- 1二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:13:58
- 2二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:15:32
メタスラ人魚姫かな?
- 3二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:16:49
人魚姫の昔話しスレ待ってました!
- 4二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:18:53
2だったら、アスランという人魚のお姫様になっていた…
- 5二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:20:53
くそー!!!!アスラン人魚姫ならず!!!!!
…となると異国の姫はラクスなのか?
カガリならユウナだったろうが - 6二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:22:11
相手の王子様役によっては溺れそうにない人が選ばれるんですがそれは…
- 7二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:28:39
- 8二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:32:58
カガリは絶対地上に興味持つだろうし行っていいよって年齢になったらまぁ、行くよね
- 9二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:34:04
元がディズ〇ー版だったらお目付け役のムキムキ厳ついカニがいたんだろうな
- 10二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:36:08
アスカガ人魚姫お待ちしてました!
- 11二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:44:11
- 12二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:47:38
絵本通りに一目惚れしたカガリ姫
- 13二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:12:51
雷に打たれたような衝撃とはこの事を言うのでしょう。カガリは生まれて初めて見た人間の男に目も心もすっかり奪われ、暫し呆然とその姿を見つめていました。
どれほどの間そうしていたでしょう、不意にカガリの顔にポタリと雨粒が落ちてきました。
すると瞬く間に雨粒は量と勢いを増し、気付けば吹き荒れる強風と共に海面を激しく荒れ狂わせました。嵐がやって来たのです!
カガリは慌てて近くの岩場に身を隠しそのまま海に潜ろうとしましたが、どうしても先ほどの青年の事が気に掛かり、岩場の陰からチラリと戦艦へと視線を向けます。
青年はまだ戦艦の甲板に立っており、何かを指示しているようでした。どうやら同じように甲板にいた人達を艦内に避難させているようです。
(何やってるんだよアイツ!自分だって危ないのに…!)
そんな青年の姿にカガリはdice1d2=1 (1)
1.いてもたってもいられず戦艦に近づきました
2.「お前も早く中に戻れ!」と青年に向かって思わず叫んでしまいました
- 14二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:14:20
やっぱ放っておけないんですね
- 15二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:15:00
危なっかしいって思っちゃったわけですね、わかります
- 16二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:16:23
たぶん話の舞台はオーブ近海
- 17二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:26:35
- 18二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:27:58
アスランだとカガリを見てもしかして落ちたのか?!と思って飛び込みそう
- 19二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:28:21
人魚って知らないと
嵐の海の中に人が・・・感がすごいww - 20二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:29:55
肌色が人間と同じだと下半身見ないとわからないだろうなー
- 21二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:31:44
しれはそれとして多分人魚なら貝殻ブラだから、後々アスランはこの時のカガリの姿で破廉恥な妄想をするんだろうなあ
- 22二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:43:32
- 23二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:44:47
貝殻ブラが見えないギリギリのラインだったのかもしれない
- 24二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:47:06
この王子様ちゃんと溺れてくれるのか?
- 25二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:52:02
物語の展開的に難しいが溺れもせずにカガリ姫の姿をばっちり脳裏に焼き付けてるアスラン王子(推定)はわりと見てみたい
- 26二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:09:40
「っおい!大丈夫か!?」
今度はカガリが血相を変える番でした。
青年が落ちた場所へと急いで向かい、海の底へ沈みかけていた青年の体を抱きかかえてすぐさま海面へと顔を出して声をかけます。
「おい!しっかりしろ!おいってば!」
気を失った青年はぐったりとしていて、いくらカガリが呼びかけても目を覚ます気配はありません。
(どうしよう、私のせいだ…!私が考えなしに近付いたりしたから、コイツは…!)
自責の念からカガリの目に涙が浮かびますが、今は泣いている場合ではないとすぐさま自分を奮い立たせます。
青年の体をしっかりと抱きしめたまま素早く周りを見渡すと、やや離れた場所に岸辺が見えました。カガリはすぐさまそこへ向かいます。
そこそこ距離の離れた場所ではありましたが、泳ぎのエキスパートである人魚のカガリが全力で泳いだ事もあり、大した時間もかからず到着する事が出来ました。
カガリは岸辺に青年の体を優しく寝かせ、両手を合わせて祈ります。
「神様、どうかお願いします。彼を助けてください…!」
するとその祈りが届いたのか否か、程なくして人の声が近付いて来ました。
カガリは最後に青年にdice1d2=2 (2) (1.お守りのペンダントを手に握らせ 2.そっとキスをして) 海へと潜り、そのまま海の中へと帰っていきました。
- 27二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:14:02
お守りのペンダントなら色々気ぶれたのに…
- 28二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:15:37
これはこれで知ればめっちゃ喜びそうだけどこれが現実であると分かる証拠残らないのキツイな
- 29二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:17:57
今の所ほぼ絵本通りに進んでるな
- 30二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:34:22
お城へ戻ってから、カガリはずっと心ここにあらずといった状態でした。
(最後まで見届けられなかったが、アイツは助かっただろうか?せめて一目会って元気かどうか確かめたい…いや、それよりも私のせいで危険に晒した事を謝るべきか…)
カガリの頭の中は、先日助けたあの青年の事ばかり。何をしても上の空で、dice1d3=2 (2) (1.侍女のマーナ 2.お目付役のキサカ 3.父親であり海の王でもあるウズミ)はカガリが海の上に行った際に何か変なものでも拾い食いしたのでは、と心の中で心配していました。
そしてとうとう青年に会いたいという気持ちが抑えられなくなったカガリは、意を決して海に住む魔法使いのdice1d3=1 (1) (1.キラ 2.メイリン 3.dice1d47=20 (20) )のもとへと向かいました。
(※既存キャラが出た場合は+1)
- 31二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:35:55
人魚のキサカとウズミ様…
- 32二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:37:26
リトルマーメイドのトリトンよろしくガタイいいマーマンなんだろうなww
キサカとウズミ様・・・ - 33二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:37:31
原作通りだと人魚姫片思いの悲恋になっちゃけどどうなるのかな
ダイス神次第か - 34二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:38:47
アスランは反逆するって信じてる
- 35二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:40:26
海に住む魔法使いがキラなのでなんか悪いようにはならない気がしてきましたね
まだわからんけど配役によっては王子の婚約者が魔法使いに一目惚れしそうまであるもんな - 36二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:51:44
多分その魔法使いは姫の双子の弟で、面倒な城の公務を怠けたいがために魔法の研究と称して隠居したと見た
- 37二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:10:25
(やべぇ、現時点での原作ルート回避選択肢を悉く外してる…)
「人間の足が欲しい?」
目を丸くしてそう復唱したキラに、カガリはしっかりと頷きました。
「ああ。もっと正確に言うと、人間そのものになりたい。どうにかならないか?」
「うぅ〜ん…どうにかと言われてもなぁ……」
基本的に出来る事は出来る、出来ない事は無理だとハッキリ言うキラにしては珍しく煮え切らない反応に違和感を覚えつつ、カガリはさらに言い募ります。
「どうしても会いたい奴がいるんだ!一時的だとか副作用があるとか、そういうのでも構わないから…だから頼む!この通りだ!」
「…………」
深々と頭を下げて頼み込むと、キラは渋い顔で黙り込んでしまいました。
やっぱり無理なんだろうか、とカガリが諦めかけたのと、キラが渋々といった様子で口を開いたのはほぼ同時でした。
「……まあ、一応ある事にはある…けど」
「! 本当か!?」
「ちょっと待っててね。えーと、確かこの辺に…あ、あった」
カガリがパッと顔を上げると、キラは大きな鍋のすぐそばに置いてある戸棚を開けて中を物色し始めます。
少しの間棚をゴソゴソした後に取り出したのは、毒々しい色をした液体が入った小さなフラスコでした。
「この薬を飲めば、人魚の尾の代わりに人間の足を得る事ができるはずだよ。でも……」
「でも…なんだ?」
「dice1d2=1 (1) 」
1.副作用で声が出なくなってしまうんだ
2.副作用とか特にない代わりに味が死ぬほどマズイんだよね
- 38二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:12:11
すげぇや本当に悉く原作人魚姫選択肢選んでくわ
- 39二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:12:33
本当に原作通りだな…
- 40二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:12:57
原作通りすぎて逆に凄い笑
- 41二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:13:56
カガリは自分からいかないからこの先心配だ…
頼むぞダイス神 - 42二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:16:27
これが運命の力なのか?
- 43二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 06:13:19
- 44二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:06:46
キラならデメリット先に言いそうだし泡にはならなそうで一安心
それはそれとしてハッピーエンドを祈っとこう - 45二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 10:40:43
声無いのに呼べるの?
- 46二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 11:51:41
原作よろしく手紙を海に落とすとか
魔法使いなら感知して回収してくれそう - 47二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 11:52:42
あ、原作ってのはアニメのことね(花嫁強奪あたり)
- 48二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:29:07
キラから薬を貰ったカガリは、あの日青年を寝かせた沿岸へとやって来ました。
フラスコの栓を開け、中の液体をじっと見つめます。
(薬の効果は3ヶ月…それだけあれば十分だよな)
青年があの後どうなったか、今はどうしているのかを調べるだけならばさほど時間は必要ないでしょう。
もし可能なら一目だけでも姿を見て、残りの期間は海の上の世界を見て回ればいい。
声が出せなくなるので話ができないのが少し残念ではありますが、贅沢を言ってはいけないと小さく首を振って考えを振り払います。
「ただ、無事でいてくれれば……生きてさえいてくれれば、それで良い」
確かめるようにそう呟いて、カガリはフラスコの中の薬を一気に飲み干します。
瞬く間に喉と尾に灼けるような痛みを感じたのを最後に、カガリの意識は途切れました。
- 49二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:29:29
海の魔女が完全に善意の協力者で失恋したら海の泡という条件がないだけでも原作よりずっと希望がある
- 50二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 12:32:13
詳しい事書くと後の話のネタバラシになっちゃうんでザックリとだけ説明すると、キラは魔法使いなので…まあ、魔法は万能だよねって事です
- 51二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:24:37
ここでのキラカガはの関係は?
やっぱり双子でいいの? - 52二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:57:10
人間になったカガリ姫、さっきまで人魚だったんだからとんでもなく破廉恥な格好で倒れてるのでは
原作だとたしか王子様に助けられるけどアスラン大丈夫か? - 53二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:08:46
そして同時刻、件の青年…この国の王子であるアスラン・ザラは先日自分が打ち上げられていた沿岸へと足を運んでいました。
沿岸で倒れていた所を現地民に発見され保護されたアスランは、目を覚ました時開口一番にこう聞きました。
「俺の近くに女の子がいなかったか」と。
しかし誰に聞いても返ってきたのは「女の子どころかアンタ以外人っ子1人いなかったよ」という答えのみで、アスランの望む答えを持つ人は終ぞ現れませんでした。
「せめて、何か手がかりになるような物でもあればいいんだが…」
そう呟いて脳裏に思い浮かべるのは、荒れ狂う海の中で海面から顔を出した女の子の姿。
あの時自分の不注意のせいで助ける事が出来なかった事が、後悔という形でアスランの心に未だ消えずに残っていました。
どうにか安否が知りたい、無事だったのならそれで良いが、もしそうでなかったらせめてもの償いとして弔ってやりたい…その一心で、藁にもすがる思いでこの場所へと単身訪れていたのです。
「──ん?」
ふと、遠くまで続く砂浜に何か不自然に大きな物が転がっているのがアスランの目に入りました。
流木か何かだろうかと思いながら目を凝らすと、やがてそれが流木ではなく人だと分かりアスランは慌ててその倒れている人の所へと駆け寄ります。
「おい君!一体どうしたんだ!?目を開け…っ!?」
すぐさまその場に跪いてその人…自分と同じ年頃の少女を抱え起こしたアスランは驚きに目を見開きます。
なぜならその少女がdice1d2=1 (1)
1.あの嵐の日に出会った少女本人だと気付いたからです
2.そりゃもうびっくりするぐらい自分の好みドストライクの美少女だったからです
- 54二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:09:56
このレスは削除されています
- 55二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:11:37
ここで本人だと気づくとは
とうとう選択肢が原作から外れたな - 56二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:22:03
目を見開いた理由は下半身マッパだったからでもあるのでは
- 57二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:26:32
そういや人魚って元ネタだとだいぶセクシーよなww
- 58二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:10:29
「おい、しっかりしろ!目を開けるんだ!」
「ん……」
必死に呼びかける声が聞こえ、カガリはゆっくりと目を開きました。
「! 気が付いたか、良かった…!」
「……?」
目覚めたばかりの脳は目の前の光景を理解できず、暫しの間自分を抱え起こしている男の顔をぼんやりと見つめます。
そして…
「……………〜〜っ!?」
「うおっ!?」
目の前にいる人物が、まさにカガリが会いたいと心から願っていた青年本人だという事にようやく気付いて、カガリはガバッと飛び起きて慌てて青年から距離を取りました。
バクバクと脈打つ心臓を抑えながら、カガリは言葉を紡ごうとして……
「ッ、げほっごほっ!」
「お、おい、大丈夫か!?」
言葉は声に乗る事なく、掠れた空気としてカガリの喉から吐き出されました。
突然咳き込んだカガリを心配そうに見つめる青年を見ながら、つい先刻のキラの言葉を思い出します。
(そうだ、薬の副作用で声が出せなくなってるんだった…いきなりの事に驚いてすっかり頭から抜け落ちていた…)
ひとまずは目の前の青年に平気だという旨を伝えなければと思い、カガリはdice1d3=2 (2)
1.落ちていた小枝を拾って地面に文字を書きました
2.身振り手振りのジェスチャーで伝えようと試みます
3.青年の手を取り、青年の掌に指で字を書きました
- 59二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:11:28
- 60二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:11:53
そこで字を書くは外すのか
- 61二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:12:39
カガリ服着てるのかがさっきから気になるよ
- 62二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:21:03
でもなんかボディランゲージでどうにかしようとするところカガリみある
- 63二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:23:23
カガリの格好に関してはご想像にお任せするつもりだったけど、みんなそんなに気になるならもうダイス振るか!
この時のカガリの格好dice1d4=4 (4)
1.よいこのおとぎ話なので服は着てるよ(無印1話のヘリオポリスで着てた服装)
2.よいこのおとぎ話なので以下略(ゲリラ時代の服装)
3.何故か裸にボロ布一枚だけ纏ってる状態
4.全裸
- 64二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:24:10
- 65二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:24:52
これでボディランゲージは……目の毒ですねアスラン……
- 66二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:25:41
これは…嫁入り前の女の子の裸を見るとはね…ニチャ
- 67二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:27:03
🎲が荒ぶってきた
- 68二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:31:31
着ていただろう貝殻ブラ的なヤツは波にさらわれちゃったかな
アスラン視点からしたら事件性を感じてしまうのでは? - 69二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:32:46
そらアスラン見つけた時に目を見開くわな
- 70二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:33:35
アスランびっくりだよww
好みの女の子の全裸とか
事件かとおもうやつ - 71二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:36:37
ピンポイントでヤベーの打ち抜いてきたなぁ
- 72二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:43:19
全裸で身振り手振りのジェスチャーするから色々見えちゃってますねこれは
- 73二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:47:48
下乳どころか全部みてしまったかアスラン
- 74二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 06:10:31
(突然生えてきたラキスケイベントにリアルで頭抱えました。こんな所で荒ぶるなダイス神)
(こういう時は…やっぱりジェスチャーだよな。一々文字書いてたら時間かかるし)
そう思い、とりあえず元気だという事をアピールするために力こぶを作るようなポーズを取ろうと腕を上げ……
「ま、待ってくれ!!」
「!?」
…ようとしたその瞬間、青年の慌てた声と共にカガリの全身を覆うかのように何かが被せられました。
(な、なんだ!?)
「突然驚かせてすまない…でも、まずはそれを着てくれないか。今のままだと、その……色々とマズイから」
こちらに顔を背けて歯切れ悪くそう言う青年の耳は赤く色付いていて、僅かに見える頬にも朱がさしているのが分かります。
一体なんなんだと改めて被せられたものを見ると、それは青年が着ていたコートでした。
丈の長いそれはカガリのスラリと伸びた足の膝下までをスッポリと覆っていて……
(……ん?)
カガリは、自分が目覚めてから今の今までずっと一糸纏わぬ姿でいた事にそこで漸く気が付きました。
「〜!?!?!?」
きっと声が出せる状態なら、カガリの絶叫は沿岸全体に響き渡っていた事でしょう。
声にならない悲鳴をあげ、カガリはブカブカのコートの前が開かないよう手で押さえつつ真っ赤な顔でその場にへたり込んでしまいました。 - 75二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 11:31:58
いろいろと…w
アスランの理性も含むんだろうな…
下乳どころか全裸だから
胸もおしりも丸見えなわけですし
刺激がね… - 76二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:44:50
よいこのおとぎ話なのに雲行きが怪しくなってきな……
- 77二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:18:43
カガリは改めてコートに袖を通してしっかりと前を閉めると、未だに後ろを向いている青年の服の袖を軽く引っ張りました。
もうこっちを向いてもいいよ、という意思表示のつもりです。
青年はその意図を察したらしく恐る恐る振り返り、カガリがしっかりとコートを着込んでいる姿にようやく安堵した表情になってカガリへと向き直りました。
「「………………」」
先ほどの事もあり、やや気まずい沈黙が2人の間に流れます。
(ど、どうすればいいんだこの空気……あ、そうだ)
その時、ふとある事に気付いたカガリは足元に落ちていた小枝を拾うと、地面に文字を書いてそれをアスランに見せました。
『お前の名前は?』
「…ああ、そういえばまだ名乗ってなかったな。俺はアスラン・ザラ。君は?」
『カガリ・ユラ・アスハ』
「カガリ……いい名前だな」
ストレートに名前を褒められ、カガリは照れ臭さから僅かに頬を紅潮させます。
気まずい空気が薄れたのを感じてか、青年、もといアスランがやや遠慮がちに切り出しました。
「カガリ…その、恐らくなんだが…俺は君と以前に会った事がないか?少し前の、あの嵐の日に」
「!」
まさかアスランがあの時僅かに会話をしただけの自分の事を覚えているとは思っていなかったため、カガリは驚きました。
嬉しさで頬が緩みそうになるのを必死に抑えながら、カガリは地面に枝を走らせます。 - 78二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:19:14
『覚えてたんだな。もう忘れてると思ってた』
「忘れるわけないだろう!あの時俺がうっかり海に落ちてしまったせいで君を救助できなくて……俺は運良く沿岸に流れ着いて助かったが、君の安否がずっと気がかりだったんだ。
だから……無事で良かった」
そう言うアスランの表情は安堵に満ちていて、心からそう思っているのだという事が伝わってくるようでした。
思わずその表情に見惚れていたカガリでしたが…
「しかし、あの時は君もちゃんと声を出していたはずだよな?どうして急に筆談なんて…」
「っ、」
アスランの言葉にぎくりと体を強張らせます。
まさか「自分は本当は人魚で人間の足を得るために薬を飲んで声が出なくなりました」なんて馬鹿正直に答えられるはずもなく、さて一体どうやって誤魔化そうかと頭をフル回転させていると、アスランが不意に声を上げました。
「まさか、あの時に溺れたのが原因か!?」
(ん?)
「見る限り外傷はなさそうだが、だとすると喉の内部に問題があるか、もしくは心理的な影響が…?確か事故に遭ったショックで一時的に声が出なくなったケースがあると前に聞いた事が…」
(…なんかよく分からないけど、とりあえず自己解決した…のか?)
ブツブツと独り言を呟き始めたアスランを眺めていたカガリでしたが、不意にアスランに肩を掴まれます。そしてdice1d2=2 (2)
1.「とりあえず俺の家の専属医師に診てもらおう」と言われ、彼の住むお城へと案内されました
2.「俺に責任を取らせてくれ」と真剣な表情で言われました
- 79二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:19:47
すげーやアスラン
- 80二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:20:23
早くもプロポーズか?
- 81二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:23:06
恋愛🎲引いてないから責任感と生真面目ムーヴでハツカネズミしただけかもしれん
スレ主さんがんばれ - 82二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:25:15
裸みちゃったのも込みでハツカネズミしてないかな疑惑がww
- 83二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:37:00
砂浜…全裸…
ロマンティクス要素揃ったな - 84二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 03:51:00
- 85二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 06:07:17
(はぁ!?)
真剣な顔で突然そう言われ、カガリは顔を真っ赤にして固まりました。
(せ、責任って、つまりそれって──)
「君の声が出なくなった原因があの時の事なら、責任の一端は俺にある」
(……ん?)
「だから、カガリがまた声が出せるようになるまで出来る限りサポートをしたいと思うんだが……どうした?」
数秒前とは全く別の理由で顔を赤くしたカガリをアスランは怪訝そうに見つめますが、カガリは『なんでもないから気にするな』という意味を込めて首を振りました。
(なんて恥ずかしい勘違いをしていたんだ私は…!だけどまあいい、それよりもまずは…) - 86二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 06:08:40
『アスランに責任はないから別にいい。迷惑をかけたくない』
「迷惑じゃない、俺がやりたいから申し出ているんだ」
『そもそも、お前1人の独断で決めていい事でもないだろう?ご両親の許可だっているし』
「空き部屋ならいくらでもあるし、母上ならちゃんと事情を説明すれば分かってくれるから大丈夫だ。父上の方は多少反対してくるかもしれないが…まあ母上を味方につけて説得して貰えば即堕ちするだろう」
(一国の王がそんなんでいいのか…?)
この国のあれこれを若干不安に感じていると、不意にアスランがカガリの左手を両手で包み込むように握りました。
まるで壊れものを扱うかのような優しい手つきに、一瞬状況を忘れてドキリと胸が高鳴ります。
「…どうしても駄目か?」
(〜、その顔は卑怯だろうが…っ!)
シュンと垂れ下がった犬耳と尻尾の幻覚が見えて、ついにカガリは白旗を上げました。
実際悪い話ではないのです。そもそもアスランに会えた時点でカガリの最大の目的は既に達成しているので、後はもう期限まで陸での生活を過ごすのみ。その期間中に安定した衣食住を提供してもらえるというのは、カガリにとっても願ったら叶ったりな事です。もともと人間の世界に興味があり、色んなものを見て回りたいと思っていたのだからなおさら。
…そして何より。
『分かった。お言葉に甘えさせてもらう』
「ああ、任せてくれ」
そう得意気に笑うアスランにつられ、カガリも思わず笑みを浮かべます。
どんな理由であれ、好きな人と同じ屋根の下で過ごせるというのは、恋する少女にとって抗い難い非常に魅力的な要素でした。 - 87二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 07:56:03
レノアさんが健在ならアスランも両親と仲良く暮らせてそうだな
でもカガリが3ヶ月で姿をくらましたら、アスランの落ち込み半端なさそう - 88二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 07:58:21
パトリックはレノアに絶対勝てないのか…味わい深い
- 89二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 09:24:40
ほのぼの甘酸っぱいがどこかで服を調達しないとザラ家ご両親がびっくりしてしまうな
- 90二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:12:45
こうして、カガリは保護という形でアスランの暮らす城で共に生活する事になりました。
アスランは宣言通り献身的にカガリのサポートをしました。
カガリが上手く歩けないと分かるとちゃんと歩けるようになるまでの間ずっと手を取ってエスコートをしたり、見た事のない草花や動物に目を輝かせてあれは何、これは何と矢継ぎ早に聞いてくるカガリの質問に一つ一つ丁寧に答えたり、城の中ばかりでは退屈だろうからとお忍びで街に繰り出してみたり……
片時も離れず、常に寄り添いあって行動する2人が惹かれ合うのにそう時間はかかりませんでした。
そして2人がdice1d3=2 (2)
1.明確には言葉にしないものの確かに想い合う関係
2.恋人と呼べる間柄
3.夜にふたりきりでロマンティクスするくらい仲良し(意味深)
になって少し経った頃、アスランに隣国のお姫様であるdice1d3=2 (2) (1.ラクス 2.ミーア 3.メイリン)とのお見合い話が舞い込んできました。
- 91二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:18:35
今度はなんかこう運命の頃のような🎲になってきたような気がしますね
- 92二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:19:07
よいこのおとぎばなしでロマンティクスは破廉恥すぎるからね、しょうがないね
アスランの性格上恋人がいるのに縁談とか切って捨てそうだがどうなるかな…? - 93二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:19:13
- 94二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 15:39:30
このお見合いはパトリック主導なのかね
本編だとラクスとも政略的な婚約だったし - 95二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 15:48:14
このレスは削除されています
- 96二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 19:55:27
爆速で距離縮まってるなあ
カガリが既に一目惚れした状態だしそりゃそうか - 97二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 20:00:05
ちょうどミーアとカガリの役が逆の人魚姫パロが昔公式でありましたね…
- 98二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:06:40
険しい顔でお見合いに関する詳細が記されている書類に目を通しているアスランに、カガリが遠慮がちに手帳を差し出します。
『お見合いの日はいつなんだ?』
「来週…今日から丁度一週間後だな。随分と急な話だ」
お見合い相手が第一王女のラクスではなく第二王女のミーアである事から察するに向こうに政治的な思惑は恐らくないのでしょう。
しかし相手は友好国であるうえ、何よりカガリと未だ正式な関係を結んでいないアスランは世間的にはフリーという認識になっているため、お見合いそのものを断るのは難しかったようです。
申し訳なさそうな父母の表情を思い出し、思わず苦々しいため息が漏れます。
するとその様子を見たカガリが不安気に肩を揺らしたので、アスランは小さく苦笑して安心させるためにポンポンと頭を撫でてやりました。
「大丈夫、ちゃんと断るよ。とはいえ引き受けてしまった以上顔合わせはしないといけないが…」
そもそもこうなったのは現状に満足して根回しを怠っていた自分自身の落ち度であるとアスランは考えており、その責任を取るためにもお見合いは決行しなければなりません。
(……いっそこの機会に、俺も腹を括るべきなんじゃないか?)
ふと、そんな考えが頭をよぎりました。
- 99二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:10:37
両親公認(?)の恋人関係だからアスランに迷いが無い…迷いが無いアスランは強い
- 100二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:14:51
声が出ないどこのだれか知らない娘さんに最初疑問視されてたけど
申し訳なさそうって当たりご両親にいい子って気に入られたんだろうなカガリ・・・
アスランがカガリへの好意隠してないってのもありそうだけど・・・ - 101二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:18:33
まだ、カガリの声が戻ってないってことは3か月以内の出来事なんだよな…爆速すぎない?
- 102二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:47:39
本編は性に疎いカガリに片想い気味だったアスランがガンガン攻め入ったけど、この童話では既にカガリがアスランに一目惚れ状態だからそりゃあ爆速にもなる
- 103二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:58:15
「……カガリ」
活発なイメージの割に白く華奢なその手にそっと自身の手を重ねると、ピクリとカガリの体が震えました。
そのままスルリと指を絡ませてカガリの表情を伺うとアスランが想像していた通り頬を赤く染めて狼狽えていて、そのいじらしい反応に言葉にしようのない愛おしさが湧き上がります。
「一週間後、お見合いが終わった後で話がしたい。俺と君のこれからに関する、大事な話だ」
真剣な表情でそう伝えれば、その言葉の意図を理解したのかカガリの琥珀色の瞳が大きく揺れ、今にも泣き出しそうな表情でアスランを見つめ返します。
(よかった、喜んでくれている)
内心ホッとしながらも表情に出てしまわないように努めながら、意を決してカガリの唇に自分のそれを重ねようとして……
「──ぇ、」
あと数センチまで近づいた所で、カガリの両手によって阻まれました。
「カガリ…?」
「…………」
思わず困惑してカガリを見やるも、カガリは俯いていて表情が見えません。
そして困惑するアスランをそのままに、逃げるようにその場を立ち去ってしまいました。
この時のアスランは知る由もありませんが、この日から7日後のお見合いの日──それは、カガリが人間の足を得るために薬を飲んでから丁度3ヶ月後の日付でした。
- 104二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:01:27
- 105二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:07:22
俺は止まんねぇからよ、スレ主が止まんねぇかぎり、ダイスがなくたって俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ…
- 106二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:09:59
ちょっとシンデレラみもある展開!切ないな…
ダイスは無理して振らなくても大丈夫ですぞー
スレ主さんの思う通りに進めてくだされ - 107二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:12:02
ダイスは変にふると事故ることもあるでしょうし
スレ主がダイスふれなさそうなら
ふらずにSSかいているだけでも大丈夫ですよ - 108二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:26:55
ダイス振るとしたらお見合いの時とか?
でも無理にダイス振って話が崩壊方向にいくようならやらなくてもいいと思うな主様のやりたいように……! - 109二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:48:56
楽しませてもらってるのでスレ主さんの思うまま書いちゃってください!
それにしても3ヶ月経たないうちにお付き合いを始めてさらに関係を進めようとするとは迷いのないアスランが強すぎる - 110二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:49:04
スレ主の文章が面白くて普通に魅入ってたので、このまま続けてくれて構わない
好きなようにやってくれ - 111二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:22:04
ダイス振るとしたらミーアからアスランへの好感度くらい?
高いと原作(童話と運命どっちも)寄りになる感じかな
一桁だったら大笑いするけど - 112二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 09:44:01
ホッシュ続き待ってるよ
- 113二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 11:37:46
アスランから逃げ出したカガリは、あてもなく歩きながら途方にくれていました。
(どうしよう…)
まるで壊れたラジカセのように、頭の中でひたすらにその言葉のみが浮かんでは消えてを繰り返しています。
そうやってフラフラと歩いていると、お城のすぐそばにある海岸へと辿り着いていました。
それがただの偶然なのか、それとも人魚としての本能が海を求めて無意識に海のある方へ足を向けたからなのか、カガリには分かりません。
ゆっくりと桟橋を渡り端まで行くと、靴を脱いでその場に座り素足を海へと沈めました。
そのまま足をバタつかせると、バシャバシャと音を立てて水面が揺れます。
懐かしいその感覚に少しだけ心が落ち着いて、同時にやはり自分は人間ではなく人魚なのだと改めて思い知らされたような気持ちになりました。
(…もう、このまま海に潜って帰ってしまおうか)
ほんの一瞬、そんな事を考えたその時です。
「いやいや、その体でそんな事したら普通に溺れ死ぬだけだから」
「っ!?」
突然聞こえた呆れ声。慌てて俯いていた顔を上げるとそこには……
「久しぶり、カガリ」
(キラ…!?)
海の魔法使いキラ・ヤマトが海面から顔を出し、穏やかに笑っていました。 - 114二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 11:56:47
あ、キラにはカガリの声が聞こえるのか
だから「何かあったら呼んでね」と
さすが魔法使い - 115二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 12:07:12
「あはは、すごい顔。どう、びっくりした?」
(な、え、なんでここに…)
「なんだかカガリに呼ばれた気がしたから。薬を渡した時に言ったでしょ?呼んだらすぐ駆けつけるって」
心を読む魔法でも使っているのか、キラは声の出せないカガリとの会話をスムーズに成立させます。
キラは肩から上を水面に出したまま桟橋まで移動すると、海から上がってカガリの隣へと腰掛けました。
「…まあぶっちゃけると、実はカガリが海を出て行った時からずっと水晶でカガリの事見てたんだよね」
(はぁ!?)
「だってカガリって結構そそっかしいし、放っておくと何しでかすか分ったもんじゃないでしょ?もし何か危ない目に遭った時すぐに助けられるようにと思ってそうしてたんだ。
…もっとも、僕より頼りになりそうな王子様が隣をキープしてたからその必要はなかったけど」
(お、お前なあ…!)
「ごめんごめん」
カガリが抗議の意を込めてキラの肩をポカスカ殴ると、キラは絶対悪いと思ってない表情で謝罪の言葉を述べます。その様子にカガリはさらに抗議しようとしましたが、それよりも早くキラが口を開きました。
「──あの王子様…アスランだっけ?彼にキスされそうになって拒んでたよね。なんで?」
(っ……それも見てたのかよ…)
「万が一キス以上の事し始めたら流石に中継切るつもりだったけどね。それで、なんで拒否したの?彼の事好きなんでしょ?」
わざと考えないようにしていた部分に容赦なく切り込まれ、カガリの体がギクリと強張ります。
キッとキラを睨むも当のキラは至って涼しい顔をしていた為、カガリはわざと大きくため息を吐いてから本心を明かす事にしました。
dice1d2=2 (2)
1.(受け入れたら、離れられなくなりそうで怖かったんだ)
2.(これ以上アスランに嘘をつきたくなかった)
- 116二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 13:32:36
相手を思いやるのはカガリらしいな
キラえもーん!なんとかしてくれ! - 117二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 13:38:58
アスランのこと第一なのはカガリらしいけど
アスランの方は嘘ついてたことより
カガリが黙っていなくなることに怒りそうなイメージがある・・・ - 118二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:02:16
「嘘?」
(だってそうだろ。人間のふりしてアスランに近付いて、溺れて声が出せなくなったと勘違いさせて、あいつの優しさにつけ込んで……何もかも嘘まみれだ)
最初はただ一目会えればそれで良いと思っていたはずでした。けれど成り行きで一緒に暮らす事になり、そばにいる事で、いつの間にか欲が生まれていたのです。
(アスランと一緒にいたくて、離れたくなくて、アイツの勘違いを正さずに嘘に嘘を重ねてそばにいようとした……期限付きだって分ってたのに)
水面に映る月を眺めながら自嘲を浮かべたつもりですが、果たして上手く笑えていたかカガリには分かりません。キラは何も言わずにそんなカガリの胸中に耳を傾け続けます。
(アスランは本当に真面目で優しい奴なんだ。勘違いでも責任を取ろうと寄り添ってくれて、私の事を大切にしてくれて、本当に嬉しかった)
「だったらなんで──」
(だからダメなんだ!誠実なアイツに、嘘で塗り固められた私は相応しくない!アイツの隣に立っちゃいけないんだ!)
気付けばカガリの瞳から涙がこぼれ落ちていました。
アスランの事が好きで、好きだからこそ離れなければいけない、どうせ自分はもうすぐいなくなるのだから……
(もう限界なんだ……これ以上嘘をつき続けた状態であいつのそばになんて居られない。未来の約束なんてできない……もう、アスランに嘘をつきたくない……)
ついにカガリは手で顔を覆ってさめざめと泣き始めてしまいました。
どんなに悲しくても薬の副作用で泣き声すら上げられないこの状況が、足を得て嘘をつき続ける事を選んだ自分への罰のように思えて、カガリは余計に涙が止まらなくなってしまいます。
キラはそんなカガリを見て、一瞬何かを思い出すかのように表情を暗くしましたが……すぐに普段通りの顔に戻って、静かにカガリに問いかけました。
「──もし、嘘を本当に出来るかもしれないって言ったら…君はどうする?」 - 119二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:11:45
人魚姫というより、ディ○ニーのアラジンのラストシーンっぽくなってきた
- 120二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:14:44
キラは何を思って表情を暗くしたんだろうか
ハラハラするけれどハッピーエンドであれ - 121二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:21:26
海に帰れなくなってウズミ様やキサカさん、キラにも会えなくなるとかかな?
キラは隣国の第一王女様に見初められるルートが待ってそうではあるが - 122二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:21:59
カガリが人魚と知ってもアスランならズゴックで追いかけて来そうだけどな
そして生まれるケルピー伝説 - 123二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 16:00:40
(え…?)
キラの問いかけの意味が分からず、カガリは思わず顔を上げてキラの顔を見ました。
するとキラはニコリと微笑んでどこからか小さな小瓶を取り出し、それをカガリの手に握らせます。
小瓶には澄み渡った海を思わせる青色の液体が入っており、これは何だとカガリが問うよりも早くキラが口を開きました。
「カガリが前に飲んだ薬の改良版だよ。これを飲めば君は正真正銘の人間になれるし、声も出せるようになる」
(!?)
「カガリの様子見てたらさ、いずれ必要になりそうだなーと思って作ったんだ。副作用もないように作るのは難しくて苦労したけどね」
キラはなんて事ないように言ってのけますが、その労力がとてつもないものであっただろう事は、魔法に詳しくないカガリでも分かります。
信じられない気持ちで手の中にある小瓶を見つめながら、カガリはキラに問います。
(どうして、そこまでしてくれるんだ…?)
キラがここまで親身になってくれる理由はなんなのか。本当にただの純粋な疑問でしたが、その問いかけにキラは悲しそうに目を伏せた後、どこか遠くを見つめながら言いました。
「……実はね、僕も昔、人間の女の子を好きになった事があるんだ」 - 124二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 16:01:19
「14歳くらいの頃だったかな。こっそり大人達の目を盗んで、海の上に上がった時に出会った女の子でね…紅い髪が綺麗な子だった。
どうしてもあの子にもう一度会いたくて、僕もカガリと同じようにあの薬を飲んで、人間のふりをして彼女に近付いて、仲良くなって……」
そこで、キラの顔に陰がさしました。
「──でも、僕は失敗した。選択を間違えて、彼女を傷つけて……そのまま、2度と会えなくなっちゃった」
(……………)
2度と会えなくなった、とキラはぼかした言い方をしましたが、キラの悲しそうな表情から察するに…つまりそういう事なのでしょう。
どんな言葉をかけるのが正解なのか分かず、カガリは小さく震えるキラの手を握るだけに留めました。
手を握られたキラは僅かに驚いた様子でしたが、振り解こうとはしませんでした。
「だからね、カガリには後悔のない選択をして欲しいんだ。
……あんな思いをするのは、僕だけでいい」
(キラ……)
「その薬をどう使うかはカガリの自由だよ。どんな選択をしても、僕はカガリの味方だから…それじゃあ、頑張ってね」
最後にそう言って、キラは海へと帰って行きました。 - 125二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 16:14:29
フレイとの悲恋、ここでも経験していたか
- 126二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 18:12:46
(なんか気付いたらキラがお労しい過去持ちになってしまった…キラが好きになった人間の女の子はお察しの通りフレイです)
キラが帰って1人きりになった海岸で、カガリは空に浮かぶ月を眺めていました。
(後悔のない選択、か……)
月明かりにそっと小瓶を翳すと、瓶の中の薬が月の淡い光を反射してキラキラと輝きます。
(キラはああ言っていたが、私はきっと、どんな選択をしても後悔してしまうだろうな……アスランに嘘をついていた事実がある以上、必ずどこかで悔いが生まれる)
(それでも、その中で一番後悔の少ない方法を選ぶとしたら……私の、選ぶべき道は──)
ギュッと、カガリは手の中の瓶を握りしめます。
その目には、もう涙も迷いもありませんでした。
それからお見合いの日までの7日間、カガリはdice1d2=1 (1)
1.できる限り普段通りにアスランと接しました。
2.アスランの前から姿を消しました。
- 127二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 18:32:08
スパコでも魔法使いでも初恋は実らないのか…
カガリはどちらに転んでも筋だけは通したがるよな
お願いだからアスラン錯ランしないでくれよ - 128二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 20:41:43
カガリは、できる限り以前と変わらないよう意識しながらアスランと接しました。
普段通りに……あの日のアスランとのやり取りなんて、なかったかのように。
アスランの方はあの時の事の話をしたがっていたようですが、カガリが意識して触れないようにしている事を察して踏み込めずにいました。
お見合いの準備で忙しく、あまりカガリとの時間を作れなかったのも要因の一つかもしれません。
そしてあれよあれよという間にお見合いの日がやって来ました。
お城にやって来た第二王女のミーアは外見こそ第一王女のラクスによく似ていましたが雰囲気は全く異り、喜怒哀楽のハッキリした明るくエネルギッシュな少女でした。
よく話し、アスランにも積極的に話を振り、コロコロと表情を変えながらお見合いを全力で楽しんでいる様子でした。
対するアスランはdice1d100=100 (100) といった様子です。
(1に近いほどカガリの事で頭がいっぱい、100に近いほど仕事のようなものと割り切り真摯に対応)
あのアスランですらたじろがせる勢いと押しの強さを持つ彼女は、ある意味で大物と言ってもいいでしょう。
そんな2人の様子を遠くから眺めていたカガリは、やがて踵を返してその場を立ち去ります。
歩くたびにズキズキと痛む足が、タイムリミットを切実に訴えていました。
そしてお見合いを終えたアスランがカガリの使っている部屋を訪れると、そこにカガリの姿はなく、代わりに『あの時の沿岸で待ってる』書かれたメモ帳が机の上に置いてありました。
- 129二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 20:46:42
こういう時に100出すかぁ
- 130二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 20:50:54
重要度は低いとはいえ国同士の事だしアスランは真面目にやるよね
それでも1ミリも心は動かなかっただろうという信頼がある - 131二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:45:05
嘘ばっかりな自分と天真爛漫で喜怒哀楽がよくわかって全部本当のミーアだもんな
アスランはそういう真面目な男だし仕事だと思っての対応だとしてもカガリからしてみたら辛いよな - 132二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:56:47
部屋にあった書き置きを見るなり、アスランは着替えることもせずに城を飛び出しました。
城から沿岸まではそれなりに距離が離れていましたが、そんな事はお構いなしに全力で走って沿岸へと向かいます。
そして2人が出会った沿岸へと辿り着くと、アスランは乱れた息を整える暇すら惜しいとばかりに声の限り叫びました。
「ッカガリ!!いるんだろう!?」
そう叫んで素早く周囲を見渡すも、見慣れた姿は見当たらず、物音一つしません。
息を切らしたアスランの呼吸音だけが虚しく聞こえる中、しかしそれでもめげずに再度声を上げようとした時──
「アスラン!!」
耳馴染みのない、けれど確かに聞き覚えのある声がアスランの鼓膜を揺らしました。 - 133二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:01:25
声が…
人魚なのか、人間になるのかカガリはどちらを選ぶんだろう
2人で幸せになって欲しいな〜 - 134二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:39:49
「!!」
ほとんど反射的に声のした方へ顔を向けると、カガリが波打ち際にある岩に腰掛け、アスランに背を向ける形でそこにいました。
しかし、どういうわけか岩と岩の合間のような場所に身を隠すようにしているため、アスランのいる場所からはカガリの上半身部分しか見えません。
その事に言いようのない不安感を覚え、思わず近寄ろうとしたアスランですが、それを察知したらしいカガリに「動くな!」と言われて咄嗟に足を止めます。
「勝手で悪いが…どうかそこから動かずに、そのまま聞いて欲しい」
「カガリ…お前、声が……」
「そこも含めてちゃんと話すから。だから……私の話を聞いてくれないか?」
「………分かった」
アスランがしっかりと頷くと、カガリが小さく笑った気配がしました。 - 135二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:40:15
「単刀直入に言うと、私はお前に謝らないといけない事が沢山ある」
「謝る…?一体何の事だ?」
「まずは声の事だな。アスランは私の声が出なくなったのは海で溺れたショックだと思っていたみたいだが、本当は違う。お前と会う少し前にある薬を飲んで、その副作用で声が出なくなっていただけなんだ」
「!?」
「私はちゃんとそれを分かっていた。なのにアスランが優しいのをいい事に付け込んで…アスランと一緒にいる為の口実として利用していたんだ。本当にごめん」
「それは…」
「まだあるんだ。あの嵐の日、アスランは溺れている私を助けようとして海に落ちたけど…そもそもあの時、私は溺れてなんかいなかった」
「っ、ちょっと待て!あの時の海は嵐で大荒れだったんだぞ!?なのにあの状態で溺れてないなんてそんなわけ──」
「それは、これを見てくれたら分かると思う。私がお前につきつづけた一番の嘘であり、一番の秘密……」
「!!」
そう言って、カガリは岩陰から身を乗り出し、アスランの前に全身を現しました。
瞬間、アスランの目が驚愕によって見開かれます。何故なら──
「その、姿は…」
「驚くよな。私は本当は人間じゃない…人魚なんだ。
アスランとは、種族も住む世界も……何もかも違う、全く別の生き物なんだよ」
そう言って泣きそうな顔をしながら笑うカガリの下半身に足はなく、代わりに魚の尾が生えていました。 - 136二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:53:15
これでカガリの嘘はなくなったからあとはアスランがどう出るかと嘘がなくなった上でカガリがどう考えてるかだよな
- 137二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:07:14
カガリからしたら最初から責任なんて取る必要なかったって認識だもんな
でも互いの気持ちが繋がってることが分かってるアスランなら…!諦めの悪いアスランなら…! - 138二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:08:45
カガリからすればアスランとあえるだけでよかったし
責任取る必要なかったのに
自分のわがままと嘘に今まで巻き込んでたって認識だろうしな・・・
諦めが悪いアスランがどうでるのか・・・ - 139二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:10:15
このお伽噺を元ネタから逸脱させたアスラン
お前は絶対に諦めないと信じてるぞ
なんなら海まで追いかけても驚かない - 140二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:49:27
「……今まで黙っててごめん。本当は、もっと早く打ち明けるべきだって分かってたのに……」
そう言ってカガリは申し訳なさそうに目を逸らします。
対するアスランは、衝撃から抜け出せないまま僅か声を震わせながら静かに問いかけました。
「…もう、人間の姿にはなれないのか?」
「……私も最初はそう思ってた。だからあの時逃げたんだ。いずれ離れる事になるのに、未来の約束なんて出来ないと思ったから……でも、」
そこで一旦言葉を区切り、カガリはそっと忍ばせていた小瓶を取り出しました。
「それは…?」
「海に住む魔法使いがくれたんだ。これを飲めば、私は完全に人間になれるらしい。前と違って、声も問題なく出せると言っていた」
「…その魔法使いは、信用していい相手なのか?」
「アイツは優しいから大丈夫だ。人を傷つけるような嘘は絶対につかない……私と違って、な」
「……」
自虐的な笑みを浮かべるカガリに、アスランは何も言いません。
ここで否定しても、カガリは絶対に聞き入れないと分かっていたからです。
「本当は、黙ってこの薬を飲んで何食わぬ顔でアスランの隣に居続ける事もやろうと思えば出来たんだ。でも、嘘を吐き続けたままお前の隣にいるのは、絶対に嫌だった」
「…………」
「最低な事をしたって自覚はある。ずっと嘘をついて、騙し続けて……本当なら、私みたいな卑怯な奴はお前の隣にいるべきじゃないって分かってる」
震える手で小瓶を握りしめ、カガリは意を決してずっとアスランに言おうと思っていた言葉を言いました。
「私の事が許せなかったり軽蔑したなら正直に言ってくれ。そうしたら今すぐにこの薬を捨てて私は海の世界に帰って、もう二度とアスランの前に姿を見せないと約束する。
でも……もし、許してくれるなら……こんな私でも構わないと、そう思ってくれるなら……私はお前の、アスランの手を取りたい!ずっと一緒にいたい!どうか私と…一緒に生きてください!!」 - 141二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:49:55
そう一息に叫んで、カガリはアスランに向かって頭を下げます。
アスランの顔を見るのが怖くて、カガリは頭を下げたままきつく目を閉じて、まるで死刑宣告を待つ大罪人のような気持ちでアスランの返事を待ちました。
暫しの沈黙……それは数秒だったかもしれないし、数分、もしくは数十分だったかもしれません。
長い長い沈黙の後、アスランは…dice1d2=1 (1)
1.無言でカガリに近付き、そのまま強く抱きしめました
2.「ふざけるな!」と怒りを露わにして怒鳴りました
- 142二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:57:10
再開時の初手から海岸にいたのが海で助けようとし女の子と同一人物だと気がつき童話キャンセルしたアスランだ面構えが違う
- 143二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:58:02
よくやった!
流石アスラン - 144二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:58:41
さすがカガリ限定で執念が段違いな男だ・・・
- 145二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 02:05:50
2だった場合でも、「俺はそんな薬なんかなくても君を愛せる、バカにするな」的な怒りだったんだろうなあ
- 146二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 10:06:44
カガリ限定執着激強童話キャンセルアスランの魅せ所だ
- 147二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 19:28:26
保守
- 148二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 20:10:51
「っ、アス…」
「馬鹿だな、カガリは。本当に馬鹿だ」
「んなっ!?」
それなりに罵声を浴びる覚悟はしていましたが、実際にアスランの口から出てきた罵倒はカガリの想像していたよりもずっとチープかつ幼稚なもので、思わず面食らってしまいます。
「お、お前なあ、もっと他に言い方とか──」
「カガリが何か隠し事をしている事には、ずっと前から気付いていた」
「!?」
「お前は割と顔に出やすいからな。何かを隠していて、それに後ろめたさを感じている事くらいすぐに分かったよ。
…まあ、流石に内容までは予測できなかったがな」
「だったら…」
「だが、俺はそれでも構わなかった!」
そう叫んで、アスラン改めてカガリを掻き抱きます。
抱き締める力はとても強くて苦しいほどなのに、カガリは全く嫌だとは感じませんでした。
「どんなに嘘をついていようが、言えない秘密を抱えていようが、君が……カガリが俺の隣で笑っていてくれるなら、それだけで良かったんだ」 - 149二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 20:52:01
流石アスラン・ザラ!情熱的だな!
カガリにはアスランが必要で、アスランにもカガリが必要なんだな
その関係にたどり着くの爆速過ぎるけども - 150二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 20:52:31
「……カガリは、自分は嘘をつき続けていたと、そう言ったな」
「…ああ、そうだ」
「なら幾つか質問させてもらうぞ」
そう言うと、アスランは懐からメモ帳を取り出してカガリに見せます。
それは、カガリが書き置きとして部屋に置いていった、彼女の愛用のメモ帳でした。
「俺がこれを贈った時、カガリは凄く喜んでいたように見えたが……あれも演技だったのか?」
「っ違う!本当に嬉しかった!だからずっと持ち歩いていたんじゃないか!」
「そうか。じゃあ、一緒に庭園を散歩した時に木や花を見てはしゃいでいたのは?」
「そ、れは…海の世界では見た事ないものばかりだったから、珍しくてつい…」
「なら、街へ買い物に行った時に楽しそうに笑っていたのは?」
「……だって、アスランが、はぐれないようにって、ずっと手を繋いでくれていたから……それで浮かれて……」
カガリの声はどんどん小さくなり、最後の方は蚊の鳴くような声になっていましたが、それでもアスランにはちゃんと聞こえていたようで「そうか」と短く答え、満足そうに頷きました。
「なら何も問題ないな」
「は?」
「俺が贈った手帳を大事にして、初めて見るものに子供みたいに目を輝かせて、笑っている人を見て自分も嬉しそうに笑って……俺が好きになったのは、そんなカガリだから」
不意にアスランは抱き締めていた身体を放し、涙の跡の残るカガリの目尻を親指で優しく撫でます。
その手つきと自分を見つめる目から「愛おしい」という感情がありありと伝わってきて、カガリは息をするのも忘れてアスランに魅入ってしまいました。
「それが嘘じゃない、本当のカガリの心なら…俺がカガリを拒む理由なんて、あるわけないだろう?」 - 151二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:06:48
………ところで、カガリ」
「……え?」
「先週俺が言った事、覚えているか?お見合いが終わったら、大事な話があると」
「ぁ…」
カガリの目尻を撫でていた指が離れ、その手はカガリの何も握っていない手…左手をそっと取り、アスランは恭しく片膝をつきました。
「流石にもう言わなくても伝わっているとは思うが……せっかくこうして言葉を交わす事が出来るようになったんだ。言わないと勿体無い」
そう言ってアスランは照れくさそうに笑い、大きく深呼吸をすると──まっすぐにカガリの目を見つめて伝えました。
「カガリ、君を愛している。俺と結婚してください」
その言葉を聞いた瞬間、カガリは飛びかかるような勢いでアスランに抱きつきます。
突然抱きついてきたカガリをどうにか抱き留めたアスランに、カガリは目に涙を浮かべながら目一杯の笑顔で答えました。
「…っ、こんな私でよければ、喜んで!」 - 152二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:28:08
よかった!!!最初原作通りにすすみまくるからどうなるかなと思ってたんだけどハッピーな結末に辿り着いてよかった!
- 153二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:34:47
ハッピーエンドでよかったー
そういえば人間になる薬もう一回飲むなら
またセクシーな恰好になるんかな - 154二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:35:39
ハピエンありがとうーー!
- 155二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:39:32
おめでとう🎉
- 156二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:39:41
やったーハッピーエンドだー!
流石アスラン、カガリとの未来を必ず勝ち取る男! - 157二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:40:08
えんだあああああああ
- 158二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:41:07
ダイスが神がかっていた
- 159二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:55:33
夕暮れの沿岸で、アスランとカガリは2人並んで砂浜に腰を下ろしていました。
「……じゃあ、い、いくぞ」
「ああ」
カガリの手にはコルク栓の抜かれた小瓶が握られていて、2人は緊張した面持ちで薬を見つめていました。
「うぅ…」
「カガリ、大丈夫だ。もし失敗しても、俺はカガリの側にいると誓おう」
「馬鹿!失敗とか縁起でもないこと言うな!」
「す、すまない…」
一度心を落ち着かせるために、カガリは深呼吸をしました。
前に薬を飲んだ時は何の躊躇いもなく飲めたのに、何故今回はこんなにも緊張するのか。
(……やっぱり、失いたくないものが増えたから、なのか?)
チラリと隣に座るアスランを盗み見ると、怪訝そうな表情をされたので慌てて視線を小瓶に戻します。
(大丈夫、さっきアスランも言っていたじゃないか。どうなっても側にいてくれると…なら、何も怖がる必要なんてない)
覚悟を決め、カガリは瓶に口をつけて一気に中身を煽りました。
薬が喉を通った瞬間、カガリの全身が眩く光り輝き、カガリとアスランは堪らず目を閉じてしまいます。
以前感じた灼けつくような痛みは、微塵も感じませんでした。 - 160二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:55:59
やがて光が落ち着き、カガリが恐る恐る目を開けると……
「あ……!」
カガリの下半身は、以前のようにスラリと伸びた人間の足が2本しっかりと付いていました。
それと同時に声も問題なく出る事に気付いて、カガリの目に再び涙が浮かびます。
正真正銘、カガリは人間になれたのです!
「っアスラン!」
「カガリ!」
感極まってアスランに抱きつくと、アスランも嬉しそうにカガリを抱きしめました。
夕陽をバックに2人は見つめ合い、そして──
dice1d3=3 (3)
1.吸い寄せられるようにキスをしました。
2.もう二度と離さないとひしと抱き合いました。
3.このあと滅茶苦茶ロマンティクスしました。
- 161二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:57:09
ダイス神んんんんんんん
ありがとう!!!! ごめんめちゃくちゃ笑っちゃった!!!!! ありがとう!!!
2人は幸せなロマンティクスで終了!!!! - 162二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:57:59
最後の最後でwwwww
幸せになってね - 163二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:58:02
キララクじゃなくてアスカガが浜辺でロマンティクスしててわろた
でも、アスカガが幸せならそれでオッケーです! - 164二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:58:16
- 165二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:58:37
砂浜ロマンティクスオチは草
- 166二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:00:20
これよいこのおとぎばなしかなあ!?!
……よいこはロマンティクスの意味わかんないからいっかヨシッ(よいこはお父さんお母さんにロマンティクスってなーにーとか聞いちゃダメだぞっ!) - 167二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:00:52
🎲<フフフ…ロマンティックス!!!!!!
- 168二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:01:51
スレ主さんお疲れ様でしたー!
いや本当最後の最後で🎲ってなったわwww
でも、童話ってもともとの原文は良い子とは何かと問いたくなるぐらいエロ方面だったりグロ方面だったりに振り切ってたりするから…… - 169二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:02:19
そういや全裸でアスランに発見されて大慌てなってたのが
最後裸で終わるのかこれww - 170二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:02:48
ハピエンで良かった~~
その後も気になるけど、声出せなかった3ヶ月の間のアスカガいちゃいちゃも気になります!!! - 171二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:09:47
お付き合い頂きありがとうございました!
一番最初のダイスでカガリが出たら真面目路線、アスランが出たらトンチキ路線と決めてたんですが真面目なお話は難しいね!一応アスラン主人公ルートも色々ネタは練ってたんですけどね…
ちなみにカガリが秘密を暴露した時にアスランがキレていた場合、アスランが覚醒して「人魚だろうか関係ない!俺はカガリが好きだ!」とカガリから薬奪い取って海にぶん投げて人魚のままアスランと結ばれるルートになってました。カガリのために作った薬を海にポイ捨てされて多分キラは静かにキレてる。
あとなんかお労しい過去を生やしてしまったキラですが、過去の自分と重ねてたカガリがアスランと結ばれて幸せになった事でキラも少し救われて、これからは前を向けるのかなと思います。もしかしたら隣国のラクス王女と大恋愛する未来もあるかもしれない。
次のネタとかなんも決めてないですが、もし何か思いついたらまたスレ立てするかもなので、その時はまたよろしくお願いします〜 - 172二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:15:27
スレ主さんの文好きだ今回もお疲れ様でした
アスラン版人魚姫?人魚王子?もめちゃくちゃ気になる草
次回も楽しみにしてます~ - 173二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:18:31
すっかり頭から抜け落ちてたけどアスラン人魚の可能性もあったんだよね
パトリックパパが海の王様なトンチキ時空か
今回の🎲結果がお労しいキラにとっても一番前を向けるエンドだったっんだなぁ
スレ主さんの次回作をゆるりと楽しみにしてます〜 - 174二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:39:07
お疲れ様でした〜
アスラン人魚バージョンも見てみたい - 175二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:39:53
関係無いけどスレ主の他のスレも読んでみたいので、
差し支えなかったら教えて欲しい - 176二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:53:52
ハッピーエンドおめでとう!スレ主乙でした
海の王のお父様たち家族にちゃんと挨拶するんやで - 177二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:58:36
完結おめでとう
いい話だった - 178二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:02:51
スレ主さん素敵なお伽話をありがとうございました!
ハッピーエンドでよかった - 179二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:07:49
人魚エンドならロマンティクスは難しいのでよかったねアスランの気持ち
- 180二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:14:51
SEEDでのよいこのおとぎばなしシリーズは今の所人魚姫と3匹の子豚だけですね
🎲よいこのSEEDおとぎ話『3匹の子豚』|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところに3匹の子豚の兄弟がいました。長男はキラ、次男はアスラン、そして末っ子はシンという名前です。ある日、三兄弟はそれぞれ自分の家を建てて暮らす事になりました。理由はdice1d3…bbs.animanch.com水星では色々書きましたが、今回みたいにCP色が強いのはミオシャディシンデレラくらいかな?どっちにしろ今回みたいな真面目路線のお話は皆無なので期待に添えるかは分かりませんが…(このスレの最初に過去スレ一覧貼ってます)
🎲よいこの水星おとぎ話『オズの魔法使い』|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 181二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:19:53
- 182二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:21:15
預言者だな
- 183二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:23:27
まさかの最後の最後で砂浜ロマンティクスするアスカガで草生えた
これは国王夫妻がお孫ちゃんのお顔を見られる日も近い文句無しの大団円ですね!!!!
童話キャンセルアスラン楽しかったです、ありがとうございました! - 184二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:44:02
水星のブレーメンのスレカオスですごく好きでした…!
SEEDでも書いて下さって嬉しい
新作もいつでもお待ちしてます…! - 185二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 08:51:52
お疲れさまでした、キラとラクス編もよろしければ頑張ってください。