トレーナーさん、見ましたか？

1二次元好きの匿名さん22/01/24(月) 22:39:09

早朝。
トレーナー室に向かおうとして学園内を移動中、担当愛バであるマンハッタンカフェが中庭で佇んでいるのを見かけた。

「あ、カフェ！おはっ……！！」

中庭に向かいおはようと声をかけようとしたその時、風の悪戯によりカフェのスカートが捲れた。
カフェは咄嗟にスカートを押さえゆっくりとこちらを向いた。
真顔でこちらをじーーと見つめること数秒、「………きゃー」と、まるで猫が鳴いたような綺麗な声が中庭に小さく響く。

「か、カフェ！大丈夫だから！何も見てないから！！本当に！！」

取り乱しているとカフェがこちらに歩いてくる。
怒られるのを覚悟して身構えるが、カフェは何もせずに通り過ぎようとして……ピタッと目の前で立ち止まった。
そしてくすりと笑うと、こちらに寄りかかるように背伸びをしながら耳元で、

「アナタの目には……何色に映りましたか？」

甘く囁くように呟いた。
甘い声が脳内を駆け巡り顔が真っ赤になり動悸も激しくなる。
何か言おうとしたがカフェの人差し指によって口を塞がれる。

「答えは…アナタの胸のうちに……」

ふふっと笑い、カフェは教室へと向かっていった。

早朝の寒い風が吹く中庭に1人残され、片手で顔を覆いながら空を見上げる。
ああ、どうやら……あの光景はしばらく目から離れないようだ……。

ふと、頬を撫でるように風が吹く。
その風から、よく聞くクスクスと言う笑い声が聞こえた気がしたのはきっと気のせいだろう。