- 1二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 19:54:48
猛る心臓を押さえ込む様に胸を掴む
目の前で繰り広げられている光景に網膜が、脳が、魂が焼き付く様な感覚を覚えながら、それでいて瞬きを忘れる程に、その瞬間の全てを見逃すまいとしていた
それはまるで、御伽話のような、あまりにも現実から掛け離れた幻想の景色。奏でられるは刃と刃がぶつかり合い、火花と共に空気すらも引き裂く狂想曲の如し。この世の物とは思えない死の舞踏を繰り広げるのは二つの人影
片や鎧姿の女武者。その手に握りしめた太刀を振るう姿は女伊達らに鬼神の様な威容を誇る
片や漆黒の鎧武者。全身を覆い隠す甲冑を纏い面頬で顔をも隠し、その正体は掴めない。その手には鍔も柄すら無い裸の太刀を振るい、女武者と剣閃を重ね合う
剣閃の速度、重さ、鋭さ。そのどれもがおよそ只人では到底届きえない領域のもの。太刀と言う武器は片手で振るう事を想定されたものでは無い。両手で保持してしっかりと腰を落として振るう事が肝要。その武器を互いに片手で、縦横無尽に自由自在に相手の命を奪いあう死の舞踏を繰り広げている
これが、聖杯戦争──
話しには聞いていた。情報は持っていた。しかし、それは所詮知っていただけであったことを思い知る。この眼で見る光景は己の常識を遥か彼方に置き去りにして繰り広げられる剣戟は大気を引き裂き、悲鳴を上げた大気が烈風となり離れた位置に居る己にまで吹き付ける
その眼に何もかも焼き付けろ、全てを。
その死を湛える視線の先で──何を視る? - 2二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 19:55:15
ウワーッ怪文書ー!
- 3二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 19:56:41
どうも、と言うわけで聖杯戦争スレになります
以前と違って今回はダイスの方も挑戦していきたいなーと思ってます - 4二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:04:28
前は何を書いていらしたんですか?
- 5スレ主24/06/08(土) 20:04:47
『さあ、紳士淑女の皆様、今宵もようこそいらっしゃいました!』
スクリーンの側、マイクを持ったサングラスの男が場を盛り上げる。この場に集ったもの達は皆、このショーを見る為に集った権力者や魔術師達だ
『今宵のグレイルグランプリ!果たして勝ち残るのは一体誰なのか?脱落する者は誰なのか?さあ、今回の参加者は此方の方々だ!』
悪趣味なタイトルロゴが表示されていたスクリーンが一転、聖杯戦争参加者のリストが表示される── - 6二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:05:57
ユグドミレニアとシグルドの人?違ったらごめん
- 7スレ主24/06/08(土) 20:06:03
- 8スレ主24/06/08(土) 20:15:02
◾️セイバー「Unknown」
◾️アーチャー「ケイローン」
◾️ランサー「クー・フーリン」
◾️ライダー「未召喚」
◾️キャスター「Unknown」
◾️アサシン「Unknown」
◾️バーサーカー「Unknown」 - 9二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:20:27
ライダーとバーサーカーも実質決まってる感じかな
- 10二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:20:44
今回主人公はライダーかな
- 11スレ主24/06/08(土) 20:24:43
『今回はなんと7騎中参加経験のあるサーヴァントはたったの2騎!ライダーは未だ召喚されていませんが、マスターは如何しているのでしょうか?さあ、ルールはシンプルです!』
ざわつく会場、グレイルグランプリはこれまで何度も開催されて来た亜種聖杯戦争。3つの亜種聖杯を霊脈を通して連結させ、単純出力では亜種聖杯戦争の中では最大規模を誇り、同時に「身の丈にあった願いを叶える」聖杯としての機能によってこれまで何人かの優勝したマスターが願いを叶えて来た
そして──
『今回の賭けの対象は初参加となるサーヴァントの真名、優勝者、脱落者ピタリ!の3つ!ベットの受付はサーヴァントの真名と脱落者は今宵の戦いが終結を迎えるか、若しくは対象の真名が判明する、最初の脱落者が出るまでです!』
そう、賭けとしてこの聖杯グレイルは運営され、神秘の隠匿を守りつつ興行として開催されているのだ - 12スレ主24/06/08(土) 20:29:29
『さあて、サーヴァントの紹介が終わったところで、次はマスターの紹介と参りましょう!先ずはセイバーのマスターは──』
初めてのダイス
ライバル兼ヒロインを決めたいと思います
先ずは名前
>>17まででダイスします
- 13二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:30:37
楠正雪
- 14二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:30:58
リン・アーリヤ
- 15二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:31:48
森正雪
- 16二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:32:10
アリススター・唐瓜
- 17二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:32:35
霜のアタリ
- 18スレ主24/06/08(土) 20:38:03
正雪が2人……くるぞ誰かさん!
1.楠正雪 2.リン・アーリヤ 3.森正雪 4.アリススター・唐瓜 5.霜のアタリ
dice1d5=1 (1)
- 19スレ主24/06/08(土) 20:43:28
- 20二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:44:13
初参加
- 21二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:44:27
錬金術の使い手 前回チャンピオン
- 22二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:45:07
心優しい死霊魔術師 初参加
- 23二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:45:16
YAMA育ちの非魔術師 初参加
- 24二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:45:32
贅肉たっぷりの魔術師初参加
- 25二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:46:00
初参加
前回参加者の娘で跡を継ぐ - 26二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:48:27
さあ、一体彼女はどんな人物なのでしょう?
1.20 2.21 3.22 4.23 5.24 6.25
dice1d5=4 (4)
- 27二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:51:38
山育ち枠ですか...強いでしょうね
- 28二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:53:35
シグルドが相棒の人か
面白かったです - 29スレ主24/06/08(土) 20:54:21
『セイバーのマスターは初参加、「楠正雪」!詳細は不明ですがどうやら魔術師ではないとの事、しかいセイバーを召喚している以上期待値は高いでしょう!では次、アーチャーの魔術師は──』
ケイローン先生のマスターはどんな人物になるでしょうか
先ずは名前を
34迄でダイス - 30二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:55:18
鄭善忠
- 31二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:55:19
ディオメデス・コルキス
- 32二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:55:29
天童誠
- 33二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:55:51
田川松陰
- 34二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:56:25
蒼崎橙子
- 35二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 20:56:42
平戸一史
- 36スレ主24/06/08(土) 20:59:37
な、なんか一名やばい人が混じってる様な……
1.30 2.31. 3.32 3.33 4.34 5.35
dice1d5=3 (3)
- 37スレ主24/06/08(土) 21:02:01
- 38二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:02:42
初参加の蝶魔術師
- 39二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:03:25
天体魔術師 参加経験豊富のベテラン
- 40二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:03:43
混沌魔術師 初参加
新作頑張って下さい - 41二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:03:48
参加経験無し
時計塔の色位魔術師 - 42二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:04:06
参加経験なし
上級死徒 - 43二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:04:12
対獣魔術のスペシャリスト
経験なし - 44二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:06:09
では天童誠はどんな魔術師なのか
1.38 2.39 3.40 4.41 5.42
dice1d5=3 (3)
- 45二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:09:01
混沌魔術ってフラット以外に使いこなせる奴いたのか…
- 46二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:09:38
『アーチャーのマスターは天童誠!此方も初参加で詳しい情報は無いが混沌魔術の使い手である模様!初参加だがアーチャーは優勝経験のあるケイローンだ!さあランサーのマスターは──』
クー・フーリンのマスターは誰になるでしょうか
先ずは名前を>>51迄でダイス
- 47二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:10:00
ジョージ・グレアム
- 48二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:10:12
バクト・ドノミコルス
- 49二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:10:23
チエニウス・フコウデス
- 50二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:11:05
ガラン・ギリアム
- 51二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:11:36
- 52二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:12:56
- 53スレ主24/06/08(土) 21:13:33
- 54スレ主24/06/08(土) 21:15:11
- 55二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:15:18
参加経験あり
歴戦の魔術使い - 56二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:15:54
参加経験なし
クソ強い代行者 - 57二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:15:56
- 58二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:16:07
没落した名門の末裔
- 59二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:16:30
代行者
潜入調査で初参加 - 60スレ主24/06/08(土) 21:18:18
- 61二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:19:14
相性良さそうだな、性格はわからんけど
- 62スレ主24/06/08(土) 21:22:35
グレイルには複数回参加経験あり
ではサーヴァントが優勝経験多数なので参加回数と優勝経験ありかなしか
アリなら何回か決めます
参加回数
dice1d5=2 (2)
優勝経験有無 1.アリ 2.ナシ
dice1d2=2 (2)
- 63二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:23:56
今回で3回目かな
- 64スレ主24/06/08(土) 21:29:19
『ランサーのマスターはガラン・ギリアム!過去に2度の参加経験がありどちらも優勝は逃していますが今回は優勝候補クー・フーリンを引き連れて3度目の参加となります!戦闘狂の戦振りをまたしても見られるとは今宵ここに集った皆様は幸運でしょう!ライダーのマスター、南方方生は2度目の参加ですが、前回もサーヴァントの召喚は一番最後でしたので飛ばして行きましょう!キャスターのマスター、あの不気味な男の主は──』
ではヒロイン2号、キャスターのマスターを決めていきたいと思います。ンン
では名前から
>>68まででダイス
- 65二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:30:37
アリア・エーデルフェルト
- 66二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:30:59
遠坂舞
- 67二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:31:58
ジャン・バラヤ
- 68二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:32:01
- 69二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:32:03
瀬間莉理花
- 70スレ主24/06/08(土) 21:34:03
- 71スレ主24/06/08(土) 21:37:04
土御門柚子さんですね……もう苗字が苗字なので陰陽師でいいでしょう!(横暴)
初参加かそうで無いか参加したなら何回か、優勝経験はあるのかを決めます
参加の有無 1.アリ 2.ナシ
dice1d2=2 (2)
アリの場合、何回か
dice1d5=5 (5)
- 72二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:37:14
キャスター多分リンボだよな…お前まさか
- 73二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:38:28
ご先祖と同じしわしわ顔披露して欲しい
- 74スレ主24/06/08(土) 21:42:07
『キャスターのマスターは土御門柚子!今回初参加の陰陽師だ!しかし、初参加でキャスターを引いてしまうとは運の無い!しかし大穴の可能性は常に存在しています!活躍に期待しましょう!ではアサシンのマスターは──』
アサシンのマスターを決めます。先ずは名前から
>>78迄でダイス
- 75二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:42:26
ジミー・ストーン
- 76二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:42:37
ガルム・レイズナー
- 77二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:42:42
伯方潮
- 78二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:42:48
- 79二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:43:19
ジャッキー・コイエット
- 80スレ主24/06/08(土) 21:44:45
- 81スレ主24/06/08(土) 21:45:57
- 82二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:46:37
参加経験アリ
埋葬機関一歩手前くらいのサイボーグ代行者 - 83二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:47:10
参加経験あり
クソ強錬金術師 - 84二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:47:41
初参加
没落寸前で一発逆転狙いの宝石魔術の元名家 - 85二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:47:44
- 86二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:47:49
初参加
ロードエルメロイに雇われて派遣された傭兵魔術使い - 87スレ主24/06/08(土) 21:50:33
- 88スレ主24/06/08(土) 21:52:38
参加経験アリのクソ強錬金術師ですね…では、参加回数と優勝経験の有無を決めます
参加回数
dice1d5=4 (4)
優勝経験 1.アリ 2.ナシ
dice1d2=2 (2)
- 89スレ主24/06/08(土) 21:59:39
『アサシンのマスターは皆さんご存知ガルム・レイズナー!過去に4度参加しているがしかし優勝経験は無し!錬金術師として名を馳せている凄腕だが、魔術師としての能力と優勝できるかはまた別という事ですな!しかし、今回は我々のデータに無いサーヴァントを引き連れています!これは期待大か!?そしてオオトリを務めるバーサーカーのマスターは、はこの場にいる誰もが知っているこの──』
最後、バーサーカーのマスターです
ここまで1人も優勝経験者がいなかったのでこの人は確定で優勝経験者とします
先ずは名前を決めましょう
>>94迄でダイス
- 90二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:59:55
ゲルダ・ハルデンベルク
- 91二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:00:12
木枯 嵐
- 92二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:00:22
天草伊右衛門
- 93二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:00:38
キリカ・ヴァーグラハ
- 94二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:00:49
- 95二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:00:55
平賀現代
- 96スレ主24/06/08(土) 22:02:50
- 97スレ主24/06/08(土) 22:04:29
なんだか苦労人の匂いがする坂田晴信さんです
では彼の参加回数を決めます
dice1d5=5 (5)
- 98二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:05:30
苦労人のモテ男が合体しとる..
- 99スレ主24/06/08(土) 22:05:52
ふ、フル参加……
では優勝回数は何回かな?
dice1d5=1 (1)
- 100スレ主24/06/08(土) 22:09:35
- 101二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:10:24
サーヴァントの受肉
- 102二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:10:34
親の借金返済
- 103二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:10:36
出身の孤児院への援助
- 104二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:11:12
寿命を延ばす
- 105二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:13:37
- 106スレ主24/06/08(土) 22:15:27
- 107二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:16:55
普通に買わないのか…(困惑)
- 108二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:17:01
そうか大きな願いは叶えられないからローンが...んな訳あるかい!
- 109二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:17:11
この聖杯もしかして結構しょぼい?
- 110二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:18:47
願いは本人のイメージ依存だから、家一括で買える想像出来なかったんだな...
- 111スレ主24/06/08(土) 22:20:21
- 112二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:22:21
鬼種の血が先祖返り起こしたサラリーマン
毎回巻き込まれる形で参加してる - 113二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:23:03
弱みを握られて代理参加する羽目になった元・逸般人
- 114二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:24:35
奥様が魔女の一般人
- 115二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:26:00
愉悦部の魔術師に強制参加させられている雇われ魔術使い
- 116二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:27:30
- 117スレ主24/06/08(土) 22:32:12
- 118スレ主24/06/08(土) 22:39:32
鬼との混血が先祖返りしたって事で良いのかな……?(スレ主は月姫未プレイ)
丁度バーサーカーは予め決めていたからなんの運命なのか…… - 119二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:41:05
ご先祖でも呼び出したか?
- 120スレ主24/06/08(土) 22:44:45
『皆さんご存知坂田晴信!過去行われたグレイルグランプリ全てに参加して、最後の参加の際に見事優勝を果たした男!しかし願った事はなんと『3LDKの30年ローンの完済』と実に庶民的!なぜ彼が全てのグランプリに参加していたのか?──それは彼を推しているとあるスポンサーの意向で我々が巻き込んだから!そして今回も巻き込んでの参戦となります!そして、マスターの紹介までunknownとさせていただいたバーサーカーですが、当然この場にお集まりの方々はご存知ですね、そう!坂田晴信のバーサーカーと言えば当然奴をおいて居ない!!』
⬛︎バーサーカー『酒呑童子』
『そう、あのバーサーカーこそは日本最大の厄災、その分け御霊が一つ、酒呑童子!これまでも圧倒的な力をまざまざと見せつけて来ましたが、マスターとの相性も見えている限りは良好!さあ、二連覇なるか!?優勝候補筆頭です!』 - 121二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:46:50
うーんこれはFate
- 122二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:47:48
坂田くん、もしかして金髪碧眼だったりしない?
- 123スレ主24/06/08(土) 22:51:47
参加者の紹介を一通り終え、盛り上がりを見せるステージ。参加者一覧が表示されている下に格参加者達のオッズが表示され、その数値もリアルタイムで変動していく。賭け事とはかかも人を熱狂させるのか。それは権力者であろうとも、魔術師であろうとも変わらない性の様だ
スクリーンを見つめ熱を帯びる会場、そしてその両方を眺めている人物達も居る。会場の様子を後ろのVIP席で眺めているのは、このグレイルグランプリのスポンサー達。何も時計塔では名の知れた魔術師達だ - 124スレ主24/06/08(土) 23:01:38
「はてさて、今回は初参加のマスターやサーヴァントも多いが……セイバーとそのマスターが初参加なのは珍しい。あの老人が自分の推しをねじ込まないとはな」
VIP席に座りワインを傾ける男がスクリーンを眺めながら疑問を口にする。それに近くに座っている金髪の女性が反応した
「あら、知らないのかしら?デヴィンのお爺ちゃん、この間ユグドミレニアの魔術師に喧嘩を売ってバラバラにされたそうよ?」
「ほう、あの老人、ついに耄碌したか」
「その様ね。なんて言ったって相手はあの『模造の聖杯』の優勝者……私のお爺ちゃんが負けた男なのに」
溜め息を吐きながらシャンパンで喉を潤す。そんな彼女に男は笑いを堪え切れない様子だった
「ハッハッハッ!それはそれは。デヴィンは完全に耄碌した様だな!」
模造の聖杯戦争については時計塔内でも大きく話題になった。なんと言っても解体された筈のユグドミレニアが息を吹き返したきっかけとなった戦いなのだから
その優勝者についても当然話題に登り、話題の中心にいた現代魔術科の講師はいつものFワードを口にしたとか - 125スレ主24/06/08(土) 23:18:10
「ではブライエン。君はこれまで特定の誰かを推しては来なかっ多様だが、今回は見つかるかな?」
「どうでしょう?私は戦いを観るだけで楽しいので、あまりそう言う事は考えていませんが──」
と、彼女達はそこまで口にして言葉を切った。ステージの様子がこれまでとは違ったざわつきに包まれているのに気が付いたらからだ
その直前、司会者の側にバックヤードから1人の男が駆け寄って来て、司会者に耳打ちをしてすぐに戻って行った
『オーット、ここでホットな話題が飛び込んできたぞぅ!何とセイバーがライダーのマスターを補足!慎重すぎて行動が遅れていた南方は致命だ!』
司会者の声に応じる様にスクリーンの画面が変化、そこには鎧を纏ったセイバーと思しきサーヴァントが、ライダーのマスターとなった筈の男に近付いていた。そこは学校の様で、南方は学校の隅の一角で召喚を試みていた様だが、サーヴァントを召喚する前に見つかってしまった様だ - 126スレ主24/06/08(土) 23:32:39
南方はサーヴァントの召喚を急ごうとしたが、時既に遅し、セイバーの持つ太刀の一閃で首を刎ねられてしまった
『これはいきなりの急展開!!真っ先に脱落したのはライダー陣営!南方方生だ!!』
司会者の言葉に、会場がどよめきと興奮の声に包まれる。既に賭けは始まっているのだ。ある人物は悔しそうに、またある人物はいきなりの展開に驚き、またある人物は歓喜に叫んだ
『さあ今宵の脱落ピタリは、南方方生だー!!慎重さが仇となり、前回の様にはいかなかず無念の脱落、また次回──いや、この世からも脱落したので次回は無い!これがグレイルグランプリ!命懸けの亜種聖杯戦!さあ、次のピ 脱落者は一体誰だ?賭けは始まったあばかりだぞ!』
「……あら、ライダーはサーヴァントも無しでもうおしまいかしら?」
「こればかりは仕方ない。脱落ピタリ、彼に賭けていた人はそれなりに多かった」
熱狂する会場と観客達。そして、スクリーンの様子を実況しながら場を盛り上げていた司会者はある事に気づく
『おっと、セイバーの様子が変だ?彼は──』
スクリーンの向こう、セイバーが弾かれた様にある一点を向き、その方向にカメラが寄ると──
『これは不味い!何と退去されている筈の不参加者だ!!』
スクリーンに映し出されたのは、参加者リストにも載っていない、明らかな異物であった - 127スレ主24/06/08(土) 23:50:03
今夜はやけに静かな夜だった
誰もいない。夜勤の人も警備も誰もいない夜の学校を1人歩く
一体何が起きているのか、ここまで誰もいないのは却って気味が悪い事この上ない。それ以前に、街中に誰の姿も見えない時点で異常だった。深夜と言えど、誰かしら人や車は存在している筈で、建物の窓は明るい場所があるはずなのに、今日に限ってそれすらない。文字通り暗闇の世界に迷い込んだ様で婚約している
その代わりか、夜に浮かぶ月がやけに眩しく映る
「魔的な月だ……」
こんな時は、魔が出るに違いないと勝手に思っているが、今のところその気配もない。全く、不気味すぎて困る
「──?」
学校の隅に魔力を感じる。しかも結構規模が大きい。どうやらこんな学舎で魔術を使う馬鹿がいるらしい。もしかして、その馬鹿がこの人の気配の無くなった夜の街を作り出した元凶か?
状況的に何かしら関与はしてるだろう。正直気が滅入る。こっちは殺し屋でも何でもない、ただの学生だというのに、何でこうも面倒な事に巻き込まれなければならないのか
渡り廊下の窓から魔力の感じた方を観る。そこには確かに、何かしらの魔法陣を描き、大規模な魔術を行使しようとしている誰かが居た。魔術師の様だが、関係無い。面倒ごとは起こさせないに限るし此処で面倒ごとなんて御免被る
さっさと目的半ばでどっかに逝って貰うに限る……
腰のベルトに挟み込んだ折り畳みナイフを抜き、気配と足跡を殺して近づく。魔術師は此方に気づく様子はない。ならこのまま軽く──
「!?」
突如現れた極大の気配。人間ではない、明らかに質量の違う魂を持つ存在を感じとり咄嗟に校舎の出入り口の影に隠れる
現れたのは、時代錯誤も良いところな鎧武者。まさか、アレは──
「アレが……サーヴァント?」 - 128スレ主24/06/09(日) 00:04:41
鎧武者はあっという間に魔術師に接近するとその手に握った太刀でアッサリと魔術師の首を刎ねてしまった……
「……!」
鎧武者の姿は美しく、長い紫の髪をした女性であった。サーヴァントについての知識はそこそこある。例え歴史に記された人物だとしても、その歴史と実際の人物の姿や在り方が異なる事はよくある事。例え女性であっても、あの存在は超級の存在。世界に刻まれた英霊の具現であり、到底余人の手の届く存在では無い
それはあの魔術師を赤子の手を捻るが如くに斬り殺した手腕からも見て取れる。常軌を逸した力、接近してから太刀を抜いて首を断つ。その速度があまりにも速すぎて、鮮やかで
余りにも恐ろしくて、一歩だけ、足が後退してしまった──
「何者!?」
しまった──そう判断した時には既に手遅れ。鎧武者は弾ける様に此方を向き、視線が交差する──
「ッ……!!」
不味い、目が合ってしまった。もしもこれがサーヴァント達が相争うとされる魔術儀式、聖杯戦争と言うのなら、その戦いを目撃してしまった不幸な誰かの運命は決まっている──
目撃者は、消す
どうする?考える時間が惜しい。速く行動を起こさなければ──
僕は、僕の起こすべき行動は── - 129スレ主24/06/09(日) 00:08:08
今日はここまでです
明日また再開しますのでよろしくお願いします - 130二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:14:53
何も出来ずにナレ死する騎主の悲しき今……
- 131二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:19:24
おつ
このセイバーって頼光さんかな? - 132二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 06:52:17
というか普通に死人出るのな
何回も参加して生き残ってるバーサーカーのマスターすごいなと思うと同時に
命かけてかなえた願いがあれなのか… - 133二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 07:52:11
- 134二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 11:38:16
完全に巻き込まれっぽいしバーサーカー陣営と共闘出来そうな気もする
- 135二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:49:13
今らだけど亜種聖杯戦が見世物って言うかコロッセオ?になってるのかこれ
- 136スレ主24/06/09(日) 19:31:12
ボチボチ再開していきましょー
起こすべき行動は
1.立ち向かう
2.逃げる
dice1d2=1 (1)
- 137二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 19:34:10
伊織並みの逸般人じゃなけりゃ死ゾ
- 138二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 19:40:03
「──っ!」
あの速さ、あの魔術師を仕留めてみせた動きを見れば嫌でも理解できる。この状況下で背を向けて逃げればその瞬間に死ぬ──
退路は無く、ならば道は前にしかあるまい
サーヴァントの力の程は聞いた話でしか知らないが普通にやって勝ち目のある相手では無い事はこの数秒でわかりやす過ぎるほどに分かり易い。だが──
(勝ち目は無くても……生き延びる方法なら!)
震える手で折り畳みナイフを逆手に握りしめる
チャンスは、一度── - 139二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 19:43:26
召喚の準備自体は出来てるんだったか
- 140スレ主24/06/09(日) 19:48:04
女武者が動き出すより速く、此方から動く。渡り廊下の柱を蹴り駆ける。その速さはサーヴァントにとっては取るに足らないもの。止まって、とはいかなくても少なくとも目にも止まらぬ速さと言うわけにはいかないだろう
「成程、逃げても無駄と悟り挑みますか……」
女武者は太刀をゆるりと構える。その眼に油断の気配は無いが、同時に大した警戒の色も無い。それはそうだろう。何せ相手はサーヴァントでは無い唯の人間。彼女の目にはそこそこの武術の嗜みがある、そんな程度にしか映ってはいない筈
「その粋や良し。ですが、遅い」
真っ直ぐにサーヴァントへ目掛け走り、ナイフを構える少年に、武者は太刀を振り抜く。その速度は全力の太刀筋では無いものの、人間に躱せる様な速度では断じて無い。ましては相手は戦乱を駆け抜けた英霊。如何に片手落ちの刃でも、英雄たる彼女の一閃を躱す事など出来るはずもなく──
「──」
そんな事があるとすれば、それは余りにも異常な事態である - 141スレ主24/06/09(日) 19:51:55
「──見えている!」
声が聞こえたのは背後。
武者は振り返ると同時に再び刃を振り抜くが、白銀の刃は再び虚空を切る。しかし、気配はすぐ近く──
「これは──」
武者のすぐ側にいる筈なのに、彼女の視界には映らない。否、振り向く度刀を薙ぐ度に視界の様にそれらしい影が映るものの、そこに視線を向ければもうその姿は無い。一体、どんな魔法なのか一瞬、理解が追いつかない女武者であるが、これは至極単純な仕組みである - 142スレ主24/06/09(日) 19:57:12
ミスディレクション
手品等で用いられる視線誘導のテクニック。身体の動きや物を動かす事で相手の視線を誘導させる技術であるが、これもそれと同じ。
武者が視界の隅に影を捉える度、その方向へと視線が誘導されるが、そこ時には既に彼は武者の視界の死角へと移動する──その動きを繰り返す。
言葉にすれば極々簡単な事である。相手の心理を突いた視線誘導の技術と自身の肉体を精密に、思うままに動かす技術、それを可能とする練度があれば誰でも出来得る技巧なのだ
尤も、それは武者の視界から消える事の正体であり、武者の剣閃を躱せた理由にはならないが
(こっちの方がもっとシンプルだけど、ね!) - 143スレ主24/06/09(日) 20:03:58
──を見る者は、それに対して鋭敏な感覚を得ると言う。その気配に常に触れているせいか、感じ取る神経が他よりも自然と磨かれるのだと
彼の眼には、既に見えている
目の前の女を、⬛︎す術が──
手に握られたナイフが怪しく光る。普通にやり合えば100度挑もうと100度此方が死ぬだろう。だが、ほんの一瞬、相手が尤も此方を警戒しないタイミングで、自身の尤も確実な方法で嵌める事が出来たのなら、それは誰もが想像し得ない偉業を為す事が可能。そして、彼の持ち得る技巧の粋を集約した必殺の殺戮技巧が、ここに完成する──
「──でしたら」
だが、それもここまで。後数秒、彼のアクションが速ければ、そんな異常事態を実現する事も可能だったかも知れないが、それを為すには余りにも遅すぎた
「見えないなら、こうするまでです!」 - 144二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:06:49
違うかもしれんがもしかして七夜の体術か?
- 145スレ主24/06/09(日) 20:18:01
「カッハ──」
一瞬の出来事で、少年は何が起きたか理解ができなかった。相手の視界から消え、その首を掻き切る。最も得意なキリングレシピ、その完成を目の前にして気がつけば全てが崩壊していた。
見えたのは、彼女を中心に紫電が明滅したと言う事。そして気がつけばあらぬ方向へと吹き飛ばされ、全身が灼ける様な痛みを背負っていた
「見事な体技でしたが、その程度では私を仕留めるには余りにも力が足りません」
身体のあちこちに激痛が疾り抜け、最早立つ事もままならない。辛うじて上体だけは起こせたが、先の光──雷光だろうか。浴びてから身体に思う様に力が入らず、無様に後ずさるしか出来なかった
──ああ、未だ見えているのに、奴の⬛︎が
でさえ届けば、直ぐにでも⬛︎してやれるのに。そんな思いが頭の隅によぎるものの、最早どうする事もできない。せめてもの抵抗として、殺された魔術師が召喚に使おうとした魔法陣の側迄近寄ってアクセスを試みる事だけ──
「少々、惜しいですが、これも定め── 御印、頂戴」
ゆっくりとした足取りで此方に近寄り、太刀を構える女武者。最早、できる事は殆どない
「──ふざけるな」
「?」
だが、それでも未だ終わった訳じゃない
「未だ死なない。死んでたまるか……まだ!」
この身は未だ、何も⬛︎せてはいないのだから── - 146スレ主24/06/09(日) 20:29:06
右手に刺す様な熱が宿る。魔力が嵐となって両者の間に吹き荒れる。女武者は此れをサーヴァント召喚の予兆であると即座に見切る
『セイバー!直ぐにその男を殺しなさい!』
「ッ!」
マスターからの声が念話となって武者に届く。返事をする前に武者の身体は動き、目の前に座り込む男を殺す為に太刀を振るう
だが、その太刀は少年に届く前に、横から振るわれた剣閃によって弾かれた
「コレは──!?」
魔力の嵐が光を伴い吹き抜ける中、女武者を襲う太刀筋を彼女は防ぎつつ後方へ跳ぶ。嵐が止み視界を阻むほどの光が収まる
──その光景は忘れない
厭に眩しい月の下、冷たい光に照らされる漆黒の君
全身を駆け巡る痛みさえ、一時忘れてしまう程に、目を奪われたこの出逢いを、例え地獄に堕ちたところでこの景色が色褪せる事は無い
「問いましょう」
もしもこの世にそれがあると言うのなら、コレこそがそうなのだろう
「貴方が、私の主ですか?」
運命とは、このことを言うのだと── - 147スレ主24/06/09(日) 20:43:09
そして、瞬間の出来事は全て彼等にも伝わっており──
『おーっとぉ!!コレは我々としても想定外の事態!!不戦敗と思われたライダー枠にまさかまさかの巻き込まれの飛び入り参戦だー!当然あの少年のデータは我々にはありません!』
思わぬ事態だが、それを熱気、興奮に変えることこそ司会者の勤めとばかりにマイクでスクリーン越しの状況を伝える
周囲は当然困惑と興味にどよめき、コレまでとはまた違った聖杯戦争の運びに歓迎の声が上がる
『これは不幸か幸運か、あの坂田晴信以来の巻き込まれ参加となりますが、一度参加した以上この戦いから降りるには勝利するか。敗退する他無いのがこのグレイルグランプリ!そしてこれまた初参戦となるライダー。あのサーヴァントのデータも当然無い訳で、つまり皆さんの賭けの対象となります!さあ、このサーヴァントの真名は?見事当ててください!』
「へぇ」
VIP席の彼等もまた、興味深そうにスクリーンの映像を眺めていた
「これはこれは、面白くなりそうね」
「これだから聖杯戦争はやめられない」 - 148スレ主24/06/09(日) 20:47:21
まさに、神話の再現とはこう言うことを言うのだろうか
両者の斬り合いが繰り広げられている場は一つの殺戮領域。刀身と刀身がぶつかり合う度にその衝撃は物理的な破壊力を伴う旋風が迸り、余人が踏み込むどころか、一歩でも近づけばすり潰されるような死の渦が巻いている
「ッ──」
「──フンッ」
漆黒の武者が打ち上げるように繰り出した剣戟を受け止め、しかしその勢いで後ろに後ずさる女武者
しかし、それも束の間。後退った直後に再び漆黒の武者は吶喊する女武者は、両手に構えた太刀を漆黒の武者へと振り翳す。漆黒の武者は泰然と太刀を構えた姿勢を保ち、向かってくる女武者を待ち構えていた
激突する両者の太刀は、これまでで最大の火花を散らし、その衝撃は2人を中心に空気が弾け飛ぶような勢いで突風を伴い互いの足元を中心に地面を割り、砕け散りながら破片を撒き散らす
刃と刃が重なり鍔迫り合いとなる。渾身の力が拮抗し刀身同士が震え、その度に小さな火花が散る
「──ッ」
「──くぅっ」
鍔迫り合いとなった両者。女武者の表情が僅かに歪む。対する黒武者は変わらず面頬によって表情は見えないものの、小さく息を吐く音がする
互角の押し合いになった鍔迫り合いだが、女武者の太刀に変化が訪れ、微かに紫電が奔る。それを見た黒武者が息を呑む。漆黒の甲冑の武者は強引に太刀を押し切る様に女武者の太刀を弾き、後ろへと跳ぶ
「逃しません!」
女武者は跳んだ黒武者へ追い縋るように跳ぶ。そして空中での剣戟へと舞台を移し、宙から地へ落ちる数瞬の中でも一度や二度では収まらない閃きと共に甲高い金属がぶつかり合う音が響く
そして互いに距離を空けながら着地、足が地に着くや否や紫電一閃。目にも止まらない疾さで互いに突撃し、幾度目かの斬り合いを開始する
そして、ゆうに五十を超える剣戟の果て、そのどれもが互いの確殺を狙った絶死の舞の結末に、両者共が無傷という結果に終わるのであった - 149スレ主24/06/09(日) 20:50:50
両者の距離を空けたまま、膠着状態に移行し、太刀を構えたまま睨み合い互いの攻める隙を探る両者
「どうしました?もう終わりなので?」
先に言葉を発したのは黒武者の方であった。顔を覆う面頬越しに発せられた声はくぐもった音で、男性か女性かの判断は出来ない
「……其方こそ、大仰な鎧を纏っていながら、大した攻めもせずにおしまいですか?」
黒武者の言葉は明らかな挑発であり、それに対して女武者の方も挑発で返す
「フフ……」
「フハハハハハ……」
挑発を交えながら太刀を構え、不動のままに笑い合う両者
「──これが、聖杯戦争……」
この戦いの一部始終を見届け、ただただ圧倒されてしまう
聖杯戦争。万能の願望器を巡り、歴史や神話に名を残す英雄、英傑が現代に甦り相争う魔術儀式
その儀式の存在は知っていたし、僕自身その儀式に参加する英雄──世界に刻まれた境界記録体、英霊を呼び寄せる事も把握していた。巻き込まれた身とはいえその存在そのものは把握している
だが、それでも尚サーヴァントの戦いは僕の予測を遥かに超えていた。話に聞いていても、実際にこの目に見るのとではまるで違っていた - 150スレ主24/06/09(日) 20:52:52
- 151二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:54:24
バーサーカーが乱入
- 152二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:55:06
他陣営による横槍
- 153二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:58:44
乱入者への説明が必要ということで運営からの介入により一時停戦
- 154二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 21:08:18
ライダー側の一時撤退
- 155二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 21:09:19
- 156スレ主24/06/09(日) 21:12:09
- 157二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 21:15:28
頼光さん包囲網やないか
- 158スレ主24/06/09(日) 21:39:38
酒呑が来る……
膠着状態のセイバーとライダー。互いにジリジリと僅かに距離が縮まり、いつでも仕掛ける態勢を保ったまま睨み合う
両者が互いに意識を向け合う中で──気がついたのは女武者の方であった
「!」
その場を飛び退く女武者、そしてその直後、上から襲いくる小さい影。その影は女武者直前まで女武者が立っていた場所に突き刺さる様に突撃する。その破壊力の様たるや、地面を大きく抉り出し、衝撃波で校舎の窓ガラスが割れ、渡り廊下を形造る壁が歪む程。当然、それ程の一撃と奔る衝撃波を受ければ唯人である少年はひとたまりもない。それを察知した漆黒の武者は彼を庇う様に立つ
もうもうと立ち込める土煙の向こう、それまで武者2人が繰り広げた剣戟の全てを上回る様な破壊を見せつけながらゆらりと影が立ち上がる。徐々に薄まる煙の奥から現れたのは、童女の様な着物姿のナニか──少なくとも、これ程の威圧感と無軌道な殺気を撒き散らす様な存在を、例えその形をしていても童女等とはとても呼べる筈はないだろう
何より、額から伸びる二本の角が、その存在を異形へと一気に押し上げている
「ああ、嫌やわあ」
その存在は、開口一番湿った声で女武者と黒武者を見ながら言った
「なんや知ってる気配があると思うて来てみたら、よりにようて牛乳女二人やなんて、ウチもヤキが回ったもんやわあ」
心底嫌そうにかぶりを振りながら腰の瓢箪を手に取り中の飲み物──酒だろうか、独特な酒気と匂いのするそれを飲み始めた
「──まさか、貴女の様なものが召喚されているとは驚きました、虫」
先の一撃を回避した女武者はその異形を忌むべき物を見る様な眼で睨みつけている。対する黒武者もまた、静かな殺意を異形の童女へと向けていた
「──酒呑童子、貴女の様な鬼に何をさせるまでもありません。斬り捨てます」
女武者は太刀を構える。それに対して酒呑童子は変わらず酒を呑んでいる - 159スレ主24/06/09(日) 21:55:54
「酒呑……童子」
その存在は知っている。日本に伝わる鬼であり、古くは伊吹大明神の子とされ、時は平安時代に大江山に居を置き鬼を束ねる首魁として人々を苦しめたと言う
その存在の話は主に源頼光率いる四天王達を中心とした話に登場する事が多い
その力は余りにも強く、頼光率いる四天王は奸計を以てでしか討伐が叶わなかったと言う
それ程の存在が、よもやサーヴァントとしてこの世に現れる等、想像の埒外だった
『主よ』
頭の中に声が響く。一瞬何事かと思ったが、どうやら念話の類の様だ。相手は僕が召喚したと思しきあの漆黒の武者
召喚によって、霊的な繋がりが生まれるのは知っている。確かに、あの黒武者と自分の間には、確かなラインが存在していた
『セイバーは、あの鬼と戦う気のようです。しかし、我らが此処で彼奴と剣を交える理由は最早ありません撤退を具申しますが──』
と、黒武者は撤退を進言してきた。しかし、あの女武者と酒呑童子、どうやら二人は互いの事を知っている様だし、ともすればあの女武者、頼光してんのの一角か?
だとしたら上手く事を運べば、協力関係に持ち込む事も出来るかもしれない。右も左も分からない身の上では他の誰かと協力関係を結ぶ事は大きなメリットがあるだらう。当然、その相手にもよるけれど
そして当然ライダーの意見の通りここは撤退する選択肢もある。正直、あの女武者のお陰で全身ボロボロだ。漸く立つ事はできる様になったものの、本調子には程遠い。一度引いて態勢を立て直す事も視野に入れなければならないだろう
(ここで取れる、取るべき選択は──) - 160スレ主24/06/09(日) 21:56:42
では主人公の取る選択は、>>165まででダイスします
- 161二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:03:15
その場から撤退
- 162二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:11:45
撤退
- 163二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:18:23
セイバーと協力
- 164二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:18:35
戦略的撤退
- 165二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:19:15
- 166スレ主24/06/09(日) 22:23:36
- 16716524/06/09(日) 22:24:39
よりにもよってそれになるか
- 168スレ主24/06/09(日) 22:55:06
汚いな流石平安武者汚い(判断はマスターだけど)
(……待てよ?)
これが聖杯戦争だと言うのなら、少なくともあと2、3人は敵が存在する事になる……状況次第では今よりももっと苦境に立たされる可能性もなくはない
自分が生き延びる、勝ち残る為にはライバルは当然少ない方が良い
だとしたらこの状況は寧ろ最大限此方の利になる様に利用した方が良い
『ええ、と……』
『私の事は、ライダーとお呼びください、主』
『分かった、ライダー。此処は一度撤退すると見せかけよう』
此方の提案に黒武者……ライダーは一瞬不思議そうに顔を隠す面頬越しに視線を向けた
『と、言いますと?』
『あの2人が不倶戴天の敵同士なら、それを利用して、消耗したところを一気に叩く。漁夫の利だ』
その言葉に、ライダーは納得した様に頷いた
『承知しました。では──』
ライダーは今正に斬り合いに移行した二騎のサーヴァントを尻目に裸の黒太刀を天に掲げる
「──京極!」
紫電が、太刀に落ちる
女武者と酒呑童子はライダー陣営を差し置く様に対峙する。ライダーの言葉通りに女武者、セイバーは戦意を激らせていた
「いややいやや。全く牛乳女は敵わんわあ」
「その口を閉じなさい。虫は虫らしく黙って死ぬのが定め」
セイバーは太刀を振り被り、酒呑童子は変わらず嗤う。先に動いたのは、セイバーだ
「──フッ!」
凄まじい速度で雷鳴を帯びながら酒呑へと突喊。袈裟懸けに太刀を振り、そのまま自身より遥かに小さい存在を斬り殺さんとする
側から見れば余りにも無体な行動に移るかもしれない。何せ両者は体格が余りにも違う。酒呑童子はセイバーよりもかなり小さい。そこへ浴びせる様に太刀を振えば、あの様な小さな体躯等切られるどころか両断されて然るべきだろう
オーバーキルにも等しい攻撃だが、セイバーはこの程度の攻撃は当然、どころかこんなもので終わるとは露とも思ってはいない。当然この一太刀で斬って捨てる気構えではあるが、同時にこの程度で終われば苦労は無いと確信している
何故なら相手は鬼。人を遥かに超えた超存在。人間のそれとは生命の在り方も常識も何もかもが異なるのだ
「アレまあ──」
振り落とされた太刀。それは甲高い音を上げながら同時に火花を散らす。紫電一閃、セイバーの太刀を酒呑童子は指の先端、手の爪で受け止めた - 169スレ主24/06/09(日) 23:12:07
「なんや、あんた弱なったんやない?」
「虫が──ほざきなさい!」
セイバーは太刀で弾く様に振り抜き、酒呑童子は蜻蛉を切る様に軽く宙を舞う。その顔は裂けるような笑みが貼り付いていた
「そこ!」
セイバーは太刀を一度納刀し、その場で抜刀術の様に太刀を放つ。鞘から抜かれた太刀は剣筋に沿って地を割る様に雷光を浴びた斬撃を飛ばした。魔力を込めた一閃がセイバーの技量と膂力によって衝撃波の様に斬滅の波を生じ、間合いの外への攻撃を当然の様に生み出す。それは宙を舞う酒呑童子が着地する正にその時を狙い澄ました一撃。所謂着地狩りとしてその、一閃が酒呑童子を襲う
しかし、その攻撃も酒呑童子が腕を振るえば雲散霧消。初めからナニもなかったかの様に掻き消えていった
「なんや、あんたこんなもんかいな」
「この程度はただの準備運動、調子にならない事です」
再び両者が激突しようとする時、一筋の雷電が近くに落ちた
セイバーと酒呑童子がその方向へ振り向くと、ライダーがその大柄な甲冑を纏って尚余りある巨躯の黒馬を呼び出した
「へぇ、あんたさんは逃げるんかいな」
「ライダー!逃げようと言うのですか」
二人の言葉に耳を貸す事なく、ライダーは黒馬に跨り、その後ろに自らのマスターを運んだ
「如何にも。これ以上貴様らに付き合う義理は無い」
そして、ライダーは月を背後に宙へ飛び去ってしまった
残されたセイバーと酒呑童子。酒呑童子は興醒めとばかりに瓢箪を取り出した
「なんやろなあ。ウチは二対一でもかまへんかったのに……」
「笑止。貴女如き、私一人で充分です」
セイバーはライダーが居なくなってもその戦意が陰ることなく、寧ろより激しく激らせながら太刀を構える
「あいも変わらず牛女はしつこいわあ……でも」
酒呑童子は酒を一口呑んで、妖艶に口元を吊り上げる。まるで何か楽しそうな事を思いついたみたいに、鬼の嗤いに顔を歪ませた
「此処であんたを殺してまえば、もう面倒な邪魔もんはおらなくなるわなぁ?」
酒呑童子は鬼である。鬼は無軌道なモノ。先程までは何処か面倒くさそうな態度を見せていたにも関わらず、今度は打って変わって無差別に振り撒いていた殺意をセイバーへ焦点を合わせる
やる気になった人ならざる、人を超える鬼を前に、セイバーは変わらず殺意を刃の様に研ぎ澄まして鬼の殺意を斬り捨てる - 170スレ主24/06/09(日) 23:55:27
「問答は終いです。虫は虫らしく、此処で果てなさい」
「ウフフ……それはウチの台詞やさかい。無駄にでかいだけの女には用はあらへんよ?」
互いに漲る殺意と共に、激突する──
───
「──此処で宜しいでしょう」
ライダーは学校から少し離れた自然公園の一角に降り立つ。確かに此処ならあの二騎の様子を窺うのには丁度良く、攻めに行くも下がるのも融通がきくだろう
ライダーと一緒に馬を降りる。ライダーが手を振るうと馬は霊体化したのか消えて行った
「ふぅ、取り敢えずはありがとうライダー。助かった」
まずはお礼を言っておかなくてはならない。あの状況、せめてもの抵抗として召喚陣にアクセス、何でもいいから召喚出来たらと足掻いた結果、望外にも強力なサーヴァントを引き当てられたらしい
「いえ、主が無事で何よりです」
漆黒の武者は面頬越しの声がくぐもっていて男か女かも分からないが、取り敢えずこの人が己のサーヴァント。巻き込まれたとは言え、聖杯戦争を共に戦うことになる存在なのだ
右手に視線を落とすと、確かにマスターの証──令呪が都合三画宿っている
「改めて宜しくライダー。俺は御剣──」
これから共に戦うのだ。せめてマスターとして自己紹介はしておかないといけない
「御剣識、宜しくね」
人殺し──古くより数多ある特異な家系、その源流となった二つの家系、怪異殺しの御影と対をなす、人に特化した暗部の始祖
御剣──それがとうに廃れ消え失せた最後の残り滓。それが己の血であった - 171スレ主24/06/10(月) 00:00:50
マテリアル解除
⬛︎御剣識
男性
17歳
対人暗殺の源流、御剣の分家であり唯一残存した最後の末
日本の暗殺の血筋は此処から始まり、その技は他方に連なり、洗練されて行った。源流とは言っても=最高峰と言うわけではなく、寧ろ源流の為多くの技は粗削りである
此処から派生した家系がより技を磨いて其々に適した暗殺者となっていったのだ
今日は此処までです
また明日ボチボチやっていきます - 172二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 00:03:18
御剣....天子、神仏の剣ですか
- 173二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 00:21:15
- 174二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 08:36:27
ここから漁夫の利を狙うならどう動くかな
- 175二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 19:38:29
そろそろかな
- 176二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 20:35:49
社会人の辛み
さて、状況を整理しよう
現状、セイバーとバーサーカー……酒呑童子が戦闘中である。先程まで思考に余裕が無かったが、亜種聖杯戦争のマスターとなった事で、視認したサーヴァントの情報をある程度まで把握することが出来る。現在確認できる情報は表面的なものだけだが、取り敢えずの戦力評価の指標にはなるだろう
⬛︎セイバー
筋力:A
耐久:B
敏捷:C
魔力:A
幸運:B
宝具:A+
⬛︎酒呑童子
筋力:A+
耐久:B+
敏捷:B+
魔力:A+
幸運:E+
宝具:B
セイバーも、話に聞く最優のサーヴァントとの呼び名通り、全体的に高水準を誇るが、やはり酒呑童子の能力は圧倒的だ。人を超越した種族、鬼の頂点の一角に名を残すだけの事はある
「ライダー、セイバーとライダー。どっちが勝つと思う?」
「さて、本来であれば如何にセイバーと言えどかの鬼を単騎で屠る事は出来ないでしょう」 - 177二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 20:51:50
ライダーは争う二騎の居る方向を見つめている。流石に英雄といえども独りでかの大厄災、その訳御霊を斃す事は難しいだろうと、漆黒の武者は語る
「ですが、英霊とは妙なモノ──」
だが、それはあくまで生前での話。かの武者はその前提が既に覆っている事を正確に把握していた
「この身は影法師。生前に成し遂げた伝承や逸話が我らの力となっている。で、あれば──」
もしかすると、と何処か笑う様に言葉を紡いだ
「あの女であれば、もしや討つまでは行かずとも消耗させる事は出来るでしょう」
まるで、是非ともそうして欲しいと言わんばかりに、武者は言葉を結んだのだ
「ライダーは、セイバーの事を知っているのかい?」
これ迄のライダーの口振りは、正にセイバーの事を知って居なければ出て来ないだろう言葉の数々である。ともすればセイバーとライダーは同じ時代に生きていたのだろうか。だとすれば、なんと言う偶然なのだろう。人類史や神話に於いて英霊たる存在は無数に在る。その上で同じ時代、同じ地を踏み締めた2人の英雄が邂逅するのは、一体どれほどの奇跡という
「はい。よく知って居ます。あのセイバーの事は、お互いに知らないはずはないでしょう」
「という事は……セイバーの方にも、君の真名は既に?」
「はい。そして恐らくは酒呑童子にも」
つまり、セイバーとバーサーカー、ライダーの3人は生前にあった事があり、ともすれば戦った可能性すらあるという事。そうなれば、セイバーとライダーの真名もかなり絞れてからが……
「宜しければ此処で我が真名、貴方に伝えても──」
ライダーの真名、確かに興味はあるけど──
ライダーの真名を
1.聞く
2.聞かない
dice1d2=1 (1)
- 178二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:05:30
「──うん、聞かせて欲しい」
正直、凡その検討は既についているが、それでもライダーの口から聞くことは大事だろう
「承知」
ライダーは識の前に片膝を突き、礼をとる様な姿勢となる。そして体を覆う鎧が僅かに光ると──
「我が真名、源頼光」
──その姿は、若い少女の形をしていた
「帝釈の御子にして、京の都を守護せし源氏が棟梁なれば」 - 179二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:06:31
この光景って観戦者達からも見えてるんだろうか
- 180二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:10:24
マテリアル解除
◾️源頼光
筋力:A
耐久:C
敏捷:D
魔力:A+
幸運:C
宝具:B
対魔力:B
騎乗 :EX - 181スレ主24/06/10(月) 21:16:24
- 182二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:23:13
酒呑は魔力もupしてるし狂化C以上かな
- 183二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 21:29:02
- 184スレ主24/06/10(月) 21:49:50
「源頼光……」
その名前は知っている。日本における怪異殺しとしては余りにも有名な名前だ。頼光四天王と呼ばれる4人の将を率いて数多の鬼や怪異を討伐せしめ、遂には大江山にて酒呑童子を酒を用いて討ち果たしたと云われている平安時代最強の源氏武者
酒呑童子以外にも浅草寺の牛鬼、京は大蜘蛛等その功績には枚挙に暇がない。酒呑童子の討伐においては諸説あるものの、それを差し引いてもかの武者こそが最大最強の神秘殺しの一角を成し得ているのは疑いようのない事実である
しかし、それがよもや大鎧に似つかわしくない少女の姿をしていると言うのは、ちょっと予想外であった
身長にして150ちょっとといった所。俺が177なので頭ひとつ分以上の差が存在している
「歴史など、所詮書くものによって如何様にでも脚色されるもの……私は間違いなく生前よりこの姿でありました」
ライダーは自嘲する様に笑う。しかし、こうして改めて見てみるとどうにも既視感と言うか、何か見覚えのある印象を受ける
「……もしかして」
そう、思い出す。青紫の髪、身長や体格はまるで違うモノのその面立ちはどこか似たものを感じさせるのだ
「セイバーと君って、同じ人物?」
「──はい」
問いへの回答は実にシンプルなものであった
「あのセイバーもまた、源頼光であれば。京の都にて四天王を率いていた時分の姿に相違なく……」
道理で、セイバーのことをよく知っている訳だ。そりゃ自分の事だもの、知らないはずも無いか
つまり、ライダーとセイバーは同一人物であるが時間──ありていに言えば年齢が異なると言うこになるのだろう。セイバーの源頼光が源氏の棟梁として生きた姿であれば、此方のライダーはそれよりも前の、幼き頃の状態と言うことなのだろう
英霊とは全盛期の姿で召喚されると言うが──
「つまりは、騎兵としての源頼光は、この時分こそが最盛期であると定義したのです。父、満仲様の元源氏武者として修行を重ねた日々の私こそが、全盛であると──」
そう語る彼女の眼は空虚なものであった - 185二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:30:23
「あれまあ牛女も思ったよりやるやないの、そろそろおさらばしたいもんやなあ」
腕を振るう。爪が薙ぎ払われる度に大気が悲鳴を上げ、地を擦めれば大きくひび割れ抉られる。正に暴虐の化身となってその膂力を思うままに振るう鬼の所業。その様に積み重なった物は何も無い。技も略も、何一つ感じられない稚拙にただ五体を振り翳すだけの行動
しかし、ただそれだけで圧倒的な暴威を具現するのが鬼。持って生まれた力でただ適当に振る舞うだけでそれは何人も寄せ付けない嵐に具現する
技術──その様な物は所詮人が戦う為に拵えた小細工に過ぎず、超越者たる鬼はあるがままに在るだけで幾百幾千の武芸者を屠り去る
それは対峙する相手も相違なく、もしも一撃でも貰おうものならば忽ちの内に無惨な肉塊へとすり潰されてしまうだろう
「笑止。羽虫の攻撃など幾ら振り回したところで風車にしかなり得ません。その様な稚拙なもので私に届くとでも?」
しかし、その者は人を超えし数多の怪を悉く討滅した源氏の武。当たれば死ぬ、動きをしくじれば死ぬ。確かに脅威だ。凡そ人では到達出来ない暴の魔性、その力は人には決して持つことの出来ない物だろう
だが、そんなモノは日常でしか無い
当たれば死ぬ──確かに脅威だが、その程度で果てるのならば源氏の棟梁となる前に百度は死している
源頼光にとって、一歩間違えれば死ぬ程度の事では眉一つ動かす事は出来ないのだ
「招雷!」
刀身に魔力を込める。迸る力は刀身を覆い、激しく明滅する雷光へと変化する
太刀を払えば、雷鳴が波となって轟渡り、例え離れた場所にある鬼であろうとも捉える稲妻の刃となる
「そないに荒ぶらんときや」
稲光の刃を正面から弾き飛ばす酒呑童子。だが、流石に強大な魔力の込められた電光は無傷とはいかず、掌に赤い傷が残り、血が滲んでいる
「やんちゃしよるわぁ牛女。もうこうなったらウチも容赦せえへんで?マスターには悪いけど……」
酒呑童子は傷ついた掌を舐め、滲みでた血に舌を濡らすと、悍ましい魔力を激らせて、同時に割れたように笑う。嗤う。ワラウ─
腰に差した瓢箪を抜き、何処から取り出したのか、十八寸はあろうかという大盃にとくとくと酒を注ぐ - 186二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:38:17
背筋の凍り付く様な暗く悍ましき魔力の渦。十中八九宝具による攻撃に間違いない。セイバー、源頼光は太刀を構え直し、己が主人へと問う──
『マスター。虫が宝具を使おうとして居ます。此方も宝具を使う許可を──』
なんだかあまりタイミングが図りづらいですが、マスターの楠正雪ちゃんはどんな性格でどんな人物像なのか>>191まででダイス。その後で次スレ立てます
- 187二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:44:45
ガンガン行こうぜな魔猪の氏族
- 188二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:45:54
毅然とふるまっているが根は小動物系
- 189二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:46:01
浮世離れした人柄
成るように成るの精神で生きてる - 190二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:47:22
物凄く善良な子だけど願いのために無理してる
- 191二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:48:34
- 192二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:56:16
- 193スレ主24/06/10(月) 23:12:34
ほうほう……ほうほう……!
宝具の許可を求めるセイバーへ、返答はすぐに返ってきた
『それで、確実にあの鬼を仕留められる?』
その答えは、セイバーへの確認。毅然としながら、何処か憂う様な声でセイバーへと尋ねる声
『──無論、我が真名に賭けてあの羽虫、見事討滅してくれましょう』
マスターの問いに、セイバーはマスター以上に凛とした態度で応えて見せる。心中では、セイバーにとってバーサーカーとの宝具の撃ち合いになった場合、仕留め切れるかは半々と算段をつけて居た。サーヴァントとしての酒呑童子が用いる宝具、それは恐らく己の死因にもなったかの酒であるはず。その証拠に奴が注いだ酒から膨大な魔力が渦巻いている
しかし宝具の力の程であれば己のそれに軍配が上がるだらうと踏んでいる。撃ち合いになれば負けるとは考えては居ない。しかし、それだけではあの鬼を討ち果たせるかは正直、疑問視せざるを得ない
我ら源氏の宿敵でもあった大江山の魔性は嘗て奸計を計って討伐したが、その時も奴は首だけになって尚此方を食い殺そうと牙を剥いた
あの事を鑑みれば、宝具で斃し切れるかは些か不安だが、敢えてセイバーは仕留めると断言してみせた
それは源氏の棟梁としての意地であり、矜持。相手が魔性の類であるならば如何なる敵であろうとも滅ぼして見せると言う覚悟のそれである
『──なら、お願い』
マスターから供給される魔力が一時的に増大する。言ったからには、必ず仕留めろと言う意思表示なのだろう
「誅伐の時です。大人しく消え去りなさい──羽虫」
「それはどっちやろねぇ?その無駄にデカい乳袋ごと、ようけ蕩けるとよろし」
互いに高まる魔力。英霊の象徴である宝具。此度の聖杯戦争に於いて初の、切り札のぶつけ合いが始まろうとしている - 194スレ主24/06/10(月) 23:34:56
- 195スレ主24/06/10(月) 23:43:10
識、魔術師じゃ無いのに魔術回路の質と量が両方ともAランク判定……
宝の持ち腐れだぁ… - 196二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:02:43
やっぱかっこいい文章を書く人だなあ
次スレからも楽しみにしてるよ - 197二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:57:46
埋め
- 198二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:57:57
埋める
- 199二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:58:08
うめ
- 200二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:58:20
埋めた