【SS】トーセンジョーダンとナカヤマフェスタだけどさ

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:34:24

    ある日の昼下がり、誰もいない学園の自販機コーナーでジョーダンはいちごオレを買い、「はーあ……」とため息をつきながら取り出し口に手を伸ばすと、後ろからいきなりナカヤマの声が聞こえた

    「よっ、どうしたんだお嬢さん。何か悩み事でもあるのかい」

    キザっぽい口調で声をかけてきたナカヤマに、ジョーダンは白けた目を向けながら「……べっつにー」と返していちごオレを手に取った

    「つめたいな。悩みがあんなら言ってみろよ」

    炭酸の飲めないナカヤマは自販機の缶コーヒーのボタンを選びながらジョーダンに言った

    「……最近駅前にできたケーキ屋のケーキがおいしそーでウマスタ映えしそうだから買いに行きたいんだけど、そーとー人気らしくてさ。店が開く何時間も前から並んでかなきゃ買えないらしくてさー」

    「だったら並べばいいじゃねえか」

    「やだもん。何時間もずっと待ってなきゃいけないなんてダルいし、それにケーキのためにわざわざそんなコトするなんて、なんかガチっぽくてダサいじゃん」

    「ダサくなんかありませんわ!」

    「なんか聞こえたな」

    「なんか聞こえたね」

    なんか聞こえたがふたりはスルーした

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:36:31

    「ふうん。それなら私が代わりに買いに行ってやろうか?」

    「えっ、マジ!? 助かるわー!」

    そういって喜ぶジョーダンだが、「ただし!」とナカヤマが人差し指を立てて止めた

    「その代わり、私とゲームで勝負しろ。ジョーダン」

    それを聞いて、ジョーダンはげんなりとした

    「うわ出た、いつものやつ」

    「これからやるゲームでアンタが勝てたら、そのケーキ屋とやらの行列に並んでやるぜ。だがもし私が勝てたら……私の頼みを聞いてもらおうか」

    「頼みって、どんな」

    「……そうだな」

    するとナカヤマがジョーダンに向かって歩み寄ってきた

    「えっ、ちょっ、ナニ?」

    困惑するジョーダンはこちらに寄ってくるナカヤマに押されるようにして後ろに下がると、背中が壁に当たった。ナカヤマの顔がジョーダンの顔から十数センチまでの近さにまで迫った

    「私が勝負に勝ったら、アンタの唇をいただこうとするか」

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:37:46

    「唇って……えっ!?」

    ジョーダンはナカヤマの言ったことを理解するのに、ほんの少し時間がかかった。自分が勝負に勝ったらお前にキスさせろ、ナカヤマはそういったのだ

    「しょ、正気で言ってんの!?」

    「正気でこの狂った世界は生きてけねえよ」

    なんだかよく判らない台詞ではぐらかされたジョーダンだが、まあ負けても何かの行列に並ばされるわけでもないし、キスなら軽く口つけてすぐ終わりだろうし別にいっか、という軽い気持ちで彼女はナカヤマの提案を了承した

    「決まりだ! それじゃあ何で勝負するか? トランプのカードなら今持ってるんだが……」

    「メンドいからじゃんけんで」

    「……オーケー、それじゃあ五本勝負といこうか」

    こうしてジョーダンとナカヤマのじゃんけん五本勝負が始まった。最初はグー、じゃんけん、ぽい、とお互い手を出すとジョーダンがパーでナカヤマがグー。ジョーダンの勝利だった

    「よーし、一勝ゲット!」

    「フッ……調子に乗るなよ。勝負はまだ始まったばかりだっ」

    そして二回戦。ジョーダンがチョキでナカヤマがパーを出し、またもジョーダンの勝利となった。あと一回ジョーダンが勝てば、彼女の勝利だ

    「クッ、あと一回も負けが許されない状況……いいぜ、熱くてヒリヒリしてくる……」

    そういってテンションが上がっているナカヤマ。。いっぽうジョーダンのほうは、いやもうここまで来たらもう完全に勝てるくね? と既にスイーツを写真に撮って食べる自分の姿を想像していた

    はーよかった。いくら顔がいいからって、好きでもなければ、そもそもそんな仲良くないナカヤマとキスなんて別にしたくねーし、じゃんけんするだけで人気スイーツ買ってきてもらえるなんて、今日はマジでラッキーだわー☆

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:39:08

    「んっ!? んぷっ、んっ……!」

    一分後、まさかの逆転負けとなったジョーダンは最初の取り決め通りナカヤマに唇を奪われていた

    ウソでしょ、あそこから負けることなんてある!? というか、チュッと一回やって終わりだと思ってたのに、こいつ、すっげーガッツリしてくる……

    ナカヤマは壁に背中をつけて立っているジョーダンの顔の横に手をついて、もう片方の手でジョーダンの顎をくいと軽く持ち上げながら、彼女の口の中を貪るように入れた舌を動かせた

    最初はじたばたと暴れながら抵抗しようとしたジョーダンだったが、乱雑なようでどこか丁寧で優しいナカヤマの口づけに意識が完全に支配されると、手がだらんと下がり、膝ががくがくと震えだした

    するとナカヤマがゆっくりとジョーダンの口の中から舌を抜き出して、惚けた彼女の顔をみた

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:39:37

    「……これで終わり?」

    気だるい声色でジョーダンがそういったとき、ナカヤマは再びジョーダンの顔に覆い被さるようにして彼女に口付けした。そしてだらんと下がった彼女の手を手のひらと手のひらが合わさるようにして握り、壁に押しつけた

    「はあ、はあっ……」

    一度目は一方的だったキスも、ジョーダンが慣れてきたのか次第にお互い探り合うように舌を絡ませ、ふたりの息の漏れる声が誰もいない空間に溶けた

    激しくも静かなキスを終えてナカヤマが口を離すと、蕩けた瞳をしたジョーダンの口の端から唾液が流れ出ていた。それをナカヤマがぺろっと舐めとると、「ひゃっ」とジョーダンが甲高い声を出した

    「……どうだ、スイーツより甘かっただろ?」

    ナカヤマは近くに置いていたすっかりぬるくなってしまった缶コーヒーを手に取ると、ジョーダンに背を向けた

    「なかなか楽しかったぜ、ジョーダン……またやろう」

    それだけいってナカヤマはその場から去った

    そして頭の中がパチパチとスパークして真っ白になったジョーダンは、スイーツのことなどすっかり忘れてしまっていたのだった

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:39:56

    スレ主です
    自販機コーナーといえばエヴァの「お茶でもどうだい」という加持さんのお誘いに対するシンジ君の「僕男ですよ」です

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:40:37

    フェスタの二次創作少ないから嬉しい…
    助かる…

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:41:24

    デジタルが目を開けたまま死んでる……

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:44:52

    まあトーセンジョーダンのくちびるめっちゃやわらかそうだしキスしたくなるのはわかるよね……
    ゴルシとかにも軽率に奪われてて欲しい

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:45:18

    フェスタはこういう事する

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 19:48:15

    はぁ~あすき
    実装はよ

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 22:38:14

    夜寮のベッドのなかで昼間のキスを思い出しながら(ナカヤマ死ぬほどキス上手かったけど、どこであんなの覚えたんだろ……)と悶々としてほしい

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 22:42:31

    フェスタは野良のレズだから女食い漁りなれてるよ
    VS
    フェスタも意外と初心でジョーダンと離れてから「・・・何してんだ私・・・」って軽く赤面するよ
    VS
    ダークライ

  • 14二次元好きの匿名さん21/09/06(月) 23:42:31

    あ、あ、あ、拙者、百合スレでナカジョダを欲した者、かつ、貴殿に憧れいくつか百合ssを書きし者、憧れの方から超マイナーの推しcpをお出しされ人の形保てなくなりけり、あの、大好きです…ねちっこい描写と直前までのあっけらかんとした描写のギャップが最高です、生きます、ありがとうございます……

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