ウマ娘名作文学『走れメロス』

  • 1読み手24/04/15(月) 10:16:47

    ある村にメロスという若い牧人が居ました。

    母も父も居ないメロスでしたが、16歳になる妹と、飼っているヤギたちに囲まれ幸せに暮らしていました。


    メロス dice1d114=90 (90)

  • 2二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:17:21

    かなり良い配役じゃないか?

  • 3読み手24/04/15(月) 10:27:01

    メロスは野を超え山を越え、遠い遠いシラクスの街までやって来ました。

    妹が今度村の若い牧人と結婚するので、花嫁衣装やご馳走を買いに街までやって来たのです。

    結婚式に必要なものを買ったついでにセリヌンティウスという石工をしている友達のところへ顔を出そうとしていたメロスでしたが、街の様子がおかしいことに気がつきました。


    「おっかしいなぁ...二年前来たときは夜になってもどんちゃん騒ぎで楽しい街だった気がしたんだけど...。いつの間にこんな寂しい街になっちまったんだ?」


    メロスは通りを歩いていた老人に話を聞くことにしました。


    老人 dice1d114=76 (76)

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:29:02

    アストンジーサン

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:29:33

    ばぁばじゃないのね…これはこれで合ってる気がするが

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:30:03

    アストン婆ちゃんってか

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:31:09

    この爺さん終始映ってない?

  • 8読み手24/04/15(月) 10:36:36

    「よおそこのアンタ、ちょっと話聞いてもいいか?」
    「はい、アストンマーチャンです。どうされましたか?」
    「なーんか街の様子が変でよ...。確かに店はやってんだが、この辺歩いてたのはアンタぐらいで全然人っ気がねぇんだ。なんか知ってることあるか?」

    そう聞くと、老人は辺りを見回して路地裏の方を指さすと「あちらで...」と小声で言いながら歩いて行きました。
    メロスは不思議そうに老人についていきました。

  • 9読み手24/04/15(月) 10:46:05

    「...王様のせいなのです。」
    「王様ぁ?」
    「はい。最近王様が変わっちゃいまして、そこからこのシラクスはおかしくなってしまったのです。」
    「おかしくって...どんな?」
    「...王様が怒った人はもれなく皆さんから忘れられてしまうのです。」
    「忘れられる?なんでだよ?」
    「分かりません。でも、皇后様やお世継ぎさん、大臣さん、街のお偉いさん...みんなみんな街の人に忘れられて、見えなくなってしまいました。」
    「でも、アンタは覚えてるんだろ?認知症って訳でもなさそうだ。」
    「マーちゃんはマーちゃんですので。ぶいぶいっ。」

  • 10二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:48:12

    流石に〇されはしないか...

  • 11読み手24/04/15(月) 10:49:50

    老人から不思議な話を聞かされたメロスでしたが、ひとまず友達であるセリヌンティウスの家に行くことにしました。


    セリヌンティウス dice1d114=29 (29)

  • 12二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:52:06

    ユキノ!?

  • 13二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:52:41

    カフェ「この本はこれでお終いです、お疲れさまでした」

  • 14二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:53:27

    >>13

    王様役を狙っていけ

  • 15二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 10:57:07

    このレスは削除されています

  • 16読み手24/04/15(月) 10:58:15

    「あ、メロスさん久しぶり。どやしたの?」
    「よおセリヌンティウス。...あれ?お前一人か?」

    メロスは不思議に思いました。二年前にセリヌンティウスのところへ会いに行った時は素敵な奥さんと二人暮らしだったのを覚えていたからです。

    「奥さんはどうしたんだ?買い物とかか?まったく...暗い時は男が行ってやらなきゃダメだろ...。」
    「メ、メロスさん...?」
    「あん?」
    「さっきから何の話してらの...?あたしにお嫁さんは居ねじゃ...。」
    「......は?」

  • 17二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:01:45

    え、原作知らんけど嫁そうなん?割とエグかったのな原作

  • 18読み手24/04/15(月) 11:03:53

    メロスはセリヌンティウスに奥さんの話をしてあげましたが、全くピンと来ていない様子でした。
    寝室にはダブルベットまでありましたが、セリヌンティウスは「気にしたことなかった」という始末。

    「い、いったいどういうことだよ...。」

    『...王様が怒った人はもれなく皆さんから忘れられてしまうのです。』

    「...!」

    メロスは老人の言葉を思い出すと、セリヌンティウスの家を飛び出し、老人の元へ向かいました。

  • 19二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:07:56

    ホラーでも行けそうだな

  • 20読み手24/04/15(月) 11:14:30

    「おい爺さん!まだ居るか!?」
    「ずっと傍に居ましたよ。」

    老人はメロスの背後から声をかけてきました。

    「わぁっ!ビックリした...。」
    「セリヌンティウスさんの奥さんのことですね?マーちゃんは覚えていますよ。」
    「や、やっぱり...!俺の記憶違いじゃなかったよな!?」
    「はい。...奥さんは残念ながら忘れられてしまいました。一ヶ月前にお洗濯ものが風で飛んで行ってしまいまして、お散歩中だった王様の顔に被さってしまったのです。王様はカンカンになってしまって、それからはメロスさんが体験した通りです...。」
    「マ、マジかよ...。」

    メロスは拳を握りしめました。

    「...俺、行ってくる。」
    「お城へですか?」
    「あぁ...。そうしねぇと気が済まねぇんだ。」
    「マーちゃんは止めません。」

    メロスはお城の方へ走り出しました。

  • 21読み手24/04/15(月) 11:15:55

     メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
    メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

  • 22二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:17:45

    このレスは削除されています

  • 23読み手24/04/15(月) 11:21:50

    メロスはお城に到着すると、扉を守る護衛たちに飛び掛かりました。


    「どけテメェら!邪魔する奴は全員ぶちのめすぞゴラァ!!!」


    怒るメロスでしたが、護衛の数に押されて遂には捕まってしまいました。

    捕まったメロスは縄で縛られ、王様の前に連れていかれました。


    王様 dice1d114=61 (61)

  • 24二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:23:13

    キングで草

  • 25二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:24:15

    見事に走りそうなやつと王っぽいやつが来ている

  • 26二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:26:26

    う〜んこれは王様ですわ

  • 27二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:26:36

    王はキングかオルフェだろうなー、と思ったら見事に撃ち抜いた
    これは一流ですよ

  • 28読み手24/04/15(月) 11:46:09

    「あなたが侵入者ね?何の用かしら。」
    「とぼけんじゃねぇぞ!街の人間を消してんのはテメェだな!?」
    「あら、確かに見ない顔と思えばあなたよそ者ね。だから気づいたのかしら。でも、「消してる」だなんて酷い言い草...。この街は一流であるこのキングが治める街よ?私以外の人間も一流でなければならない...。だから一流じゃない者を綺麗さっぱり忘れているだけ...。街の人たちもそんな人間のことをいちいち覚えていたら一流ではなくなってしまうわ。だから一緒に忘れているの。」
    「てんめぇ...!なんの関係もない一般市民消しときながら何が一流だよ...!」
    「あなたは全く一流じゃないからさっさと忘れたいところだけれど...。このキングを正面から侮辱してきたその根性だけは認めてあげる。ただ単に忘れてあげるだけじゃ惜しい...。そこの広場で、三日三晩磔にしてから忘れてあげるわ!光栄に思いなさい!おーっほっほっほ!」
    「この野郎...!」

    メロスは高笑いする王様を睨みつけながら護衛に連れていかれました。

  • 29読み手24/04/15(月) 11:48:07

    お昼を食べてくるのでしばらく止まります。
    悪しからず。

  • 30二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:49:40

    一旦乙です
    これは一流の暴君ですわ

  • 31二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:50:00

    映す価値なし…ってコト!?

  • 32二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 11:58:36

    うーんこれは邪智暴虐な暴君(偏見込み)

  • 33二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 12:03:51

    王様役でキング引くのマジで持ってるな

  • 34二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 12:24:44

    いつもの方かな?全作楽しく読ませてもらいました!

  • 35二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 12:39:31

    キングだし忘れられてる間に一流の作法を仕込んでるとかかな

  • 36読み手24/04/15(月) 13:09:39

    メロスは街の広場で三日三晩磔にされることになりました。

    その後は「皆から忘れ去られる」ことになると王様は言っていました。

    メロスは十字架の前まで連れられると、王様が話しかけてきました。


    「あんなに啖呵を切っていた割には大人しいわね。」

    「お前らにみっともなく捕まっちまった俺なりのケジメさ。さぁ、やれよ。」

    「いいわ。あなたたち、彼を縛り付けなさい。」


    民衆がなんだなんだと集まっていく内に、一人の少女が王様に向けて声を発しました。

    少女はメロスが花嫁衣装を購入した服屋の娘でした。


    服屋の娘 dice1d114=90 (90)

  • 37読み手24/04/15(月) 13:10:16

    ポッケ被ったので振り直しです


    服屋の娘 dice1d114=53 (53)

  • 38読み手24/04/15(月) 13:23:02

    「ちょ...ちょっと待ってほしいっス!」
    「なあに?あなた。」
    「こ、この人は明後日に妹さんの結婚式があるってうちのお店に来た時嬉しそうに話してたっス!だから...それが終わってからじゃダメっスか!?」
    「...あなた、このキングに意見しようと言うの?」
    「う、うぅ...。」

    服屋の娘は凄む王様に怯え、そのまま黙ってしまいました。
    そんな時でした。

    「んだ...んだば、あたしがメロスさんの代わりにそごさ立っておきあんす!」

    群衆の中からセリヌンティウスがそう声を出しました。

    「セリヌンティウス...!」

  • 39読み手24/04/15(月) 13:39:11

    「事情ぁ分がんねんだども、メロスさんはそった磔にされるような悪いごどする人じゃね!友人のあたしがそうへってらのだ!どうだが王様!?」
    「ちょっと訛りが強いけど、良い友人を持っているようねあなた。じゃあ賭けをしましょ。このご友人を今から三日三晩あなたの代わりに磔にする。その間にあなたは妹さんの結婚式に行ってくるといいわ。その代わり!三日三晩経ってもあなたが帰ってこなかったら、今このキングに意見をしてきた一流じゃないご友人と...そこの娘を''忘れる''ことにするわ。勿論、あなたもね。」
    「おい!あの二人は関係ねぇだろ!」
    「もう決めたことよ!さぁ行ってきなさいな、ご友人はあなたをメロスと呼んでいたわね...。あの二人の為にも、せいぜい走りなさい、メロス。」
    「...!」
    「メロスさん、行ってけでけろ!妹ぢゃんのだめにも!」
    「......すまねぇセリヌンティウス...!待っててくれ...!」

    縄を解かれたメロスは街で買ったものを持って村の方まで走り出しました。

  • 40二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 13:50:47

    シンデレラもポッケだったしポッケよくダイス当たるな

  • 41読み手24/04/15(月) 13:53:58

    朝に街を出発したメロスは、その夜に自分の家に到着しました。

    走り疲れて汗だくの兄を見た妹はとても驚きましたが、事情を聞くと明後日の予定だった式を明日にすることを夫共々了承してくれました。


    妹 dice1d114=83 (83)

    妹の夫 dice1d114=62 (62)

  • 42二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 13:56:04

    >>41

    また難解語キャストが…

  • 43二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 14:04:49

    クセの強い妹だなあ

  • 44二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 14:11:42

    この兄にしてこの妹あり……

  • 45二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 14:13:42

    このレスは削除されています

  • 46読み手24/04/15(月) 14:15:15

    「嗚呼、十字架の代わりに友との約束(契り)に身を縛られた兄よ。俺たちの婚礼を早めることを罪(ギルティ)だとでも思っているようだが、それは誤りである。この俺を誰だと思っているのだ?ワタシは貴様の妹だ。兄の背負った覚悟は共に受け入れよう...。契約破棄など、あってはならんからな。」
    「え~相変わらずギムレットさんの言ってることは難しいけど、お義兄さんとそのお友達さんの為にも挙式を早めてほしいんだよねっ。一日ぐらい全然大丈夫ですよう。飾りつけしとくので、お義兄さんは脚でも休ませといてくださいなっ!」
    「お前ら...ありがとな...!」

    メロスが疲れを癒している間に、妹とその夫は式の準備に取り掛かりました。

  • 47二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 14:18:18

    ギム語上手いなあ

  • 48読み手24/04/15(月) 14:49:50

    1日早まって結婚式当日の朝。
    昨夜倒れるように寝たメロスはスッカリ元気になっていました。

    「ギムレット、ちょっといいか?...じゃーん!」
    「これは...婚礼の衣(ウエディングドレス)...。こんな血色と漆黒が覆う俺に、果たして似合うのだろうか...。」
    「何言ってんだよ、お前は俺の自慢の妹だ。似合うに決まってんだろ?」
    「...兄よ、貴様に万雷の感謝を。」

    妹と花婿の結婚式はとても突貫とは思えないほど煌びやかに行われました。
    食卓にはメロスが買ってきたご馳走が並び、村の人々が楽しく牧歌を歌い踊っていました。
    メロスは一生ここで居たいとさえ思いましたが、妹が言っていたように今は縄ではなく約束で身を縛られている状態です。自分の身体であって自分の身体ではありません。
    顔は笑っていましたが、ひたすらに友の心配をしていました。

  • 49読み手24/04/15(月) 15:13:19

    夜になり、いつしか雨が降ってきていました。
    祝宴も佳境に入ったためすぐにでも家を出ようとしたメロスでしたが、「夜道は危ない。雨も降っていることだし、明るくなってから出発すればいい」と涙ながらに妹夫婦に言われました。

    「いいや、俺は行かなきゃならねぇ。この雨の中、今でもダチが待っててくれてんだ。早く行ってやらねぇと...。」
    「兄よ...。」
    「オイオイ、いいかギムレット。俺がいなくても、もうテメェにはこーんな優しくて、まぁちょっとだけ抜けてる...っていうか、可愛げのある亭主がいんだからよ。幸せに暮らすんだぞ。」
    「...別れのように言うな。」
    「婿さんも、コイツを幸せにしてやってくれ。俺んちの宝は羊たちとコイツぐらいだからな。あーっとなんだっけあんたの口癖...。...あっ。えい、えい?」
    「...む、むんっ!」
    「よーし!...んじゃ、行ってくる。俺は走らなきゃいけねぇんだ。友のために、娘さんのために、あのクソ王様のために、そんで、お前らとまたこうやってどんちゃん騒ぎするためにもよ!」

    メロスはそう言うとぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出しました。

    「...行っちゃいましたねぇ。」
    「貴様のその走りに、祝福多からんことを。」

  • 50二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 15:15:41

    お兄ちゃん、男前……

  • 51読み手24/04/15(月) 15:33:18

    メロスは首から下げたランプの微かな明かりだけで雨中の夜道を駆けた。
    下半身は何度か滑って転んだせいかもう泥だらけになっていた。
    目に何度か雨粒が入り込み、びしょびしょに濡れた身体はとても冷えていた。

    「寒ぃ...けど...!」

    メロスが脚の力を込めて走り出したその時、ぬかるみに足を滑らせてしまい、メロスは斜面を転がり落ちてしまった。

    「うわあああああああ!!!」

  • 52読み手24/04/15(月) 15:42:01

    メロスが目を覚ましたころには、もう辺りは雨も上がり、空は明るくなり始めていた。

    「寝ちまってたか...。くぅっ...!」

    メロスが歩こうとした途端に脚に激痛が走る。少し脚をくじいたようだ。

    「クソッ...オラァ!」

    メロスは自身の脚の痛む箇所を全力で殴ると、恐る恐る立ち上がった。

    「痛くねぇ...痛くねぇ...痛くねぇ...!気合いだ...!気合いで何とかすんだ!走れ...走れメロス!」

    メロスはまた走り始めた。

  • 53二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 15:42:14

    >>47

    この人ギムレット、アース、ゼファー、ネオユニヴァースが一度に介す奴でも回しきったからな?年季が違う

  • 54読み手24/04/15(月) 15:49:29

    メロスが走っていると、三人組の山賊がメロスに襲い掛かってきました。


    山賊

    dice1d114=23 (23)

    dice1d114=48 (48)

    dice1d114=70 (70)

  • 55二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 15:51:21

    チヨちゃんェ……

  • 56読み手24/04/15(月) 15:59:29

    「そ、そこのあなたっ!お金を出してくれませんかっ!」

    「バナナでも良いぞ。」

    「出した金で私と賭けだ。何が良い?ブラックジャック?それともポーカー?」

    「あんだテメェら!?どけよ!」


    100以上で先へ進む

    dice1d200=195 (195)

  • 57二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 16:00:39

    ボコボコにされてて草

  • 58二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 16:04:51

    これはUGランクウマ娘ですわ

  • 59読み手24/04/15(月) 16:04:54

    「こ、こんな格言があるんですよっ!『人を殴らば心に穴一つ』…!」
    「ま、待ちたまえ!そんな泥だらけの身体で髪にしがみつくな!」
    「ステゴロはルール違反だろうがっ!」
    「うるせえええええ!うおおおおおおおお!!!」

    メロスは山賊を殴り飛ばすと、先を急ぎました。

  • 60二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 16:09:15

    メロス強すぎわろた

  • 61読み手24/04/15(月) 16:09:22

    「この先には橋があったな…!」


    山賊を倒したメロスが橋へ向かうと、増水した川により橋は流されてしまっていました。

    川の流れは依然早いままです。


    「クソッ…どうすれば…。迂回して道探すか…?いや…時間がねぇ!このまま泳ぐ!」


    メロスは川に飛び込みました。


    100以上で渡りきる

    dice1d200=22 (22)

  • 62二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 16:09:34

    なんだろこの山賊三人組から漂うドロンボー感

  • 63読み手24/04/15(月) 16:15:39

    「クソッ…!ゴボボボボ…!こんなとこで…!こんなところで俺は…!」

    メロスが溺れかけていると、自分を支えてくれている人たちの幻影が手を差し伸べてくれたような気がしました。

    「セリヌンティウス…ギムレット…婿さん…。そうだ、俺はアイツらのために…!うおおおおおお!!!」

    メロスは幻影の手を掴むとその手は対岸の木の枝へと変わりました。

    「…アイツらのおかげと思いてぇ…ありがとな…!」

    メロスはまた深い感謝を皆に感じながらシラクスへと歩みを進めました。

  • 64二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 16:29:35

    メロス、実に嵌り役

  • 65読み手24/04/15(月) 16:33:46

    メロスが走り続けて、いよいよ空が橙色に染まり始めてきました。
    シラクスの街はまだ遠くの方に見えます。

    「クソッ…!止まれ!止まってくれよ太陽のクソ野郎!!!…こうなりゃ…限界超えて、走るしかねぇ…!」

    メロスは脚の感覚が無くなるほど無我夢中に走りました。

  • 66読み手24/04/15(月) 16:38:49

    メロスが限界を超えて走っていると、涙を流しながら並走する一人の男がメロスの側に居た。


    「誰だテメェ。」


    メロスはもう横を見る事も出来ぬほどに無我夢中に走っていた。声を出すのもやっとである。

    並走している男はフィロストラトスと名乗った。

    セリヌンティウスの弟子にそんな名前の奴が居た気がすると、メロスは思った。


    フィロストラトス dice1d114=64 (64)

  • 67読み手24/04/15(月) 16:48:33

    「お願いメロスさん!もう走るのはやめて!メロスさんが死んじゃうよ!」
    「うるせぇ。脚が動くんだからまだ走れる。今もこうやって走ってんだろうが。…太陽ももうすぐ沈むが、もう街は見えてんだ。行けるところまで行くんだろうが!」
    「でも…!」

    メロスは鼻と口から出血を伴っていた。
    目は虚ろで、焦点はあまり合っていない。まさに無我夢中と言うのに相応しく、ただただ脚を動かし走っていた。

    「…口を動かすのもだりぃ。黙ってついてくるか、俺を引き止めるかどっちかにしろ。」
    「……じゃあ走ります!メロスさんのズッ友への信頼と、覚悟を見ました!私から逃げ切ってみて下さい!」
    「へっ…。ギア上げんぞ!!!」
    「はい!」

    太陽も沈み、辺りも暗くなった頃、メロスはフィロストラトスを引き連れて黒い風のように道中を駆け抜けた。

  • 68読み手24/04/15(月) 16:59:03

    その頃、陽も落ちたシラクスでは磔にされたセリヌンティウスに対し、王様が言葉をかけていた。

    「彼も大見得を切っていたけど大したこと無さそうね。やはり一流には程遠いわ。」
    「メロスさんは来あんす。必ず。」
    「フン、そんな口がいつまで叩けるのかしら...とか思っていたらもう三日目。あなたも根性だけはすごいわね。そこまで信じられるのはどうして?」
    「友達だすけ!」
    「友情...。そんな不確かなものに縋るから一流じゃないのよ...。」

  • 69読み手24/04/15(月) 17:13:37

    「メ、メロスさん!私はここまでです!セリヌンティウスさんを助けてあげてください!」
    「...。」

    息の上がったフィロストラトスがそう言いながら後退していく。
    メロスはフィロストラトスの言葉に耳を傾けていたのかいないのか、はたまた聞こえていなかったかは分からないが、黙ってシラクスへ走っていた。

  • 70読み手24/04/15(月) 17:21:48

    空の黒が薄くなっていくのをメロスは感じた。もうすぐ夜が明け、朝が来る。
    一日の始まりを告げる太陽であるが、今のメロスにはそうは見えなかった。あの光はセリヌンティウスと自分を終わらせてしまう光だからだ。
    最後の死力を尽してメロスは走った。メロスの頭はからっぽだ。何一つ考えていない。
    友のため自分のため、妹夫婦のため、王様を見返してやるため、そんなもののために走るのではなく、もはやわけの分からないような大きな力に、本能に引きずられるように走った。
    不思議だ。自分では二本の脚を動かしているはずなのに、全身を使って、それも四本の脚で走っているような気分だ。



    ワァァァァ...

    『そして、────が馬場の真ん中を通ってやって来る!』
    『更に!更に外からは────!────!!────!!!』
    『────は伸びない!────は伸びない!』
    『────、────!インコースから、インコースからは────も伸びてきている!』

    『先頭は、しかしジャングルだ!ジャングルだ!!ジャングルポケット!────!────2番手!その後ろから────!』

    『勝ったのは!ジャングルポケットォォォォォ!!!』

    『新時代の扉をこじ開けたのは、ジャングルポケット!!!』



    「……うおおおおおおおおおおお!!!!!」

  • 71読み手24/04/15(月) 17:24:25

    黒い空が照らされ始めたその時、広場に一つの影がやって来た。

    「……よぉ…!約束通り来てやったぜ…!」
    「メロス…!」
    「嘘でしょ…!?」

  • 72二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 17:28:56

    ここでダービーの最終直線持ってくるセンスよ

  • 73読み手24/04/15(月) 17:41:51

    メロスは満身創痍の身体を引きずり、十字架に磔にされたセリヌンティウスの方へとやって来た。

    「ああメロスさん。こったにお怪我されで…大丈夫だが?」
    「心配すんな…。おい王様、俺は…メロスは帰って来たぜ。セリヌンティウスを解放しろ。一流なんだろ?約束は守れるよなぁ!?」
    「…分かったわ。」

    王様がそう言うと、セリヌンティウスは解放されました。

  • 74読み手24/04/15(月) 18:10:32

    「…メロスさん、私を殴りなさい。」
    「……は?何でだよ王様。」
    「…あんた的に言うなら、私なりのケジメよ。」
    「はんっ…じゃあ遠慮なく…!」

    メロスは王様を思い切り殴ると、そのまま王様を抱きしめました。
    セリヌンティウスも二人を抱きしめます。

    「忘れられないもん、見せれたか!?俺は一流か!?」
    「えぇ…こんな姿になっても約束のためにやって来たあなたはまさに一流よ…!」
    「持づべぎものぁ友どはよぐへりあんす。どうだが王様?あんだも、もうあたしたちの友達だ。」

    三人は涙ながらに朝陽に照らされながら抱き合いました。

  • 75読み手24/04/15(月) 18:24:34

    「ふふっ…良かったですねメロスさん。」
    「爺さん!見てたのか。」
    「ずーっとメロスさんを見ていましたよ。立派でした。お疲れ様です。王様も本当に一流さんになったでしょうし、"忘れられていた"皆さんも多分地下牢から出て来れるでしょう。」
    「…は?地下牢…?"忘れられる"ってのは隠語なんじゃ…。」
    「おやおや?言っておりませんでしたっけ。王様は街の皆さんから本当に忘れさせるだけですよ。誰も物騒な事は言ってはいません。」
    「な、なんだよ…。」
    「皆さんも、ドキドキしましたか?流石にそんなことは出来ませんからね。」
    「誰に言ってんだよ。」

  • 76二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 18:28:50

    本当に忘れさせるほうが地味に怖いんですがそれは

  • 77読み手24/04/15(月) 18:34:38

    「あ、あのっ!メロスさん少し良いっすか!?」
    「あぁ、娘さん。あんたも良かったな。ごめんな俺のために口開いてくれて。」
    「いえっ…いや、あの…その…。風紀がその…。」
    「ふふっ、メロスさん。彼女はあんだの姿がやだらしょしいらしいだよ。」
    「やだらしょしいってなんて意味だよ…。」
    「つ、つべこべ言わずに服を着なさいっ!あなた、ボロボロでしょうが!まったく…」
    「……は?」

    勇者は、ひどく赤面した。

    終わり

  • 78二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 18:38:21

    ●REC

  • 79読み手24/04/15(月) 18:45:08

    お疲れ様でした。今回は文学作品『走れメロス』を取り扱い、ウマ娘名作文学としてお送り致しました。と言っても、走れメロスはそもそも昔ばなしみたいなお話なので普段とはあまり変化が無かったかもしれませんが…。
    しばらく言うタイミングを見失っていたので一応ここで言うのですが、このシリーズはウマ娘たちが舞台劇をしているようなイメージで書いておりまして、平気で男性扱いだったり人外だったりするのはそのせいです。配役がアドリブなので脚本家は困っているそうですが…(まさか妹でまたギムが出るなんて…)。
    という訳でまた次のお話でお会い致しましょう。改めてお疲れ様でした。

  • 80二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 18:47:41

    毎度ながら出てきたダイスに対してアドリブ力が凄い
    学芸会のお遊戯的な趣があってこういうの好きだからまた読ませてもらいます

  • 81二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 18:51:38

    乙でした!
    メロスや王様が嵌り役過ぎたのと
    ユキノやギムなど口調が難しいキャラの動かし方がお見事でした

  • 82二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:05:50

    いつも楽しく読ませて頂いてますー
    ギムさんが出なくてもアースが出た回があったりしたし、あのかぐや姫以降何か引き寄せてませんか…?見事に対応しきるエミュ力は流石です

  • 83二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:07:52

    轢かれる人役と犬役が居ない優しい劇でよかった

  • 84読み手24/04/15(月) 19:13:08

    それと、ホスト規制もされずに鯖落ちもしていない良い機会ですので次回の作品をダイスで決めてみたいと思います。

    好きな昔話、文学作品を>>95までに一つレスして下さると嬉しいです。

    その中からダイスで決めようと思います。


    ちなみに題材にしたことがある作品は以下です。

    ・幸せな王子

    ・7匹の子ヤギ

    ・桃太郎

    ・さるかに合戦

    ・かちかち山

    ・鶴の恩返し

    ・大きなカブ

    ・かぐや姫

    ・白雪姫

    ・はだかの王様

    ・金のガチョウ

    ・一寸法師

    ・シンデレラ

    ・走れメロス

  • 85二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:14:37

    人魚姫

  • 86二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:15:03

    山月記

  • 87二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:15:51

    三匹のやぎのがらがらどん

  • 88二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:16:01

    おやゆび姫

  • 89二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:16:29

    注文の多い料理店

  • 90二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:16:45

    蟹工船

  • 91二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:16:48

    坊ちゃん で

  • 92二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:16:56

    舞姫

  • 93二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:19:18

    マッチ売りの少女

  • 94二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:19:47

    ごんぎつね

  • 95二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:21:22

    みにくいアヒルの子

  • 96二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:21:27

    泣いた赤鬼

  • 97読み手24/04/15(月) 19:23:28

    では人魚姫からみにくいアヒルの子までの11作品で決めたいと思います(泣いた赤鬼の人ごめんなさい…!)


    では、

    dice1d11=2 (2)

  • 98二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:24:08

    山月記! 虎になるウマ娘が誰なのか楽しみにしておこう

  • 99二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:24:14

    シンプルに鬱なやつ!?

  • 100読み手24/04/15(月) 19:27:11

    という訳で次回は山月記に決定しました。
    登場人物が2人だけだった気もしますが、有名なお話で割と文学作品としては短めの部類なのでやりやすそうですね。
    では改めまして次回の山月記でお会いいたしましょう。

  • 101二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:27:36

    そういや二人しか登場しないやん!

  • 102二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:30:05

    >>101

    一応ちょい役で李徴の妻子とかいるし…(震え声)

    どうにか李徴の経歴編で登場人物を盛るのだ

  • 103二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:46:31

    >>70

    伸びないクロフネさんちょっとオモロい

  • 104二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 19:51:06

    完走お疲れ様でした
    今回も読み応えがあって面白かったです!

オススメ

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