「くぅ…ぐぬぬ…なかなか上手くいかないものだな…」

1二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:20:10

(クレーンゲームの取れない景品に半端にお金入れすぎて引くに引けなくなってしまったであろうハヤヒデさんがいる…)
(ここは助け舟を出すべきなようですね)

「どうもハヤヒデさん。奇遇ですね」
「！　と、トレーナー君か…」
「何やらクレーンゲームで苦戦中とお見受けしますが…何か狙いの品でも？」
「ああ…あのバナナくん人形が目について暫く挑戦してたんだが…」
(バナナくん人形かあ)
「どうも私はこの方面の才能が壊滅的に無かったらしい…」
「であれば任せてください。この私が華麗に取ってご覧に入れましょう」
「いや…ダメだ」
「えっ？」
「これは私の戦いなんだ…たとえ才能が無かったとしても、試行回数を重ねて絶対にバナナくん人形を手にしてみせる…！！」
(こんな所で闘争心に火がついてしまうとは)
「…しかし、小銭が無くなってしまった。両替えしてくるから待っていてくれ」
「あ、はい」

(とは言っても…ハヤヒデさんのあんまりな熟練度に加え、このアームの貧弱さでは相当時間もお金も掛かってしまう…)
(最終的にハヤヒデさんが取る形にするためには…)

2二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:20:22

「戻ったぞ。…ん、これは…？」
「僥倖ですよハヤヒデさん！先ほど別のお客さんが挑戦していったんですが、あと少しという所で帰ってしまわれました」
(アームが予想以上にひ弱で私もかなり手こずりましたが…)
「しかし、これで後はちょいっと小突いてやるだけでバナナくん人形が落下します！これぞ運も実力のうちという…」

「すみません店員さん。あの人形を置き直してください」
「はーい」
「えっ」
「…さっきも言った通り、これは私とバナナくん人形の真剣勝負。弱った所につけこむような真似はしたくないさ」
「…！」

(…どこまでも真摯な人だ。私は完全に余計な事をしてしまったようだ)
(これは…反省ですね)
「…なるほど。では、私はせめてアドバイスさせていただきますね」

姉貴はこういう事するんじゃないかなあっていう話