【SS注意】【トレウマ注意】通い妻シーザリオ

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:22:08

    仕事終わり。
    宵の口、と表現するにはいささか遅い時間。
    トレーナー寮の自分の部屋に帰ると、そこには見慣れた可愛らしい靴が並んでいた。

    「シーザリオ、また来てるのか」

    担当で愛バのシーザリオは、合鍵を渡してからというもの、よく上がり込んでいる。
    料理、洗濯、掃除。さらにはほつれたシャツまで繕っていてくれていたりすることも。
    ……甘えている自分も、悪いのだが。

    「……今日は、ビーフシチューか」

    デミグラスソースの美味しそうな匂いが、玄関まで漂ってきている。
    彼女曰く、「トレーナーが忙しくて作る暇のない、時間のかかる料理を作りますね」と言っていたから、間違いない。
    パタパタと、大きめのスリッパの音が床に響く。

  • 2二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:22:42

    「お帰りなさい、トレーナー」

    制服の上に身に着けたエプロンで手を拭きながら、キッチンから出てくるシーザリオ。

    「ただいま、シーザリオ」

    いつものように、彼女を胸の中に迎え入れて、ギュッと抱き締める。
    甘酸っぱい、女の子の匂い。
    ……でも、今日は汗と制汗剤の香りを強めに感じる。
    少し、今日のトレーニングはきつかっただろうか。

    「汗かいちゃったの、シーザリオ」

    「……すみません、わかりますよね。トレーニングのあと、急いでそのまま来ましたから」

    「いや、別に嫌な匂いじゃないから。でも気になるのなら、お風呂に入ってきたら?」

    「うーん。お疲れの旦那様を差し置いて、お風呂に入るというのは」

    「そうは言っても、気持ち悪いんだろう?」

    別に、自分は食事後に入ったって構わない。
    門限の時間が迫るこの状況では、シーザリオに入ってもらった方が良いだろう。
    すると、彼女がポンと手を打った。

    「良いことを思いついちゃいました。一緒に入りましょう」

    そう言って、グイグイとこちらの身体を押してくる。
    行先はもちろん、脱衣所。
    そのまま、2人で風呂を貰うこととなった。

  • 3二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:23:04

    シーザリオの心づくしの夕食に舌鼓を打ったあと、リビングでテレビを眺める。
    液晶に映っているのは、今日の地方レース。
    キッチンからは、彼女の上機嫌な鼻歌と、皿を洗う水道の音。

    「トレーナー」

    「お疲れ様。……って、うわっ!?」

    シーザリオが声を掛けて来たので振り向くと、いつの間にか着替えてきていた。
    俺のお古のYシャツ、一枚。
    裾から伸びるしなやかな肢体と、うっすらと透けるピンクの肌が眩しい。

    「……どうしたの?」

    「今日は、外泊届を出してきました。明日は、トレーニングもありませんし、その……」

    溜息を、つく。
    一体、何に影響されたのか。またスペシャルウィークの差し金か。
    彼女の期待していることは、わかるのだが。

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:23:26

    「ダメ」

    隣に座ってきたシーザリオに、デコピンを一発。
    「はうぅ」と額を抑えて呻く、彼女。
    ……おかしいな。そんなに強くはしていないのだけれど。

    「傷物にされてしまいました。責任を取ってください」

    「責任なら、いくらでも取るけどさ。だけど、今はダメ」

    「なぜ?」

    不思議そうな顔を向けるシーザリオの頬を両手で挟み、うにょうにょと弄ぶ。
    されるがままの彼女。
    固い、表情で。

    「シーザリオ、スイッチがオンになってる」

    「……あっ」

    そう。さっきまでオフモードのシーザリオがオンモード。
    彼女なりに、覚悟を決めてきたのだろうが。
    完全に、緊張してしまっている。

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:23:55

    「だから、今はダメ」

    「……なら、私はどうすれば良いのですか」

    泣き崩れるシーザリオ。
    その肩をそっと抱き寄せると、そのままお姫様抱っこでベッドへと導いた。
    きょとん、とした表情が、こちらに視線を向ける。

    「その状態で、シーザリオの期待していることはできないな。思わぬ怪我をしてしまう可能性もあるから」

    それから、彼女の隣に潜り込むと、強く抱き締める。
    抵抗なく、こちらの胸に身体が預けられる。
    高めの体温の温もりと、シャンプーのフローラルな香りがこちらを貫く。

    「だから、緊張しないでオフモードになれるまで、こうやって練習に付き合ってあげるから」

    「感謝します」

    顔こそまだ少し強張っているものの、身体はリラックスし始めている。
    ほどなくして、「くぅくぅ」と静かに寝息を立て始めた。
    そっと、彼女の髪を梳く。

    「……お休み、シーザリオ」

    さっきのデコピンの場所に、そっと口付ける。
    柔らかい表情で、眠りにつくシーザリオ。
    ウマ耳が楽し気にクルクルと回り、布団の中で彼女の尻尾と脚、こちらの脚が絡まる。

    ――シーザリオが慣れるのは、意外に早いかもしれない。

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:24:11

    これで終わりです。
    ありがとうございました。

    至らない点もあると思いますが、よろしくお願いいたします。

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:24:50
  • 8二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:25:39

    とても良かったです!!!!!

  • 9二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:25:55

    シーザリオ好きだからものすごく助かる……ありがとう

  • 10二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:26:36

    ビーフシチューはシーザリオンが寝てる間に食われたんですか!?
    めっちゃ気合入れて煮込まれたのにあんまりだ・・・!!

  • 11二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:34:28

    良い雰囲気のところ申し訳ないが汗で吹いた

  • 12二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:37:12

    料理に汗でツーアウトってところだな

  • 13二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:41:03

    エピが爆誕するのも秒読みエピねぇ!

  • 14二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:42:51

    あーあ
    オンザリオにきっちり生活指導されながら時々オフザリオとイチャイチャしてーな俺もな

  • 15二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 19:55:55

    良いSSや…甘ザリオは万病に効く
    アーイイ…遥かにイイです…

  • 16二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:32:13

    学生服エプロンはいい文め


    >>汗かいちゃったの、シーザリオ


    ダメだ頭から置きイメ損ボカロソングが離れねえ

  • 17二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 09:35:42

    >>8

    ありがとうございます。今後も精進しますね。


    >>9

    ありがとうございます。シーザリオ良いですよね。早く実装してほしいです。


    >>10

    ありがとうございます。実は2レス目と3レス目の間にしれっと食べています。


    >>11

    ありがとうございます。本当は原文ママで入れたかったんですが、上手くいきませんでした。


    >>12

    ありがとうございます。シーザリオは早くスリーアウトにしたいと願っています。多分。


    >>13

    ありがとうございます。君は早くウマ娘に来てもろて。


    >>14

    ありがとうございます。シーザリオってダメ男製造機のにおいがするんですよね。オンザリオがちゃんと指導できるでしょうか……。


    >>15

    ありがとうございます。シーザリオかわいいですよね。


    >>16

    ありがとうございます。制服エプロンも水着エプロンもエプロンオンリーも魅力的なので、きっとエプロンが良い文明なのだと思っています。

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています