- 1二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:11:11
- 2二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:11:24
- 3二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:18:11
おお、続きが見れるとは…
すれぬし代理で書いてた人とは違う人? - 4二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:25:19
違いますね。自分はもう過去スレになったシリーズを見つけた者です。
- 5二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:26:32
前提情報
第一次世界大戦が終わった1919年のベルリンを舞台とした聖杯戦争。
大聖杯を強奪し、その力によるドイツ復興を目指す“青”の陣営と、阻止して大聖杯を確保しようとする連合陣営による聖杯大戦。 - 6二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:34:24
- 7二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:35:57
元スレのSSがパオちゃん(太公望マスター)のお話の途中で終わっているので、そこから繋ぐ感じで書いていきます。
- 8二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:40:23
「うぅ……ぅぅぅあああああ……ッ!!!」
雨の降る夜の下。
少女はその日、人生初めての大切なもの(トモダチ)を得て、そして失った。
心に空いてしまった穴から勢いよく中身が吹き出るように、彼女の口から溢れる慟哭は止むことを知らない。
もう二度と起きず、喋らず、笑わない少年の骸にすがるように泣く少女の背後で、奇妙な光が瞬いた。
落雷か。この空ならなんら不思議ではないと、目の前の絶望に比べれば気にする必要をまるで感じていなかった彼女だったが、雷に付随する轟音がいつまでも耳に届かないことと、背後に突然気配が現れたことで、冷静な思考が僅かながら蘇った。
少年を殺したあの怪物が戻ってきたのなら、静かに後ろに佇んでいることなどしないだろう。
ならば、これは誰であろうか。
少女は錆び付いた人形のように緩慢な動作で振り返って見ると――
「もし」
そこには、こ目線を合わせるために雨に濡れるのも厭わず膝を突き、こちらを見つめる青年がいた。
「――サーヴァント・キャスター。真名を太公望。貴女が、僕のマスターですか?」
11月2日 酷い雨の夜
この日の出会いこそが、此度の聖杯大戦の最初の契約であり、ようやく始まった彼女の人生のプロローグであった。 - 9二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:46:27
全ての発端は、少女と道士の英霊の出会いからおよそ3週間程遡る。
・ドイツ(ワイマール共和国) ベルリン郊外の洋館
「素晴らしい! シュヴァルツ君、君達は私の見込んだ通りの働きをしてくれた!」
ベルリンの夜景を一望できる一室に、興奮冷めやらぬといった様子の、満面の笑みを浮かべる男が居た。
その容貌は金髪碧眼と、ドイツではありふれた組み合わせ。
目鼻立ちがはっきりとしており、道を行けば多くの通行人が振り向くであろうという凛々しさのある精悍な顔立ちである。
だが彼の姿で一番目を引くのは、その身を包む厳めしい軍服だろう。そしてそれは、男と対面している青年も同じく。
彼らのみならず、この館の中では軍服を纏う者達が胸を張って堂々と闊歩していた。
第一次世界大戦――後世にそう呼ばれる大戦争――が帝政ドイツの滅亡と共に終結して、以降の共和制ドイツではヴェルサイユ条約により軍備が厳しく制限されている。
戦争などできるはずがない。
それにも関わらず、彼らの雰囲気には、まるでこれから戦争でも始めようとでもいうような物々しさがあった。 - 10二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:48:08
確か回想?シーンの途中で終わったやつだよな
ヒロインがイシュタルになるとかもあったはず - 11二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 22:51:50
厳密にはギルエル参戦のせいでヒロイン(ホムンクルス)の中にイシュタルが入っちまった……ですね
- 12二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:17:47
「大佐殿。そのお言葉は、まだ不要のものです」
金髪の男の称賛に固い表情のままそう答えたのは、まだ20代半ばの短い茶髪をした青年だった。
鍛え上げられているのだろう。上背があり、軍服の下からでもわかる逞しい肉体がその存在を主張している。
概ね成熟していると見える全身の中で、青い目の目元にだけ微かにあどけなさが残っていた。
彼の、目上の人間へ釘を刺すような言葉に、大佐と呼ばれた金髪の男は己の興奮を自覚し、落ち着きを取り戻す。
「んん……。だが、改めてご苦労だった、シュヴァルツ少尉。君達は、祖国救済の最も重要な第一歩を成し遂げてくれたのだ」
「はい、ヴィッテルスバハ大佐殿。もったいないお言葉です。作戦に参加した皆にも、そのお言葉が頂ければ」
「無論だとも。君達は皆、祖国を想う同志だ。役割に違いはあれど、誰一人軽んじはしないさ」
大佐の労いを受ける青年――エンキ・シュヴァルツは、依然として固い表情のままそれに応じる。
誉めているのだから素直に喜べと、時にはそんな風に思われかねない態度ではあるが、ボイド・ヴィッテルスバハ大佐はその在り方を彼の実直さの表れと捉え、好ましく思っていた。
「以前の大聖杯、そして今回君達が確保した小聖杯。これで、“聖杯戦争”の舞台は整った」
「は……」
ボイドの言葉に、エンキはつい数日前遂行した任務を思い出す。
国内のある森林の奥に佇む、雪に包まれた古城。
裏の世界で錬金術の大家と知られたそこを、彼とその同胞達が襲撃したことを。 - 13二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 23:33:15
聖杯戦争。
極東の僻地において行われていた、聖杯を求め争い合う儀式である。
七人の魔術師がサーヴァントと呼ばれる七騎の使い魔を従えるマスターとなり、自身以外の六人六騎と聖杯を巡り、殺し合う。
闘争の末に勝者が手にする資格を得る聖杯は、あらゆる望みを叶える万能の願望機とされる。
軍人でありながら魔術師でもある彼らは、この儀式の根幹となる大聖杯を彼の地より強奪。ここベルリンの霊地に収め、聖杯戦争を開催すべく暗躍を続けてきた。
この聖杯を作った魔術師の一族が、ドイツに居を構える聖杯戦争の御三家の一角、アインツベルン家だ。
彼らが鋳造する小聖杯の確保こそが、エンキらに課せられた任務だった。
アインツベルンは、錬金術の大家として知られるが、根本的に戦闘に不慣れだ。
魔術に優れる者達と彼らに率いられた軍人達の襲撃の前に、激しい抵抗も空しく目的を達せられてしまう。
こうした経緯を経て、聖杯降臨の儀式がドイツで行われる準備が整ったのである。 - 14二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:08:57
小聖杯強奪の際にはエンキにある出会いがあったのだが、それはまた別の話。
ボイドは、計画の細部を改めて説明していく。
「――触媒の方はスレブロ君が用意を進めている。大聖杯が正常に機能していれば、令呪もやがて我々に現れるだろう」
令呪とは、聖杯戦争のマスターの証とされるサーヴァントへの絶対命令権だ。
サーヴァントは世界に名を残す英雄達の影法師。
彼らの自我と力は、彼らが現世に留まるのにマスターの存在が不可欠なのだという法則の枷をもってしても制御が難しい。
そんな彼らをいざという時に律するための手綱と言える。
そして令呪は、大聖杯からマスターとして選ばれた者に配布される。
即ち、令呪の現れは、聖杯戦争開幕の兆しを示すのだ。
「触媒とマスターが揃い次第、儀式を行い、祖国を救う。それまではしっかり休むといい。作戦に参加した者全員に休養を取らせよう」
「了解しました」
そうしてエンキが退室した後、残るボイドは不敵な笑みを浮かべて呟いた。
「フフフ……作戦は実に順調だ」 - 15二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:09:32
ボイド・ヴィッテルスバハは魔術師である。ただし、その価値観は魔術師らしからぬものだ。
彼の一族は、ドイツ帝国の前進となるプロイセン王国の時代に既にこの地に根を張り、300年程の歴史を持つ。海を越えた先の時計塔を統べる群雄を思えば歴史が浅いが、そういう話ではない。
魔術師――特に歴史のある家系――が社会的な地位をも持っているのは、一言で言うと魔術のためだ。
彼らが根源を目指して研究する魔術という学問は、とにかく金食い虫である。
研究を続けるためには莫大な資金が要り、それを確保し続けるためには自然と地位を形成することになる。
貴族・君主として政治闘争を行うのも魔術のため。権力の座を築くのも魔術のため。
彼らはどこまでも研究者であり、長い歴史の中で興亡を繰り返す国家に心を砕きはしないのだ。
「ドイツよ……連合国の者共によって地に伏し、名誉に泥を塗られた我が祖国よ……今しばらく雌伏の時だ」
そしてボイドは、魔術師でありながらにして祖国への凄まじい愛国心を抱いていた。
この一点において彼は裏表なく、自身に従う末端の軍人達に至るまでを真実同志と考えている。
自らの行く先を、祖国の栄光であると信じて疑わない。
彼ら復権派の目的は徹頭徹尾、敗戦によって苦境に立たされている故国の復興だ。
そのために、先祖の記録にあった聖杯戦争に目を付け、敗戦濃厚となった大戦末期のゴタゴタの内に大聖杯を強奪した。ドイツ国内に居を構えるアインツベルンからは小聖杯を奪い去った。
後は、勝利を楯に祖国へ莫大な賠償金を押し付けた連合国も、目敏い魔術協会も知らぬ内に内々に儀式を済ませれば目標は達成される、
身内だけで行う聖杯戦争など、呼び出すサーヴァントによるイレギュラーの心配を除けば祖国の栄光という結末が必ず用意された出来レースもいいところだ。
つまり、もう勝ったも同然。
「フフフフフ……ハハハハハハ!!」
これが、“聖杯大戦”の始まる直前の話。 - 16二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:12:12
今夜はここまでです。
感想、元スレについての思い出話、ご指摘等、スレが埋まり切らない範疇でご自由にお願いします。 - 17二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:15:29
うわマジか復活してるやん!
ずっとスレ齧り付いてから嬉しいわ、立て主サンキュー! - 18二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:18:52
- 19二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:20:52
でたらめプランナーヘルカちゃんとかいう意味の分からない存在がお気に入りだった思い出
- 20二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:26:28
安価&ダイスの妙とはいえ、闇鍋みたいなラインナップだよねマスター勢。
伝承保菌者のグロリアさん周り、サーヴァントも含め正気じゃない。 - 21二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:29:34
過去回想前だとパオちゃんと太公望が監督役と顔合わせして各陣営の情報ちょっと教えてもらったとこだっけ?
- 22二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:31:04
サーヴァントもマスターも何かおかしい聖杯戦争
まあいつもの聖杯戦争ですね - 23二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:31:28
リアタイしてた者だけど滅茶苦茶うれしい
無理しない程度に、ぜひ出来るところまでやってほしい - 24二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:41:51
- 25二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 01:15:34
・青陣営
仲間内でガチ殺意と内部情報外に漏らしてる人と元一般人がいるというガバ具合。マトモに結束してるのがシュヴァルツ姉弟(厳密には姉弟ではない)くらい
・連合陣営
連合とは名ばかりの結束力ほぼ皆無の陣営。妙に強いマスター多いけど、剣と術が第三陣営に取られてる上に殺が単独行動してる哀れな陣営でもある。
・第三陣営
でたらめもいいとこなおかしな陣営。約一名のせいで今後の動向が本気でわからない。
・監督役
酒とヤニが止まらない - 26二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 08:18:21
好きだった聖杯戦争スレが復活してて一瞬夢かと思ったけど夢じゃなかった
今年1番いい寝起きキメれたわ - 27二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 09:59:44
おはようございます。また投下していきますね。
- 28二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:01:03
『“大戦”の始まり』
ヴィッテルスバハ邸地下
「どういうことだ!!!?????」
館の地下空間。そこに収められた大聖杯を背にして、ボイドの大絶叫が響いた。
その叫びを無表情で受け流しながら、体格のいい軍人達がひしめくここには不釣り合いな少女――ヨハナが、先に言ったことを繰り返す。
「だから、大聖杯には七騎のサーヴァントが一勢力に統一された場合、もう七騎を追加で召喚する予備システムがあったンですって。時計塔にも情報漏れたみたいだし、絶対首突っ込んでくるでしょうね、連中」
「なん……だと……?」
少女の素っ気ない言葉。その内容に、ボイドは思わず絶句した。
なにそれ知らない。 - 29二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:04:15
ボイドの心は今、混乱の只中にあった。
彼は冬木の蟲使いとこ大聖杯を巡る死闘を制してここまでこぎ着いたというのに、そこへ新たな試練の到来。
英霊。またの名を境界記録帯(ゴーストライナー)。
神話や伝説に名を残した英雄の魂が死後、その功績と信仰で精霊の領域まで押し上げられた存在。
それをクラスという器に収めて現世に召喚した姿こそがサーヴァントだ。
当然その存在は、ただ一騎でもこの世のどんな兵器よりも強力。それが、祖国の栄光を阻む敵の手に、七騎も渡る。
まさに青天の霹靂だった。
「いったい何を考えていたアインツベルン! いやなぜ今になってそんな機能が……くそ、それになぜ時計塔に情報が漏れた! ここに居るのは皆愛国者だ。ブリテンの連中知られるはずが……連中がどこまで本気になるかはわからんが、あまりにも危うい! なんということだ!」
この地下空間にヨハナ以外の人目はないとはいえ、感情のままに叫ぶ。
こちらの人員は、目の前のヨハナやエンキをはじめとした数人の魔術師以外は、魔術と無縁だったあくまで祖国を想う軍人でしかない。
西暦元年から存在する伏魔殿たる時計塔と事を構えれば、まず勝ち目はないだろう。
祖国の栄光への道が、閉ざされる。 - 30二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:08:11
「……! ふ、ふふふ……!」
「なに? 壊れた?」
俯いたまま不気味な笑い声を上げ始めたボイドをヨハナが訝しんだが、そんな視線もどこ吹く風。
「英霊七騎なにするものか!」
「はぁ?」
「そうだ、敵は七騎。しかし我々も兼ねてからの七騎の英霊の用意がある! 魔術の競い合いならばいざ知らず、英霊を以てすれば時計塔とて蹴散らせよう! 否、してみせる! 祖国のために! ウオォーーーーッ!」
(マジで言ってんのこのクソボケ)
叫ぶボイドの世界に、既に少女は居なかった。
斯くして聖杯戦争は世界の裏で、世界を揺るがす“大戦”へと規模を変えた。 - 31二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 10:20:01
朝はこれにて以上となります。
続きはまた後で。
戦いの前から「この戦い、我々の勝利だ……!」してたボイドさん、盤面ひっくり返されるの巻でした。
愛国者(ボイド視点)で溢れる青の陣営に、ボイドの計画を阻もうと大聖杯のシステムを起動し、時計塔に情報を流す者など居るはずが……いったいなぜこんなことに? - 32二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 15:16:14
計画知ってるレダネキからすると付き合い切れるかクソボケだからね
- 33二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 18:01:29
- 34二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 21:03:04
何か復活してるから久しぶりに過去スレ読み返した
やっぱマスター達イカレてるの多くない?? - 35二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:21:18
こんばんは。続き出していこうと思います。
- 36二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:28:01
待ってたぜ!
- 37二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:31:13
『集え、“青”の陣営』
“戦争”が“大戦”に変わった10月下旬 ヴィッテルスバハ邸
開け放たれた窓から陽光が差し込むボイドの私室。
窓の下に広がる庭園と、廊下には兵士達が集められており、彼らの意識を集める部屋の中には主たるボイドを含めて七人の男女が居た。その手には、一様に赤い紋様――すなわち令呪が宿っている。
つまり、彼らこそが聖杯戦争のマスターだ。
毅然とした立ち姿で微動だにしないのはエンキ・シュヴァルツ。
隣に立つ赤毛の女アンジェ・シュヴァルツと共に小聖杯強奪任務をこなしている。
彼らは東フランク王国の時代からこの地に根を張る一族で、現在のドイツとも深い関係を持っている。祖国のため、という点でボイドの彼らへの信頼は厚い。
つまらなげに窓に視線を遣っている少女はヨハナ・バーナー。
フリーランスの魔術使いだったところを、今回の聖杯作戦で雇い入れられた血生臭い魔術の世界を生き抜いているその実力は、幼い見た目通りではない。
黒髪の女はレダ・スレブロ。
サーヴァント召喚の触媒となる聖遺物は彼女の提供だ。彼女の人脈とコレクションを当てにして雇い入れたボイドとしては、十分な働きをしてくれている。
その後ろからも見える長身の男は、レダの馴染みで、その縁で雇用したフリーランスの魔術使いヒメル。
魔術使いではあるが、出自としては非常に歴史のある家の出身のようで、実力も折り紙付きだ。
壁際に立ってビクビクと落ち着きなく視線をあちこちへ巡らせているのは、ベヴストザイン・ムジーク。
魔術師の家の血を引いているとはいえ当人は一般人の料理人だったが、ベルリンに来た際に令呪が宿ったため、マスターとして連れてこられることになった哀れな男である。 - 38二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:33:29
そして、彼らを纏め上げるボイド・ヴィッテルスバハ。
家の政治力の賜物でドイツにおいては最大級の影響力を持つ男。今回の聖杯作戦を仕組んだ立役者であり、この一団の長。
「諸君。聖杯作戦は大聖杯の緊急システムというイレギュラーによって変更を余儀なくされた」
そのボイドが、悲痛そうな面持ちで語り出した。
「敵となるのはおそらく魔術協会。魑魅魍魎の伏魔殿たる彼の組織ならば、強壮なる七騎のサーヴァントを揃え、我らに襲いかかることだろう……もはや戦いは避けられない」
その言葉に、魔術に通じる者達はもちろん、伝説の英雄の影法師だというサーヴァントの概要を知らされている兵士達も表情を緊張で染めた。ベヴストザインはもはや泡を吹き出しそうな程顔が青い。
ボイドはそこで言葉を区切り、全員が状況を理解したのを見計らって、表情を勇ましく一変させる。
「だが案ずることはない! 我らにもまた七騎のサーヴァントが付き、我らがその主となる! 救国のために集いし英雄達よ、ドイツのための聖杯を浅ましくも狙う盗人どもを蹴散らそう! マスターも、そうでない者も、一丸となりて祖国の栄光を取り戻すのだァ!」
ボイドの演説は部屋の外に待機していた兵士達にまでよく届き、彼らに祖国に思いを馳せ、戦いへの覚悟を決めさせる。
斯くして、今回の聖杯大戦における“青(ブラウ)”の陣営は結成された。 - 39二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:36:18
『時計塔 大戦に向けて』
“青の”陣営が戦いへの覚悟を固めたその一方で。
ベルリンにて聖杯戦争が行われる。
流出したその情報がドイツの支部より届けられた時計塔の歴々の当初の反応を身も蓋もなく表すのならば、
『それで?』
という、淡白なものだった。
然もありなん。魔術協会の総本山、魔術世界の中心である彼らからすれば聖杯戦争など、極東の辺境でたった二回行われただけのマイナーな儀式でしかない。
儀式で求める万能の願望機というのも、儀式の中で理論上の存在である境界記録帯を召喚し、使役するというのも眉唾物。
これは協会並びに教会からの影響が薄い土地で儀式を行い、目をつけられないために情報操作まで行っていた御三家の思惑通りだったと言える。 - 40二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:38:23
とにかく、魔術協会は入手したその情報をあまり重要視していなかった。
その認識が改められるのは、サーヴァントが出揃った11月9日に、2騎の英霊の戦闘によって先の大戦の戦場の一角が消し飛んでからのこと。
はじめに彼らが関心を持ったのは聖杯や儀式そのものではなく、それを行おうとしていた者達に対してだった。
ボイドの名は、歴史は浅いが勢いがある死霊魔術師の一族ヴィッテルスバハ家の当主として時計塔にもそれなりに知られている。無論、魔術師らしからぬ祖国への強烈な拘りも同様に。
彼が率いる魔術師及びドイツ帝国軍残党の目的が、聖杯によるドイツの救済であると知れると、時計塔も重い腰を動かすことになった。
聖杯を望んだというよりは、ボイド達の行動が場合によっては神秘の秘匿に差し障りかねないという危惧によるもの。
ボイド達の目的は神秘の秘匿に差し障りかねない。聖杯が真実万能であるのなら、そのような代物は魔道の不適格者から協会の名の下に取り上げ、自分達によって調査しようという考えだった。
……事態をややこしくしたのは、情報が時計塔に限らず、在野の魔術師やある程度神秘と関わりのある欧州裏社会全体に出回っていたことだが、聖杯大戦に関わる誰もそれを予想していなかったのは完全なる余談である。 - 41二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:49:23
ここのムジークさん本当可哀想
- 42二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:49:30
今夜は以上になります。
次回更新で出す予定の話は、
ギルマスさんの顔見せを中心とした『時計塔 大戦に向けて』の続き
そして“青”の陣営での『召喚 鎖と影とニュ』となります。 - 43二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:50:05
乙
明日も楽しみにしとくわ - 44二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:55:43
今回の青陣営の集合、ヨハナちゃんがハブられがちなのでここでも抜くかと考えましたが、流石にやめときました。
それやるとボイド(クソボケ)が陰湿すぎるかなと。彼は多分ナチュラルに彼女の神経逆撫でするタイプ。 - 45二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:36:33
- 46二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:48:39
なんでや!ベヴストザインさんとかソンブルちゃんはまだマシな方やろがい!
- 47二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 00:22:27
- 48二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 09:26:43
ソンブルちゃん参加動機からしてもう闇深いからね
- 49二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 13:33:52
1919年の歴史よくわからんのよな
禁酒法とかがあったくらい? - 50二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 14:35:58
wiki調べだけど、その年にドイツ労働者党(後のナチス)が結成されてたり、インドでガンジーが非暴力非服従運動始めてたりと大戦の終結関連以外も結構色々起こってる
- 51二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 15:33:33
この時代の知名度補正とかはどうなってるんだろ?
開催地がヨーロッパでマスターもヨーロッパ圏出身の人多いからローラン、シグルド、コロンブス、マリー、ネロ、スパルタスクとかは補正ありそうな気はするけど - 52二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 17:16:41
過去スレでなんかこの時代だとまだギルガメシュ叙事詩解読されてないみたいなの書いてあったから、ギルもエルキドゥもほぼ未知の存在では?
- 53二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 17:37:25
一応叙事詩の断片が解読され、発表されたのが1872年、ギルガメッシュの名が解読されたのが1891年だそうなので、一般社会に広まったのは大分後でも、魔術師界隈ではフライングで知られてたみたいな理屈付けはできるんじゃないかと考えてます。
こういうのは十中八九、考古学科の領域だろうし。
- 54二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 17:57:35
エルキドゥの触媒になれそうな物用意できたレダさんやっぱおかしいわ
- 55二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 18:51:36
元スレ主とは別の人によるまさかのあのシリーズ概念復活とは…ありがとうございます
今度からちょくちょく見に行きますね - 56二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:51:13
早めの保守
- 57二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:02:27
こんばんは。遅くなっちゃいましたが、投下していきますね。
- 58二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:02:59
・11月4日 イギリス ロンドン某所 時計塔
学園都市である時計塔の廊下を、スラリとした体の女が歩く。
陽光の輝きで染め上げたような金髪が足音と共に揺れ、すれ違う者達はその美貌に皆目を奪われるが、彼女の赤い瞳はそれらに欠片も興味を示さず、目的地へただ悠然と進み続ける。
やがてその足は、ある一室の扉の前で止まった。
そして彼女はドアノブに手を掛け、無造作に部屋へ足を踏み入れる。
一応その前にノックはしていたが、まるで気負いのない振る舞いだった。
「ハッハ! 相も変わらず、ふてぶてしさの変わらん女だな」
彼女のその様子に、室内に居た先客から声がかけられた。
声の主は、曲がった腰で椅子にかける銀髪の老爺。
纏うスーツは黒を主体としているが随所に金と赤が見受けられ、年甲斐もなく相変わらずの派手好きだと、彼の若き日の姿を知っている女は嘆息した。
「貴方こそ老いぼれたものね、バーナード。変わらないのは派手好きだけ」
「抜かせ、700年の歴史を持つ儂(おれ)の家系よりも歳食ってるババアがよ」
「――それはともかく、何で貴方がここに?」
話題を即座に年齢から逸らした女はグナーテ・ウヌグ。そう名乗り、時計塔伝承科に籍を置く経歴・年齢不詳の魔術師だ。
通常、伝承科の人間は学院長を兼任する君主ブリシサンを筆頭にそうそうお目にかかれず、他学科には内情を殆ど知らない者も多い。
彼女はその中で考古科との折衝役として表に出て動く機会が多いため、比較的名が知れている例外だ。
相対するのはシザームンド家に次いで“蝶魔術”の分野で名を馳せる、ソザートン家の老当主バーナード。
そのシワだらけの顔には、未だ活力が漲っているように見えた。 - 59二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:21:01
拗らせマッドおじいちゃん来た!好きな相手にテンション高くなってるのほんと草
フリーダムだけど年齢からは話すぐにそらしちゃうウヌグさんかわいい…
ただこれ話が進むとエンキ君にウヌグさんが惹かれる可能性もあるんだけど…どうなるかな? - 60二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:32:57
傍から見たらマフィアのそれ
- 61二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:33:15
「儂はメッセンジャーよ。本当ならここには仕事内容を説明する書類が物寂しくあるだけだったのを、儂がこうして話してやるのさ」
「そう。じゃあ要点を簡潔にまとめてね。老人の長話程退屈なものはないんだから」
「口の減らん……」
バーナードは気安い彼女の話ぶりにくつくつと笑うと、雰囲気をお調子者の好好爺から、魔術師らしい冷めたそれへと切り変える。
彼がギラギラとした装飾のステッキの頭を右手で握りながら語り始めたのは、グナーテも耳にしたことのある事柄についてだった。
「ドイツでの聖杯戦争については知っているな? お前の仕事はそれに関わることだ」
「アインツベルンとその他二家が極東でやってた儀式が盗まれたってやつでしょう? 万能の願望機だなんて胡散臭いことこの上ないけど。勝手にやらせておけばいいじゃない。なに? お偉い方はそんなのを当てにして根源に行こうとしてるの?」
「そこらの木っ端はともかく、君主は聖杯なぞで根源を目指しはせんだろうが……捨て置くわけにもいかなくなった理由があるのさ」 - 62二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:38:48
盗んだ奴が戦犯…というか追い詰められすぎであるドイツ(聖杯使ってまでドイツの敗戦に干渉するって…)
まさか派遣先でウヌグさんも自分よりも遥かに稼働時間の短い後輩に会う事になるとは思わないよなぁ - 63二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:40:52
そう言うと、バーナードは持ち上げた左手で指を鳴らした。
ただそれだけの仕草で、室内に光の蝶の群れが現れ、寄り集まり、空中に光の板のようなものを形成した。
その板は、ある光景を投影する。
《……お見事です、陛下(キャスター)。》
《うむ! どうだマスター、余の戦ぶりに見惚れたか?》
《はっ! 陛下のお手並み、このボイドもまことに感服致しました。御身の召喚を成し遂げられた我が身の幸運を噛み締めております。その御威光、しかとこの目に焼き付けました》
《よかろう! 相手がサーヴァントではないというのが物足りなんだが、予演(リハーサル)兼劇場設計の息抜きとしてはなかなかであった! 大儀である!》
《……劇場?》
映し出されたのは高飛車な金髪の少女が側に控える男と話している様子で、わがままな令嬢と振り回される付き人と見えなくもない。
しかし、彼らの足下に幾人もの魔術師が倒れ伏している光景は、そんな呑気な想像を打ち消して余りあるものだ。 - 64二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:44:54
うわでたクソボケ野郎…起源が大迷惑すぎる野郎がよ…
しかももうネロちゃま償還済みである、クソわよ(迫真)
(そういや展開進めるためにダイスとか安価使うご予定とかありますかね?) - 65二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:51:53
リサイタル会場の特等席空けられてそうだな
- 66二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:01:52
ギルエル再会までは大雑把な流れの構想がありますが、細かいところの描写とか設定面とかで困り出したら使うかもです。
- 67二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:02:13
青陣営、一部を除けば美男美女揃ったネロちゃまにとってかなり良い環境という
- 68二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:02:52
「先に出回った聖杯の情報に逸った在野の連中だ。残留思念からわかる通りあっさり返り討ちにされているが、問題はその手段」
「あれがサーヴァント……本当に英霊を呼び出し、使い魔にしているというわけね」
「おうとも。英霊を人の手で召喚するという奇跡が現実だった……となれば必然、それを従えて奪い合う“聖杯”も真実味を帯びてくる。少なくとも、ヴィッテルスバハ如きに独占させてよい代物ではないとな」
「なるほどね。私の仕事は、聖杯の確保と聖杯戦争という儀式そのものの調査ってこと」
「無論、マスターとして儀式の内側に入り込んでな。サーヴァントにはサーヴァントで対抗するしかない」
「英霊召喚には触媒となる聖遺物が必要だって話だけど……」
触媒。聖杯戦争で言うそれは、一般的には召喚したい英雄所縁の品のことだ。
例えば、竜殺しの大英雄ジークフリートの背中に貼りついた菩提樹の葉。
例えば、その英雄に縁深い土地そのもの。
特定のサーヴァントを召喚したい場合は、これらの用意が必要となる。 - 69二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:06:37
三騎士クラスにエルキドゥを召喚できる触媒、これをクソボケ本人が使わずエンキ君に使わせてるの間違いなくクソボケの贔屓がある
- 70二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:11:26
青陣営はある意味ネロちゃまにとってはいい環境なんだよ…そこに大迷惑起源持ちがいて
さらにビースト召喚条件が整いつつあるという状況じゃなければな!!
マッドサイエンティストだし、自分は縁召喚で引き当てた奴と良好な関係築くかーみたいな感じでやったのかも?
何かしらいい結果が出てくれるといいなー的な感じで渡して失敗しても成功してもヨシみたいな
(ぶっちゃけ魔術関係の知識知っててエルキドゥと契約とか仮に縁召喚じゃなかったら危なっかしくて絶対契約したくないだろうし)
- 71二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:14:38
「お前には、協会が聖遺物を用意している」
「どんなの?」
「聞いて驚くな? お前にも縁がある品だ」
「貴方のでもないんだからもったいぶるんじゃないわよ……」
ニヤニヤと笑う老爺は、グナーテの冷めた視線を受けながらその触媒の正体を語った。
聞いた彼女は、納得して部屋を後にする。
神秘の大原則として、神秘はより強い神秘、つまりより古い神秘に打ち消されるというものがある。
英霊同士ならば一概にそうではないだろうが、神秘の濃い時代の方が強力な英雄も多い。
その点、バーナードの語った触媒は少なくとも古いという点では折り紙つきである。
「……ところで、なんでついてくるの? 触媒受け取ったらドイツ行くのよ?」
「知れたこと! 儂もマスターとして参加するからよ」
「えー……」 - 72二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:16:34
思ったより長くなりました、『時計塔 大戦に向けて』
今夜はここまでとなります。ご覧くださりありがとうございました。
次回こそ『召喚 鎖と影とニュ』。そろそろサーヴァントも本格的に出していきたい。 - 73二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:17:08
このお爺ちゃんたぶん参加マスター全員知らん誰それ…ってなる英霊連れてくるというね
- 74二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:18:44
きっしょ、なんで普通に付いてくるんだよ…初恋相手だからしょうがないか
(ウヌグさんの気持ちは…?)
次回投下お待ちしております
完全に縁召喚で呼んだとかで日本の英霊が召喚さちゃったやつじゃん
…所でお爺ちゃんの蝶魔術の実験内容なんですが…(仲が良くても知られたらまともな英霊相手だとヤバいやつ)
- 75二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:24:22
お爺ちゃんがSAMURAIとかNINJA好きな可能性もある
- 76二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:26:34
???「ビバ!日英同盟」
- 77二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:28:39
この後思い人が他の男に感情向けてる所見て脳破壊されそうな
典型的拗らせ魔術お爺ちゃんの明日はどっちだ - 78二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:30:14
バーナード老にはグナーテさんの聖杯大戦派遣が決まったのを知った瞬間にマスターへ立候補したという裏話が主の頭の中で存在します。
- 79二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:33:39
(スレ主さん、成りすまし防止に名前欄に何かしら付けといた方がいいかもです)
バーナード老さぁ…初恋が忘れられなくて追いかけちゃう人?
最初に自分の所にグナーデさんが訪ねてきた時もウキウキで待ってたでしょ絶対
- 80二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:36:15
バーナード老「なに!?グナーデ参加するのか!よっしゃ儂も参加してカッチョイイとこ見せてやる!」
バーナード老「サーヴァントもカッコイイのがいいよな…それでもって意外性のあるものを……SAMURAIとかカッコイイし意外性も抜群だし召喚するか!」 - 81◆zIKR/QD4og24/06/11(火) 00:37:28
- 82二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:38:23
付いてる付いてる
- 83二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:41:08
- 84◆zIKR/QD4og24/06/11(火) 00:43:27
個人的にバーナード老はロアの近縁種みたいな気持ちで書いてます。
惹かれてるけど本人は恋とは考えてない感じで。 - 85二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:46:25
確実にめんどくさい奴なんよ
…しかしまさか魔術塔側も最初は神秘の秘匿どころか世界がヤバいとは思わんかっただろうなぁ…
(ビースト完全顕現や神秘ガン無視の軍部と結託してるドイツ魔術師を見ながら) - 86二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 00:54:56
ラスボス枠やっててもおかしくないスペックなんだよなバーナードお爺ちゃん
- 87二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 01:04:18
(なおボス枠やるにはドジ属性もある模様)
…しかし連合側、時計塔はこの時期だと聖杯の価値一切分かってないのがマジで痛すぎる
イシュタル連鎖召喚・ビースト召喚フラグONetc…とかいう厄ネタ地獄絵図なのに魔術サイド側の対応が脆弱すぎる…
- 88二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 08:21:30
朝保守
- 89二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 12:20:57
バナおじ、クソボケの手に渡るとビースト顕現の可能性が格段に上がるやばい人
- 90二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 20:09:15
サーヴァントの配役が色々上手いな
ビースト召喚もしくは変質させる核のネロ、万が一ビーストが顕現した時対抗できる冠位2騎とトップサーヴァント達
イシュタル乱入しても何とか対抗できそうな面子
本当に安価とダイスの結果がいいな - 91二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:09:49
完全にダイスで決まったのにマスターと鯖の配役がいい感じになってるのほんと好き
- 92二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:23:09
太公望に初代様、エルギルにシグルドとかいう過剰戦力
間違いなくベルリンは消し飛ぶ - 93二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:52:05
恐ろしい事にイシュタル連鎖召喚+ビースト顕現フラグが立ちまくってるせいで
過剰戦力とも言い切れないぐらいの戦力というね…
ベルリンは犠牲になったのだ…神秘の秘匿のための犠牲…犠牲の犠牲にな…(未来完了形)
- 94二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:55:08
大丈夫だFakeを見てみろ
まだスノーフィールドは残ってるんだ。だからたぶん大丈夫やろきっと - 95二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 00:11:37
どのサーヴァントもマスターも何かしらの見せ場ありそうでわくわくするね
- 96二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 07:30:11
朝保守
- 97二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 12:25:24
特異点とか異聞帯じゃないのにとんでもない規模になってんな…
- 98二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 13:48:25
この時代だと禁酒法とか禁酒令の運動が広まってる頃だけど、ドイツだとどうだったかな
- 99二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 21:15:32
都市規模でやる争いじゃないのよね
- 100二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:27:47
超絶久々にあにまんをのぞいたら、諸事情により中断せざるを得なかったあのスレの続きがグレードアップした形で出力されていた件について by元76
機種変更、並びにCookieが軒並み削除されちったから、本人である証拠という証拠は出せないし、
相変わらずプロットを書き込めるほどの時間が取れないからROM専にならざるを得ないけど、
無理しない程度でガンバレスレ主!
正味、拙作よりも全然読みやすいし上手い文章だよ、ホント
話の流れぶった切った代わりと言っちゃあなんだけど…
パオちゃんはヴィナシスの変わり果てた姿(クソボケに死体いじくられて魔術礼装化してる)を見て激昂して欲しい
そして、あわよくば暴走して欲しい
それくらい、友達に対して重い方のがイイよね… - 101二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 23:12:42
メンタルブレイクしてへし折れるのも見たい
- 102◆zIKR/QD4og24/06/12(水) 23:54:55
ありがとうございます。あそこまでスレを続けてくれた76さん達のお陰です。
ただ、ダイス&安価とはいえ、いざ書こうと思ったら割と「ん?」となるポイントありましてね……
ヴィナシスくんの死体をボイドに回収させると、有名な犯人達の事件簿の「やることが……やることが多い……!」みたいになっちゃうなと。
パオちゃんによってついにサーヴァントが召喚されたのに、さらにその後すぐ自分もサーヴァント召喚するのに、わざわざそのタイミングでドイツを留守にして中国まで死体取りに行くのか?というとどうにも整合性取れる気がしないんですよね。
ドラマ的にはパオちゃんと再会させてあげたいんですけど。
- 103◆zIKR/QD4og24/06/12(水) 23:55:30
というわけでこんばんは。昨日は更新できず申し訳ない。
ようやくエルキドゥ召喚となります。 - 104二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:01:02
無理矢理整合性付けるなら使徒の監視をしてた部下がいて遺体を回収したとかか?
- 105◆zIKR/QD4og24/06/13(木) 00:07:48
- 106◆zIKR/QD4og24/06/13(木) 00:12:48
このままテレグラフか、前回までのように数レスに分けて投下するかは流れを見て考えます。
- 107二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:14:24
ヒメルさん、もしかして青陣営の内側から妨害してこうとしてた?
でたプラ姉貴に捕まって無理矢理第三陣営側に入れられたやつかな? - 108◆zIKR/QD4og24/06/13(木) 00:22:22
- 109二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:22:24
召喚されて全裸で登場したサーヴァントとかいう稀有にも程がある
- 110◆zIKR/QD4og24/06/13(木) 00:22:51
連合は《ともかく》
- 111二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:24:17
- 112二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:26:03
てことはもうヘルカとは出会って協力関係結んでるってことか
- 113二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 00:54:23
- 114二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 03:02:45
"最初は"知らなかったって事はこれからビースト召喚の件について知る事になるのかヒメルさん…
…いやそもそもこの儀式不完全に成立してる(聖杯大戦)んだからこの時点で危ういって思ってもおかしくないな?
- 115二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 10:08:33
- 116二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 10:18:55
ボイド「協力してくれてるし皆愛国者だな!ヨシ!」
- 117二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 10:22:47
おまんも人並みのガバガバ同志判定
- 118二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 17:49:19
そもそも国籍違う人いるしな
- 119二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:09:51
というか裏切ったのが雇い入れた他国籍二人組という……
- 120二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:14:11
国籍違う人間に計画打ち明けるアホ具合
- 121二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:20:38
ま、まあこの時代の東プロイセンとオーストリアはかなりドイツに近しいから…
ちなみに某ちょび髭も実はオーストリア出身だぞ - 122二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 19:08:50
「もう誰も信じられない……信じられるのは自分の計画だけだっ!」
- 123二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 19:14:01
- 124二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:08:48
ぶっちゃけ聖杯戦争自体がイレギュラーの極みなのにさらに聖杯大戦っていう未知の形式でやろうとするのは
蛮勇通り越して無謀というか…(本人知る由もないけど台無しの起源のせいでどうしようもない方向にしか行かないし)
- 125二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:23:10
時系列で言えば第二次までしかやれてないからノウハウがほぼないのも中々きつい
- 126二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:02:18
時計塔も第二次までの未完成の儀式だけじゃ田舎でやってたなんか変な儀式程度の認識しかないからね…
それを戦後ドイツで、しかも聖杯大戦とかいう複数の英霊が集う状況でやるとかイレギュラーしか出ないンだわ
(ビースト召喚フラグ、連鎖召喚一般通行美の女神、ギルエル初代様辺りのMAP兵器クラス鯖見ながら)
- 127二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:10:15
監督役任された木っ端の不良シスターの酒とヤニの量が増えていく
- 128二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:17:59
ビースト出て来てもソドムズビーストとかいう繁栄の対極の存在だから間違いなくクソボケの思惑は台無しになるという
- 129二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 07:32:09
朝保守
- 130二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 18:31:36
これからが楽しみだ
- 131二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 19:32:37
落ち着いて聞いてほしい、スノーフィールドの聖杯戦争はシステム自体に欠陥はあれど
一応時計塔や地元警察、アメリカ政府側に聖杯戦争の情報がしっかり渡ってて
イレギュラー続きでも一応思惑は違えど何とか対応しようとする人達がいる状態だったんです
…今回儀式の際の神秘秘匿・あるいは儀式の阻止等に動いてる人達はどれぐらいいますか?(小声)
- 132二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:43:47
聖杯戦争を止めたい
・パオちゃん
クソボケの計画を止めたい
・レダさん
・ヒメルさん
神秘秘匿
・グナーテ
・バーナード
・クレア
ダメそう - 133二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:53:24
- 134二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:15:31
ベルリンは首都な上に住民は多いし、消し飛ぶとまずいというね
- 135◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:03:09
こんばんは。書きながらですが投下していきますね~。
- 136◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:06:35
『居並ぶ英雄達』
「いやーしかし、味方が7騎、敵も7騎とは変な聖杯戦争があったもんだなー」
サーヴァント達の召喚及びマスターとの契約が落ち着いたところで、先ほどまで急所への一撃でダウンしていたセイバーが、ケロリとした顔で独り言つ。
今は服を着て、その肢体をある程度隠している。
そして、周囲の面々にキラリと輝く笑顔を見せて言った。
「だがまあ、喚ばれたからには戦うことに否やはない! 改めて“青”のセイバー、シャルルマーニュ十二勇士が一人、ローランだ! マスターの許しがあればいつでも脱ぐぜ、よろしくな!」
「後にも先にもそんな許可は出しませんっ! ああ、もうっ。よく考えたらさっきもだけど、味方とはいえあっさり真名を口にして……」
後半の言葉に、先程の光景がまだ脳裏に残っているアンジェが真っ赤な顔で猛反発し、無許可での真名暴露に頭を抱えた。 - 137◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:09:00
ローラン。またはオルランド。
シャルルマーニュ十二勇士の一人。金剛石に例えられる無敵の肉体と、如何なる物も切り裂き、折れることのない聖剣デュランダルを振るう十二勇士随一の聖騎士(パラディン)であり、失恋から発狂して全裸になった逸話等を持つ。
このヨーロッパにおいてそれと知られる、一級の英霊と言えよう。
しかし、サーヴァントの真名の秘匿は聖杯戦争の鉄則だ。
真名を知られることは弱点を知られることとイコールなのだから。
ローランで言えば、如何なる攻撃も通らない金剛体にも例外があり、足の裏だけは刃が通る。
実際足の裏をピンポイントで狙うことができるかというと、知ったところで必ずしもできるとは限らないが、弱点は隠すに越したことはない。
「敵に真名で名乗りを上げたりしたら承知しないわよ」
「了解だ、麗しき我がマスター」
「うっ……!? そんな世辞でさっきのは忘れたりしませんから!」
「世辞じゃないさ。……俺の裸、目に焼き付くほど凄かった?」
「~~~~ッ!」
狙っているのかいないのか。
アンジェはセイバーの言葉に顔を真っ赤にしたまま開いた口が塞がらないでいる。 - 138二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:17:57
全裸になることと魅了に掛かりやすいことさえなかったら本当に最高なセイバー
- 139◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:26:15
(ネロのエミュが難しい。自信ないです)
「仲睦まじきはよいことだ。美男美女ならば尚更に。だが! 余も! 話したいぞ!」
そこへ、我慢の限界だとばかりの叫びと共に、広間に風が起こった。
広間を見下ろす壇上から、真紅の衣装に身を包んだ少女が飛び降りてきたのだ。
着地でふわりとスカートが広がる様は、咲き誇る大輪の薔薇のよう。
「我が声を聞け!」
上がった顔もまた、華のようだった。
「余こそはローマ帝国第五代皇帝、ネロ・クラウディウス! 此度は“青”のキャスターとして現界した身である! 余が許す。この場に集いし“青”のサーヴァント達は己が名を告げるがよい!」
ネロ・クラウディウス。
歴史においては男性と伝わる、帝政ローマの皇帝。
芸術や娯楽を愛し、自ら民衆に歌を披露したり、祭典を開いた一方、元老院との対立や宗教弾圧から暴君とも呼ばれた。
黙示録における『獣』と同一視する考えがあるが、それはまた別の話。 - 140二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:32:05
初手で真名を明かしていくスタイル
まぁ普通の成敗戦争ならともかく1陣営同士で7騎集まってたらそりゃ真名明かす人も増えますよね…
(本来魔術師の常識からしたら論外なんだろうけど
聖杯大戦形式だとむしろ自陣営では真名共有した方が良さげな気もする) - 141二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:33:37
ネロちゃまはこういう時真名言うか言わないかで言えば言う方
- 142◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:50:17
誇らしげに真名を明かした彼女が興味の視線を向けたのは、ランサー。
視線を受けるランサーは、微かに首を傾げた後、エンキへと振り向いた。
「……構わない。元々その予定だった」
その表情の意味が、話していいのか、と尋ねるものだと察したエンキの言葉で、口を開いた。
「僕はエルキドゥ。ランサーで、ただの兵器だよ」
彼(彼女)のなんでもないような名乗りに、魔術師達は目を見張った。
それは、発見されたという意味では最新、そして成立では現人類最古の神話。
『ギルガメッシュ叙事詩』に語られる、神に作られし泥人形。
彼(彼女)は神の意向に背き始めたギルガメッシュを諌めるために送り込まれ、しかして戦いの中で彼らは友情を結んだ。
二人は数々の冒険を繰り広げるのだが、やがて彼(彼女)の創造主である神々の神罰によって死別することになる。
「兵器などと無骨な自称をするでない! 貴様の美、余にはわかるぞ! 佳い! 実に佳い!」
「ごめんね。僕には、“特別に好き”の予備がもうないんだ」
「……ん? もしかして、余は今振られたのか?」 - 143◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 22:51:42
本気で申し訳なさそうに言うランサーに思わず立ち止まるが、気を取り直したキャスターは新たに召喚された最後の一人――アサシンの下へ向かった。
「褐色の貴様! アサシンであるな?」
「……ハサン・サッバーハ」
「我らは、個にして群」
「群にして個」
「増えた!?」
ハサン・サッバーハ。
暗殺教団の教主“山の翁”。彼らは、一つの身に宿した百の貌を以てその名を襲名した十九代目に当たる。
分裂したようによく似た影が現れたのは、生前の技能が宝具として昇華されたもの。
アサシンは、それ以上を口にしようとはしなかった。
とりつく島もない様子にキャスターは不満げであったが、そこへ声をかけたのは白く長い髭を生やした壮年の男。
彼はキャスターと同じく、今回の召喚を見守っていたサーヴァントだ。
「皇帝様、その辺にしときな。取り敢えず自己紹介はしてくれたんだしよ」 - 144二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:04:57
もうキャラだけでも英霊達が濃くて草
いやこの陣営だけじゃなくて人間達も大概濃いけど… - 145二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:09:36
これでまだアルジュナとスパルタクス控えているというね
- 146◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 23:09:49
潮の香りを纏う彼は、居並ぶ英雄達を見回して、口を開いた。
「最後になったが、俺は“青の”ライダー。真名をクリストファー・コロンブス。まあ神話や伝説の英雄のお前さん方に比べりゃあしがない船乗りだ。仲良くしようぜ」
ライダーで自己紹介が一通り済んだところで、ボイドがキャスターの下へとやって来た。
「陛下、今宵はこの辺りで。皆、英霊を召喚するという大儀式に疲れておりましょう」
「む? 確かに、召喚とは結構重労働であったか。此度の召喚、皆大儀であった! 休養を許す! ……マスター、一曲歌いたい気分だ。貴様は残って聞いていくとよい! いや、むしろこれこそが皆の癒しとなるか! よし、歌うぞ!」
「はははバカなことを――有り難き言葉です。しかし、私はこの後も同志達から様々な情報の報告を受けねばなりません。他の者達も、疲労があっては陛下の歌唱を十全には受け止められますまい。それは、些かもったいないのでは?」
前半を恐ろしく小さな囁き声、後半はよく通る声でハキハキと、さも忠言であるといった振る舞いをしてのけたボイド。
キャスターは彼の言葉に一応納得したらしく、残念がりながら広間を後にした。
「……サーヴァント諸君にも、この館に私室が用意してある。後はマスターと親睦を深めるもよし。館内を散策するもよし。敵の動きがあるまでは自由にしてくれたまえ」
そしてボイドの説明で、この場はお開きとなったのだった。 - 147二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:13:35
ギリリサイタル回避してるの草
- 148二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:17:05
しれっとリサイタル回避…というかしれっと毒吐いたなボイド?
英霊への認識は一応の経緯は払ってるけど使い魔みたいなもん的な認識だったらしいけどここがどう作用するか… - 149二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:24:20
この一連の背景でヘルカが連合からシグルド召喚の触媒奪って召喚して、クレアさんにアストライアが取り憑いているというね
- 150二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:34:05
- 151二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:39:27
なお騒動が起こるのは翌日の模様(スパP召喚事件)
ネロとコロンブスとかいう圧制者力53万はありそうなのが揃ってるからね、仕方ないね - 152二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:53:16
- 153二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 23:56:40
スパPの圧政者スカウターで0なのムジークとエルキドゥくらいでは?
- 154◆zIKR/QD4og24/06/14(金) 23:58:33
今夜はここまでとなります。ご覧くださりありがとうございました。
おまけ
概念礼装
★4 台無し
効果:自身の弱体成功率を20%アップ&即死付与成功率を10%アップ&弱体耐性を20%ダウン[デメリット]
価値あるもの、素晴らしきものを腐らせる在り方は、やがて己すら腐らせる。
果たして彼は気付くのだろうか。
起源とは己の方向性。
己の存在そのものが、なによりの至宝を泥へと沈めかねないことに。 - 155二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 00:00:21
乙
概念礼装作成も楽しそうね - 156◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 00:08:34
- 157二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 00:21:34
- 158二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 00:26:46
またヨハナさんからのヘイト買ってるなクソボケ
- 159二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 09:45:23
朝あげ
- 160二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:02:59
保守
- 161二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:03:24
良識はあるのかないのかよくわからん男だ
- 162◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:09:24
こんばんは。本日もやっていこうと思います。
- 163二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:15:04
待ってました
- 164◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:23:29
『混沌の呼び水』
広間を後にし、霊体化したアサシンを伴って廊下を歩くヒメルの背後に、追いかけてくる足音が響いた。
足音の主はボイドである。礼装でもあるステッキを片手に向かってきていた。
「こりゃ旦那。解散だったんでは?」
微かに片足を下げながら向き合う彼に気付かぬまま、ボイドは声をかける。
「ヒメル君。召喚直後で済まないが、アサシンの能力について教えてもらっても構わないかね?」
「ああ、そういう……アサシン」
ボイドの質問に、得心が行ったヒメルは傍らへ呼び掛けた。
「はっ」
その言葉に従い姿を現したアサシン達。人数は三人程だ。
「ふむ、分身……いや分裂? その力は宝具なのかな?」
「左様。我らの宝具“妄想幻像”の産物です。分裂する程に個体ごとの能力は落ちますが、気配遮断は例外でございます」
「ちなみに我らの気配遮断のランクはA+です」 - 165◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:27:47
気配遮断とは、アサシンのクラスが持つ能力である。
彼らはこのスキルによりサーヴァントの気配を隠し、隠密行動への非常に高い適性を持つ。マスターの天敵とされる所以だ。
このアサシンのランクの気配遮断ともなれば、人間の魔術師はおろかサーヴァントさえ潜む彼らを捉えることはできない。
「素晴らしい! 情報戦は是非とも君達を頼りにさせてもらいたい。私は直接のマスターではないが、構わないだろうか?」
「陣営の総意とあらば」
そうしたやり取りの中に、新たな足音が鳴った。
やって来たのは髭を蓄えた壮年の軍人。
アサシンにぎょっとしながらも、彼はボイドへと駆け寄った。
「大佐殿! ご報告が」
「何事かな? 大尉」
大尉がそのままボイドに耳打ちすると……
「フフフフフ……ハハハハハ!!!」
ボイドは、その場で高笑いを上げ始める。 - 166◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:30:19
「愚かなり時計塔! ざまを見よ連合国ゥ!」
「旦那、どうしたんで……?」
「ふふふ、吉報だよヒメル君。奴ら――」
その言葉に、ヒメルは眉を動かしたが、ボイドはそれを単純に情報へ驚いたのだと受け取った。
「奴ら、召喚の触媒を、どこの馬の骨とも知れぬ輩に、盗まれたそうだ!! ハハハハハ!!」
彼の笑いに応えるようにひきつった笑みを浮かべるヒメルに、その件への心当たりが大いにあるとは夢にも思わずに。
「~~~♪」
鼻唄がロンドンの裏路地に響く。
いかにも上機嫌である、といった様子で歩く女が居た。
「お兄さんの依頼達成、アーンド触媒ゲット~!」
一人で踊るような――途中でバランスを崩して転びそうになる――足取りで、彼女はふと目についた廃屋へ入った。
奥で懐から取り出したるは鶏の血。
淀みない動きで若干歪な陣を描き、盗み出した触媒入りのトランクをそばに置くと、
「――素に銀と鉄」
あろうことか、詠唱を始めたのだ。
聖杯大戦は思惑が入り乱れ、混沌に染まりつつあった。 - 167二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:32:44
出たわね今回一番のダークホース
- 168二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:37:30
触媒盗んだその日のうちに適当な場所で即召喚始めるという被害者からするとふざけるなとしか言えないムーブ
- 169◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:52:15
『11月6日 叛逆。そして叛逆』
順調に揃う“青”のサーヴァントも、残るは2騎を待つのみだ。
そして今日、その片割れとなるバーサーカーの召喚が行われる。
昨夜と同じ広間で召喚陣の前に立つのは、猫背気味な小太り、金髪をした中年の男。
(どうしてこうなった……)
彼はベヴストザイン・ムジーク。
少し前まで魔術のまの字も知らずに生きてきた、元一般人である。なぜそんな人間がマスターになっているのか、などと問えば当人に「私の方が知りたいわぁっ!」と叫ばれることだろう。 - 170二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:54:00
大体家名と素質のせいですね
- 171◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 20:56:47
最初の切っ掛けは、彼の雇い主にボイドが企画していた祝勝会――当初はこのような大戦など微塵も考えておらず、内輪で手早く儀式を済ませる予定だったため――へと送り出されたことだった。
雇い主はボイドと繋がりと、現政府への影響力を持った、魔術師ではないが貴族であった。
決定的だったのは、祝勝会の打ち合わせのためにベルリンに入った際に令呪が現れたこと。そして、聖杯戦争が聖杯大戦へと変わり、有無を言わさずマスターとしてそのまま引き入れられてしまったこと。
魔術師の家系における魔術は一子相伝。
もし複数の子供が居れば、魔術は後継者となる一人のみに教えられ、それ以外の子は魔術のことすら知らずに生きる、というのも珍しくないのだとか。
この魔術を知らずに家を出た血筋こそが、今回はマスターの素養として戦争に選ばれたのではないか、というのがボイドから語られた見解だった。 - 172◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 21:00:11
なんでもいい。訳がわからない。殺し合いなどまっぴらだ。
もし英雄が居るのなら、自分を家に帰してくれ。できる限り、最大限穏便に!
「――抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
そんな、半ばやけくそ気味な希望を込めながら、彼は何度も暗唱した呪文の詠唱を完了した。
先日と同様、召喚陣が光を放ち――
「“青”のバーサーカー・スパルタクス。早速で済まないが、君は圧制者かな?」
収まったその時、陣の中央に立っていたのは――
――比類なき筋肉(マッスル)だった。 - 173◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 21:00:59
今夜はここまでとなります。スパさんの続きは次回にて。
- 174二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:02:18
みんな大好きスパP
- 175二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:13:23
- 176二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:13:58
₍₍⁽⁽💃₎₎⁾⁾
見て!ヘルカちゃんが踊っているよ
かわいいね
👓☹️
呼んだサーヴァントが超堅物な真面目マンなせいで、ヘルカちゃんは踊るのをやめてしまいました
セイバーのせいです
あ〜あ - 177二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:16:27
ジャガ村とかいうナマモノ呼ぶ事になる上に恋人がよりにもよってベルリンに来ているという踏んだり蹴ったりな目に遭ってるのが哀れ
- 178◆zIKR/QD4og24/06/15(土) 21:43:03
今から不安になってきたな……そうだよ、あのジャガーを喋らせるんじゃん……
- 179二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:47:24
ジャガーとキャットは難しいのは十分わかってるから大目に見られるよ
- 180二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 00:23:23
(ジャガーは難易度最高峰だし書いてくれるだけでうれしいから)ええんやで
- 181二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 00:24:21
シグルドとお互い険悪な関係になるのにもしも初代様呼べてたらマスターとして認められていたとかいう意味の分からない女
- 182二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 02:07:56
マジであそこ意味わからなくて笑うわ
いや、初代様的にはセーフというっかマスターとして認められる所はあるのに
シグルドとは良い関係築けてないってどういう事なの…
(まぁ聖杯戦争中に仲の事とか気にしてられないレベルの惨事が起きる可能性大なんだが)
- 183二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 08:48:29
ひっさびさにあにまん来たら大好きだったスレ復活してて俺大歓喜
ほんとに無理せず頑張ってねスレ主 - 184◆zIKR/QD4og24/06/16(日) 11:45:33
- 185二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 12:40:53
キリスト教的に神聖な意味があるらしいし白で
- 186二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 13:10:22
銀
- 187二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:35:44
黄金
- 188二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:38:40
紫
- 189二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:21:59
- 190◆zIKR/QD4og24/06/16(日) 16:32:12
dice1d5=5 (5)
- 191◆zIKR/QD4og24/06/16(日) 16:33:09
作中では連合は橙ということになりました。
- 192二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:37:46
青の反対色か
- 193二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:39:40
このレスは削除されています
- 194◆zIKR/QD4og24/06/17(月) 00:01:04
- 195◆zIKR/QD4og24/06/17(月) 00:01:35
……合ってるよな?
- 196二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 00:03:49
合ってるよ
- 197二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:31:50
埋め
- 198二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:32:22
埋める
- 199二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:32:32
うめ
- 200二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:32:42
埋めた