コトリ×ウタハ【CP注意!】

  • 1二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:23:34

    幼い頃、みんなが知らないことを教えてあげると、みんな凄い凄いって言ってくれて。私の知ってることをみんなに教えることが好きになった。だからたくさん勉強して色んなことを学んだ。みんなに教えられることが、みんながわかったって喜んでくれることが、理解してくれたことについて一緒に話すことが、それら全てがただひたすらに楽しかったから。
    でも、10歳になったころ私はどんどん避けられるようになった。「話が長くて面倒くさい。」「私はこんなことまで知ってますよって?自慢のつもり?」「色んなこと調べる前に、自分がうざいってことを理解しな?」みんな一方的に思い思いのことを言って離れていった。きっと、私がいつも一方的に話していたことへの報いだ。
    だから中学生の間は自分からは何も話さないようにして、嫌われたくないから誰に対しても敬語を使うようにした。おかげで何人か話すことができるクラスメイトもいた。誰とも関わることなく出来るから趣味にしてた機械いじりのおかげで、キヴォトス三大校の一つであるミレニアムサイエンススクールに入学出来たが、手放しには喜べなくて、心の中では後何年こんな生活が続くのかと、寿命を迎えたベアリングのように摩耗しきっているしている自分がいた。

  • 2二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:24:14

    入学式が終わったら、部活動見学の時間となり四方八方から勧誘の声が飛び交った。ただでさえミレニアムの生徒の多さに人酔いしていた私は周りに人のいない校舎裏のベンチでうなだれていた。
    「やぁ、新入生の子かな?調子が悪そうだが大丈夫かい?」急に声をかけられ慌てて顔を上げる。綺麗な人だった。「あ、えと、ちょっと人酔いしちゃって…。」
    「さっき説明会が終わって次の説明会までしばらく時間があるんだが…人混みが苦手なら私が1対1で部の説明をしようか?みんな、新入生勧誘の方は任せても問題ないかな?」周りの部員たちはうんうんと頷いている。
    綺麗で、気も利いて、周りにいる部員達からの信頼も厚そうで、私とは別の世界の人って感じだった。そんな人からの誘いを私みたいな奴が断れる訳なくて大人しく部室に着いていくことにした。部室はよくわからないガジェットに工具に、大型のパイプやロケットランチャー。ありとあらゆるロマンがオイルと火薬の臭いの充満する空間に散らばっている。私は胸の高鳴りを抑えきれず、小さくガッツポーズをした。
    「エンジニア部はその名の通りありとあらゆる機械類を扱っていてね。例えばこれはエンジニア部が最近開発した洗濯機だ。これを見た率直な感想を教えてくれるかな?」
    「はい!外観についてはイドンプ社の洗濯機を参考にしていると思われます!理由についてですがイドンプ社の洗濯機は非常に機能が多いのに同業他社に比べて同サイズ程度まで小型化に成功しているためそこを評価してのことですかね!しかし、耐久性に難があり、その証拠として3ヶ月前にある事件が起きていてその事件と言うのが~~~また機能が多くても使いこなせない機能が多いという意見も多く~~~更に蓋の開閉機能にも少し課題が残っていて…」ここまで話してやっと我に返る。

  • 3二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:24:51

    やってしまった。専門分野だからと調子に乗った。高校生にもなって何も変わってない自分が、世界から取り残されているように感じて、視界が真っ暗になった。すみません喋り過ぎましたとでも謝ればいいのに、声が出てこない。
    「その通りだ。君の言う通りイドンプ社の洗濯機は機能が多いものの耐久性に課題があった。だから新素材開発部と協力することによって耐水性と耐久力の両方に優れた新素材を生み出し、それを使用することによって格段に耐久性を上げることに成功した。また、機能が多く使いこなせないという意見にも対応できるようにコース選択だけで複数の機能を合わせた最も効率の良い洗濯が出来るようにシステムしてある。参考にした企業を当てるだけでなく課題まで含めて非常に詳しいところまで説明してくれてありがとう。おかげで説明の手間が省けたよ。」
    「え、うぁ、あんなに話して邪魔じゃなかったですか…?」
    「情熱は少女を最も美しく彩ってくれるものだよ。君の情熱は技術の発展に役立つ、私が保障するよ。エンジニア部はいつでも君のような人材を歓迎しているんだ。さて、蓋の開閉機能の課題については私も初耳だね。もしよければ、君の説明を聞かせてくれないかい?」もちろんこの後、私はエンジニア部に入ることにした。

  • 4二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:25:47

    エンジニア部はそれはもう色々と凄い部活で。部員全員がふと思いついたアイデアを利便性とか実用性とか考えず協力して形にしていく部活だった。私のチャバスコ銃のアイデアも「それは、実に意味のない、無益なアイデアだね。よし、すぐに作ろう。」みたいなノリで作ることになったりした。私の知識が必要とされる、私の説明が役に立つ、私のアイデアが採用される。幼少期以来の経験のおかげで自分に自信が持てるようになって、おしゃれにも気を使い始めて、大胆に眼鏡のフレームを特徴的なやつに変えてみたりもした。初めてかけた日は凄いドキドキして、意を決してウタハ先輩に見せたら「似合ってるね。前のも良かったけど、私はそっちのほうがコトリらしくて好きかな。」って言ってくれてレンズ自体はただのレンズのはずなのに世界の色が変わって見えた。
    胸を張って説明や解説ができるようにもなって、気軽にみんなが私に話しかけてくれるようになった。(まぁ今でも途中で逃げられることの方が多いですし、それを気にしない訳ではないですけどね!!)

  • 5二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:26:35

    そんなある日、友達と昼食を食べていたら何気なく「ウタハ先輩ってかっこいいよね!!気が利くし、ロマンもわかるし!私ウタハ先輩みたいな恋人欲しいな~。」と友達が言った。何か言葉を返そうと思ったが、胸にできたつかえが邪魔をして、結局適当に相槌を打ってその場は分かれた。
    部活の時間、ヒビキにそのことを相談することにした。「いつもだったらウタハ先輩の良い所を百個ぐらいは解説してあげられたんですけど、何か言葉にできなくて。どう思いますかヒビキ?」こういう時のヒビキは非常に頼りになる。冷静かつ客観的な視点でのアドバイスはいつも開発の助けとなった。
    「そうだなぁ…コトリはその言葉を受けて、どう感じたの?どんな気持ちになったの?」「えっと…胸につかえができたような感じでした。」「ふぅん…。」ヒビキの耳がピクピク動いている。これは考え事をしている時の彼女の癖だ。「じゃあさ、コトリがウタハ先輩と話している時ってどんな気持ちになる?」「えっと、どう説明したものですかね…。」脳内の引き出しを整理していると、以前自分の気持ちについて質問してきた生徒の言葉が頭によぎった。彼女の言葉を借りるなら、そう。
    「ふわふわした気持ち…ですかね?」言っておいて何だが、これでは説明になっていない。私もあの時、色々と調べたり先生に相談に乗ってもらったおかげで、ウタハ先輩と話している時の気持ちが”ふわふわした気持ち”だというところまでは今行きつけたのだが、結局具体的にどういったものかまでは今でも理解できていない。
    「なるほど…理解できたよ。」「え!?早くないですか!!?」「まぁ、コトリは表情の変化とか凄く分かりやすい方だし…。」「じゃあ!」「教えないよ。」そう言ってヒビキはどこかへ行ってしまった。

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:27:29

    その日の夕方、エンジニア部の活動が終わって解散した後、ヒビキからモモトークが来た。内容は「部室に銃を忘れちゃって。今手が離せないから、申し訳ないけど取ってきてくれない?」とのことだった。銃よりも優先する用事が気になったが、銃を持ってない状況を解決するのが最優先だと思い、私は部室に走った。
    部室のドアを開けると、そこには紫色の長い髪を、窓から差し込む夕暮れのオレンジ色に煌めかせるウタハ先輩がいた。先輩はこちらに気づくと、「ヒビキから聞いたよ。私に用があるって。何の用かな?」と言いながら近寄ってきた。慌ててヒビキに説明を求めようとモモトークを開くが「後は自分で頑張りな。自分の気持ちに素直に…ね。」とだけメッセージが来ていた。
    自分の気持ち、それをなんとか言葉にしようとして、でも自分の気持ちを自分でも説明できなくて、やっと絞り出せた言葉は一つだけ。「好きです。ウタハ先輩。」これだけは、この気持ちは確実だから。私なんかが言っちゃいけない言葉だったかもしれない。それでもウタハ先輩は、逃げることなくこの言葉に向かい合ってくれるはずだから。
    だから私も目を逸らしてはいけないと、必死に自分に言い聞かせてウタハ先輩の方を見る。流石の先輩も面食らったのか、目を白黒させて私の方を見ている。どれぐらいの時間が経っただろうか。数秒程度なのは分かっているのに体感時間は何倍にも感じる。これは副腎髄質から放出されるアドレナリンの過剰分泌によって交感神経が…と普段通りの解説を脳内ですることで必死に落ち着こうと試みる。しかし、そんな努力はウタハ先輩に手を取られた瞬間に全て吹き飛び、脳内が真っ白になる。トドメを刺すかのように、ウタハ先輩は今まで聞いた中で、最も優しい声で「私でよければ。好きだよ、コトリ。」と。あぁ、やっと説明できる。私はこの言葉が欲しかったんだと。レンズ越しに見る世界は、また色を変えた。

  • 7二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:28:09

    という訳で、昔はトラウマが原因で陰キャだったコトリ概念を思いついたので一筆書かせて頂きました。スレ主は力を使い果たしたので以降みなさんで好きなように語ってください。

  • 8二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 16:53:22

    良概念を知ることができた
    ありがとう

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 17:00:54

    あの服も高校デビューなのか
    ウタハ先輩に少しでも意識されたいとどんどん過剰になっていったのか
    みたいな事を少し考えた

  • 10二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 17:01:51

    >>9

    過剰じゃなくて過激だ……

    あんまり意味変わらないしいっか

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 18:21:32

    ウタハは本当イケメンだよね
    否定されていたことが肯定されて前向きになれるのはいい

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 18:35:33

    ミレニアムの先輩ってタラシしかいないのでは?

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:35:56

    コトリの絆ストーリー読むとわかるけど、喋りすぎなコミュ障オタクな面があって、本人もその事気にしてる節があるんだよな。
    中学生の時に敬語使って自分出さないようにして、やっと何人か話せるレベルのクラスメイトいるぐらいなのコミュ障陰キャっぽさが出てて好き

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:50:32

    コトリが可愛いなんて、僕のデータには無いぞ!!?

  • 15二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 00:37:45

    あにまんでコトリSSどころか、コトリメインスレ初めて見たかもしれない。
    ウタハ先輩はけっこうあるイメージなんだけどね

  • 16二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 00:44:27

    ヒビキがいい友達してて好き

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 00:50:45

    素晴らしいね...
    感謝する...

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