- 1二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:33:59
触れ合う唇は熱い。
このまま蕩けて、どろどろに混ざり合ってしまえば良いのに、と、エアシャカールは夢想した。
悪戯に舌の先でなぞると、男―――トレーナーの瞼が微かに震える。しかし、呼吸は依然として穏やかなリズムを保ったまま、彼女の唇を擽るばかりだ。
シャカールはそっと男の耳を撫ぜた。ウマ娘とは異なる、実に複雑な、奇っ怪な形をしたそれは、ほんのりと赤く熟れている。爪の先で引っ掻くと、トレーナーは厭わしげに眉をひそめ、首を傾けた。ささやかな抵抗が酷く愛らしく思え、もう一度、自身の唇を彼のそれに押し当てる。ややかさついた唇はシャカールの捺印で斑に色付いていた。
ソファの上に横たえられた腕を指先で辿り、手の甲を包むように重ねる。シャカールのそれよりも一回り大きく、皮膚の薄いその手は乾き、少し荒れていて、そして、熱い。指と指をしっかりと縫い合わせるように絡め、寸分の隙間も与えないと言わんばかりに力を込めた。指先から伝わる脈動が心地良い。
トレーナーが目を覚ます気配は無い。ソファに靠れるようにして床に座っていた娘はそっと立ち上がり、跨った。暗い興奮に揺れる尾が、彼の身体を軽く叩く。
呼吸に合わせて上下する胸に手を這わせ、シャツのボタンを1つ、2つと外して行く。西日を受けて橙に染まるシャツの裏側に、唇を押し付けた。布地に触れた鼻先が汗と洗剤の匂いに包まれ、まだほんの僅かに残っているシャカールの理性をじりじりと燃やしていく。トレーナーの汗ばんだ素肌に幾度か口付けを落とし、深く息を吸い、大きな口を開けて噛み付いた。
トレーナーが呻く。ぷつ、ぷつ、と微かな音を立てながら肌が破れ、温い血が娘の牙を赤く潤す。
好いた男に傷をつけ、汚し、啜る。これ程までに浅ましく、論理から程遠い行為が他にあるだろうか。
シャカールは堪らない背徳に身を震わせた。
秒針、外の喧騒、男の呼吸、女の息。静謐とした空間を彩る音はしばらくの間調和を保っていたが、ほんの一瞬、その均衡が僅かに崩れた。口を離し、再び半身を起こす。 - 2二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:34:21
トレーナーの吐く息が乱れ、指先がぴくりと跳ねた。やがて瞼が薄く開き、その奥から、今の今まで眠っていたとは到底思えないほどの強い輝きを湛えた瞳が覗く。元々彼の目は茫洋としていながら獣のような鋭さを感じさせる奇妙な眼力があったが、今はそれが戸惑いに揺れている。
シャカールは特に動じるでもなく、ただ一言
「よぉ」
と声をかけた。
トレーナーは暫時口を噤み、次の言葉を待っている様子だったが、それ以上は無いと分かると、嘆息した。何かを耐え忍ぶような、細く長い息だ。
「……何をしているんだ」
「何って……。マーキングだろ」
「……痛い」
「悪かったよ。……けどさ、見えねぇとこに付けてやってんだから、その点に関しては褒めてくれてもいいんじゃねぇの?」
どうせ匂いで全部分かっちまうけどな、とシャカールは笑った。彼はこれからしばらくの間、血の匂いを漂わせながら日々を過ごすことになるだろう。人相手ならばともかく、優れた嗅覚を持つウマ娘からの好奇の視線は免れられない。
シャカールは円を描いて並ぶ血の滴にそっと舌を這わせた。時折ぢゅ、と品の無い音を鳴らしながら丁寧に吸い上げ、舐める。ふと視線をトレーナーの方へと寄越し、
「お前、起きてたろ」
と囁いた。彼は答えない。
「好きモンだよなぁ。オレも、お前も」 - 3二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:34:56
がっつり♂トレですけどこのまま捨て置くのも惜しい気がしたので投げました
許して - 4二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:35:13
証明終了だ、バァカ!
- 5二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:44:52
シャカールのお話が見れてホクホクですよ私
- 6二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 22:44:59
許す
また書いて♡ - 7二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 23:11:55
ありがとうございます妹の病気が治りました
- 8二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 23:14:35
プレイアブル実装されてないのにその解像度は何なんだ。未来が見えてるのか
- 9二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 23:29:37
最高だ…
- 10二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 23:37:56
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん21/09/05(日) 23:40:04
これ規約違反にならんの…?
- 12二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 00:59:21
いい……嚙まれたい