【SS】となりのゴールドシップ

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 13:56:46

    私の名前はモブコ。冴えない地味な青毛のウマ娘。人付き合いはあんまり得意ではないし、友達もいない。そんな無愛想で暗い、パッとしないひとり好きな奴。…そのはずだった。トレセン学園に入学して、あの芦毛の変わり者と数年来同じクラス、隣の席になるまでは。

    「クロコちゃんやっほ〜☆ゴルシちゃんが持ってるこれ、何か分かる?これはね、ブルーベリーのな・え・ぎ♡」
    「…ゴルシさん、それただの雑草ですよね。ホームセンターで本物の苗木見た事あるので私分かりますよ。ブルーベリーの苗木ってそんなヒョロヒョロじゃないです。」
    「もう〜モブコちゃんってばいけずなんだから♡」
    雑草を私に見せびらかしているこの子の名前はゴールドシップ。どういう訳か数年私と同じクラス、何回くじ引きしても隣の席という謎の縁の持ち主。コース適性は芝、適性距離は中長距離。脚質は追込。性格は…破天荒。変な奴。冗談とおふざけが大好き。そんなウマ娘だ。こんな感じの彼女が実はいくつもG1を取っているのだ、世の中って分からない。
    この子は隣の席だからか、私によく絡んでくる。ある時は蝉の抜け殻を私にプレゼントしてきたり、またある時は真鯛を捌いて刺身を食べさせてくれたり、その絡み方は変則的なものだ。彼女なりのフレンドシップの表し方なのかもしれないが、社交性があり交友関係は広いはずの彼女わざわざ大したリアクションもしない無愛想な私に絡むのは何故なのか。理解できない。

    「ゴルシさん、どうして私にそんな絡んでくるんですか?前から思ってましたけど、私大して面白い話もリアクションしないのに、喋ってて楽しいですか?」
    「あ?分かってねぇなぁ、強敵を倒してこそ最強無敵のゴルシ様なんだろうが!!」
    「…私でイロモネアチャレンジしてるって事ですか?…わざわざ私みたいなのにそんな事のために懲りずに絡むなんて、おかしな方ですね。」
    「な〜に言ってんだ!ゴルシちゃんはいつだって大マジで将棋王目指してるんだぞ!」
    「…なんでそこで将棋が出てくるんですか。」

    となりのゴルシさんは、今日もおかしなウマ娘です。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 14:01:33

    いい…

  • 3121/09/07(火) 14:16:07

    途中モブコちゃんの名前誤字ってました。すみません…

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 16:11:10

    >>3

    クロコ…?

    ゴルシさんだし気分であだ名つけたのかな

    ……うん、言いまちがえただけか


    って華麗にスルーするモブコちゃんネタだと思って読んでたよ

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 16:29:50

    デジャブ

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 18:20:54

    ゴルシ×ローテンション娘もっと読みたいから書いて♡

  • 7121/09/07(火) 18:31:53

    続きのようなものです。

    昼休み。たくさんのウマ娘達が賑わいだす時間。私は今ひとり自販機でオレンジジュースを買い、自販機前のソファに座っていた。今日は
    自販機の周りに人が私以外いなくて、静かで落ち着く。たまにあの隣の席の芦毛の変人…もといゴルシさんが話しかけてくれる日もあるのだが、彼女は色んなウマ娘達と仲がいいので、この時ばかりはひとりの時間が結構ある。他人の輪の中に入るのは得意な方では無いので、自分から他の子と話しているゴルシさんの所に入ることはない。

    「おっモブコちゃん久しぶり〜☆ピスピース☆今日もクールにキメちゃってる?」
    「…ゴルシさん、私達今日さっき教室で話しましたよね?あと、急に肩を組まれるとびっくりするので事前に申告してくれませんか?」
    そう、ゴルシさんから絡まれない限りは。

    「ちょっと、ゴールドシップさん。急に走ってどうし…あら、こちらが数年来、なぜかずっとあなたの隣の席だという…モブコさん、とおっしゃりましたか…?」
    「私の事、ご存知なんですね。…メジロマックイーンさん。」
    しかもかなり著名な連れがいる。
    ゴルシさんと一緒に現れた彼女の名前はメジロマックイーンさん。ゴルシさんのお友達のひとりだ。名門メジロ家のご令嬢であり、菊花賞や天皇賞春を制覇している生粋のステイヤー。G1には出走すらしたことがないスプリンターの私とは無縁の高嶺の花。ゴルシさんはこんなおちゃらけた感じでも一応G1ウマ娘なので当たり前ではあるのだが、どういう訳かゴルシさんのお友達には私とは似ても似つかない華やかな子が多い。ゴルシさんのお友達とパーティーに呼ばれても多分私は行けない。だってあのトウカイテイオーやメジロマックイーン、トーセンジョーダンやエイシンフラッシュのいる場に私が行ったら、あまりの周りの存在感に私は消滅するからだ。間違いなく。

    「つれないこと言うなよ〜私とモブコちゃんの仲じゃ〜ん。」
    「貴方のパーソナルスペースがおかしいと常日頃から思っているから言ってるんです。」
    「…予想はしていましたが、ゴールドシップさん、貴方クラスの方にもそんな絡み方ですのね。」
    マックイーンさんが冷ややかな目でゴルシさんを見てそう言った。「にも」ということはマックイーンさんにもこんな絡みをしているのだろう。まあゴルシさんだしそれは想定内だけど。

    (下に続きます)

  • 8121/09/07(火) 18:34:47

    「おっモブコちゃんったら、ジュース飲んでんじゃん。ゴルシちゃんもなんか自販機で買ってこよ〜。」
    ゴルシさんは急にそう言って自販機の前に行ってしまった。ちょっと、初対面のマックイーンさんと二人きりにしないで…。
    「…行っちゃいましたね、ゴルシさん。」
    「え、えぇ、慌ただしい方ですわ。」
    「…。」
    「…。」
    気まずい。どうしよう。めちゃめちゃ気まずい。何か、何か、話さないと。
    「あ、あの。ゴルシさん、やっぱり教室の外でもあんな感じなんですか?」
    「えぇ、おかげでいつも振り回されていますわ。」
    マックイーンさんはやれやれといった感じの表情でそう応えた。まあ、急にたんぽぽと蝉の抜け殻を人の机に並べたり魚を捌いて刺身にする子だからな。やっぱりマックイーンさんにもそんな感じか。
    「こないだはその辺の細い雑草を取って私に見せてきて、それをブルーベリーの苗木だって言ってきたんですよ?」
    「えぇ?!わざわざそんなでまかせのために雑草を教室まで…。本当にあの方は…。」
    「まあ教室だろうがどこだろうが破天荒というか…なんというか…。でも、不思議ですね。私、ひとり好きで静かなのが好き…なはずだったんですけど、なぜか入学してからゴルシさんに絡まれてるのが嫌な訳では無いんですよね。別に。なぜでしょう?」
    ひとり好きの冴えない地味なウマ娘の私に対しても、ご令嬢のマックイーンさんに対しても変わらずおちゃらけているゴールドシップさんは、本当に不思議なウマ娘だ。
    「…えぇ、わたくしも不思議です。わたくしも、あの方は騒がしくて訳の分からない事ばかり仰る方だと思いますが、決して嫌いにはなれないんですの。」
    「…おんなじ、ですね。」
    「えぇ。」
    マックイーンさんが私と顔を見合わせて一緒に苦笑いをする。でもこの苦笑いは、決して「困っている」だけの感情から来るものでは無いと、私は思う。

    「なあ、マックイーン!モブコ!コーラ買ってきたんだけどさぁ!さっき買ったメントスこの中に入れて遊ばねぇか?!」
    「「お断りします。」」
    …多分。

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/07(火) 20:03:02

    続き書いてくれてありがとー
    破天荒と血圧低そうな子の組み合わせ好き
    G1取れててても取れてなくても分け隔てなく絡むゴルシと被害者マックちゃんとモブコちゃんみーんなてぇてぇよ…

  • 10121/09/07(火) 20:25:10

    >>9

    ありがとうございますm(_ _)m

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