アグネスタキオンの憂鬱(ポッケ不在編)【ダンポケ+α・SS】

  • 1二次元好きの匿名さん24/06/13(木) 23:55:42

    「それで、ポッケちゃんは何て言ったと思う?」
    「ふむ……『君の瞳に乾杯』なんて歯の浮くような台詞はポッケ君には言えないだろうから……ここはストレートに『好きだ』かな?」
    「『そんな顔すんなよ、ダンツ。お前が笑顔になるまで、ずっと俺が側にいてやるから』って。えへへ……嬉しいなぁ……♪」
    「……相変わらず仲が良さそうで安心したよ」

     やぁ、諸君。ウマ娘が限界を超えて到達する未知の領域への探求で大忙しのアグネスタキオンだ。
     私達ウマ娘は、ただ一つしかない頂点の座へ向かい、誰よりも速く駆け抜けその輝きを掴み取るべく本能のままに走る。そこへ向かう感情が走りに劇的な変化をもたらす事については今更説くべくもないが、私はその先の未知へ更に踏み込んでみたいと常々思っている。
     
     その為にこうしてダンツ君を(ポッケ君とカフェにバレないように)協力者として勧誘した訳だが、その条件として実験の前に少し話を聞いて欲しいと言うじゃないか。
     そんな事で私の実験が捗るのならなんの事はない、私は二つ返事で了承したよ……思えばこの時、私はあとほんの少し、0.5秒で良いからこの条件について思案するべきだったのかもしれないね。

    『さて、私に聞いて欲しい話というのは何かな?』
    『……実は、この間ポッケちゃんと駅前のカフェに行ったんだけどね。丁度期間限定のパフェがメニューにあって、一緒に頼もうって話してたの』
    『ほう、それは良かったじゃないか。ポッケ君の事だし、随分喜んだんじゃないのかい?』

     まあ、君と一緒なら何を食べてもポッケ君は喜ぶだろうがね。そう思いながらダンツ君の言葉を待っていると、ダンツ君の表情が俄に変わっていった。
     頬を桜色に染め、耳をピコピコと揺らしながらはにかむその表情は、実に魅力的だったよ。私がポッケ君なら、きっと見惚れていただろうね。

    『……そのパフェがね、カップル限定だったの』

     そこで私はダンツ君の話の全てが見えた。そして、私が実験を始める前にポッケ君とカフェがやって来て実験がお流れになるだろう事も。
     そこから始まったのは、ドキドキしながら二人でカップル限定のパフェを注文した話に始まり、小さな事で喧嘩してしまい、お互い一生懸命歩み寄って仲直りする話、そして今は、ポッケ君がふとした時に見せる格好いい一面についての話。
     まあ、早い話が惚気と言うヤツだ。

  • 2二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:04:36

     話の筋から察するに、本題は小さな事で喧嘩した事についての不安感だったようだが、正直どこに不安要素があるのか小一時間程問いただしてみたくなる。それくらいカップル限定パフェの件とポッケ君の格好良い一面の話の密度が濃い
     まあ、昔から夫婦げんかは犬もと言う事だし、仲が良いならそれに越したことは無いよ。私はこれでもポッケ君もダンツ君も良い友人だと思っているし、カフェと一緒にスイーツやらファミレスやら遠出やらあちこち誘ってくれるのは嬉しく思っていることだしね。

     仮に不満点を挙げるとすれば、元々私とカフェの共用スペースだったこの部屋にポッケ君とダンツ君が過ごすスペースが独立して形成されてしまったことと、私の存在などお構いなしに二人の世界を形成することくらいだ。

    「あ、そう言えば、この間フリースタイルレースのお友達と会った時の話なんだけどね」
    「ふむ、ポッケ君は元々フリースタイルレースから転向して来たんだったか。トゥインクル・シリーズが長くなるとそういった細かい事をつい忘れがちになるよ」
    「えへへ、ちょっと分かるなぁ。でもね、ポッケちゃん今でもフリースタイルレースに出ると凄いんだよ。そのお友達は今有名なグループのリーダーをしてるんだけど、ポッケちゃんの事すごくリスペクト? してるんだって!」

     まるで自分が褒められているかのようにニコニコと笑うダンツ君を見ていると、やはりポッケ君と同じくらい分かりやすいと思う。
     この後の展開を予想するならば、実際にポッケ君が走ったフリースタイルレースの件、ポッケ君が勝つ件、そこからポッケ君がダンツ君に『カッコ良かったよ』と言われて照れくさそうにはにかむ件、後は帰り道の件が続くと言った所か。

     さて、そこまで予想が立てば、私に出来る事は精々どのタイミングでポッケ君とカフェがやって来てこの話に混ざりだすかという事くらいだ。そういう訳なので、今日の所はそろそろ暇乞いとしよう
     なあに、実験の機会ならまた作れば良い。その時こそダンツ君のポッケ君への感情が走りにもたらす変化について良質なデータが取れることを楽しみにしようじゃないか。

     この後、同時刻にカフェがココに来るまでずっとポッケ君からダンツ君と同じ話を聞かされていた事を知り、私はカフェと互いに同情の視線を送りつつ手に持ったコーヒーカップを打ち鳴らす事になるのだが、それはまた別の話だ。

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:08:24
  • 4二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:12:01

    寝る前に良い惚気を見れて助かる

  • 5二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 00:32:05

    ラストでカフェも惚気喰らってて笑った

  • 6二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 01:22:21

    タキオン、随分と慣れたな……

  • 7二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 03:33:56

    ポッケのお友達の『有名なグループのリーダー』って、もしかしてグングニルか?

  • 8124/06/14(金) 07:17:47

    皆様、読んで頂きありがとうございます。


    >>4

    ダンポケの惚気からしか摂取出来ない栄養素がある。

    この健康的な甘さはDNAに素早く届く。


    >>5

    カフェは、流れは同じですが概ね「ダンツは可愛いなあ」という内容の話を聞かされています。

    その内コーヒーカップ片手にお互いの苦労を話し合うようになるタキオンとカフェが見られるようになるかもしれません。


    >>6

    最初のお話から見ていくと大分ダンポケの展開する砂糖空間に適応(?)してきたようです。

    せざるを得なかったとも言います。


    >>7

    名前は出しませんでしたが、そのつもりです。

    イベントストーリーで出てきたメンバー達との交流がポッケ君を中心に続いてると良いなと思います。

  • 9二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 07:38:26

    乙!ポッケ育成を>>1は読んだ?

  • 10二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 08:42:04

    朝から摂取するダンポケが金曜朝の身体に効く

  • 11二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 13:07:32

    ポッケのここ好きポイントを話し出すと止まらないダンツからしか得られない糖分がある

  • 12124/06/14(金) 20:50:38

    >>10

    1日の活力になるならなんぼでも接種していきましょう!


    >>11

    止めない限りはずっとポッケ君の魅力を嬉しそうに喋ってて欲しいですね。

    この可愛さはDNAに素早く届く。


    >>9

    致命傷を負いつつ確保してきたので、これから見てきます。

    とりあえずシニア宝塚が目標外らしいので吶喊してきます。

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