【ダイススレ】自分の分身のオリキャラをC.Eに放り込んでみた1.5

  • 1スレ主24/06/01(土) 08:38:04

    https://bbs.animanch.com/board/3311281/?res=164


    ミスで落ちてしまったので、続きをここに。


    今後ともよろしくお願いいたします

  • 2スレ主24/06/01(土) 08:38:17
  • 3二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 08:38:40

    このレスは削除されています

  • 4二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 08:38:56

    このレスは削除されています

  • 5スレ主24/06/01(土) 08:44:59

    あらすじ

    ウィル・ピラタはある日突然種開始前のC.Eに迷い込む。
    そこでTS生まれのキラ・ヤマトと出会い、彼女の誘いでヤマト家に居候することになった。
    その後原作道理ザフトの襲撃を受け、キラの学友と共にアークエンジェルに乗ることになる。
    何とかキラを守るために奮闘するウィルであったが、状況は悪くなる一方であった。

  • 6スレ主24/06/01(土) 08:54:14

    いつもは戦闘中でも仮面越しに余裕そうな雰囲気をしているというのに、
    今のクルーゼは誰かに話しかけられることすら拒むように、その映像に見入っていた。

    副官であるアデスも、驚愕の表情で送られている映像を見ていた。
    常軌を逸しているのだ。

    出撃後すぐに部隊のジンは文字道理全滅、投入したG兵器はたった一機を相手に
    手玉に取られ、全滅も時間の問題だ。

    映像でも、四枚羽根をターゲットに捉えることが叶わずに、
    画面の端から端へ横切っていくだけだ。
    逆に四枚羽根は的確にこちらを捉え、致命傷足りうる攻撃を繰り出してくる。

  • 7スレ主24/06/01(土) 08:59:00

    こんなことができるナチュラルがいるのか?

    アデスは四枚羽根のパイロットがコーディネイターではないかと疑うほどだった。
    むしろそう願っている自分もいた。
    あれがナチュラルの真の力だというなら、
    ナチュラルより優れるために人工的に作られたコーディネイターは一体…なんだというのだろうか。

    クルーゼはその映像を誰にも見えない仮面の下で歓喜の瞳で眺めていた。
    もっとだ。もっと私に見せてくれ。私が絶望した世界を覆すその力を…。
    私の絶望を拭い去るまでどうか落ちてくれるなよ。

  • 8スレ主24/06/01(土) 09:01:44

    (…まだか…)

    ムウは暗礁宙域を低出力モードで飛行しながら、焦れる心をじっと堪えていた。
    自分が強襲できなければ、持久戦になる。そうなれば、戦力が少ないこちらはジリ貧になる。

    この戦いを潜り抜けるには、自分がザフト艦を叩くことが絶対だ。
    故にムウは焦れる心を必死に静めた。

    (なんとか耐えてくれよ…ウィル…!)

  • 9スレ主24/06/01(土) 09:18:15


    ムウ(…捕まえた!)

     

    同時刻、ついにムウは眼前にザフトのナスカ級を捉えた。低出力モードを解除し、

    4基のガンバレルからなるエネルギーを全開放し、一気に目標へ迫る。



    ムウ「うおりゃぁぁ!!」


    ムウの接近は直前まで成功していた。

    だが、彼を感知する者がその船には乗っていた。

    ウィル戦いに夢中になっていたクルーゼは、寸前のところで突貫するムゥの気配を察したのだ。


     


    クルーゼ「機関最大!艦首下げ!ピッチ角60!」

    アデス「は!?」

    オペレーター「本艦底部より接近する熱源、モビルアーマーです!」


    クルーゼの突然の言葉と、オペレーターが報告した情報が完全に一致した。

    真下から迫ってくるモビルアーマーと言うなら、

    出てないと思い込んでいたオレンジ色のモビルアーマー…メビウス・ゼロだ。

    アデスの顔色が青くなっていく。

  • 10スレ主24/06/01(土) 09:21:14

     


    アデス「ええい!CU作動!機関最大!艦首下げ!ピッチ角60!」


    だが、時は遅かった。

    ムウの操るガンバレルから放たれた弾頭は、ヴェサリウスのエンジンを完全に捉えた。

    感じたことのない強い振動に、ブリッジにいた誰もが何もできずにシートにしがみついた。


     


    ムウ「いーよっしゃぁぁ!」


    ムウの機体はヴェサリウスの装甲にアンカーを打ち込み、スイングバイで宙域を離脱していく。


    オペレーター「機関損傷大!艦の推力低下!敵モビルアーマー離脱!第5ナトリウム壁損傷、

    火災発生、ダメージコントロール、隔壁閉鎖!」


    クルーゼ(…ムウめぇ!)


    推力を奪われた艦は的に過ぎない。

    クルーゼは苦虫を噛み潰しながら、撤退命令を出すのだった。


     

  • 11スレ主24/06/01(土) 09:36:01

    ウィルの疲労dice1d100=99 (99)


    50以下は動けなくなる(汗が踝まで溜まっている)

    50を超えると吐瀉物でバイザーを汚す

    70以上で気絶

  • 12スレ主24/06/01(土) 10:58:16

    大戦果であった。
    ウィルの活躍でクルーゼ隊のMSは全滅。
    ローレシア級もアークエンジェルのローエングリンによって撃沈した。

    大手を振って目的地まで進むことができる状況だが、様子がおかしい。
    帰艦したウィルが、アーウィンから降りてこないのだ。

    嫌な予感がしたキラは、大慌てでアーウィンのハッチを開ける。

    そこには、吐瀉物でバイザーを汚したまま気絶しているウィルの姿があった。

    キラ「ウィル!」

  • 13二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 13:55:25

    機体が優秀でメタ張れる兵装もあったからって、多数相手にたった一人であれだけの大立ち回り
    しかも乗りこなせてるとは言っても過酷な戦場慣れしている訳じゃない上に、元の身体じゃなくて13歳の少年でしかないと来たら、ブッ倒れもするよね

  • 14二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 14:35:07

    期待保守

  • 15スレ主24/06/01(土) 14:47:20

    幸い、ウィルの症状はただの過労。
    休ませていればいずれ目を覚ますと船医は判断した。

    そのことに安堵しつつ、指揮官達は頭を抱えた。
    まず、イージスに乗っていたザフト兵はキラの友人であること。
    マリューとナタルは絶句した。
    さすがにムウも言い方に気を使ったのだが、艦長と副長が知らなかったでは済まされない。
    だが、二人共キラに対して甘い追求だけで済ませた。

    そもそもな話、キラもウィルも民間人の子供でしかないのだ。
    正規の訓練を受けていない未成年に負担の大部分を押し付ける方がどうかしている。
    中立国の民間人が他国の人間と友誼を結ぶことの何が罪なるのか。
    それにキラを排除するような真似をすれば、今度はウィルが敵に回る。
    そうなれば今後、ムウだけを頼りに進まなければならない。
    判断を一時保留にして、引き続き協力をお願いする。としか言えなかった。

  • 16スレ主24/06/01(土) 15:04:37

    マリューの心中は罪悪感で満ちていた。
    改めて思うがキラの性格はどう見ても軍人よりではない。
    戦場に放り込むだけでも大きな負担になるだろうに戦う相手は友人ときたものだ。
    いずれ心労で潰れてしまうだろう。
    それが分かっていたからこそ、ウィルはその分の負担も背負おうとしたのだ。
    せめて自分達が防諜に力を注いでいれば、二人共平和に生きて行けただろうに。
    一刻も早く味方と合流し、開放してやりたかった。

  • 17スレ主24/06/01(土) 15:15:11

    戦闘が終わった直後、ナタルはウィルを殴り倒してやろうと思っていた。
    ストライクを動かせるのに出撃しなかったキラもだ。

    人を馬鹿にするのにも程がある……それがナタルの心情だった。
    あれだけの戦闘能力があるなど、全く聞かされていないのだ。

    強いとは思っていた。超一流のパイロットだと感じてもいた。
    だが、それをすら飛び越える程の力だったのだ。今回見せ付けられた物は。

    ブリッジから格納庫へ向かう時の彼女は、明らかに激怒していた。

    必死で対応をして。
    必死で対応して必死で戦って。
    そして、これまでかと覚悟を決めかけた直後に、横から出てきてあっさりと事態を解決をされよう物なら。
    収まらないのは当然である。

    ウィル一人でほとんどやったのだ。
    解決してしまったのだ。

    そもそもあの戦闘能力があれば、もっと早い内から……それこそ、
    ヘリオポリスで幾らでもやりようがあったのではないか?
    わざわざアークエンジェルを苦境に引きずりこんで、人を馬鹿にしていたのではないか?

    ナタルはウィルの異常な戦闘能力を、これまでの対応と合わせてそう感じてしまったのだ。
    助けてもらった事に対する感謝は当然ある。しかし、それよりも、だ。

    今の今まで手を抜いていた……。
    謎のMSを持つウィルへの疑念と怒りを爆発させてしまったのである。

  • 18スレ主24/06/01(土) 15:22:21

    それが一転したのは、アーウィンが収容された時の事。
    それを見てナタルはコックピットへ向かおうとして、そこで、周りの騒ぎに気が付いた。

    ウィルの反応が無い。
    キラがそう言うや否や、整備班や医務官、保安部員が強烈に慌て出したのである。
    コックピットが外から開放され、ウィルが引っ張り出されるように姿を見せるとナタルもムウも絶句した。

    吐瀉物でバイザーを汚し、気を失っていたのだ。
    ヘルメットを外せば、真っ青な顔が出てくる上にスーツの中は汗で水溜りができていた。

    その姿を見て、ナタルは流石に恥を覚えた。

    楽な戦いなどではなかった……ウィルも必死でやったからこその今なのか、と。
    致命的な状況を死にもの狂いの執念でひっくり返してきたのであろう、ウィルのその姿を見て。
    ナタルは恥を覚えたのである。

    穴があったら入りたいとは言うが、それが、大袈裟な表現ではない事を彼女は知ったのだ。

  • 19スレ主24/06/01(土) 15:36:38

    ムウは自分の情けなさに腹が立った。
    軍の失態を隠すために[エンデュミオンの鷹]などと御大層な二つ名で祭り上げられた身だ。
    のしかかる負担は自覚していた、いたはずだ。
    それをいつの間にか未成年の子供に押し付けていたのだ。
    だが、現状ではどうにかしてやる方法が無い。

    何が[不可能を可能にする男]か。
    結局自分はその程度でしかないのかと苦しくなった。

  • 20スレ主24/06/01(土) 15:42:23

    ウィル>キラ  108+dice1d100=66 (66)

    キラ>ウィル  94+dice1d100=72 (72)


    お互い100越えならばロマンティスは時間の問題。

    二人の合計が300以上ならば秒読み。

    その場合、押し倒すのは数字の大きい方。


    ついでにウィルとキラの身長差dice1d3=2 (2)


    1.同じぐらい

    2.ウィルの方がdice1d3=3 (3) 低い

    3.キラの方がdice1d5=3 (3) 低い

  • 21二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 02:20:47

    意識してる男の子にここまで身体張られたら、まぁこういう流れにはなってくるよね…

  • 22スレ主24/06/02(日) 03:29:32

    ウィルの今回の経験値74+dice1d14=3 (3)


    100以上なら覚醒アセム・アスノ状態なので、シュラより強い。

    ただし、精神干渉を防げるかどうかは不明なので必ず勝てるわけではない。


    ウィルがキラを好きな理由dice1d4=2 (2)


    1.前世の初恋相手に似てる

    2.死んだ母親に似てる

    3.死んだ姉に似てる

    4.死んだ妹に似てる


    キラがウィルを好きな理由dice1d4=3 (3)


    1.一目惚れ

    2.世話を焼いてもらってたらいつの間にか

    3.一緒に居ると安心できる

    4.ありのままの自分をされ気だせる相手だから

  • 23スレ主24/06/02(日) 12:07:25

    序にキラはウィルにdice1d4=4 (4) のが好き。


    1.膝枕してもらう(するのも)

    2.後ろから抱き着いて胸を当てる(Dカップ、成長中)

    3.抱き着いてクンカクンカする

    4.抱き枕にして一緒に寝る


    前スレでアスランがキラを初恋の相手と見る目が出たら面白かったのにな。

    種割れ理由がBSSになるから。


    最近鬱だから変な考えが出てくる。

  • 24二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 12:32:57

    まぁBSSにもそれなりに味わいはありますけどね、そうなるとこの先話が拗れること必至だけど
    ただ、妹のようにの程度によってはシスコン風になる可能性まである訳で、これはこれで

    なるほど、普段からそれだけ引っ付いてたら、その先のハードルは低くもなるよな
    物語はこの先長いから、気分転換とか気晴らしを適度に挟んで気楽にお願いします

  • 25スレ主24/06/02(日) 18:54:23

    現在のキラのメンタルdice1d100=57 (57)


    キラは無言で医務室のベットに横たわるウィルを見つめていた。

    医務官の話によればただの過労だから、いずれ目を覚ますとのことだ。

    そのことに安堵しつつdice1d3=2 (2) 罪悪感に押しつぶされそうだった。


    1.守られてばかりで

    2.責務を肩代わりしてもらってるみたいで

    3.好きな相手に何もできないで


    初めて会った時には美形だとは思ったが、異性としては意識していなかった。

    しかし、数か月一緒に過ごすうちにその優しさと、自分をありのままに

    受け入れてくれる安心感に惹かれ、何時しか慕情を向けるようになった。

    いくら共存を謳うオーブとは言え、自分の周りに居るのはナチュラルが多い。

    だから内心拒絶されるのではないかといつも怖かったのだ。

  • 26スレ主24/06/02(日) 19:02:01

    食堂の一件だって、スクランブルが無ければカズィとフレイを殴り飛ばしていただろう。

    自分にとって大切な人を守る為なら平気で泥をかぶる、そうゆう人間だから。


    キラ「ごめんねウィル、情けないお姉ちゃんで」


    キスしようと顔を近づけるが、気恥ずかしくなった。

    結局普段道理、キラはウィルの胸に顔を埋めるのだった。


    dice1d3=3 (3)


    1.ウィルの心音、落ち着くな~

    2.ウィルの体温、あったか~い

    3.ウィルのオイニー、たまんな~い(涎)

  • 27二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 21:48:08

    なんかキラ爛れてない?

  • 28スレ主24/06/02(日) 22:11:06

    現在のキラのメンタル57+dice1d100=5 (5)


    100以上でケアの必要なし

  • 29スレ主24/06/02(日) 22:14:38

    キラのメンタル回復量が低い理由dice1d4=3 (3)


    1.アークエンジェル内の空気が悪い

    2.ウィルを抱き枕にできてない

    3.押し付けてる罪悪感

    4.ロマンティクスできてない

  • 30二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 06:36:58

    保守

  • 31スレ主24/06/03(月) 10:40:54

    デブリベルト。

    コロニー[世界樹]の崩壊をきっかけとして出来た、地球圏の超巨大デブリ帯の通称がそれだった。
    それに加えて近隣の惑星・衛星同士の重力が影響して、どこからともなく様々なデブリが集まってくる宙域でもある。
    場所によっては高速でデブリが動く空間もあるため、極めて危険な宙域だが、隠れる先として見た場合、
    悪くない所だった。

    その中でも。比較的には通り易い場所を選びながら、慎重に進む艦艇の姿があった。
    地球連合軍所属アークエンジェル。

    アークエンジェルの周囲には4機のモビルスーツが展開していた。

    1機はガンバレルを背負ったストライク。
    1機はそれに似ている灰色の機体アストレイグレーフレーム。
    さらにその2機を、アーウィンとエールストライクがフォローするような位置にあった。

    ゆっくりと進行する3機のモビルスーツは、障害物の進路を変えたり、
    アークエンジェルの艦体に接地したり、逆に離床したりを繰り返していた。

    内の2機、ガンバレル付きとグレーフレームはたまに捻った運動をしている。
    通信のやり取りが頻繁に行われていた。

  • 32二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 16:38:40

    キラはちょっと拗らせつつある感じだなぁ、あと性癖が垣間見えた……

  • 33二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 22:01:25

    アーウィンは索敵能力を生かして周囲警戒を担当する。

    というか、病み上がりのウィルに戦闘はさせられないとドクターストップがかけられた。


    ウィルは不満を感じたが、無理をすれば医務室に監禁されそうだったので、渋々従った。



    ムウ『おいキラ、ウィル、俺のストライクはどうだ?外から見てて挙動がおかしい所はあるか?』


    ガンバレル付きストライクを動かすのはムウだ。

    慎重に動いてはいるものの、どこかしら安定感を見せる動きだった。


    『こちらから見る限りは大丈夫みたいです。

    変な反応とかはありませんよね?何かあったらすぐに言ってくださいよ』


    答えるのはキラ。

    ストライクに慣れているキラが他の2機を見ているのだ。

    訓練である。


    『分かってるって。こちとら、モビルスーツはまだまだ初心者なんでな。よっと』


    軽く機体を動かして遊ぶフラガを見て、キラは苦笑する。


    しかし、キラの注意自体はもう1機、灰色の機体に向いていた。

    いや、ほとんどその灰色の機体にかかりきりと言っていい。

    そちらを見るキラの目は真剣そのものだった。若干……いや、結構な不安さが表情にある。

  • 34二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 07:21:31

    何せワイヤーロープでキラのストライクが常に掴まえているのだ。
    ムウと違いこっちは本物の初心者だ。絶対に気は抜けなかった。

    案の定、何度めかの姿勢制御と艦の運動が重なった途端に、フラフラと機体が慌て出した。
    正確にはそのパイロットが。

    トール『うわわわ、キ、キラ、ち、ちょっと助けて……!』
    キラ『トール、落ち着いて! 大丈夫、すぐ前に居るから。
    操縦桿は静かに動かせばいいんだよ、ちゃんと反応してくれるから。説明したでしょ?
    その機体は物がぶつかってきても簡単には壊れないから、とにかく慌てないで』
    トール『お、おう』
    ウィル『どうしても機体が落ち着かない時は?覚えてるか?》
    トール『モ、モーションセレクトから、運動停止、待機を選んで、じ、実行……だっけ?衝突回避?』
    ウィル『正解』

    キラの操るストライクに面倒を見てもらいつつ、ウィルから助言を貰うのは、MBFーP05グレーフレーム。
    キラの友人、トール・ケーニヒが動かしていた。

  • 35二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 10:21:48

    ムウが茶々を入れてくる。

    ムウ『いいねぇいいねぇ!ウィル、お前さん教官としてもやれるのか?』
    キラ『……ムウさん。そんなに飛び回ると危ないですよ』
    ムウ『固いこと言うなって!あらよっと!』

    ムウ機はそこら辺のデブリの中をすり抜けて行く。
    高い空間認識能力を持つムウだ。
    放っておいても勝手に上達するだろう。
     
    時間ができたのを見計らい、コンテナに入っていたシミュレーションマシンを引っ張り出してきて、
    あっさりとクリア。
    勢いそのままに、モビルスーツへ乗るようになってからここ2日、恐ろしい勢いで習熟度を上げている。
    一日中乗り回して、癖を身体に叩き込んでいるのだろう。

    しかし、トールの目には毒なのだ。
    実際、グレーフレームのカメラアイはフラガ機を追っている。

  • 36二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 10:29:21

    今回は試験的に三人称視点多めで。

    相変わらず誤字が多い。


    ムウのストライクに付いてるガンバレルdice1d3=3 (3)


    1.元々乗ってるメビウス・ゼロを潰して作った

    2.補修用の予備パーツを流用した

    3.デブリベルトで拾ったスクラップを流用した


    この後遭遇するのはdice1d3=3 (3)


    1.海賊

    2.ジャンク屋船団

    3.ウィルの仲間

  • 37二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 19:26:09

    誤字はそんなに気にしないでいいですよ

    どんな事でもそうだけど、自分は一杯一杯なのに近くに上手い人が居ると焦るよねぇ…

  • 38スレ主24/06/04(火) 20:18:36

    ウィル『トール、やっぱり止めるか?むしろ乗って欲しく無いんだが……』



    トール『わ、悪い……ウィル、でも俺……お、お前らばっかり戦わせたくないから……が、頑張るよ……

    俺が乗れるようになると、お前、や、休めるだろ?』


    言葉は立派だが顔色は悪い。

    それもそのはずでトールは今日、初めてモビルスーツで宇宙に出たのだ。

    カレッジでは作業ポッドを動かしていたとはいえ、複雑さが違う。

    兵器に乗っているのだ。強張るな、と言っても無駄だ。

    適正と、本人の強い意思が複合してしまった。


    ムウとトールに粘り強く説得され、後から無茶をされるよりは、と、

    手伝っているが、ウィルには不安が拭えなかった。

    ウィルにとって最優先は勿論キラで他を犠牲にする覚悟はあるが、

    他の面子を平気で切り捨てられるわけではない。

    むしろ無事に生き延びてほしいのだ。

  • 39二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:41:15

    保守

  • 40二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 07:17:28

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 18:24:36

    アークエンジェルのブリッジでは、ナタルとノイマンがモビルスーツの訓練風景を見ていた。



    ナタル「もうあんなに動けるのか……」


     


    ノイマン「フラガ大尉はともかくとして、あのケーニヒってのが、あそこまで動けるのは驚きですよ

    ……もたついているとは言え、一応動いてますからね……」


    その横ではオペレーターのチャンドラとロメロが、新米ブリッジクルーに仕事を教えながら口を挟んで来た。


    チャンドラ「ヤマトとピラタがナチュラル用のOS、組み上げちゃったんですよね?

    たしか半日かかってないって……どういう頭してんだか」


    キラとウィルがナチュラル用のOSを組み上げた事は、さすがに呆れ半分だった。

    実際はアーウィンのOSをコピーして微調整しただけの代物だが。

    とは言え、別の技術系譜のためにまだまだ未完成ではあったが。


    ロメロ「ですが、ちょっとは気が楽になりますよ、これで少しは寝れますから」

  • 42二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 18:25:30

    チャンドラとロメロは手分けして索敵やら、通信管制を教え込んでいく。
    ミリアリア、サイ、カズイの3人が地球連合軍の訓練生服を着て一生懸命に覚え込んでいた。
    ミリアリアは頻繁にトールの機体を心配そうに見ている。どことなく膨れ面をしていた。

    さらには協力をお願いされたオーブの歩兵小隊から4人程、
    選抜された者達が同じくアークエンジェルの性能把握に努めていた。
    副操舵手、CIC電子戦、火器管制、索敵。
    少々不安そうではあったが、アークエンジェルの運用は基本、コンピューターの指示に従えば何とかなる。
    しかしそれは必要な人数が少ないだけの事。
    現状運用のための人頭がまるで足りなかった。

    彼らの所属や交戦規定については、ウズミ代表の黙認と、誰からともなくの暗黙の了解、
    更には善意の協力という内容で、知らないふりをする事になっていた。

    ナタルですら何も言わなかった、いや言えなかった。

    大きな問題だと分かっているが、睡眠欲と過労と、倒れ始めるクルーの前では規則・規定は邪魔だった。
    アークエンジェルクルーは、デブリベルトに入ってから民間人やオーブ軍人達の協力を得て、
    ようやく交代で休息を取れ始めていたのだ。

    ただ、ナタルと正操舵手のノイマンだけはブリッジを離れられず、
    ここ3日程、それぞれの席で仮眠を取りつつしのいでいた。

  • 43二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 18:30:54

    デブリ帯へ逃げ込んだ当初、アークエンジェルは友軍との連絡を諦めてでも、
    さらに奥へ進むしかなかった。

    宇宙はザフトのテリトリーだった、月の周辺まで行けばそうでもないが、
    それ以外はどこかしらザフト艦がうろついている。哨戒網にかかれば終わりだった。

    正直、力ずくの突破はできないこともなかったが、
    ヘリオポリスから全く休めていないクルー達の体調の問題が、それをさせてくれなかった。

    ウィルは万全ではないし、他にも戦闘による疲労でダウンする者が出始めたのだ。

    民間人は不安を増大させており、どこでもいいから早く降ろしてほしいと声が増え、
    説明と説得にマリューとナタルの責任者クラスが出張る事になり、
    手間が増えた分、艦の方針決定に遅れを出した。

  • 44スレ主24/06/05(水) 18:52:58

    民間人に混じっていたコーディネーター達は不安が強くなっており、
    これはキラとウィルが繰り返し話をして、何とか落ち着かせている最中だった。

    戦力的な不安に対しては、整備班と協力を依頼されたモルゲンレーテの技術者、
    それにキラが加わり、不眠不休で整えて稼働状態に持っていったモビルスーツ2機が解消。

    人員の不足をマリューとナタルとムウで手分けして、民間人とオーブ軍人達にある程度話をした。
    そこで限界が来た。

    キラがストライクで守りにつくと言ってくれなければ、
    安心して仮眠も取れないところまで追い込まれて、マリューが倒れた。
    すぐに目を覚ましたとは言え、軍医からは怪我と、強いストレスと過労と診断され、
    現在はナタルが艦長を代行していた。

  • 45スレ主24/06/05(水) 18:56:58

    さらには別の話で、ウィルが倒れたこととキラもさすがに疲れているのを見て、
    今度はキラの友人達が艦の仕事を手伝うと言い出したのだ。
    特にカズイは申し訳なさそうにしており、対してキラは、気にしないで、
    軍属になんてならないでほしい……と念を押して言ったのだが、逆効果だったようだ。

    トールはトールで、目を覚ましたウィルとキラにくっついてモビルスーツのOSを調整する助手をしていたら、
    興味本意でやったシミュレーションで結構な適正を出してしまい、ムウがパイロット候補にしてしまった。
    キラがムウの為に、ナチュラルでも使えるOSを組んでいる最中では、止めるのは難しかった。

    何よりトール自身が望んでいた。

    きっかけはキラがナチュラル用のOSを組み上げた時。
    民間人である事から、ついに目を背けられなくなった所からだった。

  • 46スレ主24/06/05(水) 21:52:06

    整備班員やモルゲンレーテ技術者達のどよめきが格納庫に響いた。
    ムウが、ストライクを歩かして見せたのだ。ウィルとキラの組み上げたOSを使って。

    キラ「ムウさん!シミュレーションをクリアしたのは分かりますけど。早すぎませんか?いきなり実機なんて」
    ムウ「我慢ができないのさ。……よーし!歩いたぞ、いい感じだ!どうだ!作動チェックしてくれ、キラ!」

    シミュレーションをさっさとクリアしたムウが、意気揚々とストライクに乗って見せて、
    そしてそれが、これまでにナチュラルが動かしたどのデータよりも、滑らかな物だと言うのが数字に出ていた。

    興奮したのは整備班員よりも、モルゲンレーテ技術者達の方だった。
    彼らはオーブ本国から、ナチュラルでも動かせるモビルスーツとOSの開発を命じられて、
    ヘリオポリスに居たのだから。
    地上用は多少の蓄積があるが、宇宙はお手上げだった。

    しかし今、アーマー乗りのエースが、という条件付きだが、
    確かにナチュラルが動かしたのを見たのだ。中には泣いている者も居る。

    技術者達はウィルにOSの使用許可を求めてきたが、ウィルは元よりそのつもりだと返した。
    別にウィルのオリジナルではない。特許を取る気はなかった。

  • 47二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 05:16:40

    みんな疲れてるなぁ…そりゃそうだよねぇ

  • 48スレ主24/06/06(木) 07:26:52

    その後、デブリベルトで拾ったメビウス・ゼロの残骸とエールストライカーの補修パーツを基に、
    専用のパックを開発し微調整を行った。

    グレーフレームの方も比較的順調に進んだ。
    構成材質はオーブ製の発泡金属だが、部分的にPS装甲が使われている。
    戦力としては十分だろう。

    ガンバレルストライクは目処が立った、グレーフレームもOSを弄って取りあえずは動く。
    マードック率いる整備班は次の戦いに入った。
    さすがにローテーションで休むそうだが、キラとウィルは頭を下げて回った。
    全員疲れているために、数日は時間が欲しいと言われれば、二人は可能な限り手伝いますと言うしかない。

    加えて、ムウから感想を聞いて、キラとウィルとトールでガンバレルストライクと
    グレーフレームの、更なる微調整に入った所だった。

  • 49二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 15:41:06

    ホント、これ見ると一人でも割ける頭数があるって大きいのを痛感するね
    それも有能枠だし
    それでも人手が足りなくてピーピー言ってる状態には変わりはないのだけど

  • 50スレ主24/06/06(木) 22:22:25

    ムウが呟いた。

    ムウ「しかし、4機もあるのにパイロットが3人じゃな……」

    それを聞いて「三人じゃダメですか」と目の下に隈を作りながら聞いたキラに
    「24時間のスクランブル体制を三人で取るか?」と同じく目の下に隈を作ったフラガが返す。
    後ろではウィルがサテライトキャノンウェアをアークエンジェルの充電プラグに接続できるよう
    調整を行っていた。

    人が宇宙に出てもならず者はいる。海賊や脱走兵達によるゲリラだっているのだ。
    デブリベルトはそれらが多い危険な場所だった。

    今のところ遭遇していない。……運がよかったのだろう。
    二人の話にトールが聞き耳を立てている。

  • 51二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 05:15:00

    噂をすればなんとやら、一体何と遭遇するのか…

  • 52スレ主24/06/07(金) 10:18:05


    トール「あ、あの!フラガ大尉!俺を、違う、いえ、えーと自分をパイロットにしてください!」


    周りが一瞬シンとした。そして動き出す。整備班にとっては後回しにできる話だった。

    バイロットどもで何とかしろ、という態度だ。今さらキラ絡みで何が起きても彼らは動じない。

    ムウも寝不足で気分がハイなのか陽気に答えた。



    ムウ「お?元気がいいねぇ。じゃ、シミュレーションやってみるか?」

    トール「はい!お願いします!」


    半ば冗談のフラガと、大真面目なトールがシミュレーションマシンに向かう。

  • 53スレ主24/06/07(金) 10:26:50

    キラ「止めないの?」
    ウィル「本音を言えばな、だが現状できるか?」

    自分もキラもムウも動けない時、やられてしまった時、
    そのためにアークエンジェルの防御力を、少しでも高めるべきだとウィルは言った。
    絶対はない、と。

    これまで幾つもの苦しい戦況を潜り抜けてきたが、結局運が良かっただけだ。
    パイロット不足で出せない戦力が、半分近くあるなど受け入れられないだろう。
    工業カレッジの学生であるトールなら、一度やらせてみて損はないのだ。
    ダメならそこでストップをかければいいのだから。

    それからしばらくして、シミュレーションをやったトールのスコアが
    合格点を出してまった事で、何が何でも乗ると言い出したトールに根負けしてしまった。
    後からいきなり乗られるよりは、今からモビルスーツに乗せた方がマシと。
    トールを死なせないように鍛えるしかなかった。

  • 54スレ主24/06/07(金) 10:49:14

    そうして、ナタルとムウ、マリューの責任の下で、現地徴用の野戦任官を受けたのが先日の事だった。
    計ったようにサイ達までアークエンジェルのブリッジに入り、
    民間人の何割かまでが、交替で艦の雑務に手を貸している。
    アークエンジェルも人手が足りないのだ。

    そうして訓練がてら、残骸から使えそうなものを拾い集める。
    ジンの武装から、機体そのものまで回収・修理して使えるようにする。
    やるべき事はいくらでもあった。

  • 55スレ主24/06/07(金) 19:16:45

    ウィルがスクランブル待機しながら、アークエンジェルの甲板上で、

    グレーフレームに乗るトールの訓練に付き合っている所だった。


    艦の防御力を上昇させるために、キラとムウとともに苦しいローテーションに耐えていた。

    待機しながら訓練をする、または指導する……責任は重かった。

    現在のアークエンジェルに時間は貴重だった。


    おまけに遠回りを強いられる羽目になり、潤沢だったはずの物資も減り始めた。

    仕方ないのでデブリベルトで使えそうなものをかき集める。

    墓荒らしでしかないが、そんなことは言ってられなかった。



    「またジンを拾ってきたのか…襲撃よりはましだが」


    パイロット達は教導・訓練がてら使えそうな物を拾い集めてくれる。

    一度海賊の襲撃もあったが、被害無しで切り抜けることができた。

    そいてまたジンやメビウスを拾ってきた。


    しかし、ジンはいらない。もういらないのだ。

    アークエンジェルには今、8機のモビルスーツがある事になる。4機がジンだ。

    ザフト艦かこの船は?何の冗談だ。


    ナタルはどうした物かと考える。

    その気になればモビルスーツの10機ぐらいは収容できるが、

    多いと格納庫では邪魔になる。現実的には7、8機以下が妥当だろう。

    どうするか。機銃と無反動砲も幾つか手に入った。

  • 56スレ主24/06/07(金) 19:22:43

    ウィルは、ジン用武装とその弾薬は余裕ができつつあると言っている。

    弾薬はともかくとして、機体や武装のいらない分は投棄するか?
    損傷機は甲板にでもくくりつけてカカシにでもするか、いっそ捨てるか。

    ナタルが海賊避けにでも……と、そんな事を考えていると、
    マリューが慌ててブリッジへ入ってきた、先程ナタルと交替したばかりだったのだ。
    病み上がりだ、顔色は良いとは言えない。
    ナタルが状況を説明する。

    マリュー「ありがとう、ナタル。……ウィル君はもうすぐ休息よね?」
    ナタル「はい、フラガ大尉のガンバレルストライクと交代させます。それと艦長……
    そろそろウィル准尉のドクターストップがかかりそうです。
    実弾兵器の弾薬も現在8割を前後しています」

  • 57スレ主24/06/07(金) 19:31:40

    マリュー「……やっぱりデブリベルトから出て、通信を送る方がいいのかしら」
    ナタル「できれば、今すぐそうしたいですが……」

    状況は微妙に感じる。
    その方法を取っても確実とは言えないから迷っていた。
    味方が先に来るか、ザフトに見つかるのが先か。
    疲労が酷くなる状況では決断出来なかった。

    それにナタルは言いにくそうにしているが、ウィル達が時折、
    進路上から見つけて来る物資がありがたいと思っていた。
    弾薬に、食料と水。正確には食料と氷だが。

    マリューも同意見だった。墓荒らしなんて好んでやりたい事ではないが、
    補給ができない以上はどうしようもない。

    どうしたものか悩んでいるその時だった。
    ウィルから知っている船が近づいていると報告があったのは。

  • 58スレ主24/06/07(金) 19:43:36

    船の名前dice1d3=1 (1)


    1.グレートフォックス

    2.デルフィナス

    3.カンヘル



    ベースになってる船dice1d3=3 (3)


    1.ネェルアーガマ

    2.ラーディッシュ

    3.ラー・カイラム

  • 59スレ主24/06/07(金) 20:11:30

    ラクスはdice1d3=1 (1)


    1.この後合流

    2.仲間達に助けられる

    3.ライバルキャラに助けられる

  • 60スレ主24/06/07(金) 22:38:42

    グレートフォックスの船長(艦長と呼ぶと怒る)


    ウィルのdice1d2=1 (1)


    1.叔父

    2.叔母


    髪の色dice1d5=4 (4)


    1.青

    2.金

    3.茶

    4.黒

    5.白


    光彩dice1d7=7 (7)


    1.青

    2.赤

    3.黄

    4.緑

    5.紫

    6.茶

    7.黒

  • 61スレ主24/06/07(金) 22:40:11

    年齢20+dice1d8=8 (8)

    身長170+dice1d40=21 (21)

  • 62スレ主24/06/07(金) 22:42:59

    ウィルの相棒キャラ


    dice1d2=2 (2)


    1.男

    2.女


    髪の色dice1d5=4 (4)


    1.青

    2.金

    3.茶

    4.黒

    5.白


    光彩dice1d7=2 (2)


    1.青

    2.赤

    3.黄

    4.緑

    5.紫

    6.茶

    7.黒

  • 63スレ主24/06/07(金) 22:47:02

    顔のタイプdice1d4=4 (4)


    1.クール系

    2.姉御系

    3.ロリ系

    4.委員長系


    年齢12+dice1d8=2 (2)

    身長140+dice1d40=20 (20)

  • 64スレ主24/06/07(金) 22:56:40

    胸のサイズdice1d7=7 (7)


    1.A

    2.B

    3.C

    4.D

    5.E

    6.F

    7.G


    仕様機体dice2d4=4 1 (5) (後者が叔父が緊急時に使う予備機)


    1.エアマスター

    2.リ・ガズィ・カスタム

    3.ZⅡ

    4.ファーブニル

  • 65スレ主24/06/07(金) 23:03:54

    メカニックキャラ


    dice1d2=1 (1)


    1.男

    2.女


    髪の色dice1d5=1 (1)


    1.青

    2.金

    3.茶

    4.黒

    5.白


    光彩dice1d7=7 (7)


    1.青

    2.赤

    3.黄

    4.緑

    5.紫

    6.茶

    7.黒

  • 66スレ主24/06/07(金) 23:09:33

    顔のタイプdice1d4=1 (1)


    1.クール系

    2.優男系

    3.ショタ系

    4.中性的


    年齢10+dice1d8=8 (8)

    身長140+dice1d40=5 (5)


    仕様機体dice1d3=2 (2) (合体機構が無い代わりにMSに変形できる)


    1.Gファイター

    2.Gファルコン

    3.Gディフェンサー

  • 67スレ主24/06/07(金) 23:13:56

    流石にメカニックキャラの身長が低すぎるので185㎝とします。


    もう一人


    dice1d2=1 (1)


    1.男

    2.女


    髪の色dice1d5=3 (3)


    1.青

    2.金

    3.茶

    4.黒

    5.白


    光彩dice1d7=7 (7)


    1.青

    2.赤

    3.黄

    4.緑

    5.紫

    6.茶

    7.黒

  • 68スレ主24/06/07(金) 23:20:15

    顔のタイプdice1d4=4 (4)


    1.クール系

    2.優男系

    3.ショタ系

    4.中性的


    年齢10+dice1d8=5 (5)

    身長140+dice1d40=15 (15)


    仕様機体dice1d5=2 (2)


    1.ガンダムグリープ

    2.ヘッジホッグ

    3.リ・ガズィ・カスタム

    4.ZⅡ

    5.セイバー

  • 69スレ主24/06/07(金) 23:26:59

    細かい設定は明日。
    ちなみ船を含めた全ての機体はプラズマエンジンとエネルギーシールド、
    [G-ディフューザーシステム]を搭載(各機全てパイロットに合わせた調整がされてるので
    性能にばらつきがあるが)単機での大気圏突入・離脱、大気圏内での高速飛行が可能。
    及びMSは本体のみ(Zの様に、シールドを機首として使用するなどが必要無い)で変形可能。

  • 70二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 09:22:59

    うわ、一気に人が増えた
    しかも機体とかも中々面白いことになってる
    これがどう絡んでくるのか…

  • 71スレ主24/06/08(土) 10:40:58

    マリュー「大きい……わね」

    マリューが驚くのも無理は無い、なんせ全長だけで890m。
    420mのアークエンジェル比べて倍近いのだ。
    おまけに見えるだけで二連装式の主砲を8基、他にも多数の武装を装備している。

    真っ向勝負になれば、まず勝ち目は無いだろう。

    その船へ、ウィルはゆっくりと近づいていく。

    ウィル『久しぶり……なのかな?……ジャック』
    ジャック『ああ……無事で何よりだ』

  • 72二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:48:06

    ジャック『初めまして、私はグレートフォックス船長ジェームズ・ピラタです

    軍属では無いので船長とお呼びください』

    「地球連合軍第八艦隊所属、アークエンジェルの艦長、マリュー・ラミアスです」


    通信モニターに映し出されたのは、マリューとそう変わらない歳の男性だった。

    黒い髪に黒い目、サングラス型のHMDを付けた柔和な雰囲気だが、左頬に大きな傷跡がある。


    ジャック『事情は甥から聞きました

    ここからは我々dice1d4=3 (3) が味方との合流まで護衛しましょう』


    1.スターフォックス

    2.コスモピラタ

    3.アルコンガラ

    4.ラパスエル


    マリュー「それはありがたいですがジェームズ船長、今の我々には」

    ジャック『報酬についてはご心配なく、甥が命懸けで守ろうとしている相手を

    無下にはできませんから。それと私の事はジャックとお呼びください。

    皆私をそう呼びますから』

  • 73二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:39:38

    ジェームズ・ピラタ
    28歳
    191㎝

    リアルではウィルの叔父で、書類上の保護者になる人物。
    サービス開始時からGBNをやってる古参であり、実力も上位ランク。
    ただし本人は艦艇マニアであり、フルスクラッチした144/1スケール艦艇を
    好んで使っている。
    ジェームズの愛称はジム、ジミーになるはずだが、皆は何故かジャックと呼んでいる。

  • 74二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:10:01

    グレートフォックス
    全長890m
    全幅205m
    推進機関 プラズマエンジンBTD-GX参型
    兵装
    連装メガ粒子主砲×8
    単装式レールガン×10
    迎撃用レーザー機銃×40
    多目的ミサイル発射管×16
    対艦用大型ミサイル発射管×10
    ハイパーメガ粒子砲×2
    艦首ビームシールド兼ビームラム
    エネルギーシールド発生装置

    実は整備工場と居住性を重視した艦内構造の為、
    艦載数はアークエンジェルと大差無い。

  • 75二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:04:00

    エアマスターシームルグ
    全高 17.2m
    重量 6.9t

    ガンダムエアマスターにアーウィンの機能を持たせた機体。
    必要時にジャックが乗る予備機としてグレートフォックスに格納されている。
    ビームソードを下部に取り付けたバスターライフルを主武装に、バルカン砲や
    ミサイルポッドを増設して戦闘力を高めている。

    実はウィル現在のアーウィンの前に使用していたプロトタイプ的な機体であり、
    性能自体はチームの他機と比べると低い(それでも自由時代で上位に入るスペック)

  • 76二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:45:28

    ???『だいぶ傷んでるな、やはり激戦続きだったか』
    ウィル『俺じゃ本格的なメンテはできないからな、頼むぜアルテ』
    ???改めアルテ『任せろ、ドッグに迎え』

    大型戦闘機のパイロットが力強く頷く。
    褐色肌に青い髪、涼しげな切れ目の青年で、
    通信機と一体になっているHMDを付けている。

  • 77スレ主24/06/09(日) 10:52:21

    名前を間違えた。

    アルマ・アルティ
    18歳
    185㎝

    チームのメカニック担当。
    リアルでは工業系大学生。
    GBNではメカニック系のスキルと情報分析系のスキルを習得している。
    序に自黒。

  • 78スレ主24/06/09(日) 11:04:06

    ガンファルコン
    全長22.5m(MA時)
    全高19.8m(MS時)
    全備重量8.5t

    アルマが搭乗する可変MA。
    Gファルコンをベースに他機との合体機構を廃し、MSへの変形機構を備える。
    チームの他機と比べると大型で、スピード・旋回性能で劣る。
    しかし分厚い装甲と最大出力を誇るエネルギーシールド発生装置を持つため、
    防御面では鉄壁。
    更に大型ビーム砲やマイクロミサイル等高火力な武装を多数備えている。
    他にも高度な索敵機能を備え、チームの司令塔として活躍する。
    ちなみに、MS時の頭部はセンサー機能を重視し、ゴーグルタイプを採用している。

  • 79スレ主24/06/09(日) 11:33:23


    キラ『待ってウィル!私もそっちにいっていい?』

    ウィル『それはいいけど、なんで?』

    キラ『不安だから……じゃダメ?』


    キラは不安を心中に抱えていた。

    突然ウィルの仲間が現れたことで、ウィルが離れていくような感覚がしたのだ。


    ウィル『……わかったよ、ラドル、後は任せていいか?』

    ラドル『OKOK、お任せあれ』


    無数のビーム砲を備えたMSに乗る少年が答える。

    一房が白いメッシュになっている茶髪の、少女にも見える外見をしていた。

  • 80スレ主24/06/09(日) 11:37:26

    ラドル・ダガ
    15歳
    155㎝

    チームの新参者で、高い空間認識能力と並列思考能力を持つ。
    その能力を生かしてオールレンジ攻撃や、長距離狙撃を得意とする。
    いわゆるマルチロックが必要な戦いが得意なタイプ。

  • 81スレ主24/06/09(日) 11:47:45

    ヘッジホッグジェネラル
    頭頂高20.22m
    全備重量68.0t

    ZZの系列機[ヘッジホッグ]の改造機。
    分離機構を廃し、単体でGフォートレス形態に変形できる。
    全身に搭載されたビーム砲はビームサーベル発振器を兼ねたファンネル。
    更にファンネルミサイルを搭載している。
    Gフォートレス時のスピード・旋回性能はガンファルコンより上で、
    防御力では劣る対的な機体。

  • 82二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 12:05:29

    このレスは削除されています

  • 83スレ主24/06/09(日) 12:06:25

    念のために


    ウィル>相棒20+dice1d100=51 (51)

    相棒>ウィル30+dice1d100=23 (23)


    50以上で恋愛感情アリとする

  • 84スレ主24/06/09(日) 12:16:24

    キラは激怒した。
    必ずかの強敵を打ち破らねばと決意した。

    などと有名な小説の冒頭をなぞるようなな感情を抱いた。
    なんせグレートフォックスに降りた途端、一人の少女がウィルに抱き着いたのだ。
    年齢・身長でいえばウィルと同程度。
    ルビーの様な赤い光彩、艶やかな長い黒髪をポニーテールに纏めている。

    何より胸のサイズ。
    自分もDカップと大きい方だという自覚はあるが、少女の方は
    マリューに匹敵する豊満さで完全に負けている。

    ウィル「心配かけちまったな、クララ」
    クララ「ううん、無事だって信じてた」

    クララと呼ばれた少女と目が合う。
    そして理解した、自分たちは同じ感情を抱くライバルだと。

  • 85スレ主24/06/09(日) 12:21:04

    クララ・ソシオ
    14歳
    160㎝

    初めてGBNにログインしたウィルに声をかけたのが切っ掛けで、
    共に高難易度ミッションをクリアしてきた相棒。
    その後同じ学校の先輩・後輩だという事が分かり、リアルでも付き合いを持つ。
    お互い恋愛感情はあるみたいだが、いまいち進展が無かった。

  • 86スレ主24/06/09(日) 12:30:36

    リンドブルム
    頭頂高20.22m
    全備重量88.0t

    クララが乗るファーブニルの改造機。
    変形時は飛行翼の付いたギャプランに近いMA形態になる。
    ハイパービームサーベルや頭部バルカンが一対になっているなど
    原型機から武装数を若干減らし、その分を機動性に当てている。
    スピードでアーウィンに勝り、旋回性で劣る直線番長的な機体。

  • 87スレ主24/06/09(日) 12:33:55

    キラはこの後dice1d3=1 (1)


    1.ウィルとロマンティクス

    2.クララと対決

    3.まさかの3P

  • 88二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:57:41

    こ、これはキラ的にも心中穏やかではいられない流れってやつだな…

  • 89スレ主24/06/10(月) 00:15:51

    俺が所属するフォース、アルコンガラのメンバーと合流できたのは幸運だった。
    というか俺一人だけじゃないという安心感は、思わず倒れこみそうになるくらいだった。

    ウィル「久しぶりにまともな休みが取れるな」

    グレートフォックスの戦闘力は下手なMS部隊を容易く返り討ちにできるぐらいだ。
    クララ達もいるし、後は任せられるな。
    ここの所まともにできなかった入浴を済ませ、後寝るだけだとベットに座り込んだその時だ。

    キラ「ウィル…まだ起きてる?」

    キラが俺を訪ねて来た。

    ウィル「どうし……むぐ!?」

    茶でも入れてやろうと立ち上がった途端、キラは俺に抱き着いてキスをしてきた。
    それもマウストゥマスなんて軽い物ではなく、しっかり舌を絡ませあうディープなやつだ。

    ウィル「いきなりどうした」
    キラ「ごめん、でも不安なの……ウィルが離れていっちゃいそうで」

    いつの間にか涙目になっていたキラが、俺を見据える。

    キラ「ずっと苦しかったの、ウィルが私の分まで重荷を背負ってくれてたから
    好きな男の子がボロボロになっていくのを見るのは」

  • 90スレ主24/06/10(月) 00:25:25

    キラ「最初は、可愛い男の子だなって思う程度だった

    でも、私がコーディネーターだってこと関係なく受け入れて一緒に居てくれた

    本心から、私を一人の人間として見てくれたから

    だから、貴方が好きなのウィル」


    本心から一人の人間として、か。

    カズィの一件から根深い問題だもんな。


    ウィル「俺だってキラねぇを女として見てたさ

    そこまで言われたら我慢できないぜ」

    キラ「……来て」


    お互い服を脱ぎ捨ててベットに入り込み、

    5+dice1d10=3 (3) 時間濃密に絡み合った。


    回数dice5d100=2 52 96 59 36 (245)


    ウィルのサイズdice1d3=2 (2)


    1.アグニ

    2.ツインバスターライフル(連結)

    3.ツインサテライトキャノン(最大出力)

  • 91スレ主24/06/10(月) 00:26:49

    キラ「……ケダモノ」
    ウィル「誉め言葉だよバーカ」

  • 92スレ主24/06/10(月) 00:46:50

    この後クララにdice1d2=1 (1)


    1.ばれた

    2.ばれてない


    1.の場合dice1d3=1 (1)


    1.この泥棒猫(シュミレーターだけどガチ勝負)

    2.クララもウィルとロマンティクス

    3.なら私も(3P)

  • 93スレ主24/06/10(月) 07:01:37

    キラのメンタル62+dice3d100=73 77 83 (233) 回復


    100以上なら全快

  • 94二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 16:59:28

  • 95スレ主24/06/10(月) 22:51:25

    現在、アークエンジェルの艦内には二百数十人の民間人がいる。

    彼らは現時点で中立を表明している国家、オーブに所属する者達であり、
    大西洋連邦に束縛される根拠を持たない集団である。

    彼らから不満が出始めていた。

    オーブはコーディネーターも、ナチュラルも受け入れる国であり、
    差別、迫害は無いではないが、何とか共存を図っていこう……と言うような国だった。

    この国が注目され始めたのは、戦争が始まってからの話になる。

    プラントと関係が悪化した地球連合、彼らとプラントの代わりに交易をする事で外貨を獲得して、
    技術立国としての評価が高まり始め、そして近くにザフトの戦略拠点ができた事で注目度がより高まった。

    良くも悪くも、地球圏が混乱するまで注目される必要が無かった国がオーブだった。

    ひどく失礼な言い方をしてしまえば、オーブ国内の軍事・政治に携わる少数の者を除いては、
    戦争や国際情勢、自分達の立場に対して、危機感が足りない者が少なくなかった、とも言える。

    上層部の人間とて、正しく認識できているかは疑問の残る所だが、
    とにかくそんな国がオーブという国に対する評価になる。

    ヘリオポリスの損傷によりアークエンジェルに避難するしかなかった住民達も、
    その価値観にあまり大きな例外があるわけではなく。
    彼らの立場としての正当な不安、要請が存在し。
    これを受けとめ解消、または納得してもらう為の責任。
    それがアークエンジェルにあった。

  • 96スレ主24/06/10(月) 22:51:40

    ただ、前提に反プラントを掲げる地球連合軍。
    彼らに相談を出来ない立場の者も居た。

    「勝手な話とは分かっています。けど、この船を降りれるようにしてくれませんか……?」
    「早く妻と子供に会いたいんです」
    「何だか、周りの方の視線が怖くなってきてしまって……。家の子供は、第一世代なんです」
    「私がコーディネーターだってばれたら不安で……今はまだ誰にも知られてませんけど……」

    キラは十数人の男女から、そんな相談を受けていた。
    彼らはオーブ国籍のコーディネーター、またはコーディネーターの子供を持つ親達だった。
    ザフトの襲撃、カズィとフレイの会話により立場が悪くなっていたのだ。

  • 97スレ主24/06/10(月) 23:01:48

    これでジャンク屋ギルドのキャラバンにでも遭遇できれば、
    拾ったジン辺りを対価に避難民を引き取ってもらう手段もあったのだが、
    あいにく遭遇しないまま進んでいたため解決できなかった。

    ところがだ、戦闘力も居住性も格段に上のグレートフォックスと合流して移ったことにより、
    彼らの安全性は改善されたのだ。
    極論すれば完全自動運行が可能な艦なのでアークエンジェルの人材不足はどうしようもないが、
    (そもそもクルーがジャックと三人のパイロットしかいなかった)アラートを鳴らす遥か前に
    海賊等の襲撃を探知、撃退できるため安心して休息を取れるようになった。

    アーウィンの整備も万全になり、味方との合流に向けて強行突破……とはならなかった。

  • 98スレ主24/06/10(月) 23:15:24

    アークエンジェルである物資が不足し始めたのだ。

    水である。

    飲み水が無ければ人間は三日で死亡するうえ、生活用水に艦・MSの機能を維持するための
    洗浄にも必要になって来る。
    今はまだ余裕があるが、早めに補給しなければ合流に動けない状態だった。

    グレートフォックスにも水の在庫はあり、水素を確保して水を作り出す機能はあるが、
    残念ながら必要量の確保には程遠かった。

    そのためMSパイロット達は、総出で水を確保するためにデブリベルトを飛び回っていた。

    クララ『泥棒猫、そっちは?』
    キラ『駄目ね引っ付き虫、飲料ボトル数本分よ』

    コンビを組むようになったキラとクララだが、お互いを罵り合うほど仲が悪かった。
    ウィルとしては余計なストレスを増やしてほしくなかったが、自分が原因なので何も言えなかった。

  • 99二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 08:23:22

    ほしっ

  • 100スレ主24/06/11(火) 15:46:29

    数百人が暮らす艦の内部。
    それを清潔に保ち続けるのは、少ないクルーだけでは難しい。自動化できる所には限界もあるのだ。
    グレートフォックスにはそういった機能や、その作業を行うロボットも存在するが、
    やはり規格が違うアークエンジェルで使うのは難しい上に、借りっぱなしにもできない。

    そこで、現在アークエンジェルでは避難してきた民間人の方達に、
    数日に一度でも何かの雑務を手伝ってもらえるようにお願いをしていた。

    今日は替えの簡易衣服の配給と回収で人手を募っており、フレイ・アルスターもそれを手伝う一人だった。

    彼女は婚約者のサイと一緒に居たいのだが、彼は事もあろうに友達と軍の仕事を手伝い始めており、
    勤務が終了してからでないと会えなかった。
    フレイも何かを手伝わないとダメ、と、サイに言われたのでたまにやっている事だが、
    正直フレイは不満を抱えていた。

    ちゃんと大事にしてくれないとだめではないか……そう考えていた。
    同年代は少ないし、知らない人ばかりで寂しいのだ。

    挨拶する位の顔見知りは出来たが、そうそう仲良くは出来ない。

    コーディネーターはグレートフォックスに移ったみたいだが、
    まだアークエンジェルに混じっていたら怖い。

    それでもサイの友人の、キラ・ヤマトとはちょくちょく顔を合わせていた。
    およそ居住区にいるフレイと、格納庫とグレートフォックスを行き来する
    キラは意外によく出会う。
    フレイはそれが嫌だった。

  • 101スレ主24/06/11(火) 15:50:13

    スパイじゃないか、とか、彼女のせいでこんな目にあっている、
    などの噂がちらほらとあるのを聞いていた。
    ハッキリ言えばただの鬱憤晴らしの愚痴だが。

    怖いから距離を置いてほしいとサイに言ったら、逆に、何て事を言うんだと怒られた。
    キラはそんな奴ではないと。

    それもフレイの不満の一つだった。

    遺伝子を弄るなどまともな人間の考えではない。
    そういう親の子供に生まれたコーディネーターなんて、
    それこそ何を考えて動くのか分からないではないか。

    人間じゃないのに信用できるのか?

    だからフレイはなるべく関わらないようにしようとするのだが、
    それもサイに怒られてからは少しだけ話すようになっていた。

    フレイは、一応サイの友人だからと、渋々我慢をして相手をするようになった。

  • 102スレ主24/06/11(火) 21:05:46

    一緒に行動している女性兵士とカーゴを押し歩き、手分けして衣服の回収と分配をしていると、
    そこにウィルと一緒に通りがかったキラが歩いてきた。

    上着のボタンを外して少しだらしない格好で歩いている。
    一目見て分かる位に疲れた顔をしているが、なんだか肌艶がよくなっていた。
    黒髪をポニーテルにした少女と目線をぶつけ合っているせいでこっちには気づいてないようだ。
    その方が助かる、色々と気まずいのだ。

  • 103スレ主24/06/12(水) 07:30:14

    そこにトールがやって来た、いや走っていた。
    トールは新米パイロットとして、ムウから一日10キロを走れと申し付けられていた。
    キラも走ろうとしたのだが逆に止められている。
    他にもやることがあるから軽めにしておけと。

    民間人の中にも、真似して艦内をランニングする者が出ているのは、まあ仕方なかった。

    トール「あー、三人ともー。おはよう!」
    ウィル「おはようさん」
    キラ「トール、おはよう」
    クララ「おはよう」
    フレイ「お、おはよう。トール」

    挨拶もそこそこに、じゃあ三人とも、訓練の時に、と走り去っていくトールを、フレイは怖々と見つめた。
    際の友人であるトールと、年齢が近いからクララとも顔見知りにはなったが、
    ウィルを含めた三人はモビルスーツのパイロットをやっている。

    ナチュラルなのに、何を考えているのか分からなくて少し怖かった。
    戦争に巻き込まれないように中立のヘリオポリスに居たのに……戦争なんてやりたい人だけでやればいいのだ。

  • 104二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:46:46

    この状況描写の丁寧さが好き

    この時点でのフレイは親からの思想の影響特に強いし、このある種の平穏が何らかの犠牲の上に在る事を理解出来ない世間知らずのお嬢様でしかないんだよなぁ…

  • 105スレ主24/06/12(水) 18:24:27


    クララ「ダメねマリューさん、今のままじゃ焼け石に水よ」



    ウィル「廃棄船に残ってる分なんて高が知れてるからな。

    もっとデカいもんじゃないと確保は難しいぜ」


    ストライクの整備がてら、アークエンジェルに戻ってきた二人の報告を聞き、

    マリューとナタルは顔を覆った。

    予想はできていたが、MSが訓練がてら確保してくる物資の量が少ない。

    どうしても消費量の方が上回ってしまう。

    しかし事前準備も検討もない机上の空論での作戦は多くのほころびを抱えている。

    現に、それに頼った作戦を敢行した地球軍は、

    ザフトのMSに手痛い代償を支払う羽目になったのだ。


    ウィル「しっかし、デブリベルト。

    人類が宇宙に進出して以来、撒き散らしてきたゴミの山か…」


    ウィルがモニターに映る外の風景を眺める。

  • 106スレ主24/06/12(水) 18:24:47

    ウィル「矛盾だね。人は新たなフロンティアを宇宙に見出したというのに、
    誰にも汚されてない宙を人は自らの手で汚していく。
    これじゃ、害虫と何が違うんだろうな……」
    ナタル「ウィル准尉、冗談を言ってる場合じゃないぞ」
    ムウ『まあ待てバジルール少尉。
    この先にある物を知れば、
    害虫と思える気持ちも少しは理解できるさ』

    多くの戦場を転々としてきたムウは、このデブリ帯の中にある巨大な墓場には見覚えがあった。

    ムウ『はは…確かにな。俺達は害虫かもしれん』

    人類の業。人が生きていけない世界に浮かぶ、人が住まうために作られた大陸。死んだ大地。
    それにすがる自分たちは、紛れもなく害虫だ。

    しかし、ムウはあえて視線を逸らさずにいた。
    その業を背負って、自分たちは生きているのだからーー。

  • 107二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 05:46:55

    宇宙の墓標となったあの場所、だな

  • 108二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 07:38:46

    俺達の目の前には大陸と見間違う程に巨大な建造物の残骸……

    ユニウスセブンがあった。

    ナチュラルとコーディネーターが本格的戦争を始めたきっかけとも言える悲劇。“血のバレンタイン”。
    唯の農業用のプラントだったユニウスセブンに地球軍が放ったと思わしき一発の核ミサイルが全てを滅ぼした。

    推定死者数、24万3721名。

    これはC.E.の歴史を語る上で決して忘れ去られる事はないだろう。

    当時プラント理事国はプラントの食料の独自生産や自給自足を禁じてた。
    つまり、ユニウスセブン自体は条約違反の違法建築だった。

    ウィル(だからってな…軍事施設でもない場所に核弾頭撃つか?)

    必要な物がないか探して扉を開けたその先には……

  • 109スレ主24/06/13(木) 10:26:01

    キラ・ミリアリア「「キャァァァァァァー!!」」

    ミリアリアとキラの悲鳴が響く。
    幼い子供を抱いて宇宙の冷たさに凍りつき、
    ミイラになって物言わぬ身体となった女性の死体があったのだから。

    トールがこれ以上見せない様にミリアリアを抱きしめる。

    キラ「うっうっ……ウィル……」
    ウィル「…ッ…」

    キラも耐えられないのか俺に寄ってくる。
    クララでさえ、俺と一緒にキラを抱きしめてる状態だ。

    俺の視界には幼い子供の物と思わしき千切れたテディベアが浮かんでいた。
    探せばレノア・ザラという女性の亡骸もあるのかもしれないな。
    気が滅入るから探す気は無いが。

  • 110スレ主24/06/13(木) 10:40:28

    キラのメンタル295-dice1d100=25 (25)


    水とラクス回収後ウィルはdice1d5=5 (5)


    1.キラ相手の慰めロマンティクス

    2.クララ相手の慰めロマンティクス

    3.キラ・クララと3Pロマンティクス

    4.ラクス「一目惚れしましたわ!」ウィル「( ゚Д゚)ハァ?」

    5.キラ・クララ・ラクス相手にフルバースト


    うつ病で体調が安定しないので、感想や保守はありがたいです。

  • 111スレ主24/06/13(木) 10:41:04

    なんでこうなった!?

  • 112スレ主24/06/13(木) 11:07:02

    キラのメンタルが大して削れてない理由dice1d5=3 (3)


    1.ウィルが抱きしめたから

    2.クララに弱気なところは見せたくない

    3.ウィルの体温、えへへ~(涎)

    4.錯覚だけどウィルのオイニー(涎)

    5.後でウィルとロマンティクス~♪

  • 113二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 20:31:43

    少なくともダメージ軽くて良かった…この際煩悩パワーさまさまなのも仕方ない
    そしてそろそろ来るか、ピンクのお姫さまが

  • 114スレ主24/06/13(木) 21:37:44


    キラ「あそこの水を!?本気なんですか!?」


    キラが怒気を込めて言うのは、そこで見た光景に由来していた。

    戦争のせいで、復興や遺体の回収すら行われなかったユニウスセブンには、

    多くの被災者の遺体があった。大人に子供、老人も含めて、

    ありとあらゆる無関係な一般市民が、宇宙の冷たさに凍りつき、ミイラとなってユニウスセブンに漂っている。


    同行したミリアリアも、あまりの衝撃でしばらく部屋に閉じこもってしまったほどだ。


    ナタル「ーーあそこには、一億トン近い水が凍り付いているんだ」


    ナタルの言葉は、あまりにも合理的だった。ユニウスセブンはもともと農業用のプラント。

    牧草地帯や田園地帯を維持するための莫大な水が、氷となって埋まっている。

    その氷から水を補給しようと言うのだ。


    キラ「でも!…ナタルさんだって見たでしょ?

    あのプラントは何十万人もの人が亡くなった場所で…それを…」

    マリュー「水は、あれしか見つかっていないの」


    キラの言葉を、マリューが無慈悲に遮る。

    水は、あそこにしかない。

    その現実が、重くのしかかる。


    広いデブリベルトを探せば、他にも水はあるだろうが、

    近場で見つかる保証も無いし、量がある保証も無い。

  • 115スレ主24/06/13(木) 21:59:36

    キラは陰鬱そうに項垂れる。
    彼女が感じてる気持ちは正しい。
    だが、その正しさでどうにかなるほど、現実は甘くない。

    ムウ「誰も、大喜びしてる訳じゃない。水が見つかった!ってよ…」
    トール「フラガ大尉…」
    ムウ「誰だって、できればあそこに踏み込みたくはないさ。
    けどしょうがねぇだろ。俺達は生きてるんだ!ってことは、生きなきゃなんねぇってことなんだよ」

    その言葉が、今の全てだった。

    自分たちが呼吸をし、生きている以上、ユニウスセブンから取り出さなきゃならない物資がある。
    それを、道徳的な感情を優先して無視すれば、今度はこちらが死に直面する。

    生きるためには、必要なことだ。

    そう、言い聞かせるしかないんだと、誰もが言った。

    俺はテキパキと準備を進める。
    アルコンガラの面子もだ。

    キラ「ウィルは、なにも…なにも感じないの?」

    気がつくと、キラはそんなことを俺に問うていた。
    サイやトール、カズイも同じような眼差しで、俺を見つめる。

  • 116スレ主24/06/13(木) 22:06:39


    ウィル「……俺の両親はかなりの資産家でさ、昔は何不自由なく過ごしてた」


    邪魔になるからと、心の奥にしまいこんだ物を取り出すように、俺は呟く。


    ウィル「けどある日、揃って事故死しちまってな

    その後がめつい親族に散々振り回されたよ、ジャックがいなきゃどうなってたか。

    でも……両親の死を悼むよりも、これからどうするかを考えないといけない。

    そのことに一切変わりはなかった」


    どれだけ大切な人が居なくなったとしても、時間は止まってはくれない。

    なら、感傷を無視してでも前に進むしかない。


    ウィル「他の面子も似たり寄ったりな境遇でな。

    おまけにMSパイロットで食ってるから薄れちまってるんだよ。

    死を悲しむ、っていう気持ちがさ。

    今だって、俺はキラを守る為なら何だってする覚悟があるしな」

  • 117スレ主24/06/13(木) 22:18:40

    それに、キラ達は何も言わなかった。

    ウィル「皆の反応が正しい。正しいんだ。それを忘れたらダメなんだ」

    自分にとって薄れてしまった素直な感情を、どうか失わないでほしい。
    これから酷なことをさせる。そんなことをわかっているのに、
    俺にはそんなことしか言えなかった。

    ウィル「俺を軽蔑してくれて構わない。嫌ってくれてもだ。
    だから、その想いだけは忘れないでいてほしい。辛い事を言ってると思うがな」

    生き抜く。そしてなすべきことをなす。
    そのためになら何だってする。そう心に誓った。

    ウィル「今は結局誰かが泥を被らなきゃならないからな
    今回は俺達がその貧乏くじを引く羽目になった、それだけの事さ」

    そう言って俺はアーウィンに向かった。
    物陰で聞き耳を立てていたフレイが、呆然と立っている横を通り過ぎて。

  • 118スレ主24/06/13(木) 23:00:07

    地球側が支援で作ろうとした工業用コロニーを、
    プラントは自国の自給自足のために農業用に違法に改造した。
    ユニウスセブンに住む科学者や住人も、ブルーコスモスシンパから見れば全てがテロリストに近い存在。
    そのコロニーを攻撃の目標にするのは必然でもあっただろう。

    だが結果はどうだ?

    エイプリルフールクライシスが起こった。
    約24万人を殺した結果は、より多くの犠牲をもたらす報復が、
    地球を深刻な危機に陥れるものとして返ってきた。

    たった一発の核で、世界情勢は互いを憎しみ合う根絶戦争へと転がり落ちたのだ。

    ウィル(ほんと、ばかばかしい話だよな)

    命の危険に晒されてきたコーディネーターが新天地を求めるのも、
    自力で生きていける環境を作ろうとするのも必然だったはずだ。

    望んでコーディネーターに生まれた奴など一人もいない。
    仮にコーディネーターが産まれてきてはいけない存在だったとしても、
    産み出したナチュラルには同等以上の責任があるはずだ。

    [背負わされた]当事者達にだけ、ありもしない[責任]を取って死に絶えろ?
    ナチス亡霊かと言いたくなる。

  • 119スレ主24/06/13(木) 23:26:16

    そんなことを考えながら、俺達は折り紙で折った花をユニウスセブンに撒いた。
    自己満足かもしれないけど、無断で行うのではなく、今自分達ができるせめてのもの葬いをしたい。
    キラやミリアリアの言葉で、アークエンジェルクルーや避難民達、
    アルコンガラ総出で折り紙の花を作る事にした。

    死後の世界があるかなんて確かめようがない。
    それでも、墓荒らしをするのだからこれぐらいはしたかった。

    ウィル(どうか、安らかに)

  • 120二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 07:34:20

    そう、どれだけ喚こうが現実はその時の感傷なんて一切お構いなしなんだよね……

  • 121スレ主24/06/14(金) 11:14:56

    アークエンジェルから出た作業用モビルアーマー、ミストラルは氷の回収作業をしていた。
    サイやカズィも、作業に当たっている。

    俺達MS組はその護衛をしつつ、同じく回収作業をしていた。
    瓦礫に紛れて敵が近づいて来れば、気がつく前にミストラルが撃墜される危険性がある。

    ウィル「…民間船?」

    その中に浮かぶ民間船を見つけた。デブリの多くが撃沈してから時間が経っていたものが多かったが、
    見つけた民間船は真新しく、受けている傷も古びた様子が無かった。

    ウィル(エンジンの熱も残ってる、大して時間は経ってないな)

    海賊か別の武装組織かは知らないが撃沈されたらしい。
    酷い真似をするものだ。

    合掌で悼み、作業に戻ろうとしたその時

    ウィル(救命ポッド?)

    酸素は残ってるみたいだが、こんな場所に来る人間なんてそうそういない。
    ほっといたらどうなるか分かったものではない。
    しかたないから回収しよう。

  • 122スレ主24/06/14(金) 21:11:15

    ナタル「君は本当に、余計な物を拾ってくるな」

    ナタルの声に、諦めと苦々しさが混じる。
    これ以上非戦闘員を増やされるのは困るわな。
    俺としては頭を下げるしかない。

    ユニウスセブンでの作業を終えた俺達は、
    艦橋で待機をしていたマリューとナタルも加わって格納庫へ集まっていた。

    俺達の目の前には、俺が回収した救命ポッドが横たわっている。
    マードックがボートのロックを操作し、やがて「開けますぜ」と言った。

    ハッチが微かな音を立てて開く。周囲に待機した兵士達が銃を構える。

    ハロ「ハロ!ハロ!テヤンデー!」

    開いたハッチから、ピンク色をした球型の物体が飛び出してきた。
    ぱたぱたと耳が羽ばたくように動き、球の真ん中にはつぶらな目が二つ光っている。

    ガンダムシリーズのマスコット、ハロだった。
    妙に小さいが。 

    何者が出てくるのかと身構えていた一同が、その姿に毒気が抜けていくのが見てとれた。

  • 123スレ主24/06/14(金) 21:38:58


    ???「ありがとう。ご苦労様です」


    今度はかわいらしい声が響く。

    一同が慌てて視線を向け直し、その先でふわりと淡いピンクが漂った。


    柔らかく揺れるピンクの髪と長いスカートの裾。

    出て来たのは、キラとそう歳が変わらなく見える一人の少女。

    顔立ちと雰囲気から、童話の世界の姫を連想した。


    長いスカートの裾をなびかせて宙を漂う彼女は、

    呆気にとられて誰も受け止めてくれないので、慣性で飛んでいってしまう。

    俺が丁度いい位置に居たので、彼女を抱きとめる。


    ???「ありがとう」


    微笑みながらお礼を言った少女だったが、すぐに困ったような表情になった。


    ???「まあ、これはザフトの船ではありませんのね?」


    どうや、俺は厄介事の種を拾ってしまったらしい

  • 124二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 06:35:00

    確かに厄介ごとの種ではあるけど、そういうのが後々必要で大事な事だったりするから困るよね

  • 125スレ主24/06/15(土) 12:26:38

    マリュー「それで、お名前は?」
    ???改めラクス「わたくしはラクス・クラインですわ。これはお友達のピンクちゃん」
    ハロ「マイド!」

    とりあえずプラント関係者という事で、マリュー達は尋問することになったのだが、
    士官室では緊張感の無い無邪気な声が響く。
    一応当事者ということで俺も同席しているが、頭痛がしてくる。
    マリュー達も同様みたいだ。

    ムウ「プラントの最高評議会議長もクラインじゃなかったか?確かシーゲル・クライン」

    ムウの言葉に、ラクスがニコニコと返事をした。
    ラクス「あら、シーゲル・クラインはわたくしの父ですわ」

    ムウも頭を押さえた。マジモンのプラントの姫だ。
    特大の爆弾である。

    一瞬話が途切れると、士官室のドアが開き、たくさんの男が部屋に倒れこんだ。
    ナタルが外の様子に勘づいてドアを開けたようだ。

    ナタルは冷たい極寒のような視線で、彼らを見下ろすと雷を落とした。

    ナタル「まだ作業が残っているだろう!さっさと作業に戻れ!」

  • 126スレ主24/06/15(土) 12:31:38

    マリュー「そんな方が、どうして救命ポッドに?」
    ラクス「わたくし、[ユニウスセブン]の追悼慰霊のために事前調査に来ていたのですが」

    今のは無かったことにしたマリューの問いかけに、ラクスが答えていくが、
    その内容にマリュー達の顔が強張っていく。

    ラクス「その最中に地球軍の船と出会ってしまって。その方々には、
    わたくしたちの目的がお気に召さなかったようで……。些細なことで、酷い争いに……」

    要約すると地球軍が民間船をムカつくから、叩き落としたというわけだ。絶対ブルーコスモスだろ。
    倫理観も引き金も軽すぎると改めて思うぞこの世界。

    ラクス「わたくしはまわりの者たちに、ポッドで脱出させられたのですが……。
    あの後どうなったのでしょう……。皆も無事だと良いのですが……」
    ウィル「残念だが、無事なポッドはあんたの分だけだったよ」

    下手に希望を持たせてもな。
    地に付くような深いため息が出た。

  • 127スレ主24/06/15(土) 13:41:28

    フレイ「嫌よ!絶対嫌!!」

    水の補給にストライクの整備と用を済ませ、
    ユニウスセブンを離れてしばらくして、キラ一緒に通路を歩いていたら食堂の方から声が聞こえてきた。
    何事かと思って見てみるとフレイが何か叫んでいる。

    キラ「どうしたの?」

    キラがカズイに尋ねるとカズイは気まずそうな表情を浮かべた。

    カズィ「ああ、ウィルが拾ったさっきの女の子の食事をミリィが
    フレイに持っていくように言ったらフレイが嫌だって……」
    ウィル「食事持っていくだけで?」
    カズィ「うん」

    いくらプラントの人だからってそれくらいであんなに拒絶するなんて
    まるで人間と思ってないみたいだった。
    ホント、こういう宗教的思想というのは面倒臭い。

    フレイ「私はやーよ!コーディネイターの子の所に行くなんて……怖くって」
    サイ「フレイ!!」
    フレイ「あ、も、もちろんキラは違うわよ、それは分かってる!でもあの子はザフトの子でしょ!
    コーディネイターって頭いいだけじゃなくて、すごく強いって言うし、何かあったらどうするのよ…ねぇ!」
    キラ「え…うっ…」

    なんでそれをキラに聞くんだよ…!
    もういい加減頭にきた。

  • 128スレ主24/06/15(土) 13:42:07

    出来るだけ画像を載せたいんですけど、めんどい

  • 129スレ主24/06/15(土) 13:49:43

    ウィル「もう黙れ、聞くに堪えん」


    フレイの眉間に全力のデコピンを食らわせる。

    フレイは痛みに悶絶してのたうち回るが、グーパンじゃないだけありがたく思え。


    ウィル「コーディネーターが全員そんな優秀ってわけじゃねぇ

    病気に強くした程度とか、ナチュラルと大差無いのも大勢いるさ

    そもそも、才能だ能力だは磨かなきゃ無意味だ

    民間人相手に何を喚く」



    フレイ「な、なによ!貴方ナチュラルでしょ!

    それなのにコーディネーターの肩を持つの!?」

    ウィル「同じ人間を下らん理由で差別するのがムカつくだけだ」

  • 130二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 14:01:25

    >>128

    スレ主さんへ、描写はしっかりしているし地の文だけでも充分雰囲気は伝わってるので、画像はどうしても貼りたい場面だけとかここぞという要所要所で使うくらいでいいのでは?と思います

    差し出がましい意見でしたらごめんなさい

  • 131スレ主24/06/15(土) 14:03:14


    フレイ「だ、だって病気でもないのに遺伝子をいじるなんて

    まともな人間の考えじゃないでしょ!」

    ウィル「家畜に農作物、いろんな物を自分の都合で弄ってきたのが人間だろ。

    自分達の遺伝子は例外なんて理屈は通りゃしねぇよ。

    そもそも子供に幸せな将来をって考えるのは親として当然だろ?

    その為の手段としてコーディネーターにすること自体に何の問題がある?

    皆ブルーコスモスに流されすぎなんだよ」

    フレイ「彼らの主張だって理解できるわよ!」

    ウィル「はぁ?…御大層なこと言ってるけど、結局は優等生への僻みだろ

    連中の主張ってさ。そんなガキの癇癪でテロ起こして人殺しをやる馬鹿を理解できる?

    賛同する?お前の脳味噌は蛆の餌になってるのか?」


    何も言えなくなってしまったらしく、フレイは黙り込む。

  • 132スレ主24/06/15(土) 14:17:07


    ラクス「すいません、お邪魔でしたか?」


    重苦しくなった雰囲気をぶち壊すかの様に、ラクスの声が響いた。


    キラ「っで、ってちょっと待って!?」

    カズィ「鍵とかってしてないわけ…?」

    トール「ガバガバセキュリティじゃねぇか…!」

    フレイ「え、やだ!なんで勝手に歩き回ってんの!?」


    各人各様の反応を見て、ラクスは可愛らしく小首を傾げた。


    ラクス「あら?勝手にではありませんわ。

    私、ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけても良いですかー?って。それも3度も」

    ウィル「いや、そもそも鍵掛かってただろ」

    ラクス「それならピンクちゃんにお願いしましたわ」

    ハロ「テヤンデイ!」


    フレイとは別の意味で腹を立てた俺は悪くない、悪くないよな?


    ウィル「姫さんよ、ここは連合の船だ。

    コイツみたいにブルーコスモスに賛同する馬鹿もいるだろうから、

    出歩かない方がいいぞ」

  • 133スレ主24/06/15(土) 14:39:36

    マリュー「間違いないの!?」

    食堂で一件と時を同じくして、その吉報はアークエンジェルにも届いていた。

    チャンドラ「間違いありません!これは地球軍第8艦隊の暗号パルスです!解析します!」

    〈こちら…第8艦隊先遣…モントゴメリー…アー…エンジェル…応答…〉

    その音声を聞いたマリューは立ち上がって笑みを浮かべて叫んだ。

    マリュー「ハルバートン提督の部隊だわ!」

    その言葉に、アークエンジェルのブリッジからは惜しみない歓喜の声で湧きあがった。

    ノイマン「探してるのか!?俺達を!」
    ナタル「位置は!?」
    チャンドラ「まだかなりの距離があるものと思われますが…合流できれば…!」
    ロメロ「ああ!やっと少しは安心できるぜ!」

    そう言って、肩を組んだり、ハイタッチをしたり全員が安堵する。
    この長い旅路もようやく終わろうとしているような気がした。

  • 134スレ主24/06/15(土) 15:22:04

    ジャック「しっかしまぁ、水の問題が解決したと思ったら、今度はプラントのお姫様か。
    悩みの種が尽きませんなぁ。ラミアス艦長!」
    ナタル『冗談を言ってる場合ではありませんよ、ピラタ船長』

    それもそうかと、ジャックは帽子のツバをなぞる。
    マリューからあらかたの事情を聴き終えたジャックは、頭を抱えたくなった。

    マリュー・ラミアス。

    彼女はどうも、トラブルを呼び込む星の下に生まれているらしいと心の中で呟く。
    ガンダム世界の艦長の宿命なのかもしれないが。

    マリュー『あの子もこのまま、月本部へ連れて行くしかないでしょうね』

    苦しそうに言うマリューに、ムウが頷く。

    ムウ『もう、寄港予定はないだろ?』
    マリュー『ええ。でも、軍本部へ連れて行けば彼女は、いくら民間人と言っても…』
    ムウ『そりゃー大歓迎されるだろう。なんたって、クラインの娘だ。いろいろと利用価値はある』

    そうよね、と通信画面越しのマリューは顎に手を添えた。月の本部に連れて行ったとしたら、
    彼女の身柄は取引材料として扱われることになるだろう。ラクスの意思を完全に無視した形で。

    ジャック「ラミアス艦長は、どう考えている?」

    ジャックの言葉に、マリューは顔を上げた。

  • 135スレ主24/06/15(土) 15:23:02

    マリュー『できれば、そんな目には遭わせたくないんです。民間人の、まだあんな少女を…』
    ナタル『うおっしゃるなら、彼らは?こうして操艦に協力し、
    戦場で戦ってきた彼らだって、まだ子供の民間人ですよ』

    マリューの甘い言葉を斬ったのは、ナタルだった。

    マリュー『バジルール少尉…それは…』
    ナタル『ウィル・ピラタにキラ・ヤマト、その友人らを、やむを得ぬとはいえ戦争に参加させておいて、
    あの少女だけは巻き込みたくない、とでもおっしゃるのですか?』

    なんとも都合のいい、と嘲笑うかのような言葉で、ナタルはマリューを追い詰めていく。

    ナタル『彼女はクラインの娘です。と言うことは、
    その時点で既に、ただの民間人ではない、と言うことですよ?』

    その言葉に、マリューもムウも何も答えなかった。しかし、その沈黙を破る人物がいた。

    ジャック「バジルール少尉は、彼女を軍事的に有効利用した方がいいと?」

    元自衛隊という経歴を持つジャックは、その鋭い眼光を帽子の下から光らせ、ナタルを見据えながら問う。

    ナタル『…軍人として、全うすべき事はあるはずです』
    ジャック「しかし、それは修羅道だよ。君の言うことを客観的に見れば、
    君は兵士は単なる駒であるべきだと言っているかのようだ
    それが許されるのは完全に無人の組織だけだよ」

    たしかにその考えは、戦場を生き抜く指導者として必要ではあるだろう。
    しかし、それはあくまで正規部隊での話である。ナタルは一つ大きな間違いをしている。

  • 136スレ主24/06/15(土) 15:25:04


    ジャック「少なくとも、ウィルとキラちゃんや、その友人達は貴女方の手助けを

    するために協力してくれている。彼らと、今回保護した彼女を同列視はしてはならないと思うがね」


    今のアークエンジェルは、経験豊富な正規軍人で運用されているわけでない。

    不慣れな下士官たちと、それに協力してくれている彼らの力で成り立っている。

    その中で厳格な軍人思考を持ち込むのは、ナンセンスだと思えた。


    ジャック「戦略に感情を含めれば負ける。しかし、向かう指針に道徳心を欠くようになっては、

    最早殺戮者と大差ない。そこを忘れてはいけないよ。バジルール少尉」


    戦闘になれば、非情に徹する必要があるのが軍人だ。

    しかし、非戦闘時も非情になるというなら、それは軍人ではない。


    ジャック「ラミアス艦長。とにかく、彼女をどうすることもできない。

    この件は深く話し合う必要があるが、今は友軍との合流が優先だ。

    それが終わってから改めて話し合いをしよう」


    しかしジャックは知らない。

    自分たちが抱えたものが、幼気な少女ではなく、この世界における起爆剤であるということを。

  • 137スレ主24/06/15(土) 15:27:34

    実は結構キラを気遣ってるジャック。

    その理由はdice1d3=1 (1)


    1.ウィルが大事にしてるから

    2.娘みたいに思ってるから

    3.将来の姪だから

  • 138スレ主24/06/15(土) 15:30:31


    ジャック「まあ、将来の姪だと思ってるのも理由だがね」


    ウィルとキラの関係に気付いている。

  • 139スレ主24/06/15(土) 19:45:42

    配膳カートに飯と、水の入ったピッチャーを乗せ、
    俺はラクスを元の部屋に押し込こもうとする。

    それに対して、ラクスはふくれっ面になる。

    ラクス「また、お部屋に戻らなくてはなりませんの?
    わたくしもみなさんと、お話しながら頂きたいですわ」
    ウィル「本気で言ってんのか?」
    ラクス「え?」

    いわゆる壁ドンで、俺はラクスを隅に追い込む。

    ウィル「この艦には、ザフトに攻撃されてヘリオポリスが壊れたから乗っている人も多い
    ここに居る俺達もそうだ」
    ラクス「それは……」

    ラクスが息を呑んだ。
    表面上は変わらないように見えるが、よくよく見れば、少し顔色が悪くなっているし、
    呼吸も少し浅く、目も若干揺れている。

    「そんな状況で、若い女の子が1人。どうなるかなんて簡単にわかるだろ」

    念のためにこの姫様の本性を暴いておきたい、俺が言葉を続けようとしたその時だった。
    ラクスのお腹から可愛らしい音が響いた。

  • 140スレ主24/06/15(土) 19:52:27

    途端に、ラクスの顔が真っ赤になる。

    ウィル「ブフッ」

    俺は堪えきれずに、体を震わせるとラクスから離れた。
    見れば一同揃って笑っている。

    ウィル「だよな。腹減ったよな」
    ラクス「ち、違いますわ!い、いきなりなんなのです!?」

    まあ、緊張とストレスがお腹にいったのだろう。タイミングは完璧だったが。
    なんか、あれこれ考えてるのがバカらしくなった。
     
    その後、しばらくわちゃわちゃしてから食事となった。

    ラクスは恨みがましい目で、俺を見ている。恥をかかされたので当然といえる。

  • 141スレ主24/06/15(土) 19:58:40

    フレイ「ねぇ。アンタ…」

    しばらくしてからフレイは呟くように彼女を見た。
    少し視線を細めて、苦々しいものを噛み潰すように。

    フレイ「アンタは、ナチュラルが怖くないの?憎くないの?」

    パタパタと、ラクスが持つハロの羽のようなパーツが揺れる。

    フレイ「ふざけないで…。答えてよ。アンタも、友達とかをナチュラルに殺されてるんでしょ?
    なんでそんな…ナチュラルと仲良くしようとできるの?なんで?なんでなの?」

    しばらく、ラクスはフレイを見つめてから、にこりと優しく微笑む。
    そこには少女のようなあどけなさはなく、どこか慈愛に満ちた表情であった。

    ラクス「私は、コーディネーターである前に、ひとりの人間ですもの」

    ラクスはそう言って、フレイの固く握られた手をそっと掴んだ。

    ラクス「助けてくださった方々と仲良くしたいと思う気持ちは、間違ってるのでしょうか?」
    フレイ「そんな…子供みたいな…こと」
    ウィル「ま、それが普通なんじゃないの?」

  • 142スレ主24/06/15(土) 20:09:17

    ウィル「俺だって、戦争なんてテレビの向こう側で起こってて、
    自分達には関係ないと思えたら、その国の人間とも仲良くできるもんだ。
    ヘリオポリスで暮らしてたら何となく理解できるんじゃない?」

    現代日本人もそんな感じだろう。

    ウィル「戦争ってのは、憎しみを人の心に植え付ける力を持ってる。それもキモいくらい根深くな。
    フレイがコーディネーターに対して感じていた嫌悪感のように。
    けど、それをどうにかしない限り、このくっだらねぇ戦争も終わらないんだよ」

    撃たれたから撃ち返し、殺されたから殺し返す。
    その連鎖の積み重ねが今のこの世界だ。

    ラクスも悲しげに視線を落とした。

    ラクス「悲しい日々が続きますもの。私も、こんな戦争は嫌いです」

    彼女の本心に判断はつかないが、この破滅的な戦争に悲しみ、嘆いてるのは確かだった。

    ラクス「あなたは意地悪ですけど、優しいんですのね」

    だいぶ年相応の表情になってきた。最初のゆるふわ笑顔固定より良いだろう。

    ラクス「お名前を教えていただけますか?」
    ウィル「ウィル。ウィル・ピラタ」

    名前を聞いたラクスは、年相応の軽やかな笑顔を浮かべた。

  • 143スレ主24/06/15(土) 20:18:21

    すると不機嫌そうな顔をしたキラが、わざとらしく咳払いをする。

    ウィル「それじゃ、部屋に戻るか」
    ラクス「もうすこし、この船を見て回りたいのですが…」
    ウィル「許可が下りねぇよ」

    ま、こんなザル警備だ。きっとこのお姫様、また抜け出すに決まってる。
    それくらいなら、グレートフォックスに移した方がいいかもしれん。
    クララの機嫌が更に悪くなりそうだけど。

    キラ「ほら、行こうウィル」

    不機嫌さを隠さない顔で、キラが俺の手を引っ張る。
    その様子に、ラクスを含めた一同はただ小さく笑った。
    ほんの僅かにだが、ラクスが望んだ未来がそこにはあった。

  • 144スレ主24/06/16(日) 06:59:35

    アルスター事務次官「大西洋連邦の外務にて、事務次官を拝命しているアルスターだ。
    先だって、そちらから送られた乗員名簿に娘の名があった事に驚いてる。
    混乱した状況の中、多くの民間人を保護してくれた事に深く感謝したい。
    また、協力を申し出てくれたオーブ軍人の方々にも、心よりお礼を申し上げる」

    月から向かってきた救援―――正確には、月から出撃した第8艦隊より派遣された部隊、
    という表現になる―――護衛艦のドレイク級4隻と、地球連合の主力艦艇であるネルソン級1隻からなる先遣隊。

    そしてデブリを抜けてきたアークエンジェル。

    合流を目指していた両者だが、その間に広がっていた距離が詰まり、
    ようやくリアルタイム通信に支障が少ない位置まで近づいた、と言えたのが、つい先程だった。

    ボアズからか、プラント本国からの物か、たまに乱雑な妨害電波が飛んでいる空間にぶつかるが、
    それ以外はまあ、おおよそ明瞭と言える宙域だった。

    すぐさま先遣隊指揮官のコープマン中佐、そしてマリューとの間に通信が開始される。

    アークエンジェルはようやく、間違いなく味方である存在の近くまで来れたのだ。

    話さなければならない事が山積みだった。

    とは言うものの、そこは同じ艦隊に所属する者同士。
    まずは、お互いのここまでの航海の無事を労う。そんな始まりだ。

    指揮系統の下位に当たるアークエンジェル側は、指揮官クラスのマリュー、ナタルの2名が並び立ち、
    モニターに映るコープマンに対して敬礼を行った。

    手早く挨拶が終わり、さて本題へ。といった所で先遣隊指揮官と
    旗艦モントゴメリの艦長職を兼ねるコープマンの横から、会話に割り込んで来た者が居た。

  • 145スレ主24/06/16(日) 07:01:19

    それがモニターに映る彼、ジョージ・アルスター事務次官……大西洋連邦の外交政務を担当する高級官僚だった。

    彼は断りを入れてからとは言え、当たり前のように割って入り、
    当たり前のように挨拶を始め、当たり前のように場の主導権を握り出したのだ。

    割り込まれたコープマンが、笑っていないのが目に入っていない。

    アルスター氏が何故そこにいるのかを、何故通信に出るのかを
    アークエンジェルのブリッジクルーのほとんどは、戸惑いで持って迎えた。

    事務次官とは国家における事務方のトップと言える役職だ。
    要人と言って全く不足がない。
    少なくとも前線に出てくる立場の人間ではないのだ。

    そんな人間が、先遣隊の旗艦に同乗して来ているのである。不自然さが目立った。
    モニター越しに見える限りはコープマンの横……ブリッジにおいて艦長の隣に座っているのである。

    アークエンジェルとの通信時に何故。
    いったいどんな用件があるのか。

    クルーが身を固くしながら何事かと聞いていれば、
    内容は偶然アークエンジェルで保護されていたらしい彼の娘、フレイ・アルスター嬢の事。
    それが用件なのか……というのが話を聞かされた者の感想だ。

    しかし、いくら要職にある人間とはいえ戦時の軍艦、しかも指揮官同士の会話に割り込むのはルール違反だ。
    これでは通信の私用に近い。
    おまけにその内容は挨拶と同時に肉親の事。
    他の事も案じてみせてはいるのだが、とにかく娘の事が心配で仕方ないと、次官の顔には書いてあった。

  • 146スレ主24/06/16(日) 07:05:51

    親としては悪い事ではない。
    加えて、アルスター氏の弾んだ声と安堵したような表情、率直な態度は周りからの非難を和らげてもいる。
    親が純粋に娘の身を案じているのだ。
    端から見ていて、もちろん悪い気はしない。

    悪い事でなく、悪い気もしないのは確かだが、かと言って苦笑一つでスルーして差し上げるには、
    中々無理のある状況だった。
    指揮官としては、クルー達の疲れと脱力が浮いている顔を見てもらい、察して欲しいのが正直な所だと言える。

    実際、モントゴメリのブリッジクルーは、彼の見えない所で渋い顔をしている者が居るのだ。

    ついには「できれば娘の顔を見たいから、ブリッジに呼んでくれないだろうか。
    私が迎えに来たと伝えて欲しい」等と言い出す始末。

    両艦のクルーがさすがに困惑の色を隠せなくなったのを見て、コープマンは口を出す事に決める。
    合流すれば、娘さんとはゆっくり話ができますから、と。
    だから今はちょっと遠慮して欲しい……それを暗に匂わされたアルスター次官は怒る事もなく、
    おとなしく下がった。

    娘に、父が来ている事、もう心配しなくていい事を伝えて欲しいとの要望は、しっかり伝えてきたが。
    どうやら、どれだけ邪魔をしているかの自覚は薄いようだった。

    つまりはそういう人物なのだろう。
    高い階級により、その辺りが鈍った人間なのかもしれない。
    その態度からは政治的な面倒事を持ってきたようには見えず、はっきり言ってしまえば親バカすぎる反応だ。
     
    アークエンジェル、及びモントゴメリのブリッジクルーらの間には、嘲り、
    とまでは言わないが……微妙に渇いた笑いが浮かんだ。

  • 147スレ主24/06/16(日) 07:13:15

    気を取り直して再開されたコープマン中佐との通信にも、何となく、
    緊張と言うか悲壮感と言おうか……毒気が抜かれて緩んだような空気が漂った。
    誤解を恐れずに言うならば、殺伐とした空間に穏和な日常の空気を持ち出されて、
    弛緩してしまった。と言うのが近い。

    これまでの苦労と極度の不安から来る物だろうと納得し、
    これ以上の余計な気苦労を減らすべく音声通信は早めに打ち切ろうと判断した。

    どうせこのまま順調に行けば、後数時間で合流もできそうな距離なのだ。
    長々と音声通信などしていれば、またアルスター氏が親バカを発揮しかねない。
    敵勢力圏で、現場組が、後方のしかも官僚に使っていられる余力など本来はないのだ。
    巨大組織である大西洋連邦、その事務次官クラスだからこそ、
    ここまでは許されているのであって。だからと言って無限に我が儘を聞いてやる義理はない。
    傍受される事を警戒して、最低限の通信量に納めるべきとでもすればよいだろうと。
    コープマンは次官ではなくマリュー達に気を遣う事にする。

    そのように決断したコープマンは合流の手筈と合流予定ポイントを通達すると、
    あとは一定時間ごとの暗号パルスでの連絡に切り替えると指示を下した。
    マリュー、ナタルに対しての軽い激励で手早く会話を終え、
    アークエンジェルのクルーを休ませるように言葉を結ぶと、通信を切ってしまった。

  • 148スレ主24/06/16(日) 15:47:13

    アークエンジェルクルーの無事な姿は見た、彼女達の現在位置も確認した。
    加えて、隣のアルスター次官が早速リクエストをつけてきた事もあり、
    思考の優先順位が切り替わってしまう。

    アルスター「あー、コープマン中佐……もう少し、通信を行いたかったのだが……」
    コープマン「次官。この辺りは敵勢力圏にも近い宙域ですので、あまり音声通信は。
    次官とご息女の、安全の為でもありますので、申し訳ありませんが、どうかご納得ください」

    控えめな表情とは裏腹に、固い声でそう言われてしまえばアルスターは渋りながらも引き下がるしかない。
    別に娘の事だけで来た訳ではないのだが……。

    いや、娘の事が最も大事だ。恥じる事はない、娘が大事なのだ。その為に手を打ってここに居るのだ。
    公権力の私的流用と言われても、早く娘の無事を確かめたいのだ。

    だが、他にも早めに手を付けたい仕事があるのも事実だった。
    ウィル・ピラタというアークエンジェルの志願兵だ。

    強力なMSを駆り、ザフトを次々と打ち倒すナチュラル。
    自分が属する組織にとっては最高の神輿だ。
    孤児だというのもいい、両親をコーディネーターに殺された義憤に駆られたとでっち上げられる。

  • 149スレ主24/06/16(日) 16:29:59

    長が決めたことだが、取り込みに成功すれば自分の手柄になる。
    それは自分の地位をより磐石にする……ひいては家族の身を守る事に繋がると思えるのだ。
    アルスター事務次官は、自分の特徴でもある顔……微笑んでさえいれば敵を作らないと
    評判の柔和な表情の裏で、これからのアルスター家の事を考えていた。

    上機嫌で笑う彼はコープマンから、丁重に丁重にブリッジ退出を促される。
    合流までブリッジに居られれば、たまった物ではない。
    彼が居ると空気が弛緩して仕方なかった。
    退出を促された事を特に気にした風もなく、やたらと人当たりのいい顔でブリッジを出ていくアルスター次官。

    だが彼の残した空気。
    軍人を戸惑わせるその空気はしばらく残ってしまった。
    怠惰ではないが、不満や不快、呆れと言った負の感情を刺激する事には違いがない物が。

    だから、遅れた。

    性能面として既に旧式と言えるドレイク級に、主力ではあるが新型ではないネルソン級ですら
    1隻しかいなかった事は無関係ではないだろう。
    レーダーの運用……各艦の陣形配置や、ノイズによる誤認、
    モードによる索敵範囲のずれ等がちょうど重なった事も不運の一つと言える。
    単純な勘違いや見落とし、緊張による思い過ごしからの細かいヒューマンエラーが
    複数発生するのは人の組織である以上は仕方ない。

    そして細かな失敗が影響しあって、より大きな失敗に繋がっていく事は残念ながら世の常だった。
    そういった諸々の事柄が、ちょうどここで積み重なった結果、
    一つの致命的な事態を先遣隊に持たらしてしまったのは気の毒としか言いようがない。

  • 150スレ主24/06/16(日) 16:30:18

    側面寄りの後方……ボアズからの電波妨害を隠れ蓑に、

    高速で接近してくるdice1d5=1 (1) +2隻のナスカ級。

    それらに気付くのが一歩遅れてしまったのだ。


    後手に回る事が決まるタイミングでようやく、気付いた複数の索敵報告が連鎖的に上がる。

    敵を振りきるのは不可能と、迎撃が決定する頃には既に、

    多少の無理をすれば砲撃戦に入れる寸前のような距離だった。

  • 151スレ主24/06/16(日) 21:24:36

    一方、アークエンジェルのブリッジでも弛緩した空気はやはり広がっていた。

    少し浮わついている……酷いとは言えないが、軍艦のブリッジという場においては少し、

    いきすぎた場合のそれ。


    その時、彼らの弛緩した空気を吹き飛ばす報告が上がった。

    叫んだのはトノムラ。


    トノムラ「……艦長!先遣隊旗艦、モントゴメリより入電!レーザー通信です!

    我、敵に捕捉され、これより交戦に入る……アークエンジェルは合流を中止、離脱を開始せよ!」


    同時に、ブリッジ前面の多重構造になっている強化ガラス部分から見える外……

    先遣隊がいるであろう遠方の空間に、複数の光が走ったのを彼らは目にする。


    戦闘の光だ。クルー達は絶句する。

    間違いない、先遣隊がザフトに攻撃されている。


    ナタル「状況は!?」

    トノムラ「敵艦は3隻、ナスカ級!モビルスーツはジンがdice1d5=2 (2) +9機、

    ジンハイマニューバがdice1d5=1 (1) +3機、最後の1機はイージスです!」


    マリュー「くっ!あのナスカ級だというの!……今から反転しても逃げ切れる保証も無いわ。

    アークエンジェルは、先遣隊援護に向かいます!」


    戦況を確認したマリューは、先遣隊の援護に向かうことに決定した。


    ジャック『了解したラミアス艦長、こちらもMS隊を出す』

  • 152二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 04:14:55

    何か助けられても変な思惑に振り回されそうだし、本編通り助けられなくても後味最悪だしという状況になってきた…

  • 153二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 06:27:23

    まあこのめんどくささがC.Eだしな

  • 154スレ主24/06/17(月) 07:44:55

    コープマンが回避を叫べたのは、ナスカ級からの砲撃が開始されるのとほぼ同時だった。

    後ろを取られている為に回頭している余裕が無い。
    せめて距離は詰められたくないと、前進しながら迎撃態勢を整えようとする最中での叫び声だ。
    彼が直接指揮するモントゴメリが回避運動を始める。

    それに必死で付いていくように先遣隊の各艦も回避運動に入った。
    後ろから飛んできた艦砲射撃がそれぞれの艦を掠める。

    最も後方に位置していた1隻のドレイク級……
    カニンガムと名付けられた艦が集中攻撃を食らい、エンジン部に被弾した。
    慌ててエンジン付近にある着脱可能な燃料タンク……将兵には弱点丸出しの設計と不評のそれを、
    そのタンクを切り離して誘爆を防ぐ。
    まだ沈まない代わりに足と燃料を失って、カニンガムはまともな移動ができなくなってしまった。
    容赦なくナスカ級からのビームが飛んでくる中、
    カニンガムは捨て鉢になったように回頭しつつ、ミサイルとモビルアーマー隊を吐き出し始める。

    コープマンは申し訳ないと思いながらも、カニンガムに囮をやってもらう決断を下した。
    その間にこっちの態勢を整えるしかない。
    各艦のブリッジにおいて指示を下す艦長、下されたオペレーター達の声が響き渡る。

    「モビルアーマー隊、発進まだか!……違う、全機だ。全機体!全部!鹵獲ジンも全部だ!全部出せ、急げ!」
    「対空機銃、敵を近づけさせるな!主砲、ナスカ級の足を止めろ、接近されたら終わりだぞ、弾幕!」
    「直撃です!カニンガム中破!ジェンキンスが援護行動に入ります!」
    「敵モビルスーツ部隊、なお増加中! 囲み込むように接近してきます」

    回避運動とモビルアーマーの緊急発進を急いでいた先遣隊の各艦。
    最初に足を止められていたカニンガムが、さらなる攻撃を受けブリッジにビームを食らい半壊する。
    悪かったのは操舵でも運でもない、純粋な位置のせい。

  • 155スレ主24/06/17(月) 07:45:07

    その報告を聞いたコープマンは、カニンガムは完全に死んだ物と判断した。
    もう援護は意味が無い。
    オペレーターは中破と言ったが、既に大破、撃沈させられたような物だろう。
    司令部たるブリッジを潰されたうえ、敵モビルスーツが近づいて来るのがモニターで見えているのだ。

    瀕死の餌に集る蟻だ。

    コープマン「敵モビルスーツ部隊の機種特定急げ!正確な所を知りたい。まだか!」

    周りの者達が慌てるなり騒ぐなりしていれば、逆にコープマンは落ち着いてしまう。騒いでも仕方ない。
    とは言え、はっきり命令を聞かせようとすれば怒鳴るしかないのだ。
    敵モビルスーツ部隊の機種特定、及び規模の報告が上がってくる。

  • 156二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 17:57:08

    この辺りは本編通りだから、この後はアレか…

  • 157スレ主24/06/17(月) 23:41:02

    奪取されたGが1機。
    エースか指揮官用のジン・ハイマニューバが4機。
    ジンの強行偵察型が2機。
    ノーマルのジンが11機との事。おまけに、中には妙な装備を付けている機体もあるようだ。
    望遠モニターで捉える限り、フォルムがおかしいのが居る。
    要塞攻略装備か追加装備とやらか。

    強烈な数だ。質も高い。

    更に、ナスカ級は6機を搭載できるスペックがある筈だ。
    一切の出し惜しみをしていない。
    艦隊を持って相手取るべき規模の数と言えた。たかが5隻では勝ち目などない。
    それを理解している索敵班の声は絶叫に近かった。

    接近してくるモビルスーツ部隊の隊形には広めの隙間があるが、
    その隙間からはナスカ級の砲撃がきっちり飛んで来ていた。
    無難だが、手堅く嫌らしい攻め。敵艦側の錬度の高さも分かる。

    コープマンは足を止めての戦闘を禁止した。
    後退しながら回頭を少しずつでも進めて、武装の射角を確保しつつ粘るしかないとの判断だ。
    敵モビルスーツに集られ始めたカニンガムの、自動制御の対空機銃……
    それが細々と弾を吐き出し始めるのがモニターに映った。

    身を守る為のそれは断末魔の叫びにしか見えない。

  • 158スレ主24/06/17(月) 23:41:32

    コープマン「……カニンガム乗員の脱出状況を確認しろ!」

    コープマンが叫ぶ。
    酷いやり方だが、地球連合軍には相対しているザフト部隊の[凶悪度]を測る方法があった。
    後退する艦や機体、離脱するしかない脱出挺などに攻撃をかけてくるかどうか、だ。
    国際条約の観点から言えば絶句するような物だが、それが対ザフト戦の現実でもある。
    そしてその意味では、目の前に展開するザフト部隊は最悪の部類に位置した。

    息も絶え絶えに機銃やミサイルを放つカニンガム。

    その艦体に完全に止めを刺して爆沈させ、さらに脱出挺までも根こそぎ捕捉……
    撃破していくジンの姿を先遣隊の各艦はモニターで捉えたのだ。
    強硬派だ。それもかなりの。

    戦術的に見た場合、脱出挺などは放っておいてもいいのだ。
    むしろその方が敵に手間として負担を与える場合もある。
    それでもわざわざ根こそぎにしてくると言う事は。
    ナチュラルに恨みを抱いているか、暴れたくて堪らない連中に他ならない。

    カニンガムの散った証、二百人近い将兵を巻き込んだ巨大な閃光。
    それに目を細めながらコープマンは歯を噛み締める。

    コープマン「……アルスター次官の脱出は待て!」

    少なくとも今は放り出せない。
    逃げるか、勝ってからのどちらかしかない。
    どちらも不可能だ。

  • 159スレ主24/06/17(月) 23:42:24

    せめて、アークエンジェルがこの宙域から離脱するまでの時間を稼いでやらねば……
    そう考える彼だが、完全に劣勢なモビルアーマー隊の被害が報告されていた。
    近接防御の役目を果たせていない。
    モントゴメリにはアルスター次官の護衛にと、鹵獲運用しているジンを2機積んではいる。
    配属されたパイロットはもちろんコーディネーターだ。
    それなりの実力者の筈だが……この戦力差ではどうにもなるまい。
    むしろ保身からの裏切りを警戒しなくてはいけない。

    コープマンは思わず椅子の肘かけを叩いた。
    噛み締める歯が割れそうな程に軋むが、悪態も出てこない。
    もはやいつまで持つかが焦点の戦いだ。
    逃げ回ったとしても数時間かそれ以下か。
    哨戒部隊ではない連中と遭遇したのが運の尽きだ。しかしこれ程の厚みがある相手がうろついているとは……。

    コープマン「……アークエンジェルに第8艦隊の位置を打電だ! 戦域離脱急がせろ!」

    ナスカ級が相手ではアークエンジェルも逃げ切れるか微妙な所だが、
    戦闘指揮に忙殺されるコープマンには、もはや向こうの行動を気遣う余裕がない。
    高速艦だ、何とか逃げてくれるだろう。そう考えるしかなかった。
    月から出迎えに来ている本隊の位置、それを打電させると彼は指揮に頭を切り替える。
    コープマンがちょうど見たモニターの中で、またモビルアーマーが墜ちた。爆発。
    部下を死なせてしまい頭が沸騰しそうになる。
    努力して冷静になろうとしている所に、ゲストキーを使いブリッジに許可もなくアルスター次官が飛び込んできた。
    彼の喚く声はさらにコープマンの神経を逆撫でした。

  • 160スレ主24/06/17(月) 23:42:35

    『敵モビルスーツ……じゅ、18!?ちくしょう!くそったれ!』
    『だから嫌だったんだ、こんな所に来るのは!』
    『最低でもハイマニューバタイプが4機混じっています、D装備複数を確認!』
    『哨戒部隊どころじゃねえぞ! なんだこいつらぁ!?』

    先遣隊に配属されていたモビルアーマー隊のパイロット達は、悪態をつきながら死んでいた。
    連合のモビルアーマー隊と、大きく違わない数の敵モビルスーツが展開してきているのだ。
    モビルアーマー3機から5機に対してモビルスーツ1機。
    それが現在の戦力比。味方が敵の3倍居てようやく戦える計算だ。
    こちらの弾は当たらず、敵の弾は回避できず。
    次から次へと叩き落とされていく彼らは、コーディネーターかプラントか、
    または連合上層部の何れかに罵倒を遺してから散るか、選べる選択肢はそれしかなかった。

  • 161スレ主24/06/18(火) 00:04:47

    アークエンジェルのロッカールームでは、ムウが大きくため息をついていた。
    艦内通信を終えた所だった。
    少しだけ目をつむり、それから、後ろで座っていた新兵に指示を下す。

    「トール、お前はグレーに乗れ。念のためにジンの装備も追加だ。
    機銃の弾倉を限界まで持ってけよ……悪いが、お前を当てにさせてもらう。
    ほらほら、細かい作戦は乗ってからだ」

    パイロットスーツに着替え、ムウからの指示を待っていたトール。
    彼はムウの妙に落ち着いた声に、むしろ危機感を強めた。
    細かい状況の説明も敵の数も何もない。まず乗れと。

    トールは、とにかく態勢を整えねばならない程の危険な状況なのがあっさりと分かった。
    ついに初陣だ、と言う緊張より、自分達の乗っている船が本当に危険なのだと言う焦燥感の方が強い。
    それでも意地を張る形で平気な顔をしていた。足は正直に震えていたが。

    ムウにくっついて格納庫に来てみれば、マードック達がブリッジから状況を聞いていたのだろう。
    蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
    モルゲンレーテ技術者達がモビルスーツの出撃用意を手伝おうとしている。
    のだが、保安部員がそれを押し止めていた。
    彼らに家族を連れてシャトルに乗り込むようにと、早口で案内しているのが目に入った。
    トールはそれを見て、民間人が万が一に備え脱出の手配をされていると分かった。
    負ける事が視野に入れられている。初陣には酷な空気だった。
    トールはその空気に……これから負ける戦いをやるのかという、その圧力を持った空気に飲まれかける。

  • 162スレ主24/06/18(火) 00:05:36

    後ろからムウに頭を撫でられた。

    ムウ「ほらほらどうした、新米ども。びびったか?……止めるか?」

    冷たくはない、むしろ優しさを感じさせるその言葉は彼を一気に現実に引き戻す。逃げるつもりはない。
    トールは友人の為にという意地がある。自分達だけがまだ役に立っていない。
    食事でも、待遇でも1段上の扱いをしてもらったのだ。パイロット候補だからと。
    その恩を返せていないのだ。
    若者特有の意地だが、だからこそ大事な事だった。
    震えながらも精一杯の強がった表情を見せるトールに、ムウは苦笑する。
    二人がモビルスーツに乗り込むと、ムウは説明を始めた。
    マリュー、ナタルに説明をさせると無駄に緊張をさせそうだと判断しての事だ。
    ここは、自分が軽く喋るに限る。
    アークエンジェルの甲板に立って、射撃をするだけでいいと。それだけを。

    ムウ「俺が前に出て敵を引き付ける。お前はエンジン付近に配置だ。
    近づいてくる敵を撃て。当てなくてもいいから相手の邪魔をしろ、それだけだ。簡単だろ?」

    やるとしたら安全度の高いグレー、そしてムウと組んでの運用……という当初の想定が崩れている。
    ムウは意図的に明るく坦々と振る舞っているが、
    その意味を理解できるだけの頭を持っているトールには、自分は信用されていないと映った。

    トール「大尉、ヤバいんですか? ……俺、逃げませんよ」

    多少顔色は悪いが、トールは落ち着いている……落ち着こうと努力している。
    ムウはそれを見て、思ったより育っていたかと嬉しくなった。そして虚しくなる。
    これで出撃中止にでもなってくれれば最高なのだが。……隠し事は止めるかと諦めたように笑った。

  • 163スレ主24/06/18(火) 00:10:33

    ムウ「……アークエンジェルはこれから敵に突っ込む事になる。味方を助けに行くんだ。
    逃げられないから助けに行く。やられる前に合流しなくちゃならん」

    ムウは現在のアークエンジェルの置かれている状況を、なるべくショックの少ない形で話した。

    ムウ「初陣でやらせる仕事じゃないのは分かるが、やってもらわなくちゃならん。エンジン部を守ってろ。
    ブリッジは俺が守る、敵を落とすのも俺の仕事。……理解できたか?」

    強がろうとしたが、責任重大だ。流石に無茶がすぎる。
    トールは黙って恐怖と緊張に耐えていたが、敵の数が多い。
    担当する部分は失敗が許されない箇所だ。
    グレートフォックスの分を合わせても22対7だ。正気じゃない。
    だがパイロットはパイロットの仕事に最善を尽くすしかない。

    ムウ「よし、出るぞ!トール。俺の機体に掴まれ。甲板の上まで引っ張っていくから慌てるんじゃねえぞ。
    お前は敵を散らせばいいんだ、下手に当てようとか欲張るな。やられない事だけを考えろ」

    聞こえたな。と言うムウの声に、トールは強張りながらも何とか返事を返した。
    トールは何故か、ミリアリアの拗ねたような顔を思い出した。

  • 164スレ主24/06/18(火) 00:14:53

    16対7だった。
    この誤字癖はどうにかしたい

  • 165スレ主24/06/18(火) 00:15:23

    って18だ、またか

  • 166二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 08:27:28

    スレ主さん、どんまい…
    誤表記って書いた当人が一番気になるんですけど、でもそこまで神経質にならないで大丈夫ですからね?
    こういうのは、やっちゃった(テヘペロ)くらいの感覚の方が気が楽です

  • 167二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 17:20:52

    トールここで初陣になるのか
    まぁ、いつ初陣だろうと大変て意味ではそんなに状況変わらなさそうだけども

  • 168スレ主24/06/18(火) 19:57:44

    後が面倒になりそうなので、ラクスはグレートフォックスに移した。
    クララが「また泥棒猫が増えた」と人がしていけない表情を浮かべたが、
    少なくとも俺はラクスに好意は寄せられてない……筈だよな?好かれるようなことしてないし。
    だからキラやクララが危惧することは無いはずだが。
    後フレイも付いてきていた。どうやらラクスの事を知りたくなったらしい。
    それで父親が救援の艦隊に居ることを知って喜んでいた。

    なんで国家機関の重役が戦線に来てんだよ、キナ臭いぞ。
    まあ、もうすぐキラ達を戦いから解放してやれると思っていたのだが、
    そうは問屋が卸さないらしい。

    ミリアリア『総員第一戦闘配備!アークエンジェルならびにグレートフォックスは、
    先遣隊援護に向かいます!総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!』

    アラートと共にミリアリアの艦内放送が流れる。
    救援艦隊が大規模なザフト艦隊の襲撃を受けたらしい、運が無いな。

    キラ「私を…ですか?」
    ジャック『すまない、君が戦いを嫌っているのは分かるが、
    今はどうしても戦力が欲しい。作戦に参加してもらえるか…?』

    キラは通路に設けられたモニターに向かって静かに呟いた。
    モニターに映るジャックは申し訳なさそうではあるが、眼差しは真剣だった。

  • 169スレ主24/06/18(火) 21:53:43

    キラ「私は……」

    もう、戦わなくてもいいと安堵していたのに、
    再び戦争に立ち戻ったことに、戸惑っているのだろう。

    ハロ「モシモシ?モシモーシ!」

    そんな中で、俺の足元に小さなハロが転がってきた。
    ふと視線をあげると不安そうな表情をしたラクスが通路をゆっくりとこちらに
    向かって進んできているのが見える。

    ラクス「何ですの?急に賑やかに…」

    いっそ能天気に思えるほど穏やかにそういうラクスに
    俺はため息を漏らしながら、伸ばしてきた手を掴んだ。

    ウィル「戦闘配備なんだよ…さぁ中に入って…全く、
    どうゆうシステム積んでんだよこのハロ?」
    ハロ「ハロハロ、ハロハロ、ミトメタクナイ、ミトメタクナーイ!」
    ラクス「戦闘配備って…まぁ…戦いになるんですの? 」
    ウィル「そうだよ…ってか…もう…とっくにそうだよ」

    呆れの表情を浮かべる俺に、ラクスは首を傾げた。

    ラクス「ウィル様とキラ様も戦われるんですか?」
    キラ「えっ…私は…」

  • 170スレ主24/06/18(火) 21:57:14

    キラがラクスの問いに、答えあぐねいているところに、
    今度は反対方向からピンクのひらひらした服が浮かんで飛んでくるのが見えた。

    フレイ「キラ!ウィル!ラクス!」
    ラクス「まぁ、フレイさん」

    飛んできたフレイを、ラクスとキラが二人で受け止めた途端、
    フレイは不安げな瞳でキラにすがりついた。

    フレイ「戦闘配備ってどういうこと?先遣隊は?!」

    フレイの問いに、キラはわずかに視線をそらす。
    それが決定打になり、彼女の冷静さが失われることになった。

    フレイ「大丈夫だよね!?パパの船、やられたりしないわよね?ね!?」
    ウィル「保証はできねぇよ、だが出来る限りのことはする」

    俺は軽く笑い、アーウィンに乗り込む。
    キラも意を決して、フレイの肩へ手を置く。

    フレイ「キラ…」
    キラ「大丈夫だよ、フレイ。私も行くから」

    そう言って微笑んでから、キラはくるりと反転してストライクへと急いだ。

  • 171二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 07:16:34

    あ、そういえばキラにとってまともな戦闘これが初なのでは……
    ウィルが居てくれるとは言え、経験値的に少し心配な流れだ

  • 172スレ主24/06/19(水) 08:45:52

    「護衛艦、バーナード大破!航行不能!」

    窮地に立たされている。

    コープマンは劣勢になる自軍を見つめながら、そう確信していた。発艦したモビルアーマー隊は全滅。
    迎撃しようにも、突発的な戦闘に慣れていないローとバーナードは、的確な対空迎撃姿勢を取れていない。

    「X-303イージス!ローに向かって行きます!」

    敵はその隙を的確に突いて、こちらの構築した守りを崩しつつある。
    バーナードやロー、そして自艦も、轟沈するのは時間の問題だ。

    コープマン「くそ…なんて機体性能だ…!」

    モントゴメリに乗るクルーは、相応の戦場を戦ってきた兵士であるが、
    ジンはまだしも強奪されたイージスを捉えることは叶わなかった。
    モビルアーマー形態となったイージスの機動力はこちらの手元にある
    僅かな情報とは比べものにならないほど高い。
    ナスカ級から放たれる艦砲射撃を回避しながら、
    ジンとイージスの攻撃から逃れるなどーー物理的に不可能だ。

    アルスター「奪われた味方機に落とされる、そんなふざけた話、あるか!」

  • 173スレ主24/06/19(水) 08:46:16

    アルスターの苦虫を噛み潰したような声に、コープマンはギリっと奥歯を食いしばる。

    コープマン「このままでは…!」
    「か、艦長!!後方より、高熱源体急速接近!」

    オペレーターの声に、コープマンはハッとなり、振り返った。
    彼の目に入ったオペレーターの顔は、まるで信じられないものを見るように引きつっている。

    「数は4……これは…!!」

    その言葉の直後に、コープマンが指揮をとるモントゴメリのブリッジの真横を、一陣の光が過ぎ去る。
    ローに攻撃を仕掛けようとしていたイージスを牽制し、その光は艶やかな曲線を描いて戦場を駆け抜けていく。

    アルスター「あれは…なんだ…?」

    アルスターの呟きに、コープマンは口をわずかに震わせて答えた。

    コープマン「流星群?…」

  • 174スレ主24/06/19(水) 09:12:15

    ウィル「全機!救援艦隊を援護する!アルマとラドルは艦の護衛!
    クララは俺と組んで敵MS隊を叩く!散開!」
    一同「「「了解!」」」

    その言葉と同時に、ガンファルコンとジェネラルが飛行形態からMS形態に変形する。

    アルマ「索敵完了!データを送る!」
    ラドル「アイ・コピー!狙い撃つぜー!」

    ジェネラルの肩部のバインダー、前腕部のシールド、脛のビーム砲、
    バックパックのビーム砲が分離し、連合軍艦に纏わりつくジンに向かっていく。
    更にダメ押しとばかりに、バックパックからミサイルが多数発射され、
    複雑な軌道を描きながら向かっていく。

    ラドルはムウ以上の空間認識能力と、複雑な作業を可能とする並列思考能力を持っている。
    つまり、複数の遠隔操作が得意なのだ。
    それにガンファルコンの完璧に近い索敵能力が加わればどうなるか。

    連合艦を沈めようとしたジンは残らず撃墜され、イージスも逃げ回るしかなくなった。

  • 175二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 18:49:14

    本編のこの場面の酷さを知ってると、やっぱり味方側の頭数って大事って本当に思う…

  • 176スレ主24/06/19(水) 19:21:43

    『な、なんなんだよ!こんなの見た事ないぞ!』
    『速い!動きが!ついていけない…!!』

    泣き言のように叫ぶジンのパイロットを尻目に、アスランは護衛艦ローから離れて、状況を観察する。
    状況は圧倒的に有利なはずだった。それなのに突然友軍機が多数撃墜されたのだ。

    そこに二機のMAが飛び込んでくる。
    片方は自分達がヘリオポリス以降辛酸を舐めさせられた相手である[四枚羽根]、
    最近では[凶鳥]の二つ名で呼ばれている白い可変MS。
    もう一機は一対のバインダーが特徴的な蒼いMAだ。

    アスラン「何をやってる!後ろだ!」

    アスランの叫びに反応したジンが、背後から迫る[凶鳥]をギリギリで捉えた。
    ライフルの銃口を迫る[凶鳥]の鼻先へさし向ける。

    『このぉ!!!』

    バララッと打ち出されたライフル弾であったが、[凶鳥]はそれがわかっていたかのように鋭く旋回し、
    弾の合間を縫うようにバレルロールをしながら変形しつつジンの脇を通り過ぎていく。
    そしてジンを真っ二つに切り裂いた。

  • 177スレ主24/06/19(水) 19:32:54

    『な、何なんだこいつ等!?』

    もう一機のジンのパイロットの叫びは、蒼い機体の前では無意味だった。
    蒼い機体は直前でGに似たMSに変形、宙返りのような動きでジンの背後を捉え、
    バインダーの先端に付いたビーム砲で撃ち抜く。

    アスランはなんとか援護しようとするが、二機のスピードと
    変幻自在な動きを前に自分が撃墜されないようにするのが精いっぱいだ。

    『た、助けてくれ!!こ、こんな化け物!!く、くるな…!!』

    残り一機になったジンだが、もはや二機の術中にはまっていた。
    目まぐるしく入れ替わる二機の機影に目を奪われ、
    パイロットは冷静な判断すらままならない状態に陥っていた。

    『ど、どこだ!?上か!?』

    過ぎ去った蒼い機体を追って上を向くが、その先に機体は見えない。
    そして、呆然とするパイロットの真横から鮮やかな桜色の閃光が迸った。

    『よこーーーーー』

    その言葉を紡ぎ終わる前に、ジンは閃光のもと爆散した。
    追いついたキラのストライクによって撃墜されたのだ。

  • 178スレ主24/06/19(水) 20:06:58

    アスラン「ジン、3機が…5分も経たずに…ば、化け物…!!」


    そう呟いたアスランの機体を、大きな衝撃が襲う。


    キラ『アスラン!!』


    接触回線で聞こえたのは、なんとか連れ出そうと心のどこかで考えていた親友の声だった。

    ストライクは盾を前に出して、アスランのイージスへ体当たりをしていたのだ。


    アスラン「…キラ!!」

    キラ『もう引いて!!こんなことをして、何になるっていうの!!』


    普通なら、キラにアスランと戦えるだけの技量は無い。

    だが現時点でのキラの技量は明らかにアスランを上回っていた。

    その理由はクララにある。

    お互い同じ少年に異性としての好意を寄せる者同士、機会さえあれば

    シュミレーターや模擬戦で鎬を削っていた。

    その成果が出ているのだ。


    現在のキラの技量dice1d3=1 (1)


    1.種最終決戦時並み

    2.種割れ無しの決戦時より上

    3.種割れ有りの決戦時より上

  • 179スレ主24/06/19(水) 20:24:51

    勝てない。

    心のどこかで、そんな確信を覚えてしまった。しかしその気持ちを振り払ってアスランはキラを睨みつけた。
    ナチュラルが母を殺した。ナチュラルが戦争を…その憎しみだけを糧に、自分を奮い立たせる。

    アスラン「お前は…まだそんなことを…!」

    そんなアスランを狙い撃とうとした凶鳥の脇を、ビームの閃光が通り過ぎていく。

    ウィル『増援!?』
    クルーゼ『フハハハハ!会いたかったぞ凶鳥!』

    そこには白いシグーが居た。
    ハイマニューバの様な機動性強化のための改造を行い、
    拠点襲撃用で用いるビーム砲を肩に背負った白い鬼の様な機体。

    ムウ『クルーゼか!?』

    真っ先に反応したのは、追いついてきたムウだった。
    ウィルよりも早く、ガンバレルストライクを駆ってクルーゼのシグーへと迫る。
    しかし、クルーゼは迫るムウになんの興味も示さず、撃ち尽くしたビーム砲をムウに向かって乱雑に放り投げた。

  • 180スレ主24/06/19(水) 20:35:02

    それを躱したムウだったが、既にクルーゼが背後に回り込んでいた。

    クルーゼ『ムウ、生憎お前に用は無いのだよ!』

    撃ち出された弾丸は、ガンバレルのエンジン部を捉える。
    所詮は拾い物を再利用した部分だ。PS装甲では無い。

    ムウ『ぐぁっ!!』
    キラ『フラガ大尉!!』

    キラの声に、ムウは大丈夫だと叫んで、なんとか体勢を立て直すが、
    当たり所が悪かったのかガンバレルストライクは黒煙を吹き上げながらみるみる出力を落としていった。

    ムウ『くっそー!!これじゃ立つ瀬無いでしょう、俺は!!』
    ウィル『ムウさんは下がれ!!こいつの狙いは俺だ!』

    その通信を最後に、ウィルとクルーゼがぶつかり合う。

    クルーゼ『さぁ、もっとだ…もっと私に見せてくれ!凶鳥ォオオオオオオ!!』

  • 181スレ主24/06/19(水) 21:04:33

    チャンドラ「イエロー145、マーク24にローとモントゴメリの反応を確認!無事に撤退できたようです!!」

    観測員であるチャンドラが、レーダーに捉えた二隻の先遣隊の安否を継続して確認していく。
    もう一隻であるバーナードは、四つある内の二つのエンジンが停止し、航行不能となっていたが、
    生存した乗組員はローに移り、モントゴメリと共にアークエンジェルが待つ後方へ退避を完了している。

    ナタル「ゴットフリート1番、照準合わせ、てぇ!」

    ナタルの指示のもと、遠くに見える三隻のナスカ級と交戦するグレートフォックスへ援護射撃を行うが、
    牽制が精一杯で当てることは叶いそうになかった。

    ナタル「フラガ大尉は?!」
    ミリアリア「フラガ機、帰還します!機体に損傷!アークエンジェルへ着艦誘導します!」
    サイ「ナスカ級よりミサイル、グレートフォックスへ向かっていきます!」

    その報告を聞き、ナタルがちぃっと歯を噛みしめる。
    今回の作戦は、ジャックの作戦に沿ったものであり、
    アークエンジェルはあくまで後方待機というのが、ナタルの腑に落ちないところであった。

  • 182スレ主24/06/19(水) 21:05:41

    ナタル「くそっ、ここからではまともな援護も…!」
    サイ「ーーフレイ?」

    観測オペレーターをしていたサイが、ふとそんなことを呟く。
    ブリッジにいた誰もが振り返ると、その入り口には顔色を悪くしたフレイが、
    震えた瞳で遠くに見える戦場の光を見つめていた。

    マリュー「え!?」
    ナタル「クラインも!」

    そんなフレイに寄り添うように、ラクスも居たことに誰もが驚いていたが、
    フレイはそんなこと御構い無しに、ブリッジへと体を浮かべて乗り込んでいく。

    フレイ「パパ…パパの船は?」
    ラクス「フレイさん、落ち着いてください」
    マリュー「今は戦闘中です!非戦闘員はブリッジを出て!」

    マリューの咎める声にも怯まず、フレイは叫んだ。

    フレイ「パパの船はどれなの?どうなってるのよ!」

    あきらかに冷静じゃない。
    そう判断したサイが席を離れてフレイの肩に手を置いて、怯えた彼女を見据えた。

    サイ「フレイ!大丈夫だよ!大丈夫だ!お父さんの船は戦線を離脱してる!」

    ほら、と言ってサイが指差す先には、戦域から離れたモントゴメリとローの二隻を表すレーダーが表示されている。
    フレイはしばらく黙って、そのモニターを見つめていた。

  • 183スレ主24/06/19(水) 21:06:40

    サイ「フレイ?」
    フレイ「…キラは?…ウィル…グレートフォックスのみんなは!?」

    その言葉に、サイは咄嗟に口を噤んだ。

    サイ「頑張って戦ってるよ。…でも、向こうにもイージスが居るし…なかなか…」
    フレイ「大丈夫だって、みんな言ったの!私達も行くからって!パパだけが無事だなんて、私はーー」

    許さないーーそう言いかけたところで、アークエンジェルが震えた。
    戦域から逃げる二隻を逃すまいと、ナスカ級が放った艦砲射撃がアークエンジェルの脇を掠めたのだ。

    フレイ「あぁ!」

  • 184スレ主24/06/19(水) 21:06:56

    揺れに耐えられなかったフレイを、サイが受け止めようとしたがそれは叶わずに、
    咄嗟にラクスがフレイを支える形となった。
    遠くでは、二隻を追わせないようにグレートフォックスがナスカ級との艦隊戦へ突入しているのが見える。

    サイ「フレイ!さ、行こう。ここに居ちゃ駄目だ!」

    サイが差し出した手を、フレイが手に取った時だった。

    カズィ「敵モビルスーツ、シグー1機とアーウィンが交戦…え、なんだよ…これ」

    観測していたカズィが、困惑した声を出した。

    マリュー「どうしたの!?」

    マリューがそう問いかけるが、カズィは歯切れ悪く、
    うまく自分が観測した情報を伝えることができずにいた。ただ、わかっていることはある。

    「センサーが、なんだこの反応…こんな動きが、可能なのか…?」

    まるでテレポーテーションするように、入れ替わる敵と味方の反応。
    最新鋭である観測装置が、捕捉しきれない速さで、彼らは戦闘を行なっている。
    そのモニターした戦闘が、常軌を逸しているということだけは、はっきりと断言できた。

  • 185二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 07:52:19

    保守

  • 186スレ主24/06/20(木) 13:43:05

    機体性能のおかげで掛かる負担はほとんどない。
    それなのに息すら、まともにできない。
    そんな状態が、何時間も続いているような感覚だった。

    ウィル「ぐぅう…がっ…ハァーーッ」

    互いに放つ攻撃は僅かでありながら、複雑に交差し合う機動戦の中で見えた針の穴のようなチャンスに
    全身全霊を込めて、鎬を削る。その軌跡は数を増すことに鋭さと速さを増していく。
    どこか舞踏会のワンシーンの様な美しさすらあった。

    クルーゼ「ぬ…ぐぁ…」

    クルーゼも同じだった。彼が本気でウィルに追いつこうとしているのは事実であったが、
    その機動戦はクルーゼが味わったことのない前人未到の戦いだった。
    戦争が始まってから、血の滲むような努力と経験で培った操縦能力を駆使しても、
    相対する凶鳥への決定打につながる道筋すら掴めない。
    これほど、心が躍ることはあるだろうか?いや、無い。クルーゼにとって、ウィルと戦う今、
    この瞬間がなによりも充実した時間となりつつあった。

    クルーゼ「素晴らしい!!私の人生はこの為にあったと確信できる!!
    はっはっは!!もっとだ!!もっと見せてくれ!!」

    機体の外へ体が持っていかれそうな感覚に、歯を食いしばって耐えながら、
    クルーゼの口元は歓喜に歪んでいた。

  • 187二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 20:08:17

    だいぶ執着されてんなぁ
    こりゃ帰って来たらウィルはダウン確定か

  • 188スレ主24/06/20(木) 21:31:13

    戦闘を間近で見ることになったモントゴメリのブリッジは、静寂に包まれていた。

    コープマン「観測員!!」

    コープマンの怒声に、あんぐりと口を開けて戦闘データを見ていた
    オペレーターが慌てて端末を操作していき答える。

    「記録してます!!」

    コープマンも、その隣にいるアルスターも、頭上に映るモニターの中で繰り広げられる激闘に見入っていた。
    観測員がカメラを操作しているが、2機の動きが速すぎて捉えることは叶わず、
    とにかく戦闘を記録するために全体望遠で2機の機動戦を映し出している。

    アルスター「嘘だろ?あんな機動が、できるのか?」

    アルスターの言葉に、誰も答えなかった。
    モントゴメリのクルーは、アルスターを含めウィルの戦闘を初めて見るものが多くいた。
    その信じられない挙動や機動力に、誰もが驚愕している。

    コープマン「これが、ウィル・ピラタ…」

    コープマンは、感慨深くそう呟く。
    彼は、その鬼神のような闘いぶりに敬意を表していた。

  • 189スレ主24/06/20(木) 21:31:24

    コープマン「くそ、我々は見てるだけで、何もしてやれないとは…!!」

    故に歯がゆさもあった。先遣隊で出てきたというのに、
    自分たちは撤退しかできない。そう思うと自分が情けなくて仕方がなかった。
    ウィルが13歳の少年だと聞いてる分、なおのこと。

    ジャック『しかしーー彼らの手助けはできます』

    その声に、コープマンは顔を上げた。音声通信で届いたのは、
    自分たちを逃がすためにナスカ級と艦隊戦を繰り広げているグレートフォックスからの声だった。

    コープマン「貴方は?」
    ジャック『私はジェームズ・ピラタ。グレートフォックスの船長です。
    コープマン大佐。あなたに準備してもらいたいものがあります』

    音声の向こうで、ジャックは帽子の下で鋭い眼光を光らせていた。彼の中にはすでに目算はあった。
    この状況を打開するための奇策の一手が。

  • 190スレ主24/06/20(木) 21:45:56

    ナスカ級高速戦闘艦ヴェサリウスの艦長を務めるアデスは、いつになく苛立っていた。
    プラントで補給を受けたばかりだというのに、受領したジンを早くも全て失い、
    指揮をとるはずのクルーゼは独断でシグーを駆り、凶鳥との戦闘に興じているときている。

    しかも、自分たちの前に立ちはだかるグレートフォックスも、
    その驚異的な回避運動と艦首のビームシールド、的確な撹乱で、こちらの読みの裏を突いてきている。

    アデス「艦尾ミサイル、てぇ!!主砲も発射しろ!!」

    コーディネーターとしての彼のプライドが、いつもの冷静な判断を鈍らせていた。
    発射されたミサイルはグレートフォックスへたどり着く前に、
    展開されたチャフにより光学カメラの誘導機能が使い物にならなくなり、主砲もまた空を切る結果に終わる。

    彼が冷静さを欠く理由がもう一つあった。
    前衛のMS隊が、わずかな間に全滅したのだ。

  • 191スレ主24/06/20(木) 21:54:07

    《新手が出てくるぞ!狙撃を……よ、避け!?》
    《何だこいつらは!?連携を取……!》
    《グレゴリーが殺られた!援護を……っ!》
    《どこに行った!?白い奴は……!艦を狙え! まず足を……》
    《正面だ、新手!蒼い奴!警戒しろ狙われて……!》
    《見えんぞ!何処だ新手は!各機、警戒……っ!?》
    《後ろに目がついてるのかこいつは!挟み撃ちに》
    《化け物かちくしょう!死にやがれぇ!!……ぐっわっ!?》
    《ナチュラル野郎!仲間の仇……は、速!?》
    《こいつ!?俺の部下を……舐めるなあっ!?!》
    《当たれぇ!当たれ当たれぇぇえ!当たれ糞ぉ!当たれぇええ!糞ったれがあぁあ!》
    《この野郎!隊長の仇っ!!どけえっ!》
    《マッカラン隊長聞こえますか!!緊急です!クーザー隊長との通信が……っぁあ!?》
    《味方は!?味方は何処に行った!?皆は何処だ!何で俺しか居ないんだ!援護をくれ!助けてくれ!》

    ノイズが走っているが、人が必死に叫ぶ声は想像以上によく通ってくる。
    同胞に対する警告だからか、それとも身を守る為に聞き取らねばならない内容だからか。 
    とにかく、彼らはしっかりと記録された声を聞き取っていた。

  • 192スレ主24/06/20(木) 22:03:40

    誰も口には出さないが、これは味方が次々と撃破されていく記録だった。
    聞いているだけで血の気が引くような怖ろしさだ。それが再生されたのである。
    誰かが生唾を飲み込む音がした。

    アデス「全滅っ……!15機のモビルスーツが全滅……!?こ、こんな事が……!」

    化け物か。その言葉を半ば呆然としながら呟いた。
    エマージェンシー。救難信号すら一つも来ない。
    このログと各種観測データが意味する所は明白だった。行動可能な前衛はいない。全ての機体が機能を停止した。
    つまり、やられた。誰も残っていない。前衛が全て戦闘不能……信じられない事態である。

    15機。15機だ。3倍、その気になれば5倍以上の敵とも戦えるモビルスーツが15機。
    開戦から今に至るまで、連合を狩りまくったザフトのモビルスーツが15機も居て。
    負ける訳がない戦力を持っていたはずだ。相手はたったの7隻である。
    もはや残っているのはイージスとシグーの二機だけである。
    かつてない衝撃のあまり、指揮する艦隊に前進を一時停止させるか否か……
    と言う、まず考えるべき案すら出てこなかった。

    だから気付くのが遅れた、自分達が誘導されていたのだと。

  • 193スレ主24/06/20(木) 22:13:58

    「か、艦長!」

    ヴェサリウスのオペレーターが叫ぶ。その瞬間、ヴェサリウスの頭上を何かが横切り始めた。
    それは巨大な、ところどころに致命的な被弾を受けた船だった。

    アデス「な、なんだと!?ーーこれは!?」

    ヴェサリウスの頭上に来たのは、航行不能となった護衛艦、バーナードだった。
    なぜ感知できなかったのだ!と、アデスは喉元まで言葉をせり上がらせたが、そこでハッとなる。
    なぜ、あのグレートフォックスはヴェサリウスに張り付き攻撃を掻い潜り続けたのか。
    その理由をアデスは理解した。こちらがミサイルを打ち出すたびに、
    グレートフォックスはチャフを撒き散らしていたのだ。

    短距離の範囲だが、グレートフォックスが展開したチャフはNジャマーよりも強力に電波障害を引き起こす。
    つまりそれは、こちらの観測機器にも影響を及ぼしていたということだ。

    アデス「く、くそ…!!か、回避!!総員!!対ショック姿勢!!」

    アデスその意図を理解し、が苦虫を噛み潰したようにそういった時には、もう手遅れだった。
    グレートフォックスはすでに、航行不能となったバーナードのエンジンと燃料部分に照準を合わせていた。

    「うわぁああーー!!」 

    爆炎を上げて吹き飛ぶバーナードの残骸をモロに受けたヴェサリウスに、
    凄まじい衝撃と共に吹き飛んだ破片が突き刺さっていく。
    振動が収まった時、ヴェサリウスは辛くもエンジンへの被弾は最小限で済んだが、
    各ブロックに深刻なダメージを負う結果になっていた。

    負けた。そう確信したアデスが撤退命令を出したその時だった。

  • 194スレ主24/06/20(木) 22:25:37

    「艦長!エキュタリスとジディリウスが!!」
    アデス「なんっ……バカなっ! 呼び戻せ!! 撤退だ! 艦長に繋げろ、呼び戻せ!」

    指示するのが遅くなったとアデスは後悔した。
    あの2隻はこちらと同じくログを聞き、データを集め、そして戦況を把握したのだろう。
    その上で決断したのだ。仇を討つと。復讐する気だ。
    しかし、モビルスーツに艦艇がどうやって。死ぬだけだ。逃げなければ。

    「敵モビルスーツが交戦距離に入ります!」
    アデス「全速離脱!戦うんじゃない!」
    「し、しかしエキュタリスとジディリウスは……!?」
    「だから呼び戻せと言っている!足を止めるな!反転しろ、撤収だっ!」

    既に惨憺たる有り様だが、だからこそ、これ以上の損害は抑えねばならなかった。
    しかし、アデスの命令も説得も失敗に終わってしまった。
    繋がった通信の向こうでは怒り狂った2人の艦長、ブリッジクルーが後退を拒否してきたのだ。
    何としても、仲間と隊長の仇を討つと。気の荒い若手が多いのが仇になっている。
    ついには懇願するようなアデスの言葉をも無視して、彼らは通信を切断。
    連合を片端から沈めて仲間の慰めにしてやるとばかりに、全速での突撃を開始した。

    狂ったかのようにミサイル、ビームを吐き出し突撃していく2隻のナスカ級……
    その後ろ姿を見るしかないアデスだが、こちらからはもはや観測しかできない。
    そのすぐ後だった、蒼いモビルスーツによって二隻が轟沈させられたのは。

    アデス「……」

    言葉が出てこなかった。主任務である追悼慰霊団の捜索どころか、、モビルスーツ隊を尽く失い、
    2隻のナスカ級を沈められ、戦死者多数。戦力で劣る相手に完全に敗北したのだ。
    ザフト史上に例の無い大失態である。

  • 195スレ主24/06/20(木) 22:37:56

    アスランも、ヴェサリウスが黒煙をあげ、
    二隻のナスカ級が轟沈する様を目撃していた。

    アスラン「ヴェサリウスが!隊長!!」

    部下であるアスランの叫びも、超高機動戦をするクルーゼには届かなかった。
    アスランがヴェサリウスの支援に行ければよかったのだがーー。

    キラ「アスラン!!」

    キラが操るストライクによって行く手を阻まれていたのだ。
    キラがこれほどの技量を持っていたとは…。
    アスランはバイザーを上げて溢れた汗をヘルメットの外へ追いやる。
    想像以上に体力も集中力も消耗しているようだった。

    そのわずかな気の緩みを、敏感に感じ取ったキラが、無防備となったイージスへと接敵する。

    アスラン「くっ…キラ!!」

    ビームライフルの銃口を向けたまま近づくストライクだったが、
    あと少しというところで、鋭く動いていた挙動が衰えた。
    キラの動きが急に鈍くなる。それはまるで止まっているようだった。
    アスランはその様子を見て、わずかにトリガーにかけた指を強張らせた。

  • 196スレ主24/06/20(木) 22:39:33

    アルマ「キラ!!」

    そんなキラの機体に、横から援護に入ったアルマが叫んだ。
    ほんのわずかに逸れたライフルの軌跡が、イージスの脇を掠め、
    アスランは制御を取り戻したようにイージスを飛翔させる。
    その先は、被弾したヴェサリウスの援護に向かうようだった。
    飛び去ったイージスの行く先を見つめながら、アルマは立ち止まったキラの元へ近づく。
    安全を確認し、開いた通信回線で、アルマはキラが震えていることを直感的に気づいた。

    キラ「私…私…!!」

    引き金から指を離して、キラはヘルメットの中で呼吸しようと喘ぎ、そしてわずかに涙を流していた。
    自分は何をしようとしていた?あの機体に、誰が乗っているのか、知っているはずなのにーー。

    アルマ「キラ?」

    アルマの心配そうな声を気にも止めないで、キラは心の中に浮かんだ事を、絞り出すように呟いた。

    キラ「私…アスランを…撃てない…」

    それだけは、できなかった。自分を許せなかった。
    あそこで、激情に駆られたまま、引き金を引いたら自分は、
    今まで保っていた何かを捨ててしまうような、そんな気がしたのだ。
    今更になって、アスランに銃口を向けたことに恐怖したキラは、
    ヘルメットのバイザーを上げて、嗚咽を上げてうずくまった。

    アルマ「キラ…」

    その様子を見て、アルマはただそこに立ち尽くすことしかできなかった。

  • 197スレ主24/06/20(木) 22:50:00

    ウィル「でやああああー!!!」
    クルーゼ「はぁああーーー!!!」

    キラ達から離れた宙域では、ウィルとクルーゼの死闘が続いていた。
    クルーゼの操るシグーのコクピットでは、警告を知らせるブザーが先程から鳴りっぱなしであった。

    クルーゼ「シグーの稼働限界か…!やはり今の性能ではここまでか…!」

    撃ち尽くしたライフルは、とうの昔に捨て去り、対艦斬刀を手に持ちながら、
    クルーゼは自身の駆る機体の貧弱さを嘆いた。

    どこからか飛来した弾頭が、シグーの前に現れ、閃光と共に爆散する。
    クルーゼは咄嗟に機体を下がらせたが、閃光の次に広がった爆煙幕によって視界を遮られることになった。

    ウィル「クララ!?」
    クララ『任務完了よ!とっとと逃げましょう!』

    息絶え絶えに見渡すと、離脱準備をするグレートフォックスと、
    キラのストライクを牽引するアルマのガンファルコンが見えた。

    ウィル「分かった引き上げだ」

    ウィルは爆煙幕に消えたクルーゼの方を一瞥すると、
    そう答えてグレートフォックスへ帰還していく。

  • 198スレ主24/06/20(木) 23:03:56
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