ゴールドシップ「あたしだって彼氏くらいいるぜ」

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:19:05

    桜が舞い散る春のある日

    「なぁトレーナー、チョコとかねぇの?せんべいにまんじゅうって随分ジジくさいチョイスじゃね?」
    「俺はまだ30だ!じじいじゃねぇって、そもそも早くトレーニング行けよ!」
    「まぁまぁ水くせぇことはいいからよぉ」

    ダラーんとソファーに寝転んでテレビを見るゴルシに俺は思いっきりため息をつく。

    「はぁ、あのなぁゴルシ、そろそろレースも近いんだしな…」
    「へーへー、ってそんなことより見ろよトレーナー!この特集!」
    「特集?」

    ゴルシに言われた通りテレビに目を向ければ
    《衝撃!現代小学生の恋愛事情!》
    の文字。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:19:42

    「今の小学生ってもう彼氏彼女の関係になるのか、嘘だろ…?」
    「あははっ、彼女いない歴イコール年齢のトレーナーにはちょっとキツい話だったかぁ」
    「はっ?なんで知ってんのお前!?」

    ニンマリ笑顔でゴルシがバカにしてきやがった。こいつ、こいつ…!!

    「べっつに彼女なんていなくても俺は充実してるからな!ってかそれを言ったらゴルシだっていないじゃねぇか!」

    ついムキになって言い返してしまった。いやこれは仕方ない。
    だがしかし、ゴルシはキョトンとした顔でこちらを見ている。あれ?ここはアタシは彼氏なんて居なくてもいい女なんだよとか言うんじゃないの?え?その反応まるで…

    「しっつれーな奴だなぁ。あたしにだって彼氏くらいいるぜ?」
    「えっ?嘘だろ…?嘘だろ??」


    思わず素で驚いてしまう。
    何せゴルシと言えばトレセン一の奇人、理解不能なノリでマックイーンや自分を筆頭に周りを巻き込み奇行をして生徒会に両手の指では足りないほど呼び出されたハジケリスト
    そんなゴルシに恋人、全く信じられない
    そうだこれはきっと嘘だ

    「さてはおめぇ、信じてねぇな?顔に出すぎだぞ」
    「いやぁ、べつに嘘つかなくていいんだよゴルシ。本当のことを言ってごらん?」
    「まじで信じてねぇのな。たっくしょうがねぇなぁ!こうなったらこのゴルシ様が特別に教えてやるよ!甘酸っぱぁい少年少女の恋のおはなしをよぉ!」

    え?これひょっとして強制参加?

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:19:50

    なんか面白そうなの始まったな

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:20:54

    ありゃー小五の夏の時だなー


    ミーンミンミンミーン
    8月某日、夏真っ盛り

    いつもと同じようにカブトムシ相撲大会に行ったんだけどよ

    「おーーい!来たぞお前ら!」
    「おっゴルシ!おっせぇぞもうカブトムシ相撲はじめてんぞー!」
    「焦んなよ!どーせ今日もこのゴルシ様とヘラクレス大王に敵う奴なんていねぇんだからな!」
    「はんっ!残念だったな、今日がお前の敗北の日だ!なぁ?A!!」
    「うぇっ!?えっ、えーっと…」

    そこに初めて見る顔のヤツがいたんだ
    すんげーなよっちくてオドオドしてて、いわゆるもやしってやつだな

    「ん?誰だお前?」
    「昨日この街に越してきたらしいぜ!Aっていうの。すんげーんだよ!でっけぇカブトムシもってんの!」
    「ふーん。初めましてだな、A。あたしはゴールドシップ、みんなゴルシって呼ぶしそー呼んでくれよな」
    「う、うん。よろしくね、ゴールドシップ」
    「なぁ!お前のカブトムシ見せてみろよ?すげぇデケェんだろ?あたしのヘラクレス大王と戦わせようぜ!」
    「う、うん。いいよ、ってゴルシが持ってるカブトヘラクレスじゃないんだね…?」
    「んなこまけーこまぁいいんだよ」
    「う、うーん?」

    見かけ通りボソボソ喋る、まぁちょっと言い方悪いけどいわゆる陰キャみてーなやつだったんだ
    どーせ持ってるカブトムシも見かけだけの弱っちいやつかと思ったんだけどな?

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:21:39

    「ま…負けた…このゴルシちゃん&ヘラクレス大王が…」
    「うおー!!すげーよA!ゴルシの無敗記録破ったぜ!!!」
    「すげーすげー!A天才だな!」
    「おーう!ゴルシ初の敗北はどんな気持ちだぁー?」
    「うっ、うるせー!今のはまぐれだ!もう1回やるぞ!A!」
    「えっ?あっいいよもちろん」



    すんっげーー強かったんだ!Aのカブトムシ
    連戦連勝のヘラクレス大王が手も足も出ないで完敗だったんだよ
    それが悔しくてな、何回も何回も戦ったんだよ。でもなぁ


    「か、勝てない…」
    「まじですげーよ!10回連続勝利なんてさ!」
    「え、えへへ。そんなことないよ」
    「ぐ…ぐぬぬぅ…」
    「すげー、俺もAのカブトムシみたいなの欲しいな……って、やべーもう4時だ!帰らなきゃ!」
    「えっ?あっホントだ!じゃーなー!」
    「おーう!じゃーなー!」
    「えっあっ、ばいばーい!」

    二人は同じ塾に通っててさ、あたしの門限よりも早く帰っちまうんだ。あたしの門限は5時までだったんだけど誰とも遊べないなんてつまんねーしいつもはさっさと帰るんだけどよ

    「………えーっと、帰らないの?ゴルシは」

    どーやらAも門限がまだみたいだったんだよな。二人はいねーしこんな絶好な機会はねぇじゃん?だからあたし頼み込んだんだよ、ちょっと悔しいけど

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:22:32

    「………なぁ、A」
    「えっと…何かな、ゴルシ」
    「あたしにつえーカブトムシの居場所を教えてくれ!!ぜってーーお前に勝ちたいんだ!」
    「えーーっと、それなのに僕に頼んでいいの?」
    「おう、背に腹はかえられねぇからな…あんな圧倒的強さを見た今あたし1人じゃおめーに歯が立たねぇことはよーくわかった。でも、このまま負けっぱなしじゃ悔しいだろ?だから頼む!この通りだ!」
    「うっうぅ、そう言われても…カブト丸を捕まえたのは偶然だし…カブトムシを捕まえる方法は分かるけど、強いカブトムシを捕まえるのは」
    「そんなつめてーこと言うなよぉ?なぁ、このとーり!」
    「…カブト丸みたいなやつが捕まえられるとは限らないよ?」
    「あぁ!任せろ絶対アンタと一緒にカブト丸よりつえーやつ捕まえて倒してやるからさ!」
    「うん、分かった。じゃあ明日の朝5時にまたここに集合でいいかな?」
    「5時!?早くね!?」
    「カブトムシを捕まえるには朝早くか深夜だけど僕らは子供だしね、朝にしよう」
    「ううーっ、起きられっかなぁ」
    「頑張ってよそこは。あとちゃんとお母さん達にも伝えとくんだよ?」
    「おう!そこは任せろ!んじゃ分かった明日の朝5時集合な!」
    「うん!じゃーね!」


    あいつは難しいって言ってたけどさ、正直あんな強え奴と一緒ならすぐに最強のカブトムシ捕まえられるって思っててさ。ワクワクしながら家に帰ってったんだ。
    そんで朝母さん達よりずっと早く起きてAと一緒にカブトムシ捕まえに行ったんだけどさ…

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:22:44

    A君!A君じゃないか!生きとったんか我ェ!

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:23:18

    「へーい!ゴルシ様が来たぜ!」
    「おっ来たかゴルシ。」
    「おうっ!って暇そうに待ってたけどAひょっとして早く来てたか?」
    「うん、なんか15分前行動しないとソワソワしちゃうからなぁ」
    「Aってなよっちいだけじゃなくてすんごい神経質なのな」
    「なっ!なよっちくないぞ僕は」
    「へーへー、んで?どこにカブトはいんだよ」
    「……お手製シロップ昨日塗ったからそこにいるんじゃないかな」
    「お手製シロップ!こりゃ期待大だぜ!んじゃ早速出発だ!」
    「はいはい。こっちだよ」
    「レッツラーゴー!ゴーゴー!」


    あのカブト丸を持ってるAが作ったお手製シロップ。さぞかしデケーカブトムシがかかってるんだろうと思ってAを急かしながら行ったんだけどな…

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:24:54

    A君穢土転生させるのやめない?

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:26:38

    あのカブト丸を持ってるAが作ったお手製シロップ。さぞかしデケーカブトムシがかかってるんだろうと思ってAを急かしながら行ったんだけどな…


    「……いないな」
    「カナブンしかいないね…」
    「さてはA、アタシにカブト丸が倒されるの怖くて偽モンのシロップ塗ったんじゃ…」
    「そ、そんなことないよ!」
    「怪しい…」
    「あー、分かったよそれならでかいカブトムシ捕まえるまで付き合ってやる!」
    「おっ、いったなー?」


    まぁ成果はなかったけどあたしの策略が嵌ってAがカブトムシとりに付き合ってくれるようになったんだ、あたし天才だろ?

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:27:11

    >>9

    これ普通にAくん報われです、ネタバレだけど

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:27:56

    >>11

    えっ 今日はA君が報われてもいいのか!!

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:28:42

    この流れでAが報われないことないだろ
    BSSは最初にトレーナーが味わってるんだから

  • 14二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:29:14

    ごめんちょっと1部消えたから5分待って

  • 15二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:30:34

    Aが報われたか……やつはBSSの中でも最弱……
    Aくんが報われても次のBくん、Cくん、Dくん、Eくん……Ωくんまで曇ってもらうぞ

  • 16二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:30:38

    A君の幸せな未来が一部消えた…だと…!?

  • 17二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:32:47

    「となると明日用にシロップ塗り直さないとなぁ、一回家戻るか」
    「お?ならアタシも付き合うぜ!あんたにばかりにやらせるのは不公平だからな!」
    「いいのか?」
    「おうよ!ところでAはどこに住んでんだ?」
    「床屋の隣だよゴルシは」
    「あたしは床屋の近くの水色の家」
    「え?あのでっかい家?」
    「おうそーだろ?すげーだろ!」
    「てか待ってよ僕らすごい近所じゃん!」
    「歩いて30秒かかんねぇな!」
    「あははっほんとだね!」

    とまぁこんな流れでAとは毎日カブトムシを捕まえに行く中になってな、夏の終わりにはだいしんゆうになってたのよ

  • 18二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:33:01

    >>16

    これもうチゲゾーの仕業だろ

  • 19二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:34:21

    「うーーん、もうカブトムシかからねぇなぁ…」
    「もうすぐ夏も終わっちゃうしねぇ、どんどんかかりにくくなるよ」
    「あっ、夏も終わるっていやさ。Aは明日の夏祭り行くよな?」
    「え?夏祭り?ひょっとしてそれってすぐ近くにある神社でやるやつ?」
    「ああ!今年はあいつら塾で参加出来ねぇらしいしさ。お前が来なかったらゴルシちゃんぼっちになっちまうんだよ!なぁ一緒に行こうぜ?屋台も沢山出るし花火もあがんだぜ!このゴルシ様が特別に最高の花火スポット連れてってやるからよー」
    「へー、すごい楽しそうだね!もちろん行くよ明日は何も予定ないしもちろんだよ!花火楽しみだ!」
    「よーし、んじゃ明日6時にお前ん家いくからな!楽しみだぜ!」
    「そうだね!」

  • 20二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:35:06

    あたし夏祭りが大好きでよ。でも今年はあいつら2人が来れねーし寂しく1人で行くのかなって思ってたからAと一緒にに行けるって分かってすんごく嬉しかったんだ。だから家に帰って1番に母ちゃんに報告したのよ






    「なぁ母ちゃん母ちゃん!明日Aと夏祭り行ってくる!」
    「あら、それならせっかくだし浴衣きてきなさいな」
    「えー?ゆかたぁ?やだよ動きにくいし…それにさ」
    「それに?」
    「浴衣なんて恥ずいだろ?そんな女の子っぽいの」
    「ふふふっいいじゃない。きっとゴルシに似合うわよ。それにきっとAくんも浴衣でくるわよ?」
    「え?なんで分かんの?」
    「Aくんのおばあちゃんが着物を着る人なのは知っているでしょう?」
    「うん、何度か会ってるし」
    「Aくんのおばあちゃんがね、Aくんの浴衣の着付けするの楽しみって言ってたのよ。孫に着付けするのが大好きな方なんですって。」
    「へー。初めて知った」
    「えぇ、どうせならAくんとお揃いになるし着てみましょうよ?お母さんのお下がりがあるしね」
    「まぁ、そういうことなら…」



    あたしは動けないの嫌いだし浴衣大っ嫌いだったんだけどよ。Aのお揃いって知って何故か了承しちまったのよ。その時はあたしどうしてかすこっしも分からなかったんだけどよ、多分母さんはなんとなーく気づいてたんだろうな、あたしがAのこと…

  • 21二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:35:46

    「おーいA!来たぞ!」
    「おっ、ゴルシ。ってゴルシ浴衣で来たの?」
    「お前が浴衣で来るっお前のばあちゃんから聞いたからよ。どうだ似合ってるか?」
    「うん!すごく可愛いし似合ってるよ!」
    「…おっおう。ありがとな。お前も似合ってるよ」
    「ありがとう、これおばあちゃんが選んでくれたからね」
    「へー…って早く行かねぇと!イカ焼き売り切れちまう!おいてくぞ!」
    「え?ちょっと待ってよゴルシ!」



    いつもならさ、
    「このゴルシ様だぜ!当たり前だろー!」
    なんて笑い飛ばせるのにさ。初めてAから可愛いって言われた時、すごく恥ずかしくてさ、でも嬉しくていつも通りにリアクション出来なかったんだよな。なんなら顔少し熱かったしよ。まぁそんなこんなでいつもよりすこーしドキマギしながら神社に行ったわけよ

  • 22二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:36:59

    ワイワイ、ガヤガヤ


    「……人多くない?」
    「いつもこんなもんだぜ」
    「えっ嘘でしょ?僕の知ってるお祭りと違う…」
    「まぁここそこそこでけぇ神社だしな!そんなことよりイカ焼きたこ焼き焼きそばだ!」
    「あぁうん、そうだね早く買いに行こう」



    まぁでもさっきの気持ちはさ、祭りマジックってやつかね?心躍らずにはいられない雰囲気にさっきまでの恥ずかしい気持ちとかも消えて屋台で色々買い回ろうと意気込んで意気揚々と駆け出したんだ



    「ふーっ…食った食った」
    「だねぇじゃがバタ美味しかったなぁ」
    「だーい満足だぜ。って今何時だ?」
    「え?えーっと、6時50分」
    「やべぇやべぇ花火まであと10分しかねぇぞ!あそこそこそこ歩くからギリギリになっちまう」
    「えっ!?ちょっと待ってよゴルシ!!」

  • 23二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:37:45

    美味しい食べ物に射的やヨーヨー釣りとかですっかり満喫しちまってたからよ。花火スポットに行くのがギリギリになっちまったんだ
    全速力でそこへ行きたいのに浴衣だから上手くいかなくてよぉ


    「はやくしねえとっ…ってうわぁ」
    「ゴルシ!!」

    砂利道で思いっきり躓いてさ、やべぇこれ顔面直撃だって真っ青になってたらさ


    「……ふぅ、セーフ」


    あいつが支えてくれたんだ
    その支え方がよ、これもはや抱きついてねってくらいくっついててさ、そーしたらまた可愛いって言われた時みたいに顔が熱くなって恥ずかしくなったわけ



    「ゴルシ、ただでさえ浴衣は転けやすいんだ。走るなんてもってのほかだぞ」
    「お、おう。ごめん…」


    また上手く声が出ないわそもそもAの顔が見れないわでやばいのなんのよ

  • 24二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:38:08

    A 君が報われたらそれはA君ではないのだ

  • 25二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:38:21

    ノロケ話聞いてるトレーナーめっちゃ恥ずかしそう

  • 26二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:38:30

    「はぁ、ってあれ?ゴルシひょっとして鼻緒切れてないか?」
    「え?まじで?ってほんとだ」
    「あちゃぁ、ゴルシとりあえずこれ直そう、あそこにベンチあるし1回座って」
    「え?お前直せんの?」
    「うん、おばあちゃんが万が一があったらって。色々持たせてくれたし」


    あたしの手を引いてゆっくりベンチまでリードしてさ、手際よく下駄を直してくれんのよ
    オマケにちょっと砂利の上歩いて汚れた足を拭くためにさ、あたしの足を触ってくるわけ
    もうとにかく心臓体から飛び出すんじゃねえかってくらいバクバクしてんの
    そんでもってトドメと言わんばかりにさ


    「ほらできた」


    そう言ってこっちを見て優しく笑ったAを見てさ。あたしやっとわかったんだ

    あぁ、あたしこいつのこと好きなんだって
    こいつに、Aに恋してたんだって

  • 27二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:39:11

    「ゴルシ、立てる?」
    「たっ、立てる…」

    自覚しちまったらさ伸ばされた手を取るのもさっきの何十倍も緊張してよぉ、俯きながら蚊みてぇな声を出して応えるしかなったのよ恥ずかしくてたまんないんだけどさ、でもAの手に触れたいし少し震えながらも頑張って手を伸ばしたんだ
    もう心臓バクバクうるさくてさ花火どころじゃないってのなんの


    「よーしいくよ?せーのっ!」


    それなのにあいつは無邪気に笑ってあたしを引っ張って立たせるんだよ。こっちがどれだけお前にドキドキしてるか知らずにさぁ

  • 28二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:39:58

    「うん、立っても鼻緒ズレてないね」
    「あんた、器用なのな」
    「あぁよく言われるかも」
    「まぁ、その…ありがとう」
    「えへへ。どういたしまして、それじゃ先に行こう」
    「!?って、手繋いだまま行くのか?」
    「え?またさっきみたいに躓いたら危ないだろう、慣れてない浴衣で転けたらすごく痛いだろうし…あっ嫌なら離すけど」
    「べっ、別にいやじゃねぇよ!なぁそれより花火行こうぜ!花火!」
    「うん。ゴルシ、はやく案内してよ」


    オマケにあいつ、Aというやつは!手を繋いだままアタシに案内させるんだぜ?もういつものお得意の口がまるで回らなかったわ
    Aも静かなアタシを不思議そうに見やがるしさ。お前のせいだっつーの!
    まぁでもさ

  • 29二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:40:30

    甘酸っぺぇ〜〜〜!
    いいぞー

  • 30二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:40:50

    パーンパンパン


    「うわぁ綺麗」
    「だろ?ここから見るとすんげー綺麗なの!」


    花火どころじゃないって言ってるけどさ
    あいつと手を繋いで一緒に見た花火は世界一綺麗だったんだよな
    まぁちょいちょい花火に照らされてるあいつの横顔盗み見てたりはしてたけどな

  • 31二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:41:20

    尊さで死にそう

  • 32二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:41:28

    とまぁこれがあたし秘蔵の恋愛話よ、どうだトレーナー?」
    「いやどうって言うか…想像の5000倍くらい真っ当なラブストーリーで…ちょっと砂糖吐きそう」
    「だろぉ?このゴルシちゃんにもかーわいい時期があった訳よ」
    「んで、そのAくんとはどうなってんの?付き合ったの?」
    「おう!現在進行中でな!」
    「おっ?告ったのはどっちよ」
    「なんとAだぜ!」
    「え?さっきの話からてっきり俺はゴルシから告ったのかと…」
    「まぁーあの夏祭りのあとも基本的には4人で遊んでたしさ。あたし中学からトレセン行くから寮暮らしになるしよ、当たって砕けろの思いで告ろうかと思ったら卒業式の日に逆にあいつに呼び出されたのよ、花火見た場所にな」
    「それでそれで?」
    「んでまぁ緊張しながら行ったらさ、あいつ《ここで二人で花火を見た日からずっと大好きです。付き合ってください!》だとよ!だとよ!」
    「それで!それで!ゴルシなんて言ったのさ!」
    「《あたしもその日からずっとずっと大好きだった!》って言っちまったぜ!」


    そう言う彼女はいつもの大胆不敵な顔とちがい、年相応、いや少し幼い少女のような笑みをたたえていた

  • 33二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:42:03

    「トレセンに来てからはどうしてるんだ?」
    「2人とも携帯持ってたから基本毎日連絡取り合ってたぜ!長期休暇とかは地元に帰るしその時にデートだな!」
    「最高に甘酸っぱくて俺驚いてるよ」
    「へへっ、そうだろ。それでさトレーナー実は折り入って頼みがあるんだけどよ」
    「ん?なんだ?」
    「実は今年の春からさ、あいつの父ちゃん転勤とかでこっちに来るんだ!なぁ?あとは言いたいことわかるだろ?」

    ……なるほど。普段こんな恋愛系の話をしないゴルシが俺にこの話をした意味が今よく分かった。


    「つまりデートをしやすいようトレーニングを調節しろと…」
    「なー?頼むよトレーナー、可愛い担当愛バのこんなお話聞いて無視するなんてひでぇことしないだろー?」

  • 34二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:42:03

    トレーナーの脳破壊されてそう

  • 35二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:42:37

    正直図星だ。普段と180度違うゴルシのギャップでかなりやられている。まぁそれに元々かなり遠距離でろくにデートをすることもなかったんだろう。ならまぁ今回は折れてやるのが筋だ。何より担当愛バの可愛い恋路は全力で応援してやりたい


    「トレーニングに支障は出すなよ?」
    「!へへっ、もちろんだぜトレーナー。サンキューな、結婚式には呼んでやるよ!」
    「おう、招待待ってるぞ」



    結婚式。少し気が早い気もするがそれでも年相応に浮かれる彼女はやはりまだまだ、いい意味で子供なのだなと思う。
    いつかくる結婚式。可愛い担当愛バのウェディングドレスが楽しみだ。

  • 36二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:42:55

    終わり

  • 37二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:43:27

    超真っ当に報われてる!?

  • 38二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:43:51

    平和でええなぁ

  • 39二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:44:00

    また書き溜めてんの間違って消したり行間間違えてたりで読みにくいけど楽しんでくれたら嬉しいです
    Aくん報われて欲しいなっておもってたらこんなの書いてしまった

  • 40二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:44:06

    乙、平和で良いssだった

  • 41二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:44:43

    今まで脳破壊ばかりされてたA君が報われた…良かった…

  • 42二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:45:16

    いいトレーナーだな…
    いい人見つけてくれ

  • 43二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:46:02

    個人的にはトレーナーは担当と他の誰かがくっついてたりそうじゃなかったりを優しくアシストするイメージなんでそれを詰めました

  • 44二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:46:50

    トレーナー=Aで「あれ…ゴルシっていくつなんだ」オチかと思ってた…ゴルシに毒されてるな俺

  • 45二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:51:24

    甘過ぎる内容から、am11:00思い出した

    だからお願い 僕のそばにいてくれないか
    君が好きだから
    この思いが君に届くように
    願いが叶いますように

  • 46二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:52:18

    Aくん=トレーナーってオチかと思ってた

  • 47二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:56:37

    >>44

    >>46

    面白そうだけどこの内容書けるほど文章力高くない…誰か書いてよ…

  • 48二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:57:23

    良かったぁ……正直リアルBSS経験した身としてはウマ娘BSS読む度にダメージ負ってたからこういうのが本当にありがたい……

  • 49二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 17:59:17

    >>48

    強く生きてな…

  • 50二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 18:01:20

    >>48

    誇れ、お前は強い

  • 51二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 18:09:42

    A君なせいで色眼鏡で見てしまって申し訳ない

  • 52二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 18:27:57

    ごめん1部再放送があるのに今気づいた殺してくれ…

  • 53二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 18:49:54

    ゴルシからこんな全うな甘酸っぱい青春秘話が出るとは思わなかった
    めちゃくちゃ良かった
    これだからSS読むのはやめられねえ!

  • 54二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 19:16:38

    Aには既に彼女がいてゴルシがBSSされる展開だと思ってて済まない……

  • 55二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 19:31:55

    ここの住人bssとか脳破壊好きすぎないか?

  • 56二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 20:35:55

    ゴルシ夢女だけどBSSと良SSの相互作用で脳が破壊と再生を繰り返してるよ😇

  • 57二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 21:13:28

    >>56

    セルフで永久機関作ってる…

  • 58二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:05:08

    こういうトレーナー以外と全うに恋愛してるウマ娘概念すき

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