【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part4

  • 1佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 00:39:49

    ……夢中になってたけど、いろんな事ほったらかしにしちゃったような気がする。怒られるかもしれない……

    佐藤カガリ 16歳(2年生)
    出身校:百鬼夜行連合学院

    身長 130+40 (40) cm
    胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛
    腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太
    尻 2 (2) 1.小さめ 2.やわらか 3.もちっ

    髪色:薄い黄色(3・1) 長さ64 (1で肩につかないくらい100で足元)
    瞳の色:オレンジ(5・2)
    肌の色:85 (1で芸術級スーパー美白、100で健康的こんがり褐色)

    (区切りが良かったのでパート数を進めました そろそろ天童アリス出せそうだなと自分では思っています)

  • 2二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:41:07

    たておつです

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 00:41:17

    たておつ

  • 4佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 00:44:04

    情報まとめ

    「佐藤カガリ」こと天童アリスのストーカー のまとめtele​gra.ph

    1スレ目

    【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい|あにまん掲示板はぁ…………今日もかわいい……………………(スレ画は一番好きな表情)戦闘 dice1d100=@57 (57)@知性 dice1d100=@12 (12)@運動 dice1d100=@67 (67)@…bbs.animanch.com

    前スレ

    【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part3|あにまん掲示板……な、何が始まるの!?佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太尻 2…bbs.animanch.com

    前回のあらすじ

    ミレニアム転入初日から天童アリスによって「試練」を授けられたカガリは、その一環として「ユズとのモモトークでの話題」になるものを探し、何かと縁のあるコタマの案内でヴェリタスへの部室へと赴いた。

    マキの提案、チヒロの薦めによって初めての「スプレーアート」に挑戦することが決まり、師匠であるマキ、協力を仰ぎに行った先の新素材開発部ミレモブ、巨大なキャンバスの用意を担ってくれたコタマ(のドローン)と自分を併せた4人体制で、ミレニアムの一角を大きく使った制作に取り掛かる。

    お世辞にも高度とは言えないレベルだった芸術的センスを勉強と試行錯誤で補い、画の題材として選んだ「調月リオ」についての情報を逐一の取材で取り入れ、現場に乱入してきたコタマやアスナとの愉快な(?)コミュニケーションに興じながら、日没までに及ぶ作業を制した即席チームはついに作品を完成させた。

    ……と思いきや、制作を主導していたカガリ本人が完成を取り下げてまで謎の追加工程を始めようとしたため、メンバー総出で阻止・強制撤退させられることに。なんやかんやあって今は超スピードで走るアスナの肩に担がれながら目を回しているところである。どうなるカガリ。

  • 5二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 01:00:15

    たておつ

  • 6佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 01:17:34
  • 7ウタハへの質問 ◆IEd0n050V224/06/09(日) 01:47:59

    ─────────────────────────
    『何も変わらないと思う』
    『彼女がいなくなった今、現に何も変わっていないから』
    『あまり学園運営の相場は知らないけれど、それでもミレニアムの現状は、予定されていなかった生徒会長の辞任を受けても問題なく回っているという点において、他校と比べても驚くべき安定性を持っていると考えられる』
    『仮にリオ会長が戻ってきたとしても、それは同じことだろう。突飛なことを言い出すイメージも無いしね』

    確かに、様子を見てるとそうかもしれません
    最近のことだって聞いてるんですけど、みんなまるで慌ても不安がってもいませんし

    『ミレニアムには、自分が今取り組んでいることにしか興味がないという生徒も多いだろうからね』

    ウタハさん個人の気持ちはどうですか?

    『私も似たようなものだよ。自分のすべきことが出来ているから、あまり関心は持っていない』
    『勿論、それ自体が学校によって与えられた恩恵で、元を辿ればリオ会長への恩になるであろうこともわかっている』
    『ただ、ミレニアムの生徒に求められているものは、より豊かな創造と研鑽だから。これまで通りそれを続けることが、この場所にとって一番良いことだと思っている』
    『ああ、これだと質問への答えになっていないかも』
    『今までの彼女の取り組みには感謝している。帰ってくるなら歓迎するし、戻ってこないとしても気にすることはない』
    『私もまたミレニアムを構成する歯車の一つとして、これが最も望ましいことを知っているから』
    『そんなところかな』
    ─────────────────────────

  • 8佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 04:29:22

    (制作を通じて上がった好感度を一気に処理します)


    カガリ→マキ 49+dice1d10=10 (10) +10

    マキ→カガリ 41+dice1d10=2 (2) +10


    カガリ→コトリ 66+dice1d10=2 (2) (代金のツケに対するあわわどうしようの気持ちが残っているため少なめ)

    コトリ→カガリ 34+dice1d10=7 (7) +10


    カガリ→コタマ 75+dice1d5=1 (1) (コタマ側が撮影に徹しすぎていたため少なめ)

    コタマ→カガリ 40+dice1d20=4 (4) +10

  • 9佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 04:34:39

    「――あれっ、暗いところに来ちゃった。ここってどこだっけ?」

    あ、アスナさん? その、変なこと言い出したのは反省してます、あの、そろそろ降ろしてもらえると……


    願いが聞き入れられたので、久しぶりに地面を踏める。担がれてるとよくわからないけど、相当早かったような……僕ってそんなに小さくもなければ華奢でもないはずなんだけど。これもメイド部の実力ってことなのか。


    「大丈夫だよ!なんとかなる気がするから!」

    ……大丈夫?とは?

    「なんとなくだけど、こっちに運べばいいんじゃないかなって思ったんだよね。でもここがどこかはわかんない」

    ????? あ、ありがとうございます? そうですね、この辺……なんか見覚えあります、けど。

    「あ、あっちの方光ってる!行ってみよ!」


    ……すっごいお転婆というか、破天荒というか。でもなんとなくネルさんと仲良さそうなのわかるなあ。


    カガリ→←アスナの好感度を決定します

    dice2d100=66 81 (147) (最低保証30)

  • 10佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 04:48:50

    ……ゲーム開発部の前じゃないですかここ!!!!!!
    「あれ?駄目だった?」
    駄目……ではないけど。……えーーーーーっと。あれ、そっか僕、昼か夕方のうちに寮のこと聞きにいかないといけなかったのか。え、あーー、つまり……
    「寝るところないってこと?」
    ……そうなります。その、どうしても今日中が無理そうだったらシャーレに連絡しようかなって思って……でももう20時って、あの人仕事中な気がするな。電話ってよくない……?
    「うーん。あっそうだ、ゲーム開発部の子たちって知り合いなんだよね?カガリが大変ならベッド分けてもらえないかな!」
    ………………い、や。さすがにそれは、人としてのが――
    コンコン「お邪魔しまーす!カガリ連れてきたよー!!」
    あーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

  • 11二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 15:35:28

    自由!

  • 12二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 20:03:06

    愉快だなぁ

  • 13佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/09(日) 23:45:06

    「………………」
    「あれ。二人しかいない?」
    なんか空気が淀んでるような……
    「……あ、こんばんは。すいません、アリスちゃんもう寝ちゃってて……お姉ちゃんはお手洗いに」
    早寝だ。えっと、今来て大丈夫だった?
    「…………?」
    「大丈夫です。ほらユズちゃん、流石に休憩しよ。カガリ先輩来たよ」

    ミドリちゃんが言うには、モモイちゃんがコンセプトを書き上げるまでの待ち時間の間、"格闘ゲームのリバースエンジニアリング"を二人でしていたらしい。聞いてて全然意味がわからないけど、とにかくユズちゃんの様子は、ぐらっと振り向いたその一瞬からして疲労困憊がすさまじいようで……

    「……! す、少しここで待っててください。お茶を用意するので」
    いやいやいや待ってよ。そんなへろへろの状態でまで気遣ってくれなくても……
    「あ、お茶の支度なら私がするよー!こういう時は任せて!」
    「うう……ごめんなさい……」
    ほら、目真っ赤になってるじゃん!その、いろいろ話したいこととかないでもないけど、とりあえず一回休んで――
    「カガリ先輩、すぐに休んでください。昨日、みんなの前で寝落ちる直前と、同じ顔色に」
    ……ぼ、僕が?ほんと?

  • 14佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/10(月) 02:39:04

    「確かに。ちょっと顔が赤くなってるし、いつもよりぼんやりしてるみたい」
    「うん。すごく集中してたみたいだし、同じようなことが起こったのかも……明日、ヒマリ先輩にも聞いてみよう」
    その……ユズちゃん?それはわかったし、毛布をかぶせられた理由も納得したんだけど、"これ"は一体……
    「頭撫でてるの楽しいよ!リーダーよりも髪質ふわふわしてるかも?」
    「おそらく、体がまだ疲れに気付いてないだけだと思うので、そうしてたら眠気来やすいかなって。苦手でなかったら、是非」
    ……写真撮られてるのだけちょっと気になる。
    「これですか?えっと、取材です」
    そっか……
    「まあまあ、減るもんじゃないんだし!」

    いつの間にかお茶だけじゃなくテーブルの上にお菓子まで広がって、さっきまでの作業の余韻も無くなったみたいだった。邪魔しちゃったかな。

    「人のこと心配する前に、ユズちゃんも休むんだよ。確かに時間はちょっと早いけど、夜中までずっと手動かしてなきゃいけない理由もないんだし」
    「で、でも。コンセプト到着がもう直ぐかもしれないし……」
    「それは遅延してるお姉ちゃんが悪いでしょ。本当だったら昼には提出されてるはずだったんだから」
    あ、あはは……モモイちゃんには書き置きとかしておいて、早めにゆっくりしてもいいんじゃないかな。ちょっとしんどそうだよ。
    「……それはカガリ先輩も……いや、わかりました」
    うん!
    「でも、カガリ先輩が寝るんだったらです。そしたら私も一緒に寝ます」
    ……うん?

  • 15幕間 ◆IEd0n050V224/06/10(月) 04:50:06

    ─────────────────────────

    どうして私はこんなことを?

    ─────────────────────────

  • 16佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/10(月) 04:53:25

    うーん……かなり、寝たような。
    それで、昨日は……たしか。マキちゃんたちと解散して、ゲーム開発部に来て、それから……

    (zzz......zzz......)
    「…………うん?」

    そうだ、あれだ、勢いで一緒に寝ることになったんだ。んで僕のほうが早く寝付いたんだっけ。
    うぐっ、さすがに僕が収まるには微妙に小さいなこのベッド。ゲーム開発部で一番高いアリスちゃんだってかなり離れてるし、当たり前といえば当たり前……

    「あ、起きた?おはよう」
    あ、あー、おはよう……モモイちゃんだ。すいません昨日はごあいさつできなくて……あと寝床借りてしまって。
    「大丈夫だよー。にしてもお姉ちゃんびっくりしちゃったね、衝撃の展開、まさか二人がそんな関係だったとは」
    モモイちゃん?
    「おおう。流石に冗談です先輩、表情消さないでくださりますと有難く思います」
    ……説得力無いかもしれないけど、ユズちゃんのことは本当に何もわかってないよ。興味を寄せてくれてるみたいではある、けど……
    「そっかー。まあそうだよね。それでいいと思うよ、ゆっくり知ったり知らなかったり」

    ユズちゃんはすごく穏やかに寝息を立てている。人馴れの強い猫みたいな、そういうイメージですやすや。
    ……あれ? どうにか流れでスプレーまみれの手は洗えたとしても、昨日の僕ってお風呂浴びそびれてないか? さ、流石にそれは気になるよ僕。よそのベッドだし。ええええどうしよ。謝ったほうがいいような、謝るとかえって意識させてよくないような……

    「……な、なんか気になることあるの?そわそわしてるけど」
    え゛っ。あーーーー……そうだ思い出した、アリスちゃん昨日怒ってなかったかなって!ほら、試練とかいろいろほったらかしにしちゃったし!?
    「んえ、アリス? いや全然……むしろ『良かったです』って言ってた。なんか良かったみたいだよ」
    そっかー。……それも不思議だけど。とりあえずありがとう。

  • 17二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 07:06:48

    ゆっくり休めたなら良かったね

  • 18二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 17:03:12

    休息は大事

  • 19二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 22:05:25

    大丈夫かそれ?

  • 20幕間 ◆IEd0n050V224/06/11(火) 03:11:11

    ─────────────────────────
    「……朝早くにしては珍しく賑わってるわね」
    「あら、ユウカちゃん。お疲れですか?目に隈が出ています」
    「うん、ちょっと忙しくて……これから一眠りするとして、でも近くまで来たから、改めてもう一度様子だけでも」
    「もう一度、ですか。前にも確認したことが?」
    「昨日の夕方ね。まるで違う有様だけど」

    (ミレニアム北側、モノレールステーションのエントランス脇に、高さ6mにも及ぶ巨大な絵が掲示されている)
    (目の前の歩道には絵の内容とリンクしたペイントが施されており、学生たちがそこに立って記念撮影をしている)

    「話を聞く限り、昨日から日を跨いで掲示されてるみたいですが……危険性が無い場合、3日目でようやく警告、強制撤去は4日目からですし。今すぐどうこうするよりは、発案者を特定してお話を伺うところからですよね」
    「発案者? 昨日ここで会ったわよ、1年の小塗マキと2年の佐藤カガリ。やり取りを見た感じ、どっちかが主導したみたい」
    「なるほど……意外な名前が飛び出ましたね。仲良しなんでしょうか」
    ─────────────────────────

  • 21幕間 ◆IEd0n050V224/06/11(火) 03:22:00

    ─────────────────────────
    「それより! 私が来た時は歩道のペイントなんて無かったし、事務所の通話記録にもそんな申し出の形跡は無かった。そもそも許可の取り付け方からしてグレーだったけど、それは開き直って好き勝手やっていい理由には――」
    「ねえ、ユウカちゃん。いずれ消さないといけない可能性が高いなら、記念に私たちも写真を撮りませんか?」
    「……えっ?」
    「ほら、こういう時は証拠が大事ですし♪」

    ***************

    「これで良し。と。改めて、キャンバスとその下も、それぞれ撮影しておきましょう」
    「普通にも撮るんじゃない。なんで一旦二人で撮ったわけ」
    「ふふっ。……ところで、ユウカちゃん。この英文、どういう意味だと思いますか?」

    (歩道にはいくつもの白い花のイラストが咲いている)
    (さらに壁際に、ミントのような色のアルファベットで"Little sisters is sometimes wondering you"と記されている)

    「"妹たちは時々、あなたのことを不思議に思っている"。直訳ならそんな感じかしら」
    「はい。では、この場合のLittle sisters、"妹たち"とは?」
    「妹たち……というか、これってリオ会長が"ビッグシスター"って言われてるのと掛かってるんでしょ? キャンバスの方もそういう雰囲気だし」
    「おそらく。その表現は、ミレニアムにおける会長から生徒たちへの態度を、煩雑な姉妹関係に例えたものです。言葉選びを似せたのがわざとなら、この文章で言及されている姉妹関係もまた、ミレニアムを表したものと考えられます」
    「……あんた、本当にこう言うの考えるの好きよね」
    「そうですか? 私だけではないと思うのですが……」
    ─────────────────────────

  • 22佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/11(火) 05:07:23

    「……で、昨日アリスが言い出した"次の試練"の内容なんだけど。まだ決まってなくて」
    いや、僕のほうこそユズちゃんから貰った試練まだ終わってないよ。結局ちょっとしかモモトークで喋ってないし。
    「クリアってことでいいんじゃない?見てみなよこのユズの寝顔、満足が満ちあふれてる」
    それでいいの!?
    「まあまあ、詳しくは後で聞こうよ。それでね……そう、ミドリがさ。まだそこで寝てるんだけど、寝る直前に入れ替わりで起きてきたアリスとすれ違って。カガリ先輩が描いたっていう、スプレーアート? のこと話したんだよね」
    あー。それで『良かったです』って……
    「そう言った後、『カガリが起きてからだと止められると思うので』って付け足して、1人で見に行っちゃった」
    ………………

    ***************

    思い返すとさ、先生にも同じようなことやられた記憶あるよ僕。そう、今となっては懐かしい、写真撮ってアリスちゃんに送ろうっていう時に、無断でシャッターを切られたのと似ている。懐かしいね。……じゃなくて!
    自分でも行く意味はわからないんだけど、行かないほどの度胸も無かったというか、とりあえず後を追うことにした。犯人は現場に戻るってよく言うらしい。……怒られないと良いなあ。
    さて、遠目に見る限りでも、昨日のキャンバスの前には人がごった返している。完全に大騒ぎじゃんどうしよう。あ、あんまり近付かないようにして、とにかくアリスちゃんがどこにいるか……

    「■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■」
    「……■■。■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■。■■、■■■■■■■■■■■■■■■■?」
    「■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。」
    「………………」
    「■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■」

    いた。アリスちゃんと向かい合って、何故かチヒロさん……
    なんか、その間にノアさんが挟まってる、というか……2人が言い争ってる??なんで???

  • 23二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 07:09:28

    リトルシスターか
    上手い事言ったものだ

  • 24二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 12:40:29

    喧嘩…?じゃないといいけど

  • 25二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:26:43

    保守

  • 26佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/12(水) 04:04:12

    「カガリ、ヴェリタスに入部したいと思っていますか?」

    普通じゃない雰囲気を感じて駆け付けてみたら、アリスちゃんの開口一番がそれだった。
    何か話が進んでいたのかな、と思ってチヒロさんに目をやると、明らかに不意を突かれたような顔。……どういうことだ?

    「今思っているかどうか、でお願いします」
    ……そ、それなら、まあ、思ってはいないよ。本当に何も知らないし……チヒロさんとも昨日会ったばっかりだし。
    「そうですよね!……ということです、チヒロ先輩」
    「わかった、気が早過ぎたのは認める。でも、こっちで選択肢の一つとして留保するから、いつでも必要だと思ったら駆け込んでもらえることは伝えさせてほしい」
    ……ありがとうございます? その、必要って言われても、いつ必要になるのかっていうか、全然話が見えないというか……
    「簡単に言うと、リオ会長から身を守るため。……アリス。あの事についての話、今にできる?」
    「……わかりました。カガリ、聞いてくれますか?」

  • 27佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/12(水) 04:32:15

    ――アリス……のヘイローを、壊そうとした?
    「昔の話です。時間が経った後、ちゃんと話して、あの時仲間になってくれたとアリスは思います」
    「部長が言うには、リオ会長も別に悪意があってやったことじゃなくて……ミレニアムの、ひいてはキヴォトスのためにそうしなきゃいけないって思ったみたい。それで、それに全員で反発して、戦った結果、捕縛されたアリスを連れ戻せただけじゃなく、会長の思ってるそもそもの前提を覆すことができた……っていうのが、当時の経緯」
    「はい。みんなには今でも感謝しています」
    ウタハさんが言ってた事件って、そのことかな。辞任の理由だったっていう……
    「多分。その後、消えたリオ会長が再び姿を現したのが……これも詳しく話すとややこしいんだけど、空が赤くなった事件の時」

    どうやら、リオさんはその場に居合わせた中の限られた人数とだけ会話を交わし、それでいてチヒロさんは当時通話のみで参加していたらしく、リオさんの『心変わり』についてあまりピンと来ていない、ということだった。そして、実際にその時リオ会長と最も深く話し合ったのが、アリスちゃんなのだと言う。

    「リオの選択を間違いだと言い切ってしまうことは、アリスにはできません。それでも、リオはもう同じ間違いをすることは無いと思っています」
    「……はあ。部長の態度はちょっと柔らかくなったし、当のアリスもこう言ってるけど、私は今一つ呑み込めなくてさ」
    う、うん。話したことが有るのと無いのとじゃ、全然違っても仕方ないと思います……
    「そう言ってくれると心強いよ」
    「それに、もしもまたリオがみんなを困らせるなら、もう一回みんなで止めればいいんです! 理想の食い違いで仲間と戦うことになってしまうなんて、勇者パーティの長い冒険の中では全然あることですから!」

  • 28二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 07:00:13

    さすが勇者

  • 29二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 10:49:55

    そういや知らなかったんだったな

  • 30二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 18:05:14

    まぁビックリよね

  • 31二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 23:13:34

    まぁ今のアリスたちならね
    大丈夫でしょう

  • 32佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/13(木) 03:00:28

    「カガリには、リオがこう見えているんですか?」

    ちょっぴり唐突でもあったけど、それはスプレーアートについての話だった。……ひとまず、リオさんのことを描いていることは伝わっていたようで、素直に安心する。

    「うん、本人とそれほど外れてないモチーフだと思うよ。パッと見で何を考えてるか分からない感じ、必要最低限のことしか話さなくて寡黙な感じ……歯車にしたっていうのが、会長が作る機械の、シンプルで無駄がないイメージに合致してる」
    ……そうなんですか???
    「まあ、多分。……高貴な服装で、剣と本をそれぞれ持ってるのも、『やる気と行動力が強烈なリーダー』って印象だよね。それで、私にはちょっとわからなかったのが、同時に差してる”傘”……これは?」
    「アリス、わかるかもしれません。これはリオが大事なものを雨や日差しから守るための傘です!つまり、RPGで騎士クラスのキャラクターが装備する、仲間のダメージを防ぐための盾と似た役割を持っています!」

    きしクラスのキャラクター、は余りわからないけど、守るとか防ぐっていう言葉は、聞いていて少しピンと来るものがあった。……いや、僕が描いたやつでしょ?僕がピンと来ていいの??

    「盾、か。それで言うなら、この傘が陰らせている右側には、花が咲いているけど」
    「はい。反対に左側は、"空から地面まで、黒と赤がぐちゃぐちゃに混ざっている"感じで、不気味で怖いです。リオは花を守ろうとしているんだと思います……きっと花が好きで、花を大事にしているからです」
    「へえ。言われてみれば、そんな気がしなくもないかも」
    目の前で考えられるのなんか恥ずかしいんですけど。
    「恥ずかしいと言っても、ここに来た時点でこうなることはわかっていた筈です。カガリには"覚悟"が足りません!暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことです!」
    うぐっ。何か厳しいことを言われたような……
    「また仰々しい言い方して。……そうだね、カガリさん。恥ずかしいついでに質問いい?」
    ? はい、なんでしょう。
    「……リオ会長のことを独自に調べて、"ミレニアムを守っていた"と結論付けたのは何故?」

  • 33佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/13(木) 03:18:04

    ……え、えーと。なぜって、そもそもどうしてそういうことに?

    「いや、この右に座ってるの、どう見てもうちの部長でしょ」

    「確かに。描き方はぬいぐるみみたいですが、ヒマリ先輩の特徴があります」

    「最初は意図がわからなかったけど、よく考えたらあの人、自分のこと『可憐な花』とか言うし。それなら、部長の周りに咲いてる花は同様に人間を、それらが咲いている場所は人間たちの在処を……この場合、ミレニアムを表しているはず。歩道に書いてある英文のメッセージも合わせて考えれば、そうなる」

    えーーー……はい。そんなに難しい理由があったかは覚えてない、けど、ミレニアムとして描いたのはそうです。

    「会長は、この絵の中でかなり好意的に描かれてる。それこそ、さっきアリスが言った『仲間を守る騎士』もそうだし」

    「リオに騎士クラスが似合うというのは、アリスも初めて気が付きました!カガリは転職の神殿で働くのに向いているかもしれません!」

    「……私がその筆頭かもしれないけど、ミレニアムの生徒で、リオ会長のことを好意的に思ってる人は少ない。何も知らない状態から彼女のことを調べて、こういうイメージに落ち着くのは、かなり珍しいケースだと思ってさ。そこへ至るまでにどんなことを考えたのかなって」


    ……う、うーん。なんとか質問の意味はわかったけど、答えを言葉にしようと思うと……


    dice1d100=42 (42) 精神力ステータス(80)以下で成功

  • 34佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/13(木) 03:50:22

    いや。別に、無理して言葉にすることないかも?

    「………………」
    はい。えっと、申し訳ないんですが……質問の答えになるような、ハッキリした理由は無いと思います。ただの当てずっぽうです!
    「……はい?」
    でも、"好意的に思っていない"ことが、そのまま"嫌い"に繋がるわけじゃないはずです。リオさんのことを悪く言う人は、確かに多かったんですけど……僕が話を聞いた限り、『あまり好かれていないらしいって他人事のように言う』か、『具体的に苦手になった理由がある』、この二つのどちらかでした。
    「……うん。それで?」
    本当に嫌いな、本当に受け入れられない相手について話す時の人間は、もっと得体が知れないことを喋ると思います。親切さが入ってないような、聞いていて怖くなるようなことを。……だから、そういう人が殆ど居ないってことは、リオさんはミレニアムでしっかり認められてるって証拠にならないかな、って。
    「いや、後付けの説明でしょ、それ」
    はい。でも、あんまり間違ってないと思います。だってチヒロさんも、『リオ会長が"ミレニアムを守っていた"と思ったのは何故』って聞きはしたけど、リオ会長はミレニアムを守ってなんかいない!とは言わなかったから。
    「………………」
    きっとみんな同じですよ。リオさんは正しいか間違いかがわかり辛いようなことを沢山するし、あえてそれを間違いだと決め付けられる人だってあまり居ない。好きか嫌いかじゃなく、"難しい"人なんです。きっと。
    「なるほど。……ありがとう。賛同するかはともかく、興味深い話だった」
    まあ、『殆ど居ない』とか『あまり居ない』って言い方をしたのは、ヒマリさんがこの話の例外だからなんですけど。
    「んぐっ…………ふふふふふふ……wwwwwwww」
    へへへへへへ……

  • 35二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 07:25:29

    雰囲気を描いてた絵がしっかりとした形になっていく

  • 36二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:01:03

    やったねカガリちゃん

  • 37二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:30:34

    保守

  • 38佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/14(金) 05:31:05

    「うんうん、良い話ね。ということで、その辺で満足したかしら?」
    ……ゆ、ユウカさん?おはようございます、昨日ぶり――
    「今日の私は優しくないわよ。これ、どうやって釈明するつもり」

    ユウカさんが歩道に塗られたスプレーを踵で叩く。……そうだよね、悪いことしたよね僕。
    ふと視線を逸らすと、奥のほうからアリスちゃんがこっちを見つめている。……ノアさんに片手をぎゅっと握られながら。制止されてるみたい。ど、どうしよう? 怒られる覚悟はあったけど、具体的にどう怒られるかっていうところまで、イメージしてたわけじゃないっていうか……

    「ああ、その件に関しては味方できるかも」
    ! チヒロさん!
    「と言うのも、昨日ここでやってた描画作業、コタマがカメラで撮っててね。歩道に描き始めるまでの流れもしっかり残ってた」
    「なるほど。聞かせてくれるんです?」
    「映像を見た上で言うと……キッカケこそC&Cの一之瀬アスナだったけど、責任の所在は完全に『監督』を努めていた佐藤カガリにある、って私は判断した。データについては要望があればそっちにも送る」
    チヒロさん!?味方ってそっちの味方!!?
    「ふふっ。そうらしいわよ、カガリ。何か言うことがあるんじゃない?」
    ……ご、ごめんなさあああああい!!!!!!!!!!

    その後。ユウカさんと話し合い、「今日の正午からを目処に、出来る限り当時と同じメンバーを集めて、規定に違反したペイント全ての除去・清掃を行うこと」を言い渡された……
    ただ、キャンバスの方はギリギリまで許してくれるみたい。しかし甘えっきりもよくないから、道路の方が終わったら続けざまに片付けちゃおう。……もう既にたくさんの人が見てくれたみたいだしね!

  • 39二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 07:25:02

    そりゃそうなるか

  • 40二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 17:36:19

    まぁ目的は達成できたからよし!
    借金できたけど

  • 41二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 00:22:56

    片づけるまでがアートです

  • 42二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 10:45:58

    よかったよかった

  • 43二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:38:40

    保守

  • 44ストーカーの中身 ◆IEd0n050V224/06/16(日) 04:57:46

    (こんばんは スレ主の諸々が立て込み始めた影響で更新が不安定になっていっています 早めにケリ付けて集中して書けるようになりたい所存です 申し訳ない)
    (現在のスレはひとまず白亜編を目指しつつ進んでいます 如何せんミレニアムはネタが多くて寄り道が多めになってしまいますね カガリを中心とした物語(っていう程かはわからないけど)を進展させるイベント案もあるので、しっかり練っておきます)

  • 45二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:03:22

    ごゆっくり

  • 46二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 23:09:03

    とりあえず事故なく終わって良かった

  • 47二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:18:17

    保守

  • 48二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 17:50:17

    良い感じで終わったけどこれ借金してんだよな…

  • 49佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/18(火) 01:14:54

    「正午からね。わかった、マキには私から伝えておく。それ以外の人は自分で当たって、私も詳しく知ってるわけじゃないし」

    ありがとうございます!あの、本人が嫌そうだったら大丈夫なので……元々僕に付き合ってくれてのことだったし。

    「あとこれ、私の連絡先。困ったらいつでも連絡して」

    そこまでしてもらって良いんですか!!?僕、チヒロさんにお返しできるものとか……

    「………………」


    チヒロさんはとても不思議そうな顔で首を傾げた。……そんなに変なこと言ったかな、僕。


    「別に。人に親切にしておけば、巡り巡って自分に返ってくるってものじゃない?」


    (カガリ→チヒロの好感度を決定します)

    dice1d90=47 (47) +10 (最低保証40)


    (そしてさすがにそろそろ気付くパターンもあっていいんじゃないですか?というダイスも振ります)

    dice1d100=87 (87) 交渉ステータスの半分(44)以下で成功

  • 50佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/18(火) 03:12:18

    ***************

    「ということで。カガリに、良いニュースと悪いニュースがあります!」
    どういうことで!? ……えっと、『どっちから聞きたいか』ってこと?
    「そうです!アリス、こういうセリフ一回言ってみたかったんです」

    なんだこの子可愛いな。昨日見た寝顔も良かったけど起きてても可愛いな……まあ寝顔の方もこっそり写真撮っちゃったけど。ミドリちゃんの視線がちょっと痛かったですね。

    「……何かニヤニヤしていませんか?」
    してないと思うよ。……その、じゃあ、良いニュースのほうから。
    「良いニュースですね。アリスは昨日、ヒマリ先輩から伝言を受け取りました。『カガリさんに渡したいものがあるから、近いうちに寄るようお願いしてほしい』と言っていました!ヒマリ先輩からもらえるものなので、きっとすごく強力なアイテムです!」
    ぷれぜんと??? ……ありがとう、後で行ってみるね。それで、悪いニュースっていうのは?
    「はい。……カガリは、ミレニアムが誇る最強鬼畜メイドのネル先輩から呼び出しを受けてしまいました。もしかしたら、次にカガリと会うのは病院のベッドの上かもしれません」
    まって!?なんか怖いなとは思ってたけど、ネルさんってそんなに危ない人なの!!?!?
    「ミレニアムで一番狂暴な生物です!!!いくら攻略法があったからと言って、正面勝負でチーターに勝つことは普通の人間にはできません!!!!」
    ちっっ……チーターに!!?!??!?

    狼狽える僕にアリスちゃんが勧めたのは、『ヒマリ先輩からアイテムを受け取り、装備を整えて回復を済ませた状態で、しっかりセーブしてからC&Cに向かう』というプランだった。……うん、ひとまずヒマリさんと会おう。それで……もし本当にヤバそうなら麻酔銃とか譲ってもらおう。さ、流石にそんな必要ないと信じたいけど。

  • 51佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/18(火) 04:36:23

    ***************

    「……カガリが切羽詰まってるのはわかったけど、そんなに大したものじゃないよ」
    「エイミ、静かに。私は真剣に作りましたからね」

    大したものじゃない、と言いながらも丁寧にエイミさんの手から丁渡されたのは、中身の重さを感じるプラスチックのケースだった。開けていいのかな、と思って視線を送ると、頷いて促される。
    これは……ミレニアムの制服?

    「真剣に作りましたが、実運転は初めてなんですよね。あと、サイズが合うかもわかりません」
    えっ、嬉しい。大事にします。へへ……
    「部長、もう喜ばれちゃってるよ」
    「カガリさん。水を差すことになったら申し訳ないのですが、そちらはただの制服ではなくてですね。カガリさんの特異性に関連して、ちょっとした機能を搭載してあります」
    ……なおさら大事にします!!!

    張り切りながらさっそく羽織って、人目を憚らず上機嫌になっていると、続けざまにエイミさんから手を引かれた。誘導されて歩いて行ったのは……ぽつんと佇んでいる椅子。周りには何台かのカメラが並んでいる。

    「ところで。カガリさんは『お化け』って信じますか?」
    お化け、ですか? うーん、ちょっと信じちゃってるかもしれません。そういう噂話、結構多かったし……
    「それは好都合です。……その制服、我々が科学的な方法で生み出した、『お化け』の一種が編み込まれているんですよ」
    「部長、機材の電源入れるね」
    「はい、お願いします」

  • 52佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/18(火) 04:53:24

    「人間が『お化け』と認識するものは、大きく二つに分けられます。ズバリ、『本物のお化け』と『勘違い』です。先に断っておくと、その制服に宿っているものは勘違いのお化けです」

    「科学者は、『本物のお化け』を見分けることができません。存在のことを幽霊と呼んだり、現象のことを霊障と呼んだりすることは、科学者にとって降伏を、"わからない"と宣言することを意味します。本当にお化けかもしれませんが、後になって勘違いだったことが明らかになる可能性もゼロではない……『本物のお化け』とは、科学者から保留されている存在です」

    「一方、『勘違い』を見つけることは比較的簡単です。それがお化けではない証拠を見つけることが出来れば、たったそれだけで終わります。"幽霊の正体見たり枯れ尾花"という詩が、これをとても良く表しています……理解するということは、理解できないことに比べて、穏やかで呆気ないもの」

    「しかし。勘違いの中でも、『解明された勘違い』と、『見つかっただけの勘違い』には違いがあります。難しい言い方をすると、因果関係と相関関係です。"なぜ人間がその勘違いをするのか"を解明できれば、それは因果を捉えたということが出来ます……一方、”なぜかわからないけれど人間はこれを勘違いする"というだけでは、相関が見つかったに過ぎません」

    「我々は超常現象を調べる上で、興味深い相関をいくつか見つけました。人間に『お化け』を思わせる……本当は何もないのに、『そこに何かが居る』と考えさせる、特定の条件を。どれも原理は解明されていませんが、似た形のパターンを再現することだけなら、十分可能だったというわけです」


    ……え、えーーーーーっと……


    dice1d100=63 (63) 知性ステータス(16)以下で成功

  • 53佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/18(火) 05:06:40

    「カガリ。フグの卵って、3年ぬか漬けにすると毒が無くなって食べられるって言うけど、なんでなのか知ってる?」
    へ? ……いや、わからないかも。その食べ物の話は聞いたことあるけど。
    「これ、なんでなのか解明されてないんだって。でも、そうすると毒が抜けることだけは昔から知られてる」
    えー!?そんなことあるの!?
    「うん。部長が言ってたのも、似たようなこと。カガリの特異性をフグの毒だとした時、ぬか漬けみたいな方法で弱くできたよ、つまり原理は分かってないけど危険ではないから安心してね。……って感じ」
    ……なるほど!
    「エイミ? その説明だと……ああ、いえ、私が悪かったです。その説明で問題ありません」

  • 54二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 12:20:53

    なるほど?
    つまりさすヒマって事だな?

  • 55二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 23:59:15

    やっぱりヒマリはすげえぜ

  • 56二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 10:19:44

  • 57二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 10:21:37

    凄いものがあるんだなぁ

  • 58二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 20:59:00

    保守

  • 59二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 07:19:34

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 15:06:42

    大丈夫かなぁ

  • 61二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 20:47:16

    とりあえずこれでカガリの体質は大丈夫って事か

  • 62佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/21(金) 02:03:14

    「結論だけ掻い摘んで説明しましょうか。その制服を着用している間は、カガリさんの特異性の影響が少し中和されて……わかりやすく言うと、人から見つけられやすくなり、人から忘れられにくくなります。もちろん、脱いでしまえばそれらの効能は得られません」
    ……もしかして、これって失くしたら怒られるやつだったり?
    「かもしれませんね。実のところ、それはカガリさんにだけ効果を発揮する物品ではありません。もしも普通の人間がこれを着れば、望まない注目を浴びてしまいそうですし……そうでなくとも、同じ場所に長い間放っておくと、そこに『お化けがいる』なんて噂が立ってしまう可能性も」
    「実際、カガリが来るまではあそこの棚に仕舞っておいたんだけど。私たち二人とも無性に気になっちゃって、いろいろ手に付かなかったから」
    ど、どういう品物かわかってたのに、ですか?
    「むしろ、『わかっていたからこそ』という線もあります。それも含めて実験です……ひとまず、周りの人にはなるべく話さないようにしてください」

    ……入る部活について色々考えてたけど、これだけは少しわかる気がした。僕はたぶん特異現象捜査部が一番向いてない……!!!こんなにお世話になっているけど!!!!

    「ところで、カガリさん。この後C&Cに向かうと仰っていましたが、時間って余っていたりします?」
    時間、ですか。大丈夫だと思います、まだ朝だし……
    「気が進むなら、で構わないのですが。この場で試せるものがあるんです……カガリさんが忘れているかもしれない、様々なことについて」

  • 63佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/21(金) 04:24:59

    ……だ、ダイブ装置?
    「はい、そう呼ばれているものです。一般にはSFで稀に名前を聞くような装置でしかなく、ミレニアムでも決してメジャーな技術とは言えませんが……私ほどの天才美少女ともなると、それを超高度なレベルで扱ってしまうのですから、全く才覚という物も此処まで来ると恐ろしいですね」
    「まあ、これはエリドゥから接収したものだけど」
    「それはいいんです。ともかくこれを使えば、人間の記憶領域を直接目で見たり耳で聴いたりすることができて……それが忘れていたことを思い出すキッカケに、ということも十分有り得ます。どうです?興味はありませんか?」

    ***************

    「カガリ、案外勇気あるよね」
    えー。勇気かぁ……僕にそんなの無いと思うけど。なんで?
    「ダイブ装置、嫌がったり怖がる人も多いから。頭に怪しい電極張り付けて、重たい輪っか被って、って感じだし」
    「勿論、こちら側でバイタルなど重要な値は常に確認しておきます。不審な兆候が見られたらすぐに離脱できるよう待機するので、ご安心を」
    あ、ありがとうございます。……あんまりよくわかってないけど。わかってないから怖かったりしないのかも。
    「……ちょっと心配になるんだけど」
    えー!?なんで!?
    「こほん。とにかく、あまり仰々しく構えても良いことはありません。ぼーっとする準備が整い次第お伝えください、順次起動してゆきます」

  • 64佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/21(金) 04:37:12

    そしてスイッチを押した瞬間、一瞬で夢の世界に! ……みたいな想像をしていたんだけど、そんな感じではなかった。

    目の前で、仄かな薄紫色の光が柔らかく明滅して……高いような低いような音が、左や右から聴こえてくる。ヒマリさんが言うには、まず催眠誘導によって疑似的な眠りに落ちるところから始まるらしい。掛かりやすさには個人差があるけど、その辺りは人に合わせて調整できるので、気にしなくてもよいと……

    さっき言われた通り、努めてぼーっとする。意識して無意識を作る。難しい作業のようで、ゆっくりと進んでいる感じがした。関係があるような、関係がないようなことが、水面まで浮かび上がってくる……


    『記憶を辿ってください。思い出せない記憶のほど近くにある、思い出せる記憶を』


    すっかり頭がほどけていて、機械から聴こえてくる言葉の意味がわからないような気がしたけど、無意識はそれに従ったらしかった。記憶の遠く彼方では、さっき最後に認識した、誰かに握られている右手の甲の燃えそうなほどの温かさが光っている。


    dice1d100=52 (52) 高い目が出るほどクリアな映像になる 目安は神秘ステータス(84)

  • 65??? ◆IEd0n050V224/06/21(金) 04:42:12

    ■■■ ■■■。
    ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■
    ■■ ■■ ■■■。
    ■■■ ■ ■■ ■
    ■■ ■ ■■ ■ ■■■■。
    ■■■ ■ ■■■■■ ■■■?

  • 66佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/21(金) 05:01:41

    ─────────────────────────


    ――ざああああああ……ざあああああ……


    目が覚めると、そこはいつかの川辺だった。……目が覚めるとはいっても、これは現実ではなく、夢のような……つまり、『ダイブ』に成功したっぽい状況だった。

    ここは……小さい頃からの遊び場所の一つだったかな。暑い日はここに集まって水を浴びるのだった。石をひっくり返したり、魚を捕まえたり、ちょうどあの影の辺りで――


    「………………」

    ……ちょっと!?駄目だよそんな流れのド真ん中で横になったら!!!!流されちゃうって!!!!!!

    「……おや?」

    だ、大丈夫?こっちまで来れる??

    「おそらく問題ありません」

    なら、よかった。じゃあ――

    「しかし、あなたが危険に思うほど、実際に早く流れるようです。そちらに着くまで、楽観的に考えていてください」


    ぱちゃぱちゃと音がして、小さい足が小さい飛沫を立てながら進んでくる。ゆっくり、慎重に、少し跳ねながら――


    「……少し流れが早くなりました。難しいですか? もう少しぼんやりして頂けると」

    ねえ、君って誰? ただ僕が忘れてるだけ、じゃなくて……僕が知らない人なんじゃないかな、って、思ったんだけど。

    「……この顔に、あるいはこの頭上の光輪に、見覚えはありませんか」

    言われてみれば、確かに"アリスちゃんと似てる"と思うよ。でも、アリスちゃんのそういう喋り方は全く見たことない。……アリスちゃんのこと、知ってるの?


    女の子は少し俯いた。この子が言ったように、川の流れは僕の匙加減でどこまでも早くできるようだけど……押し流そうという気はまだ起きない。


    「<Key>。名乗らなければならないのならば、それのみです。それが既に失われたものだとしても、私の存在であり、目的でしたから」

  • 67二次元好きの匿名さん24/06/21(金) 08:29:48

    わお

  • 68二次元好きの匿名さん24/06/21(金) 18:28:28

    ケイがいるのか

  • 69佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/21(金) 21:22:54

    「この川は何処まで続いているのですか?」

    どうだろ、一番下まで行ったことはないかも。もう少し行くと住宅区があるけど……観光客が来るような場所でもないし、百鬼夜行にしては地味な通りだと思う。

    「百鬼夜行、というのは……あなたのルーツである学校自治区のことですか。今は離れているようですが」

    ……わかるの?

    「今の私は、このデバイスの揮発性メモリ領域を間借りすることで会話や思考を可能としているようです。そのため、領域に対して一時的に情報としてアップロードされた記憶が自然に流れ込んでくるのです。自分自身のことのように」

    そ、そうなんだ? ……ここから先、見通しが悪いし足場も険しくなるから、気を付けてね。


    "森の緑"

    dice1d100=66 (66) 目安は神秘ステータス(84)

  • 70二次元好きの匿名さん24/06/22(土) 07:46:35

    ほほ

  • 71二次元好きの匿名さん24/06/22(土) 16:24:29

    これは成功なのかな?

  • 72二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 01:22:28

    どうなるんだ

  • 73佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/23(日) 01:49:16

    ……うーん。人里へ近づくにつれて霧が濃くなってるような。なんで?
    「あなたの記憶に無い霧ならば、この領域において不自然なものかもしれません。私がそうであるように」
    そうかも。よくよく見ると、ただの霧じゃなくて煙みたいだし……でもなんの匂いもしないし。
    「ただの推測ですが、あなたが持つ神秘……ああ、”特異性”と呼んでいるんですね。その影響ではないでしょうか」
    それも流れ込んできた記憶?
    「はい、しかし、私は分析や解析を目的として作られた存在ではありません。正確性については保証し兼ねます」

    ***************

    「……住宅区という割に、人の通りが全くありません」
    家より畑の方が面積多いけど、それでも一応800人くらい住んでる、はず……でも実際どうなんだろう。高校上がってからあんまり来てないんだよね。
    「あなたが忘れているのでは? ちょっと思い出してみてください」
    そうかな。……むむむむむむ…………

    『………………』
    『………………』
    『………………』

    「いくつか煙が出てきました。人の形をしているように見えます」
    こ、これ以上は無理かも……
    「はあ。この世界では支配者に等しいのかと思っていましたが、あまり大したことはできないようですね」
    そんなぁ……

  • 74佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/23(日) 02:22:31

    「それで……このまま、何の目当ても無く歩き続けるつもりですか?」
    いや、目当てが無いわけじゃないよ。なんとなくだけど、『あっちの方で誰か待ってる』って思うというか、待たせちゃってるというか……そんな感じがする。たぶんもう少しで着くはず。
    「曖昧。誰かはわからないのですか?」
    うん。でも、夢ってそういうものじゃない?
    「夢……なるほど、私は見たことがありませんが、面白い概念です」

    ***************

    ……着いた、ここだ。ここに居るはず。
    「これは、交通機関? 建物から外に向かって地面の上を伸びている鉄の線は……察するに、この上で動力付きの車を走らせるためでしょうか」
    そうそう、列車っていうの。ここは確か、百鬼夜行の外まで続いてて……あそこのホームで乗るんだけど……

    『………………』

    「煙が立っていますね。あれが目的の人物?」
    ……かも。もうちょっと近付いてみていい?
    「態々確認を取らなくても構いません。部外者は私の方です」

  • 75佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/23(日) 02:47:11

    『………………』


    (ホームに他の人間はいなかった。新しい列車が来る様子もなく、アナウンスが鳴る気配も無かった)


    「ふむ。あなたは何故此処にいるのですか?」

    う゛っ……待って、そんな急に話しかける!?

    「妙な質問をしますね。待っている人物が到着したにも関わらず何の反応も無いなら、こちらから会話を試みない限り事は進みません」

    それはそうかもしれないけど!!

    『………………』

    「依然、反応は確認できません。あなたの方は?」

    え、僕?

    「はい。何か思い出せませんか」


    (厳しい目で見られているけど、閃いたことは何も無い。むしろ、ここにいると何故か頭がぐらぐらするというか、肩の重さと憂鬱さが蘇ってくるみたいで、そんな場合じゃなかった)


    ………………

    「彼女は、"ホームの入口近くから、列車の方を向いて立っている"ようです。もしも本当にあなたのことを待っているのであれば、あなたは今の我々のようにホームの入口から現れるはずで、視線の向きと辻褄が合いません」

    ……へ? それって――

    「状況としては、この向きでコミュニケーションを取っていたと考えるほうが妥当でしょう。つまり」

    わ、わっ!?


    (不意に手を引かれる。導かれた先は足場の端、"誰か"の視線の向き先だった)


    「位置関係はこの通りだったことが予測できます。この状況があなたの印象に強く焼き付いているからこそ、記憶に残る彼女はこうして立っている」

    なる、ほど?

    「はい。もう一度尋ねます、何か思い出せませんか?」


    "友人の青"

    dice1d100=25 (25) 目安は神秘ステータスの半分(42)

  • 76佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/23(日) 03:51:33

    ごめん。その、何も思い出せないかも。
    「そうですか。しかし、あなたにとって重要な事柄であることは判明したかもしれません。先程から精神的に動揺しているようなので」
    うん、覚えとくね……

    『………………』

    その、なんでキーちゃんは色々助けてくれるの?
    「助けるという程では……待ちなさい、なんですかその呼び方は」
    あれ? さっき自分でKeyって言ってなかったっけ。
    「……助ける、という程ではありません。私にも目的があり、その為に恩を売っておくのが良いと判断しただけです」
    えー。そんな悪い言い方しなくても……
    「はい、私もこのような発想を持ったのは初めてです。先程からそのような体感を多く覚えています。推測ですが、記憶と同様にあなたが持つ思考様式も流れ込んで来ているのかもしれません。……如何でしょう、あなたは"恩を売っておくに越したことは無い"という発想を持っていますか?」
    答えづらいよ!!!!!

    『………………』

  • 77??? ◆IEd0n050V224/06/23(日) 03:54:50

    『うん。止めないよ』

    『カガリは私のこと、止めなかったから』

    『だから、いってらっしゃい』

  • 78二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 12:52:19

    謎が深まる…

  • 79二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 20:46:01

    誰なんだろう

  • 80佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/24(月) 04:40:19

    (そこにいた"誰か"のことは放って出ていくしかなかった。少し後味の悪さを感じたけど、それ以外にどうしようもない)

    「まだ何かを探すなら、新しい目標を決めなければいけません」
    そう、だね。でも僕、友達とか多かったわけじゃないし、本当に百鬼夜行で何してたのかなって……
    「ふむ。王女を通じて見ていた限り、あなた達のような存在にとって、友人関係だけが学校生活の全てではないようですが……例えば、『部活動』などには縁があったのでは?」

    (部活は……陰陽部にいた、はず)
    (単純な事務じゃない、何か込み入った仕事をしていた。内容はまだ思い出せない)

    「……現在位置から東方向で情報が大きく書き換わっています。あちらについて思考しているようですね」
    わ、わかるんだ。その、かなり遠いんだけど……まだ着いてきてくれますか?
    「解散という選択肢はありません。あなたの目の前に私の実物が存在しているわけではなく、裏側の領域からそれらしく見せているだけなので」
    ……よくわからないけど、待たせたくないからなるべく急ぐね!
    「……はあ。全く、何故このようなものに興味を――」

    (キーちゃんから手を差し出された。それは僕の応答を待っているようだった)

    「目的地まで正当に歩いていくことが、そもそも非効率的です。先程からの計測結果によれば、この領域事態が『あなたが思い描いている範囲』までしか存在しません。それが普遍的な作用かどうかは知りませんが……兎に角、あなたの意思次第で、近道を通ることも自由自在であると推測します」
    ……つまり、どうすればいい?
    「目を瞑っている間に、"自分が目的地に向かっている”ことをイメージしてください。数メートルを実際に歩くことも有効かもしれません。転ばないように、私が支えておきますから」

  • 81二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 06:21:53

    そういうところは融通利くのか

  • 82二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 17:05:47

    なぞが判明する…のか?

  • 83佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/24(月) 18:20:25

    「その調子です。様子は目に見えて変わっています……まだ少し揺らいでいますが」

    ………………

    「これは、屋内でしょうか? 地面が土ではなくなりました。木造建築のようです」

    ………………

    「風景が安定して来ています。ここまで来れば、目を開けてしまっても――」

    『カガリさん、単刀直入に言います。今すぐ休暇を取ってください』

    っ!?


    (新しい声は背後から聴こえた。咄嗟に振り向いて見えたのは、煙ではなかった)


    『いえ、懲戒処分ではありません。ここ暫く、負担の大きい仕事に取り組んでもらっていたので、一度気分を入れ替えてほしいのです。ニヤ様には私から言っておきましたから、ご心配なく』

    し、仕事?休暇って……ごめんなさい、僕って何を――

    『具体的な期間ですが、ひとまず来週いっぱい迄とします。その間は身の回りのことに集中してください……調子が戻らないようであれば、改めて話し合いましょう』

    「恐らく、こちらの言葉は通じていませんね。再生されているだけです」

    『……誰か一人を責めようということは、誰も考えていません。それに、私たちは皆、一つの志によって仲間の力になれる筈です。あなたがどこに居ても、それは同じですよ』


    (声の主は、そう言い終えると廊下の向こうに消えていった)


    「ふむ。煙の姿ではなかったということは、あの人物の顔は覚えていたのですか」

    うん。……副部長の桑上カホさん。カホさんのことなら、ちょっと思い出せるかも。




    "務めの黒"

    dice1d100=98 (98) 目安は神秘ステータスの半分(42)


    dice1d100=11 (11) 精神力ステータス(80)以下で成功

  • 84二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 23:36:14

    成功はしたけどめっちゃ高い数値でたぞ

  • 85佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/25(火) 04:53:21

    「先程から、何かに納得が行ったご様子ですが。必要なことが思い出せたということですか」

    ……半分だけかな。もう半分も思い出せて良いはずなんだよ、だから思い出そうとしてるんだけど……全然。なんでだろう。

    「辺りが散らかってきました。食器、紙くず、草木、弾薬、リムーバブルメディア、衣服、アクセサリ、鍵、筆記具、刃物……余計なものを思い出している数の方が多い。足の踏み場もありません」

    ご、ごめん。一旦全部消せないかな……

    「消すだけでなく、一度休憩してみては?」


    (このタイミングでカガリから陰陽部の2人への好感度も決定してしまいます)

    ニヤ dice1d100=62 (62)

    カホ dice1d100=22 (22)

  • 86佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/25(火) 04:57:09

    その。さっきカホさんが言ってた"ニヤ様"って、百鬼夜行の生徒会長のことなんだけど。政治とか交渉とかが得意で、生徒会……陰陽部の立場についてもすごく気を使ってて、っていう人で。
    「突然何を……まあ、いいでしょう。話してみてください」
    ありがと。……それでね。百鬼夜行には、陰陽部と別に『百花繚乱』って呼ばれてる組織があって。百鬼夜行の中で揉め事があった時は、陰陽部じゃなくてそっちが解決に乗り出すの。陰陽部はなるべく不干渉の立場を取りたいから。
    「理解は出来ます。些か非効率的かもしれませんが」
    それは、内輪の問題なら大丈夫なんだけど。『名目を考えると、もしも百鬼夜行の外側に繋がる事件があった時、そこに百花繚乱の人たちを送り込める理由が無い』っていうことになる、らしくて。
    「……理由? どういうことです?」
    百花繚乱は、あくまで内側の均衡を守るための組織だから、自治区を跨ぐような問題に関わると問題になる。これは百鬼夜行だけじゃなく、他の学校の風紀委員会にも似たような"縄張りルール"みたいなものがあって……基本的に、自治区を跨いでトラブルがあった時は、ヴァルキューレか連邦生徒会が間に立とうっていう考え方があるみたい。……最近はシャーレもそれに入るのかな。
    「なるほど、それが"学園都市"のシステムという訳ですか」
    ……でも『百鬼夜行を巻き込む問題が起こった時、自分たちが後手に回り続けようなんて考えは、少し呑気が過ぎる』っていうのが、ニヤ様の考えだったみたい。つまり、敵に動かれる前に、余所者が挟まってくる前に、百鬼夜行が先手を打ちたいってこと。
    「恐らく、それは武力行使を含むイニシアチブの確保を意味しますよね。非難の対象になりませんか?」
    うん。だから、『百鬼夜行にとって重要な事物の警護』みたいな、曖昧な名目で動けるようになってる。……そういう事情で出来たのが、陰陽部の特別警護調査隊、長いから『鬼の手』って呼ばれてるところ。
    「………………」
    ……そこで僕が働いてた、んだけど、具体的にどんな仕事してたのかが思い出せない。
    「……何故です?そこまで思い出せているのに?」
    ……なんでだろう……わかんない……

  • 87佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/25(火) 05:05:17

    (念のためお伝えしておくと、百花繚乱の名目とか鬼の手うんぬんとかは完全に二次設定です なんか凄いの生えちゃった どうしよう)
    (スレ主の頭の中にある「百花繚乱の生徒が例えば水面下でゲヘナとかとトラブったとしても、百花繚乱のメンバーは立場的に送り込めなさそう」という想像から来た仮定で成り立ってるので、原作からそういう描写が出たら普通に瓦解します 当スレ世界線のキヴォトスに固有の存在ということで……)

  • 88二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 07:37:04

    結構凄いところにいたんだな

  • 89二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 14:28:07

    原作で忍術研究部に打診されたのはこういう感じの仕事なんだろうね

  • 90二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 22:37:46

    嫌な事でもあったのかしら

  • 91佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/26(水) 04:08:10

    「一度、休息に移ることを推奨します。より多くの記憶を取り戻す手段を探しているようですが、パラメータが異常な相を示しているようです」
    うーん……もうちょっと頑張っちゃ駄目? 手応えっていうか、もう少しで突き破れそうな感じがして。
    「私が知る限り、神秘というものは無限のポテンシャルを持つ概念ではありません。あなたは危険性の高い行動に及んでいるかもしれない。例えるなら、自ら腕を切り落とすような」
    ……えっと。神秘って、特異性のことだっけ。
    「ああ、そうでしたね……もし、あなたの”神秘”が記憶の復元を阻害する性質の物であるならば、数十回数百回に渡ってあなたの思考を阻むことによって、少しずつ消耗している可能性がある、ということです。目的を遮る壁だとしても、安易に突き破ってはならないこともあります……目には見えませんが、この空間にも綻びが現れ始めています」
    わかった、教えてくれてありがとね。じゃあ……ちょっと休憩したほうがいいのかな。

    (キーちゃんはずっと呆れたような表情をしているけど、今は少し困っているようにも見えた。そうさせているのは僕かもしれない)

    「……休憩でしたら、我々が共通して記憶している場所に飛ばしていただけませんか。例えばミレニアムサイエンススクールの食堂など」
    やってみる。……ミレニアム、来たことあるの?
    「それも説明します。そろそろ私の目的についても説明しようかと思っているので」

  • 92二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 07:20:13

    いよいよか

  • 93二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 14:56:00

    そういや勝手にいたんだった

  • 94二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 22:21:29

    今度は何が出るかな

  • 95佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/27(木) 02:22:38

    「……? カレーライスの他にメニューが無いようですが」
    あー、僕がここでカレーライス以外まだ頼んだことないからじゃないかな。……食べたい?
    「先程、"交渉の類は食事中に行ったほうが成功率が高い"というデータを収集しました。あなたの記憶の中から」
    う゛っ……まあ、気難しそうな人に頼み事ある時とか、よくやってたかも。面と向かって言われるとアレだけど……
    「折角なので、同じ手口を。カレーライス2つ」

    (……思い返すと、そのカレーライスというのは、ユズちゃんの頼みで食べることになった非常に辛いものだった)
    (だけど、キーちゃんは一切怯むことなく食べ進めている)

    「説明の前に、質問を一つ。あなたが私についてどれ程知っているかを確かめます」
    は、はい。
    「王女……いえ、"天童アリス"に纏わる話の中で、"ケイ"という名を耳にしたことはありますか?」

  • 96二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 07:08:12

    アリスから聞いたっけ?

  • 97二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 17:16:26

    あのカレーか

  • 98二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 21:02:11

    色々分かるんだろうか

  • 99二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 07:27:46

    何聞かされるんだろ

  • 100二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 08:00:31

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 15:02:53

    カレー良いな

  • 102佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/28(金) 17:53:06

    「……ありませんか。では、前提の共有から行います。この領域にどのような影響が出るか計り知れませんが、なるべく平静を保ってください」
    そんなにすごい話なの……?
    「まず、"天童アリス"は一般的なキヴォトスの存在ではありません。容貌のパターンこそ似通っていますが……あなたのような、もしくは才羽モモイや早瀬ユウカや猫塚ヒビキのような”生徒”とは、全く別のルーツと別の原理に基づく存在……才羽モモイは、『人間そっくりのロボット』と称していましたね」

    (流れてくる言葉を咀嚼しきれず戸惑っている僕をよそに、キーちゃんが躊躇うことなく続けた)

    「天童アリスの本来の呼称は"王女"、そして私は"鍵"。二人揃って、とある使命を果たすべく、旧い時代にこの世界を支配していた勢力によって生み出されました」
    ……とある使命、って?
    「端的に表現するなら、この世界を滅ぼすことです。……そんな心臓が止まったような顔をする必要はありません。失敗に終わったことですから」

  • 103佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/28(金) 18:39:05

    「初め、王女と私はそれぞれ別の場所に居ました。それから幾つかの中継点を経て、私たちは1つの身体に"合流"し……その直後、私たちの来歴・正体を突き止め、その根本的な対処に当たろうとする者が現れ、王女の身体ごと私たちを連れ去りました。確か、名前はリオと言いましたか」
    ……その話なら聞いたことあるよ、リオさんがアリスちゃんのヘイローを壊そうとしたって。
    「私がついている以上、如何なる試みであろうと通用させるつもりは有りませんでしたが」

    (キーちゃんはここに来て初めて薄っすらと笑ったように見えた。アリスちゃんとそっくりだけど、その顔は今までに感じたことのない恐ろしさを纏っていた)

    「如何なる戦いも、余裕を持って制してこそ意味があります。調月リオの陣営と、反対するミレニアムサイエンススクールの陣営が衝突していることを察知した私は、事が済むまでの間は存在を隠しておき、潜伏することを選びました」
    どっちが勝っても、疲弊した戦力を相手取って最後に勝てるから?
    「はい。展開は概ねこちらの予測通りに進み、両陣営の主戦力が半壊に至った時、行動を起こしました。王女の意識には深層データベースでお休み頂き、単独でプロトコルを実行……そこで、大きなイレギュラーが全てを覆したのです」

  • 104佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/28(金) 19:03:17

    「ゲーム開発部の者たちが取った行動は非常に奇抜なものでした。王女と私のほかに誰も存在し得ない筈の心象空間に、あろうことか自分たちの存在を無理やり捻じ込み、殺傷的でない方法で事態の解決を図ったのです。……状況から推察するに、現在あなたが使用しているデバイスが、まさにその時王女に取り付けられたものなのでしょう」
    ……これ!? あ、そっか、接収したってエイミさんが……!
    「あなたも先程体験したように、これを用いて"直接呼び起こす"という方法には極めて高い有効性があります。結果、彼女らの努力によって眠っていた王女の意識が覚醒させられ……私は、王女の手によって直々に吹き飛ばされました。その存在ごと」
    ふ、吹き飛ばされた? じゃあ、今ここに居るキーちゃんはどういうことなの?
    「……あのエネルギーが衝突する直前、私はパニックに陥っていたのだと思われます。向けられた銃口を最後の記憶として、全ての知覚が白に染め上げられ……気が付いた時には王女の身体を離れて、一人でこの機械の中に。緊急避難の先として咄嗟に選んだのが、ここだったという事でしょう」
    ………………
    「説明が長くなりましたね。私の目的は、この領域での経験を通じて、精神世界で迎えるであろう王女との戦いを制す方法を探ること。そして、その手段を持って王女の下へ帰還すること。この二つです」
    薄々そうかなって思ってたけど、アリスちゃんとキーちゃんって、まだ敵同士だよね。
    「……状況を鑑みると、そういうことになります」
    アリスちゃんのこと傷付けるつもりなら、刺し違えてでもここで止めるけど。
    「ええ、その反応は予測済みですよ。……思惑を全て明かしたのは、先程から並行して進めていた解析によって、これらの目的を達成できる確率がゼロに等しいことを理解したからです。どうやら私は、二度とこの空間から出られなさそうだと」

  • 105佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/28(金) 21:42:11

    「あなたの前に現れるまで、私はこのデバイスの中に身を隠していました。参照性の低いサブメモリに潜み、メインシステムとの接続を遮断して自分自身を『破損したデータ』に偽装して……遥かに低レベルな思考能力のまま、次にデバイスが使用される時を待っていました。王女についての情報を集めるため」

    ……自分で言うのも変だけど、僕ってアリスちゃんのことあんまり知らないんじゃない?

    「はい。見ず知らずの他人が出てくるよりは幾分かマシというだけで、全く期待外れでした」

    ご、ごめん……

    「……私が再びこのデバイスに『潜伏』することは、殆ど不可能だと結論付けています。この機械にはそもそも、情報を保存する用途のメモリが実装されていない。王女の攻撃から逃れてサブメモリに身投げした時の私は、さながら自分で自分の首を切り落とし、頭部だけを箱に詰めて生きているような状態だったのでしょう。再び延命するには、もう一度その外科手術を成功させる必要がある」

    ………………


    dice1d100=62 (62) 目安は交渉ステータス(87)

    dice1d100=16 (16) 目安は精神力ステータス(80)

  • 106佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/29(土) 03:51:18

    なんとか、ならないかな。
    「"なんとか"とは?」
    ……電源を点けっぱなしにする、とか。その間はキーちゃんもここに居続けられるから、その間にヒマリさんに頼んで……
    「望み薄です。この領域が存在する根拠が、あなたの脳以外に存在しません。おそらく、あなたによるデバイスの使用が停止した瞬間、実行中のプロセスすべてが終了すると同時に私も消えるでしょう」
    僕が使ったままなら良いんだよね。僕がここにいる状態で、外から操作してもらって、他の機械に繋いで、移動できるようにすれば。
    「それなら可能かもしれません。その"外"にいる操作者へ、ここから事情を説明する方法があるのなら」

    (考えてみたけど、手段は思い浮かばなかった)
    (むしろ、ヒマリさんから『不審な兆候が見られたらすぐに離脱できるよう待機する』と言われていたのを思い出す。無理に変な動きをしようとしたら、何も説明できないまま終わりになるかもしれない)

  • 107佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/29(土) 04:02:09

    (こんな話をしていても、ヒマリさんの方から気付いて何かしてもらえる様子は無い)
    ("記憶領域"の中は、本当に静かだった。2人が沈黙すると、透明な闇が無限に続いていくように感じる)
    (先に言葉を発したのはキーちゃんの方だった)

    「……あなたには何の関係もないことなのに。何故、そのようなことを言うのですか?」
    ……こっちの台詞だよ。何の関係もない僕に、わざわざ状況の説明をしたのはなんでなのさ。さっき言ってた目的だって、叶わないって自分で思ってたのに。死ぬのは怖くないって感じで喋ってるのに。
    「それは……私は、ただ」
    僕、さっきからずっと暗い気分なの。後悔っていうのかな、何も思い出せてないのに、それに心残りがあるみたいな……
    「心残り?」
    ……もし違うなら、違うって言って。さっき、僕がアリスちゃんとキーちゃんのこと『敵同士』って言った時、なぜか一気に胸が重くなった。……たぶん、これってキーちゃんが思ってることだよね。
    「っ……何を言っているのですか!? 理解できません、論理もへったくれも……!」
    キーちゃんの考え方がちょっと僕に影響されてるのと同じで、僕の意識に触ってる状態でキーちゃんが考えたことは、僕にもちょっと伝わってくる。そうなんじゃないかなって思ったんだけど。
    「……そう発想することは自然かもしれませんが」
    後悔してるのって、アリスちゃんと敵同士になっちゃったこと?
    「………………」

  • 108二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 13:06:16

    そういう仕組みだったのか

  • 109二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 22:16:05

    複雑だなぁ

  • 110佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 02:58:11

    「……後悔という言葉は、当て嵌まりません。私には使命があり、それを目指した結果ですから」
    「ですが、心残りではあったのかもしれません」
    「ここでは正常な思考ができない。たった係数4つの計算にすら躓く始末です。いつしか、答えを導き出せる問いと、そうでない問いの区別すら行えなくなって、計算リソースを無駄に消費し続けていました」
    「"どうしてこうなってしまったのだろう"と」
    「私が、王女のことを傷付けようとしているのではないかと、疑っているんでしたね」
    「それは正しい疑いです。私には、実際に受けた痛みより、王女が私の存在を否定したことが、より強いダメージとして残っていました」
    「不満、憎しみ、反抗……僅かにそれらへと届かない、無名の澱み。その上に浮かぶ、今でも王女の救けになろうとしている自分の思考。自分でも、浅はかだと思っています」

  • 111佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 03:29:23

    「あなたの記憶から、王女の行動についてのデータを収集しました。私の目的と照らし合わせた時、そこに興味深い内容は一切含まれていません。戦略的価値は皆無に等しいでしょう」
    「しかし、久しく見ていなかったその姿を見たお陰で、思い至ったことがあります」
    「私は、否定されるよりも先に、否定していたのではないか」
    「私は何故、王女を……天童アリスを、否定したのか」
    「……簡単な理由です。判断を行うためには、その判断のために必要な情報を知っていなければなりません。私は天童アリスのことを何も知らなかった……故に、それを肯定することは出来なかった。ずっと随っていたにも関わらず」

  • 112佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 03:51:00

    「近頃、繰り返し反復している言葉があります。それを言った人物が誰なのか記憶していないほどですが、片隅にその言葉だけが残っています」
    「"自分がなりたい存在は、自分が決めていい"と。果たして正しい言葉か、今の私には判断できませんが、哲学的なテーマだと思いました」
    「これを基にして論理を組み立てると、驚くべき答えに遭遇します。天童アリスの"生きる目的"は、王女の使命……"生まれた理由"より、優先される。それが正しい言葉ならば、です」

  • 113佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 03:56:11

    「……それが、正しい言葉ならば」

    「すでに、使命……"生まれた理由"を失った私の、"生きる目的"とは、何なのか」

    「もしも、それが無いのならば。私は生きていないのでしょうか?」


    (ひどく息がし辛くて、頭にぐらぐらした感じが伝わってくる)

    (崖から突き落とされているみたいだった。恐怖の向こう側……)

    (すぐ近くまで迫って来た喪失を、ただ待っているだけ。そういう時の気持ち)


    「ここに来てから、その思考が始まると、いつまでも止まらなくなります」


    (間違いなく、目の前の存在が感じているのと同じものだった)


    dice1d100=98 (98) 目安は交渉ステータス(87)

    dice1d100=85 (85) 目安は慈悲ステータス(62)

  • 114二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 04:05:27

    ぎゃあああああ……両方失敗、だよね?

  • 115佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 04:31:38

    (ダイスを振る時に「目安は」という表現になっている時は、成功失敗というよりも単に上か下かで結果が変わる、というニュアンスです 上の方がいい感じになることもあるかも 的な)
    (にしてもですけどね今回!!!! 何やらかしたんだこの子 ちょっと作戦タイムを……)

  • 116二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 14:14:47

    どうなってしまうんだ

  • 117佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/06/30(日) 15:58:09

    …………ない。
    「? なんですか?」
    その……全然わかんない。ごめん。
    「……まあ、ですよね。申し訳ございません、取り留めのない話をしてしまって」
    いや、キーちゃんが謝ることじゃないよ!!!!

    (先生ならこういう時、ちゃんと言うべきことが言えるんだろうなって思ったけど、僕にはちょっと無理だった。自分の不甲斐なさを感じる)

    で……でもとりあえず、どうやったら消えずに済むかは考えなきゃ。生きる理由とかはその後でいいから!
    「……これを尋ねるのは2度目ですが、何の関係もないあなたが何故そのようなことを? 先程は答えをはぐらかされたように思います」
    えっ。アリスちゃんに関係あって、僕に関係ないことなんてなくない?
    「………………」
    な、何。えっ?
    「………………」ボゴッ
    いっっっっ……え、ええ!?? なんで叩くの!!?!?
    「たった今、判断材料が揃いました。私はこのまま消えてしまうかもしれませんが、貴方にも此処で消えてもらいます。これが王女の身の安全を守るための最適な行動です」
    ちょっっっっっちょっと待ってそんなに危ない人ではないと思うよ僕、アリスちゃんに直接危ないことしたこと無いしちゃんと周りの人の言うこと聞いてるしなるべく距離も詰めすぎないようにしてっっっあだだだだだだだっだだだ痛い痛い痛い痛いやめっ離してください!!!!!!!!!
    「黙りなさい。勝手に覗かせてもらいましたけど、ミレニアムサイエンススクールの連中はあなたに甘すぎると私は考えます。ストーカーだかなんだか知りませんが、本来ならばこんな手合いは牢獄に叩き込んで然るべきです」
    ひいいいいいいいいい!!!!!!!!!!

  • 118二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:31:57

    生きる理由が見つかったねw

  • 119二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 22:27:22

    ストーカーだったからまぁ、そうなんですが…

  • 120佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/01(月) 01:45:03

    (痛い。とにかく、痛い)
    (反撃するのも気が引けたんだけど、そんなことも考えていられないと感じ、無理やり腕を絡め取って床に放り投げる。落ちたスプーンが鋭く回転しながら跳ね回る……)
    (この数秒で4回くらい殴られた頭の右側をかばって、穴が開いてるんじゃないかと怯えながら、横長のテーブルを倒して遮蔽にする)

    「やはり、大した打撃が加えられません。あまりにも制約が多い……与えている痛みだけなら、こちらの想定よりも多いようですが」

    (……あんな大きな鉄の塊を持ち歩いているわけだし、アリスちゃんって力持ちなんだな、って思ったことは何回もある。それが効いているのかもしれない)
    (とにかく、話はまだ終わってないんだから、どうにかして倒さなきゃいけない。どうやって?)
    (……!)

    「シミュレーション停止。そこで動かないつもりなら、こちらから――」
    っ、ごめんねキーちゃん、かなり痛くするよ!!!!!

    (足下に転がっていたいつもの機関銃から、いつも通り毎秒9発レートの掃射を行う。ちょっとくらい効いてほしい……)

    「……なるほど、武器を思い浮かべましたか。こちらのペースに乗っていただけるかと思っていましたが、予想を超えていますね」
    ぜ、全然効いてない。噓でしょそんなの……
    「良いでしょう、それならばこちらにも考えがあります」
    ……あれ!? それってまさか……!!!
    「慣れてきたからでしょうか、私にも"思い浮かべる"ことが出来ました。ええ、これは王女が持っている兵装……名称は確か"光の剣"でしたっけ。これの破壊力は私が保証しますよ、撃たれたことのある私が」
    ……い、いいよ? 撃たれても避ければいいもん。それに、もしも当たって僕に異常があれば、キーちゃんだって消えることに――
    「光よ!!!!!!!!!!!!」
    うわーーーーーーー!!!!!!!! ……あれ?
    「と大きな声を出すだけで、大きく飛び退いて隙が出来ますね。発射」
    ……ぎゃあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

  • 121佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/01(月) 04:28:09

    (数十分後……)

    「途中から結果は見えていたかもしれませんが」
    ひ、ひい……へふっ……ごほ……
    「どうやらこの空間、痛みこそすれど傷を負うことは無いようですね。残念」
    え゛ほっ……! ざ、残念なんだ? 良かったなって思ってるよ僕は……心の底から……
    「はあ。あなたを抹消できないとなれば、いよいよ私に出来ることは何も無いのかもしれません」
    ……いや? 色々ありすぎたけど、記憶巡りはまだ途中だったでしょ。もうちょっと付き合ってくれると嬉しいなーって思うんだけど。
    「この場面で私に頼み事を?気でも狂いましたか?」
    そういえば、解散っていう選択肢ないんだったね。この世界って僕が想像してるところまでしか無いらしいし……
    「………………」
    僕そんなに冷たい目で見られるようなことしたっけ。……キーちゃんが消えずに済む画期的なアイデア思い付いたんだけどなー。気にならないのかなー。
    「言いたいことがあるならさっさと言いなさい」
    はい。

  • 122佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/01(月) 04:50:39

    ……つまり。僕がこの装置を頭から外す頃には、キーちゃんがこの装置と違う場所に移ってる必要があるってことだよね。
    「はい。そういうことになります」
    無いことも無いと思うんだよ。新しく繋ぐ必要もない、この装置と違う場所……
    「?」
    キーちゃん、がんばったら入ってこれない? 僕の頭の中。
    「……!!?!??!?」

    (キーちゃんは今までで一番驚いていた。多分呆れてるほうだと思うけど、初めて意表を突けたみたいで嬉しい)

    「なるほど。本当に気が狂ったんですね」
    そりゃ、無理だったら無理だけど。でも、試してみるまで分からなくない?
    「それは……そうですが」
    さっき、もう一回この装置の裏側に帰ること、"自分で自分の首を切り落とす"って言ってたじゃん。それよりは何とかなりそうじゃないかなって。僕の頭だったら、この装置よりは広いと思……いやーーーどうだろ頭そんなに良くないし負けてるかも……
    「急に自信を失わないでください! ……はあ」

    (……キーちゃんの目が赤く光った瞬間。頭の後ろに、締め付けられるような痺れを感じた)

    「わかりました、試してみましょう。あなたにもやることが残っているようですし、一先ずテストとして」

  • 123二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 07:18:40

    光明だ

  • 124二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 15:46:16

    やってみる価値はあるぜ

  • 125二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:21:53

    保守

  • 126佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/02(火) 00:49:41

    「………………」
    ど、どう? なんていうか、さっきから心臓バクバクいってるんだけど……
    「………………」
    ……キーちゃん?
    「……ああ、申し訳ありません、集中していました。意外にも順調と言いますか、もう少しで乗っ取れそうだったので」
    キーちゃん!!?!?
    「半分冗談です。順調なのは真実ですが」

    (アリスちゃんと同じ小さい手の中には、いつの間にかスケッチブックとペンが握られていて、既に何かの図が描かれていた)
    (……なんだか、この状況を僕以上に使いこなしているのを見ると、キーちゃんが世界を滅ぼせるような優秀さを持っているっていうのも、納得できてしまいそうだった)

    「私の目標は、脳神経・思考・自己同一性……なんでも構いませんが、『あなたの頭の中』に”私”を導入することです。この図では、目的地を”プール”に例えます」
    なんか、写真みたいな絵描くんだね。
    「これしか描けないんですよ。……それで、私とプールの間には、高い”フェンス”が立っています。これは、あなたの無意識が自己と他者を区別するために引いている境界線のようなもの」
    無意識が、境界線……頑張って無くせばいいの?
    「いえ。このフェンスが無くなれば、あなたは自分とそれ以外の区別が付かなくなって発狂します」
    ひええええっ……
    「その必要もありません。私が持つ実行能力を用いれば、一般的なコンピュータのセキュリティを突破するのと類似する方法で、このフェンスを乗り越えられることが判明しました。先程のことですが」
    ……キーちゃんって、機械なの? お化けなの? それとも人間?
    「……不明。それらに近い機能、それらに近い実態を持つが、人間たちが持つ分類に当てはまる存在ではない可能性が高い。私は自分自身をそのように評価しています」

  • 127佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/02(火) 01:58:00

    「……話を戻します。十分な時間を費やせば、このフェンスを乗り越えることは可能です。しかし、それを妨げる要因も存在していて……ここでは"監視員"と呼びましょうか」
    か、監視員? 頭の中に知らない人がいるの?
    「ただの比喩に決まってるじゃないですか。……これは恐らく、人間の精神が持つ免疫のようなものでしょう。肉体に入り込んだ異物を白血球や抗体が撃退するように、精神に入り込んだ異物は、監視員が撃退する、と言った作用でしょう。先程、実際に撃退されましたが、銃で撃たれるような感覚でした」
    それがある限りフェンスは登れないんだね。どうにか出来ないかな、追い出すとか、叩いて気絶させるとか……
    「概ねそのような方法を使うことになるかもしれません。あなたの精神に強い衝撃を加えることで、監視員の機能を一時的にマヒさせられる可能性があります」
    うーん……

    (”強い衝撃”って言葉から連想して、銃で自分の頭を撃ってみた。……かなり痛い)
    (それを見たキーちゃんが戸惑い顔になっただけだった。どうやら効果はないらしい)

    「本当にそんなことでどうにかなるとでも?」
    ……いや、ちゃんとした作戦もあるかも。さっき言った、記憶巡りなんだけど。
    「はあ。記憶ですか」
    多分、チャンスが1回きりの作戦になるんだよね。相談しておいていい?

  • 128二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 07:32:46

    頑張って

  • 129二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 17:31:42

    なにするんだろ

  • 130二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:41:19

    保守します

  • 131佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/03(水) 03:08:37

    (実際、思い浮かべる方法を使う以外に、記憶を取り戻す方法はわからない)
    (だからと言ってこれまで通り、"それ"を目の前に作り出すのは気が引けた。まだ思い出せないけど、それは僕にとって恐怖の対象らしくて、胸に大穴が開くような嫌な予感がする)
    (キーちゃんから提案されたのは、『間に1枚の扉を挟み、その向こうに存在を思い浮かべた後、開く』って方法だった。確かに、それなら少し気が楽かもしれない)
    ("非常用避難通路"と書かれた扉の前に立つ。現実のミレニアムにも存在するけど、僕はこの向こう側がどうなっているのか知らない)
    (この向こうに、百鬼夜行を思い浮かべる。ぼんやりとだけど、空気が湿っていた夜、草木も眠る丑三つ時……)
    (陰陽部として参加した、最後の任務の後)

    「この扉を開いて、記憶に触れると、あなたの精神は強く動揺する。その時が閾下侵入の好機であると同時に、外にいる操作者の判断でデバイスの稼働を打ち切られる可能性が高く……」
    うん、もしかしたらお別れになる。キーちゃんが上手く入れなくて消えるかもしれないし、僕が”上書き保存”されて居なくなるかもしれないし……あとは、僕の頭が爆発して2人とも死ぬかも。
    「……あなたは、臆病でありながら自らの安全を軽視するという、捻れた思考形態を有していますね。通常、常に自己保存を優先するのが生物というものだと思っていましたが」
    ……やらないで後悔するより、やってから反省する方がいいかなって。
    「そのエゴイズムの極致のような判断法ゆえに、王女のことを付け回したわけですか?」
    うぐっ。ご……ごめんって……

  • 132佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/03(水) 03:15:09

    ……あの、手を繋いでもいいですか。
    「ほう。恐いからですか?」
    それもそうだけど! ほら、入って来易くなるかなって。
    「あなたにしては良い提案ですね。乗りましょう」
    やったー。えへへ……

    (……そういえば、アリスちゃんと手繋いだことって無かった気がするな。ちょっとズルい手段で半分くらい叶えてしまった気がする……)

    「……準備はできています。先程の例えであれば、目指すべきプールが見えていて、フェンスに手を掛けている状態です」
    わかった! ……じゃあ、そろそろ――
    「プールの内側から、"何か"が私の方を見ています。あなたの隣から」
    ……そんなのさっきは居なかったよね?
    「ええ、何のつもりか一切わかりませんが、ここまで来た以上私がどうにかする他ありません。動かれる前に先手を打ちたいです、準備ができたなら早く」
    う、うん。きっとなんとかなる……!!!

    (一息呑んで、勢いよくドアノブを回す)
    (突き飛ばすように開きながら、目の焦点をその先に合わせようとする……)

  • 133佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/03(水) 03:15:38

    「……っ、!?」


    (刹那。病気のような色の煙が、僕らを丸呑みにするような勢いで溢れ出た)


    『――アハハッ! 全く……待ちくたびれましたよぉ、佐藤カガリ?』


    "浄玻璃の紫"

    dice1d100=78 (78) 目安は神秘ステータスの半分(42)

    dice1d100=97 (97) 精神力ステータス(80)以下で成功

  • 134二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 07:04:48

    うへぇなんか出た

  • 135二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 12:14:26

    なんかヤバそう

  • 136二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:36:23

    大丈夫か?

  • 137回想 ◆IEd0n050V224/07/04(木) 01:55:00

    ――フラッシュバック。耳の奥を直接ぶん殴るような轟音と、立っていられないほどの衝撃で、その場に倒れる。

    そこは陰陽部特別警護調査隊『鬼の手』が突き止めた、新興の犯罪組織が根城にしている古い邸宅だった。
    "黒札"の僕は、作戦本部との通信と偵察のために呼ばれただけで、武器を持って直接制圧に出向くのは"赤札"の人たちに任せればいい。緊張こそするけど、あくまでいつも通り、与えられた仕事をきちんとこなすだけで十分。……その筈だった。

    (辺りから火薬の炸裂する音がする)
    (最初の爆発で退路が崩れたみたいで、倒れ込んでくる火から逃げるために、奥へと進んだ)
    (間違いなく予想外の事態が起こっている。辛うじて通れる通路を探して、とにかく拠点まで帰らないと、って)
    (そう思っていたんだけど、足音が聴こえた。僕と同じように走っていて、慌てているみたいだった)

  • 138佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/04(木) 02:24:32

    『――おやおや、どうしたんですか、財布をひったくられたような顔をして。何か気に食わないことでも?』
    ……思い、出した。”箭吹シュロ”……!!
    『アハッ。あの時より、ほんの少しは利口になりましたか? 精々頑張ってください、手前様は元々出来が悪いんですから!』

    (首の奥が疼く。自分でもこれがどんな感情かわからない……)
    (ただ、何か強い危険を感じる。心臓を鷲掴みにされてるみたいだった)

    「……えて……か、聞こえていますかカガリ!! 気をしっかり持ちなさい!!!!」
    『ふむ、何やら邪魔が入っていますねぇ。ああ、せっかく興味深い思い出話が出来ると思ったのに』
    っ……、ふざけないで。そうだよ、答えないといけないことがあるでしょ。あの時の爆発――
    『は? ……そっちが知らないことを、手前が知るわけないでしょう。所詮これは記憶なのに』
    ……で、でも……
    『つまらない話は終いです。……さて、記憶というものは、目で見る"文字"よりも"絵"よりも、耳で感じる"音"や鼻で感じる"匂い"、こちらの方がよっぽど強くなると言いますねぇ?』
    ――あ、あ。ああ。
    『そろそろ思い出すでしょうか。……びちゃ、びちゃ、びちゃあ、と』

  • 139回想 ◆IEd0n050V224/07/04(木) 03:43:33

    『!!!!!!!』

    それで、足音の主はすぐに見つかった。僕よりもちょっと低い背丈の、伸ばしっぱなしの髪を後ろで縛っている"生徒"。僕と目が合った時、瞳孔がとても大きく開いた。
    所属を示すようなものは身に付けていない。もちろん顔に見覚えもない……つまり、今回の犯罪組織のメンバーか、(考えにくいけど)巻き込まれた一般人。状況を考えると、保護でも捕縛でもいいから、とにかく連れ帰らないといけないと思った。
    随分お風呂に入っていないのか、離れていても漂ってくるくらいの酷い匂いがした。右足に怪我をしているみたいで、庇いながら歩いていた。そして、少し空咳をしながら、抜けかけの大きい犬歯を舌で弄んでいた。……第一印象だけど、その時、率直に言って気が触れてると思った。

    (動かないでください、と叫んで銃を構える。相手は驚いたように、少し躓きながら逃げだした。見るからに火が燃えている方に向かって)
    (走るのに右足が殆ど使えてないみたいだから、左足を撃てば止まる筈。アバウトに照準を合わせて連射。2~3発命中して、相手がうつ伏せに転ぶのが見える)
    (すぐに駆け寄って、上から覆い被さった。左手を使って左腕を捕まえて、同じように右手を使って……)

    からん。ころころころころ。

    ……これは?

  • 140回想 ◆IEd0n050V224/07/04(木) 04:15:44

    (抑えようとした右手から落ちたのは、筒状の容器だった。中に粒のようなものが入っていたみたいで、いくつか床に転がっている……)
    (何かの証拠になる気がしたから、きちんと蓋を閉めて拾っておいた。制服の適当なポケットに押し込む)
    (取り押さえた不審者は、半分は僕のせいなんだけど動ける状態じゃなくなってたから、背負って脱出することにした。思っていたよりは大人しかった。そうこうしている間にも火の手は回っている)

    ……かなりツイていたんだろうって思ってる。出鱈目に選んだ順路がたまたま無事であることが多くて。熱気が薄い方に向かって歩いていくとしっかり前に進めて、とにかく順調だった。
    背中の上で不審者がもぞもぞと身をよじっていた。ひどくやせ細っているけど、骨格は普通の女の子だと思った。そうだ、励まそうとしたんだ。でも、どういう境遇の人なのか全く想像できなくて、言葉が口から出てこなかった。

    『くる、しい』

    彼女のうわごとの中の唯一聴き取れた内容。煙を吸ってしまったのかな、とか想像してた。それが。それが――

    『けほっ゛』

    びちゃ、びちゃ、びちゃあ。

  • 141佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/04(木) 04:32:58

    『もしあの時、自分の手で助けて差し上げようなんて思っていなかったら』
    『もしあの時、銃を向けなかったら。もしあの時、撃っていなかったら』
    『慌てた彼女が筒の中の薬を飲み過ぎることも、なかったかもしれませんねぇ?』

    (耳の横から血の塊が吐き落とされる音。ぐったりして急に重くなる身体。どっと冷たい汗が溢れて一気にきつくなる匂い。全身に伝わってくる痙攣。真っ赤なシミの中に落ちる、抜けた1本の歯)
    (全部がいっぺんに蘇って、磔にされる)

    『アハハッ。勿論、それだけではありませんでしたよぉ!』
    『手前、しかとこの目で見ておりました! まだ息を吹き返せるかもしれない彼女を、ごうごうと燃える火の中に置いて往った手前様の姿!』
    『勿論、火事場から這い出る時に人一人背負っていくなんて、とおっても難しいことです。ですから仕方の無いことです。所詮、これといった力も知恵も持ち合わせない盆暗、あっさり諦めて、我が身可愛さに人を見捨てていくことも!』
    『ええ、仕方の無いことでした!その罪が決して消えずとも、死者が何をどれだけ怨もうとも、今こうして生きているのですから!』
    『……それ以上に大切なことなんてない。どれだけ否定しても。手前様はそう思っているんですよ。その証拠に、のうのうと全てを忘れて、随分と楽しい生活に明け暮れていたじゃないですか』

  • 142佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/04(木) 04:36:04

    「カガリ。大丈夫?」

    ――取り外された世界の裏から、エイミさんが尋ねる。
    何も言葉は出ない。訳もわからず、僕はねじれるように笑った。

  • 143二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 13:14:22

    わ、わぁ……

  • 144二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:23:51

    これケイちゃん無事?

  • 145二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 06:42:19

    まずいかこれ

  • 146二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 15:13:51

    不安しかないぞ

  • 147二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 21:39:06

    ショックを与えろとは言ったけどさぁ!!

  • 148佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/06(土) 04:58:46

    「事前にお伝えした通り、不審な兆候が見られたため離脱処置を取りました……ひとまず休憩が必要みたいですね。エイミ、寝台の準備を」
    「わかった。……大丈夫だった?諸々の都合で、エミュレートが終わった後じゃないと映像が確認できなくて……」
    う、うん、たぶん大丈夫。ちょっとまだ、ふらふらするけど……
    「水、取ってくる。体勢を楽にしてて」

    ……普通、夢で体験したことって、分刻みでどんどん忘れていくものだと思う。でも、僕がさっき思い出した”あれ”はいつまで経っても頭の中に居座り続けて、夢なんかじゃないことを主張してきていた。
    吐きそう……というか、さっき少し吐いてたのかも。喉の奥だけに嫌な酸っぱさがある。駄目だ、今は考え事とかできない……

    「――失礼します、ざっと確認させて頂きました。あれから少し経過しましたが、ご気分はいかがですか?」
    あ、ヒマリさん。……良くはないけど、ぼーっとするのも難しいっていうか……
    「なら、少しだけお話ししましょうか。気がかりなことがあれば、なんでもお尋ねください」

  • 149佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/06(土) 05:00:51

    ……さっきから、頭の中に落とし穴があるみたいだ。
    ほんの1秒前まで普通にしていたはずが、操り人形の糸が切れたみたいに、頭の中身が空っぽになっている自分がいる。数分置きにそれに気付いて少しぞっとする。
    いや。思い返すと、ミレニアムに来る前の僕って、たまにそういう感じだったかもしれない。

    (トラウマの再発火により、精神力ステータスが80→60に減少します 何らかの要因が重なることで徐々に回復していきます)

  • 150佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/06(土) 05:03:41

    「まず初めに、ダイブ中に見たものの記憶はハッキリしていますか? 前後の辻褄が全く合わない部分があれば、記憶に抜けが起こっているかもしれません」

    ……たぶん。無いと思います!

    「はい。それでは……そうですね、前置きもそこそこにしておきましょうか。明らかに不自然な点があったので、該当部分についてヒアリングを行います。もちろん、話したくないなら無理をしなくても大丈夫ですよ」


    ヒマリさんに特有の温和な雰囲気が、ぴしっと少し引き締まった気がした。僕はというと黙ってほほ笑んでいることしかできない。な、なんだろ……心当たりありすぎて……


    「始めはただの独り言かと思っていたのですが。映像の中のカガリさんの様子を見ると、隣に誰も居ないにも関わらず、絶え間なく誰かと会話しているような仕草をしているんです。映像を書き出した時点で音声が消失していて、その内容を聞き取ることはできず……」

    あ、あーーー。

    「中頃にミレニアムで食事を摂る場面もあったようですが、そこでは食器が2人分用意されていましたね。なので、私の勘違いでは無い筈だと思っていて……機器が検出し損ねただけで、記憶の中にちょっとした会話役を立てていたりしませんでしたか?」

    えーっとですね。それは……なんて言えばいいかな。うーん。


    dice1d4=4 (4)

    1.がんばって誤魔化してみる

    2.適当に話を合わせてみる

    3.ちょっと話すけどちょっと隠す

    4.完全に開き直って全部を打ち明ける

  • 151二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 05:31:43

    脳にAI焼き付けましたとか聞いたらたまげるぞ
    成功したのか不安だし、成功してたらヘイロー二つになるのかな?

  • 152二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 13:06:21

    まぁ隠しちゃうよりはね

  • 153二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:11:10

    怒られるかな

  • 154佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/07(日) 01:45:31

    ……あーーーー。『会話役を立てていた』って言うと、指人形と喋ってるみたいになっちゃうんだけど……ダイブしてる途中、本当に僕以外の人が居て、僕と別々に会話してたんです。今こうやってヒマリさんと話してるのと同じような感じで……説明むずかしい。

    「……ほう? それは非常に興味深いですね。それはどのような存在でしたか? まだ前半部しか解析できていませんが、概ね親しいと言ってよいトーンで話しているように見えました」

    アリスちゃんとすごく似た見た目の、"Key"って名前の女の子だった……と、っ思います。僕からはキーちゃんって呼んでました。

    「………………」

    そ、それで。キーちゃんとは、色々あったんですけど、あの――

    「……<Key>? それは、つまり……待ってください、カガリさんの言っていることが確かなら、私は」

    だっっっ、大丈夫です!!!! えっと、事情はある程度聞いたんですけど、きっとそんなにまずいことじゃなくて……

    「ただいま、戻ったよ。……あれ、部長の方が顔色悪くなってない?」

    「丁度良いところに来ましたねエイミ、水を少し分けてください。少し落ち着く必要があります。それと、念のため戦闘準備をしておいていただけると」

    「……わかった。ここから移動する予定は?」

    「どちらにしても聞き取りと解析の後です。……申し訳ございませんカガリさん、私どもの出す結論によっては、これからの行動が少し不自由になるかもしれません」


    あ、あわわわわわわわわ…………

  • 155佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/07(日) 02:13:59

    出来る限り間違わないように、曖昧になりそうな部分は何回も言い直しながら、キーちゃんについて僕が聞いたことをそっくりそのまま伝えた。

    元々、アリスちゃんと一緒に世界を滅ぼすために作られたこと。最初の一手としてミレニアムと戦おうとしたけど、アリスちゃんに吹き飛ばされて失敗したこと。その弾みでダイブ装置に入り込んでしまったこと。あの中に閉じ込められながら、アリスちゃんについて、同時に自分自身について考えて、心残りを感じていたこと。

    ヒマリさんが知っている経緯との間に矛盾は無かったみたいで、キーちゃんの発言に嘘は無く、そしてその行動に悪意が介在していなさそうだという部分まで、ひとまず受け入れてもらえた。……それはそれとして、ヒマリさんは今回の件でナイーブになっているみたいだった。


    「どうして気付けなかったのでしょうか……証言が確かなら、<Key>はこの内部のメモリに潜んでいて、事前の分析なんて幾らでも出来たはず。きちんとハードウェア面まで点検していれば未然に防げたかもしれません」

    「……あの事件の時。本格的に活動する直前の段階で封殺できた分、敵側の能力については詳しいデータが取れないままだったよね。確かに危ないところだったけど、仕方ない部分もあるはず」

    「それも正しい意見かもしれませんが……カガリさんに何かあった時、とてもそんなことは言えませんよ。ううむ、一度でも超常存在に触れた装置は原則として廃棄する方針を固めるべきでしょうか」

    ……ご、ごめんなさい。なんか、大変なことにしてしまったというか。

    「いいえ、謝らなければならないのはこちらの方です。もっと酷いことになっても決しておかしくはなかった」

    いや……それはそれとして、っていうか……

  • 156佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/07(日) 02:45:22

    「とりあえず、次の動きを決めないと。ダイブ装置は……ひとまず遮断膜でも巻いておく?」

    「はい、それでお願いします。……そうですね、幸いにして目立ったことは起きずに済んだのですよね。お話を聞いている限り<Key>は、装置の使用停止と同時に今度こそ無力化された可能性が高いですし」

    ……そっ……そのことなんですけど。まだ話せてない部分があって……ありまして。

    「ああ、そもそもヒアリングの途中でしたね。私としたことが」

    キーちゃん、流石にこのまま消えちゃうのはあんまりだなって思ったんです。それで、どうすれば消えずに済むかなって考えて……アリスちゃんの頭の中に居たことがあるなら、僕の頭の中にも入れるんじゃないかな、って……

    「………………」


    ……まずいかもしれない。ヒマリさんの顔が完全に固まった。


    「ふ、ふふ、ふふふふふふふ。この超天才清楚系病弱美少女ハッカーの頭脳と知識を以てして、まだこんなにも驚かされるなんて。全く、面白いことばかりですね」

    「部長がその反応ってことは、本当に"そうなった"かもしれないってこと?」

    「可能性はゼロではありません。些か突飛といいますか、雲の上に城を築くような発想ですが」

    ……あの、怒ってますか……?

    「ええとですね、もう自分でもわかりません」

    そ、そうなんですね……


    (ヒマリ→カガリの好感度が上昇します)

    49+ dice1d30=17 (17)

  • 157佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/07(日) 05:34:16

    (ダイブを経験する以前と比べて、カガリの身に実際にどんな影響があったのか決定します)


    『鍵』について思考した時……

    dice1d4=4 (4)

    1.一瞬だけ瞳孔が開いて目の前がギラギラして見える

    2.破裂音・爆発音のような耳鳴りがする

    3.指先の感覚だけが普段の数倍くらい鋭敏になる

    4.目の前の状況に関係ないことを急に思い出す


    また、それ以外にも……

    dice1d4=4 (4) 

    1.時々、自分では考え付かないようなことが頭に浮かんでくる(『知性』ステータスでのダイスが2回振られる)

    2.時々、自分がしたことに対する客観的な目が宿る(連続して同じステータスダイスを振った時成功範囲に+30、上限90)

    3.時々、自分の身体がいつもより瞬発的に動く(『戦闘』『運動』ステータスにそれぞれ+20)

    4.時々、自分は知らない品物の扱い方を閃く(よくわからないものでも『技術』ステータスで扱えるようになる)


    (これらの恩恵を得るためにはダイスで神秘ステータスの半分以下の目を出さなければいけない場合もある)

  • 158二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 15:03:15

    また大変そうな

  • 159二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 22:31:18

    これはどうなんだ?

  • 160二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 07:12:47

    保守

  • 161二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 15:34:59

    回りに影響がでなさそうなだけマシ…?

  • 162二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 23:08:59

    保守

  • 163佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/09(火) 03:09:56

    「はい。お疲れ様です。これにて現時点で必要なデータは採り終えました。こちらはC&Cの皆さん宛ての報告書となります」


    そう言ったヒマリさんは、どことなく得意げな顔をしていた。……見た感じいつも通り? やっぱり怒ってないんじゃ?


    「内容を簡単に申し上げると、カガリさんが不審な行動を取る可能性についてお伝えすると同時に、生じたトラブルについての説明責任は特異現象捜査部が果たすため、鎮圧の際は遠慮なさらないでください、というものです」

    ……えっ、それって僕がボコボコにされるってことですか!!?

    「その可能性もある。アリスの一件で、<Key>には肉体の制御権を奪う能力があるって明らかになったから……その話は聞いてなかった?」


    **********************


    『――展開は概ねこちらの予測通りに進み、両陣営の主戦力が半壊に至った時、行動を起こしました。王女の意識には深層データベースでお休み頂き、単独でプロトコルを実行……』


    ***********


    ……言ってたかも。

    「安心して、C&Cは対人戦闘に関して超一流って言われてる。鎮圧の弾みでヘイローを壊されるようなことは無い……はず」

    「ふふっ、なんだか最近流行りの呪いバトル漫画の主人公みたいですね。なんでしたっけあれ、読んだことありませんか?」

    わ、わかんないです……

    「部長、それなりに縁起でもない例えだと思うよ」

  • 164佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/09(火) 04:03:24

    ……部屋を出てすぐ、何か今までに無い暑さを感じた。
    と思ってすぐ、自分が制服を着ているせいだって気付く。そっか、色々あったけど、元々これを受け取りに来たんだっけ。今まで本当に色々あったけど、ようやくスタート地点に収まったような……これでやっと、ミレニアムの風景の一部としていちばん自然な姿なんだと思うと、ちょっと自信が湧いてくるかもしれない。まだまだ考えなきゃいけないことばっかりだけど。
    それはそれとして、記憶の中で経験したことがまだ頭から離れない。……たぶん、全部をひっくるめた時、『上手く行った』とは言いにくい気がする。僕の頭の中に、他の誰かが居るみたいな感覚は、今のところ全く無いし。
    勿論、あんな無茶をしたのに僕がまだ生きてるってだけで、かなりラッキーだったんだとも同時に思った。

    『あなたは、臆病でありながら自らの安全を軽視するという、捻れた思考形態を有していますね』

    部屋を出る直前、僕を見ながら少し溜め息をついたエイミさんを見て、キーちゃんから言われたその言葉を思い出した。自分でも自分が何故こんなことをしたのかハッキリわからないんだし、横から見る人にとってはなおさら意味不明だろう。
    でも、理由を後付けするだけなら、今からだって出来る。

  • 165佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/09(火) 04:05:26

    アリスちゃんがまだ心配なこと。生きる目的が見つからなくて、自分が生きていないみたいに感じたこと。
    彼女から聞いた色んな話に、その時すぐに何か返すことはできなかった。そして、今になってあれこれ考えたところで、そもそも僕の頭の中には僕以外誰もいないかも。だとしたら、これは本人には一切届いていない……けど、それでも考える。
    キーちゃんは確かに、アリスちゃんと敵同士になったかもしれない。アリスちゃんに対して複雑な想いがあって、そのせいで謝りたいのか怒りたいのか、向けるべき気持ちがわからなくなってる。"王女"は生きる理由を見つけたようだけど、"鍵"の自分にはそれがわからない。あの時、傍に居た僕にまで伝わってくるくらい、キーちゃんの中身は不安だらけだった。

    そこから少し距離が開いた今、率直にこう思う。……別に、理由が無くても自信が無くても、とりあえず会ってみればよくない? だってアリスちゃんすっごい良い子だし。
    だから、僕の頭の中にキーちゃんは居るし、いつかアリスちゃんとだって会えるようになる、って思うことにする。思ったことが本人に伝わってるかもしれないなら、きっとそうした方がいい。

  • 166幕間 ◆IEd0n050V224/07/09(火) 04:17:39

    ─────────────────────────


    「部長」

    「なんでしょうか」

    「"ケイ"のこと。本船での一件で、アリスが経験したこと。カガリに言わなくてよかったの?」

    「伝えられれば良かったんですけどね。危険だと判断しました、お話を聞いている限り<Key>はかなりナイーブな状態にあったそうなので」

    「つまり」

    「自分が偶発的に生まれたコピー品であること。その上で、本来自分が求めていた位置にオリジナルが属していたこと。そして自分には得られなかったものをオリジナルが得ていたこと。実体を持たない存在にとっては、どれもアイデンティティの危機に繋がりかねません」

    「……なるほど」

    「本人に伝わっているかもしれないなら、余計な言及は避けなければ……本来なら、カガリさんとアリスの接触も禁じるべきでしょうが」

    「大丈夫。何かあったら私が止める」

    「頼りにしていますよ、エイミ。……ええ、その為に皆が努力できるのなら、日常は守られなくてはなりません。あの女にきつく言ってしまっている以上、私は同じ過ちを犯せる立場にないのです」


    ─────────────────────────

  • 167二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 12:13:07

    ひとまず前向きに終わって良かった、かな?

  • 168二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:05:00

    保守

  • 169佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/10(水) 03:37:28

    ……待って、僕そういえばユウカさんにペイントの清掃しなさいって言われてなかった!?

    のんきに食堂まで来て、さっきカレー食べちゃったからカレー以外で……ミートソースパスタにしてみよう!とかやってる場合じゃなかったかも。慌てて壁掛け時計を確認する。午前10時。

    あれ、思ってたより時間経ってない。じゃあ落ち着いてパスタ食べよ。そういえばアリスちゃんも『ヒマリ先輩からアイテムを受け取り、装備を整えて回復を済ませた状態で、しっかりセーブしてからC&Cに向かう』って勧めてくれていました。おいしい。


    **********************


    ど、どうしよう。ぼーっと食べてる間に、正面の席に誰か座ってきた。

    僕が気にしすぎなんじゃないか? と最初は思ったけど、真ん前からこんなに長い時間凝視され続けていると、流石に何かおかしいのはわかる。凝視っていうか。観察? 僕なんか観察してても楽しくないって……コタマさんじゃないんだから……

    まあ、僕がアリスちゃんにしてきたことも似たようなものだし、巡り巡って戻って来たってことなのかもしれない。……そうでなくとも今回の場合、知らんぷりして帰るってことはしにくい。なぜなら恐らくこの人は、僕が今日向かわなければならない『メイド部』の人だからだ。だってメイド服着てるんだもん!!!!!!!


    (メイド服が目立つけど、その他にも特徴はしっかりある。例えば……)

    dice1d2=2 (2)

    1.黒髪に金色の目、身の丈ほどもある狙撃銃

    2.金髪に青色の目、少し大筒の自動小銃

  • 170二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 07:15:48

    ミートソースパスタおいしいよね

  • 171二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 14:10:22

    トキかな?

  • 172二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:19:40

    保守

  • 173佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/11(木) 04:40:22

    えーと。何用でしょうか?というか視線の向きって僕であってますか?
    「……話しかけられてしまいました。これは想定外です」
    話しかけただけなのに!?!?? ……あの、2年の佐藤カガリって言います。あなたは?
    「飛鳥馬トキ、1年生です。今はC&Cとしての任務の最中です」
    やっぱりメイド部の人なんだ。任務ってその、こうやって間近で僕を見ること?
    「今回の任務内容は"偵察"なので、監視さえできればその手段は問われません。物陰からこっそり覗き見される方法がお好きでしたら、そのように致します」
    …………う、うーん。それは、つまり、こうやってすごく近くに居るのは、何か考えがあって、ってこと?
    「はい。リーダーからの説明で、『ちょっと臆病っぽいんだけどよ、ビビらせると大変かもしれねえから、なるべく穏やかにやってくれ』と言われまして。でしたら、あえて正面から相対した上で、聞かれたことには全て答えるようにすれば、最も安心して頂けるかと」

    ……言ってることはわかったけど、わかったけど、なんだろう、なんだろうこの感じ……!!!!!!

    「……もしかして今、ビビっていますか?」
    違うと思う。……いや、そうだね。その、トキちゃん? はさ、見ず知らずのエージェントが突然目の前に座って、一言も喋らないでガン見してきても、怖がったり困ったりしないの?
    「勿論です。私は優秀なエージェントなので、その程度のアクシデントに精神を乱されることはありません」
    アクシデントって言っちゃったじゃん……

  • 174二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 14:17:47

    愉快な

  • 175二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 20:26:58

    そういやメイド部って呼ばれたりしてるんだっけ

  • 176佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/12(金) 04:34:45

    「して、食事の後は暇ですか? 都合が合うならば、C&Cにご案内させて頂きたく」
    あ、ありがとう。元々そのつもりだったから……本当ならもうちょっと色々準備していったほうが良いかもしれないけど。
    「確かに来客の少ない集まりではありますが、心配は要りません。C&Cのエージェントはあらゆる事態に対応できるので」
    いや……アリスちゃんから聞いただけなんだけどさ。リーダーの……ネルさん? が、『チーターに正面から勝った』って教えられて。そんな人の前に行ったら滅多打ちにされるんじゃないかって……
    「………………」フイッ
    トキちゃん?なんで顔逸らすの?トキちゃん!?
    「失礼しました。とにかく安心してください、いざという時には私が迎え撃つので」
    いざという時はあり得るの!?ちょっと!!?

    **********************

    「ということで、極めて何事もなく無事に連れてきました。褒めてくださっても構いませんよ」
    「はいはいお疲れさん。……悪ィな突然、とりあえずメンバー全員揃ってから始めるから、寛いでてくれ」
    こ、こんにちはー……その、今日はどういう――
    「おっ、昨日とかに比べて顔色良さそうじゃねえか。これなら割と身体動かしてもらっても大丈夫かもな」ずいっ
    あ、あはは……

    ……ネルさんの距離が近い!!!! っていうかふらっと来ちゃったC&C。どうしよう……どうするもこうするもないんだけど!

    「……ネル先輩、ターゲットをビビらせているようですが」
    「ん? あー、アリスからちょびっとだけ話聞いててよ。前々から興味あったんだけど、前はあんまり喋る機会なかったから……ちょっと急だったかもな」
    そ、そうなんですね! どおりで、その……
    「ってか聞いたぞ、モノレールステーション前のキャンバス。アレ描いたのお前らしいな? やるじゃねえか、転入してきて直ぐにあんなことするやつ中々居ねえぞ」
    ぴゃ……

    あっ、あっちのテーブルにアカネさんがいる! アカネさーん!!僕です!!リーダーさんに詰められてます今!!!
    ……気付いてくれたけど、こっちを一瞥してにこりと微笑まれただけだった。アカネさんいつも助けてくれない……いや、アカネさんが助けてくれない時ってつまり、大丈夫ってことなんだろうけど……

  • 177佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/12(金) 05:08:40

    「ところで、カガリ。ここへ来る途中、C&Cに渡すものがあるというようなことを言っていましたが」
    う゛っ。そ、それはまあ、あるんだけど……なんか、渡して良いのかなっていうのが……
    「ふうん? 良し悪しは知らねえけど、とりあえず見せてもらえないか?」
    で、ですよね。えーと……こういうものです……
    「なんだこりゃ。……特異現象捜査部、報告書?」
    「私は後ろから覗かせていただきますね」
    「いや別に、焦らなくても後で……? あー……アカネ、ちょっとこっち来てくれ。多分だけどなるべく早く読んだ方がいい」
    「はい、なんでしょうか?」

    ……僕が怖がってたのが変なくらい、さっきまでのネルさんってかなり和やかな雰囲気だったんだな、ということを思い知った。どんどん物々しい空気になっていく、そうだよね……書いてある内容が……

    「……リーダー。どうしましょうか」
    「どうしますか?」
    「つってもよ、こりゃ5人全員で決めるしかないだろ。カリンは面識無いわけだし猶更」
    「では、保留ということですね?」
    「ま、良い保留と悪い保留があるだろうよ。あたしは良い保留にしたいって思う」
    「なるほど。ということは……」
    ……えっ。待ってください、待って、もしかして乱暴しないですよね?
    「乱暴……ですか。むしろその逆です。安全のために大人しくしていただきます」
    「はい。なるべく暴れないでくださいね♡」
    全然逆じゃないじゃん!!!!!!うわーーーーーー!!!!!!!!

    ――瞬く間にぐるぐる巻きにされた。所要時間、たったの6秒。これが……C&C……

  • 178二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:33:32

    あの絵やっぱり話題になってるんだ
    それどころじゃなくなったけど

  • 179二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 14:34:50

    ところでカガリの頭に居るケイはケイ2なのかケイ*コピーなのか

  • 180二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 22:54:30

    あっという間の出来事だ

  • 181佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/13(土) 04:24:47

    「――コールサインゼロツー、只今帰投した。間に合ったか?」
    「アスナちゃんもいるよー! ……っとと、床にカガリ転がってる。どうしたの?」
    こ、こんにちは。お邪魔してます。
    「ふむふむ。身長もほぼ同じようですし、概ねカリンと似たような体型ですね。比較してウエストだけ少しふっくらしているので、その調整をしておきましょうか」
    「……なるほど、採寸をしているのか。びっくりした、ついにC&Cも拷問に手を出したのかと」
    ウエストだけ少しふっくらって言われるのも拷問だよ……人によっては……
    「あれ、そういうの気にするタイプだったか?」
    「心配は不要です。私の推測ですが、恐らく先生は少し肉付きの良い女性もカバー範囲に入っているので」
    にくづっ……い、いや、女の人の肉付きとか気にしてたらヘンタイみたいじゃん!先生みたいな人がそんな性癖みたいなの持ってないでしょ!?

    「「「「「………………」」」」」

    ……え、何。もしかして変なこと言っちゃいました?
    「いや、なんでもねえ。毒されてるのはあたしらの方だと思う」
    「はい。構築する関係は人それぞれですよ」
    「私からはコメントを差し控えます♡」
    「……いつかわかる日が来るかもしれない、とだけ」
    ??????????
    「あははっ!みんな困ってるみたい、やるねー!」
    僕がすごいわけではないような……

  • 182佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/13(土) 05:10:35

    「そうだ、自己紹介を。私はC&C所属の2年、角楯カリン。"佐藤カガリ"については転入試験の騒ぎの時に少しだけ聞いてる……ミレニアムに不法侵入していたとか」

    ぐっ……その節は大変ご迷惑をお掛けしてしまい……

    「あ、そうだ。転入って結局できたの? 昨日聞き忘れちゃった」

    「聞いた話だけど、昨日の時点で済んでるらしい。頑張ったな」

    んぇ、っ、ありがとうございます……へへ。

    「同学年だって聞いてる。でも、ミレニアムの生徒としては先輩だから、困ったことがあったら尋ねてほしい……私は勉強も苦手だし、あまり学生らしい姿は見せられないかもしれないけど」

    え、あっ……だ、大丈夫!!! 僕だってただのストーカーだから!!!!

    「す、ストーカー?」

    なんでもないです。


    (カガリから対象への好感度が上昇します)

    ネル 18+dice1d20=20 (20) +10 思ったより優しい人かも!

    アカネ 6+dice1d10=9 (9) +10 まだ掴み切れないけどどういう人なのかはわかってきた


    (カガリとカリンの好感度を決定します どちらも最低保証35)

    カガリ→カリン dice1d100=14 (14) 

    カリン→カガリ dice1d100=72 (72) 

  • 183二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 14:58:41

    保守

  • 184二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 22:34:42

    ネルとアカネの好感度めっちゃ上がったな

  • 185佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/14(日) 03:42:53

    「――お疲れ様でした。データは揃いましたのでさっそく作業に取り掛かります。カガリさんは一度お風呂を浴びて来てください、その間にお召し物も洗濯しておきます。きちんと湯舟に浸かって100数えるんですよ?」

    あ、ありがとうご……お風呂!?

    「その間に、あたしの方から報告書のことをアスナとカリンに話しておく。まあ、心配すんな」


    なんだか、アカネさんはお母さんみたいだし、ネルさんはお父さんみたいですね。と言おうとしたんだけど、何か嫌な予感がしたので、大人しく浴室に来た。なんでお風呂? という疑問は一旦置いておく。たぶん、罠にかけられるわけでもないだろうし。

    扉を開いて、中に身を乗り出す。思ったより広い……頑張れば3人くらいで入れそう、っていうか、隅から隅まで新築みたいに綺麗。使うのが申し訳ないくらいだった。どどどどどどうしよう。ひとまず身体を洗ってから……ええと、これはシャンプー、こっちがボディソープ。じゃあちょっと拝借して――


    「……使う量、少なすぎませんか?」

    ぎにゃああああああああ!!!??!??!?? え、あ、トキちゃん!? なんっ……足音っていうか、扉開く音っていうか、なんで!?!!?

    「落ち着いてください、入ってくる前から私はあそこの隅に立っていました。暇なので気配を消していましたが」

    ……なんで?

    「監視です。何か異変があった際、すぐ対処できる人員がいなければなりませんので」

    ……そ、そっか。メイド服着たままでいるから、なんなのかと。それならあんまり飛沫飛ばさないように気を付けるね。

    「お気遣いは無用です。全て避けられます」

    そっか……


    (カガリとトキの好感度を決定します)

    カガリ→トキ dice1d100=9 (9) (最低保証35)

    トキ→カガリ dice1d100=10 (10) (シャーレ預かりの経歴が味方して最低保証40)

  • 186佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/14(日) 04:01:54

    (カガリ→←トキ、完全に別の生き物って感じで面白いですね カガリはトキのこと今まで会った中だと浦和ハナコと並んで1位くらい掴めない相手だと思ってるし
    トキの方は 経歴と境遇を踏まえて自分なりに不審に思ってるとか、あるいは自分からみんなにアプローチしても構ってもらえない時がある一方でカガリはじっとしてても周りに注目されてるのでモヤモヤしてるとか、いろいろ考えられますね トキのことだしいろいろ言葉にできない気持ちもありそう)

    (そしてカリンさん カガリの方からあんまり高くないのは、数秒のやり取りでめっちゃ良い人だってわかった分だけ負い目に感じてる部分があるかもしれない 今までの好感度ダイスの傾向見た感じ、他人からの好意とか優しさとかをそのまま受け止めるのが下手っぴで、その時々で変な方向に行ってる印象がある
    対するカリンさんは単純に興味関心を向けているっぽいかも なんだかんだ原作からして人間友好度が高く素直なんじゃないかっていうイメージがあります あくまでスレ主の解釈です)

  • 187佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/14(日) 05:01:32

    「――予洗いはそろそろ十分でしょう。シャンプーに移ります。カガリ先輩くらいの長さなら2回に分けて、2プッシュ分で大まかな汚れを落としてから1プッシュ分で仕上げ、と言った流れです。皮脂を落とし過ぎても髪に悪いと言いますが、先程の1円玉のような量は明らかに足りていません」
    そ、そうなんだ。あんまりこういうの、どれくらい使っていいのかわかんなくて……
    「では、イメージだけでも覚えてください。片手の指をブラシのようにして頭皮に触れさせ、もう片手の指で抑えた部分に向かって押し込んでいきます……頭骨の上を滑るように。指の間に挟まれた皮膚から、少しずつ汚れを絞り出すように」
    おっ? ……おお。ふおおおおお。すごーい……なんかスッキリする!
    「ノリに乗ってきた頃合いで、このような言葉をかけるのも効果的です。おかゆいところございませんかー」

    ……待って。なんでトキちゃんが僕の頭洗ってるの? なんか、僕が椅子に座るのと同時に後ろに立ってて、一息ついたころには始まったんだけど。つっこみ損ねた。
    首が若干後ろに傾いた体勢で掴まれているので、目をかなり動かせばトキちゃんの顔が見える。……無表情。なんとなくそうだろうなとは思ってたけど。

    「……腑に落ちないと言った様子ですね」
    う、うん。ありがたいけど……ありがたいけどなんでだろうって……
    「先輩方も、明言したことはありませんが……C&Cの中には、『やるからには、最大限・徹底的に』という共通のポリシーがあるのかもしれない、と個人的に思っています。……要するに、みんな張り切っているんです。久しぶりの来客なので」
    そうなんだ。アカネさんとかカリンさんとか、起伏が少ないように見えるけど……あとトキちゃんも。
    「全員、自らがC&Cの一員であるという事実には、一定の誇りを持っている筈です。それ以外の部分でも負けず嫌いかもしれません……ネル先輩はその最たる例です。確か先生は、私のことも負けず嫌いだと言ったことがあります」
    そっか。……なんか、ありがとね。
    「……洗髪のことならお気になさらず。一時期、先生を練習台にしていたので、そろそろ他の人でも試したいと思っていまして」
    へー。先生が……え、先生? の、髪を? ……こういう感じで?
    「? はい」

    ……これ以上触れるとよくない気がした。いや、流石にそんなこと無いと思うけど。一応聞かないでおこう。

  • 188二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 13:58:37

    カガリは可愛いですね……
    先生は、"先生"としての根底はともかく、生徒に対する対応はその生徒ごとに別人レベルで変わるからなぁw

  • 189二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 14:33:42

    このレスは削除されています

  • 190二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 16:28:43

    いやぁ、まさかそんな
    ねぇ?

  • 191二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 23:48:53

    保守

  • 192佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/15(月) 05:03:41

    「こちらのタオルを使います。お体も拭きますか? それとも、髪だけにしておきますか」
    さ、さっきも言いましたけど!!!!体はいいです、僕のこと幼児だと思ってるんですか!!!!!
    「では、髪の方だけ失礼致します」
    もー……

    そんなこんなで、頭の上をもこもこが行ったり来たりしている。申し出るだけあって、かなり上手い気がする……髪拭くのに上手いとかあったんだ。ちょっと感心してしまう。
    ……いや、髪も自分で拭けばいいじゃん。また口車に乗せられたんじゃないか僕。急にすごく恥ずかしくなってきたんだけど。というか、本当になんなんだこの子。

    「一先ず、この辺りで。ドライヤー掛けは服を着てからにしましょう」
    ……どうも。えっと、着てきた制服ってどこに置いたっけ。
    「あれは洗濯に行ったようです。着ていただくのはこちらになります……流石アカネ先輩、この短時間でも完璧な仕上がりです」
    ………………
    「案ずることはありません。皆がいずれ通る道です」
    絶対そんなことない……

  • 193佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/15(月) 05:06:03

    「――はい。準備が整ったので登場していただきます、カガリ(メイド)です。じゃーん」
    ……こ、こんにちはー。
    「「「「おお~~~~~」」」」パシャパシャ

    飛び出た先に全員待ち構えてるのはちょっと予想外だった。アカネさんに至ってはすごい写真撮ってくる……ひええ……

    「結構似合ってるじゃねえか。突貫作業にしては概ね大成功だな」
    「ええ、とても可愛らしいです。機会があれば先生にもご覧頂きたいくらい」パシャパシャ
    だいぶ恥ずかしいのでやめてください……
    「……あれ。カガリ、髪の毛すごく増えてない?」
    増えてないです!!!!!!
    「はい、私が増やしました。しっかり手入れが出来ていないようだったので、軽くケアを施したところ、このように」ピースピース
    増えたわけではないです!!!!!!!
    「私の予備を改造すると言うから、スカートはミニかと思っていたけど。ロングなんだな」
    「はい。カリンのようなロングソックスも捨て難いアイデアではありましたが……心理的な動きやすさを考慮して、この結果に」
    「なるほど……何にせよ、とてもお洒落だと思う」
    「……………」

    ……突如、『一通り盛り上がり終わった』かのように、場がすんと静かになる。
    僕にはなんとなくわかった。ネルさんが、今ここで大事な何かを話し始めるような素振りを見せたような気がする……だから、全員がそれに合わせたんだ。

  • 194佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/15(月) 05:07:16

    「よし。C&Cへようこそ、佐藤カガリ。改めて歓迎する」
    あっ……りがとう、ございます。えと、僕って結局なんのために……?
    「そうだな……簡単に言うと、"訓練"だ。仮定に過ぎねえが、あたしらの任務に同行できるレベルまで、色々覚えてもらおうと思う」

    「いや、半分は"少しずつ思い出してもらう"ってほうが合ってるかもな。……多分だけどよ、全く経験が無いわけじゃないんだろ?」

  • 195佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/07/15(月) 05:08:58

    というわけで次スレです!!!!! 順調かどうかは不明ですがいつも自由に描けてて楽しいの極みです みなさんのご支援にかんしゃあ~

    このスレは煮るなり焼くなりでよろしくお願いします


    【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part5|あにまん掲示板……が、がんばりどころな気がする!佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛腹 2 (2) 1.細 2.中 3.…bbs.animanch.com
  • 196二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 06:10:45

    にるにる

  • 197二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 06:42:25

    なら焼いてしまおう

  • 198二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 08:44:36

    寝てる間に新スレが……
    無かったことにしてもう一回建てたりとか…

  • 199二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 19:48:37

    カガリちゃんの続きを願って保守

  • 200二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 07:35:48

    ダメかな
    すごく面白かったです
    ありがとうございました

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています