- 1一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 00:57:53
私は連邦生徒会長とプライベートでバカやるのが日常『だった』連邦生徒会『元』行政官の新生徒会長、一条ミヤビ!
トイレもベッドも机の下も行きつけの喫茶店も施工完了間近の新築ビルもこっそりつくった秘密基地も探したけどバカ会長が見つからない!
ラーメン、大変美味しゅうございました!
名前 一条ミヤビ
学年 2年生
所属 連邦生徒会
役職 生徒会長(元行政官)
出身 ヴァルキューレ、捜査局
戦闘 57(コマイヌ不在時は12)
頭脳 82
事務 43
政治 98
神秘 24
技術 96(専門は爆発物)
体力 32(スタミナ)
オカルト 84
医療 78
設定・全part集
一条ミヤビ総設定集名前 一条ミヤビ学年 2年生
所属 連邦生徒会
役職 生徒会長(元行政官)
出身 ヴァルキューレ、捜査局telegra.ph - 2一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 01:00:45
前スレと今スレ>>10まで、『連邦生徒会長誘拐事件』で配布されるかもしれない☆1キャラを募集しています
配布先は並行世界の先生です、奮ってご応募ください
- 3二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:15:02
たておつ
超有能捜査官の後輩ちゃん一択じゃない? - 4二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:26:15
今回のイベントにはどこの生徒が参加していくんだろ
- 5二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:27:02
とりま10まで
- 6二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:30:13
最近は10までやらなくても半日落ちなくなったのか?
- 7一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 01:39:00
ほんとだ、もう半日保守になってますね
こんな時間に建てた身としてはありがたいですが
イベント登場予定の生徒
『連邦生徒会長』
『慈愛の怪盗』
『先生』
『統括主席行政官』
『防衛室長』
『交通室員』
『生活安全局員』
『公安局長』
『捜査局員』
『特別出演枠1:未定』
『特別出演枠2:未定』 - 8二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:51:29
各学園にいる友人の好感度が高い子見てみよ
ヒナ 96
ミカ 98
ホシノ 90
イチカ 88
シュロ 95
この怪談家の場違い感よ
上3人は立場故すぐに身動き取れなさそうだし、トリニティからの派遣で来れそうなのイチカかな
しかしまぁ、キヴォトストップ戦力からの信頼が厚いこと - 9二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:05:12
たておつです
配布か…やっぱり上でも出てる有能ヴァルキューレ後輩ですかね - 10二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:57:15
たておつです
- 11二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 08:15:47
たておつ。深夜帯に立てられたスレは10までいかなくても半日大丈夫みたいなことをどっかで聞いた。ソースは俺の記憶だからちょっと疑わしいけど
- 12二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 08:49:00
確かにこの間建てられたばかりのスレ見たらスレ落ちするの半日後だったな
- 13一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 10:51:48
- 14二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:12:11
鷹宮アタナ
お祭り運営委員会 - 15二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:12:47
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:13:03
後輩の名前:戦場(いくさば)エラ
特別出演枠:便利屋68(特にアル) - 17二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:22:08
後輩の名前 東雲 ユキ
特別出演 小鳥遊 ホシノ - 18二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:25:44
出演枠書き忘れた…
子田(しでん:紫電のもじり) つくば
聖園ミカ(シャーレ経由、ティーパーティーのボランティア期間とか理由は適当に) - 19二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:31:33
・後輩ちゃんの名前 伊東モカ
・特別出演枠 RABBIT小隊 - 20二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:34:58
名前 守森 ヤシロ
特別出演枠 マシロ - 21二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:38:37
・後輩ちゃんの名前
球磨シラベ
・特別出演枠
不知火カヤ - 22二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:39:47
・後輩ちゃんの名前 群青ハル
・特別出演枠 空崎ヒナ - 23二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 17:25:36
一個消えてるから、その分レス番ズレるなら
後輩ちゃんの名前→北楯(きただて)エルバ
特別出演枠→砂狼シロコ - 24一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 21:09:38
(前スレのお返事も含めて画像を作っていたら遅くなってしまいました。ちょこちょこ再開します)
(髪色がちょっと淡くなってしまったのは許して…)
前スレのお返事
>家具
>一条ミヤビを軟禁したシリーズ
>一条ミヤビを軟禁した南京錠付き鉄扉
>一条ミヤビを軟禁した鉄格子付き窓
>一条ミヤビを軟禁した頑丈な壁 などなど
こっわ…
>クロノス「連邦生徒会長が白昼堂々誘拐されるという結構な大問題が発生したわけですが予告状の内容を見る限りどうやら連邦生徒会と慈愛の怪盗とは蜜月関係にあったと予想されます!一言どうぞ!」
リンちゃん「は??????????」
>そういや連邦生徒会長になったし、ミヤビ会長用制服とかあるのかな?
>少なくとも、失踪した連邦生徒会長の制服は他の連邦生徒会の制服と違うし(ネクタイとか装飾とか)
一応かいちょーと同じ服は着てみましたけど……なんか違和感凄くないですか?
>ロングスカートが似合う感じではないしミニということで
>ミニだと黒タイツを纏った御御足が映える!
生徒会長用の服にミニがなかったんですよ!!
- 25二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:11:30
元のかいちょーが完成された力強い立ち姿だからねまだ貫禄が足りない
- 26二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:13:41
初々しい
- 27二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:15:39
なんかムスッとしてて「リンちゃんこのやろー」とか思ってそう
- 28二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:16:09
ミヤビちゃんやっぱり可愛いなぁ
この見た目からかっこいい声出てくるのギャップがあって良いよね - 29二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:16:53
前会長より絶対身長高いんだから、サイズ合わないような・・・?
- 30一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 21:20:06
- 31二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:21:54
え!?やらないの!?そんなまさか…ミヤビちゃんのかいちょー力はその程度か
- 32一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 21:31:38
なんかとんでもない変態さんがいますね……。
それはさておき、後輩ちゃん改め球磨シラベちゃんをよろしくお願いします!
そして特別出演枠はRABBIT小隊と空﨑ヒナ風紀委員長に決定しました!
結構荒事にしても問題なさそうですね!
ちなみに、不採用となっていた三者についてですが
お祭り運営委員会ー単純に絡ませ方が分からなかった
不知火カヤ ー防衛室長として決定済み
聖園ミカ ーさすがにこの事態に出てくるのは権限の乱用+立場が悪くなりすぎる
といった理由でダイスには含みませんでした、あしからず。
というわけで、一通り決まりましたのでプロット組み立ててきます!
まあダイス振るからどうなるかはダイス神次第ですけど! - 33二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:54:54
会長ミヤビちゃん、若干薄くなった髪色を整えたらスレ画にする予定?
- 34一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/20(土) 23:07:49
(新型生徒会長、髪をまとめて色を濃くしました。スレ画にしましょうか、肩書も変わっていますし…)
【報告書】
第一報 AM2:13
七神リン主席行政官より、一条ミヤビ連邦生徒会長の姿が見当たらないと連絡。
現場に『慈愛の怪盗』からの手紙が残されていたこと、またその内容文から、ミヤビ会長が誘拐されたと判断。
ヴァルキューレ公安局、捜査局の協力により現場を封鎖、調査が開始される。
「……ということで。ミヤビ会長が誘拐されました」
”……大丈夫? 酷い顔をしているよ”
「さっきまで荒れてましたよこの人。一通り怒鳴って叫んで、今落ち着いてるってだけです」
「それはいいんです。それよりも先生、大至急調査をお願いします。ヴァルキューレやこちらが得た情報は共有しますので」
シャーレのオフィス、まだ空が白む前の時間。
やや赤くなった目で視線がきつくなったリンと、彼女に付き添うようにやってきたヴァルキューレの生徒が、手早くまとめられた走り書きのような書類を差し出してくる。
シャーレの権限を用いてヴァルキューレの捜査に参加するための申請書類。サインさえすれば通過したことになる、幾つかの手続きを前倒しするためのものだった。
責任者は私、シャーレの先生と、防衛室長のカヤとなっている。
”それは構わないけど、ええと、ごめん。君は……”
「おっと、そう言えば名乗ってなかったですね。私は先輩、ミヤビ生徒会長の捜査局時代の後輩で、球磨シラベです。捜査局一年生、今回はよろしくお願いします」
”よろしくね。……それじゃあ早速だけど、状況を説明してくれる?” - 35二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 23:10:04
リンちゃん大荒れか…好感度的にも無理ないか…
- 36二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 07:44:08
その姿こそ、一条ミヤビが生徒会長としての責を担う『覚悟』ですね…!
- 37一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 07:44:14
(気が付いたら爆睡してました、書き途中のものだけ投下しておきます)
「まず先ほど、朝二時過ぎですね。リンさんがコーヒーを取りに席をたって、戻ってくるまでの数分の間に、ミヤビ会長の姿が消えました。会長の机には『慈愛の怪盗』名義の手紙が残されていたことから、ヴァルキューレと連邦生徒会はこれを誘拐事件として、シャーレに協力を要請した状態です」
”『慈愛の怪盗』っていうのはどういう相手なのかな。何か知っている?”
「というか、捜査局では有名なんですよ。他でもない、ミヤビ先輩が矯正局にぶち込んだ因縁の相手ですから」
シラベが少し懐かしそうに言った。
「怪盗、本名は清澄アキラ。と言っても本人がミヤビ先輩に伝えたのを記録しただけですけど。ただおかしいと言えばおかしいんですよ」
”おかしい? どういうこと?”
「怪盗のターゲットは美術品なんです。それも不正に入手された、いわゆる盗品だけを狙う怪盗。人さらいをするような相手じゃなかったはずなんですが」
”なるほど……”
たしかに、物を盗んでいただけの犯人がいきなり誘拐犯にランクアップというのは、ちょっと性急すぎる気がする。
”理由はわかるかな”
「……これは正式な資料には残してない内容なんですが。怪盗は先輩が捕まえた犯罪者の中で、一番先輩に執着してました。ライバル視、って言うんですかね。もしかしたらそれが犯行の動機かもしれません」
手紙にもそういう節が書かれてました。そう言って、渡された資料の中にある写真を示した。
証拠品である手紙が撮影された写真。怪盗が残したという犯行声明。
『連邦生徒会役員の皆様におかれましては、我が好敵手と引き換えのますますのご栄達のほど、大変結構なことと存じます』
『この度、我が好敵手に心よりの贈り物を送らせていただくため、しばし身柄をお預かりいたします』
『猛き宝石、超人の至宝。己の輝きを知らぬ方』
『我が好敵手がその力を十全に振るっていただけることを願って』
『彼女の宿敵 慈愛の怪盗より 愛を込めて』 - 38二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 07:50:18
もし、ミヤビが前生徒会長からのヘットハンティングで連邦生徒会入りしたならば、超ひん曲がった見方をすれば『矯正局から奪った』と言える。
- 39二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 09:12:59
クロノス「やっぱりキヴォトスで真面目に開示請求とかから始めたらかわいそうじゃんね」
- 40二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 09:27:18
『己の輝きを知らぬ方』←この表現すこここ
- 41二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 12:37:17
強制的に休ませるためってのもありそう
- 42二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 14:20:03
この手紙SNSで拡散されたらやばそう
- 43二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 20:23:48
連邦生徒会舐められてますよリンちゃんはどう思う?
- 44二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 21:08:11
出し抜かれたが適切じゃないかな
まさか連邦生徒会長を攫う奴がいるわけないと心の隙を突かれた形ではあるけど
先生相手にも有効だな? - 45一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 21:54:06
”……うん、確かに誘拐事件だね。リンちゃん、監視カメラの映像は?”
「ご丁寧に監視カメラのレンズが黒塗りされて、記録は取れていません。ヴァルキューレの鑑識が現場を調べていますが、相手が相手です。おそらく何も出ません」
「尻尾を掴ませない相手でしたからね。一応、奴が最後に根城にしていた場所は把握してますから、まずはそこから当たりましょう。それに、あの先輩が暴れだしたらおのずと騒がしくなるでしょうし」
「こちらも周辺の監視カメラの映像を片っ端からさらっていきます。収穫があり次第連絡しますので」
”わかった、それじゃあ早速動こう。シラベ、よろしくね”
「ええ、よろしくお願いします先生」
「それと先生、私はリンちゃんではありません」
「──というわけだ。各員、不用意に情報を広めないよう留意しろ」
同時刻、ヴァルキューレ警察学校会議室。
捜査局、公安局の三年生が集められたそこでは、公安局長の尾刃カンナが音頭を取っていた。
配布された資料はごくわずかだが、状況は全員が共有している。
「それと、捜査局の一年がシャーレの先生について捜査中だ。それぞれの情報は共有される、報告漏れは絶対にするな、良いな」
了解、と返事があった。
前生徒会長の失踪からまだ半年ほど。それも新生徒会長の座に就いた生徒がまた姿を消したというのは、否応なく他の生徒たちによろしくない想像を掻き立てさせる。
しかし、さすがに三年生だけはあり、それを表に出さないだけの理性を持っていた。
「今回の事件に失敗や未解決は許されない。全員草の根を分けても生徒会長を探し出せ!」
カンナの言葉は、その場に集った全生徒、全捜査員の気持ちでもある。
ようやく上向きになり始めたヴァルキューレが、その真価を見せる時がやってきたのだ。
D.U.地区を中心として、精鋭たちの絶え間ない捜索が始まった。 - 46一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 22:45:25
「……んがっ、ふごっ。んん……? あぇ、なんで私ベッドで……」
なんだか妙に深い眠りに落ちていた意識が、やけに素直に浮上する。
目を覚まして、ベッドに寝ている自分を疑問に思って。咄嗟に周囲を見渡した。
知らない天井、感触の違うベッド、嗅いだことのない匂い。
体を起こせば手には本格的な手錠が嵌められていて、ついでとばかりに手が後ろに回されている。
なんで手が見えないのに手錠だとわかるのかって? そりゃあまあ、現役時代にさんざん手錠嵌めましたからね、それくらいはわかります。
さて、それでこれは……。
「……攫われましたね」
相手が誰かはともかく、拘束されて知らない部屋にいるというのは十中八九誘拐です。
……じゃ、とりあえず調査しましょうか。ここがどこなのか、脱出は可能か、使える道具はあるか。
幸いぐっすり眠りましたし、体調は万全です。
きっとみんな探しているでしょうし、とっとと脱出しなければ。
手始めに、この手錠をどうにかしましょうか。
技術(96)以下の出目で手錠外し成功
dice1d100=89 (89)
技術成功時
dice1d3=2 (2)
1 ここをこうして、ぐいっとすれば……!簡単に手が抜けるんですよね(手がすぽっと抜ける
2 ブラの針金でちょちょっと……(カチャン、とロックが外れる
3 この手錠は欠陥品だ、使えないよ(怪盗さんは不良品を掴まされました
- 47二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 22:48:40
あっぶね!ギリギリじゃねーか!
……エッッッッッッッ - 48二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:13:50
「これくらい熟してもらわなければ困ります」とかドヤ顔て言ってる怪盗が目に浮かぶんだわ
- 49一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 23:24:05
「ほ、ほ、ほっと……。よし、外れた」
ヴァルキューレ生直伝の手錠外し、ヴァルキューレ・スリップをお見せしても良かったんですが、あれは失敗するとこんがらがるので手早くピッキング。
手錠を外して手首をさすりさすり、さて室内を散策しましょうか。
と言っても、ベッドのほかには壁に備え付けのテーブル、何も映らない壁掛けモニター、部屋の角から全体を映す監視カメラ。
あとはシャワールーム、トイレ。なんと驚くべきことにキッチンもあります。
安いアパートの一室、と言ったところでしょうか。残念ながら窓は鉄板でふさがれていて、内側からは空けられそうにありません。
唯一の出入り口らしき扉を開けようとしても、外からカギが掛けられる仕様になっているようで開きませんでした。
さて、それでは……。
持ち物 dice1d3=1 (1)
1 護身用拳銃(銃弾装填済み
2 ↑+アーミーナイフ(ブーツの中
3 ↑+スマホ(とられなかった
- 50二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:25:26
拳銃だけは中々厳しそうね…
- 51一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 23:33:58
「あ、ナイフが取られている……。ご丁寧に一番欲しい物だけ持っていくとは……」
まあ安物のナイフでしたし、ここから出たらまた買いましょう。
残っているのはホルスターに携帯していた護身用の拳銃だけですか。スマホも持っていかれているようです。
ちなみに、この拳銃は連邦生徒会なら全員に支給されていますが、使用率は非常に低いです。まあ皆自分の銃がありますしね!
ですが幸いにも、銃弾は入ったままです。
「さて、他にはなにがありますかね……」
気を取り直して部屋の中を探索した結果……
dice2d4=3 1 (4)
1 机の引き出しに小さな工具セット
2 トイレの戸棚に洗剤
3 キッチンに各種調味料
4 シャワールームのガラスを叩き割って鋭利な刃物
- 52二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:51:07
なんだろう、この「ぜひ解いて脱出して見せてください」って感じ。リアル脱出ゲームかな?
- 53二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:53:27
どっかに隠しカメラあってアキラそれ見てそうだな
- 54一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/21(日) 23:54:56
机の引き出しからは工具セットが、キッチンからは色々な調味料が見つかりました。
ふむ、大変よろしい。これだけ揃えば脱出には十分でしょう。
工具セットにはニッパーやドライバーが。
調味料の中には大量の砂糖があります。
「よーし、早速工作と行きましょうか」
まずはシャワールームの洗面台、その下の戸棚になっている部分にもぐりこみ、工具を使って配管を取り外します。
事前に服を脱いでおいたので水で素肌が漏れますが、別に知ったことじゃありません。私はパイプが欲しいのです。
「うひー冷たい! 先にシャワー浴びてからにすればよかったかも!」
パイプを外したら、タオルでパイプの水気をふき取ります。全部は無理なので、カラカラになるまで机に放置。
次は……
技術(96)ダイス
dice1d100=85 (85)
- 55一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/22(月) 00:02:46
(書かれているものに関しては素人調べですが、決して正確な内容も書けるものではありませんので、雰囲気でお察しください。決して日常で試そうとはしないでください。この作品はこういった暴力的なものを作成することを推奨する作品ではありません)
ニッパーなどを使って、拳銃の弾丸を分解していきます。
ばらし終わったら、乾かした塩ビパイプをキッチンのコンロで熱して、両側を塞ぎ、塞いだ一面に小さく穴を開けて火……と……糖をごにょごにょ……します。
そうしたらモニターを操作するためのリモコンから電池を取り出して……。モニターに繋がるケーブルを引っ張り出してニッパーで切断、絶縁体をはぎ取って銅線だけにして……。
あとは、まあ……。燃えるものと、電池と銅線があるわけで……
小麦粉を水で溶いて熱を加えれば、パイプの穴を塞ぐためのノリも出来ます。これで、中にごにょごにょが詰まった、銅線の伸びるパイプの穴を密封して……。
扉にくっつけるように置いて、銅線をずずーっと壁を挟んだ位置まで伸ばして体を伏せます。
「はい、ばちばちっと」
一瞬の空白ののち、耳がキーンとなる様な爆発音。
私お得意の『爆発物』は今回もいい感じに弾けてくれたようです。まあ、おかげで銃の弾は一発も残ってませんけど! - 56二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 00:05:21
安心してください…試そうとも思わないのとそもそも弾丸なんて現実の日本じゃ手に入らないです…
ミヤビちゃん凄いなぁ… - 57一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/22(月) 00:17:58
(今日はここまで。次回は先生たちパートからです)
『よーし、どこの誰でしょうねこんなことしくさるのは! ぶっ飛ばしますよ! うちの誰かが!』
「ふふ、やはり貴女はそうでなくては……。捜査官、貴女の輝きをあんなところで腐らせるなんて、私は……」
「ところで、入り口を吹き飛ばすのが早すぎませんか? フラストレーションがたまっていたのですか」 - 58二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 08:11:23
爆発!
- 59二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 12:50:00
驀進!
- 60二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 20:47:12
保守
- 61二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:15:03
このレスは削除されています
- 62一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/22(月) 22:17:21
(矛盾する文章が入っていたので>>61を削除して訂正)
私がシラベと一緒にシャーレを出ようとすると、エントランスで複数の生徒と出くわした。
「こんばんは、おはようございます先生! 緊急事態ということで、飛んできました!」
「ねむ……。おあよ~せんせぇ……。キリノに引きずられて……ねむい……」
いの一番に声を上げたのは、生活安全局のキリノ。そしてその横で今にも眠りこけそうな体を必死に支えているフブキだった。
「あれ、なんで生活安全局の子がいるんです? まだそっちには辞令が行ってないはずですけど」
「こんばんは、警備局の球磨シラベさん! 水を飲もうと目を覚ましたら、公安局の上級生がぞろぞろ走っていくのを目にして、これはただ事ではないと思いまして! シャーレなら情報も集まるかと思い、こうしてお待ちしていたのですが……」
「そこで私たちと出くわしたわけです。おはようございます先生」
”おはよう、ミヤコ。それにRABBIT小隊の皆も”
エントランスで待機していたもう一組はRABBIT小隊。
SRTにはすでに情報が行っており、外せない任務がある生徒以外は全員生徒会長捜索に駆り出されている。そして彼女たちは、これから捜査に出る私の護衛として駆けつけてくれていた。
どうやら詳細はRABBIT小隊からすでに聞いているようで、キリノはやる気満々のようだ。
傍らのフブキは今にも溶け落ちそうになっているけど……。
”でもキリノ、私についてきちゃって大丈夫? ヴァルキューレから指示があるんじゃ”
「あー、その辺は私の方から連絡しときます。今から向かうあたりも生活安全局の人がいれば安心でしょうし」
「わたしはかえってねたい……」
「では行きましょう先生。表に車を停めてありますから、足はお任せください」
”うん、それじゃあ行こうか。ミヤビを探しに”
- 63二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:20:03
シラベちゃんの見た目はまたあとで決めるのかな
- 64二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:25:56
素気なくスルーされるフブキに悲しき現在
緊急時だしシカタナイネ - 65一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/22(月) 23:03:29
(ストーリー途中で容姿決めが挟まるとちょっと強めのノイズになりかねないので、一通り終わってから振るつもりです。ストーリーを読み終わった後、満を持してお届けされる正体)
(めっちゃ眠いので今日はここまで。ダイス次第で展開考えます)
目的の場所までモエがハンドルを握る中、シラベが音頭を取って改めて情報の共有を始めた。
行きがけ、エンジェル24で人数分のコーヒーとドーナツを買い求めたおかげか、フブキの意識もはっきりしてきた。
「今向かっているのは、慈愛の怪盗が最後にアジトにしていた施設です。最低限の宿舎としての機能のほか、美術品の一時保管のための大きな保管庫が併設されていました。様々な情報をかき集めて見つけ出したアジトを公安局と捜査局が合同で手入れして、結果として怪盗を逮捕したんですが……」
”矯正局からの脱走の時に逃げられちゃったんだっけ”
「はい、その通りです。アジト自体は定期的にヴァルキューレの生徒が巡回していますし、すでに細部まで調査されているので、新しい発見はないと思いますが。脱走した後にこの事件を起こすまで、怪盗が人目を忍んでアジトに訪れた可能性がありますので、まずはそこから当たる、というわけで」
アジトでみつかる手がかり
dice1d3=1 (1)
1 直筆手紙(ミヤビの居場所のヒント
2 ↑+ミヤビの寝顔写真(誘拐した時に撮った、焼き増し済み
3 ↑+ミヤビのアーミーナイフ(誘拐した時にくすねた
- 66二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:08:25
ヒントか…助けたかったら解き明かして見せろっていうアキラからの挑戦状か…
- 67二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 05:56:33
ほっしゅ
- 68二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 10:05:37
ほんとに怪盗からの好感度40台か?
- 69二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 18:36:14
- 70一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/23(火) 22:10:10
『 至宝は混沌の中で褪せぬ輝きを放つもの 』
”……で、アジトにあった手紙がこれだよ”
アジトを探し終え、これ見よがしに置かれていた手紙を見せる。
書かれているのはたった一文。それが何を意味するのか、シラベはすぐに察したようだった。
あいにくと、私は朝から酒精を抜いてしまっているから、ちょっと頭の回転が鈍いのだけど。
「先輩はゲヘナのどこかに連れ去られた、ってことでしょうかね」
「ああー、『混沌の中で』って、ゲヘナ自治区のどっかってこと? もうちょっとひねらない?」
「見つけさせる気のないヒントは出さないんですよ、前もそうでした」
「相手はあの『慈愛の怪盗』なんですよね! どうして誘拐なんてしたんでしょうか?」
「先輩に執着してましたからねー……。とりあえず、次の目的地はゲヘナ自治区ですね、先生」
”……ゲヘナの、何処だろう。ものすごく広いよ、ゲヘナは”
「……ですよねぇ」
次の場所が分かったはいいものの、打つべき一手は曇っている。
それなら、現地に詳しいアドバイザーが必要だ。
”よし、それじゃあ私からも一つ提案があるんだけど”
──おい、そっちいたか?
──見当たらないな、そっちはどうだ。
「くっそ、まだうろうろしてる……」
扉を吹き飛ばし、意気揚々と外に出たはいいものの。
そこはゲヘナ自治区の一角、不良グループのたまり場でした。
グループに喧嘩を売りに来たと思われたのか、それとも扉を吹き飛ばしたのが攻撃だと思われたのか。
私はこれ見よがしに待機していた彼女たちから逃げ隠れつつ、肌に合わないステルスを実行しています。
手元にあるのは弾倉が空になった拳銃と、念のために持ってきた手錠のみ。
不意を打てば一人は拘束できそうですが、この状況では全く意味がないでしょう。
とにかく、まずはこのたまり場を脱出しなければ。……ところで、このそこかしこにある監視カメラはなんでしょうね。
頭脳(82) dice1d100=64 (64)
頭脳の値以下で監視カメラの意図に気づく
- 71二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 22:19:38
流石ミヤビちゃん!冴え渡ってるね!
先生は朝から飲んでないか…正常なんだろうけども今回は逆に飲んだ方が良さそうか…? - 72一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/23(火) 22:59:30
……あの監視カメラ、遠くから見ているときは定期的に首振りするだけなのに、私が視界に入ると私の方を向いてじっと動かなくなってますね。
あれ、私を見てるんじゃないか?ってことは、あの監視カメラを操作してるやつが犯人か。
「……絶対捕まえるからな、待ってろよ」
ぴたりとこちらを向いて止まったカメラをまっすぐ見て、指さして宣言してやる。
誰か知らんがこんなことしてただで済むと思うなよ。……いや、こんなことするバカにはうっすら心当たりがあるんですけどね。
ああでもなあ、そうだとするとこれで済むとは思えない……。
あいつが、『誘拐だけで終わるわけがない』んだから……。
──いたぞ! いたぞおおおおお!!
「ああもう、ちょっとは落ち着いて考えさせてくんないかなあ!!」
考え事をしながら歩いていたら、うっかり見つかってしまったので脱走開始。
とにかく、もっと人通りの多いところに出ないと!
「会長はまだ見つかりませんか」
「リン先輩焦りすぎ。こっちはD.U.地区の監視カメラ片っ端から総ざらいしてるんだから、もう少し落ち着いてよ」
「落ち着いていられるわけないじゃないですか……! 私が、目を離した隙に……」
「それ、先輩の責任じゃないじゃん。向こうが上手だったんだよ」
交通室、モニターの並ぶそこで、モモカは自身の慕う先輩が今までにないほど意気消沈する姿を横目にしていた。
ほとんどの時間、その視線は複数のモニターを行ったり来たりしていて、AIがまだ幼げの残る生徒会長を見逃してやしないかと観察している。
その顔つきは普段の怠惰さなど欠片もなく、彼女自身にも理由がわからないような使命感に満ちていた。
「とにかく、地区内のカメラは全部確認するから。でも外に出ちゃったとしたら追うのは難しいかも。そこの行政担当と連携出来たら、他の自治区の映像も解析できるけど……」
その時、リンのスマホにメッセージが飛び込んできた。
飛びついたようにスマホを開くと、一瞬動きが固まった直後。
「モモカ、先生がゲヘナの風紀委員と連携を取るそうです。ゲヘナ内の監視カメラの映像が送られてくるので、該当時刻と思しき部分の抜出とチェックを」
「うぇ……。りょーかい……」 - 73二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 23:08:50
あぁ、そこでヒナ委員長が合流するのね
- 74一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/23(火) 23:30:24
(今日はここまで。明日はゲヘナからスタートです)
『絶対捕まえるからな、待ってろよ』
「……ふふ。その眼差し、その気構え。いいですね、とても良い。やはり貴女はそうでなくてはいけませんね、捜査官。ですが、無粋な方々ももうじき到着しそうですし……」
「皆さん、もうじき出番ですから。準備をお願いします」
「はぁ……。このようなつまらない依頼、同じ檻の誼でなければ断っていましたのに……」
「まあまあいいじゃないか!! これもまた青春、私たちの肌に刻まれる輝かしい汗と硝煙!!」
「ましてこのような変態と一緒だなんて……。今からでも先生の元に鞍替えを……」
「……人選を間違えましたかね」 - 75二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 01:23:38
狐なにしてはるん
- 76二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 05:42:32
保守
- 77二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 12:10:06
もう一人は誰だ?
- 78二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:24:42
一人はワカモだろうけどあと一人は誰だろう
- 79一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/24(水) 22:01:33
「……アコ、どう? ミヤビは見つかりそう?」
「いえ、目ぼしい地域の映像を連邦生徒会と総出で洗ってますが、今のところは……」
ゲヘナの風紀委員会に協力を要請し、その本部の一角に間借りするようにして、私たちはアコや他の風紀委員がモニターに向かう様を見つめていた。
すでに日は昇りだしている。誘拐発生から四時間ほど経過しただろうか。
『慈愛の怪盗』がどういう相手であるのか、実際に会ったことのない私はわからないけれど、この中で一番それを知っているであろうシラベが焦りを見せていないところを見ると、乱暴をするようなタイプではないのだろう。
「ごめんなさい、先生。せっかく頼ってもらったのに、あんまり力になれなくて……」
”ううん、手を貸してくれているだけでも十分すぎるほどだよ”
「それに、あの怪盗が後生大事にしまい込んでいるとすれば、そう簡単に尻尾は出さないでしょう。……あの先輩が、いつまでも大人しくしてるとは思えませんけど」
「先生、ここはやはりまだ見ていない区画をしらみつぶしに当たってみるのはどうでしょう!」
「ぜったいどこかですれ違うでしょ……。あ、このドーナツ美味しい」
「そもそも本当にここに会長がいるのか? その怪盗とやらに担がれてるだけじゃ……」
喧々諤々としてきた話し合いだったが、そこに突然一人の風紀委員が飛び込んでくる。
汗をだらだらと垂らして、引きつったような息をしていた。
「ひっ、ヒナ委員長っ! ワカモですっ! 災厄の狐が大通りにっ!」
「はぁ……。どうして今日に限って……」
「申し訳ありませんっ! 現在イオリ先輩が中心となって対応中ですが、戦力が足りず……!」
”……ヒナ、手伝うよ。皆、良い?”
思わずそう言っていた。
ワカモ、彼女とは最初にキヴォトスに来たあの事件で顔を合わせて以来だ。可能なら、話し合いでことを収めたい。
その言葉に、周りの皆も小さく頷く。
「我々は先生の護衛です、率先してそういうことに首を突っ込んでいくことには少々物申したいですが……。先生がそう望まれるのであれば」
「本官のするべきことは、いつだって変わりません! 行きましょう!」
「終わったらドーナツとコーヒー追加で……」
「まあ、乗り掛かった舟って奴ですね。手伝いますよ、先生。(……ちょっと気になる事も出来ましたし)」 - 80一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/24(水) 22:17:11
同時刻。
「わはは、壮観なりヴァルキューレ! この私さまが帰ってきたぞ!」
「……え、え!? ちょ、ちょちょちょちょっとアナタ! なんて格好してるのよ!?」
D.U.地区、厳戒態勢となっているその地に、一人の変態が舞い降りた。
一糸纏わぬ裸体を晒し、一発の銃弾すらも持たぬ無手にて、大通りを闊歩するそれを見て、ある生徒は悲鳴を上げ、ある生徒は通報し、そしてある生徒は。
「お、お、お前は……! まさか……!」
「わはは! 君たちとの追いかけっこの果てに、私は見出したのだ! この姿こそ、人の本来あるべき姿であると!!」
思い当たる節があった。
以前、ヴァルキューレの猛烈な追走劇から逃げ切る一歩手前までたどり着き、布切れ一つも残らぬほどの銃弾を浴びながらも、最後には笑って逮捕され矯正局へと収監されたある生徒がいた。
「お前、まさか、脱走していたのか……! 七囚人が脱走した時に、逃げ出していたのか!?」
「その通り! わはは、さあ今一度始めようではないか!! これが、私の新たな答え!」
「人は!!」
「全 裸 で あ る べ き だ ! !」
「ほ、本部、本部ーッ! 変態だ! マッパが出た!! 至急人を寄こし、ぎゃあああああこっちにくるんじゃねええええええ!!」
「わはは! わはは! わははははは!」
全裸で、高らかに笑いながら、全力疾走で近づいてくる相手に。引き金を引く指は軽かった。
その日、D.U.地区は戦火に包まれることになる。
悲鳴と怒号と、羞恥の絶叫が彩る戦火に。 - 81二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:22:48
そういえばミヤビちゃんが捕まえた中にいたねこの子…
ハナコに会わせたらどんな反応するんだろうか… - 82二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:24:27
誰かと思えばお前かーい!
- 83二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:31:50
しまった!全裸露出部だ!
- 84二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:33:34
こいつがいたー!!
アキラ、人を選べなかったのか…? - 85一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/24(水) 23:00:43
「や、やっと撒けました……。というかさっきからドンパチ五月蠅いんですけど、一体どうなってるんですか……」
不良との追走劇を演じること小一時間、ようやく不良地帯を抜けられました。
さすがにトレーニングを続けているだけあって、体力がついてきましたね。以前の私だったらきっと途中で倒れていたかもしれません。
しかしこのうるささは一体、なんなんでしょうね?
ゲヘナゆえ致し方なしと言われれば、まあそれはそうとしか言えないんですけど。
「とにかく、ヴァルキューレの派出所まで行けば電話か無線があるはず……。私の無事を伝えて、その後のことを話し合わなければ……」
そう思って、辺りを見渡しながら頭の中の地図と照らし合わせます。
派出所はもうすぐそこにあるはずです。そう思って辺りを見渡し、
「あ、あった! 派出じ──」
直後、音と光と熱が、私の全身を叩きました。
咄嗟に転がって物陰に隠れなければ、そのまま吹き飛ばされていたでしょう。
「い、一体何が」
物陰から顔だけを半分出して様子をうかがうと、そこには無残に半壊──ほぼ全壊した派出所だったものが転がっていました。
ああ、なんということか。あの有様では機材もゴミと化したでしょう。
幸い中に人はいなかったようですが、しかしヴァルキューレの派出所にまで攻撃を加えるとは、ゲヘナの治安も大概ということでしょうか。
「と、とにかく別の派出所に……。いえ、むしろここからなら風紀委員会の詰め所が近いですか。そっちに……」
ワカモの姿を
dice1d2=1 (1)
1 見る
2 見えない
姿が見えたら
頭脳(82) dice1d100=30 (30)
- 86二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:11:43
そういやミヤビちゃんてワカモとちゃんと会話したことあったっけ
- 87一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/24(水) 23:17:24
(今日はここまで。あまり長くしてもなんなので、明日かその次くらいには終わるかも)
(全裸は出すかどうか迷いましたが、インパクトがあって便利に使えそうなのがこいつしか思いつかなかったので……)
(ネームドにはなりません)
詰め所を目指そうとすると、ビルの上を飛び跳ねる狐坂ワカモの姿を見つけた。
あの日、アキラと同様に矯正局から脱走したテロリスト。それがなぜここに? わざわざゲヘナで暴れまわる理由でもあるの、でしょうか……。
「……いや、出来過ぎじゃない? もし今回の相手がアキラだとしたら……」
これは少々無理筋というか、私の人読みを多分に含んだ推測になりますが。
あの『清澄アキラ』が、ただ私を誘拐するだけ、なんてことするわけがない。彼女の行動は私が一番よく知っている、すべては不当な扱いを受ける美術品のためのものだ。
その姿勢だけは、私も感心した。たった一つにここまで入れ込み、死力を尽くせる彼女は幸せ者だと。
だからこそ腑に落ちない、私を誘拐しただけであのアキラが終わるわけがないのだ。
であれば、逆に。
私の誘拐が美術品のために必要な行動だったとしたら。
矯正局から脱獄したもの同士、狐坂ワカモとアキラに何らかのつながりがある、あるいは何かを依頼されている。
そういう可能性があるとしたら、ここまでの全てはアキラの計画した大きな流れの一部ということもありうる。
狙いは、ここまで大掛かりな動きを必要とする美術品。
それは、おそらく。
「……確かめないと。監視カメラを避けて、人目を避けて移動しましょう。このままだと後手に回ってしまう」
転がっていたキャップを被り、ツインテールを一つにまとめて結び直して。最低限の変装を済ませた。
そうして物陰から再び歩き出した。 - 88二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:19:19
乙です
果たしてミヤビちゃんは逃げ切れるだろうか… - 89二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:19:38
そのタッパで変装は厳しいような
- 90二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:29:03
書きたいところまで書いてもいいと思うのだぜ
ツクヨやハスミよりでかいから隠れるのも一苦労だ - 91二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 01:41:12
ひょっとしてアキラは、「捜査官」としてのミヤビをキヴォトスに知らしめようとしてる…?
- 92二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 12:00:07
そうかも
- 93二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 21:05:48
知らしめたとしても捜査官には戻らないけどな、
生徒会長としての仕事があるし - 94二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 21:42:07
後始末が大変そうだなあ連邦生徒会
- 95一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/25(木) 21:51:27
(今日は更新厳しめ、ダイスだけ振っておきます)
変装ダイス
dice1d100=70 (70)
1ほどバ レ バ レ 、100ほど誰もミヤビだとは気づけない
(風景に溶け込む、雑踏に消えるという形での変装のため、誰かに成りすますことはできません。背が高すぎます)
- 96二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 21:52:43
優秀!
- 97二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 21:53:40
意外とバレてねぇ!
- 98二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:03:10
さっすがミヤビちゃん!凄い!
捜査官時代変装した時あったりしたのかな - 99二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 05:51:31
このレスは削除されています
- 100二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 10:03:38
気配を隠すのが上手いのか?
- 101二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 18:08:49
ゲヘナの見回りしている風紀委員も少ないのかな
- 102二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 23:28:43
ほしゅ
- 103二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:40:24
反骨の相不知火カヤ概念笑うんだよね
- 104二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 12:03:18
カヤは魏延だった?
- 105二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 20:17:59
戦闘能力が足りない…
- 106二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:32:33
ほす
- 107二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:34:57
ほしゅ
- 108一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/28(日) 09:47:50
(おはようございます、ちょこちょこ進めます)
「イオリ、それでワカモはどこにいるの?」
「え、委員長? ワカモって何のことだ?」
風紀委員の生徒の報告で、ワカモが現れたという場所まで急行した私たち。
しかし、そこには鎮圧された不良生徒の姿があるだけで、ヒナに問われたイオリも不思議そうな顔をしていた。
”さっき風紀委員の子が、ワカモが暴れていて手が足りないって”
「あ、先生。いや、ワカモなんて出てきてないぞ?」
イオリが頭をひねりながら答えてくれる。
どういうことなのか、とヒナも含めて全員が頭にハテナを浮かべていると、シラベが得心した顔で頷いている。
”シラベ、何かわかったの?”
「簡単ですよ、ワカモ出現の一報は嘘ってことです」
「どうして風紀委員がそんなことする必要があるんです?」
「そっちも嘘ってことでしょう。おそらく、さっきのあの生徒はアキラの変装だと思います。ご丁寧に、この辺りも監視カメラが破壊されていて、現地に来るまで状況がつかめない様にされてます」
ビルの壁に取り付けられていた監視カメラの残骸を眺めつつ、その証拠に、とシラベが振り返れば、ヒナを呼びに来た風紀委員の生徒は影も形もない。
確かに一緒にここへ来たはずが、気づけばその姿を消している。
「わざわざ自分で誘導を? 随分とやり方がまどろっこしい誘拐犯ですね」
「そうしないといけない理由があった、ということでは? 例えば、我々の目をこちらに向けておきたい理由があったとか」
”……ヒナ、監視カメラのない区画で、ここから一番離れている所ってどこかわかる?”
シラベの言葉で思いついたことがあった。
シラベも同じことを考えていたようで、彼女をちらりと見れば同意するように頷く。
「ちょっと待って先生。アコ、聞いてた? ええ、そう。……わかった。先生、ここから対角線上で一番離れているところは、ある不良グループのたまり場みたい。そんなに悪さもしないから放置されていたみたいだけど」
「そこですね。先輩の監禁場所はその周辺だと思います、ここからどれくらいかかります?」
「車で飛ばしても二時間くらいかしら。先生、私たちが護衛するから急いで向かいましょう」
ヒナが風紀委員の車に乗り換え、先導する形で私たちも走り出す。
ミヤビの姿は今だ捉えることが出来なかった。 - 109二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:07:18
情報操作だったか
- 110二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:04:10
ほし
- 111二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 07:29:57
な
- 112一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/29(月) 08:42:01
(用事を済ませて帰ってきたら爆睡してました)
──でさあ、あいつピーピー泣きやがってさあ!
──
──ねえねえ、新作のコスメ買ったー?
──
──なあなあ聞いた? ヴァルキューレが全裸の変態と戦ってんだって。
──
──新キャラでねぇー。絶対確立絞ってんだろこれ、次出なかったら会社のビル吹っ飛ばしてやる。
──
──温泉行こうぜ温泉、大通りに出来たって! 露天風呂!
──
──相変わらずまっじい給食だなあ、ちゃんと人入れりゃいいのに。
「治安がいいのか悪いのか……。ヒナさんも苦労するなあ」
辺りの喧騒に溶け込みながら、市街地の騒動を避けつつ歩いていく。
D.U.地区にはまだいくらかかかりそうだけど、足を手に入れるための金も持ち合わせがないから仕方がない。
派出所に立ち寄って無線か何かを借りれば、とも思ったけれど、懸念が当たっていたらそちらも安全とは言い難い。
やるべきことはヴァルキューレまで戻り、直接『証拠品保管庫』の入出庫記録を確認すること。
その結果次第で、私が次に出すべき指示も決まる。それまでは、私が保護されるわけにはいかない。
保護されるということは、私がどこにいるかって情報が出回るということだ。おそらく規制を掛けようとしてもどこかから漏れて、アキラの耳に届く。
そうなれば次の動きが予測される。私のことはアイツも良く知っているから。
とすれば、私が姿をくらまし、誰からも見られていない状況が一番いい。皆には申し訳ないけど、誰もが混乱しているこの状況を利用して、あいつの裏をかける。
「そのために、わざわざ監視カメラのない道を選んで歩いてるんだから……」
しかし、妙な噂が耳に入った。ヴァルキューレが、全裸の変態と戦っているとかって。
まさか、まさかあの変態まで暴れているのだろうか。だとすれば、アキラが手を組んでいるのはワカモとあのマッパの二人ってことになる。
……いや、でもなんで全裸なんだ? あいつは結果的に素っ裸になっただけで、そういう趣味はなかったと思っていたけど……。
「とにかく、D.U.までいけばわかるか」
そう思い直して、後ろの方でまた起こった爆発を聞きながら一路D.U.地区まで足を進めた。 - 113二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 09:15:04
『理解』ったんだ……己が『性癖』を……っ!
- 114一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/29(月) 10:10:43
二時間ほどかけて件の不良のたまり場まで移動したところで、ヴァルキューレの派出所を見つけた。
「おや、先生? それにヒナ風紀委員長まで。どうされました、こんなところで?」
”こんにちは。この辺りに変わったことはない?”
「変わったこと……? いえ、とくには……」
「誰かが運びこまれたりはしていませんか!?」
「え、あ、あなた、同じヴァルキューレの生徒? いいえ、いるのはいつもの不良たちだけだし、そんなこともなかったわよ?」
キリノの言葉に、派出所の生徒が首を傾げた。
二台の車で駆け込んできた私たちに驚いてはいても、それ以外におかしなことはなかったという。
「とりあえずたまり場を掃除しましょうか。それからミヤビを探せばいい」
”ヒナ、あんまり乱暴にはしないであげてね……”
「わかってる。先生はここで──」
ヒナがそう言いかけた時、道路の向こう側、たまり場の反対側で巨大な爆発が巻き起こった。
明らかにただの爆発ではなく、爆弾や燃料をたっぷり使って引き起こしたような、とんでもない大きさの。
「な、なんですか!?」
「うげ、何今の~……」
「もしもし、アコ? どうしたの? ……え? ワカモなら嘘だったって、……はぁ、わかった。とにかく人を回して、私も行くから」
”ヒナ、今の爆発のこと?”
「そうみたい。どうやら、今度は本物のワカモが現れたみたい。先生、申し訳ないんだけど……」
どうやら、今度こそ本当に本物が現れたようで、風紀委員も辺りのヴァルキューレ生も総動員で当たるようだった。
彼女をそのままにしておいたら、ここまで暴れまわってしまうかもしれない。
そうでなくても、暴れている生徒を放っておくわけにもいかないのだ。
”……彼女を落ち着かせて、それからミヤビを探そう”
「本当にごめんなさい、ありがとう先生」
「RABBIT小隊、戦闘準備!」
「本官たちも行きましょうフブキ!」
「ああ~ドーナツが足りないよ~……」 - 115二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 10:19:46
先生達が見つけられないように誘導してるな…さてここからどうなるか
- 116一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/29(月) 11:23:37
「あいつなんなの!? 撃っても撃っても当たらない! 当たっても効きゃしない!」
ヴァルキューレ生の叫びが、銃撃音に混じって響き渡る。
「わはははは! わはははは! わは、わは、わははははは!」
避ける。避ける。避ける。
荒らしのような弾丸の雨が、肌の表面すれすれを通るように避け、辛うじて当たった弾もまるでなんでもなかったかのように動き続けている。
「人は! 無粋な鋼鉄を手放し! 生まれたままの姿に立ち戻ることで! その力を最大限発揮できるというのだ!!」
「わっけわかんねえっ!? ああくそ、応援はまだか、がぁっ!?」
獣のように機敏な動きでヴァルキューレ生に近づき、一撃で殴り飛ばす。
明らかにかつて捕まった時とはモノが違う。そこらの生徒では歯が立たないような身のこなし、その力。
なによりも、ぎらついた瞳の輝きに睨まれれば、思わず身がすくんでしまう。
「さあ、次は誰かな!!」
「──好き勝手に暴れてくれる、露出狂が」
そんな中で、真正面から堂々と歩いてくる者がいた。
ヴァルキューレの制服にコートを羽織った姿のまま、何の気負いもなく。
片手にコーヒーの入った紙コップを持ち、もう片方の手に自身の『第17号ヴァルキューレ制式拳銃』を携えて。
「ほう、ほう、わはははは! 来たな、公安局局長!! 尾刃カンナ殿!!」
「一体何なんだお前は、素っ裸で喚き散らして……。公然わいせつ、わいせつ物陳列、迷惑防止条例違反、暴行、器物損壊、その他もろもろの罪で、お前を逮捕する。何か言いたいことはあるか?」
「一手、お相手願いたいッ!!」
「全員下がっていろ、公安局員は固まって当たれ!」
公安局長、尾刃カンナ。
その椅子に収まった頃の獰猛な輝きを瞳に蘇らせた彼女が、空っぽに飲み干した紙コップを握りつぶして立ちはだかった。 - 117二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 11:26:05
カンナさんかっこいい…
相手がギャグみたいなやつなのはともかく - 118二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 12:09:57
せっかくかっこいいのに相手のせいで締まらない()
- 119一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/29(月) 14:43:04
「(資料で確認した限り、あいつには確かにスタミナと頑丈さがあった。だが、いくらなんでもここまでではなかったはずだ)」
紙コップが地面に落ちるよりも早く、カンナが一歩目を踏み出した。
じりじりと距離を詰めるカンナに対して、相手はじっと待っている。
満面の笑みを浮かべたまま、軽く構えを取って、さあ来いと言いたげに。
「(まあいい、こいつが素っ裸になって強くなったとして。やることは変わらん)」
近づきながら照準を定め、発砲しつつ距離を詰めていく。
一方の相手は滑るように弾を避け、皮膚が傷つくこともない。
だが、「あだっ」「いてっ」と小さく声がこぼれているところを見ると、ダメージそのものはあるはずだった。
「わはは、さあ行くぞ!」
声と共に踏み込みが来る。大きな一歩が鋭く入り、そこから拳が繰り出される。
右拳を振りぬく形で放たれた一撃を一歩引くことで避け、至近距離から数回引き金を引いた。
「いづっ、わはは! やはり、モノが違うなカンナ殿!!」
「これは効くのか。なら、やはりこの距離だな(だが、下手に近づきすぎればあのパワーでやられる。どうする、まずは拳一つ分の距離で様子を見るか)」
「ぼさっとしているのはよくない、なっ!」
「チッ、面倒な奴だ」
打撃がかすりながらも、反撃で引き金を引いていくカンナ。
しかし、良いのを一発貰えば重いダメージになってしまうカンナと違い、相手は多少の攻撃は無視しても問題ない。踏み込まなければ、ダメージレースで負けてしまう。
その思考が、カンナの動きを一瞬だけ遅らせた。 - 120一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/04/29(月) 15:26:45
「そこぉっ!」
「しまっ、ぐぅっ!?」
コンパクトに折りたたまれた左の拳が、跳ね飛ぶようにカンナの腹部に突き刺さった。
思わずうずくまり、体の芯に響くような打撃を踏ん張って堪える。
相手は各学校の中で最強と謳われる生徒たちには及ばないものの、その戦闘力は決して侮れるものではない。
自分が最強だと騙れるほどの力がないことは、カンナ自身分かっている。しかしそれが、この犯罪者を取り締まれないことには決してならない。
だから、カンナはうずくまった拍子に懐へと空いた手を突っ込んだ。
「ヴァルキューレはもはや敵ではない! わはは、やはり全裸こそ最強への道だ! 行くぞ、もいっぱぁつ!」
「……そうか、それは、よかったなァ!」
うずくまっているカンナ目掛け、もう一度拳を振るって気絶させようとする。
それを、カンナは額で受けた。
「うぐ、おぉっ!」
「なんとぉ!?」
ぐらぐらと意識が揺れる、が。それで倒れるほど、尾刃カンナはもろくない。
一瞬緩んだ動きを見逃さず、懐に入れた手を引き抜いた。そこには、片側が自身の手首に掛かった状態の手錠が握られている。
そして振り抜きざま、手錠のもう片側を相手の手首に掛けていた。
「私はなにぶん石頭でな……。ちょっとやそっとじゃあ倒れないんだよ」
「手錠!? 私を逮捕すると!? まだぴんぴんしているんだが!」
「ああ、接近戦がお望みのようだから……。これで、心置きなく『殴り合い』が出来そうだな」
『狂犬』とは、担当した事件をどこまでもくらいついて解決することから言われるようになったあだ名だったが。
歯をむき出しにして笑う姿を見れば、誰もがそのあだ名の由来を誤解するだろう。
カンナは決して強者と言える立場ではない。力で何もかもねじ伏せられるわけではない。それでも、尾刃カンナは一度決めた事柄に対して、異常とも言える辛抱強さを発揮する。
諦め悪く聞き込みを、追跡を行い、事件を解決するように。
「どっちの心が先にべきっとへし折れるか、我慢比べといこうか」
手錠で繋いだ手をがっしりと握りしめ、相手のこめかみに銃口を突き付けながら。
尾刃カンナは獣が牙を剥くように笑ってみせた。 - 121二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 15:28:02
カンナさんかっこいいなぁ…
ここからは近距離戦に移行かな - 122二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:14:56
お互いの片腕に手錠着けてのデスマッチかよ
- 123二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:18:05
ここスチル挟まれるばめ……相手全裸じゃん、だめだ
- 124二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:36:33
そこは、うまいこと全裸の背中(影強め)を通してカンナを正面に映してあげればワンチャン…
- 125二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:42:47
相手全裸なのがギャグ…戦いはかっこいいけども
- 126二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 10:45:15
脱ぐほどに強くなるのか?
- 127二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 19:44:27
手錠デスマッチ
- 128二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:06:14
ほしゅ
- 129二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 07:24:54
獰猛に笑うカンナさんはきっと美しい
- 130二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 17:15:20
保・守
- 131二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:46:15
狂犬vs変態 ファイッ!!
- 132二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 07:09:22
キヴォトスにおいて必要な精神はただ一つ!
イモ引いたら根性無しなんだよ - 133二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 17:10:26
一理ある
- 134一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/02(木) 18:05:56
(GWいかがお過ごしでしょうか。私は書いていた内容をうっかり別のデータで上書き保存して全部吹っ飛びました。敬具)
こめかみに突き付けた銃口から、相手のこめかみに弾丸が叩き込まれる。
一息に三度引き金を引き、衝撃で仰け反った相手の拳が顔面に入った。
「うがっ!」
「ちぃっ!」
銃口が逸れ、拳に押されてカンナが跳ね飛ぶように仰け反る。
互いに距離が置かれそうになり、しかし繋がれた手錠によってそれより先には動かない。
バネ仕掛けの如く再びせまる拳を、頭を倒すことで掠らせ、代わりに脳天へ銃口を叩きつけざま、さらに引き金を引く。
一発、二発、三発。四発目を撃ち込もうとしたところで、引き戻された腕によって銃が弾き飛ばされる。
「これで銃はつかえ、ぶはっ」
「銃が、なんだって!!」
咄嗟に切り替え、拳を握りこんで振り抜いた。
まともに顔面に食らい、たたらを踏んだ相手を手錠でひき戻し、さらにもう一発加えると、反撃の拳が迫る。
殴る、避ける、殴る、殴られる、殴る、殴られる、殴る、殴る、殴られる。
唇が切れて血が流れ、鼻の骨が折れて鼻血が垂れ落ちてくる。
目の周りには青あざが浮かび、拳がぶつかるたびに体が沈みかけた。
それでも、折れず、倒れず、尾刃カンナは拳を握る。
「は、は、わはは、は、は! 想像以上だ、カンナ殿!」
「言っていろよ、露出狂!!」
「そう! そして真実を語る代弁者でもあ、ふばっ!!」
黙れ、とばかりにカンナの拳がさらに叩きつけられた。
そして、それに留まらず。仰け反った相手の体を引き寄せ、
「そろそろ、眠っておけッ!」
渾身の力を込めた一撃が、顔面に吸い込まれるように叩き込まれ。
「──お、みごと……!」
それきり、全裸の変態はピクリとも動かなくなった。 - 135二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 19:48:29
せっかくカンナのかっこいい場面だけど相手の姿ぇ
- 136二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 19:50:48
カンナさんカッケェ…全裸女はもうそのまま大人しく寝ててくれ…
- 137二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 19:52:26
スパルタクスかな?
- 138二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:04:15
これには見物客も拍手
- 139二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 07:25:30
公安局も大変だなあ
- 140二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 14:58:21
感動するべきシーンなんだろうか?
- 141一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/03(金) 21:18:42
「誰か、こいつを牢にぶち込んでおいてくれ」
「は、はい! だれか、タオルか何か持ってきて! それと保健委員早くきて! 局長、こんな無茶しなくても……」
「最近事務仕事漬けだったからな、ちょっと運動したかったところだ。それにしても、本当に何だったんだこいつは?」
カンナが自分の手から手錠を外し、顔をさすりながら変態の両手を後ろに回す。
すっかり青タンと出血で彩られた顔を素手で拭い、鼻を鳴らして詰まった鼻血を吐き出した。
「か、カンナ局長! コマイヌに通信が!」
首をぐりぐりと回していたところに、部下が一体のコマイヌを連れて訪れる。
器用に一本の腕を振って挨拶するコマイヌにちょっぴり癒されていると、ポッドが開き中へ入るよう催促された。
「誰だ、どこからだ?」
「と、とにかく出てください……!」
周囲を気にするようにポッドを示す部下に頷き、カンナが中に入るとポッドが閉まる。
そして聞こえてきたのは、
『尾刃局長、聞こえていますか?』
「せ、生徒会長!?」
『今はお一人ですね? ポッドの中に誰もいませんね?』
「は、はい。ご無事でしたか、今どこに」
『怪我はありません、それよりも確認したいことがあります』
思っていたよりもずっと落ち着いている声色の生徒会長にほっとしながらも、その鋭さにいやおうなく緊張が高まる。
『ヴァルキューレの証拠品保管庫、その中にある『慈愛の怪盗』案件の証拠品の所在です』
「……失礼ですが、それは正式な手続きなしに照会することはできません。たとえ生徒会長であってもです」
それはヴァルキューレとして、法を順守する一員として当然の対応だった。
『ありがとうございます、尾刃局長。では、常に正式な業務命令に基づいて管理されているのですね』
「はい、生徒会長」
『わかりました。私はこれからもう少し単独行動を続けます。この通信を取り次いでくれた子には厳重に秘密厳守をお願いしましたから、尾刃局長もそのようにお願いします』
これほど大騒ぎになっているのは、会長もわかっているはず。
にもかかわらずそのようなことを言うということは、なにかある。
「了解しました。どうかお気をつけてください」
『ありがとうございます、尾刃局長。そちらも、あの変態を取り押さえて頂いてありがとうございます』
「……見ていたんですか?」
『ええ、コマイヌの望遠機能で。お疲れ様です、本当に……』 - 142二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 21:44:49
コマイヌがやっと出番もらえてぼかぁ嬉しいよ
- 143二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 00:24:14
コマイヌちゃんもようやく活躍した
- 144二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 07:35:11
ほし
- 145二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 12:28:13
見てたのか
- 146二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 21:33:11
ほしゅ
- 147二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 07:40:46
見
- 148二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 17:26:40
保守
- 149二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 22:21:18
ほしゆ
- 150一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/05(日) 23:44:18
(皆さん、保守していただきありがとうございます。長い休みになると、明日も休みだからまだ大丈夫だな効果で更新がおろそかになりがちですね。日中外に出てばかりということもありますが)
(ということで続きです)
「……コマイヌ、ありがとう。助かりました」
「いえいえー!」
ポッドから出て、在野のコマイヌを送り出す。巡回警戒中のコマイヌを見つけられて助かりました。
念のため高いところから、望遠で一番騒動が大きくなっているところを確認すれば、あの『マッパ』が尾刃局長と殴り合いの真っ最中。いやほんと、あいつ逃げ出してたのは知りませんでした……。尾刃局長、嫌な役目をさせてしまって申し訳ありません……。
とは言え、その局長との直接通信で、必要な情報は得られました。
『慈愛の怪盗』案件で回収された盗品は、全て証拠品。つまり押収品としてヴァルキューレの局内にある保管庫に安置されています。
それらは盗品であれば正規の持ち主を探し──と言っても、元々不正に流通していたものなので、大本の美術館などに返還するわけですが、そうでない、様々な経路をたどって持ち主が分からなくなっているものもあります。
そういったものは正式に没収物として一度連邦生徒会預かりとなり、入札によって売却、その売却金額が連邦生徒会の資産となるわけです。
で、その手続きは順次進められていますが、まだ完全に終わってはいません。
つまり、それを狙いにやってくる可能性が高い。であれば。
「……アキラに先んじて、ヴァルキューレ局内に入らないといけませんね」
見た限り、あの変態以外にも、多数の不良生徒がヴァルキューレと小競り合いを繰り広げています。
そして狐坂ワカモを用いた大規模な破壊工作。
つまり私の誘拐、人海戦術による襲撃と破壊工作。この三つの陽動作戦によって、ヴァルキューレと、そしてこの規模ならおそらくシャーレも引っ張り出し、戦力をあらかた外に吐き出させるのが、この騒動の本当の目的でしょう。
まったく手間をかけて、暇人め……。
「ですが、目的地が分かった以上もたもたしていられません。行きますか」 - 151一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/06(月) 00:29:21
”みんな、無事?”
「ああああー!! 私の派出所がぁ~!!」
「はい! 本官たちは無事です!!」
「あっちのお巡りさんは無事じゃないけどねぇ……」
ヒナ達風紀委員やRABBIT小隊、キリノたちの力を借りて、ワカモの引き起こした騒動を何とか収めた私たち。
けれど、かなり時間を食ってしまったために、すでに高く昇っていた太陽は夕日に変わり始めていた。
「……先生、ここ見てください」
”シラベ、なにか見つけた?”
「この部屋です。今の騒動で壊れたんじゃありません、内側から壊されてる」
ワカモを捕縛し、ヴァルキューレ生徒に引き渡す風紀委員をしり目に、近くの建物の扉を調べていたシラベが言う。
そう言われてみれば、確かに外開きの扉が内側から押される形で倒れていた。
「爆発物の痕跡あり、これは……。手製の簡易爆弾だねー」
”ありがとうモエ。……ってことは、ここにミヤビがいた?”
「でしょう。そしてもういないということは、私たちがここに来る前にすでに脱出していた。数時間は前でしょうね」
「……じゃあ生徒会長は今どこに?」
「……そこのヴァルキューレ生!ちょっと待って!」
「は、はい!? なに、どうしたの?」
シラベが突然声を張り上げると、護送車にワカモを乗せようとしていたヴァルキューレ生が驚いて手を止める。
それを気にも留めず、シラベはワカモに近づくと、
「アキラと組んでるねぇ? ワカモ」
「あら、なぜそう思ったのですか? 私と彼女とでは、方向性がまるで」
「はいありがと、組んでるんだね。もういいよ、乗っけちゃって。……素直な奴。普段のお前なら、誰があんな女と、なんてがなり立てるでしょうに」
その言葉に、ワカモがピキリと青筋を立てたような気がした。
しかしそれは見間違いだったのか、私の方を見るとニッコリとほほ笑んで、枷の嵌った手を振って護送車の中に消えていく。
”どういうこと? シラベ”
「都合がよすぎです。先生を、あるいは私たちを足止めするためにここに投入されたんでしょうね。アキラがわざわざ風紀委員の最高戦力ごと釣りだして、一塊にして。そこをワカモが強襲する。彼女の出す被害を考えれば、人手が必要になるのは明白。そうして私たちをここに縫い留めた」 - 152一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/06(月) 00:43:28
「そうする理由は? 風紀委員を釣りだしたのは、私たちやシャーレというD.U.に存在する戦力を引っ張りだすという目的を悟らせないための演出。でなければ、私たちをゲヘナに誘導する理由がない」
「そうしてD.U.で動ける戦力を減らした次は? つまり、D.U.でやらなきゃいけない何かがあるってことだねぇ?」
興が乗ってきたのか、誰に語るでもなく言い聞かせるような口調になっていく。
「アキラの目的はD.U.にある何かだ。先輩はそれに気づいて単身動いている。おそらく監視カメラにも映らないルートを使って、自分の痕跡を誘拐にかこつけて完全に消してるはず」
「移動が数時間前ってことは、もうD.U.に着いているか、着く手前ってところだねぇ。先生!」
”あ、はい”
「防衛室長に連絡取れますか。D.U.の状況が知りたいんです」
”ちょっと待って、連絡してみるね”
なんだかキャラが変わってきたシラベに言われ、その場で防衛室の番号に連絡してみる。
数回のコールののち、硬い声のカヤが電話に出てくれた。
『はい、こちら防衛室。なんですか、先生。生徒会長は見つかりましたか?』
「先生貸してください。──ご無沙汰しています、ヴァルキューレ捜査局一年生、球磨シラベです。はい、はい。D.U.地区の現在の状況を教えていただきたいのですが」
『はぁ、こっちも大変ですよ。例の、素っ裸で走り回った変態が襲ってくるわ、そこかしこで小競り合いは起きるわでてんてこまいですよ……』
「いつのことですか」
『ついさっきですけど……。それより生徒会長はいったい』
「わかりました、ありがとうございます。生徒会長はまだ見つかっていませんが、手掛かりが見つかりました。これから追いかけます。では、失礼します」
『あ、ちょっとま』
ありがとうございます、とスマホを返されて、小さく聞こえていたカヤの声に、掛け直した方がいいか考えはしたものの。
それよりも今はミヤビのことだと思い直した。
”向こうも手一杯みたいだね”
「ってことは、アキラも向こうに行くと思います。……その騒動が間違いなくアキラの手によるものなら、狙いはD.U.地区にある」
”……わからないな。アキラって子のしたいことは一体何なんだろう”
「先輩ならわかったんでしょうが、私はその時まだ捜査局に入る前でしたから……。とにかく、一度D.U.に戻るべきかと」 - 153一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/06(月) 00:45:13
”うん。……皆はどうかな、意見はある?”
「RABBIT小隊は先生の護衛ですので。ただ、彼女の言う通り戻るべきかと。少なくとも生徒会長の足跡が見つかるまで移動してみないと、探すにしても手掛かりがありません」
「本官たちも同意します! ヴァルキューレ生の誰かが、巡回中に姿を見かけているかもしれませんし!」
「さんせ~。少なくとも私なら、元の場所に帰ろうとするかなー」
RABBIT小隊もキリノたちも、その案に賛成のようだった。
”わかった。それじゃあ皆、またD.U.まで移動しよう。ヒナ、今日は手を貸してくれてありがとうね”
「気にしないで、先生。早く見つかることを祈ってるわ」
ヒナに礼を言ってから、モエの運転する車で一路D.U.を目指す。
首に下がっていないスキットルの重みが、妙に恋しくなる夕暮れだった。 - 154二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 00:55:50
ヒナはここでお別れか
自治区を放っぽって助けに行くわけにいかないし仕方ないね - 155二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 07:37:36
ヒナちゃん忙しいからね
- 156二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 07:40:51
ヒナちゃんいないだけでゲヘナ凄い事になるからね…仕方ない仕方ない
果たしてDU戻ってからどうなるんだろうか… - 157二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 17:29:28
酒飲んでる方が調子が良くなる先生
- 158二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:21:36
ほしゅ
- 159一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/06(月) 23:53:26
「え、あ、生徒会長!?」
「はぁ、はぁ……。ヴァルキューレの方ですねっ! すぐ、証拠品保管庫まで案内をお願いします!!」
ヴァルキューレ本校舎内、その入り口に一条ミヤビの姿があった。
連邦生徒会長の服装は煤まみれでほつれていて、足取りもどこかおぼつかない。
そんな中、鋭い声を向けられた待機中のヴァルキューレ生は生活安全局の一年生だった。
状況が知らされないまま、本部での待機を言い渡されていた彼女は、突然ぼろぼろの姿で現れた生徒会長に驚き、それでも自分の権限では難しいと言おうとして。
「あ、あの、ですが上の許可が……」
「今はそれどころではありません! すぐに保管庫に行かないと、手遅れになります!!」
「は、はいっ!?」
押し切られてしまった。
言われるがまま、彼女はミヤビに急かされて地下の保管庫まで進んでいく。
「あの、なぜ保管庫に……?」
「あの保管庫のものを『慈愛の怪盗』が狙っているんです。念のため、連邦生徒会の方で移動させられるかの確認ですね」
「は、はあ……」
そう言われては是非もなく。彼女はミヤビを連れ立って保管庫まで行きついた。
暗証番号を打ち込み、ロックを解除して重い扉を開けると、その中に入っていく。
その後ろで、ミヤビもそれに続く。
「それで、移動予定のものはどちらになるのでしょうか?」
「ええ、この辺りにあるはずです。ほら、この棚とか……」
そう言って、自然な動作でミヤビがヴァルキューレ生の腰に下がった拳銃を抜き取ろうとして──。
「動くな」
ミヤビの後頭部に、銃口の押し付けられる感触があった。 - 160一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/07(火) 00:17:06
「……は、え、ええええ!? せ、生徒会長が、二人……!?」
ミヤビに銃を向けているのは、ミヤビだった。
同じ背丈、同じ髪。違うのは、銃を向けられている方が制服で、向けている方がカジュアルで目立たない私服ということだけ。
「え、あ、あ、ど、どーしたら」
「外に出ていてください。その後扉を閉めて」
「いけません、彼女を取り押さえてください!」
「へ、え、あえ~!?」
声音の違う音で、違う指示を出され、どちらに従えばいいのかわからずに混乱し始めるヴァルキューレ生。
そのさなか、制服のミヤビが頭を横に倒して銃口を逸らし、振り返りざま銃を奪おうと両手で私服のミヤビの銃を握る。
二人のミヤビが銃を奪い合う中、ヴァルキューレ生はただあたふたしていた。
「こ、の、放しなさいっ」
「誰、がっ!」
もたもた。もたもた。もたもた。
二人のミヤビは、本当に残念ながら、こういう戦いが得意ではなかった。
人を傷つけず、軽やかに目標を奪取するのが信条の偽物も、元々こういうことが苦手だった本物も、決定打を撃てずに銃を奪い合っている。
「貴女! すぐに外に出て扉を閉めて!! どちらが敵でも閉じ込めれば出られません!」
「ダメです! この偽物を早く捕縛してください!」
「出て! 早くしろ!」
「捕まえろ!」
「わ、わ、わかんないですぅ!!」
二人から声を荒げられ、目を回しながらヴァルキューレ生が銃を抜いた。
その一瞬を見逃さず、制服は銃から身を隠そうと私服を壁にし、私服は多少撃たれようと構わずに捕縛するため、引き金を引いた。
ヴァルキューレ生と私服のミヤビが撃った弾丸が、狭い保管庫内を跳ね回る。 - 161二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:30:46
面白いことになってんじゃん
- 162二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 08:24:01
片方は変装か
- 163二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 18:06:17
ほ
- 164二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:46:07
片方はアキラかな
- 165二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 06:18:24
景色に紛れるために変装してたから私服の方が本物…かな
- 166二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 16:42:35
なるほど
- 167二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:09:25
がんばえー
- 168一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/09(木) 00:32:37
(残業ウィークに突入したので更新のろのろ祭りです。とりあえず一個だけ投下します)
「いったぁ!」
「あいたたた!」
「あ、すいませんすいません!うぎゅっ」
跳弾を浴びて呻く三人。それに構わず、制服は私服を外へ押し出そうとし、私服はそれを中に押し返そうとする。
「足元が、緩いんですよっ!」
「あだぁっ!?」
私服の足払いが命中し、ぐらついていた制服の足元が払い飛ばされた。
制服の足が、ぼろりと足首の辺りから崩れ、全身が床に押し倒される。
「ひぃっ!? あ、足がっ!」
「私の変装をするために、わざわざシークレットブーツなんて使うからですよ。二十センチ近く底上げすれば、そりゃあ動きづらくもなるでしょう。アキラ」
ごろごろと転げながら、体勢を立て直した制服のミヤビ──清澄アキラ。
「私がここに来ると、なぜ気づいて……」
「お前ならそうすると思ったから」
「……ふふ。さすが捜査官、私のかく乱と妨害も無駄でしたか」
制服──に似せた手製のコスプレ衣装を脱ぎ捨て、普段の怪盗衣装に戻ったアキラが立ち上がる。
それに合わせ、ミヤビも銃を構え直して入り口の前に立ちふさがった。
「ですが、私の真意まではご理解いただけていない様子」
「真意? なに、まだ何かするの……」
「まさか。ここまで来て悪あがきなど致しません。真意と言ったのは訂正いたしましょう、正しくは『動機』ですよ」
アキラがひらひらと手を振り、流し目を送りながら笑う。
見慣れない、自分と同じ髪色のアキラにミヤビは鼻を鳴らして、
「で、それがなに?」
「聞いてくださいよ、捜査官。……貴女です」
「はいィ?」
「貴女が、連邦生徒会という檻の中で腐り果てていくのを見ていられなかった。それが動機です」
アキラの言葉に思考が止まり。
それから、はぁぁ~~~~……、と長く重いため息をついた。 - 169二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 07:19:07
はあー
- 170二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 07:34:55
こんなの聞いちゃったヴァルモブちゃんかわいそ
- 171二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 12:17:33
君は知りすぎた
- 172二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 12:36:47
ヴァルモブ「ふぇぇ…(なんだよイチャツキに警察巻き込むんじゃねえよ」
- 173二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 22:28:33
草
- 174二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 22:30:50
- 175一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/09(木) 23:47:11
「私が今拳銃しか持ってなくて良かったですね。マガジン全部撃ち切りたい気分ですよ」
「おや、不服ですか?」
「不服ですかっていうか……」
ミヤビの額に青筋が浮かぶ。笑顔を浮かべながら、ぷちん、と音がしたのを、ヴァルキューレ生は確かに聞いた。
「そんッッッッッッな理由で私今日一日かけずり回されたんですねぇ!!ぶっ飛ばすぞテメェ!!」
「ひぇっ」
ヴァルキューレ生の目の前で噴火する連邦生徒会長。
思わず声を漏らしてしまった彼女を二人とも気にしていないのか、種類の違う笑顔がにらみ合っている。
「貴女が連邦生徒会長になったのは、あの行政官の差し金でしょう? あの輝いていた貴女がもう一度見たかったのです。死力を尽くして私を追い詰めた貴女の瞳、今も思い出せますよ」
素晴らしい芸術品でした、とうそぶくアキラに、また青筋が脈動した。
「お前の思想は尊重しますが、それに私を巻き込まないでください」
「ですが今日の貴女はとても生き生きしていました。戻りたいとは思わないのですか?」
「あのねぇ……。今の私にも前の私にも、それぞれやるべきことがあり、それは決して自分のわがままで決まったものじゃありません。でも、それを行う立場になったのなら、全霊でそれに取り組む。生徒会長だって同じことです」
「捜査官も、ですか」
アキラが一度息を吐き、吸って、それから、
「良かった」
「はい?」
「己の職責に忠実に、己の正義に従順に。我が好敵手はそうでなくては」
「お前ねぇ……」 - 176二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:50:14
※ミヤビちゃんの推定CVはヘルエス様です
ドスが効いてそうでヴァルモブちゃんちびってそう - 177二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 05:31:00
もの凄い凛々しい声で凄んでそうよね…ミヤビちゃんかっこいいなあ…
- 178二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 09:24:08
イメージCV.冬馬由美さんだっけ? 1に貼られてる設定集には書かれてないけど
- 179二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 12:29:40
上に立つ者に相応しき威厳ある声
- 180二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 21:15:56
大変だね
- 181一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/10(金) 22:37:12
(今日の更新はありません、申し訳ない。設定の更新等は時間が出来た時にやっていくので、気が付いたら変わっているかもしれません)
- 182二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 07:47:41
りょー
- 183二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 11:35:31
う
- 184二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 18:29:13
かい
- 185二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:12:28
ほしゅ
- 186二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 08:58:04
楽しみにして待ってます!
- 187一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/12(日) 09:44:26
ミヤビは楽し気に笑う目の前の女にうんざりしたような、それでも慣れたような調子で肩を落とした。
思えば、これとの腐れ縁は自分が最初に事件を担当した時からずっと続いているような気がする。
腐れ縁、というには、相手から近づいてくる頻度が多くなっていったような気もするが、どうせ最後には矯正局にぶち込めたのだからと気にしていなかった。
残念ながらそこを脱獄したことで、終わったはずの腐れ縁が再開されてしまったが。
「まあ、なんでもいいです。大人しく投降しなさい、貴女には黙秘権があります全文略」
「ちゃんと言っていただきたいですね……」
「前に一度言ったでしょう。跪いて両手を頭の後ろに組みなさい」
「……まさか、本当にここで終わりだと思っていますか? 最後の大勝負がまだ終わっていないのでは?」
にやり、とアキラが笑う。
それを意に介さず、ミヤビがさらに口を開く。
「ところで、その髪染めたんですか?」
「はい? ええ、変装するのに髪色が違い過ぎましたから。しばらくはお揃いですね」
「嬉しくないんですけど」
「いいじゃありませんか、私はこの色も気に入っています」
「まさかがっつり染めたわけじゃありませんよね? しばらくって」
「丁寧に染めましたから、二月くらいはこの色のままですね」
「それは、良かったですね……」
こいつまじか、とでも言いたげな表情のまま、ミヤビはちらりと腕時計に視線をやる。
その視線に、アキラもミヤビの様子がおかしいことに気づいた。
そして、目の前の彼女が荒事には長けていないにも関わらず、ここまで出向いた理由を悟った。
「……時間稼ぎ、しました?」
「ええ、しました。後輩!」
「はいはい、人使い荒いんだからなあ、もー! 慈愛の怪盗、お前は包囲されている! 大人しく両手を上げて投降しろ!」
開け放たれた保管庫の入り口を取り囲むように、にわかに人の気配が動き出す。
いつの間にか、そこには数機のコマイヌとヴァルキューレ生徒、そして先生たちが集まっていた。 - 188一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/12(日) 10:46:59
「……いつ連絡したんですか? ヴァルキューレの通信網も、一般回線も、使用できるところには網を張っていたのに」
「コマイヌの機体間通信は傍受できなかったでしょう? あれ、ミレニアム謹製の特別回線ですから」
「D.U.地区まで車かっ飛ばしてた所にコマイヌが突っ込んできたときは何かと思いましたよ。おかげで保管庫が狙いだってわかりましたけど」
先生の傍に立つシラベが言う。
「狙いは保管庫だから、人を集めてヴァルキューレの証拠品保管庫へ。大至急って言われたから大慌てでしたよ」
「だから先生はスキットル持ってないんですね」
”さすがにね……。それで、君が慈愛の怪盗かな”
「お初にお目にかかります、シャーレの『先生』」
多数の銃口を向けられているにもかかわらず、アキラは生徒に囲まれて立つ先生へ、優雅に一礼して見せる。
その様子からはまるで追い詰められた気配など感じられなかったが、アキラは嘆息すると、
「……はあ、ここまでされてしまっては暴れるのも野暮、というものでしょう。降参します、我が好敵手」
「なら膝をついて、両手を後ろに」
言われた通り、アキラは膝立ちになり、その場で両手を頭の後ろに組んだ。
ミヤビが、朝に自分を繋いでいた手錠でアキラの両手を拘束すると、アキラは感極まった様子でにやにやと笑いだす。
「……お前、今ものすごく気持ち悪い顔をしていますよ」
「本当に、最後まで意を汲んでくださいますね。私を打ち倒すのが貴女で良かった」
「そうですか」
「淡白ですねぇ」
「他にどうしろと……」
結局、降参したアキラは連れていかれるまで、ずっとミヤビの方を見続けていた。
その瞳に宿る輝きを見てしまうと、この騒動がここで終わったとはどうにも思えなかったが、それでもこの騒ぎに一区切りを打つことはできただろう。
「……疲れた」 - 189二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 11:00:13
アキラが先生ASMR狂にならない世界線…!?
- 190二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 11:11:35
ミヤビちゃんの一連の絶妙に口の悪い敬語、二人の間の距離感が察せられてとても良い……
- 191二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 12:04:02
アキラとミヤビのこの簡単に形容できない距離感、今までのSSで一番好き
- 192二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 21:06:57
星?
- 193一条ミヤビ◆GrE9MODMBM24/05/12(日) 21:59:16
次スレ建てました!
生徒会長がいませェん!!【一条ミヤビ】パート20|あにまん掲示板私は連邦生徒会長とプライベートでバカやるのが日常『だった』連邦生徒会『元』行政官の新生徒会長、一条ミヤビ!トイレもベッドも机の下も行きつけの喫茶店も施工完了間近の新築ビルもこっそりつくった秘密基地も探…bbs.animanch.com残りは質問や見たいダイスの提案などあればやるかもしれません
- 194二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:04:35
ミヤビちゃんの好きな花とかってありますか?
- 195二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:05:59
星1のシラベちゃんの性能
- 196二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:09:02
一条ミヤビを軟禁したシリーズ配布来るのでは!?!?!?!?
- 197二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:09:16
医療スキル高かったけどミネ団長から勧誘ありませんでした?
- 198二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:10:09
ワイルドハントはやはりヤバい奴等の巣窟なんだな
これは治安維持組織も潜入しては染められてそう - 199二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:11:28
変装70って今回限り?それとも新しい恒常性能値?
- 200二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:12:27
200ならアキラ→ミヤビの湿度上昇