ砲を抱えたやつが、少し離れた雑居ビルの上には星のエンブレムが描かれたバカでかいカバンと対物ライフルを構えた女が居た。
誰の差し金による援護だったのかは考えなくてもわかる。シャーレの先生だ、留守電であんな不安を煽る言い方をしたものだから、心配になって「あいつら」に連絡して手伝ってくれたんだろう。本当、余計なことをしてくれたもんだ。オレは眼前に広がる青空を眺めながら、小さく笑う。
「カッコよすぎるぜ、お前ら本当によ。」
オレは寝そべったまま右腕を空めがけて突き出し、ピースサインをしてやった。キャップの女が居た方向からすすり泣く声とそれをなだめる話し声が聞こえた気がしたが、オレは何も聞こえないふりを続けた。 - 125二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:15:37
ずっとコレがやりたかった わっぴ〜!ルート完
- 126二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:27:34
このレスは削除されています
- 127元スレ5524/04/05(金) 01:32:52
丁度終わったところにすまない…ささやかながら自分からもこちらを…
─────────────
「早く立って。チッ…臭いのだけでもイライラするのに…」
「縺や?ヲ縺翫%縺」縺ヲ繧銀?ヲ繧医?窶ヲ?溪?ヲ縺斐a繧薙↑縺輔>窶ヲ」
アズサをトリニティへと潜入させてから暫く。
スクワッドのメンバーは山間部で訓練を行っており、ミサキはソレを随伴させる役割を担っていた。
しかし、ミサキとソレの周りに他のメンバーの姿は無い。逸れてしまったのだ。
理由は単純明快で、ソレがとんでもなく行動が遅いことにあった。
「どうしよ…走らなきゃ追いつけないし…」
普通に歩いているだけで鎖は後ろに引かれるし、小走りをすれば容易くコケる。
いくらダメージを代わりに受けてくれるとは言え、ここまでだと最早邪魔だ。
故にミサキの苛立ちは徐々にピークに達しつつあった。
「っ…」
鎖を引くと、鎖がピンと張られたことで腐肉が飛び散る。
その一つがミサキの目元に当たり、彼女の不快感は限界に達した。
そんな折、使い方について聞かされたことを思い出す。
『ソイツはどれだけ乱雑に扱おうが問題無い。』
『頭さえ残っていれば後で身体は生えてくるし、能力も使える。』
『だから、頭だけは何があっても回収しろ。』
ミサキの口角は、少しだけ吊り上がった。そうだ、最初からそうすればよかったのだ。
そして、懐からゆらりとサバイバルナイフを取り出す。
- 128元スレ5524/04/05(金) 01:34:06
「アンタ…どうせ後から生えるんでしょ…?」
「ちょっとさ…どうせ死なないなら、ダイエットしなよ?」
「繝翫?√リ繧、繝補?ヲ??シ溘∪縺輔°縲√∪縺溪?ヲ??シ」
森林の中からは人間ではない様な絶叫と、硬いものをゴリゴリと削る様な音が鳴り響いていた。
─────────────
「漸く追いついたか、ミサキ。む…?アレの姿が見えないが…?」
スクワッドは暫くして合流することができた。
しかし、サオリが見た限りではミサキはいるものの、アレの姿が無かった。
まさか置いてきたのかと思った矢先、ミサキは口を開く。
「リーダー、こいつは今度からこうやって運ぼう。」
するとミサキはバックアップを前に下ろし、中を開ける。
そこにはビニール袋に包まれた、腐肉があった。いや、違う。アレがいた。
「悪臭が付いちゃうけど、まあ今度から別の要らないバッグでいいかな。」
「また生えてくるらしいから、入れっぱなしには出来ないけど。」
「なるほど…参考になった。私も今度からそうしよう。」
サオリは納得し、自身のサバイバルナイフを見てからソレを見遣る。
「縺昴s縺ェ…縺輔▲縺。繧?s縺セ縺ァ…縺ゥ縺?@縺ヲ縺ソ繧薙↑、繧上縺励↓縺イ縺ゥ縺?%縺ィ縺吶k縺ョ…!?」
ソレが何かを問うている様には、誰にも見えなかった。 - 129二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 06:45:38
怖い怖い((( ;゚Д゚)))
- 130前2224/04/05(金) 06:48:10
またしても何も知らない錠前サオリさんかぁ…
一応ツール違うみたいで少ししかだけど大体意味が伝わる最後の言葉の翻訳
そんな�cさっち�?��まで�cど�?��てみんな�Aわ�しにひど�?��とするの
…真相を知った時が楽しみですねぇ(邪神の笑み) - 131二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 08:10:09
タクミにべったりだった理由付けがされていく()
- 132元スレ5524/04/05(金) 08:31:59
- 133前々スレ18724/04/05(金) 17:42:35
よ、ようやくエデン条約編一章の終わりが見えてきた...
これ二章はどれだけかかるんだ...
エデン条約編
一章→二章→夏空のウィッシュリスト(イベント)→三章→四章
↑今ココ
続き投下します - 134前々スレ18724/04/05(金) 17:44:20
――補習授業部に、裏切り者がいる。
コハルはハナコに振り回されっぱなしだったし、ヒフミはただの女子高生、といった感じだ。アズサは...プールの清掃作業を本気で楽しんでいたように見える。ハナコは水着徘徊の変態だな。
今一番可能性が高いのは.....やはりハナコだろうか。人に勉強を教えられる頭脳を持っているのに、テストには解答すらロクに書いていなかった。...一度問い詰めるべきだろうか。
コン、コン、コン
ノック音が聞こえた。
「"どうぞ、入って。"」
先生が入室許可を出す。先生...もうちょっと警戒というものを覚えましょうよ...
「あ、えと、失礼します......」
どうやらドアの前に立っているのはヒフミのようだ。そしてドアが開き、ヒフミが部屋に入ってきた。
「その、夜中にすみません......」
「"ヒフミ?どうしたの?」
「その、何だか眠れないといいますか...あれこれ考えていたら、その......あうぅ......」
そして、私達はヒフミと情報を共有することになった。
ヒフミは、ナギサから、「補習授業部に潜む裏切り者を見つけて欲しい」と頼まれていた。第三勢力である「シャーレ」が補習授業部にいる限り、「裏切り者」は動く事ができない。その中でも、ナギサが気に入っているヒフミに協力を頼んだという訳だ。
だが、補習授業部に入れられている時点で、ヒフミも疑われているのだろう。
「わ、私はその、裏切り者だなんて、そんな話......みんな、同じ学校の生徒じゃないですか。今日だって、みんなでお掃除をして、一緒にご飯を食べて......これで、誰が裏切り者なのかを探れだなんて、そんな、そんなこと......そんなこと、私には...」
「"......"」
「"ヒフミは、優しいね。"」
「え、えぇ......!?」 - 135前々スレ18724/04/05(金) 17:45:27
「"その件は、ヒフミは気にしなくて大丈夫。"」
「"私に任せて。私が、どうにか解決するから。"」
「私は、先生を全力でサポートする。先生を危険から守る事ぐらいはできるだろう。」
「"ヒフミは、ヒフミにできることを頑張ってほしい。"」
「私に、できる事......はい!分かりました!あ、その...私に何ができるのかは、まだ分かりませんが......」
「ちょっと考えてみようと思います!......先生、ありがとうございます!何だか心が軽くなりました......!」
そして、合宿初日の夜は過ぎていった。 - 136前々スレ18724/04/05(金) 17:46:14
合宿二日目
「お待たせしました、ではそろそろ始めましょうか?」
ヒフミは朝から元気だ。私は偶にしか寝れないから、いつも酷い隈があるんだよな...
「はーい♡」 「うん。」
「うぅ...全部見られた......もうダメ......」
「コハルも私の体を見たんだから、何も問題はないはず。」
「そういう問題じゃない!あんな強引に脱がすなんて!無理矢理とかそういうのはダメなの!」
風呂にでも入ったのか。
「なら、合意であれば良いと。」
「それでもエッチなのはダメよ!!あんた、先生と同衾してナニしてたのよ!!」
「何もなかったぞ。本当に。」
「何もなかったんですか...少し残念ですねぇ...」
「話を戻しましょうか♪次は、私がコハルちゃんの身体を洗ってあげますね♡」
「はぁっ!?だっ、ダメ!あんただけは絶対に嫌っ!!」
「え、えっと...」
「"ヒフミ、この辺の髪の毛、ちょっと跳ねてるよ。"」
「あ、ありがとうございます。少し寝坊してしまいまして......」
「で、ではなく!!」
「みなさん、こちらをご注目ください!」 - 137前々スレ18724/04/05(金) 17:47:09
「......今日は補習授業部の合宿、その大切な初日です!私達は大変な状態で、ともすれば慌ててしまいがちな状況ではありますが......難しく考える必要はありません!一週間後の第二次特別学力試験で合格する、それだけです!」
「その通りだ。」 「そうだね。」 「ですね。」 「......」
「そこで......」
「今から、模擬試験を行います!」
「私の仕事が増えるな。よし。」「......模擬試験?」 「なるほど......?」 「きゅ、急に試験!?なんで!?」
「闇雲に勉強しても、あまり効率が良いとは言えません。着実に目標を達成するためには、何ができて何ができないのか、今どのくらいの立ち位置なのか......まずそれを把握する必要があります!というわけで、昨晩こちらを準備してきました!昨年トリニティで行われた試験問題と、その模範解答です!まだ中途半端と言いますか、集められたのは一部だけなのですが......。」
「さあ、まずはこれを解いてみましょう!」
第一次補習授業部模試結果
阿慈谷ヒフミ 68点 合格
浦和ハナコ 4点 不合格
白州アズサ 33点 不合格
下江コハル 15点 不合格
これはひどい。ハナコはまた真面目に解答をしていなかったし。
「......これが今の私達の現実です。このままだと、私達の先に明るい未来はありません......」
「ここからあと一週間、みんなで60点を超えるためには、残りの時間を効率的に使っていかなければならないのです!」
「そこで!まず、コハルちゃんとアズサちゃんがどちらも1年生用試験ですので......私とハナコちゃんが、お二人の勉強内容をお手伝いします!ハナコちゃん、最近何があったのかは知らないのですが、1年生の時の試験では高得点だったんですよね?」
「あら......?えっと、まあそうですね......。」 - 138前々スレ18724/04/05(金) 17:48:19
「実はその、1年生の時のハナコちゃんの答案を見つけてしまいまして......それでハナいコちゃんの方については後ほど、今の状態になってしまった原因をしっかり把握した上で、私と先生、ナグモちゃんと一緒に解決策を探しましょう!」
「えっ...勉強方面は私、さっぱりなんだが...?」 「......」
「まだ途中ですが、他にも試験を作成中ですので、今日から定期的に模試を行って、進捗具合も確認できればと思っています......これがおそらくは、今できるベストの選択......頑張りましょう!きっと、頑張ればどうにか、皆で合格できるはずです......!」
「......うん、了解。指示に従う。」 「わ、分かった......」
「ヒフミちゃん、凄いですね。昨晩だけでこんなに準備を......」
「あ、いえいえ、先生達が手伝ってくれたので......」
「なるほど。先生とナグモちゃんが。」
「まあ、私は書類整理ぐらいしかしてないが......」
「"大した事はしてないよ、これはヒフミの頑張りの成果。"」
「それだけではありません、なんとご褒美も用意しちゃいました!」
「えっと......」ガサガサ
「こちらです!よい成績を出せた方には、この【モモフレンズ】のグッズをプレゼントしちゃいます!」
えっ、気持ち悪くないか......?あの鳥?の人形...
モモ...フレンズ......って言うのか?少なくとも、私は見たことがない。
「あ、あれ......?最近流行りの、あのモモフレンズですが......もしかして、ご存知ないですか......?」
「初めて見ましたね...」 「なにこれ、変なの......豚?それともカバ...?」
「ち、違います!ペロロ様は鳥です!見てください、この立派な羽!そして凛々しいくちばし!」
「目が怖い...それに、何だか名前も卑猥だし...」
「えぇっ......!?たっ確かにそうおっしゃる方も一部にはいますけど...」
「なんだか...見てると可愛く見えてくる......かも......?」
「ナ、ナグモさん...!ほ、ほら、ナグモさんもそう言ってますよ!」 - 139前々スレ18724/04/05(金) 17:49:13
「あぁ、思い出しました。そういえばヒフミちゃんのカバンや、スマホケースがそのキャラクターでしたね。確か......舌を出してよだれを垂らしながら、もう許して......っ!と泣き叫ぶキャラクターだったとか......?」
「え、い、いえっ...後半部分は色々と違いますよ!?」
「わ、私はいらない。」
「あ、あうぅ...」
「......」 アズサがモモフレンズ達をじーーっと見つめている。
「あ、アズサちゃん......?」
「......か、」
「......か?」
「可愛い......!!!」
「!!?」 「!?」 「あら.....?」
「か、可愛すぎる......!何だこれは、この丸くてフワフワした生物は.....!!この目、表情が読めない......何を考えているのか全く分からない......!」
「あ、アズサちゃん......?」
「流石はアズサちゃん、ペロロ様の可愛さに気付いてくれたんですね!そうです!そういう所が可愛いんです!」
「うそぉ......?」
次にアズサは、長い謎の猫?の方に視線を移した。
「こ、こっちは?この長いのは?イモリ......?いや、キリン?何だか首に巻いたら温かそうな......!」
「それはウェーブキャットさんです!いつもウェーブして踊っておる猫なのですが、おっしゃる通り最近ネックピローのグッズが......」
「これは?この小さいのは......?」
「それはMr.ニコライさんです!いつも哲学的な事を言って不思議な目で見られてしまう方ですね!今回ご褒美の一つとして、そのニコライが書いた善悪の彼方、という本もあるんですよ!それも初版!」
「すごい、すごい......!!これを貰えるのか?まさか、選んでも良いのか?」
「はい!アズサちゃんが欲しいのを持っていってください!」 - 140前々スレ18724/04/05(金) 17:50:07
「......やむを得ない、全力を出すとしよう。」
「良いモチベーション管理だ、ヒフミ。約束しよう。必ずや任務を果たして、あの不思議でふわふわした動物を手にしてみせる!」
「はっはいっ!ファイトです!」
「えへ、えへへへへへ......」
「あら、何だかヒフミちゃんが楽しそうに、といいますかお人形さんと同じような表情に......♡」
「"モモフレ仲間ができて喜んでるのかな?"」
「えぇ......」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後、夜遅くまで勉強は続いた。
「ん?この問題は、えっと......」
「コハルも知らない問題か?」
「うーんと、これ、確か参考書で見たような......」
「ちょっと待って......確か持ってきてたはず......」
そういうとコハルはバッグを漁り、中から一冊の本を取り出した。
なるほど。保健体育の分野では大いに役に立ちそうだな。大いにな。
「この参考書に乗ってるのか?」 「うん、この参考しょ――」
「......あれ?」
「エッチな本、ですねぇ。」
「うわあぁぁぁっ!?な、なんでっ!!!??」
「コハルちゃん、それってエッチな本ですよね?まあある意味参考書かもしれませんが。隠しても無駄です、[R18]ってバッチリ書いてありましたよ?」
「ち、違う!見間違い!とにかく違うから!絶対に違う!!」
「私の目は誤魔化せませんよ!確実にアレな事をする本でした。それも結構ハードな......トリニティでも、いえ、キヴォトスでもなかなか見ることができないレベルの内容とお見受けしました。きっと肌と肌とがこすれ合い、敏感な部分を擦り合わせ、嬌声が飛び交い理性が飛び去るような...!どうしてそれを持ってるのですか?確か校則でも禁止されていたと思いますが......?」 - 141前々スレ18724/04/05(金) 17:52:34
「い、いや、そのっ......こ、これはホントに私のじゃなくて、えっと......」
「でもそれ、コハルちゃんのカバンから出てきましたよね?それに合宿所まで持ってくるなんて......お気に入りなのですか?」
「そうですか......あの真面目なコハルちゃんが...エッチな本を......」
「いえ。なるほど、そうですね。考えてみたらそんなに変なことでもありませんね?予行演習もバッチリ......つまり、合宿のために必要なものなんですよね、コハルちゃん♡」
「こっ、これは違うんだってばあああぁぁぁぁっ!!!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
「うぅ、ううぅ......」
「えっと...コハルちゃん......」
「正義実現委員会の活動で差し押さえた物を、バッグの中に入れたまま放置してしまっていたと...そういう事か?」
「......うん。私、押収品の管理とか、してたから......これは、本当にその時のやつで......」
「なるほど。そういえば、トリニティの古書館の地下には何やら、禁書がたくさん積まれているという噂も聞きましたし...正義実現委員会がそういったものも含めて、色々と差し押さえているとしても何も不思議ではありませんね。」
「うーん...であれば、押収品って、できるだけ早く返してしまった方が良い気がするのですが、どうしましょう?」
「た、確かに......ずっと忘れてたけど......」
「数が合わなくて騒ぎになる前に、返しに行った方がいいかもしれませんね......」
「今のうちにこっそり行って、バレないように正義実現委員会のところに戻してくれば大丈夫じゃないですか?」
「え?今?」
「"それならコハル、一緒に行く?」
「私も同行する」
「先生と...ナグモも?(ナグモがいたらなんか不安になってくるような...)」
「......そうですね。先生が一緒であれば、万が一ハスミさん辺りにバレたとしてもそこまで怒られないでしょうし...」
「ところでコハルちゃん、それはそれとして、もし他にもお勧めがあればぜひ♡」
「ーー!う、うるさいっ!!バカっ!!」
そして、コハルと一緒に、正義実現委員会の部室へと向かうことになったのだった。 - 142二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:32:02
乙
- 143二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 23:00:58
『よう、先生。この手紙はちゃんと届いたか? モモトークで簡単に済ませるのはなんだかラク過ぎる気がするし、かといって生まれて初めて手紙なんぞ書いたから勝手がわかんねぇから、話し言葉で書きたいことを書いた。』
『リンネの入院手続きは済んだから、今アイツは決まった時間の検査と飲み薬で治療中らしい。あの場所に行くまでの道中にスクワッドが来てくれたのは絶対に先生の計らいだってのは察してる。本当に、感謝してる。ありがとうございます。』
『ベアトリーチェのクソババアのせいでリンネの体はボロボロだとさ。正直半殺しにしてやりてぇ気分だが、先生はゲマトリアには近づくなって言うし、オレも関わり合いたくないから言うことは聞くよ。だが愚痴ぐらいは言わせてくれ、あのババアまじでくたばればいいのに。』
『それとついこの間、サオリにばったり出くわした。世間話するような仲じゃなかったし話題もないから、オレは近くにあった焼き鳥屋に引きずり込んでやった。そしたらあの野郎、ブラックマーケットじゃそれなりに名が売れ始めてきてたはずなのに何故か素寒貧でいやがったから飯代を立て替えた』
『一緒に飯食ってたら色々話してくれたよ。昔はリンネと仲良かったコト、クソババアに強制されて5人がかりでアイツを嫌嫌イジメてたコト。それが原因で引き付け起こすぐらいリンネはスクワッドと大人が怖いんだって、薄々気づいてたけどやっとはっきり理由がわかった。いい報告したい手紙に書くにゃヤバい内容だったから割愛しとくぜ』
『ダラダラ店に長居してるとよ、喋ってるうちに酒入ってるわけでもないのにサオリが泣きやがってさ。こんなところでメソメソするぐらいならお見舞い行ってやれって言ってやった。私なんかが今更〜とかグチャグチャ言うからつくねで口を塞いでやったぜ。アイツが病院に行くとなると、多分先生も呼ばれると思う。もし誘いが来たら、付き合ってやってくれないか? ほら、アイツ強いくせになんか不器用だから。』
渡 タクミ
(本当に本当に終わり!) - 144前2224/04/06(土) 00:25:52
- 145二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 07:08:39
たまのハッピーはスパイスとなる
- 146124/04/06(土) 11:23:34
- 147二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 11:27:29
- 148前2224/04/06(土) 13:05:28
- 149二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 17:09:02
記憶の連続性はもう哲学の領分なんよ
- 150前2224/04/06(土) 21:08:23
- 151二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 22:28:32
- 152124/04/07(日) 00:25:55
- 153小鶴リンネ24/04/07(日) 00:27:40
- 154前々スレ18724/04/07(日) 01:21:01
- 155前2224/04/07(日) 09:03:02
- 156二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 17:51:05
ひでぇ
- 157二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 19:43:59
- 158二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 21:44:58
大雨の中ゴミ捨て場みたいなところで大の字で倒れてるリンネ(目を開けてるのによく見たらヘイローが無い)、同じく土砂降りでずぶ濡れになってて右腕が無くなってるタクミ(手前に黒焦げの誰かが倒れてる)みたいなバッドエンドスチルが増えてる世界線のブルアカ
- 159前々スレ18724/04/07(日) 21:58:56
聖園ミカ登場✩回投下
今回で一章は終わりです
挿絵は描けなかったよ... - 160二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:00:02
私達はコハルと共に正義実現委員会の押収品管理室に向かった。
「......うん、これでよし。」
...どうやらコハルは本を返せたようだな、良かった。
「コハル?」
「は、ハスミ先輩!?」
正義実現委員会の副委員長、ハスミが現れた。
「それに、先生、ナグモさんまで...?たしか合宿で別館にいると聞いたのですが、どうかしましたか?成績が良くなるまで、ここは出入り禁止になっているはずですが...」
「そ、その、違うんです、えっと......」
先生がいい感じに誤魔化してくれたので、なんとか問題にならずに済んだ。
「.....なるほど、授業に使う書籍の件で...そういうことでしたら、仕方ありませんね...」
「は、はい......」
「ですが、ある意味ちょうど良かったです。コハルにあらためて伝えておきたいこともありましたし...」
「先生方、申し訳ないのですが少し席を外していただけますでしょうか?正義実現委員会としてお話したいこと、と言いますか......」
「"うん、分かった。"」
「すみません、ありがとうございます。」
私達は隣の部屋に移動したが、ここからでも声が微かに聞こえてくる。防音性が低くないか?
「本来の役目を忘れ...で...」 「でも...私なんかには......」「裏切り者を...なんて...あまりにも......で...」
「それではダメなんです!!」
怒鳴り声がする。耳が潰れるかと思ったぞ!?
「......なさい.........ずっと.........」 「先生.......を......です......」
先生を......?なんだ、何の話をしてる......?
「はい。...........ます......」 - 161二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:01:34
「お、お待たせ...先生...ナグモ...」
「......帰らないの?」
「"コハル...大丈夫?"」
「怒鳴られてなかったか?」
「え?い、いや、別に大丈夫だけど...怒鳴られてないし...」
そして、コハルと共に帰路に付き、合宿二日目の夜は過ぎていった...
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合宿三日目
「わあっ、水が入ってるー!」
「あはっ、ここに水が入ってるのなんて久しぶりに見たなー。もしかして、これから泳ぐの?それともみんなでプールパーティー?」
「"お待たせ。要件を聞いていいかな?"」
「...えへへ。」
合宿場に、ティーパーティーの一人、ミカが現れた。なぜここに現れたのかは分からないが、まあこれから説明してくれるだろう。
「先生は上手くやってるかなー?って思って。」
「にしてもナギちゃん、ずいぶん入れ込んでるみたいだねー。こんな施設まで貸し出しちゃって。」
というより隔離施設、といった感じだと思うが。容疑者全員を隔離する、閉鎖的な空間だ。
「ところで、合宿の方はどう?遠いのを良いことに、何か楽しそうなことしたりしてない?例えばみんな水着でプールパーティーとか!」
「"......"」 やっと警戒というものをできるようになったか、先生。
「...あはっ。そこまで警戒されちゃうのは心外だなー。私こう見えても繊細で傷付きやすいんだよ?あっ、ところできこ、食事とか大丈夫?何か美味しいものでも送ろうか?ケーキとか紅茶とか。」
「............ふふっ、ごめんね。先生もあんまり長い前置きは好みじゃないかな?じゃあ、本題に入るとしよっか。」
「あっ、ちなみに私がここにいることについて、ナギちゃんは知らないよ?見ての通り、付き添いも無しの私の単独行動!」 - 162二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:02:28
「というわけで、あらためて本題だけど......先生、ナギちゃんから取引とか提案されなかった?」
「"取引?"」
「例えば、そうだなぁ......【トリニティの裏切り者を探してほしい】、とか。」
「"......"」 「......」
「......ふう、やっぱり。もうナギちゃんったら、予想通りなんだから。何か詳しい情報とかは?そういうのは無しで、ただ探せって言われた感じ?理由とか目的とかは?どうして補習授業部がこういうメンバーで構成されてるのかとか、ナギちゃんは教えてくれなかった?」
「"......"」 「......」
「...そっかー。もう、何も教えずにこんな重荷を背負わせるなんて......」
「"......その提案は、断ったよ。"」
「え、そうなの?自分の生徒たちを疑いたくないから?それとも――」
「"それは、私の役目とは違うかなって。"」
「......へぇ。そっかそっかぁ......確かに先生は、【シャーレ】の所属だもんね。それにナグモちゃんも。トリニティとは本来無関係の第三者。なるほどね...まあ、私たちにとってはずっとトリニティそのものが世界の中心みたいな感じだから、アレだけど...」
「面白い答えだね。なるほど、新鮮かも。それはそれで正しいよね。それじゃあ先生達は――」
「誰の味方?」
「もしトリニティの味方じゃないんだとしたら......ゲヘナの味方?連邦生徒会の味方?それとも、誰の味方でもない...とか?」
「"私達は、生徒たちの味方だよ。"」
「......あぁ...そっかぁ...生徒たちの味方、かぁ...そっかぁ...それは予想外だったなー......」
「あ、あのさ......っていうことは、その......先生達は一応、私の味方である......って考えていいのかな?私も一応この立場とはいえ、生徒に変わりはないんだけど......」
「"もちろん、ミカの味方でもあるよ。"」
「......わーお。さらっとすごいことを言ってのけるね、先生......大人だねぇ...そういう話術?って思う気持ちもあるけど......」 - 163二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:03:16
「でも、それを額面通りに受け取るのもちょっと難しいなぁ...だってそれは同時に、誰の味方でもないって解釈もできるよね?」
「だからそのまま受け取るんじゃなくて、私から先生に、取引を提案させてもらおうかな。」
「"取引...?"」
「補習授業部の中にいる裏切り者が誰なのか、教えてあげる。」
「"......っ!"」
「ナギちゃんの言う、トリニティの裏切り者。今必死に探して退学にさせようとしているその相手。実際の所、もう少し複雑で大きい問題もあるんだけど......今このまま、先生がナギちゃんに振り回されてる姿をただただ見てる......なんていうのは、ちょっと申し訳ないなって。」
「......そもそも、先生のことを補習授業部の担任として招待したのは私だからね。このことは知ってた?」
「"ミカが...?"」
「うん、ナギちゃんにはずっと反対されてたんだけどね。せっかくの借りをこんな風に使うのはどうこうとかで。先生とナギちゃんの間に、色々あったんだね?」
「まあ、私の方にもいろいろあって。トリニティでもゲヘナでもない、第三の立場が欲しかったの。」
そろそろあくびが出てくるな。本題までにどれくらいかかるのだろうか...
「......ああ、裏切り者のお話だったね。」
「補習授業部にいるトリニティの裏切り者、それは......」
「――白州アズサだよ。」
エデン条約編第一章 終 - 164前2224/04/07(日) 22:05:03
- 165二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:10:28
このレスは削除されています
- 166二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:51:45
顔に傷跡があるデザインの生徒が今のところいない(3周年先生なので知らないだけかも)+オーバーサイズのストレートズボンと不良感ある見た目にしたいなぁと思って描いたので嬉しいですね。雑ですが持ってるのはブッシュマスターACRイメージです。なんでも様々な傑作銃で採用されている信頼性の高い機構を盛り込んで最高の汎用性を目指した民間向けに販売されてるアサルトライフルなんだとか。
- 167二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 23:04:00
投下しといてアレだけどとりあえずのわっぴーエンドが一個できたことによってエンジン全開な人が何人か居て草
タクミ&リンネの話ってコレ重いわ長いわエデン条約関連もそこそこ絡むわでメインストーリーレベルだし、ただでさえ長いエデン条約編が5章構成になってそう。サブタイはヨーロッパ系の伝承とか絡めるなら「5 ワタリガラスの旅路」とかになるんだろうか - 168小鶴リンネ24/04/07(日) 23:24:15
- 169124/04/08(月) 01:47:55
- 170前2224/04/08(月) 06:19:56
どっちもあなただけど…まぁ世界線が違うところから連れてきたから別人でもあるんだけどな。
ああ、同一人物の遭遇による影響は大丈夫にしてあるから。
体?そりゃあバラバラになってたりするよ?今の「リンネちゃん」は5体満足やけど。
とりあえず余ったパーツはっと。
オーイ[規制済み]?
- 171二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 12:09:29
無駄なく使うのはSDG's的に大事だね(白目
- 172二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 12:23:19
- 173二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 19:56:40
落差が絶望を深める
- 174二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:16:12
- 175前2224/04/08(月) 20:18:11
ケバブ始めました。
ちょうど良くミンチ肉だったりが転がってたから整形してケバブ肉作りました。
え?なんで転がってた、かって?
<ウィーン
<[CENSORED]
<[規制音]
…うん、あんま気にしないようにしようね。 - 176二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:15:24
単独で編成するとスペシャル/サポート枠生徒だけどタクミと同一編成にするとイロハ&イブキみたいな合体ユニットになるリンネ(グレランに持ち替えたタクミが爆撃しまくりながらリンネが援護射撃。ただし攻撃位置がミドルレンジに下がる)
- 177124/04/08(月) 23:52:00
- 178124/04/08(月) 23:53:42
- 179前2224/04/09(火) 00:20:11
- 180二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 00:57:00
- 181二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 05:14:04
自分の脚食べるタコじゃないんだから
- 182前2224/04/09(火) 06:15:30
- 183二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 08:04:20
リンネが元の姿になってから毎日悪夢を見るようになるサオリ。立場が逆転していて自分の方が生皮を剥がれていたり、体の部位を削ぎ落とされたり、最後には蝶になって死んだ自分の体を見つめている夢を見る。どれもが夢とは思えないぐらい酷い苦痛を伴うもので、銃を握ってスクワッドとして指揮を執るのが現実か、それともコレは苦痛から逃げるために蝶が見ている夢なのか?とどんどん夢と現実の境界が曖昧になっていく……みたいな
- 184124/04/09(火) 09:18:56
素晴らしい...こう言うので良いんだよこう言うので...
- 185二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 10:53:17
「お前がリンネと共に逃げたあの日から2つ見た。「夢」を見るようになった」
「柱に縛り付けられ、リンネやアズサたちに指の先から少しずつ皮を剥がされる。猿ぐつわをされて叫ぶことはできず、そのうち喉が焼けて声も出なくなる。リンネにやった事を、自分が体験しているようだった」
「痛みで朦朧とするなか、何も無い砂漠を1人で歩いていると「蝶」を観た。淡い光を放つ蝶の群れ……砂の上に、闇色の目をして死んでいる私が居た。「蝶」は私だった」
「誰か教えてくれ。私が居るここは現実で、あの蝶は夢だったのか? それとも私は既に死んでいて、蝶たちが見ている夢なのでは無いのか? 私には何もわからないんだ……」 - 186二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 10:53:28
- 187前2224/04/09(火) 12:19:20
唐突に思い浮かんだこと!
いろんな世界線のリンネちゃん集めてコロシアムしようぜ!
戦わないようなら無理矢理体操ります。
優勝者には…
まあ痛みも苦しみも無くしてやろうかな?
こう…スパッて。
なおすべて夢として処理しますので地獄は継続です。 - 188前々スレ18724/04/09(火) 12:32:34
- 189前2224/04/09(火) 14:41:40
- 190前々スレ18724/04/09(火) 15:41:54
今でも、青がー棲んでいるー♪
投下します
ナグモには、今だけは青春を楽しんでほしい - 191二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 15:43:26
このレスは削除されています
- 192二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 15:45:48
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エデン条約編第二章 不可能な証明
「...あー、ごめんね。ちょっと単刀直入すぎたかな?ナギちゃんの悪い癖がうつちゃったのかも。」
「戸惑ってる先生達のために、もう少し最初から説明してみようかな?私はナギちゃんやセイアちゃんみたいに、あんまり頭が良いわけじゃないんだけど......ちゃんと伝わるように、頑張ってみるね!」
ミカの話は難しかった。理解しずらかったが、整理してみよう。
トリニティは、元々は多くの分派が集まり成立した学校だった。その中でも、パテル、フィリウス、サンクトゥス。この三つが中心となり、トリニティが生まれた。
トリニティが成立する前は、大小様々な派閥が戦い合った内乱の時代があったようだ。そんな日々に疲弊した者達は、全ての派閥の代表を招集し、こう提議した。「我々はもう争うべきではない。一つの学園となるべきだ」と。
これが、「第一回公会議」。 - 193前々スレ18724/04/09(火) 15:47:06
だが、皆が議題に賛成を示す中、一人だけ、反発し続けた者がいた。それが「アリウス」。私とアズサがいた場所だ。
そして、アリウス以外は連合となり、強大な力を持った。そして、自分達と違う考えを持つアリウスを弾圧。今アリウスはトリニティ自治区から追放。今はキヴォトスのどこかで潜伏中。トリニティとゲヘナに強烈な恨みを持ち、エデン条約を壊す事を目的に行動している危険な存在...それが、「アリウス分校」。
そしてナギサの目的は、トリニティ、ゲヘナの戦力を統合した、大きな武力集団の誕生。それが誕生して始まるのは恐らく、「トリニティとゲヘナ対他学園の全面戦争」である...というのがミカの予想だ。
正義実現委員会は現在ゲヘナへの反発から、半ば暴走状態であり、それに加え、ティーパーティーの残りの一人、セイアも、現在何者かにヘイローを破壊され、廃人状態。ナギサも同じようになるのを恐れているのかもしれない...
今のナギサは補習授業部に何をするか予想できない。だから、補習授業部を、アズサを、守ってほしい。
というお話だったな。うん、理解できた。
その後、ミカは去っていった。
私達がこの事を口外すれば、彼女はトリニティにはいられなくなるらしい。それでも極秘情報を話してくれたという事は、少しはこちらを信頼してもらっているのかもしれない。
......あれ?なんでちょっと疑ってる目でこっちを見てるんです?先生? - 194二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 15:50:30
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、ナグモさん!先生!」
「"ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった"」
「いえいえ......!あ、ところで見てください!こちら、ちょうど先ほど受けた模試の結果です!」
第二次補習授業部模試結果
阿慈谷ヒフミ 64点 合格
浦和ハナコ 8点 不合格
白州アズサ 58点 不合格
下江コハル 49点 不合格
おお......!コハルもアズサも点数がぐんと伸びている!希望が見えてきたんじゃないか?
ハナコは......いい加減にしてほしいな。もうそういう系の怪異として扱ってやろうか。多分ふざけてるだけだろ?
「えっと......は、ハナコちゃんは......」
「あら?ヒフミちゃん、どうしてそんなに声量が下がってしまうのですか?最初の試験が2点、次の模試が4点、今回は8点ですよ?これは数列として考えたら、あと3回受ければきっと合格圏内に届くはずです♪」
2,4,8,16,32,64か。だが人生は数列で決まっているものじゃない。
「"うん、みんな頑張ったね。"」
「はい!この調子でしたら、思ったより早く目標に届くかもしれません......!」
「必ずや任務を成功させて、あの可愛いやつを受け取ってみせる。それが、私がここにいる理由であり、戦う目的だ。」
「手段が目的に変わっている...!」
「あ、アズサちゃん!?私たちがここにいる理由は試験と勉強であって、目的は落第を免れる事ですよ!?いつの間に変わって...!?」 「そんなこともあったな。ついでにそれもやっておこう。」 「ついで!?ついでなんですか!?」
――おっと、来客のようだ。
「し、失礼いたします......!」 あれ?確か教室の近くには地雷、もといブービートラップがあったような...
ドォオオン!! 「きゃぁっ!?」ああー、引っ掛かってしまったか。可哀想に。
「こ、これは一体......?え、あっ、こっちにも......!?」ドゴォオオオォン!!! 「きゃぁぁぁっっ!?」
「だ、大丈夫ですか......!?け、怪我とかは......?」
「きょ...今日も平和と...安寧が......けほっ、けほっ......あなたと共に、けほっ、ありますように......」
「まずご自分の安寧を心配してください!?」 - 195二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 15:52:51
―――――――――――――――――――――――――――――
アズサのトラップに引っ掛かってしまったシスター、マリーは、アズサに助けられた生徒からの感謝を伝えるために、ここに来たらしい。しかし、トリニティというのは陰湿なのだな。いじめが蔓延っているなんて。
「別に、特別感謝されるようなことじゃない。結局私も、最終的に捕まったわけだし。」
「後半は特に関係ないと思いますが......」
「それにあの事態は気の毒だけど、いつまでも虐げられてるだけじゃダメ。」
「それが例え虚しい事であっても、抵抗し続ける事を止めるべきじゃない。」
「......そうかもしれませんね。はい、あの方にもそう伝えておきます。」
「アズサさんは、暴力を信奉する氷の魔女......だなんて噂がありましたが、やはり噂は噂ですね。」
「ふふっ。それはそうですが、アズサちゃんには意外と【氷の魔女】らしいところもありますよ?ほら、ちょっとだけ表情も読みにくいですし。(そういえばナグモちゃんも読みにくいですね。)」
なんで一瞬こっち見た?
「ハナコさん......」
「......マリーちゃんが元気そうで良かったです。
「はい...私は...ですが......」
「玄関まで送りますね。さあ、一緒に行きましょう。」
「ではみなさん、お邪魔いたしました。先生も、急に訪ねて来てしまってごめんなさい。それでは、また。」
―――――――――――――――――――――――――――――
「みなさん、制服や下着や靴下など、洗うものは全部このかごに入れてくださいね。」
「ありがとう、よろしく。」 「はい......はいっ!?し、下着もですか!?」 「なんで!?下着は各自でいいでしょ!?」
「洗濯はまとめて一気にした方が水と洗剤の節約になる。ハナコの言ってることは間違ってない。」
「あ、あうぅ......で、ではお願いします......」 「えぇ......わ、私がおかしいの......?」
「はい、ありがとうございます♡あ、先生方は......?」
「"遠慮しておくね。"」
「ムンッ!!(嫌そうな顔をする)」
「あ、あら...そうですか?では、洗濯機回してきますね。何も問題がなければ、きっと明日の朝までには乾かす所まで終わるはずです♪」というと、ハナコは洗濯物を持って去っていった。 - 196前々スレ18724/04/09(火) 16:00:38
- 197前2224/04/09(火) 16:42:49
- 198二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 18:17:22
4スレ突入しそうで草。もし次があるならリンネを助けられなかったタクミでも書くか?()
- 199124/04/09(火) 18:43:29
- 200前2224/04/09(火) 18:48:01
うるせーしらねー!