- 1◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:06:09
「……ポッケちゃん?」
夏合宿の大部屋……寮とは違い、十数人が並んで眠る、いつも以上の集団生活。
部屋割りはたいてい、寮と同じ二人組、チームメンバー、クラスメイト、仲良し友人グループ、などでまとまる。
「わりぃ、起こしちまったか?」
ダンツフレームとジャングルポケットも、そんなこんなで同じグループ入りし、夏合宿の間は同室となった。
「ううん、平気……眠れないの?」
「……ちょっとな」
ある晩、ダンツは隣の布団で寝ているポッケが、寝苦しそうに何度も寝返りを打っていることに気づいた。
うるさくて気になったわけではなく、純粋な心配で声をかけたのだが……暗がりの向こうに見えるポッケの表情はかなりツラそうで、目元には疲れが浮かんでいる。
「ちょっとって顔じゃないよ……具合悪いんじゃ」
「そうじゃねぇ、そんなんじゃなくて……少し、夢見が悪いだけだ」
だから心配すんな、とポッケは布団の中で横を向き、ダンツに笑顔を見せる。しかし、その顔にいつもの快活さはなかった。
「……ポッケちゃん」
放っておけない……合宿練習の最中から、心ここにあらずといった具合で、どこか身の入らない様子だったポッケ。その姿を見ていても、自分の練習もあるからとあまり深く踏み込まなかったダンツ。
でも今は練習中じゃない、他に見ている人もいない。ポッケの心の内を完全に察してあげられるわけではないけれど、寄り添うことはできる。
そう思ったダンツは、
「おいで……?」
掛け布団をめくり、ポッケのほうへ両腕を広げた。 - 2◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:07:29
「……へ?」
暗闇の中でポッケの両目が大きく見開かれる。寝付けないうちにすっかり暗さに慣れたポッケの目には、ダンツの広げられた両腕、柔らかそうな上半身、温かな笑みを浮かべた口元と細められた瞳がはっきり見えていた。
ダンツの行動の意味が分からないのではなく、分かってしまうからこそ、その突然さにポッケは困惑した。
「な、なん……」
「寮だとね、ミラ子先輩とたまにいっしょに寝るんだぁ」
多いのは冬だけど、ふわふわぽかぽかでよく眠れるんだって~……とダンツが深い意味もなく言い放つ。だがそれに対してポッケはムッとした。なぜかは分からないがとてもとてもムッとした。それに嫉妬という名がつくことを、ポッケはまだ知らない。
「……」
知らないが、行動を起こすきっかけにはなった。無言で自分の布団を抜け出し、半ば転がるようにしてダンツの懐に潜り込む。
「えへへ~、いらっしゃ~い」
「……ん、じゃまする」
小声で会話を交わしながら、ダンツが掛布団を二人のお腹あたりまでかける。ささやくようなダンツの声に、ポッケの耳がぴくぴくと反応する。
「あ、わりぃ、枕……」
勢いで転がり込んだため、自分の布団から枕を持ってき忘れたことに気づいたポッケ。一度体を起こそうとするが……。
「いいよ、わたしの腕、枕にして?」
それをダンツは止めた……ポッケを抱きしめるようにして。 - 3◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:08:43
「だ、ダンッ……」
「大丈夫……力抜いて……」
流石にこれはまずい……理性がそう叫んだポッケだったが、耳元で囁かれる声、左側頭部に感じるプニプニの二の腕、腰をしっかりと抱きとめる左腕、眼前の柔らかい物体、全身から香るボディミルクのにおい……それらに包み込まれたポッケは、抵抗の手段をなくしてしまった。
「ん~……まだちょっと固いかな」
ポッケの体の強張りを察したダンツは、何か思いついた様子で、腕枕にしている右腕の前腕をポッケの後頭部に回し、手でポッケの耳に触れた。
「な、なにを……」
「耳のマッサージ。自律神経を整えるから、寝る前にいいんだって」
ポッケの右耳をダンツの手が包み込む。外側から揉むように触れた後、全体を上下にこすり、親指で内側をくにくにとやさしくほぐす。
一瞬心臓が飛び出そうなほど跳ねたポッケだったが、ダンツの手の温かさと指の動きに、だんだんと鼓動が凪いでゆく。
「あ、ん……んぁ……だ、だんつぅ……」
「いたくない?」
「そうじゃ……んなぁ……」
耳をマッサージされ、全身に気持ちよさが走り、それから逃げるように体を布団の中でよじらせる。
だがダンツの手は止まることなく……気づいた時には、ポッケは完全に身を任せ、自分からダンツの腰に手を回していた。掛け布団の中でお互いの足と尻尾が触れ合っているが、気にする余裕はない。
「ふふっ……ぽっけちゃん、目がとろ~んってしてきた……」
「……んぅ」
「いいよ、寝ちゃって……わたしの呼吸に合わせて……」
目の前で上下するダンツの胸……そのリズムに合わせて深呼吸する。二人の呼吸が揃う頃、ポッケの瞳は閉じられ、全身からも力が抜けていた。先ほどまでの寝苦しそうな様子は感じられない。 - 4◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:09:57
「……おやすみ、ポッケちゃん」
慈愛に満ちた顔で、ダンツはポッケの頭をひと撫ですると、自らも目を閉じた。
……⏱……
「──ッケ……ポッケ! そろそろ起きて!」
「んあ、あ……フジさん……?」
翌朝。目を覚ましたポッケの視界に映ったのは、ダンツの柔らかい物体ではなく、朝日差し込む窓を背に仁王立ちするフジキセキの姿だった。ポッケは自分とダンツの布団の間に転がっており、隣にダンツの姿はすでになかった。
「もうみんな起きて食堂に行ったよ。ポッケが最後」
「あぁ、すんません……」
寮でも同室のナリタトップロードにほぼ毎朝起こしてもらっているポッケ。ポッケの、ダンツとは反対側の隣で寝ていたフジが、夏の間はその役を任されている。大部屋の集団生活でも寝起きの悪さは変わらないようだ。
「ん……スンスン……ぽ、ポッケ、起こしておいてなんだけど、着替えたほうがいいかもしれない……」
「え? なんでっすか? みんないつもジャージで寝て、そのまんま過ごしてるじゃないっすか」
起き上がって布団をたたみながら、ポッケがフジの言葉に疑問で返す。シャツと下着を変える娘もいるが、一日の大半をジャージ姿で過ごしていることは事実だ。
「そうなんだけど、それが問題というか……」
「ん? 変なフジさん……食堂行きますよ」
どう説明したものか、とフジが迷っているうちに、寝具の片づけを終えたポッケは、着の身着のまま食堂へと駆け出してしまった。
「おはよー、わりぃ遅れた」 - 5◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:11:31
食堂に入ると、すでにみんなが朝食をもりもりと食べていた。そしてポッケが通りかかると、皆一様に食べる手を一瞬止め、驚いた表情をポッケに向ける。
「遅いぞポッケ! なにして……たん……」
「おはようございま……っす……?」
「もう白米なくなっちま……う、ぞう……」
馴染みのルーシマメイの後ろを通った時も、驚きと困惑のないまぜになったような目線を向けられた。ポッケはそんな様子に気づくこともなく、自分の分の朝食を取りに行く。
「あ、ポッケちゃん、おはよう」
「おう、ダンツ、おはよう」
食パン数枚にサラダとオムレツ等々、いつもよりは少ないが昨日よりは多い量の朝食をとってきたポッケ。ルーシマメイの正面、フジの隣の空いていた席に腰掛ける。どうやらフジは朝食の途中でポッケを起こしに戻ってきてくれたらしい。そのフジを挟んだひと席向こうに、山盛り白米を持ったダンツが座っている。
「ダンツ、昨日のことだが……」
「わかってるよ」
ポッケが座る直前、やや気まずそうな顔で言葉を濁していると、察したらしいダンツがニシっと笑い、人差し指を唇の前で立てる「シー」のポーズをした。
「わりぃな……」
「いいよ、ぜんぜん」
それを最後に、二人は会話することなく、黙々と目の前の食事を口に運び始めた。
ポッケとダンツ……二人以外の、その場にいる全員の目線が、二人に挟まれたフジキセキに注がれる。
どういうこと? 何か知ってるっすか? なにいまの? 正面のルーシマメイからも目で訴えかけられるフジ。
「……ふふっ」
私が聞きたいよ……フジは内心そう思っていたが、完璧な寮長スマイルを保ったまま食事を続けることでごまかした。 - 6二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:12:34
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- 7◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:12:50
……⏱……
「……今日はどうしちゃったんだろう、みんな……?」
夕方。練習場から合宿所のほうに戻りながら、ダンツは今日一日の違和感を振り返っていた。
「朝から妙に注目されてるような……でも避けられてるというか……カフェちゃんにも併走断られるし……」
……今日は遠慮しておきます……ポッケさんとごゆっくり……と言って、マンハッタンカフェはダンツとの練習を避けていた。ウマ娘も蹴られたくはないのだ、何にかは知らないが。
「──やっぱり言ってやったほうがいいんじゃ……?」
「──でも勘違いだったら……」
「──ポッケさんの湿っぽい声と衣擦れ音を聞いたという噂も……」
頭をひねりながら歩いていると、合宿所の入口のところでルーシマメイの三人が輪になって何事か議論しているところに出くわした。
「ルーちゃん、シマちゃん、メイちゃん! おつかれさ……」
「びゃっ!?」
「あ、あいつ……!」
「ちょ、メイ! ストップストップ!?」
ダンツが三人に声をかけようとすると、シマがツインテをクワガタのように逆立てながら大慌てし、メイは目の色を変えてダンツに迫ろうとし、ルーがそれを必死に羽交い絞めで取り押さえる。
「え、なに!? なになにどうしたの?!」
旧理科準備室でカフェの存在に気づいたときのような、片足立ちで身をよじる奇妙なポーズで三人からわずかに距離をとるダンツ。何が何やらわけが分からない。 - 8◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:14:18
「放せルー! 一回とっちめないと気が済まない!」
「ダメだって! なんでそんなブチ切れてんだよお前?」
「どうしてポッケが受けなんだ!」
「え、怒るのそこぉ?!」
ルーメイの会話のわけの分からなさが、ダンツの困惑をさらに加速させる。なんなら周りの注目も集めてしまっている。
「……ダンツさん……いや、ダンツ姐さん」
混乱の中、シマが一歩前へと踏み出し、ダンツの正面に立った。その後ろでルーメイもようやく少しだけ落ち着きを取り戻したらしい、シマの行動を見守る体勢に入る。
「え、シマちゃん? 姐さんって……」
ダンツの疑問に答えることはなく、注目している周りにも聞こえる声量で、シマは言い放った。
「ポッケさんとはいつからお付き合いされてるんすかっ?!」
「……………………へ?」
数瞬の静寂ののち、ダンツの上擦った声が響いた。
「……今日、ポッケからあんたと同じ匂いがするんだよ」
ダンツのその反応からシロと判断したメイが、落ち着いた様子でそう切り出す。ルーも安心したのか拘束を解いた。
「え? 同じ匂い?」
「シャンプーやボディソープを貸し借りしたくらいじゃ付かないような濃厚な匂いがさ」
自分じゃ気づかないか、と三人の中では一番冷静なルーが、呆れたような困ったような顔をしながら言う。実際、ダンツが自分の袖口や襟ぐりを鼻先にもっていくが、よくわからなかった。 - 9◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:15:39
「そ……そんなに……?」
「すっかり噂になってるっすよ~カップル成立だーって」
「カッ……!?」
シマの何気ない一言に、ダンツの顔が一瞬で沸騰する。
「か、え? わ、わたしがポッケちゃんと、かか、か、カップルだなんて、そ、そんな………えへ……」
真っ赤な顔で目をぐるぐるさせ、両手をせわしなく動かし……最後に、自分とポッケが本当にカップルだったら、と妄想でもしたのか、両手でほっぺを覆っても隠せない笑みがこぼれた。
その反応を見たルーメイが「ん?」と怪訝そうに片眉をあげる……脈ありの反応じゃねこれ、と。
「──なるほど、そういうこったぁ」
シマがまたツインテを角にして驚き、ルーがゲッという顔をし、メイが若干ばつが悪そうに眼をそらす。
「……ぽ、ポッケちゃん?」
驚いて尻尾を逆立てたダンツの背後から、カップルと噂されている相手、ポッケの声が聞こえてきた。
「なーんか今日は周りの連中全員よそよそしいと思ったら……そんな噂が立ってたのか」
「ぽ、ポッケ、違うんだこれは……」
「……」
「ポッケさん……」
なぜか言い訳をしようとするルー、襲い掛かった手前何も言えないメイ、固まっているダンツとこちらに歩み寄ってくるポッケを交互に見るシマ。 - 10◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:16:47
「ダンツ、やましいことはねぇんだからはっきり言ってやれ、そんなんじゃねぇって」
「……え?」
背後から近づいたポッケが、ダンツの肩を抱きながらそう言う。言葉と行動が一致していない気がするが今はそれどころじゃない。
「昨日の夜、俺が寝付けなくてゴロゴロしてるのを見かねて、ダンツが添い寝してくれたんだよ。匂いが移ったのもそれだろ」
だから付き合ってるとかそんなんじゃねぇ、と言われ、ルーシマメイと野次馬の頭上には疑問符がいくつも浮かんだ。それは「だから」で繋がらないだろう、と。
「行くぞダンツ」
「え、ちょ、ポッケちゃん?」
周りが混乱しているのをよそに、ポッケはダンツの手を引いて合宿所の中へと入っていく。
「部屋の連中にも勘違いされてんだろ? はっきり言わねぇと」
「ぽ、ポッケちゃん待って……!」
玄関扉の向こうへと消えていった二人をぼーっと見送るルーシマメイの三人。野次馬も「なんなんだあれは」といまだに混乱気味だ。
「…………やっぱ付き合ってんだろアレ」
「…………ポッケさん、そりゃないっすよぉ」
「…………クッソ、無自覚かよ……!」
ルーが呆れ、シマがぼやき、メイがまた少し怒った。
……⏱…… - 11◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:18:00
「おめぇら! ちょっと話が……」
合宿所の二階、自分たちの大部屋に入ったポッケたちの目に飛び込んできたのは、この早い時間から布団を敷いている同室メンバーの姿だった。
「何やってんだ……」
「もうお布団敷いてる……?」
「あ、ポッケ! と、ダンツも……ごめんね、私は二人の話を聞いてからにしようって止めたんだけど……」
ポッケとダンツに気づいたフジが駆け寄ってくる。どうやら事情を知っているらしい。
「えーっと……合宿二日目の夜にさ、いびきや歯ぎしりのすごい子を部屋の奥のほうに移ってもらったりしたよね?」
「え、あ、うっす……」
珍しく煮え切れない様子のフジを不思議に思いながらも、説明に耳を傾ける二人。フジの肩越しに、部屋の奥でほかのメンバーがこそこそと噂話をしているのが見える。
「だから、その……二人にも、奥に移ってもらおうかなって、話が出て……」
「二人って……俺ら? なんかうるさかったっすか?」
ポッケのその反応を聞いて、フジは「ほら無自覚だったじゃないか!」と言わんばかりに両手を広げてほかのメンバーのほうを振り返る。
その拍子に、ポッケとダンツの視界に部屋の隅が入った。そこには、メンバーが敷いたらしい二人分の布団があった。昨日までポッケとダンツが使っていたもので……敷布団も枕もびっちりとくっついている。そしてその二人分一組のダブル布団を囲むように荷物やハンガーラック・タオル掛けが置かれて壁を形成、さらに空間的な幅も取って、他の人の布団が敷かれていた。
端的に言おう、ポッケとダンツの布団だけ、部屋の中で隔離されている。
「……俺ら、いじめられてます?」
「違うよ!? お互いのプライバシーのためだよ! 昨晩も、その……声、聞こえてたし」
「声?」
付き合ってると誤解されるのは、良くないがまだ良い。だがこんな仕打ちをされる覚えはない……なんでだ……とポッケは誤解されるにいたる経緯を思い返してみた。 - 12◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:19:04
──まず添い寝……これはダンツのやさしさだからセーフ。
──同じ匂い……添い寝したんだからつくのも当然だろう、そこの誤解は解ける。
──あとは、耳マッサージ? ……きもちよかったなぁ……あ、これってこれのことか?!
「あ、あれは耳マッサージで、その、つい……」
「……ん? マッサージ? 耳?」
ポッケの受け答えに認識の齟齬を覚えたフジ。今この場にいる全員が思ったことを、意を決して聞いてみる。
「ポッケ……ダンツと付き合ってるんじゃないの?」
「ち、ちげぇ! フジさんまでルーシマメイとおんなじこと言って! なんでそうなるんすか!?」
ついに決定的な話題にたどり着いた全員。フジの後ろから援護が飛ぶ。
「だって! 夜中にイチャイチャする声が聞こえたし!」
「同じ匂いさせてるし!」
「今だって手を繋いで部屋に入ってきたし!」
堪え切れなくなってやいのやいの言い始めた同室メンバーを、どうどうと制止するフジ。
「まぁまぁ、こういうのは本人たちの認識の問題だから……」
「あっ! そうだぜダンツ! オメェもなんか言って……」
ポッケのその後の言葉は続かなかった。慌てて振り返ってわずかに見上げた先、ダンツの表情を見た瞬間だった。
顔を首まで真っ赤に染め、直立不動の姿勢で視線を精いっぱいそらしているダンツ。赤面しているのは恥ずかしいからだろう、だが口元は、思わずこぼれそうになる笑みを必死にこらえているようにも見えて……その表情には、困惑こそすれど、嫌悪感はまったくない様子で……。 - 13◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:20:09
「ダンツ……?」
「っ!」
今も、繋がれた手を振りほどこうとしないのが、何よりの証拠だった。
事ここに至って、ポッケもようやく理解した……自分たちは、ただ付き合っているだけじゃない、夏合宿中の大部屋でやることやったカップルだと思われていることに。
そして……ダンツはそれを……。
「……っ」
ポッケの顔が、ダンツと同じく首から真っ赤に染まっていく。目もぐるぐると回り始め、耳の奥で自分の速すぎる鼓動が聞こえる。
様々な感情がポッケの脳裏をよぎったが……その中には、ダンツと同じく、嫌悪感や拒絶の類は一切ない。
「…………ぽ、ぽっけちゃん」
「…………だんつ」
互いの名前を絞り出すようにして呼び、手を握りなおす。しっかりと繋がれたそれが、二人の答えだった。
「…………カフェにコーヒー淹れてもらおうかな」
フジが思わずこぼした言葉に、誰かが「今ならブラックも飲めそうです……」と答え、その場にいる全員がゆっくりと頷いた。 - 14◆WLsRZdbfdTE924/06/14(金) 20:20:24
おしまい
左耳落ちというのがあるのなら、右耳責めがあってもいいんじゃあないかい?と心のタキオンが囁いたのでその声に従いました
映画前からダンポケにハマり、映画ですっかり脳を焼かれ、筆を執りました。映画ネタバレ解禁の雰囲気になるまで待っていたらポッケ実装されちゃったよまだ引けてません助けてダンツ貯金枯れちゃう
ダンポケ百合SS、同好の士に刺さったのなら嬉しいです。お読みいただきありがとうございました - 15二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:20:54
めちゃくちゃ良かったです………感謝………
- 16二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:20:57
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- 17二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:22:30
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- 18二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:23:11
荒らしが湧いてるね…気にしないで
めちゃくちゃ良かったから - 19二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:24:04
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- 20二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:24:07
俺より文章上手いじゃん…
- 21二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:25:02
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- 22二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:25:58
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- 23二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:28:09
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- 24二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:28:31
ええやないの
- 25二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:28:46
恋バナが大好きなJCJKの合宿でこの状況になったらそりゃ尾ヒレの1つや2つ付いて噂広まりますわ
- 26二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:29:08
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- 27二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:29:46
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- 28二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:30:24
荒らしやアンチも人間としての自信がないから逃げてるだけや、気にせんといてな
- 29二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:32:02
荒らしに負けず頑張って。すごく良かったです
ケチつけんのはいつも書けないやつだけだから - 30二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:32:30
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- 31二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:33:06
乙!ダンポケ良いよね、自分も初SSの構想練ってるんでお互い頑張ろう!
- 32二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:33:39
やっぱりダンポケは良いよなぁ
- 33二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:38:00
好きな人と添い寝するのは余裕でできる恋愛つよつよダンツかと思いきや周りからそうみられると真っ赤になっちゃうのかあいいね
- 34二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:42:10
ダンポケもっと増えろ
荒らしに負けずにね - 35二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:42:44
「「「こういうのでいいんだよ」」」
- 36二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 20:46:54
なってこったい
飲んでいたブラックコーヒーがすっごく甘い……
これがダンポケの尊み……! - 37二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:04:05
メイだけちょっとキレてるの好き
- 38二次元好きの匿名さん24/06/14(金) 21:04:17
お互いの好意を自覚しちゃったねぇ
- 39二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 00:30:45
あっ好き
- 40二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 12:27:00
ありがとう
- 41二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 12:45:40
読了。すっごい良かった。フジさんはそういう世話をする
優しく招くダンツも決めるとこを満点で決めてくポッケも素晴らしい - 42二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 17:31:58
凄く良い!
- 43二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 17:40:34
もう駄目だ
俺はデジたんにされた - 44二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 18:06:46
某所でも見かけたけどまさかあにまんにSS書いてたとは…
大昔から追いかけてたなあ - 45◆WLsRZdbfdTE924/06/15(土) 20:52:29
みなさん反応・感想ありがとうございます、すごくすごい励みになります。本編全レスいいね10以上とか初めてです
抜粋してご返信をば
あることないことが既成事実化して外堀が爆速で埋まりますね
広めていきましょう、ダンポケSSの勢い
ダンツもポッケも、相手のためにという善意や心配が先行すると距離感バグった行動をとっちゃうと思うんですよ(それを後から指摘されて赤面するまでがセット)
ダンポケ産の砂糖、お気に召したのなら幸いです
メイはポッケに理想を見てそう(私を好きにならないあいつが好き、的な)という勝手な印象で作ったシーンでしたが、受け入れてもらえたようでありがたいです
普段は仲良いと思います、今回は受け攻めの解釈違い起こしちゃっただけで…
そこ(互いの好意に気づく)をまさに描きたかったので、うれしいです
三人それぞれのそのキャラっぽさが伝わっていたようで良かったです
デジたん、こんなの遭遇したら夏コミで突発コピ本出しちゃいそう
渋で別ジャンルの小説を書いていたころからの読者さんでしょうか、長らくのご愛顧ありがとうございます。あにまんは匿名故に反応をいっぱい貰えるのが楽しくて。あちらには誤字脱字の改訂版をまとめています
- 46二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 00:14:26
可愛いね