- 1二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:57:50
東京レース場。
客席から溢れる大歓声、巻き起こる熱狂、勝者を称える拍手。
それらは、ターフの腕で威風堂々と立っている、一人のウマ娘に向けられていた。
鹿毛のドーナッツヘア、もみあげの巻き毛、大きな赤いハート型の髪飾り。
ジェンティルドンナは割れんばかりの称賛を、どうだと言わんばかりの表情で一心に受け止めている。
世代を越えた猛者を、海外からやってきた強豪を前に、、剛毅なる貴婦人は、自らの強さを示してみせた。
────その隣に、俺はいない。
俺は彼女の担当トレーナーとしてトゥインクルシリーズを駆けて来たはずだった。
ともにトリプルティアラを制して、あの『暴君』へも挑んだはずだった。
けれど、今のジェンティルの隣には、俺はいない。
知らない人達に囲まれて、良く知っている笑みを、何事もないように浮かべている。
心のどこかでは、わかっていた。
彼女は、俺が担当でなくとも、歴史に残るような結果を出すだろうと。
彼女の走りを、彼女の考え方を、彼女の想いを間近で見て来たからこそ、俺にはそれが良く分かっていた。
────だから、その隣が、俺である必要はない。
だけど、それでも。
胸の奥から、燃え上がるような感情が、込み上げて来る。
聞こえるはずもないのに、伝えたところで意味はないのに、言う資格なんてあるわけないのに。
気が付けば、叫んでいた。
ジェンティルドンナの担当トレーナーは、俺だと。
彼女は、俺の────。 - 2二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:58:04
「……はっ!?」
唐突に意識が覚醒し、身体がびくりと跳ねる。
周囲からぱしゃりと水音が鳴り、ぽたぽたと水滴の落ちる音だけが響く。
ここは、自宅の風呂場。
どうやら、湯舟に浸かりながら眠ってしまっていたようだ。
……風呂に浸かりながら寝るのは気絶と同じ、という話を聞いたことがある。
「はあ、これで体調崩したりしたら、あの子に迷惑がかかるな」
自己嫌悪のため息を吐き捨てて、俺は風呂から上がる。
ふと、鏡を見ると、それはもう、青ざめた顔をしていた。
それが風呂で眠っていた影響なのか、あるいは────夢見の悪さのせいなのか。
「一段と、夢の光景が、はっきりとしてきたな」
柔らかなタオルで身体や髪を拭き、着替えをしながら、夢の内容を思い返す。
俺は、ジェンティルドンナの担当トレーナーとして、順風満帆といえるほど結果を出して来た。
トリプルティアラの達成、三冠ウマ娘を破ってのジャパンカップ制覇。
新人トレーナーとしては出来すぎといって良いほどの、大成功といえる。
そして、ちょうどその頃から、あの夢を見るようになった。
ジェンティルが、俺の傍から離れて、レースに挑んでいく夢。
俺がいてもいなくても、変わらぬ強さと美しさを発揮して、勝ち進んでいく夢。
彼女が海外挑戦を考えている、という話をした時から、夢はさらに鮮明になっていった。 - 3二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:58:23
「……もっと、頑張らないとな」
ジェンティルは言わないし、俺もあえて口にはしないけど、理解はしている。
彼女は、強いウマ娘だ。
類まれなる恵体、それでいて努力家で、高貴で誇り高く、自分にも他人にも厳しい。
隣にいるのが誰であろうと、俺でなかったとしても、勝利を掴み取っていただろうと。
それでも、俺は、彼女のトレーナーでいたかった。
だから、彼女のトレーナーとして相応しくあるために、努力を続けなくてはいけなかった。
「焼きそば作って食べながら、あのレースの映像見て、昨日届いた論文も読まないと、後は」
今夜の予定を組み立てながら、俺は風呂場から出ていく。
脳裏に焼き付いている、夢の光景から、目を逸らすように。 - 4二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:58:39
「……うそ、だろ?」
翌日。
リビングのテーブルの上で目を覚ますと、凄まじい寒気と倦怠感、そして頭痛が襲い掛かって来た。
まさかと思い体温を測ってみれば、そこには平熱とは言い難い数値。
典型的な、風邪の症状である。
恐らくは昨日風呂の中で眠っていたのと、資料を読みながら寝落ちしていたのが原因だろう。
もっと励まねば、と誓っていた矢先に、いったい何をやっているのだろうか。
「ジェンティルに、連絡しなきゃ」
スマホを手に取って、LANEを起動させて、ジェンティルとのトーク画面を開く。
事務的なやり取りが殆どで、たまにお出かけの予定についての話があるくらい。
現状の報告と謝罪、そして今日のトレーニングメニューについて書き、送信ボタンをタップしようとする。
けれど、指が、どうしても動かない。
情けないことに────怖いのだ。
こんな失態をおかして、彼女から呆れられ、見捨てられてしまったらどうしよう、と。
…………彼女は自分にも他人にも厳しいが、薄情な人物ではない。
後日注意はしてくるだろうが、病んでいる相手に追い打ちをかけたりはしないだろう。
そんなこと、良くわかっているはずなのに、あの夢の光景が、正常な思考を阻害する。 - 5二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:58:53
「それで責任から逃げて、あの子に迷惑をかけてどうするんだ」
大きくため息一つ。
俺はもう片方の手で無理矢理押し込むように、送信ボタンをタップし、メッセージを送る。
やがて既読の文字がつき、そして『わかりましたわ どうぞお大事になさって』と返って来た。
その後、学園へと連絡を入れたりして、休むにあたって必要な手続きを済ませる。
そして身体を引きずって近く病院へ行き、診断を受けた。
全てが終わり、そのままベッドへ倒れ込み、しばらくぼーっと天井を見上げる。
「情けない」
ロクな自己管理も出来ていない自分が。
担当への休みの連絡すら怖がってしまう自分が。
彼女に相応しいトレーナーになることが出来ない自分が。
今、眠ったらまたあの夢を見てしまうのではないかと思って────眠ろうとしない自分が。
「……どうせ眠れないなら、論文の続きでも読んでおくか」
俺は布団から起き上がり、リビングへ向かい、放置されていた論文を手に取る。
それが、ジェンティルの走りの役に立つかはわからない。
何が、ジェンティルの役に立つかはわからない。
わかるほど、俺はジーニアスではない。
わからないから、がむしゃらに、貪欲に、吸収し続ける。
ここで得たどれかが、いつかどこかで、彼女の役に立つと信じて、ただ、ひたすらに。 - 6二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:59:10
きらきらと、煌びやかなレース場。
きっと、ここは日本ではない、海外のレース場なのだろう。
建物一つ一つから宝石のような輝きが瞬いて、異世界にいるような気さえする。
そこにいる、恐らくは上流階級な人々の視線の中心に、彼女はいた。
ジェンティルドンナは、美しい飾り皿のトロフィーを当然のように掲げている。
貴婦人の走りは、海を越えて、国越えて、それでもなお、通用するのだ。
そんなことは、俺が一番良く知っているのに。
何故、その隣に、俺はいないのか。
俺は、彼女のトレーナーなのに。
彼女は、俺の。
駆け出そうとするが、直後、全てが闇に包まれて、何も見えなくなってしまう。
しかし、不思議と、怖くはなかった。
微かに重みを感じる闇からは、じんわりとした温もりが伝わってくるから。
そして、何も見えないけれど、彼女の存在を確かに、感じていたから。 - 7二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:59:27
「う、んっ?」
「……ごめんあそばせ、起こしてしまったかしら」
目が覚めると、視界は真っ暗であった。
目の上には柔らかくも、暖かな感触、そして鼓膜を優しげな声が揺らした。
どうやら手のひらが置かれているらしく、直後、それは持ち上げられる。
開かれた視界には、楽しげな微笑みを浮かべる、一人のウマ娘の顔。
鹿毛のドーナッツヘア、もみあげの巻き毛、大きな赤いハート型の髪飾り。
「…………お嬢さん、ここは俺の部屋だよ」
「ええ、存しておりますとも、それが何か?」
担当ウマ娘のジェンティルドンナは、当然のように、そこにいた。
あまりの出来事に、俺は状況を掴めず、周囲を見渡してしまう。
リビングにいたはずなのに、寝室に移動していて、身体は布団に入っている
額には冷えピタが貼られていて、頭痛はいくらかマシになっていた。
……とはいえ、まだ頭は回らない。
仕方がないので、俺は最初から、一つ一つ、聞くことにした。
「えっと、ジェンティル、ここには、どうやって?」
「管理の方に説明したら合鍵を貸してくださったの、私も貴方も有名ですもの、ねえ?」
「……えぇ」
「入って驚きましたわ、病気で休んでいるはずの貴方が、資料の海に溺れているのですから」
「それ、は」
「持ち上げて見れば、お尻はヒーターのように熱く、すぐ風邪だとわかりましたわ」
「尻で体調判断しないで欲しいなあ……じゃっ、じゃなくて、そうだ、風邪なんだよ」
俺は慌てて、口を両手で塞ぐ。
担当に風邪を移すなどもっての他、ジェンティルにはすぐ帰ってもらわなければいけない。
それを伝えようと、改めて彼女の顔を見れば────彼女は、呆れた表情をしていた。 - 8二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:59:44
「今更、ではありませんこと?」
「うっ」
「それに、私は強く、健康な身体を持っているの、それは貴方が一番知ってるのではなくて?」
「ううっ」
「規則正しく、真っ当な生活を心がけて生きていれば、風邪などで揺らぐことはないわ」
ジェンティルは胸を張って、そう言い放った。
良くわからないが、満ち溢れた自信と謎の説得力を感じる、凄みがすごい。
ともあれ、彼女の言うことには一理あった。
今回の風邪の原因は、間違いなく、前日の生活の乱れが原因だったわけなのだから。
朝起きてからは気分が悪く、食事もとっておらず、着替えだって────。
ふと、気づく。
自分の着ている服が、記憶と違っていることに。
「……あの、ジェンティル、さん」
「どうかなさって?」
「…………俺、着替えをした記憶、ないんだけど」
「そうでしょうね、汗でびっしょりだった服を、私が替えてさしあげたのですから」
「…………」
「細身に見えて、随分と逞しい“剛腕”をお持ちだこと」
「………………誤解を招きそうなことを言わないでくれ」
少しばかり愉しげな笑みを浮かべるジェンティルを前に、俺は顔を伏せるのであった。 - 9二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 22:59:57
どうにも、ジェンティルはお見舞いついでに差し入れを持ってきてくれたようだ。
スポーツドリンクやレトルトのおかゆ、フルーツの入ったヨーグルトなどなど。
彼女にしては妙に庶民的だなと感じたが、どうやら、ヴィルシーナに相談したとかなんとか。
……まあ、それはさておき。
今、俺はとてつもなく不思議な状況に直面していた。
「はい、あーん」
「……?」
「口を開けてくださらないと、食べさせられないのだけれど」
「あっ、ごめん……いやいや、おかしいよね、この状況?」
目の前には、お椀に入ったおかゆをスプーンで掬い、差し向けて来るジェンティルの姿があった。
彼女は俺の指摘に対して、わざとらしく小首を傾げて、口角を吊り上げる。
そして、彼女の尻尾がゆらりと動いた。
「あら、私が病人に対して看病を行う、この状況のどこがおかしいのかしら?」
「えっと、その、教え子に看病をさせる、という点かなあ」
「その教え子に身体を運ばせた時点で、今更ですわね」
「……それは、まあ、はい」
「でしたら大人しく、口をお開けなさい────あーん?」
ジェンティルは、スプーンをさらに近づけて来た。
その口元はにまにまと緩んでいて、彼女が“わかって”やっていることが理解出来る。
同時に、いくら拒否しようが退くことないだろうな、ということも、理解出来た。
全てを諦めた俺は、恥を忍んで、彼女へ向けてゆっくりと大口を開ける。 - 10二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:00:11
「ふふっ、いい子ね」
すると、ジェンティルは柔らかく微笑みを見せ、スプーンを俺の口へと運んだ。
ぱくりと食いついて、匙の上のおかゆを浚うと、丁度良い温かさの、優しい味。
それは、どこにでも売っているような、普通のおかゆのはずなのに。
「……美味しい」
ほっと溜息をついて、心からの感想を口にしてしまう。
そんな俺の姿を見てジェンティルは、きょとんとした表情で、目を丸くした。
「随分と美味しそうに食べますのね、そこまでとは思いませんでしたけれど」
「……食べたの?」
「…………少しだけ、ですわよ」
しまった、と失言をした口元を隠しながら、ジェンティルは顔を顰める。
……まあ、彼女自身結構なお嬢様で、こういうの食べたことなさそうだしなあ。
ちょっとだけ子どもっぽい姿を見て、心の中で吹き出しそうになりつつ、俺は言葉を返した。 - 11二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:00:26
「多分、栄養が足りてなかったから、余計美味しく感じるのかも」
「……やっぱり、食事を摂っていなかったのね」
「んぐ」
「はあ、仕方のない人ですわね?」
今度は、俺が失言をする番だった。
ジェンティルは呆れ果てたようにため息をついてから、もう一度スプーンでおかゆを掬う。
「もっと食べていただかないと、さあ、あーん」
そう言って、ジェンティルは再び、スプーンを俺へと差し向ける。
その顔には、どこか慈愛を感じさせるような、優しい笑みが浮かんでいた。 - 12二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:00:41
食事を摂って、薬を飲んで。
満腹感からか、薬の効能からか、あるいは寝不足からか、睡魔がぼんやりと襲ってきた。
でも、せめて、彼女を見送ってからじゃないと────そう考えた矢先、額に手が置かれる。
柔らかくて、暖かな、どこか安心する感触。
それは先ほど俺の目元に置かれていた、ジェンティルの手の感触であった。
「もう…………余計なことは考えずに眠りなさい、後片付けは、済ませておきますわ」
ぐぐっと、ジェンティルに頭を枕へと押し込められる。
彼女にしては、赤子同然の優しい力であったが、まったく抵抗できず、そのまま枕に押し付けられた。
そして彼女の細くて長い手指が、さらさらと、俺の頭を撫でていく。
とても、心地が良い。
一つ、二つと触れられていく度に、思考が緩慢になって、瞼が重くなって来て。
それでも、眠りたくないと、心は抵抗を示していて。
「夢を見るのが、怖いのかしら?」
────突然、投げかけられたジェンティルの言葉に、心臓が大きく跳ね上がった。
意識が一瞬にして引き戻されて、俺は慌てて、声の主を見る。
彼女は、少しだけ申し訳なさそうな表情で、言葉を紡いだ。
「運んでいた時、貴方は苦しそうにうなされていたわ」
「……俺、何か言っていたかな」
「……聞くつもりはなかったのだけど」
「…………そっか」 - 13二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:00:54
本当に、情けない。
体調を崩して迷惑をかけるだけじゃ飽き足らず。
担当に面倒を見させて、あろうことか、つまらない悩みまで吐露してしまった。
何をしているのか、思わず顔を手で覆い────そうになるが、それは阻まれる。
俺の手を優しく包み込む、ジェンティルの両手によって。
「ジェン、ティル?」
「トレーナー、私は、貴方を待ってあげることは出来ないわ」
「……っ!」
「私は、この『脚』で、自らが最強であることを示し続けなければいけないの」
「…………ああ、わかっているよ」
「けれど、貴方が立ち止まることなく前を向き、私を追い続けるというのならば」
きゅっと、ジェンティルは俺の手を、力強く握りしめた。
大分手加減はしてくれているのだろうが、それでも、少し痛いくらいに。
彼女はその美しい真紅の瞳で、真っ直ぐこちらを射抜いて、言い放つ。
「この手は放さず、握り続けていてあげるわ────だから安心して、今は休みなさい」
足りなくても、遅れていても、相応しくなかったとしても。
諦めない限り、自分が引きずってでも連れて行くと、ジェンティルは告げた。
俺の目には、その姿はあまりにも眩しく、あまりにも美しかった。
俺は震える声を、零してしまう。 - 14二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:01:08
「ずっと、追いつけないかもしれないよ?」
「愚問ね、そんなことはあり得ないわ、貴方は、私自らが、選んだトレーナーなのですから」
「……ははっ」
これは、手厳しい。
どうやら俺の未来は、彼女と契約した段階で、すでに確定してしまっていたらしい。
彼女の全幅の信頼はとても恐ろしいものだが、それ以上に、心強い。
あのジェンティルドンナが太鼓判を押してくれるのだ、出来ないわけがないじゃないか。
だから、一歩一歩しっかりと進んで行けば良い。
彼女は、必ず前に居てくれるのだから。
「……わかったよジェンティル、まずは風邪を治して、また頑張るから」
「……ええ、良くってよ」
気持ちが楽になったせいか、身体から力が抜けて、視界が少しずつ暗くなっていく。
薄れゆく意識の中、ジェンティルは悪戯っぽく笑いながら、小さな声で囁くのだった。
「そして早く私の隣へいらっしゃい────『俺のジェンティル』、なのでしょう?」 - 15二次元好きの匿名さん24/06/23(日) 23:02:03
お わ り
よくばりセットみたいなトレーナー - 16二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 03:10:39
例のセリフをドンナの方から言うのがギュンとくる
- 17二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 06:56:46
実装されたら拾われるのか気になりますよね……
- 18二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 07:43:00
ありがてぇありがてぇ
- 19二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 08:11:24
- 20124/06/24(月) 19:18:47
- 21二次元好きの匿名さん24/06/24(月) 23:19:45
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 09:15:17
凄く良かったです
- 23二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 09:24:15
良いもの見たよ
ジェン子とトレーナーの距離感が良かった
鞍上の事を少しでも知ってるとなるほどってなるね - 24二次元好きの匿名さん24/06/25(火) 10:23:20
そういやこの全員で牝馬三冠レースと古馬戦勝ってるんやな
- 25124/06/25(火) 20:13:25