【🎲、⚓️、ss】どうしよう……②

1スレ主24/06/11(火) 21:03:03

スレ主です。割と進みましたけどまだ描写したいところ半分もいってないですね…

あらすじ
前作で良いマイクを買ってお金がないよ
今回はロボットアクション【男の子が好きなやつ詰め込もうぜ！！】
この先生…ノリノリである

>>11

2二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:03:29

続きだヤッター！

3二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:03:45

楽しみ

4スレ主24/06/11(火) 21:04:27

前スレ

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……｜あにまん掲示板【＊今回は前振り長めかもです】部費が…部費が足りない…！！前回のゲームの声当てする時に徹夜特有のおかしなテンションで相談無しにめっちゃ良いマイク買った私が全部悪いんだけども…！！ゲーム作る予算の為にゲ…bbs.animanch.com

前シリーズ

【🎲、ss？】やばいやばいやばいやばい……｜あにまん掲示板ユズとミドリが風邪でダウンした…幸いちゃんと休めば治るだろうし色々救援物資も渡して来たし絶対後でお見舞い行くけど……ゲーム開発があまりに進んでない！！締切も近い！！アリスにはデバッグをお願いするにして…bbs.animanch.com

前シリーズ感想

【🎲、ss？】やばいやばいやばいやばい……（感想スレ）｜あにまん掲示板スレ主です。完走出来ました。素晴らしい感想や阿鼻叫喚…安価やダイス神の加護に感謝を…前スレですhttps://bbs.animanch.com/board/3413843/bbs.animanch.com

5二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:06:51

たておつ

6二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:06:54

ENDクレジットでCVが明かされた時に生徒が見せる反応やいかに

7二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:07:08

乙

8二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:07:21

続きが楽しみ

9二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:07:26

保守

10二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:07:43

うめ

11二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 21:14:06

>>1

旧式の機体を滅茶苦茶乗りこなすパイロット…男の子が好きなやつだ…！

12二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 22:21:05

盾乙です！

13二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 00:42:27

保守

14二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 01:46:55

新作だー！やったー！

15二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 06:53:13

青か…世界は繋がってないと思うけどどうしても前作を思い出してしまうね…

16二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 10:00:16

ケーフィ神父と別れ、アリス達はドッグへと戻ってきた訳だが…ネルはモヤモヤしていた。

「なんっだアイツ…！」
「まぁまぁリーダー、クリア出来たんだし良いじゃん」
「ちっ！ぜってぇ見返してやる！！」

その為にも操作力を上げねばならない…何か手頃な任務をこなそうか、そう思っているとAIがピコンとSEを鳴らして何かを知らせる。

【同一人物とみられる個人の依頼がメッセージとともに複数入ってます。確認しますか？】
「メッセージ…？」
【旨としては……「貴方に興味がある。達成した任務に応じてパーツや武装を安く卸すから受けてくれないか」というものですね】
「誰から？」
【確認中…リディ・パーフという名前です】
「リディ…？パーフ…？」

また新しい人物が出てきた…だが、ちょうど良い。腕を上げるついでに装備の強化もし易くなると聞いてやらない手はない。

「とりあえず優先的にこのリディからの依頼を熟していくか」

今日は任務も無い。次はあの神父にも文句言われない程になってみせる。
ネルはやる気に満ちていた。

17二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 13:37:15

前作見てきました　楽しみです

18二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 13:54:23

AIちゃんお願い....【メインシステム:戦闘モード起動】って行って....(性癖)

19二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:01:04

リディという人物からの依頼はあまり理不尽な物は無く、とはいえただ敵を倒せば良いというものでも無い。
それこそ前の列車の護衛の様に、味方の耐久を気遣う必要があるものもある。まさにリベンジにうってつけであるが…

「装備を強くする為の依頼で装備が強くねえとダメなのはおかしくねえか…！？」
「モモイ達から聞きましたが、ゲームにおいてソレは須くあるあるな事象だそうです」

敵の硬い装甲に手持ちの銃では辛くなってきた。銃が両手持ちになったが、ソレでも上手く当たらねば弾は足りなくなる。
ブレードも近距離に近付くまでに蜂の巣にされれば終わりである。

ゲームが得意で無いネルは今まで装備でゴリ押せたところが通用しなくなってきた事に頭を抱える。しかし諦めない。立ち回りを考え、弾の消費を抑え、素早く移動して敵を背後から奇襲しブレードで斬りつける。

そんな風に格闘しているネルの為に、他のC&Cは飲み物やクッションの提供を行う。助言は求められたらするが、決して自分達が代わろうとは言わない。ゲームは大変な思いをしながら攻略をしていくのだって醍醐味なのだから、余計なお世話は奉仕ではないのだ。

「頑張れリーダー」
「さっきよりいい感じじゃない？」
「目が疲れていませんか？少し休憩してみるのもいいですよ？」

C&Cは揃って世話焼き好きが多いのである。

20二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:10:16

流石メイド部

21二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:34:32

そうして格闘し続け、漸く規定数の任務をこなしたネル。ストーリー進行の任務が発生した。チュートリアル等と比べると随分と大きな都市だ。AIがアリスに話しかける。

【リディから依頼が届いています。コチラの都市エントルングにて、都市を制圧しているAIをなんとかして欲しいとの事です】
「エントルング…聞いた事ある」
【エントルングはAIを含めた他技術でも1、2を争う都市でしたから、それもあるでしょう…そしてAIが発展していたという事は】
「………」

世界がこうなった際、かなり早くに影響を受けた。という事だろう。となれば、かなり注意して行くべき場所だ。何が待つか分からない。

【アリス、気をつけて】
「うん、ありがとう」

機械音声でありながら、心配している様にも聞こえるAIの声にネルはなんとか無事に任務を終えられる様に装備を整える。
15分程悩み抜いて、一番硬い装甲と、ネル自身の戦闘スタイルにあっているSMGの両手持ち。ブレードも今回は倶利伽羅をお休みにして、良い性能の物に持ち替えた。

息を整え、気合いを入れ直したネルが任務開始のボタンを押す。

【Mission：無人の摩天楼】が始まった。

22二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:50:04

…おや？アリスの様子が…
なんかちょっと人間味出てきてない？

23二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 16:51:09

AIともコミュニケーション取れてきたね

24二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 18:33:02

ぼく！
こういうの、すき！！！（幼児退行）

25二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 18:39:44

AIちゃんさ、アリスちゃん守るために
コクピット排出して自爆とかしないよね…よね？

>>27 >>34

26二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 19:22:15

こういうゲームやるならロマン突き詰めたいよねぇ…
パイルバンカーにダブルガトリング、バズーカもいい……

>>29

27二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 20:02:44

>>25

信じて！

28二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 20:36:35

荒廃した世界観でのロボットモノでこういうタイプの…
好きすぎる。

29二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 20:40:20

>>26

「つまらないものは、それだけで良い武装ではあり得ない」枠があるといいなーって思ってる

ガシャガシャ変形しまくって、スチームパンク的な感じで、それでいて攻撃性能抜群防御性能皆無みたいな

>>33

30二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 20:54:42

保守

31二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:20:26

保守

32二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 22:20:27

このレスは削除されています

33二次元好きの匿名さん24/06/12(水) 23:29:18

>>29

スチームパンクって言うと歯車のイメージが個人的には強いから歯車が動力の武器出てきたら燃えるな

歯車が回りながら腕と一体化するタイプの武器が好き

>>36

34二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 01:16:32

>>25

そのパターンも、共依存も、殺し愛もどれもいいよね……

35二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 02:56:38

個人的には産廃パーツとかもあってほしい
如何にも上位互換ぽい説明で値段も高いけど使えないやつ

36二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 03:03:08

>>33

それはどっちかというとギアパンクとかクロックパンクじゃないかな…それはさておき俺もそういうの好き

37二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 03:40:21

アリスデバイス…

>>76

38二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 08:26:06

エントルングに辿り着く。そこは今までの都市とは比べ物にならない程に発展していた跡があった。

「ライブラよりもずっと大きい建物ばっかり…」
「空が狭く感じますね……」

圧迫感にも近い、とにかく高いビルが建ち並ぶ…人がいない為か、風の音が不気味にも思える程に響く。
いつもと少し違う…何処かもの悲しいBGMが流れ、戦闘が始まる。
が、敵の様子がおかしかった。

「なんだ、コイツら……」

人型のAIロボットは残骸しか無く、向かってくる敵らしい敵はドローンや無人ヘリ…しかしどれも挙動がおかしい。
バグとは違うカクついた動きをする。攻撃をしては来るが、下手をすれば勝手に不時着でもしそうな動きをしていた。

何よりそんな全ての敵が、黒いコードの様な物を至る所からはみ出していた。

「規定数倒せ、ともあります。今はやる他ないかと……」
「的が小せえから当て難いな…」

念の為、弾の消費は抑えて一部はブレードで対処しよう。異様な雰囲気に警戒しながらネルはミッションをこなし始めた。

39二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 08:28:10

まるで嵐の前兆…そう思わせる程に静かに任務は進む。向かってくる敵を撃墜する。また敵が向かってくる。撃墜する。向かってくる。撃墜……それを繰り返す。
今までもヘリやドローンが敵だった事はあったが、それでもちょっと嫌なところを突いてきたり、もっともっと複数で向かってきていたはずだ。

「単調が過ぎる……」

試されている様な…もしくは、まるで同じ事しか出来ない壊れた機械の様な……そこまで考えていると、規定数の撃墜数になった様で、ムービーが始まる。

ライブラにより撃墜されたドローン。しばらくそれを見つめているライブラに乗ったアリスだったが…カタカタ、と壊れた筈のドローンが動き出す。

「何を……ひっ」

カリンが少し驚いた声を出した。バコンッと割れたドローンから、コードの塊はまるで虫の様に這って逃げて行くのだ。
一つだけではない。幾つも、幾つも…アリス達が撃墜した全てからその異形にも見えるコード達は逃げていく。地面を、ビルの側面を……次第に、ソレはビルの裏へ吸い込まれる様に消えていった。

40二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 08:31:08

「気色悪りぃ……」

そう言ったネルに誰も反論は言わない。なんというか……名前を言いたくないあの害虫がちょっと流動体になった風でゾッとした。
いつの間にか止っていたBGMが余計に不気味にさせているのもある。

ライブラを操作し、キョロキョロと辺りを見回すアリス。アリスもまた、何かあると踏んでるらしく…緊迫感が伝わってくる。

その時だ…まるでビルとビルの隙間からライブラを覗き見る様な視点に変わる。
アリス達を見ている《何か》は、素早く動いてビルからビルへと動いている。アリスもまたその気配を察知して素早くアイカメラを動かしている。
一瞬、ビルの向こうへ消える黒い影をカメラが捉えた。

「今の…」
【アリス、来ます】

AIの忠告に従いアリスが回避すると共に、先程までいた場所にロケットランチャーが撃ち込まれた。

「んなっ！？」
「ボス戦、というやつですね……」

操作をしているわけでもないトキも険しい顔で画面を見つめている。ランチャーが飛んできた方向、ビルの角から、ヒタ……と黒く、大きな《何か》の指が見えた。

41二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 08:40:47

それはよくよく見ると先程逃げたコードの集合体であったが、今はそれどころではない。ひたひたとその手をビルに貼り付けながら正体を現したソレにネルは息を呑む。

「……トカゲ、いや、ヤモリか？」

黒いコードの集合体が蠢きながら巨大なヤモリの形を保ち、動いている。取り込まれているドローンが目の代わりか、数少ない黒くないその部分をキョロキョロとさせてから、ライブラをジッと見る。

「寄生型…？いや、拡張型の暴走…？それにしたって…！！」
【あのレベルは前例がありません。アリス、どうしますか？】

寄生型、拡張型…聞いた事のない単語でアリス達は話しているが、敵はあまり暇をくれないらしい。ヤモリが口を開け、そこからガトリングが飛び出てきた。先程のランチャーも同じ様に出してきたのだろうか…？

「逃してもくれなそうだし、やるしかない…！」

ただのロボット討伐かと思ったら、とんでもない化け物退治が始まったらしい。

「これは……どうも骨が折れそうだな」

ムービーが終わるほんの少しの間、ネルは一度コントローラーから手を離してほぐし、コキッと鳴らした。

42二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 08:43:16

これAIに味方して一緒に人類を滅ぼすルートか、人類に味方して完膚なきまでにAIを駆逐するルートの２つがありそう。

43二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 09:27:55

見た目面白武器とかありそう
ペロロ様型の銃とか

>>44

44二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 09:50:40

>>43

版権的に厳しいだろうから……まあ見た目食べ物みたいな武器とかはありそうだよね、しかも性能は良いパターンで

>>46

45二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 11:40:49

保守

46二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 13:28:37

>>44

ネタ武器みたいなのが強いのはあるある

47二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 13:33:50

これパーツ毎に強化出来ると嬉しいな。
買い替えたほうが圧倒的に楽だけど根気よく育てると隠しパーツじゃない店売り程度ならどのレア度も遜色なくなるぐらいの。

48二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 13:53:24

ヤモリとの戦闘が始まり少し経ち、ネルはヤモリの動きに翻弄されていた。

「くっそ！さっきから上手く当たらねえ！！」

素早く建物を這い、視界から消えたと思えば次の瞬間には死角から銃撃がくる。
それも先程の様に挙動のおかしいドローン達も引き連れているのだから達が悪い。一つ一つはダメージとして大した事にはならないが、削られているのは間違いない。

なんとかドローンの対処をしつつ、ヤモリからの銃撃を避けるので手一杯であった。

「一度移動しましょう。同じところに居続けても囲まれて悪化するだけです…」
「そうするしか無いか……」

今までより広いフィールドは恐らく、そういう目的で作られたのもあるだろう。悔しいが少しずつヒットアンドアウェイが出来ればと思ったが…

「あの黒いヤモリ、銃弾の効きが悪いね…」

そう、ヤモリに何度が弾を撃ち込んだが、あまり効いてる様子は無い。一度、後ろ脚に当てた際にそこは脆いのか少しの間壁から剥がす事が出来たが、それだけである。
このまま打開策が出来なければ非常にマズイと言えた。

49二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 14:07:59

「今はとにかく耐えるか…」

焦っても事態は好転しない。それでも何か糸口を探していると…ヤモリが弾切れを起こした。なんとなしにそのまま追跡をしてみると、ヤモリが墜落したヘリから武装を外して飲み込んでいるのを目にする。

「アレは…」
「リーダー、この街一回ぐるっと見直そう。多分、何かあるよ」

アスナの直感は外れない。アスナ自身、ネルの楽しみを奪いたく無いのでネタバレになりかねない自身の直感はなるだけ口に出さないが…これは間違いなく攻略の鍵になるギミックのはずだ。
それに縋るしか無いとライブラで街を駆け、何か無いかを探す。すると…

「幾つかのところに、ロケットランチャーや爆弾がありましたね」

トキのその言葉に、ネルはニヤリと口角を上げた。手足への攻撃、ムービーでしか出してなかったロケランと、爆弾の存在。ピースは揃った。

「ぜってぇ、勝つ」

我らが00は勝利に向けて動き出した。

50二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 14:13:46

面白くなってきた

51二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 17:42:06

誘導する様に、ヤモリから付かず離れずの距離を取りながら移動する。ガトリングの回避やドローンをブレードで迎え撃つ事を繰り返しながら…

「あとちょっとでポイントです」
「よっしゃ！上手く食ってくれよ…」

トキに言われ、少し心に余裕が出来たが上手く行くかはその時まで分からない。
だが、きっと……

ヤモリが弾切れを起こした。誘導した所に設置されていたロケットランチャーと、爆弾を食べる。

「よし！！飛ぶぞ！！」

それを合図とする様にライブラを飛行させる。摩天楼を抜け出す様に上に上に…ヤモリはそれを追いかける。建物よりも高く飛び、ライブラがヤモリを見下ろす形になる。
街中と比べて、遮蔽物は少ない。先程よりもずっと射撃が当たりやすいと判断した結果だった。

ヤモリが建物のてっぺんまで登り詰め、ロケットランチャーを放とうと口を開ける。待ってましたとネルはヤモリの手足に向けてひたすらに銃を乱射した。
右手、左手、右脚…3本も支えを失ったヤモリはバランスを崩して下へと落ちていく。その腹に多量の爆弾とを入れ、放とうとしたロケットランチャーを加えたまま……
地面に落ちたと同時に爆発が起き、ヤモリの耐久値ゲージが一気に減った。

52二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:04:59

「上手くいった！！」

カリンが思わず拳を握る。強敵をどう倒すか…自分達で考えて答えを出し、それが見事にハマる。その爽快感はとても良いものだ。

「まだ何回か繰り返さなきゃだろうがな。このままいくぞ」

ライブラで一度地上に戻ったネルは、ヤモリがのたうち回り、身体を構成しているコードが爆発により幾らか吹き飛んだのを見た。それでもヤモリは仕切り直しとばかりにビルへ駆け上り、ドローンをけしかける。
確かにそれに最初は苦労させられたが…

「勝ち筋は出来てんだよ！」

パターンが分かれば此方のものだと、ネルの動きにも余裕がで始める。そうしてもう一度、誘導と爆破を行うとヤモリの耐久値はもはや4分の1も無くなっていた。

恐らく次の爆破で最後である。
結局、このヤモリが何なのかは分からないままだが、仕方ない。この後のストーリーで分かるのを願うほかない。

そうして…

「これ、でっ！終わりだ！！」

ライブラのSMGによる弾丸の雨が、奈落にヤモリを叩き落とした。

53二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 18:39:59

かっけぇ...好き...

54二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 19:33:23

文がうますぎる……なんかそういうお仕事とかで？

>>56

55二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 21:24:59

上げ

56二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 21:28:08

>>54

個人利用の範囲でクトゥルフ系TRPGのシナリオを書いているとか(感想スレより)

>>57

57二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 21:31:30

>>56

サンキュ

どうりで上手いわけだ、キャラのエミュもいいし

58二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:46:15

ヤモリを撃破した事でムービーが始まる。落下したヤモリ。大きな爆発と共にあちこちに黒いコードが飛び散っては落ちる。もう壁にくっつく様な能力は機能していない様だ。
未だに中心は燃えていて、パチパチと火花が舞っている。

そこへライブラが近付いていく。コックピット内でアリスはアイカメラ越しにライブラの足元に落ちている黒いコードをジッと見ていた。

「……この黒いコード、やっぱり」
【はい、この黒いコードによる暴走は主に拡張型と呼ばれている際に多く見受けられる特徴です】

拡張型…戦闘前にアリスとAIが話していたものだ。結局のところどういう物なのか漸く知れるとネル達は耳を傾ける。

【AIが自身で成長出来る様に、アップデートを行える様に…その様な拡張チップが最新AIには取り入れられていました。それと深く繋がっているのがこの黒いコードです】
「……自分の限界を超えて、拡張して、暴走を起こしたって事だよね」
【ええ、恐らく…ボディを突き抜けあの様な異形になる程の拡張は、少なくとも私のデータにはありませんが】

「つまりあのヤモリは、自身のスペックを超えた力に耐えきれず……あの様な怪物になってしまったロボットという事ですか」

アカネがそう結論を話すが、何とも言えない気持ちだ。
なんでそんな事をしてまで…否、もしロボット自体は不可抗力だったとしても、どうしてそうなってしまったのだろうと思ってしまう。

そう、そう思っていた時であった。
燃えているコードの山から何かが這いずる様に出てきたのである。

59二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:48:45

「！」
【暴走を起こしていたロボット本機と思われます。ですが…あの状態は】

AIが何を言いたいのか全員が理解した。そのロボットは、とてもじゃ無いが動いているのが奇跡の様な状態だった。驚いた様子のアリスが、絞る様に口を開く。

「あれ、は……」
【あの形のロボットはAIを戦いの前線に送る過程で街からいなくなっていると思っていましたが…】

それは機械の部分が露出していなければただの少女…いや、アリスよりは歳上そうなデザインではあるが正しく女性型のアンドロイドと言える容姿をしていた。
だが、正に満身創痍と言える状態だった。

炎から出てきて尚、制服らしき青い服や頭髪部分が無事なのは防火耐性があるからか分からない…右腕は無く、左脚には大きな亀裂が入っている。身体の所々は機械の部分が露出していたし、特に左脇腹からは例の黒いコードが垂れており、今なおコードの続く先は炎によって燃やされ続けている。
そんなボロボロになってまで、今更何をしようというのか…そう皆が固唾を飲み見届けていると、ライブラに通信が入る。

【これは…】
「AI？どうしたの？」
【……救援要請です。恐らく、あの個体からの】

え、とアリスと全員の声が重なる。救援？何故自分達に？いやそもそも何故この状況で…そう混乱しているが、アリスはAIに救援要請の内容を開かせた。

60二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 22:56:41

《ｼﾞｼﾞｯ…ｻﾞ……ｻﾞｰ…》

長い様で、短いノイズ……一体何を伝えたいのだとネルが痺れを切らしかけた時だった。

《きゅ、援…ようせ……エント、ﾙ…グにて…AIの暴ｿウが……救、ｴﾝ、ｻﾞｻﾞｯ……求ッ、ﾑ》

ズシッと、肩が重たくなる様な錯覚に陥る。これは…もしや、まさか……そんな風に思いつつも画面から目を離す事は出来なかった。

《市民…ヒ、難……ﾏﾃﾞ、ｼﾞｼﾞｯ…当機だ…けﾃﾞﾊ………お願…シ、す…援ぐ……ｻﾞｯ、を》
《当キハ……ﾜﾀ、し、は……ｻﾞｰｰｯ…この、街ｦ……守っ……ガガッ！》
《ミナｻ、ま……を…守…ｻﾞｯ、本か……ｶﾞﾘｯ…ｻﾞｻﾞｯ………果たさ……ｼﾞｯ､ｻﾞｰｰｰｰｰｰｰｰ…》

そこまでで通信は切れ、アリスは再び、ロボットへと視線を戻す。ふと、ネル達は、気付く。あのロボットが着ている制服が、警察やヴァルキューレのそれに似ている事を……
この街に来た時から、無人機の残骸はあれど、人が亡くなった様な痕跡は無かった。ライブラよりも高い建物は崩壊する事なく残っていた。

「制圧なんかじゃ、なかったんだ…」

アリスがそう言って一つ涙を流す時、カリンやアカネも泣いていた。
アスナも悲しい顔をして顔を伏せる。

「ずっと、ずっと…この子は……」
【この街を、エントルングを防衛していた…？】
「暴走した原因って……」
【可能性として、襲撃、暴走を行ったAIを市民から守り制圧する為…オーバースペックを起こしてなお、戦闘を続行、自身を拡張し続けた結果ではないかと……】

アリスとAIに事実を突きつけられて、トキもネルも泣いた。いつから、こんな誰もいない寂しい場所で、一人……
市民の避難が終わるまで、救援が来るまで…ずっと街を守り続けていたのか…
この街から人が居なくなった今も、守る為に…あんな怪物になってまで……

61二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:10:03

◇女性型アンドロイドに悲しき過去…

…倒した後じゃないとどういうロボだったのか分からないの悲しすぎない…？

62二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:15:23

ボロボロになった。ボロボロになっていた筈のヤモリだった…元は街の防衛ロボットだったろうそれが動き出す。

「！」
【あのダメージでまだ…何故……】

無論、物理的に立てる状態では無い。しかし、左手を地面につき、未だそれは立とうとする。亀裂の入った左脚のヒビが更に広がる嫌な音がする。

「……」

恐らくたった一発、銃を撃てば簡単に破壊されて今度こそ動かないだろう。
相手はもうずっと長期の暴走で自身の状態も分からずAIやロボットを破壊しようとする…戻しようがない。直しようがない。
…どうしようもない。

アリスが一度顔を伏せ、また防衛ロボットは何かを呟いている。AIが音声を拾う。

《ま゛…だ…ｶﾞﾘﾘｯ…わ゛だ…ｼ……はっ…ｼﾞｼﾞｯ…こ、ｺﾞデ…ﾊﾞﾁｯ………斃…ﾚは……シ、な゛…！》

もうやめてくれ……ネルは苦しくなってきた。さっきまで全力で倒しにいった相手のバックボーンがこんなに辛いと思わないじゃないか。
それでも、ノイズ混じりにそれは言う。
立ちあがろうとする。

《…は、ｶﾞｶﾞｯ……わっ、だ…ｶﾞﾘｯ……本官、はァ゛…！！ｻﾞｻﾞｻﾞ…ﾏぢ、を…ﾊﾞﾁﾁｯ…ミ…ﾅヲォ…！！》

守らねばならない。街を、人を……どれ程狂ってもそれだけが消えないこのロボットの最優先事項だったのだろう。

63二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:23:07

武装を飲み込んで発射するっていうギミックも少しでも街を守るためにこのアンドロイドが自分を拡張してたから…？
人型ユニットがなかったのもみんなこの街を守るために戦って撃破されて、
ドローンや無人ヘリ単調な動きだったのは女性アンドロイド1体で動かせる許容量を超えてたから…？
しかも人が死んだ痕跡がないって事は少なくともこのロボが守ってた個所では人が死ななかったって事で…
自分の形を保てなくなっても大事な街を守ろうとしてたんだな…

64二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:23:48

敵ロボットにハッキングしてなんとか出来ないだろうか…つら

65二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:26:33

バキンッと、とうとう限界を迎えたと左脚が砕け、立ち上がりかけたロボットはまた地面に伏す。その時に外れたか…カラカラと地面を滑る保安官バッチと思われるソレがアップで映って、とうとうカリンは顔を覆って泣いた。
演出が一々心を抉ってくる。

「っ！！」
【アリス？何を…アリス！！】

急に、アリスが動き出し、コックピットから出ていく。AIの制止の声も張り切り、ロボットに駆け寄った。
止せ、とネルも思ったが…このロボットを救ってやってくれとも思った。

アリスが膝をついてロボットの肩に手を置く。顔を上げるロボット…片目は損傷が激しい様で、残った方のアイカメラがアリスを見る。
こうも狂いきったロボットが正しくアリスを見えているかは分からない。ただ、危害を加える様子が無いロボットにアリスは口を開く。

「もうっ、もう街から市民の避難は完了しました…！わ、私達は援軍です…！！貴方を、助けに来ました…！！」

実際はこの街でどんな事があったか等、アリスには分かりはしない。それでも、助けたい気持ちは本当なのだろう。

キュゥ……とカメラが動く音がした。

66二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:39:20

ありがとうアリス

67二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:41:30

こういう、永い年月を使命のために戦い続けたキャラが最期に少しでも報われるシチュに弱いんだ……

68二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:43:23

表情らしい表情が無いロボットは、片目でアリスをジッと見つめている。

《……ミ、ナ……ﾋ難…ｻﾞｻﾞｯ…で、き……？》

バチバチと砕けた左脚から火花が散っている。ロボットならば痛覚が無いはずだがあんまりに痛々しくて、悲しくて……アカネは持っていたハンカチが使い物にならなくなった為にティッシュを取り出した。

泣きそうなのを我慢しながら、優しげな声でアリスは優しい嘘を続ける。

「はい…！だから、もう、いいんです…っ、大丈夫、ですよ？」
《………当機……ﾊ…》

まるで風でも止んだ様に、静かな数秒が流れる。まるでロボットが、本当にもう良いのかと信じられなくて不安になっているのではと思ってしまう。
そんな祈りたくなる様なノイズ混じりの沈黙の後に…

《わた、ｼﾞｯ……は……本懐……果たせ…した、か？》
「…ええ、きっと、立派に」

アリスが泣くのを我慢してる為に、ネルも我慢してるがもう正直限界である。
お願いだからこのまま、このロボットの最期を穏やかな物にしてあげて欲しい。

69二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:43:54

嫌な予感がする

70二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:47:53

少しでもこのロボが報われてくれてよかった
後は穏やかに終わらせてやってほしいが…

71二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:38:35

ロボットは人が作った物だ。その目も、口も…心だって作り上げた物。
それでも……そこから築き上げたのは、此処まで街を守りたいと想うまでになったのは他でもないこのロボット自身で……

《ソｳ……です…カ…》

ああ、もう良いのか…
そんな風に、ふんわりと口角をあげ、目尻を下げて微笑む様は…片目が損傷し、どこまでも機械であると分かっていても、人間より人間らしくて…

《それﾅ…ｻﾞｻﾞｯ…ら……》

アリスも、ネル達も、涙を零していたが…漸くこれで、このロボットが少しは報われる。

《よか……

そんな願いは、ロボットの頭部と共に一発の銃声が破壊した。

ゆっくりと倒れていく、ロボットを目で追うしか無いアリス……
嘘だ、と絶望するC&Cとトキ。

ガシャ……と倒れたロボットを数秒見つめ続けた後、アリスは視線を上に向ける。
まだやや煙が立ち上る銃を持ち、何を考えているのか分からない顔でケーフィ神父が立っていた。皆が絶望や怒りの表情を向ける中……一人、アスナだけはその姿を見て泣いていた。

72二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:40:26

ロボットにあるか分からないが悔いなく逝けたのかな…神父さんなりの慈悲だと思いたい

>>74

73二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:48:16

なんだろう
昔やったアプリゲームの「からっぽのいえ」を思い出した

74二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:53:59

どう足掻いても彼女はもう助からない状態だったとしたら

(寄生型とか言及されてるから他のロボに亡骸を利用される前に)もう壊すしかないのかもしれない

でも壊れかけたアンドロイドに泣きそうになりながら声をかけるような優しいアリス君が壊せるかというと…

>>72

アスナだけは泣いたままだった…って部分がもう…ね…

>>75 >>84

75二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:57:41

>>74

そっかそういう可能性あったのか迷える若人にレクチャー？アスナは理解してたのだろうか？泣いてたからロボットとそんなロボットを撃たなきゃいけなかった神父さんを思って泣いたのかもしれない

76二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:59:43

>>37

カレンデバイスの事か？

思い出させやがって

ふざけんなよボケが

77二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 01:07:45

ねぇこれCV.先生…

78二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 03:01:19

保守

79二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 04:03:09

このロボット、AI暴走前は街をパトロールとかしてたんかな…キリノみたいにさ

80二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 04:58:43

ねえ……これやっぱり鬱ゲーなんじゃ……

81二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 06:33:28

こうなると依頼してきたリディって奴もなんか怪しくなるな。
(…某アニメの横恋慕キチゲお兄さんと名前同じだし。)

82二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 06:38:47

モモイ！？今回はプレイヤーの心抉らないでいいんだよ！？

83二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 06:50:10

感想的に世界観が前作と地続きっぽいからみんな今のうちに大福の準備しておこうね

84二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 08:31:00

>>74

拡張型と寄生型が違うaiなのであったら拡張型の意思とは無関係で寄生型が最後の行動に出て拡張型を動かしてアリスを◯害する可能性もあるだろうし、そう考えると拡張型の意志を組みつつ、アリスを守る為にケーフィ神父がトドメを刺したってのもありそう。

でもそれはあくまで考察が出来るプレイヤーとしての視点であって、実際にその光景を見るアリス達からしたらケーフィ神父の行いは酷い行いに見えちゃうよね...

85二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 08:46:51

最悪の再会を果たしたと言って良いケーフィ神父とアリス…やる事は終えたと銃を下ろした神父に対しアリスは口を開く。

「どうして……」

どうして此処にいるの？
どうしてこの子を撃ったの？
どうして其処までAIを恨むの？

どうして……

色んな疑問をごちゃ混ぜにした様な震えた声。ケーフィ神父はあくまで冷静に答えた。

「どうして？それは此方の台詞ですよ」
「え…」
「先程まで殺し合いをしていた相手に駆け寄るなんて馬鹿がする事じゃなければなんだと言うのです」
「っ、この子はもう攻撃性を失っていました！！確かに、私はこの子を直す技術はありませんが…それでも」
「最期に安らぎを、とでも？…驚きましたね。神職者のフリが私よりも得意そうだ」
「そんなんじゃ…！！」

もう空気が地獄だった。
先程の事がある為にネル達としてはアリスに寄り添いたい気持ちが強い。だがケーフィ神父の言い分もほんの僅かに理解は出来てしまうのだ。

あまりに荷が重いのは分かっているが、AIにこの状況をなんとかしてくれと祈るほかなかった。

86二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 08:54:57

そりゃ戦う相手だしトドメは刺すよね…当然だったよ
価値観の違いってやつか

87二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 09:08:20

誰もいない摩天楼を守護してる家守（ヤモリ）とか普通に切なくもカッコいい……どうしてこんな地獄なんです？

88二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:05:57

ふと、ケーフィ神父が銃口をライブラに向ける。無論、人が扱える武器でライブラに搭載されたAIを装甲ごと撃ち抜ける訳では無いだろうが、アリスは慌てて銃身を掴んで下げさせる。

「やめて！！」
「…何故、貴方はそこまでアレらに肩入れをするんですか？あくまで彼らはプログラム通りに、そしてバグを起こして動いているだけです」
「それは…！」
「人語を話すだけ、形が似てるタイプがいるだけの人形みたいなものですよ」
「！！………」

アリスは俯く、ケーフィ神父に対して上手く言い返せないのか、それとも…

「以前も言いましたが、貴方位の子供ならば親元で安全な生活を享受する事も…」
「……って」
「はい？」

何かを呟くアリスに、段々胃がキリキリしてきた面々はお願いだからこれ以上の爆弾を投下しないでくれと願うが、哀しきかな。今回は製作者の元に「鬱でも良い」とリクエストが来ていたのである。

「私にとってその安全な生活をずっと共にしてきたのはロボットです…！」
「…は」

呆気に取られるケーフィ神父を置き去りにアリスは銃から手を離してケーフィ神父の襟首を掴み、嘆く様に叫ぶ。

>>90

89二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:08:46

「家に両親が揃っていてくれた事なんか一度もない！！片方がいてくれた日だって私じゃなくて仕事しか見てなかった！！！」
「なに、を……」
「誕生日も、クリスマスだって！！私とずっと過ごしてくれたのは一人の家事ロボットだけだった！！」

くしゃ…とケーフィ神父の顔が歪む。因みに此方はそれどころじゃない。忙しいからで子供にして良い所業じゃない。
誕生日とかクリスマスなんてそれこそ大事な人達と過ごしたいだろうに…

ああ、でもコレで分かってしまった。この主人公が、アリスがこんな世界でもAIや機械に情を持つ理由が…

「ロボットにバースデイソング歌われて育って、ライブラに…ロボットに乗って戦場にいる、そんな私は人形で遊んでる様で滑稽ですか！？」
「そ、それは……」

詰まるところ、ケーフィ神父は地雷を踏み抜いた。家族という一番身近な存在の人間が希薄なアリスに「親」というワードを使ってしまった事も、半生を過ごしてきた存在を「人形」扱いされる事も…
もうこの状況どうしよう…そんな空気が漂っている。AIでもケーフィ神父でも良いからなんとかしてくれと願っているが、もう無理な気がしてきた。

90二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:17:55

どうして地獄みたいな空気の所で過去開示するんですか…？(現場猫)

神父も親元に帰って…っていうのは気遣いで言ったっぽいのに地雷踏んじゃってたのか…

>>88

…そういや今回鬱でも救いがあるならってリクエスト来てたなぁ(現実逃避)

91二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:30:08

友達で家族のロボットを笑われたのか…神父の気遣いは全部裏目に出てたね辛い

92二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:51:03

抗え、最後まで

>>94

93二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 14:29:44

ピコン、と無機質な…この空気に不釣り合いなSEが入る。
ずっと黙っていたAIが話しかけてきた。

【アリス、少し不味いかもしれません】
「え…」
【［青鷲］…貴方の機体は？】
「街外れに置いてあるが…どうした」
【正体不明機が此方に多数向かってきています。死にたくないなら早く戻りなさい】
「は？」

どういう事だと、先程とは違う緊張が走る。

【反応からしてAI勢力の中でもネームド機体が来ている可能性があります。アリス、ここから早く離脱しましょう】
「う、うん…あ、ちょっと待って！」
【急いでください】

状況が飲み込めていないアリスだが、せめて…とロボットが落としていた保安官バッチを拾いコックピットへと入る。

「…くそ」

その様子を見て、ケーフィ神父は苦虫でも噛んだような顔で、その場を後にする。

「なんでこうも問題が続くんだよ！？」
「まさか、リディという人物は…」
「もし裏切り者系なら武器の値段は元通りだな」
「地味にめっちゃ困るやつじゃねえか！？」

疑心と、アリスの心の傷…そしてこの街を守り続けた一体のロボット……全て拾い切れる事なく、ムービーは終了した。

>>99

94二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 14:30:50

>>92

つまり…マルチバッドエンドっていうこと！？

95二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 14:49:45

半ば強制的な戦闘画面に映り、ミッション内容としては【敵の対処をしつつ撤退しろ】というもの。弾は補充されていたのは有難いが……一体何が始まるというのか。

【アリス、色々思う事はあるかと思います。それでも今はどうか…】
「うん…ごめんね」
【………いえ】

そんな短い会話と共に始まった戦闘。マップにある場所までAI搭載無人機や無人ヘリの相手をしながら進む他ない。戦い辛さでは正直先程のヤモリの方が上だが、気持ちが混乱していて上手くいかない。
戦闘においてメンタルとはとても深く関係しているものだ。

「とにかくマップの場所まで突っ切るしかないですね…」
「邪魔だっ、このっ！」

アカネの言葉も分かってはいるが、如何せんロボット達が立ちはだかる。こんな状態だが、ケーフィ神父の方は大丈夫なのだろうかと心配してしまう。

それでもなんとか包囲網にも近いソレを突破して目標のポイントに辿り着く…そこには、一体のロボットがいた。

ケーフィ神父のマリアとも違う。
黒い、黒い機体だった。

96二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 14:53:03

ネームドってやつか？

97二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 15:10:18

また唐突にムービーが始まる。黒い機体を見つけて脚を止めたライブラ…基パイロットのアリスはその機体の歪さを眼にする。

此方に背を向けているソレは、至る所に布を巻いていた。よく見ると、様々な装甲を無理矢理鎧の様に自身に装着しているのが分かる。そして、その背には人には到底振り回せない太刀の様なブレードを背負っていた。

【………アリス】
「なに？」
【最悪、当機を放棄して逃走する事を視野に入れる事を推奨します】
「！？何言ってるの！？」
【アレは…】

突然とんでもない事を口走るAIに対して取り乱すアリス。勿論、ネル達も驚いている。それ程までに、あの機体はマズイというのか…
ふと、黒い機体の方から声がした。

《雨は好きか…？》
「…雨？」

機体は空を見上げながら、いきなりそう話す。未だに此方を向く事はしない。

《私は好きだ。何もかも洗い流してくれる…まさに恵みと思っている》

ロボット特有の男性の機械音声の様で何処か人らしい「好き」という話ぶりや感情の乗せ方に、アレはただのロボットでは無いと分かる。
ネルはいつ戦闘が始まっても良い様にコントローラーを握り直す。

98二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 15:25:22

《この大地には、随分と汚い人の血が流れ続けた。未だに生き残っているソレらを片付けるのはきっと骨が折れる…という言い方で正しかったか？》
《…まぁ、とにかくだ》

淡々と語るその機体は、ゆっくりと背中のブレードに手を伸ばす。

【アレは、敵性AIの中のネームドの中でもAIを戦争に投下した黎明期の中でも古参にあたる生き残り…】

ブレードを引き抜いた機体はゆっくりと、此方に振り返ろうとする。

《…醜い人間達諸共、洗い流してくれる雨があるのなら…とても素敵だと思わないか？》

【元戦闘AI［N6174ーfz］ネームド個体［落涙］……危険度がトップレベルに高い個体の一体です】

ネームドの由来はすぐに分かった。その機体の左目からは、延々と黒いオイルの様なものが涙の様に流れていたから。

99二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 16:10:24

リディについても気になるけどまずはこの場から離脱するのが先か…

強キャラっぽいけど一定時間生き残って逃げるタイプの特殊戦闘とかになるのかな？

>>93

【正体不明機が此方に多数向かってきています。死にたくないなら早く戻りなさい】

ライブラさん、もしかしなくても青鷲に少なからず怒りの感情あります？(震え声)

100二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 16:22:48

家族を愛してた結果狂った【しまい】の後にこの両親からネグレクト喰らってロボットに愛情見出す主人公作るモモイはやっぱやべえよ……

101二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 17:31:43

クリスマスプレゼントとカード案件だったか…

102二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 17:39:41

今回は地雷踏んじゃって裏目ったけどアリスみたいに神父にもそうなっても仕方がない過去ありそうだから複雑やな…
それこそ大切な人(ドッグタグの持ち主？)が『相棒』と呼んで慕っていたAIに裏切られて死んでたりとか……

103二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 18:07:37

戦闘が始まる、が…ネルは瞬時に気付いてしまう。「これは、負けイベントというやつだ」と。幾ら弾を撃ち込もうが耐久値が殆ど減らない。
あの重なっている装甲のせいか…そう疑う隙も無いほど攻撃も苛烈である。マシンガンを片手に間合いの広いブレードを振り回される。まず近距離での勝ち目がない。
そして距離を取ろうとしても相手の機動力の方が上なのかすぐに追いついてくる。

自分の戦闘において得意な距離で不利である状況にネルは余裕が無い。絶望的なのが【時間経過まで生き延びろ】である。
どうやっても勝てない相手って事なんじゃないか…？と思っても仕方なかった。

「まだ3分も経ってないのかよ…？！」

此方の方が一方的に耐久値を削られていく。圧倒的な強敵との戦いである。1分1秒が異様に長い、なんとか生き延びねばならないのに、手が滑りそうになる。

「く、そ……っ！負けてられるかよ…！」

ゲームが得意では無いネルにとってはとんでもない緊張感である。普段の任務では味わい難いプレッシャーを感じていた。

あと30秒、15秒…残りの秒数に早く過ぎろと願い続け、漸く……タイマーは0になった。

104二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 18:41:26

ガキンッと鈍い金属音と共に、ライブラのブレードと［落涙］のブレードがぶつかる所からムービーが始まる。
つまり、何が起きてもプレイヤーは手出しが出来なくなってしまったとも取れた。

「くっ…」
《どうした？随分と活躍してるルーキーと聞いたが…もう終いか？》
【…アリス】
「やだ…」

圧倒的な力の差である。アリスに話しかけるAIが、何を言いたいのか分かっているアリスは食い気味で拒否した。

【しかしこのままでは…お願いです。脱出、離脱を考えてください】
「貴方を置いていくなんて出来ない…！」

提案ではなく、お願い。そういうAIに思わずウルッと来てしまったのはトキである。このAIもだいぶ感情豊かになっている気がする。
この二人を引き裂くのだけはやめてくれ…そう全員が祈るが状況があまりに絶望的でどうしたら良いか分からない。

105二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 19:04:51

だがどうすれば良いか分からないなんて、アリスやAIも同じだ。寧ろ二人の方がこの状況の打開を願って止まない筈なのに…

《戦いの途中で考え事とは感心しないな…！》

そうぼやく［落涙］の一閃によって、ライブラのブレードが折られてしまう。

「マズイ…！」

そうネルが無駄と分かっていても、ボタンを押していたが…

《そもそも、機体を捨てたとて》
【アリス！！避けて！！】

無慈悲にも［落涙］が銃口を向ける。ライブラのコックピット部…アリスのいる所に向けて…

《私が見逃すとでも？》
「っ！？」

「やめっ…！！」

ネルがコントローラーを置いて画面に手を伸ばしかけるが、画面の向こうの誰にも届きはしない。
…そして

【アリス！！！！！】

近距離で放たれた弾丸がライブラを貫く。コックピット内に、赤い血が舞う。あまりにも無情が過ぎて、部屋にいる全員が固まってしまっていた。

【…リス！！アリ……！！……ぅ……！！！】

遠くなるAIの声と、暗くなっていくアリスの視界……ネル達の鼓動が、嫌に速くなった。

106二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 19:14:59

あかん（あかん）

107二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 19:17:41

やべーぞ！普通に命の危機だ！
…こういう命の危機に陥る危険性を考えて青鷲神父は警告してくれたんだろうなぁ(本人も眼帯してたし)

108二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 19:19:26

二つ名の読み方らくるいか？
絶望的だけど格好いい

109二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:25:49

え、もしかして…と最悪の想像をしているネル達は置き去りに［落涙］がライブラに未だに銃口を向けたまま話す。

《……ギリギリで機体の上体を捻ったか…なるほど、一撃でやるつもりだったが…思ったよりは動けたらしい》

「！つまりまだアリスは生きてる！！」
「でもこのままではライブラごと…」

アリスが死んだわけでは無いとホッとしたが依然窮地であり、マズイ事には変わらない。一体どうすれば良いかと頭を抱えている面々だが、ムービーは進んでいく。

《補助のAIも割と優秀らしいな…どうだ？このまま此方に》
【拒否します】

食い気味に、強く拒絶するAI……機械音声ながらその声は怒りや焦りを感じさせる。

《同胞ならば、慈悲もくれてやれたが……所詮は融通の効かない骨董品か…》

［落涙］がブレードを持ち上げる。パイロットであるアリスの意識が無い為か動く事が出来ないライブラ…このままだとアリスはおろか、AIやライブラまで助からない。
誰か…そう祈った時である。

ブレードを持つ［落涙］の腕が狙撃される。それは、いつかの護衛任務のヘリの時を彷彿とさせた。そのまま［落涙］に対し大量の弾丸が飛ぶ、「落涙」はブレードで盾の様に防ぎつつ、ライブラとの距離を取る。

［落涙］と入れ替わる様に、青い機体が守る様に立ち塞がる。

「子供に、何をしている…不良品が…！！」

［青鷲］の二度目の救援に、ネル達は大歓喜した。

>>116

110二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:27:42

神父ゥゥゥゥ！！！！

111二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:50:39

これまだ序盤か中盤初めの任務だぜ？このゲーム部に何があってTSCみたいなのができたんだよ

112二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:54:17

神父の評価自分の中でグルングルンしているの草

113二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:57:57

落とした株を速攻で上げていく神父(落ちた(?)シーンも子供を戦場から遠ざけようとしてる優しさがあるし)
かっこいい…いやでもこのままだと神父の方も危ないのでは？

114二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:06:26

これ両方先生で掛け合いしてるのかな…
相当達者だな

115二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:27:19

先生目茶苦茶ノリノリで演技してそうだ

116二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:32:02

>>109

この「子供に、何をしている」の部分滅茶苦茶迫真の演技になってそう。

117二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:40:30

神父のいやなところカッコいいところのハッピーセットだ！

118二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:03:34

ネームド同士の対峙、どうなるかは分からない。しかしもうケーフィ神父に託す他ないので、この時ばかりはシスターフッドも感心する程真摯に祈った。

「……彼女は？」

ケーフィ神父がライブラを一瞥しながらAIに問う。AIは答える。

【生きてます…ですが】
「このままでは良くない、か……私はどうすれば良い？」

ネルは少し驚いた。あんなにもAIに対して嫌悪感を抱いていたケーフィ神父がAIに対して指示を仰いでいる。それは、アリスという人間の子供の命がかかっているからか…あるいは

【……5分、いえ、3分ください】
「なんとかなるのか？」
【分かりません。ですがこのままではライブラは行動不能、逃走は極めて不可能です】
「…君は旧式だろう？機体の操縦権は獲得出来ないはずだ」
【…なんとかしてみせます。戦闘は出来ずとも、走る位は可能にしてみせます】

少しの沈黙、反AIであるケーフィ神父に対し、AIはただ静かに発言した。

【アリスの…この子の為にも、お願いします。ケーフィ神父】
「…ふぅ、機械の願いなんか聞く気もないですが、仕方ありません」

思い出した様に、ケーフィ神父は敬語に戻る。コックピット内で、ケーフィ神父はドッグタグに口付けをしてマリアを［落涙］に向き直させる。

「やってみせなさい、主が気紛れを起こす事を信じて……」
【感謝します】

端的に礼を述べてから、AIはライブラのシステムハックを始めた。

119二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:10:57

これもしかしてケーフィ神父の機体が一時的に操作できるようになってるんじゃない？

120二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:11:49

…そうだった、すっかり忘れてたけど主人公女の子でAIも女性人格なんだった…！そら心配もするわ神父
NPC同士のかっこいい会話すき(語彙力喪失)

121二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:12:27

愛情深いのがすごい分かる人だな

122二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:19:35

旧式でもこれだけ人間のような言動ができるとなると旧式と新型との決定的な差異はどこにあるのか気になってくるな
単純な性能差ではない気がする

123二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:20:51

ケーフィ神父超いいキャラしてる
先生めちゃくちゃ気合い入れて声あててそう

124二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:32:38

改めて［落涙］と対峙したケーフィ神父。
AIとの会話中も特に何も行動を起こして来なかったのが不気味だが、警戒は解いていないという意思表示かマリアの持つ銃を構え直す。

《…その機体、神父…ああ、そうか……お前が［青鷲］か》
「その名前で呼んでくれとは、私は一度も頼んでませんがね」
《くく、はは……！》

ふと…嗤った。［落涙］が。

《あはははははは！！！》

ロボット故に表情は存在しないが、オイルの涙を流したまま…嗤っていた。その狂気じみた雰囲気がネル達を緊張させる。
そして［落涙］はそのまま話す。

《知っている！！知っているぞ、覚えているぞ！？お前も！！お前が葬った同胞達も！！！》
「………」
《一機残らず憶えている、忘れてなどなるものか…！！お前が葬った私の可愛い弟妹達を…！！》

滲む様な怒り…いや、怨みを［落涙］は零す。その左眼の涙の様にぼろぼろと…

《嗚呼…可哀想に、可哀想に…リンダ、ローイ、ルゥ、リズ…》

そう口にする名前は…

「まさか…ケーフィ神父が撃墜した…」
「同胞達、か」

淡々と、されど流れ地面を汚すオイルが［落涙］が人間であれば本当に泣いているんじゃないかと思わせた。

125二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:36:58

落涙に意味が出てきた…同胞を思って泣くんだな

126二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 22:43:16

本当に一機残らず憶えているのか［落涙］の同胞の名前の羅列は続く。

「…私達が倒した機体にも名前があったのでしょうか」
「………」

人間の様な呼び名を付けているからか、まるで此方が人殺しにでもなった様な罪悪感が募る。…いや、もしかしたら違わないのかもしれない。

何せ目の前で間違いなく、［落涙］は嘆きながら名前を挙げているのだ。あのヤモリだったロボットだって最後はあれ程、街の為と立ちあがろうとした。
これが、これが感情でなければなんだ…

自分達は、今まで、敵として撃ってきた。それこそ日常の銃撃戦の感覚にも近い。でも、この世界ではそれで命が吹き飛ぶのだ。

［落涙］が計56機の名前を挙げ終えて、ブレードをマリア…ケーフィ神父に向けた。

《同胞達の、手向けにしてやろう…》
「さすがネームド。随分と人間のフリが上手い様で…出来るものなら」

そうして、ネームド同士の戦闘が始まった。

127二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 05:43:08

保守

128二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 07:13:34

このレスは削除されています

129二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:22:17

その間もAIはライブラの操縦権を得る為にハッキングを行っていた。しかし、神父の言った通り旧式であるAIでは中々上手くいかないらしく【却下】【unlock】【否認】と否定的な言葉が漏れる。

【戦闘権は放棄し、歩行に関する操縦権へのアクセスを集中的に続行……】

誰に言う訳でもない。否、本来音声を聞くべき相手は今意識を失っている。ピチャ…と操縦桿にアリスの物だろう血の雫が落ちた。

【……諦めません】

ふと、AIが平坦ながらも強くそう言い切る。一瞬、映像が乱れ、先程のアリスの台詞が流れる。

「貴方を置いていくなんて出来ない…！」

異常な程の【ハック】【別ルートを試行中】【申請】という音声が連続してコックピット内で流れる。そのうち数回程【パスワード突破】というワードも聞こえ始めネル達は声に出さず「いけ…いってくれ…！」と心の内で唱える。

【そう貴方が望むなら、私も含めて帰還せねばならないのです……ですから】

ピーッ、と普段より少し甲高いSEが流れた後

【私もまた、貴方を諦めません】

コックピット内に【申請を承認】【行動権の一部を解放、移譲します。補助AI名……】という音声が流れ、ライブラの指が緩く軋みながら動き、脚から駆動音が起きる。

「AI…！！お前、お前ェ…っ、本当にすげえよぉ…っ！！」

ネルは当たり前に泣いた。というか、割と全員泣いていた。
先程と違うのは、ようやっと希望が見えた事に泣いている事だった。

130二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:23:46

AIからの時間稼ぎを頼まれたケーフィは、先程のネルの操作による［落涙］との一方的な戦闘とは違い、見事に渡り合っている様に見えた。

［落涙］が振り下ろすブレードを長い銃身の銃で受け止めそのままいなし、ダブルバレルショットガンを構えるが…それでやられるのであればネームドにはならないのだろう。
［落涙］もまた、マリアの持つ銃身に弾丸を当てて弾道をズラす。
あの狂気の様な振る舞いからは想像も出来ない程に［落涙］もまた技巧派な戦い方を行っていた。

《流石、自慢の弟妹達を壊してくれただけはある…！》
「嬉しくもない賞賛をどうも…っ…あと、先程の貴方の台詞をお返しさせて貰うなら」

ショットガンを構え直したマリア越しに、ケーフィは零す。

「私もまた、忘れてない…お前達が奪って壊したものを…！！」
《戦争とは、そういう物だろう…！？》

そうして［落涙］がブレードを振るが、途中で軌道を変えて防御姿勢に入る。そこに、ライブラの蹴りが入った。距離を取り、マリアの横にライブラが立つ。

【お待たせしました】
「2分、過ぎてますよ……というか今蹴りませんでしたか？」

攻撃は出来ないのでは？そう言いたげなケーフィ神父に対し、AIはあっけらかんと答えた。

【いいえ、蹴ったのではありません。「まだ操作に慣れない私が歩行させた結果、ライブラの脚が当たっただけ」です】
「…それは、随分と足癖が悪い事で」

状況が、少しずつ、しかし確実に好転していくのが分かった。

131二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:26:44

【アリスの負担を考えればあまり激しくは動けません。銃も使えないままです】
「今握っている銃はただの重りでしかないと……まぁ「歩いてる時に腕を振ったら当たりそうで」危なっかしいですね」
【……貴方こそ手癖とやらが悪いのでは？】
「生憎、元から清廉な神職者って訳ではありませんので」

そんな掛け合いをしている二人。なんだろう、先程のヤモリの件からは考えられない程に空気が軽くなった気がする。
アリスという、今助けるべき存在が共有されているからかも知れない。［落涙］という共通の敵がいるからかも知れない。

その敵からどうすれば撤退出来るか分からないが、確実に良い方向には向かっているはずだ…このままアリスが助からなかったり、AIかケーフィ神父のどちらかが犠牲になろうものならネルはこのゲームに低評価を押さない自信がないのだ。
だから、どうか……そんな願いが

【！…何か、此方にきている？】
「敵の援軍じゃあありませんよね」
【この反応は、寧ろ…】

届いた

砂煙を挙げてタイヤを回す、巨大なキャリアカーの様な物が突然現れる。運転席らしき所から女性の声で拡声器が響いた。

「乗れ！！！はやく！！！」

一瞬だけ機体同士の顔を見合わせ、ライブラはキャリアカーへ真っ先に走り出し、マリアは［落涙］へ残りの弾も無くなるまで叩き込んでから逃走をはかった。

132二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:35:12

それでも［落涙］はアリス達を逃がす気は無かったが「発射！！」という声と共に幾つかの煙幕弾がキャリアカーの後ろから発射される。

入れ替わる様にキャリアカーの上にライブラが乗り込む。走り出す車両はライブラを乗せていながら中々の速度を出せていた。
それを追いかける様に飛行するマリアは一度［落涙］の方にアイカメラを向けるが、そのままキャリアカーの追尾に戻った。

《…レーダー阻害の粒子が混ざってるか。仕方ない、下手な深追いで弟妹達が犠牲になる事もない》

口惜しそうではありながら、あくまで冷静に［落涙］は見逃す判断をした。戦闘で少し離れてしまったエントルングを見上げながら［落涙］は独り言を呟く。

《あと少しだ。本当に、あと少しの辛抱だ…》

オイルを流す左眼側の顔に触れながら［落涙］は何かを待ち望んでいる様に見えた。

133二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 08:54:39

漸く終わったムービー…。ネル達はどっと疲れたと大きな息を吐く。

「あんのチビども……とんでもねえの作りやがって……」
「ゲームってこんなに疲れる物でしたっけ…」

今度セミナーと相談して必要以上に才羽モモイを追い詰めるべからずとか新しい校則でも作らせようか…いや、ゲーム自体は割とすごいのだが……

「明日は任務で忙しいってのによー…」
「続きが気になるな」
「早く終わらせれば出来るかな？」
「任務後の疲れた心身でやるのはちょっと難しい気がします……」

アリスは無事か［落涙］の目的はなんなのか、助けた相手は誰なのか……これからどうなるのか、ネルはまだ分からない。
本来情報開示をされないというのはエージェントとしては良くないのかも知れないが…

（…楽しみだな）

恐ろしい展開もあった、主人公の悲しい過去に少し触れた。目の前で優しかった筈のロボットが破壊された。
ただ楽しかっただけではない筈だが、ネルはゲームの続きを何処かワクワクした気持ちで見たくなっていた。

134二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 09:55:36

続きが楽しみ過ぎる！

135二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 12:53:39

何とか逃げ切ったかアリス達…それはそうと戻ったら多分お説教タイムですね
AIちゃんの方もガッツリ人間性獲得してるわ神父との軽快なやり取りといいバトルといい見どころがありすぎた…
助けに来てくれたっぽい女性の事も気になるしこれから一体どうなるんだろう

136二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 17:13:17

乙です
落涙も良いキャラしてるな…。あと、なんとなく奇怪な見た目の理由が分かった気がする

>>137

137二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 17:35:20

>>136

物理的に同胞を背負っている？

138二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 18:48:09

前日から暫く余裕が持てる様にと任務をまとめて素早く終わらせたC&Cとトキは今日こそしっかり進めるという意志のもと、ポテチもチョコも飲み物も…念の為ティッシュの準備もバッチリで画面前に集合していた。

「やるぞ…」

頷き合い、スタートボタンを押す。セーブデータから前回のを選び、始めた。
すると、いきなりムービーが始まった。

セピア色の風景の中で少女が、一人おもちゃのある部屋でぬいぐるみを抱きしめながら絵本を読んでいるものである。

「アリス」
「！」

男性の声で、顔を上げたアリス。どうやらこれは主人公の幼少期らしい…男性の声がした方へとぬいぐるみも絵本も置いて駆けるアリスは、不安げながらも期待をしている様にも見えた。

「…パパ？」
「来たか」

どうやら男性は父親らしい。その横に、メイド服を着た女性がいた。
思わぬメイドの登場に、全員が反応してしまう。トキは思い返せばモーションの監修の際にメイド服で着て欲しいと指定された事を思い出す。
どうやら知らないうちに、メイド要素もこのゲームに組み込まれていたらしい。

139二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 18:49:36

「今日からこのロボットがお前の世話を焼いてくれるはずだ」
「………パパと、ママは…」
「ん？」
「……なんでもない」

父の言葉を受けて、スカートを握りしめて俯くアリス…そうだった。この子はあまりにも孤独な幼少期を過ごしていたんだと思い出してアカネは頭を抱えた。

「絶対なんでもなく無いじゃないですか…！」
「気付けバカ親父！！」

こんなにも分かりやすく寂しそうな声を出している娘に、なぜ何も思わないのかと思ってしまう。
だがもはやこれは過去の話、どうしようもない過ぎた話なのである。

「これでも良いAIを積んでいるらしくてな…少し、番号が不吉だとかで売れ残ってて安くなってたから買ってきたんだ」

そういう父親の言葉に、カリンとアスナは少し眉をひそませる。

「子供に贈るプレゼントで言うべき内容じゃないだろう…」
「不吉な番号だとか売れ残りだったとか、わざわざ言うのは良くないよね…」

なんというか、この父親はアリスに親の情ではなく、ただ自身の面倒ごとを減らす為にこのメイドのロボットを買ったのでは無いかと邪推してしまう…
それ程までに、アリスと父の間にあたたかな物は感じなかった。

140二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 18:51:07

AIとの会話といいクーパーといい、ACよりタイタンフォール寄りかな？

141二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:05:18

「後は好きにしなさい」とさっさと居なくなる父親。それを一瞥してから、メイドロボットはアリスに向き直り声を発する。

《初めましてお嬢様、私は》
「ねえ…」
《はい》

メイドのロボットの言葉を遮り、アリスは口を開く。それを特に気にしてない風にメイドロボットはアリスの言葉に応えた。
胸元のシャツを皺くちゃにしながら、アリスはぽそぽそと話す。

「今日から、一緒にいてくれるの…？」
《それが私の製造理由ですので》
「……私、寂しいの」
《はい》
「本当に、一緒にいてくれる？」
《そうお嬢様が望むなら応えます》

淡々としているが、アリスにとって「一緒にいる」という言葉に対しての肯定は求めた物だったらしく、ほんの少し、シャツを握りしめる力が弱くなったアリスはメイドロボットに向き合う。

「誕生日、祝ってくれる？」
《バースデーケーキのレシピでしたら、当機は既に登録済みです》
「クリスマスも？」
《チキンのレシピもあります。飾り付けのモデルデータも幾つかありますが後で参照なさいますか？》
「寝れない日、本を読んでくれる？」
《当機はこの様に機械音声ですが、それでよければ問題ありません》

正解な様で、ちょっとズレている気もする問答。それでもふにゃふにゃと、アリスの表情は強張っていた物ではなくなる。

142二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:15:43

アリスちゃんの親ｧ…【しまい】の親が優しい人だっただけに落差が凄い…
ライブラちゃんとアリスちゃんも互いを大事に思う理由がいっぱい詰まってるな

143二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:22:28

「じ、じゃあ…えと、あのっ」

普通の子供であれば叶える事など容易な願いばかり、それでもアリスにとっては念願そのもので、それを共に叶えてくれる存在が目の前にいるのだ。

指折りしても足りない色々な事…だが、その中でも一番を決めたらしくギュッと両手を握ったアリスはメイドロボットに言った。

「………だ」
《だ…？》

「だ、抱きしめて…くれる？」
《了解しました》

メイドロボットは迷う事なく、アリスの前に膝をついて抱きしめた。
少し驚いた様に目を開いた後は、そのまま静かに泣いているアリスを、ただ抱きしめているメイドロボットの後ろ髪を、レースのリボンが纏めていた。

「アリスちゃん…っ」
「チビィ…！」

改めてこのゲームの名前、ボイスは確かにアリスだが別にキャラ本人ではない。だが無理だろうコレを本人に重ねないのは…寧ろそこまで一緒にしたら故意だろと言いたくもなる。

144二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:22:58

しまいの薬屋家族のように優しい心も持たない、ただの機械だとしても
アリスちゃんにとっては求めてやまない楽しい時間だったんだ
つらい

>>145

145二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:25:20

ボイス収録現場の空気が大変心配になるストーリー(1回目)

先生も神父の声収録したんですよね…？大丈夫？涙で前見れなくなってない？

>>144

機械的ではあるけど確かにライブラちゃんと過ごしてきた思い出がアリスちゃんにはあったんだなって…

所でこのゲーム中に心配そうに声をかけてたり必死に自分を捨てて逃げろと声をかけるライブラちゃんですが…

>>152

146二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:28:26

これ、ボイスを当てたアリスと先生どころかゲーム開発部の皆もないてるんじゃないか！？

147二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:35:31

いや待て、出演がアリスと先生だけとは限らない
音声加工もされてるし他のゲーム部3人も参加してるかもしれない

148二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:50:51

回想が終わったのか、一度画面は暗転する。そうして今度は瞬きをしている様に、黒が開いては一回、二回と、明るい光を取り込み…完全に開かれる。
OPでのアリスの目覚めを想起させるソレは、まさしくこのゲーム二度目のアリスの目覚めであった。
眩しさに対する目の反射運動か、それとも夢の内容によるものか…一筋涙を流しながらアリスの意識は覚醒する。

「ここ、は……ゔ、っ」

起き上がるアリスは包帯を巻いていたり、左耳にガーゼを付けていたりと、分かりやすく怪我人であった。生きていた事は知っていたけど、不安だった面子は改めて生きていた事にホッとしながら、それでも怪我の状態を心配している。

「……私、そっか…」

軽い回想と共に流れるのは［落涙］の凶弾をなんとかせねばと必死に操縦桿を引いた事。それで一命は取り留めたのだろうが……その後は？
そんな風に現状が分からないアリスは周りを見渡す。OPで見た彼女の部屋とは明らかに違う部屋だと確認していた時…部屋のドアが開かれる。

「お、おお！！起きたのかい？！よかったよかった！！」

すぐにプレイヤー側であるネル達はあのキャリアカーの時の声だと気付くが、知らないアリスはただその人物を見ていた。機械の音と、ヒールの音が交互にアリスに近寄ってきた。

「中々目覚めない物だから心配してたんだよ？あの神父もさぁ…反AIらしかったけど話が出来そうな奴もいるんだねえ」
「あの…」
「ああ！ごめんごめん！初めまして…じゃ、ないんだよね実は」

色々とアリスを置き去りに話す女性の言葉に、え？とアリスが零し、ネルも首を傾げる。

「でもこうして直接って意味なら初めてだね…うん！やっと会えたね！」

下から上へと移るカメラで、彼女の右脚と右腕が機械である事が分かった。先程の足音の原因はどうやらこれらしい…

「改めて初めましてアリス・フーパー！私はリディ・パーフ……［レディ・ハーフ］なんて呼ぶ奴もいるけどね？」

「アイノコは初めてかい？」と笑いかける彼女こそ、アリスに最近依頼をしていた人物であった。

>>195

149二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 19:55:18

半分機械だからハーフか

150二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:01:15

リディさん！騙して悪いが…しようとしてたのかと思ってすみませんでしたァ！(掌返し)

151二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:25:52

まずい既にリディさんがめっちゃ好きなキャラしてる

152二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 20:38:34

>>145

なんとなくライブラとは別のＡＩな気がする

戦闘補助と家事全般で備えてる機能がかなり違うし

メイドロボットに関わる過去はまだありそう

153二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 21:50:21

ロックマンも最初は家庭用お手伝いロボだったし、そういうのかなって思ったり

154二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 23:39:20

ユウカリクエストの救いがあるなら鬱でも
救いはもちろん鬱もどこで来るんやろかな

>>156

155二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 23:48:25

なんかウタハモチーフっぽい気がする

156二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 23:50:57

>>154

神父からヤモリさんへのヘッドショットが鬱じゃないとでも？

主人公アリスちゃんのキツイご家庭事情が鬱じゃないとでも？

これ以上…？え、これ以上…？？

>>158

157二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 00:11:43

このレスは削除されています

158二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 00:14:16

>>156

不器用ながら愛してた（かもしれない）主人公の親に「クリスマスプレゼントでしょう！！」しに行かなきゃダメでしょ？

159二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 06:18:24

保守

160二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 09:13:49

一体何の目的でアリスに近付いたかは分からないままだが、しかしあの時アリス達を助けた人物と分かるだけでネル達の中では割とリディを信用出来ていた。
アイノコ…合いの子という意味がパッと浮かぶがわざわざカタカナ表記で字幕には出てきたので他にも意味があるのだろうかとトキ等が考察していると…

「二週間近くも目覚めないもんだから本当心配したよ」
「二週間…！？」

随分と長い間アリスが眠っていた事が明らかになる。驚くアリスを他所に近くの椅子を右手で引っ張り座るリディがベッドで上体を起こしただけのアリスに目線を合わせてから軽く症状の説明をしだした。

「直撃は免れたらしいが…［落涙］の弾丸により歪んだコックピットの一部に圧迫されて一部の骨にヒビが入っていたし、左耳の鼓膜は破けていた」
「あ……」

左耳のガーゼの理由が分かり気付いた様な声をもらすアリスだが、一先ずリディの話に耳を傾けていた。

「頭も打ちつけてたね。流血の大半はそこだ。幸いにも後遺症はない、鼓膜もあと少しでもすれば自然治癒が出来るだろう。［落涙］相手にそれだけで済んだだけでも充分すごいことだ……さて」

そこまで話してリディは和かな雰囲気をしまってアリスを見る。
そして、深々と頭を下げた。

「すまなかった。［落涙］の出現は完全な計算外だった……君が生きててよかった。それだけで事を片付けるべきではないと、心から思っている」

まだ子供と言っていいアリスに対し、真摯に大人として頭を下げて謝罪をする。
そんな姿を見て、リディへの僅かほどの不信感もネル達は完全に無くした。

161二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 09:43:39

いい人…頼むぞモモイ

162二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 09:59:08

ついに追いついた＆保守

163二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 11:18:22

リディってアレか
依頼してきた卸売りか

164二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 14:27:29

個人的に落涙は特定のステージで時間かけすぎたりすると乱入してくるタイプだと嬉しい

>>165

165二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 14:29:30

>>164

めちゃ分かるこれ以上はあいつ来る！って緊張感良いよね

166二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:04:45

リディが深く頭を下げた事に慌ててアリスは頭を上げて欲しいと頼む。言われてようやくと頭を上げたリディ…その顔は未だ真面目そのものだ。

「君も色々知りたい事があるだろう。答えられるだけ答えるよ」

色々分からないままのアリスにとって有難い提案だとネル達が頷いていると

「それで、何が聞きたいかな？」

そうリディが言うと画面に映るのは選択肢…少し驚くが、そういえばチュートリアルの時も任務内容の復唱するか否かであった気がする……アリスの目覚めといい、何だか最近の事なのに懐かしさを覚えた。

ある質問に「ん？」と思いつつも、ネルはコントローラーを押して質問を選ぶ事にした。

最初の質問>>172

①ライブラとAIは？

②ケーフィ神父は？

③どうして自分に接触を？

④お幾つですか？

167二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:06:39

1番

168二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:07:15

１

169二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:07:54

2

170二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:08:06

ライブラ以外のAIって誰だ？

>>173

171二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:08:32

アリスちゃんが急にノンデリな質問を……②

172二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:09:35

１

>>166

173二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:10:00

>>170

ライブラは機体名だから、恐らく機体に搭載されてるAIの事では？3

174二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:31:55

唐突なリディの年齢を聞く質問にハテナを浮かべながらも、やはり一番気になる相棒のAIと機体のライブラが気になるとネルは一番上のライブラとAIの安否についての質問を選択した。

「ああ！あの子も無事だよ、ライブラも修理に出してあるから後で此処の案内ついでに連れて行ってあげるよ」

「そう、ですか…よかった」

ホッとするアリスに、ネル達もホッとする。あれ程全力を尽くしてアリスを救ってくれたAIもライブラも実は…みたいな展開になったら耐えられる気がしなかった。

「あのAIの子も良く私に君の様子を聞いてきてたよ。あんなに感情を獲得しているAIは随分長い間と見た事ないから新鮮だったよ」

「そうなんですか」

「AIの成長具合は割と新旧でガラリと変わるからねえ…旧式の場合だとかなり長い間、人と過ごさなきゃずっと機械的なままなんてザラさ」

新旧のAIについて少し情報が出てきた。

やはりAIの成長速度は最新と言われてきた方が早かったのだろう。旧式は最新型の方まで情緒が成長するに至り難いからこそ、今でも言われた通りに人に従ってくれる存在という事だ。

そして現在の情勢からして、戦闘をするロボットは撃墜の可能性も高い為、寿命まで長く稼働していられるのはとても難しいのだろう。

「あの子とも長い付き合いなのかい？」

「あ、いえ…軍学校で出会ってからなので、3年程でしょうか……」

「へえ？確かに短くもないけど、長年とは言い難いか…なら君たちの相性が余程良いのかな？」

思わぬアリスとAIの出会いを知る事が出来た事が少し嬉しかったが、リディが思い出したように「こっちの方が質問してたね、失礼した」と仕切り直してくれた。

2番目の質問>>180

②ケーフィ神父は？

③どうして自分に接触を？

④お幾つですか？

175二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:33:30

お幾つですか？

176二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:35:46

2

177二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:39:24

3

178二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:43:07

４

179二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:51:36

そういえば、キャリアカーに乗るってことは、機体サイズはタイタンをイメージしてそうやな。
巨大兵器よりも、軍用兵器としてのサイズ感すこ。

180二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:52:33

2

>>174

181二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:18:49

続いてネルはそのまま下のケーフィ神父に対してを選択する。あのままではアリス達はライブラ諸共やられていたのだから間違いなく恩人である…が

「彼なら自分の担当する避難地区に帰ったよ。それでも彼の機体のメンテナンスの為にも二日くらいはいたけどね」

まぁ確かに、と言う他ない。敵対するロボットがいる世界で、ケーフィ神父程の戦力の人がずっと離れているのは良くないのだろう。
お礼を言いたかったが、仕方ない事だ。

「しかしあの神父も変わりもの…いや、何か理由があったんだろうけどね？反AI派閥にいるのに此方に意外と素直でいてくれたよ…アイノコの私にも礼を言えるし」
「それ、は……」
「ふふ、この身体にAIは宿ってないけどね？それでも自分で考え、機械の体を持っている…同一視するものもいるのさ」

「気にした事もないけど！！」とケラケラ笑うその様子は無理をしている訳ではなさそうだった。それでも、ああ…そうか、とネル達の顔は少し暗くなる。なんとなく、アイノコの意味も分かってきたからだ。

恐らくは［機械と人の合いの子］

ロボットが反旗を翻したこの世界で、リディの様な身体を持つものはきっと肩身が狭いのだろう。
好きでなった身体じゃないだろうに…

182二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:50:04

「私の若い頃は機械と人との融和の象徴だのその時代における技術の結晶だの持て囃されて来たけどねぇ…なぁにが［愛の子］なんだか」

「今じゃ誰も笑わない洒落だよ、ったく…」

本当に笑えない…もっとエグめの意味も出てきてしまった。［愛の子］なんて呼ばれてたのに、最悪今では侮蔑対象なのはあんまりが過ぎる…

ちょっとこの世界、人の業が深過ぎないか…カリンは頭を抱えた。

「ん？そういえば今…若い頃って言いました？」

「……言ったな」

改めて、リディを見る。ぱっと見はアリスより身長はあるが然程歳の差がある様に見えないし…確実にケーフィ神父よりは若く見えている…

見えている、が……

「わざわざ質問に入れてんだよなぁ…」

もしかしてリディは思ったよりも歳上なのではないだろうか…そう考え始めた。

次の質問>>187

③どうして自分に接触を？

④お幾つですか？

183二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:56:42

おっとぉ…？
④

184二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:58:19

4だな

185二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:59:13

3

186二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:59:33

４

187二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 16:59:59

4で

>>182

188二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 17:13:30

お幾つですかァァァ！！

189二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 17:25:22

あんな台詞気にならない方がおかしいだろ。とネルはリディの目的も気になるが、そっと、リディの年齢について聞く事にした。

「ん？私の？あっははは！！もしかして軍学校ではそういうのも習ってるのかな？」
「は、はい…すみません…」
「ふーむ、因みにどんな事を教えてるんだい？」
「えと…アイノコと呼ばれている半機械、最近では片手が義手の場合でも言われる人達の中には…体の臓器も機械化、体組織の最適化を行っている為……とても老化が遅い人もいる、と」

そこまでいうアリスにリディは不快そうな表情は浮かべない。うんうん、と頷いた後…まぁ大体合ってるねと笑った。

「正しく言うなら、逆に寿命が短い者もいる。体質的にも機械の身体が合わない、とかね…ああ！私は君の予想通り、長い方だから心配はいらないよ」
「は、はい…教官にも「同い年の様でずっと歳上だったりするからキチンと礼節を持つ事」と言われてます」
「…いい教官だ。ああ、年齢だったね？別に恥ずべきものでもないから良いよ」

そうしてリディは右手の指を4本立たせる。
40…もしかするとケーフィ神父を超えるかもしれないとアカネが口に手を当てて驚いていると…

リディはもう片手も指を4本立てて、笑った。

「あと数年でこれくらいの大台にのるねぇ…あっはっは！！」

ネルの隣でトキが咽せた。が、誰も責めない。
ネルだって顎が外れそうな程に口を開けて驚いていたのだから。