- 1二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:41:24
前スレ
https://bbs.animanch.com/board/3304840/?res=190
・こんなスレタイですが、ヒナ→メタナイトの話題だけではなく、「カービィ枠はホシノだな」「マコトはさしずめデデデ…もといキキキ大王」みたいに自由に語ってください。
・SSなども自由に書き込んでください。私が喜びます。
- 2二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:42:26
このレスは削除されています
- 3二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:08:21
上げ
- 4二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:11:08
たておつです
- 5二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:27:49
立て乙っス!
- 6二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:36:10
ハルトマンワークスポジはカイザーがいいかと思ったけど前スレ見る限りだとミレニアムの方がいい感じかね
星の夢=ホドならプレジデント・ハルトマンポジにリオ会長とかいけそうだし
主題歌は『銀河に名立たるハルトマン』ならぬ『キヴォトスに名立たるミレニアム』とか
銀河に名立たるハルトマン:新年のデュエット On Vocal Ver.
- 7二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:28:24
- 8二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:40:57
- 9二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:53:49
- 10二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:58:23
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 05:18:45
後は便利屋がドロッチェ団とかが似合ってそうだよね
- 12二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 08:07:09
カービィ準拠で考えると回復アイテムの食べ物の口移しが耽美になりそうだな
- 13二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 09:15:17
カワサキ枠はフウカかジュリか...
- 14二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 09:54:01
- 15二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 09:58:48
- 16二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 10:03:49
- 17二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 11:54:04
- 18二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 18:30:26
ドロッチェ団→便利屋68で思い出したけど、『もーれつプププアワー』のドロッチェ団のアジトが中々に悲惨だったんだよな……
通気性ゼロ、窓が開かない、冷暖房なし
なんか雑巾の臭いがする、せまい、トイレが流れない
……という。ちなみに広さは推定四畳半くらい? - 19二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:32:47
ホシノカービィ 参上!便利屋68
ホシノ「追い詰めたよぉ〜…!」
アル「くっ…!し、しつこすぎるわよ!」
ムツキ「いやー…どうしようね。」
ハルカ「すいませんすいませんすいません!私がドジばかりしたせいで!」
カヨコ「ハルカのせいじゃないから。…で、小鳥遊ホシノ、そんなにこのお宝が欲しいの?」
ホシノ「当たり前だよ…さぁ早くおじさんに渡してちょうだいねぇ…!」
アル「フッ、そう言われて簡単に渡すと思う?私達は便利屋68よ?このお宝はクライアントが依頼したもの…絶対に届けなきゃいけないものなのよ。」
ホシノ「そんなの知ったこっちゃないよぉ…!さぁ早く…!」
ムツキ「…なんか性格違くない?」
カヨコ「小鳥遊ホシノって、もっと頭がきれる気がするんだけど…?」
アル「な、なんでそんなに欲しいのよ!?」
ホシノ「何をーぅ!?とぼけないでよ!」
ホシノ「私の大事な大事なイチゴのショートケーキが、その宝箱にあるのを知ってるくせに!!」
便利屋68「「「「…………はい?」」」」 - 20二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:39:34
ホシノ「私はね!アビドス高校の屋上でケーキを食べようとしてた!そしたら誰かに盗まれた!私はあの時、万魔殿の議長が盗んだんだと思って、すぐに乗り込んだんだ…!」
カヨコ(…多分、濡れ衣だよね?)
ハルカ(そ、そんなにあの議長、食いしん坊なんですか?)
アル(そんなことないと思うけど…)
ホシノ「でも違った、マコトじゃなかったんだ。でもその時、その宝箱を見つけたんだよ!」
ムツキ「へー、これをねー。」
ホシノ「その時確信したね…きっとその箱の中にケーキがあるって!!」
アル「だからなんでそうなるのよーーーーー!!?」
カヨコ「だからこれは依頼した人が必要なものが入っ」
ホシノ「うへ…うへへ…!返してもらうよー…!」
カヨコ「聞いてないんだけど…」
- 21二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:48:10
パシッ!
一同「「「「「あっ!?」」」」」
アル「宝箱が!?」
??「はぁ…危ないところだった。」
ホシノ「風紀委員長ちゃん…!?」
ヒナ「良い?小鳥遊ホシノ、それに便利屋68、この宝箱をあなた達に渡す訳にはいかない。これはとても危険なものなのよ。」
アル「ふん、そんな言葉誰が信じるとでも?」
ヒナ「そう…なら、力づくで黙らせるしかないようね。」
ムツキ「くふふ…♪」
ハルカ「い、いきます!」
カヨコ「…社長、やる?」
アル「えぇ…こうなったら仕方ないわ。いくわ、よっ!?」ムギュ!!
ホシノ「ケーキを返してもらうよぉ!ヒナちゃーん!!」
ヒナ「ケ、ケーキ?何のこと?」
ホシノ「うへへ…風紀委員長ちゃんも白ばっくれる気なんだね…なら容赦しないよ…!」
ヒナ「…まさか小鳥遊ホシノも敵だなんて、厄介なことになったわ。一旦、撤退しましょう。」ザッ!
ホシノ「待てー!!!」ダッ!
- 22二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:49:04
- 23二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:50:53
- 24二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 21:58:57
- 25二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:11:24
・ホシノカービィ Wii
ここは呆れかえる程平和…ではないキヴォトス
ホシノ「うへ~、まさか日向ぼっこに来たらゲヘナの子と鉢合わせるなんてね」
ヒナ「珍しく。本当に珍しく、今日は暇ができたの。だからこの辺でゆっくりしようとおもっていたのだけど」
マコト「おい…。何故よりにもよって空崎ヒナがここにいるイロハ…?」
イロハ「知りませんよ。まあ別にいいじゃないですか、彼女がいようがいまいが問題ないでしょう?」
マコト「ないわけあるか!せっかくのいい天気、万魔殿に籠るのももったいないと外であれこれ悪だくみに来たというのに台無しだ!」
イロハ「…そういう事はせめてもう少し小さい声で愚痴ってください」
ヒナ「…はぁ」
ホシノ「相変わらず、大変だねぇ」
ヒナ「同情には及ばないわ。どうせそんな事だろうと思って――?」
(不意に、ヒナが空を見上げる)
(つられてホシノも顔を上げた次の瞬間――突如空間が裂け、巨大な船が飛び出してきた!)
ヒナ「っ!?」
ホシノ「うへ!?な、何あれ!」
イロハ「なっ…!?」
マコト「な、何だあの船は!飛んでいるのか!?」
(驚愕する四人の眼前で、謎の船は地上に墜落する)
(轟音と衝撃が辺りに轟き、そのまま船はピクリとも動かなくなった)
ヒナ「墜落、いえ不時着…!?」
ホシノ「どっちだっていいよ!すぐ助けに行かないと!」
マコト「あ、こらまて小鳥遊ホシノ!その船に一番乗りするのはこのマコト様だ!」
イロハ「ちょっと、マコト先輩!?ああもう、仕方のない…!」 - 26二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:12:08
(ホシノを先頭に、四人は墜落した船に近寄る)
(船は所々破損していたが、見た限り火災などは発生していなかった)
ホシノ「うへ~、見れば見る程不思議な船だねぇ」
ヒナ「ゲヘナの技術じゃない。ミレニアム?いいえ、だとしてもあの学園がこんな技術を隠し持ってるだなんて情報部の報告にも…」
マコト「キキキッ。なんだ、お前らの怠慢か?たるんでるぞ、空崎ヒナ」
イロハ「馬鹿言ってないで、出入り口でも探しましょうよ。それにこの船の事は、私たちパンデモニウム・ソサエティーでも…?」
(その時、まるでイロハの言葉に応えるかのように)
(船体の一部が動き、中への道が開かれた)
ヒナ「これは…」
ホシノ「入ってこい、って事かな?」
マコト「キキキッ、気が利いてるじゃないか。ではさっそく――ぐえっ!?(イロハに上着の裾を引っ張られる)」
イロハ「迂闊な真似しないでください。中にトラップでも仕掛けられてたらどうするんですか」
マコト「な、何ィ!?トラップだとぉ!」
ホシノ「うへ~、でも入らなきゃ始まらなさそうだし。おじさんはお先に失礼するよ~」
ヒナ「あ、ちょっと!小鳥遊ホシノ!」
(ヒナの制止を無視してスタスタと船内へ入るホシノ)
(その後を追い、ヒナもまた入っていく)
イロハ「…あらら」
マコト「あらら、じゃない!どうしてくれるイロハ、せっかくの一番乗りを逃してしまったじゃないか!」
イロハ「別に一番だろうと最後だろうと変わらないでしょう。ここは彼女たちが囮になってくれたと考えればいいじゃないですか」
マコト「む…それもそうか」
イロハ(クッソチョロいですね、この先輩)
マコト「おい。今何か失礼な事を考えなかったか?」
イロハ「気のせいですよ。さ、私たちも中に入りましょうか」
- 27二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:12:49
- 28二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:13:46
マコト「これは…一体何だ?」
ヒナ「見た所、この船の図面に見えるけど」
イロハ「多分ですけど、赤くなってる所が損傷した箇所じゃないですかね。ほらここ、何か図と文字みたいなものが浮かんでますし」
ホシノ「うーん。こっちのは棒みたいなやつはオールで、この大きいのはマストかな?それに翼っぽいパーツに船首のエンブレム…。五つくらいなくなっちゃってるね」
??「なくなっちゃってる、じゃありませんよ!」
ホシノ「うわぁ!びっくりした!」
??「パーツだけじゃない、このローアの動力源たるエナジースフィアまでほとんど失われてる…!これじゃもう二度と飛べない、どころか動かすことだってできないのですよ!?」
ホシノ「そんな、おじさんに言われても困るよ~」
マコト「というか、さっきからなんだお前は!初対面の相手に対し無礼な奴め!まず自分から名乗るのが礼儀というものだろうが!」
イロハ「マコト先輩が礼儀を説いてる…」
ヒナ「明日は嵐か、ミサイルの雨かしらね」
(そこでようやく正気に返ったのか、ピンク髪の少女はコホンと咳払いする)
??「…失礼しました。確かに、超人らしからぬ振る舞いでしたね」
カヤ「改めて名乗りましょう。私は不知火カヤ、この星船ローアで宇宙を旅する放浪者です」
ホシノ「星船…ローア…?」
カヤ「ええ。このローアには古代のテクノロジーが用いられておりまして。おかげで自由に星々を渡って旅する事ができるのですよ。…厳密には、できたという事になりますが」
ヒナ「古代のテクノロジー…もしかして、オーパーツに近いモノかしら?」
カヤ「オーパーツ、と呼ばれるものが何かは知りませんが。まあ、多分近いものだと思いますよ?」
マコト「それでカヤ、と言ったか。お前は何故このキヴォトスに不時着してきた?船体の損傷といい、何かと派手にやり合ったようにも見えるが」
カヤ「(ギクッ!)そ、それはその。…ええと、キヴォトスでしたっけ?実はここに辿り着く前、少々とある脅威に襲われまして」
ヒナ「――なんですって」
- 29二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:14:23
カヤ「(ギクギクッ!)あ、あの。何か?」
ヒナ「いえ、大した事ではないわ。もしやまた、ビナーのような脅威が現れたのかとそう思って」
マコト「いや、それは十分大した事だろう…?」
イロハ「まあこの街ではある意味日常茶飯事みたいなものですからね」
カヤ「(ホッ)そ、そうでしたか。そのビナー、というのは知りませんがまあ似たようなものです。…うう、これからどうすればいいのでしょう」
カヤ「いくら私が超人といっても、こんなにも壊れてしまったローアを直すのは一苦労…。ましてここは見知らぬ土地。右も左も分からない場所で、どうやって失われたパーツを探せばいいのか」
カヤ「ああ…私はもうここまでなのでしょうか…。この星船を発掘し、ようやくここまでこぎつけたのですよ…?」
(憔悴し、途方に暮れるカヤ)
(その姿をしばらくじっと見つめていたホシノだったが、やがて意を決したように頷いた)
ホシノ「…うん、わかった!そのパーツ集め、おじさん達が手伝ってあげるよ~!」
カヤ「えっ!?」
マコト「何ィ!?」
イロハ「た、小鳥遊ホシノ?」
ヒナ「ちょっと、本気?こんな得体の知れない何者かの為に動くというの?」
ホシノ「本気も本気だよ~。ここまで落ち込んでる子を放ってなんておけないし、それに…」
(ホシノの脳裏をよぎる、とある緑髪の先輩と先生の姿)
ホシノ「あの人たちなら、こうするだろうなって思ったから」
- 30二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:14:55
ヒナ「…小鳥遊ホシノ」
カヤ「ほ、本当に手伝っていただけるのですか?パーツだけでなく、動力源のエナジースフィアも集めないといけないのですよ…?]
ホシノ「もっちろん!そのエナジー何とかは知らないけど、ちゃんと元通りにしてあげるからね~」
カヤ「あ――ありがとう、ありがとうございます!九死に一生とはまさにこの事!あなたは天使、いいえ女神です!!」
ホシノ「うへ~、大げさだよ~」
ホシノ「というわけだから。風紀委員長ちゃん達も手伝ってね~」
ヒナ「…はぁ。また勝手に決めて」
マコト「はぁ!?何故このマコト様が手伝わねばならん!」
ホシノ「だって人手は多い方がいいし。一人よりみんなでやった方が早く片付くでしょ?」
マコト「冗談じゃない!私は抜けさせて――」
イロハ(マコト先輩、マコト先輩)
マコト「なんだイロハ!今はこの小鳥遊ホシノと話しているんだぞ!」
イロハ(いいから落ち着いてください。――これはチャンスだと思いませんか?)
マコト「何ィ?」
イロハ(このローアとかいう星船、明らかに私たちゲヘナの技術体系とは異なるものです。…もし、もしもですが。この星船を解析・量産できたら…夢が広がるとは思いませんか?)
マコト「!」
イロハ(トリニティは元より、あのミレニアムも目じゃないでしょうね。それこそ我々の代でキヴォトス統一を果たす事も夢じゃ――)
- 31二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:15:23
マコト「よせイロハ、もういい。よーくわかった!」
カヤ「あ、あのー?」
マコト「キキキッ…カヤ、とか言ったな?お前の窮状、察するに余りある」
カヤ「はあ」
マコト「そこで、だ!特別にこのマコト様も星船の修理に協力してやる!」
カヤ「え!?いいんですか、さっきまで乗り気ではなかったのでは?」
マコト「なあに、困った時はお互い様だ!(星船が完成した暁には万魔殿の総力をもって奪い取ってやる!)」
カヤ「あ、ありがとうございます!私としても、これほどうれしい話はありません!(なんだかよくわかりませんが、これは好都合です)」
マコト「キキキッ!」
カヤ「ふふふ…」
ヒナ「…珍しい事は続くものね。まさかサボり魔のあなたがこんな口添えするなんて、どういう風の吹き回し?」
イロハ「別に、大した事じゃありません。どうせこのまま帰ったとしても、後でまた気が変わってちょっかい出そうとするでしょうから。だったら今の内に乗り気にさせた方が楽だと考えたまでです」
ヒナ「そう。おかげでいい迷惑だわ、私も本格的に目を離せなくなってしまったし」
イロハ「と言いつつ。最初から乗り気だったんじゃないですか?」
ヒナ「ゲヘナの治安維持に関わる者として見過ごせないだけよ。他意はないわ」
イロハ「そういう事にしておきますよ」
ホシノ「よーし!それじゃ星船修復の旅、はっじまるよ~!」
かくして新たな旅に出る事となったホシノ達
はたしてカヤの目的とは?ローアを修復する事はできるのか?
それはこの先の続きにて…
- 32二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:16:11
- 33二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:59:00
ありがとう…SSありがとう…!
- 34二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:11:50
カービィバトルデラックスの場合はマコトが大量のホシノを作ってることになるのか
- 35二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:33:09
- 36二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 10:07:13
元祖ラスボス、マコトさまの 大逆襲。
…さあ、次はお前たちの番だ!と、言っても
仲間は全員イブキサイズ。
というかイブキにそっくりじゃない?
不覚だが、やむを得ない
やい、しにぞこないのピンクたて!
チーム決戦の機は熟したぞ! いざ…やらいでか!
マコト「という訳でいくぞ小鳥遊ホシノぉ!!星の泉の力による64人の最強チーム!チーム・KKKの実力を見せてやろう!キキキ!!」
「「「「「きききー!!!」」」」
ホシノ「うへー…すっごい光景…」 - 37二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:41:24
マコト「あ、こら!私が先だ!」
(船内に入ったホシノ達)
(あちこち移動し、ようやく操舵室と思しき場所に辿り着く)
(そこにいたのは、床に横たわるピンク髪の少女だった)
??「うう…あの四つ首ドラゴンめぇ…許さない…」
ホシノ「ありゃ。誰か倒れてる」
ホシノ「もしもーし。大丈夫かーい?」
??「あと少し、あと少しで何もかも上手く行く筈だったのに…それをよくも…」
イロハ「全然聞こえてないみたいですね」
ヒナ「というか、気絶してるんじゃない?何かうわ言のようにも思えるのだけど」
マコト「ふむ。どれ、揺さぶってみるとするか。おい!しっかりしろ!(ゆさゆさ)」
イロハ「ちょっとマコト先輩、けが人にそんな激しくするのは」
??「ハッ!?こ、ここはどこ!私は誰!?」
ホシノ「あ、起きた」
マコト「キキキッ!どうだこのマコト様必殺起床術は!」
イロハ「いや揺さぶっただけじゃないですか」
ヒナ「というか『起床』なのに『必殺』じゃ矛盾しているでしょう」
マコト「ええい、やかましい!おいお前、目が覚めたのなら説明しろ!この船は一体何で、お前は誰だ」
??「は、え?ど、どちら様ですか!?というか、何勝手に私の船に入ってるんです!」
ホシノ「うへ~、無断で入ったのはごめんね~。でもこの船が墜落して、誰か怪我してる人がいるんじゃないかって心配だったからさ」
??「墜落……そ、そうだ!船は!このローアの状態はどうなっていますか!?」
(泡を食った様子で目の前のコンソールを操作するピンク髪)
(やがて正面の画面に表示されたモノを見ると、がっくりと肩を落とし項垂れた)
- 38二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:42:21
- 39二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:00:57
- 40二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:36:47
>>31の続き
(それからしばらく後)
(キヴォトス各地を駆けずり回り、ホシノ達はとうとうローアのパーツとエナジースフィアをすべて回収した!)
カヤ「メインエンジン点火!動力源との接続よし、出力も安定……や、やりました!ローアの修復、成功です!!」
一同『やったぁ!!』
ホシノ「うへ~、あちこち回って苦労した甲斐があったよ~」
ヒナ「本当にね。森に砂漠、海に雪山…まさかここまで苦労させられるとは思わなかったわ」
マコト「海中で巨大フグの化け物に襲われた時は、このマコト様も冷や汗をかいたぞ…」
イロハ「雪山で遭難しかけた時は死を覚悟しましたしね。…あの時は本気で付き合うんじゃなかったと後悔しましたよ」
カヤ「皆さん…本当に、本当にありがとうございました!」
ホシノ「そんなかしこまらなくていいよ。おじさん達が好きでやった事だし」
三人「「「貴様/あなただけだ/だけよ/だけです!」」」
カヤ「ま、まあまあ…。ところで皆さん、お疲れの所一つご相談があるのですが」
ホシノ「うへ?何?」
マコト「まさか未回収の何かが残ってた、とかじゃあるまいな?」
イロハ「もしそうだとしたら、私たちは本気で失礼しますよ」
カヤ「ち、違います!パーツもエナジースフィアも全部揃っていますから!」
- 41二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:37:10
ヒナ「なら何?」
カヤ「いえその…お礼、と言っては何ですが。私の故郷にご招待したいのですが、よろしいでしょうか?」
四人「「「「故郷?」」」」
カヤ「はい。私の故郷――ハルカンドラというのですが、ここが中々風光明媚な良い土地でして」
カヤ「最先端の科学都市に豊かな温泉地帯と、観光に事欠かない要素もたくさんあるんです!」
ホシノ「へえ~」
ヒナ「最先端科学、ね。それはミレニアムよりもすごいという事?」
カヤ「ええ、恐らくは。このキヴォトスという土地は元より、全宇宙広しといえどハルカンドラの科学力には及ばないと思いますよ?何より、このローアも他ならぬハルカンドラで生み出されたものですし」
マコト「なんだと!道理でこの性能…いや待て。という事は、ハルカンドラにはこれと同じ、あるいはそれ以上の船もあるというのか!?」
カヤ「え?いや、それは……(多分)あるんじゃないでしょうか?」
マコト「キキキッ!そうかそうか、それは良い事を聞いた!」
(マコト、カヤを含む他四人から距離を取り懐から何かを取り出す)
マコト(あーもしもし!サツキか?先程伝えた作戦についてだが、一旦中止だ!いや予定変更とも言う!)
マコト(何?『急にどうして』だと?キキキッ!なあに、ちょっとな。とにかく、準備させた精鋭部隊は引き上げさせていい!後はこっちでやっておく、いいな!)
イロハ「マコト先輩…」
ヒナ「もう少し腹芸というものを覚えてくれたりしないのかしら。いえ、これはこれで風紀委員会的には助かるのだけども」
カヤ「あ、あのー何か?」
- 42二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:37:38
マコト「キキキッ!気にするな!ちょっとした野暮用だ!――それで?この船はそのハルカンドラとやらに今すぐ飛べるのか?」
カヤ「え、ええ!それはもちろん、皆さんが完璧な修理をしてくださったおかげでいつでも離陸可能です!」
マコト「そうかそうか!なら善は急げだ、早速そのハルカンドラに向かうとしよう!」
イロハ「ちょっとマコト先輩、本気ですか?どんな土地なのかもよく分かってないんですよ?」
マコト「そんなもの、実際に行ってみればどうとでもなるだろう!第一、ここにいてはそのハルカンドラに調査員を送る事はおろかそもそも辿り着く事自体叶わんのだ。だったらこのチャンスを逃すわけにはいくまい!」
イロハ「それは…まあ、そうですが」
ヒナ「待ちなさいマコト議長。万魔殿の仕事はどうするつもり、どうせ今日も勝手に抜け出してきたんでしょう」
マコト「そんなもの、サツキ達がいればどうとでもなる。それにハルカンドラへ行けばイブキへの良い土産話にもなるというものだ。…不満なら、お前は付き合わなくてもいいんだぞ?風紀委員長」
ヒナ「…はぁ。どうせ野放しにしたらしたらで糾弾してくる癖に。いいわ、私も付き合います」
ホシノ「うへ、おじさんが言うのも何だけど大丈夫なの?」
ヒナ「今日は珍しく暇ができたって言ったでしょう。それに私が一時いなくてもアコ達でどうにかできる程度には整えておいたし、多分大丈夫よ。…多分」
ホシノ「うへ~」
カヤ「ええと…それでは皆さん、出発してもよろしいでしょうか?」
- 43二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:37:57
ホシノ「おじさんはいつでもオッケーだよ~」
マコト「無論、このマコト様もだ!」
イロハ「はあ、仕方ないですね。私もお付き合いしますよ、マコト先輩」
ヒナ「私も大丈夫」
カヤ「承知しました。――では、エンジン始動!」
カヤ「目的地ハルカンドラ。ワープドライブ起動、ゲートオープン!異空間ロード突入します!」
カヤ「推力全開!星船ローア、出航せよ!」
(かくしてハルカンドラへと旅立った星船ローア)
(はたして何が待ち受けているのか――この時、ホシノ達は知る由もなかった)
(この奇妙な来訪者が齎す旅の結末を…)
(異空間ロードを進む事およそ数十分)
(ローアは再び現世へと帰還し、目的地ハルカンドラに到着した)
- 44二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:38:23
ヒナ「ここが、ハルカンドラ…?」
ホシノ「うへ~、何か思ってたのと違うねぇ」
マコト「火山地帯に、荒れ果てた荒野…。何だこれは、ゲヘナより酷くないか?」
イロハ「一応遠目に都市らしきものも見えますが…あの、本当にここが目的地なんですよね?」
カヤ「え、ええ勿論!このローアの航行機能とナビゲート機能は宇宙一――」
ビービービー!ビービービー!
ホシノ「な、何!この音!」
カヤ「これは…船内警報!?」
マコト「おい、外を見ろ!なんだアレは!?」
(マコトが指さしたモニターの向こう)
(そこには、今まさにローアに向け大口を開ける四つ首のドラゴンがいた)
カヤ「あれは――あいつは!」
ヒナ「!まずい、今すぐ舵を切って!早く!」
(ヒナが警告するも、一歩遅かった)
(そのままドラゴンは口から火球を放ち、ローア目掛け撃ち出してきた!)
(避ける暇も防ぐ余裕もなく、火球は着弾。ローアは再び墜落する…)
ホシノ「うーわー!?」
カヤ「お、おのれぇえええ!?またしてもぉおおお!!」
マコト「おい、落ちるぞ!イロハァ、なんとかしろお!」
イロハ「無茶言わないでください!私にどうしろって――!?」
ヒナ「全員衝撃に備えて!何かに掴まって……!」
(そのままローアは不時着)
(幸いキヴォトスに落ちてきた時よりも被害は少なかったが、ローアは再び飛行不能状態に陥った)
- 45二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:38:54
カヤ「うう…。あの四つ首めぇ…一度ならず二度までもぉ…!」
ホシノ「いや~、ひどい目に遭ったねぇ」
イロハ「今度こそもうダメかと思いました…」
マコト「おいカヤ!あれは一体なんだ!何故私たちを攻撃してきた、説明しろ!」
ヒナ「…もしかして、だけど。あなたがキヴォトスに来る時、船がボロボロだったのもあいつが関係しているの?」
カヤ「――。そう、ですね。皆さんにも説明しておきましょう」
カヤ「私がキヴォトスへと逃れる羽目になった理由。諸悪の根源たるあの四つ首ドラゴン、ランディアの事を――」
(そうしてカヤは語り出す)
(かつてこのハルカンドラは平和な星だったのだが、ある時現れたあの四つ首のドラゴン――ランディアにより壊滅的な被害を受けてしまった事)
(ハルカンドラに住む民はほとんどが星を捨て、別の惑星へと逃れていった事…)
マコト「何ィ!?ちょっと待て、じゃあこのハルカンドラは今や無人の星という事か!?」
カヤ「ええ…恐らくは。少なくとも、私が知る限りではここ数年他の住民と会った事はありません」
ヒナ「何故それを黙っていたの?」
カヤ「う…。じ、実はその。私は長い事この星の地下で暮らしておりまして。それで、あのドラゴンが未だに活動していた事を知らなかったんです!実際、あのドラゴンが健在だと知ったのも偶々見つけたローアで試験飛行してたから、でして…」
イロハ「それで私たちのキヴォトスまで遥々逃げてきたと?わざわざ怪しげな異空間まで通ってきて」
カヤ「し、仕方ないでしょう!他に方法がなかったんですから!私だって必死だったんです!!」
ヒナ「別に逃げてきた事を責めるつもりはないわ。問題は――何故、そんな危険な怪物がいるかもしれない土地に、私たちを連れてきたのかという事よ」
マコト「貴様…もしや私たちをあいつの餌にでもするつもりだったんじゃないだろうな?もしそうだというなら、万魔殿の総力をもって報復するぞ」
イロハ「いや、万魔殿の皆はここにいないでしょう。…まあ報復という考えには同意しますけど」
- 46二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:39:28
(ヒナ、マコト、イロハが各々の銃火器に手を伸ばす)
(カヤは怯えているのか、震えるばかりで何も言い返さない)
(その様子を見守るホシノだったが、突然庇うようにカヤの前に立った)
ヒナ「…小鳥遊ホシノ?」
マコト「おい、何の真似だ。いくらお前といえどそれ以上は見過ごせんぞ」
イロハ「まさかとは思いますけど…庇ってるとか言い出すつもりじゃないですよね?そんな怪しさ全開な輩を」
(三者三様の敵意と警戒を向けられ、背後のカヤが委縮する)
(一方ホシノは真正面からそれらを受け止め――次の瞬間、いつもと変わらない笑顔を浮かべた)
ホシノ「うん。そのつもりだけど?」
マコト「…は?」
イロハ「何を言って――」
ホシノ「何をもないよ。そこの戦車長ちゃんの言う通り、私にはカヤちゃんを責める気がない。それだけだよ」
ヒナ「どうやら墜落の衝撃でおかしくなったみたいね。頭でも撃ったら治るのかしら?」
(終幕:デストロイヤーを構え、これ見よがしに威圧するヒナ)
マコト「お、おいヒナ!こんな狭い所で何を」
ヒナ「黙りなさいマコト。私は今、小鳥遊ホシノと話している」
マコト「…っ!?」
- 47二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:40:18
ホシノ「うへ~怖い怖い。せっかくの可愛い顔が台無しだよ?風紀委員長ちゃん」
ヒナ「…ふざけた事ばかり言わないで。この引き金は軽いわよ」
ホシノ「私は至って大真面目だよ。だって、カヤちゃんを責めたり怒ったりする理由がないからね」
ヒナ「なんですって?」
(ホシノ、カヤの方へと振り返る)
ホシノ「だってカヤちゃん、怖かったんでしょ?」
カヤ「へ?」
ヒナ「何を、言って」
ホシノ「そりゃそうだよ。『自分たちの故郷に手に負えない怪物が現れたから助けてくれ』、だなんて普通正直に言った所で誰も相手してくれないよ。まして、それが知らない他所の土地の子なら猶更ね」
ヒナ・マコト・イロハ「「「――――!」」」
ホシノ「だからといって、事前説明全くなしで連れてこられても困るんだけどね。そりゃ風紀委員長ちゃん達も怒るよー。…おじさんだって昔なら頭にきて殴りかかってる所だし」
カヤ「ヒッ!?」
ホシノ「な~んてね、冗談冗談」
イロハ(…今、明らかに目が笑ってませんでしたよね?)
ヒナ(ええ。あれは間違いなく本気の目だったわ)
マコト(小鳥遊ホシノ…恐ろしい奴…!)
ホシノ「コホン。ま、そういう訳だから。あのドラゴンについて知ってる事があれば、もっと詳しく教えてくれないかな?」
カヤ「はえ?」
マコト「お、おい!小鳥遊ホシノ、何のつもりだ!?」
イロハ「まさかとは思いますけど――」
ホシノ「うん。そのまさかだよ」
- 48二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:40:48
ホシノ「私たちであのドラゴン――ランディア、だっけ?そいつ、やっつけよう」
マコト「は――はぁああああ!?」
イロハ(頭を抱え、あちゃーと項垂れる)
ヒナ「…何度も言うようだけど、正気?」
ホシノ「めいっぱい正気だし、本気だよ~。どうせこのままじゃ、船が直った所で無事見逃してもらえる保証もないからねぇ」
ヒナ「だけど――」
ホシノ「それに、さ。…見捨てられないんだ、故郷を、今ある居場所を追われようとしている子はね」
(ホシノの目が、ここではないどこかへと向けられる)
(その姿に、ヒナもイロハも、マコトでさえ何も口を挟めなくなった)
ホシノ「あと、これはおじさんの勝手な予想なんだけどね?多分、『あの人』も今のカヤちゃんを見たら同じ選択をすると思うんだ~」
ヒナ「……っ!」
イロハ「それは、ずるくないです?」
マコト「?何の話だ、イロハ?」
イロハ「(特大の溜息を吐く)…あの人ですよ、シャーレの」
マコト「…。(遅れて何かに気が付いた顔)」
ホシノ「うん、納得してもらえたみたいだね。それじゃカヤちゃん、詳しい話を聞かせて」
カヤ「ままま、待ってください!あの、確認、なのですが。…ほ、本当にあのクソドラ、もといランディアをどうにかしてくれるのですか!?」
ホシノ「うん。だからそう言ってるじゃん」
カヤ「……。その、連れてきておいてなんですが。本当にあなた達でどうにかできるのですか?相手はこのローアの力をもってしてもどうにもならなかった怪物なのですよ…?」
ホシノ「うーん。そう言われると、確約はできないけど…」
ホシノ「けどまあ、きっとどうにかなるよ。明日は明日の風が吹く、なんて言葉もあるしね!」
- 49二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:41:10
- 50二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:41:38
- 51二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:54:12
- 52二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 00:07:26
いいssだぁ…明日を楽しみにしておこう。
ローアにも意志があるのなら喋るようになるのかなぁ? - 53二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 00:49:25
- 54二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 08:17:40
保守ー
- 55二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 18:17:53
はてさてこの先どうなるのでしょうか?
- 56二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:49:54
>>49の続き
(無人都市を越え、火山地帯を突破し、ついにランディアの住処へとたどり着いたホシノ達)
(壮絶な戦いの末、最後に制したのはホシノ達だった!)
ホシノ「や…やった~!やっと倒したよ~!」
マコト「キキキッ!このマコト様の指揮があれば当然の事だ!」
ヒナ「あなた途中から逃げ回ってばかりだったじゃない」
イロハ「髪の毛アフロになってますよ。…まあ、私もちょっとだけ焦げましたが」
マコト「うるさいうるさい!せっかくの勝利に水を差すな!」
ホシノ「でもまさか、四つ首じゃなくて四匹で一体のドラゴンだったとはねぇ」
イロハ「途中で分かれて襲い掛かってきた時は焦りましたよ。あと少しで食べられるかと思いました」
マコト「ともあれ、これでようやくこの物騒な星から帰れるというものだな!」
ヒナ「そうね。早速カヤの下に戻り――?」
パチパチ…パチパチパチ…
??「ブラボー、ブラボー。流石は暁のホルス…いえ今はホシノカービィ、でしたか?」
??「よくぞあの忌々しいクソドラゴン…ランディアを倒してくれましたねぇ」
マコト「誰だ!…って、カヤ?お前、わざわざ迎えに来てくれたのか?」
イロハ「いや、どう考えてもそんな雰囲気じゃないでしょう…」
(マコトとイロハの言葉を無視し、カヤはランディアから転がり落ちたモノ――光り輝く王冠を手に取る)
カヤ「おお…ついに手に入れましたよ…!」
カヤ「これぞ持ち主に無限の力を約束する伝説の秘宝!マスタークラウン!」
カヤ「この秘宝さえあれば、私はついに…!」
- 57二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:50:40
- 58二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:51:27
カヤ「伝説の秘宝が眠るという情報に惹かれ、この星を訪れてから幾年月…」
カヤ「秘宝の在処を突き止めたまではよかったのですが、肝心のそれはあのクソ忌々しい守護竜の頭上にあるという始末」
カヤ「同じくこの星に眠っていたもう一つの秘宝――星船ローアで決戦を挑みましたが、結果は惨敗」
カヤ「無惨にも逃れた先が、あなた達が暮らすキヴォトスだったというわけです」
マコト「訪れた、だと…?貴様、この星の生き残りではなかったのか!」
カヤ「あったりまえじゃあないですか♪そもそもこの星はとっくの昔に廃星になって久しいのですよ?今更人間など残ってる筈がありません」
ヒナ「なんですって…!」
イロハ「…道理で、ロボやサイボーグは見かけても人間の姿は見当たらなかったわけです」
カヤ「話を続けましょう…。キヴォトスに流れ着いた私は、最初こそ船の有り様に絶望しましたとも。何しろこれで私の野望は完全に潰えたと思ったものですから」
カヤ「ですが――嗚呼!神は私を見捨ててなどいなかった!」
カヤ「馬鹿なあなた達が勝手に憐れんで協力してくれたおかげで!誠心誠意、働いてくれたおかげで!!この星船を直し、あまつさえ悲願だった秘宝の奪取まで叶えてもらったのですから!」
(カヤの背後からローアが現れる)
(ファンシーだった見た目は禍々しい戦艦のそれに変わり果て、まるでカヤの本性を体現したようだった)
- 59二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:52:01
カヤ「秘宝が手に入った今、もうこの星に用などありません。これで私は真の超人に――ひいては全宇宙を統べる支配者となるのですから!」
カヤ「あなた達には感謝しますよ、小鳥遊ホシノとその仲間たち!お礼と言っては何ですが、この寂れた惑星での余生をプレゼントしてあげましょう!」
カヤ「そして手始めに、あなた達の故郷であり居場所のキヴォトスから支配して差し上げます!あーはっはっは、あーっはっはっは…!」
(カヤがローアと共に異空間へと消えていく)
(その様を、四人は呆然と見つめる他なかった…)
マコト「――ハッ!お、おのれぇえ!カヤの裏切り者めぇ!小鳥遊ホシノと空崎ヒナはともかく、よくもこのマコト様とイロハまで謀ってくれたなぁ!」
イロハ「そこは別に分けなくてもいいでしょう…」
マコト「やかましい!――何をしている貴様ら!さっさとあいつを追いかけるぞ!」
ヒナ「追いかけるって……どうやって?」
(ヒナの言葉に、マコトは言葉を詰まらせる)
(既にローアはカヤと共に去ってしまった後。他に追跡する手段はなく、通常兵器ではそもそも異空間に干渉する事すら叶わない)
(つまりは――)
- 60二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:52:32
イロハ「…詰み、ですね。どうしようもありません」
マコト「イロハぁ!貴様まで何を」
イロハ「じゃあ教えてくださいよ。どうやったらあいつを、いやこの星から抜け出せるっていうんです?」
(いつになく冷たいイロハの視線)
(その様に射竦められ、さしものマコトも押し黙りかけるが)
マコト「だ、だが!このまま呆けているわけにもいくか!」
マコト「そうだ、奴はあの星船を『この地に眠っていた』と言っていたな!ならば探せばもう一隻くらい」
イロハ「それを掘り返す人手も、そもそもの当てもどこにあるんです?私たちだけじゃどうにもならないでしょう」
マコト「何とかする、いやせねばならん!腐ってる暇などあるか!このままではイブキ達も危ういのだぞ、貴様はそれでもいいの――」
イロハ「いいわけないに決まってるじゃないですかッ!!」
(イロハの怒声に、今度こそマコトが沈黙する)
(イロハも、ヒナも、この場の誰もが分かっていた)
(このままではいけない、何とかしなければならないと)
(だが、打つ手はない。ここで指をくわえて見ているしか、できない)
イロハ「…お、おい。空崎ヒナ、小鳥遊ホシノ。お前たちは何かないのか?いつもみたいに、自信満々な顔で案の一つでも出して見ろ!」
(ヒナもホシノも、返答はない)
(ヒナは常の覇気を失い、ホシノもまた俯き地面に向かって何事か呟き続けているだけになっていた)
(いよいよマコトも本格的に絶望しかけた、その時)
- 61二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:52:56
????『……』
ホシノ「――う、へ?」
(いつの間にか、ランディア『達』が起き上がり四人の傍に近寄っていた)
(先程までのリベンジでもする気かと、身構える四人だったが――)
ランディアA「――(ぽいっ)」
ホシノ「うへぇっ!?な、何々!」
ヒナ「ランディア…何を?」
(ランディアAが、ホシノの襟首を咥えて自身の背中に放り投げる)
(その様はまるで「我々に乗れ」と告げるかのようだった)
ホシノ「…もしかして。助けて、くれるの?」
ランディアA「(こくりと頷く)」
マコト「い、いやまて!助けると言っても、異空間に入れなければどうしようも」
ランディアABCD「「「グオォオオオ!!」」」
(ランディア達が一斉に咆哮し、ブレスを空中に放つ!)
(放たれたブレスは宙を貫き、異空間への入り口を開いた!)
イロハ「…うそぉ」
マコト「(絶句)」
ヒナ「これは――やるしかないようね」
(ヒナがランディアBの背に乗る)
(その姿を見たイロハもまた、やれやれといった様子でランディアCの背に乗った)
- 62二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:53:16
マコト「お、おい!お前たち、正気か!?」
イロハ「何もたもたしてるんですか、マコト先輩。お望み通り、何とかなるみたいですよ?」
ヒナ「最早一刻の猶予もないわ。この際、使える手は何でも使わないと」
マコト「い、いやしかし。ついさっきまでやり合ってた相手はさすがに……ぬおおっ!?」
(いい加減焦れたと言わんばかりに、ランディアDがマコトを無理やり背に乗せる)
(その様子を見届けると、ランディア達は一斉に翼を開き飛び立った!)
ヒナ「…誤解とはいえ、あなた達に銃口を向けた私たちにこんな事を言う資格はない。それでもお願い、ランディア。今だけは――私たちに力を貸して!」
イロハ「虎丸とは勝手が違いますが、まあやってやりましょう。ゲヘナを舐め腐った事、あの糸目女に後悔させてやりますよ」
マコト「おいちょっと待て、まだ心の準備が――うおわぁあああ!?」
ホシノ「…うん。そうだね、泣いてる暇なんてないよね」
ホシノ「キヴォトスにはアビドスが――私の可愛い後輩ちゃん達がいるんだ」
ホシノ「それに先生だって。…だから」
ホシノ「絶対に許さない、不知火カヤ。この落とし前必ずつけさせてやる――!」
(決意と共に羽ばたくドラゴンと少女たち)
(目標は裏切り者と、その走狗と化した星船)
(異空間での死闘が、今幕を開ける――!)
- 63二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:53:42
ホシノ「うへ~!追いついたよ、不知火カヤ!」
ヒナ「私たちをそのままにしておいたのは不味かったわね。そのツケ、ここで支払ってもらう」
イロハ「ちょっとマコト先輩、大丈夫ですか?」
マコト「あ、ああ。心配するな、ようやく操縦にも慣れ――うおおお!?」
(星船、否戦艦ローアより放たれた極大の砲撃)
(間一髪それを回避すると、ローアよりカヤが姿を現した)
カヤ「やれやレ…せっかく見逃してあげたというのニ、愚かな人たちですねェ」
カヤ「ですが、いいでしょウ。そんなに蹂躙されるのがお望みでしたラ、存分にこの力振るってあげますヨ!」
(カヤと戦艦ローアが戦闘態勢に入る)
(そうして、すさまじい撃ち合いが始まった!)
カヤ「あはははハ!どうでス、この力ハ!これがかつテ、宇宙を支配したハルカンドラの遺サン!全てを支配する、超人の力ですよォ!」
ホシノ「うへ~、滅茶苦茶撃ってくるよぉ~!」
マコト「ええい、調子に乗りおって!大体何が超人だ、所詮そのマスカラグラサン?とやらの力あってのものだろうが!」
イロハ「それを言うならマスタークラウンです、マコト先輩。…でも、珍しく良い事言いますね」
ヒナ「そうね。…あなたの力は、どこまで行っても借り物。そんなもので私たちを――キヴォトスで生き抜いてきた者たちを倒せると思わないで」
カヤ「ほざケ、小娘共ォ!どれだけ抵抗しようと、今の私を倒せる筈ガーー!?」
(カヤのすぐ隣で、戦艦ローアが爆散する)
- 64二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:54:06
カヤ「ナ…!?」
ホシノ「まんまと引っかかったねぇ、超人ちゃん?」
ヒナ「別にあなたを優先して倒す必要はない。先に厄介な援護をしてくるそのローアから沈めてしまえば、あなたは一人」
イロハ「つまりここからは」
マコト「私たち四人のフィーバータイムというわけだ!キキキッ!」
(あっという間にカヤへ叩き込まれる一斉攻撃の数々)
(当初はクラウンの力でしのいでいたカヤだったが、徐々に押され始め――)
カヤ「こんナ――こんナ、バカなぁあああアア!?」
ホシノ「よぅし!仕留めたよ~!」
マコト「キキキッ、ざまぁみろカヤ!」
イロハ「待ってください、まだ何か――」
(倒したと思われたその刹那)
(カヤの目に光が戻り、渾身の反撃を繰り出した!)
- 65二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:54:21
- 66二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 21:54:52
- 67二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 23:52:02
- 68二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:30:32
- 69二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 08:17:14
保守ペポ
- 70二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 18:14:24
保守なのだ
- 71二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 18:52:45
保守ピポ
- 72二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:29:21
ヒナ(メタナイト)出てこないから短めに
ホシノカービィ2
ホシノたちが住むキヴォトスにある「虹の島々」。 そこにかかっていた虹がみんな消えてしまいました。事件の背景には、あの万魔殿のマコトの姿が……
ホシノ「という訳で、みんなで行くよ〜。」
セリカ「私達も行くの!?」
ホシノ「いやー、おじさん思ったんだよね。人数は多い方が良いよねって。頼りなる後輩ちゃん達と一緒に虹のしずくを集めて、平和を取り戻すよ〜!」
セリカ「全く…陸なら任せて!バッチリやるわ!」
アヤネ「空は任せてください!」
ノノミ「なら私は海ですね♪頑張っていきましょう!」
アヤネ「シロコ先輩は療養中のため、サポートをお願いします!」
シロコ「ん、分かった。ごめんね、行けなくて。」
ホシノ「大丈夫、待っててね。じゃ、行くよ!」 - 73二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:39:39
ホシノカービィ3
ある日、ホシノはシロコと魚釣りに出かけました。 小鳥さえずり、お日様ぽかぽか。お魚釣りがお昼寝になりそうな気分。
ホシノ「うへ〜…眠いよぉ〜。」
シロコ「…きた!」
ホシノ「お、でっかいね〜。」
すると突然、真っ黒の雲のような物体がキヴォトスに大接近!小さな雲をばら撒いたかと思うと、なんとマコトやその仲間たちをあやつってしまったのです!
大慌てで通信してくるアヤネ。
アヤネ「キ、キヴォトスが大変です!」
邪悪な雲を払い、みんなを…キヴォトスを救うため、ホシノと仲間たちの冒険が始まります!
ホシノ「さぁ、行くよ!」
シロコ「ん、今回は私も行く。」
セリカ「なんであんたもいる訳!?」
イオリ「知らないよ!急に小鳥遊ホシノに連れてこられたんだから!」
ヒフミ「あはは…キヴォトスの危機ですから…。」
アヤネ「みなさん、気を引き締めていきましょう!」
ノノミ「はい♪頑張りましょうね!」
シズコ「は、はい!」
- 74二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:34:41
>>65の続き
ヒナ「――なさい。起きなさい、小鳥遊ホシノ!」
ホシノ「う、う~ん…あれ、ヒナちゃん?私…」
ヒナ「カヤの攻撃で全員叩き落とされたのよ。ほら、あっちも」
マコト「違う…違うんだイブキ…お前のプリンだと知ってたら手をつけたりなど…」
イロハ「コテコテの悪夢見てないで起きて下さい(げしっ)」
マコト「うあ痛っ!?な、なんだ夢か…」
イロハ「その内また正夢になりそうですけどね。それよりあの糸目女は――」
??「ワタシならココデスヨォ?」
(四人の頭上からゆっくりとカヤが舞い降りる)
(その顔は憤怒と憎悪で満たされており、四人への敵意がありありと浮かんでいた)
カヤ「ズイブンと調子に乗ってクレマシタネェ…。超人でもナンデモない雑魚の分際デ、図ガ高いのデスヨ」
マコト「ふん、ならば貴様も超人などではなかったというだけの話だろう。口ほどにもないとはまさしくこの事だな!」
ヒナ「出会った時と比べて口調が崩れてきているのではなくて?その顔も、超人というより化け物みたいよ」
イロハ「まあ、そちらの本性を思えば実にお似合いですが。その醜い内面にぴったりだと思いますよ?」
カヤ「――」
(カヤの両手に力が集まり、今にも攻撃が放たれようとする)
(そんなカヤに対し、ホシノは一歩前に出た)
- 75二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:35:11
マコト「おい、小鳥遊ホシノ…!?」
ホシノ「大丈夫。おじさんに任せて――――カヤちゃん」
カヤ「何デスカ小鳥遊ホシノ?モシヤ、今更怖気づいて降伏したくなったトデモ?」
ホシノ「……」
カヤ「マア、何を言ったトコロデ今更許しませんガネ!あなた達にはこれ以上ない程の絶望ヲ」
(ホシノ、カヤの顔面に向け躊躇なく銃口を向ける)
(直後、間を置かず放たれた弾丸は過つ事なくカヤの顔面に命中した!)
カヤ「ガッ!?」
マコト「何ィ!」
イロハ「っ!」
ヒナ「――(流石ね、と言いたげな笑み)」
ホシノ「『私』はね、怒ってるんだよカヤちゃん」
カヤ「……!?」
ホシノ「おじさんを騙したのはまだいい。騙されるのは初めてじゃないし、何度も何度も今回みたいに酷い目に遭わされてもきた」
ホシノ「風紀委員長ちゃん達まで巻き込んじゃったのはまあ、申し訳ないとは思ってるけどね。それでも、おじさん達はおじさん達の意思で力を貸すと決めた以上、それについてはとやかく言わない」
- 76二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:35:48
カヤ「何ヲ…」
ホシノ「私が許せないのは――お前が、まるでもののついでみたいに私たちの居場所に手を出すと言った事」
ホシノ「全宇宙を狙うお前にとって、私たちの居場所はその内の一つに過ぎない。それは分かってる」
ホシノ「でも――お前が気安く『奪う』と言った場所は。アビドスを含めたキヴォトスは!私と私の可愛い後輩たち、そして先生が命懸けで守ってきた場所なんだ!!」
ホシノ「そんなお前に、お前なんかに!奪わせてやるものなんか何もない!!」
ホシノ「超人?上等だよ。誰かに媚びて縋って頼りきって、その挙句何もかもを裏切ってようやく手に入れた『程度』の力で私たちを倒せるというのならやってみろ!」
カヤ「…!貴様――貴様きさまキサマキサマァアアア!!」
ホシノ「ぶっ飛ばしてあげるよ、カヤ。その腐りきった甘ったるい野望ごと、ね」
マコト「キキキッ!よく言った、ああよく言ったぞ小鳥遊ホシノ!」
イロハ「前口上として、宣戦布告としてもこれ以上のものはありませんね」
ヒナ「ええ、おかげで久しぶりに胸が空いたわ。さあ――フィナーレよ、カヤ」
(ホシノの宣戦布告を合図に、残る三人も各々の武器を構える)
(カヤもまた、先程以上に膨れ上がった憎悪を向け――最終決戦が始まった!)
- 77二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:36:45
カヤ「グ、ガ……!?バカ、な!馬鹿なバカなばかなバカナ――この、私が!?超人たる私が、こんな雑魚ドモに!」
ヒナ「どれだけ強大な力を得ても、使いこなせなければ持ち腐れも同然。その王冠、あなたには荷が勝ちすぎたみたいね」
マコト「キキキッ!雑魚と侮っておきながら、その雑魚に敗れているのでは世話もないなぁ?ええ、カヤァ!」
イロハ「いやまあ、私たちもあまり褒められた状態じゃないんですけどね。特にマコト先輩、被弾しまくってボロボロじゃないですか」
マコト「やかましい!」
ホシノ「終わりだよ、カヤ。――これで、本当にね」
(倒れ伏すカヤに、ホシノが銃口を向ける)
(そして引き金に指をかけようとした、その瞬間)
カヤ「…マダ。まだです!」
ホシノ「っ!?」
カヤ「力を寄越しなさいマスタークラウン!未だ超人に届カナイというのナラ、今以上の力を引き出すマデ!」
カヤ「ドウ成り果ててもイイ――目の前のコイツラを!塵スラ残サズケシトバセルチカラヲ!ヨコセェエエエエ!!!」
(カヤを中心に、漆黒の闇が渦を巻く)
(闇の中からは咆哮とも、悲鳴とも聞こえるカヤの絶叫)
(やがて闇が晴れたその時――現れたカヤは、最早人の形をしていなかった)
- 78二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:37:11
カヤソウル「クックック……アッハハハ……ギャーハハハハハ!!」
マコト「なんだ…何なんだ、あの姿は!?」
イロハ「完全に化け物じゃないですか…。いえあの姿、エナジースフィアを回収してた時に出くわした怪鳥共みたいな…!」
ヒナ「あの姿、大彗星事件の時のシュロに似ている…。まさか、同じ力だというの?」
ホシノ「――どうだって、なんだっていいよ」
(ショットガンをリロードし、再び身構えるホシノ)
ホシノ「私たちがやるべき事は変わらない。こいつを倒して、あの傍迷惑な王冠をぶっ壊して、そして――私たちの故郷(キヴォトス)に帰る。でしょ?」
マコト「小鳥遊ホシノ、貴様――」
イロハ「…呆れた。真面目に恐れていたのが、バカみたいじゃないですか」
ヒナ「でも、それでこそ小鳥遊ホシノね。さすがアビドスの副会長だわ」
ホシノ「うへ~、照れるなぁ」
三人「「「急に元のテンションに戻るな/ないで/ください!」」」
(ホシノ、きっとカヤソウルを睨みつける)
ホシノ「さあ!今度こそほんとにほんとの最終決戦だよ~!!」
C-R-O-W-N-E-D (リマスター版) - 星のカービィWii デラックス BGM 10分耐久
- 79二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:37:39
(カヤソウルとの死闘は熾烈を極めた)
(ホシノ達への憎悪が込められた攻撃は凄まじく、四人は幾度となく吹き飛ばされ地面に転がった)
(だがそれでも立ち上がり続け、攻撃を叩き込み続けた先――ついに、勝機を見出した!)
ホシノ「これで…終わりだよ!」
カヤソウル「!!?ガッ、ギィヤァアアアアアア!!」
(ホシノの放った銃弾が、カヤソウルと融合したクラウンを貫く!)
(度重なる攻撃の末、限界まで疲弊しきったクラウンは耐えきれず砕け散った!)
(同時に、カヤソウルの身体も爆散・崩壊していく――)
マコト「やったか!!」
イロハ「マコト先輩、それフラグです…と、言いたい所ですが。どうやらさすがに限界のようですね」
ヒナ「ええ…完全に崩れていく。どうやら本当におしまいのようね」
ホシノ「……」
(最早どうあがいても破滅以外逃れ得ないカヤソウル)
(その様をじっと見つめていた時、不意にホシノの脳裏を全く知らない光景がよぎった)
ホシノ「――っ?」
(それは、とある少女の記憶)
(かつて一人の、本物の超人に憧れ、己もまたそうあらんと夢見た少女の過去)
(追い続けた青髪の背中は姿を消し、同時に己が憧憬もまた行き先を見失った)
(絶望の中、それでも縋るように努力だけは続けた日々)
(そうしてある日、彼女は見つける。見つけて、しまう)
(どんな夢も叶えてくれる魔法のオーパーツ。支配の王冠、その在処について記された古書を…)
- 80二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:38:00
ヒナ「小鳥遊、ホシノ?」
マコト「お、おい。どうした急に!?」
イロハ「泣いて…いるんですか?」
ホシノ「――えっ?」
(涙でにじむ視界の中、カヤソウルが崩れ消えていく)
(完全に消滅しようとする刹那。異形と化した身体から現れたのは、どこかの制服を纏う見慣れた少女の姿で)
(思わず伸ばしたホシノの手は、しかし当然何を掴む事もなく空を切り)
(カヤソウルは、四人の前で跡形もなく消滅した――)
ホシノ「……」
ヒナ「小鳥遊ホシノ…」
(勝利の余韻、それに浸る事もできず呆然と立ち尽くす四人)
(実際、彼女たちに猶予など残されていなかった)
マコト「――ん?お、おい!足元を見ろ!」
イロハ「足場が、崩れ始めてる…!?」
ヒナ「まずい…!さっきまでの戦いで限界を迎えたのね…!」
ホシノ「う、うへ!早くここから逃げないと!」
マコト「だが逃げると言ってもどこに――う、うわぁあああ!?」
- 81二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:38:20
(四人が慌てる間にも、足場は崩壊を速めていく)
(逃げる暇は元より何か手を打つ余裕もなく、四人は足場から落下した!)
ホシノ「うへ~!こんなのってないよ~!」
マコト「おおお、おい!誰でもいい、何とかしろぉ!」
イロハ「これは――本当に終わりましたかね」
ヒナ「先生…!」
(ヒナが思わず零した言葉に、ホシノの胸にもまた痛みが奔る)
(そうだ、こんな終わりはあんまりだ)
(やっと。やっと全部終わって、キヴォトスに帰れると思ったのに)
(アビドスのみんなと、先生にまた会えると思ったのに――!)
ホシノ(誰か――!)
(ホシノの祈りが届いたのか。それともただの偶然か)
(異空間へ落下していく四人を、どこからともなく現れた四つの影が受け止めた!)
- 82二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:38:39
マコト「あああああ……ああ?」
イロハ「あなた、達は?」
ヒナ「来てくれたのね――ランディア」
(カヤの不意打ちを喰らい、離れ離れになっていた四竜)
(復活した彼らはホシノ達の気配を辿り、この土壇場で駆けつけたのであった!)
(そのまま異空間から脱出しようとするランディア達)
(――その間際、思いもよらぬ存在が隣に現れた)
ヒナ「あれは…ローア?沈んでいなかったというの?」
マコト「な、なんだ!また私たちとやり合うつもりか!?」
イロハ「いえ、よく見て下さい。私たちがハルカンドラに来た時の姿に戻ってませんか?」
ホシノ「ひょっとして…君も解放、されたの?」
(ホシノの疑問に応えるように、ローアの船体が光り輝く)
(その姿はまるで「ありがとう」と言っているかのようだった)
(互いに寄り添いながら飛行する星船と四竜)
(やがて行く先に異空間からの出口が現れ――彼らと彼女たちは、一斉に飛び込んだ)
- 83二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:39:50
- 84二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 00:20:55
お疲れ様です。エピローグ編楽しみにしてますね~
- 85二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 03:29:24
- 86二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 07:51:14
お疲れ様でーす! カヤロアエピローグもあったらください
- 87二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 09:57:24
- 88二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 12:08:02
- 89二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:11:07
デデププネタやるとマコトが(勘違いで)余命1日と思って行動したり、妊娠してると勘違いしたりするんだよな……
後は幽体離脱→戻りたくても叩き起こそうとして体ズタボロにされたりとか - 90二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:47:14
>>82の続き
(カヤソウルとの激戦を制し、無事キヴォトスに帰還したホシノ一行)
(彼女たちを待っていたのは――)
アコ「びな゛ぶう゛ぎい゛い゛ん゛ぢょお゛~!ごぶじでな゛に゛よ゛り゛でずう゛ぅ゛~!!」
ヒナ「アコ…苦しい、というか暑苦しい…」
イオリ「しょうがないじゃん!私たちだって心配だったんだからさぁ!!」
チナツ「ええ、本当に…。もう二度と帰ってこられなかったら、これからどうしようかと」
ヒナ「…そうね。心配かけてごめんなさい、確かに軽率だったわ」
アコ「い゛い゛ん゛ぢょお゛~!」
(アコをはじめとする風紀委員の面々にもみくちゃにされるヒナ)
(一方、パンデモニウム・ソサエティーの方も…)
イブキ「マコト先輩、イロハ先輩!おかえりなさい!!無事で本当によかったぁ!!」
マコト「キキキッ、心配かけたなイブキ。だが安心しろ、この通りマコト様もイロハもピンピンしているぞ!」
イロハ「さっきまでボロボロだったのに、ほんと復活早いですねこの先輩…。まあ、それでこそではありますが」
サツキ「あの…マコトちゃん、イロハ。一体何があったのですか?突然精鋭部隊をかき集めろと言われたかと思ったら、急に引き上げだなんて。それに、あのファンシーな船は一体どこに」
チアキ「そうですよ、説明してください説明!」
イロハ「それは…まあ。説明すると長くなると言いますか、何と言いますか」
マコト「キキキッ!構わんとも、ちょうど良い土産話もたんまりある!このマコト様の武勇伝と冒険譚、一昼夜に渡ってたっぷり聞かせてやるぞ!」
イブキ「わーい!」
サツキ「うふふ、できれば業務に差し支えない範囲でお願いしますね♪」
マコト「大丈夫です。いつもの誇張表現ですから」
チアキ「ええ…どういう事…?」
(風紀委員会、パンデモニウム・ソサエティー。それぞれの出迎えを遠目から見守るホシノ)
(やがて自分も帰ろうと、踵を返そうとしたその時)
- 91二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:47:55
??『ホシノせんぱーい!』
ホシノ「うへ?」
(自分を呼ぶ声に、目を細めて周囲を見回すホシノ)
(見れば、ちょうど正面からアビドスのみんなが走ってくるところだった)
ノノミ「ホシノせんぱ~い!無事でよかったです~!」
ホシノ「ぶわっ!の、ノノミちゃん?それにアビドスのみんなも?なんでここに」
セリカ「なんでって!ホシノ先輩が変な船に乗せられて連れてかれちゃったって知らせがあったから!!」
アヤネ「セリカちゃん、落ち着いて。――ゲヘナ風紀委員会のアコさんから連絡があったんです。『小鳥遊ホシノとヒナ委員長が万魔殿の連中とつるんで何かやってる』って」
シロコ「ん、それで私たちも慌てて準備してここまで来た」
ホシノ「うへ~、なるほどね~」
(恐らくはあの取り乱した様子で通報したのだろう)
(ローアを直したらすぐ帰るつもりでいただけに、連絡を怠っていた自分をホシノは後悔する)
シロコ「ん、でも無事みたいでよかった。…本当に」
セリカ「わた、私っ。ホシノ先輩に何かあったらどうしようって…!」
アヤネ「せ、セリカちゃん落ち着いて…」
ノノミ「そうですよ~、無事だったんだから涙は厳禁。笑顔、笑顔です」
セリカ「な、泣いてないわよっ!」
ホシノ「うへへ…ごめんね、連絡し忘れてて」
シロコ「ん。先生も、ホシノ先輩の事すごく心配してた」
ホシノ「――うへっ?先生も?」
- 92二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:48:20
??“――ホシノ!”
(遅れてやってきた、『その人』の声)
(ホシノだけでなく対策委員会も、ゲヘナ風紀委員会も、パンデモニウム・ソサエティーの面々に至るまで声の主へと振り返る)
ホシノ「せん、せい?」
先生“ホシノ…よかった、無事で。どこも怪我してない?大丈夫?”
(いつもと何も変わらない、柔和な雰囲気に穏やかな口調)
(だけどその声音からは確かな心配が感じられて――気が付いた時、ホシノは目の前の先生に抱き着いていた)
セリカ「ちょおっ!?せ、先輩!」
ノノミ「あらあら~、大胆…?」
アヤネ「ホシノ、先輩?」
シロコ「――ん、震えてる」
先生“ホシノ…?”
ホシノ「……(何も言わず、ただただぎゅっと先生を強く抱きしめる)」
先生“(その姿に何かを察したのか、何も言わず静かに、そして確かに抱きしめ返す)”
- 93二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:48:42
アコ「なななななっ!?た、小鳥遊ホシノ!ヒナ委員長が見てる前でなんてうらやまもとい不届きな…ッ!?」
(ヒナ、アコを制し静かにその様子を見守る)
イオリ「い、委員長?」
チナツ「よろしいのですか?その」
ヒナ「構わないわ。――今日この時だけは、彼女の好きにしてあげて」
マコト「ぬう…!小鳥遊ホシノめぇ、このマコト様の目が届く前で何という大胆な真似を…!」
イロハ「やめさせないんですか、マコト先輩。お望みとあらば虎丸に乗ってでも邪魔してきますけど」
マコト「くだらん冗談はよせ、イロハ。私だってたまには空気を読む事もある。――それに、お前もどうせ本気ではないのだろう?」
イロハ「…はぁ。どうしてこういう時だけは無駄に察しが良いんですか。本当に」
サツキ「あのマコトちゃんとイロハが、引き下がった…!?」
チアキ「明日は迫撃砲の雨か、それとも核ミサイルでも降ってきますかね…」
イブキ「ホシノ先輩、いいなぁ…」
(皆の間に形容しがたい空気が漂い始めた、その時)
(上空を、何か複数の大きな影がよぎった)
ヒナ「あれは――ローア?それにランディア達まで」
アコ「なっ、なんですかあの船!?それにあのドラゴン達は!」
イオリ「もしかして、あれが報告にあった…?」
チナツ「ほ、本当に飛んでる…。あんなのがキヴォトスにいたなんて」
マコト「何だ何だ、姿が見えないと思ってたら今更見せに来たか?」
イロハ「どうなんでしょう。少なくとも、こちらに何かしてくる様子はなさそうですが」
イブキ「わーすごーい!おとぎ話から飛び出てきたみたーい!」
サツキ・チアキ「「(唖然)」」
- 94二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:49:12
セリカ「な!何なのよ、あれ…」
ノノミ「空飛ぶ船に、ドラゴン…!」
シロコ「――ん(ジャキ)」
アヤネ「し、シロコ先輩!身構えるのはまだ早いです!まずは向こうの様子を」
先生“ホシノ?”
ホシノ「大丈夫だよ~、みんな。あれは、少なくとも敵じゃないからさ」
(しばしの間地上を見つめるランディア達と、その傍らに寄り添うローア)
(やがて彼らは振り返ると、自分たちが出てきた上空のゲートに再び戻っていく)
(程なくして彼らが中に入り、姿を消すとゲートもまた完全に閉じられた――)
アコ「な、何だったんですかあれは?」
ヒナ「後で説明するわ。――それより帰りましょう、私たちのゲヘナへ」
イオリ「え、ちょっと!?」
チナツ「ま、待ってくださいヒナ委員長!説明、説明を~…」
ヒナ「――それじゃあね、先生。詳しい話は、また今度するから」
マコト「――キキキッ。私たちも帰るとするか、イロハ!」
イロハ「そうですね。…なんだかどっと疲れました。本部に戻ったら、ゆっくりサボるとしましょう」
サツキ「いやサボるのはダメですからね!?」
イブキ「うん、イブキも帰るー!」
チアキ「あ~!置いてかないでくださ~い!」
マコト「先生、そっちにも私たちの武勇伝を後でたっぷり聞かせてやるからな!キキキッ、覚悟しておけ!」
イロハ「仕事に支障が出ない範囲にしてくださいね。それでは先生、またサボりにいくのでよろしくお願いします」
- 95二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:49:38
ホシノ「うへ~、いつもながら賑やかな面々だったねぇ」
先生“…私たちも帰ろうか?”
ホシノ「うん、戻ろう。私たちの母校――アビドスへ」
セリカ「あ、ちょっとホシノ先輩!後で詳しい話、聞かせてもらいますからね!」
ノノミ「私も興味深いです~。あの空飛ぶ船とかドラゴンとか、聞かせてくださいね~!」
シロコ「ん、私も興味津々」
アヤネ「お、置いてかないでくださ~い!みなさ~ん!」
(こうして、キヴォトスを襲った何度目かの危機は今回も無事退けられました)
(来訪者たちの帰還を見届け、各々の居場所へと帰っていく少女たち)
(今日からは再び枕を高くして眠る事ができそうです…)
ホシノ「あ。そうだ、先生。それと皆。言い忘れてる事が一つあったんだった」
ホシノ以外全員『?』
ホシノ「――ただいま!」
おしまい?
- 96二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:50:21
- 97二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:51:22
- 98二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 23:00:22
- 99二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:36:41
- 100二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 12:07:54
- 101二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 14:28:48
うん!カワイイ!!
- 102二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 20:59:02
>>97の、一応続き?
(ホシノ達との死闘の末、異空間に消えた不知火カヤ)
(滅びたかに見えた彼女は――しかし、まだ生きていた!)
カヤ「はあ、はあ……ぜえ、ぜえ……」
(目を覚ますと、そこは朽ち果てた庭園のような場所だった)
(ローアもクラウンもなく、仇敵ホシノ達も見当たらない)
(行く当てもない中、ひとまず周囲の探索から始めたカヤだったが…)
カヤ「はあ……はあ……っ!」
(道端の段差につま先をひっかけ、転んでしまう)
(顔面から突っ込み、ずざざと転がるカヤ)
(そのまましばし突っ伏していたが――やがて、ガバ!と起き上がり)
カヤ「――もう嫌!!嫌ァ!!」
カヤ「行けども行けども廃墟と瓦礫!出口がない、どころか延々と同じような風景ばかり!」
カヤ「もう疲れた…一歩も歩けない…」
(自暴自棄を起こし、地面に寝転がるカヤ)
(いっそこのまま眠ってしまおうかと思ったその時)
(彼女の耳に獣めいた雄叫びが聞こえてきた)
- 103二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 20:59:26
カヤ「ッ!…また、来ましたか」
(得物の拳銃を取り出し、油断なく構えるカヤ)
(その銃口を向けた先から、数頭の魔獣たちが彼女めがけて突進してきた!)
カヤ「ああもう、何度追っ払っても性懲りのない…!ほんとに何なのですか、この空間は…?」
(ローアを失ったカヤに、余裕と言えるものはない)
(移動手段であり武装格納庫でもあったローアを失くした結果、今のカヤに残された装備はこの拳銃ただ一丁)
カヤ(マガジンは予備のものも含め三本フルで残っていますが…無駄遣いはできません)
魔獣たち『ガルルル、ガルッ!』
カヤ「――来なさい、ケダモノ風情が。超人の恐ろしさ、その身に叩き込んであげます…!」
(激闘の末、どうにかカヤは魔獣たちを追い払う事に成功した)
(だが、決して無傷ではない。残るマガジンの内一つを使い切り、もう一つも半分ほど使ってしまった)
(さらに魔獣たちに突っ込まれ、噛まれた身体はあちこち傷だらけで――)
カヤ「…………」
(身体が重い。足取りもおぼつかない)
(痛みはとっくの昔に麻痺していた。血を流し過ぎて、自分が立ってるのかどうかさえもあやふやになりつつある)
(これは不味い、と。そう自覚する余裕すら、今のカヤからは消えつつあった)
- 104二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 20:59:58
カヤ(私は…何を、やっているんでしょう…)
カヤ(ローア…どこです、ローア…。早く私を迎えに来なさい、この役立たず…)
カヤ(羽沼マコト…空崎ヒナ…棗イロハ…小鳥遊ホシノ…)
カヤ(許さない…私にあんな屈辱を味わせた事、ぜったい、に――)
(どさり、と。カヤの身体が崩れ落ち、今度こそ一歩も動けなくなる)
(意識が遠のいていく事が、自分でも分かった)
(だけどもう動けない。もう、何をする気にもなれない)
(やがてカヤの意識は完全に途絶え、底なしの闇に沈んでいった――)
???「……(ひょこっ)」
??「……(じー)」
???「……(わにゃわにゃ、わにゃにゃ)」
???「……(こくこくっ)」
(謎の影がカヤに近づく)
(気絶したままのカヤは微動だにせず、影たちはじっとカヤを見下ろす)
(そして――)
- 105二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 21:00:31
カヤ「……ぅ?」
(目が覚めると、見覚えのない天井があった)
(どうやら洞窟の中らしく、ごつごつとした岩肌と所々に浮いた苔が目に留まる)
(起き上がろうにも、衰弱しきった身体はびくともせず頭だけを動かすので精一杯だった)
カヤ「ここ、は…?」
(誰に向けたわけでもない問いかけ)
(当然答えなど期待しておらず、また応える者もいる筈がない)
(そう、思っていたのだが)
???「わにゃ!」
カヤ「へ?」
(カヤの前に、見た事もない生き物――生き物?が現れる)
(グレージュめいた体毛に、キツネを思わせる頭部の耳。そして全体的にデフォルメチックな、丸みが特徴的な体型)
(さながら子どものキツネナマモノ、とでも呼ぶべき存在がカヤの目の前にいた)
カヤ「な。な、な…?」
???「わにゃ?」
(グレージュキツネ?が不思議そうにカヤを見つめる)
(が、次の瞬間別の方向を向くと何かに呼びかけるように一声叫んだ)
グレージュ「わにゃーっ!」
???「わにゃ?」
??「わにゃにゃ」
???「わにゃわにゃ」
- 106二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 21:00:53
(呼びかけに応え、現れたのはこれまた謎のナマモノ達だった)
(金色、薄桃色、そしてダークブラウン)
(体毛の色こそ違えど、概ね同じような見た目のナマモノ達が三匹…三匹?)
(いずれも興味深げにカヤの事を見つめており、その様は警戒しているようにも面白がってるようにも見えた)
カヤ「は……え……?」
グレージュ「わにゃ!わにゃわにゃ!(ダークブラウンの個体に何事か話しかけている)」
ダークブラウン「わにゃ。わにゃにゃ(薄桃色の個体に何事か指示?する)」
薄桃色「わにゃ(指示?に応え、カヤに近づいていく)」
カヤ「ちょ、ちょっと!な、何をするつもり――あっ!?」
(いつの間にか背後に回っていた、金色ナマモノに取り押さえられるカヤ)
(抵抗は無意味である、と。その見かけからは予想だにしない力が明確に物語っていた)
金色「わにゃ、わにゃ」
薄桃色「わにゃにゃ。わにゃ!」
カヤ「ひゃっ!?いや、ちょっ、やめ、て――」
(あっという間にカヤの衣服を剝いでいく薄桃ナマモノ)
(その手には何かねっとりとした液体のようなものが付いており、次の瞬間それをカヤの身体に――)
カヤ「ああ~~~!!?」
(それからおよそ十分、カヤは謎のナマモノ達にたっぷり弄繰り回される羽目になった)
(なお。この『処置』がイタズラなどではなくれっきとした『彼女』達の治療法であったとカヤが知る事になるのは当分先の話である)
- 107二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 21:01:48
- 108二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 22:08:17
- 109二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 22:44:56
- 110二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 01:35:08
(テレビに流れてくる美味しそうな食べ物の映像)
キララ「チョーおいしそうじゃん!」
エリカ「うん、超美味そう。」
キララ「ヒナっちー!」
エリカ「私達も行かね?」
ヒナ「はぁ…マコトのあんなバカみたいな作戦に引っかかるつもり?」
キララ「いやー…それはー…?」
エリカ「うーん…確かに?」 - 111二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 08:24:01
保守ZOY
- 112二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 16:11:54
ヒナ「先生、小鳥遊ホシノは様々な異名を持っているという話は聞いたことある?」
先生"うん、一応ね。"
ヒナ「まぁ色々、本当に色々あるけど、最近になって広まってきた異名があるの。」
先生"最近?"
ヒナ「えぇ。アビドスだけじゃなく、ありとあらゆることに介入しては解決していく様を見たとある生徒によってつけられた異名…『ピンクのあくま』。」
先生"…何故だろう、その名前知ってる気がする。" - 113二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 19:44:14
- 114二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:43:26
>>107の続き
(カヤと奇妙なナマモノ達の生活が始まって数日経った)
(当初こそ困惑したものの、とりあえず自分に害をなすつもりはないと判断したカヤは、ひとまずされるがままにした)
(どの道に逃げようにも傷ついた身体はままならず、回復の為にも横になっているしかない)
(ならば――)
カヤ(今は雌伏の時です)
カヤ(体調が回復し、起き上がれるようになったら速やかにこいつらの下から逃げればいい)
カヤ(そう、これは利用。あくまでも私の都合の為に利用してやっているのですから…!)
グレージュ「わにゃ!」
カヤ「…はいはい。いつものですね」
(グレージュキツネ?が赤色に輝くリンゴ…に似たナニカを持ってくる)
(一見リンゴの形をした宝石めいたそれは、実際に味わうと見た目からは想像もつかない程柔らかく、そして美味だった)
(しかも栄養豊富でもあるようで、一口味わうだけでカヤは自分の身体に活力が満ちていくのを感じる)
カヤ(『ジェムリンゴ』、とでも名付けましょうか…)
グレージュ「わにゃ、わにゃにゃ?(お味はいかが?と言いたげな顔)」
カヤ「ええ、ええ。今日も美味ですよ。…これで食後のコーヒーさえあれば言う事ないのですが(ボソッ)」
(一言多いながらも、リンゴをよく噛み飲み込むカヤ)
(すると今度は、薄桃色のキツネ?がやってきた)
(もちろん。手の中にあの塗り薬を抱えて)
- 115二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:43:52
カヤ「う…。そ、そういえばもうそんな時間でしたか?」
薄桃色「わにゃにゃ(グレージュキツネ?に指示を出す)」
グレージュ「わにゃ!(カヤに掴みかかる)」
カヤ「ええい!もう抵抗しないから、押さえなくて大丈夫――ひゃあ!?」
(カヤの服を脱がし、慣れた手つきで薬を塗りたくっていく薄桃色キツネ?)
(治療の為、と割り切ろうにもこればかりはどうにもカヤには耐え難いものがあった)
薄桃色「わにゃ!(これでよし、と服を元通りにする)」
グレージュ「わにゃ、わーにゃ!(お大事に、と言っているらしい。多分)」
カヤ「うう…このケダモノぉ…(さめざめと泣きながら横になっている)」
(用が済んだのか、薄桃色とグレージュがカヤの下から去っていく)
(こんな感じで、専らカヤの面倒はこの二匹が見ているようだった)
(ちなみに初日に出会ったダークブラウンと金色の個体はあれきり姿を見せていない)
(どうやらナマモノ達の中にも役割分担らしきものがあるようだった…)
カヤ(…傷が治るまで、後ほんの少しといった所でしょうか?)
(そうなればここにもう用はない)
(速やかにここを出て――ここを、出て)
カヤ「…ここを出て、どうするというのでしょうね」
- 116二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:44:25
(自嘲するように、ふっと呟く)
(ローアは失った。クラウンももうない)
(あの連中に復讐するどころか、異空間から出られる当てさえない)
(超人などと嘯いておきながら、今の自分にあるモノといえば拳銃ただ一つ)
(その拳銃もいつの間にか取り上げられており、今は本当に丸腰も同然だった)
カヤ「いっその事、あのナマモノ達とここで余生を送りましょうか?」
(そう吐き捨て、馬鹿馬鹿しさのあまり目がくらみかける)
(冗談ではない。自分は超人だ、超人になるべき存在なのだ)
(そんな自分が――こんなところで躓き、あまつさえ残りの人生までも投げ捨てるなど断じて許容できない)
(半ば自暴自棄のような心情で叱咤し、腑抜けかけた自分に活を入れ直す)
(そうして、休息に努め直そうと目を閉じかけたその時)
???「……ッ!――ッ!」
???「――ッ!!」
(洞窟の向こう側、入り口の方が何やら騒がしくなる)
(一体何事かと、カヤが身を起こしたその時)
薄桃色「――わにゃ!わにゃにゃ!」
グレージュ「わにゃ!わにゃ、わにゃあ!」
カヤ「なっ…!?あ、あなた達!」
(飛び込んできたのは、先程出ていったばかりのナマモノ達)
(否、それだけではない。よくよく見れば、薄桃色とグレージュキツネ?は他の残る二匹を抱えていた)
(全身ズタボロになった、変わり果てた姿の二匹を――)
- 117二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:44:42
カヤ「…ふう。ひとまず、これで落ち着きましたかね?」
薄桃色「わにゃ…(不安げにカヤと寝転がる二匹を見比べる)」
グレージュ「わにゃぁ…(心配そうに寝転がる二匹を見つめる)」
カヤ「まったく。怪我人の私にまで手伝わせるなんて…この借りは後でちゃんと返してもらいますからね?」
薄桃色「わ、わにゃ」
グレージュ「わにゃ…」
カヤ「…冗談です、冗談ですから。だからその追い詰められた目をやめなさい」
(はぁ、とため息をつきながらカヤは寝転がる二匹を見比べる)
(幸いな事にというべきか、二匹の傷は命にかかわるという程のものではなかった)
(状態で言えばダークブラウンの方がより深く、金色の方はそこまででもない)
(とはいえどちらもしばらくの間動けるような身体ではなく、安静が必要なのは容易に見て取れた)
カヤ(ま、医者でも何でもない私の素人判断ですがね)
カヤ(しかし…この二匹をここまで痛めつけた存在とはいったい…)
(心当たりなら嫌という程ある)
(ここに運ばれる前に出くわした魔獣たち、あるいは異空間に棲みついてると思しき怪鳥)
(恐らくはそのいずれかにでも襲われたのだろう)
カヤ(…こうなると、脱出後の事も慎重に考えねばなりませんね)
(少なくともここに匹敵、ないしそうでなくとも有用な拠点は欲しい――)
(そう考えを巡らせていた、次の瞬間)
- 118二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:45:03
ドゴォオオオン!
カヤ「っ!な、何なのですか今のは!?」
薄桃色「わにゃ…!」
グレージュ「わにゃ!」
(爆発音と共に、洞窟が激しく揺れる)
(驚くカヤを尻目に、薄桃色とグレージュキツネ?は何かを察し外へ駆けだして行った!)
カヤ「あ、ちょっと!?まちなさ――」
???「――――にゃ」
カヤ「…っ?」
(引き留めようとしたカヤの裾を、何かが掴む)
(それは半死半生の状態で、右腕だけを伸ばしたダークブラウンキツネだった)
(その目はまるで「行くな」とも「ここにいろ」と言っているかのようで――)
カヤ「…ふん。私は怪我人なのですよ?言われずとも、ここでじっとしていますとも」
ダークブラウン「――(再び意識を失い、手を放す)」
カヤ「……」
カヤ「まったく。どうしてどいつもこいつも、そうやって他人の為に必死になれるのでしょうね」
(ダークブラウンと、金色キツネ?を刺激しないよう、慎重に立ち上がるカヤ)
(そのまま未だ治りきらない身体に鞭打って、洞窟の入り口に向かった…)
- 119二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:45:27
(身体を引きずりながら、どうにか洞窟の入り口まで辿り着いたカヤ)
(そこで目にしたのは、想像を絶する光景だった)
カヤ「これは…一体…」
(眼前で暴れているのは、魔法使いにも似た何者か)
(ただし人の姿をしておらず、顔も濃い闇に隠されはっきりとしない)
(両手からは雷撃を飛ばし、縦横無尽に飛び交っては着地と同時に電流を走らせていた)
(そして――そんな怪物相手に、先程のナマモノ達は)
カヤ「戦って、いる…?」
(どこに隠していたのか、そもそも持つ事ができたのか)
(薄桃色とグレージュキツネ?の二匹はその手に銃を持ち、先程から懸命に怪物へと撃ちまくっていた)
(だが――)
カヤ「押されてる。いえ、明らかな劣勢というべきですね」
(放たれた弾丸は電撃に阻まれ怪物に届かず)
(反対に、ナマモノ達の方は電撃に翻弄されじわじわと削られていく一方)
(このままいけばどちらが勝利するかなど、カヤの目から見ても明らかだった)
(それでも)
薄桃色「わ、にゃ…!」
グレージュ「わにゃ――わにゃ!」
- 120二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:45:47
(ナマモノ達は、諦めなかった)
(銃を握り、痺れる身体を𠮟咤し、果敢に怪物へと攻撃し続ける)
(その闘志は、仲間を傷つけれた事への怒りからか)
(あるいは――今も背にする、洞窟の中にいる『護るべきもの』達の為か)
カヤ「……ッ!」
(気づけば、カヤは立ち上がり大声で呼びかけていた)
カヤ「――避けなさい!ストンピングが来ますよ!」
薄桃色「っ!?」
グレージュ「わにゃっ!?」
(カヤの助言を受け、慌てて回避する二匹)
(その間にも、カヤは先ほどまで見て得た情報の限りを二匹に伝えていった)
カヤ「敵の攻撃は単調で大雑把です!雷撃も一定のパターンに則って放っているだけ!あなた達の運動神経なら容易に対処できる筈でしょう!」
カヤ「怒りに目を曇らせず、倒すべき相手をよく見なさい!闇雲に撃ったところで銃弾(タマ)の無駄です!」
カヤ「電流は着地する寸前を見切って飛べば――っ!」
(突然の乱入者に苛立ってか、カヤが隠れていた岩場に電撃が飛ぶ)
(幸い岩を盾にした為ダメージはなかったが、衝撃の余波でカヤは身動きが取れなくなる)
薄桃色「わにゃ、わにゃあ!」
グレージュ「わにゃあ!!」
カヤ「…っ!ああもう、五月蝿い!私に構ってる暇があるなら、さっさとそのデカブツを仕留めなさい!ナマモノ達!」
二匹「「――ッ!」」
- 121二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:46:24
(カヤの激励を受け、二匹が再び怪物に銃口を向ける)
(先程までとは一転し、今度は二匹が怪物を押し始めた!)
怪物『――ッ!』
カヤ「っ、こちらに!?」
(追い詰められ、逃げようとしたのか)
(あるいはただの暴走だったのか)
(怪物が、カヤが隠れている岩場へと迫る)
(眼前にまで迫り、その雷撃をもってカヤを焼き払おうとした瞬間)
カヤ「…念には念を、入れておくものですね」
怪物『っ!?』
(雷撃を放とうとした怪物、その正面にカヤは隠し持っていた『あるモノ』を投げつける)
(ここへ来る途中、洞窟の中で拾ったモノ。恐らくはナマモノ達が手に入れてたモノ)
(それは――スタングレネードとも呼ばれる、閃光手りゅう弾)
(避ける間もなく、怪物の目の前で閃光と爆音がさく裂した!)
- 122二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:46:44
怪物『~~~!?~~~~!!』
カヤ「がっ、ぎっ…!さすがに、この距離は効く…ッ!」
(至近距離での炸裂に、怪物とカヤはのたうち回る)
(だが、両者には一つだけ違いがあった)
(それは――援護してくれる者の有無)
薄桃色「――わにゃ」
グレージュ「わにゃ。――わにゃあ!」
(怪物の隙を突き、背後まで迫っていたナマモノ二匹)
(その銃口は過たず怪物に定まっており、直後放たれた弾丸は一片の慈悲なく目標を粉砕した)
カヤ「どうにか…片付きましたか…」
薄桃色「わにゃ、わにゃっ!」
グレージュ「わにゃあ、わにゃあ!!」
カヤ「うるさいですよ…心配しなくても私は大丈夫です…超人、なのですから…」
(朦朧とする意識で強がり、二匹を安心させようとするカヤ)
(その視界に、奇妙なモノが映った)
カヤ「――っ?あれ、は――」
薄桃色「わにゃ…?」
グレージュ「わにゃ…」
- 123二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:47:08
(それは、まるで果実の一部を思わせる物体)
(先程の怪物が落としたのだろうか?物体から放たれる光は、カヤと二匹、そして洞窟の奥へと吸い込まれて行き――)
(やがて、光を放ちきった物体は何処かへと飛翔していった)
カヤ「な、なんだったのです…?」
薄桃色「わにゃ」
グレージュ「わにゃにゃにゃい」
カヤ「――っ?」
(そこでふと、カヤは自らの異変に気がついた)
(あれ程ボロボロだった筈の身体が、いつの間にか完治している)
(否、そればかりかむしろ洞窟を出る前よりも力がみなぎっているような…)
???「わにゃ!」
???「わにゃ!」
(洞窟の方から響いた声に、カヤと二匹が振り返る)
(なんと、そこには先程まで大けがしていた筈の二匹が立っていた!)
薄桃色「わにゃ!?わにゃにゃ!」
グレージュ「わにゃ!わにゃあ、わにゃあ!!」
(ダークブラウンと金色に、泣きながら走っていく薄桃色とグレージュ)
(四匹は抱き合い、互いに泣きながら無事を喜び合った)
(そしてカヤは――)
- 124二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:48:15
カヤ「…なるほど。先の物体の正体は分かりませんが、どうやら使えそうな代物というのは確かなようですね」
カヤ「この回復した力…。他にもアレと同じものがあり、同様に力を得られるのであれば…!」
カヤ「この異空間から脱出する事も、もしかすると叶うかも…!」
カヤ「ふふ。ふふふ。ふふふふふ…!」
薄桃色「わにゃ?(カヤの様子にようやく気付く)」
グレージュ「わにゃ(カヤの姿をポカンと見つめている)」
ダークブラウン「……(警戒するような目でカヤを見ている)」
金色「――わにゃ(洞窟を出る前、持ってきた銃に手を回しかける)」
カヤ「見ていなさい小鳥遊ホシノ…そしてその仲間たち…!」
カヤ「私は――私は!今度こそ完全な超人となって!あなた達に復讐してやりますからねぇ…!」
(かくして、カヤのリベンジが幕を開ける)
(はたして彼女はホシノ達への復讐を果たすことができるのか?)
(そもそもこのナマモノ達の信頼を勝ち得る事ができるのか?)
- 125二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:49:10
- 126二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 00:45:55
- 127※執筆者です24/05/21(火) 00:53:18
- 128※執筆者です24/05/21(火) 00:54:49
- 129二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 01:32:31
このレスは削除されています
- 130二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 01:33:37
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 01:36:40
- 132二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 07:02:58
保守っと
- 133二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 15:34:02
このレスは削除されています
- 134二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 15:46:40
アル「私は陸八魔アル、便利屋68の社長…生粋のアウトローよ!」
「うへー、便利屋だー」「こんなにデカい船いつから持ってるのー?」「あの時はごめんねー」「アウトローではなくない?」「うへ〜、涼しいよ〜!」
アル「一旦静かに!…小鳥遊ホシノが10人もいると、流石にうるさいわね…。」
「うるさいって言ったな!?」「うへー!あんまり悪口は言うもんじゃないぞー!」
アル「しーずーかーにー!…おほん、この島に珍しいメダルがあるという情報を得たのよ。依頼主はそのメダルを欲しがってるわ。でも今の私達はあまり表立って動けない。そこで!貴方達、代わりにメダルを集めてきてくれないかしら?」
「いいえだー!」「私達に利がないよ。」「利用するだけ利用する気なんでしょ?」「騙されないぞ!」
アル「貴方達の気持ちは分かるわ。思わず断りたくなるくらい、私達に力を貸したいということね!」
「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」
アル「メダルを集めると、楽しいミニゲームが出来るようにするわ。それに、メダルの場所は私達も調べておくわ。メダルの場所が分からなかったら、いつでも訪ねてきてちょうだい。じゃあ、頼んだわよ!」 - 135二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 16:00:51
アル「貴方達の後ろに座っているのはハルカ、平社員よ。」
ハルカ「ど、どうも!お、お久しぶりです!」
アル「最近はよく食べてよく寝るようになってきてくれてね…本当に良かったわ…。」
ハルカ「ア、アアア、アル様!は、恥ずかしいです!」
アル「まぁ、悪さはしないから気にしないでね。」
アル「私の横にいるこの子はムツキ、肩書きは室長よ。」
ムツキ「ホシノちゃん達ー、よろしくねー!」
アル「どんなものでも奪取する、凄腕のエースよ!…ただ、今はバカンス中で仕事をしたくないみたいで…」
ムツキ「だってー、疲れちゃったんだもーん。」
アル「…だから今は、貴方達だけが頼りよ。」
アル「実はこの船は、そこにいるカヨコ課長が設計したのよ!」
カヨコ「一から造った訳じゃないけどね。ま、色んなツテを使って造ったよ。」
アル「まさに我が便利屋68におけるマシンのプロフェッショナルね!」
カヨコ「はぁ…言い過ぎ。」
アル「たまに反応しない時があるけど、それは考えている時だから気にしないようにね。」
- 136二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 16:03:44
- 137二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 17:53:00
- 138二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:06:25
>>124の続き
(そうして、カヤとナマモノ達の奮闘劇が始まった)
(まずはナマモノ四匹の内、残り二匹の信頼を得る事に四苦八苦し)
カヤ「ほーら、怖くない怖くなーい…。私は無害な超人なのですよー?」
ダークブラウン「……(ジャキッ)」
カヤ「無言で銃口を向けるのはやめなさい!」
金色「……(ぺっ)」
カヤ「――(ピキピキ)」
(やっとの思いで信用を得たかと思えば、今度は呼び方に悩み)
カヤ「いつまでも名前がないのは不便ですからね。何かいいモノを考えるとしましょう」
カヤ「そうですね…。(ダークブラウンから順に)『ブルーマウンテン』、『キリマンジャロ』、『モカ』、『コロンビア』というのはいかがです?」
四匹「「「「……」」」」
四匹「「「「ブーブー!ブーブブー!!(一斉に猛抗議)」」」」
カヤ「なっ!?何が不満なのです!特にブルーマウンテンはコーヒーの中でも特別な銘柄なのですよ!?」
(結局悪戦苦闘の末、一番安直な『FOX1(ダークブラウン)』、『FOX2(薄桃色)』、『FOX3(金色)』、『FOX4(グレージュ)』にする事に)
(流石にキレられる…と身構えたカヤだったが、何故か当人?たちは意外にも喜んでおり、首をかしげるばかりであった)
(そして、名前が決まった後も彼女たちの難業は続く…)
- 139二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:07:06
・ステージ2:異空のプロムゾーン
カヤ「どうして…どうして異空間なのに、溶岩地帯があるのです…」
FOX2「わにゃ!(冷たい水を差しだす)」
カヤ「き、気が利きますね(ごくごく)……ぬるい」
ステージ3:異空のポセインブール
カヤ「寒い…寒すぎる…!灼熱の後に極寒とか、本気で殺しにきてますよねこの異空間…!?」
FOX4「わにゃ…。わにゃ、わにゃわにゃ(FOX3に何事か声掛けする)」
FOX3「…わにゃ(仕方ない、と言わんばかりに肩を竦める)」
カヤ「…?あ、あなた達何を…」
(自らに寄り添うFOX達に困惑するカヤ)
FOX3「わにゃ(感謝しなさい、と言いたげな顔)」
FOX4「わにゃにゃ?(どう?あったかい?と言いたげな顔)」
カヤ「…ふん。感謝、しましょうか」
・ステージ4: 異空のロスカドーラ
カヤ「ようやくまともそうな空間ですか」
FOX1「わにゃ」
カヤ「『気を抜くな』、でしょう?分かっていますよそれくらい」
カヤ「あなた達こそ、ここまで来てしくじらないでくださいね。何だかんだここまで来れたのは超人たる私の巧みな指揮あってこそ――」
FOX4「わにゃ、わーにゃー!(置いてくよー、と言わんばかりの声)」
カヤ「って、ちょっとぉ!私を置いて先に行くんじゃありません!まったくもう…!」
- 140二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:07:42
(時にぶつかり、時に揉め、時に雑にあしらわれながら進み続けた異空間の旅路)
(決して順風満帆とは言えない道程だったが――ついに、カヤたちは謎の果実を集めきる事に成功した!)
カヤ「や、やりましたね…」
FOX一同「「「「わーにゃ!わーにゃ!(四匹一緒に万歳してる)」」」」
カヤ「さて――後はこれを!」
FOX一同「「「「わにゃ!」」」」
カヤ「これを…」
カヤ「これ、を…」
FOX一同「「「「わにゃ?」」」」
カヤ「これを。どうすればいいのでしょうか?」
FOX一同「「「「(ズコーッ!!)」」」」
(FOXが一斉にズッコケる)
(次いで、恨めしげにカヤを睨むがカヤ自身にもどうしようもなかった)
カヤ「し、仕方ないでしょう!私だってこんなもの見たのは初めてなんですから!」
カヤ「ですが、この果実から得られた力…。かつてない程、自分が満たされているのを感じます」
カヤ「後は、何かしらのトリガーさえあれば――」
(カヤが考え込みかけたその時、異空間の彼方よりキラキラと輝く何かが飛んできた)
FOX4「わにゃ?わにゃ、わにゃにゃ!(カヤの服を引っ張る)」
カヤ「うるさいですよFOX4。私は今、重要な考えごと、を…?」
- 141二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:08:04
カヤ「あれは……まさか、マスタークラウン!?」
(かつてホシノ達との戦いで砕け散り、永遠に失われたものと思われた伝説の秘宝)
(その破片が、いかなる理由か再びカヤの目の前に現れていた!)
(驚愕するカヤと困惑するFOX達の前で、マスタークラウンは果実に吸着)
(すると、果実が禍々しい光に包まれ――)
カヤ「こ、これは…!?」
FOX1「わにゃ!わにゃにゃ!(戦闘態勢を取るよう他のFOX達に指示する)」
(禍々しい光の向こうから現れたモノ)
(それは何と――カヤもよく知る、異空間の怪鳥そっくりだった!)
(怪鳥――クラウンドローパーに化けたマスタークラウンは、そのまま一番手近にいたFOX4に襲い掛かる!)
FOX4「わにゃ!?」
カヤ「っ!危ないっ!」
(咄嗟にFOX4を突き飛ばし、庇ったカヤ)
(しかしその代償に、カヤはクラウンドローパーに食べられてしまった――)
カヤ(…う。ここは、一体…?)
(カヤが目を覚ますと、そこは完全な闇の中だった)
(前も後ろも、上も下も。光も何もない空間)
(自分の存在さえあやふやに思いかけたその時、カヤの頭に思わぬ景色が映った)
- 142二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:08:43
??「――あのカヤって子さぁ、いっつも一人で勉強ばっかしてるよねぇ」
カヤ「っ。これ、は…」
??「何でも■■■■に憧れてるんだとか。無茶言うよね、私たちがあの人みたいになれるわけないのに」
??「まあその内諦めるでしょ。どーせ無理なんだからさ…」
(それは、遠い日の記憶)
(まだ自分が■■■■■に所属していた頃、『あの人』に追いつきたくて、隣に立ちたくて必死だった毎日)
(自分の至らなさは誰よりも分かっていた。無力なのもよく知ってた)
(それでもいつかは、と。絶対に追いつくんだと、がむしゃらに頑張っていられた日々)
???「■■■■■■の失踪から一年が経った今日。■■■■■は、代行を務めていた■■■■を新たな■■■■として体制を整え――」
???「前■■■■の帰還は、最早絶望的であると――」
(終わりは、突然訪れた)
(『あの人』の失踪と、それに伴う周囲の変化)
(慌ただしくも順応していく周りに対し、自分だけが過去に囚われたままだった)
昔のカヤ「おいつか、ないと…」
昔のカヤ「この問題が解ければ…この課題を終えれば…あの人はまた褒めに来てくれる…!」
昔のカヤ「だって私は…私、は――!」
- 143二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:09:08
(誰かが、昔のカヤの背後に立つ)
(その気配に、反射的に振り向く昔のカヤ)
(だが。振り向いた先には、誰もいなかった)
昔のカヤ「…………ぁ」
(カヤの手からペンが落ちる)
(同時に、何かが壊れる音がした)
カヤ(――そうだ。これはかつての私)
カヤ(ただ、追いつきたかった。追いついて、『あの人』の隣に並びたかった)
カヤ(全宇宙の支配も、超人になる力も、本当はどうでもよかった)
カヤ(私はただ、もう一度『あの人』に――)
(カヤの意識が闇に溶け込もうとした、その時)
チュドォオオオン!
ドガガガ!バリバリバリ!
ドドドド!ガガガガ!
カヤ「――っ?」
(カヤの意識が覚醒する)
(同時に、闇しかなかった筈の空間に光が差し込む)
(否、それは光などではない)
(それは――)
- 144二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:09:41
FOX1「わにゃ!わにゃにゃ、わにゃ!(周囲のFOX達に、何事か指示を飛ばしまくっている)」
FOX2「わにゃわにゃ!わにゃわにゃ、わにゃにゃ!(クラウンドローパーに、あるいはその中に囚われたカヤに対し必死に呼びかけている)」
FOX3「わにゃ――わにゃ!(ローパーに撃ちかけつつ、呼びかけを絶やさない)」
FOX4「わにゃっ、わにゃあ!!(泣きながら、銃を撃つ事も呼びかける事も決してやめない)」
(それは、抵抗と救出の光)
(「仲間を見捨てない」と、確かな意思と決意の下に戦うFOX達の献身そのもの)
(異形の怪物に囚われていた、カヤの元にも届いた確かな輝き――)
カヤ「…まったく。どこまでお人好しなのですか、あの子たちは」
(自分の事など見捨てればよかった)
(無駄に苦労だけさせて、やたら偉そうに振舞って、挙句最後の最後で何の役にも立たなかった超人気取りなど。自分ならとっくに見捨てて逃げている)
(だけど――不思議と、カヤは悪い気がしなかった)
カヤ「…私を、何の力もないと思ったのは間違いでしたね」
(腰の拳銃を取り出す)
(これまでの戦いで予備のマガジンは使い切り、残された弾丸はあと九発)
(けれど。これだけあれば十分だろう)
(遥か頭上に見えた、あの忌々しいクラウンの残骸を撃ち抜くには――!)
カヤ「腹を壊しなさい、この悪食…!」
(躊躇なく、引き金を絞る)
(狙いは当然――)
- 145二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:10:11
クラウンドローパー「グゲッ!?グゲゲッ!!」
FOX3「わ、わにゃ?(突然苦しみだしたローパーを訝しむ)」
FOX1「わにゃ(油断するな、と言うかのように注意する)」
クラウンドローパー「グゲゲ――ゲェエエエエッ!!」
(クラウンドローパーが大口を開け、何かを吐き出す!)
(それは、先程食べられたカヤだった!)
(FOX達は驚き、各々ローパーを警戒しながらもカヤに駆け寄る)
(そんなFOX達を見て、カヤはどうにか笑顔を浮かべ応えた)
カヤ「まったく……むちゃばかりする……キツネたちです、ね……」
カヤ「でも――おかげで助かりました。礼を、いいま――」
クラウンドローパー「ギシャァアアアア!!!」
FOX一同『ッ!』
カヤ「へ?ちょっ――うひゃあああっ!?」
(復活したクラウンドローパーが怒り狂い、カヤ達に襲い掛かる)
(間一髪のところで、FOX達はカヤを連れ回避した!)
カヤ「あのクソ鳥…!本当に空気を読みませんね」
FOX1「わにゃ、わにゃにゃ」
カヤ「?何です――」
- 146二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:10:30
- 147二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:11:08
- 148二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 22:26:07
- 149二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:36:54
最高に熱い展開だぜ!!やっちゃえ、カヤ!FOX小隊!
- 150二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 04:55:44
お疲れ様です!
- 151二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 06:27:42
更新お疲れ様でした。
カヤとこのナマモノ達ことFOX小隊に幸が在らんことを。 - 152二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 17:18:17
保守
- 153二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:10:03
>>146の続き
(激闘の末、クラウンドローパーを倒したFOX達)
(だがクラウンドローパー――否、マスタークラウンは諦めていなかった!)
カヤ「っ!?気をつけなさい、様子が変です!」
FOX一同『!』
(カヤ達が見つめる目の前で、マスタークラウンは変質していく)
(やがて、完全に変わり果てた時――それはもう、王冠ですらではなかった)
(大樹の如き肉体、背中に生えた枝葉の翼、そしてその中央に座す冠めいた顔面)
(王なき樹冠。そう呼ぶべき化け物がそこにいた)
カヤ「これが…マスタークラウン…?」
(カヤ自身、オーパーツと呼ばれるモノの危険性は知っていた)
(いくつもの文献に書かれたそれは、時に人を脅かし滅ぼし得るものですらあると)
(読んだ当時は、ただの警句だろうと気にも留めていなかったが…)
カヤ「どうやら、そう間違っていなかったようですね」
(樹冠の怪物が咆哮する)
(自分たちを見逃す気は微塵もないその動きに、カヤとFOX達は覚悟を固める)
(と。その時、FOX1がカヤの方に振り向いた)
(まるで「いいんだな?」と問うような目で、FOX1がカヤを見つめる)
カヤ「…意外ですね。あなたなら、私に聞かずとも勝手に動くとばかり思っていましたが」
FOX1「(フン)」
カヤ「まあいいでしょう。私からの指示はただ一つです」
- 154二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:10:33
カヤ「あの勘違いし腐った化け物を、コテンパンにしてやりなさい!FOX小隊!」
FOX一同『わにゃ!!』
(正真正銘、異空間における最終決戦の火蓋が切って落とされた!)
(樹冠の怪物は強かった)
(カヤの指揮、FOX達の連携をもってしても、危うくなる場面は一度二度では済まず)
(時には死を覚悟させられる瞬間もあった)
(だが――ついに、FOX達の銃弾が怪物を貫いた!)
カヤ「やった、のですか…!?」
FOX1「(鋭い目で銃口を向け、怪物を睨みつける)」
(大破し、深手を負った怪物)
(だが致命傷ではない。何故ならまだ、『源』が健在だったから)
(それに気づいた時、カヤは無意識の内に怪物へと近寄っていた)
FOX3「(カヤを止めようとする)」
FOX1「(そのFOX3を制止し、カヤを見守る)」
カヤ「…少し前の私であれば。この期に及んでも、あなたを求めていたのでしょうね」
マスタークラウン『――――』
- 155二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:11:05
カヤ「ですが。それは、かつての私であればの話」
カヤ「消えなさい王無き冠。子ども一人超人に変えられないあなたの力など、こちらから願い下げです」
(拳銃をマスタークラウンに向け、引き金を絞る)
(残っていた最後の銃弾は、狙い過たずマスタークラウンを粉々に撃ち砕いた!)
樹冠の怪物『~~~~!!!!』
(根源を砕かれた事で、今度こそ怪物が消滅していく)
(同時に、異空間がひび割れ何処かへのゲートが開いた!)
カヤ「っ!?しまっ、全員、退避――」
FOX一同『わ――わにゃぁああああ!!?』
(逃げる暇もなかった)
(カヤとFOX達は開いたゲートに吸い込まれ――後には、無人となった異空間だけが残された)
- 156二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:11:32
カヤ「…………ぅ」
(カヤが目を覚ました時、そこはどことも知れない街外れだった)
(遠くには人工物の群れが見え、それが都市である事に遅れて気づく)
(そうして空を見上げた時――カヤは、今度こそ仰天した)
カヤ「ここは…まさか、キヴォトスなのですか?」
(ランディア達に敗れ、偶々流れ着いた学園都市)
(カヤ自身の縁が導いたのか、それともまたもや単なる偶然か)
(いずれにせよ、上空に浮かぶ巨大なヘイローは紛れもなく彼女が知るキヴォトスのそれと一致していた)
???「…驚いた。まさか、本当に帰還が叶うとは」
カヤ「へ?」
(聞き覚えのない声に、カヤは思わず振り返る)
(いや、正確に言えば聞き覚えはあった)
(ただ、喋り方があまりにも――)
???「もう二度と踏む事は叶わないと。そう諦めていたが――どうやらこいつに付き合っただけの甲斐はあったようだ」
??「うんうん。しかも元の姿にまで戻ってるなんて、奇跡じゃない?」
???「正直まだ違和感が残ってるけどね。長い事、あのヘンテコな身体で過ごしてたから感覚狂いそう…ってか、狂ってる」
???「まあ、何とか戻していくしかないでしょ。えーっとそう、リハビリってやつ」
- 157二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:13:33
カヤ「な、な、な――」
(カヤの目の前、そこには四人の『少女』達がいた)
(どこかの学校のものと思しきセーラー服と、その上から備え付けられた装備品の数々)
(携える銃も、髪の色も、そして頭から生えたキツネ耳も)
(どれもこれもカヤにとって見覚えしかないもので――)
??「ねえみんな、さっきからあの人ポカンとしてるみたいだけど?」
???「あー。そういえばこの姿で会うのは初めてだったわね」
???「私たちからしてみれば今更って感じなんだけどなぁ」
???「ふむ。そうだな、誤解は早めに解いておいた方がいい。改めて名乗っておくとしよう」
ユキノ「はじめまして…というのは語弊があるか。だがまあ、あえてこう名乗っておくとしよう。私は七度ユキノ、そちらがFOX1と呼んでいたナマモノだ」
ニコ「うふふ、はじめまして。私はニコ、あなたがFOX2と呼んでいたナマモノよ」
クルミ「FOX3、クルミよ。はじめまして、とは言わないからね。あれだけ異空間で散々付き合ってあげたんだから当然でしょ」
オトギ「そして私がFOX4、じゃなくてオトギ。改めてよろしく、カヤ」
カヤ「…………」
カヤ「ななな、なんですってぇええええ!!?」
- 158二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:14:01
- 159二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:15:55
- 160二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:16:26
・不知火カヤ
本作におけるマホロア枠。
元々は遥か彼方のとある星で生まれた異邦人であり、そこの統治組織に所属していた『超人』に憧れていたのだが、ある時その超人が失踪。
以降は彼女なりに超人を目指すべく努力していたのだが、一向に実を結ばず絶望。そんな中偶々見つけた古書に載っていた『支配の王冠』というオーパーツに惹かれ、故郷の星を飛び出しハルカンドラを目指す事となる。
その後どうにかハルカンドラまで辿り着くも、ランディアとの抗争に敗れ敗北。ハルカンドラで見つけたローアに乗り込み、命からがら逃げだすもキヴォトスに流れ着いた時にはほぼ全てを失っていた。
だがまさにその瞬間、星船の墜落に居合わせた現地住民――ホシノ達と出くわし…(以降はWii編&エピローグの通り)
エピローグ後はFOX小隊の雇い主に(強制的に)ならされ、彼女たちの面倒を見る事に奔走させられる羽目になる。
異空間からいつの間にか持ち帰っていたジェムリンゴの山を元手にリンゴスイーツ&リンゴコーヒー専門店を開いたり、店の経営に四苦八苦したり、はたまたその店に因縁の宿敵(ホシノ達)がやってきたりと色々あったのだが、それはまた別のお話。
- 161二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:16:58
・FOX小隊
カヤが異空間で出会ったナマモノ達。
当初はナマモノ呼びだったり体色呼びだったりと安定していなかったが、最終的に偶然ながら彼女たちの前歴である『FOX』呼びで落ち着いた。
元々は作中世界(=ホシノカービィSS)のキヴォトスから迷い込んだ漂流者であり、とある任務中の事故以来ずっと異空間を彷徨い続けていた。
カヤ以上に長く、そして生身のまま彷徨っていた彼女たちはいつしか人間の形すら見失い、人間とも生物ともつかないナマモノと成り果てていた(カヤが出会った時の姿はこれ)。
そんな中偶然にも自分たちと同じように迷い込んできた人間――カヤと出会い、とりあえず助けた結果カヤエピローグの通りに至る。
当初はカヤの事を信用しておらず(特にユキノとクルミ)、まだ友好的なニコとオトギも「面白そうなオモチャを拾ってきた」程度の感覚でしかなかったという。が、長く戦いを共にしていく内に情のようなものが次第に芽生えていった。
最終的にカヤの事は「無駄に偉そうだけど、まあほっとけない相手」の評価に収まり、脱出後も何だかんだ腐れ縁めいて付き合っていく間柄となった(他に頼れる当てがない、というのもあったが)。
脱出後はカヤが経営する店のスタッフとして働いている模様。一度は古巣のSRTに帰ろうとしたが、同じく『色々あって』結局今の形に落ち着いたのだという。
- 162二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 00:51:46
ありがとう、そしてお疲れ様。楽しませてもらいました。
カフェ経営するカヤとFOX小隊かぁ…"アリ"だな。ホシノ達にカフェのメニュー全部食べられて欲しい… - 163二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 00:58:52
- 164二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 01:15:30
お疲れ様でした!スレ主である私は嬉しい!
こうやってSSにしてくれて、しかも設定まで考えてくれて!いやー良いものを見せてもらいました!
そして私のSS欲が湧いてきたので、何か書くつもりです。
何にしようかなー…。
- 165二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:59:00
ポヨ(保守)
- 166二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:15:06
ホシノカービィ ウルトラスーパーデラックス
ーヒナナイトでゴーDXー
ゲヘナにある丘、その上でヒナは考えていた…。
ヒナ(…あの時、カヤの事件で私は思い知らされた。私は…まだ弱い。)
(そんなことはないよ…て、きっと貴方は言うでしょうけど…でも、それでも、私は…)
ヒナの目がカッと開く。
ヒナ「私は、今の私に満足できない…!」
そしてヒナは、その羽を羽ばたかせ飛び立った。
修行の旅に出るために…! - 167二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:28:34
1.はるかぜとともに
ヒナ「という訳で来たわ、マコト。」
マコト「という訳でとはどういうことだ!!私は今から業務をするところなんだぞ!」
ヒナ「あら、真面目に仕事だなんて珍しい。」
マコト「私だってちゃんと仕事くらいするぞ!!…キキキ!まぁ良い!ちょうど私も体を動かしたかったところだ。」
マコトがハンマーを取り出す。
ヒナ「ハンマー…?」
マコト「このマコト様の新しい武器だ!!」
2.白き翼ダイナブレイド
ヒナ「ふう…やっぱり、マコトを倒したくらいじゃだめね。もっと強い相手と戦いたい。」
その時、巨大な鳥がヒナの上を通った。
ヒナ「あれは…ダイナブレイド。」
ダイナブレイド、雛のために作物を荒らしていたのを小鳥遊ホシノが止めて後に和解、今はアビドスに住みつき市民たちとも仲良く暮らしている。
ヒナ「…決めた。次はダイナブレイドと戦う。もっと空中戦に慣れなきゃね。」
ヒナはダイナブレイドに頼むため、飛び立った。
- 168二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:44:23
3.洞窟大作戦
ヒナ「ダイナブレイドの雛たち…可愛かった。じゃなくて!空中での動き方、色々と学べたわ。次は…」
空を飛んでいると、地下に続くデカい穴を見つけた。
ヒナ「そういえば…」
ホシノ『うへへ〜♪深い地下に落ちちゃった時はどうしようかと思ったけどさ〜、おかげでこんなにお宝を見つけられたよ〜!』
ヒナ「…て、小鳥遊ホシノが言ってた。つまり、あれがいにしえのどうくつ「マジルテ」?」
「私は別にお宝には興味ないけど、地下迷宮は気になる。よし、行こう。」
ヒナは穴に入っていった。
4.空崎ヒナの逆襲(?)
アコ「みなさん、準備はいいですか?」
チナツ「はい、大丈夫です。」
イブキ「おーけーだよー!」
イオリ「他の風紀委員も大丈夫だって!…それにしても、なんで直したばかりのハルバードを」
アコ「イオリ、【ヒナバード】!」
イオリ「えぇ…?ヒ、ヒナバードをなんで離陸させるの?」
アコ「ヒナ委員長からのご命令です。…私も何故かは分かりませんが。」
チナツ「うーん…一体どういう…」
イブキ「あ!ヒナ先輩だー!」
他3人「「「え?」」」
水平線の彼方から、ヒナが飛んできた。戦艦に通信が入る。
ヒナ〈みんな、聞こえる?今日は、私の修行に付き合ってもらうわ。〉
チナツ「し、修行ですか?」
ヒナ〈私は今から全力で、ヒナバードを墜落させる。〉
ヒナ以外の風紀委員全員「「「「「!!!??」」」」」
ヒナ〈皆は全力で、私を止めてみなさい。じゃ、開始。〉
イブキ「通信きれちゃった。」
イオリ「ど、どどど、どうしようアコちゃん!!?」
アコ「う、狼狽えてはなりません!!風紀委員は狼狽えない!!こ、こうなったら仕方あ、ありません!……みなさん、覚悟していきますよ!!」
- 169二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:49:03
- 170二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 13:31:57
- 171二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 13:36:36
- 172二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 13:51:35
ギャラテラー(ギャラクティック・テラー)は、武器がランスだけにも関わらず、素早い動きによる突きや斬撃、光の刃を飛ばす攻撃に、何者か達を召喚しての攻撃、竜巻などありとあらゆる攻撃を繰り出し、ヒナを追い込んでいく。
だが、ヒナ…ヒナナイトは、ホシノとともに何度も世界を救ってきたのだ。
ヒナ「はぁ…はぁ…あきら、めない!私は、貴方を倒して、強くなる…!!」
ヒナはギャラテラーの一瞬の隙をついて懐に飛び込む。そして、高速で回転し『終幕:デストロイヤー』を撃ち続けた。まさに、凄まじく早き銃弾の嵐…マッハトルネイド!
ヒナ「はぁー!!」
ギャラテラー「!!!??」
ギャラテラーは、閃光に包まれ、再び封印された。
ヒナ「はぁ…はぁ…はぁ……。ここまで戦っても、封印が限界…ね。」
しかし、ヒナの顔は満足気であった。
ヒナ「…求めすぎてもいけない、ということね。勉強になった。」
息を整えたヒナは、故郷の星を見る。
ヒナ「…帰ろ。」
ヒナは羽を羽ばたかせ、帰っていく。
こうして、ヒナの修行の旅は終わったのだった……
おしまい
- 173二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 13:52:45
- 174二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 14:40:06
- 175二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 16:35:20
- 176二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:23:23
・ホシノカービィ トリプルデラックス編
ここは呆れる程平和…ではないキヴォトス。
今日も今日とて、小鳥遊ホシノはアビドス高等学校の仲間たちと共にアビドス復興に励んでいました。
賞金首を捕まえては借金返済の資金に充て、対策委員会の皆と復興案について議論し、下校時間を迎えた後は紫関ラーメンの屋台で仲良くラーメンを味わう…
そんないつもの、けれどかけがえのない一日を過ごしていました。
家に帰った後はベッドでグーグー、おやすみなさい…
(その夜。小鳥遊ホシノの自宅めがけ、空から何かが降ってきた)
(庭に落ちた『それ』は芽を出し、瞬く間に成長するとたちまちホシノの家を一巻き二巻き)
(そして見る見る内に空へ空へと伸びていった…)
ピピピピッ、ピピピピッ!
ホシノ「…う、う~ん。ふわ~あ、もう朝~?」
(ホシノ、寝ぼけ眼で目覚まし時計を止める)
(気だるげに起き上がると、いつもの調子で制服に着替え朝食を済ませた)
ホシノ「ふわ~、もうちょっと寝てたかったんだけどなぁ」
ホシノ「でもま、しょうがないか。さあて、今日も張り切ってがっこう、に…?」
(ドアを開け、いざ外へ一歩踏み出したホシノ)
(…が。どういうわけか、そこにある筈の地面は存在せず)
(ホシノの足は空を切り、そのままぐらりと姿勢を崩す) - 177二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:23:57
ホシノ「うへ?(ぱちくり)」
(次の瞬間、ホシノは真下に向け真っ逆さまに落下した!!)
ホシノ「う――――うわぁああああああ!!!?」
(すごい勢いで落下、もとい墜落するホシノ)
(無我夢中で身体をばたつかせると、偶然にも何かに引っかかった!)
(同時に凄まじいGが全身に襲い掛かるが、それでもどうにか命拾いする)
ホシノ「ぐっ、へえっ!!……び、びっくりした。死ぬかと、本当に死ぬかと思ったぁ!!」
(恐る恐る周囲を確かめると、どうやら巨大な植物のような何かに引っかかったらしい)
(見回せばそこにあるのは青い空と白い雲、そしてホシノが捕まっている謎の巨大植物)
(さながら絵本のような光景に、ホシノはただただ唖然とするばかりであった)
ホシノ「これって…もしかしなくても、家ごと大空に連れてこられちゃった…って事?」
(見上げれば、遥か頭上には先程出たばかりの自宅が一軒)
(どうやら巨大な蔓が巻き付いているようで、すぐには落下しなさそうであったものの…)
ホシノ「うへぇ~、冗談にしても性質が悪すぎるよ~」
ホシノ「なんでこんな事に…というか、これからどうしよう?」
さすがのホシノでも自分の家を天空から地上へ下ろせる程の力はなく。
助けを呼ぼうにもスマホは圏外
いよいよ途方に暮れかけたその時、ホシノの目にあるモノが映りました。
ホシノ「うへ?あれって…パンデモニウム・ソサエティーの本部?」
- 178二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:24:31
なんという事でしょう。
ホシノの視線の先には、同じように巨大蔓が絡まり、固定された万魔殿の本部が丸々一つ。
どういう事情かはさっぱりわかりませんが、どうやらあちらも同じように巻き込まれた仲間のようです。
ホシノ「ちょうどいいや。他に行く当てもないし、あそこへ様子見に行ってみよう!」
おっかなびっくり、蔓やツタを登り万魔殿本部を目指す小鳥遊ホシノ。
その時、彼女の頭上から轟音が響き突風が吹いてきました。
ホシノ「うへ?今度は何――」
ホシノが顔を上げた次の瞬間。
なんと!さらに空の上からヘリコプターが一機、下りてくるではありませんか!
ヘリコプターはホシノを無視し、そのまま万魔殿本部へ一直線。
本部前まで辿り着くと、そこからは何者かが降りてきて――
(一方その頃、パンデモニウム・ソサエティー本部内)
万魔殿所属生徒A「報告!地上との通信を試みましたが、通信設備の一切が反応しません!完全に我々はここで孤立したものと思われます!」
万魔殿所属生徒B「建物内を駆けずり回ってきましたが、戦車庫をはじめ他の場所とは完全に分断されておりました!どうやらこの本棟だけが上空に持っていかれたようです!」
万魔殿所属生徒C「現在、建物内に残ってる生徒を招集中!ですが、ほとんどが夜勤ばかりで数も少なく…。後ぶっちゃけ眠くてしょうがないです!仮眠していいですかマコト議長!」
マコト「冗談は時と場合を考えろバカ者ォ!ええい、一体全体どうしてこうなった!たまにはヒナの奴を真似して真面目に夜勤したらこのザマとは…!」
イロハ「真似じゃなくて、単純にサボり過ぎたツケが回ってきただけでしょう。まったく、付き合わされた私もとんだ災難です」
マコト「う、うるさい!それで!?イブキや、他の奴らはどうした!」
万魔殿所属生徒D「ハッ!建物内を一通り見回ってきましたが、イブキちゃんや京極先輩、それに元宮書記の姿は見当たりませんでした!恐らくは巻き込まれずに済んだものと思われます!」
- 179二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:24:58
マコト「そ、そうか。他はともかく、イブキの奴が巻き込まれなかった事だけは安心だ…」
イロハ「それについては同感ですね。――ところであなた、イブキに対し少々馴れ馴れしいのでは?」
万魔殿所属生徒D「ハッ!お言葉ですが、当万魔殿のアイドルである事を考えればこの呼び方も致し方ないものと思われます!つまりは親愛故です!」
イロハ「…微妙に反論しづらいですね」
マコト「ええい、その件については後回しだ!とにかく、今は状況の把握と打開を」
ドガァアアアン!
イロハ「!?」
マコト「な、なんだ!今度はどうした!?」
万魔殿所属生徒E「(バタバタ)ま、マコト議長!イロハ先輩!大変です、敵襲です!」
マコト「何ィ!?」
イロハ「敵襲、ですって?一体どこの連中です」
万魔殿所属生徒E「そ、それが。まるで見覚えのない連中です!奴ら、ヘリで乗り込んできたと思ったらいきなり攻撃を」
(報告の途中、執務室の入り口が吹き飛ばされる)
万魔殿所属生徒E「うわ――っ!!?」
イロハ「っ!総員、応戦準備!マコト先輩をお守りし」
???「遅い」
イロハ「なっ!?いつのま」
(爆発と共に、複数人の襲撃者が執務室内に突入してくる)
(迎撃を試みたイロハと生徒たちだったが、混乱もありあっという間に制圧されてしまった!)
- 180二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:25:34
マコト「イロハ!――おのれ、何者だ!?」
???「……」
(爆煙の中、リーダー格と思しき者が現れる)
(黒いキャップに白いコート、そして顔の半分を覆うマスク)
(痩身の女性と思しきその襲撃者は、鷹のような鋭い目でマコトを睨みつける)
???「…お前が、この施設のリーダーか?」
マコト「な、何っ?だ、だとしたらどうする!」
???「悪いが、その身柄確保させてもらう。我らがマダムがご所望でな」
マコト「マダム?――ふん、何だか分からんが舐められたものだ!このパンデモニウム・ソサエティーの支配者にしてゲヘナの総帥たるマコト様を捕らえられるものなら捕らえてみるがいい!」
マコト「そして!イロハたち可愛い部下を傷つけてくれた礼は、たっぷり支払ってもらうぞ!キキキッ!」
(銃とハンマーを手に取り、マコトが襲撃者に襲い掛かる)
(だが襲撃者の女は欠片も動じず、ただ目を細めると――)
(一方、小鳥遊ホシノはというと)
ホシノ「うへ~…遠目に見てもえらい事だと思ってたけど、近くに来ると想定以上だねこりゃ…!」
(頭上を過ぎ去ったヘリを追いかけ、パンデモニウム・ソサエティー本部までやってきたホシノ)
(そこで目の当たりにしたのは、攻撃を受けボロボロになった本部とあちこちで倒れ伏す生徒たちの姿だった!)
- 181二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:26:03
ホシノ(この子達、やられてはいるけど命までは奪われていない)
ホシノ(殺すまでもないと見過ごされた?それとも…)
(考える間にも、執務室まで辿り着くホシノ)
(執務室に飛び込んだ彼女が見たのは、何者かに倒され気絶する羽沼マコトと、まさにそのマコトを攫おうとしている襲撃者たちだった!)
ホシノ「マコト!それにイロハちゃん達まで!?」
???「新手か」
???「どうする、サオリ」
サオリ「構うな、既に目的は達成した。――ヒヨリ、ヘリを回せ。予定通りここから離脱する」
ホシノ「うへ~!そういう訳には、いかないよぉ~!」
(即座に敵を判断し、マコトを救うべく襲撃者たちに銃口を向けるホシノ)
(だがホシノが引き金を絞るより早く、サオリと呼ばれた者の傍にいた少女が砲撃した)
ホシノ「うへっ!?や、ヤバい!」
ズドォオオオン!
(間一髪、ロケット弾を回避するホシノ)
(だがそれは襲撃者たちに離脱の隙を与えてしまったのと同じだった)
(執務室の窓から、悠々ヘリに飛び移っていく襲撃者たち)
(当然その中にはマコトも含まれており――ホシノが態勢を立て直した頃には、ヘリが飛び去って行く所だった…)
- 182二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:26:23
ホシノ「くそっ、やられた…!ごめんマコト、ごめんイロハちゃん、万魔殿のみんな…!」
イロハ「…あやまらなくて、けっこう、です」
(悔しさのあまり、執務室の床を踏みしめるホシノ)
(そんな彼女に、弱弱しい声でイロハが諫めてきた)
ホシノ「イロハちゃん!大丈夫、じゃないよね。まってて、すぐに手当てを」
イロハ「必要、ありません。それより、マコト先輩を助けてください」
ホシノ「けど――」
(支えようとするホシノの手を、イロハが掴む)
(傷つき、弱っていたが、その手には確かに力が込められていた)
イロハ「…本当は、私たちの手で助けに行きたい。行かなきゃならない」
イロハ「でも、できない。傷ついてる、だけじゃなくて。私には、このパンデモニウム・ソサエティーに残ってる皆を守り、まとめる役目があるから」
イロハ「だから…どうか、お願いします小鳥遊ホシノ。マコト先輩を助けて。あの人を、とりもど、して――」
- 183二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:26:37
(そこで本当に力尽きたのか、イロハは気絶してしまう)
(その姿をじっと見ていたホシノは、静かにイロハを下ろすと手早くその場にいた生徒たちを手当てした)
ホシノ「ごめんね。本当はこんな応急処置じゃなくて全員をちゃんと助けてあげたいところだけど」
ホシノ「でも――頼まれちゃった、からね。それも後輩ちゃんに」
ホシノ「だから、行ってくるよ。この場の事は任せたから、後はよろしくね」
(パンデモニウム・ソサエティー本部を飛び出し、ヘリが飛び去って行った方向へと駆け出すホシノ)
(目指すは羽沼マコトの救出、そして謎の襲撃者たちへのリベンジ)
(大空の世界を舞台に、小鳥遊ホシノの新たな冒険が幕を開けた!)
- 184二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:27:38
- 185二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 00:32:51
- 186二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 00:43:43
- 187二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 08:10:21
保守のカービィ
- 188二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 16:18:48
スレも残り僅かなので、ここらで自分なりにまとめた本スレのキャラ設定をいくつか投下していきます
あくまで私個人的にまとめたものなので、特にこれが全て・絶対というわけではない為悪しからず
まずは小鳥遊ホシノ編
・小鳥遊ホシノ
ホシノカービィシリーズにおける主人公的存在。
戦闘スタイルは基本的に原作通りショットガンと盾を用いたものだが、スターロッド等カービィシリーズの武装を用いる事もある。
アビドスに限らず様々な厄介事に介入しては解決していく姿から、生徒たちに異名をつけられており『ピンクのあくま』『ホシノカービィ』『暁のホルス』等々、複数の異名を有している。
ちなみにこの中の一つ、『ホシノカービィ』は本人の名前とアビドスに伝わる『勇者』を意味する古語『カービィ』を組み合わせたものだという(大砂海出版刊『アビドス自治区に伝わる語彙百選』より)
なお『暁のホルス』については詳細不明。黒服やカヤが訳知り顔に口にしていたが、何を意味するのかはさっぱり分かっていないとの事。
ゲヘナ風紀委員会のヒナとはある種のライバル関係にあり、時に対立したり時に共闘したりと場合によって様々である。
一方で同じくゲヘナ学園のパンデモニウム・ソサエティー議長羽沼マコトとは何かと対立しがち。が、こちらの方は冤罪だったり話を聞かない&説明不足の誤解だったりとややギャグ気味だったりする。 - 189二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 16:19:39
続いてヒナナイトこと空崎ヒナ編
・空崎ヒナ(ヒナナイト)
ホシノカービィシリーズにおけるメタナイト的ポジション。
空中戦艦を建造して逆襲する事もあれば、魔鏡から出てきたもう一人の自分に閉じ込められたり、はたまたマコトのやらかしに振り回されたりと自由と苦労を行ったり来たりしている。
小鳥遊ホシノとはある種のライバル関係にあり、事態解決に協力する事もあれば必要に応じて対立する事もある。
高速回転しながら愛銃『終幕:デストロイヤー』による連続射撃を行う『マッハトルネイド』なる必殺技を持つ(本家『マッハトルネイド』の射撃バージョンのようなもの?)
ちなみに所有する空中戦艦の名前は『ヒナバード』。万魔殿の予算を横領して建造されたとの噂もあるが、真実は不明である。
- 190二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 16:21:09
三つめはキキキ大王もとい羽沼マコト編
とりあえずここでいったん区切ります
・羽沼マコト(キキキ大王)
ホシノカービィシリーズにおけるデデデ大王的ポジション。
パンデモニウム・ソサエティーの議長として偉そうに振舞う一方、有事の際には持ち前の情報収集能力と才覚をもって事態解決に奔走する一面も持つ。
万魔殿のトップを張るだけはありそれなり以上の実力はあるのだが、強敵相手となるとしょっちゅうアフロ状態になったりボロボロになる事もしばしば。だが何だかんだタフネスであり、しばらくすると何事もなかったかのように復活している。
小鳥遊ホシノや空崎ヒナとは対立する事もあるが、緊急事態においては協力も厭わない間柄でもある。それはそれとして冤罪(ケーキ泥棒)でぶっ飛ばされたり修行目的でぶっ飛ばされたりもするのだが。
ブルアカ本編同様武装は銃火器だが、最近になってハンマーを新たに使い出したとの話もある。
- 191二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:05:07
キャラ設定集続き
・棗イロハ
ホシノカービィシリーズにおけるバンダナワドルディ的ポジション。
羽沼マコトの側近として日々翻弄させられる苦労人だが、一方で本人も割と好き勝手にやってるという目撃情報もあるとかないとか。
マコトに対して辛辣な口を叩く事もあるが、根っこの部分では認めており大事に思っているという。
また、こちらの世界線でも虎丸に乗っており、夢の泉物語編においては(イブキを倒された恨みもあったが)魔改造され超兵器と化した虎丸に乗ってホシノに戦いを挑んできた事もあった。 - 192二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:06:18
・天雨アコ、銀鏡イオリ、火宮チナツ
お馴染みゲヘナ風紀委員会メンバー。
ホシノカービィシリーズにおいてはメタナイツ的立ち位置であり、ヒナ委員長の無茶ぶりに振り回されたりホシノに空中戦艦を撃墜されたりと散々な目に遭わされる事も。
が、本人たちの忠誠心・結束は固く何があろうともヒナ委員長の為に働き尽くす覚悟を持っている。
・丹花イブキ、京極サツキ、元宮チアキ
パンデモニウム・ソサエティーメンバー
こちらはブルアカ本編と似たような立ち位置であり、(イブキ以外は)マコトの思い付きに振り回されたり事態の蚊帳の外に置かれてたりと微妙な立ち位置。
また、イブキに関しては風紀委員会に協力する姿もしばしば目撃されている(カービィシリーズにおける水兵ワドルディ的存在のようなもの?)
- 193二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:48:26
良いですねー!私のSSの内容も含んでくれてありがとうございます!
次スレ立てました。話題やSSなどは次スレでお願いします。
【クロス】ここだけヒナがメタナイトみたいなキャラな世界 3スレ目|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/3343002/?res=186・このようなスレタイですが、ヒナ→メタナイトの話題だけではなく、「カービィ枠はホシノだな」「マコトは…bbs.animanch.com - 194二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:52:31
- 195二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:53:16
・ダークヒナ
ホシノカービィシリーズにおけるダークメタナイト的存在。
アコが持ち込んだ魔鏡(鏡の大迷宮におけるディメンションミラー的なもの)から生まれた存在で、空崎ヒナの暗黒面を映し出して具現化した者。
オリジナルとの違いは上着の裾がボロボロである所と右目に刻まれた大きな傷、そして灰色にくすんだ長髪である。ついでに愛銃である『終幕:デストロイヤー』も色違いになってる。
また、オリジナルと比べ自信過剰かつ煽り魔で、コーヒーをよく飲む。
一度はオリジナルと成り替わり、ゲヘナを乗っ取ろうとしたがホシノを激怒させた事で敗北。肉体を砕かれ、魔鏡も封印された結果姿を消したと思われたが…?
- 196二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:53:37
・ナイトメア・プレナパテス
夢の泉の物語編におけるラスボス。
名前の通りホシノカービィシリーズ版ナイトメア。
元々はとある異なる世界線にいた先生であったが、ある出来事により落命し色彩と接触した結果現在の姿に変質。
以降は数多の世界に顕現しつつ、悪夢に落とし込んでは滅ぼし回っていた。
「覚める事のない悪夢を見せ続ける」という所業を重ねていた彼/彼女だったが、彼/彼女もまた「失ってしまったかつての日常を取り戻したい」という悪夢に囚われていたと言えるのかもしれない…
最期の最後でホシノを救ったのは単なる気まぐれか。あるいは今わの際に思い出した先生としての矜持故か。
- 197二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:16:50
・ギャラクティック・テラー
かつてホシノカービィ世界に存在したとされる、伝説の戦士にして生徒。
その生徒はあまりにも優秀で、強く、そして――どうしようもない程に孤独だった。
優秀過ぎた才能は誰も並び立つ事ができず
優れた頭脳は何人にも理解し合えず
万能で天才で超人だった彼女は、大人たちでさえも持て余さずにいられなかった。
現在はその危険性故に封印されているが、大彗星の力などを通して現世に蘇る事もある。
武装はランスのみでありながら、卓越した戦闘技術と身体能力、そして異能めいた攻撃手段の数々はキヴォトス人であっても油断ならない力を持つ。 - 198二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:17:23
・便利屋68
お馴染み便利屋集団であり、ホシノカービィ世界におけるドロッチェ団的ポジション。
ホシノとはとある仕事を通じて出くわし、何やかんやあった末その後も付き合いを続けている。
行動指針については概ねブルアカ本編の便利屋通り。
なお、メンバーの立ち位置内訳は下記の通りである。
・陸八魔アル:ドロッチェ
・浅黄ムツキ:スピン
・伊草ハルカ:ストロン
・鬼方カヨコ:ドク
・陸八魔アル
便利屋68のリーダーであり、ホシノカービィ世界におけるドロッチェ枠。
理想のアウトローを目指し今日も依頼解決に奔走するも、その実情は概ね本家ブルアカ通りだという。
参上!便利屋68においてはとある宝箱回収依頼を引き受ける事となるが、これまたとある事情で暴走気味だったホシノにしつこく狙われるわ、宝箱の中身を知っていたヒナに横から掻っ攫われるわで散々な目に遭う羽目に…
・浅黄ムツキ、伊草ハルカ、鬼方カヨコ
お馴染み便利屋メンバー達。
立ち位置としてはムツキがスピン枠、ハルカがストロン枠、カヨコがドク枠。
社長でありリーダーのアルを支え、各々が各々の形で便利屋の維持と依頼達成に貢献する。 - 199二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:18:25
・愛清フウカ
ゲヘナ学園給食部部長にして、まさかのウィリー枠。
どういう事情と経緯か空中戦艦ヒナバードに連れ込まれており、しかもエンジンリアクターで働かされていた。(눈_눈)
その後リアクターを破壊され、墜落しつつあった戦艦内部でホシノと再会。そのままホシノをスクーターに乗せ、命からがら戦艦から脱出を果たした。
脱出後の行方は不明。
- 200二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:19:02
200ならSSシリーズの続き