- 1二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:46:31
前スレ
https://bbs.animanch.com/board/3343002/?res=186
・このようなスレタイですが、ヒナ→メタナイトの話題だけではなく、「カービィ枠はホシノだな」「マコトはさしずめデデデ…もといキキキ大王」みたいに自由に語ってください。
・SSなども自由に書き込んでください。大好物です。
スレ画変えました
- 2二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:50:34
このレスは削除されています
- 3二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 23:51:17
立ておつー
とりあえず1加速しとこう - 4二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:05:28
さて、埋めがてらスレ主がSSをば。短いですがどうぞ
ホシノカービィ64
妖精たちの星「リップルスター」に突然、不気味な黒い雲が現れました。その雲は星の宝物である「クリスタル」を狙ってやってきたのです。
女王は妖精のリボンにクリスタルを託して宇宙へ逃がしました。しかしなんと!黒い雲はリボンを追いかけてきて体当たり!クリスタルは砕け散って、星々に降り注がれてしまいました…。
ホシノは屋上で、星を見ていました。
ホシノ「うへ〜、たまにはのんびり天体観測も良いねぇ。……ん?」
ヒュー……!!!ドガァ!!
???「きゃあ!?」
ホシノ「うへぁ!?」
するとホシノは、何かとゴッツンコ!
???「あぅ!痛た…あっ!クリスタル!…良かったぁ。」
ホシノは足元にあるクリスタルの欠片を見つけました。
ホシノ「クリスタル…?おっ、これのことかな?おーい、これを探してるのー?」
???「あ!それです!やったぁ!」
ホシノ「うへ〜、良かったねぇ。」(なんだこの子…妖精?キヴォトスに妖精なんかいたっけ…?)
???「…でも。」
そう言って妖精の子は遠くの星を見つめます。
ホシノ「…何かあったの?」
???「じ、実は…」 - 5二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:11:05
立て乙!
まさかの3スレ目突入で驚きですわ
まだまだ楽しみたいですねぇ… - 6二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:11:39
- 7二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:24:54
トリニティのとある広場にて…
コハル「…?何これ?」
コハルがなんと、クリスタルのカケラを拾っていました!
コハル「綺麗ね…て、ダメダメ!とりあえず、バックの中に…」
そんなコハルに近づく黒い雲…
コハル「え?き、きゃあああ!!」
…………………
リボン「こちらから叫び声が!」
ホシノ「うへ?あれは…正義実現委員会?」
コハル?「はは!あはは!クリスタルは渡さなーい!!」
突然襲ってきたコハルを止めたホシノは、無事にクリスタルのカケラを獲得!
コハル「あ、れ…私…」
リボン「よかった…クリスタル、見つけられた…!』
ホシノ「気をつけるんだよ。じゃ、またね!」
走り去るホシノ。
コハル(今の…妖精?いや、そんなことより…あの子、悲しい顔をしてた……よし!)「ま、ままま、待ってください!わ、私も行きます!」
ホシノ「そう?なら、よろしくね!」
コハル「!……はい!」
- 8二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:40:41
トリニティの古書館にて…
ミカ「でねー☆こんな綺麗なカケラ拾ったんだー♪」
ヒナタ「うわぁ…本当に綺麗ですね!」
ウイ「あの…なんでここで話しているのですか…!?」
ミカ「えー?良いじゃんね、別に!」
和気藹々とする中、ウイが開く本から現れた黒い雲!
ウイ「ほ、本を読む邪魔をしないdウヒャアアア!!!!」
ミカ「え!?」
ヒナタ「ウ、ウイさん!?」
その時、ドアを開けたホシノ達!
ホシノ「大丈夫!?」
ミカ「コハルちゃん!?」
コハル「ミ、ミカ様!?」
リボン「あー!クリスタルですー!」
ヒナタ「よ、妖精さんです!」
ウイ?「あぁぁぁぁぁ!!うるさぁぁぁぁぁぁい!!!」
全員「「「「!?」」」」
ウイ?「さっきからベラベラベラベラベラベラベラベラ!クリスタルは…ヒヒッ!渡さなぁぁぁぁい!!」
本にペンをはしらせての召喚攻撃(そんなことできたの!?)であったが、ホシノは無事に倒すことができました。
ウイ「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…あり…が…とうこざ…いまし……た…!」
ヒナタ「ウイさん大丈夫ですか!?深呼吸ですよ!」
ミカ「ふーん、そんなことがね。…よし!私も行く!リボンちゃんかわいいし、コハルちゃんのこと助けたいし!」
ホシノ「おー。ミカちゃんなら心強いなぁ。よろしくね!」
- 9二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 01:05:22
ゲヘナ、万魔殿にて…
マコト「…なんだ?このカケラ?」
ホシノ「見つけたよー!」
マコト「た、小鳥遊ホシノ!?トリニティの正義実現委員会に、聖園ミカ!?そ、それに…妖精!?」
ミカ「は?何その反応?」
コハル「ミカ様!ダ、ダメです!」
リボン「お願いです!クリスタルを返してください!」
マコト「キキキ!そう言われて返すとでも…」
その時飛来したのは、やはり黒い太陽でした。
マコト?「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
ホシノ「よく操られる子だね…本当。」
無事、マコトも倒したホシノ。
マコト「い、痛い…!」
コハル「だ、だ、大丈夫ですか?」
ミカ「だいぶ集まったねー!」
ホシノ「よーし、次だー!」
リボン「はい!」
マコト「…。」
コハル「…一緒に行きますか?」
マコト「誰がお前たちと手を組むか!」
コハル「……そうですね。失礼しました!」
1人残ったマコト。
マコト(…いや待てよ。こうして借りを作っておけば有利になる!)「やはり私も行くぞ!マコト様の力、見るがいい!)
ホシノ「?…よろし、く…?」
- 10二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 01:10:09
- 11二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 07:01:30
- 12二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 11:56:06
- 13二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 13:28:32
- 14二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 14:17:26
実際、星のカービィ64って他シリーズとはちょっと違う感じだしね
- 15二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:04:54
前スレ>>183の続き
(一方その頃、万魔殿を襲った一味は…)
サオリ「はい、目標は確保しました。現在そちらに全速で向かっています……はい、はいもちろん。必ずや成し遂げます、マダム。――では」
(通信を切り、一息つくサオリ)
(その傍に仲間の一人が近寄る)
???「サオリ、終わった?」
サオリ「ミサキか。……ああ、いつも通りだよ。そっちはどうだ?」
ミサキ「問題ないよ、薬が効いてるのかぐっすり寝てる。今は姫が見張ってるけど、あの調子じゃ到着まで起きそうもないね」
サオリ「そうか、何よりだ。――そろそろ中継点だ。ヒヨリに言って、一旦着陸と補給を」
(その時。サオリの耳につけられていた通信機に緊急の連絡が入った)
サオリ「ヒヨリか?どうした」
ヒヨリ『あ、あの!大変ですリーダー!先程境界警備隊より、侵入者が現れたとの通報が!』
サオリ「何?どういう事だ、説明しろ」
ヒヨリ『そ、それがその。何でも、ピンク髪にショットガンと盾で武装した女の子が防衛線の一部を突破し、どこかへ向かっていると…』
サオリ「ピンク髪に、ショットガンと盾…?」
- 16二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:05:20
(サオリの脳裏に、先程行った襲撃の光景が甦る)
(目標を確保し、離脱しようとした直前に駆け付けた何者か)
(襲撃先の生き残りかと、あの時は気にも留めていなかったが――)
サオリ「…まさか、追ってきたとでもいうのか?私たちを?」
ヒヨリ『ど、どうしましょう!?このまま追いつかれたりしたら、「彼女」もきっとお怒りに…うわぁぁぁぁああん!そうなったらもうおしまいです!!』
サオリ「落ち着け、まだそうだと決まった訳ではない。それに、単独でこの地を踏破するつもりだというのなら余りにも目算が甘すぎる」
サオリ「私たちがやるべき事は変わらない。このまま中継点まで移動し、しかる後再度状況を把握・確認する。ひとまず対応は警備隊の連中に任せて、お前はヘリの操縦に集中しろ。いいな?」
ヒヨリ『りょ、了解です…。うう…どうか何とかしてくれますように…』
(ヒヨリからの通信が切れ、機内に静寂が戻る)
ミサキ「…ねえ。本当に大丈夫なの?」
サオリ「さあな。警備隊の連中が奮闘してくれる事を祈るしかない、といった所だ」
ミサキ「……」
サオリ「――抵抗も叛逆も、希望も献身も。全ては虚しい、ただ虚しいだけだ…」
(ヘリは往く)
(彼女たちの目的地へ。遥か彼方の、帰る場所へ…)
- 17二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:05:42
(さて。所変わって、こちらは小鳥遊ホシノ)
(浮遊大陸フロラルドに突入したホシノは、飛び去って行ったヘリを追い全力で驀進していた!)
・レベル1 ファインフィールド (Fine Field)
ホシノ「うへ~、まさかキヴォトスの空にこんな大陸が浮かんでたなんてね~。しかも」
警備兵A「侵入者発見。繰り返す、侵入者発見」
警備兵B「これより制圧を開始する。なお、標的の生死は問わないとの事」
(ホシノに向け、警備兵たちが一斉に銃口を向けてくる!)
ホシノ「…こんな物騒な連中が、頭の上にいたなんてね。おじさん、ゾッとしちゃうよ」
警備兵一同『かかれ!』
ホシノ「悪いけど、先を急いでるんだ~。…だから、全員容赦なくぶっ飛ばすよ」
・レベル2 ロリポップランド (Lollipop Land)
ホシノ「クッキーに、ケーキ。それに生クリームまで…。うへ~、まるでお菓子の世界に迷い込んだみたいだよ~」
ホシノ「これだけあるなら、一口くらい舐めてもバレないかな?(じゅるり)」
(どこからともなく、警備兵たちが姿を見せる!)
ホシノ「…はぁ~。甘そうな世界なのに、待ってるのは全然甘くも優しくもないねぇ」
- 18二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:06:02
レベル3 オールドオデッセイ (Old Odyssey)
ホシノ「寒いよ~険しいよ~。うう~、本当にこの先に連れてかれたのかなぁマコト?」
(お約束のように、警備兵たちが姿を現す)
ホシノ「…とりあえず。君らが必死で食い止めようとしてるって事は、間違いなさそうだね」
ホシノ「ああもう!さっさと蹴散らして、こんな所おさらばするよ~!」
レベル4 ワイルドワールド (Wild World)
ホシノ「ジャングルに、遺跡…。寒くはなくなったけど、これはこれで動きづらいよ~」
(チュンチュン!と。ホシノの目の前を銃弾が通り過ぎていく)
ホシノ「しかも相変わらず敵はいるし。うへぇ、密林の中じゃ見通しが悪すぎるよ~」
ホシノ「ていうかこのパターン、なんか嫌な予感が…」
- 19二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:06:29
レベル5 エバーエクスプロージョン (Ever Explosion)
(目の前に広がる、灼熱の溶岩地帯と活火山)
(ある意味予想していた光景を前に、ホシノはうんざりした様子で立ち尽くす)
ホシノ「はぁ~、そうだよねぇ。やっぱりあるよねぇ、火山ステージ」
ホシノ「動いてないのに熱いよ~。なんで空の上なのに、火山なんかあるのさ~」
(そして当然のように、武装した警備兵たちがホシノの前に立ち塞がる)
ホシノ「君たちも真面目に来ないでよ~!ていうか、こんな暑苦しい場所でそんなガスマスクとか大丈夫なの?」
警備兵(無言で銃を構える。心なしか、今まで以上に殺意と敵意が込められているように感じられた)
ホシノ「うへっ、まさかのやる気満々!?…ああもう、分かったよ!おじさんが全員相手してあげるから!」
- 20二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:06:59
(そして、再びのサオリ達視点)
サオリ「捕虜の様子はどうだ?」
ヒヨリ「相変わらずぐっすりです。狸寝入りも疑いましたけど、どうも完璧に寝入ってるみたいでした。この分なら何事もなく『彼女』の下に引き渡せるでしょう、多分」
サオリ「そうか」
ヒヨリ「…これで、私たちにとっての希望も」
サオリ「言うな。それに、私たちにあっさり蹴散らされる程度の希望など最初から期待するだけ無駄だろう」
ヒヨリ「そう、ですね」
(サオリの言葉に項垂れるヒヨリ)
(そこへ、フードを目深に被ったガスマスクの少女が駆け寄ってきた)
サオリ「姫?どうした、何かあったか?」
姫「(手話とジェスチャーで、何事かサオリ達に説明する)」
サオリ「何…!?確か、なのか」
ミサキ「間違いないよ。既に五か所の防衛線が突破されて、後はもうここ――ロイヤルロードまで到着秒読みだって」
(ミサキの付け足しに、サオリが顔を強張らせる)
(ヒヨリに至っては今にも泣き出してしまいそうな有り様だった)
- 21二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:07:34
姫「(どうするの?という手話)」
サオリ「…やむを得ない、か。ミサキとヒヨリは配置に着け。マダムの下に近づけさせるわけにはいかない、何としてもここで食い止めるぞ」
姫「(承諾、を意味するジェスチャー)」
ミサキ「了解。あんた達は?」
サオリ「私は姫と共に捕虜を連れていく。マダムに引き渡しが完了次第、加勢するつもりだ。…すまないが、任せたぞ」
ミサキ「オーケー。いくよ、ヒヨリ」
ヒヨリ「うう…も、もうおしまいです…!」
ミサキ「はいはい泣かないの。私もカバーしたげるから」
(かくして、ロイヤルロードでの決戦が幕を開ける)
(はたしてホシノはマコトを助ける事ができるのか?サオリ達が「マダム」と呼ぶ存在の正体とは?)
(遥か天空の冒険、その終着が迫る――)
- 22二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 16:08:39
- 23二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 20:09:02
- 24二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:51:41
>>22の続き
・レベル6 ロイヤルロード (Royal Road)
(襲撃者たちの後を追い、浮遊大陸各地を踏破してきたホシノ)
(彼女が最後に辿り着いたのは、それまでとは一線を画す宮殿のような島だった)
ホシノ「うへ~、すごく豪華で綺麗。まるでトリニティみたい」
ホシノ「ていうか、この辺の柱とかトリニティの敷地で見たモノに似てるような…?」
(宮殿内のあちらこちらに目を奪われながらも、前に進むホシノ)
(――そんな彼女の頭部に、遠く離れた尖塔から狙いをつける者がいた)
ミサキ『どう?ヒヨリ、いけそう?』
ヒヨリ「は、はい…。ターゲット、こちらに気づいてません。今なら多分、やれます」
ミサキ『分かった。――こっちも配置に着いた。いつでも行けるよ』
ヒヨリ「りょ、了解。じゃあ……撃ちます!」
(『アイデンティティ』のトリガーに指をかけるヒヨリ)
(直後、放たれた銃弾は狙い過たずホシノの頭部へと吸い込まれ――しかし、あっけなく躱された)
ヒヨリ「っ!?そ、そんな!」
ミサキ『大丈夫、こっちでフォローする。――発射』
(狙撃を受け、手近な遮蔽物へと避難するホシノ)
(だが間髪入れず、今度はミサイルの雨が降り注いだ!)
- 25二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:52:37
ホシノ「うへっ!ヤバいヤバい!」
(散弾で可能な限り撃ち墜とすも、落としきれなかった弾頭がホシノのすぐ目の前で爆発する)
(爆風に揉まれ吹き飛ばされたが、どうにかホシノは立て直す事に成功した)
ホシノ「今の狙撃と、爆撃…。多分、いや確実に万魔殿を襲ったあの子達だよねぇ」
ホシノ「まったくえげつない真似してくれるね~。おじさんじゃなかったら木っ端みじんになってる所だよ~」
ホシノ「でも――いい目覚ましにはなった、かな。さあて、気合い入れてこ~」
(口調はのんびりしていながら、その瞳の奥に鋭いモノを宿すホシノ)
(謎の襲撃者二人と、小鳥遊ホシノ)
(天空の決戦、まずは緒戦の火蓋が切って落とされる――!)
(ホシノが交戦開始した同時刻)
(ロイヤルロード最奥――玉座の間では、サオリと『姫』がある存在との謁見を果たしていた)
???「ご苦労でしたね。サオリ、アツコ」
???「あなた達が連れてきた『地上の勇者』…確かに、私の掌中に収めました」
- 26二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:53:04
(それは、異形の頭部を持つ貴婦人のような姿をしていた)
(血のように赤い肌と頭部から伸びる長い黒髪)
(その頭は目のついた鳥の羽のような物体で覆われており、顔の半分以上が隠れている)
(唯一露わな口元だけが、『彼女』の感情を示す目印となっていた)
(『彼女』の名はベアトリーチェ。このサオリ達が「マダム」と呼ぶ者の正体であり――このフロラルドを支配する、冷酷な女王である)
ベアトリーチェ「それにしても存外他愛のない。『地上の勇者』などと持て囃されているから如何なる脅威かと危ぶみましたが…どうやら、私の子ども達の前では無力だったようですね?」
(ベアトリーチェが促す先、そこには中空に囚われたまま浮かぶ羽沼マコトがいた)
(何らかの悪夢を見せられているのか、その表情は苦しんでるようにも見える)
(さながら標本を弄ぶかのように、ベアトリーチェは酷薄に嗤いながらマコトに電撃を走らせた)
マコト「ぐっ――あああああ!?」
ベアトリーチェ「ふふふ……あははは!滑稽、そして実に無様!勇者と言えど、こうして捕らえてしまえば全くの無力!」
ベアトリーチェ「こんなモノに縋ってまで、私の支配から逃れようなどと。何とも愚か極まりない暴挙でしたね?」
- 27二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:53:39
(マコトを弄ぶ事をやめ、ベアトリーチェが天井に目を向ける)
(そこには檻に囚われ、怯え震えるフロラルド住人の姿があった)
(彼らは、まるで縋るようにサオリ達に目を向けるが――)
アツコ(姫)「……っ」
サオリ(よせ、目を合わせるな。――全ては虚しい。私たちがどうあがいた所で、彼らを救う事など)
ベアトリーチェ「『救う事など』、何です?」
サオリ「――っ!」
(いつの間にか住人たちから視線を外し、サオリの眼前まで迫っていたベアトリーチェ)
(その手がサオリの顎に伸ばされ、触れようとしたまさにその瞬間)
バアン!!
ベアトリーチェ「――?何事です、騒々しい」
サオリ「!?お、お前は――っ!」
アツコ(姫)「(ガスマスクの向こう側、驚いたような目で見つめている)」
???「うへ~、どうやら取り込み中だったかな?」
???「まあいいか。何だろうとこっちには関係ない話だし」
???「それに――やっと見つけたよ、マコト」
(扉を蹴破り、堂々と玉座の間に踏み入れる何者か)
(それは奇しくも万魔殿に侵入したサオリ達への当てつけめいており)
(だが決定的に、その頭数だけが異なっていた)
ホシノ「や。どーも皆さん、はじめまして」
ホシノ「私は小鳥遊ホシノ、アビドス高等学校の三年生…って言っても知るわけないか」
ホシノ「とりあえず――そこに釣り上げられてる万魔殿の議長さん、返してもらいにきたよ」
- 28二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:54:07
(ホシノの乱入に対し、反応はそれぞれだった)
(訝しげに見やる者、困惑しながら事の推移を見守る者)
(そして――仲間を案じ、激昂した者)
サオリ「お前――ヒヨリとミサキ達はどうした!あの二人に何をした!?」
ホシノ「ヒヨリ?ミサキ?ああ、あの途中で襲ってきた二人?」
ホシノ「もちろん、二人ともぶっ飛ばしてきたに決まってるじゃん。おじさんを舐めてもらっちゃ困るよ~」
(ロイヤルロード外縁付近)
ヒヨリ「(壁に叩きつけられた状態で気絶している)」
ミサキ「ごめん……サオリ……とめられ、なかっ、った……(がくり)」
(再び、玉座の間)
アツコ(姫)「(ガスマスクの向こう側で息を呑む)」
サオリ「貴様――ッ!」
ベアトリーチェ「下がりなさい、サオリ」
(手に持っていた扇を閉じ、ベアトリーチェが立ち上がる)
- 29二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:54:49
サオリ「マダム!?ですが!」
ベアトリーチェ「下がりなさい、と。私はそう言いましたよ?」
(ベアトリーチェの扇子より、電撃がサオリ目掛け放たれる)
(動揺していたサオリは避ける暇もなく、まともに電撃を浴びた!)
サオリ「があっ!?」
アツコ(姫)「サッちゃん!!」
(床に転がるサオリに、姫――アツコと呼ばれた少女が駆け寄る)
(その様をベアトリーチェは心底くだらなさそうに見下し――次の瞬間、再びの電撃をもって二人を吹き飛ばした!)
アツコ「うあああっ!?」
サオリ「――っ!」
ホシノ「……!お前っ!」
(吹き飛ばされ、窓から城の外へと落下していくサオリとアツコ)
(あまりにも無惨な仕打ちにホシノは激昂するも、対するベアトリーチェの反応はどこ吹く風と言った様子だった)
ベアトリーチェ「無能なリーダーに、沈黙を装った亡国の姫…。どちらも愚かで、何より醜い。このような輩、私が治めるフロラルドには不要の存在です」
ベアトリーチェ「彼女たちの仲間である残り二人も、叛逆者共々直に後を追わせるとしましょう」
ベアトリーチェ「ですが、その前に」
(ベアトリーチェがホシノに向き直り、睨み据える)
- 30二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:55:07
ベアトリーチェ「まずはようこそ、とでも言っておきましょうか?地上の闖入者さん」
ホシノ「…どうも。見たところ、あんたが一番偉い人って事でいいのかな?」
ベアトリーチェ「ええ、その通り。私こそはこのフロラルドを統べる女王、そしていずれは地上全てをも手中に収める支配者です」
(地上全て、という言葉にホシノが小さく反応を見せる)
(その様子に気づいてか気づかずか、ベアトリーチェはますます得意げに続けた)
ベアトリーチェ「どうやらあなたもこの叛逆者たちに無理やり連れてこられたようですが……残念でしたね。見ての通り、あなたを縋った者たちは全て捕らえました」
ベアトリーチェ「『圧政から全てを解き放つ地上の勇者』などと。胡乱げな伝説に憑りつかれ、挙句私に逆らった果てがこの有り様です」
ベアトリーチェ「本来であれば、この国の民全てを集めて即刻処刑する所ですが……今回は、少々気が変わりました」
ホシノ「というと?」
ベアトリーチェ「ええ、ええ。別に大した趣向ではありません」
(ベアトリーチェが指を鳴らす)
(すると、宙に囚われていたマコトがゆっくりと下ろされ、ホシノの前に立たされた)
ベアトリーチェ「叛逆者たちにとって唯一の希望――『地上の勇者』を、私のしもべに生まれ変わらせた!その瞬間を、フロラルド全土に見せつけるというだけの話ですから!」
(マコトが顔を上げる)
(洗脳でもされたのか、その両目は禍々しい輝きで満たされており爛々とホシノの事を睨みつけていた)
(対するホシノは、さしたる感情を浮かべる事もなく――)
- 31二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:55:47
ベアトリーチェ「さあ、やりなさい『地上の勇者』!その力をもって、目の前の無礼者をズタズタに引き裂いてやるのです!」
マコト「ぐ、が――――がぁああああ!!」
(咆哮、あるいは絶叫か)
(血走った目で、マコトはホシノに襲い掛かる!)
(が。ホシノは全く動じる事はなく。迫りくるマコトに、そっと近づくと)
ホシノ「いつまで寝てるのさ。イロハちゃん達、心配してたよ?」
(躊躇なく、マコトの身体を全力で蹴り飛ばした!)
マコト「ぐふええっ!!?」
ベアトリーチェ「――――は?」
(そのまま勢いよく壁まで飛ばされ、叩きつけられるマコト)
(あまりにも無惨、あまりにも無情)
(哀れ洗脳されたマコトは、ホシノの無慈悲な全力をもって一撃で沈められたのであった…)
(呆然とするベアトリーチェに、ホシノはゆっくりと接近する)
- 32二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:56:07
ホシノ「お前は、二つ間違えた」
ホシノ「一つはマコトが『地上の勇者』?なんてものだと本気で思いこんだ事。…あのキヴォトスでも一、二を争うトラブルメーカーが、そんな大それた存在なわけないじゃん」
ベアトリーチェ「…っ!?」
ホシノ「もう一つは――『私』を、本気で怒らせた事だ」
(ホシノが顔を上げる)
(知り合いを攫われ、あまつさえ勝手な都合のままに弄ばれた事)
(事情は全く与り知らないが、恐らくは懸命に尽くした彼女たちをいともたやすく切り捨てた事)
(そして、何より。子どもを、他人を弄んで平然と嗤っていられるという事)
(『彼女』の全てが、小鳥遊ホシノの堪忍袋を完膚なきまでに破壊していた)
ホシノ「絶対に許さないよクソ女。そのふざけた顔面、今から根こそぎむしり取ってやる」
ベアトリーチェ「――っ!よ、よくも私にそのような…言葉をぉおおお――!!」
(激怒したベアトリーチェが、ホシノに牙を剥く)
(対するホシノはどこまでも冷静に、そして冷徹に)
(銃を構え、猛り狂う暴君と対峙する――!)
- 33二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:56:43
- 34二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:19:11
- 35二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:32:06
- 36二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:47:04
- 37二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 00:39:11
- 38二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 10:14:00
- 39二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:25:46
このレスは削除されています
- 40二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:46:06
>>32の続き
(怒り狂い、怪物と化して襲い掛かってきたベアトリーチェ)
(だが。憤怒していたのはホシノも同じであり)
(そして――戦い慣れていたホシノにとって、目の前の『怪物』は恐れるに足らなかった!)
ベアトリーチェ「バカな…この、私が…!?こんな、小娘ごときに…!」
ホシノ「これで、終わりだよ」
(グレネードを投げつけ、トドメとばかりにスラッグ弾をお見舞いするホシノ)
(直後、爆炎がベアトリーチェを飲み込みひとたまりもなく彼女は焼き尽くされた)
ホシノ「ふう。これでよし、と!おーいマコトー?生きてるかーい?」
(先程蹴り飛ばしたマコトの下に、とてとてとホシノは駆け寄る)
(全力とはいえ、一応死なない程度にはギリギリ加減したつもりだったが…)
ホシノ「マコトー。おーい、しっかりー(ぺしぺし)」
マコト「う……む……ん、んん?」
ホシノ「あ、起きた」
マコト「こ、ここは…わ、私は一体…?――うぐっ!?な、なんだ身体が」
ホシノ「落ち着いて聞いてね?ここは空の上の宮殿で、マコトは攫われてきたんだよ。それで今の今まで拷問されてた所を、おじさんが助けたってわけなのさ~」
(しれっと痛みの責任を他所に押し付けつつ、マコトに事情を説明するホシノ)
(マコトも最初はあやふやな気分だったが、徐々に覚醒し何が起きたのか思い出しつつあった)
- 41二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:46:45
マコト「そ、そうだ…思い出したぞ…!私は突然襲撃されて…!」
ホシノ「そうそう。イロハちゃん達も心配してたよ?さ、早く帰って無事を」
???「ふふ……ふふふふ……!」
(マコトを助け起こし、宮殿を出ようとしたホシノ)
(その時、不気味な笑い声が響いてきた)
ホシノ「っ!あいつ――」
マコト「な…何だあの化け物は!?」
ベアトリーチェ「やってくれましたね、小娘…!この私に、よくもこんな屈辱を…!」
(ボロボロになりながらも立ち上がり、ホシノ達を睨みつけるベアトリーチェ)
(油断なく銃を構えるホシノに対し、ベアトリーチェは何かを取り出すと)
ベアトリーチェ「いいでしょう。かくなる上は、私も本気で叩き潰すまで…!」
ベアトリーチェ「この国を乗っ取った時に奪い取った秘宝、『きせきの実』」
ベアトリーチェ「私の力とこの秘宝、そしてワールドツリーが合わされば――ふふ、どうなるのでしょうね?」
ホシノ「!させるかっ!!」
(躊躇なく引き金を絞り、散弾を叩き込むホシノ)
(だが銃弾が届くより、ベアトリーチェの術が完成するのが早かった)
(ベアトリーチェを中心に禍々しい光と風が生じ、やがてそれは物理的な力を伴って――)
マコト「な、何ィ!?」
ホシノ「まず――伏せて!」
(直後、玉座の間が盛大に爆発した!)
- 42二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:47:04
マコト「――い。おい!しっかりしろ、小鳥遊ホシノ!」
ホシノ「う…ううん」
(間一髪、マコト共々地面に伏せる事で被害を最小限に抑えたホシノ)
(だがそのダメージは決して小さくなく、わずかな間気を失っていた)
マコト「おい!本当にしっかりしろ、小鳥遊ホシノぉ!」
ホシノ「う~ん、もう食べられないよぉ~」
マコト「古典的なボケをやっとる場合かぁ!!(べしん!)」
ホシノ「うべっ!? あ、あれ?おじさんのラーメンは?」
マコト「寝ぼけてないであれを見ろ!とんでもない事になってるんだぞ!」
ホシノ「とんでもないって――」
(マコトに促され、ホシノはとある方角を見やる)
(そこに、いたのは)
妖花ベアトリーチェ「素晴らしい…!よもや、これ程の力を得られようとは…!」
(それは、巨大な花と貴婦人が合わさった怪物だった)
(植物の身体と、羽根飾りの代わりに無数の花びらが咲いた頭部)
(ドレスと黒髪は枝葉に変じ、伸ばす両手も触手めいた巨大蔓と化している)
(ただ、口元だけがベアトリーチェである事の証をかろうじて残していた――)
- 43二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:47:31
ホシノ「なに…あれ…」
マコト「私が知るか!確かなのは、あれを放置しておけば間違いなくキヴォトスが、いやこの星そのものが危ういという事だけだ!」
(マコトの言う通り、妖花と化したベアトリーチェはその触手蔓を伸ばし星全体に絡めていた)
(欲望のまま、無尽蔵に全てを吸い上げる化け物)
(このまま野放しにしておけば、夜が明ける前に全てが妖花に吸い尽くされるだろう)
ホシノ「――!させない、そんな事!」
マコト「あ、おい!どこへ行く!?」
ホシノ「まだあの怪物は育ちきってない!だったら、今の私たちでもどうにかできる筈!」
ホシノ「いいや、どうにかするんだ!でないとアビドスのみんなも、先生も!何もかもが危ない!」
マコト「っ!」
(マコトを置いて、ホシノは蔓を渡りながら妖花の下に急ぐ)
(残されたマコトは、しばし呆然としていたが)
マコト「!ええい、呑気に突っ立ってる場合か!」
マコト「あいつの言う通り、このままではゲヘナも、パンデモニウム・ソサエティーも危うい!」
マコト「だが、どうする?せめて通信機、そう万魔殿と連絡が取れれば――」
(その時、マコトの傍に近づく何者かの影があった)
(マコトもまた気配に気が付き、そちらを見やると)
マコト「!?お、お前たちは…!?」
- 44二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:48:41
(一方、所変わってこちらは再びホシノ)
ホシノ「追いついたよ、化け物!」
(足場を渡り、とうとうベアトリーチェの下に辿り着いたホシノ)
(ベアトリーチェもまた、鬱陶しい『羽虫』の存在に気付いたのか触手蔓を一旦止め、ホシノに向き直る)
妖花ベアトリーチェ「…驚いた。まだ私に歯向かう気概が残っていたとは」
ホシノ「うへ、そっちこそおじさんにぶっ飛ばされておきながら大した言い草じゃない?あれだけボコボコにされてた癖に」
妖花ベアトリーチェ「――」
(妖花ベアトリーチェが殺意を漲らせる)
(ホシノもまた、愛銃を構え――第二ラウンドが幕を開けた!)
【100分耐久】狂花水月 - 星のカービィトリプルデラックス【TDX】
- 45二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:49:13
妖花ベアトリーチェ「そんな――この私が…!ワールドツリーをも吸収した、私が…!?」
ホシノ「今度こそ、終わりだ!」
(激戦を制し、妖花の急所にホシノがスラッグ弾をぶち込む)
(凄まじい絶叫を上げ、妖花ベアトリーチェは大きく倒れ込んでいった…!)
ホシノ「やった…!これでキヴォトスも、地上のみんなも」
???「助かった。などと思いましたか?」
ホシノ「っ!?う、うわぁああああ!!」
(勝利を確信し、拳を握ったホシノ)
(だが次の瞬間その右足に何かが巻き付き、ホシノは空中に放り出された!)
ホシノ「お、お前!」
妖花ベアトリーチェ「ふふふ…一度ならず二度までも私に手傷を負わせるとは…」
妖花ベアトリーチェ「ですが、今度こそここまで」
妖花ベアトリーチェ「こうして捕らえた今、最早何もできないでしょう…!?」
(妖花ベアトリーチェは生きていた)
(大きく傷つけられながらも、紙一重の所で生き延びていた妖花)
(その触手蔓は、今やホシノの全身を縛り上げ磔も同然に捕えていた!)
- 46二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:49:34
ホシノ「うっ…ぐっ…!」
妖花ベアトリーチェ「無駄です。いくらあなたが強大な力を有していようと、私はさらにその上を行く者。あなたなど、私の気分次第でいつでも捻り潰せるのですよ?」
妖花ベアトリーチェ「ほら――このように」
(拘束から必死に逃れようとするも、力の差はあまりにも大きかった)
(妖花が触手蔓に力を込めると、たちどころにホシノの全身に激痛が奔る――!)
ホシノ「うぁああああ――っ!」
妖花ベアトリーチェ「ふふふ…安心なさい、殺しはしません。あなたのような、強大な神秘を持つ者は貴重ですからね」
妖花ベアトリーチェ「あなたは私のお人形に変えて差し上げます。私の言う通りに動き、命じられれば何でもするお人形…。ふふふ、想像するだけで興奮してきますね?」
ホシノ(い、やだ…!そん、な事…!)
妖花ベアトリーチェ「まだそんな顔ができますか。いいでしょう、あなたは特に念入りに――」
(その時!どこからともなく飛んできたミサイルが、妖花の顔面に直撃した!)
妖花ベアトリーチェ「何…!?」
ホシノ「う…へ…?」
- 47二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:49:52
(バラバラバラ、と。ローター音を響かせホシノ達の下へ接近するヘリコプター)
(それは紛れもなく、あの日万魔殿を襲撃したヘリであり)
(そこに乗っていたのは、なんとマコトとサオリ達だった!)
ヒヨリ「ミ、ミサイル命中!ですが、あまり効いてません!?」
サオリ「構うな撃ちまくれ!少しでもこちらに気を引かせるんだ!」
ミサキ「ちょっと、まだなの!?せっかくヒヨリのやつを貸してあげたんだから、さっさと決めなさいよ!」
アツコ「(ミサキの後ろで『やれ』とばかりにサムズアップ)」
マコト「ええいやまかしい!気が散るから黙ってろ!――まったく小鳥遊ホシノめ、世話の焼ける!」
(ヘリのハッチを開け、マコトが身を乗り出す)
(ヒヨリの愛銃『アイデンティティ』を代わりに構え、狙いをつける)
(当然、目標は――)
マコト「キキキッ!小鳥遊ホシノ、お前に貸し一つだ!」
(トリガーを引き、『アイデンティティ』より銃弾が放たれる)
(20mmの弾丸は狙い過たずホシノを拘束していた蔓を撃ち抜き、彼女を解放した!)
(が。そうなれば当然)
- 48二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:50:14
ホシノ「うひゃぁあああ~!!またぁ~!!?」
(雲海目掛け、一直線に落下するホシノ)
(あわや地上まで落下不可避かと思われた、次の瞬間)
マコト「おい!小鳥遊ホシノが落ちるぞ!」
サオリ「分かってる!――アツコ!」
(アツコが頷き、大事そうに抱えていた『あるモノ』と共に前に出る)
(マコトと交代する形でヘリの入り口に立つと――持っていた、もう一つの『きせきの実』をホシノ目掛け放り投げた!)
妖花ベアトリーチェ「なんですって…!『きせきの実』が、もう一つ…!?」
アツコ「――私たちに、こんな事を言う資格がない事は分かってる」
アツコ「『彼女』の言う通り、全ては虚しくて……だから、最初から何もかも諦めた方が楽なのかもしれない」
アツコ「それでも、『私』は言う。言わなくちゃ、ならない」
アツコ「こんな私を守ろうとしてくれた、仲間たちの為に。こんな私を、もう一度信じ託してくれたフロラルドの皆の為に」
アツコ「そして――事情はどうあれ、この国の為に戦ってくれた、『地上の勇者』様に!」
(ガスマスクを捨て、アツコが素顔を見せる)
(涙もなく、傷だらけの顔は――けれど、ずっとどこか泣いているようにも思えて)
アツコ「お願い、勇者様…!私たちを――このフロラルドを助けて…!」
(アツコの懇願が、はたして届いたのか否か)
(投げ出された『きせきの実』は、しかし確かにホシノまで届き)
(次の瞬間、ホシノの身体は光に包まれた!)
- 49二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:51:04
ホシノ「――うん。分かったよ」
ホシノ「おじさんは、君たちの事情なんて知らない。このフロラルドって国の事も、何も」
ホシノ「それでも。助けてほしいと、そう言っているのなら」
ビッグバンホシノ「おじさんは――『私』は、今までにないくらい本気を出す!」
(光が消え、現れたホシノは虹色に輝いていた)
(妖花と異なり巨大化したわけでも、姿が変わったわけでもない)
(だが――その場にいた者全てが、その身に宿す力の強さを感じ取った)
ビッグバンホシノ「うへ~!さあ、やってやるよ花の化け物~!」
ビッグバンホシノ「今度という今度こそ――この星をかけた、魂の最終決戦だ!」
妖花ベアトリーチェ「ほざけ――ほざけぇええええ!!」
【星のカービィトリプルデラックス】この星をかけた魂の戦い【1時間耐久】
- 50二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:51:43
(妖花が激昂し、ありったけの種子爆弾をホシノに降り注がせる!)
(対するビッグバンホシノは全く動じず、空に向け散弾を撃ち出す)
(放たれた弾丸は途中でレーザービームに変わり――降り注いだ種子爆弾全てを空中で撃ち抜いた!)
妖花ベアトリーチェ「何…!?」
ビッグバンホシノ「これで終わり?」
妖花ベアトリーチェ「調子に乗るな…!ならば、これで!」
(絨毯爆撃が通じないならば、質量攻撃)
(先程と異なり、たった一つだが巨大な種子爆弾を生み出し、ホシノを吹き飛ばしにかかる)
(一方ビッグバンホシノは散弾からスラッグ弾に切り替え、巨大種子爆弾に撃ち放った!)
マコト「バカ、避けろ!そんな小物程度でどうにかなる代物では――」
サオリ「いや待て!あれは…!」
(放たれたスラッグ弾は、最初こそいつものサイズだった)
(だが――目標に迫るにつれ、少しずつ、されど確かに大きさを変え)
(巨大種子爆弾にぶつかる頃には、ほとんど大差ないサイズにまで変わっていた!)
(衝突したスラッグ弾は、そのまま巨大種子爆弾を押し返し――再び、遥か空中で爆発させた!)
ミサキ「嘘でしょ…」
ヒヨリ「わ、私たち。もしかしてとんでもない人を敵に回してたんじゃ…?」
(遠巻きに見守るマコトとサオリ達が唖然とする一方)
(ビッグバンホシノは狙いを妖花に移し、銃口を向ける)
- 51二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:52:13
妖花ベアトリーチェ「無駄です!この私のバリアは、たとえ巡航ミサイルをもってしても破れ――!?」
(性能を豪語した直後、妖花の目の前でバリアが粉々に砕け散る)
(目にも留まらぬ速さで、ビッグバンホシノが要である目玉花をぶち抜いた結果だった)
ビッグバンホシノ「巡航ミサイルをもってしても、なんだって?」
妖花ベアトリーチェ「貴様――貴様貴様貴様きさまぁ!」
ビッグバンホシノ「うるさいなぁ。こっちはもう、戦いっぱなしで疲れてるんだよ。だから――これで、終わらせるね」
(ホシノの愛銃『Eye of Horus』に光が収束していく)
(限界まで溜まり切ったかと思われた直後、放たれたのは散弾でもスラッグ弾でもなく――まさかの大口径ビーム砲だった)
(妖花ベアトリーチェもまた、同じように極大砲撃を放つが)
妖花ベアトリーチェ「何故だ…何故、押される…!?」
ビッグバンホシノ「……」
妖花ベアトリーチェ「私も秘宝を吸収し、同じ力を得ている筈!ならば押し負ける道理などあり得ない!それ、なのに――」
- 52二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:52:26
- 53二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 21:53:42
- 54二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 01:15:28
上げも兼ねて設定投下
・妖花ベアトリーチェ
ベアトリーチェがきせきの実を取り込み、ワールドツリーと融合した姿
平たく言ってしまえばホシノカービィ版セクトニア第二形態
ワールドツリーと合体した結果とてつもない巨体となっており、その規模は星一つ吞み込める程
作中でも指摘していた通り、放置すれば一晩もかからずに星を食い潰す程の力を有する
一方で星を吸収した後にどうするつもりだったのかは不明。吸い上げた力を燃料に変え、別の星に飛び立つつもりだったのか
あるいは枯渇した惑星諸共枯死する運命だったのか…
その真相はベアトリーチェのみぞ知る - 55二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 01:44:37
- 56二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 10:10:18
- 57二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 16:23:53
保守しとくでゲス!
- 58二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:17:40
>>52の続き
(時は少し遡る)
(ホシノが妖花ベアトリーチェとぶつかる直前、宮殿外縁での事…)
???「――ぉリ、サオリってば!しっかりしてよ!」
???「リーダー!お願いです目を開けて下さい!サオリ姉さぁん…!」
サオリ「…う」
(何者かの呼び声に、サオリは目を開ける)
(気が付くと、泣き顔のヒヨリと必死な表情でサオリを見下ろすミサキがいた)
サオリ「お前たち…ぶじ、だったのか」
ヒヨリ「!う、うわぁあああん!リーダー、リーダーぁ!」
ミサキ「あんたに言われたくないわよ…。でも、まあ何とかね。あいつ――どういう訳か、とどめを刺さずに行ってくれたから」
サオリ「そうか――っ!そうだ、姫!アツコは、アツコはどこだ!?」
ミサキ「アツコなら、ほら」
(血相を変えるサオリに、ミサキはある方向を指さす)
(そこには既に手当てを終え、寝かされているアツコの姿があった)
サオリ「アツコ…よかった…無事、だったんだな」
ミサキ「無事、と呼んでいいのか微妙だけどね。それで?私たちが気絶してる間に何があったの?それに、あの化け物も――」
(ミサキが遠くを見やる)
(視線の先には、今まさに星を吸い尽くさんとする妖花ベアトリーチェがいた)
サオリ「…あれは」
- 59二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:17:59
(サオリが答えようとしたその時、ドタバタと何者かが走ってくる気配がする)
(咄嗟に各々の銃を構え、気配が迫ってくる方へと向けたサオリ達だったが)
マコト「ぬおわっ!?き、貴様ら!何故ここに!?」
サオリ「お前は――」
マコト「いや、ちょうどいい所で出会った!おい、お前ら!格納庫の場所は分かるか!?」
ヒヨリ「へ?」
(闖入者の突拍子もない質問に、サオリ達は思わず本心からポカンとする)
(そんな彼女たちに苛立ったように、マコトはつかつかと詰め寄った)
マコト「だから、格納庫だ格納庫!もっと言えば、貴様らが乗ってきた、あのヘリコプターがある場所だ!」
サオリ「ヘリコプター?何を言って」
ミサキ「――ああ、もしかしてここから逃げ出すつもり?残念だけど、それなら無駄よ。たとえ星の裏側まで逃げたって、あの怪物の魔の手からは」
マコト「バカ者!何を寝ぼけた事を言っている!」
マコト「逃げるのではない!あの化け物を――遠くで暴れてる花のデカブツをどうにかする為力を貸せ、と言ってるんだ!」
サオリ達『はあ!?』
(まさかの提案に、サオリ達が再び仰天する)
(対するマコトはきかん坊を相手にするかのように、苛立ちながらも言葉を続けた)
マコト「まだ分からないのか!あんな奴をほったらかしにしてたら危ういと、お前がさっき言った通りだろうが!」
ミサキ「それは…そう、だけど。でも無理よ、あんなのどうしたって勝ち目なんて」
マコト「勝ち目が何だ!やってもみない内から諦めてどうする!」
ヒヨリ「そ、そんな事言われても。私たちが乗ってきたあのヘリじゃ、せいぜい乗せれてミサイル数発くらいですし」
マコト「数発『も』積めるだろう!なら援護には十分だ!」
サオリ「――援護、だと。一体だれを援護する。いや、そもそも誰を援けた所で今のマダムを止める術など」
マコト「誰を援護、だとぉ?ええい言わせるな、忌々しい!」
- 60二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:18:17
(マコトが勢いよく指さしたのと、奇しくも同じ瞬間)
(『彼女』は、ちょうど妖花ベアトリーチェの下に到達し――戦いを始めていた!)
マコト「無論!あそこで今も地上の為、ひいてはお前らの為にも戦っているあいつ――小鳥遊ホシノの為に決まっている!!」
サオリ達『っ!!』
アツコ「わたしたちの、ため…?」
ミサキ「アツコ!?」
サオリ「目が覚めたのか!無理をするな、まだ安静に――」
マコト「おい!いつまでそこに隠れている!お前らもこいつらに何とか言ってやれ!」
ヒヨリ「な、何を…?」
(マコトが頭だけを後ろに向け、威圧的に促す)
(すると――柱の向こうから、妖精に似たフロラルド住人達が現れた)
(彼ら、あるいは彼女らは怯えるように、けれど少しずつ着実に、サオリ達へ距離を詰めていく)
サオリ「お前達…」
マコト「ここへ来る前に出くわしてな。格納庫の所まで案内させてやったというわけだ」
アツコ「……」
ミサキ「姫!?」
ヒヨリ「あ、アツコちゃん!?」
- 61二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:18:38
(痛む身体を起こし、アツコがフロラルド住人たちと向き直る)
(しばしの沈黙。そして――)
フロラルド住人達『――(懐から何かを取り出す)』
アツコ「!それ、は…!」
(フロラルド住人が取り出したもの、それは光り輝くもう一つの『きせきの実』だった)
(住人たちは、それを恐る恐る――あるいは恭しく、アツコに譲り渡す)
アツコ「…信じて、くれるの?」
フロラルド住人たち『――』
アツコ「私は、あなた達に何もしてあげられなかった」
アツコ「マダムに――あの『魔女』に虐げられている時も。アリウスの子たちが、気まぐれに鬱憤晴らしで弄んでいた時も。何より――この私だって、あなた達を平然、と――」
サオリ「違う!!」
(アツコの懺悔を、サオリが力強く遮る)
アツコ「サっちゃん」
サオリ「平然と…なんて、言うな!お前は、いつだって寝所で泣いていた!」
ミサキ「そうだよ――私たち、知ってるよ。姫がずっとずっと、その子達の苦しみを思ってガスマスクの下で胸を痛めてた事を」
ヒヨリ「それに…私たちも同罪…いいえ、それ以上です。だって、私たちは、ずっとあなた達を――」
(サオリ達の脳裏に、かつての記憶が蘇る)
(空の上で、平和に暮らしていたフロラルド。そこにある日突然現れた、ベアトリーチェと名乗る魔女)
(魔女の力は強大で、当時の王国の戦力では手も足も出ず屈服するしかなく)
(そして――服従した結果、フロラルドに生きる者たちは、アリウスの子はずっとずっと奴隷同然の仕打ちを受け続けてきた)
- 62二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:19:02
サオリ(いつからだ…姫が笑わなくなったのは…)
ミサキ(いつから、だろうね。姫が、ガスマスクで顔を隠すようになって。私たちも、それに倣うように顔を隠すようになったのは)
ヒヨリ(昔は、こんなじゃありませんでした。姫も、私たちも、みんなみんな笑顔で。全てが虚しいだなんて事、欠片も思わなくて――)
アツコ(でも、もう戻れない。どんなに望んでも、あの頃の日々を取り戻すなんて事)
(その時。遥か彼方で、大爆発の音と光が響いた)
(見れば、あの『魔女』が。怪物と化したベアトリーチェが、苦しんでいて――)
マコト「…お前たちの事情など、私『達』は知らん」
(そこで、何かを見計らったかのようにマコトが一歩進み出る)
マコト「だが、これだけは言えるぞ。――今ここで動かなければ、本当に何もかもが終わってしまう」
マコト「そうなれば、待っているのは本当の暗闇だ。夜明けもなく希望もなく、全てが虚無と絶望に満たされた暗黒」
マコト「そんなものが、お前たちの本当の望みか?」
サオリ達『……』
マコト「分かったら力を貸せ。案内しろ、とまでは言わん。せめてヘリと武装がある場所くらいは教えてもらうぞ?そうしたら後は――」
サオリ「もういい。分かった」
マコト「何?」
- 63二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:19:35
(サオリが、ミサキが、ヒヨリが。そしてアッコが顔を上げる)
(その顔は、かつてのような諦観と絶望に満ちていたものではなく)
サオリ「ついてこい、地上の人間。それに、お前達フロラルドの者もだ」
サオリ「お前たちが本当にあの魔女を――ベアトリーチェを倒せるというのならば」
サオリ「証明してもらうぞ。私たちの目の前で」
(そして、再び現在)
サオリ「…まさか。本当に、倒してしまうとはな」
(眼前の光景を、信じられないような顔でサオリは見つめる)
(ベアトリーチェは消えた。跡形もなく、亡骸さえ残さず)
(『地上の勇者』の砲撃の前に、長い間フロラルドを苦しめ続けた脅威は完全に消え去っていた)
マコト「ん――お、おい!小鳥遊ホシノは!?あいつはどこに行った!?」
アツコ「えっ?」
ミサキ「どこ、って。そんなの、さっきまであそこ、に――」
(いない、どこにも)
(砲撃の反動か、あるいは奇跡の代償か)
(ホシノの姿はおろか、ホシノが立っていた足場さえも。妖花共々いつの間にか消え去っていた)
ヒヨリ「ま、まさか地上に落ちて…!?そ、そんなぁ!いくらなんでも、この高さから地上に落ちたら――!」 ???「…ーぃ」
マコト「縁起でもない事を言うなバカ者ォ!おい、レーダーでも何でもいい!小鳥遊ホシノの姿を探せ!」 ???「ぉーい」
ミサキ「無茶言わないでよ!?それに、この高さから落ちたのならとっくに」 ???「ぉおーい」
サオリ「まて。…何か、聞こえないか?」
アツコ「みんな、あそこ」
- 64二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:20:03
(アツコが指さした先、そこに視線が集まる)
(その先に、あったのは――)
ホシノ「おお~い。みんな、大丈夫か~い?」
(フロラルド住人達に運ばれ、ヘリに向け微笑みかけるホシノ)
(連戦でボロボロになってこそいたが、その身体は五体満足のまま、いつものように笑顔を浮かべていた)
マコト「キキキッ!――生きていたか、小鳥遊ホシノォ!!」
ミサキ「うそ…ほんとうに、生きてた…」
アツコ「お、ミサキちゃんの驚き顔。これは本当にレアだ」
ヒヨリ「う――うわぁあああん!よかった、よかったぁ!ほんとうに、無事でよかったですぅううう!!」
サオリ「落ち着けヒヨリ!気持ちは分かるが、泣きながらヘリを操縦するな!ば、バランスが――」
マコト「な――何ィイイイ!?」
ホシノ「ありゃりゃ、こりゃ大変だぁ」
(バランスを崩し、一気にふらつき始めるヘリコプター)
(苦笑するホシノに、つられて思わず笑顔を浮かべるフロラルド住人たち)
(その様は、天空に平和が戻った事を何より示していた)
バラバラバラ…
ホシノ「ん?あれは…」
ふと、真下から響くローター音
ホシノが見下ろすと――そこには、ヘリに乗ってこちらに向かってくる対策委員会の皆と先生がいました
- 65二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:20:49
ノノミ「ホシノせんぱ~い!無事ですかー?」
シロコ「ん、助けに来た――けど。何かもう、終わってるっぽい?」
セリカ「ええと…どういう状況なの、これ?」
アヤネ「と、とりあえずホシノ先輩を回収します!」
先生“あ、アヤネ。慎重にね?”
ゆっくりと、慎重にホシノへと近づいてくるアビドスヘリ。
その姿を見たホシノは少しだけ名残惜しそうな顔をしましたが、次の瞬間自分を掴んでいたフロラルド住人に優しく呼びかけました。
ホシノ「うーん、もうちょっとだけこの空中散歩も楽しみたかったんだけどなぁ」
ホシノ「まあでも、しょうがないよね。せっかくここまで迎えに来てくれたんだもん」
ホシノ「ありがとね、フロラルドの皆。それじゃ――最後に一つ、頼むよ」
ホシノの呼びかけに応え、フロラルド住人たちが勢いよくホシノを揺らします。
その様子を見た対策委員会の皆と先生、それに遠巻きに見ていたマコトとサオリ達が驚きますが知ったこっちゃありません。
次の瞬間――ホシノの身体は放り投げられ、勢いよくアビドスヘリに向け飛び込みました!
先生“う――うそぉおおお!?”
アビドス一同『え、えええええ――っ!?』
ホシノ「うへ~!先生、みんな、ただいま~!」
- 66二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:21:21
こうして、フロラルドを――ひいてはキヴォトスを襲った脅威はホシノ達の手で倒されました。
空に攫われたホシノの家も、パンデモニウム・ソサエティー本棟も、無事地上へと下ろされ元通り。
地上に戻ったホシノとマコトは事情説明でてんやわんやになりましたが、それはまあ些細な問題。
それより、もっと大きな事が二つ。
一つは、キヴォトスに新たな名所――満開の花を咲かせた、ワールドツリーが生まれた事。
もう一つは――キヴォトスに、新たな生徒/仲間たちが加わった事です。
コンコン、ガチャ
先生“やあ、よく来てくれたね”
先生“ホシノから聞いているとは思うけど、私がシャーレの『先生』だよ”
先生“それじゃ、まずは君たちの事を一人一人教えてくれるかな?”
(先生の前にサオリ・ミサキ・ヒヨリ――そして、アツコが並んで立つ)
???「私の、名前は――」
ホシノカービィ・トリプルデラックス編 おしまい
- 67二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 21:22:01
- 68二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:13:24
- 69二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 07:53:00
保守しておくデ
- 70二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 13:17:04
保守しかできない…SS書きたいのに時間がない…
- 71二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 13:36:49
- 72二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 14:08:35
- 73二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:04:06
保守も兼ねてトリデラ編の設定を一部投下
参考になれば幸いです
・フロラルド
トリプルデラックス編の主な舞台。
五つの空飛ぶ島々から成り立つ浮遊大陸であり、キヴォトスの遥か上空に存在していた秘境。
太古より暮らしていたフロラルドの民と、かつて地上の政争に敗れ遭難も同然に流れ着いたアリウスの民(ブルアカ本編でいうアリウス自治区)が共存しており、長らく平和な時を過ごしていた。
だがベアトリーチェの襲来後は圧政が敷かれる地獄と化し、奴隷であり兵隊と化した『アリウスの子』による監視社会と、虐げられ続けるフロラルドの民という状況が続いた。
ベアトリーチェ打倒後は徐々にかつての共存体制に戻りつつあるものの、未だベアトリーチェの洗脳が続くアリウスの子も少なからず存在し禍根になっているとの事。 - 74二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:04:24
- 75二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:04:53
・フロラルドの民
フロラルドに初めから存在していた住人達。
姿かたちは本家トリプルデラックスのフロラルド住人たちと同じで、花の妖精のような見た目をしている。
基本的に温厚かつ友好的な性格で、かつて流れ着いたアリウスの民に対しても献身的に救助や世話を行った。
だがその性質が仇となり、ベアトリーチェ襲来時は何の力にもなれず倒れていくアリウスの民を怯えて見届ける事しかできなかった。
圧政が敷かれた後も格好の標的として虐げられ続けていたが、本人?達は「当然の報い」として受け入れ、アツコやサオリ達に対しても怯えこそすれ同じ被害者として全く恨んではいなかった。
圧政解放後は再びフロラルドの民として自由を謳歌し、アツコやサオリ達とも少しずつ和解を進めている模様。
- 76二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:10:59
- 77二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:35:24
マコト(あの事件から少し経った…フロラルドにはまだまだ問題が多く残っているらしい。ベアトリーチェとかいったあの女の洗脳被害が色濃く残っているのだとか。)
「キキキ!なら助けを施して借しを作っておき、ゲヘナ側に寄せてやろう!そしてゆくゆくはフロラルドはゲヘナの自治区に加えてやる!キッキッキ!早速計画を…」
イロハ「あ、マコト先輩。フロラルド…というかアリウスに接触するために、トリニティが動き出していますよ?」
マコト「なにぃーー!?前言撤回だ!!計画している場合じゃないではないか!!」
イロハ「な、なんですかいきなり?」
マコト「こうしてはいられん!!奴らに先を越されてたまるか!!すぐに行くぞ!イロハ、お前もこい!!」
イロハ「…はぁ?」
ホシノカービィ トリプルデラックス
特別編 ーキキキでゴー!ー - 78二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:41:35
- 79二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:47:20
- 80二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:55:56
イロハ「ま、まさかここで見つかるなんて…!」
マコト「なるほどな。我がゲヘナからあれを盗み出したのはアリウスの奴らであり、指示したのはあのベアトリーチェだったわけだな。」
イロハ「そうですね。とにかく、見つかってよかったです。」
マコト「キキキ!流石はマコト様だ!…それにしてもこの鏡、装飾が豪華だな。」
マコトがそう言って近づき、よく観察した。その時、マコトの姿が鏡に映った…!
イロハ「……あ。そういえば、風紀委員長の偽物はその鏡から出てきましたよね?」
マコト「?あぁ。」
イロハ「それは鏡に映ったから。ということは…」
マコト「……な、何だって!?」
すると鏡から何かが出てきた!
マコト「うぉぉ!?あ、あれは、まさか!?」
イロハ「…出ちゃったみたいですね、マコト先輩の………偽物が。」
ブラックマコト、出現!!
星のカービィ トリプルデラックス - 王位の復権:D.D.D. ( 1 Hour )
- 81二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:07:15
ブラックマコトの強さは驚くべきものであった。『アイデンティティ』での銃撃、ハンマー攻撃にアクス攻撃、ミサイル攻撃にあのダークマターを彷彿とさせる攻撃までしてきたのだ!
だが、この世界のマコトも、ホシノやヒナとともに戦い世界を救ってきたのだ。そしてそこに、万魔殿の議長としてのプライドも乗る!そう、マコトはなんと〜
マコト「このマコト様を!!舐めるなぁぁぁ!!!自らの偽物に負けることは…ない!!」
信じられない程パワーアップしていたのだ!!
イロハ「…随分と強くなりましたね、先輩。まさか倒すなんて。」
マコト「当然だ、私だって成長するんだぞ。」
イロハ「らしくないこと言ってますね。」
マコト「何だとぉ!?」
だが、安心するにはまだ早かった!突如、ディメンションミラーは2人を吸い込み始めた!
マコト「今度はなんだ!?」
イロハ「す、吸い込まれる!?」
マコト「うわぁあああ!?」
……………
………
……
…
- 82二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:15:33
……
…
イロハ「…い!マコト先輩!起きてください!」
マコト「ん…ここは…ばっ!?こ、ここは!?」
イロハ「はい…あの空間です。」
マコト「か、鏡の中!?な、なぜだ!?」
??「私がぁ…呼んだからよ♪」
マコト・イロハ「「ッ!?」」
マコト「その声は…まさか!?貴様!?」
ダークヒナ「久しぶりぃ…お2人さん♪」
【星のカービィ トリプルデラックス】よみがえる最強の影 / ダークメタナイトリベンジ【1時間耐久】
- 83二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:30:20
マコト「き、貴様…ヒナの偽物か!?」
ダークヒナ「酷いわねぇ。私にはダークヒナって可愛い名前があるんだから。」
イロハ(…なんか性格、変わってません?)
マコト(私が知るか!)
イロハ「それでダークヒナ…なぜ私達をこの中に?」
ダークヒナ「決まってるでしょ♪…復讐よ!」
ダークヒナは圧を強めていく。
ダークヒナ「私はあの時、完膚なきまでに叩きのめされて鏡の中で体を再構築することを余儀なくされた……あんな屈辱を味わうなんてぇ!!」
ダークヒナは癇癪を起こす。
ダークヒナ「だから決めたの!!復讐してやるって!!あの小鳥遊ホシノを倒してぇ!オリジナルの私も倒してぇ!そしたら……あはっ!」
ダークヒナは笑顔を浮かべる。
ダークヒナ「今度こそあの先生を……たぁーっぷり絞り尽くしてあげる♡」
マコト「…なぁイロハ。アイツ、一応空崎ヒナの影ということで良いんだよな?」
イロハ「…えぇ、そうですね。」
マコト「…裏ではあんなこと考えてるのか?ヒナは。」
イロハ「知りませんよ。」
ダークヒナ「そしたらちょうどいいタイミングであなた達が来た。だからまぁついでに、軽くあなた達を倒しておこうかなと思ってこちらに引きずりこんだのよ。どう?満足した?」
マコト「ほう?このマコト様とイロハはついでだと?…キキキ!」
マコトは銃とハンマーを構える。
マコト「今からその『ついで』に、貴様は負けることになるがな!!」
ダークヒナ「…うっふっふ!あっはっは!!やってみなさいよぉ!!」
ダークヒナリベンジとの、最終決戦だ!!
- 84二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:40:29
ヒナの影、もう1人のヒナなだけにその強さは桁違いだった。それもそう、小鳥遊ホシノ4人で倒せた相手だったのだから。しかし…だがしかし…!
ダークヒナ「はぁ…ち、ちょっと…なんでそんなに強くなってるの…!?」
マコト「はぁ…はぁ…はぁ…キ、キッキッキ…!ぜぇ…残念だった…なぁ……このマコト様も…レベルアップをしているんだよ……!イロハァ!!」
イロハ「分かり、ました!このっ!!」
イロハが投げた槍を間一髪で避けるダークヒナ。
ダークヒナ「こんなのに当たらない!」
すかさずマコトが銃を放つ!しかしダークヒナはこれも避けてしまった。
ダークヒナ「お見通しよ!」
だが、その銃弾は壁に当たり跳ね返り、ダークヒナに命中した!
ダークヒナ「がぁ…!?ち、跳弾!?」
マコト「キキキ、このマコト様を舐めるなよ?これで…」
マコトはハンマーを振り下ろした!!
マコト「トドメだぁぁぁぁ!!!」
ダークヒナ「マ、マコトなんかにぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ダークヒナは、鏡のように割れた。
- 85二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:48:02
無事脱出した2人は、フロラルドやアリウスの皆立ち会いのもと、ディメンションミラーを破壊した。
イロハ「良かったんですか、先輩。」
マコト「あぁ。この鏡がもたらしたのは負の要素だけだ。そんな鏡があったところで、かえって危険を増やすだけになる。」
イロハ「そうですね。」
アツコ「あの…」
マコト「ん?なんだ?」
アツコ「どうやら、また危機を救ってくれたみたいだから。ありがとう…!」
サオリ「本当に、お前たちには助けられてばかりだ。私達も恩を返したい。もし何かあったら呼んでくれ。いつでも力になる。」
マコト「…キッキッキ!!これは儲けたなぁ!!キーッキッキ!!」
イロハ「はぁ…やれやれです。」
こうして無事(?)に協力関係を築けたマコトは、イロハを連れて悠々と戻っていくのだった…。
おしまい
- 86二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:55:35
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:59:51
- 88二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 23:12:13
- 89二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 01:14:10
- 90二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 12:52:17
このレスは削除されています
- 91二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 13:12:18
- 92二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:25:58
このレスは削除されています
- 93二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:27:05
・爆裂!ボンバーラリー!
ホシノ「よ~し、いっくよ~!」
ヒナ「さぁ、始めよう」
マコト「キキキッ!マコト様の腕前を見せてやろう!」
イロハ「…何度考えても正気じゃないですよね、このミニゲーム」
(しばらく後)
イロハ「まあ、こうなるんじゃないかと思ってましたよ」
マコト「うるさいうるさい!おのれ小鳥遊ホシノ…おのれ空崎ヒナめぇ…!」
ホシノ「うへ~!やるねぇ、風紀委員長ちゃん!」
ヒナ「そっちこそ大したものね。――適当に済ませるつもりだったけど、もう少しギアを上げましょうか」
ホシノ「うへ~、勘弁してよ~。おじさんももう若くないんだからさ~!」
マコト「ところで。あいつらはいつまで続けるつもりだ?」
イロハ「さあ。爆発するまでやるつもりなんじゃないですかね」 - 94二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:55:24
・ギガトンパンチ
エネルギーを溜めて岩を割れ!
ヒナ「すう…はぁ…!」
ホシノ「たまにはおじさんも本気出しちゃおっかな~」
イロハ「マコト先輩、無理しない方がいいですよ」
マコト「黙ってろイロハ!万魔殿の長として、何よりあの空崎ヒナの前で無様な姿を見せるわけにはいかん!」
(パンチ!)
ホシノ「おじさんの方が一ミリ深いんじゃない?」ヒナ「いいえ。私の方が二ミリ深いわ」
↑(どっちもカンストしてる)
マコト「……ッ!」←400m突破した所で力尽きてる
イロハ「ま、こんなものでしょう。…大丈夫ですか、マコト先輩」←300m辺りで止まってる - 95二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:55:39
- 96二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:55:59
- 97二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 20:56:30
- 98二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:31:38
・ホシノカービィ ロボボプラネット編
ここは呆れかえる程平和…ではないキヴォトス。
今日も今日とて、学園都市の各所ではいつもの光景が広がっておりました。
パンデモニウム・ソサエティーでは羽沼マコトと棗イロハがチェス勝負に興じ、
ゲヘナ風紀委員会では風紀委員長の空崎ヒナが書類との格闘に明け暮れ、
小鳥遊ホシノはお気に入りのお昼寝スポットでスヤスヤ、熟睡中…
そんな彼女たちの頭上に、迫りくる巨大な影が…
―パンデモニウム・ソサエティー本部―
マコト「キキキッ、追い詰めたぞイロハァ…。さあさあ、ここからどう挽回してみせる?」
イロハ「うーん…ううーん…(本当はすぐにでもやり返せますが、そうすると後々面倒なんですよね)」
イブキ「マコト先輩、イロハ先輩!どっちもがんばれー!」
マコト「キキキッ!いい子だ、イブキ。後でプリンを買ってあげよう!」
イブキ「わーい!」
イロハ「ううーん…(面倒臭くなってきましたし、そろそろ投了しましょうか)」
(その時。突如執務室を影が覆った)
マコト「む、何だ急に曇り出して。今日は晴れだと天気予報で言ってた筈…」
イロハ「――」
マコト「おいイロハ、何を呆然としている?さてはこのマコト様の戦術に驚きでも」
イブキ「ま、マコト先輩!あれ見て、あれ!!」 - 99二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:32:16
(仰天したイブキの声に、思わずマコトも外を見やる)
(すると、驚くべき事に――なんと!パンデモニウム・ソサエティー本部上空に、巨大な要塞都市が浮かんでいた!)
マコト「……は?」
イブキ「すごーい!なにあれ、あんなの見た事ない!」
イロハ「う、嘘でしょう…?何なんですか、あれは…」
(困惑、興奮、そして混乱)
(三者三様の反応を示す万魔殿上層部の前で、その要塞都市は淡々と事を進めていった)
(すなわちゲヘナ自治区――否、キヴォトス全てへの宣戦布告をもって)
??『――キヴォトスに住まう全ての生徒・一般市民に告げる』
??『本日よりこの学園都市は、我々ミレニアムサイエンススクールが占有する事が決定した』
??『抵抗は無意味である、抗戦は無駄である』
??『あくまでも抗う場合――我々は武力による制圧も辞さない』
??『それが嫌だと言うのなら、速やかに武装解除し投降せよ』
??『以上、諸君らの賢明な判断と行動を期待する』
(通信が途絶え、代わりに要塞都市から多数のロボットと武装した生徒たちが降下してくる)
(それらはゲヘナ自治区に降り立つと、目についた生徒・一般市民を問わず次々に確保し始めた!)
ミレニアム戦闘ロボA『ゲヘナ学園の生徒を確認。これより安全確保に入ります』
ミレニアム戦闘ロボB『抵抗は無駄です、大人しく降参しなさい。繰り返します…』
ゲヘナ生徒A「うわー!なんだなんだ!?」
ゲヘナ生徒B「やめろ来るな!来るなぁ!」
ゲヘナ住民A「な、何だ!?何が起こってるんだ!」
ゲヘナ住民B「とにかく逃げろ!ここにいたらヤバ」
ミレニアム武装生徒「――ゲヘナ自治区の住民を確認。制圧、開始する」
- 100二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:32:35
ゲヘナ住民AB「「う、うわぁあああ!!」」
(あちこちで爆発と煙が生じ、たちまちゲヘナ自治区は戦闘状態に陥る)
(その様は、パンデモニウム・ソサエティー本部からも一目で見渡せた)
イブキ「ひどい…!なんでこんなことするの!?」
イロハ「マコト先輩!」
マコト「分かっている!イロハ、イブキを連れて虎丸で避難しろ!防衛ではない、退避優先だ!いいな!」
イロハ「マコト先輩はどうするんです?」
マコト「私はここに残って指揮を執る!わかったら急げ!」
イロハ「了解、行きますよイブキ。ここも危険です」
イブキ「わ、わかった!気を付けてね、マコト先輩!」
(イロハとイブキが退出し、執務室にはマコト一人となる)
(残されたマコトは不敵な笑みを浮かべ、上空の要塞都市を睨みつけた)
マコト「ミレニアムめ、ただの科学バカの集まりかと思っていたが…やってくれたな!」
(執務室のデスク、そこに隠されていたボタンにマコトが触れる)
(すると、パンデモニウム・ソサエティー本棟の一部が変形しいくつもの自動大砲が現れた!)
マコト「以前、小鳥遊ホシノや空崎ヒナに殴りこまれた事を踏まえて用意しておいた防衛設備だ!この『マコト砲』の前に恐れおののくがいい!――発射ァ!」
(本棟の自動大砲が火を噴き、要塞都市めがけ砲弾が飛んでいく)
(そのまま派手に標的を吹き飛ばすものと思われたそれらは、しかし見えない壁に阻まれたかのように空中で爆発した!)
(当然、要塞都市には何の被害もない)
- 101二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:32:57
マコト「な、何ィ!?バリアだとぉ!」
(驚愕するマコトの眼前で要塞都市の一部が開き、巨大な砲口が現れる)
(お返しとばかりに閃光が奔り――次の瞬間、放たれた砲撃によりパンデモニウム・ソサエティー本部は吹き飛ばされた!)
イロハ「!?そんな、マコト先輩…!」
イブキ「イロハ先輩!マコト先輩が、マコト先輩がぁ!!」
イロハ「……ッ!イブキ、逃げますよ!マコト先輩の犠牲を無駄にしてはいけません!」
イブキ「でも!」
イロハ「マコト先輩も、きっとそう望んでる筈です!」
イブキ「っ!!」
(イブキと共に虎丸に乗車し、生き残った僅かな戦車隊と共に離脱するイロハ)
(この日、パンデモニウム・ソサエティーはミレニアムの大戦力の前に完敗した…)
(一方、所変わってこちらはゲヘナ自治区上空)
(空崎ヒナとアコ達風紀員幹部達は要塞都市の襲来を見るや空中戦艦ヒナバードに乗り込み、出撃していた!)
チナツ「報告!現在、ゲヘナ学区各地でミレニアムと思しき敵戦力が侵攻している模様!」
イオリ「うちの部下たちも迎撃と避難に当たらせてるけど、戦況は芳しくない…!そこら中で押されまくってる!」
チナツ「パンデモニウム・ソサエティー本部と連絡が取れません!先程の爆発を鑑みるに、恐らく既にやられてしまった可能性も…」
アコ「――ヒナ委員長。いかが致しますか?」
- 102二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:33:18
(部下たちの報告を受け、ヒナは決然と目を開く)
ヒナ「目標、空中の要塞都市。これよりこの戦艦で陽動と迎撃に打って出る!」
アコ・イオリ・チナツ「「「了解!」」」
ヒナ「イオリ、射程距離に入り次第二連主砲を撃って。チナツとアコは、それぞれ各地上部隊との通信と連携を維持。いいわね?」
イオリ「了解!ぶちかますよ!」
アコ「了解です!チナツ、あなたは住民の避難を優先的に進めて下さい!私は戦闘指揮の方を!」
チナツ「りょ、了解しました!」
ヒナ「ミレニアムのセミナー…何を考えてるのか知らないけど、私たちの自治区を土足で踏み荒らした報いは受けてもらう」
(たちまちヒナバードは速度を上げ、要塞都市に肉薄する)
(いよいよ二連主砲の射程に入りかけた、その時)
アコ「っ!要塞都市から高エネルギー反応!?まずい、撃ってきます!」
ヒナ「――!イオリ、攻撃中止!アコ、回避を」
イオリ「ダメだ、間に合わないっ!」
(先程パンデモニウム・ソサエティー本部を吹き飛ばした時と同様に、要塞都市の一部が開き砲撃が放たれる)
(閃光は空を貫き、ヒナバード左翼を掠める形で命中した!)
- 103二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:33:43
一同『きゃぁああああっ!!?』
チナツ「や、やられました!左エンジン、出力低下!高度、維持できません!」
イオリ「主砲もダメだ!今の一撃でおシャカになっちゃってる!これじゃ反撃できないよ!?」
アコ「そ、そんな…!この風紀委員会(と万魔殿)の予算を投じて再建したヒナバードが、たった一撃で!?」
ヒナ「まずい、何とか立て直して――」
(混乱の只中。要塞都市より飛び立ち、ヒナバードに接近する影があった)
(戦艦の復旧に追われるヒナ達の隙を突き、一気に迫った『それ』はそのまま強化ガラスを破って艦橋に侵入した!)
アコ「っ!?な、何者――ぐあっ!」
イオリ「アコちゃん!あぐっ!?」
チナツ「イオリ、アコ行政官!そんな、一撃で!?」
??「…ターゲットを確認。これより第二フェイズ・確保へ移行します」
ヒナ「――!」
(直後、ヒナバードの艦橋が弾け飛ぶ)
(そこから再び飛び立ち、要塞都市へ戻っていく謎の飛翔体がいたが――誰も、止める事はできなかった)
(そのままヒナバードは墜落し、都市郊外へ消えていく…)
- 104二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:34:07
さて。ゲヘナ学区が大変な事になっていた頃
小鳥遊ホシノは、お気に入りの昼寝スポットでぐうぐう眠っていました
今日は学校もお休み。近くにいたヘルメット団や不良たちも追っ払い気楽なひと時。
そう、思っていたのですが――
ホシノ「う~ん。むにゃむにゃ…大将、もう食べられないよぉ~」
ホシノ「もう替え玉はいいってば~」
ピピピピッ、ピピピピッ!
ホシノ「うう~ん…何なのさもう、うるさいなぁ~。せっかく人が、気持ちよく眠ってたって、いう、のに…」
(耳元で鳴り響くコールに目覚めるホシノ)
(だが、起きた瞬間飛び込んできた光景を前に彼女は凍りついた)
ホシノ「なに、これ」
(それは、変わり果てたアビドス自治区の景色)
(砂と廃墟、そしてわずかばかりの生活圏は鋼鉄とパイプで塗り替えられ)
(寂れきった、衰退を待つだけだった筈の風景は知らぬ間に工業地帯へと生まれ変わっていた)
(さらに言えば、遠くには見覚えのない謎のタワーが建てられており…)
- 105二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:34:47
ホシノ「(ピッ)…もしもし?」
アヤネ『ホシノ先輩!ご無事ですか!今どこに!?』
ホシノ「おはようアヤネちゃん…って言いたいところだけど。どしたの?」
アヤネ『敵襲です!アビドス全体がミレニアムを名乗る敵勢力の侵略を受けていて、そこら中から攻撃を――(ザザッ)』
ホシノ「アヤネちゃん?もしもし?」
アヤネ『とにかく(ザザッ)――すぐ学校――こち――襲撃――(ブツッ)』
(通信が途絶え、アヤネの声が聞こえなくなる)
(即座にかけ直そうとするが、妨害電波でも走っているのか何度やっても反応しなかった)
ホシノ「…うへ~。どうやら、おじさんが寝てる間に大変な事になっちゃったみたいだね」
ホシノ「ミレニアムだか何だか知らないけど。おじさんの可愛い後輩ちゃん達に手を出して、ただで済むと思うなよ」
ホシノ「もう少しだけ、まっててねみんな。――すぐおじさんが駆けつけるから!」
お昼寝スポットを飛び出し、アビドス高校別館へとひた走るホシノ
かくして、新たなる敵との戦いが幕を開けるのでした…
- 106二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:35:48
- 107二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 00:52:58
- 108二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 01:40:45
- 109二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 01:47:02
ではいきます!
キキキでゴー!よりも短いです!
ここは、アビドス高校の屋上。
ヒナ「…そう、そんなことがあったの。大変だったわね。」
ホシノ「いや〜、おじさんはただやりたいからやっただけだよ〜。うへへ。」
ヒナ「本当、色々な意味で変わったわね、あなた。」
そうして穏やかな時間が過ぎていく。
ヒナ「もっとも、今日も色んな事件やトラブルは、キヴォトス中で起きているけどね。」
ホシノ「平和な方だけどねぇ。」
ヒナ「そうね。良い天気だし。」
すると突然…空が暗黒に染まった。
ヒナ「……何?」
ホシノ「…穏やか時間、短かったなぁ〜。」
キヴォトス中…いや、この星中に響き渡る声。
【あー!あー!手前様方ぁー、手前様方ぁー、聞こえていらっしゃいますかねぇ?ではー…おほん!今から話しますのは、一世一代の大怪談話!】
ヒナ・ホシノ「「!?」」
【もっとも、もはや怪談の域を越えているかもしれませんがね!ほーっほっほっほ!】
- 110二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 01:52:42
- 111二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:05:38
【手前はそれを見て閃きました!…そうだ、ノヴァの力を我が物にしてしまおうとね。】
ホシノ「なんだって…!?」
【思い立ったが吉日!早速復活したノヴァの中枢に侵入した手前は、根こそぎ…そりゃあもう根こそぎ奪い尽くしてやりましたよ!!ノヴァの力全てをね!!!おかげで手前は……】
すると突然、太陽と月がまたもや大喧嘩を始めた。それだけではない、様々な異常気象が星中で大量発生した。キヴォトスの各地が一斉に、大混乱、阿鼻叫喚の祭り状態だった。
【こんなことを容易くできちゃうくらいの力を身につけてしまったのですよ!!おーっほっほっほっほ!!!】
ヒナ「なんてことを…!」
ホシノ「……やりすぎだよ。」
【おや?怒ってます?小鳥遊ホシノに空崎ヒナ、怒ってますか?怒っていらっしゃるんですか?】
ホシノ・ヒナ「「!………。」」
【怒っているのは手前なんだよ!!!手前の完璧な筋書きをめちゃくちゃにしやがって!!!ボコボコにしやがってよれ!!いいか手間ぇら!ここからが本題だ!!手前は今からこの凄まじき魂の力で宇宙を滅亡させてやる!!!】
ホシノ「は!?」
ヒナ「…狂ってる。」
【ヒャハハハハハハハ!!!嫌だろ!?嫌だよなぁ!?ならここまで来てみなされ!!止めてみなされ!!!手前ぇらに復讐してから、ゆっくりと滅亡させてやりますよ!!おーっほっほ!!ひゃーっほっほっほ!!】
- 112二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:10:05
- 113二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:28:00
…そして訪れたのは、あの時シュロと戦った宇宙に浮かぶ謎の惑星。
ホシノ「宇宙服の整備はバッチリだよ〜。」
ヒナ「えぇ。技術の進歩はすごい。」
ホシノ「ねー。……さて。」
【あぁ…悲しきことかな嬉しきことかな…まさか手前自身が怪談になってしまうとは…!】
ホシノ・ヒナ「「シュロ!!」」
シュロ【ですが、良い気持ちです…魂が形を成して手前に力を与えてくれる…!!あぁ……時は来た………復讐だ…復讐だ!復讐だぁ!!】
【覚悟しろよ手前らぁ!!おーっほっほっほっほ!!】
シュロソウル
大彗星の魂を吸収し、己自身が怪異に成り果てた怪談家…
憎悪と復讐心に満ちた巨悪を、今こそ調伏する時だ!
正真正銘の最終決戦が今始まる!
VS. マルク - 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス
- 114二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:39:49
シューターカッター、シード攻撃、シャドウアッパー、アローアロー、アイスボウルなどの多彩な技で翻弄。さらに
口を大きく開けてのビーム攻撃、シュロ砲。ブラックホールにスプラッシュシュロ、デッドリーボウルなど強力な技を繰り出してくるショロソウル。
だが、ホシノとヒナは…
シュロ【ほーっほほ!諦めたらどうです?】
ホシノ「諦めないよ〜…!!」
ホシノとヒナは!
シュロ【ほら、疲れたでしょう?諦めて倒されなさいって。】
ヒナ「諦めない…!!」
ホシノとヒナは!!
シュロ【さっさと諦めろぉ!!!!】
ホシノ・ヒナ「「絶対に嫌だ!!」」
諦めずに何度も何度も何度も立ち向かった!!
シュロ【はぁ…はぁ…う、動きに追いついてきてやがる…!】
ホシノ「うへへ…!おじさん達は諦めが悪いんだよね…!」
ヒナ「あなたを止めなければ…終わってしまう。なら、何がなんでも頑張らなきゃいけない。それだけよ!」
シュロ【せ、せっかく復活したんだ!!こんなところで…終わっちまう手前じゃないんですよぉ!!!!】
ホシノ「いいや、終わらせてみせる!」
- 115二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:49:35
そして、ついに!
ホシノ「いくよ!ヒナちゃん!!」
ヒナ「えぇ!」
ホシノ・ヒナ「「せーの!!いっけぇぇぇ!!!」」
2人の同時撃ちにより、シュロソウルは敗北した!!
シュロ【ぎにゃああああああああ!!…い、一度ならず二度までも…!!!】
シュロソウルの魂の圧が消えていく…
シュロ「………手前の素晴らしき物語が未完ということとかけまして、真っ白な犬とときます。その心は…おもしろくない。お後が……よろしい…よう…で…」
シュロは気絶した。
ヒナ「…はぁ、捕まえた。端正局にでも突き出しましょうか。」
ホシノ「これで全部元通りのはず。……魂の力、か。」
ヒナ「……ソウル。一体どういうこと?」
こうして事件は解決した。果たしてソウルとは一体なんだったのか?
疑問は残るものの、ホシノとヒナは晴れやかな顔でキヴォトスに戻るのだった。
ところでシュロ、捕まったんだからしっかり反省してね。
シュロ「……さぁて、どうでしょう?」
おしまい
- 116二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 02:55:27
- 117二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 11:41:29
- 118二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 14:27:01
- 119二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:04:30
保守をしているのですよ?
- 120二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:31:15
>>105の続き
・レベル1 プレインプロプトン(アビドス自治区)
ミレニアム戦闘ロボ『抵抗は無駄です。繰り返します、抵抗は無駄――』
ホシノ「邪魔!」
ミレニアム戦闘ロボ『ガガピー!(頭部にスラッグ弾をぶち込まれ、爆散)』
(立ち塞がる戦闘ロボや武装生徒を蹴散らし、突き進むホシノ)
(凄まじい勢いで走るその後には、無数のガラクタと気絶した生徒たちが転がっていた…)
ホシノ「うへ~、次から次へときりがないや」
ホシノ「どいつもこいつもおじさんを見るや襲い掛かってきてばかり。こりゃ相当警戒されてると見るべきかな?」
ホシノ「ま、何だろうと関係ないけど。校舎まであと少し、急いでアヤネちゃんの下に――?」
(その時。頭上からバラバラとローター音が響いてくる)
(もしや戦闘ヘリかと頭上を見上げた瞬間、ホシノのすぐ目の前に何かが落下した!)
ホシノ「うへっ!?な、何!?」
(アスファルトを砕き、土煙の中から現れたモノ)
(それは、二足歩行型の戦闘ロボットだった)
(ただし今まで蹴散らしてきたモノとは異なり、全体的に丸っこくデフォルメされており――さらになんと、搭乗者と思しき生徒がコクピットに乗っていた)
- 121二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:31:41
ミレニアムパイロット生徒「アビドス高校へと接近中の敵対生徒を確認。これより、制圧を開始します」
ホシノ「へえ、やる気?言っとくけど、おじさんは強いよ~」
ミレニアムパイロット生徒「……(無言でロボの武装を構える)」
ホシノ「問答無用ってわけだ。じゃあ――こっちも遠慮しなくていいね!」
(むき出しのコクピットめがけ、躊躇なく散弾をお見舞いするホシノ)
(が、命中間違いなしと思われた弾丸はパイロット生徒の眼前で全て防がれてしまった)
ホシノ「うへ!?何それ!」
ミレニアムパイロット生徒「――(かすかにあざ笑うように口元を歪める)」
ホシノ「なんの!まだまだ~!」
(弾種を切り替え、繰り返し撃ち込むが結果は同じだった)
(何度やっても目に見えないバリアと思しき何かに防がれ、ことごとく無為に終わってしまう)
(さらに戦闘ロボ自体の性能も侮り難く、ホシノは徐々に追い詰められていった)
ミレニアムパイロット生徒「抵抗は無意味である。大人しく投降せよ」
ホシノ「うへ~、そう言われてはいそうですかってなるとでも?」
(口だけは強気に言い返すが、戦況は全く芳しくない)
(どうしたものかとホシノが考えあぐねた、その時)
ホシノ「ん?あれは…!」
- 122二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:32:12
(ホシノの目に、乗り捨てられたものと思しき自動車が映る)
(それを見たホシノは、一目散に車へ駆け寄った!)
(一方、パイロット生徒も逃さないとばかりにその背を追いかけ――)
ミレニアムパイロット生徒「車で逃げようとしても無駄だ。その前にお前を刺し貫く」
(戦闘ロボの右腕から、大型ブレードが飛び出す)
(そのままホシノの背を貫こうとした、まさにその瞬間)
ホシノ「――ここ、だぁ!」
ミレニアムパイロット生徒「何っ!?」
(大型ブレードを紙一重で躱し、大きく跳躍するホシノ)
(そのまま戦闘ロボを飛び越え、裏に回る)
(勢いのついた戦闘ロボは止まれず、そのまま車へと突っ込んだ!)
ミレニアムパイロット生徒「ぐ…お、おのれ…小癪な真似を…」
(車とぶつかり、しばしの間硬直する戦闘ロボとパイロット生徒)
(と、そこへ手りゅう弾が投げ込まれる)
ミレニアムパイロット生徒「!?」
ホシノ「そのロボットがどれだけ頑丈なのか知らないけど――さすがに、車の爆発に巻き込まれたらタダじゃすまないよねぇ?」
(手りゅう弾が起爆し、そのままガソリンに引火する)
(たちまち大爆発を起こし、搭乗していたパイロット共々戦闘ロボは吹き飛ばされた!)
ミレニアムパイロット生徒「や、やられた~(きゅう)」
ホシノ「よ~し、ざまあみろ!作戦大成功だぁ!」
- 123二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:32:39
(余程頑丈に作られているのか、気絶したパイロット生徒に対し戦闘ロボは焦げ目こそ付いたもののほとんど壊れていなかった)
ホシノ「うへ~、さすがミレニアム製。あれだけの爆発に巻き込まれてもピンピンしてるとか、すごいね~」
(ふと、何の気なしに倒れた機体のコクピットに触れるホシノ)
(すると――信じられない事が起こった!)
ホシノ「う、うへ!?な、何何どうなってるの!」
(一方、所変わってこちらはアビドス高校校舎)
(本来休日で人気のない筈の校舎は、今や人で賑わいごった返していた)
(…ただし。生徒たちにとっては、全く有難くも何ともない理由で)
ズドドドド、ドガガガガ!
チュドーン、ボカーン!
シロコ「くっ…!まずい、昇降口が突破されそう!セリカ、グレネード!ノノミ、援護お願い!」
セリカ「了解、シロコ先輩!」
ノノミ「了解です~!弾幕、張りますよ~!」
- 124二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:33:19
(昇降口付近でバリケードを組み、どうにか防戦に徹するシロコとセリカ)
(上階よりノノミのマシンガンによる援護も入るが、劣勢なのは誰が見ても明らかだった)
先生“シロコ、セリカ下がって!階段の踊り場まで後退するんだ!即席のバリケードを作ったから、そこで何とか――」
セリカ「ダメよ!ここで退いたら押し切られる!それに他の階段はどうするの!?」
アヤネ『そちらは大将はじめ市民と他校生徒の皆さんで固めています!苦肉の策ですが、通路にC4も仕掛けました。最悪、それで足止めを……!?』
ドガガーン!
先生“っ!まずい、戦車まで投入してきた!二人とも、急いで奥に!”
シロコ「…っ!(ギリッ)。セリカ、退くよ」
セリカ「シロコ先輩、けど!」
シロコ「どの道、私たちの火力じゃあいつを止められない。ノノミも退いて、早く――」
ノノミ「シロコちゃんセリカちゃん!戦車の砲塔がそっちに!」
シロコ・セリカ「「っ!!」」
(ノノミから警告が飛ぶも、一歩遅かった)
(未だしぶとく抗う『敵戦力』めがけ、戦車砲が火を噴く)
(せめて少しでも被害を抑えようと、シロコとセリカが床に伏せようとしたその時)
???「どぅおりゃぁあああ~!!」
(高速で割って入った何かが、今まさに飛んできた榴弾を撃ち落とす――否、殴り飛ばす)
(狙いを外し、クルクルと回転しながら吹っ飛ばされた砲弾は空中で派手に爆散した)
- 125二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:33:36
セリカ「…へ?」
シロコ「なに、が」
ノノミ「あれは――もしかして――!?」
???「いや~、待たせちゃってごめんね。みんな」
(砲弾を殴り飛ばし、校舎を守った何者かの姿が露わになる)
(鋼鉄の剛腕に、大地を踏みしめる強靭な両脚。そして全体的に丸みを帯びたシルエット)
(かつて武骨な鋼色だったそれは、持ち主の交代を示すかのように桃色に生まれ変わっている)
(そして――コクピットに乗り込み、その主として堂々鎮座するのは!)
ホシノ「ホシノおじさんと鋼の相棒、参上!さあ、アビドスの平和は私『達』で守るよ~!」
(特撮ものであれば背後が爆発するか、スポットライトでも照らされるような光景)
(あまりの場違いさに、ホシノ以外の全員がしばしの間唖然とするのであった…)
- 126二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 21:34:24
- 127二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 22:15:08
- 128二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 23:46:19
- 129二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 09:58:14
現状考えてるロボプラ編以降の次回作
・タッチ!ホシノ編
・毛糸のホシノ編
いつになるかは分かりませんが、とりあえずロボプラ編が完結したら取り掛かりたい所 - 130二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 11:13:35
- 131二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 20:54:32
アヤネ「『カービィ』…アビドスの古い言葉で『勇者』を意味する言葉…と書いてあります。」
先生"つまり『ホシノカービィ』って二つ名は、『勇者ホシノ』ってことだね。"
ホシノ「うへ〜、おじさんはそんな大層なものじゃないよ〜。」
セリカ「大層な…?」
ノノミ「ものでは…?」
シロコ「ない…?」
皆の脳裏に浮かぶのは、キヴォトスどころか…星、さらに宇宙全体の危機すらも解決してきたホシノの勇姿であった。
ホシノ「あれ…みんなどうしたの?」
セリカ「いやいや!!ホシノ先輩はすごすぎるって!!」
アヤネ「そうですよ!!ホシノ先輩がいなかったら、今頃宇宙はどうなっていたことか!!」
ノノミ「もっと自分を誇らしく思ってください!!」
シロコ「ん!!ホシノ先輩のことを悪く言うのなら、たとえホシノ先輩自身でも許さない!!」
先生"…本当、先生として…この星に住む1人の人間として…ホシノにはお礼を言いたい。ありがとう!"
ホシノ「う、うへ…参ったなぁー…ただ私はみんなを守りたいだけなんだけどなー…。」 - 132二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:40:16
このレスは削除されています
- 133二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:40:55
>>125の続き
「うちの可愛い後輩ちゃん達をずいぶんいじめてくれたようだねぇ」
「お返しに、今度はおじさん達がたっぷり可愛がってあげるよ~!」
(ガシン!とロボの剛腕を打ちつけ、猛然と突進するホシノ)
(思わぬ乱入者に一時唖然としていた敵軍だったが、その様を見るや即座に迎撃態勢に移行する!)
(戦車の砲塔が動き、ホシノとロボに向けられる)
(狙いを定め、いざ発射されようとするが――)
ホシノ「遅い!喰らえ必殺!おじさんパーンチ!」
(砲身ごと敵戦車を殴りつけ、派手に吹っ飛ばすホシノロボ)
(発射寸前だった内部の弾薬が誘爆し、戦車はあえなく爆散した!)
ホシノ「まだまだ~!おじさん達の力はこんなもんじゃないよ~!」
ホシノ「おじさんパンチ!おじさん右ストレート!おじさん左フーック!!」
セリカ「いや全部パンチ技じゃない…?」
(獅子奮迅の立ち回りで戦闘ロボと武装生徒たちを蹴散らしていくホシノロボ)
(その勇猛さと、命拾いしたセリカとシロコは状況も忘れて立ち尽くしていた)
先生“シロコ、セリカ!無事かい!?”
セリカ「先生!」
シロコ「ん、私たちは無事。それよりホシノ先輩が助けに来てくれた」
先生“なんだって!?ホシノが!”
アヤネ『よかった、ホシノ先輩も無事だったんですね!それで今どこに!?』
セリカ「それが…その」
シロコ「ん。――なんかよくわからないロボに乗って、大立ち回りを繰り広げてる」
先生・アヤネ“「…なんて?」”
- 134二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:41:37
(あんまりと言えばあんまりな報告に通信先の先生とアヤネは思わず聞き返す)
(上階で援護していたノノミも、予想外過ぎる状況に呆然と見下ろすばかりだった)
(一方、背後がそうなってるとは知らないホシノは絶好調)
(あっという間に戦闘ロボも武装生徒も殲滅し、ついに立っているのはホシノと後方のシロコ達ばかりとなった!)
ホシノ「よぉし、おじさん大勝利~!」
ホシノ「シロコちゃん、セリカちゃん、それにノノミちゃん。ケガはない?大丈夫?」
(敵の全滅を確認し、校舎へと向き直るホシノ)
(その姿に、今の今まで立ち尽くしていたシロコ達もようやく我に返ってホシノに駆け寄った)
セリカ「ほ、ホシノ先輩!助けてくれてありがとう!…っていうか、そのロボット何!?どうしたの!?」
シロコ「ん、すごい強かった。あんなにいた敵が、もう跡形もない」
ホシノ「うへへ~照れるなぁ~」
ノノミ・アヤネ「「ホシノせんぱ~い!!」」
先生“ホシノ!”
ホシノ「お、ノノミちゃんにアヤネちゃん。それに先生まで?うひょ~、まさかの対策委員会全員集合じゃん」
ノノミ「ご無事で何よりです~。ところで、このロボットはいったい?」
アヤネ「ほ、本当にロボットだったなんて…。しかも色合いまでホシノ先輩に似てる…?」
先生“でも無事でよかった。――何があったのか、聞かせてもらえるかい?」
ホシノ「もっちろん。あれはねぇ…」
(ホシノがここまでの経緯を説明しようとした、その時!)
- 135二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:41:57
???「目標捕捉、魔力充填100パーセント。いつでもいけます」
???「オッケー。それじゃ、遠慮なく撃っちゃって」
???「了解。――光よ!」
(突如として、ホシノ達の背後より放たれた光芒)
(その一撃は、戦闘を終え油断しきっていたホシノ達に容赦なく突き刺さった!)
ホシノ「っ!?みんな、伏せて!(皆を庇い、ロボを盾にする)」
セリカ「えっ」
シロコ「――ッ!」
ノノミ「ホシノせんぱ」
先生“アヤネ!危ない!”
アヤネ「きゃ――」
チュドォオオオン!!
(突如として叩き込まれた極大砲撃)
(並の人間であれば、否キヴォトスの者であろうともただでは済まない破壊力)
(それにほぼ無防備だった状態で晒された彼女たちは、しかし)
ホシノ「…う、へ~。危なかったぁ。みんな、大丈夫?」
シロコ「ん、何とか。ホシノ先輩にまた助けられた」
セリカ「う、うう…な、何なのよ一体…」
ノノミ「セリカちゃん、しっかり!」
先生“アヤネ…けがは、ない…?”
アヤネ「私は大丈夫です!それより先生こそ…!」
- 136二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:42:17
(全員、かろうじて生きていた)
(着弾の寸前、前に出たホシノは防御ではなく打撃によるカウンターを選択)
(弾頭を渾身の力で迎え撃つという正気の沙汰とは思えない行動だったが――結果的に、それが功を奏した)
(ロボの胴体で爆風と衝撃波は大半防がれ、残る余波もシッテムの箱による全力防御機能のおかげでほぼ無力化されたのだ)
(もっとも、その代償に――)
ノノミ「!ホシノ先輩、ロボットが…!」
ホシノ「…うへ~。安いもんだよ、右腕くらい。それよりみんな無事でよかった」
(ホシノロボの右腕は、付け根から持っていかれていた)
(残る左腕と両脚、そして胴体部分はどうにか機能していたがその損耗は激しい)
(さしものホシノも険しい顔でロボを確認し――次いで、遠方の襲撃者を睨みつけた)
ホシノ「誰だか知らないけど、ずいぶんとやってくれたね。君たちもミレニアムの手先って所かな?」
(ホシノが睨みつけた先。そこには、空き家となった一軒家の上に立つ少女たちがいた)
(彼女たちの正体は…)
- 137二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:42:40
???「…嘘でしょ。『光の剣』の直撃を受けてあの程度だなんて、そんな事ある?」
???「申し訳ありません。魔力不足でした…」
??「気にしないで。それに相手も無傷じゃない。――そうだよね、モモイ?」
???「ふっふっふ…」
(不敵な笑みを浮かべ、モモイと呼ばれた少女が一歩前に出る)
モモイ「ユズの言う通り。あれだけ派手に暴れてたロボットを、あそこまで削れたのなら上出来だよアリス」
モモイ「それにミドリも知ってるでしょ?たとえ仕留めきれなかったとしても、私たちにはまだ『アレ』が残ってる」
モモイ「ここまで戦力を削られたのは想定外だったけど――かくなる上は、私たちが直接お相手するしかないようだね」
モモイ「そう。私たち、GKBS(ゲーム開発部ストライカーズ)が!!」
(高らかに宣言し、屋根の上からホシノ達を見下ろすゲーム開発部一同)
(その顔には見覚えのないゴーグルがかけられており、禍々しいともゲーミングとも取れる光を放っている)
(日が傾き、夕暮れを迎える中。ホシノ達とゲーム開発部は対峙した――)
- 138二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:43:29
- 139二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 00:28:11
- 140二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 01:49:35
- 141二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 10:44:57
ホシノ「そういえばヒナちゃんさ、自分の二つ名って聞いたことある?」
ヒナ「いえ、ないけど…」
ホシノ「『ヒナナイト』だってさ〜。」
ヒナ「ナイト?」
ホシノ「なんだかんだ、キヴォトスを守るために戦っているからー…みたいな感じで広まったんだってー。」
ヒナ「…ちょっと意外。」 - 142二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:14:09
>>137の続き
シロコ「GKBS…?」
セリカ「不意打ちだなんて、やってくれたわね…!よくも先輩を!」
ミドリ「怖い怖い。アビドスの猫ちゃんは気性が荒いね」
セリカ「なんですってぇ!」
先生“セリカ、落ち着いて。――ゲーム開発部の子たち、だよね?どうしてこんな事を?”
(セリカを抑え、先生が一歩進み出る)
(その姿を見たゲーム開発部の面々は一瞬だけ揺らいだが、すぐに平静を取り戻した)
ミドリ「お久しぶりです、先生。まさかアビドスにいたとは思いませんでした」
先生“久々に柴関ラーメンが食べたくなってね。私の事より、どうしてこんな真似をしたのか教えてくれないかい?”
ミドリ「こんな真似、とは?」
先生“もちろん、どうして急にアビドスへ攻め込んできたのか。それも武力侵攻だなんて乱暴な方法で――”
ユズ「アビドスだけじゃありませんよ、先生」
(ミドリに代わり、今度はユズが前に出る)
(人と接するのが大の苦手で、あれ程までにロッカーに隠れ住んでいた彼女とは思えない堂々とした立ち振る舞いだった)
ユズ「ゲヘナも、トリニティも、山海経に百鬼夜行。それにレッドウィンターをはじめとする他の学区全てにもミレニアムの攻撃は及んでいます。このアビドスへの攻撃も、その内の一つに過ぎません」
先生“なんだって!?”
ノノミ「そんな…。それじゃつまり、キヴォトス全土に宣戦布告したとでも言うんですか!」
- 143二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:15:34
アリス「肯定。――本日一二:○○(ヒトフタマルマル)をもってミレニアムサイエンススクールはキヴォトス全土に宣戦を布告。既にゲヘナ学区の大半を掌握し、トリニティに対しても順調に制圧中。セミナーの計算通りに運べば残りひと月とかからずキヴォトス全域がミレニアムの支配下に落ちるとの事です」
セリカ「嘘でしょ…。規模が大きすぎて、訳わかんないわよ!」
アヤネ「そうです!そ、それにゲヘナ学区を掌握したと言いましたが、風紀委員会の皆さんは!?あの空崎ヒナ風紀委員長を有するゲヘナを下すだなんて、簡単には」
モモイ「風紀委員長?それなら生意気にも空中戦艦でうちのエリドゥにカチコミ仕掛けてきたのを、軽く捻られてたよ。今頃はとっくに全員捕まってるんじゃないかな?」
アヤネ「そ、そんな…」
モモイ「ま、そういう訳だからさ。先生と、そこのアビドスの子たちもさっさと降参した方がいいよ?これ以上私たちを本気にさせて、大事な学校を破壊されたくないでしょ?」
シロコ「…ッ!」
モモイ「おお怖い。でもさあ、威勢が良いだけで覆る状況じゃあもうないんだよね。ゲームで言うなら、負け確定のTOD一分前って所?」
ホシノ「威勢がいいのは、そっちじゃないかな?」
(ずっと黙っていたホシノが前に出る)
(ロボは半壊していたが、その瞳に宿った戦意だけは変わらず旺盛――)
(否、むしろより増していたまであった)
ホシノ「負け確定とか言ってるけど、そっちの戦力は見ての通りおじさんがコテンパンに叩きのめした後。道中でもめぼしいのはあらかた蹴散らしてきたから予備の気配もない」
ホシノ「そんな状態で――右腕失くしただけのおじさんロボと、うちの頼もしい後輩ちゃん達。それに先生の指揮まで加わった私たちをどうにかできるとでも?」
(見せつけるように、無事な左腕を地面に叩きつけるホシノ)
(シロコ達も、その戦意に同調するように各々の得物をゲーム開発部に向ける)
(無論、先生もすぐに動けるようタブレット――シッテムの箱を持ち直すが)
- 144二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:16:50
モモイ「フフフ…」
モモイ「確かに。そこの一番偉そうな生徒さんの言う通り『このままじゃあ』私たちに勝ち目はない」
モモイ「でもね、それがあるんだよ!私たちの勝ちを確定させる、とっておきの一手が!」
ホシノ「なんだって?」
モモイ「(右手を突き上げ、空を指さしながら)カムヒャー!メタルメンバー!!」
(モモイの雄叫びに応え、轟音と振動が響き渡る)
(何事かと身構えるホシノ達、そして変わらず屋根の上に立ち続けるゲーム開発部の背後から――巨大な何かが姿を現した!)
セリカ「な――何よあれ!?」
シロコ「大きい…!」
先生“あれは…あの、姿は…!?”
(その、正体は)
モモイ「――これこそは、うちの部費とセミナーから貰ったボーナスを全額投じて作り上げた決戦兵器」
モモイ「ゲーム開発部が生んだ究極の破壊兵器であり、あらゆる状況をひっくり返すジョーカー」
モモイ「そして!私たちゲーム開発部と魂を繋いだ鋼鉄の新入部員!」
モモイ「その名も――絶対最終兵器デスモモイボーグMk.Ⅰ!」
デスモモイボーグMk.Ⅰ『FATALITY…』
- 145二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:17:19
(禍々しい電子音声を零しながら高速回転するデスモモイボーグMk.Ⅰ)
(円形の躯体に簡略化された腕のようなパーツと、その先端に取り付けられた高周波ブレード)
(さらに極めつけは、デフォルメされた才羽モモイを思わせるような正面のフェイスプレート)
(およそ開発者の正気を疑いたくなるような兵器が、そこにいた)
アヤネ「で、デスモモイボーグMk.Ⅰ…?」
先生“なんでだろう…。今初めて見た筈なのに、猛烈に既視感があるというか。もしくはものすごく見てはいけないモノを見てしまったような…”
シロコ「ん、先生しっかり。あれを直視し続けてはいけない」
セリカ「ふん!デスモモイだがデスメタルだか知らないけど、そんな兵器で私たちをどうにかできると思わないでよね!」
ノノミ「セリカちゃんの言う通りです!これ以上、私たちの学園には指一本、いえブレード一本も触れさせませんよ~!」
モモイ「ふっふっふ…いいねえ、そう来なくっちゃ。みんな、いくよ!」
(モモイの掛け声を受け、ミドリをはじめ他の部員たちが一斉にデスモモイボーグMk.Ⅰへと乗り込んでいく)
(最後に残ったモモイもまた乗り込むと、デスモモイボーグMk.Ⅰの目が戦闘開始を告げるかのように赤く光った!)
デスモモイボーグMk.Ⅰ『KILL THEM ALL…』
ホシノ「うへっ、まずい奴さんやる気満々だ。――先生!みんなを連れて、校舎の中へ!」
先生“ホシノはどうするの?”
ホシノ「もちろん、ここであいつを迎え撃つよ。でないとみんなが危ないからね」
先生“そうか。…じゃあ、お言葉に甘えて避難させてもらおうかな”
アヤネ「先生!?」
セリカ「ちょっ!何言ってるのよ、私たちだって戦え」
先生“その代わり。校舎の中に入った後は、私にこの子たちの指揮を任せてもらってもいいかな?”
- 146二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:17:42
(先生の提案に、虚を突かれたようにホシノは一瞬返答に迷う)
(一方、シロコとノノミも何かを察したような顔になった)
ホシノ「……。わかった。ただし、絶対無茶だけはさせないようにね?」
先生“もちろん。シロコも、セリカも、アヤネも、ノノミも――そして当然、ホシノも私の大事な生徒だからね。約束する”
ホシノ「うん、ありがとう先生。――それじゃ、行ってくるね!」
先生“ああ、気を付けて。さ、それじゃ皆。中へ急ごう”
セリカ「いや、だから!私たちもたたかムグッ!?」
シロコ「ん、了解。早急に移動する」
ノノミ「セリカちゃん、アヤネちゃん落ち着いて。先生は『校舎の中に入った後は』『指揮を任せてもらう』と言ったんです。つまり…」
(ノノミがセリカとアヤネにぼそぼそと耳打ちする)
(そこでようやくセリカとアヤネも何かを察したらしく、ホシノの事を気にかけながらも校舎の中へ移動していった)
モモイ『おしゃべりは、終わったかな?』
(先生と後輩たちが完全にいなくなったところで、デスモモイボーグMk.Ⅰが動き出す)
(ホシノもまたロボと共に向き直り、正面から相対した)
- 147二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:18:15
ホシノ「うん、一応ね。いや~、それにしても意外と律儀だねぇ。まさかこんなにも堂々と見逃してもらえるとは思わなかったよ~」
モモイ『見くびらないでほしいな。ゲームでも、こういう大事な場面ではちゃんと空気を読んで見過ごすのが大ボスの度量ってものだよ?』
ホシノ「うへ~、そりゃ納得だ。さっすがゲーム開発部」
モモイ『それじゃあ、邪魔者も消えた所で始めようか。――デスモモイボーグMk.Ⅰ、戦闘開始!』
デスモモイボーグMk.Ⅰ『プロトコル受諾、メインシステム・戦闘モードに移行。――あなたたちを殺すよーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!』
ホシノ「…そのロボット、普通?に喋れたんだ」
(全てのブレードを高速振動・回転させ、デスモモイボーグMk.Ⅰが迫りくる!)
(かくして、半壊したホシノロボとゲーム開発部最終兵器による死闘が幕を開けた!)
- 148二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 20:19:20
- 149二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 23:59:33
- 150二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 00:44:02
- 151二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 11:07:29
カムヒア!保守ブラザー!!!
- 152二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:37:25
>>147の続き
(デスモモイボーグMk.Ⅰとの戦いは熾烈を極めた)
(高速回転からの体当たり、ブレードを射出する遠距離攻撃、さらにフェイスプレートから放たれる火炎放射)
(片腕を失ったホシノロボにとっては防御も厳しく、何度も苦戦を強いられた)
(だが――)
先生”ノノミ、セリカ!今!“
セリカ「了解!はあぁぁぁぁぁっ!!」
ノノミ「全弾はっしゃー!」
(先生の合図を受け、セリカとノノミがデスモモイボーグMk.Ⅰに全力射撃を叩き込む)
(突進態勢に移りかけていたデスモモイボーグMk.Ⅰはたまらず、中断を強いられた)
モモイ「くっ…また!そんな豆鉄砲で、このゲーム開発部の切り札を倒せるとでも!?」
シロコ「確かに、私たちの銃じゃ仕留めるだけの火力はない」
アヤネ「でも。隙を作る事くらいならできます。――ホシノ先輩!」
ホシノ「了解!任された~!」
(たたらを踏んだ隙を突き、ホシノロボがデスモモイボーグMk.Ⅰに向け吶喊する!)
ミドリ「お、お姉ちゃん!」
モモイ「まずっ!き、緊急回避――!」
ホシノ「遅い!これで――トドメだぁ!」
(残った左腕を振るい、ホシノロボがデスモモイボーグMk.Ⅰのフェイスプレートに渾身の一撃を叩き込む!)
(それが決定的となり、デスモモイボーグMk.Ⅰ各部が爆発し始め…)
デスモモイボーグMk.Ⅰ『F〇〇K,Y〇U…!!(ジジッ、バチバチッ!!)』
- 153二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:37:52
アリス「き、機体に異常発生!ダメージコントロール限界点突破!」
ユズ「も、もうダメ…!爆発する!」
モモイ「そ、そんな…私たちの夢が…テイルズ・サガ・クロニクル全世界布教とシリーズ永続化の夢がぁああああ――ッ!!?」
ボガボガボガボガチュドガガーン!!
(モモイの絶叫を最後に、デスモモイボーグMk.Ⅰは大爆発を起こす)
(数秒後、そこに残されたのは変わり果てたデスモモイボーグMk.Ⅰの残骸と――その只中で気絶するゲーム開発部の面々だけだった)
ホシノ「やったぁ!おじさん大勝利~!みんなも援護、ありがとね~!!」
(校舎内の皆に向け、大きく手を振るホシノ)
(その姿を見た先生とシロコ達も笑みを浮かべ、勝利の喜びを分かち合う)
(そして――)
ホシノ「さて、と。喜ぶのもそこそこにして…敗北者ちゃん達に、『お話』聞かせてもらおうか?」
(ホシノがデスモモイボーグMk.Ⅰの残骸に向き直る)
(次いで、黒焦げになったまま目を回し続けるゲーム開発部の面々に近づき――)
モモイ「……う、う~ん」
先生”あ、モモイおはよう。気がついた?“
(目を覚ました時、モモイをはじめとするゲーム開発部メンバーは手近な空き教室に運ばれていた)
(その顔から怪しげなゴーグルは取り除かれ、所持していた武装の数々もシロコ達の手で没収されている)
(さらに念には念を入れ、手足を拘束し万一にも暴れられないようにする徹底ぶりであった)
モモイ「ここ、は?」
先生“アビドス高校の教室だよ。あの後、気絶していた君たちをここまで運んできたんだ”
モモイ「アビドス……教室……?」
- 154二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:38:27
(未だ意識が定まらないのか、あやふやな目で周囲を見回すモモイ)
(と、そこへホシノ達対策委員会の面々もまた入ってきた)
ホシノ「お、目が覚めたかい?」
シロコ「お疲れ様、先生。差し入れ持ってきたよ」
先生“ありがとうシロコ。ホシノ達も、ちょうどいい所に来てくれたね”
ノノミ「ですね~☆。それじゃ、お話聞かせてもらいましょうか~」
セリカ「そうね。私たちの学校を、ひいてはアビドスに手ェ出してくれた事きっちり『説明』してもらおうじゃない…!」
アヤネ「せ、セリカちゃん穏便に…」
(好奇、敵視、困惑。各々感情は異なれど、向ける先は共通してモモイ達ゲーム開発部)
(一方、呆然としていたモモイであったが――そこでようやく、ポツリと漏らした)
モモイ「…えっと、その。状況が全然分からないんだけど――なんで私たち、ここにいるの?」
先生&対策委員会一同『はあ?』
モモイ「ていうか!起きたらなんか全身痛いし、よく見たら服も焦げてるし!?ちょっとミドリ、ユズ、アリス!起きて起きて!なんか私たち、すごい目で睨まれてるよ!?」
先生“も、モモイ?何を言って”
ミドリ「う、う~ん…何なのさ、お姉ちゃん…。私たち、新作ゲーム制作で疲れてるんだけど…?」
ユズ「わ、わたしも…せめてあと五分…」
アリス「アリスは休息を求めます…勇者にも安らぎは必要ですから…」
モモイ「寝ぼけてないで起きる!起きてー!!」
- 155二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:38:56
(縛られた状態ながらも、器用に暴れ回るモモイ)
(その様を見たシロコとセリカが銃を構えかけるも、ホシノと先生により制される)
(そこでようやく目が覚めたのか、モモイ以外のゲーム開発部メンバーも各々覚醒した)
(覚醒して、まず口にしたのは)
ミドリ「へ…?ここ、学校の教室?な、なんで私たちこんな所に?確か、今の今まで部室で新作ゲームの制作に追われてた筈じゃ」
ユズ「!!!?!?わ、わたしすごい見られてる…!?ていうか睨まれてる…!な、なんで…!」
アリス「あ、アリスと仲間たちに混乱のバッドステータスを確認。い、いつの間に私たちは別の場所に?もしや移動系魔法でも使われたのでしょうか?」
(モモイ同様、まるで見当違いな事ばかり口走るゲーム開発部の面々)
(先程まで敵対していた者たちの反応とは思えない混乱ぶりだった)
(あまりの変わりように、先生と対策委員会一同も困惑を隠せない)
セリカ「ちょ、ちょっとどうなってるのよ?こいつら、さっきまで私たちとやり合ってた奴らと同じ筈よね?」
アヤネ「わ、私にもさっぱり…。え、演技とかじゃないですよね」
先生“うーん、どうだろう。ない、とは言い切れないような。でもこの態度は素に見えるような…”
モモイ「ちょっと!何気に酷くない先生!?」
(わーわーぎゃーぎゃーと混乱する一方の全員)
(そこでホシノが一歩前に出た)
- 156二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:39:28
ホシノ「う~ん。こりゃずいぶんと訳アリみたいだね」
ホシノ「とりあえずモモイちゃん、だっけ?よければおじさん達に詳しい事情とか、聴かせてもらえないかな」
(かくして、モモイ達はおっかなびっくりこれまでの事を説明し始めた)
(それは今から遡る事一週間前…)
・ミレニアムサイエンススクール:ゲーム開発部部室
ミドリ「お姉ちゃん、シナリオの続きまだ?」
モモイ「もうちょっと待って!あと少しで書き上がるから!」
ユズ「とりあえず上がってる分のステージ仮作成、完了したよ」
アリス「了解です!アリス、早速テストします!」
(当時、ゲーム開発部では次期ミレニアムプライスに出品する為の新作開発が大詰めを迎えていた)
(難航しがちなゲーム開発部には珍しく、順調に進んでいたのだが…)
コンコン
ミドリ「?お姉ちゃん、誰か来たみたいだよ」
モモイ「ええー、今いい所なのに。ミドリ、代わりに出てよ」
ミドリ「無理。私だってラスボスの差分作りで忙しいし」
モモイ「じゃあユズ…は、論外として。ごめん、アリス代わりに出てくれない?」
アリス「はい!アリス、対応に出ます!」
(言うが早く、アリスが部室の入口へと駆け寄る)
ミドリ「でも誰なんだろ。こんな忙しい時に」
モモイ「どうせまたユウカでしょ。私たちの様子見に来たとか何とか、そんな理由だよ」
アリス「あ!ユウカ!いらっしゃいませ、今日はどうしたんですか?」
モモイ「ほら、やっぱりユウカだ」
- 157二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:40:27
ユウカ?「……」
アリス「…?ユウカ、どうしました?」
ミドリ「――?」
(入り口でのやり取りに違和感を覚え、ミドリが一旦手を止める)
(直後、何かが――否、誰かが倒れる音がしたのは、ほぼ同時だった)
ミドリ「えっ?」
モモイ「な、何?どうしたの、アリ――」
(モモイもまた顔を上げ、入り口を見やる)
(すると。そこには地面に転がるアリスと、そのアリスに対しテーザー銃を向けた早瀬ユウカの姿があった)
ミドリ「えっ。…え?」
モモイ「なっ――ゆ、ユウカ!アリスになにして」
バヂバヂィッ!!
モモイ「がっ!?」
ミドリ「おねえちゃ、ぐっ!?」
(間髪入れず、モモイとミドリにもテーザー銃が照準される)
(躊躇なく引き金が絞られ、二人の身体に電撃が突き刺さった)
(なす術なく崩れ落ち、失神するモモイとミドリ。そして――)
ユズ「あっ……あ……?」
- 158二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:41:02
(残る一人、ユズにも容赦なく銃口が向けられる)
(何故、こんな事になったのか。どうしてユウカが自分たちに危害を加えようとするのか)
(その理由を知る由もなく。直後、ユズの意識もまた闇に沈んだ――)
(そして。再び時系列は教室に戻る)
モモイ「――そうだ、思い出したよ!私たちは部室で新作ゲームを作ってて、それでユウカに攻撃されたんだ!」
先生“ええっ!?ゆ、ユウカに!?”
ミドリ「間違いありません。あの顔、あの服装、それにあの太もも…あれは間違いなくセミナーの会計・早瀬ユウカ本人でした」
先生“いや最後の方いる?”
セリカ「攻撃って…。見間違いとかじゃないの?もしくは、私たちを騙そうと嘘ついてるとかは…(じろり)」
ユズ「ひっ!?う、嘘じゃないです本当です天地神明とミレニアムの千年難題に誓って真実ですぅうう!?」
アヤネ「わ、分かりました分かりましたから。ですから、そんな怯えないで…」
ノノミ「でも、どうしてセミナーの人があなた達を襲ったりなんか?」
アリス「分かりません…。特に何かやらかした覚えはなかった筈なのですが……あ、でも」
シロコ「でも?何?」
アリス「アリス、思い出しました。アリスが対応に出た時、ユウカの様子がおかしかったです」
先生“おかしかったっていうと、具体的には?”
アリス「その――何と言えばいいのでしょうか。目に光がないというか、ハイライトがなかったというか。アリスが話しかけても反応がなくて、それで」
ホシノ「気づいた時には撃たれてた、そうだね?」
- 159二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:41:36
(そこで、ホシノがポケットから何かを取り出す)
(壊れていたが、その手に握られていたのは紛れもなくモモイ達がかけていたゴーグルだった)
モモイ「な、何それ?」
ホシノ「君らがかけてたゴーグルだよ。あのデスモモイなんちゃらの中に落ちてたのを、拾っといたんだ~」
モモイ「ですも…なんて?」
ノノミ「ホシノ先輩、それがどうかしたんですか?」
ホシノ「うん。ちょっと気になってね、念の為あれこれ弄ってみたんだ。そしたら――これ、見て」
(ホシノがゴーグルのある部分を示す)
(よくよく見るとゴーグルには細かなボタンと思しきものが付いており、押す事でオンオフ切り替えが可能になっていた)
(さらに言えば、オンになった液晶部分に表示されたモノは…)
『ミレニアム、最高!ミレニアム、最強!』
『あなたも今日からミレニスト!あなたは無敵のミレニスト!』
『ミレニアムの敵を、撃つべし打つべし討ちまくれ!!』
- 160二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:42:04
セリカ「な、なにこれ…。新手の洗脳教材?」
ホシノ「教材、というよりまんま洗脳装置だね。きっとこれで操られてたんじゃないかな」
先生“そう言えば、確かに元に戻る前のモモイ達はずっとこれを身に着けてた”
ミドリ「え…。わ、私たちこんなダサメガネをずっとかけてたんですか?しかも、先生の前で?」
ユズ「ひ、ひどすぎる…。わたし、もう一生表出歩けない…」
モモイ「ていうか、操られてたってどういう事!?私たちが記憶を失ってる間に何が起こってるの!」
アヤネ「実は…」
(アヤネはゲーム開発部一同にこれまでの事を説明した)
モモイ「う、嘘…。そんな大事になってたの?」
セリカ「そうよ!おかげで私たちも大将たち街のみんなも、あと他の学校の生徒も散々だったんだからね!」
ミドリ「ぜ、全然覚えてない…。しかもここだけじゃなく、キヴォトス全域に対してとか――もう犯罪者ってレベルじゃないよ!歴史に残る大悪人だよ!」
ユズ「終わりだ…。もうわたしたち、一生日向を歩けなくなっちゃうんだ…」
アリス「あ、アリス、有罪ですか?スクラップ工場送りにされて、インゴット加工される運命確定ですか?」
(事の大きさに青ざめ、一様に項垂れるゲーム開発部)
(かける言葉もなく立ち尽くす対策委員会に対し、先生は)
- 161二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:42:23
先生“モモイ達のせいだけじゃないよ”
モモイ「せ、先生?」
先生“聞いた限り、モモイ達も誰かに操られてああなっていたんでしょ?だったら、その罪と責は元凶が負うべきであって、君たちが気に病む事ではないよ”
先生“まあ。迷惑をかけた彼女たちやアビドスの人たち、それに他校の生徒達には償わないといけないけど――”
先生“でも。その為に、まずやるべき事は分かってる筈だよね?”
ゲーム開発部一同『……ッ!』
(先生の言葉に、モモイ達が対策委員会の面々に向き直る)
(縛られ、身動きもままならない状態だったが。それでも彼女たちは――一斉に頭を下げ、謝罪した)
ゲーム開発部一同『ごめんなさいっ!!』
(かくして、空き教室での尋問からしばらく後)
(ひとまずモモイ達ゲーム開発部に関しては、アビドスの捕虜として監視下に置かれる事となった)
(正気に戻った以上ミレニアムには戻れず、さりとてこのまま放置するわけにもいかない)
(また、本人たち自身の希望もあり、償いとしてアビドス高校の防衛と復旧に協力する事でひとまずの手打ちとした)
(住民や他校生徒の中には彼女たちに厳しい目を向ける者たちも少なからずいたが、柴関大将をはじめ事情を理解し受け入れる者たちも一定数いる)
(何より――シロコ達頼れる後輩が見張りについているのだ。ならばこれ以上は何を言う必要もないだろう)
(そして、ホシノはというと)
- 162二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:42:48
ホシノ「さて、と。それじゃ、そろそろ出発しようかな」
(一夜明け、東の空には太陽が昇り始めている)
(周囲の景色は相変わらず改造されたままだが、それでもこれ以上侵略が進む可能性は低いだろう)
(何より、このままやられっぱなしではホシノの気が済まない)
先生“行くんだね、ホシノ”
ホシノ「ありゃ、先生。起こさないよう出てきたつもりだったけど、やっぱバレバレだったかな?」
先生“ホシノの考えてる事くらいわかるよ。だって私は”
ホシノ「『先生だから』、でしょ?うへ~、さすがに分かるよ~」
先生“…本当は、私やシロコ達も付いていきたいし、行ければいいのだけど”
ホシノ「ダメだよ先生。それじゃ誰がこの学校を、ここに避難してきた人たちを守るのさ。それに――『私』なら大丈夫だよ。今までだってこういう戦いは乗り越えてきたんだから」
(愛銃に物資を詰め込んだリュック。準備も万端にホシノは校舎を出ていく)
先生“あのロボットは置いていくのかい?”
ホシノ「できれば持っていきたかったんだけどね~。さすがにあの状態じゃ、これ以上無理もさせられないよ~」
ホシノ「だから、とりあえず預けておくね。もしまた使える当てができたら、取りに戻ってくるよ」
先生“分かった。それじゃ、私とシロコ達でちゃんと預かっておくよ。何なら、直せる所は直しておくからね”
ホシノ「うへっ、そりゃ有難い。是非ともお願い、先生」
- 163二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:43:07
(校門を出て、いよいよ一歩を踏み出すホシノ)
(その背中にかけられるものは、どこまで行っても優しく生徒重いな先生の声だった)
先生“ホシノ!”
ホシノ「……」
先生“気を付けてね!つらくなったり、助けが欲しくなったらいつでも言ってくれていいんだから!”
先生“そうしたら――どこにいても、どこへ行っても!絶対に駆けつけてあげるから!”
ホシノ「――――」
(胸元を押さえ、小さく笑みを浮かべるホシノ)
(一度だけ振り返り、ホシノは先生に、そして校舎の窓からこちらを見送る後輩たちへ笑顔を向けた)
(――敵は大戦力を擁し、キヴォトス全土を制圧せんとするミレニアムサイエンススクール)
(ホシノの大冒険が、改めて幕を開けた!)
- 164二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 20:44:19
- 165二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 00:38:38
- 166二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 10:29:01
保守
- 167二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 14:16:51
更新乙です!
どの世界においても勇者の旅立ちというのは見ごたえありますね - 168二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:36:14
>>163の続き
・ステージ2:ラスタードロード
(アビドスを抜け、別の学区にやってきたホシノ)
(そこもまたミレニアムの手により無惨な土地改造が施されていた…)
ホシノ「うへ~、ここら辺は居住区かな?そこかしこにマンションやらアパートやらが立ち並んでるけど…」
ホシノ「でも――正直、あまり住みたいとは思えないね。どこもかしこも、ミレニアムを讃えるホログラフばっかだし」
『ミレニアム最高!ミレニアム最高!あなたもミレニアムサイエンススクールに入学しなさい!』
『テスト勉強にはミレニアム製エナジードリンク!これ一本で暗記力も応用力も大幅改善!身体への副作用・悪影響も一切なし!(大嘘)』
『ミレニアム防衛隊戦力絶賛募集中!君も入隊して、新型アバンギャルドくんのパイロットになろう!』
(あちこち見回しながら進むホシノ)
(その正面に、どこからともなく戦闘ロボと武装生徒の大軍が現れる!)
ホシノ「はいはい、そりゃいるよね。ここもミレニアムの支配区域だろうし」
ホシノ「悪いけど、おじさん急いでるんだ。ちゃっちゃと蹴散らさせてもらうよ!」
- 169二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:36:46
(一方その頃。ラスタードロード内のミレニアム拠点では…)
???「…ん(獣耳で露出度の高い生徒が、モニターを見て何かに気づく)」
???「どうかしたかい、ヒビキ」
ヒビキ「侵入者あり。現在うちの防衛部隊を蹴散らしながら、ここに向かってる」
???「なんだって?」
???「こちらにも回してもらえますか、ヒビキ」
ヒビキ「了解。今映す」
(ヒビキと呼ばれた少女が手元のキーボードを操作し、残る二人のモニターに映像を共有する)
(映し出されたのは、今まさに彼女たちがいる拠点へ驀進中の小鳥遊ホシノその人だった)
???「この髪色、それにショットガンと盾持ち……まさか、小鳥遊ホシノでは?」
???「知ってるのかい、コトリ」
コトリ「ウタハ先輩、忘れたんですか?彼女――小鳥遊ホシノは本作戦における要警戒生徒の一人ですよ。ほら、セミナーから共有された資料にも載ってます」
(コトリと呼ばれた生徒が自前のタブレットを操作する)
(すると画面に複数の生徒の顔が現れ、その中からホシノの顔写真と詳細プロフィールがピックアップされた)
ウタハ「そういえばそうだったね。防衛装置の整備やら発明やらに追われてて、確認しそびれてたよ」
コトリ「もう、ウタハ先輩ったら」
ヒビキ「それでどうする?見たところ、こっちに来るのも時間の問題のようだけど」
ウタハ「もちろん迎撃するさ。その為に用意した防衛設備だからね」
ウタハ「何より――この子たちの見せ場が、ようやく回ってきたんだ」
ウタハ「作ったからには活かしてあげなきゃ損というものだろう?」
(ウタハがモニターから視線を外し、背後に置かれていた『それ』に向き直る)
(宙に浮かぶ『それ』は、静かに己が起動する瞬間を待ちわびていた…)
- 170二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:37:15
(そして、所変わって小鳥遊ホシノはというと)
ホシノ「うっへ~、さっすが敵の拠点。数も質も半端じゃないね~!」
(迫りくる戦闘ロボをまた一体撃破し、遮蔽物の影で息をつくホシノ)
(長期戦に備え大量に持ち込んできた物資も、既に半分以上消耗していた)
ホシノ「あんまり長引くようなら一旦撤退した方がいいかな…」
ホシノ「いやでも、ここまで来て引き返すのもなぁ」
ホシノ「せめてどこかに補給施設でもあればいいんだけど――おやぁ?」
(その時、ホシノは妙な事に気が付いた)
(先程まであれだけ執拗に自分を狙ってきた敵の部隊。それが、続々と奥に引き返していく)
(立て直しを図るというよりも、どこか自分を誘い込むような動き)
(あからさまに罠を思わせる動きだったが、ホシノは)
ホシノ「ふ~ん。そう来たかぁ」
ホシノ「――上等。それじゃここは、あえて乗っからせてもらおっかな!」
ホシノ「さあ!総大将の顔を拝ませてもらうよ~!」
(ラスタードロード・ミレニアム拠点指令室)
ヒビキ「目標、順調に誘引中。このまま行けば五分後にはここへ到達する計算」
コトリ「まんまと引っかかったみたいですね」
ウタハ「どうかな。彼女の顔を見てると、どこか『やれるものならやってみろ』と言われてるような気分になるよ」
ウタハ「まあ、私たちのやる事は変わらないのだけどね。――それじゃ招かれざる客人をご歓待と行こうか、皆」
- 171二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:37:33
・ミレニアム拠点最奥部・最終防衛ブロック
(誘導されるまま、拠点最奥部に辿り着いたホシノ)
(そこは巨大な動力炉と思しき設備を有する、薄暗い空間だった)
???「――ようこそお客人。いや、それとも小鳥遊ホシノと呼ぶべきかな?」
(頭上から投げかけられた声に、ホシノは反射的にショットガンを向ける)
(見上げた先には、サイドデッキらしき場所からこちらを見下ろすウタハ達の姿があった)
ホシノ「うへ、おじさんの名前知ってるんだ?という事は、君たちがここのボスって事でいいのかな?」
ウタハ「いかにも。――私は白石ウタハ。ここラスタードロードエリアの制圧を任されたミレニアムの指揮官で、普段はエンジニア部の部長をやらせてもらっている者さ」
ウタハ「こっちの二人は猫塚ヒビキと豊見コトリ。私と同じエンジニア部の頼れる後輩たちだよ」
ホシノ「へえ、ウタハちゃんにヒビキちゃん。それにコトリちゃんか。よろしくね~」
ヒビキ「よろしく。といっても、すぐにおさらばする事になるだろうけど」
コトリ「ヒビキ、失礼ですよ。戦闘データを取得するまでは持ってくれるかもしれないじゃないですか」
ホシノ「あはは…。言ってくれるねえ」
(一見和やかな空気が流れそうになるも、互いに目は笑っておらずバチバチと火花を散らし合う)
(と。不意にウタハが指を鳴らすと、真下の動力炉に動きが現れた)
ウタハ「せっかく来てもらって何だけど。生憎ながら、今は飲み物もお茶菓子も切らしていてね」
ウタハ「代わりと言っては何だが、私たちが考案・発明した防衛システムと遊んでいってもらおうか」
- 172二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:38:03
(動力炉から複数の構造物が現れる)
(それは、四つの正八面体で構成されていた)
(黄色と白、赤と紫、水色と青、黄色とオレンジ色。それぞれ異なる配色の正八面体と、それらを守るように展開された石板群)
(展開された正八面体から光が照射されると――なんと!ホシノの眼前に巨大なドラゴンが現れた!)
ホシノ「うへっ!?な、何これ!」
ウタハ「紹介しよう。この子の名は『ホログラフ防衛システムズ』」
ウタハ「元々はオーパーツに関するデータと、ゲーム開発部の子たちとのやり取りから着想を得たものでね。ご覧の通りホログラフ、つまり立体映像を生み出し戦わせる装置さ」
ホシノ「立体映像?なーんだ、ただの映像なら怖くな――!?」
(余裕綽々なホシノに対し、ドラゴンが冷凍ブレスを放つ!)
(映像でしかない筈のそれは、しかし確かな冷気をもってホシノの身体を凍てつかせる)
(慌ててホシノはその場から飛び退き、ブレスの範囲から免れた!)
ホシノ「さ、さっむぅ~~!?う、嘘でしょ、どうなってるのさ!」
ウタハ「人の話はちゃんと最後まで聞いてほしいな。――確かに今、君の目の前に映し出されているドラゴンは映像だが、そいつが出力するモノは映像じゃない」
ウタハ「この子のコンセプトは、『限りなく現実(リアル)に近い非現実(アンリアル)』。動力炉から回されるエネルギーと、その制御システムによりホログラフが放つ攻撃は全て物理法則に則った実体となる」
ウタハ「簡単に言ってしまえば――このホログラフが生み出す攻撃は、全て物理的な苦痛を伴う。もちろん死に至る程の苦痛も、ね」
- 173二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:38:29
(ギュピン!と。ホログラフモンスターの目に光が灯る)
(その視線はホシノへと向けられており、虚像でありながら真に勝るとも劣らない敵意が宿っていた)
ホシノ「…なるほど。こりゃおじさんが迂闊だったね」
ホシノ「たかが虚像(ホログラフ)、されど実像(リアル)か。どうやら相当手ごわそうだ」
ホシノ「でも。おじさんは負けないよ」
ホシノ「『必ず帰る』って約束したからね。こんなところでへこたれちゃいられないのさ!」
ウタハ「素晴らしい、それでこそ張り合いがあるというものだよ。是非とも全力で戦って――そして、今後の改善の糧になってくれ!」
ホシノ「言ってろ!いっくよ~!」
(愛銃を構え直し、ホシノはホログラフ防衛システムズと対峙する)
(エンジニア部が生み出した脅威の発明、その牙が容赦なく向けられる――!)
- 174二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 21:39:34
- 175二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 22:58:08
- 176二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 00:42:36
- 177二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 10:31:02
保守
- 178二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:02:08
>>173の続き
(ホログラフ防衛システムズが生み出すモンスターは様々だった)
(氷の息吹を吐くドラゴンに始まり、浮遊する雲形天候兵器、さらに以前ホシノ達が異空間で出くわした怪鳥やビナーを思わせる大蛇まで…)
(あらゆる姿に変じ、攻め立ててくるそれらを――しかし、ホシノは臆する事なく全て撃ち抜いた!)
ホシノ「これで、終わりっ!」
大蛇ホログラフ『ビガガー!!?』
(大蛇ホログラフが頭部を撃ち抜かれ、消滅する)
(同時に、ダメージフィードバックをもろに受けた防衛システムズ本体が爆発し、火花を散らし始めた!)
コトリ「ま、まずいですウタハ先輩!防衛システムズの許容機能が限界点に到達!このままじゃ自壊してしまいます!」
ヒビキ「…!その前に制御AIがシステムエラーを起こした。もうこちらからの操作を受け付けない!」
コトリ「ええっ!?」
(ヒビキの言葉通り、制御を失った防衛システムズ本体が動力炉から弾け飛ぶ)
(そのまま狂ったように飛び回り、勢いそのままホシノに襲い掛かるが)
ホシノ「自棄になったら勝負は終わりだね」
(どこまでも冷静に、ホシノの銃弾が本体を貫く)
(直撃を受けた防衛システムズ本体は空中でブルブルと震え……次の瞬間、まるでガラスが砕けるように霧散した!)
(同時に、その様子を見届けたコトリとヒビキはがくりと項垂れる。そしてウタハは――)
- 179二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:02:33
ホシノ「よしっ、これで今度こそ止まったみたいだね。後は…」
(不意に、ホシノの頭上から機械の駆動音が響いてくる)
(見上げるとウタハが何か弄ったのか、自分たちを乗せたサイドデッキをゆっくりと下に降ろしている所だった)
ホシノ「後は、君たちの番だって言おうとしてたけど。その様子じゃ、まだやる気なのかな?」
ウタハ「――」
コトリ「う、ウタハ先輩…?」
(コトリとヒビキが顔を上げる中、ウタハは一人サイドデッキから降り立つ)
(何をしてもすぐ取り押さえられるよう警戒していたホシノだったが――ウタハが取ったのは予想外の行動だった)
ウタハ「降参だ、小鳥遊ホシノ」
ホシノ「うへっ?」
ウタハ「聞こえなかったかな。私たちは、君に、降参すると。そう、言ったんだ」
コトリ「ちょ、ちょっと!?ウタハ先輩、何を!」
ヒビキ「――!?」
(遠くから動揺する後輩たちの気配に、ウタハは常のような飄々とした顔で――されど、口調はどこまでも真剣に応える)
ウタハ「何をもへったくれもないだろう、コトリ。見ての通り、私たちの切り札でありこの拠点の要だったホログラフ防衛システムズは破壊された」
ウタハ「武装生徒や戦闘ロボ達は既にここから撤退させた後だし、私たちの本分はあくまでも技術屋。仮に今から束になってかかったとして、秒殺されるのがオチだろう」
コトリ「で、ですが!それではミレニアムに帰れなく…!」
ウタハ「――あの会長殿が、私たちのしくじりを許してくれるとでも?」
- 180二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:03:02
(ウタハの言葉に、コトリは喉を詰まらせる)
(聞き手に徹していたヒビキもまた、言葉には出さなかったが同じ考えである事は明らかだった)
ホシノ「…え~っと。ちょっと確認と質問したい事があるんだけど。いいかな?」
ウタハ「何かな小鳥遊ホシノ。私に答えられる事であれば、可能な限り答えるよ」
ホシノ「ホシノでいいよ。まず一つ目なんだけど、さっきからのその口ぶり――ひょっとして、ウタハちゃん達は操られてるわけじゃないの?その、モモイちゃん達みたいにさ」
(よくよく確認してみると、ウタハ達の顔に例のゴーグルは着けられていない)
(身体にもそれらしき洗脳装置の類は見当たらず、一見するとホシノ達とそう変わらない制服姿に思えた)
ウタハ「モモイ『達』、か。その口ぶりだと、既に彼女たち――ゲーム開発部の皆とも接触していたようだね?」
ホシノ「うん、おじさん達の学校を襲撃してくる形でね。いや~強敵だったよ~」
ウタハ「…そうか。それはとんだご迷惑を、と言いたいところだけど。同じように君へ牙を剥いた私たちがそんな事を言える筋合いも道理もないね」
コトリ「ウタハ先輩…」
ヒビキ「……」
(ウタハが申し訳なさそうに俯き、謝罪する)
(その様子に演技の類は見られず、心の底から反省しているようにホシノは思えた)
ホシノ「もう一つ、今度は質問なんだけども。――その様子だと、ウタハちゃん達はひょっとして今回のミレニアムの暴挙について思う所があったりする?」
ウタハ「暴挙、か。…そうだね、全くもって返す言葉もない」
ウタハ「付け加えれば、質問の答えは『その通り』だ。元々、私たちは気ままに発明ができて、それが皆の助けにでもなれればそれでよかったんだよ…」
- 181二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:03:47
(ウタハの脳裏に、かつての記憶が蘇る)
(それはゲーム開発部の面々がユウカの手で制圧されたのと前後する頃。エンジニア部に、セミナーからの来客があった)
(セミナー書記・生塩ノアはエンジニア部に対しミレニアム全体によるキヴォトス全土の制圧作戦情報を公開。ひいてはエンジニア部にも全面協力を迫った)
(当然ウタハからすれば賛同できる話などではなく、一言の下に拒絶したのだが)
ウタハ「…私が拒絶するが早いが、ノアは引き連れていた戦闘ロボにコトリとヒビキを捕らえさせ、翻意するよう要求してきた」
ホシノ「それって、つまり」
ウタハ「ああ、れっきとした脅迫だ。だが、あの時の私にそれを拒める力も術もなく……結局、むざむざと加担してしまい今に至るという訳さ」
コトリ「ごめんなさい、ウタハ先輩…。私たちがもっとしっかりしていたら」
ヒビキ「(コトリの隣で同じように頭を下げる)」
ウタハ「二人のせいじゃないさ。部員を守るのは部長の務め、ひいては先輩でもある私の責務だ。それができず、あまつさえ今回のような凶行に及んでしまった事――慙愧の念に堪えない」
ホシノ「……」
(コトリとヒビキを庇い、ウタハは改めてホシノと向き直る)
ウタハ「――私から答えられる事は、以上だ」
ウタハ「敗残者である以上、どんな罰でも報いでも甘んじて受ける。いや、受けさせてほしい」
ウタハ「その代わり、どうかコトリとヒビキの二人は許してもらえないだろうか。彼女たちは私の指示に従っただけだ、全責任は部長たる私にこそある」
コトリ「そ、そんな!ダメですウタハ先輩!自分一人で全て抱え込むだなんて!」
ヒビキ「同感。私たちを仲間と呼ぶのなら、私たちも同じように背負う。その覚悟はとっくにできてる」
ウタハ「ダメだ、二人にまでこんな罪を背負わせるわけにはいかない。それにこれは私こそが負うべき責任だ」
- 182二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:04:15
(コトリとヒビキは必死でウタハを庇おうとするも、ウタハの決意は固かった)
(その姿を見ていたホシノは――)
ホシノ「そうだね。責任は、取らないとだよね」
コトリ・ヒビキ「「っ!?」」
ウタハ「――」
(ウタハに向け、ショットガンの銃口を向ける)
(咄嗟に庇おうとウタハに覆いかぶさったコトリとヒビキだったが、それよりも早く銃声が響き渡る)
(が。不思議な事に、どれだけ待ってもコトリもヒビキも。そしてウタハもまた、何の痛みも衝撃も感じなかった)
(それもその筈。ホシノが撃ち抜いたのは全然見当違いな方向の床だったのだから)
ホシノ「でも、それを決めるのは『私』じゃあない」
ホシノ「ウタハちゃんの気持ち、わかるよ。私も昔、ウタハちゃんと同じように追い詰められた時期があったからね」
ホシノ「どうあがいても逃れられなくて、守りたいものを思うように守れなくて。でも、せめて大事な後輩ちゃん達だけは――そんな風に追い込まれて、最悪の選択肢に走りかけた事もあった」
ホシノ「でも、ね。そこから助け出してくれる人に恵まれて、そのおかげで色々状況が多少なり改善されて、それで今の私が――私たちアビドス高校があるんだ」
ホシノ「そんな私が、ウタハちゃん達を勝手に裁くだなんて事できないよ。たとえどれだけ望まれてたとしてもね」
ウタハ「…許して、くれるのかい?」
ホシノ「それは先生との相談と交渉次第かな~」
ホシノ「とりあえず、帰れる場所がないならアビドスにおいでよ。モモイちゃん達もそこで預かってて、今は私たちが面倒見てあげてるんだ。もちろん、先生も一緒にね」
ウタハ「――そうか。先生も、そちらに…」
(心の底から安堵したような顔で、ウタハが胸を押さえる)
(コトリとヒビキもまた、涙をこぼしかけたその時)
- 183二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:05:12
ビービービー!ビービービー!
ホシノ「うへっ!な、何この音!?」
コトリ「あ…こ、これはまさか」
ヒビキ「ヤバい、忘れてた」
ウタハ「――しまった。私とした事が、重大なミスだ」
(先程までのしんみりとした空気からは一変し、ウタハ達が別の意味で青ざめる)
ホシノ「ど、どういう事?何が起こってるのさ、ウタハちゃん!」
ウタハ「すまない、説明は後だ。急いでここから脱出するぞ!」
コトリ「は、はい!ウタハ先輩!」
ヒビキ「はあ…私、走るの苦手なのに…」
(バタバタと最奥部を後にし、急いで出口を目指すホシノとエンジニア部一同)
(その間にも警報は鳴り続け、一向に収まる気配が見えなかった)
ホシノ「ちょっと!走りながらでいいから説明してほしいんだけど!?」
ウタハ「――実と言うと、だね。あの防衛システムズには万一の時に備え、『ある機能』を載せておいたんだ」
ホシノ「ある機能?」
コトリ「万一、私たちの制御から離れて暴走した時。もしくは私たちが敗北してここが敵の手に落ちかけた時。最終手段として自爆機能を組み込んでおいたんです!」
ヒビキ「ちなみに破壊力は丸々この拠点一つを吹き飛ばす程度。シミュレーションで何度も確認したけど、間違いなく瓦礫以外何も残らないね」
ホシノ「…という事は。今響いてるこれって」
- 184二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:05:51
(そこで唐突に警報が途絶える)
(代わって聞こえたのは、全ての終わりを告げる無情な電子音声だった)
『エマージェンシー、エマージェンシー。最終防衛ラインが突破されました』
『繰り返します、最終防衛ラインが突破されました』
『これより当拠点は機密保持と逆襲の為、自爆します』
『当拠点内に残ってる味方は速やかに退出するよう求めます』
『なお、爆発はこの音声終了と同時に行われますので悪しからず――(ブツッ)』
一同「「「「…………」」」」
ホシノ「ねえウタハちゃん。最後にもう一つだけ聞いていい?」
ウタハ「ああ。何かな?」
ホシノ「なんで――どうして、自分たちが護るべき場所にこんなもの仕掛けたの?」
ウタハ「そんなもの決まってるじゃないか」
ウタハ・コトリ・ヒビキ「「「自爆装置は浪漫だからさ/です/だよ!!」」」
ホシノ「――――」
(最早返す言葉も思いつかず、目の前が真っ暗になるホシノ)
(無情にも彼女たちの背後から爆炎と爆風が迫り――次の瞬間、四人は真っ黒こげになりながら拠点共々吹き飛ばされたのであった!)
ホシノ「うわぁあああ――なんで――――!?」
(かくして仲良く空の星と化したホシノ達)
(幸いにも多少焦げた以外、四人に怪我らしい怪我はなく)
(この後、ホシノにしこたま絞られながらウタハ達はアビドスへと送られるのであった…)
- 185二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:06:53
- 186二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 22:59:43
- 187二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 23:00:15
- 188二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 23:20:59
- 189二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 23:21:21
ホシノがコユキみたいな顔してるのが手に取るように分かるわ~…
第三ステージも楽しみにしています!! - 190二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 08:20:20
とりあえずスレ維持
- 191二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 17:27:02
スレも終わりに近いので現在書いてるSSのボス説明文…風な解説
・デスモモイボーグMk.Ⅰ
モモイ達ゲーム開発部により作り出された決戦兵器
大昔の兵器を参考にしたというこの兵器は、見た目からは想像もつかない程の機動力を有し砂漠地帯であるアビドスであっても十全以上の性能を発揮した
主武装は全体に取り付けられた高周波ブレードとフェイスプレート内に格納された火炎放射器。また、ブースターによる突進攻撃も脅威的でコンクリート壁であれば余裕でぶち破れる威力を持つ
また、簡易的ながらAIも搭載しており全体の制御を担っている。ただし言語機能に致命的なエラーがある為流暢な会話はほぼ不可能。FATALITY… - 192二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:12:19
・ホログラフ防衛システムズ
ミレニアムのエンジニア部が開発した防衛システム
今まで回収した敵性生物・兵器のデータを取り込みホログラフとして具現化。しかる後侵入者を駆逐・制圧するというコンセプトの防衛兵器
欠点は運用に膨大なエネルギーとそれを生み出す為の動力源が必要な事。その為被弾しやすい前線には配備できず、施設最奥部の最終防衛ラインとして配備された
エンジニア部曰く、とあるオーパーツに関するデータとゲーム開発部側のアイデアを経て開発したとの事だが詳細は不明 - 193二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:13:12
そしてこれは次スレに繋がる間章のようなもの
要塞都市エリドゥ・コントロールルーム
オペレーター生徒A「山海経および百鬼夜行自治区の90%を制圧。残る抵抗区域を制圧完了次第、トリニティ制圧に回します」
オペレーター生徒B「レッドウィンター本校舎および周辺地域の制圧を確認。ですが残党が山岳・雪原地帯に潜伏し、抵抗活動を続けている模様」
??「そちらは最低限の防衛部隊を本校舎付近に残すだけでいいわ。相手のホームアドバンテージに乗る必要もない。出てきた所を順次叩いていけばその内絶えるでしょう」
オペレーターB「了解です、リオ会長。直ちに現地部隊へ伝達します」
リオ「ええ、よろしく」
(オペレーターとの通信を打ち切り、ミレニアム・セミナー会長――調月リオは一息入れる)
(ミレニアムによるキヴォトス制圧作戦が開始され早数日。いかな彼女と言えど、休息は必要不可欠であった)
(瞑目し、椅子の背もたれに寄りかかる)
(と、そこへ部屋のチャイム音が飛び込んできた)
リオ「何かしら?(手元のタッチパネルを操作し、外部と通話する)」
ミレニアム武装生徒「し、失礼しますリオ会長。恐れ入りますが、前線より火急の報告が――」
リオ「それならば通信で受け付けている筈だけど」
ミレニアム武装生徒「お、おっしゃる通りです。ですが」
???「――私が頼んだんですよ。直接、あなたと会って話がしたいとね」
(武装生徒の声を遮り、第三者の声が響く)
(その声音に一瞬だけリオは眉を寄せたが、すぐにいつもの無表情へと戻り部屋のロックを解除した) - 194二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:13:40
ミレニアム武装生徒「し、失礼します!」
???「お邪魔しますね、リオ」
リオ「…ヒマリ。あなたが直接顔を見せに来るなんて、どういう風の吹き回し?」
ヒマリ「あら、私が来ては何か不都合な事でも?このミレニアムが誇る超天才清楚系病弱美少女ハッカーこと明星ヒマリちゃんが忙しい合間を縫ってわざわざ足を運んで上げたというのに、冷たいですね」
リオ「それなら猶更戻った方がいいのではなくて?車椅子を動かすのだって容易ではないでしょうに」
ヒマリ「ふふふ…」
リオ「……」
(リオとヒマリ、二人の間に流れる緊張した空気)
(板挟みとなった武装生徒は、しばしの間立ち尽くしていたが)
リオ「それで、用件は?話があるなら手短に済ませましょう、お互い忙しい身の上なのだし」
ヒマリ「そうですね。では、そちらの方。我らが会長様にご報告願えますか?」
ミレニアム武装生徒「えっ。あ、は、はい!その、前線からの報告です!先程、ゲーム開発部に続きエンジニア部担当エリアの拠点までもが壊滅。駐屯していた部隊は隣の拠点まで撤退したと!」
リオ「――なんですって?」
(リオの冷たい視線が武装生徒に向けられる)
(思わず身を竦ませる武装生徒だったが、庇うようにヒマリがその前に出た)
ヒマリ「あまり後輩を怯えさせるものではありませんよ、リオ。この子はただ包み隠さず事実を報告しただけなのですから」
リオ「別に怯えさせてなどいないわ。いつもの通りに接してるだけよ」
ヒマリ「はいはい。…それで?私たちの拠点を破壊した不届き者について、何か情報等はありますか?」
ミレニアム武装生徒「ハッ、何でもショットガンと盾で武装したピンク髪の生徒が単身殴り込んできたとの事です。交戦した部隊からの報告によると、『あれは間違いなく小鳥遊ホシノであった』と」
ヒマリ「――ふむ。小鳥遊ホシノ、ですか」
リオ「アビドス自治区の要警戒生徒…。やはり健在だったという事ね。それで?ウタハ達エンジニア部はどうなったのかしら?」
- 195二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:14:07
ミレニアム武装生徒「それが、現状生死不明との事です。何でも拠点が突如爆発し、完全に崩壊したと…。周辺の部隊が捜索に出ていますが、無事である可能性は極めて低いと…」
リオ「…そう。あの子たちはいい子だったのだけれど。これも私の不手際が招いた結果と受け入れるしかないわね」
ヒマリ「勝手に死んだと決めつけるのはいかがかと思いますね。まあ、あなたの不手際という点は一切否定しませんが」
(どこか責めるような目でリオを睨むヒマリ)
(だが当のリオはまるで動じず、淡々と問い続けた)
リオ「もう一つ、小鳥遊ホシノがどうなったか。前線から何か報告はある?」
ミレニアム武装生徒「い、いえ。そちらも現在調査中との事です。ただ、報告によれば拠点が爆発したのは小鳥遊ホシノが内部に突入してしばらく経ってからの事だった、と」
リオ「そう。…それで、報告はおしまい?だったら下がっていいわ」
ミレニアム武装生徒「は、はい!失礼します、会長!(リオに頭を下げ、足早に退出する)」
リオ「ヒマリ、あなたもよ。元の職場――ヴェリタス総合指令所に戻って、直ちに小鳥遊ホシノに関する情報を収集して頂戴」
ヒマリ「元の職場、ですか。…勝手に引き抜いておいて、今度は無理やり元の居場所に戻す。まるでゲームの駒みたいな扱いですね」
リオ「ヒマリ」
ヒマリ「はいはい、分かりましたよ。でも、その前に今一度確認したい事があるのですけど?」
- 196二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:14:46
リオ「…手短になら、いいわ」
ヒマリ「では単刀直入に。――調月リオ、あなたの行動は本当にミレニアムの未来を思っての行動なのですよね?」
リオ「……」
ヒマリ「ミレニアムの軍事力をもってキヴォトスの全学区を制圧し、我々が全てを掌握する――それが、あなた『が』望む未来だと?」
リオ「ええ。――それに、何か異論でも?」
(リオとヒマリの視線が交錯する)
(一瞬、あるいは永遠とも取れる時間が過ぎ)
(しかし次の瞬間、ヒマリはいともあっさりと視線を外し退出を選んだ)
ヒマリ「いいえ。何も異論はありませんとも。我らがセミナーの偉大な生徒会長にしてビッグシスター、調月リオ会長」
リオ「……」
ヒマリ「では。今度こそ本当にお邪魔しました」
(ヒマリが退出し、部屋の中にはリオ一人となる)
(――否。正確には最初からもう一人、存在した)
(ただずっと。ヒマリにも先の武装生徒にも気づかれないよう待機していただけで)
リオ「もし、小鳥遊ホシノが生きていたとして。次に向かうとすれば…間違いなくこの海岸エリア、オクターン・オーシャン」
??「……」
リオ「トキ、指令よ。今すぐオクターン・オーシャンに向かって頂戴。しかる後小鳥遊ホシノないし抵抗勢力が現れた場合、全力をもってこれを撃滅する事。いいわね?」
トキ「――承知致しました、リオ様」
- 197二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 21:15:15
- 198二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 23:52:46
- 199二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 00:01:22
- 200二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 00:03:25
200ならロボプラ編完結