セリザワ博士の弟子です2【クロス】

  • 11◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/24(金) 18:37:06

    「通してくれ」
    「えっDr.フジミヤ!?しかし貴方は既に退職されて……」
    「ガム研究員から許可は得ている。入らせてもらうぞ」
    「ちょまっ」

    警備員を押し除け、入った研究室はあの日と何も変わってなかった。先生がまだ生きていて、俺達も袂を分かってなかった日々と。

    「……先生、失礼します」

    遺品でもある資料達を手当たり次第鞄に詰め込んでいく。目的は尚も進撃を続けるゴジラへの対策、その進路を見定める為で……最中、ふと恩師の言葉がよぎる。

    ───

    「タイタンは強く偉大だ。彼らによってこの地球は支配され、平定され……そんなこの星に、我々が叡智を持って生まれた理由とは何なのだろうな。なぁ、フジミヤ」

    ───

    「……なんでこんな時にっ」

    たった今、人類の命運はゴジラに左右されている。その脅威を前にして、尚も諦めずに足掻く人々がいる。
    それを目の当たりにして、俺ですら立ち上がらなければと。そう思ったんだ!

    追憶をそうやって振り切り、俺は資料と共に部屋を飛び出した。その折、我が子と共に笑顔を映し込んだ先生の写真が目に入り──それでも、駆けた。


    青は今でも澄んでいる。
    先生と、ガムと、レンとの日々はこの胸に。

    胸ポケットで仄かに瞬く、海の光と同じように。

  • 21◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/24(金) 18:42:57
  • 3二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 18:48:28

    よかった続いてくれた!

  • 4二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 18:56:55

    あらすじェ

  • 5二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 18:59:48

    うお落ちちゃってたのか無念…

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 19:03:47

    ただここの人類もウルトラシリーズ並にたくましくやって欲しい
    人間舐めたらアカンで〜!!メンタルが必要

  • 7二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:08:14

    タイタンには特に顕著な強者に従うっていう自然界の常識に従わないで生きることが出来るっていうのが人類の特権だよな、敗北して死ぬ可能性が極めて高い相手にも諦めずに戦いを挑むことが出来る

  • 8二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:54:47

    保守

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 22:32:30

    常に最適な判断をして合理的に生きる怪獣と時に悪手を踏んで非合理に生きる人類っていうのは面白い対比だな

  • 10二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:53:37

    期待して待ってます!!

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:22:03

    保守

  • 121◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/25(土) 09:26:16

    ───ヒトが動き始めた。我に抗うべく、何か謀りを。そしてそれに、選ばれし者も馳せ参じている。

    「………」

    残念だ。ここまで来ても足掻く道を選ぶか。
    苦難と分かっていてなお不屈、その有様に溜息が出る。
    ………絶望を、叩きつけねばなるまい。
    希望を目の前で焼き潰す、それ以外に方法は無いのだろう。

    『■■■■■──!!!』

    気乗りせぬまま、黒煙の中で我は叫んだ。あの者を呼んだ。
    。  ・・・
    出番だ風見鶏。今一度、忠誠を示してみせよ。

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 10:02:44

    ごますりクソバード・・・強きに従う野生生物の鑑

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 10:57:46

    このレスは削除されています

  • 151◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/25(土) 11:05:40

    破綻は前触れ無く訪れた。
    5時間が経ち、着々と進んでいた講義、作戦立案、ブリーフィング。それを邪魔するように、アラートが地下基地を揺らす。

    「どうした!?」
    「ち、地下より高熱源体が接近!マグマが競り上がって来ます!!」
    「マグマ!?」

    シャイアン山は火山なんかじゃない。にも関わらずマグマって、そんなのタイタンの仕業以外には考えられなかった。
    それも、タイタンの中では最悪に近い類の……!

    「ファイターは!!」

    「麓の飛行場へ移送中!マグマの遡上ルートからはギリギリ逸れていますが、基地本部は直撃コース上ですッ」
    「ここは放棄する!総員退避せよ!!」

    石室さんの指令に従い、僕もまたありったけの資料を掻き集めて走った。緊急エレベーターに乗り込む時には、既に地面が熱を帯びていた。
    地上に出ると同時に、大爆発。熱風に押され、倒れながら振り向けば、威容を誇った大山が火を噴いている。

    その噴煙の中に、影。

    「ラドン……!」
    『△△△△△△───!!!』

    メキシコの火山に眠っていた筈の火の悪魔。アルファタイタンを除けば最強、含めたとしても暫定3位級の実力を誇る獄炎のタイタンがそこにいる。地脈を溶かし、ここまで潜航してきたというのか?

    「もうダメだ…おしまいだァ……」
    「しっかりして下さい!!」

    隣で落石を受けた学者を介助しながら、それでもラドンから目を離すわけにはいかない。彼はすぐには飛び立たず、何かを探すように眼下を見繕っている。

  • 161◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/25(土) 11:19:37

    「ガム!」

    ここで駆け付けてくれたのはフジミヤ。本部ゴジラの資料を持って来てくれた所だっただろうに、こんな事になってしまうなんて……っ。

    「フジミヤ、奴をここから離さなきゃ。多分ファイターを狙って、ここに差し向けられたんだ」
    「アルファコールによる物か……だが恐らく、もう時間の問題だろうな」
    「くぅっ…!」

    飛行場へと固定されたラドンの視線を見て、悔しさに地面を叩いた。後ちょっとだったのに、こんな所で!人類はやはり、タイタンに手も足も出ない──出してはいけないというのか?

    「終わってたまるか…ッ!!」

    そんな事、あって堪るか。出来る事を探せ、無くとも探すんだ!

    「大事な物を、守るんだ……!!!」

    何が大切なのか?地球だけ?環境だけ??人類だけ?……どれでもない。全部守る、その為に僕はここに来た。ウルトラマンの光に選ばれたのが理由なんかじゃない!!
    そう駆け出そうとした拍子に、掴まれた肩。

    「何!?」
    「見ろ」
    「だから!何…を……」

    二の句を告げない。フジミヤが見せた掌にあったのは、僕を黙らせて余りある物。

  • 171◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/25(土) 11:38:08

    それは、かつて僕が、地球の光を宿した容れ物───光電子管だったから。何よりその中に、僕の赤い光に似た、蒼色の光が眠っていたからだ。

    「……それは」
    「“アグル”。俺はこの海色の光を、そう名付けた」
    「君も僕も同じ研究に挑んでいたのか?」
    「ああ、そして先に掴もうとして……だが.俺には勇気が無かった。海を割る巨人の力に怯え、それを人類が我が儘に振るった先の未来を幻視して、中途半端に掴み損ねた。その結果がこれだ、幾ら起動しても“アグル”は応えてくれない」

    何度かスイッチを押すけれど、光はほのかに明滅するのみ。けれどその度、僕の中の鼓動が強く脈打つ……赤い光は、ゴジラに没収された筈なのに。

    「奪われてなんか無いぞ。地脈に優先的に干渉する力で、封じ込められただけだ。お前が気絶してる間に調べさせてもらった」
    「つまり地球の光は、まだ僕の中に?」
    「それをアグルと共鳴させ、活性化を促す。前よりはマシに戦えるだろう」

    差し出された管を、僕は手に取った。熱く、激しく、より輝く鼓動。青の光もまた強く。

    「光を獲れ、高山我夢!」

    託された言の葉と力。瞬間、直感に任せ、僕の持っていた分とフジミヤから渡された分、計2本の光電子管を接続。瞬間、溢れた光が包み、管を分解。かねてより構想していた光の添加装置、脳内の設計図そのままに──最適な形へとその有様を変える。
    金の外殻に透き通るような水晶を嵌め込んだ……ウルトラマンの胸に輝く結晶と、似た形に。

    『△△△……〜〜〜ッ!』

    そうしてる内にとうとうラドンが羽ばたいた、目指す先には飛行場、そこに姿を現したコンテナだ。人類の希望が詰まったそれを壊される訳には、いかない!

    「うっ…ぉぉおおおぉおお!!!」

    追い駆け、跳び、叫んだ。渾身の力で、僕の中の光を爆裂させるように。
    その名を呼ぶ。光よ、今一度!!

    「 ガ イ ア ァ ァ ァ ア ア ア ア !!! 」

    GIF(Animated) / 1.37MB / 2400ms

  • 181◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/25(土) 11:43:41

    海の蒼に触発された赫い大地が、その咆哮で目を覚ました。

    『ジュワァッ!!』
    『△▽っ?!』

    出現した巨腕が、飛び立ったばかりの鳥を下から殴り上げる。かくして巨人、ここに再誕。
    肩のアーマーを赤から黒に染め、より重く厚くなった肉体。名付けるなら“Version2”、と言った所だろうか。

    「……光の巨人。生きていたのか」
    『─────■ッ!?』

    押し寄せる絶望を打ち祓う希望の化身。退避に成功した石室を始めとする人間達の視線を受けて、彼方よりそれを察した怪獣王を驚愕に見舞わせ、大地の光はここに輝く。

    ガイアよ再び。今ここに、紅の巨人は地平を揺るがしたのだった。

    GIF(Animated) / 1.96MB / 2760ms

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 11:56:06

    やっぱりゴジラですらガイアの思惑や力を理解しきれてはいないんだな

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 13:13:35

    もうV2か....早いな

  • 21二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 17:12:18

    >>20

    もし現実にあったとしても尺取れてドラマぐらいでウルトラマンみたいに50話は無理だろうし・・・

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 00:17:40

    保守

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 01:41:48

    V2良いよね
    安易に青入れてないのが“ガイア単体としての強化”感と“スプリームへの布石”を兼ねてて全体的なデザインのバランスも好き

  • 24二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 11:58:22

    我夢は地球のことを想うのと同時に人間の存続も当然考える ゆえに地球に害をなす人間を滅ぼす道へと舵を切ったゴジラとぶつかる…

    救いはないものか…

  • 25二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 15:55:54

    >>24

    人間がタイタンに庇護下にあるんじゃなく対等な存在だと示さない限り無いな、タイタン達もコイツらの恨みを買ったところで問題ないってスタンスだから少なくとも手を出せばお互いタダでは済まないっていう関係まで持っていく他ない

  • 26二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:17:12

    保守

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 23:50:43

    さあどうなるかな

  • 281◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 07:41:56

    2日に渡り空けてすみません
    再開します

  • 291◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 07:43:02

    元よりラドンは鳥型の怪獣。飛行にリソースを割いた以上、熱耐性はともかく防御力は比較的低い──タイタン上位層と比べれば、の話でこそあるものの。それでもガイアの出会い頭の拳1発で昏倒したのを見ればそれは明らかだ。顎下という弱点中の弱点に、不意打ちのクリーンヒットを貰ったのだから当然ではあるのだが。

    『〜〜〜……っ??』

    グッタリと仰向けに転がる巨鳥を見下ろし、ガイアがとったのは、モンスターXを倒した技と同じ構え。トドメを刺すのか……と思いきや、光が放たれたのは頭部ではなく両手であった。どこか優しげな光に包まれたラドンは、暫し悶えた後に沈黙。上下する胸が生存を物語っている。

    「鎮静化した……?」
    「外来生物ならともかく、在来のタイタンを無闇に殺す事は良しとしないのか」

    事態の分析に勤しむ人々を一瞥してから、ウルトラマンは二度三度手を開閉。まるで自分の体の調子を確かめるように一通り動かしてから、西の地平線を睨みつける………瞬間、生き残っていた機材が反応。それはかつて猛威を奮ったオルカと同様、タイタン達の鳴き声を解析する装置だった。

    「ゴジラ、大咆哮!巨人へ向けた物のようですっ」
    「なにっ!?」
    『ジュワッ!!』

    巨人が跳ぶ、飛ぶ、翔んでいく。戦火渦巻くユーラシア大陸めがけて、光が往く。それを地上の人々はただ見送る事しか叶わなかった。

    今は、まだ。

    ───

    選ばれし者よ。仔細は問わぬ、だが何故抗う?過ちは正されなければならん、その妨げを何故貴様が行う。
    ▼▲▼▲▼▲
    分かってる、お前の選択が間違いじゃない事は。人類は何度も罪を犯し、地球を危機に追いやった。その責任は必ず取らなきゃいけない。
    ▲▼▲▼▲▼
    なれば尚更、何故だ。ヒトがヒトを裁けないのは他ならないお前が示した事だ、我が為さねば誰がやる?
    ▼▲▼▲▼▲
    その通りだ、ゴジラ。まだヒトは未熟で、僕も未熟で、その域に達せていない。
    けど……ヒトはやり直せる。反省して、進化せずとも進歩して、前に進める。きっと罪を自分で償って、地球を照らす光にだって変えられる日が来る!
    その時が来るまでどうか、待ってくれないか。

  • 301◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 07:45:44

    ▲▼▲▼▲▼
    否。論外だ。まだ見ぬ可能性に縛られては死に瀕するのみ。スキュラもティアマットも、与えられた改心の機会を活かしはしなかった。人類は違うと何故言える、どの口が言える?
    ▼▲▼▲▼▲
    それでも僕は信じる。僕は人間だから……人間が人間を信じて、何が悪い!
    ▲▼▲▼▲▼
    ──ならば、ここまでだ。

    ────

    ゴジラの思念が流れ込んでくる。僕を咎め、責めてくる……でも立ち向かうのを止める気にはなれなかった。
    僕は僕の知り得る事しか知らない。だから僕の知る罪を、精一杯償おうとする人々がいる事を知っている。だから信じ守りたい、単純にそれだけだから!

    (それに、今僕の中には二つのウルトラマンの力が反発し合いながら奇跡的なバランスで相剋し合ってる。いつ均衡が崩れて制御不可能になるか分からない、だったら動ける内にゴジラを削ってファイター達に託s──ぅあっ?!?)

    いつぞや垣間見てきた蝶が視界に現れたと思ったら、その方向から飛来して来た熱線。直撃コースを済んでのところで回避し、それでも次から次へと料理が出てくるカフェテリアレストランみたいに追撃が止まらない……それでも連射される即死判定を必死の思いで避け続け、僕はとうとう目的地にして相手の頭上を飛び越えた。

    (来たぞ、ゴジラ!!)

    着地。振り向き様に構え、その背中を睨みつける。もう既に彼の思念は聞こえない、けれど互いに相容れない一線を超え合ってるのは把握済みだ。ここからはもう……戦うだけ!

    『……■■■■!!』
    『ジャッ──!』

    前のようにはいかない。今度こそお前を止めてみせる。その一念で再び、僕は、ウルトラマンはゴジラと対峙したのだった。


    ゴジラ対ウルトラマン。
    憤怒と希望、その激突。
    ───“地球の葛藤”。この戦いは後世で、そう呼ばれる事となる。

  • 311◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 08:02:36

    戦端は開かれた。奇しくも前と同じく、両者の激突という形で。
    地響きを鳴らして駆ける両者、重量にして万tを裕に超える巨大同士の衝突。以前はガイアが押し負けた組み合いで、しかし今日この場ではその再演とはならない。

    (アグルの力を貰ったんだ!このまま、終わるか!!)
    『…!!』

    なんと、完全に拮抗。踏み締められた足元から天高く土煙が上がり、拮抗する力同士のその規模を窺わせた。
    ここで先手を打ったのはガイアだ。腕の長さ及び器用さで勝る彼は、不意にわざと力を抜き──巴投げの要領で、つんのめったゴジラの巨躯を蹴り投げたのである。

    『■■■■■!!』

    廃墟と化した街並みを二度、三度と跳ね飛ぶ王者。しかし即座に地面へ爪を突き立て制動、怒りの咆哮を上げる。一連の拮抗でガイアを、それを手繰る我夢(ヒト)の意思を確固たる脅威と見定めて。
    背鰭が発光。悠長にチャージなどしない、敵と似た赤い光が口から放たれる。対しガイアが選んだのは防御───ではなく、あろう事か“突貫”だ。

    『ジュァァ!!』
    『?!』

    回転すればなんとかなる。そんな直感から選んだ高速スピン、それは紙一重で熱戦を躱した肉体を余波の熱からすら守り切ってみせる。一瞬後、土手っ腹に突き刺さった衝撃にゴジラの体は地に伏す事となった。
    追撃の機──と駆け寄るのは、しかし過ちである。

    (あぶなっ!?)

    倒れ様に振るわれた尻尾が襲いかかり、ギリギリで受け止める。そのまま掴み投げ飛ばそうとするも不動。両の手・両の足で大地を掴んだゴジラの膂力は、いくら姿勢を整えたとしてもV2の筋力ですら引き剥がせないのだ。
    それどころか、寧ろガイアの両足の方が地から離され……振り回される始末。今度は紅の巨躯が地を跳ねていく。

    『ジュ……ッ!』
    『■■■ッ!!!』

    ビルに激突する事でようやく止まったウルトラマン。そこへ王は容赦なく追撃をしかけた。
    体勢を立て直そうとする彼に突進し、背後の摩天楼を倒壊させながら押し倒す。鋭い爪が陽光に煌めき、そして火花を散らす。

  • 321◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 08:06:40

    (この、ままじゃ…!)

    いかに頑強といえど、ウルトラマンの肉体にも限界がある。それがゴジラの裂爪となれば尚更だ。
    更に迫り来るは全体重を乗せたストンプ、これを受ければいつぞやのコングのように死の狭間へと追いやられてしまうだろう。そうはなるかと、我夢が選んだのはクァンタムストリーム。L字に組んだ手から放たれた光は、以前の倍の威力を誇りゴジラの胸に突き刺さる。
    爆発。バランスを崩し倒れる王。それを脇目に、窮地を脱したガイアは切り札を切った。

    (今度こそ、効いてくれっ!!)

    受け継いだアグルの光が持っていた新たな技、フォトンクラッシャー。ここから放つ技達に全てを賭して、放て!

    (いっ……けぇぇええええ!!!)

    頭部から放った群青の光流。迸るそれはゴジラの体表に殺到し、斬り刻む──より先にやはり、恐れていた事態が起こった。
    光が受け流される。浸透するどころか撥ねつけられ、背鰭へと流れ込んでいく。やはり彼の地核操作の前では、ウルトラマンの力は無いに等しいという事なのか?

    ・・・・
    想定済みだ。

    (まだだぁッ!!)
    『■!!!』

    フォトンクラッシャーは頭部から。つまり同じく頭部から放つ技なら“上乗せ”が利くという事。
    以前、紅蓮の光だけではダメだった。今回、群青の光だけでもダメだった───なら、重ね合わせて束ねれば!?

    『ジュッ…ァァァ ア ア ア ア !!! 』

    フォトンクラッシャー+フォトンエッジ。赫と蒼、混ざり合う筈のない二色より生まれた茈が爆ぜる。
    それは受け続ける標的の真芯を捉え、その足取りさえ揺るがし……穿った。

    起こるは大爆発。背鰭の吸収限界を超えたのだろう、その炎の中にとうとう黒き王の姿は消えたのだった。

    GIF(Animated) / 3.14MB / 5400ms

  • 331◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/27(月) 08:08:05

    今回はここまで。第二ラウンドはガイアの勝ちだ(ネイサン並のフラグ)

  • 34二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 11:46:00

    怪獣王と地球に選ばれた者、これで一勝一敗

  • 35二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 18:11:04

    地下のコング↓

  • 36二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 22:08:37

    これまで純粋に人の命を守って来たのと今回人の粛清に乗り出したゴジラを止めた事でガイアは人間の味方だって世論になりそう

  • 37二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 03:55:58

    そらもうリピアーが来てから宗教が激化したシンウル世界みたいな例もあるしな
    恐らくタイタン崇拝がカトリック・プロテスタントの対立よろしくゴジラ派とガイア派に分裂すると思われる

  • 38二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 09:43:45

    >>37

    モナーク内部でも結構騒ぎそうだなあ、あそこ人類に対して嫌悪感を抱いてて怪獣を神格化してる人が一定数居そうだし

  • 39二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 15:58:42

    コッヴとかも出て欲しいなあ

  • 40二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 18:59:25

    >>37

    タイタン崇拝だけならまだ良いけど最悪は既存の宗教と結び付いた時だな・・・

  • 411◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/28(火) 21:10:54

    【ゴジラ、爆散!】。その報は事の次第を見計らっていた各人へ映像と共に伝わり、少なくない──否、多大にも程がある衝撃を齎した。
    なにせ世界を統べる王の崩御だ。昨今の情勢を鑑みれば、ユーラシア大陸の全地盤がひっくり返る方がまだ現実的に思える。

    「それは本当ですか?」
    「大マジだよォッ!!」
    「いえゴジラの肉体自体が爆発した訳ではありません、しかしバイタルは明確に低下!MUTO2体から電磁パルスを受けた時の25%を下回っていますっ」
    「彼が倒れたら世界はどうなる、破壊者系タイタン共が暴れ出すぞ!?」
    「でも目前に迫った滅亡は回避されるんです!!」

    モナーク本部もまたてんやわんやの大騒ぎ。最も起こり得ない可能性を引き当てた新種のタイタンを眼に写し、錯綜する状況の中で最適解を見出そうと足掻く各々。アイリーン博士もまたその1人であり───同時に、ある種の違和感を覚えた1人でもあった。
    彼女は、ゴジラとコングの戦いを見てきた当事者である。

    (あのゴジラが、ここで終わる?)

    信じられない。あれほど頼もしかったコングを一方的に蹂躙した王が、これで?──いや、新たなタイタンの力は実際驚異的だった。ゴジラと同じく地核の力を直接用いているなら、条件としてはアックスを持ったコング以上に五分。理解は出来る──筈なのに、納得だけがいかない。
    こんなに呆気なく、彼が終わる訳が無い。
    。         ・
    その疑問に対する答え達は、同時に齎された。

    「ゴッ……ゴジラの体温、急上昇!!」
    「バルバドスポータル、突如開通!これは…海の凍結現象だと?!」

    ゴジラが怒る。世界が、終わる。
    コングが動く。運命が、変わる。

    気付けば叫んでいた。

    「ジア……!」

    地底にいる娘は、今。

  • 421◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/28(火) 21:14:00

    微睡む意識で思い返したのは、女王の事だった。

    『お待ちなさい、我が王よ!』

    彼女はそう告げて我を止めた。ヒトの世を滅ぼさんとする我の進撃を、身を挺してまで。

    『ヒトは未熟、しかしそれは種としての若さゆえの事。彼らから未来を奪ってはなりません!』

    全ての生命には“運命を選ぶ権利”がある、と。それを取り上げてはならないのだと、彼女は。
    それを我は、どう押し除けたのだったか。確か、そうだ、『ヒトの権利如きで地球の行末を決めてはならぬ』と、そう言ったのだったか。

    ………なぁ、女王よ。今なら分かるぞ。“選ばれし者”は其方が導いたのだろう?
    見込みある者を見初め、光へと誘ったのだ。差し詰め、ヒトがヒト自身の未来を──我らに踏み潰されるだけの運命、それ以外の道を選ぶ機だけでも与えたかったのだろう?

    やはり甘い。どこまでいっても慈愛の化身だ、其方という存在は。それはこの世に不可欠なものであり、しかしそれだけでは立ち行かぬからこそ我が居る。慈悲無き、容赦を捨てた王が必要なのだと、我を育てたのは他ならぬ其方なのだから。

    『───■■──』

    ………しかし、効いた。よもやこれ程とは思わなんだ。舐めていたと認めざるを得まい、我の予見が手ぬるかった。
    そうだった。貴様も我と同様、星の力を手繰る者であったと。存分に再認識させてもらった。

    ああ、認めよう。女王の助力こそあれど、星が何故貴様を選んだのかは未だ分からぬが。
    嗚呼、認めようとも。既に貴様は我と同じ、あの忌々しい猿公と等しい土俵にあると。

    ここからは“王”としてではない。

    一個の“ゴジラ”として貴様を───

    。   ツ ブス
    『──■■■』

    GIF(Animated) / 2.04MB / 4980ms

  • 431◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/28(火) 21:18:01

    お待たせしました。短いですがひとまずここまで
    エヴォゴジに隠れてあんま話題にならないけど、前段階のOver charged ゴジラが地味に好き

  • 44二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:36:49

    >>あの忌々しい猿公

    コング(えっ俺たち友達だろ?酷くない?)

  • 45二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:59:11

    普通に復活するだろうとは思ったけどこんな早くするか、まあガイアもカラータイマーは鳴ってなかったっぽいしここからが死闘の始まりって感じかね

  • 46二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 09:00:48

    保守

  • 47二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 16:20:49

    地球と怪獣がテーマなのが共通してるよなガイアもモンスターヴァースも 
    ゴジラとミズノエノリュウも地球怪獣の統率者ポジだしね

  • 48二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 18:28:44

    >>47

    出会っちまったらどうなるんだろうな…

    どっちも地球の存続を重要視するタイプだし、穏便な対談になりそうだけど

  • 49二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 23:43:17

    お続く
    モンバスにもガイア由来地球怪獣が出てきたらどうなってしまうのか

  • 50二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 09:09:25

    ゾンネルあたりがゴジラと同じく地核エネルギーを直接享受してそうよね

  • 51二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 16:06:03

    保守

  • 52二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 23:35:27

    つづく

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 04:25:29

    Hosyu

  • 541◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:02:07

    (カッ───は……!?)
    『ジェッ………?!』

    油断したつもりなんか無かった。そもそも倒れ込む音も聞こえなかったんだ、すぐさま反撃が来ると思ってバリアさえ張って……それさえ、無意味だった。

    熱線ではなく、波紋のように広がる範囲攻撃。それはバリアを透過し、僕を飲み込むやいなや……その身体に激しいノイズを奔らせたのだ。

    (電磁パルス!MUTOの物を模倣したのか、にしたって出力が段違いだ!!)

    地核の力が乱され、また僕の手から離れそうになるのを必死で留めるしか無い。でも無茶苦茶だ、他ならない爆心地のゴジラ自身だってタダじゃ済まないだろうに!

    (何が目的……ッ)

    瞬間、怖気。ウルトラマンの肉体が人間のそれと完全に合致していたなら、きっと全身を鳥肌が包んでいただろう。

    ゴジラは健在だった。黒煙を波動で振り払い、現した姿は四足歩行。両手両足で地面を掴み、大地を我がものとするかのように。
    地核エネルギーの加護を失おうとも。その生命力だけで、彼は頂点に座したのだと示していた。

    衝撃は一瞬の後に訪れる。反応が間に合わない、全身をバネとして弾け跳んできたゴジラの前では。
    なんとか立ち上がった瞬間、張り手が頬を打つ。抗う術などなく、もんどり打って卒倒。ここまで2秒経っただろうか。

    『■■■■!!』
    (なッ───ああぁ゛っ!?)

    束の間の失神、その間に足首に噛みつかれ振り回された。叩き付けられるは大地、まるで地球をぶつけられたかのような衝撃が僕を襲う。痛みで呼吸が止まり、のたうち回りたくなって──それすら、ゴジラは許しちゃくれなかった。
    一打。二打。
    三打、四打。
    五打六打七打八打九打────!

    (し………ぬ…………!!)

  • 551◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:05:28

    激痛で意識が朦朧とし、激痛で覚醒させられ、激痛で朦朧とし、また激痛で覚醒させられ。まるで素人がヌンチャクを振り回した時みたいに、子供がボロ雑巾で遊ぶみたいに、繰り返される投撃が僕を苛んでいた。抵抗さえ出来ないまま、辛うじて受け身を取るので精一杯。そしてそれすらも出来なくなったその時、漸く解放されて宙を舞う。
    ……いや、解放などではない。落下する僕を待ち受けていたのは、いつぞやと同じく尻尾での殴打だったから。

    『ガァァ……!』

    急激に蓄積させられたダメージで、か細い声を上げる事しか出来ない。そんな僕の首を、ゴジラは容赦無く掴む──握撃だ。首の骨をへし折りに、僕の命を明確に断ちに来た。

    (ダメ、だ)

    敵わない。チカチカと視界が明滅する。胸の水晶だって、防御と意識レベル維持にエネルギーを回し過ぎて点滅し始めたのに、その音すら遠い。勝てない。

    (僕には、無理だったのか)

    ゴジラと、タイタンと同じ視点に立てたと思っていた。止められるんじゃないかと思ってしまった。その結果がこれだ。最初の目論見通り、ファイター達に全てを託すしか無いのか。所詮人類は、タイタンと同じ土俵には立てない。対等にはなれない、というのか。

    (ダメ、だ……ッ!!)

    嫌だ。まだ諦められない、諦めたくない。まだ僕は、この光を与えられた“意味”に辿り着けてない!!

    その瞬間。僕の心を折らんと、一際強く力を込めてきた王の巨躯が揺らいだ。殺到する光弾。アレは……ファイナース砲?

    「チームライトニング、これより攻撃を開始する。出し惜しみはするな!!」
    「チームクロウ、行くよ!!反核バクテリア弾をたらふく食わせてやりなさいっ」

    鋼の翼が風を切る音がした。

    「「「「了解ッ!!!!」」」」

    ファイターSS2機、SG4機。
    人類の叡智が今、巨影達の戦場へ!!

  • 561◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:10:49

    ゴジラの対応は迅速だ。接近してきた蝿へ、その進行方向に合わせて尻尾を振るう。人類が模した翼など、これまでそれだけで容易く地に墜としてきた──しかし、手応えが無い。

    『?』

    疑問に思っている間に、背鰭に着弾。ジワジワとエネルギーを蝕まれる感触に小細工を感じ、振り向きざまに噛み砕こうと顎門を開いた。だがそれも空振り、蝿は確かにそこを通っていたというのに。
    やむを得ない。付近一帯の地核エネルギーを自ら抑制している今、無闇な砲撃は避けたかったが……これ以上のさぼられる前に撃ち落とす。威力を絞り、その分速度を増した熱線でもって、ゴジラは蝿を狙い撃った。
    そして、事の絡繰を理解した。

    「当たるかよッ!!」

    3次元機動。慣性を度外視した飛翔でもって、蝿あらためファイターSGは熱戦を回避したのだ。ゴジラがこの数億年で嫌というほど目にしてきた物理法則、それに真っ向から喧嘩を売るかの如き挙動で!

    「次、体内放射来るわよ!」
    「いえ、電磁パルスです!!」
    「良いから退避だッ」
    『ッ■■!!』

    範囲攻撃を放つも、即座に範囲から離脱され不発。ファイター達はゴジラの脅威のことごとくを無力化する。
    無闇に近付かず。熱線はZ軸の動きを以て回避し、体内放射の影響範囲からは即離脱。鮮やかな回避行動に、ゴジラのフラストレーションは溜まっていった。

    「お前は最強だ!最強だからこそ……対お前を想定して、俺達はここまで来たんだ!」
    「それが蚊みたいに落とされてちゃ世話ないのよ!!」

    全方位からのHEATミサイルが着弾し、ゴジラを爆煙で包む。微々たるダメージ、趨勢を覆す事が叶わずとも、それでも。

    「光の巨人!聞こえるか!!」
    『……!』

    放つ。叡智を、希望を、放ち続ける。

    GIF(Animated) / 2.14MB / 3540ms

  • 571◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:16:42

    「お前が何者なのかなんて、俺達には分からない!だが……お前が人類に希望を見てくれたのは分かる!!」
    「だから私達も、貴方に希望を託します!」

    叫ぶ。生きる意志を、祈りを、勇気を───

    「立て!」
    「立ってくれっ」
    「立ち上がって!!」

    ………心のマグマに、灯す。

    「「「ウルトラマンッッッ!!!」」」
    『 ジ ュ ァ ア ア ア ア !! 』

    ───

    「ガイアが、変わる……!」

    ファイターのコクピットか、中継映像を見ていたモナーク本部か、シャイアン基地の人々か、その内の誰かが言った。
    誰なのかは、最早重要なことではない。

    我夢には確かに聞こえた。あぁ、聞こえていたのだ。生き抜く力をくれた、熱い声が彼の心に。
    目覚めた光達が、赤と青で紫に、白熱して白銀に。直結しスパークした二つの光が目覚める、たった今。
    。    ス プリ ーム
    極彩色の最高出力へと───!!

  • 581◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:20:20

    ( 光 よ ぉ ぉ ぉ !!! )


    爆裂する奔流。その中に立つ姿はまさしく光の化身。大地の祈りと大海の慈悲を併せ持つ巨神の誕生である。
    変身の余波が、ゴジラが支配していた力場を吹き飛ばした。取り戻される地核エネルギーとの接続、またそれはいよいよ墜とされかけていたファイターの危機をも救う。

    何度でも言おう。

    それは人の姿をしていた。

    
けれど、人間と呼ぶにはあまりにも大き過ぎた。
    
大きく、重く、力強く。

    
何よりそれは、眩し過ぎた。
    ゴジラの目をも晦ませる程に輝いていた。

    その姿は正に───“光の巨神”だった。

    「ウルトラマン…っ」
    「……ガイア!!」
    『 ジ ュ ワ ッ !!! 』

    ゴジラが目覚め、世界が終わり。
    コングが動いた事で、運命が変わった。
    ならばガイアが立ち上がった時、一体何が起こるというのか。タイタンという名の新時代に見舞われた人類はどこへ向かうのか?

    問うまでもない。それを知る為にこそ、この戦いはあるのだから。

  • 591◆RUTtJ6O5Nh8y24/05/31(金) 08:31:33

    今回はここまで。次回、ヴァージョンアップ・ファイト
    ちなみにチームファルコンは良い画像が見つからなかったのでお休みです

    コマンダー「ラドンの所為で燃料が不足した……という事になった」
    米田リーダー「(´・ω・`)そんなー」
    ラドン「Zzz」

  • 60二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 09:56:43

    ガイアノチカラ

    勝ったな、風呂入ってくる

  • 61二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 12:44:16

    王者よお前が打ち捨てた
    輝く絆が俺にはある

  • 62二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 20:15:22

    いよいよシュプリームバージョンまで到達したか・・・アグルもここから出るとなるといきなりV2からって感じかな

  • 63二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 20:23:41

    このレスは削除されています

  • 64二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 20:24:27

    虫の様に無関心だった弱気存在が地球の化身と一緒に並んで戦うとか普通のタイタンなら絶対しない/理解出来なさそうの良いよね.....
    これで一般人の脳を焼こうぜ!!

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