- 1二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:18:44
「ビッグバン……!トレーナー、"地球は青かったね"」
「あぁ、この空の蒼色に負けないぐらいに綺麗に咲いてるね」
春が、桜が咲き終わり、チューリップやツツジなど色とりどりの花が見頃の時期。見上げた空は綿菓子のような雲が浮かぶも、澄み切った蒼が地平線の彼方まで広がっていた。
その蒼天に共鳴するかの如く、地表にはまるで御伽でしか見たことがないような勿忘草色の花畑が、周囲見渡す限り咲き誇っている。
いわゆる淡い青色の花、ネモフィラがそこには咲き乱れていた。
そんな幻想的な風景に、隣にいるネオユニヴァースがかの有名な宇宙飛行士の名言を用いたのも分かる気がする。星が煌めく宇宙を見上げるのが好きな彼女に地上の生命の輝きの一つである花の可憐さに気づいてもらってなによりだ。
しばらくの間、二人で花畑を見ながら散策していると、ネオユニヴァースがこちらの裾を引っ張ってきた。振り向くと彼女は、ここら一帯を見渡せる丘の方を指差しながら言う。
「トレーナー。ネオユニヴァースは"天辺"でもっと"観測"するよ」
「…んっ、分かった。一緒に上で見にこうか」
「……『ワクワク』するね」
彼女の要望を叶えるために花畑を見渡せる丘を登る。心なしかネオユニヴァースの足取りが何時もより軽やかに見える。
その様子を見ると早起きして、連れて来たかいがあった。
それに俺もこの景色を上から見渡せたら、どんなに素晴らしいものがあるのかと思うとネオユニヴァースと同じくわくわくを感じずにはいられなかった。 - 2二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:19:37
「うーん、綺麗だ。まさに絶景だね」
「ん……アファーマティブ」
丘から見下ろす景色はネモフィラの勿忘草色が360度綺麗に見渡せるものであった。さらに、視界の果てまで広がる空の蒼との対比で美しく映る。
そんな光景にネオユニヴァースはというと、心なしかいつもより彼女の青い瞳がキラキラしているように見える。
そんな彼女を見ていると思わず口にする。
「ねぇ、ネオ」
「…?」
「君の写真撮ってもいいかな」
今、眼の前に広がる綺麗な風景と一緒にネオユニヴァースを入れた写真を撮りたい、そんな衝動に駆られた。記憶だけでなく、記録にも刻んでおきたいと何処となく感じたのだ。
言われた本人は少し悩んだのか、ちょっとした間があってか返事をする。
「……んっ、いいよ。ネオユニヴァースは
『そわそわ』するね。これは『嬉しい』だね」
どうやら、表情があまり出ない彼女も満更ではない様子だ。
「じゃぁ、ちょっと失礼するね」
ネオユニヴァースを目の前に立たせ、自分はスマホを構える。すると、彼女は人差し指同士をくっつけながら、画面越しから青色の眼差しがこちらを捉える。
- 3二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:19:52
「……ネオユニヴァースは"同期"を希望するよ。――"AMRT"。トレーナーと"観測”されたいよ」
どうやら、ネオユニヴァースは1人の写真より俺とのツーショットを望んでいるようだ。
予想外な出来事だが、彼女も俺との二人での記録を願っているみたいで素直に嬉しくなる。
「……分かった。俺で良ければ」
俺は気兼ねなく彼女のリクエストに了承した。それから、近くにいた人に写真の撮影をお願いして、二人で思い出の一枚を撮る。
そこには、少しあどけない笑みを浮かべるネオユニヴァース。
そして、その横でいつも通りに笑みを浮かべる俺。
写真にはネモフィラに負けないくらい二人の笑顔が咲いていた。 - 4二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:21:46
ネモフィラの花畑が綺麗なのでネオユニで書きました。