- 1◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 14:13:35
- 2二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 14:18:22
このレスは削除されています
- 3二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 14:21:23
このレスは削除されています
- 4◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 14:28:49
注意
このスレにはオリキャラ、ダイス要素が含まれます
このスレでは、リアちゃんたちが頑張った結果、エデン条約襲撃直前でベアトリーチェの策が悉く潰され、ベアトリーチェの打倒にアリウスの兵力も加わった結果、アリウスがトリニティに併合され、アリウス分派として生活しています。
また、戦力の増大の著しいトリニティへの牽制でSRTが一応存続しています。
早瀬リア
当時のアリウス唯一にして事務能力(100)をほこる事務員だった。
現在はパテル分派所属。次席事務官。
当時は、ベアトリーチェから仕事で圧殺されかけており、いっそ爆薬担いで胸ダイブかまそうかと画策していた。そんなある日、カタコンベの壁をぶち抜いてやって来た聖園ミカと接触したことと、内戦の傷が癒えてきたことをきっかけに取り戻した技能を使い、反逆を始めた。
同期と共にアリウス内線を生き残っている。
妹がいる。
ミカ様大好きな忠臣。
早瀬ユウカとは他人
仲裁と交渉担当だが圧政の気配を感じるとミカに止められることもしばしば - 5◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 14:41:18
準レギュラーキャラ
血祭キョウカ
トリニティの1年生
アリウス分校出身のくそつよわんこ系後輩。ツルギを師と仰ぐ。
Rabbit小隊と模擬線を行い、思い切り爆破された。
翌日爆睡したら元気になった。
八百万マイ
リアのアリウス分校内戦時代からの同期。工兵隊の指揮をとる。
ヒフミと友達。ペロロもいいけどウェーブキャットも好き。
休憩中。
雨宮ミスズ
リアのアリウス分校内戦時代からの同期で当時の隊長。リジェネ付与の神秘を有する。最近影が薄い。防衛戦で前線部隊にリジェネをかけ続けてたため休憩していたが………
早瀬ユウミ
リアの妹。リアより大きい。
リア並みの事務能力とそれなりの電子戦の知識を有する。戦闘力は他のアリウス生に比べると低い。
実はインフラ系はユウミのほうができる。
アリウス分派生徒
数が多い。そこそこ戦える。個人個人何かしらの技能を有する。『事務官=過労死レベルで働かせられる』というイメージがあるせいで事務仕事には拒否反応を起こす生徒も多い。上に逆らうことを覚えた。半角でしゃべりがち。食事を楽しみにしている生徒が多く、供給が途絶えると士気が8割ほど下がる。
防衛戦を終えて約1日休息をとり、輸送任務に備えている。
部長
ミレニアムサイエンススクール、自販機研究会の部長。
ミレニアムやD.U自治区に自販機を展開及び管理を行っている。食品から弾薬まで大体揃得られるだけの伝手を持つ。
商品開発と良い感じの案件を持ってきてくれる為アリウスとの関係は良好。
今回1番得をしてるかも知れない人。 - 6二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 14:42:16
たておつ
- 7◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 14:51:02
ありがとうございます
- 8二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:06:16
たておつ
- 9二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:06:41
たておつです!
- 10二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 15:16:10
保守
- 11◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/16(日) 18:07:34
- 12二次元好きの匿名さん24/06/16(日) 23:25:23
たておつ
- 13二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 07:08:24
たておつ
- 14◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/17(月) 08:00:39
「にはは!今日こそ正体表してもらいますよ!」
外部端末から防壁への介入を確認……こちらも攻撃と修復を開始します。
「ぐぬぬ!やっぱり固いですね!でも今日のわたしはひと味違いますよ!」ボンッ!
何か言っていますが、本日1台目の端末の破壊を確認……残り2台ですね、端末を交換して居る間に防壁を修復しましょう……(ジジッ)……?今、何か………
「にはは!2台目行きますよ!」
再び始まるこちらの防壁と相手の端末の削り合い………こんな低スペックの端末でなければより強固な防壁を構築し、端末への攻撃に専念できるのですが………こんなゲーム機のスペックでは防壁を削りきられる前に修復しながら端末を破壊するのが精一杯……ですが………(ボンッ!)……(ジジッ)
「あー!ぐぬぬ!また壊れちゃいました!ユウカ先輩!もっと良いの下さいよ!」
「ハイハイ、考えといて上げるから続きやってなさい………はい、3台目」
今日まで3台壊せば引き上げていました。つまり、3台壊しさえすればどうにでもなるということ………つまり、こんな低スペックの端末でも問題ないということです。 - 15二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 14:34:51
保守
- 16◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/17(月) 19:31:58
「ぐぬぬ!あと……ちょっ………と……っ!」
………さすがに粘りますか……防壁もそれなりに削られましたが、このペースなら………(ボンッ!)
「あー!……いいとこだったのに!」
ふぅ……本日も3台の破壊を完了……やはりあの妨害要素の演算能力は驚異ですね……明日に備え、防壁の再構築を進めていきましょう………?
なぜまだ防壁が削られて居るのです?
「にはははははっ!今日は会長が端末いっぱい用意してくれたので!まだまだコンティニューできますよ!」
くっ!どうやら向こうも本腰を入れてきたようですね………! - 17二次元好きの匿名さん24/06/17(月) 19:51:39
これはまさに「コンティニューしてでもクリアする」状態!
- 18◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/17(月) 20:09:15
「はじめるわ」
輸送担当の生徒達が待機する広場の前で、大きな装置の前に立った調月リオが宣言した。
同時に、エリドゥの1部区画を除き、全ての電力がダウンした。
「総員警戒!輸送完了までレーダーもAMASによる索敵網も使えん!警戒を厳に!1体も見逃すな!」
「「「「「応ッ!」」」」」
サオリの激が飛び、防壁の上と外周部に控えたアリウスの本隊が周囲の警戒を始めた。
「さあ、待たせたわね………
あなたの出番よアリス」
「はい」
ミレニアムの………未だ何者でもない天童アリスが装置に手を翳した。 - 19二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 07:29:57
- 20◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/18(火) 10:15:12
- 21◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/18(火) 19:22:48
「接続開始、現在エリドゥで運用可能な電力を全てアリスのバックアップに回します」
「送電に異状なし!外部からの介入もありません!」
「こちらKey対策班!『反省室』のレプリカによる電子的遮断に成功!白兎が工作を開始しました!」
それぞれの部隊が動き出し、次々と作戦の行程が進められていく………
「リソースの接続を確認…………現時刻をもって、権能の疑似展開を開始します……」
「祭壇は用意された………ならばそこは聖域である………」
「ごめんなさい………ちょっとだけズルします…!
名も無き神々の王女、AL-1Sである『アリス』が承認します!
──ここに!楽園に至る道は拓かれた──!」
アリスの宣言と共に、装置の向こうに、ミレニアム自治区のメインストリートが現れた。 - 22◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/18(火) 20:01:53
「長くは持たないわ!40分以内に運んで!」
「イケ!イケ!イケ!イケーーーー!!」
「ツメルダケツメ!」「ムコウノシャリョウトオセ!」「バクヤクはキヲツケテハコベ!」「タマトメシガンガンハコベー!」
物資調達に参加したアリウス生達の働きは鬼気迫るものがあった。台車を牽くものは全力疾走、積み込み作業も物資が入った段ボールが止まること無くまるでベルトコンベアーにのせられたかのように滑らかにトラックまで運ばれ積まれていく。
「イソゲイソゲ!」「モノガナキャタタカエナイ!」「リアニボコラレルゾ!」「アンナノモウヤダ!」「イイカラハコベ!」
脳裏を過るのは調印式襲撃戦………リアの策略により事実上の物資0状態で敵陣に突っ込みボコボコにされた思い出が、アリウス生達に物資調達の重要性を刻み込んでいた。 - 23二次元好きの匿名さん24/06/18(火) 23:00:14
ほ
- 24◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/19(水) 07:57:18
─同時刻、反省部屋─
「にははははは!ユウカ先輩!次下さい!」
くっ!?まだ有りますか………既に5台を破壊したものの妨害要素からの介入が止まらない。だいぶ押し込まれましたが、現在は拮抗………向こうの端末が無くなるまで粘れば問題ない筈です………。
「はい!コユキ!あと
dice1d5=2 (2) +2 台よ!」
しかし、なぜこのタイミングでリソースを投入したのでしょう………?これだけ有るなら初日から投入すればよかったものを……なぜ今……?
Keyは今回の企みに……
dice1d3=2 (2)
1、気づいた
2、まだ気づいてない
3、あと少しで気づく
- 25二次元好きの匿名さん24/06/19(水) 14:49:53
保守
- 26◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/19(水) 20:15:57
「ツミオワッタ!」「ブッシアリガト!」「イソゲイソゲ!」
ミレニアム自治区に用意されていた物資を粗方積み終え、トラックがエリドゥ側に辿り着いた。
「……先生、すこし任せてもいいかしら?」
指揮を取っていたリオが側で見守っていた先生に声をかけた。
"!……いいよ、行っておいで"
先生の許可を得たリオは、物資を運ぶ車列の流れに逆らい、ミレニアム自治区側に踏み込んだ。
「ノア」
「…!会長!?」
声をかけられたノアは、まさかリオが来るとは思っていなかったようで、驚き、声を上げた。
「ありがとう、あなたがこっちで生徒達の対応をしてくれていたお陰でこの作戦を実行できたわ……ずっと放っておいたわたしが言うのもおかしなことかもしれないけど……あなたに任せてよかったわ」
「会長……!」
感極まったようにノアは口許に手を当てた。
「………もう戻るわ、そっちは任せたわ」
そう言ってリオは踵を返した。
「会長……どうかご無事で………」
ノアは通路の向こうへ消えた先輩の背中に向けて呟いた。 - 27二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 07:13:15
言葉にするって大事だね
- 28二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 15:52:02
保守
- 29◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/20(木) 16:20:19
ボンッ!と音を立てて今日の分として用意した端末が壊れた
「にはは………さすがに手強かったです」
なんとか凌ぎきりました………こんなゲーム機でなければ記憶容量の許す範囲で防壁を組めたものですが………ここまで追い込まれるとは………。
「にはは………でも、目的は達成できましたね!」
………どういうことでしょう?押し込まれたとはいえ防壁は削りきられず、プログラムの深部にも到達させていないはず………
「にはは!ユウカ先輩ユウカ先輩!今回の作戦で運ばれる物資の中にお菓子ってありますか?早速ほしいなって!」
「はいはい、ここ片付けてからね」
ここにきてようやく気づきました。この部屋が外界と電子的に遮断されていること、王女の状態を把握できていないことに、そして妨害要素の発言……………やられた、今回の工作はわたしを対応に掛かりきりにさせるための囮……本命は別の…! - 30二次元好きの匿名さん24/06/20(木) 17:13:30
電子生命体もお腹は空くのだろうか
アロナどう? - 31◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/20(木) 20:09:57
「ふぅ………なんとか……なったわね………」
全体の指揮を終え、ふらふらとリオが座り込んだ椅子がギシリと音を立てた。
「お疲れ様です」
いつの間にか側に来ていたリアが、自販機で入れたコーヒーを手渡した。
「いただくわ………あなたの持ち場は大丈夫なのかしら?」
「ええ、今は倉庫に運び入れている最中ですので………そんなところで悠長に在庫検査なんてしても邪魔になるだけなので抜けてきました」
珍しく仕事場から離れたリアに、リオが訪ねると、リアはサラリと答えた。本来なら懐に入れる奴が居ないか目を光らせるところだが………そこはアリウス生、そんなズルをしたら同胞からどんな目を向けられるか………何より首長と元事務長からどんな目に会わされることかわかっているうえに、現状で満たされているため不正をする必要がなかった。
「にはは!リオかいちょう!終わりました!おやつ下さい!」
「こら!コ~ユ~キ~!報告してからって言ったでしょう!?」
すると妨害担当のコユキとユウカがやってきた。 - 32二次元好きの匿名さん24/06/21(金) 05:24:20
コユキがかがやいている!
- 33◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/21(金) 10:08:20
「お疲れさま、作戦は無事終了よ………あとは運び込んだ物資を整理するだけだから、あなた達は休んでいてちょうだい」
リオはじゃれついているコユキにチョコレートバーを与えながらそう言った。
dice1d3=3 (3)
1、ユウカ「いえいえ!私もやりますって!」
2、アリス「パンパカパーン!アリスはクエストを達成しました!」
3、Key「なるほど………そういうことでしたか………」
- 34二次元好きの匿名さん24/06/21(金) 15:41:26
保守
- 35◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/21(金) 20:08:51
「なるほど………そういうことでしたかっ!」
突如部屋の中に怨めしさや苛立ちの滲んだ合成音声が響いた。
「「「「っ!?」」」」
見れば部屋にあった作業用のPCに明かりが灯り、デスクトップに『divi:sion』の文字が浮かび上がっていた。
「あ、あなたがケイなんですか?」
作戦後に部屋で休んでいたアリスが声を震わせた。
「王女よ、それは誤りです。私の個体名は『Key』………王女を助ける無名の司祭たちが残した修行者であり、あなたが戴冠する玉座を継ぐ『鍵』………『Key』です」
今回の作戦にあたっての懸念事項にして隔離対象だったKeyが動き出していた。
「あなたは『王女』であり、私は『鍵』………それが私たちの存在であり目的………それから逃れることはできないのですよ」 - 36二次元好きの匿名さん24/06/22(土) 06:13:19
ほ
- 37◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/22(土) 14:34:21
「ともかくです………この端末のログを確認しましたが、まさかわたし抜きで王女の権能を行使するなんて……現代にそのような技術が残っていたとは思いませんでした」
怨めしそうに語るKey……彼女が出た時点でユウカとリアがネットワーク機器の電源を落とし、端末の回線は遮断し、つ端末を1つ乗っ取られたのにはかわりなかった。
「それで?今までゲーム機に引きこもっていたあなたがなぜ出てきたのかしら?怨み節でも言いに来たの?」
「ええ、王女の権能を勝手に行使されたことは大変遺憾です………ですので、王女には自身の役割を自覚して頂こうかと思って参りました」 - 38二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 00:31:24
保守
- 39◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/23(日) 10:04:36
「王女よ………あなたは『名も無き神々の王女』………あなたに備えられた力は世界を滅亡させるためにあるのです」
画面に写し出されたAIは淡々とそう言った。
「このキヴォトスの神秘をアーカイブ化し、終演に導くことこそあなたの使命………さあ、わたしと共に参りましょう………わたしと共にあれば権能の行使は思いのまま………更なる力を授けましょう………それをもって世界を終演に導くのです!」
部屋にいた面々は、Keyの言う事を黙って聞いた。
「アリスは………」
そしてアリスが口を開いた。
「アリスはそんなことしたくありません………」
それは明確な拒絶………
「アリスは世界を滅ぼしたくありません………アリスはゲーム開発部やミレニアムの皆と一緒に楽しく過ごしたいし、ミレニアムの外の人達とも仲良くしたい…!仲間と支え合って生きていきたい…!世界を滅ぼすとかそういうのは求めていないんです…!ラスボスのロールは好みじゃありません!アリスは………アリスは…!」
「アリスは勇者になりたいんです!」 - 40二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 15:42:36
保守
- 41◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/23(日) 21:04:25
アリスは一息に言いきった後、はあはあと息を整え、キッとモニターを睨んだ。
「アリスはミレニアムの『天童アリス』です!『名も無き神々の王女』でも『AL-1S』でもない!見習い勇者の天童アリスです!」
アリスの啖呵を聞いた部屋にいた面々は……
dice1d3=1 (1)
1、リオ「わたしとしては………」
2、リア「……と、言っていますが?」
3、Key「………そう、ですか………なら……」
- 42◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/24(月) 07:51:02
「はぁ………」
その時、部屋に大きなため息が響いた
「会長?」
「はぁ………わたしとしては、あなたが世界を滅ぼす兵器として振る舞ってくれた方が、そこのAIとまとめて処分できて楽ができたのだけど………」
リオがそう言うと、アリスはビクリと肩を震わせ、ユウカとリアが眉をピクリと上げた。
「とはいえ、もうトリニティやSRT、それにシャーレが絡んでいる以上そうもいかないし、もはやそれで解決できる段階は過ぎてしまったのよね………」
「なぜこうなってしまったのかしら………」と言いながらリオは額に手を当てた。
「まったく………あなた達のせいでめちゃくちゃだわ………連邦生徒会長の失踪やエデン条約だけでも大変なのに………本当に、どうしてくれようかしら?」
リオの赤い瞳がアリスを射抜いた。
「ああ………そう言えばあなた………学籍は偽装したままだったわね?」
アリスは再びビクリと震えた。確かにアリスの学籍はヴェリタスが偽装したもの………まさかそれを理由にアリスを……?
「………でも、あなたはミレニアムの学生として成果を上げていたわね?」
ミレニアムプライスでの特別賞の受賞………それはアリスがゲーム開発部に入ってから上げた成果だった。
「ふむ………どの程度意味があるかわからないけど………やってみましょうかね?アリス………」
「は、はい!」
いきなり呼ばれたアリスは思わず背筋を伸ばした。
呼んだリオ本人は紙にサラサラと何かを書き込み、朱肉を取り出して拇印を押した。
「ミレニアムサイエンススクール、セミナーの会長権限をもって、特例であなたの編入を認めます。ここにサインを」
作ったのは契約書だった。
「っ!王女!いけません!」
Keyの制止の声も間に合わず、アリスはサインをしてしまった。
「よろしい、セミナーの会長として『編入届』を受理します………『天童アリス』あなたはミレニアムサイエンススクールの生徒です」
それはトリニティ自治区から持ち帰った資料にあった古則の曲解………名が体を表すのならば、名を縛ることでその有り様を制限する契約………元来こういったこととは縁遠いミレニアム生のリオがどこまで効果があるか分からない儀式の真似事を行ったのは、一重にミレニアムを危険に晒したAIへの、合理を横においた嫌がらせだった……… - 43二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 18:45:37
ほ
- 44◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/24(月) 21:05:13
「な、なんということを……!?王女にミレニアム生としてのテクスチャを被せるなど……なんということ…!」
合成された機械音声だが、その声はわなわなと震え、動揺が感じられた。
「ふぅ………まったくもって私らしくもない非合理な行為だったけど………案外スッとするものね」
実行したリオ本人は、いつもの鉄皮面だが、どこか満足気だった。
dice1d3=2 (2)
1、リア「おやおや………?」
2、アリス「えっと…アリスは【学籍(真)】を手に入れた……?」
3、Key「なんという………なんということを…!しかたがありません…!王女を惑わす妨害要素は………」
- 45二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 07:30:04
やったぜ
- 46二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 07:34:12
ちょっと困惑してて草生える
- 47◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/25(火) 13:07:28
「えっと…アリスは【学籍(真)】を手に入れた…?」
今回の事案発生から散々な目に会ってきたアリスだったが、突如与えられた学籍のあまりの呆気なさに戸惑っていた。
「あ、あの?本当にいいんですか?」
「ええ、もともと大多数が持っていた認識を正式なものとして受理しただけだから別に問題ないわ」
戸惑うアリスがリオと話している間に、モニターに近づくちっこい人影が1つ。
「おやおや?機械技術の進歩は目覚ましいと伺っていましたが………自分の主人の意向も汲めないのは従者としてはどうなんですかね???」 - 48二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 13:25:01
も り あ が っ て ま い り ま し た
- 49◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/25(火) 20:48:26
「………は?」
心なしかKeyの機械音声に怒気が混ざった気がした。
「おっと………わたしとしたことが失礼いたしました」
リアは言った後直ぐに軽く頭を下げて謝罪した………そして………………
「ミレニアムどころかトリニティができるよりもさらに前に作られたあなたに求めるには酷でしたね?いやはや最近はミレニアムの最新技術を目にすることが多かったのでつい同列で見てしまいました………大変申し訳ありません」
「な、な、なっ!?」
「う、うわぁ………」
つらつらとリアの口から出てくるトリニティ仕込みの皮肉と罵倒に側にいたユウカは顔をひきつらせた。
「と、いいますか………『無名の司祭』などというとっくに表舞台から去った存在の残した使命を今さら果たしてどうするのです?
もう時代は変わったのですから後は若いものに任せて隠居でもしてはいかがですか???」 - 50二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 22:05:20
リアちゃんノリノリで草生える。どうせ死ぬならおっきなおっぱいに包まれてから死にたいって言ってた子の姿か?これが…
- 51二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 00:49:58
さすがトリニティだぜ!
- 52二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 07:26:16
保守
- 53◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/26(水) 12:04:56
リアはキレていた。
必ずや今回の事案の原因であろうAIを殴らねばならぬと決意した。
リアに無名の司祭の事情は分からぬ。
リアはパテルの事務官である。
赤いアレを打ち倒してからしばらく、朝は主人であるミカを起こし、食事を共にし、ほどほどに仕事をして夜は抱き枕にされながら眠る生活を送っていた。太古の時代の出来事など興味もなかった。
しかし、圧政と不条理には人一倍敏感であった。
長年苦しんできた問題が解決し、自分もアリウスの同胞達も自由で穏やかな生活を送り始めたところでのこの防衛戦である………リアとてまだまだ子ども………怒りをぶつけられる相手がいるなら遠慮なく殴りたいお年頃だった……… - 54二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 17:26:45
リアちゃんのストレスが何時の間にか過剰にマッハになってた件
- 55◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/26(水) 21:01:11
「っ!っっっ!使命から逃れることはできません………」
一拍おいて言ったKeyにリアがさらに距離を詰める。
「なぜ?なぜ?なぜなぜなぜなぜなぜ!?なああああぁぜ???もはや使命を与えた創造主は居らず!主人も使命を否定しているのに何を拘る必要があるのです?ああ!『そう命じられたから』などという返答ならいりませんよ?そのようなお役所仕事のような返答など連邦生徒会の窓口だけで十分です!」
「………………………王女よ、使命を果たす気は無いのですね?」
Keyは絡んでくるちっこいのを相手取るのをやめた。
「………はい、アリスは魔王にはなりません…………アリスは勇者になります!」
「そうですか………………
ならば使命はわたしが果たすとしましょう」 - 56二次元好きの匿名さん24/06/26(水) 23:01:19
前線に出張ってる(多分)数少ないトリニティ側の文官だからね・・・主体がミレニアムとはいえどう考えてもすごく忙しいよね
- 57◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/27(木) 07:52:23
「このままこちらの兵力を小出しにして消耗戦を続けるのも悪くありませんが………いい加減そこの妨害要素に絡まれ続けるのも煩わしくてなりません」
「おやおやおやおや?頭が固いうえに堪え性も無いとは………」
再度リアからトリニティ煽りが入ったが、無視して画面に幾つかの文と、犇めくdivi:sionの画像が映し出された。
「………こほん、ですので…………総力戦といきましょう………………5日後、このエリドゥに全兵力を用いて総攻撃を行います。王女を拐かすものを一掃してさしあげます。それに耐えられたならば使命は諦めるとしましょう」
Divi:sionの兵力
dice1d20=14 (14) (最低5000)
- 58二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 08:08:45
リアちゃん黒服みたいになってない?
- 59二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 18:08:20
ほ
- 60二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:45:10
このレスは削除されています
- 61二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 06:08:48
保守
- 62◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/28(金) 07:55:03
「ああ………逃げようなどと考えないで下さい。もし逃げたらミレニアム市街地やあなた方に手を貸しているトリニティ自治区にも兵を差し向けます」
「「「っ!?」」」
エリドゥの防衛に主力を割いている今一番不味いのは守りの薄くなった各自治区を攻められることだった。
「此方とそちら、兵が尽きるまで潰し合う………実にシンプルな話です………そちらが勝てばもはや兵がない以上私も従います。此方が勝ったら王女の力をもってまずはミレニアム、次にトリニティを滅ぼすとしましょう」
画面に提示された書類は契約書………内容は単純明快、『勝った方が生殺与奪を握る』ただそれだけ………。
「さあ………王女よ、あなたが勇者になることを望むのならば、我が1万4千機の軍勢を討ち果たしてごらんください」 - 63二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 16:30:43
保守
- 64◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/28(金) 21:03:05
「5日は待ちます、精々最後に足掻きなさい」
そう言い残してモニターは消えた。
「………エリドゥに在中するすべての生徒に待機命令を………今後の方針について話し合います」
そしてエリドゥの会議室に、作戦に参加していた各校の主要メンバーが集められ、会議が開かれた。
前回を大きく上回る戦力への対応は、驚くほど早く決まった………
─ミレニアムサイエンススクール及びトリニティ総合学園連盟により連邦生徒会へ要請─
ミレニアム自治区内にて発生した事案に、協力関係にある両校及び要請を受けたSRTが対応……しかし、危険度が想定を上回ったため、最悪の場合防衛にあたる舞台が壊滅する可能性アリ。
よって、『SRT全軍の派遣』および『壊滅時の一般生徒の保護』を要請する……… - 65二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 21:07:31
うーんこの総力戦はトリニティ側からもツルギパイセンとか追加で来て欲しいやつー!
- 66二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 21:14:05
Key「王女のバカ、やる気なし!妨害要素はウザいしちっこいのはねちっこく絡んでくるし・・・もう知らない!こうなったら散発的な嫌がらせなんてやめて魔王としてど派手な幕引きを迎えてやる!5日も猶予を上げて、それでも負けちゃうような連中には王女は任せられないんだから!せいぜい準備をしておくことね!」
的な?
ある意味では落としどころというか、後顧の憂いを断つ機会を作ってくれたともいえるかな - 67二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 06:21:25
楽しみ
- 68◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/29(土) 13:50:13
「とんでもないことになったな………」
方針の大枠が決まった会議の後、サオリが呟いた。
「ほんとにね………まさか1万以上も兵力が残ってたなんてね………」
「トリニティとミレニアムには連絡したわ………自治区防衛及び避難準備を開始するそうよ………」
前回を上回る物量、勝てる確信は持てなかった。
~♪~♪~♪~♪
ミカのスマホに着信があった。
「あ、セイアちゃんからだ」
「やあ、大変なことになったね?」
電話口から聞こえる声は思っていたよりも軽いものだった……… - 69◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/29(土) 17:16:20
「セイアちゃん状況わかってる?」
『単位落としたんだって?』くらいのテンションで連絡をよこしたセイアに、ミカは眉をしかめた。
「ああ、分かっているとも………敵の戦力は前回の凡そ7倍、物資の補給ができてもそっちにいる人材では追い付かない戦力差だろうね」
「だったらなんでそんなに落ち着いてるの?」
淡々と状況を述べるセイアに、ミカは怪訝な顔をした。
「ふふっ………なに、簡単な話さ………そっちにいる戦力で足りないなら………余っている所から持ってくればいいじゃないか」
そうセイアが言ったとき………
dice1d5=3 (3)
1、リアのスマホが鳴った
2、アズサのスマホが鳴った
3、キョウカのスマホが鳴った
4、ヒフミのスマホが鳴った
5、先生のスマホが鳴った
- 70二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 22:58:36
待機
- 71◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/30(日) 07:48:10
その時、キョウカのスマホが鳴った。
「あれ?マシロちゃんからっす………はい、マシロちゃん?久しぶりっすね!」
キョウカは正義実現委員会で訓練していることが多いため、同じ一年生のマシロとつるむことも多かった。
「お久しぶりです。大変なことになったと聞きましたが、怪我などしてませんか?」
「もう治ったっす!」
「………まあ、いつものことですね………では、委員長に代わって連絡を………
正義実現委員会もそちらに向かいます」 - 72二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 08:09:54
あぁそっか、
『エリドゥを全軍で落としてからトリニティとミレニアムを落とす』って宣言しちゃったもんね。 - 73二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 12:39:09
キヴォトスそのものに喧嘩を売ったんだからきっちり買い上げる
- 74◆K7oi2p2CoQ9Y24/06/30(日) 20:34:21
「え?それ大丈夫なんすか?トリニティの防衛に回す戦力は?」
正義実現委員会はトリニティが保有する正式な自治組織である。武闘派のアリウス分派やパテル分派が出払っている状態で主力の正義実現委員会まで派遣する危険性はキョウカでも分かることだった。
「あ、それは大丈夫みたいです。なぜなら………
dice1d3=2 (2)
1、ゲヘナが派兵してくれることになりました
2、シスターフットが動きました
3、両方
」
- 75二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 06:10:42
サクラコ、覚悟決めてくるのか……?
- 76◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/01(月) 07:53:24
「シスターフットが動きました」
「えっと………シスターフットって聖堂にいるシスターさん達っすか?あの優しそうだけど笑顔がなんか怖いサクラコさんとこの?」
マシロは苦笑いした。 - 77二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:09:11
保守
- 78二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:10:26
あ
- 79◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/01(月) 19:59:25
「あはは………あまり言わないであげてください、サクラコ様も気にされている様でしたので」
ティーパーティーに支援を申し出に来た時に鉢合わせたミネ団長に詰められ、苦い顔をしていたサクラコの姿をマシロは見ていた。
「ということですので正実もそちらに向かいます」
「おまたせしました。トリニティの守りは我々シスターフットが引き受けます」
「あ、調度到着されたようです。シスターフットも一定の戦力を保有していますしきっと大丈夫でぇっっ!?」
到着したシスターフットの方に目線を移しながらキョウカに『大丈夫』と言おうとしたマシロは思わず大声を上げてしまった。
「ど、どうしたんすか!?」
突然の大声に電話越しのキョウカが訊ねたがマシロの耳には届いていなかった。
「な、ななな………っ!?」
…いや、届いていたかもしれないがそれ以上に………
「なんですかその格好はっっ!?」
あまりにも『覚悟』の決まった服装に度肝を抜かれていた。 - 80二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:37:42
このレスは削除されています
- 81◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/02(火) 08:15:09
「ーー!ーーー!?ーーっ!?」
「ちょっ!?どうしたんすかマシロちゃん!?マシロちゃん!?」
「ーー!」(ブツッ)
「切れちゃったっす………」
電話口で聞いているキョウカには、マシロの受けた衝撃は伝わらなかった。
「キョウカちゃん?どうしたの?」
セイアと通話しながらミカが聞いた。
「えっと、正実が来るそうっす……あとシスターフットが動いてくれたみたいっすけどなんか揉めてるみたいっす……?」
「セイアちゃん………?」
「まあ、そういうことさ………正実を増援として送るよ。それだけじゃないけどね……」
セイアがそういった時………
dice1d4=3 (3)
1、リアのスマホが鳴った
2、アズサのスマホが鳴った
3、ヒフミのスマホが鳴った
4、先生のスマホが鳴った
- 82二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 10:24:58
これは…ファウストの元に集え!
- 83◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/02(火) 21:02:03
「やっほ~、ファウストちゃ~ん」
「わーっ!?わーっ!?わーっ!?」
電話口から聞こえた声……正しくは自分の呼び名に対してヒフミは大声を上げて誤魔化した。
「うへ~、あいかわらずファウストちゃんは元気だね~、おじさんはこの前先生のお手伝いしたらなかなか疲れがとれなくてねぇ~」
「はぅう!?困ります!困ります!今はトリニティの人がいっぱい居るんですからその名前で呼ばないでください!(小声)」
のんびりと話すアビドスの3年生の言葉に戦々恐々としながら、ヒフミは部屋の角にかけていった。
「うへ、寂しいこと言わないでよファウストちゃ~んおじさん達は刺激的な1日を共にした仲じゃない………まあ良いや、おじさん達もそっちのお手伝いしに行くからよろしく~」 - 84二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:14:24
アビドス勢が手伝いに来たよって言われても、ミレニアムもトリニティも「なんで?」なんだよな
エデン条約でブルアカ宣言されてないし
ヒフミの友達って言われてもやっぱり「なんで?」状態
ブラマ通いはバレてないだろうからどこで繋がりもったんだ?状態
いやまあ、連邦生徒会に三大校のうち2つが「「うち壊滅するかもしれんからよろしく」」要請したからなにかの布告あったかもしれんけど - 85◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/03(水) 07:50:07
「先生から呼ばれたときから大変なことになってるな、って思ってたから一応準備はしてたけど………連邦生徒会から要警戒の通知が出てトリニティから要請がかかるなんてね……まさかまさかだねぇ~」
「あの?それってどういう………」
連邦生徒会から通知が出るのはわかるが、トリニティからアビドスに支援要請が出るのはヒフミにとっても予想外だった。
「うへ~、フィリウス分派の首長ちゃんから『借りを返してください』って言われちゃってね………『お礼』もはずむしこっちの安全優先でかまわないって言われたら断る理由もないかなって」
フィリウス分派の首長、桐藤ナギサから打診されたアビドスの参戦、以前アビドスで行われた『実弾演習()』の縁から依頼されたそれに関わる費用はすべてフィリウスが負担するということになっていた。
「うへ~、まさか1人あたり
dice1d4=4 (4) 千万
PON⭐とくれるなんてね~おじさんびっくりだよ~」
- 86二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 15:20:10
実弾演習()あったな……
そしてさらっと2億稼いでるアビドス勢 - 87◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/03(水) 20:37:13
「と、言うわけだからおじさん達アビドスもそっち向かうね~……………アヤネちゃ~ん!お代連邦生徒会もちにできるからミレニアムまでグリーン車乗ってこグリーン車!」(ブツッ)
「あはは………アビドス高校も防衛戦に参加するそうです……」
「セイアちゃん………?」
「危険度がわかってからナギサが手当たり次第に伝手をあたって連絡をとってるんだ………おそらくもう何ヵ所か………」
その時………
dice1d3=1 (1)
1、リアのスマホが鳴った
2、アズサのスマホが鳴った
3、先生のスマホが鳴った
- 88二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 08:09:26
ほ
- 89◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/04(木) 10:15:15
「同士ちっこいの!工兵の手は足りているか?」
「張り倒しますよ」
久しぶりにかかってきた相手からの電話にでるやいなやとんできた気に入らない渾名に、リアは額に青筋を浮かべた。
「はっはっは!すまない、久しぶりだなリア」
「ええ、久しぶりですねミノリ………トリニティ旧校舎改装の打ち合わせ以来ですか?」
電話の相手はレッドウィンターの工務部部長、安守ミノリだった。 - 90二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 13:13:36
レッドウィンターだと…
- 91二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 20:42:59
ミノリに影響受けてる子いたもんなあ
- 92◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/04(木) 20:47:30
リアが安守ミノリと出会ったのは、エデン条約締結前、まだアリウス分校があり、名目上はまだリアがスパイ()であった頃、パテル分派のお使いでD.U地区に出向いた時だった。
「ふむ………こんなところでしょうか………」
お使いの用事である書類の提出と折衝を済ませ、帰路につこうかと思ったとき、リアの腹が『くぅ…』と鳴った。
「……………帰る前に何か食べていきましょうか」
「───────────っ!────っ!」
自身の腹に従い、飲食店を探しはじめた時、1本路地を挟んだ通りから騒がしい声が聞こえた。
「なんでしょう?」
気になったリアが近づいていくと…………
「連邦生徒会は自治区運営の問題が出たことへの責任を取れー!」
「レッドウィンターへ支給する寒冷地手当てを増額しろー!」
「各自治区の最低賃金格差を是正しろー!」
デモをしていた。
「連邦生徒会の役員は責任をとって退陣しろー!」
アリウスではけして見ることの無い熱量を、リアは呆然と見ていた。
そして暫くしてデモ行進は終わり………
「よし!今日の活動を終了する!カツ丼でも食べに行こう!………む?」
「…………………」
デモの先頭に立っていた生徒と、リアの目がバチリと合った。
「…………………」
「…………………」
自然と2人は近づき………
「……………」「……………」(グッ!)
気づけば握手を交わしていた。 - 93二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 01:43:49
権力への反逆者が出会っちまったか
- 94◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/05(金) 08:15:17
権力へ抗議、それすなわち反逆………諦観や諦め、虚しさ蔓延るアリウスではけしてあり得ない光景にリアは感動すら覚えていた。リアは思った、どうやら私達はしんy──
「はじめましてだな同士ちっこいの!」
「──ではなかったようですね」
工務部とリアはそれぞれ互いの反逆の意志を感じとっていたが、リアの好感度は一言で1段下がった。
「すまない、レッドウィンター工務部、安守ミノリだ」
「トリニティ総合学園、パテル分派所属、早瀬リアです」
トリニティと聞いて工務部がざわついたが、すぐにミノリが手で制した。
「まて、彼女はブルジョアの多いトリニティに籍を置いているようだが、悪政へ反逆する志は共にできるとは思わないか?」
その言葉を聞いてざわめきは徐々に引いていった。
「すまんな同士リア、カツ丼でもどうだ?」
「む………ちょうど食事をとれるところを探してました。ご一緒します」 - 95二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 18:15:17
し
- 96◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/05(金) 21:03:51
その後、リアは工務部に混じってカツ丼を食べた。食べている途中で自分の上司にあたる人物がとんでもない圧政者であることをポロリと漏らした。すると………
「「「「………………………」」」」
工務部が全員黙り込んだ。
「………食事中にする話ではありませんでしたね、失礼しました」
リアが謝ったが、工務部の生徒達は俯いたままぶるぶると震えはじめた。
「……………だ」
「あの?みなさん?」
「圧政者だ!許されざるべき圧政者だ!決して許すな!生徒の自由を!労働者の権利を蔑ろにする圧政者は潰せ!革命だ!」
「「「「おおおおおおおおおお!!」」」」
路地裏の食堂に工務部の雄叫びが木霊した。
「よく耐えた!」「もう大丈夫だ!」
「我々がついている!」「圧政者には制裁を!」
「さあ!みんな、目の前にいるのは圧倒的な権力者にして圧政者に苦しめられた労働者だ!このまま放っておけるだろうか?いや、放ってなどおけない!」
「「「おおおおおおおおおお!」」」
「え?え?あの?」
「自由と権利のための闘争……!なんと素晴らしい…!我々レッドウィンター連邦学園工務部は君の革命を喜んでサポートしよう!」
「志を一つに!団結せよ!」
「??????」
突如ヒートアップした工務部に、リアは困惑した。
そしてこの縁が、アリウス戦役においてアリウス分校の兵站を破綻させることになるのであった……… - 97◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/06(土) 08:10:46
その後、なんやかんやアリウス戦役用の物資の供給などで世話になり、リアからはトリニティ自治区内での案件を依頼するといった関係が続いていた。
そして時は今に戻る………
「ああ、あれはなかなかいい仕事だな、だが、途中でストップすることになったのはいただけないぞ?遅延分の保証はどうするつもりだ?」
「それについてはトリニティの支払い規則を元に後日協議を経て決定します。ただし、一時金として一部は明日にでも振り込まれる手筈になっています」
「そうか!なら予定を空けておこう!やはり仕事をするなら話のわかる相手はいいものだな!」 - 98二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:47:09
- 99二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 19:09:34
このレスは削除されています
- 100二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 19:11:34
- 101◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/06(土) 20:39:13
「とはいえ、予定が空いてしまっていてな、他の依頼はトリニティの依頼を受ける際に断ったから他所が持っていってしまったし、休みをいれようにも部員の労働の機会は確保しなきゃいけないからな………防衛戦をするなら土木や建築は必要だろう?」
人材派遣の打診を受け、リアはチラリとマイを見た。
「ん、人手が増えるのは大歓迎」
グッと親指をたててマイが答えた。
「正直助かります………賃金はレッドウィンターの土木工事相場相当でいいですか?」
「はっはっは!同士ちっこいの!緊急時だぞ?危険手当てや諸々の手当てが抜けているぞ?」
「冗談ですよミノリ、現地のミレニアム自治区基準で諸手当の予算は引っ張って来ます。詳細は此方に来た時に詰めましょう………あと、だれがちっこいのですか」
「ははっ!やはりリアは話が分かるな!こちらの要求もまとめておこう、いい仕事にしようじゃないか」
そして電話が切られた。 - 102二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:07:44
話が分かる
- 103二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 18:42:33
待機
- 104二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 18:43:22
同じ釜飯を食べた仲だ、信頼度が高い
- 105◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/07(日) 20:59:41
ミカ様、レッドウィンターの工務部が防衛設備の建設補助を申し出てくれました」
自身の副官であるリアからの報告を受けてミカは口元をひくつかせた。
「うわぁ………まさか旧校舎の工事に呼んでた生徒にまで声かけてるなんて………マジで手当たり次第じゃん………」
「まあ、そういうことだから協力してくれる生徒が居たらそっちに順次派遣するよ、編成はそちらでたのむ」
その後、何度か会議室で電話が鳴り、都度対応することになった。 - 106二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 07:14:57
待機
- 107◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/08(月) 08:16:16
電話対応が終わり、方針と派遣される部隊の運用方針が固まった所で本日の業務はお開きとなった。
「うぅ……ぁぁ……つ~か~れ~たぁ~~」
「ぅぁ……ぁい、ミカさま………」
疲労困憊となったパテルの主従はフラフラと頼りない足取りで部屋までたどり着くとパタリとベットに寝転んだ。
「……………」
「……………」もぞもぞ………
2人とも数分突っ伏したまま静止した後、リアがもぞもぞと這うように動いてミカのところまで行くと、犬猫が飼い主に甘えるように、脇腹にグリグリと頭を押し付けた。
「んん………はいはい………」
「ん~………」
それに答えて頭やあごの下を撫でてやるとリアは気持ち良さそうな声をあげた。
暫くそうしているうちに、2人とも寝てしまった。 - 108◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/08(月) 20:03:39
そして翌日………
「はぁ………なんであたしまで………」
ゲヘナからも増援が到着した - 109二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 07:16:53
やったぜ
- 110◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/09(火) 09:22:07
その生徒は大きめのバックパックを背負い、愛用のライフルを肩掛けにしてやってきた。
「お?イオリじゃないか?」
「ア、イオリダ」「ナニシニキタノ?」
「ソコオトシアナアルカラキヲツケテ」
最初に会ったのは工兵の手伝いをしていた生徒……防衛戦の前までゲヘナに派遣されていたアズサと数名の生徒達だった。
「おっと、ありがと……万魔殿から命令が出てな、風紀委員からも一応行けって言われたんだ。代表であたしが来ることになった」 - 111◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/09(火) 18:08:18
「ヤッタヤッタ!」「イオリガキタ!」「ツヨイノキタ!」
「ゴハンタベヨ!」「ハヤクハヤク!」
代表で来たことを伝えたとたん、アリウス生達がイオリに群がった。
「お前達、少し落ちつけ」
アズサに言われてアリウス生達はピタリと動きを止めた。
「はぁ……はぁ……助かった、流石にアズサはわかっていたみたいだな……先ずはここの代表にあいs」
「荷物持たせたまま引っ張ったら危ない、誰か持ってやれ、ほら飯がまっているぞ!」
「「「ワァアアァァァァ!」」」
あわれ、イオリはバックパックをひっぺがされ、食堂まで引き摺られて行った。 - 112二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 05:34:16
ほほ
- 113◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/10(水) 07:54:07
「お、おい!わたしはミレニアムの生徒会長に用がだな!」
引き摺られているイオリが抗議の声をあげたが………
「ゴッハン♪ゴッハン♪」「ゴッハン♪ゴッハン♪」
「アッサメッシ♪アッサラー♪アッサウッドン~♪」
「ほら、イオリ!早く行こう!ここのメシはうまいんだ!」
朝一で腹ペコのアリウス生たちの耳には入らなかった。 - 114二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 15:30:38
保守
- 115◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/10(水) 20:42:29
「ミカ様、朝食もってきました!」
「リオ会長、こちらが本日の朝食になります」
食堂の端の日当たりのいい窓際のテーブルにて待つミレニアムとトリニティ双方の代表が腰掛け、そこにそれぞれの従者が朝食を運んできた。
「今日も美味しそうだね、ありがとうリアちゃん」
「いただくわ、トキ、あなたも掛けなさい」
本日の朝食は炙ったベーコンや葉物野菜等を挟んだバゲットサンドとサラダ、飲み物は自販機で買った入れたてコーヒーやお茶をそれぞれの好みで用意していた。
「ん!昨日運んできたばかりだから葉物もまだ新鮮!シャキシャキしておいしい!ね?リアちゃん」
「はい、ミカさま!とてもおいしいです」
『モッモッ』とサンドイッチを頬張るリアは、美味しい食事を主人と共にできる幸福を感じると共に、普段トリニティでしていたように手ずから用意した朝食を出せないことの口惜しさを感じていた。ただしそれもミカに話しかけられれば何処かに飛んでいった。
「………あそこにいるのって、ここの代表か?」
「ああ、そうだな」
そしてトレーを手にそれを遠目に見る生徒が数人。
「もしかしてこれを見越してここに連れてきたのか?」
うどんの乗ったトレーを持ちながらイオリが聞いた。
「そ、そうだな」「ウ,ウン」「ソウソウソウイウコト」
お腹が空いてただけだった。 - 116二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 05:54:21
暖かな朝食だ…
- 117◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/11(木) 07:52:18
「さて………居所も分かったことだし、わたしも食べるか」
イオリがそう言って手近な席につくと、アズサ達は意外そうな目を向けた。
「なんだ?」
「いや、今行かないんだな」
「上役が食事してるところに押し掛けるほどの用でも無いしな………ん!結構イケるな!」
手を合わせたイオリは朝ラーを啜った。 - 118二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:25:06
保守
- 119◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/11(木) 21:05:13
「銀鏡イオリ、ゲヘナより参りました。これより戦列に加わります」
そう言って頭を下げたイオリと直前に渡された書状を見比べ、ミカとリオは深く頷き、後ろに控えて書状を覗き見た従者の2人はスッと目を細めた。
1、エデン条約同盟の義により、ゲヘナ学園より兵を派遣する
2、当校内情不安定により、風紀委員会のみ戦力を派遣する
3、この者、次期に風紀の主力と成る者なり
4、存分に働かせるべし
書状の内容は大まかに要約すればこうである。
要するに、条約有るから世間体気にして一応派遣するけど今の主力は出さねぇから!的なことである。
「あはは………イオリちゃんだっけ?ゲヘナも大変だね?」
珍しくゲヘナ嫌いのミカがゲヘナ生のイオリを気遣うような言葉を発した。
「………トリニティからは10人も派遣してもらっといてわたしだけ来て申し訳ないです」
「大丈夫、ゲヘナのトップがそうなのは分かってるから、むしろ風紀委員長ちゃんにはそれなりに動ける子を送ってくれただけ感謝しないとね」
万魔殿からの書状と風紀委員からの書状の2つを見比べれば、風紀委員側が少しでもマシな人材を送ろうと努力した後が見えた。
「ええ………まさかこちらの送った事務官を差し戻して『派遣』と言い張ろうとしていたとは………万魔殿の議長………事が片付いたら近々『ご挨拶』にあがりましょうか………」
ミカの後ろでリアが銃を磨いていた。 - 120二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 06:35:25
ゲヘナの内情不安定は最早日常では?モブは訝しんだ
- 121◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/12(金) 13:08:06
イオリは顔をひきつらせた。風紀委員の実働部隊を率いることが多く、外回りも多いイオリだが、勿論報告書等を作るために内勤をすることもある。そんな時、トリニティから来た事務官のジローちゃんとの雑談で上がった話題は『恐い上司』についてだった。イオリは怒らせたり敵に回したらという意味でヒナの名前をあげた。
対して、ジローちゃんは………
「わたしは事務長………リアが恐い」
イオリは首を傾げた。ゲヘナにおいて、早瀬リアの知名度はさほど高くない。
「あれは怒らせると長い………確実に仕留められるようにネチネチ準備して報復してくる」
アリウスの出身者は、ベアトリーチェに向かっていたリアの怒りがもしも自分一人に向かっていたらと思うと恐ろしくてならなかった。 - 122二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:41:48
ミサイルも銃もベアトリーチェにも全部対応出来るようにして、後は殴れば勝てるまでもっていった元おっぱいダイバー
- 123二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 20:21:30
報復者リア伝説(一部)
・トリニティ移籍後即離反準備開始。
・う゛ぁにう゛ぁに状態の盟友三人を一日で正気に戻す。
・ベアトリーチェの報告を誤魔化したうえでアリウス内の私兵と交信。
・アリウススクワッド以外の補給を失敗させる。
・自身の神秘の一部を弾丸へ加工。
・エデン条約の途中で攻撃する予定のアリウスを逆に攻撃。
・アリウス内の私兵によって巡航ミサイルを爆破
・さらにアリウス本拠地へと進行、ベアトリーチェを打倒する。 - 124◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/12(金) 21:07:28
「こらこら、ちゃんと『場を整えて』からじゃないとだめだよリアちゃん?」
「はい、ミカさま………きちんと『手土産』も『歓待の準備』も整えてから『ご挨拶』に伺います」
「(なんか………なんか恐い!ジローちゃんが言ってたのってこれかぁ!?)」
和やかな主従の会話が交わされているが、側で聞いているリオとイオリは背中が冷たくなっていた。
「イオリさんだったかしら?ゲヘナの貴女なら分かると思うけど………これがトリニティよ、無駄な心労を貯めたくないなら敵にしないのが懸命よ?」
少し前にこの主従を相手に問答をしたリオは遠い目をしながら言った。イオリはコクコクと首を縦に振った。 - 125二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 08:14:31
保守
- 126二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 14:19:23
保守
- 127◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/13(土) 16:23:24
──数分後
「………こちらが兵舎になります。一先ず荷物を下ろしてください」
「お、おう………」
銀鏡イオリは件の事務員にエリドゥを案内されていた。
『じゃ、私達は各校と電話会談してくるから後はお願いね?リアちゃん』
そう言って目の前のちっこい事務官に案内を任せたのはトリニティの代表の聖園ミカだった………出来れば見知った生徒をつけて欲しかった。
「………ときに銀鏡さま?」
「お、おう!?なんだ!?いや、なんですか!?」
「そう構えないでください……ゲヘナとトリニティは同盟関係にある間柄……学年も同じならば気安くしていただいて構いません」
そう言うリアはシラっとした余所行きの事務員顔だった。
「そ、そうか?それならそっちも『様』はやめてくれ、言われなれてないからむず痒い……」
「ふむ……ならば銀鏡さん」
「なんだ?」
「危険で武勲マシマシの前線と、比較的安全な後方……どちらがいいですか?」 - 128◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/13(土) 20:51:55
「は?」
唐突な質問に、イオリは間の抜けた声で返した。
「ふむ……わたしとしたことが些か急すぎました。返答は明日まででけっこうです」
「いやいや待て待て!?それってあたしが決めて良いことなのか?戦力のバランスとかいろいろ有るだろ?」
イオリがそう言うとリアはぱちくりと目を瞬かせた。
「……?勿論戦力のバランスは各部隊と相談しますが……こと貴女については話が変わってくるのですよ?」
今度はイオリが首を傾げた。
「?いや、あたしはそこまでお偉いさんって訳じゃないんだけど………」
イオリの発言を聞いて、リアははたと気づいた。
「銀鏡さん、もしや貴女………お気づきでないのですか?」
「は?」
「今回の敵が宣戦布告したのは悪魔でもトリニティとミレニアム………ゲヘナは含まれていません。一応人材の派遣で義理を果たしている以上、貴女は安全な後方に引っ込んでいてもいいのですよ?」 - 129二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 07:22:32
保守
- 130二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 13:55:25
イオリは……前に出していいのか?
ほぼ確実に強い部類なんだろうけど、その……イノシシ…… - 131◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/14(日) 15:36:46
「幸い、前線に出る人員は温存していたパテル分派の構成員とSRTからの援軍で最低限賄えます………砲弾や物資を供給する兵站部隊の護衛役は必要ですから、後方を希望するならそちらに配属するよう話を通しておきます………貴女には自分の身の振り方を決める権利がある」
『はぁ………なんであたしまで』
なぜ自分が出てこなければならないのか?それはイオリ自身が感じていたことだった。ミレニアムとトリニティが始めたことなのだから任せておけば良いではないか………目の前の事務官が言うように最低限の義理は果たした。後は安全な後方に居ればいい………
「わたしは………」
言いかけて口をつぐんだ。本当に良いのか?
「………どうしました?」
『全く、油断するとすぐにこれだわ………イオリ、今回の件、あなたに任せるわ』
なぜ委員長はわたしに任せた?後方要員にするならチナツやアコちゃんでもいいじゃないか………
『イオリ、あなたには期待しているわ』
「いや、わたしは前線に行く………後方には他の奴を回してくれ」 - 132二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:42:55
保守
- 133二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:57:39
保守
- 134二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 07:25:31
保守
- 135◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/15(月) 08:20:55
「そうですか、ならばそのように………風紀委員は安泰ですね、勇猛な将兵はいくら居ても良いものです」
あまり表情は変わってないが、ほんの少し口角が上がった気がした。
「いや、あたしなんてヒナ委員長に比べればまだまだだし……」
「ふむ……おそらくそれでは?」
「は?」
事務官の発言に、あたしは首を傾げた。
「風紀委員長が貴女を派遣した理由ですよ……風紀委員の評判は予々聞いております……たしか『風紀委員の戦力の半分は空崎ヒナ』……でしたか?」
「なっ!?」
いきなりの暴言に思わず目を剥いた。そう言われているのは知っていたし、あたし達も不甲斐なく思っていた………だが、面と向かって言われるとカチンとくる。
「しかし不思議です………そこまで言われると空崎委員長以外はどれだけ弱いのかと思えば………貴女、かなりできますね?正実のツルギ委員長には遠く及ばないまでも、他の幹部の方々と遜色ないと思います」
本職は事務官だが、リアとて内戦を戦い抜いた一端の兵士である。大まかな相手の強さや危険度は見ればわかった。リアから見てイオリは十分な強さを持っていそうに見えたが、アリウス時代に教えられていた特記戦力の中に正義実現委員会の幹部の名前はあってもイオリの名前はなかった。
「不思議ですね?正実の幹部の皆さんは不良生徒から十分警戒されているのに、同格と思われる貴女はそうではない」
そこまで言われれば言わんとすることはわかった。
「………なめられてんだよ、あたし達は」
不良どもに負けることなんてない。だけどヒナ委員長には及ばない、ヒナ委員長程じゃないからヒナ委員長を知っている格下の不良どもにもなめられていた。
「でしたら………今回はチャンスですね」 - 136二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:02:45
ヒナの半分くらいは力ありそうだよね
- 137◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/15(月) 20:37:56
「チャンス?」
イオリは首を傾げた。キヴォトスに影響が出る可能性の有る危機に何を言っているのか?
「ええ、チャンスです。貴女方はなめられている………しかし、実際はそこらの不良がなめて、かじって、ときどき愛でかかれば即返り討ちにできるほど強い……なぜでしょう?」
ズイっと下から覗き込みながらリアが言った。
「それは……わたしがヒナ委員長より弱いから………」
瞬きすらせずジッとこちらを見上げる事務官に、イオリは気圧されていた。
「ええ、そうです。キヴォトス最強は誰かと言われれば必ず名が挙がるのが空崎委員長………その武勇はキヴォトス中に轟いています」
ジッと見つめながら尊敬する上司を賞賛されると、イオリはなんだか気恥ずかしくなってきた。
「ですが、それこそが貴女方がなめられている原因でもあります」
「どう言うことだ?」
眉をひそめ、訝しげに問うイオリに、リアはひそかに口角を吊り上げた。
「ええ、そうです。どんなに困難な現場に立ち、格上の敵を相手に後一歩まで善戦しようとも、最後に空崎委員長に助力を求め、空崎委員長が方をつけてしまえば、その武勇は空崎委員長のもの………」
「なっ!?ヒナ委員長はそんな人じゃない!」
自分達の委員長が手柄を横取りしているかのように言われたイオリは顔を真っ赤にして憤慨した。
「ええ!ええ!そうでしょうとも!ゲヘナでエデン条約を主導していたのは空崎委員長………その人柄は誰もが認めていることです。ですが………いや、だからこそ、空崎委員長の武勇に風紀委員の武勇が統合されても誰も疑わないでしょう?」
「そ、それは………」
尊敬する上司、その人柄や能力の高さを出されると反論できなかった。
「だからこそチャンスです………此度の戦場に、ゲヘナ最強の空崎ヒナは居ません………空崎ヒナが手出し手助けのできない戦場で挙げた戦果武勇はすべて貴女のもの………」
目をふせたイオリの頬に手を添え、ジッと目を見つめながらリアが言う。
「さあ……場は整いました。ここで戦果を挙げ、その武勇をもってキヴォトスに示すのです!『風紀委員は空崎ヒナだけに非ず』と!」
「わたし…は……」
さらにリアが畳み掛ける。
「部下から聞いております。空崎委員長は激務だと……その心労、察してあまりあります……せめて跡目を任せる後任への不安くらいは取り払って差し上げましょう?」 - 138二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 22:52:21
これ半分くらい洗脳なんじゃ……(偏見に満ちた発言
- 139二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 08:24:51
このレスは削除されています
- 140二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 18:53:36
自覚してないからこそなのか、自覚してないからマシなのか
判断に困るところだ - 141◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/16(火) 20:48:54
「ふむ………しかしどうしましょう?同じ学校から来ている生徒ならまとめて運用するのですがイオリ様は1人………何処の部隊に混ぜたらいいものか………」
dice1d5=2 (2)
1、キョウカと一緒に突っ込ませる
2、アズサに任せよう
3、正義実現委員会と一緒に………
4、サオリに投げよう
5、いっそ一人で………
- 142二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 21:30:30
まあ縁があるやつと一緒にするよな。と
- 143◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/17(水) 07:55:21
「……とりあえず、ゲヘナに出向していて一番関わりの有るアズサに任せましょうか」
「ん?リアからのモモトークか……なんだろう?………!なるほど、イオリをうちの部隊にか」
スマホをジッと見ているアズサの後ろから『ナンダナンダ?』と覗き込んだゲヘナ出向組のアリウス生は、イオリが同じ部隊に配属される見込みであることが分かるとわちゃわちゃと他の生徒に伝えに行った。
「ヤッタ!イオリキタ!」「トツゲキタイチョウキタ!」
「トリアエズツッコマセヨウ!」 - 144二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 15:56:02
保守
- 145◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/17(水) 20:54:20
「あむ……モグモグ………ユウミ、トリニティです様子はどうですか?」
イオリと別れてから少しして、リアは昼食を取りながら画面越しにトリニティに居る妹との会話に興じていた。
『お姉ちゃん………食べるか話すかどっちかにした方がいいよ………』
そう言うユウミの手にもサンドイッチが握られていた。
「この後他校の生徒が到着する予定だから仕方ない」
「はぁ、だったら夜でもいいのに………」
ゆっくり話すつもりが無さそうな自分より小さい姉にユウミはため息をついた。
「んむ………ユウミ分が不足したから少しでも話したかった………」
只でさえトリニティ本校とエリドゥ派遣組それぞれに事務方が必要な都合上なかなか顔を合わせて会えない上に、昨日は宣戦布告への対応でてんやわんやして会話どころではなかった。妹成分の不足は姉であるリアとしては死活問題だった。 - 146二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 08:23:18
このシスコンがっ!()
- 147◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/18(木) 10:07:25
「……もう、しょうがないなぁ」
体格こそ妹に姉が完敗しているものの、リアとユウミは双子の姉妹である。今も昔もほんの少しだが先に生まれたリアが矢面に立ち、ユウミを少しでも安全な場所に置いてきた。それが分かっているからこそユウミもリアをたてて『お姉ちゃん』と呼んでいるし、こうして少しでも話したいと言って電話をかけてこられるのも満更でもなかった。
「こっちはわたしとミチル様でどうにかやってるから大丈夫……そういえばそろそろ………」
「同士ちっこいの!」
「工務部の皆さんも昼頃行くって言ってたけど………もう着いたみたいだね………」 - 148◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/18(木) 20:50:42
『ビキリ』と、リアの額に青筋が浮かんだ。
「よ、良く来ましたねミノリ、工務部の皆さんもお久しぶりです。電話を切りますので少々お待ちください」
リアが口許と眉をひくつかせ、なんとか笑顔を取り繕いながら言った。
「気にするな同士ちっこいの!私たちの仲だ、少しくらいまつとも!」
「………ごめんユウミ、また夜にかけ直すね」
『う、うん……ホドホドにね?』
ブツッと電話が切れると同時にリアはミノリに飛びかかった。
はい、リアはシスコンです。もっと正確にいえばファミコンです。
- 149二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 05:50:22
強かになったね…
- 150◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/19(金) 07:52:38
「だぁれが豆粒ドチビ同士ちっこいのですか!?」
「いやそこまで言ってない!?」
「わはははは!リアがキレたぞ!」
「ひさしぶりだな!」「だからやめろって………」
「う~んいつ見てもいいキレ芸」
ミノリに飛びかかってキレるリアを見て工務部の生徒達はゲラゲラと笑った。 - 151二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 18:52:33
ほ
- 152◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/19(金) 21:16:57
「フーッ!フーッ!………ふぅ………コホンっ………良く来ましたね。わたしだけ昼食取ってるのもなんなのでみなさんも頼んではいかがですか?手続きはまだですが、わたしが予算を通します」
「うわ……何事もなかったように話し始めた」
「部長のヘルメットひっぺがしてボコボコ叩いてたのに………」
「いや、あれは部長もどうかと思う……」
ミノリとひとしきり取っ組み合ったリアは、何事もなかったかのように提案した。
「………いてて、痛いじゃないかリア………昼食の支給は有りがたく受け取っておこう。だが、だからといってこちらの要求は甘くしないぞ?」
「勿論です。しかし、食事の味も要求の参考になるでしょう?」
「ふむ、たしかにな………みんな、ありがたく頂こう!」 - 153二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 08:36:49
ほしゅ
- 154◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/20(土) 15:45:54
「ふむ………そう来ましたか………」
工務部が昼食をとっている傍らで、リアはミノリから渡された要望をまとめた書類を確認していた。
「基本給はミレニアムの土木工事相場と同程度……そこに危険手当てと自治区外活動手当ての上乗せ、ですか………まあ、妥当なところですね」
「そうだろう?流石に三大校がいきなり2つも潰れられてはこちらへの影響も大きいからな、待遇向上の要求は次回以降に回すさ」
「ありがたいです。トリニティ旧校舎改装の休業補償には少し色をつけておきます」
「おお!そうしてくれ、やはりリアは話がわかるな」
終始和やかに食事をとりつつ話が進んでいったが………
「あっ………」
後半を読み進めていたリアが短く声をあげた。 - 155◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/20(土) 20:30:42
「………あの、ミノリ?」
「ん?なんだリア?」
ズルズルと食堂のラーメンを啜っていたミノリが箸を止め、リアの方に目を向けた。
「これは必須ですか?」
「ん?ああ、大体の交渉で必ずいれているな。それがどうかしたか?」
ミノリの返事を聞いて、リアは頭に手を当てて大きく溜め息をついた。
「はぁ……困りましたね………ミノリ、落ち着いて聞いてくださいね」
「なんだ?今回はまだそう難しい要求はないと思うんだが?」
「ここにプリンは無いんですよ………」
「「「「「は?」」」」」 - 156◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/21(日) 08:17:41
ズゾゾゾゾゾ!…ゴッゴッゴッ!……カンッ!
食事を楽しんでいた工務部員達が一斉に麺とスープを飲み干し、じろりとリアを見た。
「詳しく」「説明してくれ」「わたしたちは」
「今」「冷静さを」「欠こうとしている」 - 157二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 14:10:03
そういえばプリン、ってかスイーツの話はなかったな……
前線基地だからな……嗜好品はな…… - 158◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/21(日) 20:34:49
「えっとですね、落ち着いて聞いてくださいね?」
「「「はよ」」」
リアはもうダメかもしれないと覚悟しながら口を開いた。
「そのですね……ここエリドゥは此度の前線基地ですよね?」
「「「「………………………」」」」
無言でジッと見つめながら聞いている工務部の圧は凄まじいもので、リアは自分に非はないもののイソイソと食堂の長椅子で正座した。
「只でさえ大所帯の駐留部隊を維持するのに食糧や物資がたくさん必要なのです………」
「「「「………………………」」」」
「だ、だけどですね?モチベーションの維持のためにも嗜好品も多少は仕入れていたのですよ?」
「それで?」
「愛飲する者の多いコーヒーやお茶の類い、自販機研究会の在庫の缶飲料、日持ちするクッキーやチョコレートはなんとか用意したのです………」
「「「「で?プリンは???」」」」
トリニティで辣腕を振るう事務官としての姿を知るトリニティ生徒達は決してリアを侮らないが、普段の姿を知らない生徒が見れば、ちっこい生徒がカツアゲにあっているように見えるだろう。
「その……日持ちしないのでありません」
「「「「………………………………」」」」 - 159二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 06:57:44
保守
- 160二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 17:39:48
ほ
- 161二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 17:40:57
まぁ、そうだよな
- 162◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/22(月) 20:17:29
「「「「……………」」」」(ガサガサゴソゴソ)
プリンが無いと分かると、工務部の生徒達は荷物の中から拡声器や未記入のプラカード等を取り出し始めた。
「まって下さい!話せばわかります!」
リアがミノリの服を引っ張ってやめさせようとした。
「リア、プリンの支給は雇用主と体制が側の義務だろう?」
「ミノリ、それはレッドウィンターだけのようです。アリウスもトリニティでもプリンの支給はありません」
「片方はお前が滅ぼしただろう?だが、トリニティ旧校舎の改装中の休憩時間にはプリンが差し入れされたぞ?」
「おそらく皆さんの好みは担当者に共有していたので気を利かせていたのだと思います」
「おお……なんということだ………」
ミノリ達は顔を手で被って天を仰いだ。
「なんということだ………レッドウィンター以外の自治区ではそこまで労働者の権利が侵されていたなんて………」
「そこまで言います?」
「ああ、かわいそうに」「疑問すら感じないほどに巧妙な搾取を………」「目を覚ませちっこいの」
「現在進行形でわたしの繊細な心が傷付いているのですが?」
「「「繊細………?」」」
「あっなんかムカついたのでプリンの供給方法考えるのやめます」
「なんということだ……」「リアが権力者の魔の手に落ちたぞ!」「資本主義の犬になるきか?」
「目を覚ませ!我々と共に労働者の手にプリンを取り戻そう!」
「いったいプリンの何がそこまで貴女方を掻き立てるのですか!?」 - 163二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 07:38:58
プリン大好きクラブかよ
- 164◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/23(火) 10:17:29
「はぁ………わかりました。一先ず材料が有るかだけ確認します」
「流石リア!」「話がわかる」「やっぱパテルよ」
根負けしたリアが在庫データのチェックを始めると、工務部の生徒達は大人しくなった。
──数分後──
「結論から言いましょう。プリンらしきものを作ることは可能です」
リアの発言に工務部員達がワッと沸いた。
「ただし、この人数に供給することを考えると水で薄めてゼラチンで無理矢理固めた卵とミルク風味の黄色っぽいゼリーになりますね」
「「「………………………」」」
かつてレッドウィンターで支給され大いに不況を買った水増しプリン未満を想像させる説明に、工務部の生徒達はウゲェと顔をしかめた。 - 165二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 19:20:15
自販機研究会よ、プリン専用自販機を納入してくれ……実は現実にもあるのだ……
- 166◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/23(火) 20:39:47
「と、いうのではイヤですよね?」
工務部の生徒達は深く深く頷いた。そんなものを出されたらデモどころか暴動も辞さない。
「ですのでこうしましょう」
そう言ってリアはいくつかの紙にサラサラと万年筆で走り書きをした。
「なんだこれは?」
紙を握らされた部員達は揃って首を傾げた。
「今お渡しできないなら後程利子をつけて渡すまでです………………
トリニティの菓子店のプリンの食べ放題でどうでしょう?」
「「「「な、なん………だと………!?」」」」
トリニティの菓子店は学生向けのリーズナブルな店舗からお嬢様御用達の高級店まで選り取り見取り………そんなところでプリンの食べ放題などレッドウィンターの生徒にとっては垂涎ものの申し出だった。
「さあ、どうします?うっすいプリンもどきで我慢しますか?それとも数日我慢して高級プリンを思う存分堪能しますか?」
リアはトリニティらしく資金と高級菓子で殴ることにした。
「「「「プリン食べ放題!!」」」」
「よし、いい仕事にしようじゃないか!」(ニッコリ)
工務部の生徒達は高級プリンの誘惑に抗えなかった。 - 167二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 02:48:17
こいつらホンマ……ww
- 168◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/24(水) 10:16:43
- 169◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/24(水) 20:54:26
「ん………この人たちがリアの言ってた工務部?」
工務部との交渉が片付いた後、リアはさっそくマイを呼び出していた。
「そうです、仕事以外の時間にやっていることは過激ですが、仕事振りは素晴らしい方々です。
工務部の皆さん、こちらは八百万マイ、わたしの昔馴染みで、此度の戦では工兵のまとめ役をしています」
「ん、噂は聞いてる、よろしく」
「安守ミノリだ、さっそくだが仕事の打ち合わせをしてもいいか?状況は聞いてる。時間は惜しいだろう?」
チラリとこちらを見て無言で伺いをたてるマイにリアは頷いて返した。
「ん、なら言葉に甘える………明日からの作業の打ち合わせ………今する」
そう言ってマイは背負っていたリュックから地図と図面を取り出して机に広げた。 - 170二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 07:46:05
仕事が早い
- 171◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/25(木) 10:18:55
マイとミノリが打ち合わせをしている横で突っ伏していた生徒が身を起こした。
「いや、まだだ!」
プリン自販機を作っていなかったことを悔やんでいた部長だが、そこはミレニアム生である研究を道半ばで諦めることなどできよう筈もない。
「(確かにカッププリンを自販機にするにはまだ足りない………でも、ゼリー飲料のパウチにプリン液を詰めて固めれば………!)」
はたして、部長は新商品を開発できるのだろうか
………
- 172二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 20:54:20
しゅ
- 173二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 06:16:40
保守
- 174◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/26(金) 12:01:37
………………………
「それでね、ミノリが同士ちっこいの同士ちっこいのって言うしプリンへの執着が異様に強くて大変だったのよ?」
「あはは………大変そうだね、お姉ちゃん」
慌ただしかった1日の終わりに、リアは約束していた妹との会話を楽しんでいた。
「へぇ~、レッドウィンターの子達か………あっちの子にはあまり会ったことないなぁ」
「有る意味ミカさまやナギサ様の様な方たちとは対照的なもの達ですからね………デモと権力が絡まなければ気のいい生徒ですよ」
それも最愛の主人であるミカに抱き枕かぬいぐるみのように抱かれながらという姿勢で、至福の時間を堪能していた。最愛の主人に抱き締められる感触と最愛の妹との会話によって、他校との折衝や事務手続きでささくれだったリアのメンタルは急速に回復していた。
私事ですが、住んでいる地区が今回の豪雨でガッツリやられて土砂崩れ多発してるので、更新遅くなるかもしれません。 - 175二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 20:42:44
保守
- 176二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 07:04:34
気をつけて下さいな
- 177◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/27(土) 14:12:28
「うへ…!いや~他人のお金で食べるちょっと良いご飯とグリーン車は最高だね~」
小鳥遊ホシノ率いるアビドス廃校対策委員会の生徒達は、連邦生徒会に出向いて此度の防衛戦に参加するにあたっての支度金を受け取った後、連邦生徒会あてのツケ払いで食事をした後同じく連邦生徒会から受け取った非常通行届けを提示してハイランダー経営のグリーン車でミレニアムに来ていた。
「ホシノ先輩?本当にいいの?」
非常時に行われた贅沢な行いに、先ほどまでしっかり食事とグリーン車を楽しんでいたセリカが不安そうに聞いた。
「大丈夫です!いざとなったらこのカードで!」
「大丈夫大丈夫だよセリカちゃ~ん!それにノノミちゃんもそれしまって、それは軽々しく使うものじゃないし今回は多少贅沢しても問題ないからね~」
カードを掲げながら言ったノノミを嗜めながらホシノが言った。
「ん、でも、わたしもちょっと心配」
「そ、そうですよ!いくらトリニティから多額の報酬が出るからって、あまり無駄遣いするのは………」
しかし、普段ではしないような金の使い方に、シロコとアヤネも不安そうだった。
「うへ、大丈夫だよ、おじさんもお金があるから無駄遣いしてるんじゃないんだよ?ちゃんとお金を出して貰えるってわかっているからちょっと贅沢して英気を養ってるだけだよ」
ホシノはヒフミに連絡をとった後、自分に電話をしてきた相手を思い出していた。
『ご協力感謝します………費用は気にせず、しっかりと英気を養い、準備をしてからお越し下さい』
『うへ?そんなこと言っちゃっていいの~?おじさん達ここぞとばかりに贅沢しちゃうよ?』
『問題ありません。すべて連邦生徒会に請求しますので』
『うへ………』
「いや~………あの事務官ちゃんとは仲良くしといた方がよさそうだねぇ……」 - 178二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 23:20:50
ほす
- 179二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 10:07:47
ほです
- 180二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:04:23
保守保守
今更ですがシスターフット→シスターフッドですよぉ
ずっと誤字してたので気になっちゃって - 181二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:12:43
保守
- 182二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 07:48:14
保守
- 183◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/29(月) 13:01:39
「ようこそ、お越しいただきありがとうございますアビドス廃校対策委員会の皆さま」
エリドゥに着いてすぐ、出迎えにやって来た小さな生徒はそう言って頭を下げた。
「いやいや~こっちこそそっちの『気遣い』のお陰で美味しいものいっぱい食べられたよ~」
「ん………回らないお寿司をあんなに食べたのは初めて」
「うふふ、シロコちゃんとってもおいしそうに食べてましたね」
「それにDU地区のホテルケーキバイキングまで楽しめるなんて」
「うへ!お陰で楽しませてもらったよ~でも本当に大丈夫?」
そう言ってホシノは念のため持ってきていた領収書をリアに渡した。
「おや?これはご丁寧にありがとうございます。正確な代金が分かると処理もしやすいので助かります」
そう言ってリアは領収書を丁寧に畳んで懐にしまった。
「宿舎にご案内します。どうぞこちらに………」
あっ………ごめんなさい、今気づきました。ありがとうございます、次から気を付けます………
- 184二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:20:23
保守
- 185二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 09:42:46
保守
- 186◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/30(火) 18:12:42
「こちらがアビドスの皆さまに使って頂くお部屋になります」
そう言った事務官ちゃんに案内されたのは、パイプベットが並ぶ少し広目の部屋だった。
「申し訳ありません、お客人には個室をご用意したいところなのですが、この後も各校からの増援が予定されており、幹部クラスの生徒でも相部屋をしている状況ですのでご理解をお願いします………」
実際、今日からミカとリアの部屋にもミスズとキョウカが相部屋することになっていた。
「いやいや~これだけ広い部屋とベットを割り振って貰えば十分だよ~」
「ん、問題なし」
アビドス1校に1部屋だけしか割り当てないため、少し大きめの部屋を用意していたが、概ね好評であることを確認し、リアは胸を撫で下ろした。
「では、各校代表による会議は今晩開かれる予定ですので、それまでごゆるりとお過ごしください」
そう言ってリアは退出した。
「あれが小鳥遊ホシノ………『暁のホルス』ですか………」
扉を閉めた後、リアはポツリと呟いた。 - 187二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 21:54:57
ホシノに何か思うところがある感じなのかな
- 188◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/31(水) 08:41:02
「あれが黒服の言っていた暁のホルスですか………」
リアはいつぞや黒服に聞かされた話を思い出した。
『ふむ………事務能力には天性の才を感じますね………しかし、神秘の質はあまりに平凡………ロイヤルブラッド以外にも暁のホルスに比肩する神秘があればと思ってきましたが………そううまくは行かないものですね』
『あかつきのほるす?』
『ええ、現在見つかっているキヴォトス最高の神秘です』
『それがあればありうすもこわせる?』
『………できるでしょうね……あれにはそれだけの力があります』 - 189二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 13:05:02
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- 190◆K7oi2p2CoQ9Y24/07/31(水) 19:25:05
「あれだけの神秘があればわたしも………」
能天気なお嬢様だったミカと出会ったばかりの頃に一度思ったことが、黒服の言う最高の神秘を前にして頭をよぎった。
「………やめましょう、もう私たちは未来を手にした、それで十分です」
頭を2、3度振ってリアは踵を返した。
「さて、他の方々の出迎えの用意も必要ですね………準備をしましょう」
先ずはSRTを出迎える準備をするため、リアは歩きだした。 - 191二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:05:27
保守
- 192二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 17:21:42
保守
- 193◆K7oi2p2CoQ9Y24/08/01(木) 18:10:01
「「「「おまえらサァ………」」」」
「「「「ごめんなさい………」」」」
リアと共にSRTの先輩方を出迎えたRabbit小隊の4人は、さっそく先輩達から小言を頂戴していた。
4人とも眉をピクピクさせている先輩達を前にしては、数日たって落ち着いたこともあり平謝りしていた。
「まあまあ、Rabbit小隊の方々もSRTの現状を憂いていたのでしょう………我々としては確かな戦力としての資質を示して頂きましたので、後々問題にすることはありませんよ」
Rabbit小隊の面々は当初処分を訴えていたリアの発言に微妙な顔をした。
「あっでも他校の幹部生徒相手に暴言言っといてお咎めなしってのも悪いよね?」
直属の先輩の一人であるニコが言った。
「それもそうね」
「じゃあ、あれが良いんじゃない丁度ベットが必要だし」
「ふむ、そうしようか」
FOX小隊の先輩方の相談する様子を見て、Rabbit小隊は段々イヤな予感がしてきた。
「罰として、SRT全員分のベットメイクをして貰おう!」
「不合格だったら『たいふう』だよ~」 - 194二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 21:30:49
そっかあ、SRTにも「たいふう」の文化あるのかー
- 195二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 06:48:39
保守
- 196◆K7oi2p2CoQ9Y24/08/02(金) 15:49:51
スッスッ!サッサッ!ピシッ!
『オォ~』
スッスッ!サッサッ!ピシッ!
『………スゴイマッスグ』『チョットダケ………』
「あっ!こら!今整えているんだから触ろうとするんじゃない!」
あまりにもかっちりと整えられたベットのシーツを前に、作業を珍しそうに見ていたアリウス生がつい触ろうとしたところでサキに見つかった。
「むぅ………これはなかなか………見事なものですね、そこらのホテルと遜色ありませんよ」
その手際と完成度にはリアも素直に認めるほど。
「シーツの乱れは心の乱れ、心の乱れは規律の乱れだ、SRTの生徒にこれをできない奴は居ない」
「もし働き口に困ったらトリニティにお出でください、それなりの職を用意しますよ」
「はっ!SRT以外はごめんだ!」 - 197二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 01:09:12
保守
- 198二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 11:58:58
次スレいる?
- 199◆K7oi2p2CoQ9Y24/08/03(土) 14:49:14
「なんでわたしたちが了承すると思うんだよ……」
「ソーットソーット………」「スゴクピッチリ……」
「あっ!こら!だからダメだって言ってるだろ!?これ1ミリでもずれてると全部やり直しになるんだからな!」
「エッ……」「マジデ?」「コワァ………」
3時頃スレ立てします - 200◆K7oi2p2CoQ9Y24/08/03(土) 15:09:49