- 1二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:45:44
- 2二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:45:55
一番ダメな奴
- 3二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:50:00
何この運命力…
- 4二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:51:26
元メンデル関係者はdice1d2=1 (1)
1.善寄り
2.悪寄り
- 5二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:52:11
善より(メンデル比)
- 6二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:53:25
わかんねーじゃん!
メンデルでの研究に罪悪感持ってる人かもしれねーじゃん! - 7二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:54:28
ヴィアさんみたいな人なら普通に保護してくれそうではある
- 8二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:55:00
メンデル職員で善寄りなのがヒビキ夫妻なのおかしいだろ
- 9二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:55:33
これ実験が成功すれば救われる人達がいるんだ!(n0体目)
- 10二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:58:20
基本的に生命を愚弄している人の業製造集団メンデル
- 11二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:00:31
ユーレンがまとも呼ばわりされてる時点でイカれてんだメンデル関係者
- 12二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:01:40
この場合のまともさは相対値じゃ無くて絶対値で考えないと駄目よね。
- 13二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:03:23
じゃあまともな人いませんね…
- 14二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:04:42
実は生きてたアウラとか議長だったりしたら嫌すぎる
- 15二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:07:18
善ってのも物差し次第だからな
アコードの技術を解明してコーディネート技術を進化させて人類に黄金の時代をもたらすのだ!(だからその為の礎になってもらう)
だと本人に悪意は無いし人類全体から見たらプラスだけど犠牲にされる方からしたら邪悪だし - 16二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:08:42
善より(ボ卿)
- 17二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:09:20
メンデル関係者の目的はdice1d3=1 (1)
1.単純に保護
2.アコードを増やして人が分かり合える社会に
3.アウラの研究成果に興味があった
- 18二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:11:54
救いはありまあああす!!!
- 19二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:12:11
まぁこればっかりはねぇ…過去にも麻酔薬だったり伝染病の治療だったり、新薬だったり最終的には人を試さないといけないからな…
- 20二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:12:40
え、何、マジでいい人?
- 21二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:12:52
思えばキラやラクスもメンデル関係者ではあるんだよな、研究者側じゃないだけで
そのくくりだとクルーゼやレイも入っちゃうけど - 22二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:14:27
メンデル関係者(元被験体)かもしれんな
- 23二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:16:10
ありえない展開にポップコーンを落として狼狽える仮面の亡霊
- 24二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 09:54:20
結構たくさんいたし一人や二人いてもおかしくないから…
- 25二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:35:25
イングリットの状態
高いほど健康
フィジカル dice1d100=8 (8)
メンタル dice1d100=45 (45)
- 26二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:36:27
死にかけてる…これは保護して大正解だわ
- 27二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:38:02
大丈夫…?砂漠の虎くらいダメージ喰らってない…?
- 28二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:38:08
マイフリ戦の後か?
- 29二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:42:41
失敗作として廃棄されたりなんなりの子供たちを引き取ってそう
- 30二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 14:45:07
まぁ爆発してなんか生きてるってムウさんやバルトフェルドさんみたいなもんだからな、、、、、
- 31二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 15:06:55
イングリット生きてるならオルフェも…ってのは厳しいかな
- 32二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 16:24:39
さて、お労しいが無くなるかどうか
- 33二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 16:29:13
- 34二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 16:42:08
- 35二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 16:43:12
何処ぞの親なしの子供を育てて海軍に売る聖人みたいな奴だな
- 36二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 18:19:09
猫虐待コピペのノリじゃな?
- 37二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 18:19:51
もしかしてヒャッハーの人もそうやって保護された子供が大人になった奴か?
- 38二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:14:24
ヒャッハーの人は
dice1d4=3 (3)
1.賞金稼ぎ
2.軍人くずれの悪党()
3.ジャンク屋
4.施設出身の元失敗作
- 39二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:21:44
ははーんさてはこのジャンク屋「上物の(モビルスーツの残骸と)女だー!!」ってなってたな?
- 40二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:24:09
ブラックナイトカルラとか上物ってレベルじゃねーぞ、その辺の月面に内部機構以外は無傷のドラグーン落ちているし
- 41二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:42:19
技術流出したらまた騒乱が起きるレベルだ
- 42二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 06:21:53
とりあえずイングリッドは保護して
回復したらオーブかコンパスか?
オルフェが居たらMIAにするのが最適だろうが - 43二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 06:46:07
オルフェが助からず一人だけ生き残ったとすると肉体面だけじゃなく精神面も相当なケアが必要だな…
- 44二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:07:05
「…私は、どうなるのですか?」
「はあ?別にどうもしないよ。しばらく生活はこっちで面倒見るから。元気になったらその後はアンタの好きにすると良いさ。…ただ1個だけ!この白いMSだけ調べさせて!ね!?」キラキラ
「………フフッ」(おかしな人…)
こんな感じ?
- 45二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:14:59
メンデル関係者特有のイカれてる部分はMSへの探求心だけで人間性はほぼまとも?
- 46二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:17:27
ジャンク屋さんはスッゲーど田舎で機械いじりだけやってて、カルラもイングリットのことも知らないのかな?
- 47二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:19:17
- 48二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:20:04
「高値の懸賞金」を貰うんだから自分で保護じゃなくてそっちに届け無いとダメだ
- 49二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:21:06
保護したのがジャンク屋で賞金懸けてたのがメンデルの人で別人じゃないのか?
- 50二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:21:17
カルラで発見されたなら近くにオルフェの死体も転がってんのだろうか
死んでるなら弔うくらいはしてあげたいな - 51二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:22:18
- 52二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:22:55
うわぁ…どうしよ…
- 53二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:23:27
まあフツノミタマ刺さったならきついか···
- 54二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:24:31
これ、カルラの操縦席で隣に死んでるオルフェが居た状態で発見されたのかな……
- 55二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:26:55
これの後にジャンク屋さんが「さーて物色、物色♪……ッッ!!」って感じで遺体を見つけてしまったのかも…
- 56二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:29:14
「オルフェ…ねえオルフェ…」
「ねえちゃん、もう諦めろ。深くは聞かないが、アンタの想い人は、もう…」
「なにを、言っているの…?だってここに…オルフェはいるじゃない…」
「違う。アンタの抱えてるソレはもう、オルフェって人間“だったもの”だ。」
「…イヤ、イヤ…イヤ~~~~~~~~!!」
…的な感じの一幕がありそうだな。
- 57二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:31:04
ほんの少しだけジャンク屋さんとの会話で元気になったイングリットも、遺体が見つかったらまた廃人状態に逆戻りだな…
- 58二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:32:22
これは回復は無理か
- 59二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:35:18
正直フィジカル8で意識あったのかって疑問はあるが
- 60二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:37:27
オルフェ死亡ルートの本編後だとメカオルフェ化でもしてくれないとイングリットのメンタルが死んでしまう!
- 61二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:38:02
- 62二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:40:28
- 63二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:41:11
結局お労しいじゃねぇか
ダイスの馬鹿野郎 - 64二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:44:06
依頼元もいい人っぽいから早く届けてそっちでメンタルケアしてもらった方が良さそう
てか懸賞金かけたの誰だろ?やっぱりキララクあたりか? - 65二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:45:37
最初のうちは「…もう放っておいて!!私はもう…生きていたくなんか…!!」ってなってるけどジャンク屋の介護のおかげで「私が消えたら、オルフェは本当に消えてしまう…生きなきゃ、オルフェの為にも…」ぐらいまで行けたら御の字だな…
- 66二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:47:00
- 67二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:47:04
イングリッドの能力からオルフェのクローンとか房総方面に走ってもおかしくない
これ本当にラクス達が動かんともっとお労しくなる - 68二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:48:21
ホント「食べることは生きること」だからな…少しづつ元気になれ…
- 69二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:48:40
ジャンク屋君頑張って欲しいけど少ししたらメンデルの人の方に送られちゃうんだよな
- 70二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:49:42
- 71二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:50:20
- 72二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:51:04
ブルコス過激派に見つかりでもしたら、命懸けの逃避行しなきゃいけねぇよ…
- 73二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:51:42
あんまり有名じゃない研究者であってくれ…
- 74二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:54:18
- 75二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:54:40
- 76二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:56:10
オーブ在住の元メンデル研究者とか、モルゲンレーテに縁ありそう
- 77二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:56:55
ヒャッハー要素が息してない…
- 78二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:58:41
これアレだカガリかキラを影ながら記ろ…見守っていたメンデル職員だな
- 79二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:58:51
オルフェの予備とか見つけて生きがいになるとかかな
- 80二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 08:59:40
コレ「戦場で行方不明になったカルラを回収したジャンク屋」がいるって噂を聞いたエリカさんが偶々知り合いだった懸賞金出してたメンデル関係者を誘って来てくれないかな…
- 81二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:01:28
- 82二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:05:26
そっとしておいてほしいが、そうするには古巣のやらかしがデカすぎるんだ。
- 83二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:05:47
- 84二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:17:25
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:19:16
- 86二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:23:59
- 87二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:29:09
ちょっとずつだけど生きる気になってくれてる...良かった...
- 88二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:30:51
元メンデルさん、他にも保護してる子がいるならマルキオ導師の孤児院とも繋がりありそう
希望する行き先があれば色々ツテもあるだろうけど、ひっそり暮らす一択のイングリットならジャンク屋くんのところに行くのは割とありだよな - 89二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:32:23
アウラの奴がなんか残してたりしないだろうな、保険とか
- 90二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:32:54
- 91二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:36:35
ジャンク屋君がエルドアとは真反対の国境付近を拠点に活動してた元ファウンデーション国民とかだったらどうなるんだ...イシュタリアとかエルドアに親類縁者とか知り合いとかがいて自演核攻撃で死んでたとかだったら...
- 92二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:40:55
懸賞金かかってたわけだからある程度の説明は元メンデルさんから受けてそうな気はするけどどうだろ
ジャンク屋なら脛に傷持ってる人との関わり多そうだし…傷のレベルが違うと言われると反論できないけど - 93二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:45:48
脛に傷(自演核攻撃&世界中、宣戦布告&レクイエム)
- 94二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 10:03:23
- 95二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 10:04:10
- 96二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 10:05:58
スカンジナビアか...一番無難なところだな。
- 97二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 10:40:51
イングリットの素性をジャンク屋くんは
dice1d3=3 (3)
1.気づく(過去のネット記事や映像等を見て)
2.全然気づかない
3.イングリットから打ち明けられる
- 98二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 10:58:39
希望があるなら生きていて欲しいが
ほんっとにダイスの邪神め - 99二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:09:49
「どう?こんないいレストランのことなんてよく知らなくて…口に合った?」
「いえ、むしろ申し訳ないです…何の役割も果たしてない私にこんな食事…」
「ま、今の君の役割は休んで、楽しんで、英気を養うことかな。
…あと、そういう時は『すいません』じゃなくて、『ありがとう』て言ってほしいかも」
「…!分かりました。ありがとう。あと…その…私は…実は…」
「…いいよ、無理して自分のことしゃべらなくて。俺も無理に聞かないから」
(いつか…いつか私のことを話さなくては…でもそれを聞いたら…あなたは…) - 100二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:20:35
- 101二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:27:33
- 102二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:30:31
- 103二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 11:36:51
いっそ酷いことされた方が救われる顔しそう
それを見て逆に色々察しそうだが - 104二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:00:15
- 105二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:37:08
- 106二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:49:34
あーもうこれ白状するしかないな どうなるかなあ…
- 107二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:58:07
- 108二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:11:01
- 109二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:18:57
ここで殴らないだけ大人でいいヤツっすよ
- 110二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:20:09
メンデル関係者の人は普通に保護したがってるらしいしそこに送った方がお互い平和かな…
- 111二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:23:43
「だからずっと辛かった!!あなたが私の事を気にかけてくれる度に心が痛んだ!!私には、誰にも優しくされる資格なんて、ないのに...消えるべき存在なのに!!」
「...フザけんな...」
「エッ...」
「フザケンナ!!」
...グチャグチャした感情に身を任せ、彼女の服を掴み詰めよった俺は叫んでいた。
「消えるべき存在だと...フザけんじゃねぇよ!!お前が消えてなんになる!!誰が救われる!!さっきのお前の言葉はただの逃げだ!!自分の責任から逃げようとしてるだけだ!!」
「じゃあどうすればいいのよ!?数え切れない程の人を消し去った...細やかな日常を、希望に満ちた未来を奪った!!教えてよ...私は一体、どうしたらいいの...」
「...生きろ。」
「エッ?」
「どれだけ惨めでも、泥水を啜ってでも生きろ。生きて、どこかの誰かの未来を守れ。奪った数以上に!!出来る出来ないはどうでもいい、やれ。それが...お前の責任の取り方だ。」
「......」
「でも、一人で出来ないって言うなら...俺が手伝う。見届けてやる。」
- 112二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:26:38
ヒャッハーするのはMSに対してだけなんだろうなジャンク屋くん
- 113二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:29:18
- 114二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:30:38
下手したらラクスが表に出かねんな
- 115二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:37:10
- 116二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:40:03
- 117二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:41:34
遺伝子として解明はされてるしゆりかごとかのマインドコントロールで使わないようにすることはできるのかもしれない
- 118二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:45:33
遺伝子で出てくるってことは脳機能の一部だから
薬や外科手術でその部分を麻痺させるなりすればいいんじゃね - 119二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:51:47
この研究者よくアウラに暗殺されなかったな
昼行灯決め込んでたのか何なのか - 120二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 13:55:53
この研究者NT専門かな
- 121二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 14:01:13
今更だけどジャンク屋くんの年齢
dice1d12=9 (9) +18歳
- 122二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 14:14:14
...勢い任せに生きろとイングリットに発破をかけた。だが、どうやら世界は彼女に責任を取らせてもくれないらしい。あれからよくニュースを見るようになったが、先日ファウンデーション事変の戦後処理において事の顛末とアコードに関する重大な発表があった。彼等は人間の精神に干渉し攻撃性を引き出す能力を持っている、コンパスのキラ・ヤマト准将の軍事境界線越境及びユーラシア領内への攻撃はこの能力によるものである、そして事変後、死亡が確認されていないアコードがいる...故に地球連合は加盟国に対し生き残ったアコードの捜索及び確保を要請し、プラントにもこの捜索に協力を要請する...とのことだ。皮肉なもんだ。ホンの数年前まで絶滅戦争一歩手前まで行ったナチュラルとコーディネイターが、アコードという共通の不安材料を相手に手を組もうとしている。それは構わないが...困った。これじゃあイングリットに責任を取らせることが出来ない。そんなある日、一通のメールが届いた。送り主は...イングリットの身柄に懸賞金をかけていたメンデルとかいう研究施設で働いていた研究者。彼女をこちらで預かると伝えてから久方ぶりの連絡にはこう書かれていた...
「彼女のアコードとしての能力を消す方法を知っている。君達が望むなら、すぐにオーブに来てくれ。」
- 123二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:18:30
- 124二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:28:49
オーブの姿勢次第だけどモルゲンレーテやマルキオ導師経由で研究者さんの人物保証はもらえそうではある
- 125二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:28:57
...正直疑わしかった。俺達は今、実質全世界を敵に回している。罠の可能性は何度も考えた。だが...提案に乗ることにした。あの日に決めた「彼女に償いをさせる、その道のりを見届ける」という誓いの為に。それに、送り主は彼女の身柄をこっちで預かると持ちかけた時に快く応じてくれただけでなく、当座の生活費として懸賞金も払ってくれた。大きな恩がある。...何より行くと決めたのは彼女なのだ。着いていかないという選択肢はなくなった。すぐに返信を送り、返ってきたメールにはこう書かれていた。「三日後に迎えが行く」と。三日後、俺達の前に現れたのは...
...ずんぐりむっくりとしたフォルムの赤いMSだった。
- 126二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:31:36
独りしかいねぇよそんなMS動かす奴
- 127二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:34:12
角が生えたやつですね分かります
- 128二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:38:45
- 129二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:39:36
いつの間にかジャンク屋君も付いてくるルートになってるな
- 130二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:51:31
三日後、俺達はオーブにたどり着き研究者の待つアカツキ島へ向かうことになった。驚いたのはその道中を共にするメンバーだ。アスラン・ザラと彼の同僚だというメイリン・ホーク、オーブ軍からもレドニル・キサカといういかにも強そうな軍人が着いてくることになった。...嵌められた、逃げようと思ったけれど、アカツキ島に着いてもオーブ軍が銃を構えて待っているなんて事はなく、車に乗せられて更に別の場所に向かった。たどり着いた場所で俺達を待っていたのは...
「アスラン、お疲れ様」
「キラ、ラクス、連れてきたぞ。」
「ありがとうございます。」
...どうなってんだ?なんで目の前にコンパスの総裁と准将がいるんだよォ!? - 131二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:55:11
- 132二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:57:14
- 133二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 15:58:06
- 134二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:00:53
ちょくちょく設定ダイス振ってる人とSS書き出した人は別な感じかこれ?
- 135二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:02:26
スレはそういうものでは
- 136二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:05:51
- 137二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:24:00
- 138二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 16:56:44
ありがとうございます。
...目眩がした。俺は近々死ぬのかと思った。誰だってそう思うだろ?アスラン・ザラに連れられた先で目の前にキラ・ヤマトとラクス・クラインが現れたら...
「お疲れ様。ゴメンね。僕達が迎えに行けたら良かったんだけど...」
「...お前とラクスが見つかる方が大問題だろ?この程度、トリィやハロを作るよりも簡単だ。」
「あらあら、ではまたピンクちゃんのお友達を作っていただきましょうか?」
「俺だって暇じゃないんだぞ?それよりラクス...」
「エエ。...お久しぶりです、イングリットさん。」
「ラクス様...」
まるで古い知り合いに語り掛ける様に、ラクス様はイングリットに近づき、しっかりと抱き寄せた。
「オルフェ閣下の事、私達の耳にも入っています。...残念な事です。」
「...同情や憐れみならば、おやめください。オルフェの死は...私と彼への罰です。数え切れない程の命を、その未来を摘み取った報いです。悲しんではいけません。私には、そんな資格も...」
ギュッ...
「...よいのです。愛する事に資格が必要ないように、愛する者の死を悲しむ事にも資格は必要ありませんわ。悲しい時には悲しいと言い、泣いてもいいのです。その涙は、あなたがオルフェ閣下の事を愛していた..."証"なのですから。」
...ポロッ...
「ウッ...ウウッ...ウワァ~~ッ!!アア~~~~ッ!!」
「...それでよいのです。」
...俺は、俺達は、イングリットが泣き止むのをただ待っていた。いつまでも、いつまでも...
- 139二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 17:08:37
とりあえずジャンク屋君、意識失ってもいいよ
- 140二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 17:24:35
ひとしきり泣き終わったイングリットを放したラクス様は、なんと今度は俺に話しかけて来た!!
「貴方がイングリットさんを匿って下さっていた方ですね?」
「エッ...まあ、ハイ...」
「イングリットさんを匿って下さった事、お礼申し上げます。」
「僕からもお礼を言わせてください。本当にありがとうございました。」
「イヤイヤイヤ!!そんな感謝されるような事してないですよ!!彼女を匿ったのだって、元は金目当てで...」
「理由はどうあれ、貴方は人を救われました。その行いは、誇るべき事です。」
「人が人を簡単に殺してしまう世界で、あなたは確かに人を救った。それは...本当にすごい事です。」
「エエッ...ア~…その...ありがとうございます...」
...不思議だ。お二人は俺より年下なのに、なにかこう...自然と尊敬したくなる不思議なオーラを放っている様に見える...
「...キラ、ラクス。そろそろ行こう。例の研究者が待っているんだろ?」
「そうだね。」
「そうですわね。ではイングリットさん、それに貴方も。共に行きましょう。」
「エッ...俺もですか?」
「私達をお待ちの方は、貴方と会う事も望んでおられますわ。」
「それに、イングリットさんを保護してくれたお礼も言いたいそうなので...」
「そうですか...分かりました。」
こうして俺は、イングリット、それに...ラクス・クライン、キラ・ヤマト、アスラン・ザラという凄まじいメンバーと一緒に、俺達を待つ研究者の元へ向かった。
- 141二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 17:51:38
オルフェの死体さえ見なかったら研究者がオルフェかと思っただろうな
- 142二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 18:36:28
暫く歩いたところで、キラさんは目の前の岩壁になにやらカードの様なものをかざした。次の瞬間...
ガコン!!
「エエッ!?岩壁の中から、エレベーターが...」
「この下には、元々アカツキが封印されていた格納庫があるんです。そこに、お二人をお待ちの方がいます。」
「そうですか...」
「では参りましょう。」
「オオッ...ハ、ハイ!!」
エレベーターで地下に降りた俺達はMSの格納庫らしき場所を通り過ぎた。その時...
「!?オイオイ待てよ!!なんでここに...カルラがあるんだよォ!?」
「私が回収を頼んでおいたのよ。」
「?アンタは?」
「アア...エリカさん。」
「久しぶりねキラ君。」
「エリカ...エリカ・シモンズか!?」
「アラ、私の事知ってるの?」
「知ってるも何も!!モルゲンレーテの変人技術者じゃねぇか!!」
「変人って...褒め言葉と受け取っておくわ。」
「まあ、褒めてはいるけどよ...ていうか、なんでここに俺が回収したMSが運び込まれてんだよ!?」
「それは私が説明するわ。貴方達に接触していた研究者と私は古い知り合いでね。彼から貴方があのMSと横のお嬢さんを回収して匿っているって知らされて、ちょっと興味を持ってね。ダメ元でMSをこっちで引き取れないかってお願いしたら良いよって言われてね~。貴方達がアスラン君に連れ出された後でジャンク屋さん達に持ってきてもらったのよ。事後報告でごめんなさいね。」
「...まあいいや。元々ちょっと持て余してたしな。それに、アレがうっかり見つかったらもっと面倒な事になりそうだしな~...アンタらが持っといてくれ。」
「アリガト。引き留めてごめんなさいね。彼に用事があるんでしょ?」
「ハイ。じゃあ二人とも、行きましょうか。」
「分かりました。行こうイングリット。」
「...エエ。」
モルゲンレーテのエリカ・シモンズに別れを告げて、俺達は施設の奥にある扉を開けた。そこに...
「...よく来たな。待っていたよ。」
- 143二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 19:51:34
開いた扉の先で俺達を待っていたのは、眼鏡をかけたいかにも研究者という風貌の男だった。
「あんたが...」
「...こうやって顔を合わせて話すのは初めてか。はじめまして。」
「...初めてって気はしねぇけど、はじめましてだな。」
「会えて嬉しいよ。君が彼女を見つけ、保護してくれた事、とても嬉しく思っている。」
「...そうかよ。...前置きはこれくらいにしよう。本題に入ろうぜ。」
「...そうだな。...今、ナチュラルもコーディネイターも血眼になって彼女を...ファウンデーションのアコード最後の生き残りを探している。戦争責任を問いたいのか、はたまた多種多様な実験のモルモットにするのか...」
「...皮肉だな。あれだけ争ってたくせに、共通の敵が出てきた途端に手を組む...仲良しというかなんというか...」
「...いずれにせよ、彼女...イングリットが今ここにいる誰か以外の手に渡ったら、待っているのは悲惨な末路だ。私はそれを止めたい。」
「...その言葉に嘘はねぇよな?本当に、イングリットの力を消す方法を持ってるんだよな?」
「持っている。だから君達をここに呼んだんだ。」
そう言うと男は、胸ポケットから錠剤の入ったケースを取り出した。
「残された資料を元に研究を重ねアコードの特殊能力の基となる遺伝子を割り出し、その遺伝子のみを機能不全に追い込み能力を消す薬だ。ただ...問題点もある。」
「なんだよ?」
「...遺伝子に作用する特殊性の影響か、服用後に激しい痛みが体を襲う。文字通り死ぬような痛みだ。今飲めば...死ぬかもしれない。」
「マジか...」
「だから君達をここに呼んだんだ。ここで暫く検査を受け、体力が回復したらこの薬を服用する。そうすれば、死の危険性を減らせる。どうする?」
「...どうする、イングリット?」
- 144二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 20:31:20
「...希望を見せておいてなんだが、私は正直不安だ。彼女に今、どれほどの生きたいという意志があるのか..."病は気から"とはよく言うが、副作用に耐えられるかは、体力以上に気力が物を言う。生きたいという意志が弱いなら、体力回復も意味がない。イングリット、君は...まだ生きていたいか?」
「イングリットさん...」
「...なあ。本音を聞かせてくれ。俺は...イングリットの意志を尊重する。もし、君の意見が変わっているなら、聞かせてくれ。」
皆が彼女を見つめるなか、イングリットはゆっくりと口を開いた。
「...わからない。本当は自分がどうしたいのか、生きたいのか生きたくないのか、わからない...」
「そうか...」
「...でも、あなたに生きろと言われた日から何かが変わった。生きて償え、それが責務だと言われた日から、生きようって思うようになったの。なにより...」
「私が死んだら、オルフェが本当に消えてしまう。オルフェを覚えている人がいなくなってしまう。」
「オルフェの為にも、私は生きたい。生きなきゃいけないの!!お願い!!私にその薬を飲ませて!!」
「...今確信した。君の目には生きる意志が満ち溢れている。...心配ない。分かった。薬を出す。ただし、体力が充分に回復してからだ。それまでは...」
「僕らと一緒に暮らしましょう。」
「ヤマト准将...でも、准将には姫様が...」
「...私もキラと同じ思いです。私達と共に過ごし、ゆっくりと傷を癒してください。」
「...いいのですか?」
「もちろん。」
「...だってよ。イングリット、ここは好意に甘えさせてもらおうぜ。」
「...よろしくお願いいたします。」
- 145二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 20:44:01
- 146二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 22:42:40
イングリットが治ったらジャンク屋くんは彼女の前から静かに姿を消すのかな、、
- 147二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 06:17:09
新天地であるオーブでの暮らしはとても満ち足りている。イングリットは孤児達と関わる内にみるみる元気になっていった。最初はどうやって接すれば分からないと言っていたが、良くも悪くもガキンチョっていうのは遠慮がない。子供達にとってイングリットは「ラクスお姉さんが連れてきた青い髪のお姉さん」でしかない。彼女が世界中から追われてるなんて事を知らない子供達はあっという間にイングリットに懐いた。彼らにつられて、イングリットもよく笑うようになった。俺も暇を見つけてはよく足を運んでいるが、イングリットはいつも子供達に囲まれている。...牧歌的な風景だ。彼女が追われているなんて事を忘れる程に。
「...いいもんだな。」
「そうですね。」
「キラさん...」
「呼び捨てでいいですよ。」
「そっすか...じゃあ一つ聞いてもいいっすか?」
「エエ。」
「...なんでアンタ達は、彼女を匿う様な事をしてんだ?その...仮にも敵同士で、アンタもラクスさんも一度は嵌められたんだろ?なんでそんな相手を...」
「...実は僕もよく分からないんです。」
「そうなんすか...」
「でも、彼女が生きているかもしれないって情報が入ってきた時にラクスと決めたんです。彼女が生きたいと望むなら、手を差し伸べようって。」
「...わかんねぇな。アンタの仲間も今回の戦いで死んだんだろ?...俺のジャンク屋仲間も、エルドアで核に焼かれて死んだ。正直彼女を憎んでないかって言われたら...否定しきれない部分もある。なのに、実際に戦ったアンタらがなんで...」
「...不思議ですよね。でも、僕はこう思うんです。どんな命にも生きる権利が、自由がある。それを阻む事は、誰にも出来ないって。僕は...生きる自由を掴んだ彼女に、自分の人生を歩んでほしい。使命にも遺伝子にも縛られずに...」
...よくわかんねえが、確信した。この人達は俺達の味方だ。
- 148二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 11:12:41
新生活を始めて数ヶ月、研究者から知らせが届いた。イングリットの体が副作用に耐えられる程に回復した、本人が望めばいつでも薬を飲ませる事が出来るとの事だ。薬の方も副作用を少しでも抑える為に改良を重ねていたらしい。知らせを受け取った俺はすぐにイングリットに相談をしに行った。
「...だそうだ。...どうする?あの日からイングリットの気持ちが変わっていないなら、俺はすぐにでも薬を飲んでほしい。イングリットを...自由にしてあげたい。」
この数ヶ月の間に、キラとラクスさんからアコードというのがどういう存在なのかを聞いた。デスティニープランとやらを動かす為の歯車、役割を与えられ役割に縛り付けられた存在...聞いた時は驚いた。それ以上に言い表せない程の虚しさを覚えた。生まれた時から全てを与えられ、しかしその全てに人生を縛られるとはどういう感じなんだろう...と小市民ながらに思いを馳せた。
「...あの日から、私の意志は変わっていません。私は生きます。この命尽きるその時迄、世界中の誰も知らないオルフェを覚えておく為に...オルフェの二度目の死を、出来るだけ先延ばしにするために。」
「そうかよ。」
「それに...子供達と触れあって、私の生きる道が分かった気がするんです。私の償いを全うする為にも、その為にこの能力が消えるなら、飲みます。」
「...分かった。オッサンに連絡するよ。あとキラとラクスさんにもな。」
「ありがとう。...本当にごめんなさい。私のせいでお知り合いを亡くし、世界中から追われる事になり、厄介事に巻き込まれて...なんとお礼を述べたら...」
「気にすんな。仕事柄、多少の面倒事は慣れっこでな。あの日偶々拾ったMSに偶々イングリットがいて、偶々匿う事になっただけだ。お礼なら、薬をくれるオッサンに言うべきじゃねぇか?」
「...そうなのでしょうか?」
「そうだよ。俺はただ、イングリットの償いを見届けるって決めた、お節介なジャンク屋だよ。」
- 149二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 14:02:15
...いよいよその日がやって来た。薬を飲むのはオッサンに出会ったモルゲンレーテの秘匿工廠の医務室。この日のために、そこらの大病院を越える規模の設備が整えられている。オッサンの薬は理論上は完成している。実験でも有用性を示しているがアコード用の薬という特殊過ぎる代物故に人体に投与するのは今回が最初で最後だ。何が起こるか分からない以上、万全を期すとの事だ。
「...では。皆さん、今日まで本当にありがとうございました。」
「今日が終わりではありません。あなたの人生はこれから始まるのですから。」
「そうだ。お前の償いはこれから始まるんだ。」
「...そうですね。では...薬を頂けますか?」
「...アア。服用したら横になるといい。気休め程度だが、楽になるだろう。これを...」
「...ありがとうございます。では...」
ゴクリッ...
「ヤマト君、ラクスさん、暫く彼女の様子を見ておいてくれないか?私は彼に話したい事があるんだ。」
「分かりました。」
「ありがとう。来てくれ。」
「なんだよ?」
オッサンに呼ばれ、俺は医務室を出た。医務室の外でオッサンは...いつも以上に真面目な面持ちをしていた。
「...君には改めて礼を言わないとな。彼女を保護してくれたこと、誰にも引き渡さず匿ってくれたこと、本当に感謝している。」
「...別にいいって言ってんだろ?...それより、俺からも話があるんだ。」
「...なんだ?」
「...なんでアンタは彼女を...イングリットをそこまで気にかけるんだ?俺は小難しい事はよくわかんねぇが、アンタののめり込み様は、ただの研究者だって言うには怪しすぎる。それに...ただの研究者だって言うにはアコードの事に詳しすぎないか?資料があったって言っても、あんな薬簡単に作れるとは思えねぇ...なにより、俺達はアンタの事を全然知らねぇ。アンタは一体誰なんだ?」
「...当然の疑問だ。ここまで来たんだ。これ以上の隠し事は、君への裏切りになる。分かった、全てを話そう。」
そう言うとオッサンは、オッサン自身の事を喋り始めた。
「私は...」
「アコードの産みの親...その一人だ。」
- 150二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 17:16:03
...そう聞いた時は、思考が止まった。どういう事だよ...オッサンがアコードを...イングリット達を作った?
「...アウラ・マハ・ハイバルという人を知っているか?」
「...イングリットやラクスさんから色々と聞いてる。ファウンデーションの女王で、アコードを産み出した...」
「私は彼女の助手をしていたんだ。手掛けていたのは彼女の副業だったアンチエイジング薬の開発。私は薬学の知識があったからね。彼女からは期待されていたよ。『この薬が完成すれば、今生きているコーディネイターの寿命を延ばせる。今生きている人材がより長生き出来るようになれば、いずれコーディネイターが抱える問題も解決し、やがてナチュラルとコーディネイターが手を取り合って暮らす事の出来る世界が来るかもしれない。その為には君の力が必要だ』と。」
「...その薬学の知識で、彼女に飲ませた薬を作れたんだな?」
「アア。助手として働く日々の中で、彼女に認められた私は、やがて彼女のメインテーマであり、ユーレン・ヒビキ博士と競い合うように進めていた研究に携わる様になった。彼女からはこう聞かされていたよ。『私の研究が実を結び、友人の提唱する世界モデルと合わされば、世界に真の平和が訪れる』と。」
「それって...」
「想像通りだ。その時はよく分からなかったが、後で知ったよ。彼女がデスティニープランに傾倒し、自身の研究を利用してプラン導入後の世界を統治する存在として、コーディネイターを越える新人類...アコードを作ろうとしていた事を。」
- 151二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 18:47:25
「彼女の研究を手伝う様になった私は、遺伝子学の手解きを受けながら研究に従事した。彼女は常々言っていたよ。『世界が平和にならないのは、人々が己の成すべき事を知らず迷っているからだ。だからこそ友人の提唱する世界モデルが必要であり、その世界を統治する存在が...生まれながらに全てを知る存在が必要なのだ』とね。」
「そうやって生まれたのがアコード...イングリット達だってのかよ。」
「アア。ここからは自分語りになる。付き合ってくれるか?」
「アンタの事を知りたいって言ったのは俺だ。全部喋ってくれ。」
「ありがとう。私はしがない科学者だが、そんな私にも科学者としての信念がある。私は、人は己の意思で生き方を選び、人生を歩むのがあるべき姿で、科学はその歩みを支える為にあるべきだと思っている。危険な思想だが私はユーレン・ヒビキ博士の研究に陰ながら憧れていた。全てにおいて最高の潜在能力を与えられ、望めばなんにでもなれる最高のコーディネイター...科学はこうあるべきだと思ったよ。...だからこそ認められなかった。科学が人を縛りつける世界も、あまつさえその世界を統治する為だけの存在を生み出すなんて事も。」
「なるほどな...だがアンタはそんなご立派な思想を持ちながらただ黙々とアコードの研究に、アウラって奴に従ってたんだな。」
「...そうだ。」
ガバァッ!!
「フザけんじゃねぇよ...その成れの果てがイングリットだ。生まれた時から役割を果たす為だけの歯車同然の存在としてしか生きられず、与えられた使命を果たそうとすれば世界全てから拒絶されて、生きるためには与えられた力を激痛に耐えながら捨てるしかなくて...好きな人に愛してるって伝える事も出来ねぇ...お前らのバカげた研究の成果として生まれたばっかりに、当たり前の幸せを掴む事すら出来なかった...お前にイングリットの気持ちがわかんのか!?」
「自己弁護にしかならないが、知らなかったんだ...デスティニープランの事もアコードがどんな存在かも...私は彼女から具体的な事はなにひとつ伝えられずただ助手として働いていた。もしあの時全てを知っていれば、私は彼女に協力しなかっただろう...」
「もしだのなんだのはどうだっていいんだよ。俺は未来の事が知りてぇんだ。そして、アンタがどうして彼女にそこまで拘るのかもな。」
「...全て話す。」
- 152二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 20:22:55
「アウラの下で研究を続けていたある日、私は偶然見たんだ。彼女が傾倒していたデスティニープランの提唱者であるギルバート・デュランダルが彼女に渡していたデスティニープランの概要を。そこに書いてある内容を見て、私は恐ろしくなったよ。彼らが描く世界がどういうものかを一瞬で理解した。そして、彼らの計画を止めないといけないと思った。...最初は、アコードの人工子宮を止めてしまえばいいとも思ったが出来なかった。生まれてくる命を消すことは出来なかった...だから計画を変更した。彼女に頼み込んで、アコードの遺伝子のデータを見せてもらった。そのデータを解析して、俺の薬学の知識を総動員してアコードの基幹遺伝子の活動を停止させる薬を作る...それを飲ませて、彼らをただのコーディネイターにする。そうすれば彼らを殺すことなくアウラ達の計画を止められると思ったんだ。...自己満足と言われればそれまでだが、いずれ薬が出来たら彼らの研究に携わった科学者として償いが出来ると思った。だが...」
「なんだよ?」
「研究を続ける中でメンデルがブルーコスモスの襲撃を受けた。必死だったよ。死ぬわけにはいかなかったからな。メンデルを脱出する際にアコードの研究資料を持ち出す事は出来た。だがアコードとして生まれていたオルフェとイングリット、人工子宮の幾つかはアウラに持ち出された。でも私は諦めなかった。万が一にも私の生存が分からない様に身を隠す事にした。オーブにいた知り合いを頼って、オーブに身を隠す事にした。」
「その知り合いがエリカさんか。」
「アア。オーブに移ってからは彼女の伝でオーブの病院に就職して研究を続けた。持ち出した資料が断片的だったから研究は難航した。時を同じくしてアウラとアコード達も姿を消したという情報が入ってきた。研究を中止してもいいんじゃないかと思ったが、万が一を考えたらその選択は出来なかった。そうこうする内に、20年近い月日が流れた。」
- 153二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 07:05:05
保守
- 154二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 08:56:14
「プラントの議長になっていたデュランダルがデスティニープランの実現に向けて動き出した。予想通り彼は武力行使に訴えて来た。だが彼の野望はキラ君やラクスさんによって否定された。安堵したよ。しかし20年の雌伏を経てデュランダルがデスティニープランを表舞台に出した事に私は違和感を覚えた。行方不明だったアウラの動向も気になった。だから私は20年振りにエリカの伝を使いターミナルという組織の外部協力者になった。アウラとアコード達の情報を得るために。」
「...だから俺達の迎えにアスラン・ザラが来たのか?」
「アア。外部協力者となるにあたって私の知る情報は全て提供し、代わりにアウラやアコードの行方に関する情報を提供してもらう取り決めを交わした。暫くして気になる情報が入ってきた。ユーラシア連邦から独立を勝ち取った小国が目覚ましい発展を遂げている。国家元首の名は...アウラ・マハ・ハイバル。」
「ファウンデーションか...」
「彼女の名前を聞いた時に予想したよ。ファウンデーションの発展にアコードが関与していること、デュランダルが動き出したのは彼等の成長を待っていたのだということ...そしてあの国がデスティニープランを利用していることを。すぐにターミナルに調査を要請し、もたらされた情報は私の予想通りだった。そこにはアウラの設計図通りに成長したアコード達がいた。持ち出した資料にはアコード達の成長予想図があったが、オルフェを筆頭に彼等の容姿は予想図と瓜二つだった。」
「...何もかも想定通りってか?」
「そうだ。徐々に情報が手に入る度に、無知で愚かだった若き日の己の過ちを悔いた。そしてなんとしてでも彼等をアウラの手から解放したいと思うようになった。そうこうする内に、あの日がやって来た。」
「...ファウンデーション事変か。」
- 155二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 11:28:42
「ファウンデーションの動向は概ね私の予想通りだった。計画に必要な最後のピース…ラクス・クラインを狙う事は予想していた。だが心配はしていなかった。身勝手だが、デュランダルを打ち砕いた彼女達だ、今回も阻んでくれると信じていた。…だからこそ不安なこともあった。アコードが生き延びられるか…この薬が使われることがあるのか…私にはただ、事の成り行きを見守る事しかできなかった。そして事件は終わった。ファウンデーションの…アコードの壊滅という結果で。喜ばしい事だが喜べなかった。」
「…オッサンにしてみりゃ、贖罪の機会が吹っ飛んじまったんだもんな…」
「だが、少ししてターミナルから知らせが届いた。『ブラックナイトスコードカルラが搭乗者共々消息不明。何者かが回収した可能性あり。』…藁にもすがる思いだった。すぐにターミナルに依頼してこう流した。『今回の事件で生き残っているアコードがいる。居場所を知っている、身柄を確保している者は私に引き渡してほしい。懸賞金を支払う』とね。」
「フッ…俺はまんまとそれに乗せられたってことかよ?」
「そうなるな…」
- 156二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 19:58:03
「確証などなかった。ただ、生きているなら彼等に己の過ちを謝罪したかった。なんとも独り善がりだがな。そして、君が彼女を保護している事を知ったんだ。」
「...たしかオッサン、最初はすぐに身柄を引き渡せとか言ってたな。」
「...急いていたからな。だが、君から彼女の様子を聞いて考えを改めたよ。私に精神医療の知識はないし、ボロボロの彼女を急激な環境の変化に晒せば今度こそどうなるか分からないからな。なにより、君の存在が興味深かったからな。」
「俺が?」
「アア。中々の緊急時だというのに、研究者の血が騒いでしまったよ。アコードの事など何も知らない人間が彼女の心にどのような変化を与えるのか...」
「科学者ってのは、変人ばっかりだな。でも、アンタは比較的良い方の変人らしいな。俺が面倒見るって事も快く了承してくれたし、金も払ってくれた。変な奴だぜ。」
「...金の出所は私じゃない。キラ君とラクスさんだ。ターミナルを通して私の事を知った彼らは私に協力してくれた。君に払った懸賞金は二人が出してくれたものだ。」
「だろうなと思ったよ。オッサン金持ちそうには見えねぇし。」
「余計なお世話だ。」
- 157二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 01:14:08
このレスは削除されています
- 158二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 08:18:42
ほんっとに生きることが戦いだになっちゃたな
下手したらろくでもない奴等に捕まったEDスレの方が楽になれたかもしれないレベルだ - 159二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 08:40:11
「だが、君達を見守っている間に世界は動いた。アコード生存の可能性が公にされ、連合とプラント...ナチュラルとコーディネイターが手を組んで彼女を探し始めた。焦ったよ。いくら君達が辺鄙な所に隠れすんでいるとはいえ相手は全世界...見つかるのは時間の問題だと思った。実際、ターミナルによると連合の諜報部門は君達の所在をかなり精密に掴みかけていた。そして彼女を捕らえた後...研究材料として管理するつもりだと。だからあのメールを送ったんだ。君達を早急に保護する必要があったからね。君から保護を望むという返答が帰ってきてからターミナルに護送を依頼し、今に至るという事だ。」
「想像よりヤバかったんだな...まあ、思うことが無いわけじゃねぇけどよ...アリガトな。アンタが動いてくれなかったら俺も...何よりイングリットがどうなっていたかわかんねぇ。」
「こちらこそだ。星の数程いる人々の中で君が彼女を拾ったこと...幸運だと思う。」
「そうかよ...」
「ハァッ、ハァッ...すみません!!」
「キラ?」
「どうしたんだい?」
「すぐに来てください、イングリットさんが!!」
「...ナニがあった!?」
「すぐに行く。」
キラに呼ばれ、俺とオッサンは医務室に戻った。そこには...
「ウウッ...ゴホッ!!」
汗を流して血を吐いているイングリットがいた。
「イングリット!!オイオッサン!!」
「わからない...こんな副作用は起きない筈だ。」
「先程から苦しみだされ、今もこのままです。一体何が...」
「...もしかしたら、魘されてんのかもしれねぇ。保護したての頃にこれと同じように魘されてたのを覚えてる。」
「ラクス...頼める?」
「勿論です。」
ラクスさんはそう言うと、イングリットの手を握った。その時彼女の目の色が変わった。急に何が...と思ったけど、説明を受けていた事を思い出した。彼女もアコードだって事を...
「...ハッ!!」
「ラクス...」
「ラクスさん...」
「貴方の仰る通りです。イングリットさんは魘されています。」
「そうか...」
「危険な状態です。このまま生きる意志が消えてしまえば、最悪の場合...」
「イングリット...」
- 160二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 18:56:34
生きる意志・・・本当にあるのかな
- 161二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 20:42:02
ゴポゴポッ…私のアコードとしての力を消すための薬を飲んでから暫くして、私の意識は水の中にいた。懐かしくも冷え冷えとしていて心地の良いものではないこの感覚…夢だと直感した。水面の方に目を向ければ、明るく輝く光が見える…行かなきゃ、生きて罪を償うために…
ガシィッ!!
「なに?…!!」
水面に浮上しようとする私の腕を掴んだのは…黒く焼け爛れた肌、落ち窪んだ瞳…直感した。間違いない…私達が核で、レクイエムで殺めた無数の人々…
「アアッ…アアッ…」
「ハッ…」
「行くな…行くな…お前は、こちら側にいるべきだァ…」
「お前も…こっちに来いィ…」
「…ゴメンナサイ。あなた達には、本当に申し訳ない事をしました。いずれそちらに行くときは、どの様な扱いを受けようとも受け入れます。でも、それは今ではありません。私にはまだ、生きてやるべきことがあります。生きて罪を償う…彼に貰った生きる意味を、約束を果たすまではまだ…」
「フザケルナァァァァァ…」
その言葉と共に、数多の死者の手が私の全身を掴み、深みへと引きずり込み始めた…
「アッ…アアッ…!!」
「何故我々を殺したァ…我々が何をしたァ…」
「生きる気かァ…許さないィ…許さないぞォ…」
「償えェ…死をもって償えェ…」
纏わりついてくる…逃げられない…誰か…助けて…!!
「イングリット…」
…ずっと聞きたかった。あの日からずっと、あなたの声を…
「オルフェ…」
- 162二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 22:15:53
ずっと会いたかった…私の愛しい人…助けてくれるのね…そう思って伸ばした私の手を…彼は取る事はなかった…
「オルフェ…どうして…」
「どうしてだと…そんな事も分からないとは…やはり役立たずは所詮役立たずだな…」
「どうして…何故…」
「当たり前だろう。あの時お前がラクス・クラインを守り通せていれば、我々が負けることはなかった…お前が我々を殺したのだ…」
気がつくと、オルフェの周りに人影が現れた…シュラ、グリフィン、リュー、ダニエル、リデル…お母さま…
「情けない…お前に要塞の守備を任せたばかりに…」
「やっぱイングリットが一番の役立たずだよな~…」
「仕方ないでしょう…所詮戦闘用のアコードではないのですから…」
「…やっぱ最初から要らなかったんじゃね?」
「キャハハハッ!!役立たずのお姉なんかいらないんじゃないの~?」
「その通りじゃのう…お前なぞ作るのではなかったわ…」
「アアッ…アアアアッ…!!」
「死人の我らにすら見放されるお前が、生き延びて何になる?我らと共に来い…楽になれるぞ…」
…折れてしまった。大切な家族からの、愛する人からの存在の否定が、私の心を抉った…水面に映る光は見えなくなり、私はオルフェと死者達に水底に引きずり込まれていった…
「それでいいィ…こっちに来いィ…」
「裁きを受けろォ…」
ゴボゴボ…
もう、浮き上がれない…そうだ…オルフェの言うとおりだ…私が生き延びても、誰も喜ばない…必要とされない、役に立たない者は、消えるべき存在だ…私は、何一つ使命を果たせなかった役立たずだ…このまま…
「ごめんなさい…」
「ゴメンじゃねぇだろ!!」
- 163二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 06:48:44
呪いになったか
- 164二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 07:59:21
耳を疑った…何故ここに彼が…
「遅いから迎えに来たぞ!!」
「何故…どうやってここに…」
「話は後だ!!何をグズグズしてんだ!!さっさと帰るぞ!!」
「ダメよ。さっきオルフェに…家族達に言われたの。お前に生きる価値はないって…お前に出来ることは何もないって…ごめんなさい。貴方に生きる道を教えてもらったけど、私はもう…心が折れてしまったの。帰って。ここに長くいると貴方も…」
「ふざけんな…何言ってんだ!!よく見ろ!!オルフェって奴もお前の家族も俺には見えねェ!!それは幻だ!!しっかりしろ!!手ェ掴め!!言っただろうが!!罪を償うのがお前の人生だって!!一人が辛いなら俺が手伝うって!!見届けるって!!俺は昔から頑固者でな…一度こうするって決めたら絶対に投げ出したりしねぇ。俺はお前の贖罪を見届けるって決めた!!だから逃がさねぇ!!死なせねェ!!来い!!」
「でも…」
「でももだっても聞かねぇ!!頑固だって言っただろ!!俺の誓いに、付き合ってもらうぞ…さあ早く!!」
…見とれてしまった。私がどれほど拒んでもただ真っ直ぐに差し出されるその手に…そして私の心にはまた“生きたい”という意志が宿った。
「逃がさないぞォ…」「こっちに来いィ…」「殺戮者の分際でェ…」
「ハッ…ダメ、やっぱり…」
「まだ死人の声が聞こえんのか…お前らァッ!!コイツは、イングリットはお前らを殺した犯人の一人だ…怨嗟も慟哭もよく分かる。俺もコイツに知り合いを殺された…でもな!!」
『どんな理由があっても、生きたいっていう意志を死人が阻んでいい道理はねぇ!!分かったらさっさと天国に戻りやがれェ!!』
次の瞬間私の周りにいた死者の群れが、オルフェ達の姿が消えた。自由になった私は彼の手をとり水面に浮上していった。
「オッシャア!!急いで帰るぞ!!手ェ離すなよ!!」
「エエ…」
オルフェ…ごめんなさい。あなたに会うのは、もう暫く先になるわ…
「…本当にこれでよかったんだな?」
「アア。イングリットが生きていてくれる為ならどんな汚名でも被ろう。イングリットに嫌われてもな…」
「お姉あの男に惚れちゃうかもね~…そこはいいわけ?」
「構わない。イングリットの想いに気づいてやれなかった私よりも、彼の方が相応しいとさえ思える…さあ帰ろう。」
(イングリット…君の人生に幸多からん事を地獄で祈っているよ…)
- 165二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 08:03:03
演技派のアコードのみなさんだとは思わなかった
- 166二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 08:58:43
水面に浮上するような感覚を覚えた私は…気がつくと医務室のベッドに横たわっていた。
「ウウッ…」
「…ここが、私が分かりますか?」
「姫…様…」
「…戻ってこられたのですね。」
「良かった…」
「私は…彼に引き上げられて…彼は…」
「俺ならここだぞ…」
隣を見れば、私の手を握る彼がいた…
「フゥ~…ビビった~!!人の心の中ってあんなんなのかよ…」
「やっぱり貴方が…でもどうやって…」
「ラクスさんのおかげだよ。ラクスさんを介して俺とイングリットの心を繋いだんだ…賭けもいいところだったけどな…イヤ~やばかった。俺さっきまで失神してたんだよ!!」
「そうですか…ゴメンナサイ。私のせいでまた貴方を…」
「気にすんな。この前も言ったろ?仕事柄面倒には慣れてるって。それにイングリットを連れ帰るのは俺のワガママだからな。まっ、結果的には大成功だけど…なんだよ?ナニ泣いてんだよ?」
「…貴方は私を二度も助けてくれました。でもそのせいで、もう二度と昔の暮らしには戻れなくなるかもしれません…」
「…まあお前を拾ってからこの数ヶ月、色々とあったな~…しがないジャンク屋の俺がラクス・クラインとキラ・ヤマトに出会う事になるとは思ってもみなかったよ。ハハハッ…」
「…何故貴方はいつも笑っているのですか?先程も命がけで私を助けてくれたばかりだというのに何故…」
「ウ~ン…なんとなく?あ~でも…こんな人の命が簡単にふっとんじまう世界で生きてんだ。いつ死ぬかもわかんねぇんだから、出来る限り笑って生きてたいってのはあるな。人の笑顔を見てると気分もいいしな!!イングリットは逆に笑わなさすぎだろ。もっと笑おうぜ?」
「そんな資格はありません。私は数えきれない命を奪ってきた人間です。そんな私が…」
「…それはそうだけど、イングリットはもっとこう…ワガママに生きてもいいと思うぞ。笑いたい時には笑って、楽しい事は全力で楽しんで…その方が似合ってる。女の口説き方なんて知らねぇけど、綺麗な女性には笑顔が似合う…きっとお前の好きな人もそう思ってるんじゃねぇか?知らねぇけどよ。」
「…そうかしら?」
「そうだって。まあ、何はともあれ…」
『お帰り、イングリット。』
「お帰りなさいませ、イングリットさん。」
「お帰りなさい…」
「ハッ…ウウッ…ウウッ…!!…ただいま、帰りました…!!」
「…お帰り。」
- 167二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 10:24:39
死の淵から帰ってきた彼女は検査を受けた。薬は効果覿面、アコードの遺伝子は機能を停止していた。これで彼女の能力は失われた。後は彼女の生存をどう隠すかを思案した。俺達がとった手段は彼女に整形手術を施し対外的には死亡したと情報を流し別人として暮らすというものだった。彼女は条件を提示した。目だけは何もせずに残して欲しいと。理由を聞くと、昔オルフェに目の色を褒められた事があったからだと言った。あの世にいってもオルフェが気付いてくれるように目印を残しておきたい...安全を考えれば目の色も変えるべきだが了承された。手術を終えて暫くしてオーブの報道番組からニュースが流れた。「オーブ警察は国内に潜伏していた指名手配中のイングリット・トラドールを確保しようとしたが銃撃戦に発展し取り逃し、犯人はアスハ家所有の無人の別邸を占拠したが逃走不可を悟り別邸に放火、消火活動虚しく別邸は全焼し犯人も焼死体として骨の状態で発見された。尚地球連合からの遺体引き渡し要請に対しオーブ政府は『焼死体はオーブの風習に則り海に散骨している、引き渡しには応じられない』と回答している。」ヤバい国だと思った。なにせこの為だけにアスハ家所有の土地にハリボテ同然の別荘を建て実際に燃やしたのだから。オーブが恐れられる理由の一端を垣間見た気がした。ともあれ警戒しなければならない状況は変わらないが彼女は前よりも自由になった。定期検診が必要という事情もあり彼女はアカツキ島に移住し孤児院の手伝いをしながら暮らす事にした。一方問題は俺の方だった。ターミナルによると、地球連合は『カルラを回収しイングリットを匿った男』の素性について迫っているらしい。途方に暮れていた時モルゲンレーテからスカウトが来ていると知らされた。なんでもカルラをいじくれる技術者はモルゲンレーテにも数少なく、回収した俺に白羽の矢が立ったらしい。おまけにオーブ政府から新しい戸籍を与える代わりに就職して欲しいという要請も届いた。承諾するしかなかった。こうして俺もオーブへの移住が決定し、アカツキ島に住む事になった。移住にあたって俺はオーブ政府に頼み事をした。二人の家を隣にしてくれと。彼女に何かあった時すぐにむかえる距離にいたいと思った。今はイングリットやキラとラクスさんとも交流している。こんなことになるなんて予想もしていなかった。人生何が起こるか分からないもんだ。
- 168二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 15:55:20
あとがき~
「いたいた。キラ~!!ラクス~!!」
「アッ...カガリ!!アスラン!!」
「カガリさん!!アスラン!!お久しぶりです。」
「久しぶりだな、キラ、ラクス!!」
「行政府の方は大丈夫なの?」
「サイやミリアリア、何よりトーヤがいるからな。任せて抜け出してきたよ。」
「そうなんだ。」
「ありがとうございます。...カガリさん。今回は私達の無理なお願いを叶えていただき、誠に感謝しています。」
「ごめんねカガリ。連合の人達とか怒ってるよね?」
「...まあな。ユーラシアの代表なんか激怒してたよ。オーブの海底を軍総出でしらみ潰しに探して骨を見つけろと大層お怒りだ。ま、予想通りの反応だったし、こっちはあちらの追及を封じるカードを持ってるからな。」
「メイリンが入手したユーラシア連邦軍の核ミサイル配備の件は有効なカードになってる。彼女の件に関して、ユーラシアはこれ以上追及出来ないさ。」
「ホントにごめんね、お姉ちゃん。」
「厄介事を頼む時だけお姉ちゃんと呼ぶな。まったく...それで、彼女は?」
「最近、孤児院の近くに慰霊碑をお建てになられました。今回の事件で亡くなられた全ての方々を弔う為の慰霊碑を。」
「僕らも手伝ったんだ。あと彼女を保護してくれてた人も一緒に。」
「今回の件、彼が彼女を保護してくれていなければ全てが無に帰す所だった。本当に、頭が上がらないな。」
「実際俺達が二人を保護した時もかなりギリギリのタイミングだったしな。誰にも匿われていなければ...」
「本当に、奇跡の連続だよね。」
「アア。だが、俺は正直今回の事が良かったのかと迷っている。家族でもあるアコード達は皆亡くなり、生存が判明すればいつ命を狙われてもおかしくない。そんな状況で生きていくのは苦痛だろうとな。」
「確かにな。ラメント議長や大西洋連邦代表には口裏合わせを頼み、表向き私の発表を信じてもらったが、彼女を狙う個人や組織がなくなったわけじゃない。」
「確かに、一人では押し潰されてしまうかもしれません。ですが彼女は一人ではありません。」
「僕達もいるし、カガリ達も味方だ。それに頼れる味方がもう一人出来た。」
「だな。彼がいる限り大丈夫だろう。」
「そうだな。そろそろ帰らないと。また今度遊びに来るよ。」
「じゃあねカガリ。」
「どうぞお気をつけて。」
「じゃあまたな。」
「じゃあな!!」
- 169二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 16:31:15
以下今回のSS主要人物の設定
ジャンク屋(27)~スカンジナビア出身。辺境の地でジャンク屋稼業に精を出す青年。明るく振る舞い誰にでも物怖じすることなく接していけるタイプで世界各地に知り合いがいる。ある日高額の懸賞金に釣られて探索活動を行いその中で正体不明のMSを回収し、一人の女性...イングリット・トラドールを拾った事で人生が激変する事になる。
研究者(46)~元メンデル所属の研究者。独自ルートを通じてイングリットの身柄を確保しようとしていた。かつてはメンデルでアウラ・マハ・ハイバルの助手としてアコードの研究に関与していたが、彼女とデュランダルの目指す世界を知り反抗を決意。極秘裏にアコード遺伝子を機能停止に追い込む薬を開発。メンデル崩壊後は知り合いであるエリカ・シモンズを頼りオーブに移住。自身の科学者としての信条に反する研究に携わった事、そうして生まれたアコード達を運命から解放し謝罪する事を目的に生きてきた。彼女を保護したジャンク屋に関しては若き日の自分を重ねて見ている。
イングリット・トラドール~元ファウンデーション王国国務秘書官。カルラ共々ジャンク屋に拾われ諸事情あって匿われていた。拾われた当初はオルフェの死に打ちのめされていたが、ジャンク屋の世話と交流を経て生きる意味を見出だす。やがて自身の身柄が狙われた事でジャンク屋共々オーブに身を移し、そこで自身の能力を封じる薬によって遺伝子上アコードでは無くなる。 - 170二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 17:22:58
キラ・ヤマト~ファウンデーション事変後オーブで恋人のラクス・クラインと隠居しているコンパス准将。隠居後に研究者と知り合い、ラクスと話し合い協力を決める。主に本格的なモルゲンレーテとのパイプ構築に迫られた研究者に自身のパイプを提供したり、双子であるカガリ・ユラ・アスハを通じてオーブ政府とターミナルの協力を取り付ける、懸賞金の資金提供等の形で協力を行う。ジャンク屋とはモルゲンレーテでカルラの解析等を通じて交流を続けている。
ラクス・クライン~キラ・ヤマト同様に研究者に協力する。主に自身の血液を使用した薬の効果試験や、孤児院へのイングリットの紹介等の形で協力を行う。イングリットとはその後も孤児院の世話人として交流を続けている。
カガリ・ユラ・アスハ~オーブ連合首長国代表。キラとラクスの頼みにより極秘裏にイングリットをオーブへ匿う事を決める。ターミナルと連携しジャンク屋共々彼女を保護し生存を隠す為に本人曰く壮大な茶番劇を敢行する。
アスラン・ザラ~ターミナル所属のエージェント。カガリから移送の護衛役を任される。
- 171二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 17:59:06
このレスは削除されています
- 172二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 18:14:21
思うままに書き連ねた結果、スレタイとは真反対のSSが出来上がっちゃった...なんか半分スレ乗っ取りみたいな感じになったな...スレ主さんありがとうございました。