出来ちゃった

  • 1二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 14:37:19

    押すたびに10秒ずつプロデューサーの乳首が高速回転するボタンだよ
    くれぐれも悪用しないようにね

  • 2二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 14:38:00

    キチSS全盛期の阿笠博士かよ

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 14:41:16

    どうすれば公共の福祉に反しない利用になるんだ

  • 4二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:01:23

    「そんなものを渡されてどうしろと」

    「どうしよっか。ふふ……」

    ボタン片手に途方に暮れる俺を見つめながら、篠澤さんはいつものように柔らかく微笑んでいる。おそらく本当に他意はない……言葉通り「出来ちゃった」だけなのだろう。しかし原理が不明なのはこの際置いておくとしてもそれを何故俺に渡してくるのだろうか。悪用以外にどうしろというのだろう。
    いや、悪用の予定もないが。というか悪用ってなんだ。高速回転チクニーでもすればいいのか?

    「試してみる?」

    「目の前で試せと?」

    冗談ではない。担当アイドルの前に乳首を晒すというだけでも御法度なのに、その上高速回転する様まで見られればいよいよおしまいだ。意味が分からない。そもそも普通の人類は乳首が回転したりはしない。じゃあ問題ないのか?
    問題ないわけがない。上手くは言えないが、少なくとも良いことではないはずだ。おそらく。もしも史上何処かに乳首が高速で回転した経験のある人物がいるとしたら是非とも助言を頼みたい。
    ともあれ、尚も渋る篠澤さんをどうにか納得させつつその日は解散とした。
    ボタンは寮の部屋に持ち帰ろう。万が一にも他の誰かの手に渡ってはいけない。もし悪意ある第三者に渡りでもすれば俺の乳首と人生はおしまいだ……

  • 5二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:04:40

    悪意ある第三者が作ったんだよなあ

  • 6二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:05:20

    悪用以外の使い道があるのか……

  • 7二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:08:40

    今このボタンを使って人命救助をするPの話考えてるけどなんも思いつかない

  • 8二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:10:42

    なんか螺旋力とか生まれるんでしょきっと

  • 9二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:11:53

    >>7

    スパイラル乳首パンチで悪党を倒せばいいんだよ

  • 10二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:14:50

    「問題は、このボタンが本当にそんな恐ろしい代物なのかだ」

    その夜、俺は寮の部屋で一人ボタンと対峙していた。無論部屋の鍵はかけてある。3回チェックした。
    "乳首が高速で回転するボタン"。もし本当なら俺の乳首の側にも何らかの細工が施されていそうなものだが、幸いと言うべきかその様子はない。シャワー中に確認したが俺の乳首はいたって普通だったし、ここ最近篠澤さんの前で不自然に意識を失ったような経験もない。
    そうだ。ただボタンを押しただけで乳首が回転してたまるものか。そんな進化論と物理学の双方に中指を立てながら唾を撒き散らすかのようなことが起こっているはずがない。人の乳首は回転しない。

    「そんなはずはない」

    祈るように言葉を漏らしつつ、俺は服を脱ぎ半裸の状態になる。そして僅かに震える手でおもむろにボタンを持ち上げる。
    赤いボタンだ。見た目からして軽々に押せば碌なことにならないぞと伝えてくる、そんな鮮烈な色合いだ。ああ、もしこれが本物なら確かに碌でもないだろう。冷や汗が背中を伝う。
    何を恐れているのか。本物であるはずがないと断じたばかりではないか。さあ、押せ。押してしまえ──それで話は終わりだ。明日にでも笑い話にしてしまえばいい。

    「おぉっ……!」

    意を決し、ボタンを押し込む。不意の作動を防ぐためだろうか、かなり力を入れて押し込む必要があった。篠澤さん自身には押すことも出来なかったのではないだろうか?ともあれ、ボタンは深々と土台に沈み、そして。

    「……そんな、馬鹿な」

    何の感覚も無かった。やはり与太話だったのだと胸を撫で下ろしそうになるほどに。しかし考えてもみてほしい。
    もしも乳首が回転する感覚があれば、それは相当な苦痛である。人類に耐えられる痛みか定かではない。故にこのような仕様になっているのだろう……そういうところは真面目なのだ、彼女は。

    視線を落とす。
    俺の両乳首は、音も、感覚も、もちろん意味も何も無く……ただひたすらに回転していた。

  • 11二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:25:00

    明くる朝、俺の心境は意外にも穏やかなものだった。
    確かに俺の乳首は回転していた。ボタン一つで容易く回転させられる人智を超えた乳首と成り果ててしまった。だが、それが何だと言うのだろう?
    乳首の回転にはボタンの押下という手順が伴う。ならばボタンさえ押さなければ、俺の乳首は永遠に沈黙を保ったままとなる。そこに何の問題があるだろうか?
    この社会における"罪"は須くそういうものだ。たとえ可能であれど、実行していないものを罰することは多くの場合できない。ならば俺の乳首も問題ないはずだ。そもそも"乳首を回転させてはいけない"などという法律も無いではないか。

    「おはようございます、篠澤さん」

    「おはよう、プロデューサー。押した?」

    「はい。一度だけ押して、それっきり」

    ならば堂々としていれば良い。乳首が回転することは、罪ではない。むしろ"いざとなれば乳首を回転させられる"というのは他人にはない長所にすらなり得る。今はまだ活用する手段など思いつかないが、ゆっくり見つけていけばいい。
    "乳首回転"というオリジナル。俺だけの何かを──

    (俺は最早"乳首を回転させられる男"だ。ただのありふれた男にはもう戻れない)

    ノブレス・オブリージュ。持つ者には相応の責務がある。
    乳首が回転する男には、それなりの役割というものがきっとあるはずだ。

  • 12二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:35:12

    "時"は唐突に訪れた。運命の女神は人が心構えを整える時間など与えてはくれない。いつも唐突に、そして気まぐれに賽を振り我々を翻弄する。人間に許されるのは、ただその渦中で足掻くことだけである。

    「停電……!?」

    その日は篠澤さんのライブ。過去一大きな箱を、それも満員にするほどの期待がかけられた舞台だ。その最中の停電。しかも復旧の目処は発生から5分が経過した今になっても立っていない。

    (まずい。これがプロのアーティストであれば「アカペラ歌唱で乗り切る」なんて手段でむしろ美談に変えることすらできるチャンスだろう。だが篠澤さんの声量はハッキリ言ってアイドルとしては落第ギリギリ。それを、こんな大きな会場でみんなに届けるなんて……無理だ……!)

    唇を噛み締める。生暖かさと鉄の味を感じながら汗を拭い、どうにか解決策を考え続けた。篠澤さんにとっても大事な舞台。それをこんなことで潰してしまうわけにはいかない。ようやくここまで漕ぎ着けたんだ……何より、彼女はこのステージをとても楽しみにしていた。
    何か。何か手はないのか?縋る思いで舞台袖を見回すと、目につくものがあった。

    「……あの!あれ、使えませんか……!?」

    それは、古い発電機。予備用として持ち込まれたはいいものの、手回しではライブ中の電力を賄い続けるのも難しいと結局使われていない備品だった。

    「俺に考えがあります!どうか協力を!」

    今こそその時。乳首が回転する男が、乳首を回転させねばならぬ瞬間だ。

  • 13二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 15:45:42

    最低限の音響設備を発電機に接続する。そして有り合わせの資材を使い、手回し装置と俺の乳首を連結した。スタッフの皆さんはついに気が狂ったのかと言わんばかりの顔だったが、しかし協力はしてくれた。あるいは彼らも想定外の事態にどこからおかしくなっていたのかもしれない。

    「よし……いける、大丈夫だ……俺の乳首と、篠澤さんのボタンを信じろ……!」

    深呼吸で精神を整え、ボタンを取り出す。最早迷っている時間はない。初回の躊躇いが嘘のように澱みなく、俺はボタンを強く押し込んだ。
    途端、乳首が回転する。高速で、発電機を巻き込むようにごうごうと。

    「思った通り……!回転の負担は一切乳首にかかっていない!乳首は保護されているっ!ならばどれだけ発電機を回そうと疲労は無い……!」

    ボタンをひたすらに連打する。一回押すたびに10秒、俺の乳首が回転する。ならば二回押せば20秒。十回押せば100秒……!押せば押すほど俺の乳首は回転を続け、発電機を力強く回し続ける。手回しを優に上回るパワーは、篠澤さんの歌をファンに届けるには十二分の電力を生み出した。
    すぐにイントロが流れ始め、ややあってスピーカー越しの歌声が耳に届く。ああ、よかった。乳首が生み出す電力はライブを支えることができたのだ。
    しかし油断はできない。万が一にも途中で途切れることがないよう、俺は入念にボタンを連打し続ける。いっそこのまま止まらなくてもいい。篠澤さんのライブが成功するなら俺の乳首など安いものだ。

    「頑張れ……篠澤さん」

    乳首から電力を生み出しつつ、祈りを込めて呟く。プロデューサーにしてあげられるのはここまでだ。あとはアイドル、篠澤広のステージ。彼女が成し遂げること。しかし心配はいらない……彼女は今日のため幾度も倒れそうになりながら、必死にレッスンを積んできたのだから。
    ああ、もう大丈夫だ。
    どこか清々しい思いを胸に、俺は乳首を回転させ続けた。

  • 14二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 16:42:23

    あたまがおかしい

  • 15二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 16:46:04

    その文章力でこんな狂気生み出すな…

  • 16二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 17:02:17

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 17:05:14

    乳首ドリルすな!

  • 18二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 17:44:13

    脳が理解を拒む……

  • 19二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 17:51:29

    これさらにボタン押したら回転速度上がったりするやつじゃん

  • 20二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 18:57:37

    1と4が同一人物ならまだ良いが、別人だった場合1という狂人とそれを上回る狂人がいることになる

  • 21二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 19:53:15

    >>20

    同一人物だよ

  • 22二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 20:16:21

    >>21

    よかった、こんなものを産み出せる存在が一人だけで十分すぎるな...

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています