もう虚しくなんて無い!~兎とジャバウォック編~

  • 1◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 19:38:18

    元アリウスのちっこい一般事務員の早瀬リアちゃんが事務能力や交渉力をいかして仲間と一緒に反逆するスレの後日談的なスレです。
    現在パヴァーヌ2章っぽい所で進行中
    アリウスの闇深要素に気付き始めたRabbit小隊ですが………
    なんか前スレ後半おかしな事になりましたが………まあ知ったことではありませんね!(防衛室長並感)

  • 2二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 19:39:28

    たておつ

  • 3◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 19:41:19
  • 4二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 19:42:02

    たておつです

  • 5◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 19:43:18

    注意
    このスレにはオリキャラ、ダイス要素が含まれます
    このスレでは、リアちゃんたちが頑張った結果、エデン条約襲撃直前でベアトリーチェの策が悉く潰され、ベアトリーチェの打倒にアリウスの兵力も加わった結果、アリウスがトリニティに併合され、アリウス分派として生活しています。
    また、戦力の増大の著しいトリニティへの牽制でSRTが一応存続しています。

    早瀬リア
    当時のアリウス唯一にして事務能力(100)をほこる事務員だった。
    現在はパテル分派所属。次席事務官。

    当時は、ベアトリーチェから仕事で圧殺されかけており、いっそ爆薬担いで胸ダイブかまそうかと画策していた。そんなある日、カタコンベの壁をぶち抜いてやって来た聖園ミカと接触したことと、内戦の傷が癒えてきたことをきっかけに取り戻した技能を使い、反逆を始めた。
    同期と共にアリウス内線を生き残っている。
    妹がいる。
    ミカ様大好きな忠臣。
    早瀬ユウカとは他人
    仲裁と交渉担当

  • 6◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 19:46:18

    準レギュラーキャラ
    血祭キョウカ
    トリニティの1年生
    アリウス分校出身のくそつよわんこ系後輩。ツルギを師と仰ぐ。
    Rabbit小隊の案内役を務めたが………
    八百万マイ
    リアのアリウス分校内戦時代からの同期。工兵隊の指揮をとる。
    ヒフミと友達。ペロロもいいけどウェーブキャットも好き。
    休憩中。
    雨宮ミスズ
    リアのアリウス分校内戦時代からの同期で当時の隊長。リジェネ付与の神秘を有する。最近影が薄い。防衛戦で前線部隊にリジェネをかけ続けてたため休憩していたが………
    早瀬ユウミ
    リアの妹。リアより大きい。
    リア並みの事務能力とそれなりの電子戦の知識を有する。戦闘力は他のアリウス生に比べると低い。
    実はインフラ系はユウミのほうができる。

    アリウス分派生徒
    数が多い。そこそこ戦える。個人個人何かしらの技能を有する。『事務官=過労死レベルで働かせられる』というイメージがあるせいで事務仕事には拒否反応を起こす生徒も多い。上に逆らうことを覚えた。半角でしゃべりがち。食事を楽しみにしている生徒が多く、供給が途絶えると士気が8割ほど下がる。
    防衛戦を終えて約1日休息をとったが………………
    部長
    ミレニアムサイエンススクール、自販機研究会の部長。
    ミレニアムやD.U自治区に自販機を展開及び管理を行っている。食品から弾薬まで大体揃得られるだけの伝手を持つ。
    商品開発と良い感じの案件を持ってきてくれる為アリウスとの関係は良好。
    今回1番得をしてるかも知れない人。

  • 7二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 19:47:35

    楽しんで見てたから復活うれしい!保守!…でいいのか?(こんな早くにレスしたことない)

  • 8◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 19:50:24

    >>7

    >>2

    >>4

    ありがとうございます。


    とりあえずぼちぼちやってきたいと思います。

    始めたからにはちゃんと区切りはつけるし書きたいシチュも有るので続行します。

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 19:52:42

    たておつです
    あとお帰りなさい!

  • 10◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 20:16:15

    「お前たち………やってくれたな………!
    あれほど……!あれほど問題は起こすなと言っただろうこのバカモノがぁ!」
    青筋を浮かべたユキノ先輩からの拳骨が落とされ、目の前に火花が散りました。鉄帽を被っていたサキですら頭を押さえて屈んで「ぉぉぉ……」と呻いています。
    「時間が惜しいからな、一先ずはこれで済ます……いいかよく聞け、これからテストを行う」
    「テスト……ですか?」
    先輩の口から出た言葉、そして案内役のキョウカから言われた「残れたら教えてあげる」という言葉に嫌な予感がしました。
    「ああ、先の失態について、トリニティの事務官は即時の送還を求めたようだが、シャーレの先生の進言により挽回の機会が与えられた感謝するんだな………」
    『シャーレの先生』の名前を聞き、サキが舌を打った。そして拳骨を落とされました。
    「内容は『戦闘』我々SRTの本領だが、それにより戦列に加わるに足る資質を示すのが先方が提示した条件だ。もしできなかったら、お前たちにはSRTに帰り、謹慎延長の上初期訓練からやり直して貰う」

    「「「「………!?」」」」
    SRT生を篩にかける初期訓練………その厳しさを思い出して身震いしました。

    「求める資質については伝えないように言われているが………お前たち………目を曇らせるなよ?己の『正義』を示せ」
    そう言い残して先輩たちが離れると、大盾や銃で武装した生徒たちが私たちを遠巻きの円状に取り囲みました。

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 20:18:37

    うわぁ……痛そ……

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 20:18:39

    残当
    原作の時点で今までなにやってきたのレベルなんだから学園存続してりゃ最初からやり直せってなるわ

  • 13◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/13(月) 20:29:44

    「!?ま、まさか……!?」

    「こいつら全員と戦うのか!?」

    100人近い生徒に包囲され、わたしたちが狼狽えていると、周りを囲む生徒たちが盾や銃をガンガンと叩いて音をたて始めました。音の感覚がどんどん早く大きくなり、暫くしてピタリと止んだ。そして、私たちの向かい側の囲みが、サッと割れると………


    「いやぁ~!参ったっすねぇ~!一応オフの予定だったのにリアちゃんパイセンも人使いが荒いっす!」


    白い戦闘服を着てショットガンを2丁携えた生徒が歩いてくる………


    「まぁ、でも………………」


    その生徒は………


    「お、お前………!?」

    「天下のSRT生と闘れるなら大歓迎っす♪」


    トリニティ総合学園、パテル分派所属元アリウス生、血祭キョウカ………



    >>9

    ありがとうございます

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:59:37

    うおおおお!!!おかえりいい!!
    前スレで予想されてたけどガチでキョウカがやるのか……

  • 15二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 10:14:45

    楽しみだねぇ

  • 16◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/14(火) 10:18:51

    「制限時間は無し、弾薬は支給された分のみ使用可能とし、試験中適宜補給される………終了するのは資質を示したと判断された時か続行不能と判断されたときだ……立会人は我々FOX小隊とこの場にいる生徒全員だ」
    私たちが相手を見て黙っているなか、ユキノ先輩が試験の内容を説明した。
    「いやぁ~!案内役だけかと思ったら試験の相手役もするなんてついてるっすね!」
    口調はそのままに、道中や食堂で見せていた人懐こい飼い犬の様な雰囲気はなりを潜め、こちらを見る目は獲物を見つけた猟犬のように爛々とかがやいていました。

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 10:44:28

    これで🎲振った結果普通に兎が負けでもしたら先生も終わるので、最終的な結果は固定だと信じたい

  • 18二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 12:38:20

    勝つ必要はないねん
    ただ資質を示す必要がある
    場所を考えるに一番の難点はミユか?

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 13:59:58

    この世界先生の指揮バフってそのままだっけ?今回は使わないにしても先生の指揮バフすら無かったらまじで存在してるだけ株が下がってただの節穴約立たずになっちゃうんだが

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 14:51:20

    >>19

    驚かないでくださいね?先生が指揮した事はこのスレでは全くないんだ

    3スレ目のアリウス解放作戦でもリア一行&ミカ&アリウススクワッドが独自に戦ってたので先生はその場で見てただけなんだ

    つまり建前でもアリウスへの侵攻で問題になる「自治権」をクリアするためトリニティがシャーレを利用しただけで、先生はなーんも役に立ってないんだ

  • 21二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 15:23:47

    >>20

    えぇ....(困惑)あっあの...これ居ない方がマシなんじゃ...ベアおば並みの舞台装置...

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 15:28:00

    アリウスとトリニティに関しては、発端がむかーしのトリニティがアリウスを切り捨てたことだから、トリニティが解決しないといけない問題として「筋を通すためにシャーレの権限を借りる」が「先生の助力はいらない」は通じるラインじゃない?
    何でもかんでも先生っていう大人が解決するんじゃなくて、生徒が頑張ってもミスったり届かなかったりしたときのケツ持ち(責任)としての先生(大人)
    今回もSRTの力借りてえ!っていう生徒からの要望には応えてるし

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 15:29:37

    先生の扱いがいくらなんでも悪すぎる気がしてきたな…いやまぁリアが大人嫌いだから展開が自然とそうなってくるのもわからないでもないけども…
    流石にそろそろこの辺で活躍ほしいというか諸々の割食いすぎてるから挽回が欲しいというか…とりあえず頑張ってくれ先生

  • 24二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 17:10:26

    対策委員会編とかイベストとかはちゃんとやってるんだろうとは思うけどねぇ……

  • 25◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/14(火) 18:20:19

    >>19

    >>20

    >>21

    >>22

    >>23

    >>24

    本スレの先生について考察していただきありがとうございます。本スレを長く読んでいただいている方にはお気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、スレ主は一応教職についております。自分自身のスタンスとして『主役は児童生徒である』『教師とは伴走者である』『どうにもなら無いときに手助けして責任をとる役割である』という3点を信条にしており、私の『極論職業としての教師は舞台装置であるべき』スというタンスが本スレの先生に滲んだ結果些か頼りない先生になったのかと思います。

    しかし、本スレの先生は私個人とも現実の教職員とも別人でありますので、主役は生徒達である事には変わりませんが、先生にも働いて貰おうと思います。

  • 26◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/14(火) 20:21:43

    「いやぁ~♪SRT生が4人も居ると誰からいこうか迷っちゃうっすね~♪」

    ビュフェで並んだ料理でも選ぶような気楽さで、キョウカはRabbit小隊を眺めた。

    「だ・れ・に・し・よ・う・か・な~♪」

    ご機嫌に銃口を振りながら、4人を頭から爪先まで舐めるようにじろじろと見ていく。

    「始めろ」

    そして、サオリからはじめの合図が出された。

    「ん~♪………決めたっす♪」

    キョウカが最初の標的に選んだのは………

    dice1d4=3 (3)

    1、ミヤコ

    2、サキ

    3、ミユ

    4、モエ

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 20:23:23

    ミユか…頑張ってねミユ


    >>25

    了解です

    どんな風に動くのか楽しみに待ってます

  • 28二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 20:25:18

    ぶっちゃけ先生当人も「頼られずともみんなが幸福に青春を送れるならそれでいい」
    と思ってそうですしねー...活躍に関してはスレ主様次第でいいんじゃないでしょうか

  • 29二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 20:26:12

    狭い場所で本領発揮出来ない狙撃手にいったー!
    他のメンバーと戦闘中に存在感なくなって位置とか把握できなくなったら面倒くさいからね

  • 30◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/14(火) 20:45:34

    「なんかほっとくと後ろから撃たれそうだから君からいただくっす♪」
    合図と同時に姿勢を低く突撃したキョウカが、隠れる前のミユに肉薄した。
    「っ!?」
    「なっ!?」「はやっ!?」
    前目に詰めていたサキとミヤコの間を抜け、後退を開始しようとしていたミユのお腹にショットガンのストックをめり込ませた。
    「かはっ!?」
    勢いそのままに腹部に突き刺さった打撃にミユの体がくの字に曲がり、ついで左手の銃床が頭部に振り下ろされた。
    「ミユ!」
    「んぎっ…!」
    後頭部に銃床が振りきられる直前、反転が間に合ったサキとミヤコが両サイドにたどり着き発砲したことでキョウカは後退した。
    「ミユ!大丈夫ですか!?」
    「な、なんとか………おえぇ………」
    途中で後退させたことで頭を割られることは避けたが、しっかりと頭を揺らされ、内蔵にめり込むほどの打撃を貰ったことでミユは膝をついた。
    「ん~?仕留め損なったっす………思ったより頑丈なうさぎさんっすねぇ………」
    「下がっていろ!私がやる!」
    「まってくださいサキ!」
    即座に復帰するのが難しそうなミユを庇って、サキが前に出た。
    「お!今度はきみっすか?活きが良さそうっすね!」
    キョウカも答えるように突撃し、両者がかち合った。

  • 31二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 07:27:53

    保守

  • 32◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 07:58:21

    「あはは!きみけっこう良いっすね!正実で訓練するくらいには面白いっす!」
    「くっ!このっ!」
    銃口を向けるとヒョイヒョイとステップを踏み、死角に入り込むように移動しては両手のショットガンを向けてくる。正直かなりきつい。
    ダダダッ!
    「んぎっ!?」
    暫く攻防を続けていると、キョウカに私のものではない銃弾が突き刺さり、動きが止まったのを見計らって一度後退した。
    「サキ、大丈夫ですか!?」
    「ああ、大丈夫だ、だがかなり強いぞ……」
    前衛の間をぬく早さ、狙撃手とはいえミユを2発で沈めるだけの膂力、ショットガンの2丁持ちというあまり見ない得物、そして………
    「いったいっすねぇ………」シュウゥゥ………
    「なんなんだあれは……!?」
    ライフル弾を受けた腕の傷が煙を上げながら塞がっていきました。

  • 33◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 19:25:39

    ミヤコは思い出していた。
    曰く、トリニティには歩く戦略兵器がいる。
    曰く、それは2丁のショットガンを得物としている
    曰く、異様なほど傷の治りが早く、電車にはねられても無事である
    曰く、その生徒は正義実現委員会の委員長、剣先ツルギである

    「まさか……そんなデタラメな生徒が剣先ツルギ以外にも居るなんて…!」
    サキが歯噛みした。
    「お?ツルギ師匠のこと知ってるんすか?やっぱりツルギ師匠って有名人なんすね!」
    鋭い目をしていたキョウカが、ツルギの名前を聞いて案内中の人懐こい飼い犬の様な雰囲気に戻った。
    「う~ん……でも困ったっす……最初は出来るだけ被弾しないようにしろってリアちゃんパイセンに言われてたのにもう当たっちゃったっす………やっぱりSRTって強いんすね………!」
    困ったような顔をした後、こちらにキラキラとした目を向けてくる。
    「じゃあ………もう思いっきりいくっす!」
    「!?撃ちます!」
    緩い雰囲気からいきなり突撃を再開したキョウカに反応し、こちらも牽制の射撃を開始しましたが、今度は避けず、そのままキョウカに突き刺さりました。

  • 34◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 20:01:46

    SRTの扱う火器の威力は一般的にキヴォトスで流通している銃よりも高い傾向に有る。にもかかわらず、キョウカは避けること無く突っ込んだ。
    「あはは!めっちゃ痛いっす!」
    「気でも狂ってるのか!?」
    流石に頭部は庇っており、前進する速度も下がって「痛い痛い」と良いながらそれでも被弾した箇所から煙を上げながら足を止めない姿はRabbit小隊に十分すぎる威圧感を与えていた。
    「ほらほらこっちも撃つっすよぉ!」
    そのまま両手のショットガンからチョークを絞った散弾を打ち出され、逆にRabbit小隊が避ける羽目になった。
    「グレネードいくよ!」
    そして後方でミユを介抱していたモエが手榴弾を数発投げ込み、直撃した。

    「助かりました……一旦体勢を……「ゲホゲホっ」………!?」
    手榴弾の直撃なら流石に足も止まるだろうと思ったミヤコが体勢を建て直すために後退の指示を出そうとしたが、煙の中から噎せる声が聞こえた。
    「あー………SRTの手榴弾はキクっすねぇ………」
    「そんな………」「化け物め………」
    爆発への盾にしたであろう両腕は焼け焦げていたものの、すぐに煙を上げはじめ、炭化した皮膚がポロポロと落ちた後すぐに白い肌が現れた。
    傷は治り、銃では止まらず、手榴弾でも仕留めきれない………まさに絶望がそこにあった。

  • 35◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 20:09:44

    「とんでもないな………」
    戦闘を眺めていたユキノが呟いた。
    「ほお?やはりSRTからみてもキョウカはそう見えるか?」
    同様に見ていたサオリが声をかけた。
    「『倒れない兵士』というのは恐ろしいものでしょう?」
    「その通りだな」
    キョウカやツルギを相手に正実で訓練をすることも多いサオリは、ユキノの感想に同意した。
    「でも………対抗できない訳じゃない」
    そう言ったユキノに「違いない」と返してサオリは視線を戻した。

  • 36◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 20:23:45

    トリニティ自治区で問題を起こした不良生徒は言う。
    「いや、もうマジでムリっす………」
    「あんなの相手にするくらいなら他所の自治区に遠征した方がまし………」
    ─それはなぜ?─
    「いや正実の委員長いるじゃん?アイツはヤバい、ゲヘナの風紀委員長と別ベクトルでヤバい、あと怖い、奇声上げながら銃弾無視して突っ込んで来るの超怖い………」
    「しかもうちら捕まえた後正実の後輩が『大丈夫ですか?』って聞いたら『もう治った』って言ってたんすよ………」
    「しかも最近ツルギを一回り小さくしたみたいなのが増えたし………」
    「あっちはあっちで楽しそうにニコニコ笑いながら突っ込んでくるし………もうトリニティ生狙ってもアイツら出てくるなら割に合わねぇよ………」
    そう言った不良達は思い出したのかブルリと身震いしたあと帰っていった。

  • 37二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 20:28:51

    正実は安泰だなぁ……

  • 38二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 20:29:23

    まじでキョウカは敵にするとおそろしいな…戦闘力的にはジェネリックツルギ(当人の7割から8割くらい?の戦力)だけど、成果を出せば褒めて貰えるって感じでがんばる戦闘狂なところもありつつ、戦闘周りの頭も回るし…(頭部への被弾を避けてるところとか)
    今回は1対4だからマシな方だけど、ここに更に戦闘力高めでゲリラ戦が得意な味方集団と回復バフくれる身内がバックに付くっていう、よく分かる正面から戦いたくない相手だ。連携してない、できていないウサギ達に勝ち目あるか?(今回は資質さえ見せられればOKな戦いとはいえ)

  • 39◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/15(水) 20:41:11

    "………リアって意地が悪なのか優しいのかわからないね"
    ここまでの戦闘を眺め、試験の意図を察した先生は側で見ていたリアに言った。
    「なんですか藪から棒に………私としては不適格だと思いましたが先生とミカ様が言うから用意したんですよ?それとも今さら試験内容を変えろとでも?」
    ジロリと先生を見ながら言ったリアに、先生は肩をすくめた。
    "まさか、此方からお願いしたんだからそんなことは言わないよ………彼女達にも必要な事だしね………それに、アリウスの生徒達は全員クリアできるんでしょう?"
    「先生は、彼女達がこの試験を越えられると?」
    先生の発言から、試験の意図を理解してると判断したリアは、先生にきいた。
    "もちろん、彼女達ならできるよ"
    即答した先生にリアは呆れたような目を向けた。
    「………私たちも『それ』に助けられた身とはいえ先生の目が生徒を信じることに曇っていないことを願います………」

  • 40二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 07:34:40

    保守

  • 41◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/16(木) 07:51:59

    「ヒャアぁっ!楽しいっすねぇ!」
    弾丸を無視した突撃、低く姿勢からの腕を地面に突き立てての急制動、不規則な距離からの飛び込むようなタックル等々、楽しくなったキョウカは好き勝手に暴れまわった。
    「なんだコイツ!?ムチャクチャだ!こんなの教範に無いぞ!?」
    「教範に無くても目の前に居るんだから対処するしかありません!」
    キョウカがリアから受けた指示は『終了の合図が出るまでRabbit小隊と戦え』というものだった。速やかに排除しろと言われたわけではないため、キョウカは自分が楽しめる戦いかたをしていた。それがむちゃくちゃで読みづらくもあり、辛うじてRabbit小隊が戦闘不能になっていない理由の1つでもあった。
    「ヒャアっ!」
    突進からの宙返りを挟んで放たれた回転蹴りを避け、銃弾をばら蒔きながら後退する。
    「ちっ!もうむちゃくちゃだ!おいミヤコ!一先ず今は従うからお前が指揮を取れ!」
    「良いんですか?」
    「あんなやつの対処のしかた教範に無かった!現実はいつもそうだ!一応隊長の名義はお前になってるんだからお前が指揮を取れ!初期訓練からやり直すよりましだ!」
    「そうだねぇ、またあのきっついのやるのはわたしもごめんだね」
    消極的な選択とはいえ、一先ずわたしに指揮権が戻ってきました。
    「分かりました、私が指揮を取ります。一先ずこの難局を乗り越えましょう……」

  • 42二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 08:50:10

    rabbitはようやく本領発揮かな?

  • 43二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 16:51:41

    保守

  • 44◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/16(木) 20:57:51

    「おうっ?」
    両サイドに別れたミヤコとサキの射撃を気まぐれに避けたところに投げ込まれた手榴弾を左腕を盾にして耐えたキョウカは首を傾げた。
    「(なんか……変わったっすか?)」
    先ほどまでは足が縺れて転ぶ子うさぎを小突いて遊んでいる感覚だったが、今のRabbit小隊からはしっかりとした足取りで此方に向かってくる小型獣の様な雰囲気を感じる……。
    「サキ!3秒後に後退します!」
    「わかった!」
    撃ちながら突っ込んで来たかと思ったら一斉に後退し、釣られて前に出れば目の前にグレネードが撃ち込まれる。
    「おおっ?おおおっ!?なんか全然違うっす!こっちのが楽しいっす!」
    指揮系統の復帰したRabbit小隊は、軽く捻って遊べる他愛の無い獲物ではなく、確かな手応えを感じさせる敵へと変わっていた。

  • 45◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/17(金) 06:57:50

    「ふむ……流石に公安局の部隊を追い返すだけあって部隊として連携したときはなかなかですね……」

    "でしょ?"

    Rabbit小隊の連携を見たリアの評価は………

    dice1d3=1 (1)

    1、おおむね満足

    2、まあよし

    3、まだ足りない

  • 46二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 07:00:54

    リアにも認められたか
    あとはこれを何時でもできるようにならなきゃね

  • 47二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 08:37:00

    だいたいのものを突進してドーン!で解決できるツルギと≒で結べるキョウカがやりにくそうな時点で結構な戦力だしねえ

  • 48二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 18:22:49

    ほし

  • 49二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 18:30:46

    まあ兎をとりあえず認めたからって先生への評価を上方修正するわけじゃないんだけど(無慈悲)

  • 50◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/17(金) 19:14:37

    「はい、戦闘力は申し分ありません。最初からこれを見せていただければ試験をしなかったほどに………しかし、資質はまだ示せていません」
    連携が機能し始め、キョウカと拮抗し始めたRabbit小隊を見て、リアは戦力面では素直に感心した。しかし、それは資質とはまた別であったため、インカム越しにキョウカに指示を出した。
    「キョウカ、もう少し荒っぽくしてもいいですよ」
    「え?でもこれ以上やると壊しちゃうっすよ?」
    楽しくなっていたキョウカだが、他校からの客を壊さないようには気を使っていた。
    「ミスズがいるので問題ありません。彼女達の資質を計るには、あなたは恐ろしい怪物でなければならないのです」
    「むう……どうなっても知らないっすよ?」
    "………………リア、ちょっと席をはずすね"
    リアの発言をニコニコしながら聞いていた先生は、タブレットに目を向けると、踵を返した。
    「先生?どちらに?」
    "ん、ちょっと警備に出ているc&cのところにね……また来そうだからちょっと指揮を取ってくる"
    タブレットにリオから哨戒記録が届き、接近はしていないがある程度まとまった数の機械が確認されていた。
    「………全軍に通達を出しますか?」
    "いや、まとまってはいるけどそこまで多くもないからc&cとゲーム開発部を連れて対処するよ………みんなも休ませたいし、それにRabbit小隊のいい成長の機会だしね"
    リアの端末に先生から情報が共有され、ざっと見たリアはこくりと頷いた。
    「はい、これくらいならお任せします。ただし、せいとたちにはの声をかけておきますね」

  • 51◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/17(金) 19:31:01

    "さてと………それじゃあ、久しぶりにやろうか"
    トリニティとミレニアムの首脳陣が大枠を詰め、指揮系統が確立されていたため、今回の一件に手をつけてから先生は生徒の指揮を取っていなかった。
    「おう、頼むぜ先生」
    傍らにはミレニアム最強、c&cのコールサイン『00』美甘ネルが控えていた。
    "本当はネル達にも休んで欲しかったんだけどね………"
    「先生や他校の奴らにばっかり任せてあたしらが黙ってるわけにいかねぇだろ?ちょっとはいい格好させろ」
    「うわぁ………うじゃうじゃいるぅ」
    エリドゥから少し離れた地点で双眼鏡を覗いたモモイが呟いた。
    総数はおよそ70機、それが30機と40機の集団に分かれていた。
    "そっかぁ………じゃあ多い方任せてもいい?"
    「おうとも、先生こそチビ達だけで大丈夫か?アリスも今日は連れてこられねぇし………」
    機械郡との接触がどういった結果を及ぼすか未知数なアリスは戦列に加えるわけにはいかなかった。

  • 52◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/17(金) 19:43:30

    "大丈夫大丈夫、こっちにも奥の手が有るからね"
    「無茶だけはすんなよ?」
    そう言ってネルはc&cを連れて40機の方に向かった。
    "さて………やろうか、アロナ"
    『はい、先生』
    シッテムの箱を起動し、崖の上から眼下で屯している30機の機械郡に目を向ける。
    「ねえ先生?本当に私たちは横で警戒するだけでいいの?」
    「他にも生徒を連れてきてるならともかく………私たちだけで対処するのは………」
    モモイとミドリが不安そうに言った。
    "うん、任せて………2人はもしも近づいてきた時に私を引きずって逃げて貰うから"
    先生はカラリと笑って言った。
    "それに………生徒達がここまで頑張っているのに、『大人』の私が身を切らないわけにはいかないからね………………"


    ──大人のカードを取り出す──

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 19:46:32

    先生本領発揮ですね!
    ヒエロ分とバルバラ分浮いてたからここで使っても最終章に響かないですし
    さて誰を呼ぶのかな

  • 54◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/17(金) 22:17:25

    先生が呼んだのは………

    dice1d4=1 (1)

    1、アビドス

    2、ゲヘナ

    3、レッドウィンター

  • 55◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/18(土) 06:13:41

    「うへぇ~、ご無沙汰だね先生」
    「ん、先生はもっとアビドスに来るべき」
    「たまには柴関にも顔出しなさいよ!大将もちゃんとごはん食べてるか心配してたわよ?」
    「ふふふとりあえず今回はお手伝いしますね」
    「支援します!」
    砂塵舞う自治区で懸命に青春を送るアビドス高校の生徒が、呼び掛けに応じて現れた。
    「いやぁ~……またおかしなもののあいてしてるねぇ………取り敢えずあれ片付ければいい感じ?」
    "うん、お願いできる?"
    「うへぇ~、寝起きのおじさんにはちょっときついけど、先生の頼みならしかたないなぁいいよぉ」
    「ん、トリニティも絡んでるならヒフミに借りを返すチャンス」
    "ありがとう、それじゃあ、始めようか"
    「おーけー、指揮は任せるよ先生」
    機械郡に向けてアビドス廃校対策委員会が襲いかかった。

  • 56二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:25:22

    最初の仲間がここで

  • 57◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/18(土) 20:06:24

    「さて、後輩ちゃん達に良いところ見せようかな?」
    ゲマトリアに所属する黒服から、キヴォトス最高の神秘と称される小鳥遊ホシノが前に出た。
    "ホシノ、前に出るタイミングは君に任せるよ、まずは一体潰して、指定のポイントまで誘導して"
    「了解」
    先生の従い、先頭にいたクラゲを一体潰し………
    「うへぇ~鬼さんこちら~」
    縦で攻撃を弾きながら、小鳥遊ホシノは先生が指定したポイントまで機械郡を引き連れて走った。

  • 58二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 07:17:45

    やったぜ

  • 59二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 08:28:39

    >>49

    「大人とはデフォルトで赤いあんちくしょうみたいなもの」という考えが抜けないんだろうね

  • 60◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/19(日) 16:37:13

    「えっほ!えっほ!」
    どことなく暢気さを感じる掛け声で走るホシノが、機械郡を引き連れて指定されたポイントを通過した。
    "そこでいいよホシノ………対ショック姿勢、口は開けておいて"
    先生の指示が届くと同時に、ホシノの頭上を何かが通過した。
    「……うへぇ、あれはちょっと痛そうだねぇ」
    頭上を通過したのはアビドスの1年生、奥空アヤネの操作するドローン、それが抱えているものを見たホシノは反転し、盾を構えた。
    機械郡の中心部に向けてドローンから大きめの『旅行かばん』が投下された。
    "セリカ、今!"
    「了解!」
    タンッという軽い音とともに放たれた弾丸がかばんを撃ち抜き、c&cの室笠アカネから預かり中に詰め込まれた爆薬が炸裂した。それによって多数の敵と近くにいたホシノが巻き込まれたが………
    「ケホッ、ケホッ、うへぇ~けむいよ~」
    小鳥遊ホシノ、服に砂ぼこりと煤がついた以外は無傷。
    "シロコ、ノノミ、ミドリとモモイも!制圧射撃!残敵掃討に移るよ!"
    「ん、任せて」「は~い♣️」
    「アリスがめっちゃへこんでるんだけど!あなた達のせいだよ!」
    「さっさと帰って!」
    アビドスの2年生コンビと怒れる才羽姉妹の手により、爆発から逃れた機械もみな破壊された。

  • 61◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/19(日) 21:59:46

    「ふい~、おわったね~」
    パンパンと埃と煤を叩きながらホシノが先生の元にやって来た。
    "お疲れ様ホシノの、今回は助かったよ"
    「いやいや、これくらいおじさんにかかれば朝飯前だよ。………先生はまだミレニアムで仕事が有るんでしょ?だったらそっち気にしなきゃね、アビドスはなんとかやってるからさ………」
    "………終わったらアビドスにも顔だすよ、柴関で祝勝会でもしよう"
    「うへぇ~、柴関に入りきるかな~?」
    『約束だよ?』と言ってホシノ達アビドス高校の生徒達は帰っていった。

  • 62二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 07:35:01

    終わったか

  • 63◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/20(月) 12:54:46

    "ネル、そっちはどう?"

    アビドスの生徒達を見送った後、先生は別行動中のc&c連絡を取った。

    「ああ?こっちはもう終わった、今からそっち向かうからあたしらが行くまで耐えろ」

    "あ、いや、こっちも終わったんだけど……"

    ネルは先生と才羽姉妹が未だ戦闘中だと思い、合流を提案したが、互いに戦闘は終了していた。

    「ったく……どんな魔法を使ったんだか……まあ、無事ならそれでいい、取り敢えず戻ろうぜ?」

    "了解、車回すね"

    戦闘を終えた先生達は、合流後エリドゥに戻った。


    その頃、エリドゥでは……

    dice1d3=2 (2)

    1、キョウカ大暴れ

    2、Rabbit小隊が粘る

    3、リア「むむっ!」

  • 64二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:43:49

    自由にやっていいと言われてるキョウカ状態で粘るとは

  • 65◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/20(月) 23:16:48

    「あー……なんかリアちゃんパイセンからもっと上げてけって言われたんで、ギア上げるっす……」
    キョウカがポリポリと頭をかきながら言った。
    「多分ケガするっす……きっとすごく痛いっす……でも、治るから安心して欲しいっす………じゃあ往くっすよ?」
    言い終わると同時にキョウカがサキに向かって突っ込んだ。
    「くぅっ!?」
    牽制に撃った弾も、頭部と移動の邪魔になるもの以外は無視して肉薄し、拳を振り下ろした。
    「(おっも!?なんだこれ?さっきまでより重いぞ!?)」
    ガードした腕が痺れるほどの衝撃………
    「あはは!」
    そしてそれが連続して、たまに銃床での打撃も混ぜながら繰り返される。
    「ぐっ!?このっ!」
    しかしサキもSRTの生徒、痣を増やしながらも意識を飛ばされる致命の打撃はなんとか凌いでいた。
    「くっ!近すぎて投げられない……!」
    先ほどから再生されてはいるものの、一定のダメージを与えていた手榴弾も、距離が近すぎて使えずにいた。
    「なら…!」
    サキに攻撃が集中してフリーになっていたミヤコがキョウカに低空のタックルを仕掛け、サキを蹴ろうとしていた足に組つくのに成功した。
    「おう?待ちきれなかったんすか?やっぱりウサギってさみしがり屋なんすね?心配しなくてちゃんと相手するっすよ!」
    そして組み付いたミヤコごとサキに向かって足が振り抜かれ、それにあわせてミヤコは足を離した。当然ミヤコは放り出され、サキを巻き込んで後ろに飛ばされた。
    「Rabbit3ぃぃぃ!」
    「了解!」
    ゴロゴロと転がりながら叫んだミヤコの意図を察したモエが、足を振り抜いたままのキョウカに手榴弾を投擲した。

  • 66◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/21(火) 07:10:11

    「ふむ……4人がかりとはいえキョウカを相手にここまで粘るとは……なかなかだな、これなら期待できる」

    「オオー」「スゴイスゴイ!」「ドウ?キョウカノアイテトカデキル?」

    「ツブレタアキカンニナル……」「ダヨネー」

    サオリや近くにいるアリウス生達からのRabbit小隊の評価はキョウカ相手に粘れていることで高かった。

    「アッハ!ちょーいたいっす!」

    「なんでその状態で突っ込んでくるんだよ!?」

    Rabbit小隊は再生の途中で焦げたままの腕で殴りかかってくるキョウカに顔をひきつらせながら対処していた。

    「リア、わたしは十分だと思うんだが?」

    「いいえ、まだです」

    終了を提案したサオリに、リアは首を横に振った。

    「SRTはこんなものではないはずです。決してぶれることの無い『正義』の執行者がこんなものではないはずです。彼女達4人ならまだやれるはずです」

    そこまで言ってリアとサオリは目の前の戦闘に視線を戻し、違和感を感じた……『一人どこにいった?』と


    リアちゃんは………

    dice1d3=2 (2)

    1、どん底だった期待値を上回ってきたのでワクワクしている

    2、正義を掲げるならどんな絶望にも屈しない筈です

    3、FOXのファンガール

  • 67二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 09:16:06

    絶望……?キョウカ側もフルメンツにするんか……?

  • 68二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 14:35:04

    >>67

    倒しても倒しても起き上がってくるだけで大分絶望感強いけど…キョウカ側に4対4になるよう無作為に人員投入とか?

  • 69◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/21(火) 20:45:06

    早瀬リアはワクワクしていた。かのFOX小隊が指導したRabbit小隊はキョウカを相手にどこまで戦えるのかと。当初の出会いでは大きく期待を裏切られたが、追い詰めてみれば実に良い。ただでさえ強いのに何度も一般生徒なら戦闘不能級のダメージを負わせても次の瞬間には殴りかかってくる怪物に心折れず立ち向かうのは実に良い。そして………
    「ら、Rabbit4よりRabbit1、準備できました………」
    「準備完了!これより、帽子屋作戦を実行します!」
    作戦の宣言とともにサキと入れ替わってミヤコが前に出た。
    「お!なんすか?なにやってくれるんすか!」
    作戦と聞いたキョウカがワクワクと目を輝かせながらミヤコを迎撃する。
    「そこだぁ!」
    そして側面から鉄帽を脱いだサキが突っ込み、複数の手榴弾を詰めた鉄帽を叩きつけようとした。
    「それは流石にヤバイっす!」
    しかし、それに気づいたキョウカはミヤコの手を弾いて横に跳んだ。
    「………逃がさない」ターン!
    「んぎっ!?」
    そして今まで影を潜めていたミユが、キョウカの足を撃ち抜き、キョウカがつんのめって倒れた。そこには………
    「あ、これマジでヤバイやつっす………!?」
    キョウカに殴られた後、こっそり復帰したミユがばら蒔いておいた爆薬が散らばっていた。
    「お届け物だぞトリニティの狂犬!」
    そしてサキが手榴弾満載の鉄帽を投げ込み、周りの爆薬に誘爆した。

  • 70◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/22(水) 06:42:42

    足を撃たれて動けないところへの大量の爆薬の投下………流石にこれなら…!

    「はあ、はあ………やったか!?」
    「あ、サキ、それは………」


    「うええ………めちゃくちゃ痛いっす!全身千切れとぶかと思ったっす!」
    煙と砂煙の中から声がしました。
    「あ、あれに耐えるなんて………」
    「バケモノめ………!」
    「咄嗟に穴掘って身体の半分沈めてなかったら木っ端微塵になるとこだったっす!」
    全身が焼け焦げたキョウカが煙の中から現れた。
    ギリギリ耐えたものの、あれだけの火力をまともに受けていたら受ければいくらミスズに再生のバフをかけられている状態でも戦闘不能だっただろう………まだ弱っちかった頃のアリウスで生き残るための経験がキョウカをギリギリで救っていた。
    「Rabbit3………爆薬はまだありますか?」
    「ごめん、さっきので全部使っちゃった」
    「そうか………ならしょうがないな」
    「う、うん」
    「ええ、ならばしかたありません………

    総員!わたしに続いてください!今ある武装で最後の抵抗を行います!」

  • 71二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 12:35:33

    おいまてぇ、最期にすんじゃねぇ
    テストだぞ!?

  • 72◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/22(水) 19:36:17

    「そこまで」
    Rabbit小隊が覚悟を決め、自身の小銃を手にキョウカを相手に最後の抵抗に出ようとした時、リアが終了の合図を出した。
    Rabbit小隊をFOX小隊が止め、迎撃に動こうとしたキョウカをマイとミスズが2人がかりで止めた。
    「ふむ………リア、結果はどうするつもりだ?」
    テストを見守っていたサオリがリアに聞いた。
    「これを見て分かりませんか?」
    リアは同期の2人に座らせられたキョウカを指して答え、Rabbit小隊の前に歩みでた。

    「素晴らしい、よくぞここまで戦い抜きました………あなた方は我々が背中を預けるに足る勇気と逆境に屈する事なき意思を示しました………合格です。Rabbit小隊の皆様、エリドゥにようこそ」
    うっすらと笑みを浮かべて言ったリアは、Rabbit小隊の手当てを始めた。

  • 73二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:18:58

  • 74二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 04:52:14

    保守

  • 75◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/23(木) 06:40:13

    「「「「ワアアアアアアア!」」」」
    「ちょっ!?なんだ!?」
    手当てを終えたリアが離れると、それまで試験を見守っていたアリウス生達がRabbit小隊に群がり、Rabbit小隊は揉みくちゃにされて困惑の声を上げた。
    「「「「エッホエッホエッホエッホ!」」」」
    「ちょっ!?どこに連れていく気ですか?」
    そしてあれよあれよという間に担ぎ上げられ、広場の一角に御座を敷いたスペースに連れていかれた。
    「イソゲイソゲ!」「キョウカトタタカエルユウシガキタゾ!」
    「タベモノモッテキタ!」「ウタゲダウタゲダ!」
    下ろされたと思ったら目の前に食べ物や飲み物が並べられ、他のところに居た生徒もわらわらと集まってきた。

  • 76二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 14:54:57

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 14:57:16

    >>75

    アリウスピクミンは仲間(アリウスピクミン以外の)を見つけると連れ去り歓待する…(なんか思いついた)

  • 78二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 15:10:50

    部族の宴かな?

  • 79◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/23(木) 20:08:03

    「招聘に応じていただきありがとう………トリニティ総合学園、アリウス分派で首長を務める錠前サオリだ、よろしく頼む。本来であればミレニアムの長が対応すべきなのだが、生憎輸送作戦の準備で忙しい………この場はわたしが仕切らせて貰う」
    思わぬ歓待に目を白黒させていたRabbit小隊の前にサオリが歩みでた。風格も肩書きも分かりやすくこの場の上位者であるサオリを前にして、Rabbit小隊の面々は背筋を伸ばした。
    「いい、楽にしてくれ。今回試験はさせて貰ったが、資質を示した以上我々は共に戦う戦友………連合の傘下として行動はして貰うが、他校の生徒である以上我らに上下はない」
    鷹揚に言うサオリから目を離し、周りの生徒を見れば皆うんうんと頷いている。ここ最近のアリウス分派の傾向として、宴会好きで、何らかの成果や実力を示した相手はすぐに受け入れる面があった。屈指の実力者であるキョウカを追い詰めたRabbit小隊などその最たるもので、すぐに今ある物資で宴会の用意がされた。
    差し出された皿を受けとると、次から次へと焼き鳥やパン、ポテト等の軽食が乗せられ、逆の手にジュースが並々と注がれたコップを押し付けられた。
    奥に目をやれば同じように歓待を受け、リアやミカと席を囲むFOX小隊の姿があった。
    「さあ!皆よ!SRTから勇気有る援軍が来てくれた!今日はこの勇士達を囲み、存分にやってくれ!」
    「「「「「カンパーイ!!!」」」」」
    サオリの音頭に合わせて、生徒達がコップを打ち鳴らした。

  • 80二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:09:52

    なお先生の扱い

  • 81二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:13:01

    とりあえず色々解決して受け入れられたみたいで何よりですね
    先生も後方で静かに微笑ましいもの見るかのように眺めてそう

  • 82二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 04:26:26

    保守

  • 83◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/24(金) 07:54:47

    「ア,センセイダ」「センセイカエッテキテタ!」
    「センセイタオカエリナサイ!」
    宴を眺めている先生をアリウスの生徒達が見つけ、近くにいた数人が挨拶をした。
    「ん、先生お帰り……一緒に行った子達もケガはない?」
    焼き鳥とジュースを手に持ったマイが寄ってきて話しかけた。
    "うん、大丈夫だよ。先にシャワー浴びてくるって"
    「ん、ならよかった……リア達も心配してた」

  • 84二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 15:07:14

    保守

  • 85二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 17:06:02

    rabbitがここに残れるようになったってことはアリウスの過去も知るのか

  • 86◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/24(金) 20:34:37

    「や⭐先生お疲れ様!お陰でゆっくり休めたよ!」
    「お疲れ様です先生………今回は助かりました」
    ついでやってきたのはFOX小隊の接待を他の生徒に任せたミカとリアだった。
    「………………お注ぎします」
    リアが持ってきた瓶から薄い琥珀色の液体を先生の持つコップに注いだ。
    "(スンスン)……これ!もしかして白ワイン!?"
    「はい、アリウス分校から回収したものの1つです………無駄にしっかりした方法で保管されていたそうなので品質には問題ないかと………」
    例のアレに関わる事のためかやや棘が混じるリアに苦笑しながらワインを口にすると、柔らかな甘味と酸味、そして上品な酒精と蒲萄の香り広がった。
    "ん!これすごくおいしいよ!"
    「それはよかったです、では、飲めないわたしはこれで………」
    「はいストップ⭐」
    瓶を置いて足早に去ろうとしたリアを引き留めたのはミカだった。
    「み、ミカ様?なにを?」
    「わたしはFOX小隊さんたちの所に戻るから⭐リアちゃんを先生のお酌係に任命します⭐これは首長命令です⭐」
    「み、ミカ様!わたしは!」
    「そろそろちゃんと向き合おうねリアちゃん」
    やや強引にワインボトルをリアに握らせたミカは、最後に耳元で囁いてからその場を後にした。
    「………………………」
    "………………………"
    そして微妙な空気の2人が残された。

  • 87二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:35:50

    空気が重い……

  • 88二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:38:31

    まぁ今までベアおばが悪いとはいえちょっと当たりキツかったしそろそろ向き合う時は必要よね
    これからも世話になる時があるだろうし

  • 89◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/25(土) 08:16:34

    リアと先生は………

    dice1d3=2 (2)

    1、「………………」気まずくて黙々と飲んでる

    2、「………わたしは『大人』が嫌いです」

    3、腹を割って話した

  • 90二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 10:33:35

    大人は嫌いだろうけど先生個人を嫌う根拠は薄いんだよね
    そこら辺心に棚を作れればいいんだが

  • 91◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/25(土) 19:51:58

    「………………………」
    "………………………"
    「………………………………」トポポ…
    "………………………………………"ゴクゴク……
    普段理性的である一方で、大人相手となると苛烈な一面を見せることもある早瀬リアと、キヴォトス有数の善人ではあるが一部の生徒相手にはダメな大人になる『先生』の間に奇妙な緊張感が漂い、ミカが去ってから都合2杯分ワインを注ぎ、飲むだけの時間が過ぎていた。
    そして先生が3杯目を飲み終えたとき、ついにリアが口を開いた。
    「先生………わたしは『大人』が嫌いです」
    "………………"
    「分かってはいるんです………『大人』にも善良な人物が居ることも、先生がいわゆる善人であることも………」
    "………………"
    4杯目を注ぎながら言うリアの話を、先生は黙って聞いていた。
    「でも、ダメなんです………わたしは『大人』の善意を信じきれない………」
    "………………そっか"
    虚しさと諦観が蔓延るアリウス分校において、ヴァニタスに染まらず、反逆の期を伺い続け解放を成し遂げたリアだが、その分『大人の悪意』を直視し続けて来た。内戦から解放に至るまで母親以外から見せられ続けたそれは、リアの『大人』に対する価値観を強固にするには十分すぎた。

  • 92二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 20:10:57

    信じられない本能と信じたい理性の狭間で葛藤している・・・先生は善人であるがゆえに黒服ほどフェアではないからなあ
    とはいえミカのおかげもあって相当理性側に重きを置いて活動できてるからね。そのうちよ、そのうち

  • 93二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:08:19

    ほし

  • 94二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 00:00:37

    先生、仕方ないって分かるからこそ寂しそうな笑顔浮かべてそう

  • 95二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 11:10:27

  • 96二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 11:11:19

    これは時間をかけるしかない

  • 97◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/26(日) 12:08:18

    "(これは………きっと私には………『大人』では救えない………)"
    『シャーレの先生は善人である』………『変な人』とか『変態』とか付け加えて言う生徒はいても、概ね全員が同意するし、リアも『善人である』と判断している………だが、前提として先生は『大人』である。
    "(もし救えるとするなら………いや、リアを救ったのは………)"
    先生が思い浮かべたのは無邪気なピンク髪の生徒だった。
    "リア、ごめんね"
    「なぜ先生が謝るのです?」
    先生は謝った。先生自身に責はない。だけど、『大人』を信用できない『子供』が育つような世界が、『大人』として恥ずかしかった。悔しかった。
    "信じてくれなくてもいい、だけど約束する。わたしは、君が正しく有る限り、リアやミカに味方する"
    それは、『先生』らしくない言葉だった。
    「いいんですか?中立の先生がそんなこと言って?」
    リアが訝るように言った。
    "もちろん、悪いことをしたのなら止める………わたしは『大人』だからね。でも、道を外れないならわたしは黙って見守るよ………わたしは『先生』だからね"
    先生は寂しそうにニヘラと笑って言った。
    「………………やっぱり『大人』は信用できません」
    リアがボトルを2本置いて背を向けた。

    「でも、『先生』には少しだけ期待します」

  • 98二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 20:46:00

    信じて待つ、それもまた先生

  • 99◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/26(日) 23:45:51

    "………………………"ゴクゴク…
    リアが去った後、先生は静かに広場を離れ、広場付近の防壁に上っていた。
    「クックック………こんなところで一人酒ですか?先生?」
    半端だったボトルを飲み干し、2本目に手をかけた時、不意に声がかかった。
    "………黒服"
    ゲマトリアの黒服………アビドスの一件でもやりあった『悪い大人』
    「おっと失礼、今はオフですので、生徒達に手を出すつもりは有りませんよ………わたしが求めるものもここには有りませんので」
    身構えた先生に、「クックック……」と笑いながら黒服は言った。
    "……何しに来たの?"
    両手を上げた黒服に先生が聞いた。
    「なに、『教え子』の様子を見に来ただけですよ」
    『教え子』と聞いて先生は思い出した。アリウス解放の際にリアが黒服と取引していたこと、リアに事務の手解きをしたのが黒服であることを………

  • 100二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 04:37:43

    黒服いたぁ!

  • 101◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/27(月) 07:09:20

    "っ!?"
    狙いがリアだと判断した先生は大人のカードを取り出した。
    「おやおや………何か勘違いなさっているようですね?先ほど申し上げたように、今はオフ………ただ早瀬リアの様子を見に来ただけですよ………」
    黒服が肩を竦めながら言った。
    "白々しい……!ホシノの次はリアを狙うつもり?"
    「クックック……おや……随分と疑われたものですね?彼女の神秘をお返ししたのを貴方も見ているというのに……」
    たしかにそうだ。
    リアを実験材料として狙うなら、ベアトリーチェを連行した後に返さなければよかったのだ。
    先生が大人のカードを下ろすと、黒服も手を下ろし、襟を整えて「いいですか?」と前置きしてから言った。
    「あれの神秘についてはすでに結論が出ています。先生も薄々分かっているでしょう?あれは『大人』との相性が悪い………下においておくだけで危険なのですよ」
    『大人との相性の悪さ』、それは先生自身も感じたものだった。
    「ですから、彼女には……暖かく、彼女を虐げない者の下で大人しくしていただきたいのですよ……彼女の反感が我々に向かない為にも……そういった意味では聖園ミカには期待しているのですよ……あれにとっては良き主人になるでしょうからね………」
    「クックック……」と笑いながら黒服は言った。

  • 102二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 16:38:45

    このスパルタクスミニ、ミカ以外のほぼ全てに対して反逆出来る可能性あるからな……(攻撃撃ち落としたのみつつ)

  • 103◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/27(月) 20:38:56

    "………はぁ……"
    先生は溜め息を吐くと、その場にどっかりと座ってワインを呷った。
    「おや?随分と良いものを飲んでいますね?」
    "………座らないでほしいんだけど?"
    ワインを飲む先生を見た黒服は、どこからか取り出したグラスを片手に先生の横に腰を下ろした。
    「クックック………よいではないですか………ここが一番彼女の様子が良く見えるのですから」
    黒服がグラスに琥珀色の発泡性の液体をとくとくと注いでいく。ふわりと甘い果実の香りが開いた。
    "………それ、もしかしてシードル?似合わないね"
    「クックック……これは手厳しい、安物ですがこれも良いものですよ?特にあの甘いお嬢さんの様子を見る時には……」
    黒服の視線の先では、戻ってきたリアが、ミカにグリグリと頭を撫で回されていた。
    その緩みきった顔に、思わず強ばっていた先生の顔も弛む。
    「クックック………乾杯でもしましょうか?」
    "お前とはごめんだけど、生徒の未来を願ってならいいよ"
    スッとグラスが差し出される。
    「クックック……彼女達の安寧に………」
    "彼女達の未来に………"
    ──乾杯──
    グッと飲み干しグラスを置くと、シードルの瓶を残して黒服は消えていた。

  • 104二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 03:02:41

    休みとって娘の様子見に来たパパかよおめえ・・・
    いや、大人らしく敵対させないように根回し工作をしに来ただけなのは分かるんだけど内容が「ちゃんと見守れ」「誠実に向き合え」「幸せにしろ」ぐらいのことしか言ってなさすぎる

  • 105◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/28(火) 10:15:31

    「ミカサマ!」「ミカサマノミモノタリテマスカ?」
    「うん⭐足りてるからくつろいでていいよ⭐」
    FOX小隊への挨拶を終えたミカは席を離れて宴会場を見て回っていた。
    中央を見れば、久しぶりに楽しい戦いをさせてくれたことで気に入られてしまったRabbit小隊がキョウカに肩を組まれ、アリウス分派の生徒達にあれも食えこれも食えと食べ物や飲み物を押し付けられ、勢い余って口に捩じ込まれていた。
    「ふふ⭐楽しそうじゃんね⭐」
    「……ミカ様」
    微笑ましく眺めていると、すぐ側から聞きなれた声が聞こえた。
    「お帰りリアちゃん………お話はできた?」
    半ば強引に先生と向き合わせた副官が居た。
    「はい、ちょっとだけ、大人の良心というものに期待することにしました………」
    その表情はいくらか柔らかかった。
    「そっかそっか⭐よしよし、えらいぞーリアちゃん⭐」
    ぎゅっと抱き締めてグリグリと頭を撫でてやるとリアは気持ち良さそうに目を細め自分からももっと撫でてとでも言うように手に頭を押し付けていた。

  • 106二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 18:26:48

  • 107◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/28(火) 20:28:17

    キーンコーンカーンコーン!
    「「「「ア,ジカンダ」」」」
    宴会を楽しんでいた生徒達の耳に、9時を知らせる鐘の音が届いた。
    「む、もうそんな時間か」
    「オヒラキオヒラキ」「カタヅケスル……」「ネヨネヨ……」
    するとそれまでどんちゃん騒ぎをしていたアリウスの生徒達は一斉に手に持っていた食べ物や飲み物を口に詰め込み、広場の片付けを始めた。
    「え?」
    「片付けはこちらでやっておく、主賓のSRTは先に風呂にでも入るといい」
    「えへへ、ご、ご案内しますね……」
    唐突に終わった宴会にRabbit小隊がついていけずにいると、どこからかごみ袋を取り出したサオリが風呂を奨め、ヒヨリとミサキが案内にまわった。
    「ほら、あの鐘がなったらあと1時間で就寝時刻だから急ぐよ……」
    ミサキとヒヨリに背中をぐいぐい押されて、SRTの面々は風呂に押し込まれた。

  • 108二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 23:59:22

    時間を徹底厳守
    集団生活(オブラート)の癖かな

  • 109◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/29(水) 08:00:23

    SRTの生徒達はアリウスの事情について……

    dice1d3=2 (2)

    1、アリウスの事情を知る

    2、FOX小隊だけすでに知らされている

    3、違和感が気になったRabbit小隊が聞く

  • 110二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 15:22:13

    保守

  • 111◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/29(水) 19:27:12

    「ここ使って……客だから個室用意したいところだけど、生憎兵舎はみんなこの造りだから」

    風呂から上がったSRTの生徒達はミサキに部屋まで案内された。両サイドの壁際に2段ベッドが2つずつ、中央に大きめの机が1つ、そして入り口の近くに整備用の作業机が2つ設置されたいた。

    「いや、問題ない」

    「そう、じゃあそろそろ就寝時間だから戻るね」

    そう言い残したミサキは小走りで去っていった。

    残されたSRT生達は荷物を下ろして一息ついた。


    「ふぅ………さて、お前達………」

    先輩方からジロリと見られたRabbit小隊はピンと背筋を伸ばした………

    dice1d3=1 (1)

    1、反省会を始めるぞ

    2、情報を共有する

    3、説教だ

  • 112二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:42:34

    ほす

  • 113二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 08:15:50

    ほし

  • 114◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/30(木) 10:08:15

    「まず、初期訓練からのやり直しについてだが………」
    「「「「………ゴクリ…」」」」
    「試験をクリアしたから無しだ」
    「「「「ぶはぁ………!」」」」
    初期訓練からのやり直しは無しになったことを知り、緊張していたRabbit小隊は息を吐いてへなへなと机に突っ伏した。
    「はい、まだ姿勢崩しちゃダメだよ」
    「シャキッとしなさい!」
    しかし、後ろにまわったニコとクルミに肩を叩かれ、再びピンと姿勢をただした。
    「いろいろ言いたいことはあるが………先ずは他校への関わりかただな。SRTとしてのプライドを持つのは結構だが、それで無駄な軋轢を生むのはいただけないな」
    「う………」
    「だから先ずはここに滞在している生徒の関係を共有していく」
    そう言ったユキノは、机の上に写真を並べ始めた。

  • 115二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 10:30:16

    RABBIT小隊はかわいいなぁ……

  • 116二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 18:02:38

    ほしゅ

  • 117◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/30(木) 20:24:00

    「先ずはトリニティとミレニアムの重役から確認する」
    そう言ってユキノは3枚の写真を指差した。
    「この3人は各校の生徒会長とそれに準じる生徒だ………」
    「一人目、この黒髪の生徒は調月リオ、ミレニアムの生徒会、セミナーの会長。開発や分析に長け、この要塞都市もほとんど彼女が手掛けたものだ」
    生徒というよりもやり手のキャリアウーマンを思わせる風貌の生徒に、Rabbit小隊は確かに学校の長に相応しい風格を感じた。
    「二人目、先ほど会っていたな?」
    そう言って指差したのはまたしても黒髪の如何にも武人然とした生徒。
    「アリウス分派首長、錠前サオリ………」
    「そうだ。トリニティでは各派閥のトップが生徒会を務める。生徒会長にあたるホストは持ち回りだが、基本は同格だ。アリウス分派は最近トリニティに編入した生徒達の寄り合い的な派閥だが、今回の作戦への参加人数が最も多い」
    如何にも武人らしい立ち姿を思い出し、Rabbit小隊はこくこくと頷いた。
    「三人目、同じくトリニティのティーパーティー所属、パテル分派首長、聖園ミカだ」
    そう言って指差したのはピンクの髪を結った如何にもお嬢様といった風情の見覚えのある生徒だった。
    「「「「………………」」」」
    Rabbit小隊はタラリと冷や汗を流した。

  • 118二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 04:10:10

    そうか、サオリも4人目のティーパーティだから生徒会長枠か
    生徒会長枠が前線で普通に戦ってるって何事だよ

  • 119◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/31(金) 07:58:14

    Rabbit小隊は自分達のやらかしが思いのほか大きかったことに気づいた。
    「役職につく生徒だとは思いましたが………」
    「ま、まさか生徒会長クラスだったなんて……」
    青くなるRabbit小隊を見てユキノは頭に手を当てた。
    「はぁ……トリニティの中でも武闘派にあたる派閥のトップで、先に説明したアリウスとの親交も深い生徒だ。彼女を慕う生徒も多い。雑に扱えば怒る生徒も多いだろうな」
    言えない、既に1人に盛大にぶちギレられた後だとは。
    「………帰ったら反省文を提出してもらおうか」
    先輩にはお見通しだった。

  • 120二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 08:22:54

    三大校のミレニアムとトリニティが連合組んだ上でSRTの増援を請うようなヤバい戦場の最前線にまさか生徒会長クラスが小隊規模で出撃&ほぼ単騎駆けするとは普通思わないよね……

    お嬢様って怖いなぁ

  • 121二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 15:28:15

    保守

  • 122◆K7oi2p2CoQ9Y24/05/31(金) 19:25:49

    「続けるぞ」
    反省文が確定ししょぼくれるRabbit小隊をスルーして、ユキノはさらに情報を共有していく。
    「次に共有するのは先の3人の副官及び近しい生徒だ」
    説明済みの3人を角によけ、また数枚の写真を指差す。
    「先ずはミレニアムから、1人目はセミナーの会計、早瀬ユウカ………2年生だが、実質的にセミナーを運営しているのは彼女だ。おそらくミレニアムの次の生徒会長だろうな」
    ハーフアップの生徒の写真を見てRabbit小隊はこくこくと頷いた。
    「2人目、飛鳥馬トキ、調月会長の側つきメイドだが、あまりにも情報が少ない。おそらくセミナー子飼いの戦力の一端だろう」
    金髪のメイドの写真をマジマジと見てRabbit小隊は警戒を引き上げた。
    「次、ここからはトリニティの生徒だ、数が多いから何人か纏めていくぞ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリ、秤アツコ、白洲アズサ………彼女達はアリウス分派首長の子飼いの精鋭だ。特に白洲アズサは錠前首長直々にゲヘナへの派遣部隊の指揮をまかせられている………全員がSRTと同等かそれ以上の訓練を積んだ生徒だ、侮るなよ?」
    ミサキとヒヨリについては先ほど案内された時に見ていたが、どちらも友好的に見えた一方で、足運びは異常に静かだった。
    錠前首長同様、如何にも強者とわかる生徒達にRabbit小隊は深く頷いた。

  • 123二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 22:52:10

  • 124二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 08:30:45

  • 125◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/01(土) 17:26:25

    「さて、アリウス分派の代表的な生徒は以上の5名だが、彼女達は他校から最近編入した生徒達の寄り合いだ、同郷だが他派閥に所属している生徒もいる。今回の作戦にはそう言った他派閥から見れば外様にあたる生徒も多く参加している」
    そう言ってまた数枚の写真を指差した。
    「お前達が試験で相対した生徒、1年生の血祭キョウカもその一人だ。パテル分派の所属だな。パテル分派はトリニティでも歴史の古い派閥だが、今回の統合で多くの他校出身者を取り込んでいる………三大派閥では1番の武闘派でもある」
    先ほど相対したキョウカの実力は身をもって知っていた。
    「他者の回復力をあげられる雨宮ミスズ、今回工兵の指揮を執っている八百万マイなど、多くの生徒がパテルに所属している」
    今言われた2人も、試験終了時にキョウカを取り押さえていたのでRabbit小隊も見ていた。
    そしてユキノは端に置いていた写真を取った。
    「そして、聖園ミカの側近の早瀬リアだ。パテル分派の次席事務官で、今回の作戦の兵站の管理をしている、本人も錠前首長やキョウカ程ではないがそれなりにやれるそうだ………早瀬ユウミという妹が居るそうだが、今はトリニティで待機しているそうだから割愛する」
    聖園ミカがパテル分派の首長と知ってから嫌な予感はずっとしていたが、最後に紹介された生徒の写真を見て、Rabbit小隊………特にサキはダラダラと冷や汗を流した。

  • 126◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/01(土) 17:36:50

    「特記戦力としてはミレニアムのc&cが居るが………彼女達については言うまでもないだろう。何せミレニアムの最高戦力だからな………さて………」

    ダラダラと冷や汗を流す4人をスルーしてc&cについて触れたが、まだまだ腹芸が出きるほど育っていない1年生の心境など、FOX小隊にはお見通しだった。

    「(あの聖園ミカって生徒だけじゃなくあいつもかよ!?)」

    「(たしかに、あの身のこなしは並の生徒ではありませんね………)」

    「………ふむ」

    Rabbit小隊の様子を見たユキノは………

    dice1d4=2 (2)

    1、アリウスの事情について教えることにした

    2、トラブルを避けるために地雷になりそうなことだけ教えることにした

    3、概要だけ教えた

    4、かなりぼかした

  • 127二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 22:34:02

    しゅ

  • 128◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/02(日) 08:48:51

    合流するまでの間に発生していたトラブルを考慮し、ある程度トリニティから知らせられていた情報を共有することにした。
    「今から話すことは軽々しく外に洩らすことを禁ずる。今回の作戦に参加している生徒の大半が所属しているアリウス分派並びにトリニティについての情報だ頭に叩き込め、さもなくば後ろから弾が飛んでくることになる」
    居ずまいをただして言うFOX小隊の先輩に、Rabbit小隊も背筋を伸ばした。
    机の上に並んだ写真を整理し、幾つかの写真をまとめて一ヶ所に置いた。
    「確認だするぞ?トリニティ総合学園の成り立ちについては知っているな?」
    「はい、自治区内にあった多くの学園間で散発していた紛争を避けるべく結成された連合を前身とし、統合を重ねてできた学校です」
    学校での成績が優秀だったサキが答えた。

  • 129二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 09:10:19

    >>126

    おそらく踏み抜いた後なんだよなぁ

  • 130二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 18:22:46

  • 131二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 19:09:19

    メタいこと言っちゃえばSRTの存続に影響が出るレベルでキヴォトスの軍事バランスを変えちゃったのがアリウス政変でありミカとリアでありアリウス分派なわけで、ミレニアムの総力に先生やそいつらが加わってなお欲しいよねぐらいの戦争なんだよなあ・・・説明なんていくらしても足りないぐらいではあるが、かといって他校なのでナイーブな事情を伝えすぎるのもという

  • 132◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/02(日) 20:11:48

    「その通りだ。昔話の時代からある伝統校だが、その中で忘れられた歴史がある……ここからは教本にも載っていない話だ」
    そこまで言ってユキノはスッと目を閉じ、数秒たって語り始めた。
    「自治区に犇めいていた学校が連合を組む中で1校その連合に参加せず、自治区を去った学校があった……それが『アリウス分校』………現在のアリウス分派に所属している生徒達が前に居た学校が大昔に連合に所属しなかった学校だ」
    『アリウス分校』、Rabbit小隊が戦ったキョウカから聞いていた名前だった。
    「………たしか、早瀬リアが主導したクーデターにより事実上の廃校、生徒達は錠前首長以前の生徒会長を除いて全員がトリニティに編入したとか………」
    ミヤコが言うとユキノはピクリと眉を動かした。
    「なんだ、知っていたのか?」
    「いえ、キョウカが言っていたのを聞いただけで、詳細は知りません」
    試験を受ける前、移動中会話でキョウカが言っていたことで、キョウカも言い淀んでぼかしていたので詳しいことは分からなかった。
    「そうか……そこまで知っているなら、お前達はどう思った?」
    続きを話す前に、ユキノはRabbit小隊の4人に今知っている情報からどう思ったのか聞いた。

  • 133二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 07:50:18

    保守

  • 134◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/03(月) 10:21:09

    自分達の感想を求められ、Rabbit小隊は今までの話しと、エリドゥに来てからの出来事を思い返した。
    「………自分が所属する学校を廃校にする、というのは、一体どういうことなのか……わたしにはわかりません」
    「………実際にアリウス分校という学校を見たことが無いので、正確なことは言えませんが………所属していた生徒達の様子や、キョウカの発言から推測するに、『あまり良いところではない』のではないでしょうか?」
    閉校の危機に立たされていたSRT所属のRabbit小隊にとって、『自ら進んで廃校にする』と言うのは理解できなかった……だが、ここで見聞きした情報から、キョウカが言っていたように『あまり良いところではない』といことは察することが出来た。

  • 135二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 20:27:33

  • 136◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/03(月) 20:59:07

    「ふむ………まあ、概ね合ってはいるな」
    後輩たちが語った所感にユキノは小さく頷いた。
    「先輩、アリウス分校に何が起きていたのか伺っても?敵対する学校なら違法ではあっても心情としては理解できますが、自分が所属する学校を潰すなどとてもまともな状況とは思えません」
    試験後の妙に友好的な様子とその前の警戒した様子、陽気な宴会から一瞬で片付けに移る変り身、『ふつう』を『すごい』と評する生徒………一見まともに見える友軍の不気味さに、ミヤコは事情を知っていそうな先輩に尋ねた。
    「ふむ………先方からもとくに止められていないからな、いいだろう……ただし、他校には洩らすな」
    先輩からの厳命にRabbit小隊はこくこくと頷いた。
    そして、先輩の口から伝えられたのは………


    「内戦だ………アリウス分校の自治区内では住人が長いこと争っていた………アリウス分派の生徒達はその生き残りだ………」
    『え………?』
    想像以上の過酷な過去に、Rabbit小隊は言葉を無くした。

  • 137二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 08:10:07

  • 138◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/04(火) 08:10:16

    「内戦終結後も自治区内では恐怖政治がしかれていたそうだ………」
    先輩から伝えられる情報と、今までエリドゥで見聞きしたことがが頭の中をぐるぐると回ってぐちゃぐちゃになっていく………

    『『自由』の尊さを解さない武官など………ここで始末してしまいましょうか?』

    「あ………」
    声を洩らしたのは誰だったのか………
    今まで繋がらなかったことがすべて繋がった。
    私達はSRT……持っていた自由を行使しない生活を選んだ私達に対し、彼女達は………与えられず、奪われてきた自由をようやく手にしたのだと………

    「あ……ああ………………」

  • 139二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 13:04:50

    友好的なところに内戦時代の生存戦略が見え隠れしてるのがなあ……機嫌を取って情報抜いて、強者を称えて味方を増やして、家族(戦友)と寝食を共にして……

  • 140二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 16:48:50

    『仲良く』しないと後ろから撃たれるし、後ろから撃てないからね

  • 141二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 17:20:40

    >>136

    内戦、生き残りっていう2つの言葉で何が起こったのか察してしまえる

    陽気な宴会のあと一瞬で片付けに移れるのも、移れなかったやつらがどうなったか示してるんだよなあ

  • 142二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 20:10:24

    まあ、

    > 「あちゃー!やっちまったっすね!それ完全にリアちゃんパイセンの地雷踏み抜いたっすよ?」

    なんて軽いノリでこんな特大地雷踏んでるなんて気づけねえよなぁ!

  • 143◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/04(火) 20:30:39

    「………今日はもう遅い、就寝時刻になることだしこれで切り上げる………お前達ももう寝ろ」
    動揺した様子のRabbit小隊に配慮し、ユキノは指導を切り上げ就寝命令を出した。
    「で、でも………」
    「くどい、何かしたのは分かるが、もう遅い時間だ、詫びなら明日ついていってやる、働きで返せるよう今は休め」
    FOX小隊の面々に布団に放り込まれたRabbit小隊は、罪悪感に苛まれながら眠りについた………

  • 144二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 22:55:24

  • 145◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/05(水) 01:48:37

    反省会を経て、Rabbit小隊がお通夜状態になっている頃………
    「ん………ん、ん、ん~、リアちゃん…そこ、だめぇ………」
    「………………」
    「あっあっ!そこ、グリグリしないでぇ……!」
    「いけませんよ、ミカ様……ミカ様のは大きいのですから、きちんとほぐさなければ……それに………」
    ズンッ!
    「ひぎゅっ!?」
    「ほら、入りましたよ?」
    「や、やら!やらぁ!」
    「ふぅ………まだ固いですが、もうこんなに入りましたよ?ここでやめると後がつらいので続けますね?」
    ズンッ!ズンッ!
    「ひぎぃ…!?」
    「ふぅ……ミネ団長に手解きを受けておいてよかったです………羽のあるミカ様にもしっかりとご奉仕できます………」
    「はぁはぁ……ま、まっへリアちゃん………」
    「ミカ様?次は左羽根の付け根をやっていきますね?」
    「あー!」
    リアはミカのマッサージをしていた。

  • 146二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 10:36:47

  • 147◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/05(水) 20:18:30

    「失礼する」

    ミネ団長直伝の割りと痛いけど次の日体が楽になるマッサージを受けたミカが息を荒くしてベットに沈んだ頃、ミカとリアの部屋にサオリが訪れた。

    「あ、サオリ………来てくれたんだ、明日でもよかったのに」

    揉み返しが酷くならないよう湿布を貼られながらミカが声をかけた。

    「就寝前にすまない、出直すか?」

    「ううん、大丈夫、お話ししよっか?」


    「では手短にしよう……SRTから来た生徒達だが………どう思う?」

    どう思うと聞かれ、ミカとリアは少し考えた。

    dice3d5=4 4 2 (10)

    1、いい子達だね

    2、ちょっと焦っているみたいだね

    3、……無礼な生徒もいますね

    4、友軍としては申し分ありませんね

    5、まだまだ粗削りで各々の感情に振り回されるのはいただけませんね、ええよろしくありません。FOX小隊の方々を見習って揺るがない指針を見つけてほしいものです。それはそれとしてキョウカに

    あれだけ向かっていけるのは評価すべきですね。特に爆薬が尽きたあとも最後まで抵抗を試みたのはいい、とてもいいですね(早口)

  • 148◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/06(木) 06:19:31

    「ふむ………いろいろと言いたいことが無いと言ったら嘘になりますが、友軍としては申し分ありませんね」
    最初の任務での失態を目にしてからRabbit小隊に対して割りと辛辣だったリアだが、先の試験の様子を受け評価を大幅に修正していた。
    「各々の感情に振り回されるのはいただけませんね、ええよろしくありません。特にミカ様の前で暴言を吐いたのと自由の価値を軽く見てるのはよろしくありません。それはそれとしてキョウカにあれだけ向かっていけるのは評価すべきですね。特に爆薬が尽きたあとも最後まで抵抗を試みたのはいい、とてもいいですね」
    ペラペラと悪いとこと良いところを語っていくリアをミカはニコニコしながら見ていた。
    「そ、そうか………ミカはどう思う?」
    「う~ん、きっと悪い子達じゃないと思うよ?でも、ちょっと焦ってる感じがするね」
    権限が一部取り上げられ、閉校案も一時上がりかけていたSRTのRabbit小隊には自分達の学校に対する焦りはたしかにあった。

  • 149二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 16:49:31

  • 150二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 16:50:52

    焦った結果、出力されたのが公園占拠だったり仲間割れだったり
    でっけえ釘さされたし落ち着くだろうとは思うけど

  • 151◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/06(木) 20:58:48

    「サオリはどう思うの?」
    「私か?」
    サオリの質問に答えた後、ミカは本人にも同じく質問をした。
    「そうだな………わたしも、奴らはいい友軍だと思う……揺るぎ無い信念を持つのは良いことだ。1年生の方もまだまだ焦りと経験不足からくる視野の狭さはあるが、きっと良い武官になる………今回の件が、彼女達の視野を広げる機会になればいいな」
    アリウスで教官も務めていたサオリの視点に、ミカはくすりと笑った。
    「さて、奴らについては受け入れるということでいいな?」
    「うん!いいよ!」
    「ええ、問題ありません」
    今回の作戦に参加する2派閥の首長と、両人の補佐官がSRTを『信頼できる友軍』として扱うことに同意した。

  • 152二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 07:23:15

    受け入れられてよかった

  • 153◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/07(金) 10:19:49

    翌日………

    dice1d3=3 (3)

    1、Rabbit小隊の………

    2、輸送作戦開始

    3、それぞれの休日

  • 154二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 19:20:22

  • 155二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 22:53:38

  • 156二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 08:42:33

  • 157◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/08(土) 09:19:00

    SRTの到着から翌日………


    「明日、大規模な輸送作戦を行う予定ですので、本日は休養に当ててください………わたしは輸送担当の生徒と打ち合わせがありますのでこれで失礼します」

    準備を整え、そろそろ出ようかと思った所にやってきた件のちっこい事務官は、それだけ伝えると足早にどこかへ行ってしまった。

    「………………」

    「……とりあえず、朝食をとろうか」

    声をかけることも引き留めることもできず意気消沈したRabbit小隊をつれ、食堂に向かった。


    「………やっぱりうまいんだよなぁ」

    食堂で注文した食事を受け取り、各々口に運ぶ。探求心の強い生徒の多いミレニアムにおいて、食事を疎かにする生徒も多いが、探求が食に向いた生徒もおり、そう言った食品系の部活の手が入った食堂のメニューは、山海經や百鬼夜行の専門店には未だ及ばないまでも、中々のレベルに仕上がっていた。


    dice1d3=1 (1)

    1、む?向こうがさわがしいな………

    2、?「おや?あなた方は………」

    3、「また会いましたか………」

  • 158二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 17:00:56

    >>157

    理想のスパイスの調合を探求するカレー研究会とかありそう

  • 159◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/08(土) 21:22:29

    「ナンダコレ?」「メンノジハンキ?」「トッピング?」
    食堂の一角に設置された自販機コーナー………アリウス分派首長の錠前サオリをはじめとして順調にファンの数を増やしている自販機研究会が、新作の自販機を設置していた。
    「カキアゲ……?」
    すでに隣のうどん自販機でうどんを買ったアリウス生の一人が釣銭で買えるメニューを見つけて購入ボタンを押した。
    ピッ!……ガコンッ!ジュワアアアァァ!
    「「「(ビクッ!?)」」」
    突然自販機の中から上がる油の音に周囲の生徒が驚くなか、待つこと約2分、自販機から揚げたてのかき揚げが現れた。
    「(おそるおそる……)サクッ…!?オイヒイ!」
    「ワタシモワタシモ!」「ヤサイテンモアル!」「チクワモ!」
    新商品を受け取った最初の一人が恐る恐る口にし、揚げたてさくさくの美味しさについ声をあげると、周りで見ていた生徒もこぞって買い始めた。

    「……楽しそうですね」
    「ああ、そうだな」
    SRTの生徒達は、それを昨日までとはまた違った目で眺めていた。

  • 160二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:27:16

    アリウスモブがわちゃわちゃしてるのはきっとガンに効く

  • 161◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/09(日) 08:04:32

    食事を終えたSRT生達は仕事をしているであろうリアの事務室に向かいがてらエリドゥに居る生徒達の観察をすることにした。

    対象1、休憩室のアリウス生
    「コレドウヤンノ?」「ン,ナンカコノコウシキヲツカウラシイ」
    「インスウブンカイッテナンダヨゥ…ソノママニシトケヨォ……」

    「勉強してますね……」
    「苦戦してるみたいだな」
    分校時代は訓練漬けで一般的な学習をしていなかったアリウス生達は、各々空き時間に学習を進めていた。
    「ア,SRTノヒトタチダ…!」「タスケテエリート!」
    「……まぁ、少しだけなら」
    アリウス生達はSRTに助けを求めた

  • 162二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 08:05:12

    揚げ物出来るのは普通にすごい

  • 163二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:34:36

    どっかの高校の主人公みたいな事呟いてる子おるね

  • 164二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:46:28

  • 165二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:00:24

    >>159

    ようやく手に入れあ自由で食べる揚げたてのかき揚げは美味いだろうな……

  • 166◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/10(月) 07:51:09

    「タスカッタ……」「アリガトウ!」
    「コレ,ヨカッタラモッテッテ!」
    教えること10分、問題が解けたアリウス生達は大層喜び、Rabbit小隊に飴を差し出した。
    「いや…私達はべつに……」
    昨日のことで腰が引けたサキが断ろうとすると、アリウス生達は悲しそうな顔をした。
    「わ、わかったわかった!貰う!貰うからそんな顔するな!」
    そう言ってサキが差し出された飴を取るとアリウス生達はパッと顔を明るくした。
    「アリガトウ!」「マタネ!」
    ブンブンと手を振るアリウス生達に見送られてRabbit小隊とFOX小隊は休憩室を後にした。

  • 167二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 18:16:35

  • 168◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/10(月) 20:06:33

    ──エリドゥの一室──
    「ふふふ…!やはり揚げたては最強ですね!エンジニア部から新型の冷凍装置の技術を買い取った甲斐があります!これを足掛かりに、至高のフード自販機にたどり着いて見せます…!」
    自販機上部に取り付けられたカメラから送られてくる映像を確認した自販機研究会の部長はほくそ笑んだ。
    「素晴らしい!他校の生徒が多く出入りし、必然的に利用が増える現在の環境はまさに最高の調査研究の機会!」
    映像では人集りに気づいたフィリウス分派の生徒が勧められたかき揚げを齧って目を丸くしていた。
    「サオリさんの所の食への執着の強い子達から舌の越えたトリニティのお嬢様、それに先生まで!多様な客層が揃う今こそ最大の好期!」



    「全部です!この防衛戦期間に自販機研究会のリソースを全ツッパします!ローリスクでリターンが大きいこの機会を逃す手はありません!ふふふ…!あはは…!アーッハッハッハッハ!!」

  • 169二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 20:07:39

    部長ちゃんは可愛いなぁ……

  • 170二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:25:14

    >>168

    あぁ、やっぱこの人もミレニアムなんだなぁって

    自分の興味関心に一切躊躇と遠慮をしないあたりとか

  • 171二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:32:20

    黒幕っぽいけどやってることは自販機開発である

  • 172二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 14:17:36

    保守

  • 173◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/11(火) 20:25:08

    対象2、
    広場に居たアリウス生

    「「「スヤァ……」」」
    「寝てる……?」
    広場にある芝生で、数人のアリウス生が昼寝をしていた。
    「まったく、こんなところで寝てたら風邪をひくぞ……」
    呆れたように言ったサキは起こそうとして手を引っ込めた。
    「周りに糸……それに小さい穴、まさか?」
    生徒から数m手前に張られた糸と、その糸の先に繋がった穴には呼子と手榴弾が繋がれていた。
    パッと周りを見回せば、近くの建物の屋上から数人のアリウス生がこちらをジッと見ていた。
    「敵意はない」
    ユキノが両手を上げ、敵意が無いことを示すと、屋上のアリウス生達はこくこくと頷いた後に引っ込んだ。

  • 174二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 07:07:20

    うーんサバイバル

  • 175二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 15:10:56

    保守

  • 176◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/12(水) 15:18:10

    「ン,ゴメンゴメン」
    建物のの上からロープでするすると降りてきたアリウス生は、ペコリと頭を下げた。
    「イイテンキダカラコウタイシナガラソトデネテタ、モウチョットシタラカタヅケル」
    一般生としてはやけに上手い降下に、Rabbit小隊はアリウスの平均練度の高さを感じた。
    「なぜただの昼寝にこんな警戒網を?」
    糸と呼子の警戒網と見張りを置いて昼寝をするのに、ミヤコは違和感を感じた。
    「……?ソトデナンノソナエモナシニネルノハアブナイ」
    不思議そうな顔をしてアリウス生は言った。
    「いや、まぁ、外で寝てたら風邪引いたり流れ弾飛んでくるかもしれないけど……ここ防壁もある非戦闘区域よ?」
    「???デモ、スグオキレナイノニナンノソナエモシナイノハアブナイヨ?」
    心底よく分からないといった様子でアリウス生は首を傾げた。
    「えっと……そういう訓練中ならともかく、街中や自軍の拠点の中なら普通は安全だと思うんですが……」
    ミユが遠慮がちにそう言った。
    「……?…………ソッカ、モウコレモシナクテイインダ」
    首を傾げた後、アリウス生がポツリと呟いた。

  • 177◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/12(水) 20:17:17

    「ミハリガイラナイナラ……ワタシモネル……」
    そう言った見張り役立ったアリウス生は側にあった木に登ると、太めの枝に紐をかけて寝てしまった。

    「………………」
    「……まあ、その内彼女達も慣れていくだろう」
    かつての名残を感じさせるアリウス生の行動に、Rabbit小隊は何を話せばいいのか分からなくなってきた。そして………


    「おや?SRTの皆様お揃いでどうされましたか?本日は休養に当ててくださいとお伝えした筈ですが?」

    目的地である事務室につくと、早瀬リアが大量の書類を捌きながら「なんで来たの?」とでも言いたげな視線を向けて来た。

  • 178二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 02:27:16

    保守

  • 179二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 12:34:06

  • 180◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/13(木) 13:11:13

    「突然申し訳ありません。少々お時間を頂きたく参りました」
    代表のユキノが言ったのを聞いたリアは「ふむ……」とSRTの面々と積み上げた書類を見た後、愛用の万年筆を置いてソファを指した。
    「掛けて少々お待ちください5分ほどで片付けます」
    そう言うと再び万年筆を手に取り作業に戻り、きっかり5分で切り上げて席を立った。

    「お待たせいたしました……本日はどのようなご用件で?生憎SRTの皆様に支払う謝礼についてはミレニアムと連邦生徒会の間で調整中ですが?」
    「いや、金の話ではありません。昨日の件で後輩が言いたいことがあるそうで、我々は付き添いです」
    ユキノがそう言うと、他のFOX小隊の隊員がRabbit小隊をリアの前に押し出した。
    「あの………昨日は申し訳ありませんでした」
    「その、悪かった……です……」
    「……ごめん」「えっと……ごめんなさい」
    ミヤコを皮切りに、Rabbit小隊がリアに昨日の件を謝罪した。
    「ふむ……その事でしたら謝罪は不要です。あなた方は試験で資質を示しました。であれば、友軍として扱うことに何も問題はありません」
    そう言うとリアは部屋に備え付けられたポットと茶器を置いたスペースへ向かった。
    「アポ無しとはいえ、客人をもてなさないのはミカ様の従者としてよろしくありません。お茶の1杯でも飲んでからお帰りください」
    そう言いながら戻ってきたリアは、ソファに座るSRT生達の前にティーセットと茶菓子を並べた。

  • 181◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/13(木) 20:15:55

    慣れた手付きで茶器を扱い、人数分の茶をサッとサーブし席に着いたリアには、道中で見たアリウス生とはまた別の異質さがあった。
    「………あんたはこういうの慣れてるんだな」
    「………?ああ、我々の話でも聞きましたか?」
    思わずポツリと呟いたサキの言葉から、リアは大方の流れを察した。
    「申し訳ない、そちらの事情については広めないように言い含めた上で共有させてもらった」
    ユキノが頭を下げ、フォローを入れた。
    「いえ、問題ありません。他校での任務にあたって情報を共有するのは当然のこと………謝罪は不要です」
    頭を上げたユキノはリアの表情を確認したが、そこに苛立ちや不快感は感じられなかった。
    「ですが……一つ質問してもよろしいでしょうか?」
    バツが悪そうにしているSRTの面々に対して、リアは問いを投げた。
    「あなた達から見て、『今の』私達はどう見えますか?」

  • 182二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 21:23:52

    リアはトリニティに来る前からばにばにしなくなってたしな

  • 183二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 03:29:45

    保守

  • 184二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 12:56:07

    難しい質問

  • 185◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/14(金) 20:49:58

    昨日から見聞きしたアリウスの生徒達を思い浮かべた………。宴会に興じる者、新しい自販機に夢中になるもの、勉学に励むもの、日当たりの良い芝で気持ち良さそうに昼寝をするもの………。
    「………楽しそうだったよ………みんな笑ってた。変な行動してるのも居たけど、苦しそうなやつは居なかった………」
    「そうですか……」
    そう言ってリアはホッとしたように微笑んだ。
    「……あんたがアリウスのクーデターを主導したんだってな?」
    「キョウカにでも聞きましたか?あの子の口の軽さには困ったものです」
    口では困ったと言いながら、特に気にした様子もなくさらりと言った。

    「あんたが学校を潰してまで見たかったのは……あれだったのか?」
    「………!……ええ、そうです。わたしは私達が穏やかに過ごせる場所が欲しかった」
    サキの言葉に目を丸くした後、リアは穏やかにそう言った。

  • 186二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:09:57

  • 187◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/15(土) 08:10:07

    早瀬リアの見せた柔らかい表情。Rabbit小隊はこれまで事務的に対応する時の無表情か怒らせたときの怒りのにじんだ表情しか見ていなかった。
    『自由』の是非……サキは自由ではなく規律を求めたが、早瀬リアは自由を求めた。過ぎた自由は人を腐らせるが、過ぎた規律も成長を阻害する………両方があってのものだった。アリウスは戦って自由を勝ち取った。そしてその自由を守るため、これからも自由であり続けるために直向きに働き学んでいた………。それは、SRTが市民の生活を守るために厳しい訓練に励むのとそう変わらない営みだった。

    「………改めて悪かった。あんた達は自由のために戦っていた。勝ち取ったそれを悪く言ってしまった……申し訳ない」
    SRTの正義、それがなんのためにあるのか。今回の件でサキは考えることになった。
    「こちらも銃を向けて申し訳ありませんでした」
    リアも軽く頭を下げた。自分達を理解しようとしてくれる相手に、これ以上とげを向ける必要はなかった。

    「あなた方はきっと良い武官になります」
    そう言ってリアはお茶のおかわりを配った。

  • 188二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 15:17:20

    保守

  • 189◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/15(土) 16:39:53

    「では、これで失礼する」
    「ええ、今後もよろしくお願いします」
    挨拶を交わしたSRTの生徒達が退出した後、リアは再び書類仕事に戻った。
    手元の書類には『特殊輸送作戦概要』と銘打たれていた。
    「……彼女達は能力を示した……なら、こちらも彼女達が十全に力を出せるよう腕を振るうとしましょう」
    短時間でざっと書類を書き上げたリアは、関係各所に連絡を始めた。

  • 190◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/15(土) 19:32:28

    翌日………

    dice1d3=1 (1)

    1、リオ「準備はいいかしら?」

    2、リア「輸送班、作戦開始です」

    3、にはは………

  • 191二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 01:09:30

    保守

  • 192二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 11:06:59

  • 193◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 12:23:54

    先日Rabbit小隊の試験が行われた広場に、輸送用の装置が設置された。
    「準備はいいかしら?」
    広場に設置された軍幕の中に集められた生徒達に、この作戦の最高責任者であるセミナーの会長、調月リオが確認した。
    「ん、輸送担当、工兵隊は準備できてる」
    工兵隊の生徒達はすでにトラックに乗り込んだり、リアカーを牽いて動ける体制になっていた。
    「警備担当、本隊は外周警戒にあたっている」
    アリウスの本隊はエリドゥの外を警備していた。
    「受け入れ準備はできています。何時でもどうぞ」
    兵站担当のリア麾下の事務官達も数人の生徒を率いて受け入れ準備を進めていた。
    「会長、コユキも準備できました!」
    「にはは…!やりますよ!」
    ユウカとコユキが金庫のような部屋に入り、分厚い扉が閉められた。

        「………始めましょう」

        ──輸送作戦、開始──

  • 194◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 12:24:57

    2時頃次のスレ立てます

  • 195◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 14:14:37

オススメ

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