ゴムゴムの実を奪回しようとして赤髪海賊団の船に乗り込んでしまった世界線のフーズ・フー part2

[1 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:06:47]

フー(エレジアが崩壊したあの日から二週間……。あれからウタは笑顔を見せなくなり、歌うこともなくなった。赤髪海賊団が残した爪痕は、あの娘を絶望に叩き落としてしまった……)

[2 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:07:58]

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ゴムゴムの実を奪回しようとして赤髪海賊団の船に乗り込んでしまった世界線のフーズ・フー｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:13:07]

フー(俺も、いまだに事実を受け入れられないでいる。シャンクス達が俺はおろか、ウタすら見捨てたことに対して。あの日の宴で言ってくれた『仲間になろう』という誓いは、俺を騙すための嘘だったのか………所詮やつも卑劣で強欲な海賊に過ぎなかったということだったのか……もう今となってはわからない)

[4 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:15:38]

ゴードン「フー、これで島の住民票に記載されていた国民の埋葬は全て終わったよ。ありがとう」
フー「………ああ」

[5 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:20:13]

フー(島の瓦礫に埋もれた死体を探すのに、動物系の能力者である俺の嗅覚はすこぶる役に立った。ウタも手伝いたいって言っていたが、ほとんどは目も当てられない姿になっているだろうからって止めさせた)

[9 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:39:26]

フーの話が読みたい

[16 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:46:45]

ゴードン「そろそろ食事の時間だな……。私は準備をしているからウタの様子を見てきてくれ」
フー「………」

[17 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:48:37]

フー(ゴードン、一番の被害者はあんただっていうのに……。仇の身内も同然な俺らの世話をやくとか、お人好しにもほどがあるだろう)

[19 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 20:57:42]

フー「ウタ、そろそろ飯にするぞ」
ウタ「………」
フー「ウタ？」
ウタ「っ……ひゅっ……はっ……」
フー「ウタ！ おいどうした！？」
ウタ「ごめっ……歌の練習、しようとして……！」
フー「無理して歌わなくていいって言っただろ！ 大丈夫か！？ ゆっくり深呼吸しろ！！」
ウタ「すう……はあ……。ごめんなさい……」
フー「………」

[20 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 21:09:29]

夜

フー「………」


フー『シャンクス、どこに行くんだよ！？ 俺達も船に乗せてくれるんじゃなかったのか！？』
シャンクス『なにを言っている、CP9であるお前が俺達の仲間になれると本気で信じていたのか？』
フー『俺は……俺はまだいい！ でもウタはお前の娘だろう！？ どうしてあの娘まで置き去りにするんだよ！！』
シャンクス『あいつはウタウタの実の能力を持っていたから今まで連れまわしていただけさ。お前みたいなでかいペットを所望された時はうんざりしたが、目的も果たせたしこれでお前らもお役御免だ』
フー『シャンクスっ……シャンクスううう！！』

[21 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 21:10:10]

フー「！！………夢」

[22 二次元好きの匿名さん 24/05/22(水) 21:56:58]

フー「………ちくしょう」


ガチャリ

フー「？」
ウタ「フー……」
フー「ウタ、眠れないのか？」
ウタ「……」(ふるふる)
フー「じゃあ怖い夢でも見たのか？」
ウタ「そうじゃない……わけじゃないけど……」
フー「そっか、なら寝れるまで一緒にいてやるよ。久々に俺の毛皮使うか？」
ウタ「……」(コクン)

[23 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 07:00:03]

フー「海軍の船が？」
ゴードン「ああ、そろそろこのエレジアに来る頃あいだと思うんだ。そこで今回のことを話そうと思うんだ」
フー「そっか……」
フー(思ったより早かったな…)

[24 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 18:12:20]

保守

[25 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 18:17:37]

一般海兵「なるほど、ではこれらの被害は全て赤髪海賊団の仕業ということなんですね？」
ゴードン「はい。私はただ怯えることしかできず……生き残ったのは私達三人だけでした」
フー「………」
ウタ「………」

フー(シャンクスが絡む以上、世界政府も詳細を調べるために末端のエージェントを送り込むかもしれないと思ってはいたが……)

[26 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 18:22:10]

ルッチ「………」
フー(よりによってこいつが来るのかよ…！)
海軍「あの、どうかされました？」
フー「っ……いえその……当時のことを思い出してしまって…」
海軍「それは、失礼いたしました」

[27 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 18:33:59]

数時間後

ウタ「フー、大丈夫？ さっきから顔色が悪いけど……」
フー「大丈夫だ……最近疲れが溜まっているだけさ」

フー(ウタがシャンクスの身内であることはどうにか海軍には隠し通せたが……ゴムゴムの実の護送任務以来行方不明になっているはずの俺が、シャンクスの起こした事件に居合わせていたとなればルッチも怪しむだろう。なんとかウタのことを誤魔化さないと……)

ルッチ「あの」
フー「！」
ルッチ「失礼ですが、お話を聞かせていただけないでしょうか」
フー「………話せることは、さっき海軍さん達に説明したもので全部だが？」
ルッチ「………」(ﾁﾗｯ)
ウタ「？」
フー「！」
ルッチ「出来れば二人きりで会話をしたいんです」
フー「………わかった」

[28 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 18:45:45]

ウタ「フー、一人で行って大丈夫なの？」
フー「大丈夫さ、ちょっと話しをするだけだから」
ウタ「でも、あのお兄ちゃんなんか怖いよ」
フー「そんな心配することはないって、俺が強いのはウタも知っているだろ？」
ウタ「……」
フー「すぐ戻るから、良い子で待ってるんだぞ」
ウタ「……うん」

[29 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 19:13:36]

浜辺

ルッチ「まさかお前がいるとは思ってもみなかったな」
フー「それはこっちの台詞だ」
ルッチ「エニエス・ロビーでは、お前は赤髪に殺されたと噂されているぞ」
フー「だろうな。しかし来るにしても1から8ぐらいのやつまでだと予想していたのに、CP9直々だなんて大げさじゃないのか？」
ルッチ「上の考えなんて知る必要はない。お前も理解しているだろう」
フー「………」

[30 二次元好きの匿名さん 24/05/23(木) 20:36:53]

ルッチ「護送任務の件だが、エニエス・ロビーはお前達の任務失敗と判断した」
フー「だろうな。はあ……これで俺の出世街道は断絶だな。どれだけ降格するんだろうな」
ルッチ「………降格するだけなら全然よかっただろうな」
フー「？」


ルッチ「当時お前と一緒に任務を受けていたエージェント達なんだが、失敗の責任を負わされて投獄されたよ」
フー「………は？」

[31 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 05:36:56]

保守

[32 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 07:05:40]

フー「ちょ、ちょっと待て！ どういうことだ！？」
ルッチ「そのままの意味だ。やつらは現在サイファーポールから席を抹消され、今頃は牢獄内で生き地獄を味わっているだろうよ」
フー「なんで……あいつらも俺達ほどではないが、サイファーポールの精鋭ばかりだったんだぞ！？ たかだか悪魔の実を奪われたからって、それを全員切り捨てるって……！」
ルッチ「奪われたものがそれだけ上にとって重要だったのかもしれないってことだが…」
フー「なんでだよ！？ たかだかゴムになる実だろう！！」
ルッチ「さあな……上の考えなんて、俺達には理解できるものじゃない」
フー「っ………！」

[33 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 17:09:32]

ルッチ「そういうわけで、今サイファーポールに帰還するのは止めておいたほうがいい」
フー「…？ お前、俺を消しに来たんじゃないのか？」
ルッチ「なんのことだ？ 俺が命じられたのは『赤髪のシャンクスに襲撃されたエレジアの詳細調査』だけ。俺がそこで出会ったのは『生き残ったエレジアの住人と元国王の三人』だけだ」
フー「！」
ルッチ「それに『ゴムゴムの実を奪回しようとしたエージェント』は、レッドフォース号に侵入して赤髪に殺されたとエニエス・ロビーは発表した。どうすれば死んだやつを殺すことができる？」
フー「………」
ルッチ「まあ、せいぜい他のエージェントに見つからないようにしておけ。ただでさえお前の容姿は目立つんだからな」(ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ……)

すれ違いざまに呟き、その場を後にする。

[34 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 18:50:34]

ルッチお前……最高だよ

[35 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 20:40:17]

フー「………」
ガクリと力なくその場に膝をつく。
フー「は……はは……」
乾いた笑い声が口から漏れ出る。
フー「ははははははは！！ あははははははは！！」
天を仰いで狂ったように笑う。
フー「ははははは………あぁ……」
頬を涙が伝い、両手で顔を覆い嗚咽する。

フー(なんだったんだよ……俺の人生……)

[36 二次元好きの匿名さん 24/05/24(金) 22:07:26]

その夜……

フー「………」

フー(ダメだ、全然寝付けない。肉体の疲労を考えるなら寝るべきなのに、神経が張りつめて目が冴えちまう……)

フー「………少し外に出るか」

[37 二次元好きの匿名さん 24/05/25(土) 06:15:28]

月が照らす港を歩く

フー「……ここも少し前まで、船が出入りしてたんだがな」

[38 二次元好きの匿名さん 24/05/25(土) 16:46:27]

………♩……♩

フー「ん？」

…♩

フー「この歌声……まさか！？」

[39 二次元好きの匿名さん 24/05/25(土) 21:01:32]

ウタ「どっ……して………ヒュッ………あのっひ……あそ……っ」

フー「ウタ！」
ウタ「っ……フー？ 起きてたんだ……」
フー「無理しなくていいって言っだろう！ 大丈夫か！？」
ウタ「ごめんなっ、さい……」
フー「こういうのは長い時間をかけなきゃ治らないものなんだよ。今はウタ自身の心を癒す方に集中して……」
ウタ「でも！」
フー「？」
ウタ「だっていつも……フーが泣いてるから……！」
フー「俺…？」

[40 二次元好きの匿名さん 24/05/25(土) 21:09:51]

ウタ「あの日から、フーは寝てるあいだ凄く魘されていて……とても苦しそうだったから…！」
フー「！」
ウタ「私が、歌えれば……っ、フーに怖い夢を、見せなくて済むのに……！ なのに私、全然歌えない…！」
フー「ウタ……」
ウタ「ごめんね……ごめんねフー……。私、ウタウタの実の能力を持っているのに、肝心な時に役に立たなくて…！」(ｸﾞｽｸﾞｽ)
フー「ウタ、いいんだ。俺は全然気にして……」
ウタ「わ、私がこんなだから……シャンクス達に、置き去りにされちゃったのかなぁ…？」
フー「違う！ お前はなんにも悪くない！」
ウタ「ううう……うあああああん！！」

[41 二次元好きの匿名さん 24/05/25(土) 21:12:52]

フー「………」

泣きじゃくるウタを抱き締める。

フー(なんで……なんでこの娘がこんな思いをしなくちゃいけないんだよ……)

ギチリと唇を噛み、口の端から血が滴る。

フー(シャンクスぅ……！ シャンクスううううう！！！)

[44 二次元好きの匿名さん 24/05/26(日) 08:34:19]

うわぁ、めちゃくちゃ辛い…
フーがトットムジカにまつわる伝承聞いたら、この先どうするんだろ

シャンクス達を追いかけて真相を問いただすのか、はたまたウタを連れて各地を放浪する旅に出るのか……

[45 二次元好きの匿名さん 24/05/26(日) 08:41:44]

久しぶりにssで泣いた

[46 二次元好きの匿名さん 24/05/26(日) 11:43:49]

ルッチ「………以上が報告内容だ」
ジャブラ『おう、長官には俺から伝えておいてやる。それと……』
ルッチ「『あいつ』に関する手がかりはなかったよ」
ジャブラ『そうか……やっぱりやつは死んじまったのか』
ルッチ「おそらくな。では切るぞ」

ガチャ

ルッチ「………そう、『あいつ』は死んだ。赤髪に殺された。ここにいるのは牙を抜かれた過保護な野良猫だけだ」

[47 二次元好きの匿名さん 24/05/26(日) 21:01:41]

数日後

フー「ゴードン、話がある」
ゴードン「なんだね？」
ウタ「？」

フー「俺はこの島を出ようと思う」

ゴードン「！？」
ウタ「え……？」

[48 二次元好きの匿名さん 24/05/27(月) 06:52:16]

フー「あれから色々考えたんだが、やっぱり俺はシャンクス達を許せない。だから奴らを追いかけるために海に出ようと思う」
ゴードン「そ、それは……！」
ウタ「フー！ フーまで私を置いていっちゃうの！？」