- 1二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 18:58:24
- 2二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 19:24:42
その結果トレウマ全開はっちゃケイちゃんが生まれた
- 3二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 19:29:43
- 4二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 19:36:33
続けて
- 5二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 19:51:00
「おれはもう、充分すぎるくらいトレーナーさんに甘えていますよ?」
少し困ったような顔でこんな事を言うものだから、まだ遠慮がちなところが治っていないのはすぐに察することができた。だから思わず
「もっと頼れぇ!!!!!!!!!!!もっと甘えろぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」
語気も気にしないままに、ほぼ叫ぶようにして心の内を言葉にした。そんなこちらの様子に驚いたのか、それとも何かハッと思うとところでもあったのか分からないが、とにかくミラクルは目を丸くしていた。先程の困ったような苦笑いを浮かべるわけでもなく、少し真剣に悩んだような表情で俯いて一瞬考え込んだ。
「あの、疲れたので。」
こちらに向き直りながら彼女がそう言うものだから、少し舞い上がってしまった。
「よし!どこまでもおぶってくぞ!」
「お姫様抱っこで。」
そして浮き足だった足を押さえつけるように、衝撃的な言葉が続いた。あまりの困惑に、ミラクルの顔もまともに見られなかった。
「あははっ、なんて冗談、わっ!」
だから彼女がこちらを揶揄うように笑う顔も見られずに、何か言おうとしているのにも気づけなかったんだろう。勢いよく、けれど怪我してしまわないように気をつけながら横抱き、いわゆるお姫様抱っこでケイエスミラクル姫を抱えてみせる。
「い、言い出しっぺはこっちだから……」
「ぇ……はい……」
こんなにも密着してるのに互いに顔すら見れない。ずいぶんと遅い夕焼け、もしくは早すぎる朝焼けが顔に差していたことだろう。 - 6二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 20:10:59
(こんなところ、ヘリオスたちに見られでもしたら大変だろうな……)
さっきから周りが気になって仕方がない。というよりは、この恥ずかしさからくる胸の鼓動から意識を逸らしてみたかったのかもしれない。ただでさえ体が近いのだから速く、強くなる鼓動なんて簡単にトレーナーさんに伝わってしまう事だろう。だからそれを余計に意識てしまって悪化させるのは、おれにとってちょっと困ってしまう事だった。
(はぁ……どうせならはじめからおぶってもらえれば……)
そんなどうしようもない後悔が、でもこれはこれでよかったのではないかという感情と混ざり合いながら心をマーブルに染めていく。こんな心とは裏腹にきっと酷く顔は赤く染まっている。顔を隠してしまいたい衝動を抑えつつ恥ずかしさで強張った姿勢のまま手を胸の前で握る。
鼓動を抑えるように。
少し収まったところでふとトレーナーさんの顔を見てみた。それはそれは、すごい風邪でも引いてしまったのかの如く真っ赤に染まっていた。てっきり余裕があってこっちにカウンターを仕掛けて来たのだと思っていたから少し驚きだ。
どこかやられっぱなしなのが気に入らないおれがいたんだろう、少しのやり返しを込めて、
「こっちの方が安定しますから。」
とトレーナーさんの首に手を回す。追い討ちに、
「なんだか結婚式みたい。」
トレーナーさんは目を白黒させながら、それはもうかわいらしい反応をしていた。けれどここまで狼狽するものかなとも考えた。
その要らない考えがおれをまた恥ずかしさに放り込むことになった。トレーナーさんの体に当たって形を変えている胸。ここまで近くで居れば、まるで押し付けてしまうようになるのは自然だった。
それに気がついてからは、また鼓動が強くなってしまうところまで立ち戻ってしまった。今度は引くに引けずに手を首に回したままで。
(あぁ、どうにかトレーナーさんも恥ずかしさに追われておれのこのドキドキに気づいていませんように)
トレーナーさんの速まる鼓動にも気付かなかったおれはそう願っているだけだった。まるでおろしてもらう選択肢などないかのように。 - 7124/06/07(金) 20:30:29
- 8二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 21:29:31
ダメ元で続けてって書いたら続いてた…ありがとうございます!
- 9二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 22:00:58
あーあ会話に夢中になってうっかり多数に目撃されてねえかな〜
- 10二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 23:05:10
- 11二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 23:08:14
これトレーナーはケイちゃんの鼓動に気付いてても気付いてなくてもかわいいな
- 12二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 23:14:14
頭からつま先まで衝撃が駆け巡った、ありがとう
それはそれとしてあっちの方に小柄なピンク髪が倒れてましてね - 13124/06/07(金) 23:21:43
「トレーナーさん。おれ、お願いがあるんです」
「・・・・・・!?なんだい、ミラクル?」
トレーナー室でパソコンの画面とにらめっこしていたトレーナーさんが、おれの方に顔を向ける。
さっきまで険しい表情をしていたあなたは、おれの『お願い』という言葉を聞くと、ぱあっと笑顔になる。
──以前、トレーナーさんから「もっとわがまま言っていい。俺を頼っていい。もっと俺に甘えていいんだ」と言われた。
これまでもたくさん、おれのわがままを聞いてもらっているはずなのに。
・・・・・・あなたには、返しきれないほど、たくさんのものをもらったのに──
あの日以来、トレーナーさんが難しい顔をしているときに、たまにこうやって『お願い』をするようになった。
・・・・・・でも本当は、大したお願いなんてないし、今も特に何も考えていなかった。
ただ、おれが何かを『お願い』すると、トレーナーさんは決まって笑顔になる。
その子供のように無邪気な笑顔が・・・・・・なんだか可愛くて。
──おれの一番の『お願い』は「あなたの笑顔が見たい」なんて・・・・・・恥ずかしくて言えないや。
・・・・・・さて、今日は何をあなたに『お願い』しようか。
──おれってほんとうに、わがままでわるい子だな・・・・・・。
1ですが素敵なものを書いていただいたので!言いだしっぺらしく俺も頑張って書きました!
こういうの書くの初めてなんですが、ケイに甘えられて笑顔になるケイトレと、そんなケイトレの笑顔を見れて幸せなケイちゃんを書きたかったんだ・・・ - 14二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 23:25:23
スレ主も最高や…ありがとう
- 15二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 02:16:34
このレスは削除されています
- 16124/06/08(土) 09:53:03
- 17二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 11:34:36
両親と同じくらい信頼してくれるの良い…そのうちトレーナーもケイちゃん呼びしてほしい