世界一可愛い君へ

  • 1二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:15:00

    ※親愛度10前提
    藤田ことねと学Pによるハートフルコメディの予定です

  • 2二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:15:24

    俺の担当アイドルは可愛い。

    初星学園で一番。

    ……いや……世界一…………

    もしかすると宇宙一……

    彼女の名前は藤田ことね。

    金を稼ぐことが好きで

    高い潜在能力を持ちながら、それを発揮できずにいた女の子。

    俺はそんな彼女とプロデュース契約を結んだ。

    そしてこの度、最終試験に1位で合格し、定期公演『初』のステージに立った。 

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:15:45

    それに伴って彼女の名前、顔、そして魅力。

    それらは学園内外に大きく知れ渡ることとなった。

    これからはアイドルらしい仕事も山程オファーがくるだろう。

    彼女の夢──

    『世界一のアイドル』

    『超大金持ち』

    夢があるんだかないんだか。

    その夢にも大きく近づけるはずだ。

  • 4二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:16:08

    全てが順風満帆……かのように思えた。

    一つだけ……そう、一つだけ問題が。

     「ぷろでゅ〜さぁ〜♡ お疲れ様でぇ〜す♡」

    「お疲れ様です。藤田さん」

    「それで話というのは?」

     「はい。ことねちゃん特製弁当です!」

    「弁当……ですか?」

     「もしかしてもうお昼食べちゃってました?」

    「いえ、まだです。 ありがたくいただきます」

     「大好きな担当アイドルの手作り弁当が食べられるなんて幸せ者ですネ♪」

    「えぇ本当に。プロデューサー冥利に尽きますね」

  • 5二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:30:26

    お分かりいただけただろうか。

    今俺達が抱えている問題……それは……

    ──藤田さんが俺を好き過ぎることだ。

    自惚れではなく。

    彼女は俺を好き過ぎる。

    無論悪い気はしない。

    前述したように藤田さんは可愛い。

    俺は藤田ことねの一番のファンであり、そもそも魅力を感じていなければプロデュースなんてしていない。

    しかし、あの距離感はいけない。

  • 6二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:30:54

    午後の授業を終えて待ち合わせの場所へ。

    ほどなくして藤田さんはヒョッコリ現れ、こう言った。

     「プロデューサー♪ お弁当、美味しかったですか? また作ってあげますね♪」

    周囲のアイドル科の生徒達が一斉にこちらに注目する。

     「何か嫌いなものってあります?」

    「……藤田さん、気持ちはありがたいですが俺の分まで作って貰わなくても大丈夫です」

    「弁当代も受け取っていただいてませんし」

     「大丈夫ですよぉ〜 2人分も3人分も変わりませんし、取れる所からお金は取ってますから!」

    「はぁ……よく分かりませんが、嫌いなものはありません」

    「それと、あまりこういった話を大声でするのは……」

     「えぇ〜? ウチの生徒しかいないのに、何か問題ありますか?」

    …………大アリだ。

  • 7二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:31:28

    こんな感じで数日掛けて少しずつやっていきます
    よろしくお願いします

  • 8二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 22:39:30

  • 9二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:01:48

    即死回避するぞするぞするぞ

  • 10二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 23:11:50

    保守
    弁当代の出所は…まあ、過ぎたことはいいよ

  • 11二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 06:29:33

    >>10

    他者のためにそれ使われてるの初めて見た

  • 12二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 06:35:09

    やっぱりこの学園てアイドルの恋愛容認されてるよねw
    ファンも知った上で応援してそう

  • 13二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 16:57:39

    世界一保守

  • 14二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 18:38:24

    仲夏藤田ことねSP

  • 15二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:24:26

    この初星学園に於いて恋愛禁止といった規則は存在しない。

    当然節度を守った健全な男女交際であることが前提ではあるが、恋愛そのものを咎められることはないだろう。

    ──だが、それは一部の例外を除けばの話。

    これは入学前のオリエンテーションでプロデューサー科の上級生からキャンパス内を案内してもらった時のことだ。

     「それで、ここが相談室。プロデュース方針とかで迷ったら中の先生に相談してみるといいよ」

     「大体めぼしいところは説明したかな……何か聞きたいことは?」

    「先程のガイダンスで気になったのですが、プロデュース契約というのは入学式の日から結んでも問題ありませんか?」

     「あぁ、うん。早い人はこの春休みの内からスカウトして回ってるらしいよ」

    「なるほど。いいことを聞きました」 

  • 16二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:24:50

     「そうそう、プロデュース契約といえば気をつけた方がいいよ」

    「何がですか?」

     「担当アイドルとの関係」

     「あまり仲良くなり過ぎるとね、大変だから」

    「どういうことでしょうか」

     「例えば担当アイドルと一緒に過ごしている内に、そういう関係になったとする」

     「それが学校にバレたらどうなると思う?」

    「まさか退学処分とか」

     「ははっ、そこまではしないよ」

     「流石に今はもうそういう時代じゃない」

     「ああ……いや、場合によってはもっとキツいかもな」

  • 17二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:25:20

     「干されるんだよ。卒業してからも。ずっと」

     「僕らプロデューサー科の学生は卒業したら、その多くは100プロの所属になるわけだけど」

     「担当アイドルに手を出すようなプロデューサーにはまともな仕事はまず回ってこない」

     「耐えかねて他所の事務所に移っても無駄さ。悪い噂はすぐに広まる業界だ。どこも使ってくれやしない」

    「それは……プロデューサーを志す人間にとっては致命的ですね」

     「担当アイドルに手を出すプロデューサーなんてリスクしかない。それも無理ないけどね」

  • 18二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:25:40

     「まぁでも、プロデュース戦略において疑似恋愛は有効的だよ」

    「疑似恋愛……というと?」

     「こっちから手を出すのはマズいけどね、アイドル側から惚れられる分には問題ない」

     「年頃の女の子だからね。色々と扱いに困ることも多いんだ」

     「でも上手く騙したり上手いこと言ってこっちに惚れさせてしまえばいいんだ」

     「そうすればメンタルも安定するし、いくらか素直に言うことも聞いてくれる」

    「……あまり好きなやり方ではありません」

     「まぁ、一度試してごらんなね」

  • 19二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:29:13

    ……なんて話をしたのを覚えている。

    例えばプロデューサー科の学生が同じプロデューサー科、あるいは普通科の学生と交際するのは問題ない。

    しかし、相手がアイドル科の生徒となると話は違う。

    プロデューサー科がアイドル科に手を出して、それが公になれば、その時点でプロデューサーとしての道は閉ざされてしまう。

    つまり、俺の夢も叶わぬものとなってしまう。

    そうなっては本当に困る。

    だから周囲の誤解を招くような言動は……

      「ねぇあれ、ことねちゃんのプロデューサーさんじゃない……?」

      「あれが噂の……ことねちゃんが好き過ぎて所構わずことねちゃんの可愛さを布教してくるんでしょう? ことねちゃんが言ってた……」

      「きゃっ!こっち見た! 藤田ことねちゃん教に入れられちゃう! 行きましょ!」

    「…………はぁ?」

    「藤田さん。俺のことをどういう……」

     「…………てへ♪」

  • 20二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 23:44:23

    何をしてくれたんだ、と思う。

    けれど結局のところ怒る気も失せてしまう。

    藤田さんは可愛い。

    誤魔化す顔も可愛い。

    だから困るんだ。

    俺は藤田さんを強く叱れないし

    俺は藤田さんを拒めない。

     「それより! ぷろでゅ〜さぁ〜! レッスン行きましょう!」

    「はい。今日はダンスレッスンです。得意分野はどんどん伸ばしていきましょう」

    だって彼女は

    世界一可愛いのだから。

  • 21二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 06:57:46

    学Pは藤田ことねちゃん教の教祖だからね

  • 22二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 10:46:20

    学Pにわるい虫がつかないように先手打ってるのか?

  • 23二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 17:20:18

    期待している

  • 24二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 22:58:28

    【それゆけ!ことねちゃん①】

     「あっプロデューサー! おつかれさまでぇ〜す!」

    「…………」

     「ちょっ、なんで無視するんですか〜!」

    「……失礼。あまりの可愛さに放心していました」

    「その傍から『ヒョコッ』と現れる登場の仕方、もう一度やって貰っても?」

     「えぇ〜? こうですかぁ?」

    「最高。 よっ、世界一!」

    「もう一度お願いします」

     「えへへ〜プロデューサーあたしのことしゅきしゅぎ〜〜〜〜! ヒクぅ〜〜〜〜!」

      「うわっ……何あれ……」

      「しっ……藤田ことねちゃん教の活動よ……」

  • 25二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 22:58:55

    【それゆけ!ことねちゃん②】

    「ふぃ〜 ただいま〜っと」

     「ことねちゃん。遅くまでお疲れ様」

    「莉波先輩。 おつかれさまっす!」

    「あれ……何読んでるんですかぁー?」

     「これ? 少女漫画だよ」

     「今流行ってる作品なんだけど、すっごく素敵なの」

    「へぇー……どれどれ」

    「……莉波先輩、こういう男の人が好みなんですか?」

     「ち、違うよー! ただお話が素敵だなって」

  • 26二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 22:59:39

    「ええと……恵まれない境遇でめげずに頑張る主人公の美少女と手を差し伸べる毒舌イケメン王子……」


    「んん?」

    「夢を叶える為に二人三脚……次第に目覚める恋心……現代版シンデレラストーリー……」

    「…………これって」

    「あたしだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

     「ええっ!? 急にどうしたの!?」

    「(かんっぜんに! 今のあたしとプロデューサーじゃん!!)」

    「(特にヒロインが実は超々々々可愛いところとか!)」

    「(うひゃ〜参ったナ……意識しちゃいそ〜)」

    「(あれ……でも、もしかして……)」

    「(この漫画の真似すれば、プロデューサーをドキドキさせられる……?)」

    「よぉ〜し! 見てろよプロデューサー!」

     「ことねちゃん……?」

  • 27二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 23:00:27

    「(へへ……いたいた……)」

     「おや、藤田さん」

    「プロデューサー……いや、王子様!」

     「は?」

    「あたし、スポットライトは要りません」

    「どんなに暗くても、貴方があたしを照らしてくれるから──」

     「…………」

    「(決まった……チラッ)」

     「歯の浮くような台詞。ここは舞踏会ですか? お姫様」

    「(は!? な、なんかムカつくぅぅぅぅ!!)」

     「……表現力はまだ磨く必要がありそうですね。いくらなんでも唐突過ぎます」

    「少しはドキドキしてくださいよぉー!」

     「藤田さんはいつも通りが一番可愛いですよ」 

  • 28二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 23:06:35

    自分のかわいさを自覚してる藤田さん好き

  • 29二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 07:15:50

    ことーねいつもありがとう

  • 30二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:43:02

    ことね

  • 31二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 21:32:11

    【それゆけ!ことねちゃん③】

     「ねー藤田ちゃーん」

    「ん? なにー?」

     「普通科で噂になってるんだけどさ、プロデューサー科の人と付き合ってるって本当?」

    「ん"ん"っ!? えっ、ウソ、そう見える?」

     「なんかみんな言ってるよ、あの距離感で付き合ってない方がおかしいって」

    「えー……マジか」

    「いやぁー……プロデューサーがあたしのことマジ好き過ぎるからなぁー」

    「えへへ……そう見えるんだぁー」

     「(いや……むしろ藤田ちゃんの好き好きオーラが凄いってみんな言ってるけど……まぁいいか)」

  • 32二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 21:32:34

     「へぇ……まだ付き合ってるわけじゃないんだ」

     「じゃあさ、もし先輩に告られたら……ぶっちゃけどう?」

    「う〜ん……」

    「あたしは…………付き合うとかはいいかな……」

     「えーそうなんだ。なんか意外かも」

    「あ……ほら、アイドルだから」

    「『今はファンのみんなが恋人だよ〜♡』……みたいな」

     「あ〜そっか……難しいね」

    「…………」

    「…………あたしは……」

  • 33二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 21:37:56

    アイマスの世界はアイドルの恋愛に滅茶苦茶ガバガバだけどな

  • 34二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:28:07

     「デートしましょう! プロデューサー!」

    あの日、ファーストライブの日。

    超満員のステージで見事にライブを成功させた後、藤田さんはそう言った。

    仄かに肩を震わせ、赤らめた顔で、照れを隠すようにそう言った。

    普段はちょっとしたことで「ぷろでゅ〜さぁ〜! しゅき〜〜〜〜!」なんて言ってくるくせに。

    そう思うとなんだか少し可笑しいけれど

    頑張った俺へのご褒美だなんて言うけれど

    きっとたくさんの勇気を振り絞って誘ってくれたのだろう。

    だから俺も応える。

    可愛くて愛おしい。 そんな俺の担当アイドルに。

    「──喜んで」

  • 35二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:28:34

    俺の担当アイドルは可愛い。

初星学園で一番。

……いや……世界一…………

もしかすると宇宙一……

     「ん〜っ、絶好のデート日和ですねっ!」

     「さぁっ、行きましょ〜♪」

    一挙手一投足が可愛くて。

    コロコロ変わる表情が可愛くて。

     「うえぇ〜〜……気持ち悪いぃ〜〜〜〜〜」

    油断をすると出てくる素の、少し口の悪いところが可愛くて。

     「えぇ〜? 彼氏とデート中〜♡ ほんとだってぇ、マジマジ〜♪」

    たまに少しドキッとさせられる。

    揶揄われるのが癪なので、絶対に悟らせはしないけど。

  • 36二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:29:20

    藤田ことねは可愛い。

    世界で一番可愛い。

    努力家で家族想い。

    まだ少し自分に自信が足りなくて、けれど逆境に負けない強さを持った女の子。

    俺は藤田ことねの力になりたい。

    藤田さんには才能があって……

    俺の夢を叶えるのにはきっとこれ以上ないパートナーで。

    けれど、彼女に抱く感情はきっとそういうことではないんだろう。

    例え藤田ことねに才能がなかったとしても。

    俺はきっと──


     「…………ねぇ、プロデューサー」

     「ちょっとだけ、あたしの話、してもいいです?」 

  • 37二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 07:15:32

    ハートフルボッコ

  • 38二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 15:46:29

    藤田

  • 39124/06/13(木) 18:46:34

    今日の更新はお休みします

  • 40二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:40:43

    期待

  • 41二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 07:38:16

    世界一?

  • 42二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 12:32:18

    かわいい!

  • 43二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:27:27

    藤田ことねは語る。

    彼女の家庭の事情。

    お金に執着する理由。

    そして──

    彼女の背負う罪を。

    無論プロデューサーとして、彼女の家庭環境についてある程度調べたことはある。

    全てではないが、断片的には知っていた。

    けれどそれでも彼女自身の言葉で聞くのとでは重みが違う。

    彼女の抱える問題は、中高生の少女1人が背負うには、あまりにも重い。

  • 44二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:27:51

    藤田さんは言った。

    「親の足を引っ張った」

    「家族の期待を裏切った」

    「あたしのせいでお父さんは……」

    ……違うよ。

    ……そうじゃない。

    ……君は悪くない。

    そう言ってあげられたら、どんなに良かっただろう。

    そう言ってしまえたら、どんなに楽だろう。

    俺は何も言えなかった。

    無責任に彼女の罪を否定することはできない。

    だから、ただ静かに彼女の告白に耳を傾けることしかできなかった。 

  • 45二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:28:13

     「全部、全部、プロデューサーのおかげなんです」

     「どうやって恩を返せばいいか…………わかんないですよぉ」

    藤田さんは目に涙を浮かべて、感謝の言葉を述べる。

    ……アイドルになれたのは君の実力だ。

    藤田さんの努力の結果で、俺はただ手助けをしただけで。

    それでも俺のおかげだと言ってくれるのなら。

    「トップアイドルになってください」

    「夢を叶えて、大金持ちに成り上がってください」

    ──俺がきっと、絶対に連れて行ってみせるから。 

  • 46二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 09:02:34

    世界一幸せにしたい

  • 47二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 11:05:07

    【それゆけ!ことねちゃん④】

     「はいはい。じゃあ週末には帰るから。他のちびどもにもよろしく〜」

     「ふぅ〜……あ、すみませんプロデューサー。一緒のおでかけ中に電話出ちゃって」

    「構いませんよ。妹さんですか」

     「そ〜なんです。もぉ〜やかましくて」

     「家事とか手伝わないとお母さんも大変だし」

     「というわけで今週末は実家に帰りますネ」

    「ふむ……」

     「どうしました? あれ〜、もしかして……」

     「大好きなあたしに会えなくてぇ、寂しいなぁとか思っちゃったり?」

    「いえ、それはいいのですが、迷惑でなければ俺もご実家まで着いて行っても?」

     「即答ひどっ!? まぁ分かってましたけど……って」

     「えぇっ!? 一緒に実家って……」

     「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」 

  • 48二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 13:18:43

    藤田……

  • 49二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 23:21:59

  • 50二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 10:48:20

    遊園地デートの時、ちびどもに彼氏と言ったせいでPと一緒に実家に帰る=彼氏を実家に連れてくると噂になっていることをことねはまだ知らない

  • 51二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 22:08:48

    そして週末。

    予定通り俺は藤田さんの帰省に同行することに。

    待ち合わせ場所の女子寮前に向かうと、彼女は既にそこにいた。

    「すみません。待たせてしまいましたか」

     「い、いえ……」

    藤田さんの様子がおかしい。

    俺の顔を見ずに俯いたままでいる。

    「どうしました? 調子が悪い様でしたら今日のところは中止して部屋で安静に……」

     「いえ!藤田ことね絶好調です!」

    「顔が赤いようですが。熱でもあるのでは?」

     「いいから! ほら、電車の時間もあるしさっさと行きましょ!」

     「(うわぁ〜顔赤いのバレてる! 恥っず……)」

  • 52二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 22:09:22

     「ところで何であたしの実家に来たいんですか?」

    電車に乗って移動する最中、藤田さんが尋ねてきた。

    「あぁ、一度ご家族にご挨拶したいと思いまして」

     「へぇーあたしの家族に挨拶……」

     「(ってまだ早いって!!)」

     「(そりゃいつかは……とか考えてたけど、普通もうちょっと段階踏んでからだってぇ〜!)」

     「(いくらあたしのこと好き過ぎるからって気が早過ぎ〜〜〜〜!!)」

    何やら悶えている。やはり具合が悪いのだろうか。

    「どうしました?」

     「いや……愛され過ぎるのも楽じゃないなって」

    「はぁ?」

  • 53二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 00:52:17

    「まだ」早い

  • 54二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 06:30:12

     「あの……もう着きますけど」

     「本当にボロっちい家なんで、びっくりしないでくださいね?」

     もちろん藤田さんの家の外観は既に調査済みなのだが何も言わないでおいた。

     「着きました。ここがあたしの家です」

    家の前では一人の小さな男の子が遊んでいた。

      「あっ! 姉ちゃん!」

    本当に藤田さんのことが好きなんだろう。

    男の子は目を輝かせてこちらに駆け寄ってきた。

      「おかえり! ……あ……」

    どうやら隣を歩く俺に気がついたらしい。

    すると……

      「姉ちゃんがカレシつれてきたぁぁぁぁぁぁ!!」

    そう叫びながら家の中へ駆けて行った。

    横を見ると、藤田さんが頭を抱えている。 

  • 55二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 17:42:42

    デート中の電話で彼氏がいると言っちゃったから

  • 56二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 23:49:56

     「あ……あはは……何言ってんでしょーねー」

    藤田さんが電話で『彼氏とデート中〜♡』とか言うからでは?

    そう思ったが、心の中にしまっておこう。

     「ほら、入りましょ。プロデューサー」

     「ただいま〜! 元気してたかちびども〜!」

    「はぁ。お邪魔しま……」

    玄関の扉を開けると、待ち構えていたのは小さな子ども達。

    この子達が藤田さんの言う『ちびども』なのだろう。

    どの子も藤田さんにどことなく似ていて可愛らしい。

  • 57二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 23:50:21

      「すっげぇー! これがこと姉の彼氏か!」

      「ウソじゃなかったんだー」

    ……と、俺達を見て口々に感想を述べるちびども。

    ここまで注目されるとまるでアイドルにでもなった気分だ。

    なんてことを考えていると、妹さんのうちの一人に裾を引っ張られているのに気がついた。

    「なんでしょうか」

      「あの、お兄ちゃんはいつお姉ちゃんと結婚しますか?」

    ……これはどう答えたものか。

  • 58二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 23:51:00

     「ちょっ! 一旦タイム!」

    今度は藤田さんに引っ張られ、家の外へ。

     「いやぁ〜うちのちびどもがすみません。なんかすっごいはしゃいじゃって」

     「プロデューサーが彼氏だなんて、なんでそんな勘違いしてるんでしょうね」

    藤田さんが電話で『彼氏とデート中〜♡』とか言うからでは?

    「藤田さんが電話で『彼氏とデート中〜♡』とか言うからでは?」

     「そうでしたぁ〜〜〜〜! すみませぇ〜〜〜〜ん!!」

    ……今度は口に出してしまった。

  • 59二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 23:51:51

     「それでですね、えっと……こんなことお願いするのも変なんですけど」

     「ウチにいる間、彼氏の振りして貰えませんか……?」

    「嘘をつけと?」

     「やー……あそこまで本気に受け取られたら今更嘘でしたーなんて言い辛くてぇ」

     「お願いします! あたしの彼氏になってください!」

    「はぁ」

    例え『振り』でも担当アイドルと付き合うなんて大問題だ。

    ……しかし……まぁ、家族との間だけなら問題も起きないだろう。

  • 60二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 23:52:22

    「俺は構いませんが」

     「おぉ! ありがとうございます♪」

     「決断早くて助かるぅー♪ もしかしてぇ、プロデューサーも満更でもなかったり?」

    「真実をお話ししてきましょう」

     「うわぁー! ごめんなさいでしたぁ!」

    「冗談です」

     「その冗談全然笑えないですよぉ……」

    というわけで、俺は藤田家にいる間は藤田さんの彼氏ということに。

    さっさと正直に言ったほうが楽なのに……とは思うが。

  • 61二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 04:55:36

    こてょね

  • 62二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 10:13:58

    イチャイチャしてる!

  • 63二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 21:39:29

  • 64二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 21:41:32

      「まぁ。嬉しいわ。ことねが恋人を連れて帰ってくるなんて」

      「なーなー! こと姉と兄ちゃんどっちから告ったの!?」

      「もうチューした?」

    藤田さんのお母さんとも挨拶を済ます。

    その後は弟妹達からの質問責め。

     「プロデューサーがぁ、あたしのこと好きで好きでしょーがないから付き合い始めたんですよねぇ?」

    演技とはいえ、さりげなく自分の都合の良い設定に……

    まぁ、あながち間違いではないが。

  • 65二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 21:41:54

    「キスはしていません。藤田さんはアイドルですから」

    「トップアイドルになるまではあくまで健全な付き合いをと……」

     「もう! こんなちびっ子に何話してるんですかー!」

     「(うわー! トップアイドルになったらキスとかしちゃうんだぁ……♡)」

    「藤田さん?」

      「ていうかなんで名前でよばないの?」

      「付き合ってるわりにたにんぎょーぎじゃない?」

    ふむ……それもそうだ。

    ここにいるのは俺以外全員藤田さん。

    ならば彼女に話しかける時は名前で呼ぶ方が分かり易くて良い。

  • 66二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 21:42:17

    「では……」

    「ことねさん。そう呼ばせていただきます」

     「は、はいぃ……」

     「(うぅ……判断が早いぃ……)」

     「(ていうか初めて名前で呼ばれちゃった〜〜♡ これあたしも名前で呼んだ方がいい?)」

      「ヒューヒュー!」

     「うっさい ちびども! もう邪魔だから外で遊んでな!」

      「えー! じゃあ公園でサッカーやろうぜ! 彼氏の兄ちゃんも!」

    「いいでしょう」

     「いいんですか? プロデューサーも疲れてるんじゃ……」

     「うちのちびどもの相手、けっこー疲れますよ?」

    「問題ありません。体力がなければプロデューサーは務まりませんし」

    「ことねさんの御家族とは仲良くなっておきたいですから」

     「そ、そですか……! じゃあよろしくお願いしますね!」

     「(やーばいでしょこれ……あたしの心臓保たないってぇ……)」

  • 67二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 01:01:11

    がんばれチビども!
    2人の仲が進展させるんだ!

  • 68二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 12:58:11

    ほしゅ

  • 69二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 00:30:16

    公園で藤田さんの弟妹の遊び相手を務め、帰るともうすぐに夕飯が出来上がる頃合いだった。

    料理を作ったのは殆どが藤田さん。

    週末に実家に帰るときはいつもそうしてるらしく、弟妹達もそれが楽しみなのだという。

    実際藤田さんの手料理は美味しいと思う。

    以前「プロデューサーほどじゃない」なんて言っていたが、藤田さんの料理は如何に安く、美味しく、栄養を得られるかがよく考えられていると思う。

    それに……

     「あ〜もう、また溢した〜。拭いたげるからこっち向きな」

     「あっ! また人参残してる! 食べ易いように味付けしてるから食べなって」

     「残したらてまりんって呼ぶぞ〜!」

      「きゃ〜!」

  • 70二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 00:31:02

    弟妹の世話をする藤田さんを見ていると微笑ましい気持ちになる。

    大勢で賑やかに食卓を囲むのも新鮮で楽しい。

     「あっ、プロデューサー。すみません騒がしくて」

     「うちいっつもこーなんですよねぇ」

    「いえ。大丈夫です」

    「良い家族だと思いますよ。俺も混ざりたい」

      「あら、だったらいつ来てもいいんですよ」

      「もうプロデューサーさんも家族の一員みたいな物ですから」

    その藤田さんのお母さんの言葉は、素直に嬉しいと思った。

  • 71二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 06:36:30

    ブォ…

  • 72二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 14:55:51

    本人たちが意識していないところで外堀埋めてない?
    いいぞもっとやれ

  • 73二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 18:31:38

    ことねちゃんと学Pのイチャラブなんてなんぼあってもいいですからね

  • 74二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 21:08:33

    【それゆけ! ことねちゃん⑤】

     「プロデューサー。お風呂狭くなかったです?」

    「いえ。大丈夫ですよ」

     「なら良かったです。次あたし、ちびどもと入ってきますね」

     「…………」

    「ことねさん? どうかしましたか?」

     「あ……いえ。なんかお風呂上がりっていつもと雰囲気違って変な感じですネ」

     「(湿った髪……薄手の部屋着……プロデューサー、なんか色っぽ……)」

     「(ってあたしこれじゃ変態じゃん!?)」

      「お姉ちゃんお風呂入る前なのに真っ赤になってる〜!」

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