ウマ娘昔ばなし『人魚姫』

  • 1読み手24/06/08(土) 21:14:11

    深い深い海の底、サンゴのお城には美しい人魚のお姫様『人魚姫』が住んでおりました。


    人魚姫 dice1d114=101 (101)


    ※23〜24時ごろにホスト規制で書き込めないことがあります。ご了承下さい。

  • 2読み手24/06/08(土) 21:15:24

    人魚姫には5人の姉がおりました


    姉たち dice5d114=101 55 23 108 80 (367)

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:15:30

    ロイス姫か

  • 4二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:15:36

    自己プロデュースの鬼の人魚姫きたな…

  • 5読み手24/06/08(土) 21:16:00

    >>2

    ロイスが早速被ったので一回だけ振ります


     dice1d114=104 (104)

  • 6二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:16:05

    悲報 ロイス分裂

  • 7二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:16:54

    ロイスから声を奪うのか

  • 8二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:17:48

    メガネ率高いっすね

  • 9二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:17:56

    >>7

    アニメでほぼ声を奪われていたようなもんだし‥‥

  • 10読み手24/06/08(土) 21:32:17

    人魚たちには15歳になると初めて海面に出て、人間界を見る事が出来るというしきたりがありました。
    人魚姫は先に15歳になった姉たちから人間界の話を聞くことが何よりも大好きでした。

    「秋のころには、草木たちが燃えるように赤く染まる素敵な景色が広がるのです。」
    「んーっとね★とってもマーベラスなところ☆★☆」
    「人間界のバナナという食べ物はとても良い。海にも生えていないものか…。」
    「近くにお城があるんっすけど、ドレスコードでダンスしてるのとかを見ると、とっても綺麗だなぁって思うっすね。」
    「ゴホッゴホッ!人間界はいいところですよ!ゲフッ!でもそうですね…こういう病気っていうのがあるのはいただけない気もします…!ゴホッ!」

    「あぁ…早く15歳になれないかしら。どんな世界が広がっているんでしょう…。」

    人魚姫は人間界に強い憧れを抱くようになりました。

  • 11読み手24/06/08(土) 21:35:18

    しばらくして、ようやく人魚姫が15歳になりました。
    姉たちから見送られ、期待を胸に海面に上がった人魚姫が初めて見た景色はとても大きな船でした。

    「すごいわ…人間はあんな大きな動くものを作れるのね。」

    人魚姫が船に近寄ると、船ではちょうどパーティが行われていました。

  • 12読み手24/06/08(土) 21:38:41

    パーティは王子様の16歳の誕生日を祝うものでした。

    パーティの様子を海面から見ていた人魚姫は王子様を見つけると、一目で恋に落ちてしまいました。


    「あれが人間の王子様…。なんて素敵な方なのでしょう。お近づきになれるといいのだけれど、こんな脚では怖がられてしまうわよね…。」


    王子様 dice1d114=5 (5)

  • 13二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:39:17

    それっぽい!

  • 14読み手24/06/08(土) 21:43:06

    「みんな、今日は私のために来てくれてありがとう!是非とも楽しんでいってよ!」

    王子様は自ら手品を披露するなど、場を大いに盛り上げました。
    手品に魅せられたのは人魚姫も同じでした。

    「人間も魔法を使えるのね。お姉様たちのお話には無かったわ。新しい発見ね!」

    興味津々な人魚姫がふと海の方を見てみると、波が強くなり始め、空も雷雨に包まれ始めていました。

    「いけない、嵐が来るわ!」

  • 15読み手24/06/08(土) 21:47:38

    人魚姫が危惧したのも束の間、王子様たちが乗っていた船に嵐が直撃し、船は転覆してしまいました。

    「王子様!」

    人魚姫は海に投げ出される王子様を間一髪のところで助け、水を飲み込まないように海面に顔が出るよう持ち上げながら岸まで送り届けました。

    「王子様…!王子様…!目を覚まして…。」

    人魚姫は朝日が出るまで夜通しで王子様を心配そうに見つめていました。

  • 16読み手24/06/08(土) 21:48:18

    朝が来て、1人の修道女が岸にやって来ました。


    修道女 dice1d114=35 (35)

  • 17二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:49:02

    なんか同期多いな…

  • 18二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:49:24

    うるさそうな修道女だなぁ

  • 19二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:49:27

    修道女ならぬ騒動女

  • 20読み手24/06/08(土) 21:52:24

    「ええええええ!?誰か倒れてるよ!?おーーーい!大丈夫ですかーーー!?」
    「いけないわ。王子様、さようなら。」

    人魚姫は王子様にそう告げると、その場を離れました。

    「大丈夫ー!?」
    「………ん…。キミは?」
    「あっ!目を覚ましたんだね!よかったー!」
    「そうか…キミが私を…。」

    王子様は修道女を命の恩人だと勘違いしてしまいました。

  • 21読み手24/06/08(土) 21:56:33

    「助けたのは私なのだけど…。でも、王子様が助かったのならそれで良いわ。」


    人魚姫は海へと戻っていきましたが、数日経っても王子様のことが忘れられません。

    毎日海面から顔を出しますが、王子様はそれっきり海の近くに姿を見せることもありませんでした。


    「…そうだわ。私が人間になればまた王子様に会えるかもしれない。あの人のところに行きましょう。」


    人魚姫は海の魔女のところへ行きました。


    魔女 dice1d114=105 (105)

  • 22二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:57:30

    ハートさんシンデレラでも魔女やってたな

  • 23読み手24/06/08(土) 22:08:03

    「あら、人魚姫じゃない。どうしたのかしら?」

    「魔女…私を人間にしてほしいの。」

    「人間に?どうして?」

    「その…王子様に恋をしてしまって、ね…。でもこんな脚では2度と結ばれることは無いでしょう?だから人間になりたいの。」

    「人間にねぇ…。薬はあるにはあるけど、副作用が色々あるのよ。好きなものを選んで。」


    そう言うと、魔女は3つの薬を人魚姫の前に出しました。


    dice1d3=2 (2)


    1 人間になれるが声が出なくなり、歩く度に激痛に襲われる薬

    2 人間になれるが醜い声になり、姿も別人に変わる薬

    3 自己肯定感が上がる薬

  • 24読み手24/06/08(土) 22:13:10

    「………これにするわ。」

    「いいの?声は醜く、姿は別人になってしまうけれど。」

    「他のに比べたらマシでしょう…。あと何ですか最後の薬…。」

    「まぁまぁ!選ばなかった方は置いておいて。その薬を岸の近くで使ったら、あなたは晴れて人間になれるわ。でも、声はガラガラのおばあちゃんみたいになって、姿形は別人になる。改めて、それでいいわね?」

    「ええ、王子様にもう一度会えるのなら。」


    人魚姫は岸まで上がると、薬を一気に飲み干しました。

    すると、見る見るうちにヒレの着いた魚のような脚は綺麗な人間の脚に変わり、人魚姫の姿も別人のように変わりました。


    人間の人魚姫 dice1d114=69 (69)

  • 25二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:14:27

    結果的にガラスの脚じゃないですかヤダー

  • 26二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:14:29

    >>21

    美魔女であることに定評のあるデアリングハートさん...

  • 27二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:15:14

    病気のせいで声が悪くなったんです‥‥

  • 28読み手24/06/08(土) 22:17:19

    「こ゛れ゛が゛私゛…?……………や゛だ゛、本゛当゛に゛醜゛い゛声゛…。」

    人魚姫は水色の髪をした女性の姿になりました。
    そして声はガラガラにしゃがれ、とても醜いものになってしまいました。

  • 29二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:18:27

    思ってた5倍ぐらいガラガラだな…

  • 30二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:18:49

    藤原竜也やん

  • 31二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:19:29

    濁点を見るとポッケかチケットを警戒する体になってしまった……

  • 32二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:19:42

    チケゾーかな

  • 33二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:20:57

    >>30

    メジロアルダンCV藤原竜也

  • 34二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:25:28

    な゛ん゛で゛だ゛よ゛ぉ゛!
    な゛ん゛で゛マ゛シ゛ュ゛マ゛ロ゛が゛溶゛岩゛に゛る゛ん゛よ゛ぉ゛!!!

  • 35読み手24/06/08(土) 22:25:54

    人魚姫がお城に向かって歩くと、偶然王子様に会うことが出来ました。

    「王゛子゛様゛!」
    「わぁっ!びっくりした……。」
    「す゛み゛ま゛せ゛ん゛、驚゛か゛せ゛て゛し゛ま゛っ゛て゛…。え゛ー゛っ゛と゛…風゛邪゛を゛引゛い゛て゛し゛ま゛っ゛て゛、喉゛が゛枯゛れ゛て゛い゛る゛の゛で゛す゛…。」
    「そうなんだね可愛らしいポニーちゃん。せっかくの美しい顔もそんな声では台無しだ。私のお城にはお医者さんも居るから一緒に来ないかい?」
    「い゛い゛ん゛で゛す゛か゛?是゛非゛!」

    人魚姫はお城の中に入ることが出来ました。

  • 36二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:27:13

    アカン、アルダンなのもあってなんかオモロい

  • 37読み手24/06/08(土) 22:28:35

    人魚姫は王子様のお城でお医者さんに見てもらうことになりました。


    医者 dice1d114=114 (114)

  • 38二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:29:42

    ダイス全体的に新しめだな

  • 39二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:30:38

    ウマ娘の人魚ってケルピーじゃね??

  • 40二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:32:02

    ずいぶんチャラいお医者様だな

  • 41読み手24/06/08(土) 22:36:14

    「お゛医゛者゛さ゛ん゛、よ゛ろ゛し゛く゛お゛願゛い゛し゛ま゛す゛。」
    「いや、マジひでー声だなオイ。ちょい喉見せてみ?どんぐらい酷いん?」
    「あ゛ー゛…。」
    「んーーー………。喉赤くねーけどホントに風邪か?元からこういう声なんじゃねーの?」
    「い゛え゛!違゛い゛ま゛す゛!元゛は゛私゛、歌゛と゛か゛も゛褒゛め゛ら゛れ゛て゛…。」
    「あー…じゃあ歌の歌いすぎとかかもなー。ま、炎症防ぐ薬やっとくから、毎日欠かさず飲めよなー。」

    お医者さんは人魚姫に粉薬をあげました。

  • 42読み手24/06/08(土) 22:43:16

    王子様は人魚姫の声を哀れに思って、それから目をかけてくれるようになりました。


    「喉の調子はどうだい?」

    「い゛え゛…も゛う゛し゛ば゛ら゛く゛は゛こ゛う゛か゛も゛し゛れ゛ま゛せ゛ん゛。」

    「そういえば、名前を聞いてなかったね。聞かせてもらってもいいかな?」


    流石に「人魚姫」と答えるわけにはいかなかったので、人魚姫は考えました。


    dice1d4=3 (3)


    1 ロイス

    2 アルダン

    3 アリエル

    4 >>45

  • 43二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:46:55

    アリエルか…。まぁ今までの流れから行くと「あり得る」ね。

  • 44二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:47:25

    >>43

    カイチョー

  • 45二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:49:46

    >>43

    カイチョー

  • 46読み手24/06/08(土) 22:53:11

    「ア゛リ゛エ゛ル゛と゛、呼゛ん゛で゛く゛だ゛さ゛い゛。」
    「分かったよ、アリエル。そうだ、アリエルは行く当てとかあるのかい?そもそも家出とか?」
    「……ま゛ぁ゛、そ゛ん゛な゛と゛こ゛ろ゛で゛す゛。」
    「そっかぁ。見た目と違って、思ったよりも悪い子なんだね。アハハ。」
    「も゛う゛、か゛ら゛か゛わ゛な゛い゛で゛下゛さ゛い゛…。」
    「アハハ。ごめんごめん。いやね、綺麗な顔だからさ、婚約者とか居るのかなって思って。」
    「え゛っ゛と゛…い゛え゛、婚゛約゛者゛は゛居゛ま゛せ゛ん゛よ゛。で゛す゛け゛と゛…え゛っ゛と゛…私゛に゛は゛想゛い゛人゛が゛い゛る゛ん゛で゛す゛。」
    「へぇ!奇遇だね!私もなんだ!」
    「え゛っ゛。」

  • 47読み手24/06/08(土) 22:59:15

    「え゛っ゛と゛…ど゛ん゛な゛方゛な゛ん゛で゛す゛か゛?」
    「修道女をやってるらしいんだけどね。とっても明るくて元気で…力を貰える女性なんだ。私が嵐に合って溺れかけた時があるんだけど、その時に助けてくれたみたいなんだよね。本人はしらばっくれてたけど…。」
    「そ゛っ゛…そ゛う゛な゛ん゛で゛す゛ね゛…!そ゛う゛…な゛ん゛で゛す゛ね゛…。」

    人魚姫は複雑な気持ちになってしまいました。

  • 48二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:00:11

    ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛

  • 49二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:01:36

    原作が原作なのにそれに加えて藤原竜也なのマジで可哀想

  • 50二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:29:41

    最初に藤原竜也って言った奴許さんからな
    もうソレにしか聞こえなくなったじゃねぇか
    呪いをぶちまけやがって

  • 51二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:42:13

    やめろよ最後泡になって消えるとき「死゛に゛た゛く゛ね゛え゛よ゛お゛お゛」って声が聞こえるじゃねえか

  • 52二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 02:46:10

    もしも原作通りなら甘いロマンスが楽しめただろうに…
    これじゃ完全にコメディだよ

  • 53読み手24/06/09(日) 10:17:43

    「でも…彼女は修道女だから、結婚は出来ないなぁ。私はずっとこのままなのかな。」

    王子様は月を見ながら悲しい顔をしました。

    「そ゛、そ゛の゛時゛は゛…王゛子゛様゛が゛1゛人゛に゛な゛っ゛て゛し゛ま゛っ゛た゛時゛は゛、私゛が゛そ゛ば゛に゛居゛ま゛す゛よ゛。」

    人魚姫は勇気を出して王子様にそう言いました。
    王子様はしばらくキョトンとしていましたが、人魚姫に優しく微笑みかけました。

    「ありがとう、アリエル。慰めてくれたんだね。」

    (慰めなんかじゃ、ないのだけれど…)
    人魚姫はその言葉を飲み込んで、王子様と一緒に月を眺めました。

  • 54読み手24/06/09(日) 10:25:29

    王子様に振り向いてほしい人魚姫は、自己プロデュースをすることにしました。


    (やっぱり王子様が思いを寄せているあの人みたいに快活な感じがいいかしら…それとも敢えて真逆の超お淑やかな感じ…?それとも…)


    悩んだ末、人魚姫は自身のキャラ付けを決定させました。


    dice1d3=3 (3)

    1 元気な感じで

    2 お淑やかな感じで

    3 そのまま自分自身で

  • 55読み手24/06/09(日) 10:28:23

    (………やっぱり、私自身に振り向いてもらわないと意味が無いわ。決めた!自己プロデュースは無し!私は私として、人魚姫として王子様に振り向いてもらうのよ!)

    人魚姫は決意を新たに、自分自身を曝け出して王子様にアタックすることに決めました。

  • 56読み手24/06/09(日) 10:42:28

    「王゛子゛様゛!今゛日゛は゛散゛歩゛を゛し゛ま゛し゛ょ゛う゛。た゛ま゛に゛は゛外゛に゛出゛て゛、民゛た゛ち゛と゛の゛交゛流゛の゛時゛間゛に゛当゛て゛な゛い゛と゛い゛け゛ま゛せ゛ん゛。」
    「ありがとうアリエル。そうだね、街の方まで寄ってみようか。アリエルも来るかい?」
    「え゛っ゛…?………で゛、で゛は゛、お゛言゛葉゛に゛甘゛え゛て゛…。」

    王子様と人魚姫は、一緒に街へ行くことになりました。

  • 57二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:43:32

    いい配役だな

  • 58二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 11:01:38

    なんだろうフジとアルダンの人魚姫なんてきれいにしかならないはずなのに声帯藤原竜也が全てをギャグにしている

  • 59読み手24/06/09(日) 12:09:14

    2人が街へ行くと、街はなにやら賑やかい様子でした。

    「何かあったのかい?」

    王子様が街の人に聞くと、どうやら隣の国の王女様がやって来ると言うのです。

    「へぇ、王女様か。私も初めて見るなぁ。」
    『そうなんですか?』

    人魚姫は街の人を驚かさないように筆談でコミュニケーションをしています。

    「うん、どうやらどこかで修行をしてたらしいって話は聞いた事があるんだけどね。」
    (修行…?)

    そうこうしていると、向こうのほうから護衛に囲まれた1人の女性がやって来ました。

    「皆さんこんにちはーーー!!!」
    「え゛っ゛。」

  • 60読み手24/06/09(日) 12:17:46

    「……!キミは…!」
    「あー!岸に居た人!こんにちはー!久しぶりだね!」
    「キミ…修道女じゃなかったの…?」
    「一応してたんだけど、社会勉強のためにやってたんだー!15歳になったから、晴れて今日から王女様!」
    「そ、そうなんだね…!どこかでゆっくり話したいな…。いいかい?」
    「いいよ!案内もしてほしいな!」

    人魚姫は楽しそうに話す2人をただ見つめる事しか出来ないのでした。

  • 61二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 12:23:20

    切ねえ…藤原竜也なのに

  • 62二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 12:24:40

    BSS藤原竜也という新ジャンル

  • 63読み手24/06/09(日) 12:30:17

    王子様と王女様は陽が落ちるまで楽しそうに語り合っていました。

    (王子様…楽しそう…。)

    遠くから2人の様子を見ていた人魚姫は、やはりこれが叶わぬ恋なのだと理解しましたが王子様の側に居れるだけで幸せでした。

    (王女様はまだなったばかりですから相手も居ないはず。いつかあの2人は結婚するのでしょう。……私は本当に心から2人を祝福することなんて出来るのかしら…。)

    人魚姫の胸にチクリと棘が刺さったような感覚が芽生えました。

  • 64二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 14:24:31

    チケゾーがいい子なだけに切ない

  • 65読み手24/06/09(日) 19:28:09

    胸の違和感を抱えながら人魚姫はいつの間にか岸に座り込んでいました。
    ボーッと海を見ていると、魔女の声が聞こえてきました。

    「何をしているの?人魚姫。あなたは人間になるための目的を果たさないといけないのよ?つまり、王子様と結ばれないといけないの。そうしないと泡になって消えてしまうのよ?」
    (でも…きっと王子様は私よりも王女様と居る方が幸せなんです…。)
    「そうは言ってもねぇ…何度も言うけど、泡になって死んでしまうのよ?」
    (しかし…)

    人魚姫は答えが決まらないまま王子様と王女様は結ばれました。

  • 66読み手24/06/09(日) 19:32:38

    「永遠に愛し続けることを誓いますか?」
    「誓います。」
    「誓います!!!」

    2人の結婚式を見て、人魚姫はとても泣いてしまいました。
    しかし、人魚姫自身もこの涙は決して喜びの涙ではなく、悲しみの涙であることを理解してしまいました。
    そして、そんな自分がより一層愚かに思うようになりました。

    (2人とも…おめでとう…!でも…やっぱり……。)

    王子様と王女様は新婚旅行に行くために船に乗ることにしました。
    もちろん、人魚姫もついて行くことになりました。

  • 67二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 19:34:35

    いやまて…アリエルって名前だからハッピーエンドなんだ…
    そうだろ、バード!!!

  • 68読み手24/06/09(日) 19:47:12

    船の上では2人の結婚記念パーティが開かれました。
    皆が祝福しましたが、人魚姫だけは1人遠くで海を眺めていました。
    色々言いつつも2人の結婚を心から祝福出来ていない自分が嫌だったのです。
    おまけに2人が結ばれてしまったのですから、自分はいずれ泡になって消える運命でもあります。
    様々な事に頭を悩ませながら海を見ていると、突然人魚姫の姉たちが海面から顔を出してきたのでした。

    「お゛姉゛様゛た゛ち゛!?」
    「あ、本当に酷い声っすね。」
    「風邪の時の私みたゲフッ!」

  • 69二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 19:48:17

    間違いなくシリアスで悲しい話ではあるんだよなぁ‥
    藤原竜也がノイズになっているだけで

  • 70読み手24/06/09(日) 20:02:16

    「人魚姫…その…これを…。」

    長女が何かを渡してくれました。

    「こ゛れ゛は゛…ナ゛イ゛フ゛?」
    「そのナイフは魔法のナイフだ。持ち主が愛する者の血を吸うことで効力を発揮する。」
    「血゛っ゛て゛…ま゛さ゛か゛…。」
    「………そのナイフで王子を刺すんっす…。王子の血を脚に塗ると、人魚姫は泡にならずに人魚に戻ることが出来るっす…。」
    「アタシたち、人魚姫のことを思って考え抜いた結果なんだ★辛いことを言ってる自覚はあるけど、でも、アタシたちは妹のことを思って…。」
    「……………。」
    「懸命な判断を待ってるぞ、人魚姫。」

    姉たちは海の中に消えていきました。

    「あ゛ぁ゛…姉゛さ゛ん゛た゛ち゛…あ゛り゛が゛と゛う゛。そ゛し゛て゛、な゛ん゛て゛世゛界゛と゛い゛う゛の゛は゛残゛酷゛な゛の゛か゛し゛ら゛。」

    人魚姫は賑やかな音楽が聴こえる横で、1人泣きながら座り込んでしまいました。

  • 71二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:27:37

    ンエエしんどい………
    てかこれ原作だと姉様達も髪の毛対価にしてるんだよな…

  • 72二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:48:48

    悲しすぎる

  • 73読み手24/06/09(日) 20:57:42

    その日の深夜、人魚姫は船の中にある王子様と王女様の寝室に入りました。
    手にはあの姉たちから貰ったナイフが握りしめられていました。

    「起゛き゛て゛な゛い゛…わ゛よ゛ね゛。」

    人魚姫が覗き込むと、2人はベッドで仲良く眠っていました。
    それを見ると、人魚姫はより一層胸が締め付けられるような思いになりました。

    「王゛子゛様゛…ご゛め゛ん゛な゛さ゛い゛…。」

    人魚姫は王子様の胸にナイフを突き立てました。

  • 74読み手24/06/09(日) 21:12:17

    「……………………。」
    「すぅすぅ…。」
    「ぐぅ…。」
    「……………………………。」

    カランカランと、床に金属が落ちる音が響きました。
    人魚姫はその場に崩れ落ち、大粒の涙を流しました。

    「私゛に゛は゛出゛来゛な゛い゛…王゛子゛様゛を゛刺゛す゛な゛ん゛て゛…。だ゛っ゛て゛…私゛は゛未゛だ゛に゛王゛子゛様゛を゛愛゛し゛て゛る゛ん゛だ゛か゛ら゛…。」

    人魚姫は涙ながらにナイフを拾い上げて、2人の寝室を後にしました。

  • 75読み手24/06/09(日) 21:26:35

    月夜の中、人魚姫は甲板に出ました。
    魔法のナイフを海に投げ捨てようとしたのです。

    「自゛分゛の゛命゛や゛叶゛わ゛ぬ゛恋゛よ゛り゛も゛、王゛子゛様゛と゛王゛女゛様゛の゛今゛後゛の゛人゛生゛の゛方゛が゛大゛切゛だ゛わ゛…。こ゛ん゛な゛も゛の゛、捨゛て゛て゛し゛ま゛い゛ま゛し゛ょ゛う゛…。」

    人魚姫が大きく振りかぶったその時、人魚姫はある事に気付きました。
    波が白くなり、船は大きく揺れ、月はいつしか見えなくなっていたのです。

    「………嵐゛が゛来゛る゛…!?」

  • 76読み手24/06/09(日) 21:41:29

    人魚姫の言う通り、皆を乗せた船は嵐に遭いました。
    乗員たちは慌てふためき、避難する為に皆で色々考えていました。

    「王゛子゛様゛!」
    「アリエル!大丈夫だったかい?」
    「姿が見えなくて心配したよー!」
    「こ゛こ゛は゛危゛険゛で゛す゛!嵐゛が゛迫゛っ゛て゛き゛て゛い゛る゛の゛で゛、皆゛の゛と゛こ゛ろ゛に゛…。」

    束の間、船は大波に煽られて大きくバランスを崩してしまいました。

    「き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
    「わぁああああ!」
    「うわぁああああ!!!」

  • 77二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:03:21

    いかん…叫び声だともう本格的に藤原竜也だ…

  • 78読み手24/06/09(日) 22:27:46

    「い゛た゛た゛…。」
    「お、王子様!大丈夫ー!?王子様ー!!!」
    「う、うぅ…。」
    「王゛子゛様゛…!」

    大波により船が傾いた衝撃で、王子様は頭を打ち、少しばかり出血してしまいました。

    「水が入ってきたぞー!」

    遠くからそんな声も聞こえてきました。

    「この船は転覆する…2人とも、私を置いて逃げてくれ…。」
    「王゛子゛様゛は゛置゛い゛て゛行゛け゛ま゛せ゛ん゛!」
    「そうだよ!そんな事言っちゃダメだよ!」
    「2人とも…。でも、どうすれば…。」

    そうこうしている間にも、海水が流れてき始めているのが見えました。

    「……………王゛子゛様゛。少゛し゛よ゛ろ゛し゛い゛で゛す゛か゛?」
    「アリエル…?」

  • 79読み手24/06/09(日) 22:35:00

    「失゛礼゛し゛ま゛す゛!」

    人魚姫は王子様の血まみれの手を握ると、自分の手に付いた王子様の血をあの魔法のナイフの刀身に塗りました。
    ナイフは眩く光ると、刀身から一滴の光る血を滴り落としました。
    そしてその光る血を、人魚姫は自身の脚に塗り込み始めました。

    「アリエル…?」
    「これって…!?」
    「…………皆゛さ゛ん゛、息゛を止めて、私に捕まって下さい!」

    部屋の中に海水が一気に流れ込んできたその時、王子様と王女様を抱えた1匹の人魚が、波の中をすいすいと泳いで行きました。

  • 80読み手24/06/09(日) 22:41:40

    「………プハッ!」
    「………プハァッ!」

    人魚姫と王子様と王女様は無事に転覆する船から脱出する事が出来ました。

    「良かった…2人とも水は飲み込んでいませんか?」

    醜い声も無くなり、元の姿に戻った人魚姫を見て、2人は目を丸くします。

    「はぁ……はぁ………アリエル…その姿…。」
    「…………はい。」
    「………とっても綺麗だよ…!」

    王子様は微笑みました。

    「助けてくれてありがとう!!!」
    「………………ありがとうございます…!」

    人魚姫はそれはそれは綺麗な涙を流しました。

  • 81二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:45:37

    そりゃあ美少女が美少女に化けていた訳だから醜いはずはないよなあ?

  • 82読み手24/06/09(日) 22:51:43

    しばらくしていると、脱出していた船員たちが脱出用ボートでこっちに向かって来るのが見えました。
    人魚姫は近くに流れていた木の板を掴んで、王子様と王女様に掴まるよう言いました。

    「………残念だけれど、人間でなくなった私はここでお別れです。2人とも、今までありがとうございました…。」
    「………そうか、あのこの時のような嵐の夜の日、私を岸まで届けてくれたのは……。」
    「…良いんです、王子様。私は人間と同じ世界で暮らせないただの人魚。王女様を幸せにしてあげてください…!」
    「ぐずっ…アリエルさぁん…。」

    人魚姫は2人に優しく微笑み、少しずつ木の板を向こうにやり、距離を取っていきました。

    「もうすぐ助けが来てくれます。2人とも、どうかお元気で…!私はいつも、見守っていますよ…!」
    「私もキミのことを一生忘れないよ…!」
    「さようならアリエルさぁぁぁぁん!!!」

    人魚姫は2人に別れを告げ、また暗い暗い海の底に潜って行ったのでした。

  • 83二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:52:25

    お別れなのかあ…

  • 84二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:52:44

    あぁ…

  • 85読み手24/06/09(日) 23:02:55

    数ヶ月後、王子様と王女様はお城の窓から海を見つめていました。

    「元気にしてるかなぁ。アリエルさん。」
    「…いつも見守っていると言ってくれたんだ。見守ってくれているよ。」
    「おーい!王子様ー!王女様ー!いんのかー!?」

    お医者さんが慌ただしく部屋に入ってきました。

    「どうしたんですか?お医者さん。」
    「へっへっへー!隅に置けねぇなぁこの色男!…おめでただよ!王子様と、王女様のな!」
    「……!」
    「や、やったーーー!!!」
    「ありがとう…!」


    喜ぶ2人を、海から見つめる1つの影がありました。

    「……おめでとう。2人とも。」

    影は大きなハープを弾きながら、歌を歌いました。


    ふたりで 歩いて
    走るのさ ふたりで
    あなたと
    彼女の
    世界で


    おしまい

  • 86二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:06:53

    最後泡にならないでよかったです!
    王子と人魚の配役もピッタリだし
    ラストちょいほろ苦いねー

  • 87読み手24/06/09(日) 23:10:30

    お疲れ様でした。今回は『人魚姫』をお送りしました。
    アンデルセンの原作を基準に、後半は少しばかりディズニーのリトル・マーメイドのテイストを入れて、それでも少しビターなエンディングに仕上げてみましたがいかがだったでしょうか。
    個人的にもガラガラ声などの表現が皆さんにウケてくれてとても満足な出来でした。
    それではまた次のお話でお会いしましょう。
    改めてお疲れ様でした。

  • 88読み手24/06/09(日) 23:11:55
  • 89二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:16:31

    悲恋に終わってしまったけど、健気な人魚姫でした
    お疲れさまでした!

  • 90二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:28:43

    また何年か経ってアリエルにいい出会いがあるといいなあ

  • 91二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:29:15

    相変わらずの感情ジェットコースター
    藤原竜也アルダンは笑わせてもらいました

  • 92二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:30:13

    できれば今度はぜひ「アリババと40人の盗賊」で…

  • 93二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 09:33:14

    このレスは削除されています

  • 94二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 09:39:31

    そういやウマミミにウマ尻尾に人魚の下半身って割と性癖ごった煮だよなぁと

  • 95二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 11:54:16

    >>94

    最大の特徴である足の速さを完全に投げ捨てた謎生命体。……代わりにカジキぐらいには泳げたりする?

  • 96二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 19:27:58

    >>94

    エッッッッッッッ

  • 97二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 19:41:58

    >>94

    とてもえっちだな…

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています