ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part6

  • 1二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:40:38
  • 2二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:42:52
  • 3元スレ主22/02/03(木) 13:46:19

    ちなみに前スレ180から190は私なんだ
    書いてみるたび思うんだが
    いつも書いてる人凄いな
    私はあんなの書けないんだ

  • 4二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:47:42

    保守っ!!保守をお忘れなくっ!!!

  • 5二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:48:43

    問題ない どれも好きだ 保守

    >>3

  • 6二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:51:12

    1000回困らせてやったけどまだまだ足りてないみたいね、ますます頑張るわよ!

  • 7二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 13:58:34

    ドチャシコボディお母さん好き

  • 8二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 14:12:42

    二人でお泊まりするときに布団の上で待っていた相手の美しさについドキッとするオグリ(イチ)……?

    待ってこれやりすぎ?

  • 9二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 14:27:08

    保守

  • 10二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 14:34:31

    ほっほっひっふ~っ

  • 11二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 15:05:53

    自分の行動が悪意からだったことの決着をつけたイチちゃん
    わだかまりも無くなりあとはどう幸せになるかのイチちゃん
    タマクリイナリフジ以外のメンツとの日常も見たいな……(強欲)

  • 12二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 15:07:44

    水着デートしたりバレンタインのチョコを贈り合ったりしろ

  • 13二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 18:00:55

    そう言う母だが…お腹ちょっと出てるし…ふとももが太すぎてスカートがほとんどふとももに占領されている…普通もうちょっと空きあるのに…

    母は背中を反り返らせ胸をつきだすポーズをとりだした止めとけ絶対破れる

    横を見ると母親も顔を赤くして下を向いている

    これ絶対趣味ですよねスレ主

  • 14二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 18:15:13

    流石にJKの子供がいる母にする描写じゃないですって!

  • 15二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 18:36:08

    こんなのお父さんが大変だよ

  • 16SS筆者22/02/03(木) 18:43:16

    >>3

    書くも何も、皆からのアイデアが神がかりすぎているんだ

    それに自分の好きな味と、イチちゃんの考えを地の分で書きのばしているだけなんだ

    始祖のSSも美味しく頂いているんだ


    ところで前スレで「船長」って呼んでくれた人がいて結構気に入ってしまったんだ

    コテハンこれにしようかな(?)

  • 17二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 18:43:49

    「な、なにをぉ!?お父さんはカワイイって言ってくれたんだぞぉ!!?」

    下心丸出し…絶対健全な意味で言ってない…

    前スレ内でもお母さんがエロすぎるとの声が多数上がっております
    言い逃れ不可能ですよこれは

  • 18元スレ主22/02/03(木) 20:36:45

    バレた?

  • 19二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:48:26

    >>18

    問題ない イチは良い子で小器用だが今まで友達を家に連れて来たことがないんだ。

    日頃からお母さんは心配していて、だから待望の友達を連れて来たことに掛かってしまってセーラー服を着てしまっただけなんだ。

    うん、精一杯のフォローなんだ。

  • 20二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:51:35

    イチは貧乳っぽいのにね(失礼)

  • 21二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:56:12

    >>17

    いや…これ…お父さん…二人が帰ったら絶対…

  • 22二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:02:32

    そろそろエタるかと思ったらまたすっごい概念新しく出てくるの神がかってる
    お父さん今夜は大変だべ...

  • 23二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:04:29

    概念から少し逸れるけどイチちゃんとスペちゃんって相性的にどうなんだろう?

  • 24二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:07:01

    >>11

    いいよね…自由になったしオグリとの思い出を通して誰かに悪意を抱くことがなくなったイチちゃん…

  • 25二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:11:05

    >>11

    キングと世話焼き気質なところが似ているからイチちゃんのわだかまりがなくなった後はキングに慕われてそう…

    それに対して「私はアナタほど思いやりがあるウマ娘じゃないよ」って返す悲しいイチちゃん…嘘とは言い切れないから余計に悲しい…

    っていうのを想像してしまった

  • 26二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:33:00

    ママ「どう?可愛い?」

    パパ「可愛いよ(もうすぐ1ちゃんがオグリちゃんを連れてくるんだ我慢我慢)」

    ママ「ホント?スカートも似合ってる?」

    パパ「似合ってるよ(我慢我慢我慢我慢我慢)」

    ママ「よかった!私も昔思い出して気に入っちゃった1ちゃんとオグリちゃんがいいなら一日これ着てようかな」

    パパ「いいんじゃない?(俺一日中これに耐えるの…?二人が帰ったら覚えてろよ…)」

  • 27二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 23:27:56

    アカンですよこれは...

  • 28二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 00:04:17

    このレスは削除されています

  • 29二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 00:11:09

    お二人がおいくつか知らんが、実際のとこそういう昔ながらのコスプレみたいなので、その、夫婦仲がさらに再燃するとかって言うのは聞いたことありますね どうというわけではないですが

  • 30二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 00:25:39

    イチちゃんも大人になったらムッチムチになるんですか

  • 31二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 03:15:01

    イチちゃんが掛かり気味でオグリは静かな呼吸ってコト……!?

    >>30

  • 32元スレ主22/02/04(金) 09:50:23

    ここまで好評だとは思わなかったんだ

  • 33二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 10:09:16

    自分の母親がやたら話題になってイチちゃんも困惑ですよ

  • 34二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 10:17:07

    前スレのssの感想マジでお母さんに関するものしかなくて草
    みんな正直すぎる

  • 35二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 10:19:10

    (ハッピーエンドとはいえ暗い話の直後だったからね……苦いものの後の甘味はおいしい)

  • 36二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 10:31:47

    主人公の母がめちゃくちゃ人気出るのはよくあるからな……
    それ抜きにしても良いキャラクター像でした

  • 37二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 10:54:16

    「いい体をしてるな、イチのお母さんは」
    「なっ……オグリ、あんた」
    「い、いやっ、違うぞ!私はただお母さんも昔はレースで活躍したんだろうな、と」
    「あーはいはいそうだよね、あんたはいつだってレースのことばっかり」
    「いや、違うぞ、イチもいい体をしている、そもそも私はいつだってイチ一筋だからな!」
    「え、いや、ちょ」
    「空気抵抗は少ない方がいいんだ、最速の機能美なんだ」
    「……ばかぁ〜〜!うわ〜ん!」
    「ああっ待ってくれイチ!」

    「何をやってやがるんでいあの二人は」
    「オグリちゃん、悪気はないんでしょうけど」
    「悪気がなければ何言うてもいいわけちゃうで、いやホンマに」


    またイチちゃんを曇らせてしまった……ごめんなさいごめんなさい
    あと、設定に解釈違いがあったらそれもごめんなさい

  • 38元スレ主22/02/04(金) 11:23:28

    因みに私は贅肉という意味でお腹が出ちゃってる
    だらしないお腹が好きです

  • 39二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 11:27:38

    >>38

    ボンッ!キュッ!ボンッ!

    ではなく

    ボンッ!ボンッ!ボンッ!

    か…

  • 40二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 12:39:31

    このレスは削除されています

  • 41二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 19:32:22

    今さらだけど曇らせを文字って困らせって言ってるの好き

  • 42二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 19:47:52

    すいません、学園卒業後そのままなんやかんや同棲する事になりオグリに合わせた量のご飯を作って生活した結果ふくよかムチムチボディになったイチちゃんが家の掃除中に出てきた勝負服を着てみてくれないかとお願いされる話って入荷してませんか?

  • 43二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 20:49:13

    >>42

    そこになければないですね。

    受注生産なんですよイチオグ系の製品は

    メーカーに納期問い合わせしないとわかんないんです……

  • 44二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 21:02:45

    イチオグとオグイチなんてあにまん国とかいう限界国家でしか生産してないから供給量エゲつないほど少なそう

  • 45SS筆者22/02/04(金) 22:25:33

    コイツに弁当を差し入れるようになって、2か月くらい。
    毎朝必死に献立を考えるけど、毎回綺麗に食べられてる。
    嫌いな食べ物なんて意外と思いつかないもので、こうもきれいに食べられると考えるほうが難しい。
    いっそのこと冷凍食品だけ詰め込んだやつとか……?でも、鳥のつくねとかお肉巻いたフライドポテトなんて私だって好きだ。
    今日も今日とて、葦毛のヒーロー様はパクパクおいしそうにお弁当にお箸をのばしてる。
    「今日のサラダ、ドレッシングが食べたことない風味だ。これはなんて……いうものなんだろうか。」
    そう言いながらこちらをちらっと見る。直接聞かれない感じが、まだ警戒されてるみたい。
    「私のお手製です。ありがとうございます。」
    「そうだったのか!手作りでもおいしいドレッシングができるものなんだな……」
    感心しながらパクついてる。気に入らないやつからでも、褒められるのはやぶさかじゃない。耳が動く。
    どの食材で嫌な反応するかな、とかじっと観察するけど、まるでいい反応がない。
    「あ、その、どうしたんだ?顔に何かついているだろうか。」
    「あ、すみません。何でもないんです。」
    ウンともスンとも、黙っておいしそうに口に料理を運んでいく。いくら旬の時期とはいえ、白アスパラなんてそんなパクパク食べれるもんなの?
    ちょっとやるには早いけど、直接聞いてみるか。

  • 46SS筆者22/02/04(金) 22:26:18

    「オグリさんって、小さいころ苦手だった料理とかってありましたか。」
    「むん?」
    口いっぱいに詰め込んだ料理を一生懸命噛んで、ごくんと音を鳴らしながら飲み込む。
    「苦手な料理か……うーん……」
    決して短くない時間をかけて考え込んでいる。
    「……特にないかもしれない。子供の時お母さんに作ってもらって、大事にとっておいたおにぎりを食べた時はお腹を壊してしまったから、嫌いというか苦手だが……」
    ウソでしょ。そんなエピソード普通ある?
    「……うん、やっぱり食べられないものは無いかもしれない。食べたことないものもたくさんあるから、その中にあるかもしれないが。」
    そういいながら、オグリがまたお弁当に視線を戻す。
    思わず頭の後ろをかく。困った。
    アンタが食べたことないもの、多分この学園の誰も食べたことないって。そんなもの作れないし……
    私が考え込むうちにオグリはもう手を合わせて、ごちそうさまを済ませている。
    「ありがとう。今日も美味しいお弁当だった。これでお昼まで頑張れる。」
    「あ、いえ。頑張ってください。」
    自分でもイマイチ噛み合ってない返事だと思う。
    しまった。ボロを出しちゃいけない。
    お弁当を受け取って、風呂敷に包みなおす。
    バッグに入れてその場を去ろうと身支度をしているときに、オグリからおずおずとした様子で声をかけられた。

  • 47SS筆者22/02/04(金) 22:26:33

    「君は、今日の放課後は空いているだろうか。」
    「あ、ええ、はい。集団指導はありますけど。」
    「ああ、まだトレーナーがついていないんだな。」
    何、イヤミ?カチンと来たけど、その余波が顔まで来ないよう頑張ってこらえる。
    「そうしたら、今日は私と一緒にトレーニングをしないか。」
    全く想像していない方向のお誘いが来た。一瞬、考えが追いつかなくなる。
    「え、オグリさんはトレーナーさんとじゃないんですか。」
    皮肉のつもりでイヤミを返す。
    「実は、私のトレーナーに君のことを話したことがあるんだ。それで、一緒にトレーニングに誘ってみたらと言われて。」
    「え、別にそんな、大丈夫ですよ。」
    「今日のお昼までに私のトレーナーに連絡して、君の担当教官には伝えてもらう。よかったら、どうだ?」
    今日はプールでスタミナトレーニングなんだが、と付け加えられた。
    誘いを受けるかどうか、よく考える。
    コイツの走りが凄まじいことは、もうトレセン学園中に知れ渡ってる。
    G1レースこそまだ出ていないけど、無茶気味なスケジュールで重賞を4連勝中。
    こっちが心配になるレベルで実績を積み重ねてる。距離も馬場もブレがあるけれど、構わず勝つ。
    『オグリキャップは強い』というのが一律の評価だ。
    考えれば考えるほど、天然なのも合わせて頭に来る。
    でも、この誘い、受けちゃおうか。
    もしも練習中にうっかり、ちょっとでも先行することができたら自慢できる。
    「わかりました、そしたら今日の夕方、お願いします。水着、用意してきますね。」
    胸を張って答える。
    いくら重賞ウィナーだからって、そんなに恐れることは無い。
    オープン戦も怪しい私だけど、トレーニングの条件ならどこかで追い抜けるかもしれない。
    それに何か盗めるものがあったら、こっそりと頂いてしまおう。
    みんなのヒーロー様がそこはかとなく嬉しそうな顔をする。
    今のうちに、せいぜい笑ってなさい。
    ふふふ、その鼻っ面、へし折ってやるわ!

  • 48SS筆者22/02/04(金) 22:27:30

    そう思っていたのは、大間違いだった。
    まあ、ウォームアップの時点から違うだろうなあ、とぼんやり思っていた。
    実際のところ、違った。
    集団指導の2倍以上の時間を使って、じっくりアップ。
    こんなのんびり柔軟してていいの?っていうくらい、じっくり時間をかけて身体を温める。
    知らなかったけど、ヒーロー様は身体が信じられないくらい柔らかかった。
    『君は身体が堅いんだな』とか、またしれっと言われた。ムカつく。
    そのあと、背泳ぎの指示。
    集団指導では泳ぎの苦手な子も少なくないから、いわゆる四泳法は避けることが多い。
    私もトレセン学園に来て以来、すっかりやっていなかった。
    まだ始まったばっかだし、4,5周くらいかな、と思った矢先。
    「ペースは問わねえ。二人とも、ひとまず10周行ってこい。」
    思わず、えっ、と口から驚きの声が出てしまう。ここ50mですけど。
    隣のヤツは『ああ』とかサッと返事してるし。
    私がモタモタしてるうちに、隣の葦毛は飛び込んで――いなかった。
    回れ右をして、ビート板を取りに行っていた。思わずずっこける。
    葦毛様が何故かビート板を2つ抱えてきて、聞かれる。
    「君も使うか?」
    「いや、大丈夫です……」
    そうか、泳ぎが得意なんだな、とか言って、プールに脚からゆっくり入っていく。
    コイツ、マジ?泳ぎ苦手なんだ。カワイイとこあるじゃん。
    ふふふ、私の背泳ぎ、見てなさいよ!

  • 49SS筆者22/02/04(金) 22:28:17

    久々にきちんと量をこなすような泳ぎをすると、しっかり疲れる。
    もっと若かった時、なんて言ってもまだ若いけど、あの時よりはスピードもペースも落ちてる。
    それでも、1周目の段階で隣のアイツをさっくり追い抜くことができた。
    フェアじゃないけど、私のほうが泳ぎは絶対に上手い。
    500m分泳いで、プールの壁に手が届く。
    ふう。と息をついてアイツの姿を探すと、まだ私と反対方向に向かって泳いでいた。あのペースじゃ周回遅れだろう。
    どんなもんじゃい、と得意な気持ちでプールを上がろうと上を向いたとき、不自然な視界の暗さに驚く。
    アイツのトレーナーさんの顔が私の目の前に突然現れた。というより、上がろうとする私の前にあらかじめいたようなタイミングだ。
    「わああ!」
    あんまりに驚いて、プールの中に転ぶように沈む。
    なになになに、突然!?
    なんとか頭を出して、トレーナーさんに噛みつく。

  • 50SS筆者22/02/04(金) 22:29:10

    「ちょっと、なんですか!」
    「おう友達さん、ずいぶんはやいお帰りだったな。」
    速い、という言葉にちょっと気分が良くなる。
    「ありがとうございます、泳ぎはちょっとだけやってましたので。」
    「そうなのか。オグリはビート板がいるのになあ。やるじゃねえか。」
    ふふん、そうでしょう、そうでしょう。
    口角が自然に上がる。
    そのまま上がろうと顔を見つめるけど、動かない。
    「あの、上がれないんですけど。」
    「何言ってんだ、まだ終わってないだろう。」
    えっ。
    「あれ、10周ですよね。」
    「そうだ。まだ5周しか終わってないぞ。」
    えっ?
    「もう500m終わりましたよ?」
    「ああ、言い方が悪かったな。行って戻ってきて1周だ。1回じゃない。」
    えっ。
    「そういうわけで、もう『10周』行ってきな。それ終わったらインターバルだ。」
    ええっ!
    「う、ウソでしょ!?」
    「残念ながら大マジだ。泳ぎは上手いが、あんまり飛ばすと潰れるぞ。」
    それだけ言って、ニッと笑う。
    急いでスタートの姿勢を取って、出発し直す。
    や、やっちゃった。体力配分ミスった……
    ていうか、アイツ、いつもそんなにやってるの!?
    足元から上ってくる疲労を感じながら、仰向けにプールの壁を蹴った。

  • 51SS筆者22/02/04(金) 22:30:42

    「おうそこまで、一度息入れな。」
    アイツのトレーナーが合図をかけて、プールから上がる。
    プールサイドで、立ち上がることもままならず、へたりこむ。
    プールに入っていたのに、上がったとたんに今まで体験したことない熱と汗が、私を支配していた。
    しょっぱい水がおでこから口まで流れてくる。明らかに水じゃない。
    いつものトレーニングだったら、先にメニューをこなしたイツメンたちとすぐに駄弁るくらいの体力は残る。
    けれど、今は全身の筋肉が酸素を求めて、声に回す分は残っていなかった。
    走りこみの後の呼吸ほど荒くはならないけど、重く、深く、身体に疲れがのしかかってくる。
    すると、肩を誰かに叩かれる。
    「ふう、イチ、お疲れ様。」
    いつの間にか、後ろから葦毛サマに声をかけられる。どれくらいの時間座っていたのかもわからなかった。
    「イチは泳ぎが得意なんだな。半周目でもうあっという間に抜かされてしまって、びっくりした。」
    コイツ、どうして喋れるんだ?ていうか、なんで立ててるんだ?
    私より遅いから、ビート板を抱いてたから、って脳の表面が理由をつけるけど、心の奥底は言い訳をするな、基礎体力の差だと反論している。
    やっぱり、重賞ウィナーは強い。
    重賞ウィナーじゃなくても、中央じゃなくても、地方で勝ち続けられるウマ娘は、私とレベルが違う。
    始まる前と同じとはいかないけど、普通の足取りで水分補給しに行く背中を見送る。
    私も立とうと思ったけど、ダメだ、太ももが上がらない。
    ふう、と長く息を吐く。すると、葦毛サマが戻ってきた。
    「お疲れ様。君も飲むか?」
    私の分の水筒を持ってこちらに手渡す葦毛サマの顔を見上げる。
    水も滴るいいウマ娘、とでも言うんだろうか。顎先がシュッと細くて、はた目から見ても格好いい。
    このルックスでバリバリ勝ちまくって、でも地方出身で、勝利者インタビューで抜けてる発言をしたら、そりゃファンもできる。
    悔しいけどこの『怪物』相手に、多少水泳ができる程度じゃ、まるで勝ったことにならないだろう。
    素直に受け取るのもムカつくけど、今の私に抵抗するだけの余力は残ってなかった。

  • 52二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 22:31:03

    このレスは削除されています

  • 53SS筆者22/02/04(金) 22:31:34

    「ありがとうございます。すみません。」
    「そんな、大丈夫だ。やっぱり、このトレーニングはやらないんだな。」
    「自主練でもないと、プールまで来る子はいないですね。」
    「そうか……私は泳ぎが苦手だから、このトレーニングはちょっと不安なんだが、今日は君がいてくれて楽しかったぞ。」
    トレーニングが楽しいって、どういうこと。イマイチ、ピンとこなかった。
    水を飲みながら休んでいると、突然後ろからトレーナーさんの声がした。
    「おう、プールに戻んな。」
    またしても驚いて、水筒を思わずプールに落としそうになる。
    「インターバルは終わりだ。もう1セット行ってきな。」
    「ええっ、まだ5分も経ってませんよ。」
    「そうだ。だからいいんだよ。ほら、もう一口飲んだら行ってきな。」
    はい、とオグリが水筒をぐいっとあおってから、すぐ立ち上がる。
    それを見て、私ももう一口だけ水を含む。
    疲れで宙に浮いたように感じる脚を何とか持ち上げて、プールに滑り落ちるように入る。
    「次は時間制限をつける。一周20秒、きっちり見てるから戻って来い。」
    マジで、こんなにしんどいのに。
    ふっ、ふっ、と細かく息を吐きながら、ビート板を抱えたオグリがスタートした。
    私もいかなきゃ。オグリに少しでも食らいつくんだ。
    手を合わせて、私も仰向けにスタートした。

  • 54SS筆者22/02/04(金) 22:32:00

    それからは、もう無我夢中で脚と手を動かしてた。
    どんどん姿勢が曲がっていくのを感じる。すると、スピードも落ちる。
    1周目で追い抜いたと思った隣の葦毛サマは、いつの間にやら私をどこかで追い抜いて、周回遅れになったのは私のほうだった。
    水が跳ねて、流れる音が耳と頭いっぱいに広がる。
    「ゲストだからって手は抜かねえぞ、へばんな!」
    私に向けた声だろうか。私だろうな。
    「もう少しだ!頑張れ!」
    もう一つの声が聞こえる。
    アンタに言われなくても、やってる!
    これで、これで最後の半周なんだ。あと、もう少し!
    緊張しきったように伸ばした手が触れたのは、間違いなく、20秒をゆうに超えたあとのことだった。

    「おお、よくやったな。お疲れ様。」
    「キツかったろう、集団と違って。」
    アイツに支えられながらプールサイドに座る。
    腕も脚も、胸も背中も、全身が宙に浮いたように感じる。まるで脳の指示を受け付けなかった。
    「とてもよく頑張っていたと思うぞ。凄かった。」
    「いい根性してるぜ、良くついてきた。ほれ、水分補給しろ。」
    水筒を受け取るけど、腕を上げるのも重労働に感じる。
    仰向けに倒れこんで、重力で水が入ってくるように横着する。
    「ばっかお前、寝転んで水飲んだらあぶねえだろ。オグリ、背中支えてやれ。」
    トレーナーから注意が入って、葦毛サマに持ち上げられる。
    また助けられちゃった。悔しい。
    そんなことを伝えられるような体力は残っておらず、支えられるがまま、水を飲んだ。

  • 55SS筆者22/02/04(金) 22:35:20

    その背泳ぎトレーニングの後にまだ続くのかと思いきや、そのままクールダウンの指示が出た。
    『長くいろんなトレーニングをダラダラ続けても身体をいじめるだけだ、ガツンとやってさっくり休む』だそうで。
    結局、そのあと自分一人で何かできるわけもなく、いろんなところで葦毛サマの手を借りる羽目になった。
    何とかシャワーと着替えだけは自分で乗り切って、ロッカールームで靴下をはくために座ったら、立てなくなってしまった。
    ヤバい、これ、本当に立てないやつかも。
    指先がプルプル震える。脚も上がらない。
    とはいえ上半身を傾けると、多分そのまま前のめりに落ちる。
    結論として、靴下片手に裸足で座るっていう、銅像みたいな姿勢になってしまった。
    横を通る子たちが「どうしたの」「あの子、大丈夫かな」という風に話しているのが聞こえる。
    大丈夫じゃないです。誰か助けて……
    どれだけ休めば動けるかな、と目だけ動かして時計を見ていたとき、葦毛サマが入ってきた。
    「大丈夫か!」
    パタパタと駆け寄ってくる。
    待て、駆け寄るってなんだ……?
    「外で待っていたんだが、出てくる人たちが皆ヒソヒソ話をしていたんだ。立てるか?」
    立てないです、と小声で答える。オグリが私の靴下を手に取って、はかせてくれる。
    「ハードだったな。分かるぞ。私もスタミナが課題だから、最初は本当に動けなかった。」
    靴下を履かせ終わってくれたあと、私の前にしゃがみ込む。
    「私が寮までおぶるから、そのまま倒れこんでくれていいぞ。」
    え、ちょっと、マジで?
    困る。
    何がってわけじゃないけど、困る。
    葦毛サマは『さあ!』と言って動きそうにない。
    私自身、いつ歩けるようになるか全くわからない。
    仕方ない、今回だけだ。今日だけ。
    いや、今この瞬間だけ。
    言われた通り、前に倒れこんだ。

  • 56SS筆者22/02/04(金) 22:38:52

    背中におぶられる形で、帰路につく。
    一度力を抜いてしまうと、空気が抜けた風船みたいに、元に戻らなくなってしまった。
    話題の葦毛サマに背負われているせいか、周りの目がちょっと突き刺さる気がする。
    私だって望んでこうなったワケじゃないんです。違うんです。
    夕日というにはちょっと早い時間の太陽に照らされる。
    「気分は悪くないか?」
    「うん、大丈夫です……」
    「敬語じゃなくて大丈夫だぞ。疲れてしまうだろう。」
    あー、敬語使いたいんですよ。仲良くなりたいわけじゃないので。
    もし私にもっと体力があったら、そう返していただろう。
    仲良くなりたいわけじゃない、って言うのは言わないけど。
    そんなことを言える度胸も気力も、体力も何も残っておらず、その時の私は、その誘いを受け入れてしまった。
    「あ、じゃあ……」
    「良かった。今まで、ちょっとだけ距離を感じていたんだ。」
    それが私の目的なんで。
    「いつも朝に話すから、今日は一緒にトレーニングできてよかった。」
    「ううん、私も、気合入ったから……」
    「そうか。それなら、私も嬉しい。」
    「オグリさん、スゴイね。あんなの毎日やってるの?」
    「いいや、今日はなんだか、トレーナーも少し気合が入っていたように見えるぞ。きっとトレーナーも嬉しかったんだろう。」
    本当かどうかも分からないけど、もしそうじゃなかったとしても、十分ハードな内容だ。

  • 57SS筆者22/02/04(金) 22:42:11

    そんなことを考えていた矢先、ああ、そうだ、と葦毛サマが何かを思い出す。
    「オグリと呼んでくれ。せっかく敬語でなくなったから、オグリでいい。」
    えっ、困る。
    まあ、でも、いいか。疲れたし。
    「わかったよ、オグリ。」
    「それで、私は君を何と呼べばいいかな。」
    げ、ヤバい。
    この流れで『オグリさんが知ってるようなウマ娘じゃない』なんて言えない。体力的にも。
    どうしよう。
    誤魔化すのも面倒だから、いつも呼ばれてるやつでいっか。
    「イチ、です。」
    「イチ、か?」
    「はい。皆、いつメンはイチって呼ぶんで。」
    イチ、か。イチ、イチ……と独り言のようにオグリがつぶやく。
    「うん、分かった。イチだな。ありがとう、イチ。」
    あーあ、やっちゃった。ライン越えちゃったかも。
    名前を教えてしまったことに、身体だけでなく心もぐったりする。
    「これからもよろしく、イチ。」
    「うん。よろしくね、オグリ。」
    その返事をしたのを最後に、視界がまどろむ。
    ああ、眠い。
    子供のころ、いっぱい遊んで、お母さんにおぶられて帰ったあの感じに似てるからかな。
    もういいや、眠っちゃえ。何も答えなくて済むし。
    私はその優しい眠気に屈服して、オグリの背中で眠りに落ちた。

    あの時寝てしまったのは間違いだった、とその後の数日は思っていた。
    でも、今は寝てしまってよかったのかも、って思う。
    私とオグリが、「初めて」出会った日の、思い出。

  • 58SS筆者22/02/04(金) 22:46:43

    (前スレの>>14さん、アイデアお借りしました。遅くなってしまってごめんなさい。)

    (まだこのスレに出入りしていたらいいな)

    (「イチちゃんがまだオグリに敵対心とか嫉妬心メラメラの時のSSとか書きたいけど文才がなくて辛い」というものでした。)


    (敵対心や嫉妬心、という言葉だけではとても強い意味合いで響いてしまいますので、他の皆のイメージを借りて自分のほうで「ライバル心」に変換しました。)

    (ライバル心だけのはずが、なんか考えている内に自分の中のイチちゃん歴史学上で大変重要なポイントの話にできました)

    (素敵なアイデア、ありがとうございました。)

  • 59二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 23:35:17

    これもまた新たなわからせの形のひとつなんだな…

  • 60二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 23:37:22

    オグリに悪意を持っていた頃の自分に負い目を感じていて「私は誰かに愛されていいようなウマ娘じゃない…」ってセルフ曇らせするイチちゃんはアリですか?

  • 61二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 23:49:51

    >>58心の内にあるガイ先生が叫んでいる

  • 62SS筆者22/02/05(土) 00:11:15

    >>60

    手前味噌ですが、前partの113からの拙作で似た話を載せております

    よろしければぜひ、すでに読了済でしたらご無礼

  • 636022/02/05(土) 00:16:03

    >>62

    あの作品は読ませて頂いた…大変素晴らしかったです…

    ちなみに船長コメしたのもあっしでごわす

    あれを踏まえた上で「自分に愛される資格なんてないと思ってるけど得た繋がりを失うのに怯えている」っていうのが唆られる…って思うんだ…

    不愉快に感じたなら腹切ります

  • 64SS筆者22/02/05(土) 00:25:42

    >>63

    うおおおお頭領(?)、あなた様でしたか……船長業務、拝命申し上げます

    前partのアレで少し膨らませすぎたかもしれません。やりすぎ症候群

    自分の中ではアレで「自分に愛される資格~」を出し尽くしてしまったきらいがあるので、もう一度頑張ると質の悪い再放送になってしまうかも……

    頭領もイチオグ、オグイチ製造工場になりませんか(勧誘)

  • 65二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 01:04:35

    明日も仕事だってのにPart1からここまで読んじまったぜ… オグイチにご祝儀渡したいんですけど!?

  • 66二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 06:05:14

    オグリが登録出来てなくてクラシック路線に出走できないのを知った時のイチちゃんを見てみたいです

  • 67二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:27:18

    >>61

    なんかウチだけおかしないか?

  • 68二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:27:44

    >>66

    ガラにもなくガチギレして

    オグリアンチ仲間と「なにそんな顔してんの?いい気味でしょ」「ポッと出の田舎者が調子のって出てきたのに恥かくのが見たかったのよ!大舞台じゃなきゃ意味ないじゃない!」とか話してそう

    時系列的にはまだまだ敵意バリバリの頃かもしらんが思うところはありそう

  • 69二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:47:16

    >>67

    オチがどうしても思い浮かばず、安易にタマに頼ってしまった

    許さないでくれ…

  • 70二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:02:43

    >>68

    オグリが出走できないのを納得できないと滔々と語っているところを激マブに見られてそう

  • 71二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:07:55

    正直前スレのSSでオグイチ完成しちゃった…と思ってたらこんどはパパママ概念が産まれていた…
    そうだね、イチちゃんはオリジナルウマ娘だからバックボーンも好きにしていいんだ
    極論実はママが牝馬三冠してたっていいんだ

    無限か?

  • 72二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:37:19

    卒業後同棲するようになって基本的に家事全般はイチちゃんがやっててたまにオグリが手伝ったりするんだけど相変わらずレース以外はからっきしだからイチちゃんに怒られてションボリしちゃうオグリ。
    すごく申し訳なさそうに見てくるオグリにため息を吐きつつも手伝おうとしてくれたこと自体は嬉しくて耳と尻尾が動いてるイチちゃん。
    結局ふたりで作業をしながら無意識にイチャつくオグイチの同棲空間。
    こんな感じのSSを誰か書いてください

  • 73二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:08:55

    >>71

    安心するんだ、あれはあくまであのSSを書いた人の中のオグリとイチちゃんでしかないんだ

    俺たち全員の中全てにイチちゃんは生きているんだ

    君だけのさいかわイチちゃんを作り上げるんだ!

  • 74二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 00:49:45

    前スレで完成?いいじゃねーか 蛇足な後日談(イチャイチャ)でしか摂取出来ない栄養素もあるんだ

  • 75二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 02:49:52

    >>48葦毛様が何故かビート板を2つ抱えてきて、聞かれる。

    「君も使うか?」


    ここの天然ぽくも優しさ溢れる行動がオグリらしくてすき

  • 76二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 08:22:51

    このレスは削除されています

  • 77二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 08:25:22

    >>74

    逆に『そもそもこの子良い子すぎてオグリンがポッと出で成績出した程度で嫌がらせなんて思い切ったこと普通ならやらなそうだよなぁ…成績よりもオグリン特有の何かがトリガーなんじゃないのか?過去に何か原因が有るんじゃないのか?んん〜?』って思考から私の中でエピソード0(って言うほどではない)概念が生まれた結果、文才もネーム切る能力も無いからにデザインだけ出力されたイマイチ描き分け出来てない小学校1〜3年ぐらいを目指したロリ風味イチちゃんなら有る

  • 78二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 09:13:06

    >>77

    お、お嬢ちゃんカワイイね…

    あっちの方で気持ちいいことしようね…

  • 79二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 09:20:08

    >>77

    同級生(こいつも・・・将来ああなるのかな・・・)

  • 80二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 09:32:58

    >>78

    極刑!遺言は認めないッ!

  • 81二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 09:33:23

    >>77

    神様すぎひんか?

  • 82二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 09:39:35

    >>77

    ええええランドセルの蹄鉄マーク好きすぎる

    解像度が……解像度が高い

  • 83二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 10:52:52
  • 84二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 11:25:41
  • 85二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 12:56:26

    >>83

    迅速に防犯ベルを鳴らす判断力

    子供の頃からしっかりしてて偉い

  • 86二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 15:58:28

    >>85

    ますますしっかりしたいい子やんけ!

  • 87二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 15:59:19
  • 88二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 16:08:02

    >>65

    ようこそなんだ

    そのまま幻覚を見続けるんだ

  • 89元スレ主22/02/06(日) 17:41:30
  • 90二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 18:48:29

    紹介スレpart2ができました。

    あれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って Part2|あにまん掲示板このスレから概念化してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込むスレなんだとくにルー…bbs.animanch.com

    ここ以上にゆる~くふんわりな空気です。過去スレを覗きたい時や相談・あとがき・ママ♡、何でも可です。

    本スレと内容が被っても問題ありません。 

    イチちゃんは自由なのだから。

  • 91二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 19:14:50

    このレスは削除されています

  • 92元スレ主22/02/06(日) 19:15:32
  • 93二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 20:45:46
  • 94二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 20:55:08

    イチはママと違って身長も胸もあんまり育たないと思うの(ド偏見)

  • 95二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 20:57:51

    >>93

    図らずも・・・

  • 96二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 21:00:21
  • 97二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 21:05:14

    >>95

    お母さんと同じことをしてくるイチちゃんに母性を感じるオグリ概念誰か書いてくれないかな

    もうあった…

    スレ主は時代は先取りしていた…?

  • 98二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 21:09:49

    そりゃ小さいころの思い出と完全一致するサプライズしてくれたら懐くよな

  • 99二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 21:10:28

    >>95

    これもう運命だろ

  • 100二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 22:07:45

    あの、オグリが間違えてイチちゃんのことお母さんって呼んじゃう展開ありませんか?

  • 101二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 04:41:17

    そ、それ聞いたクリークが「私がいながらオグリちゃん!」とむくれる展開もありませんか?

  • 102二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 07:28:49

    >>100

    そこになければ作ってください

  • 103二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 09:25:54

    >>95

    そりゃアイコンにもするよ

  • 104二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 12:36:07

    >>100

    >>101

    「お母さん…あっ」

    「はぁ?なに寝ぼけたk(いや、待てよ私。オグリは人前で他人をお母さん呼びなんて赤っ恥を晒したのよ?これは全力で追い打ちをかけるべきよ!相手の弱みにつけこむ、それが勝負の鉄則よ!)」

    「イチ…?」

    「あらあら〜オグリちゃんどうしたのでちゅか〜?ママが恋しくなっちゃったのかな〜?」

    「えっ?えっ?」

    「ほ〜らイイコイイコしてあげまちゅよオグリちゃん♪(ホーッホッホッ!見たか私の渾身の赤ちゃん言葉!正直恥ずかしいけどあんたを道連れに出来るなら耐えられるわ!さぁ恥ずかしさで涙目になってる所を見せなさい!!)」

    「イチ…まさかクリークと同じ趣味を持っていたのか?前々から仲が良いと思っていたがそういう事なのか…?」

    「えっ」

    「そんな…イチちゃんがでちゅねされる側ではなくする側だったなんて…オグリちゃんがイチちゃんの物に…」

    「ちょっと待って下さい、不可思議な言葉を立て続けにぶつけないで下さい」


    「アホやな〜!クリークの母性に日夜晒されてるオグリがそんな事で赤面するわけないやろ!勝負を仕掛けるタイミング間違えとるで!」

    「それより大変だタマモ!クリークがイチにあてられて様子がおかしくなってる!」

    「みんな下がれ早く!クリークの母性が爆発する!」

    「ほわあぁあああああ!(byイチ)」

  • 105二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 18:06:40

    >>104

    3人とも困惑してるのいい…

  • 106二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 21:02:38

    >>103

    嘘でしょ…もう家族ぐるみの関係になってる…

  • 107二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 21:10:38

    ある世界線では実はオグリママとイチママはご近所さんだったりする概念
    子供二人は幼すぎて覚えてなかったり

    芦毛同士親戚だったりかもと思ったけど
    オグ×イチがちょっとしたインブリードになってしまう…

  • 108二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 00:48:21

    1ちゃんお母さん概念はスレ主がかなり前から推していた
    パート2でも1ちゃんのことお母さんって呼んでてほしいと言っていた
    初期スレ完走してすぐ書いたのもお母さん概念だった

    やっぱあの人すげぇわ

  • 109二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 00:49:35

    葦毛イチの世界だと困らせどころか曇らせ飛び越えてインモラルな感じに…!?

  • 110SS筆者22/02/08(火) 04:49:51

    葦毛*葦毛のカップル、周りから見たらすっごいキラキラしてるように見えたりするんかなあ

  • 111二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 12:03:33

    休みに自分の実家に連れて行って両親に会わせた話をオグリが皆に話して噂になるイチちゃんはありますか?

  • 112二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 12:11:50

    >>110

    こういうことかな?

  • 113二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 18:34:16

    これまでの情報をまとめてみると
    実家がニンジン農家でニンジンに困ることはない
    母親の体格からして多少太ってもほとんど基本胸にいく
    自身も献身的でオグリが困っていないにも関わらず自分の行いをしっかり謝れる根のいい子
    料理上手でおそらく家事も勉強も真面目に取り組んで覚える
    あれ…?イチちゃんってかなりの優良物件なのでは?オグリさん

  • 114二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 18:40:18

    ここは実家で犬を飼っているイチちゃんの世界線

    いっぱい食べるオグリを実家の飼い犬と重ねてしまい、いつも飼い犬にしているように無意識で頭を撫でてしまうイチちゃん。
    なんで撫でられてるのかわからないけどとりあえずイチちゃんが撫でやすいように頭を下げて耳を倒すオグリ。
    我に返って急いで手を引いて寝癖がついていたからと赤面しながら誤魔化すイチちゃん。
    みたいな展開を学園のベンチでやるオグイチ。

    こんなSSってないですかね?

  • 115二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 21:22:18

    みんなイチちゃんの何かを探し求めてる……
    我らイチオグを求めてさまよい続ける亡霊

  • 116二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 21:25:15

    >>114

    太ももにもいくよ

  • 117二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 21:28:54

    イチママになるってことか
    …!

  • 118SS筆者22/02/08(火) 22:22:03

    「ただいま。」
    「お帰り、オグリ。カバンちょうだい。」
    「ああ。あっ、花を替えたのか?」
    「うん、貰ったんだ。」
    「そうか。」
    「ご飯できてるから、パッとお風呂入っといで。」
    「うん。分かった。」

    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

    「はい、いただきます。」
    「いただきます。」

  • 119SS筆者22/02/08(火) 22:23:10

    「ご馳走様。」
    「お粗末様でした。相変わらず、口いっぱいに食べるよねえ。」
    「今日も美味しかったぞ、イチ。」
    「そりゃあ私が作ってるんですから、マズいなんて言わせませんよ。」
    「ふふ、それもそうだな。」
    「今日はどう、何か変わったこととか、なかった?」
    「うん、そうだな……なんだろう。」
    「なんにも思いつかない?」
    「すまない……あっ、でもイチのお弁当はとても美味しかったぞ。」
    「はい、キレーに食べてくださって、ありがとうございます。」
    「どうしたんだ、そんな仰々しく……」
    「別に、なんでも?」
    「本当に美味しかったぞ?」
    「ありがとって。お弁当箱、軽かったもん。」
    「いつも同じ言葉になってしまっているが、本当なんだ。」
    「分かってるって。ほい、お茶。」
    「う、うん……」
    「お代わりいるなら呼んでねえ。」
    「イチも、一緒に。」
    「ん?」
    「一緒に、お茶を飲まないか。」
    「んー、このお皿、放っておけないでしょって。」
    「そ、そうか。」
    「綺麗な机で飲むお茶のほうが美味しいよ。ちょっと待ってて。」
    「そうだな……」

  • 120SS筆者22/02/08(火) 22:24:40

    「イチ、ちょっといいか。」
    「あ、お茶?ごめん……え、なんで床に座ってるの。」
    「いや、違うんだ。」
    「なになに、なに。」
    「イチは、ご飯を食べた後にすぐに立ち上がるのは、辛くないか?」
    「いや、別に。」
    「私はちょっとだけ辛いぞ。」
    「えっそうだったの、もう……2年くらい?だけど知らなかったわ。」
    「……すまない、ウソだ。」
    「だよね。びっくりした。」
    「イチはご飯の後にお茶を飲まなくていいのか?」
    「え?いつも飲んでるじゃん。」
    「でも、いつも夕飯の後には飲んでいないじゃないか。」
    「そりゃ、洗い物済ませたいし……」
    「それも、そうか……」
    「そうだよ。」
    「イチ、その。」
    「うん、どうしたの立ち上がって。……なんか背伸びた?」
    「今日の洗い物は私に任せてほしいんだ。」
    「なに、いったいどういう風の吹き回し?」
    「イチは向こうで座っていてくれ。ほら。」
    「えっちょっと、ちょっと。」
    「私のお茶、飲んでいていいからな。」
    「いや、そんなワケにはいかないって。」
    「私がイイというまで、こちらに来てはいけないからな。」
    「ちょっと、オグリ!」
    「覗き見るのもダメだぞ、イチ。」
    「ツル娘かって!」

  • 121SS筆者22/02/08(火) 22:25:45

    「ねえ、オグリ~?」

    「オグリ?」

    「大丈夫?」

    「私の湯飲み、取りたいんだけど……」

    「オグリ、開けるよ?」

    「……オグリ?水道は止めながらにしてよ?」

    「あ~……開けるからね?」

  • 122SS筆者22/02/08(火) 22:27:38

    「わっ、何これ!」
    「イ、イチ……泡が……」
    「マンガじゃないんだから、どうしたの!」
    「最近の洗剤は、とても泡立つんだな……」
    「最近のじゃなくても出しすぎ!もー。」
    「すまない……」
    「あーあー、なんつー……ゲッ、どうしてお茶碗が床にあるの。」
    「水切りカゴがいっぱいになってしまって……」
    「小さいのから洗えば上に被せていけるのに。」
    「そ、そうなのか。」
    「あー、お鍋の裏擦ってないでしょこれー。」
    「あっ、洗うものなのか?」
    「まあ洗わない人もいると思うけど、私はたわしで擦ってるの。」
    「そうだったのか……」
    「ハイ、交代。ここからは私がやるから。」
    「うう、すまない……」
    「分かってるから。耳倒さないの。サンキューね。」
    「さー、この泡どうしましょうかね。」
    「わざとではないんだ、イチ。」
    「知ってる。アンタが一番頑張ってるんだから、夜くらい休みなって。」
    「でも、イチは一日中台所やキッチンに立っているじゃないか。」
    「そうねえ。」
    「今日くらいは座っていてほしかったんだ、が……」
    「私が立ちたくて立ってるんだから、ヘーキ。そんなこと言ったら、アンタも一日走りっぱなしでしょ。」
    「私は……うん、すまない。」
    「レースとか、最近はタレント業もこなれてきたのに、本音を言うのは相変わらずヘタだよね、オグリ。」
    「なっ……!うん……」
    「カワイイよ、オグリ。な~んて……ちょっ!」

  • 123SS筆者22/02/08(火) 22:28:41

    「ちょっとアンタ、ジャマだって。」
    「イチは洗い物を進めててくれっ。」
    「アンタがこんなにしたんでしょ!」
    「イチが終わるあいだ、こうする。」
    「ねーちょっと、尻尾!尻尾まで絡めるな!」
    「イチも絡めていいんだぞ。ほら。」
    「も~……お茶、冷めちゃうよ。」
    「いいんだ。イチが淹れ直してくれるから。」
    「『とびつき』には淹れてあげません。」
    「むっ、イチ、よく知っているな。」
    「え、とびつきはとびつきでしょ。」
    「そういえば聞いたことなかったな。イチの出身はどこなんだ?」
    「話したことなかったっけ。私の地元はね……」

  • 124元スレ主22/02/08(火) 22:30:18

    ご結婚してる・・・

  • 125SS筆者22/02/08(火) 22:32:37

    お目汚しご無礼

    >>72 からアイデア貰いました。ありがとうございます。

    (その他にも>>107の要素もちょっぴり借りました。感謝~~~)


    この二人が同棲しているの、とてもとても想像しやすい。

  • 126二次元好きの匿名さん22/02/08(火) 23:08:14

    >>125

    ありがてぇ…

    成仏できそうだ…

  • 127SS筆者22/02/08(火) 23:56:31

    や、やべえ、一つ直したと思ったら直ってないところあった……
    イチちゃんのドッペルゲンガーが同居してしまっている

  • 128二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 00:02:28

    そうなの!?
    じゃあ72のイチちゃんと107の葦毛イチちゃんとオグリの三人で住んでるってこと!?

  • 129SS筆者22/02/09(水) 00:06:41

    >>128

    思わず笑ってしまいました

    光のイチちゃんと闇のイチちゃん……?!


    「ねえオグリ、2時だけど、ご飯作っちゃおうか。」

    「アンタ、アスリートなんでしょ。おとなしく寝ときなさいよ。」

    「う、ううむ……イチ……私はどうすれば……?」


    みたいな!?

  • 130二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 02:54:26

    光のイチと闇のイチに片耳ずつ交互に囁かれるって!?!?!?!?!?

  • 131二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 03:10:31

    卒業後は2人に増える1
    自由なだけはある

  • 132二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 12:22:08

    >>130

    オグリ「はぐわぁッ!?」

  • 133二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 13:14:49

    >>129

    耳を倒して上目遣いで見つめてくるオグリに耐えきれない光&闇のイチちゃんが見える…

  • 134二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 16:51:35

    >>133

    これを見て結局耐えられないツインイチちゃんズ……


    甘すぎて糖尿病になった

  • 135二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 20:16:46

    これだけは言える
    闇のイチちゃんもきっといい子(出会いの人参盛を見る限り)

  • 136二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 00:12:03

    オグリが卒業してテレビとかの露出が多くなった後に注目されるようになったイチちゃん世界線で

    「<オグリキャップでも大満足!>お手軽ボリュームごはんレシピ本」

    みたいなのとか出版されちゃうんだろうか

  • 137二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 00:58:30

    >>77

    >>79

    これ、良くみたら目元はめっちゃお母さんやな……

    親子ォ

  • 138二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 01:04:28

    >>136

    伏線回収

  • 139二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 09:50:19

    逆に1がオグママの実家に行く話しない?

  • 140二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 12:03:44

    ホワイナバルビー(仮)は母の鑑である
    という事はわかる

  • 141二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 19:49:26

    なんで私がアンタの家に行くのよ!って言いながらなんやかやありそう

  • 142二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 19:59:25

    ビターグラッセもリトルココンも現世に現れた
    よし、この調子でイチちゃんも……!

    あ、あれ……?おかしいな……
    これだけ二次(三次)創作が盛んなんだから、いないはずは……
    俺の記憶ではいたはずなんだが……おかしい……

  • 143二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 22:10:04

    イチの髪型はモブの髪型を取り入れてるそうだからアプリにエディットモードこないかな
    プレイアブルキャラほど強くできなくてモブキャラのパーツを組み替えられるようなおまけ程度のでいいから

  • 144二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 23:04:04

    「イチ、緊張しているのか?」
    「あ、当たり前でしょ!初めての挨拶なんだから失礼のないようにしないとだし…」
    「大丈夫、お母さんはすごく優しいんだ。きっとイチのことも気に入ってくれるよ。」
    「うぅ…だといいんだけど…。ねぇ、アタシの服変じゃないかな…?」
    「家を出る前も言ったけど今日のイチはいつもよりキレイだぞ。あっ、もちろんイチはいつもキレイだが…。」
    「そういう事じゃないわよバカ!でもありがと、おかげで少し落ち着いた。」

  • 145二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 23:04:50

    「イチ、着いたぞ。ここが私の家だ。」
    「ここがオグリの実家…。」
    「じゃあ入るぞ。お母さん、ただいま。」
    「わっ、待って!まだ心の準備が…!」
    「おかえりなさい、早かったわね。あら?その子は…」
    「は、はじめまして!レスアンカーワンと申しますっ!あの、オグリキャップさんとは学園を卒業してからお付き合いさせていただいてる仲でして…。」
    「あなたがイチちゃんね!話しは聞いてるわ、さぁ入って入って!」
    「お、お邪魔します…。あの、これつまらないものですが…。」
    「ふふっ、いいのよ、そんなに畏まらなくても。まったく、アンタには勿体ないくらい良い子じゃない。」
    「そうなんだ。イチはすごく優しくて料理も上手で私のサポートもしてくれてすごく助かってる。本当に私には勿体ないくらい素敵なお嫁さんだ。この間なんかも…」
    「ちょっ!?ちょっとオグリ!わかったから、それ以上は恥ずかしいから…!」
    「あらあら、惚気てくれちゃってまぁ…。さて、ふたりとも長旅で疲れたしお腹も空いたでしょ。何か作って来るから少し休んでなさいな。」
    「本当か!?久しぶりのお母さんの料理楽しみだ…!」
    「あっ、お義母様!私も手伝います!」
    「ふふっありがとう。それじゃあ…。」

  • 146二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 23:06:08

    オグイチがオグリのお母さんに挨拶しに行くSSっぽいものを書いてみましたが文才が終わってるのでここまでしか書けませんでした…

  • 147二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 01:18:15

    初初し1…

  • 148二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 03:50:11

    うおおおおおおおおおお
    1シコ!!!!!!!

  • 149二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 04:33:00

    深夜に名前を叫ばれるほどの存在になったのか
    感慨深いな
    いやそうじゃないな

  • 150二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 05:13:15

    >>148

    極刑ッ!遺言は認めないッ!

  • 151二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 05:21:56

    >>146

    入り口はどんな量でもいいんだ

    美味しかったんだ ご馳走様

  • 152SS筆者22/02/11(金) 05:43:40

    かごいっぱいの人参を抱えて笑顔になっている小さいオグリの写真を見てしまって
    (えっ、私、ウソ、あぁ~~~バ鹿だった~~~)
    ってなるイチちゃん……
    一人で急にが~んとしてるので「体調でも悪いのか」って心配するオグリ……
    オグリ母も心配になってくるけど、イチちゃんの視線の先にあるのがオグリの写真で(これは……?)って大人の推察をするお母さん……

    これはイチちゃん自業自得ですわ

  • 153二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 08:00:36

    >>152

    最初の最初で最善の選択肢引いていたことに気付いてしまったイチちゃん

  • 154二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 15:57:30

    色んな意味で可愛い!

  • 155二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 20:09:08

    写真見た瞬間プリティーフィルター外れてそうなイチ

  • 156二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 20:20:02

    オグリのアルバムを見ながらイチちゃんが手放しでかわいいかわいい言うものだから昔の自分に嫉妬するオグリ。
    それを温かい目で見守るオグリ母

  • 157SS筆者22/02/11(金) 22:58:13

    台所に近づくと、カレー粉のいい香りが漂う。
    「あ、カレーの準備されてたんですか。」
    「分かっちゃった?でも、カレーじゃないのよ。」
    あてが外れて、台所の様子をさっと観察する。
    ネットを替えたばかりの三角コーナーには、山盛りのにんじんの皮しかまとめられていない。
    そのとなりには、ボウルに貼られた水に入っているごぼう。
    コンロの上にはそこの深いフライパンが置いてある。きっと、これまでオグリのお腹を満たしてきたベテラン戦士さんなのだろう。
    台所の中央には細く切り揃えられたにんじんが、白いまな板の上で輝いている。
    その奥に用意されている、カレー粉、白ごま、ごま油に、鷹の爪……
    全部見て、ピンときた。
    「あ、もしかして。」
    「もしかして?」
    「きんぴらごぼうですか。カレー味の。」
    お義母様の顔がぱあっと明るくなる。
    「すごい!さすが、聞いていた通り、いいカンしてるのね。」
    当たったみたいだ。思わず私も笑ってしまう。
    「あ、ありがとうございます。」
    「もう後は合わせて炒めるだけなんだけど、やってもらえる?」
    「はい、任せてください。」
    お義母様に促されて、コンロの前に立つ。
    あ、忘れ物。
    「あの、エプロンとかって。」
    「あら、ありがとう。でも、いいのよ。誰も気にしないんだから。」
    そういうものか。
    ちょっと気後れしつつも、わかりました、と返事をしてコンロに火をつける。
    パチッ、と心地よい音を立てて、火が灯る。

    さ、覚悟してなさいよアンタたち。
    今からまとめて調理してやるんだから。

  • 158SS筆者22/02/11(金) 23:03:33

    熱を加えているフライパンに、ごま油を垂らす。
    すぐ暖まっちゃうから、キッチンばさみを借りて素早く鷹の爪を切る。
    種を取り除いて、一本の鷹の爪が、輪の形をした飾りになる。
    それをあったまったごま油に加えて、香りを移す。
    ふわっと、ごま油のいい香りが立ち上ってくる。
    うん、おいしそう。
    「ごま油って美味しいわよねえ。」
    「わっ、すみません。」
    「ふふふ、分かるわよ。ごま油、美味しいものねえ。」
    思わず口からしゃべってしまっていたらしい。
    顔が思わず赤くなる。
    私の顔に負けないくらい赤いだろう、お義母様の切ってくださったにんじんをまな板から滑り落す。
    きんぴら用とは思えぬ量だ。やっぱり、いつものお弁当ももっと増やしてあげたらよかったかな。
    木べらで油と絡めてやりながら、時たまフライパンを振って炒める。
    軽く熱が加わったら、借りたザルでごぼうの水気を切る。
    こっちも、オグリの家だけあってすごい量。
    ザルをフライパンの上に持ってきてひっくり返して、ごぼうをにんじんの上に移す。
    ザルに残ったのももったいないので、手で拾ってやる。
    「あとからごぼうを炒めるのね。」
    「あ、すみません。」
    「いやいや、別に責めてるとかじゃないのよ。ただ、変わってるな~って。」
    「こうするとごぼうの食感と香りが残りやすいんです。全部クタクタになるきんぴらも美味しいんですけど、カレー味にするから触感が楽しいほうがいいかな、って。」
    「う~んなるほど、勉強になるわねえ。」
    う~、やっちゃったかな。

  • 159SS筆者22/02/11(金) 23:05:36

    でもやってしまったからしょうがない。流れに乗って、お義母様に聞く。
    「めんつゆとかって、ありますか。」
    「ああ、あるわよ。はい。」
    麺つゆを受け取って、薄めずにそのまま、少しだけ垂らす。
    もう少しだけ食感が柔らかくなってからのほうが、カレー粉は美味しくなるかな……
    気持ちしんなりしたところに、カレー粉をかける。
    それも全体に行きわたるように絡めて、出来上がり。
    「どうでしょうか。」
    お義母様に声をかける。
    菜箸でつまんで、お義母様が味見をする。
    シャキ、といい音が一つ。
    頬に手を当てて、目を閉じて咀嚼している。
    なんか、ヘタな試験とか、テキトーな模擬レースとか、オグリと夜通し喋った時より緊張するな、コレ。
    マズい、ってことは無いはず。とドキドキしながらお義母様の反応を見る。
    「ん~、おいしい!にんじんを先に入れるとこうなるのね。」
    やった!
    「ありがとうございます、嬉しいです。」
    「さっそくあの子に出しておきましょ、これならすぐに無くなるなんてことは無いはずだから。」
    まずこれまでのきんぴらごぼうが盛られたことがないであろう大皿に、盛り付ける。
    オグリも、おいしいって言ってくれるかな。
    私とお義母様の料理なんだもの、そういうに決まってる。
    すぐ後ろにいるオグリの顔を想像しながら、仕上げの白ごまを軽く振った。

  • 160SS筆者22/02/11(金) 23:06:48

    >>146

    リレー形式じゃないけど、勝手にその次を妄想致しました。

    神アイデアです。ごちそうさまでした。

  • 161二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 23:07:53

    オグリは食べたらどんな反応してくれるんだろうなぁ…チラッ

  • 162二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 23:50:59

    料理出上手なイッチ好き

  • 163二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 04:51:31

    >>160

    拙い文章の続きを書いていただき感謝です

    イチちゃんとオグリのお母さんは絶対仲の良い嫁姑関係になるだろうなって安心感がイイ

  • 164二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 09:07:19

    1時間前くらいにこのシリーズのスレを見つけて後で見ようとか思ってたらいつの間にかここまで来ていた…

  • 165二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 09:12:04

    >>164

    新規さんだ!

    広がれイチちゃんの輪

  • 166SS筆者22/02/12(土) 20:18:27

    あぶねえ保守

    ついでに誰かリレーのバトンつないで(強欲)

  • 167二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 20:21:01

    同棲してるオグリとイチちゃんは寝るときどうしてるんだろう?
    同じ寝室にダブルベッド置いて一緒に寝てるのか、それぞれ別の寝室で寝てるのか…

  • 168二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 20:22:14

    別々の部屋で寝るのは長続きの秘訣

  • 169二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 21:18:05

    うう…浅はかにもAIの力を借りたら、次の日オグリの家に行ったイチがいつの間にかタマになってしまった
    何を言ってるのか わからねーと思うが俺も何を読まされたのかわからなくなった

  • 170二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:57:49

    >>169

    ホントに何言ってるかわかんねえな!?

  • 171二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 01:08:42

    オグリとイチのさ……子供が産まれたらどうする?
    どんな子だろうな?

  • 172SS筆者22/02/13(日) 01:22:31

    >>171

    そりゃあもうオグリワン(ウマ娘)よ


    ゴメン冗談です

    史実をどうしても反映させたい派の自分としては、オグリの子供たちとか教え子たちはあんまり強くならないんじゃないかなって……教え下手なパパさんみたいな

    でもそこをイチちゃんの「競争バじゃないところでも活躍できるよ」みたいな側面がたくさん補助してあげられるというか……

  • 173二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 03:25:00

    食べ物に関する事やメインストーリーのパイセンぶりを見るに伝える力はあると思う。
    でも「自分は難なくできてしまう」故に走る技術を教えるのは不得手そう。

  • 174二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 05:43:38

    >>172

    >>173

    つまりオグリの天才肌故のふわふわした指導を通訳するイチという可能性があるわけだな?

    オグリの走りを分析して成長した経験もあるわけだし

  • 175二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 14:08:05

    イチちゃん可愛い!

  • 176二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 23:12:01

    オグリがお世話になった地元の人たちにイチちゃんを紹介してまわる展開とかどうですかね…?
    そこでオグリが「イチは私の大切なパートナーだ。」なんてはにかみながら言うもんだからイチちゃんが赤面する、みたいな

  • 177二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 23:26:40

    盛大な勘違いして茹でダコみたいに真っ赤な1いいぞ~

  • 178SS筆者22/02/14(月) 00:05:20

    2月14日。
    いつもと同じように、小鳥のさえずりと一緒に目が覚める。
    ぐーっと伸びをしながら、バレンタインデーだなあとぼんやり考える。
    世では、チョコレートを贈り合う日ということになっている。
    まあ、女子のほうが多いこの学園でも、この日が近づくにつれて色めきだつ子が増える。
    やれトレーナーに贈るだの、やれ憧れの先輩やら先生に贈るだの、やれ学園の外に好きな人がいるだの、なんだの。
    うちのトレーナーとはそういう感じでもないから、私は別にそういうのは無いんだけど、他の子たちは本当にガヤガヤしている。
    トレーナーじゃなくても、別にそういうのは無い。はず。
    イツメンには友チョコ渡すし、トレーナーにはお世話になってるからチョコ贈るけど。
    試しに部屋を出て寮長室の前を見かけてみると、もうチョコの丘。
    一体いつ置いていったのかと疑問に思う量だ。誰かとすれ違ってはいないから、まさか深夜に?
    熱心なことだなあ、と上から目線で感心する。
    あの丘が山になって、それから火山になって噴火して、大陸になるまでそんな時間はかからない。
    今日は寮に帰ってくる時間、遅らせよう。どうせすぐ入れるようにはならないし……

  • 179SS筆者22/02/14(月) 00:07:56

    寮長室から自分の部屋に戻る途中、オグリの部屋がちらっと目に入る。
    ドアの前には、青や赤や白、黄色のラッピングをされた箱が、丁寧にドアの横によけてあった。
    朝起き出したオグリが部屋を出た後に揃えたんだろう。
    フジ寮長ほどじゃないけど、でもよく目立つくらいには量がある。
    よしておけばいいのに、脚が勝手ドアの前まで身体を運ぶ。
    屈んで箱を見てみると、『オグリ先輩へ』とか『タマモ先輩へ』とかのカードに加えて、便箋まで挟んであるものもあった。

    ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだけど、ムッとする。
    ま、葦毛の子はモテるし……私には、何の関係もないことだし。
    アイツは群を抜いて顔もスタイルもいいし、レースは強くて格好いいし。
    そのくせダンスはちょっとだけ不慣れで、まあ最近は良くなってキマってきてるけど、スキのある感じがかわいいし。
    喋らせてみたらイマイチ噛み合わないのが面白いし、健啖家で食べ物渡したらなんでも受け取るし。食べるし。
    愛想もいいし、頑張る姿はひたむきだし……
    頭がもやもやしてきて、かぶりを振って立ち上がる。
    別に、私には、アイツがチョコを貰おうと、何の関係も、ないし。
    私は特別な日に1回だけ差し入れてるわけじゃないし。
    今日だって、そのつもりで早起きしたんだから。
    でもアイツのことだから、きっとちゃんと全部読んで、全部美味しく食べるんだろう。
    そう思うと、なんでもいいはずなのに、どんどんムキになってきた。
    寒いはずの廊下が、だんだんと気にならなくなってくる。
    アイツ、朝トレ行く前にこれ見た時、笑顔になったのかな。
    急ぐ必要のある時間でもないのに、ちょっと早足で、キッチンに向かった。

  • 180SS筆者22/02/14(月) 00:11:30

    「クリークさん!おはようございます!」
    「あ、あら、おはようござい……ます?」
    勢いよくキッチンのドアを開けて、いつも通り先にお弁当を作っていたクリークさんに挨拶する。
    クリークさんが私を頭から足先まで見て、首をかしげる。
    「イチちゃん、エプロン忘れてますよ?」
    「えっ。」
    あ、しまった。
    ここに来る前に部屋に寄るはずだったのに、なぜか頭から抜け落ちてた。
    部屋に一度戻ろうとする振り返ると、後ろからクリークさんが呼びかけた。
    「確かもう一着ありますから、使っていいですよ。」
    クリークさんがキッチンの収納から予備のエプロンを取り出しながら、声をかけてくれた。
    「すみません。忘れてました。」
    「いえいえ。あっ。」
    何かに気付いたように声を上げると、エプロンを持ったまま、クリークさんが鞄に向かって屈んだ。
    こちらに向き直って、エプロンをこちらに差し出す。
    綺麗にたたまれたエプロンは、ちょっと中央が盛り上がっているように見える。
    口元が、いたずらっぽく笑っている。こういうところが本当にかわいらしい人だ。
    「どうぞ、イチちゃん。」
    「あ、クリークさん、さては。」
    エプロンを受け取って、折り畳まれた端をちょっと持ち上げる。
    綺麗にラッピングされた、手のひらサイズの小さい箱がそこには入っていた。
    「ハッピーバレンタイン、です。」
    「わ、ありがとうございます。カワイイ。」
    一体いつの間にこんなきれいなのを仕込んでいたんだろう。

  • 181SS筆者22/02/14(月) 00:12:25

    「あっ。」
    「どうしましたか?」
    「すみません、私、チョコ、部屋に忘れてきちゃって……」
    「あら、用意してくれたんですか?」
    「もちろんですよ!準備が間に合わなくて、既製品なんですけど……」
    あ~~~もう。なんでこんな時に限って大ポカしちゃうかな。
    「ルームメイトのタイシンさんの分まで用意したんです。」
    「わ、本当ですか。放課後でも大丈夫ですよ。私も放課後に渡す子、いっぱいいますから。」
    すみません、と頭を下げて、受け取ったエプロンを着る。

  • 182SS筆者22/02/14(月) 00:13:50

    青い線が斜めに入った白地のエプロン。汚れが目立っちゃう珍しい色合いだけど、水の流れのようで素敵だ。
    クリークさんのチョコも嬉しいけど、それだけで喜んでいられない。
    お腹を空かせて戻ってくるアイツに、食べさせてやらないといけないんだから。
    袖をまくって、短く息を吐く。
    ふーっ、と気合を入れていると、クリークさんが不思議そうに首をかしげている。
    「イチちゃん、今日はなんだかすごい気迫ですね。」
    指摘されてギクッとする。ごまかすために、両方の肘を手で擦る。
    「あ、いや、その。腕捲ったけどちょっと寒いな~って。」
    我ながら、なんてわざとらしい。
    少しの間、勘ぐるように私の顔を見ていたクリークさんが、何かひらめいたように表情を変えた。
    クリークさんが、捲った私の袖と肘を両手で掴んで、真っすぐ目を見てくる。
    「イチちゃん、私に何かお手伝いできること、ありますか?」
    「え、どうしたんですかクリークさん。気合すごいですよ。」
    「いいえ。でも何だか、お手伝いしたくなってしまって。」
    どうして、逆にお願いされてるような感じになっているんだろう?
    面倒見スイッチが入ったクリークさんは、こうなるとタダではひいてくれない。
    こうなったら、ヤケだ。
    「クリークさん。」
    「はい。何をすればいいですか?」
    「お肉の、美味しいおかず。教えてください。」
    私のお願いを聞いたクリークさんが、きょとんとした顔をする。
    「お肉のおかず、ですか?」
    「はい。お弁当用じゃなくても、美味しい、白いご飯に合うような、お肉のおかずです。」
    クリークさんはしばらく目をぱちくりさせながら、私の顔を見ている。
    また少しの間をおいて、脳内で何かを検索し終わったようなクリークさんが、目をキラキラさせて私の手を取る。
    「分かりましたイチちゃん、任せてください。」
    「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
    こういう時のクリークさんは、本当に、頼りになる。

  • 183SS筆者22/02/14(月) 00:17:19

    「そしたらイチちゃん、料理酒とおしょう油、みりんに、小麦粉を用意してもらえますか。」
    はい、と返事して言われた調味料類を取り出す。
    ここは私たち二人の領地だ。どこに何があるのかは、把握している。
    用意し終わってクリークさんのほうを振り返る。
    冷蔵庫を覗き込んでいたクリークさんが、トレイの上に食材を並べて戻ってきた。
    玉ねぎ、チューブのしょうがに、豚肉。
    「これは……ロースですか?」
    「そうです。本当はちょっと豪華なカレーの時のために用意しておいたんですが、今使っちゃいましょう。」
    心なしか、クリークさんの声がうきうきしているような気がする。
    これって、もしかして。
    「豚の生姜焼きです。そしたら、まずは玉ねぎを刻んでもらえますか。」
    やっぱり。
    でも、今から?

  • 184SS筆者22/02/14(月) 00:18:05

    疑問に思ったけど、言われた通り、玉ねぎに手をかける。
    皮を剥いて、軽く洗って、包丁で切っていく。
    トントントン、と小気味よい――切ってるのは私だから手前味噌なんだけど――包丁の音がキッチンに響く。
    切りながら、クリークさんに質問する。
    「豚の生姜焼きなんて、今から作って間に合うんですか?」
    「間に合う、というと?」
    「普通、生姜焼きってお肉を前日から付け込まないと味が滲みなくて美味しくないって言うじゃないですか。」
    「実は、そうじゃないんです。」
    「えっ。」
    隣で調味料を混ぜて、味をみているクリークさんが答えてくれる。
    「お店で売られているロース肉って、薄いことが多いんです。」
    「はい。」
    「お肉は塩分を吸わせると、水分が抜けて硬くなってしまうんです。」
    「あ、あれですよね。『コショウは早めに、塩は焼く直前に』っていうステーキの。」
    「そうです。だから、タレにあらかじめ付け込んでしまうと硬くなってしまうんですよ。」
    なるほど、言う通りだ。
    「でも、薄いお肉で味をつけずに焼いたら、味も薄くなっちゃいませんか。」
    「そこで、これです。」
    待ってましたと言わんばかりに、クリークさんが小麦粉を手に取る。
    「これでうまみを閉じ込めて焼くんです。美味しいですよ。」
    そう言ってパットに小麦粉をあけて、慣れた手つきでお肉にまぶしていく。
    家庭料理の知識だったら、クリークさんに勝てる人なんて誰もいないんじゃないだろうか。
    さながら、お料理界の「若き天才」だ。
    うーん、本当に、頼りになる。

  • 185SS筆者22/02/14(月) 00:22:21

    玉ねぎも切り終わって、コンロの前に立つ。
    油を出し忘れた、と思って屈むと、クリークさんに肩を触れられる。
    「イチちゃん。大丈夫。」
    「えっ?」
    「ノンオイルです。」
    えっ!?
    「えっ!?」
    「この方法では、油は使いません。」
    「でも、炒めるんですよね?」
    「はい。でも、ノンオイルです。」
    硬い表情で諭される。ウソでしょ……
    でも、クリークさんに限って間違うなんてことはない。半信半疑だけど、諦めて立ち上がる。
    コンロに火をつけて、お肉を並べた。うわー、不安。
    「お肉焼き色がつくまで、炒めてくださいね。」
    「ちゃんと炒めきらないんですか?」
    「はい。そこで玉ねぎと合わせタレを入れます。」
    す、すごい。私の知ってる生姜焼きと全然違う。
    それでも、言われた通り。頼んでるのはこっちだし。
    じゅう、とお肉の焼けるいい音がする。おいしそう。
    かなり心配していたけど、意外とお肉がフライパンにくっつかない。
    少し経って焼き色がついたら、指示通りに玉ねぎとタレを加える。
    ちょっとゆすりながら菜箸で全体をからめるように炒めていくと、だんだん、とろみがついてきた。
    「わ、何これ。」
    「とろみが出てきましたね。もうちょっと炒めたら、もう大丈夫ですよ。」
    すごい。朝ごはんとかお弁当にピッタリな短時間の調理だ。
    小麦粉こそ必要だけど、とてもコンパクトに生姜焼きができる。
    出来上がり。とってもいい香りだ。
    「味見してもいいですか。」
    「どうぞ、召し上がれ。」
    ニコニコの笑顔でクリークさんが答える。

  • 186SS筆者22/02/14(月) 00:24:06

    菜箸のまま、玉ねぎとお肉をつまんで、一口。
    わっ!
    「わっ!」
    私の反応に、クリークさんが嬉しそうにしている。
    「すごい、すごいですよこれ!」
    「おいしいですよね~。」
    「甘い!柔らかい!小麦粉のとろみと豚ロースの脂が、すごい!」
    小麦粉に閉じ込められた豚肉の脂の甘味が、玉ねぎの甘味に負けず残っている。
    玉ねぎもクタクタになった脇役状態じゃなくて、シャキシャキ感が残っている。準主役級だ。
    本当においしい。
    あんまりおいしくて、びっくりしてしまった。
    今まで『焼肉はお肉じゃなくて、タレとかソースが一番おいしいんじゃない』とか、ひねくれていた自分の常識を大差で追い抜いて行った。
    お肉に美味しさがあるんだ、って常識を再発見した気分。ウイニングライブ踊ってもらわなきゃ。
    「すごい!うわ、ご飯食べたい。」
    「ふふ、そう思ってちょっと分量多めにしてたんですよ?私も今日はこれにします。」
    スキップでもしそうな足取りで、二人分の食器をクリークさんが取りに行く。
    お弁当に付け合わせのお野菜と一緒に詰めて、自分たちの分を取り分ける。
    ご飯をよそって、お味噌汁に乾燥野菜をふやかして、クリークさんと朝ごはん。

  • 187SS筆者22/02/14(月) 00:26:34

    「いただきます。」
    「いただきます。イチちゃんが美味しく作れて、良かったです。」
    「クリークさん、すごいですね。どこでこういうの覚えるんですか?」
    「教えてもらったり、テレビで見たり、雑誌で読んだりです。自分で見つけたわけじゃないんですよ。」
    それでも、すごいものはすごい。
    生姜焼きにおいしい、おいしいと舌鼓を打っていると、ところで、とクリークさんが聞いてきた。
    「どうして今日突然、お肉料理を?」
    「へ?」
    「いつもはお野菜中心で、今までお肉料理ってなかったと思うんです……」
    うーん、とクリークさんが考え込む仕草をする。
    「うん、やっぱり朝にイチちゃんのお肉料理、見たことなかった気がします。」
    「えー、なんででしょうね?」
    適当に誤魔化してみる。お願い、見過ごして。
    「オグリちゃんへのお弁当ですよね?」
    ぐっ、と生姜焼きが喉につまりかける。とろみのおかげで流れていった。
    「や、まあ。そうなんですけど。」
    「何かあったんですか?あ、まさか、喧嘩してしまったとか?」
    クリークさんが口に手を当てて、悲しそうな顔をする。

  • 188SS筆者22/02/14(月) 00:26:45

    「いや、そういうわけではないんです。」
    「ダメですよ、ちゃんと仲直りしないと。」
    なんと答えたものか。
    苦し紛れに、返事する。
    「……今日はバレンタインデーだから、とか?」
    私の言葉がどうもうまく結びつかない様子のクリークさんが、目をぱちくりさせる。
    「ほら、チョコレートの甘さってもう飽きるほど食べると思いますから、お肉と玉ねぎの甘味もいいのかな~、なんて。」
    「あ、そういうことだったんですね。安心しました~。」
    二人して、ほっ、と息をつく。いや、なんで私が息をついているんだ。
    「なんだか、イチちゃんらしいですね。」
    「えっ。」
    「ふふふ、ごちそうさまです。」
    「えっ!?」
    ニコニコ笑顔のまま、クリークさんが答える。
    違うんです、多分、クリークさんが今思ってるのは、何かがとても違うんです!
    それからは、私がお弁当を持って出かけるまで何を言っても、クリークさんは笑顔を崩さずにずっと、私の話を聞いているだけだった。
    やっぱり、本当に、頼りになる。

  • 189SS筆者22/02/14(月) 00:28:42

    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

    「……ほっ、ほっ。」
    「よ。」
    「ああ!おはよう、イチ。」
    「ん。おはよう。今日はちょっと遅かったね。」
    「ああ。実は、トレーニング中にいろんな人からお菓子を貰ってしまってな。」
    「そうなの。」
    「ああ。飴とか小さいチョコレートとかだが……今日はお菓子を配る日なのか?」
    「え、ウソでしょ。」
    「私たちの部屋のドアの前にも、私やタマの名前あてでたくさんプレゼントがあったんだ。」
    「そりゃあ、ねえ。」
    「イチの部屋の前には置かれていなかったか?」
    「……オグリ、マジで言ってる?」
    「う、うん。『まじ』だぞ。」
    「あー、まあ、オグリは今日一日、そのほうがウケるかもね。」
    「う、ううん……」
    「どうしたの、悩んじゃって。」
    「これは、意地悪な時のイチだ。」
    「ちょっと、何が何が。」
    「そういう含みのある言い方をするときは、イチが意地悪をしているときなんだ。」
    「何オグリ、急に。」
    「イチ。ちゃんと教えてくれないと、嫌だぞ。」
    「分かった分かった、ごめんって。お弁当あげるから、食べながら話そ。ね。」
    「今日もあるのか!ありがとう。」
    「うん。はい、これ。朝からお疲れさん。」

  • 190SS筆者22/02/14(月) 00:30:21

    「それじゃあ、いただきます。」
    「ん。召し上がれ。」
    「それで、今日は何の日なんだ?」
    「今日は2月14日でしょ。」
    「うん。そうだな。」
    「バレンタインデーじゃん。」
    「……ああ!そうか!」
    「そうです。」
    「それで、皆お菓子をくれていたんだな。」
    「オグリ、きっと今日は一日中貰いっぱなしだよ。」
    「そうなのか?」
    「そうです。」
    「ううん、そういうものなのか……」
    「覚悟しといたほうがいいよ。皆寄ってくるから。」
    「そうか……おおっ!」
    「わっ、何。」
    「イチ!これは、生姜焼きだ!」
    「そ。良かったじゃん。」
    「いつもは野菜中心だから、珍しいな。」
    「そうだね。」
    「とてもおいしそうだな。いい香りだ。」
    「うん、私もそう思う。」

  • 191SS筆者22/02/14(月) 01:28:20

    「おお、これは!」
    「わっ、……これは?」
    「おいしい、おいしいぞ、イチ!」
    「ふふ、そうでしょ。」
    「お肉も玉ねぎも甘くて、とてもおいしい。」
    「ありがと。」
    「しかし、困ったな。」
    「え、何か、まずかった?」
    「いや、その。」
    「どれが良くなかった?」
    「いや、そんなに、問題というわけではないんだ。」
    「教えて、それ、聞きたい。」
    「……ご飯が、足りないんだ。」
    「……へ?」
    「こんなおいしい生姜焼き、お弁当のご飯だけでは、とても足りなくて……」
    「……ふふ、何それ。」
    「ほ、本当だぞ、イチ。イチも食べてみるといい!」
    「食べてるから、ヘーキ。知ってる。」
    「ううむ……でも、おいしいな。」
    「分かる。おいしいよね、それ。」

  • 192SS筆者22/02/14(月) 01:29:05

    「ご馳走様でした。」
    「はい、お粗末様でした。」
    「とてもおいしかった。イチは、肉料理も得意なんだな。」
    「私だけの料理じゃないけどね。」
    「そうなのか?」
    「そう。」
    「それでも、作ってくれたイチの料理だ。ありがとう。」
    「ん、うん。ありがと。」
    「イチ。もし、良かったら、なんだが。」
    「え、うん。」
    「また、この生姜焼きを作ってくれないか。」
    「う、うん。」
    「いつでもいいんだ。朝でも、お昼でも、夕飯でも。いつでも大丈夫だ。」
    「そんな時間、無いでしょって。」
    「定食みたいに食べてみたいな。」
    「定食?カフェテリアのお昼ご飯みたいな?」
    「うん。キャベツの千切りと、お漬物と、お味噌汁。合わせて食べてみたい。」
    「言われてみたら、生姜焼き定食みたいな普通のお昼ご飯、うちのカフェテリアに無いのかな。」
    「いや、あるぞ。」
    「いや、あるんかい!」
    「おお、タマみたいなツッコみだな。」

  • 193SS筆者22/02/14(月) 01:29:20

    「コラ、そんなこと言ってると、作ってあげないよ。」
    「そ、そんな!イチ!」
    「ダメ、もう明日からはいつものお野菜お弁当です。」
    「そんな……」
    「へちゃくれてもダメ。」
    「私はただ、イチのお味噌汁も飲んでみたいな、と思っただけなのに……」
    「えっ。」
    「お弁当だと、お味噌汁は飲めないからな……」
    「オグリ、アンタ、本当に……」
    「な、なんでイチが耳を垂れさせるんだ。」
    「別に、なんでもない。」
    「顔を上げてくれ、イチ。イチのお味噌汁は美味しいと思っているぞ!」
    「え、な、オグリ。」
    「いつかまた、作ってくれたら嬉しい。」
    「……別にいいけど、そんな時来るのかな。」
    「そうだな。来たら、いいな。」
    「そうだね。」

    「イチは、誰かにチョコを贈るのか?」
    「うん、まあ、イツメンとか。」
    「そうか。私も、イチに用意してあるぞ。」
    「え、そうなの?」
    「うん。放課後、夕飯が終わった後に、また連絡する。」
    「分かった。でも、オグリ、今日は一日抜け出せないかもよ。」
    「私は抜け出すのは得意だぞ。任せてくれ。」
    「はい。分かった。待ってるね。」
    「うん。ああ、それで、今日川沿いでな……」

  • 194SS筆者22/02/14(月) 01:34:43
  • 195二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 01:39:51

    料理描写すごい良かった
    あと最後、人気者のオグリが抜け出してまでイチちゃんと逢い引き(?)するのマジ正妻の貫禄

  • 196二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 01:44:18

    埋め埋め
    イチちゃんもっと広まれ

  • 197二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 01:44:31

    スーパー・スターに独占欲が生じてしまうイチ良いぞ

  • 198二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 06:52:48

    これでもまだ付き合ってないんだよね…

  • 199二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 14:07:46

    200ならイチのライバル登場

  • 200二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 14:09:10

    200ならオグリがしあわせ

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