【顔CP注意】あの夜空は忘れないのでしょう

  • 1二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:17:27

    「アドマイヤベガさんだね?」
    守衛さんに門を開けてもらう。
    月に1度、深夜の山へ天体観測観測に向かったらいつも通りテントを張り、夜空を眺める
    「星が綺麗…」「そうですね」
    
「ヴィルシーナさん、かしら?中等部がこんな時間に此処へ来てはいけないわ。」
    
振り向こうとすると、冷たい手に眼を覆われた

    「っ…、見ないでくださる?」

    何かを必死に堪えている様な声。秋華賞の結果くらい私は知っている、変に傷を抉るつもりはない

    気高く見えるこの子は、人のいない場所でしか顔を崩す事が出来ない。
    
私にそれを邪魔する権利はないけれど、私は少し邪魔をされたと言ってもいい。だから、少しだけ。

    「ココア、あるから。飲めるかしら。」

    熱いココアに苦戦しながらもコクン、コクンと音を立てて飲んでいく
    
飲み終わった彼女は、水滴を乾かすように動かないでただ星を見ている
肩に重みがのし掛かった。
    目をやると彼女は肩に頭を預けながらまた目を潤ませていた

    彼女は私の妹ではない。絶対に。
    それでも、甘えられるのは悪くない
    
普段は完璧な姉として妹を愛している彼女を妹の様にしてしまった事に、背徳感を感じてしまった

    ふと、彼女が呟く

    「私も、輝く星に慣れるのでしょうか。」
    遠い遠い星を見つめながら言う

    「…夜空で一番輝いている星は貴女じゃないかもしれないわね。それでも貴女は紛れもない、気高き一等星よ」

    そのまま何十分過ごしたかは分からない
    ただ、彼女と静かな言葉を交わす

    別れ際に彼女は言った。

    「また、来ても良いかしら」
    
イエスともノーとも取られないように相槌を打つ

    また彼女が此処に来ないことを祈る
    
今度こそ、夜空に引き留めてしまいそうだから。

  • 2二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:17:50

    あの夜、私たちは出会った
    偶然に偶然を重ねた、何かを結ぶ夜空の下で
    本来、私たちにはなんの繋がりもない。だから日常で会う事なんてない
    それを切なくなんて思ってはいけない。会えた事自体が一期一会の幸せだと思わなければならない
    すれ違っても言葉を交わす事はない。
    けれど、忘れはしないのでしょう。
    頭から離れないんだもの

  • 3二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:18:26

    良いね…そうか…どっちもお姉ちゃんか…

  • 4二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:18:40

    あの夜から何ヶ月も経った
    もうあの子が此処に来ることを期待する事は無くなった、はず
    ヴィクトリアマイルが終わった夜
    あの子は立派な一等星になったのだ。あの時泣いていたあの子が。
    背中にゾクリと何かが走る。
    そこで微笑む気高き女王は、私のすぐ隣にいた少女だった?
    これは親愛ではなく、ドロリとした醜いものだったの?
    頼ってくれたあの子にこれを知られなくて良かった。
    あれはたった一度の偶然。彼女はもう忘れているのでしょう
    きっとそうね
    もしもう一度だけ、彼女が此処に来たのなら。此処にもう来てはいけないと言わなければいけない
    自分であの子を傷つけても良いから
    考えても無駄ね
    星が巡る事は、誰にも止められないから
    次此処に来ても、私のせいじゃないわ

  • 5二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:19:08

    テントを張り、天体観測の準備をする
    今日はレースだったから明日は休校、朝に帰っても問題ない
    22時。月はもう沈んだ
    いつも通り紅茶を淹れてタンブラーに注ぎ、星を眺める
    ただずっと見入っていた。夜に溶けてしまうような時間が愛おしい
    それなのに、静寂を破る様な足音が聞こえる
    「こんばんは。アドマイヤベガ先輩」
    折角忘れていたのに。それでも温かいものが胸に広がる
    敢えてため息を混ぜながら答えた
    「…なんで来たの」
    「貴女に感謝をしているからです。あの時の弱い私を見てもらえたから、私は強くいられたんです。」
    「知らないわ、そんな事。レース後なんだから早く寮に戻りなさい」
    「…私が来たのは迷惑でしたか、?」
    凛々しい目が真っ赤になっていく。その顔を見ると、何も考えられなくなってしまう
    「っそんな事…ないわ」
    彼女はさっきの赤い目が嘘の様に笑顔を見せる
    私の前に跪いき、手を握られたと思うと、
    「お慕いしております」
    手にキスを落とされた
    これには特に特別な物ではないのでしょう、きっと。だって手には親愛を示す意味だけだものね
    勘違いしてはいけないわ、アドマイヤベガ。
    目線を上げた彼女は満足気に微笑む
    思わず、彼女を抱きしめてしまった
    一瞬体が跳ねたけれど、彼女は受け入れたのか背中に手を回す
    彼女は健気だ。気高くて、美しくて。けれどそれも弱さと年相応の感情の上に成り立っている
    それを知っているのは私だけではないのでしょうね
    それでも、此処にいるのはこの子と私だけ。
    この子を今抱きしめているのは私。
    それだけでいいから。

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:23:54

    おしまい。

    顔カプどころかウマウマも初めて書きましたが、ウマウマいいなぁ

    ここまでお読みくださりありがとうございました


    このスレに辻として書かせてもらいましたが、妄想が膨らんだので納得するとこまで書きました

    このスレを立てた方に感謝を。11です


    他人に丸投げしたいな…でも迷惑だし…そうだ!🪝|あにまん掲示板ここは画像のウマ娘の中から顔カプを作って軽く語らないと出られないスレだ軽く書き込んだら出られるぞbbs.animanch.com
  • 7二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:41:31

    夜分にありがとうございます。
    お姉ちゃん同士の交流、大変素敵でした。

  • 8二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 21:47:19

    自分で書いた後に思った

    昨日VMだったし先週Rtttの映画あったからタイミングぴったやん…


    >>7

    ありがとうございます!

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