- 1二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 15:06:32
「おっちゃん!奴隷くれよ!」
ここはとある小さな村の奴隷市場。
固有スキル「無限回復」を持って生まれた俺は奴隷市場に行って、できるだけぼろぼろの安売りされている奴隷を漁る。
奴隷というものは基本的に高価だが、稀に病気や傷のせいで需要がなく安売りされている者もおり、固有スキルでそれらの傷や病気を治療できる俺はお得に奴隷を買える訳だ。
恵まれた人間には奴隷売買は倫理的に許せないかもしれないが、奴隷というのは売る側も食事すらまともにできない貧しい生活をしており、金のために捨て子や我が子を奴隷として売買しなくてはならない者も多い。
過酷な世界では優しさは時に弱さとなり得る、難しいところだな。
俺は奴隷の売り手のおっさんに、一番安い奴隷はどれか尋ねた。
おっさんは店の奥からなんとも見窄らしい見た目の、全身が痣と傷でぼろぼろの少女を連れてきた。
ぼさぼさの髪の毛に欠けた歯、痩せ細った体格、包帯だらけの腕、布を縫い合わせて作られた辛うじて隠すべき部分を隠している粗末な服。
頭と尻からはトラのような耳と尻尾が生えているが、耳は片方がひん曲がっており、尻尾は毛並みがめちゃくちゃに乱れている。
おっさんの後ろに立って腕にしがみつき、ガクガクと恐怖で震えながら俺を見上げる。
「一番安いのなら………コイツかな。一年以上も売れやしねぇ。女だから力仕事もできねぇし、見た目が酷すぎて遊郭にも売れねぇ。もう金は要らんからとっとと持ってってくれや。」
「そっか。じゃあその子を貰うぞ。」 - 2二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 15:18:48
桃太くん元気じゃん
- 3二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 15:45:37
俺は少女の奴隷を連れて奴隷市場を後にした。
家に着く前に奴隷少女の具合が悪くなったので、休憩できる大きな木の下に連れて行った。
「ごめんなさい………もう……歩けない。」
「謝るな。酷いことをしたのは俺の方だ。これまで沢山の人たちに虐げられてきたのに、俺からも残虐な扱いを受けるのは辛すぎるだろう。」
俺が少女の額を優しく撫でながら固有スキルを発動すると、少女の全身の傷や痣が癒えていく。
ボサボサだった髪の毛や尻尾は見違えるほど美しい毛並みになり、折れていた指の骨も元通りに修復された。
痣のせいで醜く見えていただけで、顔はぱっちりした瞳の非常に可愛らしく整った顔立ちをしている。
「全身の痛みがなくなった………すごい。どうやったの?」
「すごいことは何もしていない、ただちょっとした魔法を使っただけさ。」
少女は治療して貰った俺に恩を抱き、すっかり懐いたようだ。
スキルでは空腹は満たせないので、俺は木に登って果実を3つ取り、少女に与えた。
服は破れ目とつぎはぎだらけで見窄らしいままだが、隠すべき部分は書くせているし、後で買ってやれば問題ないだろう。
とりあえず拠点まで連れ帰ると、そこには先日奴隷市場で買った少年・アジサイが干し草で作ったベッドに座って待っていた。 - 4二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:04:52
アジサイは、俺が一ヶ月前に購入した少年の奴隷。
奴隷だった頃は見窄らしい格好で、髪の毛やコヨーテのような尻尾も毛が乱れて逆立っていたから俺が治療を施した。
根は優しい性格なので俺の為に狩りをしたがっているが、今は一人での外出を禁止して留守番をさせている。
奴隷故に学はないが物を覚えるのは早く、剣を与えてみたところ恐ろしいほど早く上達した。
「誰………?」
「俺が前に買った元奴隷のアジサイだ。今日から三人で暮らすんだが、仲良くすると約束できるか?」
うん、頑張る。と少女は返した。
「いい子だ。ほらアジサイ、ご挨拶は?」
俺は少女とアジサイを仲良くさせようと試みたが、アジサイは少女の顔を見るなり本当に尻尾を巻いて逃げ出してしまった。
彼は心に傷を負っている為か非常に臆病で、俺以外の者には基本的に警戒心を持っている。
二人が仲良くなれる日は、まだまだ遠いだろう。
「アジサイ………。」
「もしかして、お前も名前が欲しいのか?」 - 5二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:05:16
「おっちゃん!奴隷くれよ!」
草 - 6二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:12:35
少女はアジサイという言葉に反応した。
それが名前を欲しがっていると察した俺は、その辺に生えている花からガーベラという名前を与えた。
「ガーベラ。」
「………ガーベラ。」
名前を貰ったことが相当嬉しかったのか、尻尾をブンブン振って喜ぶガーベラ。
いつの日か、奴隷制度が必要ない世の中になればいいのに………。
夜。
見回りを終えて戻ってくると、先に戻っていたアジサイがガーベラと全裸で抱き合っていた。
お互いの尻尾を巻きつけ、ハァハァと鳴き声を上げている。
アジサイのアソコはもう我慢できないと言わんばかりに硬直しており、ガーベラの方も期待と興奮で顔を真っ赤にしている。
俺は二人がこれからやろうとしていることを、ただただ見守ることしかできなかった。 - 7二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:19:54
- 8二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 16:39:38
量そんなにいらん