エルサレム聖杯戦争10【🎲⚓︎】

[1 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 21:23:48]

前スレ

エルサレム聖杯戦争9【🎲⚓︎】｜あにまん掲示板

エルサレムでの決戦術式(聖杯戦争)はーじまーるよー！！

[2 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 21:24:20]

登場人物一覧！

セイバー：アーサー・ペンドラゴン(プロト)
マスター：ミカ
性別：男、出身：エルサレム貧民街の一般人、聖杯にかける願い：餓えないだけの地位と富

アーチャー：ケイローン
マスター：メーティア・セレスティア
性別：女、出身：イギリスの魔術師、魔術系統：天体魔術、願い：根源到達

ランサー：レオニダス一世
マスター：オリバー・ストレングス
性別：男、出身：アメリカの魔術師、所属：フリーの魔術使い、願い：究極の筋肉

ライダー：アキレウス
マスター：アティス
性別：女、出身：アトラス院のホムンクルス、魔術：エーテライト、所属：エルトナム家、願い：早く人間になりたい

アサシン：耀星のハサン
マスター：エリアス・カルフ
性別：男、出身：フィンランド(山の民の末裔)、観光に来た魔術回路の質と量が一級魔術師の１０倍良いの逸般人、願い：宇宙の果てを見る

キャスター：マーリン
マスター：千秋　律希(せんしゅう　りつき)
性別：男、出身：日本(一般人)、願い：お金が欲しい

バーサーカー：坂田金時
マスター：サーラ・アミール・アッ＝サーニウ
性別：女、出身：パレスチナ(陰陽師)、無所属、願い：晴明に勝ちたい

[3 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:25:04]

縦乙

[4 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 21:28:21]

昨日はすみませんでした！！というわけで今日もやっていこうと思うんですが、決戦に入るところで決めたいことが。マスター、どうしよう…化け物の腹の中に突っ込ませるのも…ってのがあり、どうしましょう…

[5 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:34:29]

アキレウスの戦車にでも乗せるか？馬たちも賢いから自主的に走ってくれるだろうし

[6 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:36:19]

マスター達だけは安全地帯にいても誰も文句は言わんし、それが最善なんだけど物語的には一緒にいた方が盛り上がるんだよな。うーん、ジレンマ

[7 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 21:37:33]

…全部黒幕ちゃんにおっかぶせるか、ダイジョーブダイジョーブなんとかなる

[8 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 21:43:49]

よし、とりあえず方針はよし！とりあえず現状の確認

黒幕＆フォウ(黒)：聖墳墓教会を中心に大規模な結界を構築し座して待つ

マスター's：周囲の避難や結界の監視、マーリンは術式構築等

そんなこんなで初めて行きます！

というわけで突入描写！！の前にここがたぶん他陣営と絡めるラストになると思うので見たい組み合わせなんかを募集

どの組み合わせを見たいかを>>13まで募集！全部書く！！

[9 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:46:41]

そういえば黒幕ちゃんにも何かしらの名前は欲しいな
ミカとアティスで

[10 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:48:10]

剣槍陣営
初恋で人生を選んだミカに格好いい大人たちの背中を見て欲しい

[11 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 21:49:27]

それぞれマスターがサーヴァント達を鼓舞したり、場合によっては令呪でバフをかけておく

[12 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 22:02:00]

ケイローンとアキレウス

[13 二次元好きの匿名さん 24/06/09(日) 22:13:21]

アサシン主従

[14 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 22:15:56]

ほむほむ、取りあえず個々に行く前に全体のまとめから～

[15 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/09(日) 23:15:52]

エルサレム市内、臨時で建てられた警察の指揮所にて
上空より苦しそうな顔をしたヒポグリフーアストルフォの宝具ーが着陸する。その上には軽装のアストルフォと二人のマスターが乗っていた。
「ヤッホー！向こうの準備が終わったからきたよ！」
鞍上から宝具の持ち主、アストルフォが元気そうに声を上げる、続くように上空からアキレウスの戦車が降りてくる。
「セイバーとキャスターが凄い勢いで走ってたが一体どうしたんだ…ってそういうことか、こっちも一通り避難はさせた、後から入ってくる奴は知らん」
どうどうと戦車を引くライダー。その前にはアティスが無表情のまま立っていた。
「抗議：速度を上げすぎです…」
「わりぃわりい、でもあっちよかマシだろ？」
ランサーが親指でくいと刺した方にはグロッキーになっていたミカと律希がいた。
「おえぇえええ…」
「に、二度とアストルフォの後ろには乗らねぇ…」
「あっはっはっは、ヒポグリフの重量オーバーだったからねぇ、仕方ない仕方ない！」
おそらく激しく上下に振れたのだろう、地面に降りた瞬間に二人は顔を真っ青にしていた。
「おう、お前らは終わったか。こっちもOKだ」
「ええ、警官によるバリケードの設置と通行止めは終わったみたい」
「も～！！あんだけの術式刻むのは勘弁！！！」
テントから三人が出てくる、それぞれの仕事をこなしたためか特にサーラは文句を垂れている。
「後はアサシンのマスターだが…っと話をすればだな」
オリバーが口を開くと屋根の上からエリアスとアサシンが降りてくる。
「私たちが最後ですか、現状結界が拡大する様子はありません、時間内に私たちが入れば広がることもないでしょう」
それを聞いたオリバーは自分の腕時計をちらりと見て
「ＯＫ…時間はまだ少し余裕があるな。この残り時間が唯一残された時間だ、やり残しがあるなら終わらせておけよ」
そう言って各自の本当に最後の自由時間とした。

[16 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 00:09:08]

ミカは現在、若干の手持ち無沙汰になっていた。理由は単純、セイバーがまだ来ていないからである。
「さて、どうするか…」
そう言いながら懐からナイフを取り出した、それはホテルでオリバーから渡されたものであった。ナイフというには少々武骨で、それでいて使いやすいような工夫が施された名品であった。
「あの時はよく見てなかったけどいい代物だな、握りやすいし抜きやすい、それでいて」
そう言って刃を自身の服の裾に当てる。当てた瞬間、さっくりと裾が落ちる。力を籠めるでも動かしたわけでもない、ただ当てただけなのだ。
「すさまじい切れ味、これ一体どんなナイフなんだ…？」
「言っただろ？魔術処理を施したナイフだって、呪詛も込めてあるから気を付けろ」
「うわっ！？…誰かと思ったらオリバーさんか、びっくりさせないでくれよ…」
興味深そうにナイフを観察していたミカへ、オリバーが声をかける。
「HAHAHA！あの程度で驚いてたら生き残れねぇぞ？」
「心臓に悪いんだよ…それで？一体どんな要件だよ…」
「なぁに一人寂しくしてたBoyにお節介を焼きに来ただけさ、それで？なんか気になんのか？」
葉巻を加え一般人なら泣いて逃げるような笑みを浮かべたオリバーが問いかける
「いや、なんでナイフを渡してくれたんだっておもってさ」
「Uh-huh、なるほどな。そいつは手形みてぇなものさ、俺が死んだときの保険だ」
「保険？」
「言ったろ？俺のとこでお前ら二人を預かるって、俺が死んだときにそれを持ってりゃ仲間が迎えに来てくれる」
そう言って紫煙を吐き出す。それを聞いたミカは焦るように言った
「いやいや、死ぬとか縁起でもないこと言うなよ！」
「Boy、先に行っとくが誰も死なないなんて絵空事を考えるなよ？ここは戦場、しかも相手はあの化け物どもだ。勝てる保証もねぇ」
その表情は数多の戦場を渡り歩いた傭兵の重圧を感じさせる表情だ。
「だとしても…」
「保険は大事だ、戦場で何が起きるかなんて誰にも分らん。だが最悪を想定し動くことはできる。これもその一つだよ」
そう言って立ち上がりミカの頭に手を置く、その顔は満面の笑顔だった。
「だが死ぬ気は毛頭ねえな」
「オリバー…」
「ま、心配しなくてもいい。お前は自分の大切な相手を守ることだけ考えとけ」

[17 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 00:09:19]

そういってオリバーはその場を離れていった、それと同時に自身の目の前にランサーが霊体化から姿を現した。
「ミカ殿、少々宜しいですかな？」
「…えーっと、ランサーでいいんだよな？」
「はい、ランサーのサーヴァント。真名をレオニダス、と申します。」
「は、はぁ…」
「少々話したいことがありまして。ミカ殿はアティス殿を守りたい、と申していましたがどう守るおつもりで？」
「…え、それは」
「ああいえ、責めたいわけではないのです。守る、という点において私は一家言ありまして。」
そう言ってかぶっていた兜を外すレオニダス、その表情は凛々しくも柔和な印象を覚えた。
「守る、と一口に言っても様々です。外敵から守る、心を守る、居場所を守る等々…」
レオニダスは指折り数えながら話す。
「ミカ殿、貴方が何からアティス殿を守るかは存じ上げませんが一つだけ先達からの助言を」
「助言…？」
「ええ、守る側は臆病でありなさい。危機から守るためには誰より早く危機を嗅ぎつける必要がある」
そう言ってレオニダスはその手をナイフを握るミカの手に重ねる。
「守るためには力が必要です、ですがそれを手に入れる前に、臆病さを失わないように。ということです」
「臆病に…」
「はい、貴方はその嗅覚を持っている。それは護るために大いに役に立つ、それを忘れないように」
それはまるで教師、或いは幼子に言い聞かせる親のようなものであった。
「わ、かった」
「…宜しい、ではこれで」
笑顔を浮かべ兜をかぶり自身のマスターの下へと歩き出すレオニダス。その背は、とても大きなものだった。

[18 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 00:09:57]

というわけで今日はここまで！明日はミカとアティスの絡み！

[19 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 08:06:23]

あさあげ

[20 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 17:07:22]

夕保守

[21 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 21:02:38]

こんばんわ！今日もやっていきます！

[22 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 22:42:08]

｢…デッケェ背中｣
2人を見送ったミカはポツリと呟いた。少し前には殺されかけた相手のはずなのに、今ではその大きさに見惚れてしまっているのだ
｢疑問：何が大きいのですか？｣
｢うわっ！？...ってアティスか、後ろから話しかけるの流行ってるのか...？｣
｢懐疑：そんな流行りがあるのですか…？｣
｢無いよ！？｣
アティスの突拍子もない回答に驚きついついツッコミを入れてしまった、アティスはと言うとキョトンした様子で
｢納得 ：なるほど、つまりは例え話という訳ですね｣
｢まぁそんなもん…？｣
と、他愛のない会話をしていると何かを思い出したのかハッとしたと思えば真剣な表情になりこちらへ向き直る
｢訂正：そうではなく、相談がありまして｣
｢相談…？｣
｢回答：はい、可及的速やかに決めなければなりません。貴方があの結界に入るのかどうかを｣
｢…え？入るけど｣
｢進言：貴方は魔術のまの字も最近まで知らなかったペーペーの…って、え？｣
｢いや、だから入るよ、俺｣
その回答は予想外だったのかアティスは驚き目を見開いた。
｢確認：本当ですか？！｣
｢うん、俺が入らないとセイバーのバックアップできないし｣
そう言って自身の右の手に刻まれた二角の令呪を見る、適切なタイミングで使うならなるべく視認できる場所にいた方がいいのだ。
｢進言：それはやめた方がいいです、貴方に戦う力は…｣
｢無かったとしても、行かないといけないんだ。それに、アティスが死地に行く時でもついて行くって言ったじゃないか｣
｢ッッッ〜〜〜///｣
ミカの言葉に顔を真っ赤にしたアティスは背を向ける。
｢回答：わ、わかりました。だとしても私達は共には戦えません｣
｢…え？｣
それは、一体───

[23 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 22:42:20]

｢回答：ライダーとセイバーは別れて戦う、必然的に私達も分断されます。そうなれば…｣

アティスはこちらを向かない、だがその肩は震え自身の手を抑えていた。

｢アティス…｣

｢回答：私は怖いのです！これで、貴方と入れるのが最後になるのではと…｣

その言葉には新たに得た大切な人を失いたくない、これからを無くしたくないといった気持ちが込められていた。

ミカは───

1：アティスを抱きしめる

2：アティスに声をかける

>>27までで2択の内多い方を選択！

[24 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 22:51:51]

1

[25 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 22:54:47]

1

[26 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 22:57:54]

1

[27 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 23:01:55]

1

[28 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 23:21:07]

震えるアティスを後ろから抱きしめる、背がアティスより少し低いので少々不格好だが仕方ないだろう。
｢大丈夫、俺は死なない。アティスを守るって言っただろ｣
｢で、でも…｣
余裕が無くなったのか話す際の癖が無くなったアティスがゆっくりこちらを見る、その目からは涙が流れていた。
｢あ、貴方が私を守ると言ってくれたのに…居なくなるなんて…考えてしまって…怖くて…寂しくて…｣
その言葉を聞いた瞬間、より抱きしめる腕に力が入る。
｢大丈夫、絶対に生き残る。セイバーやライダーの強さは折り紙つきだ、大丈夫だよ｣
｢でもぉ…｣
｢心配なら一緒にいよう、メーティアの方には俺から伝えるから｣
そう言って泣く子をあやすように頭を撫でる。
｢ｸﾞｽｯ…大丈夫です…貴方が死にそうにないってわかりましたから｣
｢うん、それは良かった。｣
涙を拭い、少々目が赤いがいつもの調子に戻ったアティスは手を引いて路地裏へと向かう、そこで両手を広げ
｢要求：ハグしてください。それがあれば大丈夫です｣
｢なっ！？…わかった｣
そう言ってアティスを正面から抱きしめる。互いの心臓の音が服越しに伝わり体に響き会う。そしてゆっくりと互いに見つめ合いそのまま唇を重ねる、ホテルの時よりも優しく、それでいて情熱的なキスであった。数秒程たった後互いにゆっくりと名残惜しそうに離れる。
｢ﾝ…恥ずかしいですね…｣
｢そ、そうだな…｣
互いに顔を真っ赤にしながら見つめる、勢いとはいえもう1回キスをしてしまうなんて…！そうしているとアティスが路地裏から出てこちらに振り向く。
｢感謝：ミカ、ありがとう。頑張るから｣
その表情は泣きそうで、それでいて満面の笑みであった。

[29 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/10(月) 23:22:04]

というわけでちょっと早いですがここまで！甘ったるすぎてほか陣営をかけない！！！次は…アキレウスとケイローンかなる

[30 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 23:27:59]

乙でした。ラブいね！

[31 二次元好きの匿名さん 24/06/10(月) 23:40:46]

乙でした。砂糖のように甘いね

[32 二次元好きの匿名さん 24/06/11(火) 08:34:21]

朝保守

[33 二次元好きの匿名さん 24/06/11(火) 17:37:32]

夕保守

[34 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 21:16:34]

こんばんわ！スレ再開します！！！今日中に突入前までイクゾー

[35 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:10:16]

アティスがセイバーのマスターの元に向かったのを見てアキレウスは軽く嘆息する。
｢やれやれ、想像以上にゾッコンじゃねぇか｣
マスターが余裕が出来た瞬間にセイバーのマスターの元へ走ったのを見て相当惚れ込んでいるなと思いながらも若干手持ち無沙汰になってしまったのだ。
｢さて、どうすっかね…｣
そう思いながらぶらりと歩いていると
｢おや、アキレウス。何をしているのですか？｣
｢先生、いやぁマスターが他のマスターのとこ行っちまって…｣
横からケイローンに話しかけられた、ケイローンはマスターとの話は既に終わり手持ち無沙汰になっていたようで。
｢なるほど、そうでしたか。でしたら私に付き合ってください｣
｢げえっ！？説教だけは勘弁してくださいよ…｣
｢安心しなさい、生きて帰れればしてあげます｣
アキレウスが余計なことを言ってしまったと頭を抱えている横にケイローンが並び座るように促す。
｢しかし縁というものは数奇なものですね。こうして過去に戦った貴方と肩を並べて戦うことになるとは｣
｢…確かにそうですね、あの時は俺が勝ちましたけど｣
｢ほぅ…言いますね？｣
そう言いながらどこか青筋を立てたケイローン、アキレウスは冷や汗をかいていた
｢まぁ、そこも含め生き残れば…ですね。幸い突入する頃になれば空に星が輝きますから｣
｢…宝具ですか｣
｢ええ、貴方の踵を射貫いたアレです｣
その言葉に何かを思い出すアキレウス、自身の踵が凄まじい熱量の矢に貫かれる痛みと避けられない速度で射られた経験を

[36 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:10:28]

｢それは…心強いですね…｣
若干ゲンナリしたアキレウスを呆れた顔で見たケイローンは
｢何を思い出しているか知りませんが顔に出しすぎですよ｣
｢いやぁ…思い出したら流石に…｣
｢はぁ…まぁいいでしょう。ついつい話してしまいましたがそれ以外にも用がありまして｣
そう言ってケイローンは立ち上がる。
｢アキレウス、貴方にあるスキルを教えます｣
｢…は？｣
｢私のスキルに神授の智慧、というものがありまして｣
神授の智慧、それは数多の英雄を育てあげた大賢者、ケイローンを象徴するスキル。特定の英雄のみが持つようなスキルを除き、あらゆるスキルを習得し、他のサーヴァントに授けることすら可能にする規格外のスキル。
｢まぁ時間が無くて1つしか習得出来ませんでしたが…まぁなんとかなるでしょう｣
｢先生、それって───｣
｢既に私の教えを完全なものとしている貴方なら習熟が早いと見込んでですよ｣
｢…っ！わかりました！それで一体どんなスキルを…｣
｢それは──────｣
そうしてケイローンからアキレウスにひとつのスキルが授けられた。それは戦局を変えるのかは分からない。
｢…こんなところでしょう、流石に飲み込みが早い｣
｢は…は…、き、キツいっすけどね…｣
アキレウスは汗を流し大の字になる
｢ダァーッ！！戦いの前にこうなるとは思わねぇだろ普通…｣
｢少なからず有用でしょう、体力を多少使っただけの価値はありますよ｣
そう言ってケイローンは何処からか水を取り出しアキレウスに渡す。アキレウスも起き上がり受け取り飲みながら話を続けた。
｢…俺と先生であの少女を止めるんですよね｣
｢えぇ、分断するのならばこちらの方が少ない方がいい、それに私達は互いの力を熟知していますから｣
｢ですね、さぁてそろそろマスターのとこ行って確認しねぇと｣
｢アキレウス｣
｢はい？｣
｢共に健闘を｣
｢…オリュンポスの神々に誓って｣
そう言って2人は拳を突き合わせ別れていった。

[37 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:13:17]

てな感じでアキレウスとケイローン終わり！次はサーヴァントとマスターの皆さん！
ダイスで決めるわよ〜
Dice1d7=
(1セイバー2アーチャー3ランサー4ライダー5アサシン6キャスター7バーサーカー)

[38 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:13:38]

dice1d7=3 (3)

[39 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:14:56]

ランサー！じゃあ書いてきますね〜…内容安価の方がいいですか？

[40 二次元好きの匿名さん 24/06/11(火) 22:23:18]

スレ主のやりやすい方で良いと思う

[41 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:24:21]

んじゃあサクッと書いちゃいますね、1レス以内に収めたいところ

[42 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:54:42]

ミカと話を終えたランサーは自身のマスターの元へと向かう。
｢Heyランサー、随分とアイツを気に入ったみたいだな｣
｢先達として迷える若者を導くのは当然ですので｣
｢HAHAHA！たしかにな！若い奴は色々教えてやらんとならねぇからな｣
そう言いながらどこか遠くを見るオリバー
｢マスター？｣
｢ああ、すまねぇ。ついつい昔のことを思い出しちまってな｣
｢…そういえばマスターはなぜ聖杯戦争に？｣
｢言ってなかったか？俺の目標は｣
そう言って右腕に力こぶを作りパァンと叩き
｢この筋肉をより素晴らしいもんにするためさ！｣
｢成程！ですが鍛えればよろしいのでは？｣
｢…言ってなかったな、コレが病気でな｣
そう言って自身の頭をコンコンと叩く。
｢今はまだ小さくて何も影響はねぇんだが腫瘍があってな｣
｢腫瘍…なぜ聖杯にその摘出を願わないのですか？｣
｢俺の目標は筋肉…いや、完全な肉体を作り上げることによる根源の到達だ。腫瘍を取り除き一生かかってできるか分からないトレーニングをするならショートカットしちまうのは当たり前だ｣
彼はフリーの魔術使いでありながら魔術師としての目標は見失っていない。故に聖杯に求めるのは究極の肉体だ。
｢それにな、究極の肉体なら病気になんてならねぇしそこら辺もオミットされるはずだ、一石二鳥ってな！｣
HAHAHAと大声で笑うオリバー、その姿を見たランサーは気丈に振舞っているのだと気づいた。一縷の望みに賭けて参戦した聖杯戦争が茶番であったという事実に誰よりも落胆していたのだろう。それ故に気丈に振る舞う。その姿を見てランサーは自身の手でマスターの背中を強く叩いた。
｢What！？何するんだランサー！！｣
｢マスター！安心なさい！筋肉は裏切りません！そして私のトレーニングを受けたのです！｣
｢ランサー…心配かけちまったな、大丈夫だ。死ぬ訳には行かねぇ理由もできたからな！｣
｢なるほど、そういった理由もあって彼を…｣
｢内緒だぜ？ま、見所があるのは事実だからな｣
そう言いながら葉巻を地面に落とし火を消す。
｢ランサー、お前の盾が守りの要だ。頼んだぞ｣
｢お任せあれ！！！｣

[43 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:56:21]

ランサー陣営終わり！次の陣営！

dice1d6=5 (5)

[44 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 22:56:50]

キャスター陣営！いきます！

[45 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:21:31]

エルサレムの市街を1人の男性が走っていた。
｢ぜぇ…はぁ…僕は…肉体派じゃ…無いんだけどねぇ…｣
彼の名はマーリン、聖杯戦争のキャスターとして参戦した魔術師であり、かのアーサー王伝説にてアーサーを導いた賢者でもある。そんな彼がなぜ街を疾走しているのかと言うと
『じゃ、僕たちはヒポグリフで先に行くね！2人は頑張って着いてきて！！』
というアストルフォの無茶ぶりによるものであった。
｢いやぁ…12勇士の…アレ具合を…忘れてたねぇ…っと…見えた…！｣
マスター達が集まっていた広場、そこにようやくついたキャスターは広場に入る瞬間、足元の石に躓き情けない声を上げ倒れる。
｢だはぁッ！？…いやぁ参ったねぇ｣
｢…大丈夫か、マーリン｣
そうしていると自身のマスターである千秋律希が声をかけて手を伸ばす。その手を掴み立ち上がり
｢いやぁ！遅れて済まないね！それにしてもマスターは大丈夫かい？｣
｢まぁ何とか、エリアスとアサシンとオリバーさんに感謝だよ｣
｢そうかい、それは良かった。それでマスター？方針のは？｣
｢とりあえずギリギリまで待機、時間になったら二手に別れて突入だ｣
｢了解だ、ならその前にマスターに渡した礼装を少し改善しないとね｣
そう言ってマーリンは律希の持つアミュレットに手を加える、存在を希薄にし敵に見つかりにくくする術式を
｢キャスパリーグ相手には気休め程度だけどこれなら令呪を切らなければ多少はマシなはずだ｣
｢…キャスター｣
｢どうしたんだい？｣
｢令呪を先に使っておきたい、二角ほど｣
｢…成程、それは"アリ"だね｣
キャスターがその提案を呑んだ理由は戦闘中に令呪を使いマスターが狙われるよりも今ここで魔力として譲渡する事でマーリンが戦闘に使える魔力量を増やす方が良いからだ。
｢ならどうやって令呪を使えばいい？適当に命じればいいか？｣
｢いや、僕が令呪そのものを回収しよう｣
そう言ってマスターの令呪が刻まれた手に自身の手を重ねる。
赤い光が輝くと律希の手に残る令呪は残り一角となっていた。

[46 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:22:03]

｢パスを残すために一角は残すけど戦闘中に使わないように、良いかい？｣

｢わかってるよ、大丈夫｣

そう言って律希はキャスターの手を握る

｢ありがとう、マーリン。おかげで俺の目的は達成できそうだよ｣

｢それは良かった、無事に帰れることを願おう｣

｢ああ！｣

そう言って握った手を何度も上下に振る律希、痛い痛いと苦言を呈しながらも笑顔のマーリン。それはまるで兄弟か歳の近い親友のようであった。

手なわけでキャスター陣営終わり！次！！

dice1d5=3 (3)

[47 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:23:02]

ライダー！！どんどこ行こう！！

[48 二次元好きの匿名さん 24/06/11(火) 23:24:18]

果たして律希くんはあのデンジャラスなお香を日本に持ち帰れるのだろうか（税関的に）

[49 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:26:57]

>>48

…それはァ…エリアス仕込みのなんやかんやでなんやかんやするでしょう！多分！！

[50 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:41:08]

｢報告：ライダー、お待たせしました｣
｢おう、待ってたぜマスター｣
ミカとの抱擁を終えたアティスがライダーと合流する、ライダーは若干汗をかいては居るものの快調なようだ。
｢質問：なぜ汗をかいているのですか？｣
｢あ〜、ちょいとした秘密兵器をだな｣
｢納得：成程、ケイローンのスキルですか｣
｢しれっと心読んだな！？｣
アキレウスは目ざとく気づく、アティスがサラっとエーテライトを使い思考を読んだからだ。
｢疑問：何を言っているのか分かりません、もう一度お願いします｣
｢とぼけやがって…まぁいい、それでマスターの方はどうなんだ？｣
｢回答：問題ありません、万全です｣
ふんすと胸を張るアティス、その様子を見て大丈夫そうだと感じたライダーは
｢なら全力で行くぜ、マスター｣
｢回答：問題ありません、ガンガン魔力を持っていってください｣
｢へっ！良いマスターに召喚されたもんだ…そういやなんで俺を召喚できたんだ？｣
｢提示：おそらくこれが原因です｣
そう言って見せられたのはなにかの金属片が埋められたペンダントであった。
｢…こいつぁ俺の戦車の車軸の1部じゃねぇか…！よく残ってたな！！｣
｢回答：私を鋳造した人が持っていたものです、譲り受けました｣
｢…へぇ、なーんか裏がありそうだが…、まぁそこは俺には関係ないな｣
そう言って槍を首の後ろに回し両腕で支える
｢まぁいいさ、マスター。勝つぞ｣
｢肯定：はい、勝ちます｣

[51 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:43:00]

という感じでさわやかにさっぱりと！夏ですしね

てな感じで次！！dice1d4=4 (4)

[52 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:43:43]

バーサーカー！どうなるかわからんぞ！？

[53 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/11(火) 23:59:06]

｢あー！もー！！疲れたー！！！｣
広場の一角、テントの中でバーサーカーのマスター、サーラ・アミール・アッ＝サーニウは大の字になり大声をあげる
｢はしたねぇぜマスター、とりあえずお疲れさん｣
｢ほんとよ！！一生分の人避けの術式を刻んだわ！！あーもー喉乾いた！！バーサーカー何か無いの？！｣
｢ペットボトルの水と紅茶くらいだな｣
｢それでいいから紅茶を頂戴！あとなんか甘い物！！｣
｢へいへい｣
そう言ってバーサーカーはほかのテントに向かい幾つか甘いものを頂戴して戻ってきた。
｢ありがと、…はぁ〜生き返る…｣
｢随分と余裕そうだな、マスターは｣
その言葉に菓子に伸ばしていた手を止め握り込む
｢余裕なわけ無いでしょ、そう振舞ってるだけよ｣
｢…わりぃ、余計なこと言ったか｣
｢いや、丁度いいわ。バーサーカー、頼みがあるの｣
｢何だ？｣
｢可能なら私の親友を…ミーアを助けるのを手伝って｣
その願いは切実なものであった
｢あの化け物に成り代わられているなら生きている可能性は限りなく低い、でもまだ生きている、そう感じるのよ！｣
それは少女が初めて見せた年相応の姿、魔術師の家系の長子としての凛々しいものでは無い、少女の切実な願いだった。
｢はぁ…マスター、それを先に言ってくれ｣
｢…え？｣
｢当たり前だ！生きてんなら救ってきてやる！！オレは頼光四天王、坂田金時だ！！｣
その力強い言葉に自然と目尻から一筋の涙が流れ落ちた。
｢お、おいおい泣くなよ…｣
｢泣いてない！！…そうね、貴方なら出来るわよね、やれなかったら令呪で自害させるからね！！｣
｢脅しが怖いんだよ！？！｣
そうしてバーサーカー陣営のテントは騒がしくも戦いへの気力は十分といった様子であった。

[54 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/12(水) 00:00:40]

思った以上に青春してるなぁ！というわけで次ー！！！

dice1d3=1 (1)

[55 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/12(水) 00:01:03]

セイバー陣営！！主人公がここで来たか！！

[56 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/12(水) 00:28:40]

キャスターが広場に入る数分前、一陣の風が広場を吹き抜ける。それと同時に1人の青年が広場に走り込んできた。
｢すまないマスター！遅れてしまった！！｣
｢あ、セイバー。大丈夫、時間は問題ないよ｣
その言葉に安心したのかセイバーはほっと息をつき足を止める、そんなセイバーにミカは水を手渡しながらも話しかける。
｢セイバーの方こそ大丈夫なのか？｣
｢ああ、問題ないさ。それにこの程度の距離なら体力は消耗しないよ｣
改めてミカはサーヴァントというものが規格外であるというのを理解した、そしてそんな英雄たちが一丸となるのならばこの戦いも勝てるのではないかと希望を抱いた、が───
｢マスター、先に言っておこう。僕たちがキャスパリーグに確実に勝てる保証は無い。｣
それは、かの魔獣と戦ったことのあるセイバーが確信を持って告げる言葉であった。
｢本当に…？｣
｢ああ、少なくとも僕が戦った時と同等、下手すればそれ以上の力かもしれない。そうなると勝ち目は限り無く薄くなる｣
｢…でも、負ける訳にはいかないだろ？｣
その言葉を聞いたセイバーは口を開く、それは宣誓のようであった。
｢ああ、だから僕たちは死力を尽くして戦う。世界を守る為にもね｣
そう言って剣を実体化させ両の手で持ちマスターの正面に剣を構えて立つ。
｢故に、僕はここに誓おう。必ず勝利を君に捧げると───！｣
｢───っ！ああ！！｣
力強い返答を聞いたセイバーは笑みを浮かべ剣を霊体化させる、そしてマスターと共に広場の中央へと向かった。

[57 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/12(水) 00:32:34]

ちょっとセイバー陣営の2人の描きたいことがホテルで出し切っちゃった感あるなぁ…短いけどこれでセイバー陣営は終わり！！残り2つの陣営は明日書きます！！先にどっちからやるかだけダイス！

dice1d2=2 (2)

[58 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/12(水) 00:33:06]

というわけで次はアサシンから！アーチャーまで終わったら突入です！お楽しみにではおやすみなさい！

[59 二次元好きの匿名さん 24/06/12(水) 08:42:08]

あさほしゅ

[60 二次元好きの匿名さん 24/06/12(水) 19:14:14]

夕保守

[61 二次元好きの匿名さん 24/06/12(水) 23:49:15]

寝落ちかな？

[62 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/13(木) 09:56:19]

すいません寝落ちしてました…とりあえず再開します…

[63 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/13(木) 11:16:34]

「さて…思わぬ時間ができたがどうする？」
広場の端、家屋の上でアサシンとそのマスター、エリアスは座り話していた。
「そうですね…そういえば私がこの戦いに身を投じた理由、覚えてますか？｣
その言葉にアサシンは複雑な表情をし
「忘れるわけないだろ、あんな願い」
そう言ってアサシンは手のひらを宙へ向け天を仰ぐ。
「──────ソラの果てに至りたい、聖杯でもなければ叶わぬ願いだ」
「ええ、この地の外に広がる無限の世界。幼い頃からどうなっているのかを毎夜毎夜宙を仰いで考えていましたから」
そう言ってエリアスは自身の半生に思いを馳せる。
宙、それは幼い少年にとって唯一許された自由であった。
──────十数年前、フィンランドの奥地。
人里離れた自然が色濃く残る山奥にて数十人の小さな集落が残っていた。一般人には見つけられず、さりとて事情を知っているものでも容易には入れない隠れ里。
そこは、人を信仰の刃に変じさせる養成施設であった。
ひとりの少年がいた、彼はこの里における最高傑作と言えるほどの実力を10にも満たない頃から身につけていた。
全ては彼が産まれ持ちえた尋常ならざる回路の才と血を吐いても鍛錬を続ける努力があってこそだ。
里の大人は皆口を揃えていう。
『彼こそは我らに遣わされたもの』
『信仰の敵を滅ぼす御使い』
『──────山の翁の再来』と
幼い彼はその言葉を信じ、それに相応しくあろうと研鑽を続けた。
幾度かの仕事を終えた少年はふと、宙を仰いだ。
そこに映っていたのは満天の星星と美しく宙にはためくオーロラであった。
『アレ、は──────』
その光景は常に鍛錬と期待と重責で下を向き続け、傷ついた少年にとっての福音であった。
彼はそのまま宙について手に入る範囲で調べ続け、ひとつの考えを知る。
宙に果てはなく、無限に広がり続けているということを
その事実を知った頃には既に里に無くてはならない存在になっており、出ることも出来なっていた。
そんなもどかしい生活を続けること数年、ある仕事で転機が訪れる。

[64 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/13(木) 11:16:47]

──────聖杯戦争
それは、暗殺対象が残していた資料に書かれていた文言であった。願いを叶えるために凡ゆる時代の英傑が集い争うという戦い。これは、利用出来る。
そして彼は里に戻り話をした。
『聖杯などというものを狙う不届き者を誅伐すべし』
そして彼の思惑通りに話は進み、今へと至る。

「───ター、マスター！」
「っと、すみませんアサシン。少々物思いに耽りすぎてしまい…」
「ふん、まぁいい。マスターの願いは叶いそうにないがどうするんだ？」
「そうですねぇ…ほかの聖杯戦争にも参戦しようかと。この聖杯戦争を超える修羅場はないでしょうし」
「そうか、無茶だけはするなよ」
それはアサシンにしては珍しい、直接的な心配であった。
「ふふ、問題ありませんよ。っと、そろそろ時間です。向かいましょうか」

[65 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/13(木) 11:17:30]

てな感じでアサシン陣営はマスターの過去話でした、ラストはアーチャー陣営！！

[66 二次元好きの匿名さん 24/06/13(木) 18:27:43]

おまえのような一般人がいるか！
…逸般人だったわ

[67 二次元好きの匿名さん 24/06/13(木) 19:46:20]

エリアスが他の聖杯戦争に参加したら、耀星くんまた呼ばれるんじゃ
何故か忘却補正持ちだし記憶持ってこれるね

[68 二次元好きの匿名さん 24/06/13(木) 23:36:18]

スレ主さん最近お疲れかな…暑さも酷いしゆっくりおやすみください

[69 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/13(木) 23:54:35]

時は少し遡り、ケイローンがアキレウスと話す前アーチャー陣営に割り当てられたテントにて
机を2人で囲み地図の上に17の駒が広がっていた。
「──────という作戦で行きましょう」
「確かにこれなら…だがこれでは貴方が」
「勝つ為ならば仕方ありません」
その言葉に何かを言おうとしたメーティアはそれを飲み込んだ。大賢者が考え抜いて作り上げた策だ、自身が口を挟む余地などない。
「…わかったわ、策の通りに動く。他になにかバックアップの必要な物は？」
「…令呪を一角、頂けませんか」
「令呪を…？何に使うの？」
「私のあるスキルを短縮して使うのに必要でして」
「──────神授の智慧ね」
「はい、少なくともこれは必要になるかと思い」
「…わかったわ、"令呪を持って命ずる、神授の智慧を最大限発揮しなさい"」
「御意に」
右手の甲の赤い光と共にケイローンの身体が淡い光に包まれた。
「ありがとうございます、マスター」
「いいえ、私の出来る事をしているだけ。…頼んだわよ、アーチャー」
「ええ、お任せを。では私はアキレウスに会いに行ってまいります。」
そうしてケイローンはテントから出ていった。残されたメーティアは1人呟く。
「勝たなければならない──────！」
手を強く握りしめ結界を睨みつけた。

[70 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 00:05:40]

てな感じで各陣営終わり！突入前イベント行きます！

[71 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 00:13:12]

「───時間だ、行くぞ」
オリバーの一言で全員が頷き、結界へと向かう。それは死地に向かう道、修羅場に慣れていない若者は震え場数を踏んだものたちでさえ緊張の趣だ。唯一英霊達はあるものは獰猛な笑みを、またあるものは鋭い目を結界へと向けている。結界のすぐ横に着いたマスター達は事前に決めてあった2組へと別れる。アーチャーとライダー、そしてそれ以外の六騎の歪な振り分けを。しかし、それに文句を言うものは無い、そして分けられた各々が覚悟を決め結界へと足を踏み入れた──────

[72 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 00:14:33]

と言うわけで今日はこれで終わりです！また明日！！

[73 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 08:23:04]

朝保守

[74 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 17:16:37]

夕保守

[75 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 20:26:17]

こんばんわ！！再会しまっす！というわけで突入した所で早速安価をば

結界の中に入ったら何が起きた？>>80まで募集！

[76 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 20:30:55]

中が肉塊(レメゲトン的なやつ)の迷宮になっていた

[77 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 21:04:35]

結界の中は幾つもの世界の光景が広がる迷宮になっており、それぞれその場所特有の迎撃機能が有り、黒幕は魔力探知では見つからないようになっていた。

[78 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 21:33:24]

黒幕ちゃんの幻影が煽ってくる

[79 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 22:00:52]

醜い肉塊で構成されて濃度の高い漆黒に淀んだ魔力が満ちており、その影響で耐性の無いミカと律希は気絶しかけ、その他のマスターも吐き気を催し自らの魔力の流れに乱れが生じた。

[80 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 22:27:26]

>>78＋>>79

[81 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 22:28:40]

dice1d5=4 (4)

[82 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 22:32:03]

はーい了解です！酒が入ってるのでテンション高く行くぞー！！！

[83 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 23:03:55]

サーヴァントとマスター達が結界の中に足を踏み入れ見た光景はこの世のものとは思えない悍ましいものであった。
目に入ったのは赤黒い肉塊の壁、膨らんではどす黒く染まった血を吹き出し縮むを繰り返して膨張し続けるものであった。
「ｳｯ…何よコレ…！」
血特有の鉄臭さと生臭さにサーラは鼻を塞ぐ。臭気や血により全員が顔を顰め1部は吐き気すら催していた。
「ｳｯ─ゲェッ…！」
そして結界の中を満たすのは血と肉の腐臭だけでは無かった。血の匂いには慣れていたミカが吐いた、それは一種の魔力酔い、空間を満たすどす黒い漆黒の魔力そのあまりの密度と淀みに最も耐性の低いミカに即座に影響が出たのだ。
「っ…グッ、何…っだ…コレ…！？」
そして同様に耐性の低い律希も膝を着く。
「っ！？しまった！マスター！ミカくん！此方に！！」
咄嗟にマーリンが花の結界を構築し二人を中に入れる。花により浄化された魔力か二人を包み保護する。
「f〇ck！なんだこの空気は…！多少耐性があるにしてもこれじゃあまともに魔術を使えねぇぞ！！」
その淀んだ魔力の密度は現代のそれとは比較にならないほど、魔力回路に多大な影響を与えるほどであった。
「…マスター、供給の方は？」
「回答：問題、ありません…。ですが、エーテライトの展開等は厳しい…です…」
「了解した、先生！」
「わかっています、マスターは此方へ。ここから二手に別れます。アキレウス、戦車を！」
「おう！！こい！！」
そうしてアキレウスが指笛を吹いたと同時に3頭立ての戦車が現れる。その戦車をケイローンが手綱を握り、マスター二人を乗せ駆け出す。アキレウスは最後に後ろを振り向いて
「セイバー、お前と死力を尽くして戦えなかいのはもったいない。この戦いが終わった後、決着を着けるぞ」
「ああ、良いだろう。」
アーサーの返事に満足したのか凄まじい速度で戦車を追うために、アキレウスは駆け出した。

[84 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/14(金) 23:06:01]

という感じに二手に別れました、どっちの陣営から見るかを>>89迄の多数決で！

[85 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 23:25:04]

セイバーのいる方

[86 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 23:45:00]

ライダー・アーチャー組

[87 二次元好きの匿名さん 24/06/14(金) 23:55:20]

主人公組

[88 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 00:02:48]

対キャスパリーグ組

[89 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 00:09:09]

ミカ達

[90 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 00:12:24]

ミカ達ですね、了解です。遭遇後の戦闘でみたいシーンを募集！可能な限り入れてみます！>>95まで募集！

[91 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 00:15:59]

連携して宝具を叩き込む

[92 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 07:40:01]

欠損(マスターでもサーヴァントでも)

[93 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 08:22:36]

宝具攻撃が全て見切られて躱されて手痛い反撃を喰らう

[94 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 09:44:48]

大きくなったフォウくんにレイドバトル
性質的にマスター狙いしてきそう

[95 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 09:50:16]

>>78

[96 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 10:59:14]

アキレウス達が別の場所へと向かったと同時に地面が脈動、まるでこの場にいるものたちを別の場へと運ぶように。それに抵抗しようとしたが後ろ側に壁が作られ回避も難しい。地面の脈動にバランスを崩したのかミカが倒れそうになる。
「っ！？マスター！！！」
「セイバー…！助かった…」
その肉の脈動で危うく倒れそうになったミカをアーサーは手を伸ばし掴む。他のマスター達もそれぞれのサーヴァントに掴まるなどしていた。
「これどこ向かってるのかなぁ」
「さぁな、だがここより酷い場所だろう」
アストルフォの疑問にアサシンがぶっきらぼうに答える。
「あーあー、きこえるかな？」
次の瞬間、全員の前にほしのいしを名乗った少女が現れる。それは実体ではなく幻影であったが言葉を紡ぐには十分なものだった。
「こほん、ようこそ"けもののようらん"へ。ここはけもののはらのなか。きをつけて、じゃないとたたかうまえにくわれちゃうよ？」
「ハッ！舐めんじゃねぇ、一寸法師見てぇにここらを攻撃しまくって吐き出させてやろうか」
「むりむり、あなたたちのこうげきじゃびくともしないよ。きゃすくんをたおしてからいって」
「HAHAHA！なら問題ねぇ！この流れに乗ればソイツが居るんだな？」
「むう、そうだけど…」
「じゃあさっさと進むわよ、バーサーカー」
「…かってにうごくのはだめ、わたしがはこぶからそこにいて」
「は？ってうわっ！？！」
その言葉と共に地面が凄まじい速度で脈動し彼らを奥へと運んで行った。

[97 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 11:10:17]

そこはまるで骨で形取られたような広いコロシアムのような場であった。観客席もない、あるのは骨で出来た壁と自分たちが運ばれ閉じられた扉、そして眼前にある未だに開く気配の無いひとつの扉のみ
「…まるで見世物だな」
「マスター達は僕らの後ろ、壁を背にして居てくれたまえ。その方が守りやすい」
そう言ってマスター達を守るように立つサーヴァント達。
「じゃあきゃすくん、よろしくね？」
何処からか少女の声が響く。次の瞬間、扉が開け放たれたと同時に何かが凄まじい勢いでマスター達に向かい跳んで行く。
「させません！！！」
レオニダスが盾を構え受け止めようとするがその勢いに押し負け背後の壁へと叩きつけられる。
「ｶﾞｯ…ﾊｯ…！！」
「ランサー！！！っ！？」
レオニダスの方へと視線を向けた耀星のハサンを凄まじい衝撃が襲う。
(！？一体何が…あれは…尻尾か！？)
飛ばされながらもハサンは自身を襲ったものを目に捕える。それはまるで煙のように揺らめきく獣自身の体長と同じ程の巨大な尾であった。
壁に着地し、何とか衝撃を殺すハサン。
「尾に気をつけろ！！」
そう言って自身の回路を活性化させる。それと同時にアーサーは凄まじい暴風を噴き出しながらキャスパリーグへと突撃した
「おおおおお───！『風王鉄槌(ストライク・エア)』！！！」
「『無想駆体(ザバーニーヤ)』！！！」
流星と荒れ狂う暴風が前後からキャスパリーグを襲う、上空からも追撃が降ってくる。
「『黄金衝撃(ゴールデン・スパーク)』！！！」
3騎のサーヴァントの宝具が同時にキャスパリーグへと叩き込まれた。
「やったか！？」
土煙が立ち上りよく見えない中でミカはあれだけの攻撃を受けたのなら一溜りもないだろうと思い声をあげる。
しかし──────

[98 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 11:11:41]

「ッツ…！！」
「な…んだと…！」
「グウゥ…」
3騎の攻撃はキャスパリーグに受け止められ刃がその肉体にすら届いていなかった。
「ｸﾞﾙﾙﾙ…」
唸り声をあげる身震いをするキャスパリーグ、その衝撃で3騎共に吹き飛ばされてしまった。
「…！？」
「バーサーカー！何やってるのよ！！！？」
「嘘だろ…セイバー…！？」
それぞれのマスターが三者三様に驚愕の声をあげた。
何しろ宝具という最大火力が通用しなかったのだ。驚きもするだろう、そして──────
「危ない！！！」
アストルフォの声が響く。次の瞬間、腕が宙に舞った

[99 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 14:05:37]

これって一本足で立ってる？それとも2本の足と牙でガードしてる？

[100 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 18:08:41]

dice1d5=2 (2)

[101 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 19:27:29]

>>100

何のダイスだ？

[102 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 19:42:13]

被害者かな？

[103 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:29:59]

dice2d5=1 1 (2)

[104 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:30:23]

dice1d5=1 (1)

[105 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:30:58]

…1しか出ねぇな。まぁ良いか

[106 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 22:37:13]

何のダイスなのか言ってくれスレ主、分からなくて混乱してるんだ。

[107 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:38:29]

あ、犠牲者の選別です。お楽しみに

[108 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:39:07]

腕が、鮮血を撒き散らしながら宙を舞う───
切られた腕から撒き散らされた血が頬に飛び散った。
「──────は？なんで…」
一瞬、獣が腕を振った。それだけで空を切ったのだ。
信じられるだろうか、斬撃が飛ぶなど。正確には違うのだろうが今の自分にはそう形容せざるを得なかった。
「が、ああああああああぁぁぁ！！！！」
「Shit！！！」
その爪は一瞬でミカとオリバーの片腕を奪い去った。
「れ、令呪が…！」
ミカの右手が切り飛ばされた瞬間、即座にオリバーがその腕を回収し投げ返す。
「なんで俺の腕を投げるんだよ！！！おっさん！！！」
「shut up！！前を見ろ！！！」
切られた左の腕の断面を抑えながら声を上げるオリバー。
前を向くとそこには大口を開けて迫る獣が────
「おっと危ない、それはダメだ」
足元から黄金の魔力の波のようなものが噴き出し獣の顎をカチ上げた。後ろからマーリンが何かをしたのだろう。即座に踵を返して獣から離れる。
「セイバー！！！はやく！！！」
走りながら吼える、その声に呼応するかの如く魔力を噴き出しながら此方へ滑走し獣へとその剣を叩き込むアーサー。
「っ…、やはり…！マーリン！！！」
「わかっているとも！」
即座にマーリンがミカの切断された腕から令呪を左手に転写する。抑えていた切断面にも応急処置をしながら防御式を幾重にも展開する。

[109 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 22:48:28]

「…これなら多少違和感はあるだろうけど繋がるわ」
結界の中、サーラが切られた腕の切断面を見ながらミカに治療を施す。
「しかしなんでバーサーカー達の攻撃が弾かれたの…！」
「…尻尾です」
「ランサー！？もう大丈夫なの？」
「ええ、衝撃で骨が何本か逝ってしまいましたが問題はありません」
それよりもと指をキャスパリーグに向ける。アーサーとアサシンが果敢に攻めているが幾度となく攻撃が弾かれる。
「かの獣の尾、数は1本ですがその体毛に魔力が高純度に含まれています、それを束ねたのでしょう。そして狡猾な事に宝具ではなく発動している肉体を絡める事でダメージを最小限にしています」
サーラは目に魔力を込め観察する、そしてレオニダスの言ったことが真実であることを目撃する。
「嘘でしょ…しかも切ったとしても爪で確実に受けてる…！」
「ええ、ですので私も出ます。マスターの皆様は即座に回避できるよう備えていてください」
弾き飛ばされてしまった名誉挽回と言わんばかりにその肉体に魔力と力をみなぎらせキャスパリーグへと走り出していった。

[110 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 22:58:37]

理解力の低いワイ
宝具ではなく発動している肉体を絡める事のところが分からんかった。
どういう事？

[111 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 23:01:13]

>>110

つまり、宝具を発動している武器そのものを抑えようとすると毛が切られて防御にならないけど身体を抑えることで宝具を押さえ込みながら切られることは無いってことです、描写下手くそで申し訳ない…

[112 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 23:06:11]

って事は体毛は伸縮自在かつ自由な方向に動かせるって事？

[113 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 23:07:20]

終局でマシュを助けた時、わさわさ毛も伸びてたしね

[114 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/15(土) 23:09:40]

「うひゃぁあ！あっぶなぁ！！」
「アストルフォ！危ねぇから空から様子をうかがえ！」
「アイアーイ！！」
アストルフォはキャスパリーグから離れヒポグリフに乗り高く飛び上がる。幸い天井側は十分な広さのようでヒポグリフで飛行しても問題は無いようだ。
「しかし風王鉄槌が効かないとは想定外だ」
「聞こえなかったけど口が空いていた、おそらく咆哮か何かで相殺したんだろう…マーリン」
「1分でいい、時間を稼いでくれ。そうすればどうにかしよう」
その言葉に頷いたアーサーは他のサーヴァントへ指示を出しながら斬りかかった。
「バーサーカーとアサシンは僕と共に足止め、ランサーは流れた斬撃を防御！アストルフォは上空から牽制か撹乱だ！」
「「「「「了解！！！」」」」」

[115 二次元好きの匿名さん 24/06/15(土) 23:15:22]

しっかりアーサー王の手の内は覚えてるな…

[116 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 00:34:32]

キャスパリーグはイラついていた。
何が起きたか分からず急に引きこもっていた塔から引っ張り出されては醜い人間の争いを見せられ挙句の果てには強引に汚い魔力を注がれ傀儡として扱われているのだ。イラつかない方がおかしい。しかも囚われている時はあの気に食わない男に無理やり自身の爪を強引に剥がされ魔術の触媒として使われたのだ。
挙句の果てにはあの出来損ないの獣を無理やり食わされてしまったのだ。自分の思考とは別に肉体が勝手に動いている。
正直戦う理由は無い、がムカつく顔がいるため八つ当たりをしてしまおうと思う自分は悪くないと思うのだ。
マスターであろう者たちをを巻き込んでいるが戦場にいて無防備なのが悪い。
しかし、目の前の男は何だ。なぜあの聖剣を持っているのだ…まぁいい。兎に角サーヴァント全てを倒してあの少女を倒してさっさと眠りたいのだ。
故に───サーヴァントに向かい吼えた。

キャスパリーグの動きの精細が欠かれたと思いきや凄まじい音量の咆哮がサーヴァント達へと放たれた。
「危なぁい！！！『恐慌呼び起こせし魔笛（ラ・ブラック・ルナ）』！！！」
何かを察知していたのか上空から巨大な角笛を携え着地したアストルフォが真名解放をした。
その宝具から放たれた凄まじい衝撃はキャスパリーグの咆哮とぶつかり、かき消された。
「うわっ！？なんて馬鹿みたいな音量…！？」
「いいや、よくやったぜアストルフォ！！」
「行くぞ」
「さぁ行こう！」
アストルフォの宝具が咆哮を軽減したと同時に後ろから3、いや4騎が飛び出した。
時間はきっかり１分。マーリンが提示した時間ピッタリだった。

[117 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 00:35:02]

「そうれ！」
マーリンが地面へと杖を突き立てる。光が陣を描きながらキャスパリーグを囲い出す。
しかしキャスパリーグもそこから離れようとするが
「させないよ！『触れれば転倒！(トラップ・オブ・アルガリア)』！！」
「ゴールデン！！！」
アストルフォの宝具が左前脚を、金時の攻撃が右後脚を攻撃しバランスを崩す。
即座に毛を動かしバーサーカー達を弾き飛ばさんとするが
「それは既に見た、山の翁に二度通じると思うな」
青白い流星が見事に毛のみを切り飛ばしていった。
仕方ないとその爪を持っているマスター達に振るうが
「『炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)アアアア』！！！」
300もの盾が重なり合いその攻撃を防ぐ。防がれたと思った瞬間、凄まじい速度で10本程の槍が飛翔してくる。それは自身を貫くのではなくただ地面と毛を巻き込み動けなくするようになっていた。
「さぁさぁ大仕上げだ！」
光がより一層強まる。そして作られたのは光の結界、まるで城壁のごとき光は完全にキャスパリーグの動きを封じ込めた。
「遥か遠き光輝の城"イマージュ・キャメロット"、いやぁ我ながら凄まじい術式を組んだものだ！後は任せたよ？」
その言葉は後ろのミカへも向けられていた。意図を組んだミカは令呪を一角解放する
「令呪を持って命ずる！！宝具を解放しろ！！セイバー！！！」
その言葉と共にキャスパリーグの正面にたったアーサーが風王結界を解除し宝具を解放する。
『十三拘束解放、円卓決議開始(シール・サーティン、ディシジョンスタート)』
《承認、ケイ、ベディヴィエール、ガヘリス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド》
『これは、世界を救う戦いである───アーサー』
「『約束されし勝利の剣(エクスカリバー)！！！』」
黄金の奔流が光の城ごとキャスパリーグを呑み込んだ。

[118 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 00:35:24]

光が治まると扉も同時に粉砕したのか先に進めるようになった。戦場の中心では白い何かが倒れ付していた。エリアスがそれを確認するとそれは猫ともリスとも取れる謎の生物だった。
「これは───」
「ふうん？まさかキャスパリーグは無事だったとは、あれは汚染された魔力や肉塊でできた殻だったのかな？それがエクスカリバーで焼き尽くされた、と」
そう言いながらマーリンはキャスパリーグを抱えると何かを弄りキャスパリーグが何処かへと消えていった。
「マーリン、今のは何でしょう？」
「僕のいた塔に帰したのさ。幾重にもプロテクトをかけてるからもう一度呼び出されるみたいなことにはならない筈さ」
「なるほど…？」
そう言いながらマスター達へと合流する。
そこではミカとオリバーの治療が行われていた。
「…っグ！？」
「良かったわね、無事に繋がったわよ。オリバーの方は…」
そちらを見るがオリバーの腕は繋がっていなかった。
「oh…腕がもう使いもんにならねぇな…」
手に持った切断された腕は断面が溶けかかっていた。
「運が悪かったな…悪ぃが傷口を閉じるのだけ手伝ってくれ」
「わかった、僕に任せたまえ」
そういってマーリンが治療に当たる。そして傷口が完全に塞がったのか肩を回し調子を確認する。
「HAHA！これならまだ大丈夫だ！行くぞ！！」
「ちょっと！先行しすぎるんじゃないわよ！！」
「やれやれ…ミカくん、行けますか？」
「大丈夫、何とか」
「いこう、この先にあの少女が居るはずだ…！」
何とかキャスパリーグを倒した一行は扉の奥へと向かう、扉の奥は未だに影でよく分からなかった───。

[119 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 00:36:27]

手なわけで今日はここまで、次回ライダー、アーチャー組です。おやすみなさい

[120 二次元好きの匿名さん 24/06/16(日) 01:01:57]

いやー、サーヴァント一騎脱落しててもおかしくないのによく一騎も死なずに済んで良かった(マスター二人は腕切断の重症)オリバーさん、将来義手確定だな。メカメカしい感じになるのかツテを使って橙子さんの本物そっくりの義手になるのかな？

[121 二次元好きの匿名さん 24/06/16(日) 08:29:11]

保守

[122 二次元好きの匿名さん 24/06/16(日) 19:06:08]

夕保守

[123 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 22:26:45]

こんばんわ、再開します！というわけでライダー・アーチャーグミに行きましょー

[124 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/16(日) 22:48:20]

時は少し遡る。セイバー達がキャスパリーグと相対した時と同時刻、アキレウス達は結界内上空を飛行していた。
アキレウスは上を見ながらボヤいていた。
｢空間を拡張してんのか…？外から見た時よかデカイな…、てか見つからねぇ…｣
｢落ち着きなさい、少なくとも上にはいません。｣
そう言いながら自身の目で下の観測をするケイローン、ふとアティスは側面を見やる。その瞬間結界の内壁が横一列に膨れ始めた、脅威を感じとったのか声を上げる。
｢…指示！回避を！！！｣
アティスの言葉と同時に膨れ上がった結界がまるで泡が弾けるかの如く割れた、それと同時にナニカが戦車を側面から襲う。回避しようとするも数が数だ。
｢っ！？しまっ───！！｣
襲い来るナニカを避けきれずに被弾してしまった、それは特大級の呪詛が混ざった赤黒い飛沫であった。
｢アーチャー！着地を！！！｣
｢お任せ下さい｣
｢ライダー！！｣
｢しっかり捕まってろよォ！！｣
そうして二人と二騎は空から大地へと堕とされた───。

[125 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 01:32:15]

寝落ちされたかな、保守

[126 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/17(月) 09:28:02]

寝落ちしてた！！すみません！！

地面に堕ちる、幸いサーヴァントが着地をしてくれたおかげでマスターへの被害は特にない。
｢っと…クッソ、やられた！これじゃあ戦車が使えねぇ｣
｢左右の警戒が甘くなってしまいましたね…｣
しかし片側の車軸が折れたせいかアキレウスの宝具である戦車が使用不可能になってしまったのだ。
｢クッソ…、こっからは歩きだな…｣
｢確認：あそこに扉が…｣
｢…ナニか来るぞ、気をつけろ｣
そう言ってアキレウスは槍を、ケイローンは矢を番える。
ゆっくりと扉が開かれる、そこに居たのはこの事態を引き起こした少女だった。
｢そらをとびまわってるのははんそく、うちおとさせてもらった｣
｢そうかよ、ならさっさと俺らをとっ捕まえりゃ良かったのによ｣
｢追従：その通りです、何かしら制約でもあるのですか？｣
アティスとアキレウスから投げかけられた言葉に
｢なにもないよ、なんとなくいやだったから｣
その言葉に絶句する、いやだったから。それだけで神代の大英雄の宝具を破壊したのだ。尋常ではない能力の持ち主であることは理解していたがこれほどまでとは
アキレウスの首筋に冷たい汗が流れる。自身とケイローンだけならば何とかなっただろう、しかし今は二人のマスターを抱えている身だ。正直厳しい戦いになる、そう思っていた。
｢…少々お待ちを、貴女に聞きたいことがあります。｣
｢なぁに？｣
ケイローンが矢を向けながら少女に問いかける。
｢貴女は何者ですか？｣
｢わたしについてききたいの？｣
その問いにこくりと頷く
｢少なくとも魔術師等という生易しい存在ではないでしょう｣
｢まえにはなしたでしょ？ほしのいしだって｣
｢質問：星の意志、即ちこの星の頭脳体ということですか？｣
｢せいかくにはちょっとちがう、わたしはほしのきこうのひとつ。あらゆるものにそんざいするしへとむかうためのきこうをうけもつもの｣
───後の世で存在していたのならばこう呼ばれることになるだろう亜麗百種"自死麗姫"と

[127 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/17(月) 09:28:14]

｢───星の、機構…！｣
｢そう、そしていまこのほしのあーきたいぷはかくりつしきっていない。ゆえにわたしがほろぼすすきがある｣
｢アーキタイプ…！？｣
｢…もうせつめいするのめんどくさいや、ばいばい｣
そう言って手を動かそうとした瞬間にケイローンの矢とそれを上回る速度でアキレウスの槍がその腕を切り飛ばさんとする。しかし───
｢あなたのぶきじゃ、むり｣
その槍の一撃は、皮膚すら避けず止まっていた。
｢ッ？！ガッ───！？！｣
そしてその隙を見逃すはずもなく、少女は手を横に振り切る。ただそれだけでギリシャの大英雄は結界の端へと吹き飛ばされた。
｢アキレウス！！｣
｢だめ、あなたもにがさない｣
｢ッ！｣
少女が接近する、ケイローンはマスターを守るように立ち接近する少女を自身のあらゆる手を持って止めようとした。
｢アーチャー、令呪を持って命ずる。死力をとして足止めしろ！｣
その意図に気づいたのかメーティアは即座に令呪をきる。令呪のバックアップを受けケイローンは少女へと立ち向かって行った───。

[128 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/17(月) 09:29:53]

というわけでいきなりの安価！黒幕ちゃんの正体が判明したところで彼女の名前を募集！

>>133まででダイス！

[129 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 16:24:53]

リリィ

[130 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 16:58:41]

カタストロフ・エゼキエル

[131 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 22:02:55]

ネフィリム

[132 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 22:16:36]

ナアマ

[133 二次元好きの匿名さん 24/06/17(月) 22:17:40]

プルセイキオ・ルイーナ
プルセイキオは呼び込む、ルイーナはイタリア語で破滅を意味する。

[134 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/17(月) 23:52:38]

遅れてすいません！再開します！！

dice1d5=2 (2)

[135 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/17(月) 23:54:41]

カタストロフ・エゼキエル
カタストロフは破滅、エゼキエルはエゼキエル書の預言者かな？
つまり破滅を告げる者みたいな意味に捉えればいいかな？

[136 130 24/06/18(火) 01:10:28]

だいたいそういう感じなんですけど、カタストロフはまだ良いとして、よく考えたらエゼキエルって男性名だから女性らしさが無いなとなって後悔しています。意味合いだけじゃなくてもう少し女性らしい名前を考えるべきだった。
どうするかはスレ主に委ねます。

[137 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 08:35:07]

保守

[138 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 10:14:55]

｢だあああああああ！！！｣
結界の中をアキレウスの悲鳴が響き渡る。
少女に吹き飛ばされたアキレウスは結界の端、壁へと深深と突き刺さった。
｢───ッ痛えなこんちくしょう！！｣
肉壁から抜け出したアキレウスは自身の状態を確認する。複数の肉壁がクッションになったため致命的なダメージは受けてはいなかった。血まみれになってはいるがそれは壁から付着した血だろう。が、しかし
(…口の中が切れてやがる、アイツ神性を持ち合わせてやがんのか？)
口の端から流れる血を拭いながら自分が飛んできた方向を見る。そこには巨大な穴が通路のごとく空いていたが徐々に埋まりつつあった。
｢はっ！この瞬足のアキレウスを舐めんなよ！｣
槍を消しまるで陸上のクラウチングスタートのような姿勢をとったと思うと次の瞬間、爆風とも思える風が結界内を駈け初めた。
｢待ってろよマスター！すぐに戻っからな！！！｣
流星は自分が作り上げた穴の中を駆ける。そして───
｢見えた！｣
肉壁のトンネルの先、自身が吹き飛ばされた戦場では考えられないことが起きていた。
｢───ッ！？先生！！｣
｢は、はは。遅いですよ、アキレウス…｣
半身が血に濡れ、片腕はまるで重機にでも押しつぶされたかのように原型をとどめず膝を着いている自身の師がいたのだから。
｢───っ！て、んめぇえええええ！！！｣
血が上ってしまったアキレウスは自身の拳で下手人である少女へと殴りかからんとした。
だが──────
｢とどかないわよ｣
自身の振るった拳が片手で抑えられていたからだ。
｢そして、えい｣
握られた拳を凄まじい圧力が襲う。即座に抜かんとしたが万力のように凄まじい力で抜くことが出来なかった。
｢ぐ、ああああああああぁぁぁ！｣
｢うん、いいこえ｣
そう言って少女はアキレウスをケイローンへと手首をつかみ投げつける。
｢ガッ───｣
｢ぐっ…！｣

[139 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 10:17:06]

｢そろそろあきてきたんだけど、なまえもおしえたのにつまんない｣
｢な、まえ───？｣
｢回答：貴方がどこかへ投げられた際にケイローンが問いただしたのです。｣
そう言ってアキレウスにエーテライトが繋がれ、秒で自身が飛ばされた際の出来事が流し込まれた。
｢はああああ！！｣
｢…すごい、わたしのこうげきをここまでながすなんて｣
アキレウスが飛ばされてから少女がケイローンへと攻撃を仕掛けた。しかしケイローンはその攻撃をいなし、躱し、受け流していた。
｢これがパンクラチオンですよ、ふっ！｣
ケイローンの拳が少女の顔へと突き刺さる、だが───
｢…ざんねん｣
その拳を額で受け逆に拳へ甚大なダメージを与えた。少女は手を自身の額に当たっている腕へとのばそうとした。
(不味い───！？！)
本能的にか、それとも今まで英雄の卵に様々な物事を授けた際の経験則か。どちらかは不明瞭だがケイローンの霊基が叫ぶ、腕を話せ───と
即座に腕を引く、少女の手は虚空を掴んだ。それは手を思いっきり握っただけなのに何かが引き寄せられるように感じたのだ。
｢一体何が──────｣
戦いを見守っていたメーティアが声を上げる、それに対しケイローンは冷静に伝える。
｢あれは、手を握った際の風圧です｣
｢───は？｣
そう、彼女は何ら特別なことはしていないただ自身の力で虚空を握りこんだ、それだけだ。
｢は、はは───そんなのありか｣
メーティアは乾いた笑いしか出せなかった、アキレウスの攻撃も通らず、ケイローンでさえ令呪のバックアップがあっても防戦一方。
｢こんなの、勝てるわけがない｣
｢同意：少なくともケイローンだけでは無理です｣
アティスも淡々と同意しながらも冷静に少女へと問いかける
｢質問：貴女の名前はなんでしょう｣
｢なまえ……？｣
｢回答：はい、貴女のことを記録するために必要です｣
｢……まぁいいけど、わたしじしんにこたいめいはない。でもあのおとこはわたしをこうよんでた。｣
───終末の予言、カタストロフ・エゼキエルと
そこからは一方的な暴力がケイローンへと振るわれた。結果として残ったのはボロボロの姿になった自分の師と特にダメージを受けていないエゼキエルであった。

[140 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 18:28:28]

ちょいと早いですが再開します！が、安価とダイス入れる隙あるかこれ……？

[141 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:23:25]

安価、ピックアップ、ダイスこれらをやっても大丈夫だと思いますよ。

[142 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:24:15]

いけると思います
やっちゃってくだされ

[143 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 21:31:20]

「そういう事か」
数秒、その時間で数分間の出来事を理解したアキレウスは立ち上がる。
「なるほどな…助かったぜマスター」
「回答：問題ありません…ｹﾞﾎｯ」
まともに展開すら出来ないエーテライトを強引にアキレウスに接続したのだ、剥き出しの神経を劇薬に浸したような状態になるこの環境では数秒とはいえ凄まじい負荷だろう。
アキレウスが槍を取り出す。その意図に気づいたのかケイローンも立ち上がる。
「やれやれ…人使いが荒いですね…」
そう言って弓を持ち少女へと向ける。
「悪いが諦めは悪いんでね」
「付き合っていただきましょう」
ボロボロのケイローンと先程吹き飛ばしたアキレウスを見て溜息をつき
「…おうじょうぎわのわるい」
そう言って二騎へと殴りかかっていった。

[144 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 21:33:16]

よし、ということでセイバー組が合流するのはどれくらいのタイミングかダイス！

dice1d3=2 (2)

1、即座に 2、ライダーもボロボロ 3、やられかけ

[145 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 21:34:37]

あ、なんかいいとこに落ち着いた。

ついでに安価！見たい場面なんかを>>150まで募集！

[146 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:42:53]

全員揃ったところで一気に決めようとエゼキエルが奥の手の固有結界を展開。大気中のマナが一瞬で枯渇し、魔力と生命力を急速に奪われ逆にエゼキエルの霊基が更に強大になる。

[147 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:47:10]

ケイローンが退去寸前に宝具を解放する

[148 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:51:39]

アーチャーの宝具がきっかけで反転攻勢

[149 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:56:20]

アーチャーとライダーの最後の会話

[150 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 21:56:56]

全員で攻め立てて全員がボロボロの状態になって、やっと「討った！」と思ったらエゼキエルの固有能力発動&本気モードに形態変化

[151 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 22:00:12]

はーい了解です、エゼキエルちゃんの本気…行けるか

[152 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 22:09:43]

確かケイローンの宝具って射手座のある一夜に一射限定の代わりにどんな状態でも魔力を込める必要も弓を構える必要も真名を言う必要も無しに発動出来るんだよね。

[153 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 22:25:41]

肉壁のトンネルを抜け、ミカ達がアキレウス達の戦場へと到達した時、恐ろしい光景が目に入った。
それは、少女が両の手でアキレウスとケイローンを締め上げていたからだ。
｢ｶｯ…ﾊ───｣
｢ｸﾞｯ…ｸｯ…｣
｢つまんない、その程度？｣
即座に状況を理解したアサシンが飛び出しその首を切り飛ばさんとした、が───
｢…まさかぷらくんたおしてくるなんて｣
その黒い刃はエゼキエルの柔らかそうな首に突き立てられたが一筋の傷さえ付けられなかった。
｢───な！？｣
｢じゃま｣
その一言と共にアサシンにアーチャーが叩きつけられ壁へと飛ばされる。
｢うおおおおお！！！｣
｢はああああああ！！！｣
レオニダスと金時が声を上げながら攻勢をかけるも金時はアサシン同様、アキレウスを叩きつけられ飛ばされ、レオニダスの槍に至っては人差し指の腹で止められてしまった。
｢あなたもわたしにはかてない｣
そう言って槍を握り込みレオニダスごと地面に叩きつける。
｢ｶﾞｯﾊ───！？｣
｢ランサー！！？｣
｢まずいねこれは…！｣
そう言ってマーリンが幻術で味方を隠そうと動こうとした瞬間
｢やらせない｣
｢へ…？うおわぁ！？｣
凄まじい旋風がマーリンを上空へと吹き飛ばす。
｢き、キャスター！！｣
｢不味い…！マスターは早く離れて…！｣
｢あなたがいちばんやっかい、ばいばい｣
その言葉を言い放った次の瞬間、セイバーの足元に特大の穴が空いたと思うと凄まじい量の触手…否、神経のような物が絡め取り大穴へと引きずり込んだ。
｢ッ！？セイバー！！！！｣
ミカの叫びが木霊する、セイバーを引きずり込んだ大穴は即座に閉じ、何も無かったかのような風体へと戻ってしまった。

[154 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 23:07:56]

｢嘘だろ…！｣
｢驚愕：有り得ません…ここまでの実力差だなんて…！｣
ミカとアティスは驚愕する、ここまで何もさせないのかと
他のマスター達は戦況が不利であるとみて即座に陣形を組み戦えないものを守ろうと立つ。サーヴァント達もボロボロになりながらも戦わんと意志を見せる。
｢まだ、やるんだ｣
｢悪いが…この程度で諦めるようなら英霊をやってねぇんだ…！｣
｢よく言いました…！｣
最も重傷なケイローンも立ち上がり無事な手で弓を構え矢を口で番え放った。その一撃は想定していなかったのかエゼキエルの頬に赤い一筋の傷をつける。
｢いたっ…｣
｢攻撃が通っただと…？｣
メーティアは疑問符をうかべる、今までアキレウスの槍でさえ攻撃が通ってはいなかったのだ。そしてアーチャーは力を使い切ったのか膝を着く。
｢やはり…神性を乗せた矢は通りますか…アキレウス、バーサーカー。貴方達が要です、頼みましたよ…｣
｢ッ！先生！！｣
｢前を向きなさい…｣
その言葉と共にアーチャーは倒れ伏す。トドメを刺さんと少女が真空の爪のようなものを放つがそれらは全て耀星のハサンとレオニダス、金時よってに防がれた。
｢悪いがあいつらは倒させない｣
｢彼らを倒したくば我々の守りを超えてみなさい！｣
｢今際の際の別れを邪魔させる訳にはいかねぇ！｣
｢…うざいなぁ｣
一方、アキレウスとケイローンはと言うと
｢先生！まだ倒れないでください！！｣
｢…聞こえて、ますよ。安心…なさい、まだ、体は持ちます…｣
｢なら…！｣
｢アキレウス、耳をこちらに。──────｣
｢ッ！？…わかりました、任せてください｣
｢頼み…ましたよ｣
そう言ってケイローンは地面に身を任せる。アキレウスは槍を構え自身のスキルである神性より得られる神気を槍に纏わせながら突撃していった

[155 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 23:24:41]

というわけで今日はここまで、サムレムのDLCがワシを待ってるんじゃぁ…

[156 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 23:28:30]

乙です。
固有結界は出しませんでしたか。手に余るからでしょうか？

[157 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/18(火) 23:31:21]

>>156

ご安心ください、まだまだ続きます！

[158 二次元好きの匿名さん 24/06/18(火) 23:37:51]

>>157

おお、楽しみに待ってます。

[159 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 00:01:49]

サムレム楽しみすぎて日にち間違えた…20日だった…
仕方なし、続き書こう

[160 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 01:02:58]

｢ゴオオオオルデン！！！｣
｢ッ…｣
金時が神気を纏った雷を放つ斧をエゼキエルへと振り下ろす。彼女は受け止めるのではなくバックステップで回避し、距離をとる。地面に振り下ろされた瞬間を狙い攻撃を仕掛けようとするが。
｢目眩し程度にはなるだろう｣
死角から耀星のハサンの放つダークが視界を遮り邪魔をする。幾らダメージにならないとはいえ目に異物が入りそうになれば反射で目を閉じてしまう。そしてその隙を逃すような坂田金時では無い。
｢おらああああ！｣
｢ぐっ…｣
斧の背をエゼキエルに強引に叩きつける。その一撃は嫌な音を響かせエゼキエルを吹き飛ばす。そこに追撃するかのごとく凄まじい速度で突撃してきたアキレウスが突きを放つ。
｢はああああああ！！！｣
｢…あぶない｣
エゼキエルがそういうとアキレウスの側面に向かい凄まじい勢いで見えない壁のようなものがぶつかりアキレウスを吹き飛ばす。
｢ッチ！またか！！！｣
｢…いまのあなたは、きけん｣
そう言いながらエゼキエルは一撃を受けた自身の腕を強引に抑え凄まじい音を響かせながら急速に治癒させた。
｢そんなのありかよ…｣
｢ん、なおった｣
そうして調子を確かめるかのように両の手の爪をたて、何度も振り回す。1度振られる度に凄まじい旋風と見えない爪の斬撃が放たれた。
｢しまっ───｣
｢『炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)』！！｣
即座にランサーがカバーリングに入り、宝具を持ってその攻撃を防ぐ。しかしひとつ、またひとつと凄まじい勢いで顕現したスパルタ兵の盾が打ち破られていく。
｢ぬ、おおおオオオオ！！スパルタアアアアアアア！！！｣
｢…じゃまくさい｣
レオニダスの宝具により勢いが減衰した攻撃を目くらましに上と左右から攻撃がくわえられる。
｢『夢想躯体(ザバーニーヤ)』！｣
｢『黄金衝撃(ゴールデンスパーク)』！！！｣
｢おらああああ！！！｣
上からは金時が雷鳴をまといながら、左右から青と緑の流星が命を刈り取らんと攻撃を叩きつけてくる。
｢…｣

[161 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 01:03:11]

即座に状況を理解したエゼキエルは両の手でを身を守り攻撃をその身に受けた。それと同時に暴風と爪は収まり土煙…否えぐれた地面の肉から吹きでた血煙が収まる、構えていたレオニダスの盾は残り数枚程度といった具合で相当ギリギリであったようだ。
｢…ｺﾌｯ｣
エゼキエルの体は金時の斧により斜めに大きな傷と雷による焼けた跡を刻まれ、アキレウスの槍により脇腹を貫通し大きな穴が空いていた。
アキレウスが槍を引き抜くと彼女は大の字にその場に倒れる。口からは血を吐き出し、脇腹の傷からは血が流れ、全面の傷は温度が高いのかプスプスと煙を上げている。
｢…これは長くないな｣
ハサンの言葉は真実であり、ここまでの傷を受けて生きていられるわけが無いのだ。
──────だが彼女は人では無い。
大怪我を負ったエゼキエルはゆっくりとその手を持ち上げる。
｢っ！？アキレウス！トドメを！！！｣
即座に驚異に気づいたケイローンは声を張り上げる、それに気づいたアキレウスと金時が首を断とうとすると。
｢空想…開始…｣
今まで舌足らずであったはずの言葉が流暢に紡がれる。そして次の瞬間、世界が反転した───。

[162 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 01:09:30]

空想具現化の方でしたか

[163 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 01:22:54]

そこは黒と白のみで形取られた世界、無限に広がる白い大地と反転した星々が移る黒い空、そして浮かぶのは真紅の月。

｢これは…固有結界───？｣

アーサーとマーリンを除くものたちが飲み込まれたのはカタストロフ・エゼキエルによって形取られた異界であった。

｢───なんだ…これ…｣

異常に即座に気づいたのはミカと律希、それもそうだろう。2人はこの中で最も魔力が低いのだから

｢…はぁ、ようやく本気を出せる｣

エゼキエルが倒れていた場所から黒のドレスを身に纏った女性が立ち上がる。その姿はまるで死の女神とでも言うべきか、美しさとおぞましさが両立したものであった。

｢て、めぇ…何…しやがった…｣

そして影響は二人だけではなく他のマスターにも伝播する。倒れ伏しながらもオリバーは威勢よくエゼキエルへと問いただす。

｢残念だけどこれは固有結界じゃないり空想具現化、妖精領域、似た様なものはあるけれどこれはシンプル。結界内の世界を組み替えたのよ｣

世界を組み替える、簡単に言うがそんなことが出来るものなんてほとんど存在しない。強いて言えば真祖と呼ばれるものたちが出来るぐらい所だろう。

｢この領域の効果は至って簡単。この中にいるものの命は吸われ、私に還元される。それだけよ｣

｢ふざけ…！？｣

アキレウスが食ってかかろうとするが力が入らず膝を着く。

｢アッハッハ！やっぱり魔力がなければな〜ンにも出来ないのね！なっさけなぁい！！｣

｢随分とお喋りになったな…！｣

耀星のハサンが悪態を着く、それを聞いた瞬間青筋を立てたエゼキエルが瞬時にハサンの元に立ちその顔に鋭いハイヒールでの蹴りを入れる。その衝撃により彼の顔をおおっていた面が割れる。

｢ﾌﾞｯ…！？｣

｢黙ってろ虫ケラ、あんたに喋る権利は無い｣

そう言ってハサンの手をハイヒールの踵で踏みつける。

｢さぁて、後はどうしようかしら…そうだ！いいことを思いついたわ！｣

というわけで安価、エゼキエルちゃん、何をしようとしている？>>168まででダイス

[164 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 08:27:20]

一人一人ゆっくりと四肢をもぐ

[165 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 08:29:13]

サーヴァントから順に一人ずつビーストの口に放り込む。

[166 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 13:05:01]

サーヴァントを行動不能にしてから目の前でマスターをゆっくり拷問して○す
サーヴァントは食べる

[167 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 18:26:05]

悪夢やトラウマになった記憶を見せて心を折ってからビーストの餌にする

[168 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 21:03:29]

抵抗出来ないようにサーヴァントの四肢を潰し、マスター達から令呪を奪ってからビーストでゆっくり溶かす。四肢を潰しても抵抗しようとするサーヴァントは令呪で黙らせる。

[169 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 23:09:23]

dice1d5=2 (2)

[170 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 23:11:17]

読み返して違和感の正体が分かった
アストルフォどこいった？

[171 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 23:31:49]

くすくすと笑いながら口元に手を当て、恐ろしいことを口走った。
｢そうだ、動けないあなたたちをゆっくりと獣に食べさせましょう。生きたままじっくりと獣に消化されながら苦悶の声を上げるのを聞きながら獣の成長を待つ…いいわ！最高！！！｣
そう言って倒れるサーヴァント達を数える。
｢ひーふーみーよー…あら？確かサーヴァントは八騎よね？｣
そう言って再び倒れているサーヴァント達を数える。
アキレウス、レオニダス、ハサン・サッバーハ、ケイローン、坂田金時…
｢…キャスターとセイバーはこの異界の外にいる、あの部外者のサーヴァントはどこに行った！？｣
エゼキエルが声を上げる、その声は白い世界を震撼させた。

一方その頃、結界の外では
｢いやぁ…参ったな、ここまで強固な外殻だなんて思いもしなかった…｣
吹き飛ばされたマーリンが異界の外から観察をしていた。
｢もー、感謝してよね。ボクが君を迎えに行かなかったら危なかったんだから！｣
マーリンが無事に着地できた理由、それはアストルフォにあった。上空にマーリンが飛ばされた瞬間、ヒポグリフに跨り彼を受け止めに動いたのだ。不幸中の幸いか、距離を取ることが出来たためエゼキエルの異界に呑まれることは無かったのだ。
｢わかっているさ、しかしどうすれば入ることが出来るか…｣
｢うーん…確か今日は新月だよね？｣
そう言ってアストルフォは胸元から1冊の魔導書を取り出す。
｢これ、使えないかな？｣
｢それは…宝具かい？｣
｢そ、『破却宣言(キャッサー・デ・ロジェスティラ)』。これ使えば大抵の魔術を無効化できるよ｣
その言葉を聞いたマーリンはアストルフォの宝具を手に持ち、観察する。そして何かを思いついたのか手を叩く
｢…これは使える！アストルフォ、僕の言う通りに動けるかい！？｣
｢OK！任せて！｣
そうして結界の外で二騎が現状を打破するために動き出した。

[172 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/19(水) 23:37:28]

異界の中、エゼキエルは考える。想定外が乱入してきて想定外の事態になっているのだから。

｢…ま、考えるだけ無駄ね。とりあえずどいつから餌にしましょうか｣

そう言って少女はゆっくり指を指す。そして───

｢決めたわ、貴方にしましょう｣

そして指が指されたのはdice1d5=4 (4)

であった。

>>171に記載の順番、左から1

[173 二次元好きの匿名さん 24/06/19(水) 23:58:18]

空想具現化は魔術による自然干渉とは違い、純粋な自然現象、故にエゼキエルの異界は破却宣言では無効化出来る代物ではない。どうするのだろうか？

[174 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/20(木) 00:37:39]

そうしてエゼキエルの白い指が指したのは血濡れ！倒れ伏すケイローンであった。
｢散々人の顔面を殴ってくれたんだもの、痛くなかったとはいえ不快だったわァ…｣
そう言ってゆっくりとハイヒールの音を鳴らしながらケイローンへと向かう。しかし、途中でその細い足首を掴まれる。足元を見やると
｢───待てよ…｣
唸るように声を出したのはアキレウスであった。既に魔力と体力はまともに戦えないほど消耗している、それでも自身の師を守らんと足を掴んだのだ。
｢先生に…手ぇ…出すんじゃねぇ…！｣
｢へぇ〜…美しき師弟愛ってやつ？｣
そう言って足首の手を強引に振り解きアキレウスの手の甲にハイヒールを突き立てる
｢ｶﾞｯ───｣
｢ここの支配者は私、私の決定に逆らうんじゃない｣
そう言って執拗にアキレウスの手の甲を踏みつけるエゼキエル。
｢だっさ…ガキね…｣
｢そこのお前、今なんて言った…？｣
アキレウスの手を踏みつけながらも声を上げたマスター、サーラを睨みつけるエゼキエル。しかしサーラは怯まずに言い放った。
｢癇癪のおこし方がダサイって言ってんのよ…！｣
｢そうか、そんなに死にたいのね…！｣
そう言ってアキレウスの手の甲から足を引き抜き進路をサーラへと変更する。
｢決めた、アンタはゆっくり時間をかけて消化してやる…！｣
そう言言いながらケイローンから視線を逸らす、───逸らしてしまった。故に、初動に致命的な隙を産んでしまったのだ。

[175 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/20(木) 00:37:51]

｢令呪を持って命ず…！｣
その声は、サーラではなくメーティアの放った声であった。
｢ッ！？何を───！｣
｢宝具を開帳しろ！！！アーチャー！！！｣
そしてエゼキエルがアーチャーの方を向いた瞬間、上空より不可避の一射が降り注ぐ。
『天蠍一射(アンタレス・スナイプ)』
それは、ケイローンの宝具であり一夜に一度しか使えぬ切り札。蠍座を常に狙い続ける星座から降り注ぐ一矢は何人も避けられない。
｢───！！？｣
そしてその一撃は───
エゼキエルには当たらず、ただ穴を地面に開けるだけであった。
｢は、はは！はははは！！しくじったな！！急所に当てられば私に一矢報いることが出来ただろうに！！ははははは！！！｣
宝具を、しかも完璧に不意を着いた一撃を外したという事実に笑いが止まらないエゼキエル。
しかし、ケイローンの目は悔やんだ様子もなく、ただ何かを待つようなものであった。
｢…なにその目、絶望したものじゃ無い｣
｢ええ───狙い通りです｣
そしてエゼキエルは気づく、この一矢は何処から放たれたものなのかを───
｢まさか！？｣
上を見上げる、そこには星々が浮かぶ黒い夜空にひとつの赤い点が出来ていた。

[176 二次元好きの匿名さん 24/06/20(木) 02:36:31]

>>146の通りに大気中のマナも枯渇してたら、イドの藤丸がいない時のカリオストロ戦を見る限り推測だが、大気中のマナが奪われたら莫大な魔力のバックアップが無い限り宝具の真名解放が出来ないだろう。加えて自身からも魔力と生命力を奪われており、令呪のバックアップで真名解放出来ても本来の威力とは程遠いだろうが、ケイローンの宝具は自身が魔力を込める必要がないから異界の影響を受けずにしっかりと威力を発揮出来たのだろう。宝具をエゼキエルに当てても奪われた魔力がエゼキエルに還元される限りいずれ修復されると考えて侵入させる為の穴を空けたんだろう。穴が空いた一瞬の間にアーサーとマーリンが異界に入れたとしてもすぐに穴は塞がれる上にマーリンは異界を覆す方法を持っているが発動する為の魔力が異界の影響で奪われるから発動出来ないだろう。さて、どうなる事やら(対処法は思いついたけど、ネタバレになるかもしれんから控えます)

[177 二次元好きの匿名さん 24/06/20(木) 07:50:46]

ほしゅ

[178 二次元好きの匿名さん 24/06/20(木) 18:25:20]

夕保守

[179 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/20(木) 23:07:27]

本日サムレムで忙しいので更新無しです！すみません！！

[180 二次元好きの匿名さん 24/06/20(木) 23:11:14]

まぁ、想定はしていたんで大丈夫です。サムレム頑張ってください

[181 二次元好きの匿名さん 24/06/21(金) 08:42:34]

保守

[183 ◆p7tGWirjNSb. 24/06/21(金) 10:48:17]

異界の外───
「マーリン！綻びが出来たよ！！」
それはヒポグリフに二人で乗りながら揺籃の上部で待機していたアストルフォの言葉であった。
【よし！打ち合わせ通り頼むよ！】
「アイアイ！さぁ道を示せ！『破却宣言(キャッサー・デ・ロジェスティラ)！！』」
上空にてアストルフォは自身の宝具を開放する。それは凡ゆる魔術を打破する可能性を引き出す魔導書。 新月でなければ使うことが出来ないピーキーな宝具だ。
そしてこれ自体では異界を打ち消すことは不可能、何故ならば異界を構成しているのは魔術では無く、純然たる自然現象。これを打破するのは不可能───
故に、マーリン達が行ったのは中では無く外への干渉。即ち、揺籃の操作権の奪取。
「頁が出たよ！！」
「良し！さぁ、揺籃を渡してもらおう」
魔術書と地面に刻まれた術式が呼応するように凄まじい光を放つ
そして、禍々しい様相であった揺籃の光景が花の咲き乱れる花畑となる。
「！？一体何が！？」
「話は後！！マーリン！！」
大地に飲み込まれたアーサーが花畑の上に現れ、混乱したままアストルフォがマーリンを降ろし変わりにアーサーをヒポグリフの背に乗せる。
「ここから───！」
そしてマーリンは自身の宝具とこの結界を組み合わせある魔術を発動する。
それは、世界を裏返す神域の技。人ではなく悪魔の持つ異界常識。"魔術理論・世界卵"
世界の外と内を入れ替える大魔術、現在は得意な環境であったからこそ発動できた。
発動した次の瞬間、マーリンやアストルフォ、アーサーは光に飲み込まれた。