私は空崎ヒナになりたいゲヘナモブ

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 19:58:12

    ……空崎ヒナになりたいと思った。
    彼女に藁のように撃ち倒されながら、私もそうなりたいと願った。

    だってそうだ。

    どれだけ強かろうともたった一人で全てを薙ぎ倒せる訳がない。美食研究会が、温泉開発部が、皆一様に震え上がる訳がない。しかし成し遂げているならば、それは現実に現れた超越者において他にない。

    カッコよかった。ヒーローだった。

    だから"全てを薙ぎ倒す最強無敵の超越者"空崎ヒナに『なる』んだ、軽く薄っぺらな自分を捨てて目標そのものに。
    そう決めたなら、あとは迷わず、果て無く、突き進むだけだ──

  • 2二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 19:59:20

    まず髪の毛と羽を伸ばそう

  • 3二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 19:59:24

    このレスは削除されています

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:00:14

    最終的にゲマトリア系マッドサイエンティストの手によって寿命と引き換えに身も心もヒナそっくりになって本物ヒナになり替わろうとするけど
    本物のヒナに「あなたは空崎ヒナ(わたし)にはなれない」って言われて倒されそう

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:01:06

    I need more power…

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:01:31

    ヒナと同じくらい強くなりたい、ではなくヒナになりたいのはちょっと強火過ぎる……

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:02:04

    某作品シリーズにおいて、現実の人間臭く脆い部分を削ぎ落とした偶像を求め、実際に近似値を作り出してしまった話と、被さる部分がある状況だな…

  • 8二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:02:28

    まあ憧れる気持ちはわかる、一挙手一投足が様になるんだよなこの子……
    これがカリスマか……

  • 9二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:03:11

    逆にヒナがなにか失敗して、理想と違うと身勝手な激昂を見せてほしい

  • 10二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:03:19

    もしメンタル強かったら挫折と困難を経て最終的にヒナと違う方向性の戦力としての強さを手に入れてほしい

  • 11二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:04:02

    >>4

    「ああ、そうか───結局、私は私にしか成れなかったんだ。そうか、これが、これこそが───『空崎ヒナ(ホンモノ)』なのか。」

    とかモノローグついて大の字に倒れてそう

  • 12二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:09:43

    けど、ファン心理としては個人の空崎ヒナを知りたいと思う気持ちもある。何故あれほど強く、何故ああもたった一人で全てを薙ぎ倒して行くのか。自分で言うのもなんだが、一人にできることなんて限られている。
    特に理由があって欲しいわけでもないが、私より前から空崎ヒナを追う者からすれば、所詮ミーハーな奴だろうし、ちょっとくらい知っておきたい。
    どうせいつか本人にも挑戦して、私は最強無敵の空崎ヒナになるんだ。真作の解説をできなくて何が贋作か。

    ……もしも私と空崎ヒナが会話以前の話だったら、どうしよう?まぁそれはそれでいいか。カッコいい空崎ヒナがまた見れるんだ、眼福ってものだろう

  • 13二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:11:51

    >>3

    まあ憧れってこういう側面もあるからね……

  • 14二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:52:06

    とりあえず一般生徒でも閲覧可能な空崎ヒナの公的な記録全てを知ろう。まずはそこからだ。
    活動記録は何処にあるのか、それは見れるのか見れないのか……ああ楽しみだ。目指すヒーローについて知っていくなんて、どんな授業よりもワクワクするし、どんな本を読むよりも心が躍る。
    時間はかかるが何、空崎ヒナは休んでる瞬間を見られた事がごく稀と聞く。なら私も──憧れた目標に倣って、休む時間を見られない程に、徹底的にやるべきだろう。
    そう決めたなら、あとはそうするだけだ。さて──何度昼夜が転がるかな?

  • 15二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 21:22:50

    いささか無理があった。所属している関係でいくつかの情報までは辿り着けなかった。所謂学生としての情報を探ることしかできない。
    だが人の記憶はそう簡単には消せない。こういう時は三年生を片っ端から当たって空崎ヒナについて聞き込みをするに限る。あとは……普段空崎ヒナに鎮圧されている連中もだな。風紀委員への聞き込みは……まぁ、可能なら行うか。スネに傷があるのは事実。いきなり銃を撃たれないとも限らない。
    こうしていると怪しい奴だが、まぁ堂々としていればいいだろう。憧れた相手を知ろうとする為に、聞き込み調査をしているのは事実だからな。
    ──面倒なら恋する乙女です、とでも言って追い払えばいい。

  • 16二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:08:45

    誰が空崎ヒナを殺したと?
    ──空崎ヒナは斃れないわ。

  • 17二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:09:15

    空崎ヒナについて三年生に聞き込みをしていたら、生徒会……万魔殿とか言ったか。あそこのお偉いさんに捕まった。「何故ヒナなどを知る必要がある!」と詰められたが、そんなもの憧れたからに決まっていると返した。すると今度は如何に自分がすごいのかということを喋り出した。
    別に構わないのだが、知識だけでは実感が無い。そしてどうしても、空崎ヒナによって与えられた福音のように心を満たす感動がなかった。あと同じように目標に向かって努力する仲間に対して失礼な話だが、こう……私のような末端の生徒に名前を知られていないのは、生徒会のお偉いさんとして致命的ではないのだろうか。
    しかし、ふむ。空崎ヒナに挑むならば、当然彼女にも挑ねばならない。軽く薄っぺらい自分を捨てて最強無敵の超越者にならんとする者同士、雌雄は決せねばならぬ。
    羽沼マコト──だったか。
    空崎ヒナは、お前よりも強いのだから。お前を倒せなければ、私は空崎ヒナになれない。

    お前もいつか、喰らう。

  • 18二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:13:36

    この貪欲さ、大物になるな

  • 19二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:08:05

    調査中の偶然ではあったが、温泉開発部の開発予定地を知る事ができた。そうなれば当然風化委員会が踏み込んでくるはず。
    ──また、最強無敵の空崎ヒナが見れる。
    私の心はまるで好きなライブの特等席チケットが当たった時のようだった。あの背中を、あの戦いぶりを見れるなんて!密告?そんな無粋な真似はしない!全ては空崎ヒナの為の、空崎ヒナによるワンマンショーだ!ならば絶対的な蹂躙劇であるべきだし、最前列を確保するに決まっている!
    荷物を纏めて自宅を後にする。そして発破予定地に誰よりも早く辿り着き、ただひたすらにその時を待つ。明日、明後日か、それとも一週間か二週間か、もしかすれば一ヶ月かもしれない。だがそんなものがなんだという。また空崎ヒナという、現実に舞い降りた超越者を見るためならば飲まず食わずも安いもの!美容など知らん、健康など知らん、友人関係など知らん、出席日数も成績も知らん!退学なんて、そんなものがなんだという!空崎ヒナに比べれば全て些事だ!

    さあ、私を夢中にさせてくれヒーロー!

  • 20二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 00:22:33

    ……やはり、空崎ヒナは素晴らしい。
    澱み無く、迷い無く、小細工を正面から踏み抜いて全てを薙ぎ払うその姿。いつ見ても心が躍る、胸が高鳴る。
    しかしそれ以上に興味深いものを見た。空崎ヒナが小さく笑っていたのだ。それは力を振るうことの悦では無い──それこそ、ついこの間までの私のような、ありふれた話。ちょっといい事あったぞ、というような……私の目は見逃さない。モモトークだった。
    つまり──空崎ヒナには相応の感情を向ける相手が存在する、ということだ。

    いいなぁ……

    私も、そのステージに上がりたい。彼女を知りたい、理解したい、そして──空崎ヒナになりたい。あれ程までにカッコいい存在にとっての特別な存在、一体何者なのだろう?だが思う。空崎ヒナに、強いただ一つの感情あるいは信念を持った上で、私と向き合って挑戦が成立することは、きっと素晴らしいことなのだと。

    夢にまで見た存在に認められ、お前になりたいのだという挑戦を迎え撃たれる。想像するだけで笑みが溢れてくる。目指すべき最高の終着点は、ここだ。そしてそこで勝ち、私が空崎ヒナになる。

    戦闘中、鬼神の如くあらゆるものを薙ぎ倒して突き進む空崎ヒナ。戦闘終了後の後始末をしながら、空いた時間にモモトークを確認していた空崎ヒナ。
    それらを目に焼き付けながら、私は普通に建物の崩落に巻き込まれて意識を失っていた。

  • 21二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 05:56:22

    理解しようする欲望、すごいな

  • 22二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 11:44:37

    目覚めたら救命医学部に救護されていた。話を聞くに3週間の極限状態の上、最後の発破に巻き込まれて建物で生き埋めになっていたようだ。で、そこを風紀委員会によって引っ張り出され、そのままここへ放り込まれたと。
    どうやら尋常ではない状況のせいか、この場に放り込まれた誰よりも衰弱していたようだが、この場にいる誰よりも早く回復しているらしい。医学的に意味がわからないそうだ。

    諸々の質問や確認を終えて、待機していた風紀委員にやはり尋ねられる。何故あの場にいたのかと。「空崎ヒナが見たかったから」我ながら即答だった。担当した生徒がすごく困った顔をしているが、当然だろう。まさか野次馬根性で三週間ロクに飲まずロクに食わずロクに寝ずでずっと待っていたなんて。だが何故かできたし、何故か私は早く回復しつつある。ならばそれでいいのではないだろうか。

    ──しかし、温泉開発部を知れたのは良いことだ。温泉を掘る、それだけ。旅館を作ることもあるらしいが本題ではない。ある意味では私と同じ。だが、私の目的は憧憬に由来するが、奴らのは俗っぽい願望だ。それでもなお、空崎ヒナが投入されなければ対等以上に渡り合っていた。
    技術?経験?あるいは体力?否、私は彼女たちがそこまでしなければ倒れない理由を、気合と根性だと見ている。信じた理想を微塵も疑わず、道理も常識も損得も己自身も顧みず『理想通りに生きて』いられること。そこが原動力ではないだろうか。

    ならば私の場合は実力や常識という現実を壁を越える為に、かつて見た『最強無敵の空崎ヒナ』を信じ抜くことで、突破することができる。しかし何か一つのことを信じ抜くことなんてやった事がない。どういう感覚かさえもわからない。
    ここは、夢を追い続けている先駆者に話を聞くべきだろう。適任は温泉開発部ではなく……美食研究会だ。美食なんていう極めて胡乱な物を追究するという点では、私と同類だ。彼女たちから信じ抜くことの実例を学べば、何か掴めるかもしれない。

    そして当然、温泉も美食もいつか喰らう。
    空崎ヒナに挑むならば、彼女が木端の如くあしらうものを薙ぎ倒せて当然なのだから。
    空崎ヒナになるとはそういうことだ。

  • 23二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 14:01:24

    ──わからない。
    美食研究会にこうして尋ねているが、そもそも個々人の美食の定義が曖昧過ぎてわからない。行動は共通しているのに。
    話を聞きながらメモを取り、解釈を聞いてはメモを取り……まるでわからん。言ってしまえば気分や感想じゃないか。子供の癇癪と何が変わろうものか。
    だがそこだ。私もその域に達しなければ空崎ヒナにはなれない。何故ならそんな彼女らですら、空崎ヒナの前ではそこらに転がるジャンクになって打ち捨てられるのだから。

    なのでこうして彼女らの活動に同行する。
    目指すものは違う、と明言しそれでも私の拙い質問に答え、そして同行を許可してくれるのは有難い話だ。何か恩を返せればいいのだが、返せるものといえば最終的な仇だけ──冷静に考えればとんでもなく失礼だな私。しかし私というつまらない個人を捨てて空崎ヒナになるとはそういうことであり……だが焦がれたのだから、仕方ない。
    彼女たちが初めから常に爆破する気で、いざ食してその矛を収めるように。何も無かろうが知った事か。そう決めたのだ、そうなるだけだ。軽く薄っぺらい自分を捨てて、空崎ヒナになりたいと思った。そして今もやはりこの胸を満たすのは空崎ヒナの超人の如き在り様。

    ……いや、別に矛盾しないのではないか?
    美食を追い求めながら、その提供する場を破壊する。温泉を追い求めながら、そこで維持されている生活すら破壊する。
    ならば、そういった感性を持つことと、空崎ヒナになることは矛盾しない。そういうことか。なるほど。殉教者は己が殉教するものを常に捉え続けなければならないのだから、捨てる己と捨てない己、同化する己を選別せねばならない。
    求道とは、実に哲学的だ。あとで哲学書も読もう。

    あっ、すみません。これください。

  • 24二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 16:58:56

    知識はある程度揃った。今度は実技だ。
    空崎ヒナになる、という夢を実現するのにやらねばならないのは、単騎による複数戦を如何にして突破するかだ。
    現在の手札はこの知能と肉体だけ。そしてその双方共にレベルが低い。どうやって上げるか?それは勝つことしでしか上げられない。
    ならば狩りだ、不良狩りだ。片っ端から潰していこう。取れる手段は全て使って潰していこう。弱そうなのはダメだ、強そうなのから潰していく。弱い奴を潰したところで得られるのは悦楽だけだ。挑戦のための糧ではない。
    しかし私は一生徒。特別なコネもなければ……コネ?別になくてもいいじゃないか。潰し合わせたところを狩り尽くして行けばいい。なんて単純なことだろう。ならばやることはただ一つ、扇動や陰謀だ。状況が出来上がってしまえばバレても問題無い。私は空崎ヒナに近づく為に行動しているのだから、凡夫どもには理解不能な狂人としてしか映らんだろう。利益などハナから求めていない。

    ならばやろう、実行だ。

    つぶさに観察して相手を知り、そして騙って潰し合わせる。上手くいくわけがない。見抜かれるだろう。下手を撃てば両者に共通の敵として睨まれるだろう。
    が、それがなんだ。温泉開発部や美食研究会は空崎ヒナが来る、風紀委員会が来るという理由はやめる理由にならぬと行動で示した。ならば私も、私が信じる『最強無敵の超越者』空崎ヒナを信じ抜いてやり遂げるだけだ。

    ──刹那でもなってみせよう、『空崎ヒナ』に。

  • 25二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 17:25:03

    >>22

    回復能力が高い……?こいつさては強いな......。

  • 26二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 19:57:36

    >>25

    私が強い?いや、強さで言えば一般的なゲヘナ生の平均程度だよ。程々に遊び、程々に銃を撃つ。そんな生活しかしてこなかった。もしも仮にこの回復の早さが私の隠された力だとしても、回復が早いだけでは何にもならない……ただ他人よりちょっと早く起きられることを、自慢などできないよ

  • 27二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 20:31:31

    さて、話を戻そうか……
    入念な準備期間をかけて行った策謀は実を結び、さて後は私が狩るのみと戦闘を開始し、湧き上がる闘志に身を委ねて限界を超えられそうな、その時だった。いきなり空崎ヒナが乱入してきた。そしていつかの再現の様に私は撃ち倒され、ついでに争ってた不良もまとめて薙ぎ払われた。
    いや、なんであんなところにいるんだよ空崎ヒナ。あんた忙しい筈だろ、どうして委員長自らが来てんだよおかしいだろ。
    ていうかなんで私の取り調べを担当しているのが空崎ヒナなのか。暇なのかこの人、暇なのか。
    「あなたのことは聞いているわ。私について調べ回っているそうね」
    まぁそうだが、何か問題でも?
    「何故私なの?」
    カッコよかったから。感動したから。他には特に無い。
    「今回、あんな大規模な事を画策した理由は?他の子を取り調べて出てきた証言と、無関係なあなたがあの場にいたこと。この二つがあれば誰でもわかるわ」
    あんたになりたかった。
    憧れたんだよ、空崎ヒナ。最強無敵のあんたになる為に──私はあいつらを纏めて潰そうと思ったのさ。空崎ヒナにできること、いずれ空崎ヒナとなる私にできないことがあってはならない。
    「いいことなんてないわよ」
    あるさ。私が嬉しい。
    私は、戦場に現れる最強無敵の超越者である空崎ヒナになりたいんだよ。
    あの時のあんたは生き生きしていた、つまらない日常の中で腐っていた私と違って。だからそうなりたいと思い行動する。不思議なことかい?
    「私に夢を見ているなら、やめた方がいい。私はあなたが想像する様な超人じゃない」
    ──かもね。
    けどそれでも私が見た、全てを薙ぎ倒すあんたは掛け値無しに本物だよ。そういう面も全部引っくるめて、空崎ヒナだと私は思うんだ。
    「変わった人ね、あなた」
    つい二ヶ月前までは典型的なゲヘナ生徒だったよ。あんたにぶちのめされて、この目を焼かれるまでは。
    で、だ。ファン心理としては気になる事がある。こう見えてもミーハーなもんでな。私の理由はもう話した。次はあんたの理由を教えてくれ。

  • 28二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 22:53:25

    かっこよ……

  • 29二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 23:34:07

    「ないわ。私はただ、そうした方が早いからそうしてるだけ」
    ──こりゃまた。
    なんだあんた、そんな性格だからって、それだけの理由で?マジかよ、やっぱ本物は違うわ。カッコよすぎて涙出てきそうだよ。
    「自然体であることがそんなにかっこいいものなの?」
    ああ、カッコいいね。最高だ。いいじゃないか自然体。つまり意識せずともそう在れるってことだろ?素晴らしいに決まってる。
    「……まあいいわ。事情聴取はこれで終わり」
    おっと待ってくれ。連絡先教えてくれよ。モモトークでもいいんだ。
    「──は?」
    言ったろ?私はあんたに憧れている。大ファンなんだよ。率直な人情として、お近づきになりたいと思うのは道理だろ。何もおかしい部分はないじゃないか。
    「口説いてるの?」
    口説き文句にしちゃ色気無いと思うがね。まあ、私の本音だよ。空崎ヒナを知りたい、理解したい。あんたがモモトークの相手に見せる様な顔を見せられる相手になってみたい──ああ、なんだ、こう言おうか。

    私はあんたの友達になりたいんだよ、空崎ヒナ。

    で?どうするんだ?私としては真剣に連絡先を交換して欲しいんだけど、ダメ?
    大丈夫だよ、仕事中にスタンプ爆撃とかしないからさ。

  • 30二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:54:16

    その後諸々の書類を捌いて私は釈放された。そして本題の、空崎ヒナのモモトークを手に入れることができた。帰り道に小躍りを踊るほどだ。
    ああ、楽しみだ。私が空崎ヒナになる為に全てを揃えて、彼女からも確かな感情や信念を向けられて、決闘を行う日が!

    これから始まるんだよ空崎ヒナ、私とお前の物語は。そして最後、私はお前に、お前は私になるんだ。最強無敵の称号と共に。
    私は薄っぺらだ。何かの理由が無いとやってられない。でも違う。空崎ヒナになることはそんな、寄り掛からなければやってられないとかそういうものじゃない。私の運命なんだ。空崎ヒナへの挑戦は人生の使い道なんだ。

    それに空崎ヒナに至るまでの道のりも長く険しい。温泉開発部、美食研究会、それに取り調べ中に聞こえてきた便利屋68、そして万魔殿と風紀委員会。一体どれだけの強敵を踏破し、どれだけ覚醒すれば空崎ヒナの領域へ辿り着けるのか。まったく楽しみで仕方ない。
    だがわかったぞ。信じ抜く感覚が。常にまだだ、まだ届かない、まだ壁があると進撃する。常にもっとだ、もっと先へ、もっと未来へと蹂躙する。疾走する心が肉体を置き去りにしても、成立していれば狂気が肉体を再生する。限界を超えて条理を踏み拉き、現実の縛りが己の存在を崩壊へ導こうが意にも介さないことも重要だ。そしてかつて見た『最強無敵の超越者』を信じ抜けば──私は辿り着く。

    そして空崎ヒナは自然体であった。つまりそれは、私たちにとってもできることだ。彼女が特別何かをしていないと明言した以上、特別何かをする必要が無いということでもある。ならば私や、他の生徒にできない筈がない。よって私も可能である。

    友として彼女と友好を深め、宿命として彼女を追う。なんと素晴らしい道なのか。子供らしく夢を追い続けてやる。その果てに夢にヘイローを壊されようとも本望だ。
    そうさ、私は……空崎ヒナになるんだ。
    何処にでもいるゲヘナのモブから生まれ変わるんだ。

    ライフルに弾を装填する。全身に戦意がみなぎる。笑みが溢れる。憧憬が加速して無尽蔵に生み出す。
    過去の私なら首を突っ込む理由のない小競り合いだ。今の私なら首を突っ込まない理由が無い。こいつら如きに遅れを取るならば空崎ヒナには到底なれないし、その道中の強敵たちにも叶う訳がない。だからこそ……

    お前らは、私の糧になるんだ。

    wappy end──

  • 31二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 19:04:38

    ──報告
    当該生徒は一ヶ月の間に100件以上の襲撃事件を起こした。標的となった生徒たちは大なり小なりの不良グループに属しているが、当該生徒から恨みを買った覚えは無いと証言している。一人残らず医務室送りにされている事実は、まるで不良を根絶やしにするかの如き振る舞いである。しかしゲヘナ自治区の不良だけでなく、ブラックマーケットを根城としている生徒にまで攻撃を仕掛け、単独で殲滅したケースもある。
    目的は一切不明。

    思想面についても特に無く、過去に友人だった生徒からの事情聴取でも『ある時を境に雰囲気が変わり、ゲヘナ風紀委員長について異様に調べ出した』という点以外は普通の生徒だった模様。風紀委員会の公的記録には『空崎ヒナに憧れた』という発言がある。空崎ヒナ風紀委員長は確かに圧倒的武力を誇るものの、見境無しの殲滅行為を行う人物ではなく、仮にヒナ委員長への憧憬からの行動であれば発言と一致していない。
    また当該生徒の能力は以前の情報では平均値程度にも関わらず、異常なまでの戦闘能力を発揮していたとの証言が多く寄せられている。違法薬物や危険なパワードスーツなどが裏ルートで流通していないか現在確認中。

    現状の結論としては当該生徒は理由無き狂人であると判断する他無く、今後の詳細な調査は担当生徒に対する安全も考慮し、万魔殿から直接戦闘を専門とする風紀委員会に一任することを羽沼マコト議長に提案する。

    (おかしい……ヒナよりも素早く大事を片付けてこのマコト様と万魔殿の優秀さを知らしめようとしたのに……あいつこんなのだったか……?)
    ↓自分が会話した生徒と報告書にある生徒が噛み合わずに混乱するマコトの図

  • 32スレ主24/04/10(水) 19:18:26

    というわけでオチはマコトに締めてもらって、この空崎ヒナになりたい一般ゲヘナモブの話は終わりです
    閲覧してくれた方やレスを投げてくれた方、ありがとうございました

    あとは気が向いたらちょろっとオマケ書くかぁ、程度しか考えてないので、スレはどういうヒナがカッコいいかについてでも語り合っていただければ幸いです

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