閲注 ペパーハーレム 

  • 124/05/23(木) 18:03:16

    「・・・もう・・・よくない?」

    テーブルシティ・アカデミーの学生寮、ボタンの部屋に集まった三人の少女。アオイ、ネモ、ボタンの仲良しグループでの集まりでのアオイの一言であった。

    その日彼女ら三人はパジャマパーティーと称して男子禁制の秘密の花宴を催していた。両手両足の指を三人分合わせても足りないほどに開催されてきた乙女の饗宴だが、女三人よれば何とやらの法則に漏れず話し声は自然と賑わっていく。

    助け合い、ときには喧嘩もし、笑い合い、苦難を分かち合ってきた少女たちが、満を辞して話題に選ぶもの、それは・・・

    恋バナ(猥談)

    であった。

  • 224/05/23(木) 18:03:54

    「この間、ペパーとピクニックに行ったんだけどさ・・・」
    切り出したのはアオイ。トップバッターである彼女の話す内容がそのままこの後の話のハードルへと変じることになる。当然そこはかとない緊張が3人に走るも、戦巧者であるエリートトレーナーたちはそれを顔に出すほど浅薄ではない。

    「二人乗りでペパーを後ろにしたんだけど、腰をこう・・・ぎゅっと・・・」
    刹那、アオイの脳裏によぎる一抹の不安。焦燥を完璧に隠しつつネモとボタンの顔を確認する。年頃の乙女が男子に腰を掴まれたなどそれだけで一大事である。数学教諭のタイムがこの場に居たならば、反省文モノの事件。

    しかし、幸いネモもボタンもこの程度で動じるほど初心ではなかったようであったし、タイムもまたこの場には居なかったため、アオイの言をとがめる者はいない。

    「知ってる?腰ってさ・・・ペパ・・・男子に掴まれると・・・ね?」

    “自分はその甘い痺れを知っているぞ”とでも言わんばかりの表情。少女からの宣戦布告のような響きを帯びて三人の少女たちの恋バナは始まるのであった。

  • 324/05/23(木) 18:04:33

    「あ、そういえば、私も・・・」
    アオイの話はまだ続きがありそうな雰囲気であったが、ネモはアオイの追撃を許さず、自らの話を始めることでフィールド作りを始めた。アオイに話の主導権を握らせ続けるのは猥談のハードル設定権をアオイ独りに委ねるということであり、ネモはそれを封じることに成功したのである。バトルの天才は猥談においても天才であった。

    「この前ペパ・・・男子と一緒に料理したんだけどさ・・・」

    “男子と一緒に料理”

    圧倒的な破壊力を持ったシチュエーションを提示してきた若き天才チャンピオン。古今東西、強力な技というのは命中率が低いものである。当然使いどころの見極めが重視される。その点、ネモは話始めというこのタイミングで乙女の妄想を掻き立てる単語を的確に効かせてきた。

  • 424/05/23(木) 18:05:01

    「こう・・・包丁持つときに・・・ね?・・・こう・・・」
    「腕まくり?」
    「そう!それ!さすがボタン!その・・・腕まくりしたところとか・・・」

    あえて最後まで言い切らないことによる想像の余地の増加。ネモが計算してのことではないが、アオイとボタンの脳内には男子の筋肉質な腕にほんのりと浮かぶ血管がたくましく立ち現れている。

    アオイは手持ちを部屋に置いてきているが、もし相棒のねこまる(マスカーニャ♂)が居たらニヤニヤと横目でからかって来ているだろう。それほどに紅潮した頬であった。

    バトルに夢中でこの手の話に免疫などないと思われたネモから繰り出された王道的フェティシズムという慮外の一手によりアオイが設定した猥談ハードルは再度振り出しに戻されることになった。

  • 524/05/23(木) 18:05:33

    話の順番でいえば次はボタンの番である。それはつまりボタンが話す猥談のレベルによってどこまでが許容されるラインなのかが決まるということでもある。一種の緊張感が漂う室内。女子の甘やかな匂いと彼女らに供されたお菓子や紅茶の香りが、部屋の空気をどこかピンク色に色づけていく。

    「つぎはボタンの番だよ」
    「真打ち登場だね」
    「やめろし///」

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 18:06:01

    猥談のレベルがかわいい

  • 724/05/23(木) 18:06:32

    茶化しているような態度の二人であったが、その実、内心では鼓動の高鳴りを抑えることができずにいた。なにしろ今からこの場のトークを始めようとしているのは天才ハッカーであり、天才クラッカーでもあり、学園のアウトローの元締めでもあり、自他ともに認めるオタク女子のボタンなのである。

    バトルに捕獲に冒険にと、屋外を動き回っていた自分たちとは性知識の面で圧倒的に上を言っている。言うなれば、ネモやアオイの性知識が最終進化形態になったばかりのポケモンだとしたら、ボタンのそれは本気のジムリーダーや四天王に匹敵するレベルのものである。

    そのボタンの口からどんな猥談が出てくるのか。少女たちは瞬きも忘れて言を待つ。

    「・・・・・・・いま、二人が座ってるそのベッドにさ・・・・・ペパ・・・昨日男子が座ってた・・・って言ったら、どう思う?」

    まさかの疑問形。

  • 824/05/23(木) 18:06:53

    本来場を取り仕切るはずの語り手の口から出されたのはエピソードではなく、こちらの意思を伺う質問であった。しかも自分が座っている場所はベッド。女子の部屋のベッドに男子が座るといえばそのシチュエーションは・・・。実際は文字通りただ座っただけであり、ただれたやり取りなどなかったのだが、その事実はボタンの質問の本質ではない。

    質問の意図を理解して瞬時にゆでだこのように赤くなるネモとアオイ。きわめて短い一言の質問でネモとアオイの両名をノックアウトしてしまったボタン。その様はまるでダブルバトルでの範囲攻撃で二体同時撃破を成すようなものであった。

    ここでアオイの口から冒頭の一言が漏れ出す。

    「・・・もう・・・よくない?」

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 18:18:44

    ボタンが猥談の玄人みたいで草

  • 10二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 18:30:33

    このレスは削除されています

  • 1124/05/23(木) 18:30:52

    ネモとボタンは、いったんもの言わずアオイの話の続きを待った。
    「もう・・・いいじゃん。私たち、水面下でいろいろ頑張ったけどさ・・・もう言っちゃおうよ」

    ネモもボタンもアオイが何を言いたいのか、もうすでに分かっていた。
    「ペパー・・・だよね?二人とも・・・」

    「なんか最初は私も誰が勝っても恨みっこ無しみたいな気持ちだったよ?でもさ、やっぱり二人とも一緒に居たいし・・・」
    「アオイ・・・」
    内心の澱を吐露するアオイに対し、心配するような顔を向けるネモとボタン。

    「そもそも私たち3人でアプローチしてるのにペパー全然気づいてないよね」
    「うん」
    「それな」

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 18:59:18

    主の文体をどこかで読んだ気がする

  • 1324/05/23(木) 19:02:52

    「普通女子の腰ず~っと掴んでたら何か変な雰囲気とか出るでしょ?無いんだよね」
    「うわ~、ペパーひどいな~!」
    「引くわ~」

    「でね、わたし考えたんだ。もういっそペパーをシェアできないかなって」
    「えっ!?」
    「シ、シェア!?」

    狼狽するボタンだったが、彼女の脳は実に明晰に情報を分析し始めていた。
    (正直、アオイとペパーがいい感じになるんだったら身を引く覚悟だったけど、これはアオイとの友情を守りつつペパーも手に入るチャンス?)

    考え込むボタンに比べ、ネモはあくまで常識的に驚いた表情のままである。
    「だ、ダメだよ!そんなの!だって・・・そんな・・・」

    「ネモ」以外にもアオイより早くボタンの方から説得が飛んできた。
    ボタンはスマホロトムをネモに見せつつ、ある言葉を検索して見せた。

  • 1424/05/23(木) 19:03:15

    「ポリアモリー・・・?」
    「そ。要するにみんな仲良くしてれば何も問題ないってワケ」

    「で、でも・・・」
    「ネモ」今度はアオイの方からの説得である。

    「想像してみて。わたしを含めて3人もエリートトレーナーが一緒に居ることになるんだよ?・・・・・・・バトル・・・・し放題だと思わない?」

    「」
    刹那ネモの脳裏に浮かぶ映像。
    (ねえねえ!朝のバトルしようよネモ!あっ、ズルいちゃんだぜ、今日は俺とバトルのはずだよなネモ!二人が話してる間に抜け駆けバトルせん?あっこらボタン!ネモとバトルするのは俺だ、わたしだよ!)
    (も~、しょうがないな~、朝だし時間ないんだからひとり十戦、いや二十戦だけだよ~?残りは帰ってからね?)

    「・・・・・・・・・・いい・・・・・・・すごくいい」
    「でしょ?」

  • 1524/05/23(木) 19:03:45

    「それじゃあ改めて、ペパー捕獲同盟結成ってことで・・・よろしくね!」
    「なんか照れるね、バトルする?」
    「なんでそうなるし・・・まあよろしく」

    アカデミーの学生寮の一室で、今後数十年にわたって密に交流することになる組織ペパー団が結成されたのであった。

    「それじゃ、とりあえず何する?てかナニする?」ボタンがマグカップに冷たいココアを注ぎながら二人に問う。
    「まずは作戦会議だよね」とアオイ。
    「やっぱり相手を調べることから?」とネモ。

    「んじゃ、ペパーのスマホロトムの検索履歴とか見てみる?性癖とかわかるかもしれんし」
    「い、いやそれはさすがにプライバシーが・・・いや、でも・・・・」
    「そ、そうだよボタン!いくらなんでも・・・・・なんでも・・・・・」

  • 1624/05/23(木) 19:04:42

    >>12

    ビクッ

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:05:40

    ペパーは可愛いからな、当然の流れだ

  • 1824/05/23(木) 19:06:21

    「なんか勘違いしてるかもだけど・・・ウチは理事長からパルデアのネットセキュリティ対策を任されてるんよ。だから定期的(ほぼ毎日)にネットパトロールして危ないことしようとしてないか確認してる。その一環で、ランダムで情報吸い上げるプログラム走らせてるけど、”たまたま”知り合いの端末の情報が吸い上げられてしまっても・・・・・ウチのせいじゃないよね?文句は理事長に言うべきだよね?」
    (ボタンの後ろにアオキさんの影が見える・・・)
    (ボタンを怒らせるのは絶対にやめよ・・・・これお父様の会社の人に伝えた方がいいのかな)

    賢明な皆々方ならご存じだろうが、乙女の好奇心など言ってられない完全なアウトであり、オモダカが知れば尋常ならざる恐怖を味わうことになるが、ボタンは隠蔽のプロである。思春期の女子の恋心を止めることなどできはしない。ちなみにこの事実がペパーに発覚し彼の前での自分のスマホロトム検索履歴を読み上げの刑を受け、三人とも至上の羞恥を味わうことになるが、それは別のお話。

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:08:31

    ○○ちんの人かな
    ワクテカ

  • 2024/05/23(木) 19:19:06

    「えっと、どれどれ・・・・”マフィティフ 好物”、”サンドイッチ アレンジ”、”ジムチャレンジ ナンジャモ”、”カジッチュ どこ”・・・・いや、真面目か!」
    「なんか罪悪感が・・・」
    「悪いことしてるみたい・・・・後でバトルに誘わなきゃ」

    「しょうがないからサジェストで”眼鏡女子 低身長”が出るようにしとこ。」
    「あっズルい!・・・・・年下女子も追加で・・・・」
    「二人とも良くないよ!・・・・・・バトルと・・・・褐色女子もいける?」

    「よしきた」

    三人の少女たちの作戦は至ってシンプルなものであった。
    彼女らは日ごろのアピールをものともしない朴念仁に業を煮やし、多少強硬な手段に出ることにしたのだが、その手段というのは、ペパーのスマホロトムの端末に侵入し検索サジェストに工作を加えることで、性癖を自らに都合がいいように捻じ曲げようというものであった。

    しかし、この行いによって彼女らはより大きな壁が立ちはだかっていることを知る。

  • 2124/05/23(木) 19:19:37

    「あ!」
    突如、大声を出すボタン。普段の物憂げな雰囲気からは想像しにくい以外にも高い声。アオイとネモは一大事の気配を察知する。

    ボタンはペパーの性癖をより深く理解すべく、彼の関心のありそうな単語を調べていた。そこで見つけた恐怖の一語。それはネモとアオイにとっても如何ともしがたいものであった。

    「こ、これ・・・」
    震えながら振り返って二人を見るボタン、その人差し指が示す一言とは

    「「「き、”巨乳 包容力”・・・」」」

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:20:25

    まあ、年齢的には自然だよね・・・母性に飢えてるのも・・・・

  • 2324/05/23(木) 19:20:53

    人はあらゆる困難に打ち勝つことができる。それを彼女らは知っている。敵が強大ならば鍛えればいい。敵が悪辣なら知恵を巡らせればいい。敵が膨大なら団結すればいい。彼女らはそうやっていくつもの”理不尽な暴”を乗り越えてきた。しかし、人知を尽くしても決して超え得ぬ障壁がある。それは・・・

    「欠乏の暴」である。

  • 2424/05/23(木) 19:21:22

    “無い”ということを根性で乗り越えることなどできない。同様に自らの胸部を突然豊かに実らせることなどできるはずもない。もちろん彼女らはまだまだ若い、というよりはもはや幼いとすら言える。今もなお発展途上にいるのであり、絶望するには20年ほど早いのだが、それを自覚するには文字通り若すぎた。

    ネモは深く悔いていた。幾度となく口にしてきた「実れ」という言葉が、まさか呪いを帯びて自らへと帰ってくるとは思いをしなかったのである。
    少女たちは立ち上がった。そのささやかな胸の内には理不尽な怒りと無意味な焦りがない交ぜになっている。

    その怒りの矛先は持つ者たち、つまりセルクルタウン・ジムリーダーのカエデへと向かっていた。しかし、ネモとアオイは考え込む。

  • 2524/05/23(木) 19:21:52

    「カエデさんが強敵か~」
    「だね・・・バトルする?」

    「いきなりどしたん?」と問うボタン。

    「いやさ・・・」と語り始めるアオイ。
    「カエデさんってジムリーダーとして会うんだったら優しくて素敵なお姉さんなんだけど・・・」
    アオイは言葉を濁す。その先を紡いだのはネモであった。
    「うん・・・なんていうか、敵としては会いたくないっていうか、なんか怖いっていうか・・・トレーナーとしてバトルするなら喜んで受けてくれるだろうけど・・・」

    二人の若きチャンプはカエデが心の奥底に秘めている好戦性を肌感覚で感じ取っていたのである。ペパーを射止めるにはカエデを倒さなくてはならない。そんな考えが彼女らを支配していた。

  • 2624/05/23(木) 19:22:41

    余談ではあるが、カエデには何の非もなく、ましてやペパーの好意を得るのにカエデを倒す必要性など全くないことは強調しておきたい。思春期の乙女たちが恋バナと猥談を重ねた上にお菓子とジュースと深夜のテンションで暴走しているのだが、これもまた青春の一ページであろう。

    深夜の高揚感とは魔物である。その魔物は少女たちの理性を蕩かし判断力をぼやけさせる。その結果、彼女らは極大の愚をおかすことを決定してしまった。

    女子力勝負と称してカエデを相手に料理勝負を挑むという愚を・・・。

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:23:43

    おおさじも分からないのに!

  • 28二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:11:27

    全裸スレの人?

  • 2924/05/23(木) 20:23:10

    >>28

    チガウヨ

  • 3024/05/23(木) 20:24:11

    翌日、ほとんど徹夜でおかしなテンションになっている少女たちに半強制的に連れていかれるペパー。コライドンに座らされ、もはや山賊もかくやといったいでたちである。
    アポもなしに現れた少女たちをカエデはにこやかに迎えてくれた。

    パティスリームクロジのお昼休みを利用して彼女らの話に付き合ってくれるという。大人の女性の余裕はペパーを魅惑し、かつ少女たちのなけなしのプライドを刺激する。

    「ウチはお湯沸かす、ケーキってお湯使うよね?」
    「おおさじって人によって違くない?」
    「ケーキの上の具が消えた」

  • 3124/05/23(木) 20:28:43

    シンプルなデコレーションケーキを作ってペパーに振舞おうという段階で彼女らにかかった徹夜という名の深夜の魔法は解けてしまった。目の前にあるのは料理人に料理勝負を仕掛け、同じく料理人である意中の男子に品評されるという地獄のみ。

    失礼極まる行為にも拘わらず、カエデは3人の少女たちを温かく見つめていた。彼女もまた若かりし頃、師であるハイダイの下でおおさじの定義に惑い、サンドイッチの物理的躍動に悩んだいた。その頃の記憶を、まぶしい青春の記憶を思い起こしていたのであった。

  • 32二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:31:43

    カエデさん料理できない民説

  • 33二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:43:22

    料理ができないからお菓子に活路を見出したのか…

  • 3424/05/23(木) 21:05:28

    意気消沈して帰って来た女子3人。ペパーはただただ困惑しつつも彼女らをねぎらいサンドイッチを振舞うが、それがまた絶品でいっそう女子勢の心を追い詰めるのであった。

    その日の晩、アオイ、ネモ、ボタンの3人は市内のスパに繰り出して皆で汗を落とし、健闘をたたえ合うこととした。

    大浴場には多少別の客の姿もあったが、ほとんど貸し切りに近い雰囲気があった。女三人で裸の付き合いとなったが、最初に違和感に気づいたのはアオイであった。

    「ネモ・・・・前から思ってたけどさ・・・・・ネモって、結構”ある”よね・・・」
    「えっ」

    「それな。ウチも思ってた」
    「えっ」

    親友の少女の口から飛び出してきたのは、同じく親友でありライバルの少女に対する純度100%のセクハラであったが、この場には守ってくれる手持ちの仲間はいない。

  • 35二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 06:46:44

    気付いてしまったか

  • 3624/05/24(金) 09:04:23

    「服の上からでも分かるくらいはあるよね」

    たじろぐネモに距離を詰めていくボタンとアオイ。浴槽の中でバシャバシャと音を立てて騒ぎ合うが、他に客の姿がないため迷惑にはならない。もし別の客がいたらさすがに彼女らももう少し行儀よく過ごすだろう。

    アオイとボタンはネモを質問攻めにすることにした。ネモの真面目な性格を考えれば適当な言葉を並べてはぐらかすことはしない。ネモの生活習慣を取り入れれば自らもその一端を得ることができるのだろうという確信からの行動であった。

    「秘訣は・・・うーん・・・バトル、かな」

    戦いの高揚が心身に影響を与えることを彼女らは熟知している。
    今でこそネモと並び立つ実力者のアオイだが、その戦歴の長さはネモにはまだまだ及ばない。
    ネモと同等なほどに戦いに身を浸からせれば、豊満なスタイルを手に入れることができるのだろうという確かな手ごたえが感じられたアオイとボタンであった。

  • 3724/05/24(金) 09:10:43

    大浴場にてキャッキャと騒ぐ年頃の少女たち。
    見る者はいないが、もし居たらまるで天女たちの戯れのように感じるのだろう。その実、アオイとボタンはネモの胸部に意識を集中していたのだが、それを責める人物はここにはいない。

    バストアップの秘訣はバトル。

    確かにジムリーダーのカエデはもっとも挑戦者が多いセルクルタウンに配置され、多くの時間をバトルに費やしている武人だが、その豊満な姿は戦いの愉悦によってなされていると考えれば、つじつまは合う。
    バトルに励み、必ずや理想を掴まんという決意を固くするアオイとボタンであったが、直後に浴場に入って来た人物は少女たちの浅薄な希望を打ち砕く様相をしていた。

    「お?なんやなんや、自分ら仲良しやなー!」

  • 38二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 09:13:08

    登場しただけで笑いが取れる女

  • 39二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 09:16:54

    このわけわからん方向に話が飛ぶのガキんちょ感あってかわいい

  • 4024/05/24(金) 09:32:58

    バトルを頑張ったところでバストアップの効果など見込めるはずもない。
    そんな当たり前の真理を実例を持って見せつけられた少女たち3人はスパを後にし、アカデミーの学生寮へと帰っていった。少女たちが去った大浴場ではスレンダーを極めた成人女性がバブルマシンの泡を独り占めしていた。彼女の胸部に揺れるものはない。


    ネモの部屋に集まった少女たちだが、今回は恒例のお菓子パーティも少々静かめである。
    そんな中、アオイがふとつぶやいたのは将来についての至極まっとうな疑問であった。

    それは結婚後の生活資金のことであった。
    現実のところ、アオイはチャンピオンでありいくらでも稼ぎ口がある上、ネモも同じくチャンピオンであるばかりかそもそも資産家の娘でもある。ボタンはリーグに雇われた凄腕のハッカーであり、彼女らの将来にお金の心配はまずない。

    少女たちはすでにペパーを陥落させることを決定事項としており、あとは乙女のプライドとして如何にペパーからのアプローチを引き出すかであったが、少女たちは知恵を出し合い、将来のありもしない不安を払拭するために励むのであった。

  • 4124/05/24(金) 16:42:11

オススメ

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