- 1124/05/30(木) 11:22:33
- 2124/05/30(木) 11:27:20
掃除を終えた私は、何事もなかったかのように見回りを再開する。
私以外にも、墓守はいた。しかしdice1d4=3 (3)
1.皆、逝ってしまった。
2.皆、心に従った。
3.皆、人間だったのだ。
4.作り手の後を追ってしまった。
彼らもまた、善い墓守であった。作り手が寂しくないように、向こうで歌でも歌って過ごしているだろう。彼らに眠りは似合わない。もしかしたらもう、生まれ変わってどこかで、ここのことを忘れて過ごしているかもしれない。
- 3124/05/30(木) 11:42:22
シャーレの先生とアビドスの生徒さんが墓参りを終えて帰った数日後、不思議な子供が現れた。見覚えがあるような、ないような。
機械の私が覚えていないということは、会ったことはないのだろう。しかし、なぜだろう。高貴な気配は、なぜか見覚えがあるのだ。 - 4124/05/30(木) 11:59:23
花を慰霊碑に添えた少女を見送り、記憶を掘り起こす。長い間墓守をしていると、記憶があいまいになる部分もある。作り手の腕が良かったのだろう。人間のように記憶を摩耗させていくことができるプログラムがあるからこそ、私は心を理解しているのだ。
「摩耗を復元するプログラムは欲しかったぞ、作り手よ」
忘れたくない、大切にしたいと願う思い出だけが残る、これもまた健全ではない。辛かった記憶、悲しかった記憶、怒った記憶、泣きたくなるような記憶……様々な思い出があるからこそ、人間は美しい模様を描けるのだ。死した者の記憶は残っている。死してなお輝く者達は私の心の中で輝き続けている。
私は機械だが、だからこそ人間賛歌を謳う。人間とは、美しいのだ。