- 11◆jD8KwZuqtE24/06/15(土) 22:10:31
ーーーシトシトと雨の降る中で、傘もささず佇んでる。
洒落たドラマのワンシーンのように。
トレセン学園に休みの日はない。
数多居るウマ娘たちのプライベート1つとてレースへの影響になる。
だから俺はこの状況に文句ひとつ言わない。
「つェェああぁっ!!ちょわぁ!!」
「いい拳の振りだ」
あと数分で濡れ鼠になるヒトとウマは雨そっちのけで各々の向き合うべき事に集中している。
「プリンセス様、ご調子は」
「天然のシャワーとは気が利いていますわね。火照った身体にはいい塩梅ですわ」
長髪をしゃらん、と手で降ってカワカミプリンセスは言う。
「で、何を辛気臭い顔をしてたんですの」
「んー……少し、な」
さすがの観察眼。一国の姫なら今頃大成していただろう。
「相合傘に想いを馳せてただけ」
「…あら、それなら私がお相手いたしますわ」
「是非ともお願いしたいところだけど…こんな俺じゃあ釣り合いがとれないから遠慮しておくよ」
「そう。」
まぁ興味がないよな、と自己完結した俺を逃がさないように彼女は言う。 - 21◆jD8KwZuqtE24/06/15(土) 22:10:52
「では"命令"ですわ。風邪を引かないように庇いなさい」
「……かしこまりました」
願ってもないシチュエーションだ。こんな美女と。
「願ってもないシチュエーションだ。こんな美女と…なんて思ってますわね?」
「エスパーか何か?」
「プリンセスですわ」
従者(トレーナー)は姫(プリンセス)に振り回されるもの。
これは現実、創作を問わず古来から決まっている。
『彼女の髪色の傘』を差して、二人で寄り添うように入ると姫は言う。
「数年後もこうしますからね」
「おいおい、もう予約済みか?」
「貴方のような"変(いちず)"な従者を扱えるのは私ぐらいじゃなくて?」
ぐうの音も出ない。片手をひらひらさせて俺は言う。
「いいセンスだ」 - 31◆jD8KwZuqtE24/06/15(土) 22:11:29
この味は おわりりりり… END
- 4二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 22:32:24
カワカミのSSあんまり見ないから新鮮でよかった
- 5二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 22:37:55
応援スレに推薦しておいたゾ
- 6二次元好きの匿名さん24/06/15(土) 22:54:07
カワカミさんが小洒落たプリンセスに見える…
- 71◆jD8KwZuqtE24/06/15(土) 23:20:49
ありがとうごじゃりまするがな~ はなびしあちゃこ