- 1二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:16:15
- 2二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:16:40
ウチは、走るのが好きだった
速く走ると、皆んなきらきらした目で凄いと言ってくれた、あの爽快感が好きだった
小学校の頃からレースクラブに入って、誰よりもトレーニングをした自信がある
都会から少し離れた自然豊かな郊外、そこではいつも一番。正直つまらなかった
一番でも、トレセンに入るのは少しキツかった
入学試験こそ余裕があってのタイムだった
けど、そこで見てしまった
何バ身も千切る娘たちを。息一つ切らさない娘たちを。
ウチが何年も前から全力で削ったタイムが手から溢れ落ちる様な不安。それがあの時からずっと、脳裏にこびり付いて離れない
ウチはまだ一年生。本格化もまだ先で希望なんていくらでもある - 3二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:17:04
…でもね、それでも怖いんだ
教官の元で辻立ち指導を受けてるの。今はまだフォームとか、適正距離を割り出したりする段階だけど。
たまたま、入学試験で見た凄い娘と併せて、ついでに少し喋った。
その娘の熱量は凄かった
お母さんが活躍したウマ娘だけど、重賞勝ったりする前に故障しちゃったらしくて。
自分が重賞勝って、G 1にも出るんだって意気込んでたな、
他にも、凄い娘たちと併せる機会があって。
みんな、思いを背負ってた
少し楽しいだけで此処に来ちゃって、凄い娘たちには及ばないけどちょっと強くて
此処に居ていいのかなって思っちゃった
…その子たちと同じくらい強かったり、絶対届かないくらい弱かったりしたらまだこんなに苦しくなかったのに。
ウチはふわっとだけど、強くなりたいと思ってる
それなのに何かが足りない
絶対的な壁がある
こんな事は頑張ってる娘たちの前では言えないじゃん?
同室のにも話せない。あの娘はトレーニングも制限されてるくらい脚が弱い
ウチが弱みなんて見せちゃいけない
あの娘とか、両親とか地元の奴とかはは私がヒーローなんだよ
こんなに無力なのにね。笑っちゃうよ。
ウチはそれを背負えない。
帰る事も、出来やしないよね
ちょっとツラいけど、まだ走れる
それが息苦しさしくてさ
話、聞いてくれてありがと。
もうすこしだけ、いっしょにいて?
こんなダッサイ顔、見せられないから - 4二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:17:28
これ以上顔を崩さないように堪えてたとき、不意にぽすりと音を立てて抱きしめられた
そこは柔らかくはない胸だったけれど体温が心地よい
「いいんだよ、ここに居て。」
低くて優しい声で囁やいたあと、躊躇いがちに言葉をつづける
「確かに、あなたには『思い』が無い」
「思いを背負う娘達が強いのは『思い』を継いでいるから」
「あなたはバグ。ウマ娘は別世界の魂を宿して生まれる。それがあなたには無い」
「ある意味自分もバグなんだ。だから私ならあなたのやくにたてる」
私の話を聞いて。
ウチは頷いた - 5二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:17:59
私は生まれた時から走るのが好きじゃなかった
才能だけはあった
だからトレセン学園への入学を勧められた
トレセン学園、その言葉を聞いた時、電流が走った気分になった
まだ6歳だったけど、運命みたいだと思った
トレセン学園、それが私の運命。
そう思って何年も過ごした
私はトレセン学園を愛している
入学試験は普通に突破できた
ほとんど座学と面接だと思うけど
愛するトレセン学園の出す筆記試験なら満点くらい余裕だったから
入学して、制服を着て、それが凄く幸せだった
当時はね、そこまでおっきい組織でも無かったから生徒数も少なくて
三女神様に指導してもらった事もあったな
それでね、PRとかを私達がやったおかげで国民的スポーツに発展したんだー
誇らしいよ、本当に
私は重賞を勝ったの。
けどね、その時に故障したの
あと少しで壊れるなって感覚
ウイニングライブはさせてもらったよ
もうどうせ走れないんだったら、タヒんでもいいからウイニングライブをさせてって言った
その時は馬場も硬かったし故障しやすかった
見た目的にはそこまで酷く無いけど、当時はタヒんじゃうくらいの怪我だった
ウイニングライブは痛かったけど、楽しかったな
ファンの人も喜んでくれてね
トレセンに来てね、走るのも好きになったの
楽しさを教えてもらった
彼女は懐かしそうに目を瞑る - 6二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:18:21
びっくりしちゃうかもしれないけど、最後まで
聞いてね
私は、もうとっくに走れないの
もうとっくに生きては居ないの
それでも此処に居る。身体はもう無いのにね
それが私のバグ。
分かってた、そんな顔してるね
やりたい事はやったけど、やっぱりG 1勝ちたかった。出るだけでもよかった。
無念があるの
…こうしてまだトレセンに居るのはそれだけじゃなくて
何十年経った今でも、トレセン学園を愛してるの
だから、今でもトレセンに居続けている
それでね、あなたに私の魂?思い?を渡せるの
私の思いを渡したところであなたがトレセン学園を大好きになる訳でも無い、脚部不安になる訳でも無い
今のあなたのままなの
ちょっとだけ、私みたいなのに会いやすくなるかも。
適正も少し似ちゃうかもね。
それでも…いい?
ウチは迷わず頷いた - 7二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:19:39
思いを、継ぐ
それ自体は体が大きく変わる訳でもない
けど、なんだかあたたかい。
今までウチに足りなかったもの
ようやくあの子たちに追いつける?
そんな為に思いを継いだんじゃない
白状すると、思いを背負ってる子達が羨ましかった
それがあれば強くなれると思ってた
バカだ。失礼だ。
思いは痛くない呪いみたいだった
その重圧を知らなかったんだ、ウチは
真面目にトレーニングしてなくても、してても強くなれない娘達もいる
それも運命、なのかな
残酷だ - 8二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:20:36
…口に出ていた
彼女は苦い顔をする
「それがレース。残酷だけど、そんなレースを楽しんでいるでしょう。」
彼女は笑う
「それでいいの。それでこの世界は出来ているの」
「あなたには未来がある。運命は見えない、それは結局は後から見返した結果にすぎない」
よくわかんない、そうつぶやく。
「それでいい。私もよくわかんないの」
ふふふ、と静かに笑い合う
「あと少しで日がのぼる。そろそろお別れしなきゃなの」
「あなたの名前は?」
ウィンターコスモス、そう答えた
「いい名前。」
そう言うと彼女は自身の耳飾りを手渡した
「あげる。あなたは耳飾りが無いから、少し寂しいの。左でも右でも好きな方につけて」
「じゃあね。私の事、忘れないで」
そう言って彼女は何処かに消えた
また、会えるかな
そう思いながら寮に戻って、少しだけ目を閉じる
………
「おはよう、ウィン」
同室の娘に起こされる
「耳飾りつけたの?似合ってるよ!」
まだ眠い。けど返事をしなきゃ
「ありがと。今何時?」
また今日も一日が始まる
いつもと変わらない一日
ずっと、ずっと、続いていくのかな。
また、会えますように - 9二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:26:28
おしまい。
一度スレタイミスで立て直しました
モブに思いの継承をさせてみたいと思ったら降りてきました
少し主の実体験が入ってるかも知れません
ここまでお読みくださりありがとうございました
この後ダイスを振ってウィンターコスモスちゃんの色々を決めます
初めてなのでダイスをゆっくりします。盛り上げてくださると嬉しいです
安価もします - 10ウィンターコスモス24/05/03(金) 10:37:31
初めましてウィンターコスモスです!よろしくお願いします!
取り敢えずウチの事をまとめておきますね!
・中等部1年生で今は6月
・同室の娘は脚部不安
・地元(都会の郊外)では1番だった
・強い子たちと併せできるくらいには強い(強い子達はG1、重賞複数勝ちレベル)
・やる気はまあまあ、他はダイスで - 11ウィンターコスモス24/05/03(金) 10:39:23
呼び名は…
dice1d3=1 (1)
1ウィン 2ウィンコス 3コスモ
耳飾りは…
dice1d2=2 (2)
1右 2左
- 12ウィンターコスモス24/05/03(金) 10:51:09
4月の身体測定で測りました!
見せることに対する恥じらい dice1d100=64 (64)
身長
dice1d30=13 (13) +140
スリーサイズ
B dice1d40=23 (23) +W
W dice1d15=3 (3) +50
H dice1d40=10 (10) +W
まだまだ伸び代はあるからね!
- 13二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 10:53:29
ちょっとHが薄すぎるので最ダイス
dice1d30=24 (24) +65
- 14ウィンターコスモス24/05/03(金) 10:59:53