- 1二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:23:11
マックイーン「トレーナーさん!スイーツフェスタですわ!全国から四季折々の食材が使われたスイーツの祭典!スイーツフェスタ!」
「落ち着いて、マックイーン」
マックイーン「あぁ、どんなスイーツが私たちを待っているのでしょうか!」
今日はメジロマックイーンが春の天皇賞を勝利したご褒美に近くのデパートでやっていたスイーツフェスタというイベントにやってきた。
マックイーン「これが落ち着いていられますか!それに今日はトレーナーさん以外いませんもの!どれだけはしゃいでも問題なしですわ!」
「ほどほどにしておいた方がいいと思うけど・・・・・・」
マックイーン「んもうっ!ここまできてそんなことを言わないでくださいな」
懸念しているのはマックイーンを知っている人が自分だけじゃないということなのだが・・・・・・ - 2二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:24:14
店員「きゃーっ!マックイーンさん!あ、あの!天皇賞お疲れ様でした!」
マックイーン「い、いえ。メジロの家の者として当然のことを成し遂げたまでですわ」
店員「あのー、よかったらサインとか・・・・・・」
「今はプライベートなので。サインや写真はトレセン学園を通してください」
店員「あっ、は、はい!すいません!」
マックイーン「ごめんなさい、こんな対応になってしまって。これからも、応援よろしくお願いしますね」
店員「はい!ぜひとも!」
(やっぱりこうなったか)
春天を突破する前からもファンはいたが、突破してからはファンクラブの会員数が一気に増えていた。こういった人が集まる場ではファンの一人や二人いてもおかしくないだろう。
マックイーン「ふぅ・・・・・・ありがとうございます、トレーナーさん。どうしても無碍に扱うことができなくて」
「君が誠実だからだよ」
マックイーン「ありがとうございます。・・・・・・有名税とはいえ、少し堪えますね」
メジロマックイーンは気疲れしてしまっている。 - 3二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:25:06
マックイーン「それはそれとして、スイーツは楽しみませんとね。スイーツに罪はありませんもの」
「あっ、待って」
マックイーン「はい?」
マックイーンの髪に汚れが見えたので近づいて取ろうとする。
マックイーン「あ、あああのトレーナーさん?ち、ちか、その、顔が近く」
マックイーン(きゃー!もしかして、もしかするともしかもしかですかっ!?スイーツではなく私がパクパクされるんですか!?トレーナーさんの独占力が発動してしまったのですか!?)
よし、取れた。
「髪に芋けんぴ、ついてたよ」
マックイーン「へっ?」
誰かが食べていたものがくっついたのだろうか。ティッシュに包んで捨てようとすると
マックイーン「お、乙女を期待させておいて・・・・・・どういうことですのーっ!?」
何故か怒られてしまった・・・・・・。 - 4二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:25:51
後日、改めて怒られた原因を考えてみた。確かに髪は乙女の命ともいう。そんな髪を許可なく触るのはよろしくなかったのだろう。
マックイーン「・・・・・・こんにちは、トレーナーさん」
メジロマックイーンがトレーナー室に入ってきた。なので先日のことを謝る。
「ごめんね、一声もかけず髪に触っちゃって」
マックイーン「い、いえ!よく考えたらトレーナーさんは何も悪くありませんもの」
マックイーン(私が勝手に期待してただけですし)
彼女の髪はいつもさらさらだ。シルクのように滑らかでレース中にたなびき光を反射するその姿は美しい。
「君の綺麗な髪は君がどれだけ大切にしているかよくわかっている」
マックイーン「へっ?ま、まあ気を遣ってお手入れはしていますけれども」
「だから、勝手に触ってしまってすまなかった」
マックイーン(なるほど、トレーナーさんはあの時私が怒ったのは勝手に髪を触ったからと思っているのですね) - 5二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:27:09
メジロマックイーンはしばらく悩むそぶりを見せ、提案をしてきた。
マックイーン「髪は乙女の命。見ず知らずの相手に触らせるものではありませんが・・・・・・トレーナーさんが無闇矢鱈に触るような人ではないことも存じています」
一歩こちら側に近づき、続ける。
マックイーン「この前のことも私の髪に異物がついていたから取り除こうとしてくれただけ。それはわかっていますわ」
さらに顔を近づけてくる。
マックイーン「ですが、この先も今回のようなことが起こるかもしれません。そこで、トレーナーさんには私の髪の手入れについて学んでいただきましょう」
彼女なりに受け入れてくれたということだろうか。この先も同じようなことがあったとして彼女の髪を傷めさせるわけにはいかない。甘んじてマックイーン先生のお手入れ講座を受けることにした。 - 6二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:27:58
マックイーン「ふふ、ですがトレーナーさんが私の髪を手荒く扱うとは思いません。なので、一度存分に触ってくださいませ」
言われるがままにマックイーンの髪を触る。
マックイーン「んっ、頭を撫でられるのも悪くはありませんが・・・・・・もっと好きに触っていただいて構わないのですよ」
さらに髪を弄れと促されたので試しに手櫛をしてみた。すらりと指の間を通る感触が心地いい。
マックイーン「ふふ、優しい触り方。やはり思った通りですわ」
メジロマックイーンは髪を触っている右手を掴み、頬まで持っていった。
マックイーン「大きくゴツゴツした手。男性らしく頼り甲斐があります。いつもこの手で書類仕事をしたりスイーツ作ってくれたりしているのですね」
髪を間にはさみ、愛おしそうに手を撫でる。
マックイーン「トレーナーさん。あなたの優しい手でならいつでも私の髪をお触りいただいて構いませんわ。私たちは一心同体、共に道を歩むパートナーなのですから」
なんだか気恥ずかしくなってきた。この辺りでそろそろやめさせよう。 - 7二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:28:28
「マックイーン、そろそろ」
マックイーン「ふふ、もう甘えさせてはくれないのですか?意地悪なお方」
外から足音が聞こえる。明らかにこちらに向かって歩いてきている。
「誰かが来るかもしれない」
マックイーン「こんなところに来るような物好きなんかどこにも───」
コンコン
アルダン「失礼します。マックイーン、お婆さまから天皇賞を制覇したお祝いが・・・・・・あら」
彼女はメジロアルダン。マックイーンと同じくメジロ家のウマ娘だ。わざわざ届け物をしに来てくれたらしい。
マックイーン「・・・・・・あ、アルダン。その、これはですね」
アルダン「あらいけないですわ。私、急用を思い出しました。お婆さまからのお祝いはこちらに置いておきますので、あとはごゆっくり」バタン
マックイーン「待ってくださいまし!何か誤解をしていませんか!?アルダン、アルダン!!」
メジロマックイーンは走ってメジロアルダンを追いかけていった。天皇賞制覇の祝いはどうやら有名ホテルのビュッフェレストランのチケットのようなので、ありがたくマックイーンと行かせてもらおう。 - 8二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:28:56
【おまけ】
マックイーン「もう!散々ですわ!」
テイオー「なにが?」
マックイーン「メジロ家のグループRINEでいろいろと聞かれて・・・・・・って、テイオー!?いつからそこに!?」
テイオー「今来たところだけど」
マックイーン「あら、そうでしたか。天皇賞に勝ったからといっても浮かれるわけにはいかないというのにあんなに感想を求められて」
テイオー「あー、なるほどねー。まあいいんじゃない?あとおめでとー」
マックイーン「ありがとうございます」
ゴルシ「おうおうおうマックちゃんよぉ!聞いたぜ!トレーナー室で自分のトレーナーとイチャイチャしてたんだって!?」
マックイーン「なっ、何故それを!?」
ゴルシ「しかもスイーツ食べ放題に行った先でもメロンパフェを二人で一個食ったりしてたらしいじゃんかよ!やることやってんなぁお前も!」
マックイーン「何故そんなことまで!?」
テイオー「ウマッターにあがってたよ。ボクもその話しようかと思ってたんだけど」
マックイーン「んなっ!?もう質問はこりごりですわー!」 - 9二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:30:12
- 10二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:30:40
- 11二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:37:25
- 12二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 20:39:01
髪についてるなら芋けんぴに決まっていますわ!ドーベルも言ってましたわ!
- 13二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:22:13
- 14二次元好きの匿名さん22/02/03(木) 21:36:42
マックちゃんの薄藤色の髪はもっと注目されていいし、こういうよきSSが書かれているともっといい
- 15二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 00:17:50
芋けんぴで不覚にも笑った