【SS】宝塚に燃ゆ

  • 1◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:33:49

    「ポッケちゃんは、これからどうするの?」

     年末のトレセン学園、旧理科準備室……いつもの四人が、ささやかなクリスマスパーティを催していた。
     アグネスタキオン特製の蓄光性薬品が怪しく光る室内で、マンハッタンカフェ所蔵のレコードプレーヤーがクリスマスソングを流している。時折、薬品の色が勝手に変わったり、プレーヤーにレコードがセットされていないように見えるが、旧理科準備室ではよくあることだ。

    「これから?」
    「来年以降のレース予定とか」

     そんな中、ダンツフレームとジャングルポケットはソファに並んで腰かけ、ジュース片手にのんびりと過ごしていた。

    「そうだな……ナベさん、フジさんとも話したんだが……シニア級の王道GⅠ路線を行く。そんでもって……」

     ポッケのジャパンカップ勝利、カフェの有馬記念制覇。そして、タキオンの復帰表明。
     覇王テイエムオペラオーの落日と嘆く者もいるが、世間一般はこう捉えている……世代交代、新時代の到来、と。新たな最強は誰か、まだ見ぬ熱戦に皆が夢を見ている。
     ポッケ自身もそうだ。最強を証明し続ける、そのために……。

    「ジャパンカップ連覇……オペラオーにもできなかった偉業を、俺が果たす」
    「……やっぱり、そっか」
    「ダンツは? ……マイル路線か?」
    「……うん」

     すぐには頷けなかった。菊花賞の頃には決めていたことだが、心残りはどうしてもある……友人たちと同じ道を行けないことに。

    「長距離は私、向いてないみたいで……」
    「自分らしく走れる戦場を選んだんだろ? 恥じるこたぁねぇよ」

     そう言ってダンツの肩を小突くポッケ。しかし、ポッケとしても寂しさはあった。情けない走りをしてしまった菊花賞以来、ダンツとの再戦の機会はまだ得られていない。

  • 2◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:34:20

    「……うん、そうだね」

     これまでの悔いと、これからの不安。それらがダンツの心の中で渦巻く。

    「……ダンツ」

     そうして伏し目がちになったダンツの手を、ポッケの手が握った。膝の上で重ねられた二人の手、それに驚いたダンツは、目線を上げてポッケのほうを向く。

    「ダンツ、オメェは強ぇ。俺が保証する」
    「ポッケちゃん……?」
    「皐月賞じゃ俺より先着しただろ。それに、あのダービーの競り合いを忘れたとは言わせねぇ」

     ダンツの目をしっかりと見つめ、言葉一つ一つに思いを込めて語るポッケ。

    「何より、まだ走ってる。走りてぇから、諦めたくねぇから、マイルに行くんだろ? それは逃げじゃねぇ、立派な選択だ」
    「ポッケちゃん……うん、諦めたくない……私、諦めの悪さには自信あるんだ」
    「ある種の才能だな。オメェのそういうとこ、好きだぜ」
    「ぽ、ポッケちゃん!?」

     ポッケちゃんはポッケちゃんでそういうとこだよ!? と顔を赤くして怒るダンツだったが、ヘヘっと歯を見せて笑うポッケに釣られて、最後は一緒に笑いあった。

    「おやおやぁ、私たちもいることを忘れてないかい?」
    「タキオンさん……無粋ですよ……」

     いつの間にか、二人の前にタキオンとカフェが座っていた。それぞれ自分で淹れた紅茶とコーヒーを手に持っている。

    「んだよタキオン、今真剣な話してんだ、邪魔すんじゃねぇ」

     そう言ってダンツと繋いだ手を、指を絡める形、いわゆる恋人繋ぎに握り替えながら、タキオンを邪険にするポッケ。ダンツがまたピャッと顔を沸騰させるが、気づいた様子はない。

  • 3◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:34:50

    「心外だなぁ、誰がパーティ会場を貸してあげたと思っているんだい?」
    「私のスペースでもあるのですが……そもそも、あなたのわがままが発端でしょう……」
    「だぁってぇ! 私だけ呼ばれなかったんだぞぉ? ポッケ君とこのクリパ!」

     有馬記念の翌日、チームタナベのメンバーでクリスマスパーティが開かれた。それがつい先週のこと。チームと交流のあったダンツ、カフェも誘われたのだが……。

    「ダンツが誘うだろって」
    「カフェちゃんが誘うかなって」
    「誘ってもこないと思って」
    「ひどいじゃないか!?」

     きれいなすれ違いと日頃の行いにより、当日はタキオンだけがハブられた。
     誘っても行かないのと誘われもしないのは天と地ほどの差があるのだよぉ!? とタキオンは憤慨し、四人でのやり直しクリパが開かれることとなった。
     多少の罪悪感もあったのだろうが、付き合ってあげるあたり、なんだかんだ仲が良い。

    「ファミレスの時は勝手についてきたくせに……異物混入未遂……忘れてませんからね……」
    「あの時はあの時、今は今さぁ!」
    「ホントめんどくせぇなぁ、オメェはよぉ!」

     ハッハー! とタキオンが笑い、カフェがため息をつき、ポッケが唸り、ダンツが苦笑いする。
     こんな日常が、いつまでも続けばいいな……年末の雰囲気に充てられたのか、ダンツは一瞬そんなことを考えてしまった。

    「……ダンツ」

     彼女の思考を知ってか知らずか、ポッケが再びダンツの目を見て言った。

    「宝塚だ」
    「え?」
    「宝塚記念だよ。芝2200。皐月以上ダービー以下の距離なら、オメェもまだ走りやすいだろ?」
    「えっと……?」

  • 4◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:35:22

     いまいち理解を得ない様子のダンツに業を煮やし、ポッケはジュースをテーブルに置き、持っていた手で拳を作った。もう片方の手は膝の上で繋がれたままだ。

    「来年の宝塚記念で勝負だ、ダンツ。シニアの上半期、中長距離に行った俺と、マイルに行ったオメェ……どっちが強ぇか白黒つけようぜ!」
    「っ!」

     ニッと笑って拳を突き出すポッケ。違う道を行こうとも、目標を同じくすることはできる。ダンツは、ポッケの瞳の奥に、夢のきらめきを見た。

    「うん……うんっ! 約束っ!」

     パァッと明るい笑顔になったダンツ。同じように急いでジュースを置き、ポッケと拳をぶつけあう。友達の指切りとも、仲間の握手とも違う、強敵と認め合ったもの同士が再戦を誓う儀式……ダンツにとってはこれ以上ないクリスマスプレゼントだった。

    「今度は負けないよ!」
    「言ってろ、ダービーとおんなじようにぶっちぎってやる!」

     鼻先もくっつきそうな距離で楽しそうにガンを飛ばしあう二人。半年先のことなのに、今からでも走り出しそうな勢いだ。

    「おいおい、だから私たちのことも忘れないでくれ」
    「レースのこととなれば、同感です……宝塚記念は、私も出るつもりですから……」

     その頃には私も調整を終えているかもしれないねぇ、とタキオンが言い、カフェも力強く頷いた。

    「お! いいな! ドリームマッチと行こうぜ!」
    「そういえば、私たち四人って同じレースで走ったことないんだっけ」
    「言われてみれば……そうですね」
    「私とカフェが入れ替わる感じになったからねぇ」

     なおさら楽しみじゃねぇか! と興奮したポッケが再びジュースのコップを手にし、前に掲げた。意図を察した他の三人も、おのおの飲み物を手に持つ。

  • 5◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:35:52

    「俺たちのこれからに、かんぱーい!」
    「……乾杯」
    「何度目だい?」
    「いいんじゃない? 何回でも、何十回でも」

     レモネード、コーヒー、紅茶、にんじんジュース……バラバラなコップが、テーブルの上でカチンとぶつかった。


     ……⏱……


     春も過ぎたある日のこと……ポッケが授業を休んだ。

     遅刻ギリギリになることは度々あったが、それでもレースの日などを除いてはちゃんと出席していたポッケ。

    「どうしたんだろ……」

     お昼休み、ダンツはクラスメイトのトーセンジョーダン、ゴールドシチーと話をしていた。目線の先に、空席となっているポッケの机がある。

    「マジで珍しいよね~」
    「それな。ダンツも何も知らんの?」
    「うん……あ、待って、LANE来た」

     ちょうどその時、ダンツのスマホが震え、メッセージの着信を伝えた。送り主は件のポッケだった。

    「……『夕方、ナベさんのジムに来てくれ』?」
    「タナベトレーナーのジムって、河川敷の?」

     お、呼び出して愛の告白か〜? やめなよ。ジョーダンとシチーが軽口を叩いているが、ダンツの耳には届いていない。
     なんだか胸騒ぎがする……ダンツは少し迷ってから『必ず行くね』と返信した。

  • 6◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:36:28

    「こんばんは〜、ポッケちゃんいますか……?」

     夕方。授業と午後のトレーニングを終え、日も暮れかかりの頃。ダンツは制服姿でタナベのジムを訪れた。

    「おう、ダンツ。呼び出して悪ぃな」

     玄関扉を開けると、ポッケが同じく制服姿で、土間の式台のところに腰掛けていた。奥の和室ではフジキセキとタナベトレーナーがちゃぶ台を囲んでおり、手振りと会釈で挨拶する。

    「いいよぜんぜん……その、それで……」
    「……少し、歩かねぇか?」

     授業を休んだのはなんで? 呼び出したのは話があるから? 聞きたくても聞けないダンツの心中を察してか、ポッケはカバンを持って立ち上がった。
     ジムをあとにし、二人で川沿いの道をゆっくり歩く。ポッケがわずかに先を行き、ダンツがそれについていく形。一応、寮の方角へ進んではいるが、どこへ行くのかはわからない。

    「……」

     いつもは何かしら話をしながら歩くのに、今日のポッケはやけに静かだ。その後ろ姿に、ダンツの胸騒ぎが加速する。
     川沿いの道の途中、柳の木を通りかかったときだった。暖簾のように人の顔の高さまで垂れ下がった柳の葉の向こう、ポッケがその先に進もうとした瞬間。

    「っ!」

     なぜだか、ポッケがものすごく遠くに行ってしまうような気がしたダンツ。一歩半先に踏み込んで、ポッケの腕をつかんだ。

    「ダンツ……?」
    「え……あ、ご、ごめん! ポッケちゃん! わたし、なんで……」
    「……いいって、気にすんな」

     そう言ってポッケは、逆にダンツの手を握り返した。そのまま二人、手を繋いだまましばらく歩く……無言のまま。

  • 7◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:36:57

    「……あ、ちょうどいいや、なんか飲もう。奢るぜ」

     ようやくポッケが口を開いたのは、外周トレーニングでよく立ち寄る、鳥居の前の自販機が見えた時だった。

    「え、そんな、悪いよ……」
    「いいからいいから。なに飲みてぇ?」
    「……じゃあ、にんじんジュース」

     オッケー、とポッケは自販機のボタンを押し、ダンツのにんじんジュースと、自分の分のはちみつレモネードを買う。ほれ、とジュースを手渡し、そのまま横のベンチに並んで座る。
     またしばしの無言。自販機のコンプレッサーの低い音だけが、二人の間に響く。

    「……今日、病院に行ってきたんだ」

     レモネードを一気に半分飲んだポッケが、ついに口火を切った。

    「病院、って……」

     奢ってもらったはいいものの、飲む気にはなれなかったにんじんジュースが、ダンツの両手に握られている。結露した水滴が、指先で嫌に存在を主張してくる。

    「天皇賞春の後から、足の熱が引かなくてよ……」

     シニア級の春。ポッケは三月に阪神大賞典、四月に天皇賞春に出走していた。
     阪神大賞典は、ナリタトップロードに一着を譲ったものの、熾烈な二番手争いを制して意地の二着。天皇賞春は、カフェ、トプロとの三人で先頭争いを演じ、カフェにクビ差まで迫って二着。勝利こそないものの、熱い走りでGⅠ戦線を大いに沸かせた。

    「最初は疲れが抜けてねぇだけだと思ったんだが……庇って走ってんのをナベさんに見抜かれて……」
    「それで、病院に……け、検査したんだよね、結果は……?」

     不安そうな顔で身を乗り出すダンツ。対してポッケは、うなだれて下を向き、表情をうかがい知ることができない。

  • 8◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:37:25

    「……左脚の脚部不安。骨折や炎症の一歩手前だったらしい」

     その言葉を聞いて、ダンツは少しだけ胸をなでおろした。ひどい怪我になる前に気づけた、運がよかったとも言える。

    「でも……レースやトレーニングは、控えたほうがいいってさ……」

     ポッケは残った半分のレモネードを煽って飲み干すと、重苦しい息を一つ吐いてから、ダンツのほうを向いて言った。

    「すまねぇ、ダンツ……約束、果たせそうにねぇや……」

     なでおろしたはずの胸が、心臓が、氷漬けにされたかのように冷えて縮む感覚がした。その言葉を口にするポッケの表情が、あまりにも……あまりにもツラそうで、苦しそうで……。

    「っ! わたしのことはいいからっ!」

     持っていたジュースが地面に落ちるのも構わず、ダンツは両手でポッケの肩を掴む。

    「今は治すことだけ考えてっ! 自分を大事にして……!」

     ダンツの悲痛の叫びが響く。今にも泣きそうな、自分のことのように悲しそうな、ダンツのその表情を目の前にして、ポッケは少しだけ自分を恥じた。そうだ、ダンツはそういうやつだったよな……と。

    「泣くなよ、ダンツ……今日行った病院はさ、フジさんが弥生賞の後に診てもらった所で、ナベさんとは馴染みの医者なんだ」

     だから腕は確かだ、治せない怪我じゃない、大丈夫だ。
     ポッケが、ついに零れたダンツの涙を指で拭ってやりながら、そう何度も繰り返す。
     ただ、本当にそう信じているというよりは、泣き出してしまったダンツを慰めるため……あるいは、自分自身に言い聞かせるような口調だった。

  • 9◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:38:07

    「……いまんなって、あん時のタキオンの気持ちがわかるなんてな」

     病院で結果を聞いたとき、ポッケの脳裏によぎったことがあった。怪我の可能性を予見していての出走、一度きりの全力。一瞬のきらめきを残して消えようとした、皐月賞のタキオンが思い起こされる。

    「足が壊れるかもしんねぇ、これが最後でもいいだなんて……どんだけの覚悟だったんだ、あいつ……」

     ポッケとダンツは、その覚悟をもっとも近くで見せつけられた二人だった。

    「俺は……怖ぇ……」
    「ポッケちゃん……?」

     声を震わせ始めたポッケが、ダンツの肩口に顔を埋める。腕を背中に回して抱き着き、くぐもった声で言う。

    「怖ぇよ、ダンツ……俺は……走れなくなるのが怖ぇ……」

     ……⏱……

     ──無事之名バ。

     ダンツは、座学での教師の言葉を思い出していた。
     たとえ華々しい結果を残せなくとも、怪我無く、事故無く、長く走り続ける。それこそが名ウマ娘であり、一種の才能でもある、と。

     後日、ポッケは正式に会見を開き、脚部不安と宝塚記念の回避を公表。
     同じ頃、カフェが凱旋門賞への挑戦を決意。休養と調整を優先するとして、宝塚記念の回避を発表した。
     タキオンも、春の復帰初戦を快勝。続く二戦目も好走したが、調整不足を理由に宝塚記念は出走せず。カフェに帯同してフランス入りし、現地でアドバイザーを務めるらしい。

     約束のドリームマッチは露と消えた。

     彼女らが揃うレースはファンからも期待されていた。特にポッケは、ファン投票で得票数一位だっただけに、世間の落胆も大きく……主役不在のグランプリ、そんな心無い声も聞かれた。

  • 10◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:38:32

    「好き勝手言ってくれるよね~」

     栗東寮、ダンツの自室。ルームメイトのヒシミラクルが、パジャマ姿でベッドに寝っ転がり、スマホを眺めながらぼやいた。口にはお菓子のポッキーが咥えられている。

    「ダンツちゃんも出るし、シャカールちゃんも出るのに、主役不在だなんて……」
    「仕方がないですよ……一番人気はポッケちゃんだったから……」

     そのポッケがいないため、押し出される形で一番人気となったのが、他でもないダンツだった。

    「……そのポッケちゃんは、どうしてるの?」
    「足に負担をかけないトレーニングで、調整を続けてるみたいです」

     聞いていいか迷ったミラ子だったが、ダンツはベッドの上でストレッチをしながらサラッと答えた。

    「でも、元気かって、聞かれると……」

     苦しみながらも走り続けてきたポッケが、今度は走れないことで苦しんでいる。その苦悩は、ダンツでも推し量ることはできない。

    「あんなに走ってたもんね~……」

     エアシャカールと一緒にロジカルじゃねぇ練習量を眺めていたミラ子からしても、最近のポッケの気落ちぶりは思うところがあった。

    「……ところでダンツちゃん。最近なんか、急成長してない?」

     話題を変えようと思ったミラ子が、体を起こしてダンツのほうを見ながら言った。

    「え? そ、そうですか?」
    「うん。なんか、体がガッシリしたというか、前までのぷにぷに感がなくなったというか……ちょっとよく見せて!」
    「み、ミラ子先輩!?」

  • 11◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:39:01

     ストレッチを終えて、ボディミルクを塗ろうとパジャマの裾をめくったところだった。ミラ子がベッドから飛んできて、遠慮なくダンツの身体に触れた。

    「うわぁ!? ふくらはぎカチカチ! 腹筋もバキバキに割れてる?!」
    「ちょ、ミラ子先輩、くすぐったいですよぉ!」

     ミラ子の手つきのいやらしさは置いておくとして、ダンツの身体の仕上がりぐらいは相当な物だった。
     丸っこくお肉が付きやすい体質である、と以前コンプレックスを話していたダンツ。その(ミラ子がぷにぷに触って楽しんでいた)お肉すべてが筋肉に変わったかのような、力強さを感じさせる姿に進化を遂げている。

    「どうしちゃったの……モチモチ肌を目指すんじゃ……?」
    「モチモチ肌も、諦めてはないですけどぉ……」

     圧に押されて若干たじろぎながらも、ダンツは確かな決意を口にした。

    「……私、どうしても勝ちたいんです」


     ……⏱……


     迎えた宝塚記念当日。
     阪神レース場、芝2200m右回り、バ場状態は良。天候にも恵まれ、スタンドには大勢の観客が押し寄せている。
     その中に、ポッケとフジの姿もあった。ゴール板のやや手前、観客の最前列、最終直線の競り合いが見やすい位置にいる。

     だが二人の顔は晴れない。芝の匂い、勝負前の張り詰めた空気の中にあっても、ポッケの心は不思議と凪いだままだ。それを見つめるフジも、掛ける言葉が浮かばない。
     ポッケを連れて見にきてほしい、フジはダンツにそう頼まれていた。詳しいことは聞いていないが、おそらく彼女には何か考えがあるのだろう。

    「……ダンツ、君なら……」

     フジは賭けることにした。ポッケの心にもう一度火をつけられるとしたら、それは……。

  • 12◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:39:33

    『本日のメインレース、宝塚記念。本バ場入場を終え、各ウマ娘たちも気合十分の様子です』

     会場スピーカーからの実況の声を聞き流しつつ、スターディングゲート前で最後の調整に入るダンツ。

    『ここで人気のウマ娘たちを振り返っていきましょう。まずは一番人気ダンツフレーム』
    『昨年のクラシック、前走の安田記念と、GⅠでは惜しいレースが続いていますが、実力は確かですよ』

     ここ一番での強さを見せてほしいですね、などと実況・解説の話す声が聞こえる。だがもはや気にするダンツではない。

    『続く二番人気はエアシャカール』
    『おととしの二冠ウマ娘ですね。ここしばらく勝利がありませんが、鋭い末脚は健在です、期待しましょう』

     人気ツートップでも、評価に「惜しい」や「勝利がない」とついてしまう始末。言われた本人であるシャカールはまったく気にしていない様子だが。あと何人か有力バを紹介したのち、スターターが旗を持って上がった。

    『……さぁ宝塚記念のファンファーレです!』

     音楽隊による生演奏のファンファーレ、それに合わせて手拍子をする観客……ウマ娘たちも今一度気合を入れなおす。
     順調に枠入りが進む。ダンツも三枠三番に収まり、ひとつ息を吐いた。

    (ポッケちゃん……見てて……)

     スタートダッシュの姿勢を取りながら、声には出さず、口の動きだけで呟く。

     真ん中に立てなくても……舞台の端でも、後方であっても、命懸けで演じてきた。
     だから悲観することはない……この大役を演じ切って見せる。

    『枠入り完了。宝塚記念……スタートですっ!』

     開演ベルが、鳴る。

  • 13◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:40:11

     レースは止まらない、止められない。どんなことがあろうとも、様々な想いを乗せたまま。
     集団がホームストレッチ、観客席前の直線を駆け抜けていく。怒号にも似た歓声を全身に浴びながら。

     ポッケは顔を上げられなかった。
     これまでは、自分だったらあそこに付ける、あの娘をマークしてどこで仕掛ける、と言ったことを考えながら観戦していたのに。俯き、口を閉ざし、涙をこらえるかのように眉間に力を入れ……目の前を走り抜けていくダンツ達を、見ることができなかった。

    「ポッケ」

     そのポッケに、フジが声を掛けた。ビクッと肩を震わせたポッケが、恐る恐るフジのほうを向く。見上げた先、フジの横顔は、レースを見据えていた。

    「ポッケ……ちゃんと見てあげて」
    「……」

     フジの視線の先を追いかける。第一から第二コーナーに差し掛かった集団の中、ダンツが四番手に付けているのが見えた。

    「……ダンツ」

     アイツと今日ここでやりあうはずだった……約束を守れなかったことへの罪悪感、走れない自分への怒り。様々な感情が泥のように重くのしかかる。
     また目をそらしてしまいそうになるが、フジの言葉で思いとどまる。ぐっと力を込め、向こう正面を走るダンツを見つめた。

  • 14◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:40:42

     第三コーナー。先頭で逃げを打っていた一人が失速しはじめ、三番手四番手のシャカールとダンツが徐々にペースを上げる。
     後ろからも追い上げが来ている。ダンツは後方の差しをけん制し、自分の進路を確保することもかねてやや外に持ち出した。
     コーナーの向こうに観客席が見える。徐々に近づき、大きくなってくる歓声の中に、ポッケの声はない。

    (……私はやっぱり、ポッケちゃんたちみたいな、すごい才能はない)

     レースも終盤。最終コーナーに差し掛かったところで、ダンツは心を燃やした……走りに想いを込め、伝えるために。

    (それでも、勝ちたい……勝ちたくて……勝てなくて……だけど)

     悔しさを飲んでばかりのクラシックが思い出される。

    (主役になれなかった私が、それでも、って走り続けてこれたのは……ポッケちゃんがいたからだよ? あなたがいたから、あなたに追いつきたくて……ここまでこれたの)

     コーナーを抜けて最終直線。どこかにいるはずのポッケに向かって、走りで叫ぶ。

    (わかるよ、ポッケちゃん……勝てないのは怖い、負けるのも怖い、走れなくなるのはもっと怖い……でも……でも私は!)

     ──諦めてしまうのがいちばん怖い!

  • 15◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:41:10

    「っ!」

     最終直線、歯を食いしばって、地面を深く蹴ってのラストスパート。
     バ場の真ん中を突っ切るダンツの姿に、ポッケはダービーの時と同じ光を見た。

    (諦めたくない! 諦めない! 私だけは絶対に! 何回だって、何十回だって……走って、走って、憧れを超えるんだ! だから……っ!)

     残り200m。シャカールもかわして先頭を捉えたダンツが、もう一度スパートを掛けようとした瞬間……。

    「はっ……!?」
     
     観客席のポッケと目が合った。
     片や時速70キロでの全力疾走中、片や何万人と居る観客の一人。ありえないはずなのに、二人の目線がはっきりと交差する。
     歓声も、実況も、風の音すら聞こえない。時も止まったかのような、二人だけの世界。

     呼吸も忘れているポッケに向かって……ダンツは、虹の光を宿した瞳で告げた。

  • 16◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:41:40

     ──待ってるよ。

  • 17◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:41:51

     音が戻り、時が進む。
     ダンツは前を見据え、最後の坂を駆け上がっていく。

    「…………いけ」

     ポッケは泣きそうになるのをこらえ、大きく息を吸い込むと、観客席の柵に手をかけ、身を乗り出しながら叫んだ。

    「──行けぇっ! ダンツフレームぅっ!!」

     轟いたひと際大きな声援は、波となって広がりはじめる。そうだ行け! 差せ! がんばれダンツ! ポッケを中心に、ダンツを応援する声がどんどん大きくなっていく。

     もう決して、脇役などではなかった。

    「──うああああっ!!」

     叫ぶことで自らに鞭を打ち、最後の力を出し切るダンツ……ポッケたちの応援を背にし、ついに主演を演じきった。ゴールと同時に、割れんばかりの大歓声が響く。

    『ダンツフレームだ、ゴールイン! やったやったぞ! 悲願のGⅠ初制覇! 不屈の炎に揺らぎはなかった!』

     実況も興奮を抑えきれない様子で声を張り上げている。呼応するようにスタンドからは万雷の拍手が鳴る。

    「ダンツ……すごいよ、君は……」

     観客とともに拍手をしながら、フジは目に涙を浮かべていた。きっと彼女にも伝わったのだろう、不屈の叫びが。

    「……サーセン、フジさん、俺行ってきます!」
    「ちょ、ポッケ!?」

     フジが止める間もなく、ポッケがウイナーズサークルに向かって駆け出した。

  • 18◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:42:18

    「……勝ったの?」

     絶え絶えの息と汗だくの身体で、電光掲示板を見上げる。何度見ても、一着の欄には自らの番号である「3」が点灯している。

    「……勝った……勝てた」

     ようやくそのことを認識したダンツ。整いかけた呼吸が嗚咽でまた苦しくなり、汗をぬぐった頬に今度は涙が落ちる。

    「わたし……わたし……!」
    「……おめっとさン」
    「っ! シャカールちゃん……」

     ダンツが嬉しさと苦しさで混乱しそうになっていると、シャカールが控えめに拍手をしながら近寄ってきた。

    「完敗だ……末脚、データ以上だったぜ」
    「……ありがとう」

     それだけ言うと、シャカールは顎で観客席のほうを示した。

    「早く行けよ。あいつら全員、主役を待ってンだぜ?」
    「あ……うん……うん! 行ってくるね!」

     袖で涙をぬぐい、ウイナーズサークルへと駆け出すダンツを、シャカールは何とも言えない表情で見送った。

  • 19◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:42:45

    「ダンツぅ!!」
    「わっ!? あ?! ちょ、ぽ、ポッケちゃん!?」

     ウイナーズサークルにやってきたダンツを真っ先に出迎えたのはポッケだった。係員の制止も振り切って柵を乗り越え、ダンツに正面から抱き着く。ターフビジョンに映されたそれを見た観客が今一度盛り上がる。

    「やった……やったなぁ、ダンツ……おめでとう!」
    「うん……うん! わたし、わたし勝ったよ、ポッケちゃん……!」

     腕を互いの背中に回し、しっかりと抱き合う二人。顔は見えないが、泣いているのはすぐに分かった。

    「……見てたぜ、ちゃんと……オメェの本気、全部受け取った」
    「……うん」

     目元を真っ赤に腫らし、鼻をすすりながらも、一度抱き合いを緩めて真正面から向き合う。

    「俺も……諦めたくねぇ……」
    「ポッケちゃん……」

     見つめあった瞳。ダンツもポッケも、相手の瞳の中に虹色のきらめきを見た。

    「走ろう、ダンツ。何があっても、何回でも……行けるとこまでいっしょに行こう、俺のライバル!」

     その言葉に、ダンツは息をのむ。勝利よりも、なによりも、その言葉が嬉しかった。

    「ポッケ、ちゃん……う、ううう、ぽっけ、ポッケ……ポッケッケ、ポッケちゃーん……!」
    「なんだなんだどうした、そういう鳴き声の生き物かよ!?」
    「ポ゛ッ゛ケ゛ち゛ゃ゛ー゛ん゛!」
    「あーもうわかったわかった! おめでとうダンツ!」

     ぐしゃぐしゃに泣き出したダンツを抱きかかえ、ウイナーズサークルの真ん中でくるくる回るポッケ。阪神レース場が今日一番の歓声に包まれた。

  • 20◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:43:30

     一方フジは、あえてウイナーズサークルからは距離を取り、スタンドの入場口付近に立っていた。
     レース前までの様子が嘘のように元気を取り戻したポッケを遠くに眺めていると、スマホが着信を告げた。発信元はタナベトレーナーで、フジが通話に出ると、待ちきれなかったのか返答を聞く前にしゃべり始めた。

    『フジ、あやつと話をつけてきた!』

     タナベの言うあやつとは、先日ポッケの足を診断し、かつてフジキセキを担当した、タナベ馴染みの医者のことだ。

    『夏の間、あやつのところの設備を使わせてもらえそうじゃ』
    「本当に!? よかった……」

     弥生賞の後、想いを燻ぶらせていたのは、フジとタナベだけではなかった。
     かの医者も、もっと自分にできることはないのか、数年に渡って思いを巡らせ……スポーツウマ娘専門のリハビリテーションセンターの設立を決意した。一人でも多くの夢を叶えるために、より高度な医療環境を。その想いがちょうど実を結ぶところだった。

    「これで、ポッケは……」
    『何を言うとる、お前もじゃ』
    「え?」
    『お前も、鍛えなおすんじゃろ?』

     タナベが取り付けたセンターの使用許可は、二名分だ。

    「……うん、そうだね、分かった……でも、ポッケに話すのはもう少しあとでいい?」
    『ん? どうしてじゃ?』
    「今ちょっと取込中」

     フジの目線の先では、特別に表彰式への参列を許されたポッケが、ダンツの肩に宝塚記念の優勝レイをかけているところだった。

     涙を流しながら抱き合う二人。その写真が、翌朝の新聞一面を飾った。

  • 21◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:43:49

     ──半年後。年末のグランプリ、有馬記念。
     中山レース場、地下バ道の出口手前に、四人のウマ娘が並んで立っていた。

    「……ようやく揃ったな」

     昨年のダービーウマ娘、そして先月ジャパンカップ連覇を成し遂げた、ジャングルポケット。

    「約束、やっと果たせるね」

     上半期のグランプリウマ娘、ダンツフレーム。

    「皆さんが相手だろうと……容赦はしません」

     前回の有馬記念覇者にして、凱旋門賞帰り、マンハッタンカフェ。

    「私にとって未知の距離、それに四人が揃ったことによる変化……いいデータが取れそうだよ」

     無期限休止からの復帰。ポッケ、カフェを倒し、幻の三冠バと言われた実力を証明できるか、アグネスタキオン。

     ポッケはジャパンカップからの連闘、ダンツは久々の長距離、カフェとタキオンはフランス帰りからの間をおかない出走……可能にしたのは、例のリハビリテーションセンターのおかげだった。

    「揃うのを待ってたら、下の世代も出てきちまったけどな」
    「ミラ子先輩たちだね」

     ポッケたちがシニア級を戦う裏で、今年のクラシック・ティアラ戦線も波乱の様相を呈していた。
     そのうち、皐月賞ウマ娘ノーリーズン、ダービー二着シンボリクリスエス、菊花賞ウマ娘ヒシミラクル、秋華賞ウマ娘ファインモーションが、今回の有馬記念に参戦する。
     さらには、キャリアが上の面々もいる。ナリタトップロード、タップダンスシチー、エアシャカール。彼女らを含めた総勢十四名、まさに夢のグランプリにふさわしい陣容だった。

  • 22◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:44:15

    「新世代の連中に、上のやつら、俺たち世代……アガるぜやっぱ、強ぇ奴らとやんのはよ!」
    「……ふと思ったのですが、私たちの世代は、何と呼ばれるのでしょうか……?」

     カフェの言葉に、他三人が一瞬意味を捉えかねて首をひねる。

    「私たちより上の世代ではありましたよね……覇王世代、黄金世代……そういう呼び名が」
    「あ~確かに……なんだろ?」
    「ひとまとめにした言い方か。皐月賞の前は、私の名を取ってタキオン世代などと呼ばれたこともあったが……」
    「おいおい、決まってんだろ?」

     ダンツ達がうーんと唸る中、ポッケが一歩前に出て振り返り、拳を突き出しながら……。

    「俺たち全員で『最強世代』だ!」

     自信満々に、恥ずかしげもなく言い放った。

    「ダサいな」
    「ダサいですね……」
    「ちょっとダサいかなぁ」
    「んでだよ!? ひでぇぞダンツまで!」

     本気だったらしいポッケを、他三人がバッサリと斬る。

    「黄金や覇王と比べてオリジナリティがないというか……」
    「カフェちゃんに同意かな。いつか後ろの世代に塗り替えられそう、みたいな?」
    「最強というのが広義的で抽象的すぎる。特定の世代を指すには不向きだね」
    「ダサさを具体的に説明しないでくれぇ……」

     ポッケが四面楚歌でぶった切られる中、タキオンが「でもまぁ!」と声を上げた。

  • 23◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:44:42

    「みんなで仲良く最強というのも悪くはないが……決めてみたくはないかい? 誰が最強かを」
    「っ!」

     教室でバカ話をしているときのような雰囲気から一変。四人全員の眼に火がともる。

    「ふっ、いいなぁ、やろうぜ!」

     言いながら、ポッケが光の向こう、本バ場に向かって駆け出した。
     残りの三人も、応えるように続けて走り出す。彼女らの足に憂いはない。

    「何回でも、何十回でも!」

     ──そんでもって、最強は……!

  • 24◆WLsRZdbfdTE924/06/23(日) 20:45:14

    おしまい


    映画で、敗北・喪失・幻影と戦ったポッケが、今度は「走れなくなる恐怖」と向き合うことになったら?

    その時、ポッケの手を引くのは、ダンツなんじゃないか?

    映画を見た後、ダンツフレームのその後の戦歴と、ジャングルポケットの宝塚記念回避の史実を知ったとき、そんな考えが浮かび……こうして形にしてみました

    かなり長くなってしまいましたが、書きたいものを書ききったので満足です。今年の宝塚に合わせて投稿できてよかった……


    最後までお読みいただき、ありがとうございました



    ちなみに前作はこちら

    【SS】夏合宿でやることやったと思われるダンポケ|あにまん掲示板「……ポッケちゃん?」 夏合宿の大部屋……寮とは違い、十数人が並んで眠る、いつも以上の集団生活。 部屋割りはたいてい、寮と同じ二人組、チームメンバー、クラスメイト、仲良し友人グループ、などでまとまる。…bbs.animanch.com
  • 25二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 20:54:57

    >>24

    貴方様でしたか…!

    また最高のssをありがとうございます…!

  • 26二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 21:07:09

    アプリ版ポッケシナリオと映画のいいとこ取りみたいで…良いもの見せて頂きました…ありがとう…本当にありがとう…

  • 27二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 21:23:09

    涙腺にきました……

  • 28二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:46:47

    同じ人かなって思ったらそうだった

    めっちゃ良かった!

  • 29二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:48:04

    秋天はどうしたクリスエス

  • 30二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 01:32:09

    こりゃ最高やで…!

  • 31二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 02:57:46

    >>13

    ポッケに、フジが声を掛けた。ビクッと肩を震わせたポッケが、恐る恐るフジのほうを向く。見上げた先、フジの横顔は、レースを見据えていた。


    ここの場面 脳内に鮮明な映像が流れました

    文章力たるや、とてつもないものを感じました

    良いものを見せていただき感謝…

  • 32二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 07:26:28

    映画と育成のネタ満載なのに話の破綻がないのすごい……

  • 33二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 19:21:28
  • 34二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 19:23:59

    はい神
    この調子でもっと書いて(強欲)

  • 35二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 23:18:32

    このレスは削除されています

  • 36◆WLsRZdbfdTE924/06/24(月) 23:34:45

    皆さんありがとうございます。投稿から24時間経ちましたので抜粋して返信をば


    >>25

    >>28

    前作から引き続きお読みいただき感謝です。ダンポケにすっかり脳を焼かれております


    >>26

    >>32

    まさに、両方を混ぜて自分好みにディレクターズカットしました


    >>29

    クラシックでの戦績紹介ということでここはひとつ……


    >>31

    心に響く一文を届けられたようでうれしいです


    >>33

    バレた。ダンツは待っててくれるよね、ってなってそのセリフ採用しました

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