- 1124/04/08(月) 22:54:42
- 2124/04/08(月) 22:54:57
- 3124/04/08(月) 23:00:32
- 4二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:01:21
玲王を元に戻せよ!ってブチギレる
- 5二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:01:40
火を放つ凪
村人を避難させる國神 - 6二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:09:15
凪はブチギレ幸雅と殴り合い
國神はその間に玲王を確保しようとする - 7二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:18:46
もうなんか一周まわって放心状態じゃない?
- 8二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:21:33
大乱闘スマッシュナギーズ
- 9二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:33:21
自らが放った火の中で幸雅と本気の殴り合いをする凪
とりあえず玲王と村人を逃がす國神
けど村人は逃げずに幸雅に加勢しそう
髑髏と亡子様とのバトルで地獄絵図 - 10二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:40:18
- 11二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:44:39
10いった!これで言える
ありがとう 本当にありがとう マジ文豪
また絶対絵描く - 12124/04/09(火) 08:10:30
- 13二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 17:17:15
めっちゃ楽しみ………
- 14二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 22:44:26
楽しみ!
- 15二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 01:54:59
超たのしみにしてます!
村の運命はいかに…… - 16124/04/10(水) 08:36:00
キィ、と、古びた音を立てて扉は開いた
幸雅が顔を出した途端、外に居た凪と國神は怒りの表情を浮かべる
「幸雅、お前……!」
「なんだお前ら。夜分遅くに無礼な輩じゃ」
幸雅が堂々としらを切ってみせると、凪が更に苛立ち、幸雅の胸ぐらを勢い良く掴む。
ほぼ同じ身長の二人は、互いに視線を逸らさず睨み合った
「レオは?」
「この部屋の中だが」
「………!」
正直に答えると、途端に凪は幸雅を押し退けて部屋へと入っていく。
素直に部屋の中への侵入を許す幸雅を怪訝に思いつつも、國神も凪の後へと続いた
部屋の中では、震える脚で何とか立ち上がっている玲王が、厳しい表情を浮かべている
「レオ…!大丈夫なの?」
「おい玲王、妙な事はされてないか」
心配して玲王の側へと駆け寄る二人。
だが、玲王は鋭い視線を二人に突き刺した
「誰だよ、お前ら」 - 17124/04/10(水) 08:39:01
大きな物音を聞いて、屋敷中の使用人達が集まってくる。彼らは各々、薙刀のようなものから近くにあったのであろう箒まで、様々な武器を手にしており、この屋敷の次期当主である幸雅を助けようとしていた。
そんな彼らを片手を上げて制して、幸雅は仄暗く薄ら笑いを浮かべながら、成り行きを見守っていた
部屋の中では、助けに来た者たちがその相手に拒絶されるというなんとも悲劇的な絵面が出来上がっている
「玲王、その冗談は笑えねぇぞ」
「は?つか何呼び捨てにしてんだ。お前ら馴れ馴れしいんだよ」
國神の声は、動揺のせいかほんの少し震えていた。しかし、そんな彼に対しても玲王がここまで冷たく対応しているのは恐らく、扉での幸雅との押し問答や、幸雅を押し退ける現場を目撃したからだろう。玲王の愛情深さが今は、状況を更に悪化させている
「おい、玲王…!俺は良い。だけど凪にまでそれを言うのは違うだろ!?」
「だから知らねえんだってば。凪って誰だ?そこの白い奴か?」
ぎゅっと眉を顰めて不快感を顕にしながら、玲王の視線は凪へと移る。呆然と玲王を見ていただけだった凪は、玲王の瞳と目が合った途端、何かに気付いた様子で玲王の肩を掴んだ
「痛……ッ、おい!?」
「レオ、何されたの。言って」
困惑して痛がる玲王に構わず、凪は強い口調で玲王に詰め寄り続ける - 18124/04/10(水) 08:42:45
「変だよレオ、やっぱりおかしい。そう言うように命令されてるの?」
「嫌っ…やめろ離せ!」
「脅されてるんだよね。何をされたのか言って。言ってってば…答えろよ、レオ」
戸惑いと衝撃もあるのだろうが、それよりもパートナーだと思っている相手に「知らない奴」なんて酷い事を言われた事に怒っているのだろう。凪がレオの肩を掴む力はどんどんと強くなっていき、体力を大量に消費したばかりの玲王は凪の手を振り払えずにいた。
見兼ねた國神が止めに入ろうとするが、それよりも先に幸雅が、凪の手首を捻り上げた
「それ以上はやめて貰おう。俺の伴侶が怪我をしたらどうするのじゃ」
幸雅が動いた事を合図に、使用人達が一斉に部屋の中へとなだれ込み、凪と國神を押さえ付ける。複数人の男相手でも、國神ならあるいは振り払えたのかも知れないが、そうすれば村人を怪我させてしまうかも知れない為に出来なかったのだろう。二人は、あっという間に荒縄で縛られてしまった。
強制的に跪かされている二人を無表情で見下ろしながら、幸雅は使用人達に命令する
「牢に入れろ。日が昇ったら村から追い出せ…殺すなよ。こいつらが死ぬと村の外が騒がしくなる」
幸雅の言葉に深く頭を下げ、使用人達は二人を引っ張って部屋の外へと連れ出した。
國神は混乱しながらも、今の状況では玲王を助けるどころか下手に抵抗すれば自分達の身も危ないと察し、大人しく連行されていく。
凪は、遠く引き離され、姿が見えなくなるまで、玲王の姿を見つめていた。
しかし───…玲王は決して、凪の方を見る事は無かったのだった - 19124/04/10(水) 08:44:24
この後どうしよう
燃やすか直接手を下すかそのまま追い出されて終わりかその他になるのか決めかねる - 20二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 09:21:26
ぐぅうう切ねぇ…
多分玲王が洗脳されずに犯されてる最中とかを見ちゃったらその場で死人が出てたよな - 21二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 09:26:13
凪は混乱から怒りに転換したらヤバそうなんだよね
村の場所も割れてるし追い出されても戻ってきて火を放ちそうな危うさがある - 22二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 09:56:27
この凪は絶対村燃やして自分の手で元凶を仕留めるそう……
追い出されても自力で戻ってきて絶対復讐しそう…… - 23二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:46:43
- 24二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:48:16
凪!こんな村焼こうぜ!
- 25二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:56:36
切ねぇ〜
亡子様ごと燃えたら玲王の洗脳も解けそうだしな
そして子種だけが残る… - 26二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 17:44:02
最初は行為を見せ付けるのかと思ってました
すみません - 27124/04/10(水) 17:54:24
- 28二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 18:39:53
- 29二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 20:43:12
妖しい雰囲気でめちゃくちゃ良いですねー!絵も上手いスレ主すご
バッドエンドルートなので幸雅にとっては幸せな結末になるのかな?
幸雅の生死はちょっと分からないけど玲王は洗脳解けずに、ずっと幸雅のことを愛して子供も産まれるみたいな…
- 30二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 21:47:33
- 31124/04/10(水) 21:52:43
- 32二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:02:46
亡子様の力が余所者の玲王と合わなかった
玲王が血を吐いて苦しみ出す
後に死亡または意識を失う全員曇るEND - 33二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:02:46
- 34二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:04:57
國神が玲王を連れて外に→凪が幸雅を刺す(コロコロする)→なんやかんやあって村は燃え玲王と國神だけ生き残る→しかし玲王は幸雅しか知らないからただ帰りを待ってる
伝わるかわかんないけどハピシュガみたいなEnd - 35124/04/10(水) 22:15:07
ありがとうございます!!!
どれもこれも好み過ぎて筆が進む予感
そして高確率で誰かが死ぬ
さてどうなるか
dice1d3=1 (1)
1 32
2 33
3 34
- 36二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:15:54
どれも最高なんだけど!?天才の集うスレ?
- 37二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 23:51:53
ぎゃあぁぁぁぁ!玲王!!!!
- 38二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 08:04:17
バッドエンド募集し始めたら直ぐに安価埋まってて面白いw
- 39124/04/11(木) 08:41:52
屋敷とは別棟で建てられている、こじんまりとした牢屋。
そこに凪と國神は放り込まれていた。
錆びた手枷を後ろ手に付けられており、頑丈なそれは叩いてみても手首にダメージが入るだけでどうにもならない。
「殺されはしないんだよな…朝になったら村の外に出られるらしいし、警察に通報しよう」
國神は凪にそう提案をする。しかし、凪は何かを考えている様子で、返事をしなかった。
凪の心情を察した國神は、なるべく重い空気にならない様に努めながら話を続ける
「この村は人身売買をしてるらしいし、捜査が入ったら一発でアウトだろうな。にしてもこんな時代劇みたいな状況になるなんて、ここに来た時は思いもしなかったよ、俺、マジの牢屋見るの初めてだ」
柄にもなく饒舌になってしまった國神は、ある程度喋っても返事が無い事でそれ以上空気を軽くしようとするのは諦めた。きっと凪はそんな気分では無いのだろう。
もしも自分が……千切や、潔や蜂楽にさっきの玲王のような事を言われたら、絶対にものすごく落ち込む。
そう考えるとやはり、凪のことが心配で堪らない。
どう声を掛けてやるべきか、黙っていてやるべきなのか。國神が迷っていると、凪は唐突に話し始めた
「ねぇ、どうしてレオはあんなふうになったんだと思う?」 - 40124/04/11(木) 08:43:25
突然の事に國神は驚いたが、頭を働かせて凪の疑問に答える
「…全然分からん。普段の玲王はああいう態度をとる奴じゃないし、お前とも喧嘩とかしてなかったよな?」
「うん…俺はやっぱり、アイツが何かしたんだと思う」
「幸雅か。確かにこの村でならアイツは色んな特権持ってそうだもんな。脅す位は出来るかも」
牢屋の中の二人は、自分達が見ていない間に何があったのかと、あれこれと頭を捻って考える。そうやって会話をしていると、牢屋の扉…凪と國神が居る鉄格子の外にある、監視用の場所が開き、誰かが中へ入って来た
「考えても答えは出て来ぬぞ、お前らが知らない『亡子様』の能力を使ったからのぅ」
月光を背後に従えた幸雅は、そう言いながら鉄格子へと近付いていく。
黒幕の登場に、その場の空気が一気に凍りついた
「聞いたぞ、哀れな使用人を尋問したそうじゃないか。野蛮人共め」
「…で?『亡子様』の能力って何だよ」
「急くな筋肉ダルマ。そこの白いのも睨むでない。視線が鬱陶しくてかなわぬ」
鉄格子越しに二人を見据えながら、幸雅は吊り上がった口角を隠すように口元へ片手を持っていき、話を続けた - 41124/04/11(木) 08:45:42
「『亡子様』はとても優秀かつ便利な方でな。ヒトの体を改造する以外にも、ココを弄る事が出来るのじゃ」
人差し指で頭を指し示しながら、幸雅は『亡子様』の能力を説明する。
幸雅の話を聞いて、凪は合点がいった様だった
「つまり、レオが俺を知らないって言ったのは」
「ああ、『亡子様』の能力だぞ。ついでに言っておくが『亡子様』の力は不可逆じゃ。記憶を取り戻そうとしても不可能。変な気は起こさない事だな」
「…バッカみたい。それでレオを好きにして、お前はそれで満足なの?」
心底見下げ果てた奴だと、凪の視線は語っていた。それを受けた幸雅は、首を傾げて嗤う
「当たり前だろう。お前は莫迦なのか?今まで彼を見てきて、彼が俺を好いてくれる筈は無いと分からぬほど鈍くは無いわ」
「なんだ、諦めたんだ。そういうのレオは好きじゃないよ。自分の力じゃどうにも出来ないクセにダサい奴だね」
「ハッ、俺のお情けで命を頂いている分際でよく吠える。目的の為なら形振りなど構わん」
世界で一番お前が嫌いだ
そう雰囲気で語りながら、凪と幸雅は激しく火花を散らす。
睨み合う二人の言葉の刺し合いは、邪魔くさそうに片手を振った幸雅によって打ち切られた
「ああそうじゃ、この村での出来事を外で話そうとしていたようだが、無駄だぞ」 - 42124/04/11(木) 08:47:01
幸雅の言葉に、今度は國神が反応する
「どういう事だ?」
「余所者がこの村から出る時は自動的に村での出来事を忘れてしまうのじゃよ、『亡子様』の恩恵でな」
言いながら、幸雅は悪辣に笑う
「お前ら二人はいきなり俺と玲王が消えたという認識を持つはずじゃ。村に来るために歩いた事も忘れ、探してもこの村へは絶対に辿り着けない。それは分かっておるだろう」
「お前…!いい加減にしろよ!?」
「あっはっは!本当に邪魔だったよお前らは!今は澄んだ気分じゃ。わざわざその悔しそうな顔を見に来た甲斐があった」
話し終え、用は済んだとばかりにサッサとその場から立ち去る幸雅。
その後ろ姿を見て、國神はぐっと唇を噛む
「クソが…アイツ、あそこまでクズだとは思わなかった…!」
その隣で、凪はただじっと幸雅の立っていた場所を睨み続けていた
その視線は、人ひとり焼き殺せるのではないかという程の憎々しさに燃えている - 43二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 11:23:18
めちゃくちゃおもしろい…!
文庫本にして手元に置いておきたいんですけど…!? - 44二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 14:17:54
本当にごめん、玲王が酷いことされてるのに拘束されてて睨みつけることしか出来ない凪大好き
そのシチュでしか得られない栄養がある - 45二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:02:01
- 46二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 23:28:52
ここからどうなることやら(死んだ目)
- 47二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 10:47:06
続きが待ち切れなくて毎時間来てしまう
- 48124/04/12(金) 19:50:13
幸雅は全てを手に入れた
焦がれ続けた"絶対"を捕まえた
だからもう、凍えて震える事は無い
幸せは揺るがない
そう信じている
己が薄氷の上に立っているとは、露ほども思っていなかった
屋敷の中、玲王が待っているはずの奥の部屋へと、幸雅は揚々と歩いていく。
話したい事が沢山ある。二人でやりたい事や、離れていた分の触れ合いも、それら全てを取り返すのだ。
弾む心をそのまま表情に乗せ、幸雅は部屋の扉を開いた。そこには、燦々とした玲王の笑顔があるはずだった
視界に広がるのは鮮やかな赤
あの日。玲王が自分の掌から砂の様に崩れて無くなってしまった日。
それと同じ光景がそこにあった
「………は?」
床に右手を付いた玲王は、左手を口元に当て、ボトボトと溢れる血の塊を呆然と眺めている。
息も忘れてその光景に絶句していた幸雅だったが、直ぐに弾かれたように玲王へと駆け寄った - 49124/04/12(金) 19:51:53
「玲王…!!何があった!?」
「わ、分からな……お、れは…?」
げほ、と玲王が咳き込んで、その口からはまた鮮血がこぼれ落ちる。
恐怖が幸雅の骨の髄を駆け巡り、幸雅は適切な判断を下せない。人を呼ぶべきなのに、焦って玲王を抱きしめる事しか出来なかった
「ど、毒…?いや、病気か?玲王、玲王…!痛いのか…!?」
幸雅の腕の中でぐったりとしている玲王は、顔色も悪くいつもの様な覇気が無い。当然だろう、吐血しているのだから
「ぁ、あたまが、痛い……」
血で溢れかえる口から放たれたのは掠れた言葉。それを聞いて、幸雅は玲王の異常の原因をすぐ思い当たった。
『亡子様』だ
きっと、あの方の力があまりにも強過ぎて、玲王の身体が受け付けていない…もしくは、玲王の強い意思で『亡子様』の力を跳ね返そうとしていて、拒絶反応が強く出たのかもしれない。
「待っていろ、玲王…幸子!来い!」
部屋の外に向かって大声で呼び掛けると、廊下から走る音が聴こえてくる - 50124/04/12(金) 19:54:06
「どうされましたか、お兄様」
幸子は寝間着姿にも関わらず、兄の呼び掛けに即座に応えた。妹へと、幸雅は指示を飛ばす
「今すぐに『亡子様』の元へ!玲王へ掛けた力を緩めるよう言ってくれ!」
「え…ですがそれでは玲王様の記憶が」
「それで良い、玲王が死ぬよりずっと…!」
ただならぬ兄の様子を見て、幸子は意を決した様に頷く。そして身を翻し、『亡子様』の元へと走っていった。
部屋に残された幸雅は、玲王の気管に血が詰まらないよう玲王の背中を擦り、落ち着かせる為に抱きしめ続けていた…いや、本当は玲王の体温をちゃんと感じて、安心したかったのだ。
『亡子様』の力に抗えた者など見た事が無いし、記録にも残っていない。どれ程のダメージを負うのかも未知数であり、万が一では済まない確率で玲王の命が危ないかも知れないのだ。
脱力している玲王の身体を、幸雅は隠すように抱きしめる
「放さない…!もう何処にも、逃してやるものか…!!」
血の嘔吐を繰り返していた玲王だったが、幸子が『亡子様』の元へ走ってから少しして、顔色が徐々に良くなっていく。
荒くなっていた息も少しずつ整い、脱力していた身体に力が戻る。
玲王の様子に気付いた幸雅は、希望に目を輝かせて玲王の顔を覗き込んだ - 51124/04/12(金) 19:55:29
「玲王!気分はどうだ?落ち着いたか…?」
「……幸雅」
どこか焦点の定まらない目をしていた玲王は、幸雅の声に反応して、段々と正気を取り戻していく。それと同時に、体調とは別の要因で、玲王の顔色は悪くなっていった
「…あ……俺…凪に、酷い事を…」
玲王の言葉を聞いて、幸雅は『亡子様』の能力が解けかかっている事に気付いた。
そうする様に指示を出したのだから、玲王が元に戻るのも当たり前だ。
今度は心配ではなく、繋ぎ止める為に玲王を抱きしめた
「玲王…良いか?今のお前は衰弱している。無理に動くと命が危ない」
「な、凪に会いに行かなきゃ…あ、謝らなきゃ」
「聞くのじゃ、玲王!動くなと言っている!」
幸雅の言葉には耳を貸さず、玲王は凪に会いに行くために幸雅の腕を振りほどこうと藻掻いた。幸雅は離さないつもりでいたが、大きく空を切った玲王の指先が左の眼球を掠り、思わず目を瞑ってしまう。
その隙に、玲王は幸雅を振り払って駆け出してしまった
「玲王……っ!」
痛みに霞む左目を抑えながら、幸雅は玲王を追い掛ける。
何事かと集って来た使用人のせいで足止めを食らいながらも、幸雅は玲王の背中を追って必死に屋敷を駆けたのだった - 52二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 19:56:58
前世と同じ光景を見てしまったのか……
- 53124/04/12(金) 21:57:39
桃色に朝焼けした空の下
凪と國神は複数の男に乱暴に引っ張られ、村の外へと連れ出されようとしていた。
凪の四肢には痣が散らばっており、散々抵抗したのであろう痕跡が見受けられる。
「くそ…おい、頼む聞いてくれ!俺らの連れがヤバいんだって!アンタらにも良心くらいあんだろ!?」
國神は、己を取り囲む男達にそう訴え掛けていたが、天使を盲信している彼らにその声は届かない。抵抗しながらも、村の外へと引きずられてしまう二人
その人だかりへ駆け寄る影が一つ。
「待て…待ってくれ、凪!」
「────レオ…?」
遠くから叫ぶ声。この距離では消えそうな程小さな音だったのに、玲王の声を凪はしっかりと拾った。
凪の様子に気付いて、國神も振り返る。そして、こちらへ走る玲王の姿を見て、驚きと笑顔を同時に顔へ浮かべた
「おい、あれ玲王だよな!?元に戻ったのか!」
「……っ、レオ…!」
向かってくる玲王に近付こうと、凪も歩く。しかし、村の住人によって抑えつけられてしまった。
それでも、顔を上げて、視線だけは玲王から逸らさない - 54124/04/12(金) 21:59:04
ふと、凪は気が付いた
玲王の来ている浴衣が、赤い何かで汚れている。
それを玲王が吐いた血だと分かったのは、凪達のもとへ辿り着く前に、玲王が再び吐血してしまったからだった
足を止め、苦しそうに胸の辺りを押さえた玲王は、ぱしゃりと血を地面へと吐く。
地へ膝を付く玲王の姿は、まるでスローモーションの映像を眺めているかのように凪の目に映った
玲王が血を吐いている
苦しそうに地面に倒れ込んでいる
このままでは死んでしまう
死ぬ?誰が?…レオが?
「な、ぎ…なぎぃ……」
混乱する頭が、玲王の声で現実へと引き戻される。玲王は、地面に伏しながらも、必死に凪へと手を伸ばしていた
「ひどい、こと…言って…ごめんな」
そう言って、力尽きたように玲王は目を閉じる。
何故かは分からないが、玲王は酷く弱っていた。それなのに、凪に会いに来てくれたのだ。凪に、謝るために
玲王へ近付こうとする凪を、複数人の村男が強く抑える。もう、凪の身体は打撲傷でボロボロだった。それでも、抑えつける力に抗う。
どうしても、玲王の側に行きたかった - 55124/04/12(金) 22:01:37
「おい、分かってんだろ!?アイツが俺らの連れなんだ!血ぃ吐いてんだって!早く医者に見せなきゃ…!」
國神が説得しようと言葉を尽くしても、やはり村男達は意思を曲げない。
彼らは村の歪んだ悪習に染まり切っていて、ただひたすら天使から与えられた役割を果たそうとしている
玲王が走って来たのと同じ方角から、もう一つの影が現れた
肩で息をする幸雅は、倒れ伏す玲王と、その先に居る凪と國神の姿を見て、嫉妬と憎悪で胃の腑を灼かれる。
ここまでしても、幸雅は玲王の特別にはなれない。どこまでいっても、玲王の心の特別な場所は、別の誰かで埋まっているのだ。
「それでもいいさ…逃げても足掻いても、俺は何度でも君を捕まえる」
幸雅は、玲王の口元へ手を近付けた。微かな吐息が掌へと当たる。
確実に弱っているし、すぐにでも治療をしなくてはならないが、玲王は生きているのだ。
それなら良い。まずは身体を。心は後から奪えばいい
玲王の状態を確認する幸雅に向かって、凪が地を這うような声をぶつける
「レオに…触るな…!」
憎しみを存分に込めた声を出す凪に、幸雅はちらりと視線を向けた - 56124/04/12(金) 22:02:55
「お前、俺が嫌いだろう。憎いだろう」
「あ゙……?」
「ふざけるなよ。俺の方が何倍も、お前を憎いと思っている」
淡々と呪詛を吐きながら、幸雅は玲王を抱き上げる。横抱きにした玲王を見せつけるかのように悠々と立ちながら、幸雅は言葉を続けた
「お前はいつだって玲王の特別だ。玲王はお前の為だけに身を削り心を砕く。ずっと玲王を思い続けている俺では無く、お前の為に」
幸雅はぐっと唇を噛む。
強く噛みすぎて、幸雅の唇からは一筋の血が滴った。
「嫌いだ。玲王が心を向ける人間は全員嫌いだ。そこの橙色も大嫌いだ。でも、お前の事が一番憎い」
ひと息で胸の奥の全てを曝け出した幸雅は、言い終わった後で、今の自分がなんとも情けなく、虚しいことに気が付いた。
こんな事を言ったって。例えここでこいつ等を殺しても、玲王は手に入らないだろう
「……不毛だ」
それでも、諦められないのだから仕方ないではないか - 57124/04/12(金) 22:04:51
凪達に背を向けて、幸雅は歩き出す。
その足取りは重く、半ば足を引き摺るような歩き方だった
遠ざかる背中に、凪が叫んだ
「待て…連れてくな!」
しかし、思いとは反対に、大勢の村男に引きずられて、凪の身体は玲王から離れていく
國神も必死に抵抗しているが、この人数が相手では焼け石に水のようなものだった
「レオ…っ!レオ……!!」
叫び声は朝日に吸い込まれ、届いて欲しい相手へは決して届かない
彼らは数時間後、山の中で、自分達が何故ここに居るのかも分からない状態になるだろう。
でも、それは彼らにとって幸せな事なのかもしれない
國神にとっては、友人が
凪にとっては、唯一人のパートナーが
永遠に彼らの元から去った事実を、忘れて居られるのだから - 58124/04/12(金) 22:06:50
バッドエンド終わりです!時間掛かった!ごめん!
これハッピーエンドってどうなるんだろう、何も考えてないのが正直な所なんですが、どうします?もうこれをトゥルーエンドにして終わりでも良いんじゃないでしょうか - 59二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 22:11:49
うわー最高でした!この後玲王が長持ちするとは思えないし本当にバッドエンドって感じで最高!
ハッピーエンドも見たいです(強欲) - 60124/04/12(金) 22:20:37
イメソンとは違うけど幸雅はこういうイメージで書いてます
長持ちはしないでしょうねー、子どもは産みますけど。ただそうなると幸雅の愛は玲王だけに向けられてるので両親のどちらからも愛されない可哀想な子が産まれてしまいますね
ハッピーエンドはこういうのが見たいってのがありましたら書こうと思います!
- 61二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 22:32:56
バッドエンド最高でした!
もしかしたら凪は何年かしてふとしたきっかけで記憶が戻るかもという淡い期待を抱いてる
でもその時には玲王は既に...だろうし村の入口に火を放って村人みなごろしエンドだろうなあ
ハッピーエンドは薬の効きが悪くて2人ともすぐに起きて間に合うパターンになるのかな - 62二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 23:20:31
あまりにも最高…
見たかったものが全て詰め込まれてました!最高でした…!
ハッピーエンドは洗脳失敗でせめて体だけでもと襲われてる途中で凪たちが間に合う感じですかね
玲王はなんだかんだ許してくれて何とか丸く収まらんかな… - 63124/04/13(土) 00:06:13
>>61ありがとうございます!!
その場合は単純に幸雅の執着心が満たされる事なく今世が終わって来世へゴー!でエンディングなのでハッピーにはならないです。青筋ビキビキしすぎて血管切れて幸雅死にそう
うおおおシチュエーションはめちゃくちゃに好きだが一も二もなく幸雅が殴り殺されるのでハッピーエンドは難しいですね
でも好きだそのシチュ…幸雅にはレイパーになってもらうか…?殺人と誘拐は経験済みだし良いよな…?
なんかもう幸雅が記憶無くして健全に玲王に恋するしかハッピーの道が無い気がしてきた
考えてみても玲王への独占欲と執着心と愛情がそれぞれ最悪の主張してきてハッピーからどんどん遠ざかってっちゃうんだよなぁ…
- 64二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 00:22:02
- 65二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 00:29:03
何か昔のフリーホラーみたいな因習村の謎と呪いは解けたけど、肝心の幸雅の呪い(愛)はそのままでまた生まれ変わってくるみたいなトゥルーエンドはどうですか?
- 66124/04/13(土) 07:38:02
- 67二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 15:07:40
薬を回避した凪がブチギレなんやかんやで村を焼いて亡子様ごと村を壊滅させる(國神は村人を避難させる)
亡子様が消失したことで幸雅の中の前世の記憶が薄れていく→前世からの玲王への妄執は無くなるけど今世の幸雅としてまた純粋に玲王に恋をする
凪と幸雅の戦いはこれからだ!
無理矢理だけどこんなハッピーエンドが浮かんだよ… - 68二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 15:18:15
他の人がいいなら幸雅大勝利エンドでも全然いいと思ってる派です
- 69二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 16:41:24
バットEnd良かった…好き
無理なことは分かっている 自分が最初から思い続けていた人が結ばれない展開許せないのもあるからも 分かっているけど純愛Endがみたい… 皆和解は出来なくてもいいから…
村が燃えたりして亡子様の力とかなくなっちゃったりするけど結ばれてほしい…幸雅が玲王たちの前で泣いちゃったりとか? いやぁないか… - 70124/04/13(土) 17:16:50
- 71二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:24:42
村人!!!!!!
- 72二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:46:53
玲王凪國神が不幸になるエンディングは悲しいなあと思ったけど村人生贄にハッピーエンドになりそうで良かった!
- 73二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 19:18:04
- 74二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 22:38:33
- 75二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 00:55:06
- 76二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 10:11:01
更新楽しみ
(村人以外)幸せになれー! - 77二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 17:45:22
これ村人って幸子と父も入ってるんよね
あと幸雅は村をどう思ってんのか気になる 利用価値があるとかそういうのじゃなくて人身売買とか亡子様とか村の文化?とかに対してさ - 78二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 00:29:19
本当に幸せになれること願ってる
- 79124/04/15(月) 00:54:49
※時系列としては天使の屋敷に招待された直後です
用意されたご馳走がどどんと目の前に置かれ、玲王・凪・國神はその迫力に目を見開いた
「すげぇ!旅館かよ!」
「デッカい魚…まるまる一匹じゃん」
「食っていいんすか!?いただきまーす!」
長い時間移動して疲れ切ったスポーツマン達の目には、それらは天上の馳走に映る。
にこにこと笑顔を浮かべる使用人が次から次へと料理を運んでくるおかげで、人よりもずっと食べる彼らの腹は小一時間で満タンに満たされた
「離れに温泉がありますが、いかがですか」
綺麗に片付けられた机を拭きながら、使用人は三人に湯浴みを促す。
腹ごしらえをした後は長旅の疲れを取りたい。そう考えた三人は、一も二もなく頷いた。
屋敷は随分と広いため、使用人に先導されて移動する。廊下を歩いていると、凪は肌寒い風のせいで僅かに尿意を感じた。入浴中にもよおしても面倒なので、トイレに寄ると伝えると、温泉はもうすぐ側だからと他の皆は先に行ってしまう
そして、幸雅と誰かの会話を聞いてしまったのは、トイレから出てきた後の事だった - 80124/04/15(月) 00:55:58
「温泉どこ…?全然分かんないや」
無駄に長い廊下を彷徨っていた凪は、とある一室から漏れ出る抑えられた声量での話し声を聞く。その声の主が警戒している幸雅だったため、いけないことだとは分かりつつも、凪は聞き耳を立てた
『…では、あの方以外のお二人に睡眠薬を盛れば良いのですね』
『ああ、その間に俺は玲王を手に入れる。抜かるなよ』
『はい』
(……は?)
睡眠薬?手に入れる?
聞き取った物騒な単語達に鳥肌が立つが、部屋の中の足音がこちらに向かってきた為、凪は素早く身を隠した。どうやら見つかりはしなかったようで、部屋から出てきた足音は遠くへと歩いていく。
凪が聞き耳を立てた部屋は、幸雅の自室だったようだ。見かけないと思ったら、屋敷の奥の方へ居るとは
「これ、もしかしなくてもヤバいよな…國神に伝えなきゃ…必要なら、レオにも」
凪は踵を返し、幸雅の自室から遠のく。
温泉がどうとか言っていられない。とにかく早く伝えなくてはとはやる気持ちで走ったら、どういう訳か無事温泉へと辿り着いたのだった - 81124/04/15(月) 01:01:02
- 82二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 01:45:39
- 83二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 01:46:40
頭いい分だわ まぁスレ主の文分かりやすいから頭いい文ってのは間違ってないけど
- 84二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 02:10:28
大事だったら犯罪行為やらせたり村の風習に習って子供産ませて売買して何も思わないわけないもんなあ
- 85二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:18:24
玲王を囲むには良い環境だったってだけなんだねぇ
- 86二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 17:58:19
前世でも山賊仲間たちを信用してるけど懐には入れてない感じだったし本当に玲王だけが大事で大好きなんだよね
サッカーもやってチームメイトも出来たけど世界は玲王で完結してて他の人物への情はないから凪よりも厄介 - 87二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 23:31:05
仮に洗脳が100%成功して玲王との子供が産まれたとして子供の事愛せたのだろうか
- 88二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 01:01:16
上の方でスレ主さんが 両親のどちらからも愛されない可哀想な子が生まれる ってあるから無理なのでは?玲王との子だから売ることほなさそうだけど
- 89124/04/16(火) 01:54:44
「おー凪、やっと来たか」
「きんにくんちょっと来て」
「えっ?いやちょっと待っ…」
脱衣所に入って来た凪に片手を上げた國神は、腰にタオルを巻いたほぼ裸状態にも関わらず廊下へと連れ出されてしまう。
幸い使用人は居なかったので人の目には触れなかったが、流石に恥ずかしい。
抗議しようと開いた口を、凪の真剣な顔を見た事によって閉めた
「何かあったのか?」
「さっきアイツが誰かと話してて…」
凪は簡潔に聞いた内容を國神に伝えた。すると、國神の表情は段々と険しいものに変わっていった。「薬を使うつもりだったのか!?」と、正々堂々とは程遠いやり方にも憤っているらしい。
「で、どーする?俺としては今すぐアイツをぶちのめしても良いと思うんだけど」
「いや待て、先ずは証拠を用意しないと俺らが一方的に幸雅を攻撃しちまう事になるだろ」
凪の言葉に待ったをかけつつ、國神は顎に手を当てて考え込んだ。
計画を聞いたからと言っても、幸雅が自分に異様に執着していると気付いていない玲王には信じて貰えないだろう。だからといってグズグズしていると、玲王に取り返しのつかない被害が及ぶ可能性がある
「玲王を手に入れるって、どうするつもりなんだろうな」
「知らない。でも確実にマトモな方法じゃないでしょ」 - 90124/04/16(火) 01:56:06
その時だった
廊下の曲がり角の向こうから、足音と話し声が聴こえてくる。恐らくは複数の使用人だろう。これはまずい状況になってしまった。
なぜなら、二人のうち片方はほぼ裸の状態で廊下に立っているからである。
脱衣所に戻ろうにも、距離が遠くて間に合いそうに無い。
國神は咄嗟に凪の腕を掴んで、近くにあった部屋へと滑り込んだ
「っぶねぇ…変態だと思われるトコだった」
「ちょっときんにくん急に引っ張んないでよ」
彫刻の様な美しさを誇る肉体美を望まぬ形で晒す事を回避した國神は、ほっと胸を撫で下ろした。
いきなり強く腕を引っ張られた凪は、外れかけた肩をさすりながら文句を言う。
「ああ悪かったな…ん?部屋の奥、誰か居る?」
凪へと謝った國神は、ふと視線を部屋の奥にやった時に、人影がある事に気付いた。
人影はどうやら驚いているらしく、二人を見て固まっている。
その人はどうやら男で、大きく膨らんだ腹を抱えている事から、随分な肥満なのだと分かった。
「だ、誰ですかいアンタら…?」
怯えた顔でそう言われ、國神は慌てて頭を下げた - 91124/04/16(火) 01:57:47
「うわっ!すみません緊急で…!」
「あ、アンタどうして素っ裸なんだい?俺の着物を貸してやるよ」
肥満の男は重そうな腹をよっこらしょと抱えて立ち上がり、箪笥から大きな着物を引っ張り出して國神へ渡してくれた。
近くに寄った事で、男の顔をハッキリと見る事が出来たが、彼は國神や凪と同い年位の若い男のようだ。
「ありがとうございます」
有り難く着物を受け取った國神は、笑顔で男へ礼を言う。その横で、凪は男の全身を見ながら不審そうに眉を顰めていた
「ねぇ、どうして腹がデカくなってるの?」
あまりにもド直球な凪の言葉に、慌てたのは國神だった。肥満の人間に腹がデカイと言うのは地雷以外の何物でも無いだろう。
「ちょ、何言ってんだよ凪…!」
「だって変だよこの人、腕や足は普通に細いのに腹だけ太ってるなんて」
ズケズケとそう言いのける凪に、更に國神は焦った。しかし、そんな國神の心配とは裏腹に、男はほんのりと頬を染めて己の大きな腹を撫でる
「ああ…実はもうすぐなんですよ。俺の赤ちゃんが産まれるんです」 - 92124/04/16(火) 01:59:11
「……はぁ?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった國神に、男は続けて言う
「触りますか?ちょうど赤ちゃんが元気なんですよ」
國神の手を取り、自分の腹へと導く男。
引っ張られるままに男の腹に触れた國神は、トン、と腹の中から響く小さな衝撃に目を見開いた。
「え…!?赤ちゃんが居る!」
驚く國神と、嬉しそうに微笑む男。その様子を見ていた凪の雰囲気は、どんどんと怒りでドス黒くなっていっていた
「ねぇ、あんたって男なんだよね?」
「え?そりゃ見ての通りだが」
「この村って、男を妊婦に出来るの?」
凪の質問に、男は素直に答える
「村じゃなくて『亡子様』と天使様の力ですよ。御二方の祝福で、この村は男でも石女でも赤ん坊を産めるようになるんでさぁ」 - 93124/04/16(火) 02:00:39
その後、男を問い詰めて分かった事は二つ
この村には『亡子様』という神様のような存在が居る事と、その存在の力を引き出せるのは天使家の者だけという事だ。
『亡子様』は、どんな生き物でも孕む体にできる能力を持つという。
「…どう思う?」
「どう思うも何も…実際に妊婦の男の人見ちゃったんだから信じるしかないじゃん」
温泉へと歩きながら、凪と國神は話し合った。
おそらくは『亡子様』が、幸雅の言う玲王を手に入れる方法なのだろう。
「無理やり孕ませて好きな相手を手に入れようなんて、そんなの上手くいきっこない」
「そうだな、まず間違いなく堕ろすだろうし」
そう判断する二人だったが、そもそも無理やり孕ませる時点で悍ましい。言いながら、玲王への憐憫と幸雅への怒りで吐き気を催しそうな心地だった。
「玲王に言うか?」
「いや、こんな事レオには知られたくない。俺達だけで解決しよう」
「でも玲王は幸雅を友達だと思ってるから警戒なんてしないし、俺ら二人だけで完璧に守るなんて無理だぞ」
「じゃあ…アイツが睡眠薬盛ってるのは把握してるし、一旦泳がせてから捕まえよう。レオが『亡子様』のとこに連れてかれる直前に止めればいい」
「そうだな、目の前でアイツが自分に危害を加えようとしてた証拠を見れば、流石に玲王もアイツを軽蔑するだろ」 - 94124/04/16(火) 02:02:36
そう計画を立ててから、二人は改めて温泉の入り口を開いた。
長い時間玲王を一人にしてしまった。もしかしたら拗ねてしまっているかも知れない
「…あれ?レオどこ?」
しかし、露天風呂に居るであろう玲王の姿が見当たらない。よくよく目を凝らしてみると、温泉の隅に玲王は居た。湯けむりで姿が隠されていたのだろう
「もう、返事くらい…レオ?」
ペタペタと足音を立てて近付いてみると、そこで初めて玲王がぐったりしている事に気付く。凪と國神は慌てて玲王へと駆け寄った。
のぼせて顔を真っ赤にしていた玲王は、二人の姿を見るなり盛大に頬を膨らます
「おまえら…!俺を置いてどこかにいきやがって…意地でもここでまっててやったんだぞ、こんにゃろー」
どうやら一人で置いていかれた事が相当悔しかったようだ。
温泉から玲王を引っ張り上げながら、國神は苦笑する
「悪かったって。ほら、水風呂にでも入ってこい」
そして、この相棒大好きで寂しがり屋な友人を守らなければと、そう決意したのだった - 95二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 07:47:18
おおお…順調にバトエン回避ルートに進んでいる…!!
- 96二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 16:05:48
バトエンルート回避してる!!それはそうとして幸玲(純愛幸せルート)にはなってほしい自分はわがままか?
- 97二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 16:14:09
- 98二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 23:15:26
エピ凪小説を読んでもし玲王がひどく傷付けられるようなことがあれば凪は村を焼くくらいはするかも…と思ってしまった
バッドエンド回避できて良かったね! - 99二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 10:48:53
良かったね
- 100124/04/17(水) 12:36:06
深夜
狸寝入りを決め込んだ凪と國神は、客間を訪れた幸雅の目を見事に欺いた。
現在二人は、廊下を歩く玲王と幸雅の後を忍び足で追いかけている。
碌な明かりもないが、幸雅の持つ手燭が暗闇で唯一光を発するおかげで、二人は玲王達を見逃さずに済んでいた
「無駄にでけぇなこの屋敷…いつまで歩くつもりだよ」
息を潜めながらそう呟く國神。その横で凪は、幸雅が一瞬、周りに視線を配った事を確認した。何をするつもりだと注意深く見張っていたら、なんと幸雅の目の前にあった壁がくるりと回転したのだ。
注意を逸してしまっていたら、ここで玲王達を見失ってしまっていただろう。
「見た?今の。忍者屋敷みたい」
「からくりで隠されてるって事は、あそこが目的地なんだろうな」
素早く隠し扉に近付いた二人は、幸雅と同じ様に壁を押す。すると、壁はぐるりと回転し、二人へその先の道を明け渡した。
中に入ると、ごく小さな部屋があり、床にポッカリと穴が空いている
「この梯子の下に行ったのかな」
「だろうな。急ぐぞ」
その穴に繋がれている梯子を掴み、半ば飛び降りる様に地下へと進む二人。
地下室には、真っ白な部屋に一人で立つ玲王と、美しい屏風があった - 101124/04/17(水) 12:38:09
いきなり空から降ってきた凪と國神に、玲王は目を見開いて驚いた
「うわっ!?びっくりした!お前ら寝てたんじゃ…!?」
そんな玲王に駆け寄り、凪は玲王の身体をペタペタと触って異常が無いか確認する
「レオ、大丈夫?何か変な事されてない?」
「どっちかっつーと今まさに変な事されてるんだけど。お前に」
身体を確認して、ひとまず『亡子様』の影響は受けていないと分かった凪は、ホッと胸を撫で下ろす。作戦とはいえ、玲王と幸雅を二人にするのは心配で堪らなかったのだ。
その時、話し声に気付いた幸雅が屏風の向こうから現れる。地下室へ侵入していた凪と國神を見て、幸雅は目に見えて動揺してみせた。
「な…っ!?貴様らどうやってここへ…」
「よぉ幸雅。ちょっとその屏風どけてくれるか」
幸雅の言葉を遮り、國神は大股で屏風へ近付き、枠を掴む。咄嗟にそれを防ごうとした幸雅を振り切り、國神は屏風を倒してその向こうに居るモノを顕にした
屏風の向こうにはゆったりとした一人用のソファに身を任せている黒髪の妊婦が居た。長い髪を揺らしながら抱えた赤ん坊の人形へ子守唄を歌っている - 102124/04/17(水) 12:39:47
「だ、誰だあの人?」
「下がってレオ。アレは危ない奴だよ」
思いもよらぬ"村の秘密"の登場に困惑する玲王。当然だろう、彼だけが状況を把握できていないのだから。
部外者達の視線に晒された『亡子様』は、ピタリと歌をやめて、ゆっくりと顔を上げた
空洞の空いた双眼を見て、幸雅以外の三人が息を呑む。異形だろうと予想していたとはいえ、初めて見る人外にたじろぐのは人として当たり前の防衛本能だ。
知らない人間が大勢居る事に気付いた『亡子様』は、幸雅の方へと顔を向ける。
『……幸雅…あなたの、運命の人は……どれ?』
問いかけられ、幸雅は答えに窮して口を噤む。流石に凪や國神の前で玲王に『亡子様』の力を掛ける訳にはいかない。
しかし、『亡子様』はちらりと動いた幸雅の視線を見逃さず、ぎぎ、と顔を玲王の方へと向けた
『そう……あの子…なのね……….』
「あ…っ!?お待ち下さい『亡子様』!」
ゆらりと立ち上がる『亡子様』。それを止めようと手を伸ばした幸雅だったが、一瞬遅く、その手は空を切る。
点と点を移動した『亡子様』は、玲王の目の前へと現れていた
「!?」
「あー……それ、ダメ」
思わぬ危機に動けずにいる玲王。『亡子様』の魔の手から玲王を守ったのは凪だった - 103124/04/17(水) 12:41:18
ぐい、と玲王の身体を抱き寄せ、凪は『亡子様』を強く押し退ける。
その拍子に、『亡子様』の手から赤子の人形が滑り落ちた
ガシャン
硬いものが割れた音がした。床では、かつて赤ん坊の形をしていた土くれが粉々になって散らばっている
「……あ、やっちった」
全員の視線が、床に落ちて砕けた人形、そして『亡子様』へと向けられる。
誰がどう見ても、この状況はヤバい
砕けた人形を見つめていた『亡子様』はやがて、カタカタと震え始めた
「まずい…『亡子様』!お鎮まりを……」
血相を変えて『亡子様』へと走り寄る幸雅。だが、直後に『亡子様』から発せられた衝撃波に、背後へと吹き飛ばされてしまう
き───────あ──ぁ────あああああああああああ────あ───ああぁア
村中に、『亡子様』の悲鳴が響き渡った - 104二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 12:53:29
さ す 凪
- 105二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 15:17:13
なんかやばいことになってきたな
- 106二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 19:52:20
一目でヤバいやつと見抜き偶然?にも亡子様の弱点壊した凪
流石ばぁやが見込んだ男 - 107二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:22:28
こういうホラー展開大好き!
村は終わったかな… - 108124/04/18(木) 07:07:41
『亡子様』の悲鳴は山々で反射され、幾度となく村中へと襲いかかる。
碌に電気の通ってない村では、夜の灯りは松明が主流だ。それが不幸の原因だった
慌てて外へ出たは良いものの、『亡子様』の絶叫に頭が狂い、火を持ったまま暴れる村人が続出したのだ。
その結果、村は徐々に火の中へと包まれていく
それはもちろん、天使家の屋敷も例外では無かった
割れた土くれを掻き集めて泣きじゃくる『亡子様』は、大きく口を開けながら上を向き、ぐるぐると上半身を回転させながら叫び続けている。
幸雅は『亡子様』を止めようとするが、絶叫による衝撃波に阻まれて中々側へは行けない。
地下室の上からはドタバタと使用人達の足音が響いており、悲鳴と木の焼ける音が地下室の中にまで届いていた
「おい、逃げるぞお前ら!」
「分かってる…!行こうレオ」
異様な雰囲気を発し続ける『亡子様』から離れるべく、國神は脱出の指示を出し、凪もそれに従う。しかし玲王は、『亡子様』を落ち着かせようと奮闘する幸雅を振り返り、気にかけている様子だった
「待て、まだ幸雅が…!」
「…っ!まだそんな事言ってるの?」
渋る玲王の肩を掴み、凪は真剣な表情で玲王と目を合わせる - 109124/04/18(木) 07:10:30
「あの『亡子様』って化け物見たよね。アイツはアレを使ってレオに酷い事しようとしてたんだよ」
「幸雅が…?まさかそんな」
「凪の言ってる事は本当だぞ、玲王。だから今は自分の安全を優先しろ」
凪と國神にそう言われ、玲王は疑いと心配の入り混じった表情で幸雅を再び振り返る。
玲王と目が合った幸雅は、何かを言おうと口を開いたが、ぐっと唇を噛んで、玲王から視線を逸した
「そうじゃ、そいつらの言うとおりだ。俺は玲王を裏切っていた…だから、俺を心配せず、疾く逃げろ。玲王」
幸雅は、『亡子様』の力を知っている。
いくら鍛え上げられた人間だとしても、彼女の力の前では無力だ。
だから、意思疎通の出来る幸雅が、今ここで『亡子様』を鎮めなければ、ここにいる全員の命が────玲王の命が、危ないのだ
馬鹿みたいな話だ。幸雅は先程まで、確実に玲王へと危害を加えようとしていたのに。いざ命の危機となると、都合良く玲王を守ろうとするなんて
「おい…凪とかいったか」
ぶっきらぼうにそう話し掛けると、凪は不愉快そうな顔をしながらも幸雅を見た。その顔を睨みつけながら、続けて言う
「守れよ。命に替えても」
幸雅の声に、凪は眉を顰めた
「命には替えないよ。俺が居なくなったらレオが泣く」 - 110124/04/18(木) 07:14:05
その言葉を最後に、凪は素早く玲王を担いで梯子を登った。國神もすぐにそれに続く。玲王は幸雅を見て何かを言いたそうにしていたが、それが言葉になる前に地下室から連れ出された
玲王が居なくなった地下室で、幸雅は何故か、今まで重く心に伸し掛かっていた鉛のようなドロドロが少しだけ軽くなっている事に気が付く
それは多分、今世では最後まで玲王に嫌われずに済んだ安心感のせいだろう
「───『亡子様』」
泣き喚く半神半妖を振り返り、幸雅は散らばった残りの土くれを集める。
『亡子様』が抱えていた人形は、売り捌かれた赤子の遺骨が埋めてある土から作られたものだ。だから、人形はその母達の怨念である『亡子様』にとって何より大切な宝なのだった
衝撃波をなんとか掻き分け進み、幸雅は『亡子様』の手を取って割れた土人形を渡す
「お、返しします。あなたの、子を」
ああああ────あ───あぁ
「足りなければ…俺の命も」
あ────う──ぁ
「だから、お鎮まり下さい。俺の大切な人がまだ……この村に居るんです」
─────……… - 111124/04/18(木) 07:15:31
地下室から這い出た凪と玲王、そして國神は、夜なのにも関わらず赤々と照らされる辺りとむせ返るような熱気に思わず顔を覆った。
火の手がもう、屋敷中を巡ってしまっている
悲鳴を上げて逃げ惑う使用人達を見て、真っ先に動いたのは國神だった
「俺、避難を手伝ってくる!お前らは先に屋敷から…この村から避難しててくれ!」
「國神は!?」
「後で追いかける!」
走り出した國神の背を見送り、凪は改めて玲王の手を引いて走ろうとする。
が、玲王はぐっと手を引いて、凪と共に逃げる事を拒んだ
「───!?レオ、何して…」
「悪い、凪。俺…幸雅を助けなきゃ」
玲王の言葉に、凪は怒りを顕にする。
あれだけの事をされそうになったのに。その目で見たはずなのに。
「なんでまだアイツを庇うの?」
「違う!庇うとか、そんなんじゃない!」
そう叫んだ玲王は、自分でも自分の行動に戸惑っているような表情をしていた
「俺だってお前と逃げたい。凪の安全を確保してやりたい…でも。幸雅は絶対に助けなきゃ……だって…俺、前にどこかで、幸雅に火事から助けてもらったような気がするんだ」 - 112二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 07:43:56
あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!!!!!!!!!
やっぱ幸雅いいやつなんだよね!!!!!!!!これで一日頑張れる
ありがとうスレ主ありがとう幸雅 - 113二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 08:41:29
玲王の最後のセリフでグワーッ!!ってなった
まあ助けたっていうか火を付けたのもその人なんですけどね!!w - 114二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 12:48:27
- 115124/04/18(木) 21:42:01
地下室では、幸雅の言葉によって『亡子様』が落ち着きを取り戻していた。
砕けた土人形を大事に抱き、長い黒髪を床に垂らして俯いている
『……幸雅…………』
「はい」
ため息のような声に、幸雅は即座に返事を返す
『手遅れね…私の力を祀っていた村が……燃えて消え失せる………私の力は…失われ………私も怨念と共に……消えてなくなるでしょう…』
「その様ですね」
『幸雅…お前は……私に命をくれると言った……あの世で………私の子に…なってくれると………言うの?』
長い黒髪の隙間から見える、黒い空洞の目。そこには何もないのに、幸雅はその穴に確かに寂しさを見た。
一も二もなく、幸雅は頷く
「はい。約束は違えません」
『……………そう』
頷いた幸雅に、『亡子様』はどこかホッとしたように微笑んだ。
青白く細長い腕が、幸雅に伸びてくる
────その時だった
「幸雅ーーーーーっ!!」 - 116124/04/18(木) 21:43:39
はっ、として
幸雅は振り向き、地下室の出口を見やる。
火の手が回り、焼け落ちた梯子。
もはや一人での脱出は不可能となった地下室を、世界で唯一愛しい人が覗き込んでいる
「良かった生きてた!今行くからな!」
「待ってレオ、今降りたら戻れなくなるよ」
「あ、そっか…つか凪!いつまで付いてくるつもりだよ!?早く逃げろ!」
「嫌だよ。こんな状況でレオから離れる訳無いでしょ」
玲王の声を聴いて、幸雅は彼が自分を助ける為に戻って来てくれたのだと理解した。
嬉しくてたまらなくて
それと同時に、申し訳ないと思った
幸雅の命はもう長くはない。そんな先の無い命の為に、玲王をまた危ない場所へと連れてきてしまった。
玲王の優しさを、甘く見ていた。
死んで、玲王が逃げられるようにしなければ
「『亡子様』、早く俺の命を…」
声を聴いて顔を見て。途端に溢れ出した未練を断ち切るように『亡子様』へと視線を向ける。
空洞と目が合い、伸びてくる枝の様な死の腕を受け入れる為に身体の力を抜いて目を閉じた。
『亡子様』の掌が、幸雅の肩に触れる。
しかし死は訪れない
微かに、軽やかな笑い声が響いた
『要らないわ…他の人に骨抜きにされてる……貴方の魂なんて………』 - 117124/04/18(木) 21:45:17
「───え?」
驚いて目を開くと、そこには美しい女性が居た
長い黒髪は艶を帯び、青白い肌はほんのりと桃色にそまっていて。かつて空洞だった場所には、漆を塗ったような見事な黒眼が座っている
『酷い子……私にくれると言ったのに………あの子の声一つで…私なんて目に入らなくなるのね…』
かつて『亡子様』だった人は、母親たちの愛が固まった美しい霊へと変貌していた。
彼女は徐々に、その身を空へ溶かしていく
『あなたは私の…子では無いわ……私の子は…向こうに居る……』
『あなたの命は…貰わない……でも…そうね、私があなたに上げた記憶は……返してもらうわ』
ほんの少しいたずら心の混じった笑みを浮かべた彼女は、幸雅から前世の記憶を抜き去っていく。
それと同時に、前世の記憶に紐付けられた自身の感情や今世での記憶までもが消え去って行くのを幸雅は感じた。
ぐらりと意識が揺れ、思わず床へと手を付く
『幸雅…あなたは天国へは行けないわよ……この村の人達もそう………でも…あなたの想い人が三度輪廻転生する頃には……あなたはまた人生を歩めるかも……知れないわね…』
晴れ晴れとした声が消えていく
声を聞き終える頃には、幸雅は自身が誰なのかも分からなくなっていた - 118124/04/18(木) 21:47:21
「幸雅!おい!早くこっち来いって!」
誰かが誰かを呼んでいる
その声が自分に向けられていると分かるまで、俺はかなり時間を費やしたと思う
蒸し焼きにされているように熱い。
こんな場所からは即刻離れたいだろうに、声の主は俺を助ける為にここへ留まっていた
「ぼーっとしてんなよ。ほら、手に掴まれ」
真っ白な部屋の天井の端で、彼は俺へと手を伸ばす。
まるで天人の様に美しい男だった。
暑さによって流れる汗も、藤色の髪も虹彩も、全てがきらきらと俺の目を惹く。
言われるままに彼の手を掴むと、彼は渾身の力で俺を引っ張り上げてくれた。
上ではそこら中に火が舞っていて、美しい彼の隣には白くて大きな男の人がいた。この男の人は俺に向かって、なんだかとてつもなく鋭い視線を向けてくる。
手を引かれて、俺は走った
何が起きているのかも、ここが何処なのかも、彼らが誰なのかも分からない。
ただ一つだけ言えることは、俺は今、きっとこの美しい人に命を救われたのだろう
家も山も、全てが燃えていた
逃げ惑う人々は、どこかを目指して走っている。先導しているのは橙色の大きな人。彼は必死に、人々を救けようと尽力していた。
沢山の人が俺に声を掛ける。俺を「コウガサマ」と呼ぶ。慣れない呼び掛けに怯えていると、美しい人がさり気なく俺を人々から離してくれた - 119124/04/18(木) 21:48:43
そうして訳も分からないまま、俺は火の海で美しい人と出会い、同時に生まれ故郷を無くした
あの村が故郷だと知ったのは、病院で検査を受けた後だった
精神的なショックによるものなのか、俺は記憶喪失になってしまったらしい。
正直言って、しっくり来ない。
俺の家族だと名乗る人々を見ても、何一つ思い出せはしないし、彼らの言う摩訶不思議な力を持つ女の霊の事も俺は思い出せなかった。
俺の故郷に居た人々は、全員残らず精神病院に入れられた。なんでも、言っていることが意味不明過ぎるからだそうだ。
幸か不幸か、記憶喪失のおかげで俺は精神病を疑われなかった
と、まぁ。そんな事はどうでもいいのだ
俺にとって大切なのは、記憶に無い故郷や家族や村人よりも……
「今日も見舞いに来てくれたのか!ありがとう玲王!結婚しよう!」
「しねぇし病人は動くんじゃねぇ」
俺の病室へ通ってくれる、あの日出逢った美しい人───玲王との蜜月が、今の俺の生き甲斐となっていた。
だって俺の命の恩人な上に高校からの友人だと言うではないか。これはもう運命だろう。結婚するしかないだろう。
しかし玲王は頑なに俺の求婚を受け入れてくれない。それどころか、俺の告白をジョークだと思っているようで、まともに取り合ってくれないのだ。 - 120124/04/18(木) 21:50:32
記憶喪失の経過観察と重度の火傷、打撲の治療という名目で、俺は入院している。幸いにもサッカー選手だったらしい俺は巨万の富を有していて、入院費には困らなかった
「ねぇレオ、いくら何でもこいつの見舞いに行き過ぎじゃない?」
「しょうがねぇだろ。幸雅は実質天涯孤独なんだからよ、面倒見てやんなきゃ」
「えぇー…」
見舞いには必ず白いデカブツが付いてくる。こいつは苦手だ。俺を見る目があまりにも鋭いから。それに、玲王が俺の見舞いに来てくれるのをとても嫌がるのだ。
「いくら記憶喪失って言ってもさぁ…結局レオを好きになってるし。油断できないじゃん」
「え?好きになるのは別に悪い事じゃねぇだろ。なぁ幸雅」
「ああ。俺、玲王を一生守るよ」
こんな感じの会話を毎日のように繰り返して、今の俺は退屈な程に穏やかな日々を過ごしていた
記憶を失っても、特にこれと言って困った事は無い
何故なら俺は玲王と出会っている
玲王の事を考え、彼と会話をし、そしていずれは結ばれる。その為に生きると記憶を失った瞬間に彼と出会い心に決めたので、何も迷う事は無かったのだ。
だから、そんな未来の為に
「玲王!結婚しよう!」
「しねぇってば」
晴れ渡る空の下
俺は今日も愛を伝える - 121124/04/18(木) 21:52:45
良し!エピ凪映画の前に書き終わった!
展開ジェットコースターかな!?書き終わるだけ偉いよね!?
本当はもっと色々書きたかったけどエピ凪観たあとだと余韻で何も書けなくなるだろうから終わらせたかったんですよね。
ここまでお付き合い下さりありがとうございました! - 122二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 22:10:46
ああああああハピエンだぁぁぁぁ!!
めっちゃ良かったです!ありがとう!
良かったね…良かったねぇ… - 123二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 22:13:30
素晴らしいトゥルーエンドだー!!
とっても面白かったですスレ主ありがとう! - 124124/04/18(木) 22:20:59
レスありがとうございます!!駆け足になって申し訳なかったけど喜んでもらえて嬉しいです!
あとごめん全然関係ないんですが、白宝ラノベと喰種パロと玲王リョナと恋する乙女玲王スレと腐男子玲王スレと卵を産む玲王スレと新たな白宝パロスレでどのスレを立てるか迷ってるんです。相談しても良いですか?
それから今日はなんだか人が少なくないですか? - 125二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 22:23:41
触れてなかったけどやっぱりラノベの人だよね!?いつもSS楽しく読ませていただいております
白宝ラノベ読みたいです - 126124/04/18(木) 22:27:28
出たな名探偵!あにまん民の洞察力光りすぎだろ!ちょっとイッチの文体のどの辺りを見てそれ判断してるか教えて下さる!?
やっぱりラノベの後日譚いい加減に書きたいですよねー…ただ後日譚は黒名目線で進めるつもりなので四苦八苦するだろうなって
書き進めては居るんですよ!!
- 127二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 22:34:04
イッチのSS毎回最高だよ〜イッチの書きたいもの書いてくれ〜どこまでもついてくよ!でも卵を産む玲王の吸引力半端ないわ
ラノベは黒名視点なの楽しみ楽しみ - 128二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:01:59
リョナスレのイッチだろうなって分かってたよ…!!w
マジでずっと落としてしまったことを悔やんでるんでリョナスレに一票入れとくね♡
あと今日は映画ネタバレ回避であにまん断ちしてる人が多いんだと思う
Xも人いないわw - 129124/04/18(木) 23:10:50
- 130二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:39:57
悪魔の続き読みたいです〜!
- 131二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:43:02
- 132二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:53:17
良かった👏👏
私ははやく絵描き終えなきゃ…スレ落ちるまでにできそうでなかったら感想スレたてていいですか?
あとこれって後々くっつく√とかあるんですかね? - 133二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:57:24
ごめんリョナスレがなにかわからないけど凄く気になる
あとやっぱスレ主は玲王以外推しいるの?そもそも玲王推しとも言ってないけど - 134124/04/19(金) 00:05:40
- 135二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 07:22:18
- 136二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 17:01:04
イッチの書くSSならどんなものでも読みたい…!
けど悪魔の続きが読めるなら最高に幸せ - 13713524/04/19(金) 18:41:08
ごめん最後の方だけ見たけどやっぱスレ主もやべぇ奴だって分かった でもこのスレでも玲王を洗脳させたいとか言ってたからやべぇ奴だってことはわかってたわ 結局あにまん民やべぇ奴しかいないことを再認識できた
- 138124/04/19(金) 19:10:25
- 139二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 19:14:36
性癖は人によってライン違うからな〜
自分は痛いとか苦しい思いをする行為は特殊性癖寄りかなって思ってるよ!
自分は痛い苦しい展開が大好きです👍 - 140124/04/19(金) 19:19:06
- 141二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 19:51:01
スレ主のリョナスレもすごい良かったし今回も凄く良かったよー!
また時間がある時に性癖丸出しスレを立ててくれると助かる命がここにあります! - 142124/04/19(金) 20:11:15
その言葉嬉しすぎる…!
以下イッチの性癖吐露注意
ただイッチの性癖をモロに出すと玲王が人体寄生型のグロいエロ虫に四六時中磔にされた上その虫の分泌液のせいで常時発情状態となりエンドレス卵受精出産でボテ腹が治らずさらに大切な記憶や思い出や感情も虫の栄養として吸い取られるから何も分からないで喘ぐだけの孕み袋となるのが厄介なんですよね。不可逆な肉体改造が性癖なのでコレ元に戻らないし、ハッピーエンドに出来ないのが難点。でもですね、孕み袋改造の過程が素晴らしいと思うんですよこれ。玲王って賢いから今自分が何をされてるのかをきちんと把握できるじゃないですか。多分一回目の虫の種付けはケツからなんか出たな程度で終わるんですけど、二回目三回目の辺りで勝手に虫の子供産まされてる事に気付いてめちゃくちゃ怒るんですよ。でも時間が経つにつれて虫の毒液で身体は火照るし、なんだか頭がボーッとするんです。その辺でようやく虫を産むたびに記憶が消えている事に気付くんです。昔の記憶から消えていくので、サッカーや凪やブルーロックでの出来事みたいな最近の出来事はまだ無事だけど、徐々に記憶消去がその大事な部分にまで迫っていくのが恐ろしくて、玲王はひたすら抵抗するんですね。怒鳴ったり身を捩ったり、最終的には泣いて謝って許しを乞うんです。でも相手は所詮虫なので言葉は通じないしどうにもなりませんよね。助け(これは来ても来なくても良い)が来る頃には玲王の腹から生まれた寄生虫達に囲まれて生まれた子供にさえも種付けをされ、その度に喘ぎ過ぎて枯れた喉で「…ぉ……ぁ゛…♡」みたいな掠れ声上げるエロエロしい雌に仕上がってるのが理想です
果たしてこんな気持ち悪い性癖に付いてきてくれる猛者がどれ程居るのやら
- 143二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 20:16:45
- 144二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:56:11
- 145124/04/19(金) 22:19:46
- 146二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:38:36
- 147二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 08:54:18
洗脳に抗うシチュ大好きなので今回のSSも最高でした
- 148二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 20:04:27
洗脳、良いよね…
- 149二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 20:13:44
- 150124/04/20(土) 21:01:08
- 151二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:02:01
え!?書いてくれるの!?やったー!
- 152二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:15:28
またスレ主の文読みたい…
- 153二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 11:30:04
映画の鎖のシーンやばいよね!?尊いシーンなんだけどうわ…この動きアレじゃん…ってなったわ
- 154二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 15:31:40
- 155二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 15:33:47
- 156二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 15:36:24
その他諸々差分 そして勝手に幸玲を語っています 怪文書だしキャラエミュ力ないしでいろいろ閲覧注意な文書いてしまいました すいません スレマジで面白かったです!
差分&幸玲について語ってる幸玲について色々語りたいから勝手に語る⚠自我強め⚠
無事にハッピーエンドを迎えたが、私は記憶を持ったままくっつくエンドがどうしても見たいのだ 長い間思い続けていた人がくっつかない話が嫌になるのもあるからだと思う だからこそ記憶ありでくっついてほしい でも最初から記憶を持ったままで純愛ハピエンでくっつくのは無理だ じゃあどうするのかというと記憶を失った後にまた記憶を回復させるんだ だから記憶持ち純愛ハピエンは後日談に起こると考えられる 記憶が回復するまで二人は愛を深めてて付き合う寸前or付き合ってて普通に愛せていた でもある時何故か記憶が復活しちゃって幸雅は興奮しつつも(自分はなんてことを…)っていう罪悪感と嫌われたくないって心が上回ってて欲しい 玲王は恐怖になりつつもなんやかんや(まぁ今の幸雅は違うもんな)って乗り越えててほしい それでいつもどうり幸雅に会いに行ったんだけど幸雅がいない 連絡しても対応してくれない 結構な時間をかけて探した後やっとの思いで見つけても「お前に合わせる顔がない」って言われて何日か引きこもっちゃって その後玲王が幸雅の家or部屋に押しかけてなんやかんやお互いが前世の記憶がある…telegra.ph - 157124/04/21(日) 19:11:41
うわああ!すごい!幸雅だ!!ありがとうございます!!
差分含めじっくり見させて頂きました!とっっても嬉しいです!!!! - 158二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 20:56:21
- 159二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:57:44
バッドエンドもハッピーエンドもどちらも良かった…
仄暗い雰囲気が最高でした - 160二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 10:54:56
ハッピーエンドも良いけどバッドエンドのどうしょうもない感じがたまんないんすよね〜
- 161二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 18:50:17
勝手にテレグラフ更新しました
今後も二人について思うことがあれば更新するかもです - 162二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:31:38
- 163二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:14:20
>>162 スレ主じゃないけどめっちゃ見たい 幸雅描くの楽しいぞ
- 164124/04/23(火) 09:23:58
- 165二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 14:24:06
蟲姦楽しみ過ぎて泣いた
- 166二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 00:22:50
イラスト&SS待機
- 167二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 07:22:41
虫姦!!!!!???????
- 168124/04/24(水) 17:58:45
やっと書けたよ!蟲姦!
あまりにも文字数が多くて全部収まらなかったので前後編に分けて投下します
過去イチの大作かもこれ
蟲姦 前編青い監獄が建てられた山実は、この山はとある曰く付きの山であり、禍々しいモノが棲んでいたのである。
それらを鎮める為に、山には高名な坊主が念を込めた石碑が置いてあったのだが、それを大工が監獄設立時に壊してしまった。石碑は一見、ただのデカい石にしか見えなかったので、その判断もある程度はやむ無しであっただろう。
しかしそれが、山に棲んでいた蟲の怒りを買ってしまったのだ
ライバルリーの途中
國神と玲王の部屋にて
夜中に目を覚ました玲王は、何故か無性に一人になりたくなってしまって、それ程行きたい訳でも無かったが、トイレへと歩き出した
玲王の服の裾には、ごく小さな蟲がくっついている
この蟲が玲王に微細な念波を送り、玲王が一人になる様に仕向けていた。
不幸にも、玲王は蟲の標的になってしまったのである
トイレを済ませた玲王は、手を洗って廊下に出る。すると、部屋とは反対の方の廊下の先から、シャリシャリと不気味な音が聴こえた
「なんだ···?」
気になって、廊下の先を注視してみるが、暗すぎて音の正体を視認できない。
普段の玲王ならここで引き返し、明日にでも絵心へ音の正体を聞いてみる所だが、どういう訳かその音…telegra.ph - 169124/04/24(水) 18:00:52
エピ凪読み切り最高でしたね!
蟲姦書いてる途中だった自分はガッツポーズ取りましたよ!大切で煌めく思い出ほど失うのって怖いですもんね!!
蟲姦 後編仰向けに押さえ付けられた玲王は、頑丈な顎が自身に迫ってくる様子をまじまじと眺めさせられた。そのまま皮膚を喰い破られると思ったが、蟲の王は玲王に噛み付く事はせず、細長い舌を出して玲王の首筋をぺろりと舐める「ぁう···」
味見をされている様な気がして、死の恐怖から玲王の身体は勝手にカタカタと震える
蟲の王の舌は、そのまま玲王の胴体へと移動し、脇の下や腹筋の線をなぞる様に舐め始めた。
唾液は少なく、サラッとした肉厚な舌が敏感になった玲王の素肌を滑っていく。
反射的に玲王の腰は浮き、身体の奥には熱が籠もっていってしまう
「は······ぁ、ううぅ······」
チロチロと舐められる度に玲王の足先はきゅうっと丸まり、悩ましげに下げられた眉と赤みを増していく頬は「気持ち良い」と雄弁に語っていた。
だが、玲王自身は自分が感じている事には全く気付かず、今なお心を冷やし続ける死への恐怖に震えている。
蟲の王は、そんな玲王の様子に不満を抱いていた。
彼は、自分の石碑が壊された事に対して怒っていて、その代わりに自分の好きに選んだ人間を番として貰い受ける事でされた仕打ちをチャラにしようと考えていたのだ。
それなのに先程…telegra.ph - 170二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 18:50:07
エッッッッッ!!!!
イッチ最高だよ!!!天才か? - 171二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 18:57:31
もはやリョナスレになってて草
- 172124/04/24(水) 19:04:00
- 173124/04/24(水) 19:54:16
暇だ
スレでも立てるかdice1d2=1 (1)
1 〇〇しないと出られない部屋
2 オールキャラアホエロスレ
ラノベ後日譚はこのスレ落ちてから立てます
- 174二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 20:28:40
落ちてほしくない…また絵描くか
- 175二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:11:06
えまってもしかして凪玲の〇〇しないと出られない部屋ってスレ主がやってるの??
- 176イッチ24/04/24(水) 21:21:55
- 177二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:13:41
蟲姦メッッッッチャ良かった…最高…
イッチはpixivとかはやっていないんです…?? - 178イッチ24/04/24(水) 22:39:39
- 179二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:50:17
ピクシブやってるの!!!?????知りたいけど確か誘導ってだめだよね…
- 180イッチ24/04/24(水) 23:00:27
- 181二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 01:27:00
マジですか!!また投稿したら教えてください!!できたらで!
- 182二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 12:49:55
わーい楽しみにしてます!!
- 183二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 21:12:42
もしかしてスレ主ってあにまんじゃ結構有名な方なの?
- 184124/04/25(木) 21:28:02
- 185二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:18:59
いやぁ結構スレたててるし 凄いとは思うよ
- 186二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 00:29:17
スレ主って玲王とかブルロキャラの絵描かないの?幸雅めっちゃうまかったから気になった
- 187二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 10:35:45
- 188二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 18:12:50
- 189二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 18:13:24
あぁあ勿論SSもね!
- 190二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 00:28:56
スレ主のSS凄い好き♡
- 191二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 12:21:22
スレ主の次スレも楽しみだし今までのスレ読み返すのもたのし〜!
- 192124/04/27(土) 20:38:25
残り数レスだが
幸雅のイラスト諦めてないからな
待ってるからな - 193二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 23:56:20
スレ主の次回作も幸雅のイラストも楽しみ!
- 194二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:24:08
次スレも楽しみ
- 195二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 22:41:58
- 196二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 00:25:11
私も私も 二度目のテレグラフ
スレ主文豪好き 次スレも楽しみ ありがとう
あと上のテレグラフの絵好き好き大好き 玲王可愛いし儚くて良き
幸玲 ハピエンの途中亡子様も思っていた以上にいい人だった とゆうか皆やべぇように見えて(やばいっちゃやばい)いいキャラしてるんだよね…遅くなったけどもう一回投稿した!時間なくてあんまし上手く描けなかったけど…このスレに出会えて絵描けてよかった!幸雅結構好き 一途な所とか応援したくなる それとイチャイチャ幸玲を見たい ハピエン厨だから とにかく良いスレを立ててくれてありがとう!!次回のスレも楽しみにしています!またいつか幸雅とも会いたいです!本当にありがとうございました!telegra.ph - 197124/04/29(月) 08:38:16
- 198二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 19:59:38
幸雅はじめに村の設定とか全部好きでした!
バドエンとハピエンどっちも見れたのも最高でした
神スレありがとうイッチ! - 199二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 06:41:36
あと少しで終わっちゃうよぉ…やだやだまだ幸雅に会いたい 私事なんだけどイラストとかレスして盛り上げたりとかしたのこのスレが初めてで凄く楽しかった バットエンドも最初はグロいの来るのかな〜ぐらいに思っていたのに儚くてシリアスで不穏なものがでてきてすごく良かった でもやっぱりハピエンが好きだな だしていた絵みれば分かると思うけど あんなふうに救えるなんて思ってなかったもん でも皆でどんな感じの結末になるか案を出し合って最終的に出来たものだからクオリティも凄く高いし読んでて楽しかった このスレ全体とうしてSSのクオリティも高いし幸雅のキャラもよくできてたしでまじでこのスレが終わるのが悲しいし多分まだ伝えたいこともあるんだろうな〜って思う 何回も言ってるけどスレ主には本当に感謝してる ありがとう 次の作品も楽しみにしてるよ 幸雅にもまた会いたい なんかめっちゃ文長くなっちゃった まぁそれだけ悲しいってことなんだよ 文も拙くなってるし でも本当に伝えたいことは幸雅が救われてよかった 神スレありがとうってことだよ 何回も言ってるけどこれだけでも本当に伝わってほしい これ以上書き出しても絶対止まらなくなってテレグラフ行きになっちゃうからこれ以上書くのはやめる ごちゃごちゃ未練&たらたら文でごめん 本当に楽しかった!ありがとう!
- 200124/04/30(火) 09:36:27